11月 1日

2013-10-31 21:01:48 | Weblog
               ( 十一月・霜月 )



師の句碑に十一月の日差しかな           栗田やすし


峠見ゆ十一月のむなしさに              細見綾子


母に娘に十一月の花鋏                菅原鬨也


松本楼十一月のカフエテラス             石川星水女


十一月ことばより水迅きかな             坂戸淳夫


微光かな十一月の蚊の声も              正木ゆう子


純白の富士をたまはる十一月             川崎展宏



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10月 27日

2013-10-27 07:04:03 | Weblog
             ( 烏瓜 )


色抜けていはほをつかむからすうり           沢木欣一


異人館跡てふ高さ烏瓜                  細見綾子


烏瓜すがるすべなく曳かれけり              山口青邨


み吉野のこは面長のからすうり              小島健


赤になる過程の黄色烏瓜                 岩川みえ女


城高く堀の深さやからすうり                山本茂紀


提げ来るは柿にはあらず烏瓜               富安風生


うれしさもこどものくれしからすうり            森 澄雄





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10月 20日

2013-10-20 06:42:39 | Weblog
                 ( 秋明菊・貴船菊 )

白く見えるのは花ではなく萼です



とぎ汁を秋明菊に注ぎやる               栗田やすし


名を聞きてよりしみじみと貴船菊            片山由美子


僧房の月の秋明菊の畑                 黒田杏子


干傘が秋明菊をこぼしけり               高田洋子


長雨の皆下向きに貴船菊                寺田順子


観音の影のさまなる貴船菊               阿部みどり女









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10月 19日

2013-10-18 15:06:15 | Weblog
                 ( 草紅葉 )


良寛の辿りし峠草紅葉                 沢木欣一


草紅葉一図の道を火口湖へ              細見綾子


晴天や水の中まで草紅葉                今瀬剛一


牛飼の子供の素足草紅葉                山本洋子


野仏の足元つつむ草紅葉                福嶋照子


吾が影を踏めばつめたし草紅葉             角川源義


イーゼルの裾に縋りし草紅葉              河原 貞子


国分尼寺天平の朱の草紅葉               町田しげき





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10月 6日

2013-10-06 06:10:11 | Weblog
             ( 吾亦紅 )



吾亦紅ぽつんぽつんと気ままなる             細見綾子


吾亦紅さやぐ背川の芋水車                石原八束


吾亦紅夕日といへど眼に痛し               福永耕二


草の中すいと抜けたる吾亦紅               高木晴子


生まれたるままの身がよし吾亦紅             福田甲子雄


吾亦紅霧にころころしてゐたり               矢島渚男


綾子の忌壷に高きは吾亦紅                滝沢伊代次


下北のこれは白花吾亦紅                 黒田杏子








ながほの白吾亦紅
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10月 5日

2013-10-04 18:14:48 | Weblog
               ( 栗・毬栗・落栗・虚栗・山栗 )


満願寺仔猿飼はれて栗食めり           栗田やすし


頂上に子と来て若き栗のいが           沢木欣一


栗の毬籠の中へも日がはいる            細見綾子


一袋焼栗買へり夜の駅               河原地英武


栗焼く香家暗かりし夜を思ふ            飯田龍太


栗を拾ひともにはにかむ父同士           林 翔


山栗や少年の日の土の橋              鷹羽狩行


毬栗や冠者顔して木曽に入る             吉田鴻司













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10月 3日

2013-10-02 21:04:36 | Weblog
                ( 柿・甘柿・渋柿・木守柿 )


柿熟す天つゝ抜けの馬籠宿             栗田やすし


柿実る幹黒き辺にまた逢はめ            沢木欣一


柿の朱を点じたる空こはれずに           細見綾子








山柿や五六顆おもき枝の先              飯田蛇笏


夜々冷えて柿甘くなる山の音             野沢節子


柿紅しいつまで病みて母泣かす            古賀まり子


火の見櫓にむかしが見える柿の村          出井哲朗


柿食ふや遠くかなしき母の顔             石田 波郷


いちまいの皮の包める熟柿かな           野見山朱鳥


柿の種うしろに吐いて闇ふかし            秋元不死男




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