今年は放射線検知器や測定機の製造が追いつかない程に売れているそうです。
地表や大気中の放射線を測っているのでしょうか。身近に放射線源を見つけたり採取することが出来ます。GM(ガイガーミューラ)カウンターやシンチレーションカウンターで、身辺に案外簡単に見つけることが出来ます。
1 墓地に行って、花崗岩(御影石)の墓石に計測面を当てると数値が上がります。花崗岩にはウランUがわずかに含まれているからです。
2 地面に深さ1mくらい、径50cmくらいの穴を掘ります。ベニヤ板か段ボールで蓋をします。中央に掃除機の先が入る穴をあけておきます。掃除機の先にコーヒー紙フィルターを宛てて輪ゴムでホースに止めます。これを穴に50cmくらい差し込んで、30分くらい中の空気を吸引します。この紙フィルターに検知機(測定機)を当てます。ラドン系の放射性物質が付着しているので、数値が上がります。3時間ごとに計測します。5日間くらいデータをとります。グラフを撮ると数値の減衰が分かります。これから半減期を推定出来ます。鉛箱に紙フィルターを入れてデータを取るとバックグラウンドが減るので、半減期から放射性物質の元素を推定出来ます。
3 昆布に測定機を当てると数値が上がります。昆布にはカリウムKが多く含まれているので、安定Kに含まれている放射性Kからの放射線を検知していることになります。
4 キャンプに使うガスランタンのマントルに検知機を当てると、数値が上がります。マントル繊維に原子炉内で核分裂した放射性物質を含ませているからです。ランプに着火しやすくするためです。この繊維を取り出してマチ針に巻き付けて、霧箱の放射線源にすることが出来ます。
5 家庭用の火災報知機に検知機を当てると、数値が上がります。煙検知部分に含ませている放射性物質から出る放射線が煙によって乱れます。このときスイッチが入って報知機が鳴ります。この放射性物質も原子炉内核分裂生成物質です。
6 夜光時計に検知機を当てると数値が上がります。光るのは放射線のアルファ線が周囲の原子に当たると発光します。これも原子炉内核分裂生成物質アメリシウムなどです。
7 雨・雪を集めて含まれる塵、重金属鉱山近くの川さらいの有色鉱物などいろいろ採取することが出来ます。
8 長距離ドライブで検知機を作動させておくと、場所によって数値が上下します。これは、安山岩系とそうでない地層系で主にウランU系物質の含有の違いによるものです。
9 峠などでは数値が上がります。峠の地質にもよりますが、高地では宇宙線由来のガンマ―γ線、ベータ―β線が増えているからです。近年は、放射線検知器を旅客機に持ち込んで作動させることは禁じられています。
放射線について、機会があれば知識を持ちましょう、実験しましょう。原子物理から始める物理の勉強もあるのです。
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