6月 30日

2018-06-29 19:01:54 | Weblog
            (  梅雨明・梅雨あがり・送り梅雨・出梅  )



鵜の眠る闇深々と送り梅雨            栗田やすし



梅雨明けの潟の光が街裏に            沢木欣一



梅雨明けの夕日丹沢山に落つ           細見綾子



梅雨明や義歯はめて終ふ旅仕度          丹羽康碩



病む妻へ玉子粥炊く梅雨の明           石原筑波



茹卵つるりと剥けて梅雨明くる          篠田法子



若冲の鶏の白さよ梅雨明くる           栗田せつ子



病名のまたひとつ増え梅雨の明          丹羽一橋



母の髪手櫛で梳きぬ送り梅雨           村瀬さち子



仔狐が畑に顔出す梅雨あがり           右高芳江



癒え兆す夫の笑顔や梅雨明くる          前田史江
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6月 28日

2018-06-27 20:08:54 | Weblog
               (  百合・笹百合・鬼百合・透し百合・鉄砲百合・山百合・鹿の子百合  )



佐渡の百合海の夕日の色なせり           栗田やすし



百合咲きていまだ花粉をこぼさざる         細見綾子



バケツに百合煙草を買いに産屋より         沢木欣一



笹ゆりや嶺に白雲わき出づる           小石峰通子



山腹を覆ひて揺るる百合百花           横井正子



故郷の山百合庭に開きけり            中村たか



曲り屋の茅葺屋根に小鬼百合           山下智子



白百合の初咲き供ふ夫の墓            門村鈴子



山百合の倒れて花をもたげたる          中山ユキ



姥百合に埋もるる谷間一揆の地          上杉美保子



笹百合に風立ち木曽の雨上る           坪野洋子



括られて鬼百合はみな俯ける           鈴木 文



笹百合や棚田の水の響き合ふ           若山智子



薬屋の百の抽斗百合の花             太田滋子



喪の家の白百合の香とプッチーニ         奥山ひろ子



白百合や息詰めて読む兵の遺書          上杉和雄



黒百合は古九谷のいろ三つ咲く          山 たけし



笹百合や工女の碑より飛騨見ゆる         長谷川雅子



山裾の笹百合匂ふ峡の晴             山田悦三




          








          




          
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6月 27日

2018-06-26 19:02:20 | Weblog
               (  南瓜の花・花南瓜  )



花南瓜角逞しき島の山羊             栗田やすし



花南瓜農夫に読まれ本白し            秋元不死男



舟小屋のうしろ日蔭の花南瓜            上村占魚



這ひ上り茶畝またげり花南瓜           松本恵子



花南瓜近江水路に蔓延ばす            小栁津民子



徒花の多き南瓜の咲きにけり           小原米子



授粉せり南瓜の花を広げつつ           藤田岳人



人影なきフクシマの地に花南瓜          近藤文子



稲藁を敷かれ南瓜の花盛り            市原美幸



境なき本家と分家花南瓜             上村龍子



神の田へ蔓伸ばしたり花南瓜           篠田法子
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6月 26日

2018-06-25 19:02:19 | Weblog
                 (  とまと・蕃茄・青トマト  



妻も濡る青き蕃茄の俄雨               山口誓子



青トマトすくすく伸びし童女の背           相馬 遷子



帰省子にトマトの青も門辺なる            岸 風三楼



風垣を二重に能登のトマト畑             矢野孝子



まだ青きトマト鴉が食ひ荒す             小原米子



朝市のはちきれさうなトマト買ふ           上田博子



鈴生りのトマト小粒や基地の畑            砂川紀子



起き抜けに摘む鉢植ゑのミニトマト          鈴木真理子



トマト熟る海より低き干拓地             平松公代



塩振つて初生りトマト頬張れり            藤田岳人



父母に冷やして供ふ茗荷汁              河村惠光



二階より駈け来よ赤きトマト在り            角川源義



白昼のむらくもよもに蕃茄熟る             飯田蛇笏




          
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6月 25日

2018-06-24 18:06:34 | Weblog
              (  茄子の花・花茄子・なすびの花  )



風呂敷を抱へ僧来る茄子の花           栗田やすし



茄子の花巧言令色滅ぶべし             沢木欣一



草木より目覚の早き茄子の花            福田甲子雄



傘さして夫見入りをり茄子の花          岸本典子



茄子咲くや道より低き藍染屋           小田二三枝



一合の米研ぎし水茄子苗に            上杉美保子



たつぷりと畝に水撒き茄子植うる         藤田岳人



裏庭に茄子の花咲く駐在所            野島秀子



母訪うて昔話や茄子の花             後藤暁子



下駄鳴つて水屋ともれり茄子の花          長谷川櫂



茄子植ゑて一番花を心待ち             上田 幸子

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6月 24日

2018-06-24 04:34:32 | Weblog
              (  沙羅の花・夏椿の花・さらの花  )



あはあはと沙羅の花びら空にあり         沢木欣一



古備前の壺に一輪夏椿              鈴木みすず



夏椿散りしく池の水澄めり            枡谷正子



沙羅散るや鑑真廟の苔の上            角田勝代



夏椿縁切り状の墨薄れ              日野圭子



風立ちて沙羅の花ちる万願寺           岩上登代



初孫や日ごとふくらむ沙羅の花          新井由子



のびやかにひびく木魚や沙羅の花         中野一灯



沙羅の花母の残せし硯箱             垣内玲子



磨崖仏の裂け目に咲きし夏椿           山崎文江



沙羅は実に寺の奧処の鬼子母神          山下智子



朱印押す僧の手白し沙羅の花           前田史江



本堂に遠き潮騒沙羅の花             武藤光晴



雨しとど沙羅の蕾の落ちるまま          小栁津民子



晩鐘の響く棚田や沙羅の花            八尋樹炎
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6月 23日

2018-06-22 19:17:00 | Weblog
              (  罌粟の花・罌粟の実・罌粟坊主・ポピーの花  )



国境の大草原に芥子の花             栗田やすし



白芥子を賞でたる眉や背には海          細見綾子



罌粟坊主揺るる国境検問所            伊藤旅遊



江の電は風の径なり花ポピー           野島秀子



綾子師の墓訪ふ道辺芥子の花           佐藤とみお



旅の子の便り短し罌粟の花            栗田せつ子



罌粟の花路上に娼館案内図            武田稜子



風の来て忽と鬼罌粟揺らぎけり          武藤光晴



芥子の花幼児風をつれてくる           金田義子



丘染めて虹のごと咲く芥子の花          石川紀子

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6月 22日

2018-06-21 19:16:05 | Weblog
                    (  青田・青田風・青田道  )



舷側の 西日の透きに 能登青田         沢木欣一



家裏の青田水張り男子生る            栗田やすし



老いまじき手元鯉切る夕青田           細見綾子



青田道隠れ聖徒の部落まで            服部鏡子



青田風念佛衆の笠煽る              山口登代子



母の歩に合はす家路や青田風           高橋幸子



喫茶店青田の見ゆる席に着く           松原佳子



母郷なる青田の風を深く吸ふ           山本光江



いにしへの蒲生(がもう)野いづこ青田風     山下善久



ふる里や下駄つつかけて青田道          佐々木美代子



交番の前一望の青田波              村井まさを



青田波淡く色濃く寄せ来たり           山本法子



信濃路や青田真中に村の墓            藤田岳人



実盛人形青田風来て燃え崩る           河合義和



湖よりの風の自在や大青田            篠田法子



引き水の音響き合ふ青田かな           横井正子



風筋の生れては消ゆる青田かな          吉田明美
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6月 21日 夏至

2018-06-20 18:35:55 | Weblog
                  (  夏至  )



夏至愉し牛と羊は野にあそぶ            阿波野青畝



夏至白夜濤たちしらむ漁港かな           飯田蛇笏



山の木の葉音さやかや夏至の雨           鷲谷七菜子



夏至の土間筵被せて壺干せり           梅田 葵



看護婦に血を採られゐる夏至の朝         山下帰一



有線が正午を知らす夏至の空           武藤光晴



いつまでも夏至の夕日の赤きかな         渋谷さと江



夏至の海太陽ゆらぎつつ沈む           高橋孝子



生れし嬰が足で空切る夏至の夜          片山浮葉



今日夏至の刻を告げたり鳩時計          岡島溢愛



夏至の酒大徳利で酌み交はす           中山敏彦
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6月 20日

2018-06-19 18:58:39 | Weblog
              (  烏瓜の花  )



烏瓜の花よ鵜の巣の三番子            細見綾子



一番星見えて咲きそむ烏瓜            国枝洋子



咲ききつて夜目にも白し烏瓜           坪野洋子



断崖に烏瓜咲く隠岐の島             山下善久



雨あとの瀬音や烏瓜の花             飯田蝶子



烏瓜咲いて日食始まれり             磯田なつえ



回り道して見るからすうりの花          石原進子



山裾の暗みに烏瓜の花              山本法子



烏瓜今宵咲かんとうすみどり           金原峰子



朝まだき牛舎に烏瓜の花             八尋樹炎



花街の灯りに咲けり烏瓜              こころ




          
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