北海道は、東北六県より広いのに、これまで発見された隕石はとても少ないものです。
5月末、以前に勤務していた道東のある町に寄りました。知り合いの家に立ち寄った時、私が「さっぽろ物理塾」を主宰していることを知って、「これを見て」と10kgほどの石を見せてくれました。100年ほど前、お爺さんが100kmほど離れた付き合いのある家で、空から落ちてきた石を大事に飾っているのを、隕石と確信して譲り受けたそうです。
以来、大切にしてきたが、本当だろうかと、その孫が私に見せてくれました。以前から、家の人はこの石があると不吉なことがあると誰かから聞かされ、判断に困っていました。
噴火溶岩にしては雌阿寒や雄阿寒の噴火岩石とは思えない。小惑星イトカワ形状にも似て、全体として丸みがかっている。石鉄隕石と見えなくもない濃い青黒である。表面がガラス質が多めにも見える。凹凸(凸の大きさが大体5mmほどでそろっている) が丸みがかっている。何よりも、こんなに大きな石が隕石であるとしたら、とんでもない発見になる。
迷って、私よりはるかに詳しい教え子に依頼して、専門家の鑑定にお任せしました。
隕石でないにしても、なぜあの石がかの地に空から落ちたのか、私にはとても不思議なことです。結末はどんなことになるのでしょう。