東アジア歴史文化研究会

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『日中戦争 真逆の真相 誰が仕掛け、なぜ拡大し、どこが協力したのか?』茂木弘道著(ハート出版) なぜ日本は泥沼にはまったのか 毛沢東の謀略をよめず「善意」で対処した日本外交の大失敗

2024-04-04 | 日本の歴史

近代史の四つの闇がすっきりする本である。真実は戦後の歴史学者の分析や歴史教科書の記述とは異なり、結局、日本は毛沢東の謀略にしてやられた経過が一目瞭然となる。日本人の『善意』は「悪党」たちには通じないのだ。

「日本は国際法を尊重して、歴史の事実を重視する国です。しかし中国では国際法や歴史は、政治の武器に過ぎません。日本侵略者説を徹底論破した本書は、中国の真っ赤な嘘を暴く」として、本書を推薦するのはジェイソン・モーガン(麗澤大学准教授)だ。

日本が中国共産党が巧妙に仕掛けた謀略に巻き込まれたのが日支事変(左翼歴史学者は、これを「日中戦争」という)。

つまりうぶで善意に満ちた日本は世界のワルに欺されてしまったのである。

安岡正篤の言葉を思い出した。

「悪党は一人でも悪党といわれ団結性を持っている。それに比べて善人は、善党といわれないように孤立的、傍観的である。従っていつも悪党に機先を制せられる。今日必要なことは善人が団結し、勇気と自信をもって民族の道議を回復することである」(安岡正篤。昭和四九年四月二日、日本会議結成会での基調講演)。

1937年に、すべての謀略が集中した。

日本を巻き込んで、対戦せざるを得なくなる蒋介石国民党軍を疲弊させるのが毛沢東の戦略だった。当時のシナを統治していたのは国民党主導の「中華民国」である。

中国共産党の狙いは戦争を長引かせ泥沼化させることによって日本軍をも疲弊させる。国民党が疲労困憊、士気が弛緩した隙を狙って中国共産党が天下をとる。これが毛沢東戦略である。

徹頭徹尾、悪の論理で貫かれているのだ。

現在の中国共産党は、当時「正規軍」だった中華民国軍を「偽軍」と書く。中国各地の歴史記念館はかれらの政治宣伝の場だから、中国共産党が正統であると位置づけ、蒋介石軍は偽軍、なるほど分かりやすい歴史改竄だ。

そのうえ蒋介石軍たるや、度重なる猟奇的虐殺事件と休戦協定を平然と破り、そのうえに欧米の協力を得た南京大虐殺などのプロパガンダ戦。背後にはかれらのしたたかな謀略があった。

1937年に何が起こったか?
7月7日、盧溝橋事件(劉少奇らが日本軍に発砲し、戦端の糸口を仕掛けた)
7月29日 通州事件(在留日本人数百を惨殺し、日本を怒らせることを狙った)
8月13日、上海事変(無差別殺戮、日本は防戦。日本の世論は激怒)
12月10日、南京事件(国民党軍が逃げ去り、南京市民は日本軍入城を歓迎した)

これら一連の謀略によって日本は戦線を拡大させてしまった。ほくそ笑んだのは毛沢東だった。とくに日本が激怒したのは「通州事件」であり、日本人多数が虐殺され、日本のメディアが大きく報道した。

「暴支膺懲」の特大文字が紙面を飾った。

ところが、日本政府はと言えば、船津和平案を策定して、満州事変以後、日本が北支で得た権益のほとんどを放棄しようという和平案だった。日本人の「善意」は悪の前にころりと欺され、まさか1949年に毛沢東が天安門で人民共和国なる独裁国家を構築することになろうとは! この独裁国家成立に結果的に日本の無作為と愚昧な外交と宣伝ベタが手を貸したのである。

まさに日本の致命的欠陥は「宣伝ベタ」である。

四つの事変の詳細は本書にあたっていただくとして、評者がなによりも重要な指摘と瞠目したのは、アメリカ人ジャーナリストだったフレデリック・ウィリアムズの『中国の戦争宣伝の内幕』(田中秀夫訳、芙蓉書房出版)である。本書で紹介されている。

彼はこう書いた。

「世界はこれらの非道行為を知らない。もし他の国でこういうこと(虐殺など)が起きればそのニュースは世界中に広まってその空恐ろしさに縮みあがるだろう。しかし、日本人は宣伝が下手である。商業や戦争において西洋諸国のような方法を取ることに熟達していたとしても、日本人は自らの敵が世界で最強のプロパガンダ勢力であるにもかかわらず、宣伝を無視するだろう」

(いまでも世界中に建立されている慰安婦像建立というかれらの陰謀に対して無為無策だ)

「満州で無辜の日本人たちを虐殺した正にその中国兵たちが、捕虜になったときは日本軍によって給養され、『罪を憎んで人を憎まず』のサムライ精神によって、『もうああいうことはしてはいけない。さあ行け』と説かれていたのである。日本軍の将官は虐殺の罪を無知な兵隊に帰するのではなく、南京の軍閥やモスクワ、無知な耳に叩きこまれた反日宣伝のせいだとしたのである」

こうしてワルたちは日本の善意を徹底的に利用した。

本書の全容は次のとおり。

第1章 盧溝橋事件
1 事件の経過
2 当時の情勢
3 誰が発砲したのか?
4 本当の犯人は中国共産党だった
5 停戦協定破りの実行
6 遂に開戦通告へ

第2章 通州事件
1 事件の概要
2 犯行現場の目撃者の証言
3 証言を裏付けるもの
4 なぜ事件が起こったのか? ─誤爆原因説の誤り
5 誤爆説を完全否定する実行犯の手記
6 通州事件が「暴支膺懲」を煽る宣伝に利用されたという虚説
7 宣伝問題のポイントは何か?

第3章 上海事変(第二次)
1 船津和平工作とその挫折
2 中国正規軍による一斉攻撃
3 ニューヨーク・タイムズは中国の一方的攻撃と報じた
4 海軍陸戦隊の大健闘──上海大虐殺の発生を防ぐ
5 大苦戦の上陸部隊
6 ドイツ軍事顧問団の果たした役割
7 日本の和平提案──トラウトマン工作不成立

第4章 南京攻略戦
1 居留民保護から敵主力の撃滅へ
2 南京攻略すべきや否や
3 南京攻略戦
4 南京占領

第5章 南京事件の虚実
1 外国報道から始まった南京事件
2 安全区国際委員会と「南京安全地帯の記録」
3 人口問題
4 埋葬記録
5 ティンパーリ『戦争とは何か』
6 ベイツ教授は中華民国政府顧問であった
7 アメリカ宣教師団は中国軍支援を決定していた
8 捕虜の処刑の問題
9 虐殺事件とは
10 ニセ写真によるプロパガンダ
11 平和蘇る南京

第6章 和平工作の再開
1 トラウトマン工作の条件変化
2 陸軍参謀本部の和平実現への尽力
3 御前会議に持ち込むも
4 多田中将、声涙ともに下して交渉継続を主張
5 「爾後、国民政府を対手とせず」政府声明

第7章 「拡大派」「不拡大派」問題
1 戦争を拡大したのは誰だったのか
2 統制派? 皇道派? 一撃派?
3 事件勃発後の第一分岐点──内地3個師団派遣声明
4 内地3個師団の動員閣議決定──6万の増派
5 上海事変──本格戦争への突入
6 南京を攻略すべきか否か
7 蒋介石政権「対手トセズ」声明
8 「近衛上奏文」の誤り
9 結論:日中戦争を拡大させたのは中国であった


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