若いとき、ある所で「○○ 六花子」と書かれた名簿を見ました。読めませんでした。
その人から「ゆきこ」と読みます、と教えられました。辞書で調べました。
古くから「六華」「六花」と書いて「ゆき」と読む読み方があることを知って、なるほど
こういうのもいいなと、納得したものです。
雪の結晶は、多くは六角形です。美しい日本語の妙ですね。
昔の人も、空から降る雪を観察していたのですね。
さまざまな形をしている、多くは規則的な形の結晶の模様をした雪がとめどもなく
降る。そんな景色の中にたたずんでいると感動します。
子供の頃から、短い時間でも雪にたたずむことをしていたようです。
父母は、とがめませんでした。
私は、雪かきが好きです。苦になりません。
深々と降る雪はおごそかだ
雪雪雪が一面に降ってくる
動くと 私に向かって いっせいに降ってくる
前に行っても 後ろに下がっても
右に動いても 左に動いても
雪は 私に向かって いっせいに降ってくる
それで止まると 静かに降っている
私はゆっくり前へに進む
雪は穏やかに 私に向かって降る
雪は怒る 吹雪になって怒る
風と一緒になって怒る
横から怒る
音を立てて怒る
後ろからも怒る
前からも怒る
風と一緒になって 怒る
後ろ向きなって進んでも 怒る
少し逆らって 家に 建物に入る
治まるまで 逆らわないことだ
温かい部屋の窓ごしから 怒る雪を見る
止むまでを待つ
しばらくは 怒るにまかせよう
治まったら 雪かきだ
厚手のコートを着て 帽子をかぶって
軍手をはいて 長くつはいて 外に出る
周りを見渡して 近くに人がいたら あいさつして
メートル竹物差しで 深さをはかる
深いほど なぜか納得する
スコップに ジョンバに ミニダンプ
雪かきのこつは 慌てないことだ
深い雪ほど ゆっくりのペースがいい
雪かきは美学だ
働いている
出来上がりを イメージしている
終わって 家に入って
ココアか甘酒か紅茶かを飲む
ああ満足