認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病/重症化のメカニズムと発病自体の予防の方法(H-15)

2023-12-12 | この先一週間-脳の活性化と私なりのテーマ

&1世界中の権威は、『アルツハイマー型認知症』については、無知:
(1) 『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の診断基準として、世界的な権威を今なお保ち続けている権威規定であり、米国精神医学会が策定した『DSM-Ⅳ』の第一要件が確認を要求する「記憶障害」が原因で、症状が発現/重症化が進行してくる訳ではない{記憶障害自体が、(AD型認知症)発病の結果発現してくる一つの態様に過ぎない}のですから。

(2) 明確に言えること、『アルツハイマー型認知症』を「①器質的な病変」が原因での「②記憶障害」に起因した「重度の物忘れの症状」を特徴とする『③神経変性疾患』だと誤解していて、「記憶障害という誤った的」に矢を射かけ続けている状況が続いていく限りは、或いは、その根拠規定である『DSM-Ⅳ』の規定内容並びに通説の地位をほしいままにしている「アミロイドβ仮説」が世界的に権威を維持している限りは、我が国の命運を握っている『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防』というテーマの国策化、私たち二段階方式が先駆的に実施した「住民参加型の地域予防活動」の国策化による全国展開が、どんどん先送りにされてしまうことになるのです。
(3) 私たち二段階方式(エイジングライフ研究所)が、独自に解明し、実務化し、マニュアル化し、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での先駆的な試みの活動に因り、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であることを、疫学的に実証してきた内容、本態が、『意識が覚醒した世界での注意の分配力の働きを核心とした前頭葉の機能レベル』が関わり、『前頭葉が活性化する「脳の使い方」としての生活習慣』の創意工夫と継続的な実践の為に不可欠な自助努力に因り、『前頭葉の機能が正常なレベル』を保っている限りは、絶対に発病は起きてこない/発病自体を予防(発病時期の先送り)することができる性質のものである廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない』ところの『アルツハイマー型認知症』について、発病自体の予防/症状の重症化の進行の抑制、更には症状を治す効能を有する薬が開発されることは、未来永劫有り得ないことなのです。
(4) 『仕事というテーマ』とは、無縁の日々を送ることとなる『第二の人生』を送る上で、自分自身が都度選択し継続的に実践すべき『脳の使い方としての生活習慣』の在り方、即ち、「第二の人生での日々の生き方」が、発病するか/しないかを決定づけ/問われる認知症が、『アルツハイマー型認知症』なのであり、『特定のテーマの追求と実行に因る「注意の分配力」の機能の出番が多くなり、「前頭葉が活性化」する生き方』自体を、当の本人の状況に応じて随時選択し決定し、実行する自助努力が出来る薬の開発は、未来永劫、絶対に有り得ないことなのです(エーザイが開発し、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を抑制する効能を有する「治療薬」と称している3種の薬、アリセプト、アデュカヌマブ及びレカネマブは、エセ薬なのです)。それら三種の薬には、症状の進行を抑制する効能は皆無であり、有るのは副作用だけ。
(5) 廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である『アルツハイマー型認知症』は、『第二の人生を送る高齢者だけが発病の対象』となる『老年発症が特徴』となるのであって、その発病者数が、社会問題になる程の人数(発病後症状が進行してきて、「末期の段階」にまで症状が進行してくると、日常のセルフケアにも支障が出てくるので、「介護」が不可欠となり、介護の費用が膨大な額に上ることになる)、極めて多数に上る状況は、先進国の中でも更に高齢化が進んできて、『超高齢社会』(又は、『超高齢化社会』)と呼ばれる段階に到達してこないと起きてこない現象なのです。

&2『アルツハイマー型認知症』の特徴
(1) 皆さんが、日頃耳にしたり、目にしたりする認知症の大半、90%以上を占めるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。
『アルツハイマー型認知症』というのは、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の『高齢者だけを対象』にしての発病が確認されるのであり、「老年発症」が特徴なのです。『加齢』に起因した脳機能の低下の進行を基礎要因(基盤にある条件)とし、もう一つの加重要因であるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(日々の生活習慣の中での『出番が足りない=使い方が足りない』ことにより、働きが衰えて行く)が、発病及び症状の重症化が進行する核心的な要因であり、症状は、徐々に、段階的に、緩やかにしか進行して行かないことが特徴でもあるのです。
発病及び重症化の進行の背景には、『加齢』に因る機能低下の進行という要因とナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に因る廃用性の異常な機能低下の進行という『二つの要因の同時存在による相乗効果』により、前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが、発病及び症状の重症化の進行の「唯一有無二の原因要因」なのです。
※ アミロイドβの蓄積による老人斑とか(アミロイドベータ仮説)、タウタンパクの蓄積による神経原線維変化とか(タウタンパク仮説)、アセチルコリンの減少とか(アセチルコリン仮説)は、無関係なのです。
 (2) 私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積した脳機能データ(『正常老化の性質』と命名)が有ります。
 6歳から100歳までのお年寄りの『前頭葉』(意識が覚醒した世界における脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能)が正常な機能レベルにある人達だけを対象としたデータであり、『加齢』という要因だけに起因した『前頭葉』の機能レベルの変化を調べたものです。
「加齢という要因」だけが原因で『前頭葉』の機能レベルが低下していく場合には、その機能レベルは、徐々に、緩やかにしか低下して行かなくて、100歳になっても猶『正常な機能レベルを保っている』ことが分かるのです(「正常老化」の曲線)。
即ち、『アルツハイマー型認知症』は、『老年発症』を特徴としている病気であり、発病の対象が『第二の人生』を送っている60歳を超えた年齢の『高齢者』だけに限られているという事象事実が示すのは、加齢に起因した「前頭葉」の機能低下という要因が、『アルツハイマー型認知症』の発病の「基盤(根底)要因である」ことを示しているのです。
※1 世界中の専門家達から、未だに『発病の原因が分からないし、発病後は症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』とされていて、発病の原因については、3つの仮説が提示された儘なのです。「仮説」の意味は、3つの仮説の全てが、「各々が主張する発病の原因と『アルツハイマー型認知症』の発病との間の因果関係」の存在について、彼ら自身が未だに実証できていないとうことなのです。
専門家達は、失語(紛い)、失認(紛い)、失行(紛い)の症状などという、末期の段階の症状しか知らない上に、発病のメカニズムについても、症状の重症化が進行する原因について、発病後どのような症状がどのような機序で発現してくるのかについて、症状を治す、或いは、発病自体を予防する方法について、未だに何も分かってはいないのです。
 ※2 何故そんなことが起きているのか。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムが、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障がおきてくる、『認知症の症状が発現してくることに関心が向けられていないことが重大な問題』なのです。
様々な程度及び態様により発現してくる『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現し、回復させることの可能性の有無及び程度により、『三段階に区分される(小ボケ、中ボケ、大ボケ)症状』が発現してくることも知らないのです。
※3『アルツハイマー型認知症』は、人類最大の難問と言われる『意識』と密接不可分の関係にあることに気が付いていないことが重大問題なのです。『権威達が研究対象にしているマウスには、私たち人間に特有な世界である「意識の世界」自体が存在していない』のです。
私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る地域、全国452の市町村で実践し、実証してきた『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践の成果として、『早期診断により治せるし、介護の予防が可能であるし、発病自体の予防が可能であることを、数多くの実例により、疫学的に実証してきている』のです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の発病原因については、『前頭葉』の個別認知機能(『実行機能』=Executive Functionと総称される)並びに『注意の分配力』の機能が関わっていることに、専門家とされる人達が未だに気づいていないことが、その本態が廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない『アルツハイマー型認知症』を、発病の原因が不明の「マンモス病」に仕立て上げているのです。
※1『発病の原因が分からないし、症状を治すことも出来ないし、発病自体を予防する方法も分からない』と専門家達が言い立てるので、症状を治すことも、発病を予防することも視野には入ってこない、野放しにされてきている結果として、症状が末期の段階にまで進行し、『介護』するしか途が残されていない状況が正当化され、放置された儘なのです(身体は持つので、「介護」し続けるしかない)『お年寄り』の『介護費用』だけで、我が国は年間10兆円を超えてしまったということなのです。
※2『原因不明で、治せないし、予防できない』と言いふらすことで、莫大な売り上げを稼ぐ岩盤層が形成されていて、『発病自体の予防』というテーマの実施を妨害しているのではと危惧しているのです。
世界中の専門家達は、末期の段階(「大ボケ」)の症状にしか関心が無くて、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たち独自の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)が存在していることに未だに気づいていないだけなのです。

&3 三段階に区分される「類型的症状」の指標化(改訂版30項目問診票)
(1)世界中の『アルツハイマー型認知症』研究/診断の専門家とされる人達、言い換えると、「3つの仮説」の提唱者とその支持者、「MCI」の基準の提示者並びに『DSM-Ⅳ』の策定機関である米国精神医学会とその支持者を含む世界中の権威機関(達)は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の様々な類型的症状について、全くのこと、無知なのです。
 (2) 彼等は全員、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM―Ⅳ」の「第二要件」が規定する症状、「失語、失認、又は失行の症状」(器質的な原因病変は存在していないので、誤りの表記であり、正しくは、失語紛い、失認紛い、失行紛いの症状)を、『アルツハイマー型認知症』の初期症状として例示していることに何の疑問も抱かないで、その規定内容が正しいものとの前提に立脚した主張を展開し続けてきているのです。
※更なる間違いは、第二要件は、「失語失認失行、又は実行機能の障害」に起因した症状と規定しているのですが、失語(紛い)、失認(紛い)、失行(紛い)の症状自体が、『注意の分配力』の機能及び実行機能の機能障害に起因して発現してくるものなのです。
その上、彼等の関心は、失語や失認や失行(紛い)の症状を起点に、それよりも更に重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。
(3) 私たちの「二段階方式」が問題提起している本当の意味での早期の段階、回復させることが可能な(「アルツハイマー型認知症」としての症状を治すことが可能な)「小ボケ」及び症状の更なる進行の抑制が可能な「中ボケ」の段階(の症状)が存在することについて、今なお、無知なのです。

&4 アルツハイマー型認知症発病患者の症状が進行して行く指標となる順番
(1)「ボケ」の類型的症状の10項目(「改訂版かなひろいテスト」に不合格=「前頭葉」の機能が異常なレベルが前提となります)。
①三つ以上の用事を、同時に並行して処理できなくなる(『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきたため、いろいろな場面で、物事をテキパキと処理できなくなる。車を運転している際に、注意の分配力が十分には発揮できない機能レベルに在る為、小さな事故を、しばしば起こすようになってくる。後続車を何台も従えていることにも注意が回せなくて、道路の真ん中よりを時速30キロ程で、ノロノロ運転するようになる。)
②一日や一週間の計画が立てられなくて、自分ではどんなテーマをどのように実行したら良いのか思いつかなくなる(注意の分配力の機能が異常なレベルにあるため、実行機能を駆使して発想、洞察、推理、シミュレーションすることが出来にくくなる)
③何かをやりかけても、中途半端で、根気が続かなくなってくる(テレビを見ていても、根気が続かず、やたらとチャンネルを変える)
④問いかけに対する反応が遅くなって、動作がもたもたしてくる
⑤発想力が乏しくなり、料理の内容や行動内容が画一的になる(同じ料理用の材料を重ねて買ってきて、冷蔵庫の中にたまる)
⑥本人は気づかないで、同じことを何度も繰り返し話したり、尋ねたりする(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、頭の回転が遅く、理解度も低くて、その上に、自分が話した内容の記銘度が低いので、ついさっき話したことを忘れていることが多い結果、『話が堂々めぐりとなる傾向』が、顕著に出てくる)
⑦何か、何事かに対して、生き甲斐を覚えている雰囲気が無くなってくる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在るため、評価の物差しが十分には働かない結果、それまでなら覚えていた生き甲斐を感じられなくなる)
⑧何かをするでもなく、ぼんやりして過ごしていることが多くなり、やたらと居眠りするようになる(注意の分配力の機能が異常なレベルに在る為、実行機能の一要素である「実行テーマ」を発想する機能が発揮できなくなってくる)
⑨思い込みや思い違いが多くなり、相手の意見を聞き入れられなくなる(実行機能の一要素である抑制する力が異常なレベルに衰えたせい)
⑩眼の光がどんよりとして無表情、何事にも感動しなくなる
(2)『ボケ』の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
⑪何度教えても日付があやふやになる(今日が何日なのか、あやふやになる)
⑫簡単な計算も嫌になり、買い物で小銭がやたらと貯まるようになる
⑬料理が上手くできなくなって、味付けが塩辛すぎるようになる
⑭ガス、電気の消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れが目立つようになる
⑮2~3種類の薬の服薬管理が出来なくなり、家族が管理する必要がある
⑯外出を嫌がるようになり、日常の身だしなみにも無頓着になる(行き慣れた場所に行くにも、道を間違えたり、乗るバスを間違える)
⑰今まで出来ていた、家庭内の簡単な用事(洗濯、掃除、片付け)も出来なくなる
⑱季節や目的にあった服を選べなくなる(日、年、月、季節、昼夜の順に衰えて行くことになる「時の見当識」が衰えて、季節の感覚が分からなくなる)
⑲昨日の出来事をすっかり忘れてしまう
⑳お金や持ち物のしまい場所を忘れ、誰かに盗まれたと騒ぐようになる
(3)「ボケ」の類型的症状の10項目(推定される順番に並べ替え)
㉑しばしば、自宅の方向が分からなくなる(所の見当識が働かなくなってきている為に、結果として、徘徊することになる)
㉒ 服を一人では正しく着られず、上着に足を通したりする(着衣失行)
㉓ 同居の家族の名前や関係が分からなくなる(人の見当識がなくなる)
㉔ 田んぼに行く、会社に行くとか言い、夜中に騒ぐようになる(時の見当識もなくなる)
㉕ 大小便を失敗し、後の処置が上手くできない
㉖ 汚れた下着を、そのまま平気で来ている
㉗ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
㉘ 風呂に入ることを嫌がるようになる
㉙ 食事をしたことを直ぐに忘れる
㉚ 誰もいないのに、『人が居る』と言ったりする
(4) 末期の段階である「大ボケ」の後半、「DSM—Ⅳ」の第二要件が規定する初期症状(実は、極めて重度の症状)が発現してきていると、「注意の分配力」の機能及び実行機能が、即ち『前頭葉』の機能が、殆ど働かなくなってきているのです。
左脳(論理的な思考や言葉の使用など、デジタル情報の処理に特化した機能)の働きも衰えてきてしまっていて、主として、右脳(感情や空間の認知など、アナログ情報の処理に特化した機能)の機能と運動の脳(身体を動かすことに特化した機能)の機能とが、僅かに働いている脳の機能レベルに在るのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを、分かり易く表現すれば、『3歳~0歳児』の脳の機能年齢にあるのです。但し、「3歳の幼児」と違うのは、何十年間も生きて来たことの残滓が、時々、身体にしみこんでいる言葉の一片や態度が、表面的に出てくることなのです。
(5) 自由意思に基づいた『評価の物差し』(意識の首座=自我)の機能の関与は全く困難な脳の機能レベルに在るのです。「重度の物忘れの症状」という誤った的に光を当て、外観からの憶測だけで、判断してはいけないのです。
『前頭葉』を含む脳全体の機能が、そのような機能レベルに在る発病者(「大ボケ」の後期の発病者=ボケても安心な社会作りの対象者)が、『自分らしく生きていく』ことは、もはや不可能なことなのです(自分らしいテーマの選択、理解や判断や評価や決断が出来るには、「評価の物差し」、最終的な機能としては、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在ることが不可欠の条件となるのです。医師が発病者と診断する「大ボケ」の段階の高齢者達の「前頭葉」の働き具合は、極めて異常なレベルに在るのです)。
(6)『発病高齢者の「意思」を尊重する』対応の要求は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという視点を持っていない人達の、独りよがりの主張に過ぎないのです。彼等は、「大ボケ」の段階にある発病者は愚か「中ボケ」の段階の発病者が、既に我が身に起きている様々な支障(アルツハイマー型認知症の発病の症状)について、『認識が困難となっている脳の機能レベルに在る』ことを知らないのです。
※1 『アルツハイマー型認知症』の発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う『小ボケ』の段階について、脳の機能面からの定義で言うと、後半領域の機能である左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常なレベルに在るのに対して、意識が覚醒した世界に於ける「脳全体の司令塔の役割り」を担っている『前頭葉』の機能レベルだけが、既に異常なレベルに在ることに注意が必要。『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的症状(小ボケ、中ボケ、大ボケ)が発現してくるのが特徴なのです。
※2『小ボケ』の段階で発現してくる症状は、「3つの仮説」の全てが前提として想定する条件、「記憶障害」に起因した症状の発現と認められる症状は皆無であり、『前頭葉』の機能障害に起因した症状(第一次的に、『前頭葉の三本柱』の機能の機能障害に起因し、且つ第二次的には、『実行機能』の機能障害に起因した症状)ばかりが発現してくることに注意して頂きたいのです。
 世界中の専門家達は、私たち二段階方式が提示する早期の段階、『脳のリハビリ』(『注意の分配力』の機能の出番が多くあって、『前頭葉』が活性化する『生活習慣』の実践とその継続)の実施により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」)及び症状の更なる進行の抑制が可能な(「中ボケ」の段階)を見落としていて、「症状の更なる進行の抑制さえもが最早困難」な『末期の段階』(「大ボケ」)で発病を見つけているのです。
※3 そもそも、『記憶』は、記銘し、保持して、想起するという経路から成り立っているのです。私たちが、「二段階方式」の手技を活用して集積した『アルツハイマー型認知症』の発病患者の症例である14689例にも上る脳機能データ(『MMSE下位項目の項目困難度』のデータ)の解析を根拠として、『「アルツハイマー型認知症」の症状は「記憶の障害に起因して」発現してくる(=「DSM-4」の「第一要件」の規定内容)』との想定自体が重大な誤りであることを問題提起したいのです。記憶の障害に起因して発現するのではなくて、加齢の進行による機能低下の進行を『基盤の要因』として、仕事というテーマとは無縁の日々となる「第二の人生」を送る『高齢者』が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という『加重要因』の同時存在による相剰効果に因り、『前頭葉の三本柱』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて異常な機能レベルにまで機能が低下してきたことを背景要因とし、そのことに起因して(機能発揮上の二重構造の関係に因る副次的な結果として)、(「前頭前野」に局在する個別認知機能群である)『実行機能』が、異常なレベルにまで機能低下を進行させてきたことが 原因で、それらの複合機能体である『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクする形で、「三段階に区分」される『アルツハイマー型認知症』の「類型的な症状」が発現してくるのです。
※1その「最初の段階」が「小ボケの段階」(「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在る)であり、次いで、「中ボケの段階」(「前頭葉」だけでなく、左脳、右脳及び運動の脳も異常な機能レベルに在る)が在り、最後に末期の段階である「大ボケの段階」(大ボケの初期でさえ、「注意の分配力」の機能がほとんど機能していないので、「実行機能」がほとんど働いていない)が有るという風に、『三段階に区分される』と主張しているのです。
※2「DSM-4」の規定の「第二要件」が確認を要求し、初期症状であると規定している失語や失認や失行(紛い)の症状は、「大ボケの段階」の後半(MMSEの総得点が一桁の発病者)になって初めて発現が確認される、「極めて重度の症状」であると主張しているのです。
(7)下記のデータは、私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積した14689人もの「アルツハイマー型認知症」を発病した「お年寄り達」の『脳機能データ』の解析グラフです。
 ※1『アルツハイマー型認知症』の発病患者であれば、且つ、その場合に限り、『必ず、この項目の順番に出来なくなっていく』ことが、「事象としての事実」なのであり、客観的で、科学的な「脳機能データ」として提示しているのです。この一事をもってしても、発病原因に関する『DSM4』の第一要件の規定内容、「3つの仮説」の主張内容は、両者共に誤りなのです。
※2「項目困難度」が高い順に、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名。
「事象の事実」としての当該「脳機能データ」によると、「記銘」という項目は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点である『MMSE』の総得点が、10点を切った段階(「大ボケ」の後半の段階)になって初めて、『満点でない人の方の数が満点の人の数よりも多くなる』ことを示しています。項目困難度が極めて低い項目である(『前頭葉』を含む脳全体の機能の機能レベルが、極めて異常なレベルにまで低下してきていても、正解できるお年寄りの数が多い項目である)ことを示しているのです。
※3「記憶」について言うと、「記銘度」が高い内容は、良く保持され、良く想起されるものなのです。『直前に食事をしたことさえも忘れている』という症状は、もともと記銘度自体が低いことを意味するのです(『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに機能低下してきた反映により記銘する機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきている)。そうした症状は、「大ボケ」の後半になって(脳の後半領域の認知機能テストである「MMSE」の総得点が10点を切った段階で)、初めて発現してくる症状(「極めて重度」の症状)であることが分かるのです。
 (8) 猶、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家とは言え、脳の機能レベルを判定するに際し、MMSE(又は、長谷川式)しか実施しないのですが、これでは脳の後半領域(左脳及び右脳)の機能レベルを判定しているに過ぎず、肝心の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が行われていないのです。これでは、『脳全体の機能レベル』をきちんと判定していることにはならないのです。脳の後半領域の機能レベルだけでなく、同時に、(意欲、注意の集中力、及び注意の分配力の機能、評価の物差しの機能及び実行機能から構成されている複合機能体である『前頭葉』の機能レベルを対象として精緻に判定出来ているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「二段階方式」の手技では、『改訂版かなひろいテスト』により、複合機能体である『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るのです。
※ 前掲した『小ボケ』の段階で発現が確認される様々な症状は、「認知症」の症状、『アルツハイマー型認知症』発病患者の本当の意味での初期(最初の段階)に確認されるものばかりです。
ところが、認知症診断を専門とする医師は、「DSM-Ⅳ」の規定が確認を要求している失語、失認、失行(紛いの)の症状、並びにそれ等よりももっと重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。その為、小ボケや中ボケの段階の症状が発現してきて、何かがおかしいと感じている同居の家族が、発病した「お年寄り」を伴って診断に訪れても、「発病してはいない=アルツハイマー型認知症の症状は発現していない」と診断してしまうのです。
「失語や失認や失行」紛いの症状よりも軽い段階にそれなりに関心がある医師でも、「物忘れの症状」の程度や頻度だけで構成されたものであり、判定基準と言うには極めて曖昧な内容であり、お粗末に過ぎるMCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)と言った意味不明の基準を持ち出して、発病の前駆的状態にあると説明して、発病の予防の為と言い4種の「対症療法薬」(実際の効能としては、症状を治したり、症状の進行を遅らせる治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度や仕方をコントロールする効能しか有していない「興奮型の単なる対症療法薬でしかないアリセプトほかの4種の薬」の内のどれか)を処方するのが医療現場の実態です。
(9)『アルツハイマー型認知症』の発病としての最初の段階である『小ボケ』の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが、異常なレベルにまで機能が低下した『注意の分配力の機能を核心とする前頭葉の三本柱』の機能障害を第一次原因とし、『実行機能』の機能障害を第二次原因とした症状ばかりなのです。
ⅰ)『小ボケ』の段階で発現してくる症状は全て、『前頭葉』の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、『意識』の構築、統合及びコントロールに関わる機能であって、『実行機能』の発揮度及び認知度を下支えし/左右している『前頭葉の三本柱』の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能)が、異常なレベルにまで機能低下が進行してきた結果として、的確、且つ十分には働かなくなってきていることに直接起因して、発現してくるのです。
ⅱ)私たち人間だけに特有な意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である『実行機能』(Executive Function)の発揮は、『前頭葉の三本柱』の機能により左右され/下支えられている機能関係(「実行機能」の機能発揮上の二重構造)が存在しているので、『注意の分配力』の機能(異なる「複数のテーマ」を同時に並行して処理する上で不可欠の機能)を中核とした『前頭葉の三本柱』の機能が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させ、異常なレベルに機能が低下したことが「第一次的な原因」となり、『実行機能』の機能の発揮度が異常なレベルに低下していくこと(第二次的な原因)により、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してくるのであり、その最初の段階が『小ボケ』の段階であり、次いで『中ボケ』の段階を経て、最後に末期の段階である『大ボケ』の段階という風に、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分」される症状が発現してくるのが特徴なのです。⇒『末期の段階』(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状にしか関心が向いていない世界中の専門家達(学者、医師)は、『脳のリハビリ』の実践により、回復させることが可能である本当の意味での早期の段階(「小ボケ」、「中ボケ」の段階)の存在に、未だに、気付いていないのです【私たちが規定し、取り上げる「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の基準及び類型的症状の例示と、『MCI』の基準が取り上げる『アルツハイマー型認知症の前駆的状態としての「物忘れの症状」とする主張内容』とは次元が異なる。
※『アルツハイマー型認知症』は、仕事とは無縁となる「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての『生活習慣』(食生活は無関係)に起因した病気なのであり、徐々に、緩やかに、段階的に、症状が進行して行くのが特徴なのです。「アミロイドベータ」の蓄積(老人斑)や「タウタンパク」の蓄積(神経原線維変化)により「記憶障害」が惹起されることが原因で、発病すると主張する人達は、科学的で合理的で客観的な証拠資料の提出と因果関係の立証を行う『社会的な責任がある』はずなのです。
(10)『注意の分配力の機能を核心とする前頭葉の三本柱』の機能が異常な機能レベルにまで衰えてきていることが原因で惹き起こされる『実行機能』の機能の発揮度(認知度)は、『小ボケ』の段階で、既に異常なレベルのものとなっているのであり、そのことに起因して、発現してくる症状は、左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が未だ正常な機能レベルに在ろうとも、認知症の症状、『アルツハイマー型認知症』の症状の発現と考えるべきなのです。即ち、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引している、「三頭立ての馬車」の『御者』の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに在る、言い換えると、『前頭葉の三本柱』の機能と『実行機能』の両者が、異常な機能レベルに在ることが原因で(の機能的な反映として)発現してくる『小ボケ』の段階の症状は、認知症としての症状、『アルツハイマー型認知症』の症状と考えるべきものであるというのが、私たち「二段階方式」の考え方なのです(※廃用性の機能低下が進行し、左脳及び右脳までが、異常なレベルに衰えてきた時=【脳全体の機能が異常なレベル】から、「中ボケ」の段階が始まります)。従って、『前頭葉』の機能も『注意の分配力』の機能も備わっていない「マウス」が、檻の中で餌を探し彷徨する動きを何時まで/何処まで追いかけてみたところで(マウスに起きてくる「記憶の障害」の程度を突き詰めて、何時まで、検証してみたところで)、何も出て来はしないことを、アミロイドβ仮説の支持者達に注意喚起したいのです。
※1『「小ボケ」』の段階では、セルフケアの面では何の支障も起きては来ません。家庭生活の面でもさほどの支障は起きてきません。家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通のテーマを処理することが要求される『社会生活』の面で様々な支障が起きてくることになるだけなのです。極めて重度の症状である「失語や失認や失行(紛い)の症状」とは無関係の世界なのです。
※2「小ボケ」は、『脳のリハビリ』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する自分なりのテーマの実践)という『生活習慣』の改善と継続的な実践により、比較的容易に、症状を治すことが出来るのです{『早期診断』(「早期の段階」の診断)と『早期治療』(「脳のリハビリ」の実施)が有効なのです}。
 ※3私たちが実証してきた『脳のリハビリ』の実施に因る治療の可能性の有無という視点に、専門家とされる人達が早く関心を持ち、気づいて頂きたいと願うのです(「小ボケ」は回復させることが可能であり、「中ボケ」は症状の進行の抑制が未だ可能であり、「大ボケ」は、進行の抑制も最早困難)。

&5 意識的な世界と『前頭葉』(就中、「注意の分配力」)の機能
(1)『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階である『小ボケ』の段階について、「脳の機能面」から定義すると、左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が未だ正常な機能レベルに在るのに対して、意識が覚醒した世界における脳全体の司令塔の役割、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」が牽引する三頭立ての馬車の『御者』の役割を担う『前頭葉』の機能だけが、既に異常な機能レベルに在るということが、極めて重要な視点であり、要因なのです。
※1 意識が覚醒した世界は、比喩的な表現を借りて説明すれば、左脳、右脳及び運動の脳の「三頭の馬」が牽引する三頭立ての馬車を運行する世界であり、「三頭の馬」がどんなに元気であろうとも(正常な機能レベルに在ろうとも)、肝心の『御者』が居眠りをしていたのでは(異常な機能レベルに衰えていたのでは)、馬車は、安全で適切なスピードで、適切な道を経由し、所定の時間までに、本来の目的地に行き着くことは出来ないのです。
※2 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、異常なレベルに衰えてきている以上、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在ろうとも、『意識的な世界』におけるアウトプットそれ自体が全て、異常なものとなることが、極めて重要、核心的で重要な要因なのです(この段階で既に、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現(発病)してきていると考えるべきものなのです=発病の最初の段階であり、社会生活の面で重大な支障が出てくるのが、「小ボケ」の段階)。
次いで、「家庭生活面」での重大な支障が出てくる「中ボケ」の段階が有り、最後に、「セルフケア」の面でも重大な支障が出てきて、日々の生活面で『介護』が不可欠となる末期の段階である「大ボケ」の段階があるのです。
ところが、権威機関の専門家達及び認知症の診断が専門の精神科医は、大保家の後期(MMSEの総得点が一桁)になって、失語、失認、失行(紛い)の症状を確認して初めて発病と誤解している(誤りの規定である「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定に従っている)のです。
 (2) 『小ボケ』の段階の症状を子細に、深く観察してみれば、典型的で類型的な症状として掲げられた症状の全てが、「記憶障害」とは無関係のものであり(「記憶障害」に起因して発現してきたものではなく)、『前頭葉』の機能障害、就中、『注意の分配力を核心とする前頭葉の三本柱の機能』の機能障害を背景(要因)とした、『実行機能』(Executive Function)の機能障害の反映(アウトプット)であることが分かるのです(極めて重要な機能要因)。
例えば、『アルツハイマー型認知症』の末期の段階である「大ボケ」の後半の段階(MMSEの総得点が一桁)で確認される症状であり、『直前に食事をしたばかりなのに、食事を食べていないと言い張る症状』、『畑に行くと言って、夜中に家を出て行こうとする症状』、『ズボンを頭から被ったりする症状』、『自分の子供を配偶者と間違える症状』等、それら全ての症状が、『前頭葉』の機能障害(加齢に起因した機能低下の進行を背景要因とし、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続された廃用性の機能低下の進行を加重要因として、「異なる二つの要因」が、同時に存在し充足されることによる「相剰効果」により、言い換えると、「前頭葉の三本柱」の機能の機能障害の進行に起因した『実行機能』の機能障害が惹き起こされた結果として)=両者が異常な機能レベルに衰えてきた複合機能体としての『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現してきているのです。
 それら全ての症状が、「記憶障害」に起因して発現してくるとする専門家達の見解は、誤りなのです(「DSM-4」の第一要件の規定の内容並びに「3つの仮説」の各主張内容及びそれらの学説の支持者達の主張内容)。末期の段階の症状を概観から眺め、「推測し、憶測しただけの主張内容」というしかないのです。
未だに「仮説」の域を出ないのも、そこに原因(欠陥)があるのであり、肝心の『因果関係の存在の実証が、未だに出来ていない』という結果に繋がっているのです。
※ 記憶障害(に起因した症状)自体が、廃用性の機能低下を加重要因とする「前頭葉の三本柱」の機能の機能障害に起因して起きてきているのです。
(3)『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活とは無関係。左脳の出番が多い仕事とは無縁の日々の暮らしとなる第二の人生を送る上での、「脳の使い方」としての単調な生活習慣の継続に関わる病気であることに留意する)に過ぎないというのが、『意識的な世界』に着目し、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の発病患者である14689例の「お年寄り達」の、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現する症状について、「二段階方式」の手技を活用し集積した『脳機能データ』の解析を根拠としての、私たち『二段階方式』独自の主張です。
『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした形で発現してくるのが特徴である『アルツハイマー型認知症』は、『老年発症』(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけが発病の対象となる)が特徴となるのです。
『左脳』が専管する仕事とは無縁の日々の暮らしとなる、『第二の人生』での脳の使い方としての『生活習慣』が、発病するか/しないか並びに重症化が進行するか/しないかを決定づける唯一の要因なのです。『意識の世界』を構築し、統合し、統括し、コントロールする『前頭葉』の出番の確保、就中、『注意の分配力の機能』の発揮が不可欠である『実行機能』の必要十分な出番をどのようにして確保することが出来るかが、発病を予防する上で、『第二の人生を送っている「お年寄り」に問われることになる』のです。仕事とは無縁の第二の人生を送る生活の中で、自分なりのテーマと目標が有り、自分なりの喜びや生き甲斐を覚える体験をすることが出来ているのか/否かが問われることになるのです。
※1『注意の分配力』の機能は、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能であり、『ああしたらこうなる、こうしたらああなる』等と洞察し、推理し、検索し、シミュレーションする為に不可欠の機能であり、咄嗟の判断が要求される場面(「頭の回転の速さ」が求められる場面)で、回転の速さを左右している機能でもあるのです(その異常なレベルへの衰えが、「お年寄り」の軽微な自動車事故の原因となっている脳機能でもあるのです。※2 事故を起こした後は、取り調べに対するQ/A問答の間、ゆっくりと考えられるので、普通に見えてしまうのです)。
(4)『アルツハイマー型認知症』について語る上で、もう一つ別の極めて重要な問題が有ります。様々な程度及び態様により発現してくる『アルツハイマー型認知症』の症状について、世界中の専門家達(学者、医師)は、『早期の段階』の症状について、『前頭葉』を含む脳全体の機能を正常なレベルに「回復させること/症状の進行の抑制が可能」である本当の意味での『早期の段階』の症状(私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階(症状)について、その存在自体に無知なのです。
⇒彼等は全員、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』の規定の重大な誤りに気づいていなくて、疑うことも無く、金科玉条のものとして信じ込んでいるのです。その「第二要件」が『失語や失認や失行(紛い)の症状が「アルツハイマー型認知症」の初期症状である』と規定している為、そのことを鵜呑みにし、そうした症状を含む更に重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状だと誤解しているのです。
「失語や失認や失行(紛い)の症状」が、脳の後半領域(左脳及び右脳)の働き具合を判定する神経心理機能テストであり、11の下位項目から構成されていて、満点が30点である『MMSE』の総得点が、一桁の得点にしかならないまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能が衰えてきている「お年寄り」だけにしか発現が認められることが無い極めて重度の症状であることに気づいていないのです。
(5) 私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、「左脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、「右脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」、全ては司令塔の『前頭葉』が周りの状況を分析し、理解し、判断して、実行すべきテーマを選択し、決定し、実行の計画を立て、実行結果をシミュレーションし、最終的な実行内容を決定し、実行の決断をして、脳の各部(左脳、右脳、運動の脳)に実行の指令を出しているのです。
 その『前頭葉』には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察したり、或いは機転を利かせたり、更には、抑制したり、感動したり等様々な個別認知機能(総称して、『実行機能』=Executive Functionと呼ばれる)が、詰まっているのです。更に、自分の置かれている状況を分析し、理解し、判断して、種々ケースワークした上で実行「テーマ」の内容や実行の仕方を選択し、最終的に実行の決断をする為に必要な『評価の物差し』(三つ子の魂百まで)という大事な働きがあります。
『評価の物差し』という機能は、後天的に獲得され、完成されるものであり、本人だけの独自性が備わる脳機能でもあるのです。状況の分析や理解や判断に際して、独自の在り方を選択する源であり、実行のテーマや実行内容、実行の仕方やその程度及び態様を選択的に構想し決定する独自の機能なのです。眼前の景色や人物であれ、概念的な思考の世界のものであれ、対象をどのような視点で、どのように切り取るのか、認知対象の切り取り方、捉え方、或いはその内容を決めているのが、『実行機能』の発揮に先立つ働きをしている脳機能であり、私たち人間だけに特有な機能である『評価の物差し』の機能(「二段階方式」独自の命名であり、見解。権威ある識者が、『無意識』が『意識を支配』している結果等の問題提起で言っているもの)なのです。
自分なりの/自分独自のものの見方、感じ方、考え方、対象の切り取り方及び評価の基礎に、この『評価の物差し』の機能の働きがあることを、先ずもって、理解する必要があるのです。『「実行機能」、「評価の物差し」、「記憶の倉庫」が、「前頭葉の三本柱」の機能(=「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の総称であり、その核心的な機能が「注意の分配力」の機能)の働きにより、構築され、統合され、管理され、コントロールされつつ並びに連絡し、連携し、共同して働くことに因り、『私たち人間だけに特有な世界』である『意識的な世界』(最も人間に近い種であり、DNAの99%が人間と同じと言われている「チンパンジー」の脳の中にも構築されることが無い世界)を創出していると私たちは考えているのです(『意識』は、世界中が新型コロナ対策に追われている今日現在でも猶というか、未だに解明されていない人類未知の「テーマ」)。
 これが、『意識的な世界=意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界』における私達人間だけが獲得した脳の働き方のメカニズムなのです。運動の脳、左脳、右脳という「三頭立ての馬車」をあやつる御者の役割をしているのが、「前頭葉」なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、『前頭葉』の働き方次第ということになるのです。
『加齢』に起因した機能低下を基礎要因として(私たちが定義する発病の「第一要件」)及び仕事とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る上で、使われる機会が極端に少ないナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した、廃用性の異常な機能低下を加重要因として(私たちが定義する発病の「第二要件」)、司令塔の『前頭葉』の働きを含む脳全体の働きが、加速度的に異常なレベルに衰えて、社会生活や(小ボケ)、家庭生活や(中ボケ)やセルフ・ケア(大ボケ)等に支障が起きてくるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。
 ※ 『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』である(但し、「食生活」とは無関係で、仕事とは無縁の日々の暮らし方となる第二の人生における脳の使い方としての生活習慣であることに留意)と言うのが私たちの主張です。
脳全体の司令塔の『前頭葉』の機能が、異常なレベルに衰えてきた時点で、ほんの少し前に食事をしたばかりなのに、そのことさえ思い出せないなど「極めて重度の記憶障害」の症状が出てくるようになるはるか前の段階で、『アルツハイマー型認知症』の発病は、既に始まっているのです。

&6『前頭葉』の三本柱に潜む『正常老化の性質』
 (1)『前頭葉』には、詳しく言うと「前頭葉の三本柱」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)の機能には、30歳代以降になると、『加齢』と共に働き具合が衰えていくという性質(私たちの命名である、『正常老化の性質』)が潜んでいるのです。
とは言え、『加齢』という要因(私たち、二段階方式が主張する、発病の基盤となる要因であり、「第一要件」)だけでは、『アルツハイマー型認知症』を発病することにはならないことに注意が必要です。
60歳代に発病の端を発し、70歳代、80歳代、90歳代、命の極まりともいえる年齢の100代にもなると殆どのお年寄りがという風に、『年をとればとるほど発病者の割合が増加していく』という実態だけを見て、「発病は、加齢の延長線上にある」と主張する人達もいるのですが、それは、誤りなのです。
発病するには、もう一つ別の要因であり、「加重要因」である、仕事というテーマとは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る日々の生活面において、『脳=前頭葉の使い方』としての「単調な生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されているという要因(私たち、「二段階方式」独自の主張であり、発病の「第二要件」として規定)の存在が、不可欠となるのです。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行は、異なる二つの要因、第一要件と第二要件の内容とが、『同時に存在することに因る相剰効果』に因り惹き起こされてくる性質のもの、『老化・廃用型の生活習慣病』に過ぎないのです。
(2) 仕事とは無縁の日々の暮らし方、脳の使い方となる『第二の人生』の送り方、とりわけ、「脳の使い方」としての『生活習慣の在り方』は、人により様々です。
仕事一筋の第一の人生を送ってきたお年寄り、働きバチに徹した生き方(脳の使い方としての生活習慣)を送ってきたお年寄りにとっての、『第二の人生』を送る上でのテーマ探しは、相当な困難が伴うことになります。
『時間は有り余るのに、することが無い毎日』を送ることになり易いのです。元々そうした傾向が強かったお年寄りにとって、新型コロナの感染回避対策として極めて有効で重要なものである『3密の回避』を目的とした日々の暮らし方は、『前頭葉』にとっては、赤信号となるのです。
(3) 新型コロナに対する感染回避策として政府が提唱する「三密の回避」に徹した生活習慣の継続は、「脳の使い方」としての単調な生活習慣の継続的で、厳格な実行を強く要求するものであり、この先何年間かの期間、こうした状況が継続されていくことになると、『アルツハイマー型認知症』の症状の重症化が進行して行く(「小ボケ」の段階⇒「中ボケ」の段階。「中ボケ」の段階⇒「大ボケ」の段階)「お年寄り」達の数が増加して行くことに加えて、『アルツハイマー型認知症』を新規に発病してくる(「発病の最初の段階」である『小ボケ』の段階の症状が発現してくる)「お年寄り」達の数が激増して来ることになると考えていて、そうした事態を危惧するのです。
 本態が廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎない『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の構築と実践の継続により、前頭葉の機能が正常な機能レベルを保持できている限りは、発病自体を予防することが出来るものであり(老化・廃用型の生活習慣病が本態である『アルツハイマー型認知症は、前頭葉の機能が真っ先に異常なレベルに衰えていくことで発病するのが特徴』』、早期診断(小ボケ)と早期治療(脳のリハビリ=生活習慣の改善)により治すことが出来るのです。
『アルツハイマー型認知症』を発病し、重症化の進行により末期の段階にまで症状が進んでセルフケアにも重大な支障が出てきて、「介護」が不可欠の状態にある「お年寄り」の人数が、600万~700万人もいるとされているのです(厚労省の予測数値)。
「自分が住んでいる家も分からなくて、徘徊するお年寄り」の世話に、国を挙げて注力するよりは、発病自体の予防、早期診断による回復を国策として展開すべきなのです。
※ 国民全体がそうした意識を持つ上での障害物、それが、権威とされる人達が声高に発言する誤った主張の存在、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、いったん発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ない』とする情報発信なのです。認知症研究/診断の権威であると言いつつその一方で、誤った情報を流し続けているのです。
『アルツハイマー型認知症』の最初の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、『左脳と右脳と運動の脳は未だ正常なレベル』にあるのですが、私たち人間だけに特有な世界、『意識的に、何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』における脳全体の『司令塔の役割』を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに衰えてくるのです。この場合に、『実行機能』と総称される「前頭葉」の個別認知機能群(分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、決断、抑制、感動etc.)の機能の発揮度のレベルを左右し、下支えしているのが、「前頭葉の三本柱」の機能なのであり、就中、私たち人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能の働き無しには、『「実行機能」が働く場は、顕現してくることが出来ないという構造』が存在している(『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」が存在)ことの理解が重要なのです。※『二重構造』の存在の効果及び結果、『前頭葉の三本柱』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに付随して、『実行機能』の機能障害が惹起されてくる(発揮度自体が異常なレベルに低下してくる)こととなり、そのことを直接に反映した様々な支障が、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の段階的な症状として発現してくることになるのです(二段階方式が世界で初めて解き明かした、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する「メカニズム」です)。
(6)「二段階方式」の手技を活用して集積してきた極めて多数の『アルツハイマー型認知症』発病患者の「脳機能データ」である「前頭葉の三本柱」の機能に宿る『正常老化の性質』、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の典型的で類型的な症状、更に、MMSEのテスト結果が示す『MMSE下位項目の項目困難度』が示す、衰えていく脳機能の順番のデータから、①『加齢』に起因した正常な機能低下の進行という条件は、『前頭葉の三本柱』の機能に関してだけでなく、『実行機能』についても同時に、起きてきていると考えられること並びに②『第二の人生』におけるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という条件は、「小ボケ」の段階では、『前頭葉の三本柱』の機能及び『実行機能』についてのみ直接的な影響が起きてきていて、「中ボケ」の段階以降から、脳の後半領域の機能である左脳、右脳及び運動の脳にも直接的な影響が及んでくるものと考えているのです。
※1『前頭葉の三本柱』の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の各機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルにまで衰えてきている直接の反映として(付随して)、『実行機能』の発揮自体が機能障害を起こしてきて、機能の発揮度が異常なものとなります(『実行機能』の機能発揮上の二重構造の関係)。両者が機能障害を起こしていることの直接の反映として、『アルツハイマー型認知症』の発病の最初の段階である『小ボケ』の段階の症状が、両者の更なる機能低下が進行しつつ、加えて左脳、右脳及び運動の脳の異常な機能低下が同時並行して(加重されて)進行していくことに起因して『アルツハイマー型認知症』の症状の重症化が進行していき、「中ボケ」の段階を経由し、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくることになるのです。
※2 『小ボケ』の段階の症状は、『前頭葉』(「前頭葉の三本柱」の機能及び「実行機能」)の機能障害に起因して発現してくるのです。
 『&1』で例示した症状は、一見、「意欲」や「注意の集中力」や「注意の分配力」の機能障害だけに起因した症状のように見えます。実際には、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能障害だけでなくて、同時に(付随して)、『実行機能』の機能障害を反映した症状であることの理解が重要です。『実行機能』の機能の発揮並びにそれに関わる認知及び認知度が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮の度合いに左右されているだけでなく(機能障害の進行度合いが、そのまま影響する)、最も肝心なのは、『注意の分配力』の機能の発揮の度合いに大きく影響されることに、注意が必要です。そもそも、『注意の分配力』の機能が発揮される上で、「意欲」及び「注意の集中力」の発揮が必ず関わること並びに『実行機能』が機能を発揮するには、『注意の分配力』の機能の関わりが必要不可欠となるのです。
※3ここに、『注意の分配力』の機能とは、「異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する為に不可欠の機能である」ことを基本的な性質としつつ、咄嗟の判断が不可欠の場面では、『注意の分配力』の機能が高度に発揮され、高速回転していることが要求されるように、「高速回転」状態で『実行機能』の機能が発揮される為には、そもそも『注意の分配力』の機能が高度に発揮されていて、高速回転していることが不可欠となるのです。「前頭葉の三本柱」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常なレベルにまで機能が低下してきている『小ボケ』の段階の症状では、「意欲」や「注意の集中力」が機能障害を起こしてきて、不十分にしか働かなくなっていることは理解しやすいのです。
他方で、『注意の分配力』の機能が、機能の発揮度(認知度)を支配し/下支えしている関係にある『実行機能』の発揮に関わる症状は、二重構造という機能構造を理解していないと、読み取りにくいのです。
例えば、自分が置かれている状況の分析や理解、或いは、その判断、更には、状況判断に沿った為すべき「テーマ」の発想、「テーマ」の実行計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーションの結果に基づく比較及び選択、更には、実行の決断など、此処に例示したような『実行機能』の発揮は、時間を十分に駆けて、ゆっくりと使うのであれば、「小ボケ」の段階、特に、「小ボケ」の段階の初期にある「お年寄り」の場合であれば、それなりの結果を出すことも、十分あり得るのです。他方で、『咄嗟に』とは言わないまでも、通常・或いはそれ以上の速さでの機能発揮が要求される場面では、様々なレベルでの「支障」が起きてきてしまうのです。「二重構造」の問題について十分な理解が出来ている人でないと、「小ボケ」の段階で発現してくる認知症としての症状の正しい理解は、出来ないのです。
注)「加齢」に起因した「前頭葉」の機能低下のカーブは、極めて緩やかです。これに対し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下が加重された廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブは、グラフ表示では、急激なカーブを示すのです。
第二の人生の期間が何十年間も続く経年的な変化で言うと、『アルツハイマー型認知症』の症状は、何年もかけて、徐々に、緩やかに、段階的にしか進行して行かないことが特徴なのです。第一次的には、『前頭葉の三本柱』の機能が、高度な機能から順番に、注意の分配力の機能、注意の集中力の機能、意欲の順番に、廃用性の機能低下が進行していき、その第二次的な影響が、『実行機能』の機能の発揮度に現れてくるのです。この『機能発揮上の二重構造のメカニズム』の存在の理解が、『アルツハイマー型認知症』の発病及び重症化が進行するメカニズム(原因、機序)の理解に不可欠なのです。
※4ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が更に継続されている生活条件の下で、「前頭葉の三本柱」の機能並びに「実行機能」の両者が共に、廃用性の加速度的で異常な機能低下を更に進行させていくこととなる結果、『標準的な滞留期間』を挙げると、『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階である「小ボケ」の期間(3年)に次いで、「中ボケ」の期間(2~3年)があって、発病してから(5~6年)が経過すると、最後は、末期の段階である「大ボケ」の期間が続くことになるのです。事象事実である「標準的な滞留期間」の存在、これもまた、アミロイドβ仮説を筆頭とする「3つの仮説」の主張内容が、誤りであることを示す客観的な証拠資料(実証データ)なのです。
猶、『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が真の本態なのであり、死亡の原因とはなり得ないのです。「大ボケ」の期間は個々まちまちであり、本人の身体が持つ限り、続いていくことになるのです。
※5 2020年の初頭に新型コロナの感染及び感染回避策としての「三密の回避」に徹した『単調な生活習慣』の継続に対する政府からの強い要請等の問題が、第二の人生を送っていた「高齢者達」の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの寛恕で継続的な機能低下の進行という形で、社会的に認識がなされない儘に、進行してきていたのです(従来言われてきた「2025年問題」に加重される形で、重大な社会問題として浮上してくることに、権威は、未だに無知)。
(7) 『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに衰えたその機能構造的な反映が、状況の判断や、発想や企画や計画や洞察や推理や機転や決断や抑制、或いは、感動等といった『前頭葉』の各種個別認知機能(=「実行機能」)の「認知度」及び「発揮度」に直接影響してくる為に、対象となる情報や思考の認知及び記銘やその保持や想起並びに処理の面でも、機能の発揮が不的確で不十分なものとなるのです(「二重構造」の反映結果)。その結果として、自分が置かれている状況の分析や理解や状況判断、実行すべきテーマの発想、実行の計画、創意、工夫、機転といった機能、或いは、洞察や推理やシミュレーションに基づいた見通しや意思決定等が要求される『社会生活』(家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通のテーマを実行することが要求される)の面での、程度や態様を含む様々な支障が出てくるようになります。「社会生活」面での種々のトラブルが生じてくるようになるのです。これは単なる「老化現象」ではなく、且つ、記憶障害に起因した症状でもなく、廃用性の加速度的で異常な機能低下の直接の反映としての『前頭葉(種々の個別認知機能群=実行機能)』の機能障害に起因した症状(development of multiple cognitive deficits manifested by disturbance in executive functioning)、即ち、『アルツハイマー型認知症』の症状と言うべきものなのです。この視点に気が付かない限り、『アルツハイマー型認知症』発病の真の原因の解明に、行き着くことは無いのです。私たちがこれまでに集積してきた『アルツハイマー型認知症』の発病患者の「脳機能データ」を一目見るだけで、そのことの合点が行くはずなのです。
上述したナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されている下で、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことにより、「小ボケ」の段階では未だ正常なレベルにあった「左脳」及び「右脳」までもが異常なレベルに機能低下してくるので、「家庭生活」面に支障が出てくるようになる「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていき、最後には、末期の段階でありセルフ・ケアにも支障が出てくる「重度認知症」(大ボケ)の段階へと症状が進行していくことになるのです。認知症の専門家とされる人達は、『前頭葉』の機能レベルを精緻に計測し判定することが出来る「二段階方式」のような精緻な手技を持たないので、外観から見た重度の「症状」という視点だけからしか、判定/鑑別出来ないのです。
(8)世界中の専門家達(学者、医師、製薬会社の開発担当研究者達)から、『発病の原因が、不明である』とされていて、未だに因果関係の立証さえ出来ていない「3つの仮説」が存続し続けていることに対し、専門家達に視点を整理して、私たち「二段階方式」が解き明かした『アルツハイマー型認知症』の正体について、もう一度問題提起しておくことにしましょう。
 ※1 『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、「意識的に為すべき何等かのテーマを発想し、実行の計画を立て、実行結果についての洞察、推理、シミュレーションを行い、実行の内容、程度及び態様の最終的な選択と決定を行い、実行の決断を下して、実行の指令を、脳の各部に対して出す機能の結合体(統合体)が構築している世界の核心的な機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉(前頭前野部に局在)』の個別認知機能群(=『実行機能』)の機能の発揮度(機能の発揮と認知度)を左右し/下支えている機能である『前頭葉の三本柱』の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される)について、惹き起こされてきた廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行によって、『実行機能』の機能の発揮度(認知度)自体が機能障害を起こしてくる直接の反映としての『アルツハイマー型認知症』の症状は、回復の可能性という視点により、三段階に区分される段階的な症状が発現してくるものであること。
※2 更に、『前頭葉の三本柱』の機能及び『実行機能』の機能障害を惹き起こす要因は、二つに区分けされるものであること。
 一つが、加齢に起因した機能低下という要因(発病の第一要件=基礎要因)であり、もう一つ別の要因が、「第二の人生」を送る上で日々展開されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因(発病の第二要件=加重要因)であること。異なるこの二つの要因が、同時に存在し、充足される相乗効果に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くこととなり、その結果として、『アルツハイマー型認知症』の発病としての、三段階に区分される症状が発現してくるものであること。三段階に区分される症状は、『脳のリハビリ』の実施による回復の可能性の有無及び程度により、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」に区分されるものであること。
なお、『脳のリハビリ』とは、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「自分なりのテーマ」を選択して、日々実践して、『生活習慣』として継続することにより『前頭葉』が活性化してくる「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善及びその継続的な実践を言います(「食生活とは無関係」)。
 (9) 医療の現場を眺めると、高額の費用が必要なCTやMRI等の画像診断機器を活用している医師が相当数居る訳ですが、そうした機器の活用では「脳の形」を判定することは出来ても「脳の働き具合」を判定することは出来ないのです。「脳の働き具合」を判定できる機器であるf-MRIやPETを活用しようとも、『前頭葉』の機能レベル(個々人の「前頭葉」の機能レベルについての経時的な変化)について、何らかの処理テーマに沿って精緻に判定することは出来ないのです。その結果、外観から分かり易い「記憶の障害」に関わる症状で、程度が重い症状ばかりに目が行くことになるのです。

本著作物「Hー15」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。




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