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「幻滅のたびに甦る期待はすべて、未来論の一章を示唆する。」(Novalis)

BRAINZのことなど

2007年09月13日 | Weblog
9/12
西荻窪の洋書店で、林道郎先生のレクチャー。コンセプチュアル・アートについて。

安倍首相の辞任劇は、課せられた役を演じられない大根役者のリアルな悲喜劇が劇になってしまって、なかなかイタイ。年末に『美術手帖』にて、ポツドール、チェルフィッチュ、五反田団について劇評を書いた際、彼らの劇と小泉劇場ないしそれを引き継いだ安倍首相のカメラ目線の大根役者振りとを並べて論じたが、こんなにはやく安倍首相が引退劇を演じることになるとは、その時、思ってもいなかった。演じると言うことの過酷さをさらし続けたひとだった。

でも、この劇のすごいところは、誰も彼を救おうとしなかったところにありはしないか。安倍が自分で自分を殺める(直前)まで周囲はしかとあるいは揶揄をし続けた。彼が降りた舞台は、首相という役を演じる劇というだけでなく日本中からいじめられるいじめられっこという役を演じる劇でもあったように思う。辞任直前にテレビで見せた麻生や鳩山のいじわるな表情が頭から離れない。あと、他人事のように、評論家みたいに、いまの状勢を解説する自民党の現役議員にも辟易する。ぼく(ら)は、安倍に首相をやめてもらいたいだけでなく、ああした心の暗い人々が政治を行っているというその事態ごと廃棄したいと思っている。週刊誌の毎度の(不倫やらの)スキャンダル報道もどうでもいいと、いや、積極的にやめて欲しいと思っている。できることなら、もうすべての既存の議員に辞めてもらいたい、でもじゃあ、一体誰がその代わりに政治を運営することが出来る?いや、希望は捨ててはいけない。でも、ここにあるのが、とてつもない変動の序章に過ぎないと言うことはあり得る。それぞれのひとが各人ある種の覚悟をしておく必要があるかも知れない。

Rita Reys『Beautiful Love』購入。これを買う動機になったあるアンソロジーには、「Moonlight in Vermont」という曲が入っていた。そのちょいハスキーで、消え入りそうなそれでいて印象的な、明滅する港の灯りみたいな声がいい。2004年発売の上記CDは、ジャケ写真の表情と同様、やや老いを感じてしまう声ではあるものの、これはこれでいいかな。

9月のこの時期というのは、「から」な感じがある。暑くても、それを照らすものがもうどこかに行ってしまった、といったような。和光大はまだ講義が始まっていないようで、図書館に行ってもとても静か。

BRAINZでのレクチャー、「受講希望者0人」だったらどうしようという悪夢にうなされておりましたが、幸いにも杞憂に終わりそうで何より(ほっ!)、そろそろ定員に達しそうといったところだそうです。申し込んで下さった方々、よろしくお願いします。あと、まだ若干名空きがありそうなので、興味のある方はお早めにどうぞ。
さて、その「フィジカル・アート・セオリー入門」の概要(予定)について、メモをアップしておきます。といっても、これだけじゃなんか暗号みたいな状態で分かんないですよね(笑)。今後、随時、更新していきますので、よろしく。

 (1) 「イリュージョン/プロセス」  シアトリカリティ 誘惑と脱誘惑
        ↓           (アンチ)スペクタクル 室伏
 (2)  「タスク」          ロボット、テクノ、泉、Perfume
        ↓ 身体表現サークル
 (3)  「ゲーム」          表現者からプレイヤーへ ブラウン
        ↓           振り付けからルールへ
 (4)  「死体」 身体=身体=狂気  マテリアル 断片 土方 手塚 狂気
        ↓           死体が踊る(不)可能性
 (5) 「ストラクチャー」       フレームは何を可能にするのか
                     バリのチャロナラン劇

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