11月 30日

2011-11-30 01:13:43 | Weblog
            ( 十一月尽 )

いよいよ明日から師走、十一月を代表する山茶花と十一月の句を紹介します


句碑の背の白山茶花の白静か         細見綾子





あたゝかき十一月もすみにけり        中村草田男





十一月枯れゆくは華咲くごとく        平井照敏





聖樹はや十一月のレストラン         大久保白村


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11月 29日

2011-11-28 23:59:33 | Weblog
              ( 冬牡丹 )



白といふ色あをみけり冬牡丹            橋本白木


咲きかねて紅充ちし冬牡丹             渡辺水巴


花びらに風の翳ある冬牡丹             由木冨美子







冬牡丹格子戸暗き民芸館              遠藤比呂志


人とゐてひとの恋しき冬牡丹            環 順子


積藁の三つある庭や冬牡丹             河東碧梧桐





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11月 28日

2011-11-27 23:48:19 | Weblog
              ( 冬菫 )



渓空に仰ぐ日疎し冬菫            下村ひろし


離宮田の畦のひとつに冬菫          根岸善雄


冬菫校舎の上に海展け            宮津昭彦


わが影のさして色濃き冬菫          右城暮石


冬菫買ひて明るき日の中へ          丹羽啓子




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11月 27日

2011-11-27 00:39:23 | Weblog
            ( 百両・万両 )


百両へ万両の鉢運ばるる             姉崎蕗子






万両の下まだ濡れずしぐれをり          福永 耕二


万両や幾代湧きつぐ隠し井戸           吉田知暁


万両の日にぬくみゐる我もまた          森 澄雄


万両の紅をかざりてのぼり窯           柴田白葉女














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11月 26日

2011-11-26 01:06:08 | Weblog
            ( 冬薔薇 )


冬薔薇日の金色を分ちくるゝ          細見綾子


銀座には銀座の生活冬薔薇           高木晴子


帽子屋のあはせ鏡や冬薔薇          御子柴光子


冬薔薇の咲きためらへる日数かな       吉江八千代


思はずもヒヨコ生れぬ冬薔薇          河東碧梧桐






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11月 25日

2011-11-25 16:19:34 | Weblog
           ( 憂国忌・三島忌 )


昭和45年(1970)に東京・市ヶ谷の自衛隊 駐屯地で割腹自殺をした作家・三島由紀夫の命日
掲載の写真は寺山修司句集 「花粉航海」 真黒な箱から真っ赤な表紙の句集 異彩を放っている
寺山修司(天井桟敷)→三島由紀夫(作家)→美輪明宏 (舞台「黒蜥蜴」)のキーワードから



三島忌の赤きを愛す馬の鞍            磯貝碧蹄館


おむすびの芯なにもなき三島の忌         橋本榮治


三島忌の朝つぱらから木枯しす           山田みづえ


爆ぜさうな石榴の一つ憂国忌            近藤明美





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11月 24日

2011-11-24 00:24:09 | Weblog
           ( 木の実 )



椋鳥の落しし木の実手に染まり           細見綾子


よろこべばしきりに落つる木の実かな        富安風生


店を守る島の女に木の実降る            星野椿



恋人を待たせて拾ふ木の実かな           黛まどか








そよごの実


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11月 23日

2011-11-23 07:38:56 | Weblog
            ( 毬栗 )


今日は勤労感謝の日、風邪心地もあり溜まった仕事も忘れ休むことにした
近年にない忙しさに中々俳句頭になれないが今日一日は俳句を愉しもう


毬栗や冠者顔して木曽に入る           吉田鴻司


毬栗に指の先より近づきぬ             藤田寿美子


毬栗の転がる能勢の棚田かな            大柳篤子


毬栗は丹波の鬼の笑ひなり             筑紫磐井


旅に出て忘れ勤労感謝の日             鷹羽狩行


万歩計腰に勤労感謝の日              道川虹洋


横切った勤労感謝の日の尻尾            宮崎千佳良



  思い出  

吉田鴻司さんとの出会いは20代の後半、千葉県松戸市の市民文化祭の俳句大会の選者として
八木絵馬さんと来られていた時
思いもよらず吉田鴻司さんの特選に入り掲句の色紙を頂き今も狭い書斎の一面に架けてあります
この色紙を頂く時に「お若いね。どうぞお続けなさい」と小さな声で仰られた
この一言が今でも俳句を続けてこられた一つの励みになっています
吉田鴻司さんは2005年に亡くなられましたが角川の「河」の創刊から参加、黛まどかさんの先生
でもありました
嶋田青峰に師事され同門の秋元不死男に指導を受けていたそうです
風貌は写真で見る秋元不死男に似て長身、痩せ型で白髪、とても優しい目をされていました
つくづく俳句を続けてきて良かったと思う近年です






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11月 22日

2011-11-21 22:33:26 | Weblog
              ( 藪柑子・十両 )


医王寺の裏に斧音藪柑子            皆川盤水


子の帰り待ちわぶ谿の藪柑子          福田甲子雄


吉良さまを敬ふ寺の藪柑子           能村登四郎


藪柑子かかる里輪に眼鏡橋           中村草田男






飯桐の実





くろがねもちの実



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11月 21日

2011-11-20 23:42:15 | Weblog
            ( 美男蔓・実蔓 )


整髪料など全く無い時代、皮を剥いてすりつぶし整髪料にしたという事からその名があるようです
つぶすと粘り気がでます
作者に失礼ながら例句があっても今一ピンときません。私の力不足ですね


美男蔓いま青春といふ色に         山田弘子


美女に逢ふ美男蔓を手に提げて       京極杞陽


野中寺に見しもの美男蔓かな        粟津松彩子






しろだもの花




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