3月 1日

2018-02-28 19:10:05 | Weblog
             (  三月・弥生・花見月・桜月  )



萩の筆買ふ三月の雨強し             沢木欣一



三月やモナリザを売る石畳             秋元不死男



いきいきと三月生る雲の奥             飯田龍太



老眼鏡夫買ひ替ふる弥生かな           伊藤靖子



眠るだけの母となりたる弥生かな         佐久間寿子



三月の雪舞ひこめり宗祗水            金田義子



三月の影やはらかしインク壜           山 たけし



黄泉近き木偶の口説きや弥生寒          林 尉江



弥生富士浮雲一つ離れざる            夏目悦江



声かけて弥生の水に稚魚放つ           近藤文子



西行の白雲あそぶ弥生かな             岡澤康司



三月の甘納豆のうふふふふ             坪内稔典



くちばしに鋭きひかりある弥生かな         夏井いつき



海の風来て三月の乱れ髪              桂信子
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2月 28日

2018-02-27 15:32:32 | Weblog
                  (   二月尽・二月果つ  )



二月尽天城山葵に涙して             細見綾子



厨芥車滴り長し二月尽              沢木欣一



瀬の岩へ跳んで銭鳴る二月尽            秋元不死男



雨あとの畦のもろさよ二月尽           下里美恵子



鉄柵に豹が爪研ぐ二月尽             長谷川郁代



杼を通す音軽やかや二月尽            岸本典子



わが名記す護摩木の炎二月果つ          山下 護



昼の月ほの白く見ゆ二月尽            溝口洋子



竹林の濡れて明るし二月尽            中山ユキ



座禅堂に干さるる草鞋二月尽           廣島幸子



二月尽ピアノのくもり拭ひたる          中川幸子



雨あがる青空閏二月尽く             松本恵子



桟橋に僧衣の二人二月尽             小栁津民子



二月尽句友と出湯へ一夜旅            山下智子



ママレード琥珀に煮詰む二月尽          岡田佳子



検診のスリッパ響く二月尽            武田明子



ますぐなる幹に雨沁む二月尽            福永耕二



水底に稚魚のくれなゐ二月尽            飯田龍太





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2月 27日

2018-02-26 18:32:09 | Weblog
              (  きらん草・地獄の釜の蓋・金瘡小草  )



伊賀に来て摘めり地獄の釜の蓋          栗田やすし



きらん草古代紫展げけり              後藤比奈夫



円墳に地獄の釜の蓋繁る             林 尉江



指差してこれが地獄の釜の蓋           安藤清子



地の果ての崎に地獄の釜の蓋           国枝隆生



膝ついて地獄の釜の蓋覗く            兼松 秀



東大に咲くや地獄の釜の蓋            牧野一古



円墳の裾に地獄の釜の蓋             若山智子



きらん草ほつほつ咲けり峡の道          中根多子



被爆樹の影に地獄の釜の蓋            青木しげこ


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2月 26日

2018-02-25 15:34:59 | Weblog
                 (  黄水仙  )



そよ風に首振るばかり黄水仙           栗田やすし



春園やマリアの華に黄水仙            百合山羽公



海峡に光る航跡黄水仙              松崎鉄之介



廃れ家の庭に咲きたり黄水仙           中山敏彦



黄水仙朝日に雫震へをり             中山ユキ



黄水仙午後の日差しの柔らかし          大津千恵子



黄水仙雨に明るき碧の句碑            市江律子



スキップの稚児の靴先黄水仙           小田二三枝



路地奥の地蔵に供ふ黄水仙            大原悦子



休日の茶房明るし黄水仙             佐藤喜美子



母恋ふておろかに泣けり黄水仙          岡本眸



黄水仙ひらく信濃の仏みち            原 裕
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2月 25日

2018-02-24 18:17:36 | Weblog
                (   土筆・つくづくし・土筆和え・つくしんぼ・筆の花  )



土筆摘む土手揺るがして汽車過ぐる           栗田やすし



山姥の目敏く土筆見つけたり              沢木欣一


 
頭の黒きつくし野におく旅かばん            細見綾子



土筆摘む傍に錆びし大錨                福田邦子



土筆摘屈めば遠く波の音                矢野孝子



ほほけゐし穴師の里のつくしんぼ            倉田信子



大佛の丘丈長きつくしんぼ               石原進子



野仏のごとき土筆よ斑鳩野               坪野洋子



波静か遠流の島に土筆摘む               鈴木みすず



太りたる染屋の庭のつくしんぼ             岸本典子



土筆摘む狂言一つ見過して               国枝隆夫



杉菜生ふ平城宮の遺構跡                小島千鶴



叱られし子が摘み帰るつくしん坊            神野喜代子



だんまりを決めて土筆の袴剥く             武藤光晴



手間かけて一と皿となる土筆かな            櫻井幹郎


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2月 24日

2018-02-23 19:08:56 | Weblog
                (  白梅  )



信篤き三河国人梅真白              栗田やすし



白梅や包丁を磨ぐ寺男              沢木欣一



白加賀といふ白梅のうすみどり          細見綾子



白梅の仄か色めく夕日ざし             林 翔



白梅や奉書結びの巫女の髪            朝比奈照子



白梅や頬ふつくらと吉祥天            鈴木みすず



咲きそめて白梅庭を明るうす           吉川利雄



白梅や一気に上る男坂              菊池佳子



白梅の一枝夫の枕辺に              鈴木真理子



山窪に朝の日差しや梅真白            矢野孝子



縁切寺出て白梅を振りあふぐ           下里美恵子


     


    白加賀
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2月 23日

2018-02-22 18:51:53 | Weblog
                 (  猫柳・えのころ柳  )



鵜蹟に下りやはらかき猫柳            栗田やすし



来て見ればほゝけちらして猫柳          細見綾子



ぎんねずに朱ヶのさばしる猫柳           飯田蛇笏



芦ノ湖の水ひたひたと猫柳            夏目隆夫



猫柳川はひかりを流しをり            丹羽一橋



水郷の中洲に光る猫柳              市川美智子



猫柳呆けて川の水にごる             渋谷さと江



白壁の土蔵住ひや猫柳              水野時子



旭光や雨だれ弾く猫柳              月光雨花



引き売りの荷に猫柳一抱へ            山下智子



毛先まで光あつめし猫柳             高岸弘子



猫柳ほほけ野川の水嵩む             荻野文子



ときをりの水のささやき猫柳            中村汀女



猫柳呆けて天の青き見ず              加藤楸邨




    
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2月 22日

2018-02-21 17:35:15 | Weblog
              (  桃の花・白桃・緋桃・源平桃・桃畑・桃林・桃畑  )



ふだん着でふだんの心桃の花           細見綾子



桃の花牛の蹴る水光りけり            沢木欣一



お湯割りを好みし師たり桃の花          栗田やすし



咲き満ちて夕日あまねし桃畑           夏目悦江



漆練る小窓明るし桃の花             尾関佳子



山際は風の袋路桃の花              梅田 葵



傷舐める母のまじなひ桃の花           山 たけし



桃咲くや一気にふえし子の言葉          栗田せつ子



嬰の手のいつも万歳桃の花            伊藤範子



うす紅に靄ふ山裾桃の村             山下智子



生え初めし歯の真つ白や桃の花          長谷川郁代



花桃の里通り抜く郵便車             長谷川つゆ子



肩車して花桃の影の中              利行小波



みなぎりて四国三郎桃の花            鷲谷七菜子



くちすすぐみづ井の甘さ桃の花          大野林火



山碧し花桃風を染むばかり            飯田龍太





源平桃の花
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2月 21日

2018-02-20 19:30:56 | Weblog
                 (  春寒し・春さむ・料峭  )



地下鉄で眉描く少女春寒し            栗田やすし



春寒や障子の外に藪のある            細見綾子



面接の椅子ひとつ置き春寒し           河原地英武



春寒や道ほそぼそと阿弥陀堂            阿波野青畝



邪鬼いつも上目遣ひや春寒し           国枝隆生



春寒や歯を抜きし顔ピエロめく          下里美恵子



料峭や喪主と呼ばれて夫送る           山本悦子



春寒や画鋲ばかりの掲示板            森垣一成



春寒し古都の土塀に支へ棒            藤田岳人



春寒や綴ぢ目ほつれし流人帳           鈴木みすず



春寒し僧と乗り合ふ渡し舟            長江克江



春寒や顔剥落の役者絵馬             武藤光晴



料峭の風に刀工ほほ冷やす            米元ひとみ



春寒し腰に冷たき貼薬              加藤けい子



春寒し舌に残りし貝の砂             梅田 葵



料峭の歩くほかなき地震月夜              こころ
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2月 20日

2018-02-19 18:55:53 | Weblog
               ( 紅梅・薄紅梅 )



入園の児が紅梅を帽に挿す            栗田やすし



紅梅を面映えて見し石の上            細見綾子



紅梅や病臥に果つる二十代            古賀まり子



紅梅や筆塚に日の廻り来し            下里美恵子



紅梅の莟に昨夜の雨しづく            武藤光晴



紅梅へ寄せやり妻の車椅子            梅田 葵



紅梅の名残りの一花綾子句碑           若山智子



紅梅の蕾きざせり義民の碑            清水弓月



紅梅や石で囲ひしつるべ井戸           黒木純子



紅梅や花器となる土足で練る           森 靖子



紅梅や枝々は空奪ひあひ             鷹羽狩行



紅梅の見えるところの玻璃くもり         能村登四郎



      
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