4月 1日

2018-03-31 17:38:02 | Weblog
               (   四月馬鹿・エイプリルフール・万愚節  )



上官を殴打する夢四月馬鹿             沢木欣一



どんぶりに野菜ばかりや四月馬鹿         栗田やすし



糶られゐる魚の真顔や万愚節            片山由美子



万愚節踊る埴輪は口ひらく             鍵和田釉子



また一つ増えし薬や四月馬鹿           国枝隆生



獣院に猫のエイズや四月馬鹿           山田悦三



警官にあいさつさるる四月馬鹿          片山浮葉



四月馬鹿監視カメラへ投げキッス         中野一灯



母の夢つづきが見たし四月馬鹿          太田滋子



へそくりの仕方教ふる四月馬鹿          田畑 龍



百円で売る全集や四月馬鹿            坂本操子



文字忘れ友の名忘れ四月馬鹿           山下智子



万愚節妻の返事が母の声             中山敏彦



家計簿の帳尻合はす四月馬鹿           岡島溢愛



代名詞ばかりの会話万愚節            青木紫水



建替へに二度の引越し四月馬鹿           毛塚静枝



万愚節半日あまし三鬼逝く             石田波郷


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3月 31日

2018-03-30 11:25:01 | Weblog
              (   落花・花散る・花吹雪・飛花・花屑  )



あめつちのくづれんばかり桜ちる         沢木欣一



老い桜落花は己が身に降りて           細見綾子



ほろ酔いひのおかめ青鬼落花浴ぶ         栗田やすし



たえまなき落花の下のみやげうり          山口青邨



木屋町の橋の花屑掃き落す            河原地英武



鼓笛隊落花の中を進みけり            関根切子



もろ手挙げ手話の娘浴ぶる花吹雪         尾関佳子



散る花へ鈴を翳して巫女舞へり          石崎宗敏



土手よりの飛花ただ中に塞の神          谷口千賀子



花屑や閂重き茶舗の蔵              渡辺慢房



古猿楽鬼出て落花踏みしだく           清水弓月



花吹雪伊代次一朗徹も亡き            中川幸子



人力車落花の中に客待てり            堀内恵美子



花吹雪浴びて幼子立ちつくす           白鳥光枝



ひとひらの落花や吉良の御影堂          吉田幸江



句碑の地へ花吹雪またはなふぶき         倉田信子



花吹雪浴びて幼子立ちつくす           白鳥光枝



どこの落花走り井に添ふ濡れ柄杓          大野林火



大鍵の倉庫を閉ざす花吹雪             秋元不死男





             
       

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3月 30日

2018-03-29 19:11:05 | Weblog
              (  紫雲英・れんげ・げんげ田・れんげ草  )



れんげ田の減りしふるさと伊吹晴         栗田やすし



紫雲英田に入りて黒牛喰み初む          沢木欣一



げんげんをむしりて蔽ふ魚籠の鮒          富安風生



げんげ田の電柱どれも傾ぎたる           岡本眸



主婦といふ職業が好きれんげ草          都合ナルミ



げんげ田に寝転んで見る飛行船          伊藤旅遊



落柿舎の前にひろがるれんげ畑          小石峰通子



紫雲英畑見ゆる夢二の窓小さし          渡辺かずゑ



日ざしごとれんげを摘んで母見舞ふ        若山智子



富士望む棚田の畔や蓮華草            山本法子



田起しの土傾きてげんげ咲く           服部冨子



首飾りに編みし日のこと蓮華草          武藤けい子



げんげんの花のさかりに関の雨           阿波野青畝



踏み込んで大地が固しげんげ畑           橋本多佳子




            
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3月 29日

2018-03-28 18:57:21 | Weblog
            (  蕗の薹・蕗味噌  )



蕗の薹喰べる空気を汚さずに           細見綾子



蕗のたう屈みて摘めり石道寺           栗田やすし



包み紙しっとり濡らし蕗の薹            能村登四郎



蕗の薹おもひおもひの夕汽笛            中村汀女



蕗の薹旅もひとりの箸を割る            鷲谷七菜子



小振りなる渋民村の蕗の薹            都合ナルミ



うす味に蕗煮ることも母似かな          鈴木真理子



島ひとつ見ゆる峠や蕗のたう           掛布光子



蕗の薹茎立つ信玄火葬塚             武藤光晴



蕗味噌の苦きを愛でて地酒酌む          古賀一弘



箸先の味噌に溺るる蕗花芽            清水弓月



蕗味噌のおにぎり焙る朝の市           奥山ひろ子



大富士を仰ぎては摘むふきのたう         谷口千賀子



母がりに通ひし道や蕗の薹            栗生晴夫



蕗のたう水の光を満面に             中川幸子



竹笊に盛る揚げたての蕗の薹           二村美伽



天婦羅のさみどり透けり蕗のたう         井坂壽子



土の香も携へて来し蕗の薹             稲畑汀子



大富士の夕かげ持ちぬ蕗の薹            深見けん二



天上の声を聴かむと蕗の薹             鷹羽狩行





      



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3月 28日

2018-03-27 16:07:29 | Weblog
              (  草餅・蓬餅・草団子・母子餅  )



草餅の黄な粉をこぼす毛越寺           細見綾子



草餅を土産に妻の帰り来し            栗田やすし



ふるさとや粗にして甘き草の餅           上村占魚



草餅に草の香つよし小糠雨             林 翔



老い母の尽きぬ話や草の餅            矢野孝子



草餅に伊吹の蓬搗きこめる            清水弓月



円空の寺に草餅焼く匂ひ             林 尉江



草餅の青き匂ひや母偲ぶ             奥山比呂美



存問の言葉短し草の餅              石原筑波



生き生きと老い草餅を二つ食べ          櫻井幹郎



大和路や旅の終りの蓬餅             河合義和



家毎に祀る地蔵や草の餅             磯田なつえ



不揃ひの婆の手作り草の餅            森 靖子



草餅を山盛にして子の忌日            大橋幹教



不揃ひに父の作りし蓬餅             佐藤博子



初物の草餅買へり道の駅             夏目隆夫



草だんご頬ばり帝釈橋渡る            豊田紀久子



柴又や殊に色濃き草団子             伊藤克江



奈良は日の溢るるところ草の餅           岡本眸



月越しの咳抜けにけり蓬餅             水原秋櫻子





         



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3月 27日

2018-03-26 17:46:43 | Weblog
             (  花見・桜狩・花衣・花筵・花人・花疲れ  )



墨堤の桜を見むと傘さして             細見綾子



花衣ぬぐやまつはる紐いろ~             杉田久女



杖そろふ婆三人や桜狩                阿波野青畝



きのふ近江けふは吉野の花衣             福永耕二



花疲れ黄金(こがね)いろなす茶を啜る       河原地英武



新聞紙拡げ二人の花見席              岸本典子



花疲れ読まずにしまふ凶みくじ           中斎ゆうこ



寝そべつて土の湿りの花筵             関根切子



花疲れ柱に凭れ足袋を脱ぐ             矢野孝子



寄つてけと呼ばれて坐る花筵            斉藤眞人



家の灯ににはかに覚ゆ花疲             廣島幸子



観桜の東京の空昼の月               奥山ひろ子



紙コップ風に転がる花むしろ            上杉美保子



花筵きちつと並ぶハイヒール            千葉ゆう



産土に子供ばかりの花見茣蓙            池村明子



花むしろリュックサックを真中に          石原進子



津軽富士間近に仰ぎ花筵              荻野文子





       


            

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3月 26日

2018-03-25 16:47:27 | Weblog
                (  枝垂桜・糸桜・紅枝垂・しだり桜  )



高麗の里枝垂桜が紅潮す           細見綾子



杉間より流るる枝垂桜かな          沢木欣一



枝垂桜垂れて疎水の水にまで          山口誓子



二胡の音に枝垂れ桜の揺れやまず       横井美音



枝垂れたる桜に触れし車椅子         河井久子



つくばひに枝垂桜んの枝浸す         青木信子



まさをなる空より枝垂桜かな          富安風生



枝垂桜地に触るる枝は舞ふごとし        古賀まり子



日がさして影添ふ枝垂桜かな          西村和子



見るほどに枝垂桜の老いて艶          深見けん二






           
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3月 25日

2018-03-24 17:54:38 | Weblog
              (  薺の花・ぺんぺん草・三味線草  )



芭蕉の道たどればなづな花咲けり         細見綾子



大雷雨ぺんぺん草は立ち向ふ            藤田湘子



墓にまぎれ曾良の墓あり薺咲く           大野林火



十字架の丘にペンペン草茂る           河原地英武



花なづな牛が鼻づら寄せて嗅ぐ          下里美恵子



城壁にぺんぺん草や島日和            山下善久



氷見線の鉄路に沿ひし花なづな          夏目悦江



花薺の風生る碧の住居跡             市江律子



無住寺に三味線草の吹かれをり          山下帰一



幼な子にペンペン草の音聞かす          左右田眞智



花薺鳴らしてみたり休耕田            松原和嗣



花薺土手に碇の錆び深し             鈴木美登利



薺咲き山の辺の畦盛り上がる           中根多子



斎田の畦白むほど花なづな            平松公代



屈み見るペンペン草に小さき影          牧 啓子



薺咲く風の運河の縁草に              山口青邨



白馬寺に三味線草の長けにけり           松崎鉄之介








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3月 24日

2018-03-23 18:21:20 | Weblog
                (  初蝶  )



反射炉に初蝶の来て影落とす           栗田やすし



鯉の背に初蝶来れば父恋し            沢木欣一



初蝶のまた戻り来はせざりけり          細見綾子



初蝶のついと隠れてそれつきり          梅田 葵



初蝶を空の青さに見失ふ             広瀬多恵子



初蝶や双子の眠る乳母車             佐々木美代子



初蝶を野辺の光に見失ふ             八尋樹炎



初蝶のひかりこぼせり草の上           桜井節子



初の蝶自転車止めて見てゐたり          山本正枝



僧正の白緒の草履初蝶来              大石悦子



初蝶とわたしとイエス・キリストと         津田清子



初蝶に手を振つて児の誕生日            井上美樹



初蝶をとらへるための双手かな           夏井いつき



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3月 23日

2018-03-22 18:03:50 | Weblog
                 (  山桜  )



遍路笠脱ぎて仰げり山桜             沢木欣一



山ざくら一樹一樹の夕日かな           細見綾子



木の鈴を買ふ四分咲きの山桜           栗田やすし



鳶老いて高音張りけり山桜             小川軽舟



山桜奥千本の迷い道                白石みずき



山桜後円墳を包みをり              澤田正子



山桜ここは太古の海の底             大谷みどり



トンネルを抜けてトンネル山桜          平松公代



夕風に山桜散る露天風呂             滝沢昇二



山桜散り敷く無人発電所             満田きよ子



七つ滝七つに照りて山ざくら            能村登四郎



山ざくら僧と嫗と道づれに             飴山實



男童も女童も羅漢山桜               山口青邨



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