江戸時代の平賀源内のエレキテル遊びは良く知られています。
織田信長や秀吉は地球儀を見ていたらしい。なるほどと思っていたのでしょうか。地球儀は当時のヨーロッパでは広く受け入れていたわけでなないというのが通説です。
昨今の日本では、科学実験、サイエンス実験が全国でイベントとしてあるいはTVで毎年盛んに行われています。文科省から関連機関を通しての多額の資金も投入されています。土・日や夏休みに行われています。
多くの場合、小・中・高・大の先生たちが中心になっています。地域では、子供や親が不思議や意外性が面白いので楽しそうです。先生たちも楽しいものです。
江戸時代平賀源内の21世紀バージョンです。
こうしたイベントは、20年以上前から徐々に盛んになってきました。日本の子供達に身の回りのものごとの不思議を面白く実感して、将来の科学・技術振興の動機づけを期待しての運動であるのです。
私は、数年前までこうしたイベントをする団体に所属し役員も務めていました(過去形です)。
この運動をしていて、次第に気になりだしました。事業に協力している先生たちの中の少なからずの先生が、所属する学校の①授業を関連付けして充実していない、つまりその先生がいる学校の理科教育が盛んになっていない、②生徒と接する時間にむらを生じて、あるいは減らしている、③公務に支障をきたして職場から浮いている、④小・中・高・大の理科・科学の学力向上にはなっていないことを知りました。先生は学校の仕事が大事です、余力でのおもしろ科学実験から学校に連携する事業を工夫しましょうと主張しましたが通じませんでした。
私は、20年以上の経緯を見ていて、このイベントで科学者・技術者あるいは科学・技術の素養を深めた大人が増えたとはいえないと考えるに至りました。
ここでも、理科の授業は校外では遊びにしている。これはこれで楽しいものです。しかし、文科省関連資金でやることではない、むしろしてはいけないというのが、私の考えです。
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