7月 1日

2013-06-30 21:00:56 | Weblog
              ( 七月 )



七月の燈台の白波濤の白                 吉田未灰


七月の碧落にほふ日の出前                水原秋桜子


旅へのうづき夜空は張りて七月へ             能村登四郎


七月の少女の産毛金色に                 芦川巣洲


七月やロダン立像漆黒に                 石田あき子


七月や銀のキリスト石の壁                大野林火


七月の光が重し蝶の翅                  橋本多佳子


七月の海階段の小窓にも                 茨木和生








☆~☆ いよいよ一年の折り返しの7月が始まります
7月の東京は行事が目白押し、句種豊富な時期になります

7月6日(土)~8日(月) 入谷鬼子母神の朝顔市
7月9日(火)~10日(水)浅草寺四万六千日 鬼灯市
7月13日(土)~15日(月)佃盆踊り 太鼓だけの念仏踊りです
7月27日(土) 隅田川花火大会
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6月 30日

2013-06-30 01:11:16 | Weblog
                ( 夏越の大祓・茅の輪くぐり・夏祓・形代 )


陰暦六月晦日に行う祓いの称、この神事は形代に半年間の穢れを託し川に流したり
茅の輪をくぐる  深川八幡の大祓いの写真です




思川白きもの立て夏祓                 阿波野青畝


汐の香の海女がくぐれる茅の輪かな         町田しげき


形代に書きて佳き名と言はれけり           片山由美子


車椅子の母と夏越の祓受く              熊田鹿石


茅の香のまづ立ちてきし夏祓             中司信子


神楽殿ずいと夏越の風通す              藤木倶子


みちのくの毳立つ茅の輪くぐりけり          矢島渚男












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6月 29日

2013-06-29 01:43:10 | Weblog
               ( 紅花・紅藍の花・未摘花 )


紅花や婉語も重き出羽訛り             秋元不死男


米沢は雨紅花が駅に咲き              阿部ひろし


紅藍花を活けて風呼ぶ座敷蔵            近藤静輔


鳥海はもとより見えず紅の花            森田 峠


山雲の一日去らず紅の花              岸田稚魚


紅花を挿して染師の屋敷神             中村翠湖


紅花咲くや鋭く曲る最上川             林 翔


降り出でて紅を流しぬ紅の花            下村 梅子



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6月 27日

2013-06-27 05:32:23 | Weblog
                ( 黄菅・日光黄菅 )


日光黄菅とその名覚えてまた霧へ              加藤楸邨


湖光る日光黄菅咲きいでて                  佐藤信子


黄菅咲く父に小さき画帳あり                 山西雅子


古道跡石に黄菅が咲くばかり                 鍵和田釉子


日光黄菅後姿の夏を見き                   川崎展宏


霧ながれ霧あたりゆく黄菅かな                石田郷子


黄菅群れ淡くて富士の沈みがちに               桂樟蹊子






武蔵黄菅





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6月 25日

2013-06-25 00:30:28 | Weblog
              ( 蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華 )


てのひらに蓮の紅玉つゝみたし             沢木欣一


駅裏に旧知の蓮田金沢へ                細見綾子


白蓮の一茎高し泥の上                  田村梛子


一蝶を放ちて蓮華浄土かな                富安風生


紅蓮の鉢並びたる浄水場                 岩瀬鴻水


蓮咲くや榧一本の釈迦如来                長谷川束郊


蓮の花開かんとして茎動く                滝沢伊代次


花蓮田つつ切つてゆく七尾線               児玉真知子












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6月 24日

2013-06-24 01:23:28 | Weblog
                ( 梔子の花・山梔子 )



くちなしの花のかぶさる墓参り             細見綾子


梔子の匂ひをくぐる静けさよ               岩田由美


義元の忌や山梔子の花錆びる              矢野孝子


プールサイドに梔子の花載せ泳ぐ            能村登四郎


山梔子の新しき白古き白                 山田弘子


くちなしの黄ばみし花や甃の上             清水弓月


梔子の渦にとどまる昨夜の雨              伊藤範子





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6月 23日

2013-06-23 08:13:49 | Weblog
               ( 棗の花・なつめの花 )



満月が棗の花にかかりたり                 細見綾子


蚊柱や棗の花の散るあたり                加藤暁台


幽けきは棗の花の月夜かな                光岡朶青子


屋根石にしめりて旭あり花棗               杉田久女


花棗井戸に陰して乃木旧居                松崎鉄之介


棗咲き村に一軒パン焼く店                 田中英子




☆ 昨夜遅くに目覚め見上げた空には満月、今朝の散歩に見た棗の花。
  まさに綾子さんの句の景色だったでしょう
  その散歩のコース植物園には三脚を携えたアマチュアカメラマンが20数名?
  皆一本の大木にカメラが向けられている 多くの野鳥も来るこの植物園でも珍しい人数に
 「どんな鳥ですか?」とたずねると「ツミ」との答え 肉眼では鴉よりふた回りほど小さいが
  番でいる二十数年通って初めて見た野鳥でした





写真はネットの画像をお借りしました



 
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6月 22日

2013-06-22 01:03:05 | Weblog
                ( かぼちゃの花・花南瓜・とうなすの花 )



花南瓜農夫に読まれ本白し                 秋元不死男


舟小屋のうしろ日蔭の花南瓜                上村占魚


線路まで延び人好きの花南瓜                嶋野國夫


存分に蔓延び島の花南瓜                  嶋崎茂子


花南瓜いまだ土間座の窯仕事                稲垣光子


どしやぶりの後の夕日や花南瓜               塚原いま乃


黄の濃さよ日の出前なる花南瓜               両角竹舟郎










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6月 21日

2013-06-21 01:26:28 | Weblog
                 ( 青葡萄 )


婚近き教へ子と食ぶ青葡萄                栗田やすし


孤児の歯を抜いてついばむ青葡萄            沢木欣一


青ぶだうの中に一粒青錆びて               細見綾子


子にだけは唄ふ父なり青葡萄                能村研三


一房の葉にかくれたる青ぶだう              上野 小百合


青葡萄密なりあたり暗きまで                相馬遷子


雨粒のままに雨来て青葡萄                 岡本眸


まだ誰も触れない涼気青葡萄                今瀬剛一







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6月 20日

2013-06-20 00:51:34 | Weblog
               ( 梅雨 )


梅雨の傘摩文仁の丘に来てたたむ           栗田やすし


一隅に夜学教師の梅雨の傘               沢木欣一


馬洗ふ梅雨のすげ笠最上川               細見綾子


梅雨晴の船赤土を満載し                  林 徹


百姓に泣けとばかりに梅雨旱               石塚友二


抱く吾子も梅雨の重みといふべしや            飯田龍太


ジャスミン茶匂ひ濃くあり梅雨曇              高部純子


梅雨深し片戸の開かぬ閻魔堂               犬塚南川


白き花仏にかなひ梅雨ふかし                阿部 光







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