4月 30日

2011-04-29 22:25:47 | Weblog
           ( 藤 )


藤はさかり或る遠さより近よらず           細見 綾子


天心にゆらぎのぼりの藤の花             沢木欣一





藤垂れて水神の空むらさきに             原 裕


藤房の盛り上がらむとしては垂れ           鷹羽狩行


藤房の揺れる長さの違ふ風              稲畑汀子



 伊吹嶺4月号 伊吹集より 


丸窓の障子明りや太宰の間
炉明りや灰を均して干魚焼く
地酒酌むランプの宿の囲炉裏かな
網を干す島の小道や日脚伸ぶ            森垣昭一





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4月 29日 (昭和の日)

2011-04-28 23:51:52 | Weblog
             ( 東石楠花 )



石楠花を隠さう雲の急にして          阿波野青畝


石楠花の風の抜けゆく室生寺          渡辺政子


石楠花にひびきて深き渓の水          深見けん二


石楠花の紅盛んなる峡の朝           郡山裕子





 伊吹嶺4月号 伊吹集より 


集に父の書き込み寅彦忌
掌を握るのみの看取りや雪催
乗り継ぎてひとり降り立つ雪の駅
白鳥の群るる中州や寒茜              栗生晴夫


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4月 28日

2011-04-27 23:49:01 | Weblog
           ( 紫華鬘・赤塚植物園開花情報その③ )


川波に紫華鬘咲き隠る              石原八束


草たけて紫華鬘色うすし             川島彷徨子




雉蓆むしろひろげて檜原村            藤定雄


天園へ尾根道曲がる雉蓆             湊川佳寿子




都忘れふるさと捨ててあり久し           志摩芳次郎


紫の厚きを都忘れとて                後藤夜半





咲き垂るる大松雪草を愛すかな           日下部美都子


スノーフレーク母へ太字の便りして         朝広純子


 伊吹嶺4月号 秀峰集より 


走り根の雪につまづき綾子句碑
さらに雪載せて霞ケ池凍る
雪降るや金箔を裁つ竹定規
雪舐めて鏡花の道のバス待てり
子雀の声が軒端に小豆粥
また雪が漱石書簡集膝に          梅田葵



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4月 27日

2011-04-26 22:32:47 | Weblog
            ( 筍・笋・たかんな )


嵯峨野僧伽たかんな冷と申すべく           黒田杏子


たかんなを一打でしとむ音なりし           森口千恵子


笋は穂に出る雲の初音かな              上島鬼貫





筍の堀りすててあり芭蕉の道             細見綾子


筍を貰ひ酔歩を重くせり                林 翔


筍の機嫌ななめに出でにけり             鷹羽狩行



伊吹嶺4月号 遠峰集より 

鬼踊る余寒の空へ撞木立て
春の雪鬼のふどしの弛びがち
春や立つ痰切の粉浴びし子に
飴撒きて鬼駆け抜くる春の路地
痰切飴積みし筵に春火鉢            内田陽子
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4月 26日

2011-04-25 23:59:53 | Weblog
           ( 手毬花・赤塚植物園開花情報その② )

遅刻児に海垣間見ゆ手毬花            磯貝碧蹄館


円空仏笑ませ給へり手毬花            野田しげこ




甘野老
あまどころ夕日さびしくさしにけり         行方克己




甘菜
甘菜掘る草野球から目を逸らし           守屋明俊




羅生門蔓
羅生門蔓といふを過ぎにけり             佐々木六戈


羅生門蔓踏み入る隙のなく              森田君子



 伊吹嶺4月号 遠峰集より 

冬の日を集めて温し那蘇の墓
山裾に小さき教会冬ぬくし
教会の背戸にからびし烏瓜
遠来の師へ手土産の蕗の薹
寒の水天秤棒で運びけり           矢野愛乃












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4月 25日

2011-04-24 22:57:01 | Weblog
            ( 稚児百合・赤塚植物園開花情報その① ) 

稚児百合の丈のあはれに揃ひけり          吉田万里子


りゅうきんか・立金花



白糸草


黄花宝鐸草・きばなほうちゃくそう


ハンカチの花

ハンカチの花は手品師蝶つつむ            丸田余志子



 伊吹嶺4月号 遠峰集より 


救急車近づく音や寒の入り
湯治客雪解の水で鍋洗ふ
梅一枝徳利に差して杜氏部屋
風花やゆるりと回る大水車
駅長が駅のホームの雪掻けり         岸本典子
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4月 24日

2011-04-24 01:19:49 | Weblog
             ( 蓮華・蓮華草・げんげ )


手に取るなやはり野に置け蓮華草          正岡子規


一蝶を放ちて蓮華浄土かな             富安風生


子山羊にも掛けて蓮華の首飾            沢聰





げんげ田に沈みて遍路冥利かな            沢木欣一


踏み込んで大地が固しげんげ畑            橋本多佳子


げんげ田の風がまるごと校庭に            小川軽舟


伊吹嶺4月号 遠峰集より 


呼び鈴の途切れては鳴る寒さかな
扇面に朝焼けの富士初稽古
打ち傷の痕くっきりと喧嘩独楽
冬ざれや幹黒々と磯馴松
バナナ売る男の啖呵初閻魔           伊藤旅遊




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4月 23日

2011-04-22 22:53:20 | Weblog
          ( 芍薬 )


芍薬の芽のほぐれたる明るさよ           星野立子


芍薬や雨の遊女を思いおり             遠藤秀子


芍薬にはねたる泥のかはきゐる           富安風生




うら若き墨染衣玉芍薬               細見綾子



芍薬のほぐるる白き疼きかな            星島千歳


 伊吹嶺4月号 遠峰集より 

雪しまく駅のホームの丸時計
足元にひんやりと風大受験
受験生机上に固く指組めり
春浅き窓辺に熊のぬひぐるみ
春泥や人は光の影となり
枕辺の火影小さく春の風邪         河原地英武








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4月 22日

2011-04-21 23:16:10 | Weblog
             ( 牡丹 )


牡丹に真向ふごとき一日あり


牡丹のため朝夕を土に佇つ


日蝕の闇や牡丹の生動す


何といふ風か牡丹にのみ吹きて


牡丹七日いまだ全容くづさざる


牡丹十日母にもの言ふ如きかな


老ゆることを牡丹のゆるしくるるなり


父母と在りし日の牡丹目の前に


わが八十水色のシャツ牡丹の前          細見綾子




 伊吹嶺4月号 遠峰集より 


病棟にパジャマで交わす御慶かな
寒晴や日にち薬とナース言ふ
鵜の山の寒の芹煮て見舞はるる
北風をまとひて来たり見舞犬
見舞夫と分かつ節分恵方巻            谷口千賀子

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4月 21日

2011-04-21 18:06:04 | Weblog
            ( 躑躅 )

4月9日から東京文京区にある根津権現(根津神社)ではつつじ祭りが行われています
5月5日までですが3000株のつつじは今が見頃です。今年は東北大震災の義捐のための
5月6日(日)つつじ薪能が開かれその奉納余金は全て義捐にあてられるということです
写真は霧島つつじ


大巌の襞裂けたるに山躑躅          水原秋桜子


塔見えて躑躅燃えたつ山路かな        阿波野青畝


見上げたる位置が正面躑躅山         渡辺倫子


躑躅咲く奥もつつじや仁田峠         増田 富子





玄海つつじ



三葉つつじ



雲仙つつじ



五葉つつじ(愛子さまの御印)


 伊吹嶺4月号 遠峰集より 

その先は父のふるさと冬の虹
寡黙なる二人に戻り七日粥
校正のペンのかするる寒四郎
藁苞を透きくる日差し寒牡丹
歩きだすごとき裸婦像春立てり          国枝隆生
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