12月 31日

2021-12-31 06:28:12 | Weblog
                     大晦日・大つごもり・大歳・大年・除日・晦日蕎麦


     年移るモンローといふ蘭の花           沢木欣一


     大みそかこぼせしほどの雨降りぬ         細見綾子


     塩断ちに慣れて晦日の蕎麦すする         栗田やすし


     大晦日妻の自転車磨きけり            佐藤とみお


     洗はるる鵜が大年の湯を飛ばす          栗田せつ子


     晦日蕎麦母の習ひの青菜添ふ           野島秀子


     境内に火の爆ぜてをり大晦日           奥山ひろ子


     裏山に猿鳴き交はす大晦日            矢野愛乃


     凸凹の影ある月や大晦日             畑ときお


     青竹の箸添へたるや晦日蕎麦           橋本紀子


     星うるむ大つごもりの仕舞風呂          夏目悦江


     ここへきて是も非もあるぬ晦日蕎麦        鈴木みやこ




          



     オリオンへ向く大年の滑走路           奧坂まや


     大晦日ねむたくなればねむりけり         日野草城


     大つごもり柳生峠の茶屋一軒           村山故郷


     冬田見てゐしが除日の灯ともりぬ         有働 亨


     大年の夕日見にくる奴らなり           夏井いつき


     大年の一匹糶の鮟鱇かな             西本一都


     月さすや年越蕎麦の蒸籠まで           水原秋櫻子



          

           ブログ開設から5972日 おかげさまで来年一月には6000日を迎えます
          今年も拙いブログにお付き合い下さいましてありがとうございました
          コロナは東京では一旦終息に向かうと見せて少しづつ増える傾向にあります
          まだ気を緩めずにどうぞ十分の自粛・自衛で佳い年をお迎えください

          令和四年が皆様にとって幸せな年になりますように
                 ☆ ころころ 
  
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12月 30日

2021-12-30 06:12:43 | Weblog
                        年惜む・冬惜む


     音楽に涙湧きたり年惜む          沢木欣一


     用なきに野川に来たり年惜しむ       細見綾子


     年惜むジャズの流るる喫茶店        鈴木みすず


     反古を焼く煙に噎せて年惜む        伊藤旅遊


     子に愚痴を叱られ年を惜しみけり      上田博子


     年惜む愚陀仏庵の縁に座し         足立サキ子


     年惜しむ信濃土産のワイン酌み       市江律子


     黒革の手帳差し替へ年惜む         梶田遊子


     神棚の御札取り替へ年惜む         宮地順一


     南吉の煤けしランプ年惜しむ        村田和佳美 



          



     かがなべて幾日残らぬ年惜しむ       富安風生


     年惜む波止場通りに鳥の影         岡本 眸


     年惜しむ瓦噛みたる鬼瓦          山田みづえ


     人人に年惜めやと鼓打つ          松本たかし


     胸の中まで日の射して年惜む        深見けん二


     一年の吾が句の瓦礫年惜む         上野 泰


     年惜しむ共に旅せし日を刻み        星野 椿



          

          行く年・年歩む・流るる年・年逝く


     那智滝のしぶきをあびし年も行く      細見綾子


     行く年のらふそく灯る穴大師        日野圭子


     父の杖一寸ちぢめ年送る          森 靖子


     行く年のノート写経の二千編        神尾朴水



     百方の焼けて年逝く小名木川        石田波郷


     ゆく年を惜しむ長巻山水図         森 澄雄


     ゆく年や坂一つなき中央区         鈴木真砂女


     年の内端山歩きをたのしみに        飯島晴子


     あかあかと火を焚き年を歩ましむ      野澤節子




          

          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。




     
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12月 29日

2021-12-29 06:05:20 | Weblog
                       年の暮・歳晩・年の瀬・年果つる・年つま


     音楽に涙湧きたり年惜む          沢木欣一


     うららかさどこか突抜け年の暮       細見綾子


     年の瀬や黒き運河にビール瓶        栗田やすし


     歳晩やガラスケースの古書の艶       河原地英武


     長生きを母に詫びられ年昏るる       栗田せつ子


     歳晩の脚立に背のび玻璃戸拭く       森垣一成


     年末のあいさつ聞こゆ甘味処        武田明子


     子の顔を忘れし妻よ年暮るる        中村修一郎


     歳晩や電飾の灯の青光り          武藤光晴


     氏神に松の薪積み年詰まる         中山ユキ


     年の暮戸毎に御札配り売る         兼松 秀


     宝くじ買ふ歳晩の大安日          安藤幸子




          


     ぶらんこに老人のゐる年の暮        角川春樹


     のれん越に女将のこゑや年詰る       岸田稚魚


     母が吾をまたいでゆきぬ年の暮       夏井いつき


     大原女にまたことづてや年の暮       高浜虚子


     やかましき姑健なり年の暮         夏目漱石


     おもしろい事にもあはす年暮るゝ      正岡子規


     わんといへさあいへ犬も年のくれ      小林一茶


     なりにけりなりにけりまで年の暮      松尾芭蕉




          

          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。 



     
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12月 28日

2021-12-28 05:02:47 | Weblog
                         数え日

           数え日 <納め不動>

           ①<今年もあといく日と、指折り数えるほど暮れが押し詰まること。また、その押し詰まった日。
           《季 冬》>
           ②毎月28日は「お不動さま」の縁日です。年の最後の縁日を「納めの不動」といい、
           1年のご利益お礼と感謝の気持ちを込めて参拝します。お不動様はもちろん不動明王を親しみを
           込めての称です 俳句的には1月28日の初不動の句が多く残されています



     数へ日も一日古書店巡りかな            下里美恵子


     数へ日や煮物の匂ふ路地の朝            飯田蝶子


     数へ日の酒酌み父の忌を修す            江口ひろし


     数へ日や宅配便に母の文              横森今日子


     数へ日やゼンマイ時計巻直す            藤田岳人


     数へ日の路地の子猿の宙返り            山口耕太郎


     数へ日や乳張る牛の息遣ひ             八尋樹炎


     数へ日や寺に干さるる臼と杵            竹中和子


     数へ日や夫の遺愛の腕時計             花村つね


     数へ日や又も牛乳ふきこぼし            石原進子


     数へ日や転居仕度のはかどらず           辻江けい


     数へ日や参道に延ぶ古物市             坂本操子



          



     数へ日の小包解かぬ寄贈本             秋元不死男


     海を見ることで数へ日使ひきる           渡辺輝子


     海を見ることで数へ日使ひきる           渡辺輝子


     数へ日となりし戸口の大蕪             森 澄雄


     数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ         富安風生


     数へ日の教会うらの古着市             斉藤淑子


     数へ日を第九の稽古重ねけり            阿波野青畝



          

          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 
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12月 27日

2021-12-27 05:44:15 | Weblog
                       初雪・新雪

          12月26日深夜東京都心でも初雪となりました


     山初雪枯木の中に顔入れて         細見綾子


     門柱のシーサーに舞ふ初の雪        栗田やすし


     宅急便初雪乗せて届きけり         岸本典子


     新雪に風の紋様まぎれなし         国枝洋子


     初雪や山小屋閉づる槌の音         中野一灯


     新雪へおしくらまんぢゆう崩れけり     奥山ひろ子


     初雪を見せむと母に障子開く        倉田信子


     初雪や波止場で啜る貝の汁         内田蒼天


     ふりかけし程の初雪今朝の富士       中村たか


     櫛買ひて初雪に会ふ奈良井宿        小田二三枝


     初雪の富士の近さよ配流の地        長江克江


     新雪の明神岳映ゆる池の底         山下智子



          



     初雪や嬰の産着の白づくめ         栗山妙子


     山人のよき顔に初雪来           宇多喜代子


     遠つ嶺に刷く新雪や母へ駈く        能村登四郎


     初雪の厚く残りし大藁屋          上野 泰


     新雪に足跡残すは咎のごと         古賀まり子


     初雪に授業中断してをりし         岡田順子


     初雪を頂上にして富士黒し         山口誓子



          

           ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 
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12月 26日

2021-12-26 05:42:16 | Weblog
                       実南天・南天の実

          南天の花は6~7月ころ六弁の白い花を付けて、10月ごろ結実し翌年春まで
          残り枝先に群がった実は晩秋から初冬に真っ赤に色づく。「難を転ずる」に通じることから、
          鬼門や水周りに植え る事が多いのです



     南天の実に惨たりし日を憶ふ          沢木欣一


     ふるさとに南天の実と石路の花         細見綾子


     雪踏んで鵜塚に供ふ実南天           栗田やすし


     実南天町家に残る屋敷神            日野圭子


     表札の墨褪せてをり実南天           山 たけし


     実南天蔵に出入りの藁草履           栗田せつ子


     酢の倉の庭に鳥居や実南天           幸村志保美


     実南天朝日に紅を深めたり           関根近子


     氏神に新しき札実南天             磯田秀治


     井戸蓋に南天の実の散りこぼれ         中山ユキ


     艶やかや馬籠峠の実南天            角田勝代


     四間道の低き軒端に実南天           伊藤登美江



          


          

            南天の花



     南天の実太し鳥の嘴に             高濱虚子


     鴎外の生家北向き実南天            松崎鉄之介


     実南天阿国のくにの巫女美しき         平井あい子


     実南天柄まで真紅や自若たり          中村草田男


     実南天十二神将眉あげて            野澤節子


     長命寺の尾長鳥けふ来ず実南天         石田波郷


     一株は白南天や石道寺             星野麥丘人



          

           ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 


          
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12月 25日

2021-12-25 05:55:06 | Weblog
                    万両・千両(仙蓼)・百両(唐橘)・十両(藪こうじ)


     万両

     万両や着丈合ひたる借り衣裳        飯田龍太    


     万両や使ふことなき上厠          富安風生


     棕櫚縄の朽ちし籬や実万両         佐藤とみお


     屋根神に傾ぐ万両艶めけり         橋本紀子


     万両や湯桶置きあるにじり口        坂本操子



          

     千両(仙蓼)

     いくたび病みいくたび癒えき実千両     石田波郷


     枝折戸を閉ざす山荘実千両         五十島典子


     石棺に鎌の研ぎ跡黄千両          国枝隆生


     梁に吊る嫁入り駕籠や実千両        松本恵子


     神鶏の長き尾を曳く実千両         小田二三枝



          

     百両(唐橘)

     百両へ万両の鉢運ばるる          姉崎蕗子


     末娘唐橘のうるはしゅう          高澤良一


     千両か万両か百両かも知れず        星野立子




          

     十両(藪こうじ)

     吉良さまを敬ふ寺の藪柑子         能村登四郎


     ひとつづつ陽の一点や藪柑子        森 澄雄


     皇子の囲みて赤し藪柑子          国枝洋子


     住み古りて増ゆるにまかす藪柑子      清水弓月


     藪柑子小壺に挿せり藍染屋         中村たか



          

            冬サンゴ


          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 
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12月 24日

2021-12-24 05:24:38 | Weblog
                    聖夜・聖樹・クリスマス・聖菓・サンタクロース


     金銀の紙ほどの幸クリスマス         沢木欣一


     クリスマス冬木の肌の照るをせめて      細見綾子


     白髪また増えて聖夜のケーキ食ぶ       栗田やすし


     クリスマス募金乞ふ列素通りに        河原地英武


     焼酎の美容液ぬりクリスマス         栗田せつ子


     昨夜の雨梢に光るクリスマス         国枝洋子


     星形にクッキー焼けりクリスマス       太田滋子


     工事場の灯と照り合へる聖樹の灯       中斎ゆうこ


     ハンドベル聖夜の堂に弾み鳴る        高橋幸子


     シャンソンの街頭ライブ聖樹の灯       武藤光晴


     聖夜劇子の背の翼大揺れす          嶋田尚代


     厨から母のハミングクリスマス        ころころ




          

          



     へろへろとワンタンすするクリスマス      秋元不死男


     クリスマス羊の役をもらひたる         西村和子


     戻り来し猫の鈴の音クリスマス         片山由美子


     赤鉛筆のぞく聖夜の教師の胸          能村登四郎


     聖夜弥撒ヴエールをつけし母とゐる       津田清子


     聖夜劇濁りなき声満ちにけり          福永みち子


     ビラ配るサンタクロース吾に触る        阿波野青畝



          

          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。 



     
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12月 23日

2021-12-23 05:55:24 | Weblog
                       毛糸編む・毛糸玉


     毛糸編む冬夜の汽笛吾れに鳴り          細見綾子


     毛糸編む母にまつはりゐたるかな         栗田やすし


     診療を待つ間ひたすら毛糸編む          豊田紀久子


     振り向かせたくて転がす毛糸玉          中本紀美代


     節くれの指生き生きと毛糸編む          高岸弘子


     孫に会ふ日を数へつつ毛糸編む          関谷千春


     母の年越えて十年毛糸編む            関根近子


     青年の指たをやかに毛糸編む           稲石治子


     毛糸編む母の匂ひを身ほとりに          掛布光子


     仲直りしたくて毛糸編んでをり          黒木純子


     猫のごと足に寄り来る毛糸玉           相田かのこ


     みどり児の寝顔のぞきて毛糸編む         橋元信子



          



     ルノアルの女に毛糸編ませたし          阿波野青畝


     ふとりゆく妻の不安と毛糸玉           福永耕二


     毛糸玉芯といふものなかりしよ          辻 桃子 


     毛糸編む女をやめてから久し           櫂 未知子


     いつの日の恋の始まり毛糸編む          石田仁子


     毛糸編む母に習ひし機結び            堀田千鶴子


     いつの間にか遠くにありぬ毛糸玉         谷口桂子




          

          ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 
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12月 22日

2021-12-22 05:58:23 | Weblog
                     冬至・冬至湯・柚子湯・冬至南瓜・一陽来復


          一陽来復とは中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が
          甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の「一陽来復(いちようらいふく)」と
          いって、冬至を境に運が向いてくるとしています。つまり、みんなが上昇運に転じる日です
           ( 知識はネットからお借りしました )



     猪肉を煮る味噌焦げて冬至なり       細見綾子 


     子は遠し妻と二人の冬至粥         栗田やすし


     職退くと決めて柚子湯に身を沈む      国枝隆生


     みどり子に冬至南瓜をつぶしやる      小島千鶴


     病む膝に柚子を寄せたり冬至風呂      石原進子


     天も地も染めて冬至の夕日落つ       武田稜子


     大南瓜かかへて来たり冬至寺        都筑恭子


     柚子風呂の柚子見つめをり片思ひ      荒川秀之


     影つれて信号待てり冬至の日        牧 啓子


     吹き吹きてひと日遅れの冬至粥       山たけし


     柚子風呂の柚子手で掬ひ匂ひかぐ      太田滋子


     仏間まで日射し届けり冬至晴        田畑 龍



          



     風雲の少しく遊ぶ冬至かな         石田波郷


     冬至粥ふつふつ煮えて帰り待つ       渡辺 竹子


     柚子湯出て慈母観音のごとく立つ      上田五千石


     夕月の欅をのぼる冬至かな         角川春樹


     年長者の額に日当たる冬至句座       寺井谷子


     本送る底荷の冬至南瓜かな         黒田杏子


     どうらんの堅さ冬至の楽屋かな       小沢昭一



          

          



     一陽来復長湯を妻にのぞかるる       山口いさを


     一陽来復キューピー人形手をひろげ     村山古郷


     縁談をかさね一陽来復の柱かな       田中花楠




          

           ☆  すべての規制が緩和されつつあります、ひきつつづき油断せず手洗い、うがい、
             マスクの着用を。
 
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