8月 31日

2021-08-31 06:21:21 | Weblog
                         冬瓜・冬瓜汁・かもうり


          冬瓜はれっきとした夏野菜です なのに冬の瓜
          収穫してから常温で2、3ヶ月は品質を落とさず保存できる非常に珍しい野菜だそうです
           つまり、“冬までもつ瓜”だから、冬瓜と名付けられたようです(ネットの知識を拝借)


     北京の宿冬瓜汁のうすみどり          細見綾子


     酔ひ醒めに冬瓜汁の冷め加減          夏目隆夫


     朝採りの冬瓜供ふ飛鳥仏            倉田信子


     冬瓜の味の薄さよ坊泊り            中山敏彦


     小ぶりなる冬瓜買へり寺の市          石原進子


     裏畑に冬瓜育て坊の妻             佐々木美代子


     夫の手を借り冬瓜の二つ切り          橋本佳子


     朱の椀に透く冬瓜のうすみどり         船橋 良


     朝採りの冬瓜土間に転がれり          三井あきを


     忌を修す母の好みし冬瓜汁           日野圭子


     朝穫りの冬瓜土間を狭くせり          田畑 龍



          



     うすくもる日の冬瓜に細き火を          正木ゆう子


     冬瓜のごろりごろりと出羽に雲          鷲谷七菜子


     冬瓜のひとつがふさぐ野菜籠           和田 祥子


     坐りよき冬瓜を乗せ猫車             本宮哲郎


     どこ叩きても冬瓜の貌なりし           上田 操


     冬瓜を置ひに鼓楼をくぐりけり          有馬朗人 


     嫁の座といふ冬瓜のごときもの          奥坂まや




          

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8月 30日

2021-08-30 05:12:23 | Weblog
                        桔梗・きちかう・ききやう・沢桔梗


     おもかげをさだかにしたり白桔梗        細見綾子


     前裁に貧しき桔梗茎からむ           沢木欣一


     木道をはみ出してをり沢桔梗          山口秀子


     母いつも人待つ暮し白桔梗           鈴木真理子


     沢桔梗その紫の滴れり             八尋樹炎


     桔梗や朝の茶席のほの暗し           鈴木英子



          



     白桔梗百日経を写しては            寺井谷子


     むらさきの山気そのまま沢桔梗         渡辺恭子


     桔梗や男に下野の処世あり           大石悦子


     日の暮は雲をゆたかに山桔梗          角川春樹


     かたまりて咲きし桔梗のさびしさよ       久保田万太郎


     朝粥や桔梗ひたせる山の水           桂 信子 


     沼の辺の踏み場なかりし沢桔梗         小路紫峡



          

            沢桔梗

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8月 29日

2021-08-29 06:22:32 | Weblog
                         秋茄子・一口茄子


     秋茄子の尻錆びてゐし翁寺           栗田やすし


     秋茄子を網囲ひして山の畑           中村修一郎


     秋茄子の素揚げの肌の光りたる         石原進子


     笊に採るどれも小振りの秋茄子         丹羽康碩


     秋茄子や嫁の両腕たくましき          古賀一弘


     窯神に秋茄子供へ茶碗市            奥山比呂美


     秋茄子の不揃ひばかり屋敷畑          宮地順一


     神饌の大き秋茄子夜は食ぶ           長江克江


     秋茄子の紺俎板に移りけり           久野和子


     丸やかな秋茄子の尻地に触るる         松永敏江


     秋茄子にバーコード貼る老農婦         山下 護



          

          



     味うすき京の朝餉の秋茄子           今井つる女


     秋茄子の尻キチキチと塩の中          長谷川秋子


     急な客とて秋茄子焼くことに          稲畑汀子


     朝市の秋茄子の色云々す            能村研三


     その尻をきゅっと曲げたる秋茄子        清崎敏郎


     秋茄子や初老といふは水に似て         鍵和田釉子


     秋茄子に世話女房と人はいふ          星野立子



          

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8月 28日

2021-08-28 05:56:38 | Weblog
                        瓢の笛・ひよんの実・いすのき・ひよんのき


          瓢の木とも呼ばれる柞(いすのき)という常緑高木にできるのが瓢の実。
          実といっても、実体は秋に柞の葉で作られる虫瘤、アリマキの巣です。
          虫が出たあとにあいた穴に口をつけて吹くと、ヒョウヒョウと鳴るので「ひょんの笛」と 
          呼ばれています



     ふるさとの風の音なり瓢の笛          近藤文子


     ひよんの笛杜国の墓へひびきをり        福田邦子


     どうしても鳴らぬひよんの実山の晴       利行小波


     ひよんの実を鳴らすみやらび句碑の前      小島千鶴


     ひよんの実を吹けば夕暮近くなる        井沢陽子


     陶土谷見下ろし吹けり瓢の笛          小柳津民子


     ひよんの笛遺影の父に鳴らしけり        山本光江



          



     ひよんの笛鳴らす傘寿の同窓会         中山 杲


     瓢の笛五つに音色五つかな           山田弘子


     どうしても悲しく吹けぬ瓢の笛         後藤比奈夫


     ひよんの実や山の厠へ雨の跳ね         手塚美佐


     瓢の実を貰ひて縁生れけり           星野 椿


     ひょんの笛力を抜きて吹けば鳴る        植松千英子


     瓢の実を吹きて犬山城下かな          成瀬正俊



          

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8月 27日

2021-08-27 05:53:53 | Weblog
                           柘榴・実柘榴


     岩群に翡翠天に石榴の実            沢木欣一


     熟れざくろ猿がかかへて逃ぐるやに       細見綾子


     実柘榴やアルミ格子の相撲部屋         国枝隆生


     常滑の沖まで晴れて柘榴爆ず          矢野孝子


     下校児が跳んで撫でゆく柘榴の実        上杉和雄


     土塀より食み出し柘榴撓なる          都築恭子


     実石榴に海の日が差す窯場道          掛布光子


     水神の屋根にはぜたり石榴の実         加藤祐子


     たわむまま風と遊べり柘榴の実         平 千花子


     実石榴の一つ紅濃き翁寺            日野圭子


     石榴熟る吉野の空の薄曇り           林 尉江


     雨催ひ石榴のジャムを煮詰めをり        中川幸子



          



     昨日寸前今日また寸前熟れ石榴         林  翔


     実石榴や五戸より増えぬ隣組          手塚美佐


     しみじみと日の七彩や柘榴の実         岡本 眸


     石榴割れたり月光に耐へきれず         夏井いつき


     実石榴や夕日の奥の絵本棚           能村研三


     柘榴の実欲しき顔なりゑくぼ持つ        水原秋櫻子


     露人ワシコフ叫びて石榴打ち落す        西東三鬼



          

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8月 26日

2021-08-26 06:09:15 | Weblog
                        棉・棉摘・棉吹く・棉取・棉の桃

          6000~5000年前には栽培が始まったと言われる棉・綿
          摘み取った状態を棉、製品のためにたねを取り除いたものを綿と言うそうです
          掲載には少し早くも思いますが、わたが付いた状態から収穫まで40~50日
          俳句では棉を季語として詠まれています



     細々暮らす人が作りしか畑の棉         細見綾子


     棉の実が弾け三河路晴れつづく         梅田 葵


     棉吹くや一際あをき朝の空           加藤ゆうや


     棉の実の一つ弾けし白さかな          武山愛子


     綿の実のはじけて峡の日和かな         日野圭子


     綿弓を打ちたる宮司綿まみれ          牧野一古


     棉摘むや窯の煙突見ゆる畑           長江克江


     棉打ちの繭まで綿の飛び散りぬ         安藤幸子


     束ね干す棉に陽の差す庫裏の軒         松平恭代



          


     紡げよと棉ことごとく吹く荒地         正木ゆう子


     棉摘むや黄河が吐きしこの泥土         加藤秋邨


     基督に肖し横顔が棉摘みに           平井さち子


     棉吹くや母が遺愛の糸車            栗田素江


     峡の雲棉吹く雨をこぼしけり          富岡計次


     山風に棉ふき出でてましろけれ         太田鴻村 


     二つ三つ棉吹く学級花壇かな          高須禎子



          

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8月 25日

2021-08-25 06:01:47 | Weblog
                        葛の花・葛の葉・真葛・真葛原・葛かずら


     葛の蔓ひたすら垂れて地を探す         沢木欣一


     葛の花松にのぼりて咲くもあり         細見綾子


     伊良湖岬蔓引けば寄る葛の花          栗田やすし


     丹波路の川を狭めて葛咲けり          岸本典子


     葛の葉や倶利伽羅峠雲奔る           石崎宗敏


     土手高き火薬庫跡や葛盛ん           都合ナルミ    


     葛匂ふむかし一揆のありし地よ         小島千鶴


     葛の葉をちぎりて靴の泥拭ふ          横森今日子


     廃線路覆ひつくせり葛の花           奥山ひろみ


     刈り伏せて葛の匂へり狼煙崎          若山智子


     葛の葉や石塔なべて兵の墓           伊藤旅遊


     しろがねの川へ迫り出す葛の花         幸村志保美



          



     隠るるごと葉裏葛咲き奥石見          能村登四郎


     葛咲くや嬬恋村の字いくつ           石田波郷


     むらさきを深く信濃の葛の花          片山由美子


     火の山へゆく花葛の径の幅           大峯あきら


     葛咲くやいたるところに切通          下村槐太


     花葛やこはれさうなる昼の月          夏井いつき


     馬子唄の鈴鹿はのこる葛の花          鈴鹿野風呂




          

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8月 24日

2021-08-24 05:42:19 | Weblog
                       秋時雨


     御像の鉄より黒し秋時雨            沢木欣一


     秋時雨昨日に似たる昼過ぎに          細見綾子


     秋時雨師の句碑となる石濡らす         栗田やすし


     大津絵の泥の赤溶く秋しぐれ          若山智子


     秋しぐれ兵の名多き無縁墓           山下 護


     秋しぐれからゆきさんの発ちし浦        倉田信子


     病院の薄きスリッパ秋時雨           和久利しずみ


     秋しぐれ如来の首といふ巌           近藤文子


     モンローの小さき手形や秋時雨         奥山比呂美


     竹島へ渡る桟橋秋しぐれ            渡辺協子


     信長の馬場の跡とや秋しぐれ          橋本紀子


     廃業の貼り紙濡らす秋しぐれ          前田史江



          



     秋もはや日和しぐるる飯時分          正岡子規


     出てゆきし湖舟を迫うて秋時雨         松本たかし


     白峰陵山気に変る秋しぐれ           能村登四郎


     秋時雨返さぬままの男傘            谷口桂子


     怒濤よりほかに音なし秋時雨          中村汀女


     犬にのみ許す心や秋時雨            草間時彦 


     小安峡秋の時雨を誘ひこむ           佐藤鬼房



          

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8月 23日

2021-08-23 06:36:20 | Weblog
                         ばつた・精霊ばつた・きちきち・米搗ばった・はたはた

          今日23日は処暑 二十四節気の一。暑さが落ち着く時期の意なのですが
          まだまだ暑い秋となっています

          ばったはバッタ目バッタ科の昆虫の総称。
          トノサマバッタ・ショウリョウバッタ・クルマバッタ・ショウリョウバッタモドキ
          など主にこの種類です
          バッタは旧約聖書にもその蝗害(サバクトビバッタ)があるほど
          古くから現代にいたるまでその命をつなぎ続けてきています
          (いつものようにサイトから知識を拝借しております)



     はたはたの飛びしうす羽の曇りかな       細見綾子     


     いつせいに大ばつた飛ぶ甘蔗(きび)畑     栗田やすし


     ほの赤き飛蝗の腹の脈打てる          河原地英武


     ばつたとぶ羽黒詣の杖の先           栗田せつ子


     きちきちの草より淡き翅つかふ         梅田 葵


     夕暮れの鵜河原に跳ぶ青バッタ         小島千鶴


     足元を飛蝗跳び交ふ古戦場           上杉和雄


     ばつた跳ぶ草の雫をはねとばし         国枝洋子


     腕白でありし故郷ばつた飛ぶ          武藤光晴


     八方へきちきち翔たすコンバイン        坪野洋子


     赤錆びの魚雷にばつた跳びつけり        武田稜子



          



     ばつた翔つ弧の入りまじる中をゆく       八木絵馬


     はたはたに蹴られて風のたなごころ       秋元不死男


     土の香に地をうつ飛蝗まひるどき        飯田蛇笏 


     手作りのやうにキチキチばつた飛ぶ       太田土男


     きちきちに骨の音する山河晴れ         野澤節子 


     祈る手の精霊ばつた野に放つ          今枝立青


     はたはたの残れど飛べる音もなし        水原秋桜子




          
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8月 22日

2021-08-22 06:17:40 | Weblog
                        鰯雲・鯖雲・鱗雲


            これらの雲の名称 違いが分かりますか? サイトの知恵をお借りすれば
            <うろこ雲は、いわし雲とも呼ばれ方もしますが、気象学的には巻積雲の一種に分類されます、
            秋を代表する雲で上空の高いところに発生します。
            また、巻積雲は雲が薄く、太陽がすけるため陰ができません。
            ひつじ雲は高積雲の一種です、巻積雲と比べると発生する場所が低く、雲が厚いため、
            底に陰があります。>うろこ雲といわし雲は見る人の見え方でひつじ雲だけは私たちにも
            区別ができそうです と書いてもすぐ忘れそうです



     朝晴れて空を平らに鰯雲            栗田やすし


     北陸や雨あといわし雲が出て          細見綾子


     墓はみな地に垂直に鰯雲            沢木欣一


     誓子見し隠岐の果てまで鰯雲          国枝隆生


     郷の名の失せし地図鰯雲            伊藤旅遊


     舟を吊る輪中の軒や鰯雲            伊藤範子


     鰯雲映して濠の深みどり            中村たか


     出港の吹奏楽やうろこ雲            武藤光晴


     夕焼けの一鱗づつやうろこ雲          鈴木みや子


     鉄の音絶えし船渠や鰯雲            中野一灯


     よく透る庭師の声や鰯雲            菊山静枝


     砂山のクレーンの先に鰯雲           中津川幸江



          



     鰯雲日かげは水の音迅く            飯田龍太


     鱗雲土に円描く子の遊び            鷹羽狩行


     羊雲こゝろの犬は斃れたり           攝津幸彦


     纜を張るやよろこぶ鰯雲            秋元不死男


     をさなごに言葉教える鱗雲           横山房子


     鯖雲の鱗数へて観覧車             大塚とめ子


     鰯雲はたらく人を地に撒ける          福永耕二



          

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