6月 1日

2019-05-31 19:08:32 | Weblog
                  風鈴・鉄風鈴・硝子風鈴・風鈴売・風鈴市(川越氷川神社)




     風鈴の待てば中々鳴らざりし            細見綾子


     母恋へば軒の風鈴一つ鳴る            栗田やすし


     風鈴やひそと過ぎたる夜の風           梅田 葵


     鍛冶町に音色たがへし軒風鈴           鈴木みすず


     風鈴の下のびきつて仔犬寝る           栗田せつ子


     鉄風鈴逝きて空き家の軒に鳴る          篠田法子


     みちのくの風鈴居間に馴染みたり         神尾朴水


     今年また陶の風鈴軒に吊る            大平敏子


     風鈴や茅の匂ひの合掌家             谷口悦子


     父逝きて空きし父の座軒風鈴           市原美幸


     短冊は伊勢型紙や江戸風鈴            笹邉基子


     プレハブの飯場の軒に貝風鈴           渋谷さと江




          



     せはしげに安風鈴の鳴り通し            富安風生


     風鈴を吊る海よりの広き風             山口誓子


     あらゝかに風鈴さわぐ目覚めかな          飴山實


     新婚の新居風鈴すでになる             及川貞 
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5月 31日

2019-05-30 18:56:35 | Weblog
               萱草(かんぞう)の花・忘草・野萱草・藪萱草




     萱草が御裳の裾の花と咲く            細見綾子


     蝦夷萱草岬に海人の墓二つ            山本悦子


     野萱草明し観音像の裾              巽 恵津子


     湿原に朽ちし木道野萱草             高橋ミツエ


     野萱草ポトマス河畔うめつくす          河村恵光


     御前崎浜萱草の濃かりけり            中村たか


     氷室跡藪萱草の野となれり            上田博子




          

          藪萱草


     花萱草青野の青をさそひだす           福田甲子雄


     萱草や林はづれに牧師館             友岡子郷


     萱草に立つ浪音や桂浜              高木晴子


     狐啼く神威岬の花萱草              井村和子


     野に咲いて忘草とはかなしき名          下村梅子
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5月 30日

2019-05-29 18:44:54 | Weblog
                 梔子の花・花山梔子




     くちなしの花がかぶさる墓参り          細見綾子


     梔子の花や帯屋の長暖簾             河原地英武


     くちなしの黄ばみし花や甃の上          清水弓月


     梔子の渦にとどまる昨夜の雨           伊藤範子


     月光に浮きて梔子匂ひ濃し            金田義子


     くちなしの香りほのかや小町塚          服部鏡子


     くちなしの花の真白や兵の墓           奥山ひろみ


     舞稽古終へ梔子のよく匂ふ            大島知津


     厨窓花くちなしの匂ひ立つ            榊原昌子


     梔子の香によみがへる母の顔           牧田 章


     くちなしや一人暮しの勝手口           鈴木真理子




          



     秘めし忌や花梔子は雨ごもり           古賀まり子


     錆びてより梔子の花長らへる            棚山波朗


     あさきゆめ梔子の香が濃かりけり          平井照敏
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5月 29日

2019-05-28 18:41:24 | Weblog
              額の花・額紫陽花




     額の花ひすいの花粉葉にこぼれ           澤木欣一


     寡婦たりし母が好みし額の花           栗田やすし


     額の花咲きあふれたり土管坂           鳥居純子


     雨雲の走る坂道額の花              塩坂惠子


     よろずやの間口一間額の花            雨宮民子




          



          



     水辺より夕風の立つ額の花             川崎展宏


     額の花燈台へ伸ぶ石畳               松崎鉄之介


     帝釈天雨日詣でや額の花              村山故郷



     
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5月 28日

2019-05-27 18:14:49 | Weblog
                  紫陽花・四葩・七変化




     寺町が晩学の宿濃紫陽花             栗田やすし


     あぢさゐや逢はばすずしくもの言はむ       細見綾子


     紫陽花の原種苗買ふ朝の市            丹羽康碩


     父の供花少し小振りの濃あぢさゐ         岸本典子


     鎌倉の山あぢさゐの瑠璃きざす          福田邦子


     虚子庵の名残の四葩藍淡し            小島千鶴


     白紫陽花幼き毬は薄みどり            巽 恵津子


     濃あぢさゐ男子生れしと声はづむ         不破志づゑ


     門川に鯉飼ふくらし濃あぢさゐ          角田勝代


     あぢさゐの色を重ねし雨上り           清水聡子


     紫陽花や町家にパッチワーク展          市原美幸


     紫陽花の青が囲めり丈草井            廣島幸子




          

           舞子あじさい



     四葩切るをとこの手許大胆に            三橋鷹女


     ふるへつつゼリーが皿に濃紫陽花          福田蓼汀


     紫陽花や別れて来たる言一句            石田波郷


     暮れゆけば明るきうしほ濃紫陽花          鷲谷七菜子 
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5月 27日

2019-05-26 14:22:36 | Weblog
                花茨・花うばら・野ばらの花・茨の花




     青山河茨の花を折り持てば            細見綾子


     見はるかす津波禍の土手花茨           国枝洋子


     花茨散らし鷲翔つ明日香川            清水弓月


     水見色の瀬音ゆかしき花茨            矢野愛乃


     花うばら児への片仮名軍事便           矢野孝子


     野茨の花が枝張る舟着場             伊藤範子


     湖見ゆる姫街道やうばら咲く           掛布光子


     花茨軍艦島の闇深し               玉井美智子


     寝釈迦への近みち細し花茨            森田とみ


     大鼠横切る疾さや花茨              水野時子


     とうさんとつぶやいてみる花うばら        幸村志保美




          



     花茨馴れては恋ふる荒瀬かな            中村汀女


     湖の波岸を打つ音茨の花              右城暮石


     女の学校紅旗かかげて花茨             中村草田男


     咲きみちて茨一片もちるはなし           飯田蛇笏
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5月 26日

2019-05-25 16:13:57 | Weblog
                 姫女苑・ひめぢよをん




     雪三筋残せし富士や姫女苑            栗田やすし


     渡舟場へ石ころ道や姫女苑            下里美恵子


     姫女苑摘みて供ふる殉教碑            国枝洋子


     揺るるたび蝶を放てり姫女苑           都合ナルミ


     姫女苑ひつそり咲けり式部廟           小島千鶴


     御火葬塚ことに小さき姫女苑           長江克江


     姫女苑土地売却の札覆ふ             豊田紀久子


     踏切に小さき祠や姫女苑             三井あきを




     濁流の洲に残りたる姫女苑             福田甲子雄


     常の日のつねのかなしみ姫女苑           鍵和田釉子


     くたびれて唾の甘さよ姫女苑            小川軽舟
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5月 25日

2019-05-24 19:14:25 | Weblog
                  葵・立葵・銭葵・這葵・花葵(写真は今日撮りです)




     峡深し墓をいろどる立葵             沢木欣一


     ばたゝと田植すみけり立ち葵           細見綾子


     立葵染屋に古りし糸秤              武田稜子


     猫歩く落第横町立葵               斉藤眞人


     野鍛冶屋の煤け看板銭葵             足立サキ子


     立葵すつくと伸びし城の址            多々良和世


     立葵揺れて静かな島の路地            日野圭子


     伸子張る染師の庭の立葵             近藤文子


     家訓記す大福帳や銭葵              市江律子


     立葵子等が背くらべして通る           こころ




          


          銭葵


     越はいま水田ばかりや銭葵           森澄雄


     銭葵どこの窓にも老婆ゐて            有馬朗人


     ただ前へすすみきしのみ立葵           平井照敏


     湯をつかふ音が裏手に立葵             鷲谷七菜子


     紅葵有髪の僧の通りけり             飯田龍太
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5月 24日

2019-05-23 14:51:33 | Weblog
                椎の花・花椎




     山城の急階段や椎の花              栗田やすし


     花椎のけだるき匂ひ舟屋路地           岸本典子


     国分寺や鴟尾の真上の椎の花           清水弓月


     筆塚の筆に降り積む椎の花            倉田信子


     隠れ城てふ山寺や椎の花             小栁津民子


     山裾の藩主の御廟椎匂ふ             前田昌子


     椎の花湖を見下ろす天守跡            平松公代


     本殿の空を蔽へり椎の花             巽 恵津子


     雨あとの花椎匂ふ登城口             熊澤和代


     大坊の梵鐘古ぶ椎の花              児玉美奈子


     搦手の高き石段椎の花              武山愛子


     禅寺に水湧く音や椎の花             松本恵子


     花椎を映すガラスの美術館            安藤幸子




          



     もたれゐし木の椎の花匂ひけり          木下夕爾


     夜も椎の花の匂へる無縁坂            江口千樹


     椎の花まみれに遊び暮れしかな          石川桂郎


     椎咲いて金箔匂ふ嵯峨御輿            堀口星眠
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5月 23日

2019-05-22 19:03:35 | Weblog
              蓮の花・白蓮・紅蓮・蓮華




     てのひらに蓮の紅玉つゝみたし          沢木欣一


     駅裏に旧知の蓮田金沢へ             細見綾子


     蓮ひらく祈りの十指解くやうに          伊藤範子


     白きまま白蓮散れり秋篠寺            長崎眞由美


     城跡の濠にひしめく蓮の花            安藤清子


     朝風に光零せり蓮畑               武藤光晴


     伸びきつて大蓮の花せめぎあふ          幸村志保美


     白連の大揺れしたり一揆寺            中斎ゆうこ


     しののめや蓮見の関の緋毛氈           金田義子


     朝風にほぐれつつあり蓮の花           中川幸子


     群生の蓮に湖国の風荒し             巽 恵津子




          



     モノレールはるかをゆけり蓮の上          山口青邨


     咲き進む刻をとどめず蓮の花            稲畑汀子


     星ばかり見ないで蓮が開くから           中村苑子



     
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