不思議な印象で思い出すのです。
昨年10月15日、キタラで上杉春雄ピアノコンサートがありました。
懇意にしている知人のご子息です。
クセナキスのヘルマを聞きました。
彼は解説で 素粒子が飛び交う世界 をイメージしたようです。
私は 最近の素粒子論に少しかぶれていますので 興味しんしん
でした。
頭に ニュートリノや光子やヒッグス粒子やダークマターなどが飛
び交います。
4次元時空や9次元空間を飛び交います。物質や反物質の世界
がチカチカします。
音のない世界です。
それをピアノで演奏しています。
ふと思いました。
素粒子の世界を頭でイメージしていることに似ているな、と。
不思議な共感を得ました。
クセナキスは、1930年代ヨーロッパの激動を知っての人生だな、
と想像しました。
あの頃の物理学者エンリコフェルミ―やキュリー達の、したがって
彼らの弟子たちのレジスタンスのことを知っている、と想像しました。
私が共感した時代の人達です。
そんな想いで ヘルマ を聞きました。
ピアノ演奏は、ときにはとても鮮烈でした。
奇想天外でした。
私には 深いところで 静かなのです。