8月 31日

2024-08-31 05:29:11 | Weblog

                 ばつた・精霊ばつた・きちきち・米搗ばった・はたはた

 

 

 

 

                

 

 

 

 

            バッタ(飛蝗)とはバッタ目バッタ科の昆虫の総称。トノサマバッタ・ショウリョウバッタ・

            クルマバッタ・ショウリョウバッタモドキなど主にこの種類です バッタは旧約聖書にもその蝗害(

            サバクトビバッタ)があるほど古くから現代にいたるまでその命をつなぎ続けてきています

 

 

 

          はたはたの飛びしうす羽の曇りかな       細見綾子

 

          いつせいに大ばつた飛ぶ甘蔗(きび)畑     栗田やすし

 

          ほの赤き飛蝗の腹の脈打てる          河原地英武

 

          腕白でありし故郷ばつた飛ぶ          武藤光晴

 

          ばつた跳ぶ草の雫をはねとばし         国枝洋子

 

          赤錆びの魚雷にばつた跳びつけり        武田稜子

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          はたはたに蹴られて風のたなごころ       秋元不死男

 

          ばつた翔つ弧の入りまじる中をゆく       八木絵馬

 

          きちきちに骨の音する山河晴れ         野澤節子

 

          蝗ばつた彼岸の野川流れたり          臼田亞浪 

 

          祈る手の精霊ばつた野に放つ          今枝立青

 

          大名ばった千姫の墓つかみをり         稲荷島人

 

 

 

 

                

 

 

 

                  サイトから一部資料・写真お借りしています    

   

 

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8月 30日

2024-08-30 05:33:03 | Weblog

                         冬瓜・冬瓜汁・かもうり

 

 

 

                

 

 

 

 

          北京の宿冬瓜汁のうすみどり          細見綾子

 

          酔ひ醒めに冬瓜汁の冷め加減          夏目隆夫

 

          朝穫りの冬瓜土間を狭くせり          田畑 龍

 

          小ぶりなる冬瓜買へり寺の市          石原進子

 

          冬瓜の透けて煮上る夕の雨           中山ユキ

 

          朱の椀に透く冬瓜のうすみどり         船橋 良

 

 

 

 

                

 

 

 

          冬瓜のごろりごろりと出羽に雲          鷲谷七菜子

 

          嫁の座といふ冬瓜のごときもの          奥坂まや

 

          うすくもる日の冬瓜に細き火を          正木ゆう子

 

          冬瓜にことに燭のいろ地蔵盆           森 澄雄

 

          冬瓜のひとつがふさぐ野菜籠           和田 祥子

 

          坐りよき冬瓜を乗せ猫車             本宮哲郎

 

 

 

                

 

 

 

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8月 29日

2024-08-29 05:11:27 | Weblog

                              花野

 

 

 

 

             花野は、秋の草花の萩、桔梗、薄、釣舟草、吾亦紅などが咲き誇る野原のことをいいます。

             哀れをさそう趣が秋風に吹かれている花々にはあります。

 

 

 

                

 

 

 

          撫子の花野浄土となりにけり          沢木欣一 

 

          夜汽車いま音をころして花野過ぐ        細見綾子

 

          カルストの起伏花野となりゐたり        栗田やすし

 

          一人佇つ夕日まみれの花野かな         武藤光晴

 

          歩きつつ草喰む馬や大花野           山口登代子

 

          牛飼ひの少年駆くる花野かな          豊田紀久子

 

 

 

                     

 

 

 

          ふもとの灯消えよ花野の日の出前        水原秋櫻子

 

          その花野葛の茂みにはじまりて         能村登四郎

 

          別れ路のいづれ選ばむ夕花野          林 翔

 

          明星と逢ふまで事もなき花野          福永耕二

 

          母と娘に生まれあはせし花野かな        正木ゆう子

 

          アイヌ悲話花野湖水の藻となるや        金子兜太

 

 

 

                     

 

 

 

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8月 28日

2024-08-28 05:50:39 | Weblog

                            秋桜・コスモス

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          コスモスの白が終わりのやうに咲く       細見綾子

 

          秋桜地に倒れても咲き競ふ           栗田やすし

 

          海よりの風にコスモス弾みけり         河原地英武

 

          蛸壺にコスモス活くる漁師宿          志知祥子

 

          占ひは待ち人遠し秋桜             奥山ひろ子

 

          幼子の声コスモスの迷路より          上杉美保子

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          風去れば色とり戻す秋桜            稲畑汀子

 

          枯るるまで風に従ふ秋桜            西村和子

 

          コスモスににらみをきかす赤ん坊        夏井いつき

 

          この頃の空コスモスの色似合ふ         後藤比奈夫

 

          コスモスに遠嶺を入れて娘を写す        横山房子

 

          コスモスに郵便箱のかくれたる         星野 椿

 

 

 

 

                

 

 

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8月 27日

2024-08-27 05:29:23 | Weblog

                        狗尾草・えのころ草・猫じゃらし

 

 

 

 

                

 

 

 

          空き地の子ゑのころ草をまぶしめり         細見綾子

 

          渡し舟待つや岸辺に猫じやらし           栗田やすし

 

          空濠はゑのころ草の野となれり           国枝洋子

 

          雨過ぎし狗尾草に低き風              中山ユキ

 

          夕暮の風と遊べり猫じやらし            太田滋子

 

          主なき畑に今日も猫じやらし            武藤けい子

 

 

 

 

                     

 

 

 

 

          ゑのころの川原は風の棲むところ          稲畑汀子

 

          猫じゃらしローカル線の走る道                玉井梅子

 

          捨自転車狗尾草に沈みをり             舘岡沙緻

 

          草刈機ゑのころ草を噛みにけり           辻 桃子

 

          スケッチの揺れやまざりし猫じゃらし        橋本 道子

 

          こそばゆくなる沢山の猫じゃらし          太田土男

 

 

 

                     

 

 

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8月 26日

2024-08-26 05:54:46 | Weblog

                           女郎花・粟花・男郎花

 

 

 

 

            秋の七草のひとつ女郎花(オミナエシ)の名前の由来は、小さな黄色のお花が粟粒に似ているところから。              

            粟飯(あわめし)の別名、女飯(おみなえし)が変化したとも言われています。

            もうひとつの説はオミナエシのヘシは圧しを意味し、花の可愛らしさは人間の美女も圧倒する

            ぐらいという説もありました。女郎の漢字が、女性を意味する言葉になったのは平安時代。

            女郎とは、貴族の女性(高貴な女性)を表す言葉だったのです。

 

 

 

 

                     

 

 

 

          木と成れり歌垣原の女郎花          沢木欣一

 

          をみなへしをとこへしまた蔓りんだう     細見綾子

 

          どしゃぶりの箱根峠や男郎花         栗田せつ子

 

          放鶏の四五羽が庭に女郎花          武藤光晴

 

          女郎花揺れ合ふ霧の船つき場         岩城のり子

 

          男郎花将門果てしかくれ岩          斎藤八千代

 

 

 

 

                

 

 

                       男郎花 

 

 

 

          波立てて霧来る湖や女郎花          水原秋櫻子

 

          掌にこぼれ五弁仔細に男郎花         富安風生

 

          患者らの朝は声高女郎花           石田波郷

 

          女郎花少しはなれて男郎花          星野立子

 

          昼闇にかたまりやすく女郎花         宇多喜代子

 

          女郎花男もすなる立話            柏岡恵子

 

 

 

                     

 

 

                  サイトから一部資料・写真お借りしています    

 

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8月 25日

2024-08-25 05:36:54 | Weblog

                玉鶏頭 (くるめけいとう)・槍鶏頭(羽毛鶏頭)・鶏冠鶏頭

 

 

 

 

                

 

 

 

          夕市に鶏頭売れり金盥                  沢木欣一

 

          鶏頭を三尺離れもの思ふ                 細見綾子

 

          いま漉きし紙鶏頭の庭に干す               栗田やすし

 

          鶏頭の火の付きさうな一揆村               坪野洋子

 

          空青し美瑛の丘に鶏頭燃ゆ                太田滋子

 

          トロ箱に鶏頭咲かせ路地住ひ               江口ひろし

 

 

 

 

                     

 

 

 

          鷄頭の十四五本もありぬべし               正岡子規

 

          お長屋や黄に紅に鶏頭花                 河東碧梧桐

 

          鶏頭を火と見る齢過ぎしかな               林 翔

 

          泣く吾子を鶏頭の中に泣かせ置く             福永耕二

 

          恋果てゝ鶏頭の紅にも無心                鈴木真砂女

 

          命美し槍鶏頭の直なるは                 石田波郷

 

 

   

 

                     

 

 

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8月 24日

2024-08-24 05:27:46 | Weblog

                     葛の花・葛の葉・真葛・真葛原・葛かずら

 

 

 

          くず粉は12月ごろ掘った根をたっぷりの真水で洗い、水の中で揉んででんぷん質を沈殿させて作ります

 

 

 

                     

 

 

 

          葛の蔓ひたすら垂れて地を探す         沢木欣一

 

          葛咲いて紙漉谷をおほふかな          細見綾子

 

          伊良湖岬蔓引けば寄る葛の花          栗田やすし

 

          丹波路の川を狭めて葛咲けり          岸本典子

 

          木曾と美濃分かつ峠や葛の花          丸山貴美子

 

          刈り伏せて葛の匂へり狼煙崎          若山智子

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          三日居りて山霧のみの葛の花          水原秋桜子

 

          車窓ふと暗きは葛の花垂るる          富安風生

 

          むらさきを深く信濃の葛の花          片山由美子

 

          隠るるごと葉裏葛咲き奥石見          能村登四郎

 

          花葛やこはれさうなる昼の月          夏井いつき

 

          大学に城門残る葛の花             西村和子 

 

 

 

                     

 

 

                   サイトから一部資料・写真お借りしています    

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8月 23日

2024-08-23 05:16:59 | Weblog

                  梨・ありのみ・梨売・ラフランス・長十郎・二十世紀

 

 

 

 

                

 

 

 

          梨売りの頬照らし過ぐ市電の燈         沢木欣一

 

          荷の着きてより洋梨のかをりかな        細見綾子

 

          洋梨に子のてのひらの温みあり         河原地英武

 

          子を叱る後の空しさ梨をむく          安藤幸子

 

          棚低し跡継ぎの無き梨畑            兼松 秀

 

          豊満な土偶の腰やラフランス          三井あきを

 

 

 

 

                

 

 

 

 

          吾ヲ見舞フ長十郎ガ誠カナ           正岡子規

 

          梨をもぐ籠を首より懸けにけり         山口青邨

 

          どこまでも話反れつつ梨甘し          中村汀女

 

          洋梨が版画のやうに置いてある         長谷川櫂

 

          林檎園の中の洋梨寂しからむ          山田みづえ

 

          梨棚のこごみ歩きを子に抜かれ         鷹羽狩行

 

 

 

 

                

 

 

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8月 22日

2024-08-22 05:26:56 | Weblog

                         処暑 (立秋から15日目)

 

 

 

 

            処暑(しょしょ)とは二十四節気の一つ。元来,太陰太陽暦の7月中 (7月後半) のことで白露(9月8日か9日) の

            前日までの約 15日間厳しい暑さの峠を越した頃です。朝夕には涼しい風が吹き、心地よい虫の声が

            聞こえてきます。暑さが和らぎ、穀物が実り始めますが、同時に台風の季節の到来でもあります。

            と説明ではありますがなかなか暑さも納まりません

 

 

 

                

 

 

 

          けふ処暑の机の端の天眼鏡           梅田 葵

 

          処暑の風槇の神木幹太し            武藤光晴

 

          錆びしるきトーチカ処暑の日射浴ぶ       服部鏡子

 

          禰宜さんの袴揺らせり処暑の風         鈴木澄枝

 

          雨荒き音に目覚むる処暑の朝          山本正枝

 

          海見ゆる丘の尼寺処暑の風           長崎眞由美

 

 

 

 

                

 

 

          処暑の富士雲脱ぎ最高頂見する         岸 風三楼

    

          覚めて坐す処暑の昼寝の汗もなく        亀井糸游

 

          けふ処暑の釉をくぐりし黄瀬戸碗        伊藤敬子

 

          空つぽの鳥籠処暑の風が吹く          甲斐すず江

 

          日は燦と処暑の沖波昂ぶれる          小野恵美子

 

          水うましうましと処暑の木曽にをり       菅 美緒

 

 

                

 

 

 

                サイトから一部資料・写真お借りしています    

 

 

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