1月 1日 元日

2019-12-31 18:02:10 | Weblog
                 新年・年新た・年明くる・年の始・ほか 


     一草一木を友年新た              細見綾子


     群羊の一頭として初日受く           沢木欣一


     静かさや辺戸の岬に初日かげ          栗田やすし


     新日記先づ一行は母のこと           丹羽康碩


     研ぎ上げし文化包丁年新た           関根切子


     薄れゆく北斗七星年明くる           矢野愛乃


     榾くべて火の音うれし初竈           下里美恵子


     鯨来る沖の明るし初景色            都合ナルミ


     篝火にひとつ榾足し年迎ふ           近藤文子


     打ち寄する辺戸の白波淑気満つ         福田邦子


     初鏡父似の眉をととのふる           伊藤範子


     笹の葉のふれ合ふ音も淑気かな         岸本典子



          



     恭賀新禧一月一日日野昇            正岡子規


     湯気のたつほかに音なきお元日         宇多喜代子


     大旦はじめの言葉嬰が出す           長谷川双魚


     一月一日棒立の箒かな             四ッ谷 龍


     元旦の最初の客の皓歯かな           能村登四郎


     元旦やいつもの音にいつもの戸         吉田鴻司


     初日さすまつくらがりの町工場         平畑静塔




          


      
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12月 31日 大晦日

2019-12-30 14:37:36 | Weblog
                  大晦日・大つごもり・大三十日・大歳・大年・除日


     第九聴き凶作の年暮れんとす           栗田やすし


     大みそかこぼせしほどの雨降りぬ         細見綾子


     音楽に涙湧きたり年惜む             沢木欣一


     境内に火の爆ぜてをり大晦日           奥山ひろ子


     大晦日妻の自転車磨きけり            佐藤とみお


     洗はるる鵜が大年の湯を飛ばす          栗田せつ子


     裏山に猿鳴き交はす大晦日            矢野愛乃


     星うるむ大つごもりの仕舞風呂          夏目悦江


     凸凹の影ある月や大晦日             畑ときお


     大年の日記子のことのみ記す           相澤勝子



          



     大年や借り重ねたる人の恩            石塚友二


     大晦日ねむたくなればねむりけり         日野草城


     大年の病者励まし帰りけり            瀧澤伊代次


     迫ひかけて届く蜩あり大晦日           松本たかし


     大年の夕日見にくる奴らなり           夏井いつき


     オリオンへ向く大年の滑走路           奧坂まや



      仲見世の裏の月影大晦日             深見けん二



     ☆ 今年も拙いブログにお付き合い下さいまして
       ありがとうございました
       仕事も仕舞に入りつつの更新で、たまに息切れをして
       お休みさせて頂いています
       来年もよろしくお付き合いください
       令和二年、皆様にとって幸せな一年になりますように
       お祈りいたします
                   ☆ ころころ  ☆
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12月 30日 小晦日

2019-12-29 14:45:00 | Weblog
                    霜・初霜・霜の花・はだれ霜・強霜・霜だたみ・霜どけ


     日の出待つ霜の藁塚地に充てり       沢木欣一


     初霜や紫の玉みやげとし          細見綾子


     師は遠し白鳥句碑に霜の花         栗田やすし  


     霜柱踏めばひかりのちりぢりに       梅田 葵


     職引いてぽつぺん鳴らす霜夜かな      国枝隆生


     霜とけて地飼ひの鶏の走り出す       井沢陽子


     手で払ふテントの霜や深山晴        中野一灯


     霜立つや子規の墓域に二寸ほど       田畑 龍


     薄墨の筆ペン握る霜夜かな         伊藤範子


     産声待つ霜夜の廊下行き来して       矢野孝子


     風木舎跡に短かき霜柱           国枝洋子


     一と筋の轍残れり霜の橋          新川晴美


     蔓薔薇の棘赤々と霜の朝          高橋幸子



         


     これは植物のシモバシラ、シソ科の多年草であり、枯れた茎に霜柱(霜華)が
     出来ることで知られる。
     宿根性、花は9-10月頃に咲く。茎の先端側半分くらいの葉腋から総状花序を出す。花序の軸は真上に伸び、
、    花はその軸に茎の先端側に偏ってつきます



         



     霜柱俳句は切字響きけり          石田波郷


     初霜や斧を打ちこむ樹の根つこ       秋元不死男


     はらはらと霜へおとして火を運ぶ      今瀬剛一


     一霜の降りたる竹の箒かな         長谷川櫂 


     霜柱顔ふるるまで見て佳しや        橋本多佳子


     切株のはなればなれに霜を待つ       福永 耕二
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12月 29日

2019-12-28 13:55:59 | Weblog
                   室咲・室の花


・    冴え冴えと顔に来るもの室の花       細見綾子


     ほほゑみし遺影を包む室の花        福田邦子


     サイフォンで点つる珈琲室の花       渡辺慢房


     室の花咲き献体の骨帰る          大島知津


     薄目開け受くる点滴室の花         奥山ひろ子


     あかちやんの寝息すこやか室の花      月光雨花


     七七忌までを盛りに室の花          こころ



          



     室咲の散りたる花も葉の上に        波多野爽波


     やはらかに反れる花びら室の花       清崎敏郎


     紅唇の濡るるがごとく室の花        富安風生


     見舞花どれも室咲雪のあと         石田波郷


     わづかなる雨の二度ほど室の花       岡本眸


     室咲きに水やることも旅支度        片山由美子




          


     
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12月 28日

2019-12-27 15:39:04 | Weblog
                  数え日 <納め不動>


     ①今年もあといく日と、指折り数えるほど暮れが押し詰まること。また、
      その押し詰まった日。《季 冬》

     ②毎月28日は「お不動さま」の縁日です。年の最後の縁日を「納めの不動」といい、
      1年のご利益お礼と感謝の気持ちを込めて参拝します (季 冬)



     数へ日も一日古書店巡りかな        下里美恵子


     数へ日やゼンマイ時計巻直す        藤田岳人


     数へ日や転居仕度のはかどらず       辻江けい


     数へ日や寺に干さるる臼と杵        竹中和子


     数へ日の凶の神籤をもてあます       岡田佳子


     数へ日の酒酌み父の忌を修す        江口ひろし


     数へ日や乳張る牛の息遣ひ         八尋樹炎


     数へ日の路地の子猿の宙返り        山口耕太郎


     数へ日や夫の遺愛の腕時計         花村つね


     数へ日や参道に延ぶ古物市         坂本操子


     数へ日や又も牛乳ふきこぼし        石原進子



          



     数へ日の紺の山より大鴉           廣瀬直人


     数へ日のまた夜更かしとなる選句       鷹羽狩行


     数へ日を第九の稽古重ねけり         阿波野青畝


     数へ日のなかの一日母を訪ふ         角川春樹


     数へ日の欠かしもならぬ義理ひとつ      富安風生


     数へ日の数の中なる師と会ふ日        今瀬剛一




          
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12月 27日

2019-12-26 20:03:07 | Weblog
                  日記買ふ・日記果つ・古日記


     古書街のはづれ十年日記買ふ        下里美恵子


     古書街の昼の静けさ日記買ふ        森垣一成


     表紙絵はモジリアーニや日記買ふ      鈴木みすず


     ハンドベル流る古書街日記買ふ       横井美音


     死ぬ死ぬといひて三年日記買ふ       近藤文子


     ベートーベン流るる書店日記買ふ      奥山ひろ子


     父に似て話し下手なり日記買ふ       土方和子


     漫画本増えし書店や日記買ふ        河合義和


     十年日記果てゝ残りし夫婦かな       牧野一古



         



     日記買ふ夜天を焦がす熔鉱炉        秋元不死男


     強がりの日記果てんとしてゐたり      黒田杏子


     ちぎられし頁あちこち日記果つ       加藤三七子


     秘めごとのひとつやふたつ古日記      山田弘子


     子育ての尽きることなき日記果つ      福屋千穂美


     すでにして己れあざむく日記買ふ      岡本眸


     日記買ふことが愉しく買ひにけり      吉屋信子




          
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12月 26日

2019-12-25 14:57:00 | Weblog
                  年用意・春支度


     年用意利尻昆布の砂落す          細見綾子


     靴二足磨きしことも年用意         栗田やすし


     書架の本入れ替ふるのみ年用意       国枝隆生


     母に買ふ厚き靴下年用意          奥山ひろみ


     屋久杉の箸買ひ揃へ年用意         長谷川美智子


     父の肌着少し値を張り年用意        幸村志保美


     せせらぎに芋を洗ふも年用意        山田悦三


     藍甕の洗ひ干さるる年用意         篠田法子


     紅絹で拭く春慶の膳年用意         吉田青楓


     年用意忙しき町を退院す          夏目隆夫



          



     円鏡のラジオやせわし年用意         小沢昭一


     掛け替へし襦袢の襟も春支度         牧野右太代


     夫婦して買ひ物好きの年用意         西村和子


     色街のしきたりを守り春支度         大久保橙青


     簡単な筈があれこれ年用意          稲畑汀子


     田仕舞の地蔵に供華や年用意         角川源義


     厨の灯ひとつ吊り足し年用意         岡本 眸



          
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12月 25日

2019-12-24 19:45:49 | Weblog
                  年の暮・歳晩・年の瀬・年果つる・年つまる


     年の瀬や黒き運河にビール瓶        栗田やすし


     年の瀬のしぼり問屋の活気かな       細見綾子


     音楽に涙湧きたり年惜む          沢木欣一


     歳晩やガラスケースの古書の艶       河原地英武


     子の顔を忘れし妻よ年暮るる        中村修一郎


     長生きを母に詫びられ年昏るる       栗田せつ子


     魚屋の出刃研ぎ細る年の暮         坪野洋子


     歳晩の脚立に背のび玻璃戸拭く       森垣一成


     マンションの灯りまばらや年の暮      江口たけし


     年の瀬や招き猫拭く仏壇屋         林 尉江


     歳晩や電飾の灯の青光り          武藤光晴




          



     ぶらんこに老人のゐる年の暮        角川春樹


     一睡にもの食ふ夢や年の暮         小川軽舟


     のれん越に女将のこゑや年詰る       岸田稚魚


     子の背広買ふ歳晩のまばゆき中       福田甲子雄


     わがラジオ注連のかけあり年暮るゝ     岸風三楼




          
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12月 24日

2019-12-23 19:26:21 | Weblog
                  聖夜・聖樹・クリスマス・聖菓・聖夜劇


     金銀の紙ほどの幸クリスマス          沢木欣一


     白髪また増えて聖夜のケーキ食ぶ        栗田やすし


     クリスマス冬木の肌の照るをせめて       細見綾子


     クリスマス募金乞ふ列素通りに         河原地英武


     焼酎の美容液ぬりクリスマス          栗田せつ子


     昨夜の雨梢に光るクリスマス          国枝洋子


     シャンソンの街頭ライブ聖樹の灯        武藤光晴


     円卓を囲み女子会クリスマス          太田滋子


     残業の父待つ聖樹灯しつつ           渡辺慢房


     切り口のレーズン匂ふ聖菓かな         二村美伽


     聖夜劇子の背の翼大揺れす           嶋田尚代


     こひつじの園児寝入るや聖夜劇         岡田佳子


     ハンドベル聖夜の堂に弾み鳴る         高橋幸子



          



     へろへろとワンタンすするクリスマス      秋元不死男


     聖夜弥撒ヴエールをつけし母とゐる       津田清子


     赤鉛筆のぞく聖夜の教師の胸          能村登四郎


     クリスマスユダを演じてほめられぬ       岡本眸


     ビラ配るサンタク口-ス吾に触る         阿波野青畝




          

     


     


     
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12月 23日

2019-12-22 13:44:31 | Weblog
                  山眠る



     中国の「臥遊録」の「冬山惨淡として眠るが如し」から》冬の山の静まり返ったようす
     秋は「山粧ふ」、春は「山笑ふ」と、擬人法の典型のような季語であり、
     夏は「山滴る」でですが、これは季語としないという意見もあって、歳時記によっては掲載の無い
     ものも有るようです



     うつすらと裾見せて富士眠りをり      栗田やすし


     土石流家呑みしまま山眠る         田畑 龍


     山眠る大津皇子の墓閉ざし         牧野一古


     ふところに火止めの窯や山眠る       矢野孝子


     殉教の谷の十戸や山眠る          山下智子


     山眠る火気厳禁の札立てて         斉藤真人


     城壁に混じりし化石山眠る         砂川紀子


     群鴉空へ吐き出し山眠る          坪野洋子


     基地の山眠る弾薬庫を抱へ         安藤一紀


     瀬の音も細くなりたり山眠る        森 妙子



          



     肘張りて眠れる山の比叡かな        岸風三楼


     火の山や噴煙あげしまま眠り        水原 春郎


     眠る山起さぬやうに数珠をもむ       丸山佳子


     山々に囲まれて山眠りをり         茨木和生


     土いまだ木の葉のかたち山眠る       正木ゆう子


     薄目せる山も混りて山眠る         能村登四郎
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