さっぽろ物理塾です

ここは私の五感と第六勘の場所です。
過去現在未来の時空を行き来するでしょう。
希望を込めての日記・エッセイです。

貨幣はエネルギーのバーチャル(仮想)に思える

2019-05-26 09:04:01 | 社会・経済

20代の学生時代に「資本論」を読んだ。
泉田先生の資本論特講で数人の学生のゼミ形式であった。
特講では終えないので、あとは自分で読んだ。冬休み春休みいっぱいかかった。
食事・トイレ以外は極力読み続けた。そんな気持ちで読んだ。
泉田先生にはずいぶん質問したり意見を交わしたりして、読んだ。
価値論が問題であった。今もそうであるらしい。

30代で「プリンピキア」を読んだ。徳永先生と高校物理教員2名で、
1年かかって現在の教育大函館校物理徳永研究室で、ゼミ形式であった。
残りは、自分で読んだ。

僕なりに気づいた。19世紀の「資本論」は15世紀の「プリンピキア」かな、と。
19世紀の半ばは、イギリス産業革命、蒸気機関の実用が進み、熱力学が確立する
過程であった。その時代にあって、「資本論」に熱エネルギーや力学的エネルギーの
概念がないことに気づいた。
先進的であったはずのマルクスは科学・技術の勃興期の理論を知らなかったのか。
どう探しても、著書には見られない。

数年前から、仮想通貨(バーチャルマネー)が通用し始めて、実用に入りつつある。
気づいた。
貨幣の始まりは仮想エネルギーであったのでは、と。
人類は、物々交換の不都合から貨幣を発明したといえよう。
地球上にある物を採取し、加工し、運搬し、交換するエネルギー変換を価値交換と
言えるのではないか。
このエネルギーの代替としての貨幣の発明であった、と言えるのではないか。

エンゲルスは科学に関心はあったらしいことは「自然弁証法」にうかがえる。
それにしても、「進化論」どまりに思える。
マルクスもエンゲルスも当時の物理学者たちの考えには鋭い批判をしているのを感じて、
僕は20代から??と思いつついた。

僕は革命が嫌いだ。古今東西の革命は、少数の目覚めたと称する権力亡者が多数の愚者
を扇動して多くの殺戮の上に欲望を築く。
さらに、必ず、反革命といって見せしめもあって、多数をライバルにして殺戮する。
古代ギリシャ時代の奴隷制のもとで成り立つ民主主義を現代民主主義になぞらえている。
20世紀以降、民主主義から始まる国名は独裁国家であろう。
21世紀の今や革新を標榜する団体は旧守派の要素を強めている。ポピュリズムが怖い。
これからの民主主義は、とてもコストがかかる思想であるのではないか。
超人工知能時代の民主主義の思想・哲学構築が始まりつつあるのを感じながら、もどかしい。
たぶん、人類の改革が始まっているのだろう。
宇宙論研究者がいう「人間原理」の思考もその一つであろうか。

大げさではなく、宇宙の根源にかかわる時代に入りつつあるのを感じている。



 

 


さっぽろ物理塾 食品中の放射能検査

2011-12-17 11:52:48 | 社会・経済

1か月前、食品冷凍冷蔵業界団体の会合で「福島第1原子力発電所事故による放射性物質の拡散と対応」と題して90分の講演をしました。

食品加工と流通に係わる事業にとっては、今や重大な問題です。皆さん極めて真剣でした。

この場で、食品中の放射能を計測する「株式会社 札幌中央卸売市場食品衛生検査センター」が中央卸売市場ゾーンにあるカネシメ冷蔵2階にて発足することを知りました。 12月12日から検査の受託が始まりました。

昨日(16日)、見学してきました。津田社長と赤石検査員とは先の講演会で面識になりましたので、いろいろ説明を伺い、装置を見せて頂きました。

ゲルマニュウム半導体検出器でパソコンによるγ(ガンマ)線スペクトロメトリをとります。最新のものであり、半導体検出器としても精度がとても良いものでした。検査料金も17,000円と安めに設定を感じました。

関連業界が出資して設立した会社であるとのことでした

食品業者を主体にはもちろん、一般にも利用されることを目的とした、北海道内の画期的な会社です。

今回の事故はもちろん、これからの世界の動向にも、優れたデータの蓄積となります。

放射能計測により、食品安全のためのデータ解析に期待が高まります。

こうした高精度計測技術が一そう消費者の安心感になることでしょう。

そのためにも、かなり長く食品放射能計測データの蓄積も大切と思いました。

食品企業・商店も消費者も大いに利用することの意義は大きいと感じました。

難しいと思われがちな放射性物質に関する知識が、こうしたことからでも生活の知恵に繋がることを希望しています。

  URL  http://www4.ocn.ne.jp/~b-juku/      さっぽろ物理塾    もどうぞ


忙しくなってきました

2011-10-25 09:34:52 | 社会・経済

私にはまだ使い道があって、意欲もあって、忙しくなってきました。

原子力発電所事故のため、影響を強く受ける業界は幾つもあります。それで、危機管理意識から放射性物質(RI)飛散・放射能防御・放射線被ばくに関して知りたい要望があります。そのために資料を作り原稿を書いていますので、少しの期間、ブログをさぼります。

また、他から、子供団体(小学生・中学生)に向けての活動として①物理分野の実験をして②興味を持ち続けられる③面白い授業を出来ないか提案されました。強い意欲をそそられて、思案中です。

このブログ、見に入る人が少しづつ増えつつあります。じっと観察しているらしアクセスも感じます。うかつなことは書けません。

もっとフォトをも入れて、日常性も合わせて充実したいのです。大切な内容もあり情感もある。そして未来性の希望もあるよう工夫します。


さっぽろ物理塾 IAEAへの報告 

2011-06-17 11:52:32 | 社会・経済

6月7日に、「原子力安全に関するIAEAに対する日本国政府の報告」がHPにも発表されました。東日本大震災による東京電力福島原子力発電所事故に関する報告書です。さっそくプリントアウトしました。添付資料も含めて900ページ近くありました。

6月8日の新聞に解説はありましたが、そうかなと思いました。一通り、目を通しました。私なりに、行間をも読み取りました。

原子力関連法規、津波被害、事故発生状況、対応、被ばく状況、国際協力、コミュニケーション、収束取り組み、教訓、炉心状態、評価のクロスチェック解析、図表、自治体への助言概要、RI含有水の流出対応、被災者への当面の取組方針、教訓からの具体的対応策の順です。

これをどう読み取るか。

私は、先ず、全体を一通り目を通しました。現段階で、良くここまで出来たとの認識を持ちました。日本のテクノクラートは優秀と感じ入りました。そして、どの政党も政治家トップの無能を改めて恐ろしくなりました。冷静に推移を見守る国民も意識ある世界の人々も固唾をのんでいることでしょう。

原子炉物理学・工学研究者、放射線物理学研究者、放射線防護学・物理生物学研究者、地震・津波・テロ等セキュリティー学研究者と技術者は長年の提案が受け入れられないもどかしさ故の今回の事故に、それ見たことかという間もない日々の働きを想像しております。

事故が起こらない対策コストよりも、一度の事故後のコストの方がはるかに高くつくことが今回も示されました。

私は、学校教職にあって、高校物理教科書の最後に載っている原子物理の授業を必ずしました。原水爆のこと、核実験のこと、核ミサイルのこと、原子力発電(核分裂・核融合反応)のこと、放射線のことを基本である原子物理から始めていました。文明と産業とエネルギー利用(エントロピー発散も)とこれからの科学と技術について生徒が、自分の考えを深めることはとても大切です。将来、原子核反応エネルギー利用に賛成であっても、反対であっても国民の大切な素養であると考えていました。

しかし、教職員組合や特定政党関係者から原発推進者として見られたり、専門家集団の放射線実験講習授業を、前の校長は許可したのに、次の校長は組合がうるさいと許可しませんでした。彼は原発反対論者かと問題視した教育委員会上司や幹部もいたと聞こえてきました。社会に関係が深い過去・現在・未来に大切なことの教育を進めると、しばしばこうなるのです。

学校では、生徒に支持されても、目立つ仕事をする教員は学校からはじかれるのが常です。しかし、3人以上の教員が頑張って児童・生徒に一生懸命になっていると、学校の資質が高くなって評価されます。アニマルペアレントがいて騒ぐと、このことが壊しになりますが。

これから、この「報告書」に関連して、さまざまの立場からのデータと論文が出るでしょう。何よりも、震災や原子力発電所事故の被災者の記録、被災地の記録が出ることでしょう。

ここに至って、人類始まって以来の日本人は、これまでのリッチになる文明を落として、安全・安心・安定を模索するのでしょうか。出来るのでしょうか。模索しなければならないのでしょうか。私には、まだ選択可能で実現可能な理論や思想の創造は時間がかかると思っています。国民の多くは、いまだリッチを求めています。容易ではないでしょう。

戦後、日本は奇跡的な復興をなしたではないかと言われます。確かに、日本人は特異と評価される勤勉な資質があります。あのときは、朝鮮動乱の特需が日本経済の復興に繋がりました。その後も、ベトナム戦争が落ちかかった日本経済を伸ばしました。

約2500年前、ソクラテスも釈迦も孔子もリッチを求めての幸福は無いを説きました。約2000年前、キリストもそういいました。ソクラテス以外の人の崇高な精神は、後に似ても似使わない宗教になりました。釈迦・孔子・キリストが最も懸念した方向になりました。

それにしても、今後中国、インド、アフリカ、中東では原子力発電エネルギーが必須となって発電所建設が進むでしょう。産業と生活維持・向上の手段です。たとえ当事国の政権維持の手段であったとしても進むでしょう。

21世紀は、人類は文明を制御する英知を創造して、地球上の生きとし生けるものの安全・安心・安定を実現すべき働きをするようになったと言えるようになりたいものです。夢であり理想でありますが、出来る筈がないと思える物ごとを、これまでは特別と思える人によって可能にした歴史です。さまざまの分野の新理論を生みました。幾多の発明・発見・開発があって人々はその成果を享受してきました。

一方、働き者・怠け者、金持ち・貧乏、戦闘的・平和的、便利・不便、頑健・病弱、丈夫脳・異変脳など対極的な現象は、人間は生命体であるがゆえに、太古から現在もこれからもレベルは異なっても続くでしょう。生命の永続という生命体の本能は、どういうことの作用であるのでしょう。

私は、今の地球人がこれから1万年は、命を繋いで生存するためには、望ましい文明を創造して永続する、恐らく制御可能な思想を持つこと急ごうという使命感を感じます。

   URL     http://www4.ocn.ne.jp/~b-juku/   もどうぞ