さっぽろ物理塾です

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霧箱を作りました

2011-11-15 11:20:23 | 日記・エッセイ・コラム

放射線の一種、アルファ線(α線)の飛跡がようやく見えました。改めて、自然の妙味を見ました。美しいものです。写真に撮るには、しっかり準備が必要を感じました。

霧箱製作で、いつも最初の飛跡を見ること、簡単ではないのです。

高校物理授業で、霧箱での放射線飛跡の観察実験を約10年間していました。10組のグループでも、全部のグループが観察成功とはいかないものでした。径10cmのドライアイスを使う製品でも、コツがあって難しいものでした。

今は、利用可能な日用品があって便利になりました。ほとんど100円ショップで手に入ります。パイレックスガラス容器、花鉢の受け皿、すきまハードテープ、注入用ポリ容器、LEDライト、厚手のサランラップ、ドラッグストアで売っている無水アルコール、ホーマックで売っているガスランタンマントル(放射線源として)、軍手(ドライアイス扱用)、塩ビ管(30cm)、それに家にある濃い布(パイレックスガラス容器底の面の分)と細い針金(5cm:先にマントル糸を巻きつける)とドライアイスです。

ホームページには実に多くの「霧箱製作」を紹介しています。私も幾つかの例をその通りに作ってみました。実験してみて、肝心のことは試行錯誤でしか方法がありません。

それは、①この装置のアルコール注入は多すぎないことが適量、②必要なドライアイスは径が10cmで300g以上、17cmで1kg、③線源の底からの高さは5mmから10mm良い、④ドライアイスを1cmから2cmくらいの粒に砕く、⑤線源を装置の中心にセットする、⑥容器の端に固め隙間シートを張って、針金を刺して、線源の高さを調節する、⑦装置をしっかり水平にすることです。これが技術的コツです。そして何より辛抱強く繰り返し確かめることが、精神的コツです。

ドライアイスを使う装置は、径が10cm程度で十分です。

ヒートガラスを蓋にして高温にする、液体ヘリウムを冷媒にすることで温度差を100℃くらいにすると、ベータ線(β線)の長い飛跡が見えるでしょう。この場合は径を20cmくらいの容器が良いでしょう。しかし、ヒートガラスも液体ヘリウムも高価です。未だ確かめていません。

一度、実験に成功すると、条件が変わっても適切にすることが分るようになりますので、失敗を少なく出来ます。顕微鏡捜査、天体望遠鏡捜査、光速測定実験など始めてから慣れるまでの根気が気にならなくなります。

 今朝は、うっすらの初雪です  ピリッとした素晴らしい天気になりました。

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