子どもの健康

子どもたちの健やかな成長を願って、子どもに関する小児科医の雑記

発熱したら、暖かくする、冷やす?

2007-06-26 14:59:57 | 雑記
子どもが風邪で熱をだした時、みなさんはどうのようにして様子をみますか。

「暖かくして汗をかかせるとよい」というようなことを時々耳にする一方で、「冷やしているのに熱がさがらない」というようなことも聞くことがあり、実際に自宅でどのようにしていることが多いのか(暖かくしているのか冷やしているのか)少し不思議に思うことがあります。

「汗をかかせたら熱が下がった」とよく聞きますが、気をつけなくてはいけないのは、「熱が下がる時に汗がでる」のであって「暖かくしたりして汗をかかせることで熱が下がる」のではありません。高い熱のある時には通常暖かくしたからといって汗がでるようなものではなく、逆に熱が放散できなくなり熱が上がってしまう可能性もあり避けなければなりません。

一方、冷やすことで熱が下がるかというと、これも必ずしもそうとは言えません。
冷やすことで一時的に多少熱が下がるかもしれませんが、熱の原因が改善されなければすぐ熱は上がってきます。例えて言うなら、「火にかけた鍋の中身に火を消さずに氷を入れる」のと同じような状況だと思います。
熱が体にこもらないように部屋の温度や服装に注意する必要はありますが、冷却シートや氷などで積極的にに冷やすようなことは、本人が冷やすことで気持ちがいい(楽になる)ならしてあげてよいですが、逆に嫌がるような時に無理強いする必要はないと思います。

原則は、(1)熱の上がり始めに手足が冷たかったり震えたりしているような時期には暖かくしてあげて、(2)少し時間がたって熱が上がりきって手足も暖かくなってきたら、熱がこもらないように少し薄着にしたり部屋の温度を調節したり注意してあげて下さい。

ただし、今の時期「熱中症」などの時は、風邪の熱と違い積極的に冷やす必要があるので注意して下さい。