さっぽろ物理塾です

ここは私の五感と第六勘の場所です。
過去現在未来の時空を行き来するでしょう。
希望を込めての日記・エッセイです。

何のために勉強する?

2018-11-08 09:23:12 | 受験・学校

高校でも普通科の場合、しばしば「先生、何のために勉強するの」と聞かれます。
およその察しは尽きます。

それはね、 面白いから勉強するよ。それと
勉強して、将来は世のため人のために働くよ。
勉強すると、親も、友達も、先生も、近所の人も喜ぶよ、と

生徒は、一瞬、怪訝な顔をします。そして
「そうだろうな、先生ならそう答えるよな」と言うことが多いものでした。

同級生や同窓生が有名になると、我がことのように嬉しいものです。
スポーツ、学問、事業・企業、芸術など一生懸命になって努力した人は
自分の自慢でもあります。自分も頑張れるのです。

今はもう年ですから、面白いから勉強しているよ、です。

日々、縄かけなど庭の冬囲い、自主リハビリ、通院(複数)、PCメール、水彩画
おもしろじっけん教材工夫、CALCULUS,今は「日経サイエンス 量子宇宙」
そして、5千歩ほどの散歩です。




物理の授業

2018-09-24 11:38:16 | 受験・学校

どこの学校に勤務していても、毎年4月、物理の授業の初めに、言いました。

物理と聞いて、そんな難しいことを、と思うことはありません。
身の回りの、そこらの、当たり前のもの事を知りたい気持ちが物理の心です。
日本語で話します。日本語で考えます。記号は広く世界で使われているものです。
アルファベッドのABCやギリシャ文字のα・βーなどを使います。少し格好がつきます。

数式は、数学を言葉として使います。日本語で説明すると、とても文字の数が多くなって
面倒です。簡単に表現する方法です。次第になれます。
小学校・中学校で勉強した数式が多いのです。
五感で感じることの物事の仕組みを知ることが物理です。
来年3月には、物理は面白いものだ、と思うようになるでしょう。
僕はそんな授業をするように努力します。

嫌いになった、という感想はありませんでした。

 

 

 


通学バスで通勤することも多かった

2018-09-24 11:01:42 | 受験・学校

石狩高校時代、地学と物理の授業を担当していました。
下校時の遅めのバス中では、時折、生徒からの質問がありました。
バスが込んでいるときに多かったものです。
先生! 宇宙はどこまで広いの?  それはね・・と、知っていることを答えます。
別の日、先生! 質量って、最小単位はあるの? それはね、実はよく分からないのだ。
どうして ガラスは光を通すの?  どうして 木やプラスチックは電波を通すの?
どうして 月は地球の自転方向に回るの? などなど 主に女子からの質問でした。

私が話し始めると、少しして、バスの中が静かになるのです。
聞き耳を立てている様子。1年生も2年生も3年生も乗っています。

あの頃の石狩高校の 私の周りの雰囲気は、とても素敵でした。
困ることも少なからずありましたが、まだ何とかなりました。

 

 

 

 



 


きれいな教室にすると

2018-08-16 20:47:37 | 受験・学校

担任を持って3年間を過ごして卒業させたら、すぐにまた3年生の担任を引き受ける
ことがあった。 理工系進学希望クラス。 40代半ばの頃である。
大変なクラスであることを知った。あちこちに落書きがある。掃除をきちんとしない。
授業が成立しない寸前であり、まもなくいじめがあることも知った。

始業式前日までに教室の落書きをすべて消した。シンナーで。
 毎日、書かれた落書きを消した。生徒が帰った後で。
始業式当日から、放課後の教室掃除に付き合った。 生徒に声掛けをした。
生徒に用事があるときは、教室に出向いて呼び出して伝えた。
 わざわざ、用事を作っては、多くの生徒に声かけに出向いた。
退勤前に、教室の机を前後左右をきちんと揃えた。床の木タイルの線に合わせて。
 1ヶ月もすると、机の乱れは少なくなった。卒業まで続けた
いじめの現場に出会った。大勢が知らぬふりをしていた。
 本気で怒った。私の場合、愛のむちはあり得ない。いじめはなくなった。


家庭訪問週間を設定した。希望日と希望時刻の欄を作って、記入させた。
出来るだけ、両親も家族もいるよう希望した。
 家庭訪問では、授業態度や学業成績のことを話さないようにした。
 生まれていつ首が座ったか、いつごろからハイハイしたか、お尻でずったか、
 幼稚園・保育園から小学生の頃の思い出などを家族から聞きだした。
 生徒の部屋がきれいになった。たばこの匂いもほとんど消した。
 家族は、先生が来るというだけで、こんなになるとは、と驚いた。
 最も問題生徒は、立ち直った。
車を持っていなかったから、自転車で走り回った。札幌市北区西区そして石狩市内を。
 

卒業の時は奇跡が起こった。





物理試験の追試

2018-08-15 14:18:47 | 受験・学校

中間試験・期末試験で物理の試験はなかなか工夫が要るものでした。
100点満点で、ボーダーを30点です。
何人かは30点未満です。考えました。そして

各人に、一人5問を前もって提示しておきます。
問題提示後1週間以内に、私に5問のうち3問の解答を説明して見せること。
おもしろい事が起こりました。該当生徒は、出来る生徒に一生懸命に聞くのです。
当日、廊下で腹ばいになって、紙に書いて、説明の練習をしている生徒もいます。
出来る生徒は、改めて勉強になります。お互いにより仲良くなります。
二度もボーダー以下の点数の生徒は、ほとんどいなくなりました。

 

こんなこともありました。

物理が出来る生徒がいました。そこそこの点数を取って慢心気味でした。
親との面談のとき「息子はこれではだめです。今度の試験で赤点をつけてください」
それで、考えました。彼にはこいういう問題は苦手だろう。
平均点50点になるように想定した問題を作りました。
彼の得点は29点でした。自分でも驚くほどうまくいきました。
彼は、以後発奮して大学進学しました。今や50歳を過ぎて、大企業情報系部門の幹部です。
今の私は、こんなことはもう出来ないでしょう。あの頃私は40代でした。