４月 ３０日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　四月尽



　　　　　　　　　　薔薇植ゑし手足のよごれ四月尽　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　四月尽出しそびれたる文一つ　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　四月尽だらだら坂を試歩の杖　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　文机に陀羅尼助丸四月尽　　　　　　　　　　　　磯田なつえ


　　　　　　　　　　青邨の下図緻密や四月尽　　　　　　　　　　　　中川幸子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　むべの花　）


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　おだまきの花　）



　　　　　　　　　　虎杖をむかし手折りぬ四月尽　　　　　　　　　　石田波郷


　　　　　　　　　　あまき音のチェロが壁越し四月尽 　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　四月尽く抽斗深く真珠秘め　　　　　　　　　　　　菖蒲あや


　　　　　　　　　　白雲へ杉まつすぐに四月尽　　　　　　　　　　　　寺井　治


　　　　　　　　　　わが書屋わが掃き坐り四月尽　　　　　　　　　　　亀井糸游



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日36,672人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-6,323　）　

４月 ２９日 昭和の日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若葉・里若葉・窓若葉・若葉風・柿若葉・若葉影

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　≪季＝初夏≫


　　　　　　　　　　朴若葉胎蔵界の風吹けり　　　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　修行僧いつも小走り樟若葉　　　　　　　　　　　　岸本典子


　　　　　　　　　　柿若葉土蔵に柱時計鳴る　　　　　　　　　　　　　国枝洋子


　　　　　　　　　　伎芸天若葉明りに立ち給ふ　　　　　　　　　　　　中川幸子


　　　　　　　　　　野火止に名ばかりの橋若葉影　　　　　　　　　　　ころころ



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　ペン軸の銀の匂ひや若葉冷　　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　川底までとどく夕焼若葉どき　　　　　　　　　　　古賀まり子


　　　　　　　　　　酒断ちの旅なり瑞の夕若葉　　　　　　　　　　　　林　翔


　　　　　　　　　　木道の果て十方の若葉風　　　　　　　　　　　　　松本照子


　　　　　　　　　　椎若葉一重瞼を母系とし　　　　　　　　　　　　　石田波郷



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日41,756人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-5,370　）　　

４月 ２８日

　　　　　　　　　　　　　　　　卯の花・空木の花・箱根うつぎ・谷うつぎ・梅花うつぎ・つくばね空木

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（　表紙は姫うつぎ　）



　　　　　　　　　　卯の花や白川郷へ橋一つ　　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　魚はねて空木の花の影ゆらす　　　　　　　　　　　牧　啓子


　　　　　　　　　　踊り子のドガのスケッチ姫空木　　　　　　　　　　山下帰一


　　　　　　　　　　卯の花や釣瓶井残る生家跡　　　　　　　　　　　　佐藤とみお


　　　　　　　　　　九頭竜に沿ひたる山路紅うつぎ　　　　　　　　　　金田義子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　谷うつぎ　）

　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　箱根うつぎ　）


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　梅花うつぎ　）


　　　　　　　　　　朝霧の晴れて山見ゆ花うつぎ　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　梅花卯木とはいみじくも呼びなせる　　　　　　　　富安風生


　　　　　　　　　　谷ゆけば硫黄こぼるる花卯木　　　　　　　　　　　秋元不死男


　　　　　　　　　　卯の花やどの思ひ出もみな別れ　　　　　　　　　　平井照敏


　　　　　　　　　　優しかり卯の花どきの湯殿山　　　　　　　　　　　佐藤鬼房



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　（　つくばねうつぎ　）


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日46,268人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-1,626　）　　

４月 ２７日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　杜若・燕子花・白かきつばた


　　　　　　　　　　燕子花・杜若(カキツバタ）は、白や濃い紫色の花（花径10㎝ほど）を咲かせる多年草。
　　　　　　　　　　草丈は50㎝～70㎝ほどです。菖蒲・文目と花がよく似ていますが、カキツバタは花びらの真ん中に
　　　　　　　　　　白いすじが入るのに対して菖蒲・文目の花は、花びらの付け根に網目模様がある特徴があります。
　　　　　　　　　　また、カキツバタは池や沼地などで育つ水生植物であり菖蒲・文目は陸で育つ植物であることが
　　　　　　　　　　大きな違いです。


　　　　　　　　　　天然の風吹きゐたりかきつばた　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　かきつばた男川女川のひゞき合ふ　　　　　　　　　下里美恵子


　　　　　　　　　　水音の絶えぬ木曽路や杜若　　　　　　　　　　　　清水聡子


　　　　　　　　　　池の面の光やまずよ杜若　　　　　　　　　　　　　利行小波


　　　　　　　　　　産卵の鮒が揺らせり杜若　　　　　　　　　　　　　中本紀美代



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　綾子亡し風と遊べるかきつばた　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　父恋ひの色の噴き出すかきつばた　　　　　　　　　鍵和田釉子


　　　　　　　　　　蓬莱も比良も雲中かきつばた　　　　　　　　　　　鷲谷七菜子


　　　　　　　　　　堀割に開く折戸や杜若　　　　　　　　　　　　　　島田青峰


　　　　　　　　　　夕暮は人美しく杜若　　　　　　　　　　　　　　　高木晴子



　　　　　　　　　　　　　　　


　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日40,500人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-387　）　　

４月 ２６日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　牡丹・ぼうたん・牡丹園



　　　　　　　　　　白牡丹しべをあらはにして崩る　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　牡丹に広げし母の手織縞　　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　墓訪はな母の牡丹の咲く頃に　　　　　　　　　　　都合ナルミ


　　　　　　　　　　ぼうたんへ吐息のごとき宵の風　　　　　　　　　　矢野孝子


　　　　　　　　　　時を告ぐ法螺のひびきや牡丹寺　　　　　　　　　　立川まさ子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　来てみれば獅子に牡丹のすまひかな　　　　　　　　松尾芭蕉


　　　　　　　　　　ちる時は風もさはらず白牡丹　　　　　　　　　　　政岡子規


　　　　　　　　　　掃人の尻で散たる牡丹かな　　　　　　　　　　　　小林一茶 


　　　　　　　　　　金粉をみなぎらせたり黒牡丹　　　　　　　　　　　下村梅子


　　　　　　　　　　掃き寄せしものうつくしき牡丹園　　　　　　　　　伊藤トキノ



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日24,839人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　+587　）　　

４月 ２５日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　踊子草・踊草・踊花


　　　　　　　　　　踊子草咲き乱れたる無人駅　　　　　　　　　　　　増田和代


　　　　　　　　　　乱れ咲く踊子草や夢二の居　　　　　　　　　　　　田畑　龍


　　　　　　　　　　踊子草萌え初む紫香楽宮趾かな　　　　　　　　　　金田義子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　一山に社寺をちりばめ 踊子草 　　　　　　　　　　伊丹三樹彦


　　　　　　　　　　下萌の踊子草もはやたむろ　　　　　　　　　　　　山口青邨


　　　　　　　　　　摘みし手に踊子草ををどらせて　　　　　　　　　　稲畑汀子


　　　　　　　　　　揃はざる足音の過ぎ踊子草　　　　　　　　　　　　岸田稚魚


　　　　　　　　　　踊子草おけさの島は人減ると　　　　　　　　　　　上田五千石



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　（姫踊子草）


　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日38,579人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-703　）　　

４月 ２３日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　藤の花・藤棚・白藤・山藤・藤房　



　　　　　　　　　　天心にゆらぎのぼりて藤の花　　　　　　　　　　　沢木欣一


　　　　　　　　　　山藤の蔓のおどろに立ちすくむ　　　　　　　　　　梅田　葵


　　　　　　　　　　藤浪の甘き香りや転た寝す　　　　　　　　　　　　松永敏江


　　　　　　　　　　藤の花風止むときに色増せり　　　　　　　　　　　板谷芳子


　　　　　　　　　　山藤へ開く丹塗りの飛騨障子　　　　　　　　　　　篠田法子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　荒き雨横渡りして山の藤　　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　針もてばねむたきまぶた藤の雨　　　　　　　　　　杉田久女


　　　　　　　　　　藤を眺めてよく話す薬売り　　　　　　　　　　　　廣瀬直人


　　　　　　　　　　島の藤漁網うち懸けたるごとし　　　　　　　　　　阿波野青畝


　　　　　　　　　　白藤のゆるゝ中なり母の顔　　　　　　　　　　　　瀧澤伊代次



　　　　　　　　　　　　　　　





　　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日43,003人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-6,749）　　

４月 ２２日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　鉄線花・クレマチス＜園芸品種＞・てつせんかづら


　　　　　　　　　　鉄線花はもともと中国に自生している野草を指し、白または紫の6弁花。
　　　　　　　　　　一方で、日本に自生している野草はカザグルマと呼ばれ、花弁は8枚です。
　　　　　　　　　「クレマチス」というのは、これらの品種を園芸用の草花に海外で品種改良したものを指します。



　　　　　　　　　　一葉の路地一輪の鉄線花　　　　　　　　　　　　　栗田やすし


　　　　　　　　　　晴れてほ空の重たく鉄線花　　　　　　　　　　　　山　たけし


　　　　　　　　　　鉄線花藍工房の垣のぼる　　　　　　　　　　　　　伊藤範子


　　　　　　　　　　鉄線の花幾鉢も寡婦の家　　　　　　　　　　　　　武藤光晴


　　　　　　　　　　垣越して風ともみあふ鉄線花　　　　　　　　　　　清水弓月


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　てつせん花新聞記者の賜ひたる　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　濃紫黒よりくろし鉄線花　　　　　　　　　　　　　阿波野青畝


　　　　　　　　　　クレマチスてふ洋花のこれの白　　　　　　　　　　石塚友二


　　　　　　　　　　木洩れ日に白惜しまずよ鉄線花　　　　　　　　　　石田あき子


　　　　　　　　　　甲冑はこんこん眠るクレマチス　　　　　　　　　　宮澤山彦



　　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日47,131人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-8,148）　　

４月 １９日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　小粉團（こでまり）の花・団子花・小手鞠の花



　　　　　　　　　　小手毬の花弾ませて雀去る　　　　　　　　　　　　河原地英武


　　　　　　　　　　漆器屋の土間大甕に団子花　　　　　　　　　　　　塩原純子


　　　　　　　　　　小手毬も添へて束ぬる父の供華　　　　　　　　　　丹羽康碩


　　　　　　　　　　水やりの足にこぼるる団子花　　　　　　　　　　　横森今日子


　　　　　　　　　　こでまりを活けて明るし師の生家　　　　　　　　　久野和子



　　　　　　　　　　　　　　　



　　　　　　　　　　こでまりの枝より透けて遠筑波　　　　　　　　　　角川春樹


　　　　　　　　　　三人は家族の初め団子花　　　　　　　　　　　　　上田日差子


　　　　　　　　　　小粉団や寺の男の大あくび　　　　　　　　　　　　指中 恒夫


　　　　　　　　　　こでまりの風を離さず弾みゐる　　　　　　　　　　八幡より子


　　　　　　　　　　顔よせて鏡くもりぬ団子花　　　　　　　　　　　　新田時子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日24,258人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-8,941）　　
　　　　　　　　　☆　21日まで小旅行のため、お休みさせて頂きます

４月 １８日

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　芍薬・玉芍薬・糸葉芍薬　　



　　　　　　　　　　紙漉くや玉芍薬を窓にして　　　　　　　　　　　　細見綾子


　　　　　　　　　　芍薬を活けて一日香の中　　　　　　　　　　　　　鈴木真理子


　　　　　　　　　　芍薬を抱くほど剪りて妻戻る　　　　　　　　　　　丹羽康碩


　　　　　　　　　　芍薬が咲いたと母へひとりごと　　　　　　　　　　松平恭代


　　　　　　　　　　芍薬や首重たげにしなやかに　　　　　　　　　　　武藤けい子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　≪糸葉芍薬≫


　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　≪玉芍薬≫



　　　　　　　　　　芍薬の芽のほぐれたる明るさよ　　　　　　　　　　星野立子


　　　　　　　　　　芍薬に逢瀬のごとき夜があり　　　　　　　　　　　森 澄雄


　　　　　　　　　　枕もと白芍薬の珠凝りて　　　　　　　　　　　　　山口青邨


　　　　　　　　　　芍薬のはなびらおつるもろさかな　　　　　　　　　久保田万太郎


　　　　　　　　　　芍薬に夜が来て飛騨の酒五合　　　　　　　　　　　藤田湘子



　　　　　　　　　　　　　　　

　　　　　　　　　　　昨日も日本全国で一日39,291人のコロナ感染者の発表がありました
　　　　　　　　　どうぞ気を抜かずに大切な人とご自身を守るために引き続きマスク・手洗いを
　　　　　　　　　あと少しの我慢です
　　　　　　　　　（　前週同曜日比　-9,876）