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8月 1日

2020-07-31 13:45:30 | Weblog
                        雲の峰・入道雲・雷雲・積乱雲・峰雲

          「雲の峰」は陶淵明の漢詩「夏雲多奇峰」から出た言葉で夏の積乱雲のことです
           積乱雲が山の如く白く濃くむくむくと湧きのぼりせりあがる様を山にたとえて峰です
           ( 今日もネットからお言葉拝借 )  梅雨が明ければ猛暑が待っています
           コロナにも熱中症にもどうぞご注意ください


      虹懸けて男盛りの雲の峰             沢木欣一


     積乱雲灼け少年の日去るらし           細見綾子


     峰雲をそびらに青き八ヶ岳            国枝隆生


     丘陵に牛が草喰む雲の峰             牧野一古


     強力の一歩一歩や雲の峰             小長哲郎


     四方より雲の峰湧く草千里            つのだひろこ


     雲の峰攻め焚く窯の黒煙             江本晴子


     船荷積クレーンの音や雲の峰           田端 龍


     時化去りて入道雲の湧き出づる          平居正臣


     雲峰の育つ早さや沖かもめ            武藤光晴


     宙に舞ふ海豚のジャンプ雲の峰          丹羽一橋


     甲斐駒に入道雲の仁王立ち            坂本操子


     八ヶ岳より雷雲の押し寄する           高橋幸子



          



     雲の峰幾つ崩れて月の山             芭蕉


     しずかさや湖水の底に雲のみね          一茶


     湧きいでし入道雲の笑顔なる           瀧澤伊代次


     ブルドーザー雲の峯まで平らさむと        津田清子


     雲の峰雲の峡あり大石田             福永耕二


     三猿の語のひびくかな雲の峰           秋元不死男


     乳母車帰る峰雲ばら色に             橋本多佳子




           

            秋田県入道崎の雲の峰
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7月 31日

2020-07-30 14:36:02 | Weblog
                        夏蝶・揚羽・しじみ蝶 など

          蝶々は一年中見られます、夏蝶といって特別種類が有るわけでなく
          蝶が成虫になる季節に応じて、「春型」「夏型」「秋型」などと呼ばれて
          いるようです
          春型 = 春に見られる姿
          夏型 = 夏に見られる姿
          秋型 = 秋に見られる姿   (ネットから知識をお借りしました)


     黒揚羽廃墟の城の水汲み場            細見綾子


     緑蔭の大地嘗め嘗めしじみ蝶           沢木欣一


     揚羽来る尚円王の玉御殿             栗田やすし


     雲走る三角点に夏の蝶              国枝洋子


     夏蝶来伊勢の家並の古格子            矢野孝子


     落日の妙義山背に黒揚羽             奥山ひろ子


     影見えて影より大き黒揚羽            梅田 葵


     夏蝶が舞へりダヴィンチ最後の地         上田博子


     夏の蝶尼僧の墓に翅休む             太田滋子


     御社を移せし跡や黒あげは            武藤光晴


     ペンキ塗り終へし濡れ縁揚羽来る         瀬尾武男 


     朝稽古果てし土俵に夏の蝶            奥山ひろみ



          



     生るるより烏揚羽の神楽舞ひ           吉田鴻司


     おのれより巨き影つれ揚羽蝶           福永耕二


     山の子に翅きしきしと夏の蝶           秋元不死男


     蜜を吸ふ紋鮮やかに黒あげは           右高芳江


     夏蝶や水郷の橋みな低し             渡辺初雄


     夕映えの田水を飲めり夏の蝶           水野時子




          
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7月 30日

2020-07-29 15:12:51 | Weblog
                        梅雨明・梅雨あがり・送り梅雨・出梅

         例年ならとっくに明けている梅雨です 来週には眩しい日差しが戻るでしょう
         送り梅雨とは、梅雨が明ける頃に降る大雨のこと。激しい雷雨となることが多いようです
         「早く梅雨が明けて欲しい」という願いが込められた季語
         まさに今日のことです



     梅雨明けの潟の光が街裏に            沢木欣一


     鵜の眠る闇深々と送り梅雨            栗田やすし


     梅雨明けの夕日丹沢山に落つ           細見綾子


     病む妻へ玉子粥炊く梅雨の明           石原筑波


     梅雨明や義歯はめて終ふ旅仕度          丹羽康碩


     傘骨の曲りしままや梅雨の明           中斎ゆうこ


     病名のまたひとつ増え梅雨の明          丹羽一橋


     若冲の鶏の白さよ梅雨明くる           栗田せつ子


     梅雨明や差し汐川にせめぎ合ふ          武藤光晴


     尾を振つて牛売られゆく梅雨の明         山本光江


     母の髪手櫛で梳きぬ送り梅雨           村瀬さち子


     茹卵つるりと剥けて梅雨明くる          篠田法子


     
          



     ひぐらしにつづく朝禽梅雨明けむ         水原秋櫻子


     庭石に梅雨明けの雷ひゞきけり          桂 信子


     梅雨明けや胸先過ぐるものの影          吉田鴻司


     梅雨明けや森をこぼるる尾長鳥          石田波郷


     みちのくの古づけ噛んで送り梅雨         下田 稔


     鐘撞いて僧が傘さす送り梅雨           森 澄雄




          


     
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7月 29日

2020-07-28 12:41:18 | Weblog
                       朝顔・牽牛花  <季=秋>


     朝顔に水やりしあと月待ちし          細見綾子


     朝顔やまだ濡れてゐる川草履          栗田やすし


     朝顔の蜜吸つて母忍びけり           上田博子


     綾子忌の雨に色増す牽牛花           武田稜子


     朝起きてまづ朝顔の花数ふ           太田滋子


     子規庵のあさがほの青色褪せし         玉井美智子


     朝顔の小ぶりとなりて紺深し          山下 護


     野朝顔からまる岩や自決壕           平千花子


     朝顔の明日咲く蕾数へけり           小栁津民子


     母の庭地を這つて咲く牽牛花          伊藤貴美子


     朝顔の鉢二つ提げ銀座線            森田とみ


     裏庭に咲く朝顔の紺ばかり           河井久子


     朝顔や遠くなりたる母の家           中川幸子



          



     朝顔の紺のかなたの月日かな          石田波郷


     休暇はや白朝顔に雨斜め            中村汀女


     海の色に朝顔咲かせ路地ぐらし         菖蒲あや


     よき序文白朝顔の傍で書く           能村登四郎


     朝顔の紺の向ふの遠伊吹            近藤一鴻


     朝顔の今朝もむらさき今朝も雨         水原秋櫻子


     大輪の藍朝顔やしぼり咲き           杉田久女



          



          
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7月 28日

2020-07-27 15:51:35 | Weblog
                       空蝉・蝉の殻 


     おびただし泰山木に蝉の殻            栗田やすし


     禅寺の空蝉すがる干蒲団             細見綾子


     手のひらに載す空蝉の重さかな          小長哲郎


     伊勢一の鳥居の脚に蝉の殻            梅田 葵


     空蝉や色の褪せたる仁王像            磯田なつえ


     空蝉の殻義仲墓所の苔つかみ           巽 恵津子


     庭下駄の鼻緒掴めり蝉の殻            足立サキ子


     空蝉の結びみくじにすがりをり          廣島幸子


     洞窟のマリアの裾に蝉の殻            長江克江


     空蝉や爪に力の残りたり             吉田明美



          



     空蝉や夕景といふ白きもの            夏井いつき


     空蝉の一太刀浴びし背中かな           野見山朱鳥


     少年の机に地図と空蝉と             大木あまり


     空蝉の一つが見えてあまた見ゆ          岩田由美


     空蝉に蝉のかなしみ残りけり           林 翔


     森閑とこの空蝉の蝉いづこ            福永耕二



          
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7月 27日

2020-07-26 16:07:21 | Weblog
                         青胡桃


      樹の男青き胡桃を地に落す            沢木欣一


     石をもてたたき落とせし青胡桃          細見綾子


     天壇の裏で拾へり青胡桃             栗田やすし


     水車小屋のこる旧家や青胡桃           上田博子


     川風に揺るる枝先青胡桃             福田邦子


     木曾谷へ枝垂れ影なす青胡桃           野島秀子


     山坂に沿ひし瀬音や青胡桃            小原米子


     丸子路は小雨にけぶり青胡桃           矢野愛乃


     石を積む余呉の岸辺や青胡桃           熊澤和代


     木曽川の水まんまんと青胡桃           牧野一古


     青くるみ荒瀬へ枝を張りゐたり          巽 恵津子


     旧道はダム湖の底ひ青胡桃            幸村志保美


     青胡桃ぬれてころがる古戦場           近藤文子



          



     青胡桃飛ばして栗鼠ぞ木がくるゝ         石塚友二


     三叉路の一つは海へ青胡桃            鍵和田釉子


     信濃いま雄時房なす青胡桃            能村登四郎


     青胡桃村家入口向きむきに            中村草田男


     一閃の雷火のなかに青胡桃            阿波野青畝


     ルーベンス満喫ふとる青胡桃           林 翔 



          
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7月 26日

2020-07-25 13:34:51 | Weblog
                      蟻・蟻の列・蟻の道・蟻の国


     蟻這へり地震で崩れし城の垣           栗田やすし 


     窯出しの地に大蟻の逃げ惑ひ           沢木欣一


     華やかな着物にて立ち土の蟻           細見綾子


     六法に付箋あまたや羽蟻の夜           河原地英武


     銭錆ぶる賽の河原に蟻走る            小長哲郎


     身の丈を越す国境の蟻の塔            都合ナルミ


     蟻這へり磴千段の一段目             佐藤とみお


     みくまりの岩這ひのぼる山の蟻          若山智子


     蟻の列投込寺の寄せ墓に             武藤光晴


     飴ひとつ置く悪戯(いたづら)や蟻の道      櫻井幹郎


     宮殿に隣る石牢蟻の列              豊田紀久子


     屋敷神へ行きつ戻りつ蟻の列           橋本紀子


     蟻の道一人遊びの子に曲がる           ころころ



          



     つよきもの欲ればみしみし蟻きたる        秋元不死男


     もの書けるわれを見上げて夜の蟻         鷹羽狩行


     菓子つまむ蟻ころしたる指をもて         野澤節子


     山の蟻叫びて木より落ちにけり          大串 章


     大蟻の真正面に大蟻来              夏井いつき


     暁方やみにくき蟻をつたいゆき          宇多喜代子


     尼さまの円座をよぎる山の蟻           飯田龍太




          
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7月 25日

2020-07-24 16:11:10 | Weblog
                       蝉・おし蝉・初蝉・夕蝉・落蝉


     一雨が洗ひし野川蝉鳴き出づ            細見綾子


     語り部となりし老爺に蝉時雨           栗田やすし


     予備校の前の落蝉掃かれけり           河原地英武


     みんみんや谷の底なる一           下里美恵子


     少年のポケットに蝉鳴きやまず          矢野孝子


     蝉の声はたと止みたる真つ昼間          上杉和雄


     初蝉や卑弥呼の里の曲り角            国枝洋子


     雑木には唖蝉ばかり鎮魂碑            田畑 龍


     落蝉や弥生遺跡の草の上             武藤光晴


     豪族の土塁の跡や蝉時雨             森垣昭一


     熊蝉や枝奔放な三保の松             磯田なつえ


     白き翅かすかに震ふ羽化の蝉           平松公代


     みんみんや人の湧き出す三鷹駅          梶田遊子



          



     じいと鳴く蝉それきりの朝ぐもり          能村登四郎


     古伊万里のすこし明るく蝉しぐれ          鷲谷七菜子


     あぶら蝉夜明の土にゐてあゆむ           水原秋櫻子


     子を殴ちしながき一瞬天の蝉            秋元不死男


     みづうみに出でし園児に松の蝉           飯田龍太


     これもまた浪花の声の油蝉             鷹羽狩行




          
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7月 24日

2020-07-23 14:42:49 | Weblog
                      仏桑華・琉球むくげ・ハイビスカス・紅槿(こうきん)・扶桑花


      蘂つたひ露の玉落つ仏桑華             沢木欣一


     断崖へ来て海に投ぐ仏桑華             栗田やすし


     軍機とぶ遙拝の地や仏桑花             平 千花子


     壕出でし目にしむ赤き仏桑花            鈴木みすず


     ひめゆりの塔にハイビスカス捧ぐ          武藤光晴


     原種てふ少し小ぶりな仏桑花            中根多子


     水牛の角に一輪仏桑華               丸山貴美子



          



     島人の血はかくも濃し仏桑花            青柳志解樹


     家よりも墓ひろびろと仏桑花            深見けん二


     太陽へ蕊をあらはに仏桑花             石谷秀子


     ハイビスカス一と日の色を咲き尽す         穂坂日出子


     仏桑花真紅の声を挙げて基地            山田みづえ


     口笛は幼くかなし仏桑花              塚原麦生


     空灼けてゐねばハイビスカス萎む          後藤比奈夫




          
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7月 23日

2020-07-22 15:02:06 | Weblog
                       大暑

          大暑とは二十四節気のひとつ夏の最後の節気です
          日付としての2020年の大暑は7月22日。
          期間としての2020年の大暑は7月22日~8月6日までです。
          これからまだ暑い日は続きますがこの大暑の期間に中暑(暑気あたり・
          熱中症)が多いので改めてご注意です
          今年はコロナ禍の中マスク熱中症などと言う新語生まれました



     洗ひ場の鯉が跳ねたる大暑かな          栗田やすし

 
     能登さざえ生きて届きし大暑かな         細見綾子


     送電線弛みきつたる大暑かな           国枝隆生


     ボンネットバスで往き来や島大暑         岸本典子


     山並みの歪みて見ゆる大暑かな          伊藤旅遊


     増水の川ぎらぎらと大暑なる           谷口千賀子


     前髪の額にはりつく大暑かな           市原美幸


     靴底に小石くひこむ大暑かな           国枝洋子


     蛇口みな上向いてゐる大暑かな          篠田法子


     裏打ちの糊に水足す大暑かな           長崎真由美


     腕に水かけて大暑の刀鍛冶            幸村富江


     樅の木に鴉鳴き合ふ大暑かな           荻野文子



          



     かたちよき濤たちあがる大暑かな         辻 桃子


     墨ゆたかに下ろす一筆大暑なり          古賀まり子


     水晶の念珠つめたき大暑かな           日野草城


     大津絵の鬼の朱色の大暑かな           能村登四郎


     兎も片耳垂るる大暑かな             芥川龍之介


     みづかきで掻く水やはらかき大暑         正木ゆう子



          
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