イラストゥ~ンの穴

旅するイラストレーターのスカンピン生活

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2012-05-14 | バイク
巻頭特集は「冒険の旅へ」です。
ドキドキワクワクする言葉ですねー!

これはCT110でオーストラリアへ冒険の旅に出たある日の日記の抜粋です。
計算を間違えると死に直結するので、ダートでの燃費と無給油間距離を
慎重に測っていました。
悪路と暑さで死にそうになりながらも生きていた、なつかしい記録です。

20.oct <ブッシュキャンプ>
暑さと、どこからか侵入したアリで、あまり眠れなかった。
暑さは北上するほど、そして西進するほどにひどくなる。
40℃まで測れる温度計は上限を越えて破裂してしまった。
アリは見ないことが無いほどに多い。
そして暑さが増すと種類も増えてくる。

ダートでの平均速度は30キロほどか。
道いっぱいに広がるブルダストを前輪で水をかき分けるように2速で進む。
土漠には、ゆるいながらもアップダウンがある。
その谷になっている部分には、たいていブルダストがたまっている。

日中は滅茶苦茶な暑さで目を開けるのも辛い。
休憩の度にホット目薬をさしている。
遠くにブッシュファイヤーか竜巻きか?
追いかける形だが、一向に追い付かない。

熱ダレでパワーがなくなったと感じたら、焼き付く前に休ませる。
ホンダのタフなエンジンに何度も助けられる。
CTにドカシーをかけて影を作って、その中でジンジャーナッツと水(お湯)の昼食。
ハエは気にしていたらキリが無いので無視することにした。
アボリジニが俺以上にハエを気にしているのがおかしかった。
キックも抵抗を感じず、もっと固めのオイルを入れておけばと後悔。

午後おそく、Burketownに到着。
こんな暑さは経験がない。死にそうだ。俺もバイクも。
一泊4$のキャラバンパーク。
赤砂まみれの汗臭い体をシャワーで洗い流す。
パンツを洗って、バイクに注油。
冷たい水を何リッター飲んだことか。
こんなに水に感謝したこともない。

夕食はトム・パイパーのチキン缶詰め、パスタのクリーム煮。
こんな何もない土地(失礼!)に200人以上が住んでいるのだ。
驚きだ!
ここで産まれて、ここで土に帰る人もいるのだろうなぁ。
月が消えたら、ものすごい数の星! 天然のプラネタリウムだ。
ミルキーウェイもはっきり見える。

この先の261キロの無給油区間はどうしよう?
10リッターのサブタンクに幾らか給油した方がいいだろうな。
水は手持ちの水筒(1.6+1+1+0.7+0.5)で4.8リッターか。
ぺトロールステイションで白人に「I wish good luck!」って
拝まれたよ。死ぬなよってことだろう。


翌日のDoomadgeeからWollongorangまでの道はこの旅で
最も過酷なものでした。突破不可能とも思えるブルダストが
数キロに渡って続いていたのです。
そのお話はまたいつか。
コメント (5)
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