5月 31日

2011-05-31 00:32:57 | Weblog
             ( 待宵草 )


朝の間の待宵草に雨ありし            西村和子


鵜捕り場に待宵草の吹かれをり          町田しげき


馬匂ふ待宵草の母の刻              友岡子郷


待宵草片淵は暮れ鮎をどる            木津柳芽





ブラックベリー





浜梨(はまなす)

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5月 30日

2011-05-30 01:27:04 | Weblog
            ( 吟行で拾うもの )

昨日のNHK朝6時30分からの番組「どこでも俳句」は東京秋葉原電気街を吟行するという
設定でした。ご覧になった方も多いと思います
その中で吟行とはとテロップが流れていて「吟行とは季語を探す、俳句になる題材を探す」とあり
ほっとしました。常日頃、友人からもどんな風に吟行をするのか聞かれる度に「朝起きてから吟行が
始まってその日の季語を探して歩いてる」と答えていたから。これは誰にも教わったわけではないから
何となく嬉しかった
先日の吟行地、平林寺本堂の西側広縁の一枚の写真にも「夏障子」「竹簾」が見えています
やはり季語から詠めた句は出来は兎も角季語が動かないような気がします


夏障子破れて森が見えてをり        大石雄鬼


夏障子するするあいて鳥海みゆ       渋谷道




同じ広縁に夏布団


若竹や色もちあふて青簾           正岡子規


女絵の扇やたたむ竹簾             栄政


夏布団薄く敷きつめ坊泊り           関口 碧


夏布団ふわりとかかる骨の上          日野草城




若葉影(野火止にかかる橋の欄干)


みかぐらや若葉影さす春日宮          中勘助


硯箱若葉影さす座机に             小川濤美子








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5月 29日

2011-05-29 00:56:12 | Weblog
            ( 沙羅の花・夏つばき )

今日29日は歌人 与謝野晶子、俳人、橋本多佳子の忌日


鬼の首祀る本堂沙羅の花              清水弓月


沙羅の花捨身の落花惜しみなし           石田波郷


釈迦堂の沙羅の白さを皆仰ぐ            白岩玲子




車輪梅・花木斛


咲きのこりつつ惻々と車輪梅            河合凱夫


晶子忌の大事にしまふ筆一本            禰寝雅子


多佳子忌の宮居に拾ふ落し文            児玉幸子



 伊吹嶺5月号 秀峰集より 

医師の背に立春の陽のあふれたる
理髪屋のタオルが熱し春の雨
汚れ雪踏みくる袮宜の青袴
畑打つや土の匂ひを顔に受け
眉濡らす夕まけて降る春の雪
桜の芽ペダル軽やか歯科大生          清水弓月




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5月 28日

2011-05-28 00:59:48 | Weblog
             ( 梅雨入り )

昨日、関東甲信・東海地方が史上2番目の早さで梅雨入りしました。
写真は柏葉紫陽花



馬洗ふ梅雨のすげ笠最上川            細見綾子


石切りし梅雨の奈落に観世音           野澤節子


抱く吾子も梅雨の重みといふべしや        飯田龍太


島にあがる魚美しき入梅かな           大峯あきら




蝸牛(ででむし)



この頃の降れば荒れぐせ蝸牛           深見けん二


雨の音眼で聞きてゐる蝸牛            吉田銀葉


でで虫の小さきは小さき殼を負ひ         大野隆史



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


特選は豚のブロンズ冬ぬくし
凍土の土間に靴脱ぐ避難小屋
抑留の破れ軍服冴返る
股のぞき尻に春日の限りなし
蟹みそに酌み合ふ地酒暖かし       藤田岳人


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5月 27日

2011-05-27 00:35:06 | Weblog
            ( えごの花 )

5月23日栗田先生の句碑除幕式の翌日、名古屋の伊吹嶺のお仲間の案内で明治村に行って
来ました。博物館明治村は100万平方メートルの広大な敷地に明治から昭和初期までの
歴史的建造物67棟を各地から移築し、とりまく自然も生かされた素晴らしいロケーションの
地です。生憎の雨模様でしたが楽しい一日でした


夏見舞明治村より出しにけり           井上壽子


えご咲いて水も思ひもとどまらず         野見山ひふみ


えご散るやうすくらがりに水奔り         鷲谷七菜子




谷うつぎ


空病みて川かなします花うつぎ           岡本 眸


葉裏まで雨粒を溜め花うつぎ            西村和子


谷うつぎ諱を呼ぶは誰ならむ            阿部菁女




ザビエル天主堂



天主堂薔薇窓




天主堂薔薇窓


 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


春の雪ひかりの雨となりにけり
生まれ来て春の光をまとひけり
学食の椅子かたかたと寒戻る
頭よりまづ雪払ひ受験生
卒業を祝ふ後輩フラメンコ
黒光る古書店の床暮かぬる          河原地英武







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5月 26日

2011-05-26 00:33:19 | Weblog
            ( 平林寺 )

名古屋からのお客様を平林寺にご案内してきました
平林寺は「金鳳山 平林禅寺」が正式名称で専門道場を持つ関東代表の臨済宗妙心寺派の禅刹です
平林寺は永和元年(1375年)現在のさいたま市岩槻区に創建され寛文3年(1663年)
今の野火止の地に伽藍および墓石に至るまで移築されました
武蔵野の面影を残す13万坪の境内林にはコナラ・クヌギの雑木やモミジが多くを占め
30種以上の野鳥が生息しています
ここ数日の不安定な気候から一転、心地よい初夏の風の中の一日でした




落し文(野火止の遊歩道にて)

落し文ありころころと吹かれたる          星野立子


西行の道みな細し落し文              鷲谷七菜子


落し文すべて新なる葉を使ふ            中戸川朝人


しんかんと行く四五人や落し文           綾部仁喜




蟻地獄(本堂の広縁の下に)

蟻地獄すれすれに蟻働けり              加藤かけい


蟻地獄みな生きている伽藍かな            阿波野青畝


蟻地獄鐘楼の土知り尽す               石川桂郎









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5月 25日

2011-05-24 23:36:59 | Weblog
           ( 夏蜜柑の花 )


夏みかん。いつも不思議に思って居た事の一つに夏みかんの実も花も同時に木に在って
どちらも夏の季語ですね その今果実になっているものは去年の結実されたもの
晩春~初夏の消費の果物とされています 花は5月一七季の内初夏になっています
詠み手としては実のほうに物語が広がるような気がします 同じく下の写真は橘です
柑橘系の花はとても似ています



夏みかん手に海を見る場所探す         細見綾子


眉に力あつめて剥けり夏蜜柑          八木林之助


夏みかん灯虫もほのと来初めけり        中村汀女






橘の花やしたがふ葉三枚             星野立子


塚山に花橘の白さかな              伊丹さち子


橘の花の下にて伊豆の海             甲田鐘一路




 伊吹嶺5月号 遠嶺集より 


葦原にあふるる光春隣
今日雨水白雲映す水たまり
畦を切る鍬を斜めに四温晴
切り分くる種薯の芽を均等に
薯植ゑて夫の熟寝や宵の口        磯田なつえ

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5月 24日

2011-05-23 23:11:19 | Weblog
              ( 句碑開き )

22日、待ちに待った栗田先生の句碑開きが行われました
時折の激しい雨となりましたが、栗田先生の師でもある細見綾子句碑と並び坐る事の
喜びの雨になったのでしょう
この記念すべき日に立ち会えたこと私にとっても最高の喜びです




     流燈会われも流るゝ舟にゐて     栗田やすし







     

     木曽川を見おろして城冴え返る    細見綾子




名鉄犬山ホテル

詳細は少しづつこのブログにご紹介して行きたいと思っています
当日久々にお会いできたころころが大好きな先輩に感謝して


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5月 22日

2011-05-21 23:22:46 | Weblog
               ( 岩煙草 )


透きとほる雨後の谺や岩煙草          平子公一


磧湯へ鎖伝ひや岩煙草             荻原芳堂


岳人のゆめはじまりぬ岩煙草          本沢恵子


岩煙草蓮台ほどの傘傾け            古舘曹人




 今日22日は栗田先生の句碑の除幕式が名鉄犬山ホテル庭園有楽苑で行われます
     ころころも行って参ります。その模様は後日ブログにてお知らせします  
  
     
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5月 21日

2011-05-20 23:50:00 | Weblog
            ( 京鹿子 )

京鹿子阿騎野の山の雨上り           国枝隆生


落人の裔の藁屋の京鹿子            佐藤至朗


京鹿子活けて銀座の鳩居堂           立脇操


日が差せば命のいろに京鹿子          小松崎爽青





京鹿子にとても似ていますがこちらは 下野草(しもつけ)

下野草雲の中よりリフト現る          加藤耕子


駒ヶ根や下野草の紅烟る            原口洋子


病院の味みなうすししもつけ草         阿部みどり女



    夫婦鹿や毛に毛が揃うて毛むづかし

この句の作者は誰だとおもいますか?
実は芭蕉の句です。初期の「貝にほひ」「虚栗」あたりではこんな駄洒落とか
利口とかの句を詠んでをりました。まさに談林の影響を受けていたと思われます
「この道に古人なし」これは芭蕉の有名な言葉としてあります
「古人の跡を求めず,古人の求めたるところを求めよ」という言葉です
古人の跡を求めれば類想類句の山となります、古人の求めたるところは
きっと詩歌の単純な美だったのかも知れません。
と書いたこの文章も多くは「俳句のこころ」(阿波野青畝)の受け売りですが・・・
先人の俳話を実証してゆくのも実作者の楽しみのひとつとしています



 伊吹嶺5月号 遠峰集より 


日脚伸ぶ病状互ひに語り合ひ
病棟の屋上庭園蔦芽吹く
香り濃し封書で届く梅一枝
花ミモザそよぐ下道退院す
姉よりの退院祝ひの菜飯かな         谷口千賀子



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