認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

♯ 認知症 脳機能データから読み解く発病のメカニズムと発病を予防する方法(G-05)

2022-05-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

       

       

        

 

       

 

(プロローグ)

&1  記憶のメカニズム

&2  意識の機能構造

&3  注意の分配力の機能

&4  機能発揮上の二重構造

&5  廃用性の機能低下の進行

&6  アルツハイマー型認知症の症状が発現するメカニズム

&7  発病を予防する方法

&8  発病自体の予防と介護の予防

本著作物「G-05」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。 

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介護と介護の予防及び早期診断による回復と発病自体の予防 (E-09)

2020-09-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

アルツハイマー型認知症』(晩発型アルツハイマー病とも呼ばれる)は、本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、早期診断【小ボケ、中ボケまでの段階で発病を見つけること】により治すことが出来るし、介護の予防が可能であるし、発病自体を予防することが出来るのです。専門家達が、治すことが出来ないとしているのは、症状が重い「末期の段階」で発病を見つけて居るからなのです。症状自体が、記憶の障害に起因して発現してくるとする考え方が、重大な誤りなのです。通説である「アミロイドベータ説」を含む「4つの仮説」の内容も誤りなのです(憶測)。新型コロナへの感染回避を考えて、『3密の回避』を徹底する生活を心がける「お年寄り」達の間で、『アルツハイマー型認知症』を発病するお年寄り、或いは、症状の重症化が進行するお年寄りの数が顕著な増加を示している社会現象を説明することが出来ないのです。「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治すことが出来ないタイプの認知症ではないのです。認知症診断の専門の医師達が、見つけている段階が遅すぎる為に、治すことが出来ないだけなのです。私たちが、住民参加型の地域予防活動により、疫学的に実証しているように、『アルツハイマー型認知症』こそ、『早期診断により治せるし、介護の予防が可能であるし、発病自体を予防できるタイプの認知症』なのです。

3密の回避策」として、家に籠り(Stay Home)、時間を持て余しているのなら、今日の私のブログを読んで何度か読み返し、『第二の人生』の生き方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方について、飛沫を飛ばさないよう注意して、お友達と話し合ってみていただきたいのです。何十年もの長い年月を生きることになる、あなたの「第二の人生」を、ボケて(「アルツハイマー型認知症」を発病して)、介護を受けながら生きるのか(身体だけが、長持ち)、ボケないで居て(アルツハイマー型認知症を発病しないで、脳も長持ちさせて)、自分なりの「テーマ」や「目標」があり、自分なりの『達成感や、喜びや、生き甲斐』を得られるとき(瞬間、時間、日、日々)が得られる『第二の人生』を、自分らしく生きるのか、じっくりと考えて頂きたいのです。薬は不要(症状を治したり、症状の進行を遅らせたり、発病を予防出来る効能を有する薬は、存在していないし、開発されることは有り得ないのです)。発病することになるか/ならないか、それは一にかかって、貴方が選択する、脳の使い方としての『生活習慣次第なのです。

&1「介護と介護の予防」、「早期診断による回復と発病自体の予防」

(1) 昨年度決定された【政府大綱】の策定に関わり、有識者会議をリードした専門家とされる人達はと言うと、『アミロイドベータ説』という仮説支持者達なのです。「アミロイドベータ」という蛋白質が神経細胞の周りに蓄積して生成された「老人斑」なるものが、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことで、『記憶の障害』が惹起されて、「アルツハイマー型認知症」を発病することになると主張する「仮説」なのです。未だに、「仮説」の地位に甘んじているのは、【発病の原因と主張する内容(メカニズム、機序)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係を立証できていない】為なのです。アミロイドベータ説を主張する彼等権威達は、『記銘、保持、想起の3つの行程から構成されている「記憶の機能自体」が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の機能レベル(発揮度)に、左右される機能構造にあること』も知らないでいて、『注意の分配力』の機能が備わっていない、マウスを研究対象にしているのです。記銘と言う機能も、想起と言う機能も、その発揮度自体が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度に直接依存(リンク)しているのです。その結果、中ボケの後半から大ボケの段階にかけて記憶障害の症状或いは、記憶障害に起因した症状が外観的に目立ってくるのは、『第二の人生』を送る日々の生活の中で、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていることに直接起因した廃用性の機能低下の進行という要因により、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能自体が衰えてきていることの反映(アウト・プットとしての認知症の症状の発現)に過ぎないのです。

私たちの主張内容が正しいことは市町村での実践の成果(関連する「脳機能データ」も存在する)により、疫学的に実証されてはいるのですが、アミロイドベータ説という世界中の権威がある彼等の主張内容を含む『4つの仮説』の主張内容と真反対のものであり、その上、権威が無いこともあり、今日現在までのところ、政府を動かすことが出来ないでいるのです。

検索によると、『予防』というテーマの実施については、認知症の家族団体が強く反発しているそうなのです。「予防を強調すると、認知症になった人は努力が足りなかった、その家族も支援が不足していたと受け取られかねない。自己責任となってしまう。一層認知症への偏見を助長させる」と批判したそうなのです。仮説に惑わされた考え(「発病のメカニズム」に対する正しい知識と理解の不足)からくる発言というしかないのです。『①アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病なのであり、②「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状【小ボケ、中ボケ、大ボケ】が発現してくること③早期診断【小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること】と「脳のリハビリ」(注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉が活性化する生活習慣への改善の実施)の実践により治すことが出来るし、④脳の使い方としての生活習慣、「注意の分配力」の出番が多い自分なりの「テーマ」を選択し、『前頭葉』が活性化する生活習慣の構築と実践により、発病を予防することが出来ること、私たち二段階方式が主張し、主張内容が正しいことを実践の成果により、疫学的に実証してきた上述の主張内容(①~④)が、我が国全体、地方の隅々にまで、広く行き渡っていれば、起きて来ない反応(予防に対する反対)だと考えるのです。発病のメカニズム、発病の予防及び早期診断による回復について『二段階方式』が展開する主張内容が世の中に広まり、市町村での地域予防活動による成果が顕著なものとして、容易に確認されるようになれば、『意欲を喪失する何等かのキッカケ』に遭遇したお年寄りが、立ち止まり、日々の「生活習慣」をチェックする機会を持つことが期待出来るようになれば、「アルツハイマー型認知症」を発病しないで済む可能性が高くなるのです。発病した場合でも、「早期診断と脳のリハビリの実践」により、回復させることが期待できるのです。「キッカケ」が起きるか/否かは、神のみぞ知る世界。不可避というしかないのです。とは言え、『二段階方式』の主張内容についての知識と理解がある人(同居の家族を含む)にとっては、『ボケるか/ボケないか』は、選択することが出来る世界になるのです。

(2)私たちの客観的な「脳機能データ」からいうと、『アルツハイマー型認知症』の発病原因に対する正しい知識が不足している結果として、「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての生活習慣に対する知識、認識の不足とあるべき生活習慣の構築と実践に対する努力が不足する結果となり、発病し、症状の重症化が進行した訳なのです。『誤った内容の主張』であり、『記憶障害に起因して発病する』とする権威の主張内容に従って、物忘れの症状の程度ばかり気にしていて、肝心要の要因である『脳の使い方としての生活習慣』の在り方、見直しに目が行かなかったことが、「発病」につながり、更には、「早期の段階からの回復」の機会を失う結果につながったのです。権威達の過ちを糺し、世の中に正しい知識と理解を広めて、この国を救いたいと孤軍奮闘しているのです。

注)それまでに営まれてきた自分なりの『生活習慣』、自分なりの「追求すべきテーマ」が有り、自分なりの達成すべき「目標」が有り、自分なりの「達成感や喜びや生き甲斐」が得られていたそれまでの『生活習慣』が、突然降って湧いた『キッカケ』の発生を契機にして維持できなくなり、(「キッカケ」となった状況を排除し、解決することが出来ないままで居て、或いは、その状況が継続されたままで居て)自分らしい第二の人生の生き方、暮らし方が阻害されてしまい、何事に対しても挑戦する『意欲を喪失』してしまうことになるのです(身近で、分かり易い例を挙げると、『大型の台風で、家屋が損壊されてしまい、その上、我が子のように可愛がってきた猫をも失って、何事に対しても、挑戦する「意欲自体を喪失してしまった状況」が、脳の使い方としての「生活習慣」が、継続されていくことになるのです)。

脳の機能面から言うと、「意欲は、全ての源」なのです。「意欲」の機能の上位に、「注意の集中力」の機能があって、その上位に、『注意の分配力』の機能があるのです。「意欲」を喪失した状態が継続されているということは、「注意の集中力」が発揮されなくなること及び「注意の分配力」の機能が発揮されなくなることに直結しているのです。

注意の分配力』の機能は、「3つ以上の異なる複数のテーマ」を同時に並行して選択的に処理し、実行する為に不可欠の機能なのです。私たち人間だけに「特有な機能」であり、『意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界』に不可欠の機能群である『実行機能』(Executive Function)を動かす要の機能でもあるのです。私たちが『前頭葉』の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が発揮されにくい状況、「脳の機能レベル」としての視点から言うと、『何事に対しても、自らの意思で、挑戦することが出来にくい(出来ない)脳の機能状況が発生』してきて、何事に対しても挑戦することが無い(出来ない)生活が日々継続されていくことになり、その状況(「脳の使い方」としての日々の暮らし方)が『生活習慣してくるのです。標語的な表現を借りて説明すれば、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方)が開始され、継続されていくことになるのです。このことを「脳の機能面」と関連させた説明の仕方をすると、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くこととなるその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待ち受けているのです。

実は、「キッカケ」については、何でもありなのです。「意欲」を喪失することになるか/否かは、本人の受け止め方次第なのです。『キッカケ』の類型については、このブログの(A-33)『単調な生活が始まる「キッカケ」となる生活状況の事例』を参照して下さい。

   

&2 『アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方としての『生活習慣病』に過ぎない

(1)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』であれば、『加齢』に起因した脳の老化に因る機能低下という要因が「基礎要因」として存在しているので(発病の第一要件)、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(食生活とは無関係であり、脳の使い方としての生活習慣という要因であることに留意する)が継続された生活状況下で、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の機能低下の進行という「加重要因」が加わることに因り(発病の第二要件)、すなわち、第一の要因と第二の要因の同時存在、異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることによる『相乗効果』に因り、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能についての、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くこととなり、その先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。これが、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行して行く『真のメカニズム/機序』なのです。猶、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態である『アルツハイマー型認知症』の場合、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るのが、特徴となるのです(小ボケ中ボケ及び大ボケに区分される症状が確認される)。猶、三段階の類型的症状については、(E-07)を参照してください。記憶障害の症状、又は記憶障害に起因した症状は、中ボケの段階で初めて確認されるようになり、大ボケの段階でやや目に付く程度で、「小ボケ」の段階では、皆無であり、「前頭葉」の機能障害に起因した症状だけが確認されるのです。大ボケの後半になって初めて確認される「失語や失認や失行」の症状自体が、記憶障害に起因したものではなくて、「前頭葉」の(就中、「注意の分配力」の機能の)機能障害に起因した症状なのです。

『発病自体の予防及び早期診断による回復』は、100歳までも生きるのが不思議とはされない社会、超高齢社会を生きるお年寄り、「第二の人生」を送る60歳を超えた年齢の高齢者にとって、個人(本人)の尊厳の維持及び確保にも直結するテーマなのです。超高齢社会に生きるお年寄りは、『アルツハイマー型認知症』を発病して、更には症状の重症化が進行して、『介護』を受けながら生きていくのが普通と考えてはいけないのです。『身体が持つ限り脳も持たせて自分らしく「第二の人生」を送るのが当たり前の社会』を目指すべきなのです。その為の最も有効な方策が、私たち二段階方式が、実践の成果をもとにして、提案している『発病自体の予防』という施策なのです。

(2)世界中の全ての権威が主張している内容が、発病との間の因果関係の立証が出来ていない単なる「仮説」である上に、重大な誤りの内容であっても、私たちの主張内容が彼等のそれとは異次元の高い品質レベルの内容であって、極めて多数の市町村での地域予防活動の成果により正しいことが疫学的に実証されていても、権威が無いということだけで、現在のところ、政府を動かすことが出来ていないというジレンマを抱えている訳なのです。【政府大綱】では、『介護の予防』が当面の実施テーマとされていて、早期診断による回復及び発病自体の予防というテーマは、今後の『研究テーマ』という位置づけなのです。

権威ある専門の医療機関も、社会に問題提起すべき役割を担っているはずのマスコミも、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の発病者に気づいていなくて(知らない)、何等の問題意識が無いのです。彼等が問題にしているのは、新型コロナへの有効な感染防止策としての『3密の回避』策の徹底という生き方、日々の暮らし方が求められている現在の状況下で、末期の段階の発病者、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄りについて、症状の更なる重症化が進行している(「大ボケ」の段階という枠の中で、更に重い症状へと移行して来ている)ことについての、それなりの問題意識があるだけなのです(特養や老健施設の従事者達から、そのことが声高に訴えられている現在の状況に在るのです=大ボケになると、手の打ちようがなくなるのです)。

(3)『大ボケ』の段階にまで(大ボケの段階の症状が発現して来るまでに)症状の重症化が進行してしまうと(『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してしまうと)、治すことは最早困難となるのであり、介護の途しか残されていないのですが、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で発病を見つけることが出来れば、「脳のリハビリ」の実践(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりに関心が持てて、目標の設定が出来る「テーマ」を選択して、継続的に実践すること)により、症状を治すことが出来るのです(「アルツハイマー型認知症」こそ、早期診断と早期治療が有効なタイプの認知症なのです=医師達が、末期の段階の症状を基準にして、発病を見つけている為に、治せないだけなのです)。

「大ボケ」について、私たちの脳機能面からの定義に基づいた区分で言うと、『前頭葉』の機能が異常なレベルに在って【かなひろいテストが不合格=年齢別の基準値以下の判定数値を示す】、左脳及び右脳の機能レベルを判定するテストであるMMSEの換算値が【14点以下0点迄】の『お年寄り』のことなのです。症状で言うとその幅は極めて広く、身体が持つ限り(アルツハイマー型認知症の本態は、廃用性症候群に過ぎないので、アルツハイマー型認知症の発病が原因で死亡することにはならないのです=死因にアルツハイマー型認知症を挙げる医師は、アルツハイマー型認知症の本質を知らないのです)『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルが更に低下して行くことに厳密にリンクした更に重い症状が、順次発現して来ることとなり、長く身体が持つお年寄りの場合は、最終的には、植物人間状態になるまでに脳機能が低下して行くことになるのです(介護の費用が留まることなく増大して行くだけ=家族介護を美化するのは間違いなのです=家族介護に実際に携わった個々の家族が、色々な意味で、自分の行為を美化することは否定できないのですが、社会的な問題として、或いは、社会的な風潮として、家族介護を美化するのは間違いなのです。『大ボケのレベルに在るお年寄りの介護こそ、全員を「介護保険」で対応すべきと考えるのです=『介護離職は、我が国に有ってはならない社会問題なのです。政府が採るべき実現可能な対応策が、具体的に提示されているからです)。

モリカケ問題とか、桜の花見会問題とか、あんな些末な問題を取り上げて騒ぎ立てる程に暇を持て余しているのなら、二段階方式の国策化による、住民参加型の地域予防活動展開の是非についてこそ、口角泡を飛ばした議論を国会の場で展開して頂きたい、そのことを、野党の議員達に切に望むのです。私たち二人とも、『古希を超えた年齢』なので、残された時間が多くはないのです。

(4)  世界中の認知症研究(診断)の専門家達から、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症であるとされている『アルツハイマー型認知症』は、①左脳が専管する仕事とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象にして発病するものであり、②何等かのキッカケの発生を契機に意欲を喪失することが基礎に在って、日々の脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方を言う)が開始され、継続されたことに起因して、発病し、症状の重症化が進行して行く認知症なのです。更には、③『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、小ボケ、中ボケ及び大ボケの「三段階」に区分される症状が発現して来るのが特徴なのです。簡潔に定義すると、『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、④早期診断により治せるし、介護の予防が可能であるし、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症なのです。➡⑤『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないタイプの認知症ではないのです。専門の医師達が見つけている段階が遅すぎるがために治すことが出来ないだけなのです(「末期の段階」である「大ボケ」の段階の症状の確認を基礎として、発病と診断している=米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規程である『DSM-4』の第二要件が確認を要求する失語や失認や失行の症状及び/又は、それらの症状よりも更に重い症状の発現を確認して、初めて発病と誤解し、診断しているのです(実は、失語や失認や失行の症状が、11の下位項目から構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁の点数になるお年寄りにしか確認されない症状、「極めて重度の症状である」ことにさえも、気づいていないのです)。「二段階方式」の手技を活用して判定された「アルツハイマー型認知症」の発病患者、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階を含む14689例に上るお年寄り達の「脳機能データ」が、証拠資料(事象事実)として存在しているのです。

(5)新型コロナの感染防止策としての『3密の回避』が、第二の人生を送っている高齢者達の間で、厳密に守られる生活が日々継続していて、生活習慣化が定着して行っている状況の中で、実は、『アルツハイマー型認知症』を発病するお年寄り(「小ボケ」)の数が、想像を超える規模で、日々増加している状況が、深く静かに進行して行っているのです。

➡ このことを確認するには、三頭立ての馬車の御者、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定出来る手技(例えば、「二段階方式」の【かなひろいテスト】に相当するもの)の活用が不可欠となるのですが、『アルツハイマー型認知症』の診断が専門の医療機関でさえも、そうしたレベルの手技を持ってはいないのです。

彼等は、馬車を牽引する馬の役割でしかない左脳及び右脳の機能レベルを判定する為の手技である【MMSEテスト】の実施でお茶を濁しているのが実態なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(認知機能のレベル)を精緻に判定する手技を持たないので、物忘れの症状の程度や態様を基準とした「MCI」(軽度認知障害)等という、極めて杜撰な基準を持ち出してきて、「アルツハイマー型認知症発病の前駆的状態」であるとか言った、『素人まがいの診断と説明』を行っているのです。その上、治療の効能も、症状の進行を遅らせる効能も、全くのこと有してはいない、4種の単なる「対症療法薬」の何れかを処方しているのです。※『アルツハイマー型認知症』は、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」、私たちが『意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界』を構築し、統合し、管理し、コントロールしている『前頭葉』という脳機能が関わる(就中、「注意の分配力」の機能が関わる)認知症なのです。世界中の権威達は、そのことを知らないで、『前頭葉』という脳機能自体を具有していない『マウス』を研究材料にしていて、誤解と無知に基づく、内容が誤った情報を未だに発信し続けているのです。権威としての社会的責任感が希薄なのです。

 

&3 「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行する真の原因

(1)アルツハイマー病、二次性認知症、脳血管性認知症、アルツハイマー型認知症など、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。その『アルツハイマー型認知症』について、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ない』とするのが、世界中の専門家とされる人達(学者、製薬会社の研究者、医師)の主張なのです。発病及び症状の重症化が進行する原因については、アミロイドベータ説、タウタンパク説、アセチルコリン説及び脳の萎縮説の『4つの仮説』が提示されているのです。4つの仮説の何れもが、それぞれが主張する発病の原因(メカニズム)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するはずの因果関係について、未だに立証できていない為に、「仮説」(憶測の類)の地位に甘んじた儘なのです。

(2)私たちエイジングライフ研究所は、『アルツハイマー型認知症』対策に的を絞っていて、1995年の活動開始以来、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であり、「脳の使い方」としての生活習慣の改善により早期の段階で見つければ治すことが出来るし、「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築と実践の継続により、発病自体を予防することが出来る』と主張しているのです。これまでに、北海道から九州に跨る累計で452の市町村を対象とした活動の指導、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践展開により、私たちの主張が正しいことを疫学的に実証してきているのです。

アルツハイマー型認知症』を発病する対象者は、①「左脳」が専管する『仕事』とは無縁の日々を送ることになる『第二の人生』を送っている②60歳を超えた年齢の『高齢者に限られるのが特徴なのです。その理由は、『加齢』に起因した脳機能の低下という問題が基礎に在るからなのであり、これこそ、私たちが規定する「発病の第一要件」なのです。私たちが規定する「発病の第二の要件」は、『第二の人生』の過ごし方における、脳の使い方としての『生活習慣』の問題なのであり、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方)に起因した廃用性の機能低下の進行のことなのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが、同時に存在し充足されることに因る相乗効果に因り『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常機能低下を進行させていく結果『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。

(3)そもそも『第二の人生』に入っているということは、通常の場合であれば、高齢者と呼ばれる年齢になっているということなので、『加齢による前頭葉の老化の問題』(第一の要件)を誰でも抱えているのです。それでは、高齢者は誰でも「アルツハイマー型認知症」を発病するのかと言うとそうではないのです。70歳代のお年寄りの30%が「アルツハイマー型認知症」になるのに対し、80歳代になっても50%のお年寄りは「アルツハイマー型認知症」にならないで、それなりに「社会生活」を送ることが出来ているのです。「アルツハイマー型認知症」になるかならないか、その差はどこからくるのか。「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りは、「カクシャク老人」と呼ばれる人達の生活振りとは対照的な生活振り(脳の使い方としての生活習慣)を送っているのが特徴なのです。その特徴的な生活振り(「生活習慣」)とは、『時間だけはたっぷりと有るのに、することが何もない毎日』を送っていることなのです。発生原因や経緯が問題なのではなくて、『単調な日々の暮らし方』という事実が問題なのです。これと言った「テーマや目標も無く」、ボンヤリと暮らすだけの毎日、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々送っているだけなのです。

第二の人生に入っていったお年寄りの中で、とりわけ『アルツハイマー型認知症』を発病するお年よりは、日々の脳の使い方という視点から見た『生活習慣』に問題があるのです(発病の第二の要件)。言い換えれば、脳の司令塔の役割の「前頭葉」(三頭建ての馬車の御者)の使い方に問題があるということなのです。『アルツハイマー型認知症』になるか、ならないか、その差は、毎日の「前頭葉の使い方の差」、毎日の生活の中で「前頭葉の出番(とりわけ、核心をなす機能である『注意の分配力』の機能の出番)が、どの程度あるのか、ないのか」にあるのだということを、『第二の人生』を送っている『お年寄り』は、深く心に刻んで頂きたいのです。

 (4) 意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする時、自分の置かれている状況を分析し、理解し、判断して、実行すべき「テーマ」とその内容を企画し、その実施結果を、洞察、推理、シミュレーションした上で、どのような内容の行為、行動、発言、言動をどのように実行するのかを最終的に選択し、実行の意思決定をしているのが、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』(「前頭前野」を言うものとする)という脳機能の働きなのです(その中核となる機能が、『注意の分配力』の機能なのです)。

ナイナイ尽くしの「単調な毎日」では、前頭葉の出番が少なすぎて、働く場面が足りないということなのです。働く場面が足りない(使われる場面が、余りにも少な過ぎる)ので、「前頭葉」が廃用性の機能低下を起こしてしまうのです。明日からと言わず今日のうちに、この点に焦点を当てて、日々の過ごし方をチェックしてみて頂きたいのです。「前頭葉」が不十分にしか使われないことで起きてくる「廃用性の機能低下」は、小ボケ、中ボケ、大ボケと症状が進むにつれて、直線的ではなくて、放物線を描き、加速度的に衰えていくのが特徴なのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの低下の進行程度に従い、次第に、もっと重い内容の症状が発現して来ることになるのです=「4つの仮説」では、説明不可能)。

注)「廃用性の機能低下」とは、当該器官を不十分にしか使わないことが一定期間継続すると、そのことが原因で当該器官の機能が障害されることを言います。廃用性症候群による機能障害は、膝の筋肉のような肉体的なものだけではなくて、精神的なもの(脳の機能)にも起きるのです。これまでの説明でお分かりのように、「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるというのが私たちの主張です。専門家達が主張しているような、脳の委縮や、アミロイドベータの蓄積(老人斑)やタウタンパクの蓄積(神経原繊維変化)が原因で起きてくる病気ではないのです。

 

&4 新型コロナの感染回避策としての『3密の回避』と発病のリスクとの相関

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行との関係

私たちが定義する「発病の第二要件」の規定内容と説明の個所を読み返してみて下さい。新型コロナの感染回避策として求められている、『3密の回避』という方策について、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方という視点から捉えてみて頂きたいのです。『第二の人生』を送る『高齢者』については、症状の重症化のリスクの高さという要因が加わっているのです。マスコミが連日のように、はやし立てるので、恐怖心も相当高いのが実態と言えるのではないでしょうか。その結果、『アルツハイマー型認知症が廃用性症候群に属する、脳の使い方としての生活習慣病であり、その意味で、「3密の回避」を徹底する為の家に籠る生活が、状況により、発病をもたらす危険なものだ』との知識を持ち合わせていないお年寄り達の間で、「3密の回避」策が必要以上に徹底して行われているのではないかと、危惧しているのです。此処で言う『3』とは、密閉、密集、密接のことを言います。新型コロナ感染症の予防を巡り、政府や自治体はこれら三つの「密」を避けて欲しいと繰り返し呼び掛けている訳なのです。猶、『3』のそれぞれの意味は、「換気の悪い密閉空間」、「多数が集まる密集場所」及び「間近で会話や発声をする密接場面」を言うとされています。この三つが重なると、感染者の集団発生(クラスター)が起きやすいことが、国内外の調査で分かった為なのです。これまでに、屋形船、ライブハウス、カラオケ、懇親会、接触を伴う飲食などの場での、集団感染が確認されている訳なのです(この他に、介護施設、医療施設、運動クラブ等の共同生活寮)。

どの「密」も、会話などで飛び散るしぶきに含まれるウイルスを吸い込みやすい環境が問題とされているのです。その上、軽症者や自覚症状がない人もウイルスを排出するという、今回の「新型コロナ」の特徴が、感染者の拡大に拍車を掛けてもいるのです。

『3つの密を避ける為の手引き』なるものによれば、新型コロナへの感染を防ぐ為には、単に「3密を回避」するだけでなくて、感染リスクを下げる為に、『ゼロ密を目指す』ように推奨されているのです。その為、『3密に当てはまる場所に行かないことを前提にして、不要不急の外出は控え、前述した条件のいずれかを満たす場所はなるべく回避する』よう、求められているのです。最近では、『家族内感染や職場内感染の事例が増加してきている』傾向にあるのです。『新型コロナに感染すると、重症化し易く、場合によっては、死に至ることさえある』とマスコミが騒ぎ立てる状況下では、「第二の人生」を送っていて、60歳を超える年齢の高齢者は、『何処へ逃げて行き、何をして、どのように過ごせばいいのかについて、迷いと不安を抱く毎日』という訳なのです。結果として、『3密の回避』という日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の徹底とその継続とが、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の開始と継続に繋がる結果として、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化を進行させることに直結した状況が確認されてきている訳なのです。

(2)初期、中期及び末期の段階の「三段階」に区分される症状の存在が特徴

私たちの「脳機能データ」によると、『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、三段階に区分される症状が発現して来るのが特徴です。三段階に区分される症状の標準的な各「滞留期間」は、「小ボケ」の期間が発病してから3年間であり、「中ボケ」の期間が2~3年間であり、「大ボケ」の期間は、身体が持つ限り【老衰や、何等かの病気が原因で死を迎えることになるまで】続いていくことになるのです。認知症の診断が専門の医師達は、失語や失行や失認の症状、或いはそれらの症状よりも更に重い症状にしか関心が無くて、それ等よりも軽い症状については、「不活発症状」であるとか、「老化現象」であるとか言い張るのです。加えて、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在るか/異常なレベルに在るかを精緻に判定し、鑑別できる手技を持たない為に誤解していて、「アルツハイマー型認知症」の症状とは考えていないのです。失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているために、それ等より「軽い症状」(「アルツハイマー型認知症」の症状であり、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状)が確認されても、無視してしまうか、場合によっては、『MCI』(軽度認知障害)とかの意味不明の極めて杜撰な基準を持ち出し、「アルツハイマー型認知症」発病の『前駆的な段階の症状』であると説明しているのです。

小ボケ』の症状は、脳の機能面から言っても、脳全体の司令塔である『前頭葉』の機能だけが異常な機能レベルに在って、左脳と右脳の機能は正常な機能レベルに在る為、症状だけからでは、素人の皆さんには理解が出来にくいことと思うのですが、他方で、『中ボケ』については、『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常なレベルに在る為(「前頭葉」の機能だけでなくて、MMSEの判定対象である左脳及び右脳の機能も異常な機能レベルに在る)、単なる老化現象ではないことが理解できると思うのです(日常生活で、寝食を共にしている家族であれば、異常な症状であることが、理解し易いはずなのです=中ボケの段階になると、家庭生活の面でも、様々な支障が出てくることになるからです)。

『標準的な滞留期間』と「個々の実際のケース」とを比較すると、僅かな期間の差異が認められる場合があります(滞留期間が、短い場合と逆に長い場合)。この場合は、個々のお年寄りの生活習慣について、『前頭葉』を活性化させた具体的なプラス要因が(逆の場合は、『前頭葉』の廃用性の機能低下を更に進行させたマイナス要因が)確認できるのです。

 

&5 発病を予防するには、『前頭葉』が活性化する生活習慣の選択と実践が不可欠の条件

 (1)『前頭葉』が活性化する機能構造と発病のメカニズムとの関係

私たち人間だけに特有なものである『意識』の機能構造については、人類にとって最大の難問とされているのです。世界的な心理学者や、脳科学者でさえ、考えること自体を放棄したいと語るほど、『意識の機能構造』は極めて複雑であり、不可解で、難解なものとされているのです(今日現在も、猶)。その意識を構築し、統合し、管理し、コントロールしている核心的な機能が、『注意の分配力』の機能の働きであると、私たちは考えているのです。『注意の分配力』という機能の働き方を簡潔に表現するならば、「3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して、選択的に処理及び実行する上で不可欠の核心的な機能」ということになります。例えて説明すると、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』は、脳の機能構造面から言うと、左脳右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』の『御者』の役割りを担っている『前頭葉』という脳機能が、状況の全て、関連し、連携して働く脳機能の全体をコントロールしている世界なのです。

その『前頭葉』という脳機能は、「記憶の倉庫」、「評価の物差し」、「実行機能」、私たちが『前頭葉の三本柱の機能』と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能が連絡し、連携し、協働する機能構造をしているのです。記憶の倉庫は説明不要でしょう。評価の物差しについては、前回のブログ(E-08)の説明を参照して下さい。実行機能(Executive Function)とは、何かの「テーマ」実行する際に不可欠の脳機能なのです。自分がその時置かれている状況の分析、理解、判断。状況判断に沿った実行すべき「テーマ」の発想。「テーマ」の実行内容の企画、計画。実行した場合の実行の程度と態様及び結果に関する洞察、推理、シミュレーション。シミュレーション結果に基づいた比較、選択。実行の決断及び脳の各部に対する実行の指令。更には、抑制や感動等の機能の総称。

(2)どんなに些細なテーマであれ、どんなに大きなテーマであれ、意識的な世界では、必ずこのような工程を経て実行されているのです。言い換えると、何等かの実行テーマがある生活においては、常にこうした「脳機能の出番」が有るということになるのです。高齢者の皆さんであれば、日々の生活習慣の中で体験していて理解し易いものに、膝の筋肉の問題があります。「歩くという日常動作」が、明らかに減少した生活習慣が継続されていると、ちょっとした坂でさえも、歩くのが困難になってくるのです。使われないことが継続されているために、膝の筋肉について、『廃用性の筋萎縮による機能低下』が進行して来るからなのです。脳も同じことなのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方)が継続されていると、『廃用性の機能低下』が進行してくることになるのです。仕事とは無縁の日々の生活となる『第二の人生』を送っている高齢者が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(「脳の使い方」としての「生活習慣」)が継続されている生活状況の下で、『アルツハイマー型認知症』を発病し、症状の重症化が進行して行くことになるのです(小ボケ➡中ボケ➡大ボケ)。これこそが、発病及び重症化が進行する真の原因(メカニズム)なのであり、権威達が主張する、アミロイドベータの蓄積やタウタンパクの蓄積とは無関係なのです。意識的な世界における実行機能の活用、前頭葉の活性化は、注意の分配力の機能の働きが関与しない限り、「意識の世界」も、「意識的に何かのテーマを実行する世界」も機能しえないし、存在し得ない、機能構造の関係になっているのです。DNAの98%が人間と同一のものとされるチンパンジーにさえも、『意識の世界』は存在していないのです。その意識の世界を構築し、統合し、管理し、コントロールしている要の核心的な機能である『注意の分配力』という脳機能について、世界中の専門家達が、未だに無知に過ぎるのです。

(3) 我が国及びその社会を維持する上で不可欠である、一定規模での活発な経済活動の再開に伴い、新型コロナが再び勢いを増してきて、全国的に感染者数が増加して来ている状況に在ります。そうした中に在って、「要支援」の状態にあった高齢者や「要介護」の状態にあった高齢者達の間で、『アルツハイマー型認知症』の症状の更なる重症化が進行してきているとする顕著な変化が確認されてきていることは、新聞やテレビの報道の通りなのです。

問題は、本当の意味での早期の段階であり、『脳のリハビリ』の実践により治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在すること自体が、認知症の診断の専門家とされる医師達も知られていなくて、騒がれているのは、末期の段階である「大ボケ」の段階の「お年寄り」達の症状の進行の問題だけなのです(『大ボケの段階という枠の中で、更に重い症状に進んできている』。見落とされている要因の方が、実は、重大なのです。

『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行と直接の「因果関係」が存在している要因は、一つには、『加齢』に因る機能低下の進行であり、更にもう一つ別の要因、加重要因である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因なのです。➡新型コロナの発病を防ぐ最も重要な対策であるとされている『3密の回避』という「脳の使い方」としての『生活習慣』の継続が、脳の機能面という視点から言うと、『注意の分配力』の機能の出番が少なくて、『前頭葉』の活性化が得られ難い日々の暮らし方の継続となっている訳なのです。『3密の回避』に励んでいる日々の暮らし方、脳の使い方としての「生活習慣」の下で、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の機能低下が進行して行くことになるということなのです=発病(「小ボケ」の発症)及び更なる症状の重症化が進行(「小ボケ」から「中ボケ」、「中ボケ」から「大ボケ」)しているということなのです。このことが、専門家である医師達にさえ気づかれない儘に、進行しているのです。それは、『アルツハイマー型認知症』を発病する高齢者の顕著な増加という問題が、重大な社会問題として認識されていないということなのです。『アルツハイマー型認知症』の診断の専門家とされる医師たちは、「アミロイドベータ説やタウタンパク説や脳の萎縮説やアセチルコリン説」という仮説、発病との因果関係が確認できない憶測の類に惑わされていて、私たちエイジングライフ研究所の区分で言う、本当の意味での早期の段階であり、『脳のリハビリ』により症状を治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階(及びその類型的な症状群)について、無知であり、何等の問題意識を持っていないのです。専門医と言いながら、彼等は、脳の機能レベルを判定するに際して、「左脳及び右脳」の機能レベルを判定する為の機能テストに過ぎないMMSE(人によっては、「長谷川式」を使用)を使用しているだけなのです。『認知機能』がどのレベルに在るのかを判定する為には、肝心かなめの脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを判定することが不可欠の条件となるのです。ところが、専門家と言われる彼等は、『前頭葉』の機能レベルを判定していないのです。その根本的な理由は、『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定することが出来る手技を持っていないからなのです。

「三頭の馬」(左脳右脳および運動の脳)が元気な状態にあろうとも、肝心要の「御者」、脳全体の司令塔の役割を担っている(前頭葉)が居眠りしている状態(機能が異常なレベルに衰えている)では、正しい道を通って、予定された時間までに、目的地に行きつくことが出来ないのです。『脳のリハビリ』の実施による回復の可能性の有無及び程度により、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくることさえも、彼等は知らないのです。失語や失認や失行と言った症状【11の下位項目により構成されていて、30点が満点である「MMSE」の総得点が一桁の得点になって初めて発現が確認される極めて重度の症状なのです】が、「初期症状だと誤解」した儘なのです。彼等は、症状を治すことが出来なくて、介護の途しか残されていない末期の段階で見つけて、『発病のレッテル張り』をするだけで、自分の診断結果に満足しているのです。

(4)「脳の使い方」としての『生活習慣』が発病するか/しないかを区分ける要となる

『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方こそが、発病するか/しないかを区分ける核心的な要因なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する『生活習慣』とは、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する暮らし方ということになるのです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』(Executive Functionの各構成要素=分析、理解、考察、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、判断、決断、抑制、感動等の機能)の出番が多くて、活性化する暮らし方を自分なりに模索し、楽しみ乍ら行使する場面や機会が出来るだけ多い「テーマ」を選択して、実行する生活を継続するのです。『生活習慣』となる為には、継続出来ることが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が必要なのです。そうした「テーマ」を選択し、実行の計画をすること、目標を設定すること、実行すること、目標達成の結果を残すこと、それらの各過程自体が、自分なりの楽しみや喜びに繋がり、目標の達成が達成感の獲得や喜びや生き甲斐に繋がるような「テーマ」の実践が、ベスト・ヒットなのです。

 

&6 『発病自体の予防』が政府の施策となるか否かは、国民の皆さんの選択次第

(1)『アルツハイマー型認知症』は、治すことも予防することも出来る認知症なのです。

市町村の保健師さんが活動の牽引車となり、地域のボランティアが運営に参画する「発病自体の予防教室」(Ex.「脳のイキイキ教室」)の運営、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』が、唯一の、効果的で有益な処方箋となるのです(発病の予防及び早期診断による回復により、単年度で10兆円を超える規模とされる『アルツハイマー型認知症の発病者であり、要介護のお年寄り』の介護に要している総費用を、劇的な規模により、劇的に減少させることが期待出来る、極めて有効で、有益な方策なのです。➡累積総数452の市町村での実践により、疫学的に実証済み)。

(2)発病及び症状が重症化するメカニズム(原因と機序)に鑑みて言うと(問題を提起すると)、『アルツハイマー型認知症』の発病を予防したり、早期の段階の症状(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病してくる症状)を治したり、症状の進行を遅らせたりする効能を有する「薬」が開発されることは、未来永劫有り得ないのです。

発病及び症状が進行するメカニズム(機序)と『前頭葉』を含む脳全体の脳の機能レベルから明言すると、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認される「お年寄り」は、『介護の途しか残されていない』のです(身体が持つ限り、「大ボケ」の段階の枠の中で、更に、重い症状へと移行していくだけなのです)。将来、治療や予防の薬が開発されるかもしれないとの期待(誤ったものであり、薬が開発されることは有り得ない事なのです)が、保健師さんによる「住民参加型」の『地域予防活動』展開に対する重大な妨げになってもいるのです。薬を開発する製薬会社自体が、発病のメカニズムを全く知らないことは、これまでの開発がすべて失敗に終わっていることからも、明らかなことなのです。

(3)私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行する為の内容を計画し、実行の手順を組み立て、実行結果のシミュレーションを行い、必要と判断した場合は修正を加えた上で、実行を決断し、脳の各部に実行の指令を行う、それが、私たち人間だけに備わる『前頭葉』と言う脳機能の働きなのであり、その中でも、『注意の分配力』の機能が極めて重要な働きをしているのです。その「注意の分配力」の機能、「前頭葉」と言う脳機能について生じてくる老化及び廃用性の機能低下という要因こそ、原因不明とされてきている、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状が重症化する真の原因なのです。アセチルコリンの不足とか、アミロイドベータの蓄積とか、タウ蛋白の蓄積とか、脳の萎縮とかは、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化の原因とは無関係のものなのです。4つの仮説は全て、何時まで経っても、発病との間の因果関係の存在を立証できないでいるのです。

(4)『アルツハイマー型認知症』を発病する第一の要因が『加齢』による機能低下であり、もう一つ別の加重要因が、「キッカケ」を契機として開始された単調な「生活習慣」の継続、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続による廃用性の機能低下であり、異なるこの二つの要因が同時に存在し充足される相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくこととなり、その先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているというだけのことなのです。私たちの主張は、14689例もの『前頭葉』の機能を含む脳全体の機能の精緻な「脳機能データ」の蓄積とその解析並びに累積総数で452の市町村で指導してきた住民参加型の『地域予防活動』の実践の成果とその分析に基づいた、疫学的な実証を基礎とした主張なのです。

    権威がなく、発信力に乏しいが故に(論文を発表したことも無いので)、内容が無くても、権威と情報の発信力が有る「仮説の類」に、発信力で負けているというのが実情なのです。

いずれの主張を採用するか、それは、政権与党、政府、最終的には国民の皆さんの判断と言うしかないのです。

本著作物「Eー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

エイジングライフ研究所 (ホームページ) & 脳機能からみた認知症(もうひとつのブログ)  

 

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政府大綱が進める「介護の予防」、更には、『発病自体の予防』 (Eー04)

2020-04-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)「徘徊」して行方が分からなくなった「お年寄り」に関する情報の提供を呼び掛ける役場のスピーカーの音が、今日もまた朝早くから聞こえてくる。日本全体での高齢化率が30%に到達し、「超高齢社会」に到達した世界の先頭をひた走る日本の市町村でみられる日常的な光景なのです。それらのお年寄りは、アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の発病者であり、且つ、末期の段階の症状であり、私たちの区分で言う、「大ボケ」の段階の後半の段階の症状が発現してきている「お年寄り」のことなのです(「アルツハイマー型認知症」は、「老年発症」が特徴であり、発病する対象者は、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られている事実に注意して頂きたいのです=二段階方式が、これまでに集積した「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の各患者を含む極めて多数の症例データが根拠)。
➡重度の「記銘力障害」と海馬の萎縮が認められるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在る場合は、側頭葉性健忘症なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病との診断は、明確な『誤診』なのです(アルツハイマー型認知症と側頭葉性健忘症とを鑑別する最も重要な要件は、前頭葉の機能が異常であるか、正常であるかなのです)。「アルツハイマー型認知症」は、『前頭葉』の機能が真っ先に最初に異常なレベルに衰えてくることが特徴なのです。両者の違いを知らない医師が多いのです。最近流行りの、『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、実在していない、架空の病気なのです。
➡専門家だけでなく、素人も誤った情報を発信し続けているのです。脳の働きという物差しを持たないで、末期の段階の発病者の介護の経験だけで、表面的な観察に基づいただけの、推測や憶測に基づいた情報を、テレビや新聞で情報発信しているのです(素人であるという自覚に欠けていて、自分が誤った情報を発信しているという認識が無く、逆に、断定的な発言をしている人達が多いのです)。➡『脳の働きという物差し』の活用並びに『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階に区分される症状」という説明が出来ない人は、ズブの『素人』なのです。

&1「アルツハイマー型認知症」については、専門家達さえもが無知
世界中の権威が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張し続けてきたのです。それが「重大な誤りである」ことに気づかないで、誤った情報を発信し続けてきたのです。
その結果として早期診断による回復というテーマも、発病自体の予防というテーマも、何等の対策が講じられないまま、放置されているのです。昨年の「政府大綱」により、介護の予防(日常の生活面でセルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠のものとなる、「大ボケ」の段階にまでは症状を進行させないこと)だけは、市町村で対応することとなったのですが、それでも、対策自体が不可能とされてきた従来の対応に比べれば、大きな進展なのです。

&2「アルツハイマー型認知症」の正体(発病のメカニズム)
『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する、老化・廃用型生活習慣病(但し、食生活は無関係で、脳の使い方としての生活習慣が関わるもの)に過ぎないのであり、発病の対象となるのは、日々の暮らしが「仕事」とは無縁となる『第二の人生』を送っている60歳を超えた年齢の『高齢者』に限られているのです(権威とされる人達は、末期の段階の症状にしか目が向いていないので、且つ、『前頭葉』の機能レベルという視点が欠けている為に、気が付かないのです)。
そうした『高齢者』が、『第二の人生』を送る日々の生活面で、どのような脳の使い方としての『生活習慣』を送っているのかという要因だけが、「発病するか/発病しないか」を決定づける『核心的な条件』となるのです。➡アミロイドベータの蓄積や、タウタンパクの蓄積や、アセチルコリンの不足や、脳の萎縮の進行等「4つの仮説」が想定する原因は、発病の原因とは無関係なのです。⇒先日の新聞報道では、京大が、タウ蛋白の増加を抑制する効能を有するワクチンの開発に成功し、且つ、当該「ワクチン」を投与された「マウス」の『認知機能』が改善する効果が確認されたことに因り、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に役立つ可能性が期待されているとありました。私たち人間の認知機能の改善効果という為には、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」を構築している『前頭葉』の機能への改善効果が確認されることが、不可欠の条件となるのです。そもそも、マウスには、意識的な世界は存在していないし、前頭葉と言う脳機能も備わってはいないことが無視された結論というしかないのです。加えて言うと、そもそも、タウ蛋白の蓄積(神経原線維変化)とアルツハイマー型認知症の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。更に言うと、アルツハイマー型認知症は、記憶障害に起因して発現するわけのものではないのです。重大な誤りであり、世の中を惑わせる研究発表として、指弾したいのです。
「仕事」を遂行するということは、目標を設定し、実行すべき内容を計画し、手順を考えて、効率的に実施していくことが要求される中で、洞察、推理、シミュレーション、創意、工夫などの『実行機能』の活用が不可欠となり、それら実行機能の機能発揮上必然的に注意の分配力の機能の発揮が機能構造的に要求されることに因り、たとえ、畑仕事や裁縫のような労働内容であっても、『注意の分配力』の機能の出番が不可欠で、出番も多いので、仕事が現職(肩書だけの名誉職は除く)である限り、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きてはこないのです。
⇒ 現在議論されている働き方改革の一環としての、「定年年齢の延長」というテーマは、仕事というテーマの保持、第二の人生の開始時期の先送りとなることから、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防(発病時期の先送り)という効果の面からみても、有益であり、真剣に議論されるべきものなのです。
アルツハイマー型認知症を発病したお年寄り(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の症例を含む14689例)の脳機能データの解析並びに累計452の市町村で「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践により、私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことを疫学的に実証しているのです。
アルツハイマー型認知症は、老年発症が特徴であり(加齢に起因した前頭葉の機能低下という要因が基礎となることから、若年での発症は、有り得ない)、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」(前頭葉が活性化する=注意の分配力の機能の出番が多い生活習慣の実践)により治せるし、「末期の段階」である大ボケにまで症状を進行させないことに因り、『介護の予防』が可能であるし、更には、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と継続的実践という『生活習慣』の構築と実践の継続により、発病自体を予防することが出来ると主張しているのは、「二段階方式」だけなのです(世界初の主張)。
※ 私たち(エイジングライフ研究所)に解明できる程度のことが、世界中の権威が何も分かっていないのはどうしてなのか、皆さんは疑問に思うでしょう。一つの理由は、『アルツハイマー型認知症』は、意識的に何かのテーマを発想し実行に移す世界、意識的な世界に関わる際に支障が出て来る(認知症としての症状が発現する)のが特徴となる認知症なのです。私たちは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現する症状に着目して、小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半及び大ボケの段階の症状を精査してきたのです。ところが、世界中の権威は、前頭葉の機能が備わっていないマウスに着目して、研究しているのです。私たち人間だけに特有意識的な世界(自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿って、何かのテーマを発想し、実行に移す世界)は、『注意の分配力』の機能が核心的な機能として、構築され、統合され、管理され及びコントロールされていることに、世界中のアルツハイマー型認知症研究の専門家達(研究者、学者、医師)が、未だに気づいていないことが問題なのです。
もう一つの理由は、世界中の権威は、末期の段階の症状が発現してきて、更に何年間も生きた発病者の、死後の脳の解剖所見に共通に確認される老人斑神経原繊維変化及び脳の萎縮に着目して、それ等が発病を惹き起こすとの条件を想定し(憶測の類)、「記憶障害」に起因して症状が発現してくるとの推測による「仮説」を組み立てて、発病との間の因果関係を立証出来ない儘に、未だにそれらの仮説にしがみついたままなのです(因果関係の立証が無いので、仮説とされている)。
哀しいかな、権威が不足している為に(権威とは真反対のことを主張している為もあり)、私たちの考え方及び手技が世の中に浸透して行かないのです。正しい主張内容であっても、権威が無いことだけで、世の中には浸透して行かないという現実の壁に突き当たっているのです。

皆さんが日ごろ目にしたり、耳にしたりする認知症とは、その殆どが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症のことなのです。生まれつき特定の遺伝子に異常が確認される人達だけを対象に発病が確認される「アルツハイマー病」(基本的に、若年発症が特徴)と加齢による脳機能の低下の進行を基礎としつつ、その要因に対する廃用性の機能低下を加重要因として60歳を超える年齢の「高齢者」だけに発病が確認される『アルツハイマー型認知症』(老年発症が特徴)とは、発病のメカニズムも、発病の対象年齢も、発病後の症状の進行も、治療及び予防の可能性の有無も全く異なることに注意して頂きたいのです。両者を纏めて、「アルツハイマー病」と表現する学者や医師が我が国には多いのですが、それらの人達は、「アルツハイマー病」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、知識が乏しい人達なのです。
⇒交遊の機会を多く持つことや運動する機会を多く持つ生活習慣が、アルツハイマー型認知症の予防に効果があると言いつつ、アルツハイマー型認知症の発病原因について、アミロイドベータ説やタウ蛋白説を語る人であれば、どれだけの権威が有る人であろうとも、アルツハイマー型認知症については、無知な人なのです。さらに、認知機能の低下と言いつつ、『前頭葉』の機能レベルという視点を欠いていて、単に『物忘れの症状』の頻度や程度を主たる要因として提示されている指標である『MCI』(軽度認知障害)について語る人達も、同様に無知な人達なのです。
※1世界中の権威が主張する内容、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム、症状の重症化が進行するメカニズムと機序、症状を治す方法、症状の進行を抑制する方法、更には、発病自体の予防の方法とそのメカニズムについての話なのです。世界中の権威はと言うと、発病のメカニズムについては、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説、アセチルコリン説という4つの仮説が提示されていて、それら全てが、「記憶障害」に起因して症状が発現し、重症化が進行するという主張、単なる憶測に基づいた主張を展開しているのです。
※2 「アルツハイマー型認知症」の症状が記憶の障害に起因して発現するとの考え方は、米国精神医学会が策定した『DSM-4』の「第一要件」が規定しているものであり、4つの仮説はそれが正しいものとしての前提に立って、「記憶障害」を惹き起こす要因として「アミロイドベータ」の蓄積による老人斑の生成、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化、アセチルコリンの不足、脳の萎縮を想定したそれぞれの「仮説」を打ち立て、主張を展開しているだけなのです(憶測の類に過ぎないのです)。
※アルツハイマー型認知症の発病の最初の段階であり、私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」の段階の症状は、全てが、『前頭葉』の機能障害、就中、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の機能障害(それらの機能が、異常な機能レベルに在ること)の直接の反映としての発現であることに注意して下さい。世界の権威達が未だに気づいていないことが重大問題なのです。彼等が、本当の意味での早期の段階(脳のリハビリの実施により治すことが出来る段階であり、私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)に気づいていなくて、末期の段階であり、最早治すことが出来ない段階(私たちの区分で言う大ボケの段階)ばかりに着目していて、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないもの』という、誤った情報を発信し続けているのです。

⇒アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。彼等が見つけている段階が遅すぎる(末期の段階で、発病を見つけている)為、治すことが出来ないだけなのです。
➡『アルツハイマー型認知症』も通常の病気と同じ、「早期診断」(小ボケ及び中ボケの段階で見つける)と「早期治療」(脳のリハビリの実施)により治すことが出来るものなのです。
そうした状況下で、政府大綱が、介護の予防(日常の生活面での介護が不可欠となる段階、末期の段階の症状が発現してくる大ボケの段階にまでは、症状を進行させないことを目的としての『生活習慣』の改善を提唱)の目標を設定したことは、大いに評価すべきものと考えるのです。このことは、「発病自体の予防」というテーマに陽が当たるきっかけを作り出すと考えているのです。
※3 そもそも「記憶障害」は、『前頭葉』(就中、注意の分配力)の機能の低下に起因した機能障害が原因で惹起されるものなのです。『加齢』に起因した前頭葉の機能低下(注意の分配力の機能低下)に因り、『物忘れ』の症状が発現してくるのもその一例。但し、物忘れの症状である為には、脳全体の司令塔の「前頭葉」の機能が正常な機能レベルであることが必須の条件となります。
➡ 『記憶は、記銘して、保持して、想起してくるもの』なのです。その場合、良く記銘されたものが、良く保持され、良く想起されてくるのです。よく記銘されるには、記憶の対象となる情報の記銘時の記銘度が高いことが条件となるのです。記銘時の記銘度が高かったものが、結果として長期記憶となり、記銘度が低かったものが結果として短期記憶となるだけのものなのです。海馬が、長期記憶と短期記憶とを区分けているという主張は、「誤り」なのです。
記銘時の記銘度の高さを左右する要因が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能という3つの要因(『前頭葉の三本柱の機能』)なのです。意欲と注意の集中力が関わることは、皆さんも体験的に理解できると思うのですが、最も肝心な要因は、『注意の分配力』の機能の関わり方及びその機能の発揮度という要因なのです。『注意の分配力』の機能は、私たち人間だけに備わる人間だけに特有な機能であり、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能なのです。私たち人間だけに備わるこの『注意の分配力』という脳機能が、意識を構築し、統合し、統括する機能であり、『意識的な世界』を管理する核心となる脳機能なのです。
異なる複数の記憶の対象を同時に認識し、記銘するときの状況次第で、或る特定のテーマAに対する意識の集中度が特別に高くて(注意の分配力の配分量が特別に多い)、テーマAに対する注意の分配力の配分が偏った状態下で及び他のテーマBに対する注意の分配力の配分量がその分少ない状況下で、それぞれの記銘が為された場合には、記銘度が低かった対象のテーマBについての想起がその分難しくなるのです(注意の分配力の総量は、一定であることに注意)。
➡その日、子供が、センター試験を受験していることがとても気になっている心理的な状況下で、家の掃除や片付けや用事をしているときには、「物忘れ」が増えるのは、そうした構造に因るからなのです。雪が降っている道路の状況で、会場にちゃんと着けたのかしらと気になりながら、二階の部屋に行って、自分がその部屋に何を取りに来たのが分からないあなたが居るはずなのです(この場合、「前頭葉」の機能レベルが正常な機能レベルに在ることが確認されるならば、当該症状は、単なる『物忘れの症状』であるということなのです)。
テレビで、いくつかの記憶対象を並べ、或いは、簡単なストーリーを流した後で、対象の記憶の数をチェックし、少ないとアルツハイマー型認知症の危険がある等と言った番組が多いのですが、アルツハイマー型認知症についての無知からくる、でたらめな内容の番組というしかないのです。記憶の数を問題にする前に、最低限度の要確認事項として、対象者の年齢(60歳を超える年齢の高齢者で、且つ、「第二の人生」を送っていることが条件)、更には、『前頭葉』の機能レベルが正常なレベル(「物忘れ」の症状)であるか、異常なレベル(「アルツハイマー型認知症」の症状としての記憶障害の症状)であるかのチェックが必要不可欠の条件となるからです。テーマがテーマであるだけに、単なるお笑い番組として流すのは問題が大きいのです。世界中の権威ある機関さえも、アルツハイマー型認知症については、未だに、発病のメカニズムが分からないと表明しているのですから。加えて、末期の段階の症状しか知らず、私たちのように本当の意味での早期の段階である小ボケや中ボケの段階の症状については未だに気が付いていないのですから。
※4MCI(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)という極めて曖昧な概念を持ち出し、「アルツハイマー型認知症の前駆的状態である」といかにも分かったらしい説明をつけていながら、その判定基準の核となる要件が、『前頭葉』の機能レベルという要因を欠いていて、加えて、「物忘れ」の症状の頻度と程度だけという極めて稚拙な概念が提示されているのです。MCIの基準を持ち出しただけで、その人は、『アルツハイマー型認知症』については無知な人なのであり、他人の権威に頼るタイプの人だと考えるべきなのです。
60歳を超える年齢の「高齢者」であり、且つ、仕事とは無縁の生活を送ることになる第二の人生を送っている状況下で、加齢に起因した機能低下に加重される要因、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な「生活習慣」)の継続に起因した廃用性の機能低下という要因が存在するとき、「前頭葉」(就中、注意の分配力の機能)を含む脳全体の機能について、両要因が同時に存在し充足されることに因る廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことになるのです。発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で確認される類型的で典型的な症状として『同じことを繰り返し話したり、尋ねたりする』というのが有ります。『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきている為に、起きてくる症状であり、これは単なる物忘れの症状とは異なるものである(アルツハイマー型認知症の発病としての症状である)ことの理解が必要となります。
※5 「記憶障害」に起因した症状と言っても、「前頭葉」の機能(就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能)が正常な機能レベルに在って、『加齢』という要因のみに起因した機能低下を基礎として発現してくるのが所謂『物忘れ』の症状なのです⦅30代後半から発現してくる)。
『前頭葉』(就中、意欲、注意の集中力及び注意の分配力)を含む脳全体の機能が、加齢に起因した機能低下に加重される要因、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因の同時存在により異常な機能レベルに衰えてきたことに起因して発現してくるのが『アルツハイマー型認知症』の症状なのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む『脳全体の機能レベル』にリンクする形で、小ボケ、中ボケ及び大ボケの『三段階に区分される症状』が、発現してくるのです。
⇒ 専門家の間で未だに世界的に権威があるとされている『DSM-4』の「第二要件」が、「初期症状」として確認を要求している失語や失認や失行の症状は、実は、末期の段階である大ボケの更に後半になって初めて発現が確認される症状、「極めて重度の症状」である(14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」の発病患者の脳機能データを解析して得られた結果は、11の下位項目から構成されていて、30点が満点であるMMSEの得点が、「一桁の得点」にしかならない程に「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきた「お年寄り」の場合にしか確認されない症状である)ことが気づかれていないのです。「アルツハイマー型認知症」の研究及び診断の権威とされる人達が、無条件に信奉している「DSM-4」の「第一要件」の規定内容も、「第二要件」の規定内容も、『共に重大な誤りである』ことに、未だに気づいていないのです。⇒「前頭葉」という脳機能も、「注意の分配力」という脳機能も備わっていないマウス(アルツハイマー・マウスとて同じこと)が餌を探して檻の中を彷徨するデータばかりを追いかけまわし憶測ばかりしているのが、世界的に「通説」の地位にあるアミロイドベータ説の主張であり、支持者達の研究方法なのです。
※6 私たちは、『アルツハイマー型認知症』の発病患者と判定されたお年寄り、14689人分の脳機能データを持っています。発病者の症状は、最も軽い段階の「小ボケ」から、それに次ぐ段階の「中ボケ」及び最も重い段階、末期の段階である「大ボケ」の全ての段階の患者の脳機能データを解析しているのです。「二段階方式」の手技を活用して『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを判定し、それにリンクした症状を並べ解析して行くと、三段階に区分される類型的な症状が浮かび上がってくるのです。『アルツハイマー型認知症』は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクした症状が発現してくるのが特徴でもあるのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを『かなひろいテスト』で判定し、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEで判定します。実は、MMSEは、11の下位項目から構成されていて、30点が満点のテストなのですが、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合は(且つ、その場合に限って)、 MMSEの下位項目に出来なくなっていく厳格な順番が存在しているのです。出来なくなっていく順番は必ず、想起注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となるのです。⇒『想起、注意と計算』の項目がいち早く出来なくなるのは、注意の分配力の機能の発揮が高度に要求される項目だからです。世界中の権威ある機関はと言うと、末期の段階の症状の存在にしか気づいていないので、こうしたデータさえも持ち合わせてはいないのです。二段階方式では、「アルツハイマー型認知症」の発病患者であるか否かの判定に際して、MMSEの下位項目についての被験者の回答が、「MMSEの下位項目の項目困難度」のデータが示す通りの順番で出来なくなっているか否かを、最初にチェックします。この項目の順番通りでないケースは、「アルツハイマー型認知症」の発病者ではないからなのです(14689例の症例データが示す事象事実の存在だけで、『「4つの仮説」の主張内容は、全てが誤りである』と言い切ることが出来る程のデータなのです)。
※ もう一つの根拠を示しておきましょう。「アルツハイマー型認知症」の発病の本当の意味での初期の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階(左脳、右脳及び運動の脳の全てが未だ正常な機能レベルに在るものの=MMSEの得点が24点以上。But,脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が既に異常な機能レベルに在る=かなひろいテストが不合格となる)の症状は、全てが、「前頭葉」の機能障害(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在る)に起因した(を反映した)症状だけが確認されるのです。
末期の段階にしか注目していない世界中の権威達は、このことを知らない(データ自体を有してはいない)のです。アルツハイマー型認知症の発病患者である場合には、且つその場合に限り、前頭葉の機能、左脳の機能、右脳の機能、運動の脳の機能の順番に衰えが進行して来るという機序が存在しているのです。「4つの仮説」は、私たちが提示する脳機能データ(事象事実)を説明することが出来ないのです。
➡ハーバード大学も、東大も、京大も、理化学研究所も、アミロイドベータ説なのです。権威があるとはいっても、主張している内容は、誤りだと断言できるのです。その他にも、私たちが有する、「アルツハイマー型認知症」の発病患者の『脳機能データ』として、「小ボケ」及び「中ボケ」の期間の標準的な滞留期間の存在のデータ、「小ボケ」及び「中ボケ」の各期間について確認される脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣」(食生活でなくて、脳の使い方としての『生活習慣』であることに留意する)という要因のデータが存在していて、それらの事象事実もまた、『「4つの仮説」が単なる憶測の類であり、内容自体が誤りである』ことの客観的な証拠資料が幾つも存在しているのです。※そもそも、『アルツハイマー型認知症』は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症の症状)が発現してくるのが特徴なのです。私たちの意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、自分が置かれた状況の分析や理解や判断も、状況判断に沿ったテーマの発想も、テーマを実行する為の実行の計画も、実行結果の洞察や推理やシミュレーションも、シミュレーションの結果に基づいた比較や選択も、実行の決断も、或いは何かに対する感動も、更には、何事かに対する感情の抑制も、注意の分配力の機能の関与なしには機能が発揮されないという機能構造になっているのです。どのような状況であれ、必ず存在している複数の意識の構築、統合、管理、コントロールさえもが、注意の分配力の機能の関わりなしには存立できない構造になっているのです。日常の挨拶程度の会話が成り立つ為にも、ズボンをきちんとはく動作を正しく遂行するにも、手に取ったものがハサミであることの正しい認識を得るにも、この、注意の分配力の機能が働くことが不可欠となることに、専門家とされる人達が未だに気づいていないことが重大な問題なのです。こうした機能構造の理解なくしては、前頭葉の機能障害、就中、廃用性の機能低下に起因した機能障害というテーマに行き着くことは出来ない相談というしかないのです(注意の分配力の機能は、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する機能であり、『あーしたらこうなる、こうしたらあーなる』という風に、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、選択する際に不可欠の機能であり、加えて、あの人は「頭の回転が速い」という言葉が示すように、咄嗟の判断と対応とに不可欠の機能でもあるのです。「お年寄り」が自動車事故を起こすことが多いのは、『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきているせいなのです。私たちの区分で言う「小ボケ」のレベルに在る「お年寄り」が、車を運転しているケースが多いのです)。
➡私たちが「正常老化の性質」と呼ぶ、『加齢』に起因した機能低下が進行している60歳を超えた年齢の「高齢者」が、左脳が主管する仕事とは無縁となる、「第二の人生」を送る生活の中で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、これといった目標となるものも無い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(但し、食生活自体は関係なくて、「脳の使い方」としての生活習慣という要因のみが関係していることに注意する)に起因した廃用性の機能低下が前頭葉の機能障害(就中、注意の分配力の機能の機能障害)を惹き起こすことが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行するか否かを決定づける「核心的な要因」であることに、世界中の認知症研究の権威ある専門家達(専門機関)が、早く気付いて欲しいと願うのです。何等の対策(早期診断による回復、介護の予防、更には、発病自体の予防)がとられないでいると、「介護」が必要となるお年寄り(末期の段階の症状が発現してきて、セルフ・ケアにも重大な支障が出てきて日常の生活面での介護が不可欠となるお年寄り、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)の数が増加し続けていくこととなり、結果として、既に年間で10兆円を超えたとされている『介護費用』がとめども無く増加して行くことになってしまうことを恐れるのです。このことを、野党の国会議員やマスコミにも、問題提起しておきたいのです(厚労省とは、昨年末に協議しました)。
➡様々な種類が数ある認知症の内で、90%以上の割合を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」である為に、世の中に極めて大きく、重大な悪弊を生じさせているのです。平成の大合併前の時期を中心に(440を超える市町村が、二段階方式を導入し、実践し、成果を挙げていながら、「二段階方式」の使用料を5年で無償にした為並びに平成の大合併で導入市町村が吸収合併された為に、予防活動が、泡のように立ち消えて行ってしまったのです➡予算化が不要になると、保健師さんの配置も無くなったのです。合併後の人事異動により、経験のある保健師さんが、他部署や他の地域に異動させられてしまったのです)。
➡ それはそれとして、権威とされる機関や人達が、誤った情報を流し続けていることが重大な問題なのです。彼等が主張の前提においている『記憶障害』に起因して発病するとの想定自体が『重大な誤り』なのです。
「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす原因は、加齢に起因した機能低下を基礎要因とし、『加重要因』としてのナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る廃用性の機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害という、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることによる相乗効果によって、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことなのです(単純な要因)。
私たちが、市町村との契約に基づいて先駆的な活動として実践してきた住民参加型の地域予防活動により、『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないことが疫学的方法により実証されてきているのであり、『早期診断と脳のリハビリの実施により治せるし、症状の進行を抑制することにより介護の予防が出来るものなのです。更には、前頭葉が活性化する(=「注意の分配力」の機能の出番が多い)生活習慣の構築と日々の実践により発病自体を予防することが出来る』ものなのです。我が国の実態で言うと、『発病の原因が不明で、治せないもの』とする権威の主張(重大な誤り)の社会への影響が強すぎて、何等の対策が実行されないままに居る状況下で、「介護費用」だけで年間10兆円を超えた状況にあるという訳なのです。
※最近になって、スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会等が、『「生活習慣」が、アルツハイマー型認知症発病の危険因子と考えられる』との主張を展開し始めたとはいえ、AI技術を駆使した多人数の分析程度のものに過ぎず、内容的には不十分なものであり、『食生活や学歴が関係する』などという誤った要因が挙げられていたりもするのです。

&3 「意識的な世界」と『実行機能』の関わり方
『アルツハイマー型認知症』について説明している書籍でよく見かける『実行機能』(Executive function)と言う用語が有ります。実行機能の障害という風に使われるものなのです。ところが、アルツハイマー型認知症の発病との関係において、実行機能の障害がどのようなメカニズムで起きてくるのかについて、実証された定説が無く、発病との間の因果関係が立証されていない仮説しか存在していないという状況なのです。問題は、意識の機能構造が未だに解明されていない状況下で、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症としての症状)が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の特徴であることが理解されていないことなのです。実行機能と総称される個別認知機能が機能を発揮するには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮度が関わること、即ち、実行機能の機能の発揮度並びに意識の覚醒の度合いは、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度に左右され、下支えられていること、機能発揮上の「二重構造」が存在していることに気づいているのは、私たちの『二段階方式』だけなのです。この問題に気が付かない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び廃用性の機能低下に起因した症状の重症化のメカニズムを解明することは不可能ということなのです。
※私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマを実行する為の実行の内容及びその仕方を計画し、実行結果をシミュレーションして修正を加え、最終的な実行内容及び仕方(態様及び程度)を選択し、決定し、実行に移す決断を行う世界に関わる『前頭葉』(実行機能)を含む脳の働き方について起きてくる、廃用性の機能低下という要因が惹き起こされてくる原因のことなのです(例示した個別認知機能が、「実行機能」と総称されている脳機能の一例です)。実は、世界中の、脳機能の専門家、就中、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達でさえも、「実行機能」の詳細について、或いは、その機能構造については、殆ど分かっていないという現実が存在しているのです。⇒ 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究している専門家とされる人達でさえ、「マウス」を研究材料にしているという有様なのです。『注意の分配力』の機能が、脳の機能構造として、備わっていないマウスの行動を何時まで研究しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの解明は不可能であることを、専門家とされる人たちに対して問題提起する為に、2016年の4月1日に掲載した私の過去のブログの内容を、再度ここに引用。
&4『旧ブログ』(2016年4月1日)からの引用(一部、加筆修正)。
様々な種類が数ある認知症の内の大半、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』発病の核心的な要因は二つに限られるのです。
「一つ」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因です『私たちが、二段階方式の手技を活用して集積した「正常老化の性質」(「前頭葉の老化曲線」)と名付ける「脳機能データ」が存在しているのです』(NHKの人気番組、チコちゃんに叱られるでも引用されたもの)。これが発病の基礎となっているのです。「若年発症」を特徴とするアルツハイマー病とは異なり、「老年発症」を特徴とする『アルツハイマー型認知症』の発病の対象者が、60歳を超える年齢の『高齢者』に限られているのは、その為なのです。但し、加齢に起因した機能低下という要因だけでは発病はしないのです。「もう一つ別の」要因、加重される要因が、『廃用性の機能低下』という要因なのです。私たち人間だけに特有なものである『意識的な世界』(意識的に何かのテーマを発想し、実行する世界)に於いて、関係する脳機能の使われる機会が極端に少ない生活習慣の継続が原因で機能が異常なレベルに低下する(廃用性の機能低下の進行)という要因の存在なのです(私たちが世界で初めて発見)。 異なるこの二つの要因こそ、発病を決定づけている核心的な要因なのです。
加齢に起因した機能低下という基礎要因に加重される廃用性の機能低下という要因の存在により、両者の同時存在による相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性加速度的異常な機能低下の進行により、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに衰えてくることに端を発して発病し(発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う小ボケの段階)、次いで、中ボケの段階を経て、最後は末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠となる大ボケの段階へと重症化が進行していくことになるのです。
➡言い換えると、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、脳の使い方としての生活習慣であり、食生活とは無関係であることに留意する)というのが、『アルツハイマー型認知症』の真の本態(正体)なのです。
14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者に対し「二段階方式」の手技を実施した「脳機能データ」並びに累積452の市町村での先駆的な実践である、『アルツハイマー型認知症の早期診断と回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とする住民参加型の地域予防活動』の実践の成果に基づく、私たち独自の主張(厚労省老健局総務課認知症施策推進室に対しては、資料を提出し、協議の場を設けて頂き、説明済み=2019年11月に実施)なのです(世界初の、且つ独自の主張内容=疫学的方法により、主張内容が正しいことを実証済みのもの)。
MRIやf-MRIやSPECTやPET等の機器を総動員しようとも、何等の器質的な原因病変が確認されないのが特徴。それが、「アルツハイマー型認知症」なのです。
➡アルツハイマー型認知症は、意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障が出てくる(認知症の症状が発現してくる)のが特徴でもあるのです。上記に例示した「実行機能」と総称される各個別認知機能は、「注意の分配力」の機能が関わらないと機能が発揮されない機能構造にある(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の存在)ことが、見落とされている(専門家とされる人達が気づいていない)ことが問題なのであり、「記憶障害」が発病の原因だとする想定自体が、重大な誤りなのです。
➡症状が末期の段階にまで進んで、更に、何年も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見に共通して確認されるものである、老人斑、神経原繊維変化、脳の顕著な萎縮などを見て、それ等が発病の原因であると勝手に憶測しただけの主張、『4つの仮説』が未だに幅を利かせていることが問題なのです。彼等は、『木を見ているだけで、森を見ていない』し、『誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り続けているだけ』なのです。
&5 私たちの眼前に存在するのは、人間だけに特有な「意識」の世界
 お風呂に身を沈めて、ゆったりと朝の入浴を楽しみながら、この庭の景色をぼんやりと眺めているのです。その時、上の庭の全体像を私の目が捉えているのです。その全体像を一つの視野に入れた時、複数の様々な覚醒度が異なるレベルの「意識」と言うか、或いは、二次元的ではなくて、三次元むしろ四次元的な意識状態と言うべきものであり、その「意識度」(個々の意識の覚醒の度合い)が異なる意識の世界が、複数存在していることに気づいて頂けるでしょうか。「主題」として明確に認識されていない世界も、覚醒度が「主題」のそれよりは低いものの、別の「意識」として、複数の意識の一つとして存在しているのです。「主題」となる対象を右奥のブーゲンビリアの木から庭の中央に据え付けられているピザ窯に移したとき、主題こそ変わっても、同じように認識され、視野の中に捉えられている「覚醒度」が主題よりも低い複数の「意識の世界」が、そこには、存在しているのです。
※私たちの意識の世界は、基本的には、上述したような「複数の、且つ、重層的で覚醒の度合いが異なる意識」の同時存在と言う形で構成されているのです。
それを可能にしている脳機能こそ、今日のテーマである、『注意の分配力』の機能なのです。思考であれ、発言であれ、或いは行動であれ、意識的に行われるそれらの世界は、この『注意の分配力』の機能なしには、存在し得ないものなのです。
私が問題提起している「意識の世界」とそれを可能にしている「注意の分配力」の機能の働きについては、日本だけでなく、世界中の哲学者も心理学者も脳科学者も、誰一人として、問題提起したことは無い、世界初の話なのです。Tad以外の誰にも知られていない世界なのです。意識的な世界において、脳全体の『司令塔』の役割を担いながら、専門家達による研究が遅れていて未知の領域に近い『前頭葉』(「前頭前野」を言うものとする)と言う機能の働きやそのメカニズムが明らかになるにつれて、今後、今日の私の問題提起と説明が注目されることになるはずと考えるのです。
このテーマを今日持ち出すのは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する(解明する)上で、早期診断による回復(治療)の方法を解明する上で、或いは発病自体を予防する方法を解明する上で、「前頭葉」の機能並びに意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉」の三本柱の機能(私たち独自の命名)、就中、『注意の分配力』の機能の機能構造の理解が、必要不可欠のものであるからなのです。
そもそも、それら「仮説」の中で、世界的に通説の地位に在るアミロイドベータ説が主張の根拠にしている、アミロイド・ベータの沈着と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、何等の「因果関係」が存在していないのです。「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の器質的な病変が原因なのではなくて、機能的な変化、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発現してくるものだからなのです。更に言うと、様々な程度及び態様で発現してくるアルツハイマー型認知症の症状は、記憶障害に起因して発現するものではなくて、『前頭葉』の機能障害の発現及びその進行に起因して発現するものなのです。そこには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の機能障害に起因した前頭葉の個別認知機能である「実行機能」の機能障害が発現し及び進行するという『二重構造の問題』が存在していることに、未だに誰も気づいていないことが、重大な問題なのです。更に言うと、意識の覚醒度(覚醒の度合い)も、前頭葉の三本柱の機能の総体としての発揮度にリンクしているとの理解が重要なのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」(脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気)に過ぎないのであり、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で発病に気付いて)と「脳のリハビリ」を実践させることにより回復させることが出来るし(治すことが出来る)、発病自体を予防することが出来る(脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫に基づく、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる生活習慣の構築と日々の実践が不可欠の条件)病気なのです。世の中の権威のある人達や組織、学者や研究者や医師達は、「DSM-4」の規定に惑わされて、「アルツハイマー型認知症」の中核症状が「記憶の障害」(第一の要件として規定されている)であると誤解し、第二の要件が規定し確認を要求している失語、失認、又は失行と言った極めて重度の症状(私たちが末期の段階として規定する「重度認知症」の段階でも、更にその後半の段階、30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと発現してくることが無い程の重度の症状)が発現してきていないと、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えないのです。
➡ 余りにも遅い段階、極めて重度の症状の確認に基づく診断であるが故に、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけて、「脳のリハビリ」を施せば治すことが出来るタイプの認知症であるにも拘わらず、世界中の権威達は、誤解に基づいているとも知らずに、『治すことが出来ない病気だ』との確信をもって、そのように『内容が誤った主張』を、今なお発信し続けているのです。
脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続こそ、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状進行(重症化の進行)の真の原因なのです。なお、私たちが言う「単調な生活」の継続とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続のことであり、こうした『生活習慣』こそが、発病及び重症化を進行させる真犯人なのです。それ故に、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるというその本質から(発病のメカニズム)、症状の進行を遅らせる効能を有する薬も、症状を治すという意味での治療の効能を有する薬も、発病自体を予防する効能を有する薬も、未来永劫開発されることは有り得ないことを指摘し、問題提起したいのです。『第二の人生』における日々の脳の使い方としての『生活習慣』の改善と工夫こそが、発病を予防する唯一の方法となるのであり、「脳のリハビリ」こそが、症状の進行を防止し及び症状を改善させ/治す為の唯一の方法となるのです。⇒アミロイドベータの蓄積による老人斑の出現も、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化の出現も、共に、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の原因ではなくて、発病の結果としての単なる副産物に過ぎないと考えるのです。

&6 重層的な「意識」の存在と『注意の分配力』の機能との関係
○ 意識的な行為の世界と「前頭葉」の個別認知機能によるその認知度及び機能の発揮度
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、推測、憶測、推察、類推、想像、理解、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、比較、修正、選択、機転、決断、抑制、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な個別認知機能(「実行機能」=Executive Function)を正常に発揮するに際し、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルと「リンク」している)。
「前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに「左脳」や「右脳」や「運動の脳」も参加して、何をどのように実行するのかを脳全体で組み立てるには(自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断し、判断に沿って実行すべき「テーマ」をいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容及び実行の程度と態様とを計画し、組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠となるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮しつつ、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な実行内容及び実行の程度と態様とを決定し、最終的に実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮が不可欠となるのです。
この場合、分析、理解、判断、選択、計画、洞察、推理、シミュレーション、決断等の個別認知機能(所謂、「実行機能」)の機能の発揮度が、私たちが、「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮度に左右され、下支えられていることの理解が極めて重要となるのです。『前頭葉』の三本柱の機能は、「三頭立ての馬車」の「御者」の役割、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である「個別の認知機能」(Executive Function)によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、各個別の認知機能を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係が存在しているからです。 
➡ 世界中の脳科学者や認知症の専門家とされる人達の誰もが未だ気づいてはいないその「テーマ」である、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムが解明され、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能の働き方のメカニズムにも注目が集まることにより、やがては、「注意の分配力」の機能の分配量の差異に起因したものであり、それぞれの覚醒度が異なる「重層的」な意識の同時存在とそれら各々の覚醒度という「テーマ」が専門家達に注目される時代がやってくることになるのです。『前頭葉』の三本柱の機能(就中、注意の分配力の機能)が担う重要不可欠の機能としての、覚醒度が異なる複数の「意識」が重層的に、並列して、且つ同時に存在する状況下での全体の及び/又は個別の「意識」の覚醒度を統括し、管理し、コントロールする機能(役割)を有するという、脳の機能構造面からの問題を提起しておきたいと思うのです。
※勿論のこと、二重構造というテーマには、「前頭葉」の三本柱の機能の一つであり、廃用性の機能低下という視点で言うと最初にその機能が衰えていくところの機能である「注意の分配力」の機能が直結しているという理解が、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行のメカニズム及び機序を理解する上で、極めて重要なのです。
➡「意識」が存在している世界と言っても、その「意識」の覚醒度が様々に異なる世界、注意の分配力の機能を一点に集中して、対象となる特定の「主題」に絞り込まない限り、基本的には常に複数の異なる重層的な「意識」が構築され、統合され、管理されている状態下で存在しているという、私たち人間だけに特有なものである「意識」の世界に、脳科学者達が未だ気づいていないだけのことなのです。
➡ 或る特定の「主題」に「注意」を集中させて又は、複数の「主題」について「注意」を同時に分配させ、関係してくる「実行機能」の各々について一定レベルでの機能を発揮させるには及び/又は、一定レベルでの機能を同時に発揮させるには、「意欲」と「注意の集中力」の機能の発揮が不可欠となり、更には、「注意の分配力」の機能の発揮が不可欠となるのです。但し、我が身が置かれている状況下での「主題」を選択し/特定の内容に注意を集中させる(絞る)機能は、「前頭葉」の三本柱の機能ではなくて、別の機能である『評価の物差し』の機能ではないかと私たちは考えているのです。『評価の物差し』の機能が関与することによって/且つ同時に、「意識の覚醒度が高い特定の意識」の世界(注意が集中された世界)が出現することになるとかんがえているのです。『評価の物差し』と言う機能部位には、前頭葉の三本柱の機能を操り、カメラのレンズの焦点を特定の主題に選択的に切り変え/絞るかのような核心的な機能(3歳児までの親の背中の物差しを反映していて、4歳児以降から18歳ころまでの体験に基づいて、自己が獲得した物差しとの融合の結果として形成された最終的な物差し。評価の対象を、どれに絞り、どのような視点で、どのように切り取り、どのように評価するかの機能を有し、評価の物差しが関わることにより自分独自の評価に基づいた認知が可能となる働きを有するものであり、私たちが「評価の物差し」と名付けている機能=自我に相当する脳機能)が、備わっていると考えているのです。
⇒ 此処で私たち「二段階方式」が提起する『評価の物差し』の機能とは、対象となる事象をどのように切り取り、認識し、記銘し、どのように理解し、評価し、判断するかについての、後天的に個々人が獲得した「評価基準」なのです。この「評価基準」に則る形で、この評価基準が先行し、関わりが構築されて初めて、全ての「実行機能」の認知が実行されていると考えるのです。なお、この場合、実行機能の認知が行われるに際しては、「評価の物差し」と「記憶の倉庫」との連動が起きてくるメカニズムが存在する為に、「DSM-4」の規定の「第一要件』の規定内容(当該内容は、重大な誤りなのですが)に見られる例のように、「アルツハイマー型認知症」の症状が「記憶の障害」に起因して発現するとの誤解を生む一因ともなっていると考えるのです。
※ ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因する廃用性の加速度的で異常な機能低下を本質とする『アルツハイマー型認知症』の発病の場合には、脳の機能に衰えていく明確な順番があるのです。即ち、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、最も高度な機能である「注意の分配力」の機能から異常なレベルに衰えていくのです。私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、上述したような意識の世界は、脳の機能面から説明すると、自分が置かれている状況の分析や理解や判断も、「テーマ」の発想も、テーマに沿った実行内容の企画や計画も、実行結果についてのシミュレーションも、最終的な決断も、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、『注意の分配力』の機能の発揮が明確に不十分/不適切な状態になるまでに機能低下してきているという機能レベルを反映した意識的な世界、「意識の覚醒度」の世界にあることを知るべきなのです。
&7  アルツハイマー型認知症の段階的な症状の態様とその特徴
○「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現する症状の特徴
□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってきた
□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない
□ 同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ
□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない
□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている
□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなった
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ
□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になってくる
□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとするようになった
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になった
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

&8「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現するメカニズム
上記に列挙した本当の意味での初期症状、すなわち「アルツハイマー型認知症」の最初の段階の症状(「小ボケ」の症状)は、実は、「記憶の障害」とは関係がないのです(記憶障害に起因した症状は、全く確認されない)。私たちが何かのテーマについて文章で考えを表現するとしましょう。どのようなテーマについて、どのような筋を展開し、どのような内容で表現内容を構成するか、どのような言葉の表現方法を使用するか、全ては、「注意の分配力の機能」(異なった複数のテーマを同時に並行して処理)の適切なレベルでの働きなしには実行することが困難となるのです。
※加齢と共に「正常老化の性質」という条件が進行してきた60歳を超える年齢の「高齢者」が(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」)、何かを「キッカケ」にして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々継続していると廃用性の機能低下が進行していくことになるのです(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが同時に充足されることによるその相乗効果として、「前頭葉」の三本柱の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく、その行き着く先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っているという訳なのです。
その最初の段階が、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが容易な段階であり(私たちの区分で言う、軽度認知症「小ボケ」の段階=家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを実行する生活である「社会生活」面で様々な支障が出てくる)、次いで、「脳のリハビリ」により回復させることが未だ可能な段階があり(私たちの区分で言う、中等度認知症「中ボケ」の段階=庭の草取り、洗濯物の取り込みと始末、食器を洗うこと等の「家庭生活」面での簡単な作業にも支障が出てくる)、最後に、回復させることがもはや困難となる段階(私たちの区分で言う、重度認知症「大ボケ」の段階=食事をしたり、風呂に入ったり、トイレに行ったり及びその後始末をしたり等のセルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での介護が必要となる)が有るのです。⇒廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」の症状は、徐々に緩やかにしか進行して行かないことが特徴です。前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして、三段階に区分される症状が発現してくるのです。
後述する「DSM-4」が「第二の要件」として規定し、初期症状として、確認を要求している「失語や失認や失行」の症状は、「DSM-4」の「第一の要件」が確認を要求する「記憶の障害」に起因した発現ではないのです。失語のような、失行のような、失認のような状態は、前頭葉の機能が、就中、注意の分配力の機能が異常なレベルにまで衰えてきて、殆ど機能していないことが原因なのです。相手が話しているテーマの理解と内容の把握と保持が出来なくて、自分なりの考えを構築できなくて、結果として、簡単な内容の日常の会話のやり取りさえもできないのです。ズボンを頭から被るのは、ズボンがどのような使用目的のものであり、どのようにして使うものであるかを構築できない為なのです。配偶者である妻を娘と間違えるのは、妻と娘とを区別するに際して必要不可欠の機能である注意の分配力の機能が異常なレベルにまで衰えてきていて働かないことが原因で、顔や姿や声の識別が出来なくなっているせいに過ぎないのです。いづれの症状も、「記憶障害」に起因して発現している訳ではないのです。⇒そもそも、アルツハイマー型認知症の発病患者に見られる「記憶障害」という要因自体が、『加齢』の進行に起因した機能低下の進行という基礎要因及びナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という加重要因の同時存在による機能低下という先駆的な原因としての直接のかかわりの存在を示すデータ(前述した「MMSE下位項目の項目困難度」のデータ」)が存在していることに、世界中の専門家達が気付いていないことが、意味不明の仮説を生む下地となっていると考えるのです。

&9 『前頭葉』という脳機能について学者や研究者や医師達は理解不足
※私たちは、様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を占めている、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症に特化して、早期診断と脳のリハビリの実施による回復及び介護の予防、更には、発病自体の予防を目的とした住民参加型の『地域予防活動』の展開を市町村の保健師さんを通じて、且つ地域のボランティア組織の協力を得ながら、小さな地域単位で展開して、市町村全体に拡大する活動を1995年以来、北海道から九州までの地域に跨る、累計450を超える数の市町村で展開し、早期診断による「回復」、介護の予防及び発病自体の「予防」の面で実践の顕著な成果を挙げてきているのです。
※ ところが、世界中の専門家達の間では、「アルツハイマー型認知症」は治すことも予防することも出来ないタイプの認知症とされてきているのです。その根本的な原因は、認知症の専門家とされる人達(機関)が、脳全体の司令塔の役割を担い、私たち人間の意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能について無関心である上に、「意識」の機能構造及び注意の分配力の働きの特徴についても無知なことにあるのです。私たちのように、「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定し、同時にその脳機能レベルに厳密にリンクした「症状」及び脳の使い方としての『生活習慣』と言う「生活歴」を詳細に調べ、正常なレベルから始めて、正常下限、「小ボケ」、「中ボケ」の前半、「中ボケ」の後半、「大ボケ」と言う風に、段階を追って、順を追って判定し、鑑別して行けば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「DSM―4」の第一要件が想定している「記憶障害に起因して発病してくる」ものではなくて、『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能が核となる)を含む脳全体の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発病してくるという「発病のメカニズム」を解明することが出来るのです。
「アルツハイマー型認知症」の発病の原因を器質的な病変に求め、「前頭葉」を含む脳全体の機能的な変化(廃用性の加速度的で異常な機能低下)という視点に気づかない限り、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫/脳のリハビリの実施という方法によって発病の予防も、早期診断による回復も、介護の予防も可能である、廃用性症候群に属する単なる「生活習慣病」であるにすぎない病気を、発病の原因も分からないし、発病を予防することも治すこともできない病気、マンモスに仕立て上げ、効きもしない薬の処方に対して血税を垂れ流し、(「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の異常で加速度的な機能低下が症状の発現及び症状の進行の唯一の原因である、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムを考えるとき、開発することがそもそも不可能であると考えられる)「治療薬や予防薬」の開発という無意味なテーマに、血税を垂れ流し続けることになるのです。
➡「アルツハイマー型認知症」の診断規定である、米国精神医学会の診断規定「DSM-4」の「第一要件」及び「第二要件」の規定内容には、両者共に重大な誤りが有るにも拘わらず、研究者も、学者も、医師も、その規定内容を未だに疑わないのです。

本著作物「Eー04」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。 

エイジングライフ研究所 (ホームページ)脳機能からみた認知症 (もうひとつのブログ)  

 

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政府大綱が推進する介護の予防、更には、発病自体の予防(E-03)

2020-03-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

「第二の人生を送るお年寄りが、ボケーっと暮らしていると、ボケるんです」   

(プロローグ)世界中の「アルツハイマー型認知症」の研究者や機関が主張していること、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ない』とする内容は、彼等自身にとっては確信的であろうとも、絶対的な真実ではない(誤った内容の主張)なのです。『「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治すことが出来なかったり、発病自体を予防することが出来ないものではない』のです。彼等の研究方法の誤りに過ぎないのです。『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのであり、早期診断により治すことが出来るし、症状の進行を抑制させることに因り介護の予防が可能であるし、発病自体を予防することが出来る』というのが、私たち「二段階方式」の主張なのです。
権威達を集めた有識者会議での協議の結論が、「政府大綱」として示されてきたものの、介護の予防(末期の段階にまで症状が進行するのを遅らせるという意味)が当面のテーマであり、発病自体の「予防」及び早期診断による「回復」は、今後の研究テーマとされているのです。『発病の予防』及び『早期診断による回復』について、私たちの「二段階方式」以外は、その具体的な方法を提示することが出来る機関は、存在していないのです。『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下が進行して行っているという条件が、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の脳に、『前頭葉』という脳全体の「司令塔」の役割を担っている脳に、関わっているのです。

そうした条件下に在りながら、継続して教室に参加した期間が何年間にも亘っているお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの維持・改善(及び悪化の抑制)に効果を発揮していて、参加者の大半が、『前頭葉の機能レベルが正常な機能レベルに維持され続けている』のです。
教室参加時に「小ボケ」であったお年寄りを除いては、教室参加中に「小ボケ」になったケースも無く、教室の開始時に小ボケと判定されたお年寄りの大半は正常な機能レベルに回復しているし、まして、「中ボケ」の段階のお年寄りは一人も出てきていない(介護が必要となるのは、大ボケの段階からであり、「介護の予防」の効果が得られてもいる)のです。教室に継続して参加していたお年寄り全員について、『教室参加の顕著な効果』が客観的なデータとして示されているのです。
※ アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、前頭葉の機能が真っ先に異常な機能レベルに衰えていくものなのです(「小ボケ」の段階は、左脳、右脳及び運動の脳が全て正常な機能レベルに在るのに対し、『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在るのです。⇒「中ボケ」の段階になると、『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常な機能レベルに衰えてくるのです)。
⇒『前頭葉』の機能レベルが正常なレベルに保たれている限りは、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に起きてはこないのです。
⇒お年寄りが歩いて通えるエリア内、小さな地域単位での『脳イキイキ教室』の運営というテーマが、「アルツハイマー型認知症」の『発病自体の予防』及び『介護の予防』について、極めて大きな貢献をしてくれることになると考えているのです。累積452の市町村での先駆的な活動である『脳イキイキ教室』参加者の客観的な「脳機能データ」により示されているのです。
家に籠り、毎日「足し算や引き算」ばかりに追われる生活を続けていたら、「前頭葉」の機能は、更なる活性化を達成するのではなく、『廃用性』の機能低下を進行させていくことになるのです。家の外に出て行き、近くの集会所に集まり、お茶を飲んで、世間話に花を咲かせるお年寄り達と、前頭葉の機能レベルの変化と推移に関わる脳機能データを収集し、比較してみさえすれば、容易に鑑別することが出来るのです。この場合、脳の認知機能の判定と言いながら、MMSE(或いは、改訂版長谷川式)の実施だけでお茶を濁すのは、脳の機能レベルに杜撰な人達なのです。前頭葉の機能レベルの判定が不可欠のものとなることに気が付いていないか、その「手技」自体を有していない人というしかないのです。「馬車」を牽引するだけの役割でしかない「三頭の馬」の機能レベルを判定する前に(MMSEや改訂版長谷川式での判定)、三頭の馬を操る御者(意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』)の機能レベルの判定が、不可欠となるのです。
⇒三頭の馬が正常でも御者が異常なのが、発病の最初の段階(小ボケ)です。
私たち独自のものである『二段階方式』の手技は、「前頭葉」の機能レベル及び経時的な変化を精緻に判定することが出来る『世界初の手技』でもあるのです。
⇒ アルツハイマー型認知症は、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に関わる病気であり、前頭葉の機能、就中、注意の分配力の機能の廃用性の機能低下という要因が、発病及び症状の重症化が進行する核心的な要素なのです。権威がある世界中の「アルツハイマー型認知症」研究者達はと言うと、前頭葉の機能も注意の分配力の機能も備わっていないマウスを研究対象にして「憶測の類」ばかりを、権威だけに任せて情報発信し続けているのです。

&1「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防

(1) NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』の中で使われたデータであり、『加齢』に起因して、機能の老化が進行していくことを示している『前頭葉』の老化曲線のカーブは、『二段階方式』の手技を活用して集積した私たちの「脳機能データ」なのです。
「正常老化の曲線」と私たちが呼ぶこの曲線は、重要な意味を持っています。
その意味するところは、『加齢』という要因だけでは、『前頭葉』の機能低下は、異常なレベルにまでは進行しないということなのです。即ち、『前頭葉』の機能が正常な機能レベル下で発現してくるのが特徴である「物忘れ」の症状の発現自体は、「アルツハイマー型認知症」の発病とは直結しないということでもあるのです。⇒『加齢の延長線上に、「アルツハイマー型認知症」の発病がある』とする主張は、単なる感覚的な感想であり、誤りなのです。
更に重要なこと、100歳までのカーブが示すのは、『前頭葉』の機能が正常な機能レベルを保っている限りは、『物忘れの症状』の頻度や程度が更に進行しようとも、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きては来ないということなのです。「加齢」の進行に起因した機能低下という要因のみにより発現するものである単なる「物忘れ」の症状と廃用性の機能低下の進行という要因が加重されて初めて、発現するものである「アルツハイマー型認知症」の症状としての「記憶障害」の症状とは、本質的に異なるのです。
※1 「前頭葉」の機能レベルが正常である限り、アルツハイマー型認知症の発病は起きてこないし、前頭葉の機能が異常な機能レベルに衰えた時から、左脳及び右脳が正常な機能レベルに在ろうとも、「アルツハイマー型認知症」を発病したことになる(「小ボケ」の段階)という重要な視点に、世界中のアルツハイマー型認知症の専門家達が気づいていないことが、重大な問題。
私たち人間だけに特有なものである『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界で、脳全体の『司令塔の役割』を担っているのが「前頭葉」(前頭前野を言うものとする)という機能なのです。言い換えると、意識的な世界においては、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』の役割を担っているのが『前頭葉』という脳機能なのです。この機能構造からして、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の全てが未だ正常な機能レベルに在ろうとも、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が異常な機能レベルに衰えてきたその瞬間(段階)から、意識的な世界のアウトプットは、その全てが異常なものとなるのです。世界中の権威とされる機関や人達は、未だに「末期の段階」の症状にしか注意が向いていないのです。私たちの区分で言う『小ボケ』の段階の症状は、脳の機能構造面から、「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状と考えるべきものなのです。
「アルツハイマー型認知症」の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階」に区分される症状(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」)が発現してくるのが特徴なのです。
※2 『アルツハイマー型認知症』を発病し及び症状の重症化が進行する要因は、『加齢』に起因した脳機能の低下という基礎要因(私たちが規定する、発病の第一要件)に対して、更に、加重されるもう一つ別の要因の継続的な存在が必要なのです。それこそが、私たちが発病の「第二要件」として定義するナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した「廃用性の機能低下」の進行という要因なのです。この加重要因が、付加されることが無ければ、「アルツハイマー型認知症」の発病という事態は、絶対に起きてはこないということなのです。『廃用性の機能低下』とは、『前頭葉』機能の使われる機会が極端に少ない『生活習慣』の継続に起因して、当該機能が異常なレベルに衰えていくことを言います。
(2) 『アルツハイマー型認知症』の発病自体を予防する方法は、『前頭葉』を含む脳全体を正常な機能レベルに保つことであり、その具体的な対策方法としては、『前頭葉』が廃用性の機能低下を開始する条件を回避すること、即ち、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続を回避すること』に尽きるのです。あなたの、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」を構築し、継続的に実践すること(就中、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるようなあなたなりのテーマを選択し実践すること)が、対策方法となるのです(発病自体の『予防』の方法は、「前頭葉」機能をしっかりと使ってやる「生活習慣」の構築と実践に尽きるのです)。

&2  アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病

(1) 『アルツハイマー型認知症』の発病の予防については、『脳の機能』と言う物差し、「前頭葉」の活性化、就中、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマの選択と実践という視点が必要であり、不可欠となります。左脳の出番が必須となる「仕事」とは無縁となる『第二の人生』では、「左脳中心」、仕事偏重だった「第一の人生」とは生き方を変え、右脳中心の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、『自分らしさ』及び『自分なりの』という要素を前面に出せるような生き方、脳の使い方としての生活習慣の在り方を追求し、『注意の分配力』の機能(分析、理解、判断、洞察、推理、シミュレーション、企画、計画、比較、選択、検索、発想、創意、工夫、決断、感動、抑制etc.の実行機能の発揮に不可欠の機能)の出番を出来るだけ増やしてやる生き方、脳の使い方が不可欠となるのです。毎日の生活の中に、実践の過程や目標達成の結果に『自分なり』に「楽しみ」を感じ、「喜び」や「生き甲斐」が得られるような『テーマ』を選択して、自分なりの『目標』を設定して、『自分自身が、イキイキとしている』と感じられる『脳の使い方』としての『生活習慣』を打ち立て、継続することが必要不可欠の条件となるのです(意欲がすべての基礎となるので、自分が置かれている環境を肯定することも重要)。
(2)「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が得られるような『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけて、自分らしい『生活の楽しみ方』をして、何かに挑戦する『意欲』が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような脳の使い方としての『生活習慣』を組み立て、構築し、実践し、継続するのです。
※『発病自体を予防する為の生活習慣』としての『五か条』
①  時間が経つのも忘れて、熱中し、夢中になれる、趣味や遊びの機会を出来るだけ多く持ち;
② 趣味や遊びを通じて、できるだけ多くの友達と交わり;
③ 趣味や遊びや人付き合いや地域活動に、自分なりの生き甲斐や目標や喜びを見つけて;
④精神的な張りと緊張感のある毎日を過ごしながら;
⑤速足の散歩やラジオ体操など、折を見つけては『運動』するのです。

&3 脳が活性化する「生活習慣」の体験と日々の生活への取り込み

(1) 脳が活性化し、認知機能が向上したか否かを判定するに際して、権威ある機関は、MMSE又は、長谷川式を使用するのが通例。その上で、「物忘れの症状」の改善があったか否かを聞き取るのです。何の疑念も抱かないのです。
そもそも、『脳が活性化したか否か、認知機能が向上したか否か』は、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルが向上したか否かを判定出来ていることが不可欠なのです。専門の学者や医師達が、「前頭葉」の機能レベルの向上を判定しようとしないのは、判定する「手技」を持たないからなのです。⇒その為、MMSEの実施だけで、お茶を濁しているのです。
私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、三頭立ての馬車を運行する世界だと言いました。馬車を牽引する三頭の馬(左脳、右脳、運動の脳)が、どれほど元気になっていようとも、御者(前頭葉)が居眠りしていたのでは、馬車は、目的地に行き着くことは出来ないのです。
(2)それが分かっていて、権威ある機関は、何故、MMSEや長谷川式の使用でお茶を濁しているのでしょうか。MMSEや長谷川式の使用では、脳の後半領域である、左脳と右脳の働き具合を判定することが出来ても、前頭葉の機能レベルを判定することは出来ないのです。彼等には、前頭葉の機能レベルを精緻に判定する手技(方法)が無いので、後半領域の判定だけで、推測しているのです。
彼等が判定に用いるのは、『物忘れの症状』の改善の有無とその程度ということなのです。「物忘れ」が起きてくるメカニズムさえも知らないのに、物忘れの症状が「少し改善したか、どうか」といった、素人も驚くような基準と内容で、改善の有無及び効果を推測しているのです。
PETを使用しているとか主張する或る大学の教授は、PETでは、前頭葉の機能レベルを精緻に判定できないことを知らないのです。PETでは精緻な判定が出来ないことを確認したので、私たちは(浜松医療センター脳外科在籍時)、『かなひろいテスト』を開発したのです。実行機能の機能発揮には、前頭葉の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が関わっている、という機能発揮上の二重構造の存在に気付いているのは、世界広しと言えど、私たちだけなのです。
※様々な程度及び態様により発現する『アルツハイマー型認知症』の症状は、意識的な世界を構築し、統合し、管理している『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が核となる原因で発現してくるもの(廃用性の機能低下の産物)なのです。
(3)米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM-4」の規定が、そのことが重大な誤解であることも知らないで、初期症状であると規定する失語や失認や失行の症状よりも軽い段階の症状(発病ではなくて、発病の前駆的状態であると規定されていることに注意)という触れ込みで提示されているMCI(Mild Cognitive Impairment)、日本語訳は、軽度認知障害という基準は、「DSM-4」の「第一要件」の規定内容を正しいものとして踏襲していて、『物忘れの症状』(記憶障害)を基準に、発病の前駆的状態であるか否かを推定するのです。
その場合に活用される認知機能検査はと言うと、MMSEだけなのです。MMSEは、脳の後半領域の働きである左脳と右脳の機能レベルの判定にしか役立たないのです。「前頭葉」の機能レベルは、どこかに置き忘れられているのです。
大病院であれば、 f-MRI、SPECT、PETまで用いて診断するのです。それでいて、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う小ボケ、中ボケの段階の症状が発現してきていても、見落としてしまうのです。物忘れの症状程度を基準にして、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態であるとか言いつつ、MCIとかいうあやふやな基準を持ち出してきて、物知り顔に説明するのです。私たちの区分で言う大ボケの段階の症状、末期の段階の症状が発病の初期症状であると誤解したままで居るのです。頼りにし、並べ立てるのは、DSMとか、「4つの仮説」とか、「権威が主張すること」ばかりなのです。それらが本当に正しいものなのか否かを見極める能力を持たなくて、寄りかかるだけなのです。
(4)たくさんの症例を自分が見てきたと自慢する医師でさえも、大ボケの患者をたくさん見てきたという意味なのであり、小ボケや中ボケの段階の症状は知らないのです。脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉についての知識が無く、その機能レベルを精緻に判定する手技を持たないので、それなりに喋る患者については、アルツハイマー型認知症を発病しているとは考えもしないのです。
※『アルツハイマー型認知症』については、未だに、原因不明で治らないものとされているのです。そうした状況の下では、発病の有無を診断してもらう為、本人に付き添って精神科医を訪れる家族は、末期の段階にまで症状が進行したお年寄りを抱えた家族ばかりということになるのです(「末期の段階」の症状が発現していて、世界中の権威から『発病の原因は不明とされ、治すことが出来ないとされる』というのでは、どうにも手に負えない程にならないと、病院へ連れて行こうとは思わないのです)。その結果、認知症の診断が専門の精神科医達は、「脳のリハビリ」の実施により、最早治すことが困難である末期の段階の症状にしか、お目にかかることが出来なくなる訳なのです。
左脳が主管する「仕事」とは無縁の日々となる『第二の人生』での脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が発病するか/しないかを左右する核心的な要因であり、「脳のリハビリ」により回復させる(治す)ことが可能であるもっと軽い段階、小ボケや中ボケの段階があることを、診断する精神科医自身が確信を持つようにならない限り、状況は変わらなくて、末期の段階のお年寄り、「介護」が不可欠のお年寄りの数は、増え続けて行くことになるという訳なのです。
権威ある機関や個人が、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』と主張し続けてきた結果、何等の対策が実施されず放置されてきた挙句としての現状、介護の費用だけでも年間10兆円を超える規模になってしまっているのです。

『様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治せないものではないのです。見つけている段階が遅すぎるせいで治せない結果になっているにすぎないのです。更に言うと、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」は、介護の予防が可能であるし、発病自体を予防することが出来るものなのです。政府大綱が、介護の予防(末期の段階であり、介護が不可欠のものとなる「大ボケ」に症状が進行するのを抑制する意味)とはいえ、予防というテーマを国策として打ち出してきたことは、意義があると考えるのです。
※とはいえ、政府大綱が『介護の予防』施策を推進して行こうとも、認知症が専門の権威が考えている「発病のメカニズム及び症状の重症化が進行するメカニズム」に関わる考え方及び主張内容が根本的に変わらない限り、要介護老人の数が増え続けていき、「介護に要する費用」は増え続けていくのです。
※『介護の予防』について、目に見える規模での成果を挙げるには、原因不明という考え方自体が誤りなのであり、発病の原因は、第二の人生を送る上での脳の使い方としての『生活習慣病』に過ぎないこと、私たち「二段階方式」の主張である、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない』ことが、権威ある機関や人達に理解されることが、必要なのです。『早期診断と「脳のリハビリ」により治すことが出来る』こと、更には、『前頭葉が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来る』ことについて、国民全体に周知徹底することが求められるのです。その為の有効な方法が、私たちが、市町村で先駆的に実践指導してきた、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の全国展開であり、それを国策化する以外に、選択肢は無いのです(発病原因に関して、世界中の権威ある機関や人達が提唱している「4つの仮説」は、発病との間の因果関係が確認できてもいない単なる推測の類に過ぎないものであり、重大な誤りに過ぎないのです)。
二段階方式の考え方及び二段階方式の手技を活用して、『治して見せる』顕著な実績を積み上げて見せることに因り(情報発信する)、発病自体の予防に対する国民全体の関心を惹き起こすことが、今後の重要施策となるのです。
(5) 地域予防活動の中核となるのは、脳が活性化する生活習慣(注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりのテーマを継続して実践することにより、発病自体を予防すること=正常な機能レベルに在るお年寄りの「前頭葉」の機能レベルを正常な機能レベルのままに保つこと)の体験教室の運営にあります。
私たちが、昨年末の会議で、認知症施策推進室に提示した『脳イキイキ教室』の展開の事例の「実績データ」の概要を、図で、巻末に示しておきましょう。
それ等は、ほんの一例に過ぎないのですが、展開の考え方、活用する手技については、全てが同じなのです。私たちが主張する『二段階方式』の考え方に基づいて、私たちが独自に開発した二段階方式の「手技」を活用し、脳イキイキ教室の運営と脳のイキイキ度チェックを二本柱として展開されるものなのです。
その成果についても、巻末のグラフが示すように、極めて小人数態勢下で運営されながら、極めて僅かな運営費用でありながら、極めて大きな成果が達成されているのです(二段階方式の主張内容が正しいことが、疫学的に証明されていることを示す「脳機能データ」の一部なのです=実践による成果と立証)。
(6) 脳イキイキ教室の運営は、月一回半日だけなのです。そこでは、「前頭葉」が活性化する仕組みについて、言い換えると、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマの実践が何を意味するのかについて、理論的な説明に基づいた『実体験』をしてみて、自分なりに興味と関心が持てるものを、日々の「生活習慣」に取り入れる試みの場となっているのです。一ケ月ぶりに集まったお年寄り達が、その間の様々な体験話を持ち寄り、ワイワイと語り合う場でもあるのです(=それだけでも、脳の活性化の場となる)。
世の中の権威達は、脳の活性化が前頭葉の活性化であり、注意の分配力の機能が働くことが核心的な条件であることに気づいていないのです。彼等が、無知な証拠に、脳が活性化したことを示すデータとして、MMSEや長谷川式の実施データを根拠として、物忘れの症状の改善程度のことを挙げているのです。
※「脳が活性化する体験の場」とは、公民館で講師から何か難しい話を聴いて、知識を増やすような体験とは、質も内容も異なるものなのです。『時間がいつの間にか経ってしまっていた』とお年寄りが感じられる時間の過ごし方が、そこには必要なのです。人との出会いと世間話、趣味や遊びの体験と会話の機会が、自分なりの発見と喜びと感動を体験することが出来る場となり、第二の人生を送る上での脳の使い方としての生活習慣の見直しに繋がる『脳イキイキ教室』という場であることが求められるのです。
※「簡単な足し算や引き算、平仮名で書かれたおとぎ話の音読」の体験には、前頭葉の活性化や注意の分配力の機能の出番は、期待できないことを指摘しておきたいのです。物忘れの症状の幾分かの改善が認められた「お年寄り」は、それらの作業の効果に因るのではなく、「予定された計算や音読作業」の前後で体験できた、参加したお年寄り達との世間話が出来た効果に過ぎないのです。
(7) 『脳イキイキ教室』の運営を支える地域の「ボランティア組織」の展開図
※ 重要なのは、発病自体の予防を目的とする『脳イキイキ教室』の設営です。
市町村の保健師さんが、地域のボランティア組織との協働により、運営するものなのです。保健師さんは、「二段階方式」の考え方と「二段階方式」の手技を活用して、『脳のイキイキ度チェック』を行うこと(前頭葉の機能レベルを必ず判定することが不可欠)及び脳の活性化をもたらすことになる注意の分配力の機能が出来るだけ多くなるようなテーマの実体験(分析、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、検索、企画、計画、評価、決断、抑制、感動等の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマの実践であることが効果的)により、各参加者の日常の生活面に、そうした考え方を基礎とした生活習慣の導入の為の工夫を持ち込ませて、発病自体の予防を図ることが重要なのです。
⇒注意の分配力の機能を駆使することに因り、自分なりの目標が設定できて、それを計画したり、実施する過程での「創意や工夫や検索や洞察」といった機能を駆使することに因り及び実施の結果について、自分なりの喜びや感動が得られることに因り、『前頭葉』を正常な機能レベルに保ち続けることが可能となるので、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防が可能となるのです(廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態である「アルツハイマー型認知症」の場合であれば、必ず、前頭葉の機能が真っ先に異常な機能レベルに衰えていくことになるのです。即ち、『「前頭葉」の機能が正常な機能レベルを保っている限りは、アルツハイマー型認知症を発病することは無い』のです=発病自体の予防が達成できることになる)。
⇒ 権威が憶測だけにより主張している『治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という誤った主張が垂れ流され続けていて、何等の対策が実施されないままに放置されていること自体が重要な社会問題となっているのです。脳のリハビリにより回復させることが可能である小ボケ及び中ボケの段階での対策が実施されないで、末期の段階にまで症状が進行してしまい、介護が不可欠のお年寄りの数が増え続けているのです。その結果として、介護に要する費用が、年間で10兆円を超えてきているというのに、国会での議論さえ行われていないのです。野党は、肝心の政策論議を行わないで、モリカケ問題とか、桜の花見会のような問題ばかりを取り上げて、『政党』(政策の実施内容についての議論を展開するのが本来の役目)であることを忘れてしまったかのような行動や言動に終始しているのです。
※ 巻末に例示したものは、一例であり、地域の特性に応じて、それなりの工夫と特徴を持ったボランティア組織を組み立てていくことになります。
※ 脳イキイキ教室は、お年寄りが歩いて通うことが出来る距離にあることが、理想です。送迎が必要だと、人員態勢が必要になるので、参加するお年寄りの数が限定されてしまうのです。教室の開催回数は、『月一回半日』が通例です。
(8) 過去の事例をいくつか紹介しましょう。どの教室も、月一回半日の開催なのですが、効果は極めて大きいのが特徴です。教室の参加者に対しては、開始月と最終月の年二回(中期を入れた年三回が理想)、参加しているお年寄り全員に対して、二段階方式の考え方と手技に基づいた脳のイキイキ度チェックを実施します。
※ 脳イキイキ教室への参加者は、脳の機能が正常なお年寄り及び小ボケの段階のお年寄りに限られます。1年間継続して教室に参加していると、小ボケと判定されたお年寄りの大半が正常な機能レベルに回復してくるのが特徴なのです。
中ボケの段階になると、前頭葉を含む脳全体の機能レベルという視点から、別のレベルでの「脳のリハビリ」が必要となってくる為、「脳のイキイキ教室」への参加は認めないことが重要となります(参加させると、教室全体が混乱)。
中ボケの前半であれば、集団による「脳のリハビリ」の効果が期待できるのに対し(施設への導入が可能)、中ボケの後半であれば、個別メニューによる脳のリハビリでないと効果が期待できないのです。中ボケの後半の場合は、回復させることよりは、大ボケにさせないこと(介護の予防)を目的とすべきなのです。何れにしろ、中ボケの対策は、前半であれ、後半であれ、市町でなくて、施設を運営する下請け業者等の第三者に委ねるべきなのです。
『中ボケ』対策は、人手がかかりすぎて、市町には、向いていないのです。
※ 脳イキイキ教室に継続して参加しているお年寄り達の前頭葉を含む脳全体の機能レベルについて「改善及び維持」が全体に占める割合の高さに注目して頂きたいのです(「注意の分配力」の機能の出番が多くなるテーマの選択が重要)。
(9)『二段階方式』の導入先である市町が、『二段階方式』の手技の使用料として支払う対価の額は、月額40万円/市町となります(どれだけ多くの数のお年寄りの脳機能の判定に使用しようとも、金額は不変なのです。「お年寄り」一人分の介護費用に相当する金額です)。これは、例えば、市町の保健課と地域包括支援センターが二段階方式を使用しても、使用料は変わらず同一金額のままでいいということなのです。更には、地域包括支援センターが、下請け組織を第三者として採用し、二段階方式を活用して中ボケの対策を行うときも、使用料は変わらない(下請け組織も、使用料を支払わなくていい)という意味なのです。
但し、二段階方式を実施する人は、市町の保健師さんであれ、下請けの従業員であれ、『実務研修会』の受講が義務付けられることに注意して下さい。「二段階方式」の実施品質を確保する為に必要不可欠のことなのです(実務研修会の受講者に対して、『個別事例判定マニュアル』A,B,C及び『マニュアル指導の手引き』が配布されて、使用が許諾されます)。
(10)「脳のイキイキ教室」に参加しているお年寄りは、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者に限られます。従って、加齢に起因した脳機能の低下という要件を満たしている訳なのです。そのお年寄り達が、脳イキイキ教室に継続して参加し、1年が経ったとき、二段階方式の手技による判定で脳の機能レベルが改善は勿論、維持されていると判定されたということは、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルが正常な機能レベルに維持されていることを意味しているのです。巻末の図で、熊地区のお年寄り5年間の経過観察結果の図を見て下さい。効果の素晴らしさに驚かれると思うのです。
※ これ等の教室は、月に一回半日の開催なのです。月に2~3回、半日開催することは、保健師さんの人数をその分増やし、送迎を手助けするだけで可能となるのです。「介護」が必要となるお年寄り一人に係るコストと比較して、余りにも僅かな経費に過ぎず、その上、効果(目標)が容易に達成できるのです。
(11)第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者(「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一要件」を充足しているお年寄り)であって、『「前頭葉」の機能レベルが正常な「お年寄り」達について、例え5年でも6年でも正常な機能レベルのままに維持させることが出来れば』、その効果として、介護費用を負担しなくて済むという経済効果を獲得することが出来るのです。そのことが、この国を救うことになるのです。お年寄りが歩いて通える場所に、交流の駅を設置して、日々の交流の機会を用意し、希望するお年寄りに対しては、「二段階方式」の手技の活用による『脳のイキイキ度チェック』を実施し、且つ、必要なケースについては、「脳のリハビリ」の指導を行える場所にするのです。認認介護も介護離職も社会から消え失せていき、身体が持つ限り「脳」も持たせて、自分なりに楽しみつつ『第二の人生』を生きていくことが出来る社会を目指すべきなのです(上記『熊地区』の5年間の効果のデータを参照して下さい)。
※「介護費用」(セルフ・ケアにも重大な支障が出てきて、介護が必要な大ボケの段階のお年寄りに対する介護費用)だけで、年間10兆円ものコストがかかる社会を放置しておいては、いけないのです。「有効な施策」が実例付きで示されているのですから。野党もマスコミも国民も、もっと、この問題に関心を持つべきなのです。第二の人生を送っているお年寄りは、猶更なのです。「介護」を受ける側の身は、他人事ではないのです(明日は、我が身かも!)。
(12) 『アルツハイマー型認知症』は、アミロイドベータの蓄積やら、タウタンパクの蓄積やら、アセチルコリンの不足やら、脳の萎縮の進行が原因で発病する訳ではないのです。それらの仮説が主張を構成する前提としている「記憶の障害」に起因して発病する訳のものでもないのです。
※廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのです。症状は、小ボケ、中ボケ、大ボケの三つの段階に分かれるのです。小ボケ、中ボケは、脳のリハビリにより治せるし、発病自体を予防することが出来る性質のものなのです。国民全体が、早く目覚めて欲しいと願うのです。

&4 アルツハイマー型認知症の発病を予防する方法

(1)『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する効果的で唯一の方法は、『前頭葉』が活性化する『生活習慣』の構築と実践です。就中、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」を、日々の生活面で実践する『生活習慣』の構築と実践であると言いました。『自分なりの「喜び」や「生き甲斐」を覚える機会があり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動や地域活動への参加等の「テーマ」を自分なりに楽しむ生活、或いは、祭事や行事の復興や復活等、居住地域での「地域行事の活性化活動」に積極的に参加し、参画する関わり方、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方で、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』を構築し、実践することが、唯一で、有効な方法となるのです。
とは言え、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の個々の『高齢者』について言うと、「第一の人生」でのキャリアも異なり、「第二の人生」を送る上での条件(居住する地域の条件)自体が大きく異なる上に、経済的な条件(金銭的な条件及び居住条件)及び家庭的な条件(家族構成及び家族関係)、更には、肉体的な条件も様々に異なる訳なのです。上述した『大枠の条件』を基にして、自分なりのものを、具体的に工夫して、選択して頂くしか方法がないのです。
その場合に最も考慮すべきことは、第二の人生は、左脳が主役となる『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となることなのです。「脳の使い方」としての『生活習慣』の有り様が、発病するか否かを区分ける決定的な要因であるにも拘らず、左脳が主役の座から外れた生活習慣で、『前頭葉』を含む脳全体を活性化させることが要求される(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と実践が要求される)ということを深く理解する必要があるのです。

「仕事」が主役であった「第一の人生」での送り方とは、根本的に異なる脳の使い方としての『生活習慣』の構築と実践とが要求されることになるのです。
日々の追求すべきテーマに「仕事」があるということは、時間を限って自らが達成すべき『目標』が有り、目標を達成するために、創意や工夫や洞察や推理やシミュレーションや比較や選択や決断等、各種の実行機能の出番が増えて、それらの機能の発揮度を支配し、下支えている機能である「意欲」、「注意の集中力」、就中、『注意の分配力』の機能の出番が必然的に多くなるので、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化することになるのです。
仕事とは無縁となる『第二の人生』では、実行機能の出番が多くて、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマとは何が適切なのか、自分なりのものを見つけて、『生活習慣』として構築し、実践することが求められるということなのです。そうした条件を満たす『生活習慣』を構築し、実践できる「高齢者」だけが、『アルツハイマー型認知症』の発病とは無縁での、『第二の人生』を楽しむことが出来るという訳なのです。➡ボケーっとして、過ごしていたのではボケるのです。あなたの創意、工夫、努力が求められているのです。
右脳と運動の脳を使うテーマ、趣味や遊びや人付き合いや運動などについて、自分なりのテーマを見つけて、人と交わる場所や機会を見つけて、自分なりに楽しみ、自分なりの喜びや生き甲斐を見つけることが必要不可欠となるのです。
(2) その場合も、私たちが提起しようとしている住民参加型の『地域予防活動』(市町村の保健師さんとボランティアとが協同して展開する『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復、介護の予防及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」)の全国展開を拡大していく際、或る程度のパターン化が必要で、有益と考えてもいるのです。
※『パターン化』して、その中から選択して頂くことが有益な方策と考えるのです。こうしたことにも、先達が居る方がやり易いと考えるのです。『キッカケ』の発生を契機に開始され、継続される単調な『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方)が始まるのは、『意欲の喪失』が起きてくるからなのです。キッカケの発生とその状況の継続が原因で『意欲がそがれる』ことに因り、何事に対しても挑戦しようとはしなくなるのです。自分がそのとき置かれていた状況に対する『深い失望』が原因となり(「キッカケ」発生前に送っていた喜びや生き甲斐のもととなっていた自分なりの「生活習慣」を取り戻せないことによる失望感により)、その状況から立ち上がり、這い上がっていこうと出来なくなる状態が原因で、何事に対しても『意欲を喪失してしまう』のです。⇒『意欲を喪失』したことで『何事に対しても挑戦しなくなる』ということなのです。言い換えると、意欲を喪失することになる『キッカケ』自体は、『何でもあり』ということ。その人の意欲を喪失させることが、単調な「生活習慣」が開始される「キッカケ」になるということなのです。
※『飼い猫が死んだ』ことが、キッカケになる人もいるのです。『孫が大学に受かって上京し、孫との日々のかかわりの機会がなくなった』ことが、キッカケになる人もいるのです。滑って転んで骨折して、養生の為に身体が寝たきりの生活をしていると、脳も寝たきりになるという事例も多いのです。喜びと生き甲斐の場であった「趣味の会」が無くなることが、キッカケになる人も多いのです。要は、『キッカケの発生というその状況に対する本人の受け止め方(周りからの支え方)次第』ということになるのです。言い換えると、「キッカケ」になりそうな事件や状況は、何でも有り(人それぞれ、人による、誰にでも起きる可能性がある)ということなのです。
ⅰ)何でも有りなのだから、『意欲を喪失しない為の対策となる生活を出来るだけたくさん準備しておくことが大切』なのです。『出来るだけたくさんの趣味や遊びを楽しむ「生活習慣」を構築』しておく、『出来るだけたくさんの仲間との交遊の輪や交遊の場』を広げておく。それが、予防対策になるのです。
※『第二の人生』を送っている個々人は、全てが異なるのです。第一の人生での体験や職場での様々な経験も異なるし、キャリア自体が異なるのです。考え方も生き方も異なるし、興味や関心の対象も異なるのです。『生活資金』の額も異なるし、家庭環境も家族環境も異なる、「第一の人生」が異なっていたように、『第二の人生』での過ごし方、生き方も異なることになるのです。
⇒それら全ての相違や差異を容認した上で、要は、自分なりの求め方、『生き方』をするしかないのです。『選択の是非無く存在する現在の自分に許容された生活環境の下で、「自分なりの」という条件の下で生きていくしか、他に方法は無い』のです。➡『注意の分配力』の機能が発揮される基礎に「意欲」の機能があるのです。そもそも、「加齢」という要因に因り意欲の機能は低下していく傾向にあるのです。「意欲」を低下させないためには、自分が置かれている状況を肯定することが出発点でもあるのです。
※『自分なり』の「テーマ」を選択し、『自分なり』の「目標」を持ち、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」を得られるように創意、工夫、検索して、努力しつつ、『第二の人生』を積極的に生きることが要求されるのです。
ⅱ)仕事が無縁となり「左脳」が活躍する機会と場面とが大幅に少なくなる『第二の人生』では、残った右脳及び運動の脳が活躍する「テーマ」の選択が不可欠となります。趣味や遊びや人付き合いや、居住地域の地区の活性化などから、自分なりの「テーマ」を選択して、自分なりの『目標』を持つことが、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で「第二の人生」を乗り切るために不可欠となるのです。そこで考えたのです。「左脳」が専管する仕事とは無縁となる「第二の人生」という日々の生活を送る上での『前頭葉』を活性化させる視点からの何等かの指針、或いは、指標となるものの活用が有益で、有効だと考えたのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病のメカニズム、発病を予防する為のあるべき「生活習慣」の類型について分かり易く記述した小冊子、基本書が必要で有益だと考えているのです。『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の指標となる内容を標語化した「万年カレンダー」や、「脳イキイキ手帖」等を導入市町村を通じて直販したいと考えてもいるのです。それぞれの原稿はすでに書きあがっているので、後は、皆さんが読み易いように、眺めて楽しくなるよう、表現の仕方を工夫し、挿絵を入れたら、完成という訳。
『仕事一筋』であった人達が「第二の人生」に踏み込んだ時、「第一の人生」での過ごし方、脳の使い方としての「生活習慣」が邪魔をするのです。『仕事』とは無縁となる第二の人生の送り方、「第二の人生」での脳の使い方としての『生活習慣』の選択について、どのような「テーマ」を選択して、どのように行っていけば良いのかが全く分からなくて(仕事一筋の「第一の人生」で、趣味や遊びの経験が乏しく、先達もいない)、『時間だけは余る程有るのに、することが何もない』というケースが、皆さんが想像される以上に多いという現実があるのです。
ⅲ)身体が持つ期間が極めて長くなり、結果として、『超高齢社会』に突入することとなり、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないし、発病を予防することが出来ない』とする誤った情報が発信され続けていて、何等の正しい情報発信が為されないことに因り、「正しくて、必要な対策」が為されない状況下で、「アルツハイマー型認知症」の発病者が、更に、日常の生活面で介護が不可欠のお年寄り、末期の段階である「大ボケ」の段階のお年寄りが増え続けているのです。『身体がもつ限り、「第二の人生」は続いていく』のです。
そうだとしたら、個人としても、家族としても、地域としても、市町村としても、国家としても、『身体がもつ限り、脳ももたせること』が、必要不可欠の条件となるのです。その為の対策としての具体的で有効、有益な方法が、『第二の人生』を、出来れば自分らしく、『自分なりに』、元気に駆け抜けること、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような、個々人の『前頭葉』の機能が活性化するような、「脳の使い方」としての『生活習慣』を構築し、肝に銘じて、実践を継続することが求められるということなのです。
「社会の在り方」について再考が求められているのです。我が国が、高度経済成長を達成する過程で、農村の都市化が進んで行き、同時に、我が国に特有なものであった「家族主義的な価値観」、家族を大事にし、地域全体が家族のような「密な関わり方」を持って交流し、互いに助け合って生きていく生き方、「相互扶助の価値観」を基礎とした社会が消え失せていってしまったのです。誰でもが、80歳や90歳まで生きるのが当たり前の「超高齢社会」では、この消失してしまった『家族主義的』な価値観、『相互扶助』の価値観を取り戻して、社会のベースに置くことが極めて重要なことになると考えるのです。

&5 『地域予防活動』の展開と活動全体の要となる『保健師さん』の役割

(1)『加齢』に伴う脳の老化に起因した機能低下(発病の第一要件)及びキッカケを契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(発病の第二要件)、異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っていると言いました(私たち「二段階方式」独自の主張)。
(2)本態が廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』である(に過ぎない)『アルツハイマー型認知症』は、早期診断(本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」の実施により治せる(前頭葉を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが出来る)し、更に、「脳のリハビリ」の実施により症状の重症化の進行を遅らせ緩やかにすることにより末期の段階である大ボケにさせないこと(介護の予防)が可能であるし、更には、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と実践により、『発病自体を予防することが出来る』ものなのです。
そのキーとなるのが、「脳の使い方」としての『生活習慣』なのであり、発病及び症状の重症化が進行していく『メカニズム』に照らし、治療薬も予防薬も、開発されることは未来永劫有り得ないことなのです。治療(症状を回復させたり、治したり、症状の進行を緩やかにしたり)や、予防の効能(発病自体を予防すること)を有する「薬」の開発は、有り得ないことなのです。
※1「早期診断」による『回復』、『介護の予防』及び『発病自体の予防』の為に為すべき方策、それは、「二段階方式」の『考え方』に基づいた、且つ、「二段階方式」の『手技』を活用した対策(個々人がそれぞれに前頭葉が活性化する生活習慣、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」を選択し実践を継続することが前提とされつつ)、国策化による当該政策の実施、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病自体の予防』を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の全国展開という政策の実施が、必要不可欠となると考えるのです。
※2出来るだけ早期に実施し、且つ、実施の効果を高める為に、出来るだけ小さな地域の「地区単位」で、密に実施すべきなのです。「高齢化率」が高い市町村やお年寄りが大勢集まって住んでいる地域では、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、「昼夜の区別」が分からなくなるまでに脳の機能が衰えてきていながら、身体が持つ為徘徊するお年寄り(末期の段階である「大ボケ」のお年寄り)が、極めて多数に上っているのです。
役場のスピーカーが、徘徊して行方が分からなくなったお年寄りの情報の提供を呼び掛けるのが、全国の市町村で、日常茶飯事化しているのです。彼等は、認知症の専門家とされる人たちが、徘徊自体に何か特別の目的があるかのような解説を行うのですが、それは間違いなのです。私たちの脳機能データの解析によると、徘徊が日常茶飯事化した彼等には、時の見当識の得点も0点となっていて、所の見当識の得点も0点になっていて、注意の分配力の機能が殆ど働かないまでに、脳の機能が衰えてきていることが原因に過ぎないのです。
※3既に極めて多数が存在する徘徊老人の徘徊対策も必要なのですが、徘徊老人を減らす施策、『発病自体を予防』し、早期発見(小ボケ及び中ボケの前半で発病を見つけること)及び早期治療(「脳のリハビリ」の実践)により『回復』させ、「脳のリハビリ」の実践により症状の進行を緩やか/抑制し、『介護の予防』(末期の段階である大ボケには落とさない事)を確保するための効果的な施策を具体化し、確立し、その施策を、地方の隅々にまで隈なく、国策として実施することを希望するのです(「社会保障費」の大幅な削減につながる可能性大)。
『二段階方式』の考え方及び手技は、その為の、体系的で理論的な考え方及び根拠となる脳機能データ並びに有効で有益な成果が残せる「手技」を提供することが出来るのです。地域予防活動で挙げてきた疫学的な方法に因り実証した証拠を提供することが出来るのです。
注1)「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの場合、『時の見当識』の指標が極めて重要です。時の見当識についての衰え方に厳密な順番があり、日、年、月、季節、昼夜の順番に衰えていくのです。その場合、「時の見当識」の得点が、「小ボケ」は5点となり、「中ボケ」は4~2点となり、「大ボケ」であれば、1~0点になるのです。⇒末期の段階である『大ボケ』の後半(MMSEの換算値が9点以下)のお年寄りは、昼夜の区別がつかない上に、『所の見当識』も無い(「所の見当識」の得点が0点)脳の機能レベルにあるのです。その上、「失語や失認や失行」の症状が確認されるレベルの『お年寄り』(30点が満点であり、11の下位項目から構成されるMMSEの総得点が一桁にしかならないまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えてきているお年寄り=「DSM4」の第二要件に該当するお年寄り)の場合は、意識的に何かのテーマを発想し、実行する際に不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が、殆ど機能しえないレベルにまで衰えてきているのです。⇒ 日常のあいさつ程度の会話もままならず、配偶者を我が子と間違えたり、ズボンを頭から被ったりする等の症状が確認される「お年寄り」の症状は、記憶障害に起因しての症状なのでなくて、『注意の分配力』の機能が殆ど機能し得ないまでに機能低下が進行してきている為なのです(実行機能の発揮と注意の分配力の機能との依存関係)。
注2)廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』を本態とする性質の「アルツハイマー型認知症」の場合は、症状が徐々に緩やかにしか進行していかないのが特徴なのです。昨日まで地域の仲間達と趣味や遊びを楽しむ生活が出来ていたお年寄りが、一晩寝たら、失語や失認や失行の症状が発現してきた等ということは起こり得ない事なのです。
標準的な滞留期間としての『小ボケの期間が、3年』、『中ボケの期間が、2~3年』続いた後は、『大ボケの期間は、身体が持つ限り、続いていく』のです。
「大ボケ」の段階になると、「脳のリハビリ」の効果は、最早期待できなくなり、身体が持つ限り症状が更に重いものになっていき、「家族介護」に期待することが困難となってしまうのです。
従って、第一の対策は『発病を予防すべき』なのであり、第二の対策は『早期診断により治すべき』なのであり、第三の対策は、末期の段階であり、「介護」が不可欠となる「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』を確保すべき』なのです。『二段階方式』の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して、これ等を或る程度の規模で達成することに因り、回復させることが困難になる「大ボケ」の段階のお年寄りの介護は、家族介護に頼るのではなくて、『介護保険』で全面的に対応することが出来るようになるはずなのです。⇒我が国の実態として存在する累積数100万人を超える数もの『介護離職』は、『早期に解消すべきテーマ』なのです。
(3)「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを判定する為の脳機能テストの実施による発病の有無及び症状の三段階区分の判定及び鑑別を行うもの(「前頭葉」の機能レベルをかなひろいテストで判定し並びに左脳と右脳の機能レベルをMMSEで判定する)なのです。加えて、何等かの出来事や状況の発生又はその継続を「キッカケ」として開始し継続された、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(脳の使い方としての「生活習慣」であることに注意)に直接起因したものとしての「廃用性の機能低下」を進行させてきた基礎であるキッカケ発生後の「脳の使い方」としての発病者の「具体的な生活習慣」【生活歴】の聞き取りを行うものなのです。
その客観的な判定及び鑑別の方法により、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)を判定・鑑別し、脳の活性化を目的とする『生活習慣』の改善指導(「脳のリハビリ」の指導)を行うことで、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが出来る(認知症としての症状を治すことが出来る)システムであり及び脳の使い方としての『生活習慣』の改善の実施とその継続により末期の段階である「大ボケ」(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠となる段階)には落とさないことに因り、『介護の予防』を達成することが出来並びに脳の活性化を目的とした「生活習慣」の改善を体験させる地域住民参加型の「予防教室」(Ex.「脳イキイキ教室」)の開催により、参加者の日常生活に「前頭葉の活性化」という考えを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防を図る(『前頭葉の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる=発病自体を予防出来る』)極めて有効で、有益なシステムなのです。
(4)その活動を担う牽引者は、一定規模での売り上げと利益の確保が必須の条件となる医師ではなくて、売り上げも利益も必要とされない保健師さんなのです。※1医師が担うことになるのは、『中ボケ』の(後半)の段階のお年寄り及び末期の段階である『大ボケ』の段階の症状が発現してきて、日常の生活面における「セルフケア」にも重大な支障が出てきている段階のお年寄りは、医療機関(デイサービス等介護施設を含む)が対応すべきものと考えているのです。
※2この段階のお年寄りに対しては、現状使用されている薬(治療の効能は無くて、単なる対症療法薬に過ぎない)が処方されているのです。単なる興奮型(昂進薬)や抑制型(抑制薬)の4種の『対症療法薬』の使用により、医療機関側も必要な売り上げを確保できるし、症状の発現の程度を管理することが出来る効能を有する「対症療法薬」としての効能はあるので、『介護する側の労苦』を軽減させることには役立ち、それなりのメリットがあると言えるのです。
(5) 市町村が展開し、保健師さんが主導する地域予防活動は、個別事例の判定及び生活改善指導並びに小地域単位での予防教室の運営の二面性を持つ活動です。
ⅰ)個別事例の改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠である為、導入市町村の保健師さんの役割が極めて重要なのです。
更に、個別事例の的確な判定により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階の発病段階にあるお年寄り【「小ボケ」及び「中ボケ」の(前半)の段階にあるお年寄り】を対象として、且つ、『脳のリハビリ』の適切な実践指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる=「アルツハイマー型認知症」の症状が治る)ことが、『予防活動』の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。
保健師さんの主たる業務、第一義的な業務と位置付ける『早期診断による回復及び介護の予防並びに発病自体の予防』を目的とする業務は、『二段階方式』の手技の活用が不可欠のものとなるので、「二段階方式」の手技の活用がおろそかになった教室の運営では、『単に歌って踊るだけの教室』、形式的な活動となり、『早期診断による回復も介護の予防も発病自体の予防も期待できない』もの、「掛け声と形だけの予防活動」に終わってしまうのです。そうした実態が過去には存在したことが、『女性の専門職集団』の養成による密な展開指導という発想が湧く基となっているのです。社会的な役割の大きさと重要性により、『女性が活躍する社会』の『象徴的存在』にもなり得ると考えているのです。
※1『小ボケ』に対しては、「前頭葉」の機能レベルを正常なレベルに回復させること(認知症としての症状を治すこと)を目的とし、『中ボケ』に対しては、前半の場合は(MMSEの換算値が20点以上)『同居の家族』の熱心な後押しという状況が確保できる例外的な場合に限り、回復させることが第一義的な目的となり、第二義的には、『介護の予防』(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠となる「大ボケ」には、症状を進行させないこと)を目的とします。
少なくとも、『介護の予防』という成果を確保することを、重要な目的とするのです。

『中ボケ』の後半の場合は(MMSEの換算値が19点以下、15点以上)例外的に介護の予防を目的とし、基本的には、医療機関の受診を指導するものとします。とはいえ、『脳のリハビリ』の実践指導により、上記の成果を顕著に上げて見せることが効果的で有効な情報発信となり、第一次予防としての『発病自体の予防』という大目標の達成に対して極めて重要と考えるのです。
※2「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」なのであり、第二の人生を送る上での、脳の使い方としての生活習慣が、発病するかしないかを決定づける核心的な要因であることが、地域住民に理解され、浸透していき、住民参加型の「地域予防活動」が、全国的に拡大されていき、地方の地域の隅々にまで浸透した状況が達成された場合は、我が国の将来を左右しかねない規模にまで膨れ上がっている『介護関連の社会保障費』が、相当程度に、顕著に減少していくことになるはずなのです。
⇒国策化に拠る全国展開の成果は、そんな規模ではなくて、国民全体に対する教宣活動による理解【アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として、治らない性質のものではない。治すことが出来ないのは、医療機関が見つけている段階が『遅すぎるせい』であり、『早期診断』と『脳のリハビリ』の実践により『治すこと』が可能であるし、治せない場合も、『介護の予防』が可能であり、更には、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と実践により、『発病自体を予防』することが出来るタイプの認知症であること】について、国民全体の理解が得られさえすれば、極めて大きな『コスト削減効果』が得られることになると確信しているのです。
※3『二段階方式』の導入先市町が拡大していく状況に備え、導入先市町が地域単位で開催する認知症予防講演会の「講師」が務まり、「二段階方式」の手技を教える実務研修会の「講師」が務まり、更に、個別ケースでの判定及び個々の「脳リハビリ」の為の「生活改善」の指導が行える専門家であり、導入先市町の保健師さんを高いレベルで(二段階方式の技術及び知識)指導することができる『女性の専門職集団』の養成が、重要なテーマとなると考えているのです(『女性が活躍する社会』の象徴的存在ともなり得る)。
⇒『二段階方式』の手技の実施品質のバラつきを防止し、早期診断による回復及び「脳のリハビリ」の指導による回復及び介護の予防の効果のバラつきを管理し、発病自体の予防に対する「地域住民」の関心を確信に変えさせる上で、上述した『女性の専門職集団』が果たす役割が極めて重要と考えているのです。
※4『脳のリハビリ』の実践指導により『治して見せる』こと及び『介護の予防』を目に見える形で、具体的で顕著な実績を積み上げて見せることが、最も効果的な情報発信になると考えるのです。『アルツハイマー型認知症』(正しい診断に基づいた、一定規模での全数調査をもとに、数の予測という面からの割合を推定すると、様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を、『アルツハイマー型認知症』が占めていると考えているのです)のみを対象としての活動です(活動対象の限定により、「二段階方式」の手技を活用する場合は、業務の全般について「医行為が関わらない」ので、保健師さんが業務の全体を統括して展開を主導することができる「地域予防活動」となるのです)。『治して見せた』実績の数多くの積み上げこそが、一次予防というテーマ(「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防)に対する最も有効な『情報発信力』となると考えるのです。⇒導入先市町村で「二段階方式」を実施する保健師さんに対して、こうした考え方を『徹底させたい』と考えるのです。
※5お年寄りが居住地から歩いて行き来できる距離の場所に、間伐材で構築した平屋建ての家を建設し、開放するのです。日常的な交流の促進を目的とした『交流の駅』を設置し、更に、『お年寄りの脳のイキイキ度チェック』を実施することが出来る体制を整えて、早期診断による回復と発病の予防を徹底する制度の国策化を実現したいと考えるのです。⇒血圧や体重を何時でも簡便に測定できるのと同様に、お年寄りの『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」の活用により、簡便に/精緻に判定し(脳のイキイキ度チェック)、『正常な機能レベルにあるお年寄りは、正常な機能レベルをそのまま維持』、改善が必要と判定されたお年寄りの場合は、脳の使い方としての『生活習慣』の改善の指導(症状を治すことが目的)が行える場所にしたいと考えるのです。
⇒国や市町が保有する遊休地を活用して、間伐材や、孟宗竹を活用して、平屋建ての『交流の駅舎』を建設したり、或いは、廃校された校舎を活用する。
(6) 市町が扱う対象と医療機関(デイケアやデイサービス施設を含む)が扱う対象とは、明確に区別した扱い(市町の保健師さんと医療機関の医師とが扱う対象を明確に区別する考え方)とすることが、必要であり、有益であると考えるのです。➡市町(保健課)が、『発病の予防』を担うことが重要なのです。
ⅰ)「正常なお年寄り」と「小ボケ」と判定されたお年寄りは、「脳のイキイキ教室」が担当し、正常なお年寄りは、正常な機能レベルのままに保ち、「小ボケ」は、正常な機能レベルに回復させることを請け負うのです。⇒ 保健課(健康課)が担当する。
ⅱ)「中ボケ」の(前半)と判定されたお年寄りは、下請け第三者である施設により、集団で実施する『脳のリハビリ』に因る『介護の予防』(「脳のリハビリ」の実践指導により、症状の進行を緩やかにして、セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が不可欠となる『大ボケ』の段階にまでは症状を進行させない)ことを目的とすべきなのです。⇒『地域包括支援センター』が担当する。
ⅲ)「中ボケ」の(後半)及び「大ボケ」と判定されたお年寄りは、『医療機関』への受診を指導するのです。
※1「中ボケ」の(後半)の場合には、『介護の予防』は例外的なものと考えるのです(「脳のリハビリ」の実践による回復について、困難さを承知で、実施を望むケースもあるので、同居の家族の密な関与が期待できるケースでは、家族によっては、「大ボケ」の段階にまでは落とさないことが、目標となる)。
※2「大ボケ」の段階にまで症状が進んだお年寄りについては、その全員を対象としての『介護保険制度』の適用により、「老老介護」、「認認介護」、「介護離職」と言った超高齢社会で初めて発現した社会悪を一掃すべきものと考えるのです。➡「アルツハイマー型認知症」の発病者数がとめどなく増加している状況下で、介護保険制度が財政面から破綻しそうな状況にあることが背景にあり、種々の問題が有る『家族介護』に期待がかけられているのが実情なのです。
政策としては、早期診断による回復及び介護の予防を顕著な実績により実現し、その実績をもとにして、発病の予防策となる、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築というテーマに対するお年寄り、国民の関心を高めるべきと考えるのです。超高齢社会下で、『第二の人生』を長生きする喜びを獲得するには、『発病自体の予防』(身体が持つ限り、脳も持たせること)が、必須の条件となるのです。単に長生きするだけ(脳が持たないのに身体が持つだけ)では、国が持たないのです。
(7)『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。このことを国民全体に周知徹底すべきなのです。
※1アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムに照らして言うと、『発病を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制する効能を有する薬は存在し得ない』のです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』(食生活は無関係であり、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意)の構築と実践のみが、症状を治し、症状の進行を抑制し、発病を予防する「唯一の方法」となるのです。米国精神医学会が策定した『DSM-4』の規定内容(第一要件も第二要件も共に重大な誤りの内容)も、更には、「前頭葉」の機能構造を無視した、単なる推測、憶測の類でしかないアミロイドベータ説を筆頭にした「4つの仮説」の主張内容も、客観的なデータは存在していなくて、未だに、発病との間の因果関係を立証できないままで居るのです。
※2 世界中の権威ある機関から、発病の原因が不明とされてきた『アルツハイマー型認知症』について、発病の早期診断には、CTやMRIやSPECTやPET等の機器は不必要なのであり(前頭葉の機能レベルの判定には無用の長物)、更に、「治療薬」は存在し得ないので、薬の処方も不必要(無用の長物)なのです。即ち、『一定規模での売り上げと利益』が必要不可欠となる医療機関による診断業務は、その本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である『アルツハイマー型認知症』の「早期診断と症状の回復」、「介護の予防」及び「発病自体の予防」には、向いていないのです(医師が担うべき、必要な専門業務が存在していないのです)。
⇒『医療機関』の本当の出番は、脳のリハビリにより治すことが出来ない末期の段階である『大ボケ』の段階の症状が発現しているお年寄りに対する『診断』と薬(対症療法薬)の処方及び『介護』に関わる指導の業務だけなのです。
⇒『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に対する脳の使い方としての「生活習慣」の在り方の指導が関わるものであり、『医行為は、関わる場面が出てこない』という特殊な病気なのです。
⇒第一に発病の予防がテーマとなり、その対策は、「脳イキイキ教室」の運営なのです。『前頭葉』が活性化する脳の使い方としての生活習慣の在り方、就中、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と実際の体験の指導が要求される業務となるのです。第二のテーマが「小ボケ」と判定されたお年寄りを正常な機能レベルに回復させることなのです。
『二段階方式』の手技に因る客観的な判定での各教室の実績値のデータ:本ブログの字数制限の関係でグラフが載せられないのですが、大抵の教室の数値が:維持と改善の数値を合計して80%以上であり、悪化は、20%以下に過ぎないのです。教室に参加しているお年寄りは、全員が高齢者であり、「加齢」に起因した「前頭葉」の機能低下が年々進行していくものなので(「正常老化の性質」に起因した機能低下の進行)、悪化が本来なのに対して、維持、更には、改善していることが極めて重要なのです(教室参加の効果が、日々の脳の使い方としての『生活習慣』に反映されている)。『アルツハイマー型認知症』の『発病を予防する効果と方法』が実証されているのです。

   本著作物「Eー03」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、エイジングライフ研究所に帰属しています。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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政府大綱が進める介護の予防、更には アルツハイマー型認知症の発病自体の予防E-02

2020-02-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)

様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合、殆どを占めている『アルツハイマー型認知症』について、我が国だけでなく、世界中の認知症研究の権威とされる機関や人達が、未だに、『発病の原因が不明である』としているのです。発病の原因については、アミロイドベータ説(世界的に「通説」の地位にある=支持する学者の数が多いというだけの意味なのです)を筆頭にして、タウタンパク説脳の萎縮説及びアセチルコリン説という『4つの仮説』(仮説という意味は、各々の仮説が「発病の原因」と主張する内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するべき因果関係が立証されていないということなのです)が、未だに幅を利かせているのです。アミロイドベータ説の我が国での牙城である東大、京大、理化学研究所は、マウス(マウスにアミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスと名付ける動物)を研究材料にして、憶測や推測に基づいただけの主張を展開し続けているのです。客観的で、科学的なデータの蓄積や証拠となる資料も無くて、此処まで杜撰な主張内容を、展開し続ける理由を知りたいのです。その悪弊のせいで、[末期の段階の発病者の『介護に要する費用』だけで、年間10兆円を超えてきているのですから。

此処で二つの問題を、権威ある専門機関及びその研究者達に問題提起しておきたいのです。一つは、正しい診断が行われていさえすれば(特に、脳血管性認知症と診断されている内の大半が実は、アルツハイマー型認知症であること)、様々な種類が数有る認知症の内で『アルツハイマー型認知症』の発病者が、認知症全体の90%以上を占めていること。もう一つは、発病のメカニズム及び症状の重症化が進行する機序を解明し、或いは、正しく理解するには、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に着目することが不可欠であることなのです。「アルツハイマー型認知症」は、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象として発病するという特徴が確認される(老年発症が特徴)のです。「器質的な原因病変」が何等確認されないのに、私たちが『意識的に』何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様により支障(認知症としての症状)が発現してくるのが特徴なのです。そもそも、脳の機能構造面から、『 意識的な世界』が存在しない「マウス」とは、縁のない世界で起きてくるものなのです。そもそも「意識的な世界」は、『注意の分配力』の機能なしには存在し得ないものであり、「マウス」には、「注意の分配力」という脳機能は備わっていないのです。

 

眼前の国策としての『介護の予防』という「テーマ」の推進を策定した人達、政府大綱を協議するに際して会議をリードした権威ある人達も、実は、「アミロイドベータ説」を信望している人達なのです。マウスの行動と『意識的な世界』とは無関係のものであり、マウスには、肝心の、『前頭葉』という機能も、『注意の分配力』という機能も備わっていないことが、どこかに置き忘れられているようなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状の重症化が進行していく機序、介護の予防、更には、発病自体の予防についての解明という目標を達成するには、これら「二つの」機能及び機能構造についての深く、正しい理解が不可欠となるのです。それ故、何時まで「マウス」(アルツハイマーマウスとて同じこと)の行動を追求していこうとも、仮説にしか終わらないのです。資金と(場合によっては、税金と)若い力をどれだけ投入しようとも(誤った場所を、誤った方法で、何処まで深く掘り進んでいこうとも)、何も、出ては来ないのです。何時の日になったら、私たち人間だけに「特有な世界」である『意識的な世界』に権威ある専門家とされる人達の目が向けられることになるのか、じれったくて、しょうがないのです。

 

&1 「意識的な世界」の要である『注意の分配力』の機能

今は冬の明け方、6時を少し回ったところ。ダイニングのテーブルで、このブログを書いている所なのです。もう少し空が明るくなってくると、お待ちかねの小鳥たち、山雀(ヤマガラ)や四十雀(シジュウカラ)や雀(スズメ)やメジロ達が、餌(ヒマワリの種と半分に割ったミカン)を求めて、眼前の庭にやってくるのです。

窓の外には、ハナミズキやキンカン、それにまだ花が付いたままのブーゲンビリアの巨木が植えてあるちょっとした庭が有り、その中で、ハナミズキの樹に取り付けてある餌箱に小鳥たちが寄ってくるのです。私が好きな四十雀の動きを例にとって説明してみましょう。四十雀は、集団でやってくることも多いのですが、二羽(ツガイかな?)でやってくることが多いのです。その動きを見ているときの、私の『脳の働き方』を説明しておきたいのです。

ヒマワリの種をついばみながら、雀がこないか、辺りをしきりに見回しながら、せっせと餌をついばむのです。ぴょんぴょんと小枝を上手に飛び渡りながら、餌をついばむのです。雀が一羽でも来たら、途端に、飛び立ってしまうのです。雀の方が強いということなのです。そうした「四十雀の動き」自体は、皆さんも同じように観察することが出来るのです。勿論、Tadにもできるのです。

『可愛いね!』とか、『あ、雀が来たので、逃げてしまった!』とか叫びながら、一緒に、そうした状況を楽しむことが出来るのです(オシドリのように、夫婦仲がいい!?)。

たとえどんなに短い言葉であろうとも、KinukoとTadが、言葉を交わしているときは、『前頭葉』のコントロールの下で「左脳」が働くのです。餌をついばんだり、飛び立つ動作を観察しているときは、『前頭葉』のコントロールの下で、「右脳」と「運動の脳」が働くのです。左脳は、言葉、計算、論理や場合分けと言ったデジタルな情報を処理する機能なのです。右脳は、形、色、空間、時間の経過、感情などアナログな情報を処理する機能なのです。運動の脳は、身体を動かすためのアナログな情報を処理する機能なのです。

左脳、右脳、運動の脳の働きと働き具合の結果を統合して認知して判断しているのが、意欲、注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能に支えられた『前頭葉』の働きという訳なのです。

言い換えると、『前頭葉』は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っています。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』と言う脳機能なのです。私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、どんなテーマであれ、このメカニズムの下で処理されているのです。『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムは、「DSM-4」の第一要件が確認を要求するメカニズム、即ち、「記憶障害」に起因して惹起されてくるものではないのです。「第一要件」の規定内容は、単なる憶測、推測の類に過ぎないのであり、重大な誤りを犯した内容なのです。正しくは、『前頭葉』の機能障害、「加齢」に起因した機能低下を基礎としつつ、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下と言う加重要因の存在により、両者が同時に存在し充足されることに因る相乗効果により、「前頭葉」の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能障害が原因で発病し、症状の重症化が進行していくものなのです。私たち二段階方式の考えが、主張の内容が、近い将来、『世界標準』となるのです。信じて、実行していただきたいのです。

 小鳥が飛び立つ動作を認知し出来ているとき、小鳥の形の認知とその飛び立つ動きの認知は各々別のものであり、両者が統合されることに因り、『小鳥が飛び立った』認知が可能となるのです。その場合に、注意の分配力の機能が主役として働いているのです。注意の分配力の機能は、「3つ以上」の異なる複数のテーマを同時に並行して処理していることが極めて重要なのです。チンパンジーであれば、異なる「二つのテーマ」を同時に並行して処理することが出来るのですが(Ex.相手に跳びかかっていきながら、同時に並行して、棒を使って相手を叩くことが出来る)、三つ以上になると、最早、出来ないのです。

 私たち人間であれば、例え75歳のTadであろうとも、BGMを楽しみながら、助手席の私と会話を楽しみながら、必要なスピードも維持しつつ、事故を起こすことも無く、車を運転することが出来るのです(「三つ以上」の異なる複数のテーマを同時に並行して処理することが出来る)。これを可能にしている機能が、DNAの98% が人間と同じとされるチンパンジーにさえも備わっていないものであり、三つ以上の異なる『意識』を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている『注意の分配力』という脳機能なのです。

 世の中で(世界中で)『前頭葉』についてあまり語られていないのは、未だに、その機能構造が良く分かっていないからなのです。脳科学者という肩書でテレビに出てきて語っていようとも、「前頭葉」の機能とか、「注意の分配力」の機能について、更には、「前頭葉の機能発揮上の二重構造」の問題といった「テーマ」については、殆ど理解を有してはいない人達なのです(KinukoとTadが有する知識と理解を超える人は、世界に居ないのです)。

この三つのテーマの深い理解が、『アルツハイマー型認知症』の「発病のメカニズム」及び症状の「重症化が進行していくメカニズム及び機序」を解明する上で不可欠なのです。今日のブログは、これが、テーマなのです。

  遠く離れた場所に住んでいて、仲のいいお友達と久しぶりに会って、元気で再会できたことを喜びながら、談笑をするに際しては、注意の分配力の機能が正常なレベルで機能していることが不可欠となるのです。言葉に因る意思疎通を行うには、前頭葉のコントロール下に左脳が働くことが必要であり、相手の嬉しそうな表情を読み取るには、前頭葉のコントロール下に右脳が働くことが必要であり、相手の体の動きを認知するには、前頭葉のコントロール下に運動の脳が働くことが必要となるのです。「三つ以上」の異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されている状況にあることが理解できるでしょうか。これ等は全て、『注意の分配力』の機能が働くことに因って初めて達成されることなのです。昨今世の中でもてはやされている「デュアル・タスク」の推奨は、「注意の分配力」の機能に対する理解が浅いと言わざるを得ないのです。

 

&2「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕方の特徴

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病者としてのお年寄り、14689例の患者の脳機能データ(小ボケ中ボケ及び大ボケ全ての段階発病者を含むデータ)が示すものであり、アルツハイマー型認知症発病患者だけに特有な性質として、『MMSE下位項目の項目困難度』(アルツハイマー型認知症の発病者だけに確認される脳機能が衰えていく厳格な順番の存在)、小ボケ及び中ボケの段階の症状の『標準的な滞留期間』、脳の老化のスピード差をもたらす『生活要因』(但し、食生活とは無関係であり、「脳の使い方」としての「生活習慣」という要因であることに留意する)、市町村での『脳イキイキ教室』の運営とその効果に関わる脳機能データが『事象事実』として存在しているのです。これ等の事象事実について、「4つの仮説」の何れも、合理的に説明することは出来ないのです。言い換えると、「4つの仮説」は、『アルツハイマー型認知症』の発病との間に因果関係が存在しない主張内容であり、単なる「憶測の類」ということなのです。

(2) 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのが特徴なのです。更にいうと、『脳のリハビリ』(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマを継続して実践する「生活習慣」により、「前頭葉」を含む脳全体が活性化され、機能が回復してくること)に因り「アルツハイマー型認知症」の症状が改善される=認知症の症状が治ることの可能性の有無及びその程度も、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしているのです(「DSM-4」の第二要件が規定する失語失認、又は失行の症状が「初期症状」であるとする重大な誤りに気づいていない為に、「極めて末期の段階の症状」にしか目が行っていない世界中の権威ある学者や医師達は、治すことが出来ないものと確信犯的誤解していて、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることを知らない儘なのです)。私たちが類型的で代表的なアルツハイマー型認知症の症状として掲げている「小ボケ」の段階及び「中ボケ」の段階の症状と『MCI』の基準(「アルツハイマー型認知症」の前駆的な段階の症状の「判定基準」であるとされている)の内容とを比較してみていただきたいのです。何をもって、これが判定基準となるものであるか、その知識の程度だけでなく、見識自体を疑いたくなるのです。大学の医学部で教鞭をとっていたり、認知症の診断の専門医として病院で診断を行っているというのです。何かが、おかしいと言うしかないのです。

彼らは、権威だけでモノを言っていながら、アルツハイマー型認知症発病のメカニズムに関する『仮説』でしかない(支持する学者の数が多いというだけのものであり、キチンと言うと、誤った内容である)「アミロイドベータ説」を堂々と主張の根拠に挙げていたりする人たちなのです。

 

(3) 更に重要なことは、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「症状の回復」(早期診断と脳のリハビリの実施により治すこと)並びに政府大綱が眼前の重要テーマに掲げている『介護の予防』の可能性及びその程度が、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクしていることなのです。

「小ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、比較的容易

「中ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、未だ可能

大ボケ」:脳のリハビリにより治すことが、最早困難

  アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではないのです。医師が見つけている段階が遅すぎて治せないだけなのです。

認知症が専門の医師達の診断はというと、未だに、「DSM-4」の「第二要件」の規定内容の誤りに気付いていなくて、失語失認失行の症状が初期症状であると誤解した儘なのです。日常の生活面でのセルフ・ケアにも支障が出てくるようになり、介護が不可欠となる段階、末期の段階であり、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の更に後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることも知らずに、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。

 

&3 「前頭葉」の機能の発揮に関わる「三本柱」の機能

 私たちが、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移そうとする際に、器質的な原因病変が何等確認されないにも拘わらず、社会生活、家庭生活及びセルフケアと言った様々な場面で、異常なレベルでの支障が出てくる(認知症の症状が発現してくる)のが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

それらの症状は、米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第一要件が確認を要求している「記憶障害」に起因して発現するものではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因したものであることを以下に説明しておきたいのです。

私たち人間だけに特有な意識的な世界では、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーション結果に基づいて評価し、比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を出す、それが、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(前頭前野に局在する脳機能複合体を言うものとする)の働きなのです。この場合、太字で表記したような機能のことを総称して、「実行機能」(Executive function)と呼ぶのです。ところが、『実行機能』を発揮するに際しては、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が関わってくるのです。「実行機能」の発揮度は、「前頭葉」の三本柱の機能の発揮の具合に左右され、下支えられているという関係、私たちが、『実行機能の機能発揮上の二重構造』と呼ぶ「構造的な依存関係」が存在しているのです。

太字表記して示した実行機能の各々が働く場面を考えてみて下さい。それらすべての機能が、三つ以上の異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されることに気づいていただけるでしょうか。つまり、実行機能が働くには、注意の分配力の機能が関わることが不可欠となるということなのです。加えて、それら機能の発揮度を高めるには、意欲が必要であり、注意の集中力が高まり、或いは、注意の集中力の発揮が継続することが必要となるのです。私たちが何人か集まって、世間話に花を咲かせている時も、会話に加わっているお年寄りは勿論のこと、うなづき、時に笑顔を浮かべて聞いているだけのお年寄りでさえ、『注意の分配力』の機能が働いている(且つ、正常な機能レベルで)ことが、必ず要求されるのです。二つ以上の異なる意識が存在していて、且つそれらを統合し、統括し、コントロールしているのが、「注意の分配力」の機能であり、その下に、意欲、注意の集中力の機能の下支えという機能構造が存在しているのです。私たちは、『表情読み取りテスト』というものを開発しました。笑っているお母さん、泣いているお母さん、怒っているお父さん、やさしい表情のお母さん、酸っぱい表情のお母さんなどの表情をイラストで描いたものなのです。

小ボケ』の段階と判定されたお年寄りは、この表情読み取りテストが不合格となるのです。『意識は、重層的に且つ、注意の分配量の配分差による「覚醒の度合いの差異」を反映して段階的に、異なる複数の意識として、存在している』ことに、世界中の脳科学者が、早く気付いて頂きたいのです。話を元に戻して、即ち、『前頭葉』の三本柱の機能が、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続と言う「加重要因」により、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくと、次第に『実行機能』が、必要なレベルで機能発揮されなくなるのです。その結果として、失語や失認や失行の症状も発現してくることになるのです。

ズボンを頭から被るのは、「記憶障害」に起因してのものでないことを理解してほしいのです。「前頭葉」の機能障害こそが、真犯人なのです。加齢に起因した機能低下に加重される機能低下要因である、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣継続に起因した廃用性の機能低下という要因こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病させ、症状の重症化を進行させていく決定的で、核心的な要因だということに、権威とされる人たちが、早く気付いて欲しいと切に願うのです。

『アルツハイマー型認知症』(脳血管性認知症ほかについて正しい診断が行われさえすれば、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めることになるのです)は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、「脳のリハビリ」により治すことも、症状の進行を緩やかにすることに因る「介護の予防」も、更には、「前頭葉」が活性化する生活習慣の継続(注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの「テーマ」を継続して実践すること)により発病自体を予防することが出来るものなのです。

 私たち二段階方式の考え方及び二段階方式の手技の実践を、全国、市町村の隅々にまで広めていきたいと願っているのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動を拡大展開していきたいと望んでいるのです。介護費用だけで年間10兆円もの金額、天文学的な規模に達している状況を劇的に変化させて、介護離職や認認介護と言った社会状況を失くしていきたいと願ってもいるのです。身体が持つ限り、脳も持たせて、自分らしく第二の人生を生きていく社会を構築させる活動として、世の中に広めていきたいと考えているのです。

東大、京大、理化学研究所で、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムの解明の研究に従事されている方達が、このブログを読まれたなら、『マウスには、前頭葉という脳機能も、注意の分配力の機能も備わっていなくて、何時まで掘り続けようとも、何も出てこない』ことに早く気付いて頂きたいと願うのです。日本でも、特別に権威がある組織なので、マウスを追いかけていて、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らない』とする主張が、世の中を惑わしていることに早く気付き、潔く、撤回を表明して頂きたいと望むのです。

 再度提起しておきます。アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』、私たちが意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移すに際して、器質的な原因病変が何等確認されることが無いのに、社会生活面や、家庭生活面や果ては、セルフ・ケア面での様々な支障が出てくる(認知症としての症状が発現してくる)病気なのです。そのメカニズムは、記憶障害に起因したものではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因したものなのです

加齢』に起因した脳機能の低下(正常老化の性質に起因)に加重される要因、何らかの状況の発生或いはその継続をキッカケとして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な暮らし方=注意の分配力の機能の出番が極端に少なくなる脳の使い方としての生活習慣)が継続されたままで居ると、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の機能低下が進行していくことになるのです。加齢に起因した脳機能の低下という要因とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因、異なる二つの要因が、同時に存在し充足されることによる「相乗効果」に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。

第二の人生』の送り方、脳の使い方としての『生活習慣』こそが、発病させる真犯人なのです。そうであるが故に、老年発症が特徴となるのであり、一時世の中を騒がせた、「若年性アルツハイマー型認知症」なるものは、実在してはいないのです。前頭葉の機能レベルを精緻に判定する手技を持たず、前頭葉の機能構造に無知な人達(学者や医師)が、誤った情報を、権威に任せて、発信しているだけなのです。惑わされないで頂きたいのです。正しくは、「側頭葉性健忘症」(重度の記銘力障害と海馬の萎縮を特徴とするものの、前頭葉の機能が正常な機能レベルに保たれていることが特徴)や「緩徐進行性失語症」(感覚性失語のパターンが殆どであり、喋るわりには、理解が悪いという特徴)とも知らないで、誤診に因る、誤った情報を発信しているだけなのです。

私たちが活動を開始してから25年が経過しているのに、医学会は変わっていなくて、相変わらず、「DSM-4」の規定(現在は、「DSM-5」が提示されているが、意味不明で、無用の代物というしかないレベル)及び「4つの仮説」が幅を利かせているのです。マウスを使うという間違った場所を間違った方法で何処まで掘り続けようと、何も出ては来ないことを指摘しておきたいのです。

製薬会社が「新たな治療薬」の治験の最終段階に入ったという報道を何度も、見聞きしてきました。廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活とは無関係のものであり、第二の人生における脳の使い方としての生活習慣が発病するかしないかを決定づける性質のもの=核心的な要因)であるにすぎないアルツハイマー型認知症治療薬(症状を治したり、改善させたり、症状の進行を緩やかにしたり、発病自体を予防する効能を有する薬)が開発されることは、未来永劫有り得ない事だと断言できるのです。

 

 今日は、久方ぶりに晴れていて、風も無いので、お友達を誘って、おいしいランチを食べに行こうと思ったとしましょう。この程度のこと(誰を誘うか、何を食べにどこへ行こうか、どんな服装で行こうか)を考えるにも、注意の分配力の機能が正常で働らかない限り、無理な相談になってしまうのです。

大ボケの段階とか、中ボケの段階ではなくて、最初の段階であり、認知症専門の学者や医師達が全く気付かないで見落としている段階、小ボケの段階と判定された「お年寄り」にとっては、無理な相談になってしまうのです。

一方で、小ボケの段階は愚か、中ボケの段階と判定されたお年寄りでさえも、それなりに喋るので、学者や医師が気づかない儘なのです。彼等には、権威はあっても、実力が伴っていないのです。認知機能と言う用語を持ち出そうとも、前頭葉の機能はどこかに置き忘れていて、MMSEや長谷川式を持ち出して(左脳及び右脳の機能レベルの判定用のものであり、前頭葉の機能レベルの判定は出来ない)、「物忘れ」程度の評価の尺度しか持ち合わせていないのです。

 

&4「アルツハイマー型認知症」の代表的で類型的な症状の8項目

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムや症状の発現の特徴に関し、「アミロイドベータ説」を支持していたり、「MCI」(Mild Cognitive Impairment軽度認知障害)とかの基準を持ち出すことがあったなら、その人の肩書が何であれ、その人は、「アルツハイマー型認知症」については無知な人だということを此処で明確に指摘し、注意を喚起しておきたいのです。アミロイドベータ説は、マウスにアミロイドベータを注入して(アルツハイマーマウスとか名付けて悦に入っている)が檻の中で餌を探して歩き回るのを観察して、記憶障害が原因で「アルツハイマー型認知症」が発現すると主張しているレベルなのです。『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』の機能も備わっていないマウスを研究材料にしていて、『アミロイドベータが、情報を連絡する神経細胞に蓄積されて生まれてくる老人斑の持つ毒性が、「神経細胞」の大量死を惹き起こさせ、そのことが原因で、記憶障害が惹起されて、その記憶障害に起因して「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくる』という憶測に基づいただけの主張内容であり、発病との間の因果関係を未だに立証することが出来ていない、単なる「仮説」に過ぎないのです。権威がある機関が言うことなら、なんでも正しいという訳のものではない典型例なのです。

最近流行りの『MCI』という基準は、「アルツハイマー型認知症」が、「記憶障害」に起因して発現するとの想定を正しいものとする前提に立脚しただけの主張なのです。これが学説なのかと疑うほど、論理の構成も、内容の記述も、とても幼稚なものなのです。『MCI』という基準を持ち出す人の、「アルツハイマー型認知症」に対する知識の浅さの証明でもあるのです。

物忘れの症状』の程度を基準に発病の『前駆的状態』であるかどうかを判断するものであり、認知機能は正常とするのです。意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能は脇において、手足の役割でしかない、左脳と右脳の機能レベルをMMSE(国内では、長谷川式を使用する機関もある)による判定で、認知機能が正常だと公言しているのです。

意識的な世界は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の世界と言いました。馬が正常であっても、肝心の御者(前頭葉)が異常な機能レベルに在れば、アウト・プットは全て異常なものとなることに気づいていないということなのです。私たちの定義で言う『小ボケ』の段階に「脳の働きという物差し」を当てて記述すると、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在り、前頭葉の機能だけが異常な機能レベルに在るとされているのです。即ち、「小ボケ」の段階の症状は、認知症の症状、『アルツハイマー型認知症』の発病としての「症状」であるということなのです

私たちが、度々指摘し問題提起してきているように、「アルツハイマー型認知症」の発病患者であれば、必ず、「MMSE下位項目の項目困難度」が示す脳機能が衰えていく順番、症状の標準的な滞留期間(小ボケ及び中ボケの期間)、脳の老化のスピード差をもたらす「生活要因」等が示す14689例にも及ぶ『脳機能データ』に従うことになるのであり、「4つの仮説」は、事象事実としてのそれらの脳機能データの存在を合理的、客観的に説明することが出来ないのです。

又、「三段階に区分」される以下の類型的な症状の存在を確認するだけで、『MCI』が基準として活用できる代物でないことも容易に理解できることと思うのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(脳の使い方としての生活習慣であることに注意)が本態である『アルツハイマー型認知症』は、症状が、緩やかに徐々にしか進行して行かないのが特徴なのです。昨日まで「社会生活」を支障なく送れていたお年寄りが、一晩寝たら、突然ズボンを頭から被ったりするようにはならないのです。小ボケ(3年)の段階が有り、次いで、中ボケ(2~3年)の段階を経て、最後に、大ボケ(身体がもつ限り、大ボケの段階が続き、更なる重症化が進行していくことになる)の段階の症状が発現してくるのです。

(2) 「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

小ボケの段階の症状は全て、記憶障害に起因した症状の発現は皆無であり、『前頭葉』の機能障害起因した症状ばかりが発現してくることに注意)

※『小ボケ』の段階の代表的な症状の類型は、以下の通り。

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

(3)「アルツハイマー型認知症」の発病としての最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが『前頭葉の機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです。

ⅰ)「小ボケ」の症状は全て「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び機能の発揮度を下支えし/左右している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(前頭葉の三本柱の機能)が的確且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

ⅱ)私たち人間だけに特有な意識的な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である「実行機能」(Executive functioningの発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、3つ以上の異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが「直接の原因」で、『実行機能』の発揮度が低下していくことを厳密に反映しているのが、『小ボケ」の段階の症状の特徴なのです。末期の段階の症状にしか目が向いていない世界中の権威は、未だに、このことに気づいていないのです。

(4)中ボケ』(中等度認知症)の段階の典型的で特有な症状の8類型

ⅰ)「中ボケ」の段階は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。『アルツハイマー型認知症』の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

ⅱ)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。⇒ 働き盛りの若い年齢者であって(30歳代から50歳代までの年齢での発症例が多い)、「重度の記憶障害(=記銘力障害)」の症状の発現が顕著となっていても(この場合、重度の「記銘力障害」であることが特徴)、自分が置かれている状況に対する正しい及び適切な認識と理解が出来ていて、自分が困っていることを的確に言葉で表現できるなどと言うのは、アルツハイマー型認知症の発病患者には、絶対に起きてこないことなのです。『側頭葉性健忘症』(海馬の萎縮が確認されるのもこの病気の特徴なのです)が正しい診断であるものを、アルツハイマー型認知症についても無知であり、側頭葉性健忘症についても無知でありながら、権威が有るだけの医師達が、誤診し、『誤った情報』を社会に発信し、垂れ流しているのです。マスコミがそのことに気づかないで、『誤った情報をそのまま、発信してもいる』のです(不条理な社会状況が存在)。

ⅲ)『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが原因で(就中、「注意の分配力」の機能の低下が原因で)、「代表的で類型的な症状の類型」として、以下に例示するような症状が自分に起きていることさえも自覚できなくなるのです。

ⅳ)「中等度認知症」(『中ボケ』)に特有で、代表的な症状の8項目

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

   

 (5)末期の段階の『大ボケ』(重度認知症)の段階の脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした特有で典型的な症状の類型の概観

)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

)『大ボケ』になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、殆ど働くことが出来ない程に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであり、記憶障害が原因で起きているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいのです。

ⅲ)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前半で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。

『大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが為に治せないだけなのです。極めて重要なポイントなのです!!)。

 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

ⅴ)「重度認知症」(『大ボケ』)に特有で代表的な類型的症状の8類型

□ 着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

ⅵ)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのと全く同じメカニズムの下で発現してくるものなのであり、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測というべきものなのです。認知症研究の専門家達は、『注意の分配力』の機能についての理解が浅すぎるのです。『注意の分配力』という機能の深い理解が無い限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは不可能事となると言っても過言ではないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想して、思いついたテーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果の洞察、推理、シミュレーションを行い、シミュレーションの結果を評価し、比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定して、実行の決断をして、脳の各部に必要な指令を出しているのです。

上記太字で表記した機能が「前頭葉」の個別認知機能(『実行機能=Executive function』)であり、個別の実行機能が発揮されるには、意欲、注意の集中力の機能の発揮は当然のことながら、『注意の分配力』の機能の発揮なしには、何事も行い得ないことを理解すべきなのです。『意識』の機能構造を解明する上で、『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

   

(6)例示した、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状、それに次ぐ、「中ボケ」の段階の症状、更には、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。私たちが規定する発病の「第二の要件」であり、発病するか/否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、発病するかしないかを決定づける核心的な要因なのです。脳の機能面で言うと、左脳が主役となる『仕事』とは無関係の日々を送ることになる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』(私たちが定義する発病の「第一要件」の充足)が、何かの出来事の発生又はその状況の継続下で、そのことをキッカケにして、何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続していると、前頭葉の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」)の廃用性の機能低下が惹起され、進行していき、異常な機能レベルにまで機能が低下していくことになる(私たちが定義する発病の「第二要件」の充足)のです。その結果、『機能発揮上の二重構造』の関係に基づいた『前頭葉』(「実行機能」=Executive function)の機能障害を惹き起こすことになるのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していくことにより、前頭葉の三本柱の機能(就中、注意の分配力の機能)の廃用性の機能低下が進行して異常なレベルに衰えていき並びに二重構造の関係に基づいた『実行機能』の廃用性の機能低下の進行が惹き起こされてきて、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させていくことになるのです。簡潔な表現を使えば、『前頭葉』の機能障害(前頭葉の三本柱の機能の機能障害並びに実行機能の機能障害という二つの要因の廃用性の機能低下の進行という『加重要因』の存在)こそが、発病を惹き起こす真犯人という訳なのです。これは、人間だけが有する脳機能である、注意の分配力及び実行機能に関わる廃用性の機能低下の問題なのであり、マウスをいくら追いかけまわそうとも、真の原因の究明には繋がらないという訳なのです。ついでに言うと、症状の重症化が進行するメカニズムも、発病と同じメカニズムの下で惹き起こされてきているのです。 

 分かってしまえば、コロンブスの卵程度のもの。『エイジングライフ研究所』という二人だけの小さな研究所の力でも、解明できる程度のものに過ぎないのです。

   本著作物「Eー02」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人たちに、お願いします)。 

エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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政府大綱が推進する介護の予防、 更には アルツハイマー型認知症の発病自体の予防 (E-01 ) 2020.01.01

2020-01-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

   あけましておめでとうございます    1年が巡り、また、この言葉を皆さんにお届けできることになりました。私たち、エイジングライフ研究所の活動は未だ道遠しという状況にあります。世界中の権威あるどの機関もが未だに分かっていないことを、どうやれば、世の中に浸透させることが出来るのか、心が折れそうになるのに耐え、この国を救いたいとの熱い思いがたぎるのです。『二段階方式』の考え方と手技が、日本の隅々にまで離島の果てにまで行き渡り、お年寄り達の一人一人の関心が「第二の人生」における『脳の使い方としての生活習慣』の在り方に対しもっと心配りが行き届くようになり、発病者が劇的に少なくなる日が一日でも早く来るよう、最後の力を振り絞り頑張りたいと思うのです。一方で、夜明けを予感させるかのような動きも、背景にはあったのです(憶測?)⇒ 夜が明ける前が最も暗いことを信じて、気概と気力を保とうと努めてもいるのです。

実は、私たち『二段階方式』の考え方を厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室の方々と直接話し合う場を持つことが出来たのです。会議に参加された方々は、認知症施策推進室長、室長補佐、主査、認知症専門官の4名の方々でした。会議での話し合いの資料として、「二段階方式の活動及び主張の概要のご紹介」(21ページ)、「提言書」の概要の説明書(51ページ)をもとにしての説明と多くのテーマについての実のりある議論が出来ました。MMSE下位項目の項目困難度(「アルツハイマー型認知症」の発病者だけに確認される脳機能が衰えて行く厳格な順番の存在)、症状の『標準的な滞留期間』、脳の老化のスピード差をもたらす『生活要因』、市町村での『脳イキイキ教室』の運営とその効果等「二段階方式」だけが有する脳機能データについて説明することが出来ました。展開の仕方等についても議論は白熱し、極めて多忙な方達が、予定時間を30分も延長して下さったのです。

更には、二段階方式考え方及び手技の記述書である「個別事例判定マニュアルA」(テスト実施と判定及び基礎データと様式編:164ページ)、「個別事例判定マニュアルB」(アルツハイマー型認知症の判定とケース事例解説編:256ページ)及び「個別事例判定マニュアルC」(アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定とケース事例解説編:170ページ)の書籍一式をお渡ししてお手元に残してくることが出来たことは今後の展開について、将来大きな意味を持つことになるのではと、推測してもいるのです。私たち『二段階方式』の考え方は、アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(「脳の使い方」としての意味で言う『生活習慣病』であり、食生活や学歴とかは無関係であることに注意)に過ぎないという考え方であり、日本だけでなく世界中の権威ある機関や人達とは全く異なる視点に立脚した主張(人間だけに特有であり、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界である『意識的な世界』に着目した主張)なのです。

 世界中の権威が『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治したり、症状の進行を抑制することが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張しているのに対し、私たちは、早期診断と「脳のリハビリ」を実施することに因り治すことが出来るし、「介護が不可欠」のものとなる末期の段階にまでは症状を進行させないことにより、「介護の予防が可能」であるし、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する「生活習慣」(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマの遂行という「脳の使い方」としての『生活習慣』の実践)の実践により、発病自体を予防することが出来ると主張しているのです。

私たちエイジングライフ研究所は、1995年の活動開始以来、累積452の市町村で、二段階方式の主張が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです。『二段階方式』の手技を活用した保健師さんと地域のボランティアが協同して展開するアルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした地域住民参加型の『地域予防活動』を実践展開し、考え方が正しいこと及び手技の活用が有効であることを実績として残してきているのです。二段階方式手技の使用(我が国での著作権が確立している「二段階方式の考え方と手技に関わるソフトの使用」)に対する使用料を、導入開始後5年で『無償にした』ことの重大な誤り及び平成の大合併で、高齢化率が高くて、「アルツハイマー型認知症」(正しい診断が行われさえすれば、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めることになる)の予防対策に関心が高く二段階方式を導入していた市町村が、高齢化率がさほど高くなくて、(当時の高齢化率は、現在よりも格段に低かったのです)予防対策に関心が無かった人口が多い大きな市町吸収合併されたことに因り、大半が活動を縮小し/終了して行ってしまったのです。極めて少数が残っているに過ぎないのです。現在は、眼前のテーマである『政府大綱』が押し進めんとする『介護の予防』という施策の推進がメインのテーマとなっている訳なのですが、何年か先には、『二段階方式』が必要とされる新たな展開が待っていると、確信しているのです。発病の予防は、保健師さんがリードする世界となるのです。

野党やマスコミさえもが取り上げない不条理な状況の下で、介護の費用だけで年間10兆円を突破してしまい、この先更に増加傾向が続いていくものと予測されているのです。ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していく状況下では、廃用性の機能低下加重されることに因り『前頭葉』を含む脳全体の機能が加速度的に衰えて行き、「小ボケ」に端を発し、「中ボケ」の段階を経て、最後は末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行していくのです。「大ボケ」の段階では、身体がもつ限り、とどまることなく更に重い症状へと進んで行くのです。介護する側の家族の精神的、肉体的及び金銭的な労苦を考えると、介護が不可欠のお年寄りに対しては、『介護保険』の全面的な適用という措置が不可欠と考えるのです。国民に残された有効な手段は、政府大綱が推し進めようとしている『介護の予防』措置にとどまることなく、更なる対策として、『発病自体の予防』を追求していくことが不可欠となるのです。国民の目と関心とをそのテーマに向けさせるには、住民参加型の『地域予防活動』の市町での先駆的な展開による顕著な実績の積み上げが望まれるのです。

(プロローグ1)昨年の6月18日に発表された認知症予防施策推進に関する政府大綱は、『1.基本的考え方』と題して、今後の予防推進施策について、次のような考え方を提示しています。第1.基本的考え方(以下は、原文の内容のままでの「引用」です)

 今後の認知症施策の推進に当たっては、運動や人との交流・役割等によって、認知症の発症を遅らせることができる可能性が示唆されていることを踏まえ、予防に関するエビデンスの収集・普及とともに、通いの場など、正しい知識と理解に基づいた予防を含めた認知症への備えとしての取組に重点を置く。

また、認知症の発症や進行の仕組みの解明や予防法・診断法・治療法の研究開発を強化する。さらに、引き続き、生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って前を向き、力を活かしていくことで極力それを減らし、住み慣れた地域の中で尊厳が守られ、暮らし続けられるようにするための取組(共生の取組)に重点を置き、「予防」の取組と「共生」の取組を車の両輪として進める。

 (プロローグ2)権威が言うこと、特に、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』について、米国のハーバード大学が、我が国で言えば、東大や京大や理化学研究所が言うこととなれば、皆さん誰もがそれを正しいものと信じると思うのです。 ところが、『事実は、小説よりも奇なり』と言うしかないのです。それらの全ての主張内容が、全くの誤り、重大な誤りなのです。『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という主張が、全くの誤りなのです。

私たちの主張、エイジングライフ研究所が主張する内容こそが正しいのです。その主張とは、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないこと。早期診断と脳のリハビリにより症状を治すことが出来るし、症状の進行を緩やかなものにすることに因り介護の予防が可能であるし、更には発病自体を予防することが出来るタイプの認知症である』というのが、私たち(Kinuko and Tadの二人だけで活動する)小さな研究所の主張なのです。

 ところで、我が国では、「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行してしまい(私たちの区分で言う『大ボケ』の段階の高齢者)、日常の生活面で介護が不可欠となっている高齢者に対する『介護費用』だけで、年間10兆円超えたというのに、野党の議員と言えば、「桜の花見会」ばかりを騒ぎ立てていて、何故か、この問題を国会で議論しようとはしないのです。マスコミさえも騒がないのです。イメージし易い説明をしましょう。※ 一万円札の新札の束が、1cmの高さで100万円です。1mの高さで1億円となります。1kmの高さでは、1000億円です。100km の高さが、10兆円なのです。⇒1万円札の新札を天空に100kmの高さに積み上げた額が、10兆円なのです。

&1「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の特徴と脳機能データ

1.意識を構築する「前頭葉」(前頭前野)機能との関係

(1)『脳の機能レベル』にリンクして、症状が発現するのが特徴

アルツハイマー型認知症症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現するのが特徴です。症状について『脳の働きという物差し』を当てて判定し、「前頭葉」(就中、「注意の分配力」の機能)を含む脳全体が活性化する『生活習慣の改善』を目的とした「脳のリハビリ」の実施による改善(正常な機能レベルに回復すること【即ち、症状が治ること】又は、症状の重症化の進行が緩やかになること即ち、末期の段階への進行を抑制することに因り【介護の予防が確保できる】)の可能性の有無及びその程度により、「三段階」に区分することが出来るのです。二段階方式では、軽い方から順番に「小ボケ」(軽度認知症)、「中ボケ」(中等度認知症)、「大ボケ」(重度認知症)に区分していて、各段階に特有で類型的な症状を10項目ずつ選定し、『30項目問診票』として、判定に活用しています。

1『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の診断に際して、医療機関では、認知機能の検査として、MMSEや長谷川式を使用しているようですが、それ等は脳の後半領域である左脳及び右脳の機能レベルの判定しか出来ず、肝心要の機能である『前頭葉』の機能レベルを判定することが出来ないのです。『エイジングライフ研究所』が独自に開発した『二段階方式』では、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』の機能レベルを「かなひろいテスト」で判定し、(脳の後半領域の)左脳及び右脳の機能レベルは、MMSEで判定しています。

人間だけに特有な世界である意識的な世界の要である『前頭葉』の個別認知機能群(実行機能と総称されるもの)の機能の発揮度を支配し、下支えている機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力という機能に着目して(実行機能の機能発揮上の二重構造の存在に着目した)、且つ、それら3種類の機能発揮状態を精緻に判定出来る手技として開発され、活用されているのです。

症状を『三段階に区分』する目的とその意味は、『脳のリハビリ』実施の有効性(症状を治したり、症状の進行を緩やかにする効果に着目していて)及び可能性の程度により区分しているのです。その場合、症状を治す効果も、症状の進行を緩やかにする効果も、『小ボケ』及び『中ボケ』の段階までのことであり、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまうと(廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能がそこまで衰えて行ってしまうと)、最早「脳のリハビリ」を実施することも並びにその効果を期待することも出来なくなってしまうのです。

従って、『脳のリハビリ』により症状を治すこと及び症状の進行を緩やかにすること可能である、『小ボケ』及び『中ボケ』の段階を見つけるには(早期発見)、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できることが不可欠となるのであり、現状では、『かなひろいテスト』しか開発されていないのです(権威ある機関も、医療機関も、脳の後半領域の機能である左脳と右脳にしか注目していなくて、『意識的な世界』における「脳全体の司令塔の役割」を担っている『前頭葉』については、全くのこと関心を示してはいないのです)。世界的に通説の地位にある『アミロイドベータ説』を主張する権威ある機関(我が国でいうと、東大、京大、理化学研究所がその牙城)が、前頭葉という脳機能が備わっていない、注意の分配力の機能が備わっていないマウスを使い発病のメカニズムを研究しているのです。未だに「意識的な世界」に目が向いていないのです。 

※2 (失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする)『DSM-4』の第二要件の規定内容が「重大な誤り」であることに気づいていないものの、もっと軽い段階を見つける為の指標として提起されたものである『MCI』(軽度認知障害)の基準(発病の前駆的な状態であると説明している)は、相変わらず、アルツハイマー型認知症が記憶の障害に起因して発病するとの考え方である『DSM-4』の第一要件が、正しいものとしての前提に立脚していて、更には、認知機能低下の判断の指標に『物忘れの症状』の程度という極めて曖昧な定義上の記述がなされてもいるのです。「認知機能」の障害と言う用語を使用していながら、「前頭葉」の機能レベルについての言及が無く、用語の使い方自体も極めて曖昧な記述であり(軽度認知障害の状態とは、「物忘れ」やら「認知機能の障害」があっても、「日常生活」に支障をきたさないレベルを言うとされる)、早期の段階を見落とす「間違った基準」であり、不確定な基準というしかないのです。更に、『アルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係についても極めて曖昧』であり、客観的で、活用可能な基準とは言えないと考えるのです。丁度、「AI技術」を駆使して、「大量のデータ」を解析して得られただけの結論、『アルツハイマー型認知症の発病原因(リスク要因)として、「生活習慣」が考えられる』とする最近の主張と似たような面があるのです。世界的な権威があるカロリンスカ研究所でさえも、発病との間に直接の因果関係が存在していない「学歴や食生活」等といった要因が、「アルツハイマー型認知症」の発病リスク要因と考えられると主張しているのです。⇒AI技術による解析の対象となるデータが大量でありさえすればいいという性質のものではないのです。それ等のデータの中に原因に関わるデータ(脳の使い方としての生活習慣)が含まれていない限り、「大量のデータ」を解析しようとも、正しい結論は出てこないのです。

※3 同様の意味で、九州大学が行った久山町の全数調査の結果について、結論に問題があると考えるのです。『糖尿病を患う』ことと『アルツハイマー型認知症を発病する』こととの間には、『直接の因果関係は、存在していないのです。糖尿病患者が60歳を超える年齢の高齢者であること(私たちが定義する、発病の第一要件の充足)及び糖尿病の発病とそれに付随した食生活の制限(摂取カロリー量の制限並びに砂糖及び食用油の厳格すぎる摂取制限)及び体重制限(出来るだけ減量するように指示される)が、「意欲の喪失」をもたらす原因なのです。何事に対しても意欲自体が衰えていき、運動量及び運動する機会の大幅な減少をもたらし、趣味も遊びも交遊の機会も無くなっていき、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が惹起され、継続していくことになるのです。第二の人生を送る高齢の身での糖尿病の発病発病後の過酷な生活制限(食事内容、カロリー、体重制限)意欲の喪失ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の開始と継続前頭葉の廃用性の機能低下の進行「アルツハイマー型認知症」の発病。

★糖尿病の発病及びその後要求される過酷な生活制限(食生活及び体重の制限)と運動不足(医師が指示する過酷な生活条件を遵守する生活)を『キッカケ』として、何事に対しても意欲が出てこなくなり、何もしない(趣味も遊びも運動もしない、果ては、交遊の機会も減ってしまう)ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が始まり、継続されることにより廃用性の機能低下が進行していく(発病の第二要件の充足)ことが直接の原因となり、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行くその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っていただけなのです。

その証拠に、糖尿病患者であっても、若い年齢では、発病しないはずなのです(この場合、高度の記銘力障害海馬の萎縮が認められるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在ることが特徴である側頭葉性健忘症とは取り違えないで頂きたいのです。「若年性アルツハイマー型認知症」は実在していなくて、前頭葉の機能レベルの精緻な判定の為の手技を持たない医師が、側頭葉性健忘症が正しい診断であるものを誤診していて、『発症の対象となる年齢自体が、「老年性」の発症であることが、「アルツハイマー型認知症」の特徴である』のに、「若年性アルツハイマー型認知症」という、この世に実在していない病気を創出しているのです。アルツハイマー型認知症の発病患者であれば、前頭葉の機能が(異常な)レベルに在ることが、必ず確認できるのに対して、若年であって、且つ、「側頭葉性健忘症」の発病患者の場合は、前頭葉の機能が(正常な)機能レベルに在ることが必ず確認できるのです。診断の医師が、両者を鑑別する手技と知識を持っていないのです。

ⅰ)熊地区のほぼ全数(77%)に亘る調査が示す脳機能データのグラフ及び;

ⅱ)医療センターで診断した14689例の発病患者が示す脳機能データのグラフについては、『提言書の概要』の説明書(B)に載せてあるグラフを参照。そこに載せてある加齢に起因した『正常老化のカーブ』の図が緩やかにしか衰えていかないことを示しているのに対して、ⅰ)及びⅱ)のグラフのカーブ(正常老化の要因に廃用性の機能低下が加重された結果、加齢に起因した正常な機能低下の要因とナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることによる相乗効果の結果としてのカーブを示しています)が提示するカーブの意味は、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を惹起させることに因り、『異常な機能レベルに衰えていく』ことを示しているのです(発病並びに症状の重症化が進行するメカニズムを暗黙に指し示す「重要な疫学的な統計資料」でもあるのです)。ⅲ)症状の「三段階区分」(重要なのは、治療の可能性がリンクしていること)

二段階方式』では、アルツハイマー型認知症の症状が前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現し、症状の重症化が進行していくことに着目し、更には、「脳のリハビリ」の実施による回復の可能性の有無及びその程度が「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクしていることに着目し、以下の定義に従い、「アルツハイマー型認知症」の症状を『三段階に区分』しています。

小ボケ』は、前頭葉の機能は異常なレベルに在るが(かなひろいテストが不合格と判定される。即ち、年齢別の基準により、不合格と判定される)、左脳及び右脳の機能は未だ正常なレベルに在ること(MMSEテストで、合格と判定されること。MMSEの換算値が、24点以上であること)と定義されている。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界での様々な思考や行為や行動や言動について、脳全体の「司令塔」の役割を担っている前頭葉の機能だけが既に異常な機能レベルに在ることが要件とされていることに注意。

左脳、右脳および運動の脳の三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である前頭葉が異常な機能レベルに衰えてきている限りは、三頭の馬が正常であろうとも、そのアウトプットとしての症状は既に異常なものであり、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっている(認知症としての症状が発現している。発病の最初の段階である)との考えを基礎として、要件を定義している。

小ボケ』の段階は、左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルに在るものの、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに衰えてきているために、前頭葉の機能障害に起因した症状だけが発現してくるのが特徴です。その結果、家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通の「テーマ」を実行することになる『社会生活』の面での様々な支障(認知症の症状)が出てくることになります。

米国精神医学会の診断規定である『DSM-4』の第二要件は、失語、失認、又は、失行の症状の何れかの症状の発現が確認されて初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病であると規定しているのですが、そのこと自体が極めて重大な誤りであることが見落とされているのです。14689例に及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者の「脳機能データ」の解析結果として、失語や失認や失行の症状は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの換算値が『一桁の得点になって初めて』発現が確認されるようになる症状であり、『極めて重度の症状』だということが、気づかれないままでいるのです。認知症の診断が専門の医師達は、失語や失認や失行の症状を確認して初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病であると考えている為に、せっかく発病を見つけても「治すことが出来ないタイプの認知症である」と確信犯的に誤解し、重大な誤解であるとも知らずに、誤った情報を発信しているのが現状。

中ボケ』は、前頭葉の機能が「小ボケ」の時よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている上に(かなひろいテストが不合格と判定される)、左脳及び右脳の機能までもが異常なレベルに衰えてきていること(MMSEテストが不合格と判定されること。MMSEの換算値が、23点以下15点以上)と定義されています。『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常な機能レベルに在ることが要件とされています(「中ボケ」の脳の機能年齢は6~4歳児)。

中ボケ」は、『家庭生活面』での様々な支障が出てくるのが特徴です。家庭内の簡単な用事程度のこと(食器の後片付け、部屋の掃除、洗濯、洗濯物の片づけ、庭の草むしりetc.)でも、きちんとは出来ないのです。一方で、それなりに口は立つのです。失敗ばかりしては、言い訳ばかりしている『幼稚園児』なのです。

大ボケ』は、前頭葉の機能が「中ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている上に、左脳及び右脳の機能レベルも「中ボケ」の段階のときよりも更に異常な機能レベルに衰えてきているのです(MMSEテストが不合格と判定されること。MMSEの換算値が、14点以下であることが要求される)。

症状を理解する上で、患者に適切に対応する上で、『意識的な世界』を構築し、管理し、統括し、コントロールしている『注意の分配力』の機能が、殆ど働かなくなってきていることに注意が必要です。アルツハイマー型認知症の症状の発現としての失語や失認や失行の症状は、『DSM4』の規定の第一要件が確認を要求している「記憶障害に起因したもの」なのではなくて、前頭葉の機能障害、言い換えると、『注意の分配力』の機能障害に起因して発現してきていることが見落とされ、誤解されているのです。日常会話レベルのことさえもままならず、服を着るにも支障が出てきて(e.g..ズボンを、頭から被ったり、上着に足を通したりする)、或いは、配偶者を我が子と間違えたりするのは、忘れている(記憶障害)からではなくて、注意の分配力の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、殆ど機能しないことが原因なのです。世界中の認知症専門の研究者達の間で、「意識」の機能構造が未だに不明とされている中で、『注意の分配力』の機能構造についても、殆ど知られていなくて、誤った理解のまま、情報が発信されているのです(「デュアル・タスク」の推奨も、その一例)。『大ボケ』の段階になると、『セルフ・ケア』にも支障が出てきて、日常生活面での『介護』が不可欠となるのです(大ボケの脳の機能年齢は、3歳児以下)。

(2) 治療の可能性も、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクしている

ⅰ)小ボケ」は、脳のリハビリの実施により比較的容易に治すことが出来る

ⅱ)中ボケ」は、脳のリハビリの実施により治すことが未だ可能なのですが、

ⅲ)『大ボケ』は、脳のリハビリの実施により治すことが最早困難となります。

※1脳のリハビリ』とは、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する生活習慣への改善(就中、『注意の分配力』の機能の出番が、出来るだけ増えるような生活習慣への改善)を目的とした生活改善指導を言います(ここで言う、生活習慣とは、脳の使い方としての生活習慣を言うのであり、AI技術による大量のデータの解析結果が挙げる「食生活」とは無関係であることに注意)。

※2中ボケ』の前半(MMSEの換算値が20点以上)は、集団による「脳のリハビリ」の実施でも治すことが出来ます。即ち、「中ボケ」の段階になると、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが原因で、自分の生活実態の状況(症状)の自覚が出来なくなってきているので、家族のかかわりが要求されることになります。その場合、それなりの程度での家族の関わりの程度が要求されるものの、回復していくことを感じ取れる状況を獲得することが出来るので、喜びを得る可能性がまだ相当程度あるのです。

ところが、『中ボケ』の後半(MMSEの換算値が19点以下、15点以上)になると、個別メニューによる脳のリハビリの実践でないと、治すことが出来なくなります。「脳のリハビリ」の実施に携わる家族の関わり方についても、要求の度合い及び要求の内容が相当程度の負担を伴うものになることが要求されることになる割に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの更なる低下が原因で、改善の効果がなかなか得られないのです(20点と19点との間の溝がとても深い)。

この段階(『中ボケ』の後半の段階)では、改善させることよりも、末期の段階であり「介護」が不可欠となる『大ボケ』にまでは進行させないことを、即ち、『介護の予防』を目指すべきことが基本になると考えるのです。その意味で、中ボケの(後半)の段階にあるお年寄りは、同居その他条件が特別に許す家族の場合のみ、例外的に家族による介護を考えて、基本的には、医療機関、又は、介護施設の利用を考えるべきものと考えるのです。

2.市町村が実施の主体となる『地域予防活動』と医療機関との関係

(1) 市町村の保健師さんが主導し、地域のボランティアとの協働の下に運営される住民参加型の『地域予防活動』の展開は、『アルツハイマー型認知症だけを対象として(特化して)実施すること並びに二段階方式の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して行うことにより、実施する業務全般について、『医行為』が関わることが無いように制度設計されています。

(2) 加えて、本当の意味での早期の段階であり、脳のリハビリの実践指導により前頭葉を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させること(症状を治すこと)が可能である『小ボケ』及び「中ボケ」のみを判定並びに治療の対象としています(活動の対象を、小ボケ、中ボケ及び正常者に限定)。具体的には、小ボケ及び中ボケの前半については、『脳のリハビリ』の実践指導により、治す(前頭葉を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させる)ことが目標であり、「中ボケ」の後半及び大ボケは、『医療機関に委ねる』のを基本にしています。

1二段階方式のテストの過程では、「大ボケ」の判定も行いますが、回復させることが未だ可能である「中ボケ」との区別を確認することが目的に過ぎず、「大ボケ」の段階にあると判定された個別のケースについては、家族に対し、適切な医療機関(適切な診察科)を推薦し、受診を進めるようマニュアル化されています。『個別事例判定マニュアルC』は、アルツハイマー型認知症以外のタイプの認知症並びに認知症と紛らわしい病気についての、詳細で不可欠の内容を記述しています。これ等についても、「二段階方式」の手技を実施する過程で鑑別できるのです。扱う対象外であること及びこれに因る知見を基にして適切な受診先(医療機関)を家族に対し指導するようマニュアル化されているのです。この結果として、これまで累計452の市町村で展開してきた活動に対し、医療機関からのクレームや批判が起きたケースは、1件もありません。市町村によっては、医療機関の側からの積極的な「協働の働きかけ」を受けることもあるそうです。市町村が行う早期発見と早期治療並びに発病自体の予防の領域を明確にして、且つ、役割分担を明確にして実践展開してきたのです。

『住民参加型の地域予防活動』の第一義的な目的は一次予防、発病自体の予防に在ります。

その為の一つの方策として、二段階方式では、『前頭葉』の機能(就中、注意の分配力の機能)が活性化する為の体験教室として『脳イキイキ教室』の継続的な開催を要求しています。加えて、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症である』という重大な『誤り』の内容が、権威ある機関や医療機関等から情報発信されてきた為に、地域住民全体にその誤った情報が深く浸透してしまっているのです。こうした状況が継続している下では、住民参加型の地域予防活動の開始が困難との判断から、地域予防活動の展開に先立ち、地域の住民に対する講演会(ボケは防げる治せる)の開催を、義務付けてもいるのです。

3とは言え、講演会を開催したり、小冊子(ボケは防げる治せる)を配布してさえいれば、地域住民に深く浸透するほど状況は甘くはないのです。それ程、権威ある機関や人達の誤った情報が深く浸透し、地域住民、我が国の国民全体の心の奥底にまで、深く浸透してしまっているのです。これを覆す方法は唯一

脳のリハビリ』の指導により治して見せることに因り、脳の使い方としての生活習慣、第二の人生での脳の使い方こそが、発病するかしないかを区分ける唯一で核心的な要因であることを実証して見せることに尽きると考えるのです。『治して見せる』ことに因り、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する、老化・廃用型生活習慣病に過ぎない』ものであり、第二の人生における『生活習慣』、脳の使い方としての暮らし方、『前頭葉が活性化する(就中、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多い)「生活習慣」の構築とその継続的な実践が、発病自体を予防してくれる方法だ』という考え方を植え付けることになる、効果的な方法であると考えているのです。発病の予防方法についての詳細な記述は、『提言書の概要の説明』を参照して下さい。

4 「小ボケ」及び「中ボケ」に対する治療(症状を治すこと)は、「アルツハイマー型認知症」の本態が廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないことに鑑み、『脳のリハビリ』の実践という方法以外は存在していないのです。症状を治したり、症状の進行を抑制したり、又は症状の進行を緩やかなものにする効能を有する薬(治療薬)は存在し得ないものと考えているのです(治療薬が開発されることは、この先も有り得ない事)。症状が発現する程度を抑制したり(抑制型)、或いは、昂進させたり(昂進型)する効能を有する薬、即ち、対症療法薬しか存在し得ないし、存在していないのです(既存の4種の薬は全て、対症療法薬に過ぎないのであって、治療薬ではないのです)。症状の進行を緩やかにする(遅らせる)効能を有するとの謳い文句で販売されている薬は、薬の効能の評価を誤っているにすぎないのです。その根拠は、私たちが有する「脳機能データ」であり、その詳細は、『提言書の概要の説明』と題する添付書Bの『&14 症状の継続期間と「脳の老化のスピード差」をもたらす生活要因』(P48)が証拠資料なのです。「治験の過程」で、製薬会社がそこに掲げる生活要因の存在に気づいていない為に誤った評価を行っているだけなのです。我が国に次いで高齢化が進んできているフランスでは、既に、これら4種の薬について、治療薬としての効能(症状の進行を緩やかにする効能)が認められないとして、健康保険の適用対象から除外されてもいることを最近知りました。

(3) 市町村が対応可能な人員体制の問題(二段階方式を業務展開する保健師さんの人数とその体制及び首長の取り組み姿勢)も考慮し、更には、『症状を治して見せること』(回復させること)の可能性及び『脳のリハビリ』の指導が要求される業務の内容の程度から、保健師さんが症状を治して見せる対象は、小ボケ及び中ボケの(前半だけ)とし、中ボケの(後半)から大ボケの段階にあると判定された『お年寄り』に対する対応は、医療機関に任せるべきものと考えているのです(マニュアルで、そうした指導を制度化しています)。『個別事例判定マニュアルB』はアルツハイマー型認知症だけについて記述が為されていて、『個別事例判定マニュアルC』は、アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気について記述していて、医療機関の受診を家族に勧めることとされています。

3.発病者の脳の老化のスピード差をもたらす「生活要因」との関係

「アルツハイマー型認知症」の発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が確認されてから3年が過ぎると(4年目から)、次の段階である「中ボケ」の段階に入っていきます。中ボケの症状が確認される期間が2~3年経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていき(標準的な滞留期間が存在)、「大ボケ」の段階は、身体が持つ限り(何等かの他の病気、又は、老衰により死を迎えることになるまで)続いていくのです。「大ボケ」の段階の様々な症状が発現するという大枠の中で、症状が次第に重いものになっていき、最後は、植物人間状態になるまで症状が更に重くなり、進行していくのです。

「アルツハイマー型認知症」は、本態が廃用性症候群に属する老化廃用型の「生活習慣病」に過ぎないので、その発病が原因で死亡することは無いのです。

    加齢に起因した機能低下のカーブ  廃用性の機能低下が加重された機能低下のカーブ(熊地区のほぼ全数に亘る調査 )  

&2「アルツハイマー型認知症」の発病及び重症化が進行するメカニズム

(1)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』が、何等かの出来事や状況の発生、又はその状況の継続を『キッカケ』にして、何事に対しても『意欲を喪失』した状態が続くようになり、そのことに起因して、『前頭葉』の出番が少ないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を送るようになり、その生活習慣が継続していると、単調な生活習慣の継続という状況の下で、出番が少なくなり使われる場面が大幅に減った『前頭葉』(就中、「意識」を構築し、管理し、統合し、統括し、コントロールしている「注意の分配力」の機能)が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。

(2)『加齢』の進行に起因した脳の機能低下(正常老化)という要因(私たちが定義する発病の「第一の条件」)に加えて、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されることによる「廃用性」の機能低下が進行することにより(私たちが定義する発病の「第二の条件」)、前頭葉を含む脳全体の機能の老化(機能低下)が加速されて、働きが急速に衰えていきます。異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』(実行機能)を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです。☆そこには、「何等の器質的な原因病変」が存在していないし、「DSM-4」の規定の第一要件が提示するような「記憶障害」が発病の原因ではないのです。

(3)上述した異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることによる相乗効果により、『廃用性の、加速度的で異常な機能低下』が進行していく場合に、脳の司令塔の「前頭葉」だけが最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番で、異常なレベルに衰えていくのが特徴なのです。

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続という、『第二の人生』における脳の使い方としての単調な『生活習慣』の継続に起因する病気なのです。言い換えると、『廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです』(私たち独自の主張)。

高齢者であろうとも、肩書だけではなくて現職で仕事を続けている場合は、アルツハイマー型認知症を発病することは無いのです(『日々の仕事の遂行』という「テーマ」があり、状況や環境の分析と理解、状況判断に沿った目標の設定、目標達成のために活用する不断の創意や工夫、結果のシミュレーション、シミュレーションした結果についての評価と選択、実行の決断など、『注意の分配力』の機能の出番が多い生活習慣が継続されていることで、前頭葉の機能についての廃用性の機能低下が惹き起こされることが無い為発病しないのです。

【☆1991年に実施した東京都、神奈川県、静岡県、愛知県に居住する『超100歳老人』819人に対する(全数の)調査結果の「脳機能データ」が示唆】

このメカニズムを解明するには、前頭葉の機能構造、前頭葉の三本柱と私たちが名づける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、特に、注意の分配力の機能の廃用性の機能低下という要因、更には、前頭葉の個別認知機能群を構成している『実行機能』と言う脳機能の発揮度を左右し、下支えしているのが前頭葉の三本柱の機能であるという『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』及び『意識の機能構造』についての深い理解が不可欠となるのです。

その意味で、前頭葉の機能も注意の分配力の機能も備わっていないマウス(アルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を探して彷徨する状態について、何時まで、どれ程追求しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズムを解明することは出来ないはずと考えるのです。

(4) 生来的に脳に宿る性質としての脳機能の老化(「正常老化の性質」)

加齢に起因した機能低下という要因だけでは、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルにまで衰えていくことは無いことについて、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した脳機能データが実証しているのです(正常老化の性質)。即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病は、加齢の延長線上にあるとの見解は誤りなのです。加齢に起因した老化(機能低下)の進行という要因並びにナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という、異なる二つの条件が同時に充足されることによる相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことにより発病し及び、その機能障害の進行の度合いにより、言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現する症状、私たちの区分で言う『小ボケ、中ボケ及び大ボケの三つの段階』の症状、「アルツハイマー型認知症」に特有な症状が類型的に発現してくるものなのです。

これが、世界中の認知症研究の専門家達の間で未だに『発病の原因が分からないし、治すことができないし、予防することも出来ない』とされているアルツハイマー型認知症の発病と重症化のメカニズムなのです(私たち独自の見解)。

& 「マウス」の動きを追求し続ける医学会の現在の状況

1.『アルツハイマー型認知症』の発病原因について世界中の医学会の状況は、アミロイドベータ説(世界的に通説)、タウタンパク説、アセチルコリン説及び脳の萎縮説の『4つの仮説』が提示され、未だに主張されているのです。その内でも、アミロイドベータ説(アミロイドベータという蛋白質が何等かの機序により、情報を伝達する役割を担っている神経細胞に沈着して発現する老人斑なるものの持つ毒性が、沈着した神経細胞の大量死を惹き起こし、「記憶の障害」が惹き起こされることが原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病するとの仮説)が我が国でも通説の地位を占めているのです(東大、京大、理化学研究所が『アミロイドベータ説』の牙城)。

2.とはいえ、「仮説」であるということは、『「発病の原因」として主張されている内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するはずの肝心の「因果関係の存在」を未だに立証できていない』ことを意味します。言い換えると、それらの主張内容は、単なる推測、憶測の類ということになるのです。

私たちは、「アルツハイマー型認知症」の発病患者(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階を含む)14689例の脳機能データとしての『MMSE下位項目の項目困難度』が示す「衰えて行く順番」の指標、早期の段階(小ボケ及び中ボケ)の標準的な「滞留期間」の指標等の『事象事実』から、「アミロイドベータ」の神経細胞への沈着による老人斑の生成は、「アルツハイマー-型認知症」の発病原因なのではなくて、末期の段階にまで症状が進行した結果としての副産物だと考えるのです(アミロイドベータ説では、上記事象事実としての「脳機能データ」を合理的に説明できないのです)。

&4 導入市町村による『住民参加型の地域予防活動』展開の基本的な考え方

1.実施する内容とその対象(小ボケ、中ボケの前半、発病自体の予防が対象)

(1) 二段階方式の考え方に基づいて、二段階方式の手技を活用して実施すること

(2) 住民参加型の地域予防活動は、活動の対象をアルツハイマー型認知症のみに限定し、並びに、「正常なお年寄り」の脳の機能レベル(「前頭葉」の機能)を正常な機能レベルのままに保つことを第一義的な目標とし、且つ、「小ボケ」及び「中ボケ」の前半と判定された『お年寄り』を対象として、『脳のリハビリ』の実践により回復(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルにまで回復させる=アルツハイマー型認知症の症状を治す)させることを第二義的な目標とし、第三義的には、それらのレベルのお年寄りについて、『脳のリハビリ』の実践指導により、日常生活の面で介護が不可欠となる「大ボケ」の段階に迄症状が進行するのを抑制すること(症状の進行を緩やかにすること)を達成目標、即ち、「介護の予防」を確保することを目標としていて、更には、「中ボケ」の後半及び「大ボケ」の段階と判定された『お年寄り』に対しては、『適切な医療機関の受診を介護者に対して助言する』ことを活動の基本的な考え方として、「マニュアル」化し、制度化しているのです。

(3) 上記(2)の成果により及びその顕著な成果の実績を積んで見せることにより、『アルツハイマー型認知症』が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないものである』こと及び脳の使い方としての生活習慣の実践である『脳のリハビリ』により早期の段階で見つけると治せること並びに脳が活性化する生活習慣(「注意分配力」機能の出番が出来るだけ多くなるテーマを実践することにより、『前頭葉』が活性化することになる生活習慣)の構築と実践により、発病自体を『予防』することが出来るタイプの認知症であることについての情報発信により、本来の目標である第一次予防の考え方とその実践とを地域住民に対して、更には、国民全体に対して浸透させていきたいと考えるのです(現在は、Gooブログ上に公開。東日本大震災の発生の翌年2012年の3月に開始し、公開の累積回数は230回に及びます。字数で言うと、500万字。“認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム”がその表題です)。私たちの主張内容は、『前頭葉』の機能レベルを核とする精緻な判定、多数のデータおよび「実証」が特徴なのです。権威は有っても、推測や憶測ばかりしている人達とは、主張内容の次元が異なるのです。

2.『医行為』が関わらないこと及び医療機関との棲み分けが明確であること

(1)「二段階方式」の考え方に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して展開する住民参加型の「地域予防活動」の展開により、市町村の保健師さんが業務の全般を担うことになる本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケからの回復及び介護の予防並びに発病自体の予防)については、CTやMRIやPET等の医療機器の使用が無く、薬の処方も無いので、医療機関は、必要な規模での売り上げが立たないし、利益が出ないのです(過去に、50を超える数の、大規模の医療機関と契約しましたが、共産党系の医療機関でさえも、上記理由のみで、使用をやめていきました。私たちの実務研修会に出席して、政府に問題を提起したいと感動していた多くの医師達でさえ、『二段階方式の手技を活用する心理担当者の人件費さえ出ないのが中止の理由』(本音)ということなのでした。

(2)「中ボケ」の後半から「大ボケ」については、医療機関の方が対応するのに適していると考えるのです。中ボケの後半でも、「脳のリハビリ」の実施により回復させることが未だ可能ではあるのですが、本人の「前頭葉」の『注意分配力』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「脳のリハビリ」の実施には、家族も共倒れのリスクがある(前頭葉の機能レベルの低下から個別の実施メニューが必要となる一方で、「脳のリハビリ」の実施の必要性を理解できなくて、取り組みに対する意欲も機能レベルが相当程度低下してきていて、家族の負担が極めて大きくなり)ので、医療機関との関係を密にしつつ、その後の生活を続けてもらうしか方法がないと考えるのです(現在処方の対象となっている、「4種の薬」は、治療の効果はないものの、症状の発現の仕方を抑制し/又は、昂揚させる「対症療法薬」としての効能は有しているので、「介護する側」の労苦を和らげる効果が期待できるからです)。発病を末期の段階で見つけるやり方であれば、アルツハイマー型認知症の発病の有無の診断も、CTやMRIやPETの機器を活用することが許されるので、必要な規模の売り上げを稼ぐことが出来るし、「対症療法薬」の処方も行えることになるのです(棲み分けが可能)。

(3) それらの諸対策に加えて、最終的には「介護施設の利用」ということになるのです。『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』をどれ程幅広く展開し、拡大し、密な活動が展開される時代がやってこようとも、介護が不可欠となる『大ボケ』の段階の症状が発現してくる『お年寄り』達の数が、相当な規模で出現する状況は、必ず、不可避的に起きてくると考えるのです。自分なりのテーマを追求して、自分なりの目標をもって、趣味や遊びや人付き合い、運動、更には、地域の行事や催事に参加して、或いは、参画して(「注意の分配力」の機能の出番が多い日々となり)、自分なりに楽しみ、自分なりの喜びや生き甲斐を覚えることが出来る、そうした第二の人生を送っていることが出来れば(「前頭葉」の廃用性の機能低下が起きては来ないので)、「アルツハイマー型認知症「」の発病は防げるのです。But、何かをキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まるお年寄りが出てくることは、防げないのです。

その場合にこそ、「大ボケ」のお年寄り全員が介護保険制度の適用が受けられることが保証されてさえすれば良いと考えるのです。「介護離職」や「認認介護」が社会問題とならない状況を確保することが、極めて重要だと考えるのです。

 本著作物「Eー01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。 

 

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アルツハイマー型認知症(「アルツハイマー病」とは、根本的に異なるもの)の末期の段階と類型的な症状(D-10)

2019-10-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

(プロローグ)世界中の認知症研究の専門家達から異句同音に、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であると言われている『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であるにすぎない【但し、此処で言う生活習慣とは、食生活とは関係が無くて、第二の人生を送る上での、脳の使い方としての『生活習慣』を言うことに注意)のであり、早期診断により治せるし、「脳のリハビリ」の実施による症状の進行の抑制(末期の段階である「大ボケ」にまではさせないこと)により介護の予防が可能であるし、更には、脳(「前頭葉」を含む脳全体の機能)が活性化する『生活習慣』の構築と実践により発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが私たち『二段階方式』の主張なのです。kinukoとtadaoの二人だけが研究及び指導活動の中核である、小さな組織エイジングライフ研究所は、数多くの『市町村』での実践により、私たちの主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのです。残念ながら、私たちには権威が無く、市町村で実践するのが医師ではなくて、保健師さんであること等もあり、世の中に十分浸透していかないのです。第二の人生を送っているお年寄りで、私たちの主張内容に興味がある方は、ぜひ実践して見ていただきたいのです。時間はかかろうとも、将来的には、私たちの主張内容が正しいことが認められ、「世界標準」となる日が必ず来るのですから。医師達に更なる問題を提起したいのです。正しい診断が行われれば、様々な種類が数ある認知症のうちの90%以上をアルツハイマー型認知症が占めることになることであり並びに『アルツハイマー型認知症』こそが、早期診断により治せるし、脳のリハビリの実践により症状の進行を緩やかにして、末期の段階の大ボケにまでは落とさない(症状の段階を中ボケまでにとどめる)ことに因り『介護の予防』が可能であり、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』の構築と実践により『発病自体を予防』することが出来るのです。

)様々な種類が数有る認知症の内の90%以上を『アルツハイマー型認知症』が占めていることに注意してください{皆さんが日常見かける認知症の内の殆どのものは、「アルツハイマー型認知症」なのです。徘徊したり、家族の顔が分からなくなったり、ズボンを頭から被ったりするようになるのは、末期の段階の症状(日常の生活面での介護が不可欠となり、もはや治すことが出来ない大ボケの段階)なのであり、『脳のリハビリ』の実践により治すことが出来る段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階というもっと軽い段階があるのを専門家達が見落としているだけなのです;左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」であり、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』の機能レベルの判定が不可欠なのであり、馬車を牽引するだけの馬の役割である「左脳及び右脳」という脳の後半領域を判定するだけでは、見つけられないのです}。

 

&1「諸学説」の主張内容の誤りとその概要

アルツハイマー型認知症』(生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけが発病の対象となり、若年発症を特徴とし、一旦発症すると極めて急激に症状が進行してしまい、治すことも、症状の進行を抑制することも、発病自体を予防することも不可能な「アルツハイマー病」とは,根本的に異なるタイプの認知症であることに注意して下さい)の発病原因について重大な誤りの内容でありながら、未だに権威を保ち続けていて、世の中に害悪を流し続けているのが、米国精神医学会が策定したアルツハイマー型認知症の診断規定である『DSM―Ⅳ』の規定(“Diagnostic Criteria From DSM-Ⅳ”)は、現在は、DSM-Ⅴが発行されているのですが、内容が実態を説明できない不都合を解消しようとして試みられた改訂の結果、規定内容があいまいになってしまい、『発病原因と初期症状』については、DSM-Ⅳの規定内容が医学会では今も幅を利かせたままなのです。

DSM-Ⅳの規定では、発病の原因について規定する「第一要件」が、「記憶障害起因して発病する」(memory impairment )と規定し、更には、「第二要件」が、「失語、失行又は失認の症状が初期症状である」と規定し、発病と診断する為には、両者の確認を要求しているのです【  one or more of the following cognitive disturbances:a)aphasia, b)apraxia, c)agnosia, d) disturbance in executive functioning 】。

この規定が未だに世界的に権威を保ち続けていて、第一の要件が正しいものとの前提に立って、発病原因に関する『4つの仮説』が提唱されてきているのです。即ち、記憶障害を惹き起こす犯人として、アミロイドベータの蓄積老人斑)が原因と想定したのが「アミロイドベータ仮説」であり、タウ蛋白の沈着神経原繊維変化)が原因と想定したのが「タウタンパク仮説」であり、アセチルコリンの不足が原因と想定したのが「アセチルコリン仮説」であり、脳の萎縮が原因と想定したのが「脳の萎縮仮説」に過ぎないのです。それらの学説の全てが仮説とされているのは、それぞれが発病の原因と主張する主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を未だに立証することが出来ていないからなのです【因果関係自体が存在していないというのが、『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実としての『脳機能データ』の存在を根拠とした私たちからの反証なのです】。認知症研究の専門家として及びそれを支える肩書だけを背景にして、権威だけを振りかざして、何時まで、憶測の類を主張し続けるのでしょうか。

1廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態であるにすぎない『アルツハイマー型認知症』の場合、脳の機能が異常な機能レベルに衰えて行く/更なる異常な機能レベルに機能低下が進行していく際の『厳密な順番』が存在していることが確認されるのです(『二段階方式』の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」発病患者の『脳機能データ』が根拠データなのです)。その場合は、脳の機能部位についての順番と『MMSE下位項目の項目困難度』の順番に見られる脳の個別認知機能についての順番が確認されるのです。脳の機能部位についての順番では、『前頭葉』が真っ先に異常な機能レベルに衰えていくのであり(小ボケの段階)、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えて行く(中ボケを経由して大ボケ)のです。DSM4の第二要件の規定内容は、このこと(衰えて行く順番)を知らないで、上述したように、同列に規定したものと言うしかないのです。『アルツハイマー型認知症』の発病である場合は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が真っ先に衰えて行くという事象事実小ボケの段階の症状が発現する脳全体の機能レベル】の存在が確認されているのです。「アルツハイマー型認知症」の三段階に区分される段階的な症状という重要な区分及び視点の必要性を理解すべきなのです。更なる事象事実としての証拠である、脳の個別認知機能についての廃用性の機能低下により衰えて行く厳密な順番として『MMSE下位項目の項目困難度』のデータが示す順番が存在していて、その順番は、『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合は/ある場合に限って、必ず以下の順番の通りとなるのです。項目困難度が高い順番に:想起;注意と計算;時の見当識;所の見当識;三段階口頭命令;模写;文を書く;記銘;書字命令;復唱;命名と言う順番に出来なくなっていく『極めて厳密な順番』の存在が確認されるのです。

2)そもそも、アルツハイマー型認知症の発病としての「記憶障害」自体が、『前頭葉』の廃用性の機能低下の進行に因る機能障害、更なる要因としては、『意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力』の機能の廃用性の機能低下の進行に起因して惹起されることに気づいていないことが問題。海馬が、短期記憶と長期記憶とを仕分けている等と奇妙奇天烈な説明が幅を利かせていたりするのです。『記憶のメカニズム』についてのその程度の理解(実は、誤解なのですけど)を基にして、「アルツハイマー型認知症」の症状(但し、認知症の専門家とされる人達は、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状については見落としていて知らないので、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状のことを考えているだけなのです)が、「記憶障害」に起因して発現してくるものと誤解し、信じて居るという訳なのです。そもそも、『記憶』は、記銘保持想起という過程があるのであり、良く記銘された対象は、良く保持され、良く想起されるものなのです。『記銘度』を左右するのは、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の関わり方次第なのであり、加えて、各機能に対する『加齢』に因る機能低下(アルツハイマー型認知症を発病すると、廃用性の機能低下が加重され、加速度的に機能低下が進行していくことになるのです)の進行という要因が背景にあるのです。短期記憶となるか/長期記憶となるかは、それらの各要因のもたらす相乗効果による結果に過ぎないのであり、『海馬が仕分けている』というのは、単なる憶測にすぎないのです。『その結果、後述する「大ボケ」の段階の症状、更には、「大ボケ」の後半の段階になって初めて発現が確認される失語や失行や失認と言った症状が、記憶障害に起因して発現するとの憶測に基づいただけの誤った規定内容である『DSM-4』の第一要件の規定内容を微塵も疑うことなく信じて居るありさまなのです。注意の分配力の機能の働き無しには、私たちの意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界は有り得ない事を知らないのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行内容を計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションし、シミュレーションの結果を評価し、比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断を下して、脳の各部に実行の指令を出すには、『注意の分配力』の機能なしには、何事も行うことが出来ないことを知らないのです。太字表記した実行機能群は、注意の分配力の機能が関わることに因って初めて機能を発揮することが出来るという重要な機能構造に気が付いていないのです(私たちが世界で初めて発見した『実行機能』についての、機能発揮上の二重構造の問題が存在しているのです)。

1)昨日の夜更かしがたたって、今朝は遅くまで寝ていて、目覚めてみたら小ぬか雨が僅かに降っている状態だったのです。天気だったら、ゴルフの練習に行く予定だったのですけど、予定を変更することにしたのです。伊豆高原のすいらんそうという地区内に、名古屋・カフェがオープンしていて、御近所の評判が良いのを聞き知っていたので、そこへ行って、ブ・ランチと決め込むことにしたのです。実は、この程度の選択でさえも、「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルに在ることが不可欠の条件となるのです。「大ボケ」の段階に在る「お年寄り」はおろか、「中ボケ』の初期、MMSEの換算値が20点を確保できている「お年寄り」であっても、もはや困難なことなのです。「DSMー4」の規定の策定者達も、「4つの仮説」の提唱者や支持者達も、皆さん、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという「物差し」を持たないがために、客観的で合理的な根拠も無いまま、権威に任せて、誤りだらけで意味不明の主張を展開しているのです。アルツハイマー型認知症」の症状を発現させている張本人(核心的な要因)は、「記憶の障害」という要件とは無関係のものなのです。認知症研究の専門家という肩書をひけらかしつつ、「記憶障害」とか、「認知機能」とか言う専門用語を並べ立てながら、肝心の意識的な世界、意識を構築し、統括し、コントロールする脳の機能構造については全くの無知な人達ばかりなのです。『前頭葉』と言う脳機能が備わっていなくて、『注意の分配力』の機能も備わっていないマウス(アルツハイマーマウスとて同じこと)の尻を追い掛け回しているだけで、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカイズムや発現する症状について、テレビに出て来てまでして、物知り顔に語る人達の自尊心の奥底をのぞいてみたいと思うのです。どんな「評価の物差し」が眠っているのでしょうか。

意識機能構造を理解できない限り、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、特に重要な要因である、廃用性の機能低下という要因に辿り着くことは出来ないのです。認知症研究の専門家達の正しい理解がいつの日になるのか。

2)人類最大の難問と言ってもいい程の超難問であり、未だに機能構造が解明されていない『意識』の機能構造が関わるのが、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムなのです。『実行機能』の機能発揮上の二重構造の問題、実行機能の機能の発揮度を左右し、下支えている機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能についての、「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての生活習慣ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続起因した廃用性の機能低下という加重要因、更には、多重、多層に構築され、存在し、コントロールされている『複数の意識』を構築し、統括し、統合し、コントロールする上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能についての深い洞察と理解なしには、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状が重症化するメカニズムを解明することは不可能なことなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて、世界中の認知症研究の専門家達が未だに仮説の類しか提示できていない背景には、意識的な世界意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界の要となる機能が、私たち人間だけに特有な機能であり、専門家達にも余りよくは知られていない『注意の分配力』という脳機能であるからなのです(ここを「クリック」してください)。『意識』について語る専門家達でさえ、『注意の分配力』の機能については、洞察も深い理解も、未だに為されていないのが現状なのです。

3)『アルツハイマー型認知症』を発病させる原因としての第一の要因は、『加齢』に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能低下の進行という要因であり、そのことに、加重される原因要因である『廃用性の機能低下という』第二の要因の存在に、専門家達が、未だに気が付いていないのです。

第二の人生』における「キッカケ」を契機に「意欲を喪失」したことで開始されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下という要因の同時存在による「相乗効果」に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくことに因り発病し、症状の重症化が進行していく病気なのです。第一の要因である『加齢』に起因した機能低下の進行という要因と第二の要因であるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因、異なる二つの要因同時に存在し、充足されることによる『相乗効果』に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくこととなり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現し、症状の重症化が進行していくという特徴を有するのが、『アルツハイマー型認知症』なのです。「記憶障害」に起因して発病するとか、症状の重症化が進行するとかいう主張は、単なる憶測の類に過ぎず、客観的的で合理的で科学的な根拠を持たない主張なのです。

 

&2「三段階」に区分されるのが、「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴

アルツハイマー型認知症』の末期の段階であり、『脳のリハビリ』の実践に因る回復が最早困難となる段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階は、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の働きが「中ボケ」のときより更に異常なレベルに加速度的に衰えてきています。然し、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、司令塔の『前頭葉』の個別認知機能群(「実行機能」と総称される)を構成する各個別機能が、殆ど働かなくなっているとはいえ、「大ボケ」の前半の段階(MMSEの換算点が、14点以下10点迄)であれば、左脳と右脳と運動の脳の働きは未だある程度残っているのです(『時の見当識』で言うと、季節があいまいになってきてはいても、昼夜の区別はまだできる脳の機能レベルに在る)。

重度認知症」(大ボケ)の段階になると、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」寝たきり状態になって殆ど機能していないのです。前頭葉の「三本柱」の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が殆ど働かないので、就中、「実行機能」が機能を発揮する上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が殆ど機能しないレベルに衰えてきているので、いろいろな場面で要求される「個別認知機能」自体が殆ど働いていない状態なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットが、「大ボケ」の症状となって現れてくるのです。直前に食事をしたことさえ覚えていない「重度の記憶障害」の症状等は、その典型です。脳の機能レベルは、3歳児以下のレベルであり、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるようなテーマや会話には、或る程度の対応ができるのですが、身体に浸みこむほどの経験がないテーマや通常レベルでの会話には殆ど対応出来なくなっているのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を厳密に反映したものなのであり、専門家達が主張するような「記憶障害に起因した(或いは、記憶障害を反映した)症状」ではないのです。

但し、3歳児以下のレベルといっても、症状が進行するにつれて、「機能年齢」は急速に0歳に向かって衰えて行くことになり、同時に「症状」が重くなっていきます。「アルツハイマー型認知症」は。脳がもたないのに、身体がもつのが特徴なのです。そのため、症状が進行するにつれて左脳も右脳も機能が急速に衰えて行くのに対して、身体だけは持つのです。重度認知症(大ボケ)は、MMSEの換算値で14点~10点迄の人と10点を切った人とでは、全く別の視点からの『介護対応』が必要になると考えてください。認知症のお年寄り(「アルツハイマー型認知症」を発病し、且つ、大ボケの段階の症状が発現してきているお年寄り)が、その人らしく、「第二の人生」を送っていく』というのは、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点が欠けている発想であり、『標語』としても不適切と言うしかないのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行に移すには、「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルの下で働くことが不可欠の条件となるのです。「小ボケ」の段階で既に、『前頭葉』の機能(就中、「注意の分配力」の機能)は異常な機能レベルに在るのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、『脳のリハビリ』の実践により「回復」させて、何らかの事情によりそれがかなわない場合であっても、末期の段階である大ボケにまでは落とさないことに因り『介護の予防』を達成出来るのです。それらの実績をもとにして、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」(「注意の分配力」の機能の出番が多い日々の暮らし方)の構築と実践という考え方を、世の中に広く情報発信することに因り、発病自体を『予防』するという、明確な『国策』を国民に提示すべきなのです。

認知症の専門家が気づかず見落としていて、施設の職員も理解していないのが、(「前頭葉を含む脳全体としての脳の機能レベル」のアウトプットが「三段階に区分される症状」として現われてくるものだという点です。状況に応じた会話ができないと言うことは、相手方の話の内容を理解することも保持することも出来ていないと言うことなのです。施設の職員が、「大ボケ」レベルのお年寄りに、話が一向に通じないのに、一生懸命話しかけている姿をテレビでよく見かけますが、この点を理解していないからだと思います。日常の簡単な挨拶程度の会話であれ、『注意の分配力』の機能の発揮が、不可欠の条件となるのです。『介護』の世界にも、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という物差しが必要となるのです。

廃用性加速度的異常な機能低下の進行により、意欲、注意集中力及び注意分配力が殆ど機能しないこととなる大ボケの世界では、 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能)が殆ど働かなくなる結果、思考に関わる認知とその記銘、保持及び想起が極めて不完全なレベルでしか機能しない為に、自分の身の回りのことをするセルフ・ケアにも重大な支障が出てくるので、『介護』が不可欠となるのです。

食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分でできなくなり、日常生活に継続的に介助や介護が要るようになるのです。

1)認知症の専門家と言われる精神科医達は、「DSM-Ⅳ」の規定を未だに金科玉条と考えているので、この段階にまで「脳の働き」が衰えてきて初めて(その結果として、重度の記憶障害や失語や失行や失認などの極めて重度の「症状」が出てくるようになって初めて)、「重度認知症」の後半の段階になって初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病だと診断しているのです。それより軽い段階、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)や「中等度認知症」(中ボケ)の段階は、外観だけからの症状の観察と「物忘れの」程度が少し重いような『記憶障害の症状』に着目しただけの診察が行われている結果、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えてもいないので、「不活発病」や「老化現象」として見落とされ、放置されているのが現状なのです。専門家と言いながら、『前頭葉』の機能レベルという視点がないことに加えて、「前頭葉の機能レベル」を精緻に判定できる手技を持たないことが一番の問題なのです。

  

&3「大ボケ」の段階の類型的な症状の概観

大ボケ』レベルでの「特有で、類型的な症状」の特徴の概要を挙げると、以下の通りとなります。

ⅰ)「時の見当識」:今日が何年何月何日なのか、今の季節は何なのか、今の時刻はいつ頃なのか(朝なのか、昼なのか、夜なのか)が分からなくなるので、夜中でも歩き回ったり、騒いだり、外に出て行こうとしたりするのです。

ⅱ)「所の見当識」:自分が「今居る場所」がどこなのかが分からなくなるので、自分の家であることも分からなくなり、自宅に居ても落ち着かなくなります。何かの拍子に家の外へ出ると、自宅がわからないので、徘徊し迷子になります。

ⅲ)「人の見当識」:「大ボケ」の初期のころは、家族の名前を正確には言えない程度ですが、中期には対面している家族の顔も分からなくなります。それを過ぎると、同居している家族の名前も顔も分からなくなります。

以下に、「二段階方式」の判定基準である「大ボケ」に特有の類型的症状を列記しておきます。医師から発病と診断された同居の親がいる場合は、該当する症状がいくつあるか、チェックしてみてください。3つ以上に該当していると、「大ボケ」であることが疑われます。基本的に、症状が軽いものから重いものへと並べてあるので、この先出てくる症状の参考になるはずです。但し、『二段階方式』の考え方では、「脳のリハビリ」の実践指導による『回復』及び症状の進行を緩やかにすることによる『介護の予防』を主題と考えるので、中ボケと大ボケとの区分けに必要不可欠である大ボケの早期の段階(MMSEの換算点が10点以上)に注力する関係上、大ボケの後半の症状については、それほど詳細ではないのです。「大ボケ」の段階になると、「脳のリハビリ」の効果が期待できなくなり、身体が持つ限り症状が更に重くなっていくだけであり、最終的には、植物人間状態にまで衰えていくことになるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、『大ボケ』の段階にまで症状が進んでしまうと、『回復』させることも『介護の予防』を期待することも、もはや困難となり、『介護』の途しか残されていないのです。「アルツハイマー型認知症」も一般の病気と同じこと、症状を治すには早期診断(「小ボケ」、「中ボケ」の段階で発病を見つけること)及び早期治療(『脳のリハビリ』の実践)が不可欠となるのです。

1)専門家達に問題提起したいのです。『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではないのです。『治すことが出来ない』とされているのは、『医師達が見つけている段階が遅すぎるから』なのです早期診断と早期治療が不可欠となる

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、配偶者を子供と間違えたりする

□ 食事や挨拶をしたことなど直前に起きたことを直ぐに忘れてしまう

□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)

□ 自宅に居ても落ちつかず、意味不明の目的を並べて、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)

□ 自宅の方向が、たびたび分からなくなる

□ 同居している家族の名前も顔も分からない(家族かどうかも分からない)

□ 今は昼なの か夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)

□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□  痛んで腐りかけたものや熱すぎるものを平気で食べ、食べ物でない物も口にする

□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする

□  何を言っているのかが分からない独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□  せん妄、妄想、徘徊、便コネ等の「問題行動」が出てくる人がいる

2)せん妄、妄想、徘徊、便コネ等の「問題行動」は、大ボケの誰にでも出てくる症状ではありません。『前頭葉』(特に、「注意の分配力」の機能)が寝たきり状態で殆ど働かず、左脳も極めて不十分な働きしか出来なくなっている機能レベルで、『右脳』の感情の機能だけは未だそれなりに働くので、介護や介助してくれる人との「人間関係」や「対応の仕方」などに不安を感じている状況下にあると、こうした『問題行動』を症状として出すことがあるのです。

 3)大ボケレベルでも、その前期のころは(MMSEの得点が二桁)、日常生活の自立度自体は低くても、言語能力はそれなりに保たれていることが多いので、身体にしみこんだ日常の挨拶程度の簡単な内容のやり取りは可能です。但し、前頭葉の状況判断や理解の機能がほとんど働かなくなってきているので、状況に即した的確な応答はもはや困難です。身体に染み付いたような状況やテーマでの、言葉の単なるやり取り程度のものでしか対応は出来ていないのです。

 

4)大ボケの段階の症状を見ても、それ等が「記憶障害」に起因して発現したものではないことに注意してください。前頭葉の機能、就中、『注意の分配力』の機能が殆ど機能していないことが、上述の症状発現の核心的な要因なのです。

「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能が廃用性の機能低下の進行により異常な機能レベルに衰えてきているので、病識の理解(アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行が原因で、日常の生活面で様々な支障が出てきていることについて言うと、『中ボケ』の段階で既に当の本人は、状況を認識することも理解することも出来なくなっていることを知っていただきたいのです。末期の段階である『大ボケ』の段階になってくると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが廃用性の加速度的で異常な機能低下の更なる進行により、ほとんど機能しなくなっていくのです。そうした「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(就中、『注意の分配力』の機能が、ほとんど機能しなくなっている)を色濃く反映した、脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であることを理解すべきなのです。 

)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです(状況の理解や判断、必要な動作や手順の比較と選択、自分が置かれている状況に応じて行われているこうした判断は、『注意の分配力』の機能が正常に働くことが必要不可欠。誤解により、医師達が発病の初期症状であるとしている『大ボケ』の段階(実は、末期の段階)では、注意の分配力の機能は最早働いてはいないのです)。 

)『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではない。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではない。「注意の分配力」の機能が殆ど機能しなくなるまでに機能低下してきていることが直接及び核心の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、服を正しく着ることが出来ないだけ。『家族の顔が分からなくなり、配偶者を子供と間違えたりする』という症状も同じこと。器質的な病変が原因で発症する場合の失語、失認又は失行の症状と、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発症する『アルツハイマー型認知症』の症状としてのそれとは、別物なのです。

『記憶障害に起因』して、或いは、『記憶障害の程度を反映』して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくる、或いは、症状の重症化が進行していく、と主張する『DSM-4』の規定内容自体が誤りであることに、認知症研究の専門家達が早く気づいて欲しいと願うのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行するメカニズムは、世界中の認知症研究の権威とされるレベルの専門家達が憶測しているような、複雑怪奇なものではなくて、分かってしまえば、『コロンブスの卵』程度のもの、簡単で単純なものなのです。少しばかり『前頭葉』(注意の分配力)を働かせてみれば、私たちのような『門外漢』でさえ、比較的容易に解明できる代物なのですから。 

 

本著作物「Dー10」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。 

エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 

 

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アルツハイマー型認知症(「アルツハイマー病」と呼ぶ学者もいる)の発病と本当の意味での早期の段階の症状(D-09)

2019-09-25 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

      年とれば 堰切るごとに 物忘れ    アレょアレょと 言葉を知らず

&1「アルツハイマー型認知症」(我が国では、両者の区別が分からなくてアルツハイマー病と呼ぶ学者がいる)の症状は、「三段階」に区分されるのが特徴 

(1)厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は現在600万人超と言われています。600万人超もの認知症のお年寄り(90%以上が、アルツハイマー型認知症であることに注意)とは、自分が住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ったり、トイレの後始末も出来ないで、セルフ・ケアに二も介助が要る末期の段階の人達、私たちの区分で言う重度認知症(「大ボケ」の段階)の人達だけの数なのです。

1)医学会の現状はというと、『DSMー4』の「第二要件」の規定内容が重大な誤りであることに気づいていない為に、末期の段階である「大ボケ」の更に後半の段階(11の「下位項目」により構成され、30点が満点である『MMSE』の総得点が、一桁にしかならない脳の機能レベル)に在る「お年寄り」に確認される失語や失認や失行と言った極めて重度の症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期症状であると誤解したままで、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。もっと軽い段階があると、何故か考えようとしないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性加速度的異常な機能低下が進行してきて、末期の段階である『大ボケ』になってしまうと、「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復及び症状の進行の抑制、或いは緩やかな進行という治療の効果最早期待できなくなり、「セルフ・ケア」にも支障が出てくるので、日常の生活面での『介護』が不可欠となってしまうのです。本当の意味での早期の段階、認知症研究の専門家や専門機関が見落としている「小ボケ」、「中ボケ」を見落とした儘で、放置したままでいては、介護保険制度が財政面から破綻の危機に陥る事になるのです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけ、家族の後押しによる『脳のリハビリ』の実践により「回復」させて、更には、「発病自体を予防」して、『大ボケ』は、全面的に介護保険が適用できる体制を目指すべきなのです。理論と実証と実務のマニュアルは提供したので、後は政治家の責任なのです。

2)「小ボケ」や「中ボケ」の段階自体が見落とされている現状で、『大ボケ』のお年寄りの『家族介護』を礼賛するかのような、「介護生活に関わる楽しさや、喜びや、生き甲斐」なるものを、テレビに出てきて語ったり、新聞に連載したり、ブログで発表したり、本まで出版している人達が大勢いるのです。『「大ボケ」の親に対する家族による介護』という「テーマ」に挑戦する事自体は、個人の自由であり、反対はしないのですが、そうした価値観の人達と言えども、『介護離職』が100万人を超えている現在の社会状況に目を背けてはならないのです。

(2)  更なる問題を指摘すると、専門家の医師達が見落としている『本当の意味での早期の段階』、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」であれば、『脳のリハビリ』の実践(「注意の分配力」の機能と実行機能の出番が多いテーマを日々実践することにより、「前頭葉」の機能を活性化させること)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(アルツハイマー型認知症の症状を治すことが出来る)のであり、家族による関わりについての諸般の事情により、それがかなわない場合でも、症状の進行を抑制し、或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来て、末期の段階である「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』という成果を獲得することが出来るのです(「中ボケ」の段階に留まる/維持できている限り、介護は不要だからです)。

1)『大ボケ』の段階に在る『お年寄り』の介護は、『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因の存在により、どれだけ介護に励もうとも、症状の更なる進行を緩やかにすることも、抑制することさえも、困難になってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した「親に対する介護」に励むのであれば、回復の可能性が有る/或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来る「小ボケ」/「中ボケ」の段階で見つけて、『脳のリハビリ』の実践の後押しに心を傾け、努力すべきだと考えるのです。「介護する側」にとって、その方が真の意味での価値ある喜びや、生き甲斐につながると思うのです。「大ボケ」の親に対する家族による介護を礼賛する発言や活動に注力している人達は、私が提起するこのテーマに正面から対峙して頂きたいと思うのです。末期段階の大ボケにまで症状が進行した発病高齢者の「家族介護」は、有ってはならない社会現象なのです。

2) 認知症が専門とされる医師達は、「失語や失認や失行(紛いの)症状」が、『11の下位項目により構成され、30点が満点であるMMSE』の総得点が一桁になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることを知らないで米国精神医学会が定めた診断規定である『DSM-4』の第二要件が「失語や失認や失行(紛い)の症状」が発病の初期症状であると規定(重大な誤りの内容)していることに疑いを持たないまま、それ等の症状の確認を待って、初めて発病と診断している』のです。

もはや治すことも出来ないし、症状の進行を緩やかにすることも出来なくて、『介護の途』しか残されていない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのです。医師達は、何故に、発病のレッテル張りだけの診断に満足し、そうした診断の在り方に疑いを持たないで居るのか/その方が一定規模の売り上げと利益が確保できからなのでしょうか。

早期診断と称して、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いることが多いのですが、実際には、CTやf-MRIやSPECTやPETを診断に用いようとも、早期診断は、不可能なのです。本当の意味での早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つける事)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することによって初めて可能であるからなのです。 この早期の段階を見つける方法、『前頭葉』の機能レベル(実際の手法としては、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能レベル)を個別に及び総合して精緻に判定/鑑別することが出来る「手技」は保険点数が極めて低い『かなひろいテスト』しか存在していないので、利益を稼げるだけの必要な規模の売り上げが立たない為に、早期の段階で見つけることに、医師達の多くは、関心が無いようなのです。

(3) 世界中の認知症研究の専門家と言われる人達が気づかないまま見落としている本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実践により症状を回復/症状の進行を抑制させることが可能な本当の意味での早期の段階であり、私たちが提起する「軽度認知症」(「小ボケ」)及び「中等度認知症」(「中ボケ」)のお年寄りは、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の発病者の数には、入っていないのです。

後述する『MCI(Mild Cognitive Impairment):軽度認知障害』という極めて曖昧な基準、外観から推測するだけで、客観的な判定要件が規定されていない基準を基礎として、副作用だけで、治療効果を有していない薬(症状を回復させる効能も、症状の進行を緩やかにする効能も有しない単なる対症療法薬であり、治療薬ではない)が処方されているのが医療現場の実態なのです。その問題を自覚している心ある医師達は、「アリセプトなどの対症療法薬」に対し、『健康保険の適用を除外すべきだ』と主張しているのです(仏国では、既に適用除外とされているのです)。

(4)  認知症とは、「一旦完成された脳機能が、何等かの原因で、全般的に機能が低下し、社会生活家庭生活セルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されます。つまり、もともとは正常な『社会生活』を営んでいた人に起きてくるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があり、発病後に『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行したことにより症状が発現し、更には、症状が次第に重症化していった結果ということなのです。

アルツハイマー型認知症』(特定の遺伝子生まれつき異常が確認される人達だけが発病し、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」とは根本的異なる病気)は、老年発症が特徴なのであり、『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の『高齢者』だけが(私たちが規定する発病の「第一要件」)、発病の対象となる特徴を有するのです(生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、若年発症を特徴とする「アルツハイマー病」と廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない「アルツハイマー型認知症」との区別が分からなくて、両者を総称して、まとめて「アルツハイマー病」と呼称する専門家達が我が国にはとても多いのです)。

(5) 廃用性の機能低下(『前頭葉』の使い方が不十分/『注意の分配力』の機能の出番が不十分な「脳の使い方」としての『生活習慣』)に起因して発病する「アルツハイマー型認知症」は、症状が徐々に段階的に進むのが特徴です。

昨日まで正常で、社会生活を自分なりに楽しんで暮らしていたお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分で出来ないで、セルフ・ケアにも重大な支障があって、介助が要るようにはならないのです。『DSM―4』の「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする考えは、「アルツハイマー型認知症」の無知からくる重大な誤りの内容なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてみると、軽いほうから順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の「三段階」に分かれていることが確認されるのです(14689例の症例のデータ)。

(6)私たちが独自に開発した『二段階方式』の神経心理機能テストを実施(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定)してえられたものであり、「アルツハイマー型在認知症」を発病した「お年寄り」の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現するのを特徴とする症状であり、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例に上る『脳機能データ』から、『アルツハイマー型認知症』の症状は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」に区分されるのです。

私達が問題にするのは、「大ボケ」に先立つ「小ボケ」と「中ボケ」の段階の存在が見落とされていることなのです。年のせいと言われていたり、不活発病の名前を冠せられたままで居たり、MCI(軽度認知障害)という極めて曖昧な基準の適用対象にされたり、されなかったりする「小ボケ」と「中ボケ」とをあわせると、「大ボケ」と同じ程の数になるのです。「大ボケ」に「小ボケ」と「中ボケ」とを加えると、「アルツハイマー型認知症」の発病者達の数は、既に1000万人を超える規模になっていると考えられるのです。

小ボケ』は、「社会生活面」での支障が出てくる段階であり、『中ボケ』は、「家庭生活面」での支障が出てくる段階であり、『DSM-4』の「第二要件」が確認を要求している「失語や失認や失行(紛い)の症状」は、その欠片も確認されない段階なのです。「中ボケ」でさえも、それなりのレベルでの会話も行えるものなので(日常の生活面で、『家庭内の簡単な用事』程度の実行で、種々の失敗を重ねていても、それなりに言い訳を並べ立てることが出来る)、前頭葉の機能レベルを無視した診断を行う医師等の専門家達が、発病とは気づいていないのです。認知症研究の専門家達とは言え、学者も医師も、『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定出来る『手技』を持たないことが原因なのです。

アルツハイマー型認知症の発病の場合の上記三つの段階における脳の機能と生活実態との関係の概要を整理すると、以下の表のようになります。

〇「アルツハイマー型認知症」の症状の「三段階」と脳の機能レベルとの関係及び生活実態

『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル

生活実態としての症状

段階区分

正常レベル

正常

正常

前頭葉のみ異常なレベルに低下

但し、後半領域は正常レベル

社会生活面のみに支障

指示待ち人 

小ボケ 

前頭葉低下の更なる進行+後半領域も異常な機能レベルに低下

家庭生活面にも支障
言い訳のうまい幼稚園児

中ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域の機能の更なる低下の進行

セルフケアの面にも支障

脳の寝たきり児

大ボケ

2『脳のリハビリ』により、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の症状とその特徴(「小ボケ」の症状は、前回「D-08」を参照)

(1)『中ボケ』の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際に不可欠の機能である『前頭葉』の働き具合が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきています。加えて、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、異常な機能レベルに衰えてきているのです(「中ボケ」の段階から、前頭葉を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意して下さい)。廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が『中ボケ』の段階にまで衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることは無いのですが、『家庭内の簡単な用事』程度のこと(ex.炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事等)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面で様々な支障が起きてくるようになるのです。

この場合、『DSM-4』の「第一要件」の規定や『4つの仮説』が発病を惹き起こす原因要素とする「記憶障害」が原因で、『家庭内の簡単な用事』程度の事案の遂行に支障が出てくる訳ではないことに注目して頂きたいのです。『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきていていることに加えて、「左脳、右脳及び運動の脳の機能」までもが異常な機能レベルに衰えてきていることが、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしたものとしての、「中ボケ」の段階の症状が発現する核心的な要因なのです。

(2)『前頭葉』を含む脳全体の機能が「中ボケ」レベルのとき、日常の生活面で明瞭に発現が確認される「中ボケ」の段階に特有類型的症状について、その症状を列挙しておきましょう。「DSM-4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても、未だに部分的に過ぎず、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。『DSM-4』が第一要件で、「記憶障害に起因して」と規定していること自体が誤りなのです

何事に対しても「抑制」が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしているだけ」の単調な日々を送るようになる

時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくるようになる

(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。今の季節があいまいになる時から大ボケに入っていき、昼夜が分からなくなると、「大ボケ」の後半に入っていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、『時の見当識』には、衰えていく厳密な順番があり、季節昼夜の順番に言えなくなっていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者であるときは、『MMSEの下位項目について、出来なくなっていく厳密な順番があるのです)。

脳のリハビリ』の実践による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」メニューが不可欠となるのです。

箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない

ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる

自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる

簡単な計算もできなくなる

料理の味付けが可笑しくなる(塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)

服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる

(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)

家族のことを正確に言えなくなる(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えない)

パジャマを着たまま平気で表に出たり、髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる

昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる(昨日の老人会の出来事を忘れているだけでなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)

所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)

お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)

前回例示した(D-08)の「小ボケ」の類型的症状や今回例示した「中ボケ」の類型的症状を見ても、「DSM-4」が「第一要件」で確認を要求する「記憶障害に起因した症状」という要件の内容自体が、誤りであることに気づいていただきたいのです。正しくは、『「前頭葉」の機能障害に起因した症状(any disturbance in executive functioning )』という要件が正しい規定内容となるのです。

外観』からの観察に基づいただけの推測や憶測に頼っているだけで、『前頭葉』の個別認知機能群である『実行機能』の機能の発揮度を左右し、下支えている機能構造の関係にある「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能との関わり具合及び関わり方のメカニズム(“機能発揮上の二重構造”)の問題に気づかない限り、発病の原因を解明することは、不可能事であることを指摘しておきたいのです。その視点から問題点を指摘すると、世界中の認知症研究の専門家とされる人達には、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』という脳機能も備わっていない、マウス(アルツハイマーマウスを含む)の行動ばかりを、何時まで追いかけ続けるつもりなのでしょうかと問いたいのです。

3『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)という基準の問題点

(1)『軽度認知障害』の基準を取り上げる学者や医師達の共通した要点の概要をまとめると、以下のようになります。

記憶障害」というだけの単純な要件が中核をなしている基準であり、以下の要素の確認を要することとされている。『前頭葉』と言う最も肝心な「脳機能」に対して、全く注意が向けられていない、意味不明の基準。

主観的な「物忘れの症状」の訴えが、本人や家族からあること

年齢に比し、「記憶力」が低下していること

複雑な日常の生活動作に最低限の障害があっても、基本的な日常生活機能は正常であること

全般的な「認知機能」は、正常であること

上記に加えて、「軽度認知障害」の該当者は、「アルツハイマー型認知症」だけでなく、他の原因による認知症発病の「前段階」であるとされていて、『正常な状態からから認知症発病までの間に位置するグレー・ゾーンである』とされているのです。まったく、意味不明の基準であり、極めて曖昧な概念説明であるというしかないのです。これが診断基準になると主張する人たちの杜撰さには、あきれるしかないのです。 

(2) 『記憶障害の症状』というとき、「加齢」という要因に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が原因で発現する記憶障害の症状とは、所謂物忘れの症状のことなのです。これに対して、「アルツハイマー型認知症」の発病として発現する記憶障害」の症状とは、「加齢」に起因した脳機能の低下という要因に加えて、「第二の人生」における脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されて起きてくる「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発現してくるものなのです。両者を鑑別する上での、最も重要な要件とは、物忘れの場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されることであり、「アルツハイマー型認知症」の発病としての記憶障害の症状の場合は、『前頭葉』の機能が自体が異常な機能レベルに在ることが確認されることなのです。前頭葉の機能レベルという視点も無ければ、前頭葉の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻に判定/鑑別する「手技」を持たない状況で、上述したような極めて曖昧で、客観的な基準を持たない、「軽度認知障害」(MCI)なる基準そのものが、有効で、有益な「物差し」であるかのような説明をする学者や医師達が多いという実態に、心から驚かされるのです。

(3) その原因は、専門家とされる権威ある彼ら自体が、『アルツハイマー型認知症』そのものについて無知であり、客観的で科学的な判定基準及び鑑別の為の必要な『手技』を持たないことに在るのです。

上記(1)の概説を読んでみて頂きたいのです。具体的な被験者を前にした場合に、「軽度認知障害」の考え方を適用するに際し、客観的な要件が殆ど規定されていないことについて、何の疑問も抱かないで、客観的で適切で合理的な診断を実施できる医師がいるのでしょうか。特に、客観的な『診断基準』自体が世界的にも存在していない「アルツハイマー型認知症」の発病の可能性の有無及び程度を、どのような客観的な証拠データに基づき判定して、診断を下すことが出来るというのでしょうか。

その上に重大な問題があることを皆さんにも知っておいて頂きたいのです。『軽度認知障害』に該当すると診断した場合、上述したように、医師達は、発病の予防とか、症状の進行を遅らせる為とか言いつつ、『』を処方するのです。症状を改善させる治療効果は無く、症状の進行を遅らせる治療効果さえも無く、単に、症状の発現の仕方に影響するだけの薬である『対症療法薬』に過ぎない「4種の薬」を「予防薬」と称して処方してもいるのです。

&4「アルツハイマー型認知症」の発病に関わる『意識的な世界』

(1)  様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている 『アルツハイマー型認知症』、世界中の巨大な製薬会社が『治療薬』の開発に挑戦して、そのことごとくが失敗に終わっているのです(『治療薬』の開発はありえないのです)。世界的に通説の地位にある「アミロイドベータ説」を筆頭にして、タウ蛋白説や脳の萎縮説やアセチルコリン説と言った仮説の類ばかりが横行していて、未だに発病との間の因果関係を立証することが出来ないでいるだけでなくて、発病の原因(メカニズム)の解明を出来ていないのです。何故なのかというと、一つには、次に述べる『意識の世界』が関わる問題であること並びに専門家とされる人たちは「末期の段階」の症状、就中、失語や失認や失行と言った極めて重度の症状にしか関心が無いがために、加齢に起因した機能低下という要件と「脳の使い方」が不十分なことに起因した廃用性の機能低下が真の核心的な要件だと説明しても、納得しないし、そもそも理解しようとはしないのです。

(2)あれほどのどろどろとした、人間性の破壊にもとれるほどの重い症状を発現させる根本的な原因、発病のメカニズムには、もっと複雑な何かがあるはずだとの固定観念から逃れられないでいると考えられるのです。末期の段階の症状、就中、失語や失認や失行といった極めて重度の症状が発現していたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」が共通に提示する老人斑、神経原繊維変化、或いは、脳の顕著な萎縮等を見ると、一層のこと、それ等に縛られることになるのではないかと憶測するのです。私たちの脳機能データ、特に、事象事実としての『MMSE下位項目の項目困難度』が示す、下位項目の衰えていく(出来なくなっていく)厳密な順番のデータが、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることの客観的で絶対的な証拠となるのです。解剖所見が示すのは、発病の原因ではないのです。「アルツハイマー型認知症」を発病し、末期の段階にまで症状が進行したことに因る、『結果ではないか』と推測するのです。

(3)『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していき、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで重症化が進行していくとき、身体が持つ限り症状が更に重いものになっていき、最終的には、植物人間状態にまでなるのです。

その重症化の進行の具体的な変化の有り様をつぶさに観察していくと、「記憶障害」に起因して発病すると主張する「DSM―4」の第一要件の規定内容誤りであることが実感できるのです。失語や失行や失認以降の重い症状だけを観察するのではなくて、私たちの区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状に始まり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状の具体的な変化を、経時的につぶさに観察してみれば、分かるのです。

(4)加えて、「アルツハイマー型認知症」は、発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム自体が、「私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に関わる認知症だから」なのです。『意識』については、古代ギリシャ、ローマの時代から現在に至るまで、それこそ数えきれない程の数の哲学者や心理学者や脳科学者などが、『意識の機能構造』の解明に努力してきたのですけど、未だに解明できた人が一人もいないという現実があるのです。ここを『クリック』してください。

独自の手技である『二段階方式』の手技を開発してこの「テーマ」に挑戦してきた私たちは、『意識的な世界』、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』での『前頭葉』を含む脳全体の機能の関わり方の解明に挑戦することに因って、世界で初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズムを解明し、類型的で典型的な症状の「三段階区分」と早期診断による症状の回復(症状を治すこと)の具体的な方法、更には、発病自体を予防する方法を確立し、1995年の活動開始以来、北海道から九州までに跨る地域の累計で452を数える極めて多数の市町村で、先駆的な実践、「アルツハイマー型認知症」の早期診断と回復、介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』として、その実践を指導し、私たちの主張が正しいことを、「疫学的方法」により実証してきたのです。

(5) 私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車の御者が運行する世界』と考えると、分かり易いかと思うのです。対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。『前頭葉』と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界(マウスは愚か、DNAの98%が人間と同一であるとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能であることに注意)である『意識的な世界』(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、シミュレーションして、必要な比較と選択を行って修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部(三頭の馬)に対して実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、監督し、コントロールしているのです。

(6)   その『前頭葉』の個別認知機能群(分析、理解、判断、発想、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、修正、選択、排除、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、指示、指揮、采配、支配、統合、統括等)の総称である『実行機能』の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質)が内在しているということなのです。そのデータによると、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から成る「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、「加齢」と共に直線的で緩やかなカーブを描きながら徐々に衰えていく(機能が低下していく)のです。そして、我が国での『第二の人生』が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。但し、上述した『正常老化のカーブ』自体は、100歳代になっても異常な機能レベルには衰えてはいかないことを示しているのです。学者達の一部には、『アルツハイマー型認知症の発病は、加齢の延長線上にあると考えられる』と主張する人達がいるのですが、「脳機能データ」から言うと、『誤り』なのです。

(7) 世界的に通説の地位にあるとされるアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の 大量の細胞死を招くことにより、「記憶障害」の症状が惹起されることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の原因であると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が、蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その状態が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が惹き起こされることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり、これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、『DSM-4』や仮説が主張している「記憶障害」に起因した症状なのではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因した症状であるからなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、認知症の専門家とされる人達は、外観から観測される症状を単に並べ立てるだけなのですが、私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」と市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果を根拠としているのです。

&5『アルツハイマー型認知症』の本態と発病するメカニズム(機序)

1.器質的な原因病変が何等確認されないのに、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に様々な支障が出てくるのがアルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の特徴なのです。ところで、脳の機能面から言うと、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔」としての役割を担うのが『前頭葉』という脳機能なのです。「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」が牽引する三頭建ての馬車を動かしていくようなものであり、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが、「前頭葉」の働きだと考えると、分かり易いと思います。馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬全体を制御しているように、毎日の様々な具体的な思考や生活行動や言動の場面で、必ず、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』」が、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行する為の行為や行動を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、選択して、最終的に何をどのようにするのかを判断し、決定しているのです。意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す場面では、この機能工程に見られるように、『前頭葉』が脳全体の司令塔の役割を担っていることが極めて重要なのです。

2. 『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです(複雑怪奇なものではないのです)。

(1) 私たちが規定する発病の第一要件」は、60歳を超える年齢の『高齢者』であることなのです。『加齢』に起因した脳の老化の進行という問題が、発病の第一要件なのです(加齢単なる延長線上発病がある訳ではないことに注意)。それゆえに、「アルツハイマー型認知症」は、『老年発症』が特徴なのです。

(2) 発病の第二要件」は、『第二の人生』を送る上で日々に繰り返されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方;脳の使い方としての生活習慣)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行の問題なのです。即ち、『第二の人生』での生き方、言い換えると、脳の使い方としての『生活習慣』の質が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意)。

(3) 「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることの相乗効果により発病するのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることに因る相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、発病(「小ボケ」の段階)及び症状の重症化の進行(「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階に至ること)が待っているということなのです。若年層(ex:30歳代や50歳代の人達)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していても、発病することにはならないのです。逆に、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、現役で仕事を続けている限り(農業であれ、会社勤めであれ、職人であれ、現職で仕事についている限り)、「前頭葉」の出番が十分に確保された「脳の使い方」としての生活習慣が有り、それに付随して、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」が確保されていることになるので、発病することは無いのです。但し、「現職」と言っても、肩書だけの場合は、除外されることに注意してください。

&6 「アルツハイマー型認知症」からの回復及び症状の進行の抑制による介護の予防並びに発病自体の予防

『前述のように「アルツハイマー型認知症」は、『第二の人生』を送る上での日々の「脳の使い方」としての視点で言う『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する最も重要で核心的な要因である『生活習慣病』なのです。「加齢に因る脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なる(同時に存在し、且つ、充足される)ことに因り、その相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していくものと考えられる「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があるのです。

その『特徴』となるのは、

① 最高次機能である『前頭葉の働き』が最初に異常なレベルに衰えていくこと

次いで、高次機能である「左脳と右脳の働き」が異常なレベルに衰えていく

 更に、『MMSE』で判定される左脳及び右脳の機能には「衰えていく厳密な順番」が事象事実としての「脳機能データ」として確認されているのです。

従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)及びその脳全体の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのか(生活実態としての類型的な症状)並びに廃用性の機能低下を進行させた張本人である『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続』の確認により、「アルツハイマー型認知症」を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の段階)を精緻に判定することができるのです。

エイジングライフ研究所が開発し、市町村の保健師さんが使いやすいように実務化した『二段階方式』の手技は、御者の働きをする『前頭葉』の働き具合を『かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の重症度を精緻に判定することができます。更には、回復が困難で介護するだけのレベルである「大ボケ」と回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」とを区別して、脳の機能レベル毎に、回復/介護の予防という適切な対応ができるように工夫されているのです。

「小ボケ」と「中ボケ」に対しては、第一義的には、『脳のリハビリ』の実践指導による『前頭葉』を含む脳全体の機能の正常な機能レベルへの『回復(アルツハイマー型認知症の症状を治すこと)を達成目標とすること、第二義的には(何等かの事情により、回復させることが困難であった場合でも)、末期の段階である「大ボケ」には症状を進行させないことによる『介護の予防』を確保すること(認認介護や介護離職を失くすこと)を目標としているのです。こうした活動が一定の成果を挙げることに因り、日常の生活面での『介護』が不可欠となる「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになる「お年寄り」の数を顕著に減少させることが出来、精神的、肉体的、経済的な負担が極めて大きい「大ボケのお年寄り」の「家族介護」の必要性を失くすことにもつながるのです。更に、『回復』及び『介護の予防』という命題についての「顕著な成果」の達成をもとに、『前頭葉が活性化する脳の使い方としての生活習慣』という考え方が浸透することにより、『発病自体の予防が達成されることになるのであり、その必然の結果として、『介護保険制度』が財政面から破綻する状況を失くすことにもつながると考えているのです。

本著作物「Dー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

 

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アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです(D-08)

2019-09-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

                                                                                       2019.09.01

           初心忘るべからず 我が座右の銘  ボケの発病 脳が居眠り

 政府大綱が、『アルツハイマー型認知症(正しくは、両者を区分けるべきものを総称して、アルツハイマー病と呼ぶ学者もいることに注意)の予防』というテーマを提示しました。『予防』というテーマをどのように達成していくのかについて、具体的な方策の提示が為されていない中で、「二段階方式」が、世の中に『対策方法』を提起したいと考えるのです。発病のメカニズムを解明し、早期診断による回復介護の予防及び発病自体の予防を市町村での住民参加型の地域予防活動により疫学的に実証しているのは、私たちの『二段階方式』だけ。

&1 「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する諸学説及びその問題点(重大な誤り)

 DNAの99%が人間と同一とされる「チンパンジー」にさえも存在していない世界、私たち人間だけに特有な『意識の世界』であり、私達の意識的な思考や行為、言動或いは行動の世界は、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』が、「左脳」や「右脳」や「運動の脳」と協働しつつ、且つそれらを主導し、コントロールして構築されています。

朝方目覚めて寝床から起き上がるにも、尿意を催してトイレに行くにも、顔を洗って自分好みにお化粧するにも、ニュースを早く知ろうと新聞受けに新聞を取りに行くにも、朝食の用意のため電気釜のスイッチを入れるにも、今日の行動予定に見合った服に着替えるにも、激変する日韓関係の先に到来する、核武装し我が日本を仮想敵国とする朝鮮族の統一国家の出現と言った近未来の予測をするにも、それ等『意識的な世界』は全て、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の働きなしには、実行することが出来ない世界なのです。厳密な言い方をすると、「前頭葉」がちゃんと働いていないと、そうした行為を『必要とされるレベルできちんと実行することは出来ない』ということなのです。『前頭葉』が正常なレベルで機能していて初めて、目的となる行動を、意図したレベルで、きちんと実行することができるのです。言い換えると、前頭葉の機能異常なレベルに低下すると、思考であれ、行為であれ、発言であれ、行動であれ、それらの全てが異常なものとなってしまうのです(症状の程度に差異があり、小ボケ、中ボケ及び大ボケに区分するのが、二段階方式)。

世界中のアルツハイマー型認知症の専門家とされる人達は、このことに気が付いていないのです。心理学や脳科学の世界的な専門家達でさえ、意識の機能構造を考えることは不可能事であると主張されているように、『意識』の機能構造自体が、極めて複雑で、極めて高度なものであることもその一因なのです。前頭葉の個別認知機能群である実行機能の機能発揮上の二重構造の問題に気づくこと及び『注意の分配力』の機能構造についての深い理解が不可欠となるのです。「器質的な原因病変」が何等確認されないにも拘らず、意識的に何等かの「テーマ」を発想し実行に移す際に、「社会生活」の面や「家庭生活」の面でも、果ては、「セルフケア」の面でも、様々な程度及び態様による支障、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される認知症の類型的な症状が発現してくるのが『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症に特有な特徴なのです。

 従って、アルツハイマー型認知症の特徴、発病のメカニズム、症状の重症化が進行する機序等について、解明し、理解するには、意識的な世界、前頭葉の機能構造、注意の分配力(様々な程度及び態様により構築され存在する異なる複数の意識を同時に並行して統括しコントロールし並びに異なる複数の錯綜する「テーマ」を同時に並行して処理する機能であり、更には、脳機能の発揮及び処理のスピードの速さ及び遅さにも直接関わる機能)の機能構造、評価の物差し(意識の首座=自我)及び実行機能(分析、理解、発想、計画、洞察、推理、シミュレーション、創意、工夫、比較、検索、憶測、忖度、選択、決断、抑制、感動等前頭葉の個別認知機能群のことを言いますの機能発揮上の二重構造等の問題に対する深い理解が不可欠となるのです。認知症研究の専門家達、「4つの仮説」の内で通説の地位に在るアミロイドベータ仮説の提唱者達は、上記赤字表記した「前頭葉」の個別認知機能はおろか、注意の分配力の機能が備わってもいないマウス(アミロイドベータを注入したADマウスとて同じこと)が檻の中で餌を探して徘徊する行動の観察に基づいた「憶測の類」ばかりを世の中に提示し続けているのです。何年かかって、何処まで深く探求し続けようと、何等の成果なく、無駄なことに終わるとも知らないで。

自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマの実行を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーション結果に基づき比較し、評価し、憶測し、忖度し、選択し、最終的な実行の内容及びその程度と態様を決定し、実行の決断を下して、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対して実行の指令を出し、その後の進捗状況を管理し、コントロールしているのが、脳全体の司令塔の役割を担う『前頭葉』という複合機能体なのです。

赤字表記し例示している上述した前頭葉個別認知機能群のことを総称して『実行機能』(Executive Function)と呼んでいるのですが、その際に、『実行機能の機能発揮上の二重構造』という問題が、存在していることに世界で初めて気づいたのが、私たちなのです。『実行機能』の機能発揮の度合いは(前頭葉の個別認知機能群に備わる機能が、様々な場面で、どの程度及びどのように発揮されるのかという意味)、『意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能に左右され、下支えられている』(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能がどの程度及びどのように発揮されているかに、依存し、左右されている=評価の物差しについても同様の機能構造が存在している)という問題の存在に気付いたのは、私たちが世界初なのです(「意識的な世界」の機能発揮上の二重構造)。

この解明にヒントを得て、前頭葉の三本柱の機能、評価の物差し及び実行機能から構成されている複合機能体である『前頭葉』の機能の発揮の度合いを精緻に判定することが出来る『改訂版かなひろいテスト』の開発に成功したのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度を個別に/及び総合して精緻に判定出来る手技である「改訂版かなひろいテスト」の開発の成功により、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家達(学者、医師、研究者)達が見分ける為の「手技」を持たない為に見落としている本当の意味での早期の段階』、『脳のリハビリ』の継続的な実践により症状を回復させること及び/又は症状の進行を抑制することが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を精緻に判定し、鑑別することが可能となったのです。

更なる問題を提起すると、『注意の分配力』という機能の存在なしには、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』(目的的な世界)、意識的に何等かの「テーマ」を発想し、何時までに・何を・どのようにして・どこまで・達成するかという「目標」を設定して、実行に移す世界は存在し得ないということなのです。世界中の認知症研究の専門家達から、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症であるとされてきている『アルツハイマー型認知症』は、何等の器質的な原因病変が確認されないのにもかかわらず、私達が意識的に何かの「テーマ」を発想し、目標を設定して、実行に移す際に、『社会生活』面、『家庭生活』面及び『セルフケア』の面という風に、様々な生活のレベルで、更には、様々な程度及び態様により症状が発現してくるという特徴が確認されるのです(『脳のリハビリ』の実施により症状を回復させること/症状の進行を抑制することの可能性の有無及び程度により、小ボケ中ボケ及び大ボケ三段階(且つ、類型的な症状を例示)に区分するのが私たち二段階方式の考え方なのです)。

注意の分配力』の機能及びその機能構造については、世界中の認知症研究の専門家達の知識が、無知に等しいという程に未だに浅いことが、「アルツハイマー型認知症」の発病原因の解明方法として、(極めて重大な誤りであることに未だに気づいていない)『マウス』(ADマウスを含む)の行動の研究を基礎に置くといった方法を継続させているのです(誤った方法で、誤った場所を深く掘り続けている)。猶ここで言う『脳のリハビリ』とは、脳全体の機能が、更には、「前頭葉」の機能が、(就中、様々な「テーマ」を発想し、実行に移すに際して、「注意の分配力」並びに評価の物差し及び実行機能の出番が多くて活性化する脳の使い方としての『生活習慣』の改善策の継続的な実践を言います。

認知症研究の専門家達(医師を含む)からは見落とされていて、本当の意味での早期の段階である、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階から回復させるにも(症状を治すことを言います)、症状の重症化の進行を遅らせるにも、介護を予防するにも(セルフケアに支障が出てきて、日常の生活面での「介護」が不可欠となる段階、末期の段階である「大ボケ」の段階にまでは落とさないことを言います)、更には、発病自体を予防するにも、脳全体の機能が、更には、『前頭葉』の機能が、就中、『注意の分配力』並びに評価の物差し及び実行機能の出番が多くて、活性化する脳の使い方としての『生活習慣』の構築実践とその継続が必要不可欠であり、唯一の効果的な対策となるのです(どれほどに高度な機能を有する最近流行りの『AI』を駆使しようとも、此処に提示しているようなレベル及び品質での、正しいメカニズムの解析は不可能なのです(学歴や地中海料理が発病のリスク/予防に関係などと間違った要因を挙げることにもなる)。何故なら、此処に提示しているような内容を含む必要な項目自体が、解析の対象となる「様々な個人情報」には、そもそも入っている筈がないからなのです。「脳の使い方」としての『生活習慣』が鍵となる要因。

日常の簡単な挨拶や世間話程度の会話であれ、服を着る行為であれ、歯を磨く行為であれ、入浴したり洗顔をする行為であれ、それ等程度の行為であれ、『記憶』は、発病原因とは無関係の要因なのです。核となる要因は、『注意の分配力』の機能が【私たちが二段階方式の手技を活用して集積した脳機能データの解析結果によると、「加齢」に起因した機能低下の進行(正常老化)の場合であれ、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行の場合であれ、『前頭葉』の機能の内で最初に異常な機能低下が進行していくのが、『注意の分配力』の機能であり、更には、加齢に起因した機能低下の進行を原因とする『物忘れの症状』を発現させている張本人でもあるのです)】、正常なレベルで機能することが出来る『脳の機能レベル』に在るか/否かということなのです。

加齢に起因して発現するだけの「物忘れの症状」(正常老化現象)とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続という要件が加重されたことに因り生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下が加重されたことが原因で発現する『アルツハイマー型認知症』の症状としての「記憶障害の症状」とを区分ける条件が、『前頭葉』の機能が正常であるか/異常であるかに拠ることさえも知らないで、『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)とか言う概念(発病の前駆的状態と説明するもの)を持ち出し、テレビに出てきて、意味不明の根拠を並べ立てる専門家達が居るのです。『MCI』の基準内容は、余りにも抽象的であって、客観的な内容或いは条件が含まれていなくて、判定や鑑別に活用できる代物ではない。「MCI」の該当者の判定は、「重度の物忘れの症状」を外観から観察する程度のものなのです。

アルツハイマー型認知症』の発病の原因要素が、『記憶障害』という要素であると単なる憶測に基づいて想定しているのが、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』の規定であり、その第一要件は、発病との診断に際しては、『記憶障害に起因』して症状が発現してきていることの確認を要求しているのです。「第一要件」の規定の内容が正しいものとの前提に立脚して、アミロイドベータの蓄積、タウタンパクの沈着、脳の萎縮、アセチルコリンの不足が、発病の原因要件としての「記憶障害」を惹き起こしている原因であると想定しただけの「憶測」に基づいた学説である『4つの仮説』(4つの仮説の各々が想定する各々の発病原因と発病との間の因果関係を未だに実証することが出来てもいない単なる推測の類)が提示されているのです。『アミロイドベータ仮説』は、世界的に通説の地位にあり、我が国では東大、京大、理化学研究所がその牙城なのです。とは言え、『その主張内容が重大な誤りである』ということに、自らが早く気づいて欲しいと願うのです。どれだけの権威が有ろうとも、『誤りは誤りなのであり、世間に与える負の影響も大きい』からなのです。廃用性症候群に属する老化廃用型の『生活習慣病』であるにすぎない「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症こそが、早期診断により治せるし、発病自体を予防できる性質のものであるにも拘らず、今回提示された政府大綱が、『予防』について、わざわざ意味不明の注釈を補足せざるを得なかった背景には、其れ等『権威の主張』を忖度せざるを得なかった背景があるのではと推測するのです。発症を遅らせる方法としては、『アミロイドベータの蓄積を出来るだけ早期に検出し、脳内から除去する方法の開発への挑戦』(ハーバード大学が主導し、東大が追随する新たなテーマ)とか、症状の進行を遅らせる方法としては、『ケースにより症状の進行を半年から1年程遅らせる効果が期待できる』とか主張する対症療法薬治癒効果は、存在しない)の存在等が影響しているのではと考えるのです。

後述する発病のメカニズム及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)に鑑みれば、症状を治したり、症状の進行を緩やかにしたり、或いは、発病自体を予防する効能を有する薬(「治療薬」)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事なのです。肝心なのは、60歳を超える年齢の「高齢者」が、『第二の人生』を送る上での生活習慣、食生活ではなくて脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が問われることになる、発病するか/しないかを区分ける真の要因となるということなのです。

& 2アルツハイマー型認知症発病のメカニズム(「二段階方式」独自)

二段階方式』の手技を活用して集積した『アルツハイマー型認知症』の発病患者(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階を含む)の『脳機能データ』を解析した種々の結果並びに北海道から九州までに跨る452の市町村で展開してきた地域予防活動の実践による疫学的証明の結果としての主張内容なのです。

憶測と直感的な想定だけに基づいた主張である「4つの仮説」の提示内容、或るいは、昨今急激に医学界で展開が目立ってきている「AI技術」を駆使した大量のデータ(発病者と非発病者との様々な生活要因データを比較し、解析)の解析結果としての主張等とは、主張内容の品質の次元が異なるのです。

アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する真の原因(メカニズム、機序)は、一つには、『加齢」に起因した脳機能の老化の進行による機能低下(正常老化の進行)という要因であり、更に、もう一つ加重される条件としての、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した『廃用性異常な機能低下』の進行という要因なのです。

60歳を超える年齢の高齢者が(加齢に因る機能の低下という要因【発病の第一要件】)、『第二の人生』を送る生活過程において、「キッカケ」の発生と継続を契機に、心が折れて、意欲を喪失し開始され継続された単調な『生活習慣』、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な『生活習慣』の継続に因る要因(ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した「廃用性の異常な機能低下」に因る要因【発病の第二要件】)という過重要因により、即ち、第一の要件と第二の要件とが同時に存在し、充足されることによる相剰効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことの先に、発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです⦅発病患者14689例に上る事象事実としての「脳機能データ」が存在しているのです。『二段階方式』の手技を活用して、横軸に「前頭葉」の機能レベルを測定し判定したプロットを、縦軸に「左脳及び右脳」の機能レベルを測定し判定したプロットを連結させた『前頭葉を含む脳全体の機能レベルの推移を示す分布が描くカーブ』を示す図表が存在している)。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めていて、世界中の権威(個人、機関)から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』とされてきているアルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(但し、無知な研究者が挙げるカレー、地中海料理、赤ワインも含めて、「食生活」とは関係が無くて、「脳の使い方」としての『生活習慣』であることに留意)であるというのが、和たち『二段階方式』の主張なのです(疫学的方法により実証済み)。

「社会生活」の面であれ、「家庭生活」の面であれ、「セルフケア」の面であれ、『前頭葉』が正常なレベルで機能していない限り、それらの生活面レベルでの様々な程度及び態様に因る支障が出てくることになる(「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現する)のです。『意識的な世界』における脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在る「小ボケ」は、左脳、右脳及び運動の脳が正常な機能レベルに在ろうとも、アウトプットは全て、単なる老化現象ではなくて、『認知症の症状』の発現となることを理解すべきなのです。「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』の『御者』の役割を担っているのが、意識的な世界に於ける『前頭葉の役割である』(脳全体の「司令塔」の役割)と私たち『二段階方式』は考えているのです。

このことに気づいていない上に、『DSM4』の規定の第二要件が確認を要求している失語、失認、失行(紛い)の症状自体が極めて重度の症状である(11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁の得点にしかならない極めて重度の段階に在る、私たちの区分で言う末期の段階である大ボケの段階更に後半になって初めて発現が確認されるほどに極めて重度の症状であることに気づいていないで、逆にそれらの症状が初期症状であると規定している重大な誤りの内容である)ことに気づかないでいる為に、『脳のリハビリ』の実施により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が発病の対象から外されている見落とされている)のが実態なのです。本当の意味での早期の段階を見落としていて、末期の段階であることも知らないで『大ボケ』の段階の症状や、頻度や程度が少し進んだ「物忘れ」の症状の確認や、果ては、僅かな「海馬の萎縮」などの確認だけを根拠に発病と診断していて、おまけに、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ない』と公言してもいるのです。「アルツハイマー型認知症」も、症状を治す為には、早期診断【小ボケ及び中ボケの段階で見つける事】と早期治療【「脳のリハビリ」の実践】が不可欠なのであり、末期の段階【大ボケの段階】で見つけて居たのでは、治すことは出来ない見つけるのが遅すぎるだけ】のです。

二段階方式の手技を活用して集積した精緻な脳機能データ、『アルツハイマー型認知症』発病者の前頭葉を含む脳全体の脳機能レベルの分布を解析し、図示した『事象事実』としての「脳機能データ」が証明しているのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が、正常な機能レベルで働くことが出来なくなった時から(私たちの区分で言う小ボケ)、「アルツハイマー型認知症」の発病はもう始まっているのです。左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常な機能レベルで働くことが出来ていても、肝心の司令塔の「前頭葉」が正常なレベルで機能出来なくなったときから(異常なレベルに衰えてきた時から)、「アルツハイマー型認知症」の発病は始まっているのです。

前頭葉』が意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っているという構造問題が存在している為に、「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルであることが、『意識的な世界』意識的な思考、思索、観察、理解、決断、発言、動作、行為、行動、言動)での『全ての種類及び態様によるアウトプットに対して、脳の機能構造的に必ず反映されることになるのです

           

&3  本当の意味での、アルツハイマー型認知症の「初期症状」(脳の機能レベルと症状の特徴)

アルツハイマー型認知症は、器質的な原因病変が何等確認されないにも拘らず発病するのです(私たちは、『加齢』に起因した機能低下の進行とナイナイ尽くし単調な生活習慣」の継続に起因した『廃用性の異常な機能低下』の進行という、「異なる二つの要因」が同時に存在し、充足されることに因る相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことが、発病及び症状の重症化が進行していく、唯一で真の原因なのです)。

前頭葉』を含む脳全体の機能が異常なレベルにに機能低下したことにより、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移そうとする時、様々なレベルでの生活面に支障が出てくる病気のことを「アルツハイマー型認知症」と言います。どんな生活面で支障が出てくるのかは、高度なレベルから「社会生活」、「家庭生活」、「セルフケア」の3つの面に区分されます。どんな内容、レベルのものであれ、「社会生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは、「家庭生活」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されるし、「家庭生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは「セルフケア」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されるのです。「前頭葉の機能が異常なレベルに低下」していることが原因で、生活面に「支障」があると言うことは、支障が「認知症の症状」として認められると言うことなのです(「加齢」という要因だけの場合には、認知症の症状が発現してくることは無いことに注意が必要です:私たちが集積した『加齢』に起因した脳機能の低下のカーブ【正常老化のカーブ】がそのことを証明しているのです)。

)「認知症の発病」である為の確認されるべき要件として、『前頭葉』を含む脳の機能が全般的に機能低下したことにより』という要件が存在しています。私たちの区分で言う「小ボケ」の段階については、『「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在って、左脳、右脳及び運動の脳は未だ正常な機能レベルに在る』と定義しています。但し、「前頭葉」が脳全体の司令塔の役割を担っているという機能構造に鑑みて、「前頭葉」の機能が異常なレベルに在る限り、その全てのアウトプットは、異常なものとなるということから、『「小ボケ」の段階の症状は、認知症の発病としての症状である』と考えるのです。&4で、『小ボケ』の段階に特有な症状としての「類型的な症状」として例示したものの内容について、『脳の機能面』という物差しと視点で観察し、理解して頂ければ、それらの症状が単なる「老化現象ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の症状であることが理解できると思うのです。専門家に対する注意を喚起しておくと、老化現象である場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されるのであり、「小ボケ」の場合は、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルに在ることが確認されるのです。

私たちは、こうした視点から、社会生活、家庭生活、セルフケアの3つの「生活区分」に対応した「前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状」について、二段階方式のデータを蓄積してきたのです。蓄積されたデータを分析し、「アルツハイマー型認知症」の脳の機能の衰え方とそれに対応した症状、「三段階に区分」され、且つ、それぞれに「グループ分け」された「段階的症状」をパターン化(類型化)してきてもいるのです(「改訂版30項目問診票」)。

脳全体の司令塔の「前頭葉」の働きが異常なレベルに衰えてきている人達、言い換えるとアルツハイマー型認知症の症状を示している人達は、脳の働き具合とそれに対応した症状のレベル及び正常なレベルへの回復の可能性と言う視点から区分すると、軽いほうから回復させることが容易な「軽度認知症」(「小ボケ」:社会生活面に支障)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(「中ボケ」:家庭生活面にも支障)及び回復させることが最早困難な「重度認知症」(「大ボケ」:セルフケア面にも支障)の「三つの段階」に区分されるのです。世界中の認知症研究の専門家とされる人達は、「脳のリハビリ」(前頭葉が活性化する生活習慣への改善)の実践により回復させることが可能(症状を治すことが可能の意)であるという意味で、本当の意味での「早期の段階」(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在及びその症状の類型について無関心であり、無知であるだけでなくて、発病の末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状の類型についてさえも不十分な知識しか有してはいないのです。「DSM-4」の第一要件及び第二要件の規定内容自体が重大な誤りであること並びに第一要件が正しいことを前提とした主張である『アミロイドβ仮説の主張内容が誤りである』ことに気が付かなくて、その権威に追随したままなのが、諸権威機関の現状なのです。

『アルツハイマー型認知症』だけに確認される特徴として、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、最初に異常なレベルに衰えて行き発病する【小ボケの段階の症状】。次いで、『前頭葉』の機能が更に機能低下を進行させていく中で同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が異常なレベルに衰えて行く(中ボケの段階を経て末期の段階である大ボケの段階へと移行していく)こと。並びに、MMSEが左脳及び右脳の働き具合を判定する下位項目について、出来なくなっていく(機能が衰えて行く)厳密な順番が存在し、その順番は、必ず以下の通りとなること(『MMSE下位項目の項目の困難度の指標』という事象事実としての脳機能データが存在するのです)。

想起注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順

14689例に及ぶ『アルツハイマー型認知症』発病患者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含む)の脳機能データが示す事象事実について、「アミロイドβ仮説」では合理的に説明することは不可能なのです。内容的には、重大な誤りでありながら、「DSM-4」の策定者達及び「4つの仮説」の提唱者達に権威が有るが為に、それだけのことで、未だに世界を席巻していて、弊害だけをまき散らしているのです。治すことも予防することも出来ないとされる状況が継続したままで、治療薬が一向に開発されないままに、末期の段階の「大ボケ」(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠の状態のままで、身体だけが長持ちしている)のお年寄りの数が更なる高齢化の進行という社会状況下で、際限もなく増大することで、『介護関連の総費用』(CTやf-MRIやPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、「発病のレッテルを貼るだけ」に過ぎない診断費用、「半年から1年程度症状の進行が遅れるかもしれない」との説明の下で処方される「治療効果は無くて、単なる対症療法薬」でしかない薬の処方の費用、結局のところセルフケアにも重大な支障が出て来て介護が不可欠となる「大ボケ」の段階のお年寄りの限りない増加による介護費用)の額が、天文学的な規模に膨れ上がってきていて、更には、急激にとめどもなく増加し続けているのです。「一般会計」に載せられて、国会審議にかけられているものと「特別会計」で処理されて、国会審議にかけられていないものの両者を併せると、国民の皆さんが聞いたら泡を吹きそうになる程の巨大な額、天文学的な規模の数字になっていて、然も毎年膨張する一方で、留まることを知らない状況が放置された儘なのです。

&4 「脳のリハビリ」により、回復させることが容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状とその特徴

認知症の専門家とされる人達は、米国精神医学会が定めた「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM4」の規定内容を基礎として「アルツハイマー型認知症」を捉えているので、言い換えると、「末期の段階」の症状である極めて重い症状だけにしか関心がないので、治せないものとの前提に立ってしか考えていないのです。私たちは、「二段階方式」と呼称する『精緻な神経心理機能テスト』を開発して、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとその直接のアウトプットとしての症状を正常なレベルから異常なレベルにまで連続したものとして、或いは、軽いほうから重いほうへと並べて類型化し整理しているので、更には、「脳のリハビリ」により治せるかどうかの指標の下に分類しているので、症状自体についても、専門家とされる人達とは症状の観察の仕方も根本的な相違があるのです。

私たちの区分で言う「小ボケ」は、脳の働きから言うと五感を通して情報を取り込み「前頭葉」に送る役割の左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルにあってちゃんと働いているのに、三頭立ての各馬と協働し、且つ、それらを支配しコントロールしながら、状況を判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマを実行する為に必要な実行内容の企画や計画を行い、実行結果の推理や予測やシミュレーションの結果に基づく必要な修正を施し、最終的な実行内容とその程度及び態様を選択して決定し、三頭の馬に対して実行の指令を出す役割を担っている脳全体の司令塔、三頭立ての馬車の「御者」である「前頭葉」の機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下により、異常な機能レベルに衰えてきている状態を客観的な指標により判定し、捉えて言っているのです。とはいえ、「セルフ・ケア」は自分で何の支障もなく行えるし、「家庭生活」面での支障も何ら起きてきてはいないのです。家の外に出て行って、人と交わり、何等かの「テーマ」を共に実行する生活となる「社会生活」の面で支障が出てくるようになる、それが「小ボケ」(軽度認知症)の段階なのです。。

脳の働きが「小ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現する「アルツハイマー型認知症」の症状について、「小ボケ」の段階に特有な類型を参考までに列挙しておきましょう。世界的に権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM4」が「アルツハイマー型認知症」診断の「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状はその欠片さえも確認されず、『「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかり』だということに注意を向けていただきたいのです。家の外に出て行って人と交わり何らかの共通の「テーマ」を実行する場である「社会生活」を送る際に、以前は出来ていたことなのに、今は、出来なくて、様々な支障が起きてくるのです。以下に例示する症状は、老化現象ではなくて、『アルツハイマー型認知症』としての症状なのです。「老化現象」であるか、アルツハイマー型認知症としての症状であるかを鑑別するには、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在るか/異常なレベルに在るかを、精緻に判定し、鑑別できることが不可欠の条件となるのです。その為の有効な手技としては、私たちの『改訂版かなひろいテスト』しか開発されていないのが現状なのです。

○眼の光がどんよりしていて、表情に力がなく、無表情、無感動の様子が見て取れる

○問いかけに対する反応が遅くて、生き生きした笑顔が見られない

○何事に対しても、意欲がなくなる

(何かをしようとする意欲が出てこない様子)

(何をしたいのかを思いつかない様子)

(何をするにも億劫で、面倒がるようになる)

(何事につけても、直ぐに人を頼りにする)

(外出するのを面倒がり、嫌がるようになる)

(おしゃれに関心がなくなる)

(人付き合いを面倒がるようになる)

(新しい道具を使うのを面倒がるようになる)

○此処と言うときに、その「テーマ」についての「発想」が湧いてこなくなる

(会議などで、意見やアイデアを思いつかない)

(料理の献立が単調になる)

(いつも同じパターンの食材ばかりを買ってくる)

○肝心の「意欲」自体が出てこなくて、自分で「計画」して何かを始めようとしなくなる

(色々なことを自分で計画するのが面倒になる)

(買い物に行くと、お札ばかり使うので、小銭がやたらと貯まるようになる)

(料理の献立を考えるのが面倒になる)

(家人に指示されると、草むしりや洗濯や片付けなど家庭内の用事程度のことはこなせるが、自分から  やろうとはしなくなる)

○「根気」が続かなくなり、何かをやり始めても、すぐに投げ出してしまう(テレビを見ていても、同じ番組を続けて見ていられなくてチャンネルを直ぐに変えるようになる)

○機敏な動作が出来なくなる(歩く時も前かがみの姿勢となり、小股でトボトボと歩く)

○毎日ボンヤリとして過ごし、居眠りばかりするようになる

○食事の支度をしていて、鍋を度々焦がすようになる

○自動車を運転すると、軽微な自損事故が目立って増えてくる

(歩道に乗り上げる、こする、バックの確認をしないでぶつかる)

(信号無視や右折/左折のウインカーの指示を忘れる)

(流れに乗れなくて、同乗者が怖いほど、スピードが遅い):交通量が多い広い道を、時速30Kmで走り、車の列を従える。「前頭葉」の三本柱の機能である「注意の分配力の機能」が廃用性の機能低下により異常なレベルにまで衰えてきていることが原因【小ボケのケースが多く、稀に中ボケのケースがあるが、大ボケのケースは有り得ない)で、道路の状況、車や人の流れや交差点の状況等に目配りや気配りと言う「必要な注意を各対象に分けて配る」ことが出来なくなり、真っ直ぐ走らせるのが精いっぱいの状況にある為、道の真ん中寄りを時速30Km程度の速度でノロノロ運転することになるのです。『二段階方式』の手技を実施して、「前頭葉」の機能レベル(就中、注意の分配力の機能レベル)が正常であるか/異常であるかを判定してみれば、容易に鑑別できるのです。⇒車を運転していて、交差点に差し掛かって、信号が赤だと気づくにも、信号が赤である時は手前で車を止めることが要求されていることを意識するにも、ブレーキを踏んで白線の手前で車を止める動作を実行するにも、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルに在ることが必要不可欠の条件となるのです。

○話の流れに乗れず、話の輪にも入っていけなくて、主題とは関係のない話を自分勝手に唐突に話す

○オルゴール・シンドローム現象が起きてくるようになる(同じ話を何度も繰り返して話していて、本人はそのことに気付かないでいる)

○社会生活に支障が出てくるようになる(人と交わり、コミュニケーションをとりながら何らかの目的に沿った行動が要求される家庭の外での生活、「社会生活」に支障が出てくるようになる)

)「脳のリハビリ」の実施により症状を治すことが出来る本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」(回復させることが比較的容易)及び「中ボケ」(家族の心のこもった後押しが有れば、回復させることが未だ可能)の段階の『類型的な症状』について、次回のこのブログで、「中ボケ」について例示し、説明する予定です。

(エピローグ)『4つの仮説』だけが席捲してきた「アルツハイマー型認知症」の発病原因の主張内容について、スエーデンのカロリンスカ研究所が、「生活習慣が危険因子である』との研究論文を発表したことを皮切りにして、昨今話題の「AI技術」の活用による『生活要因』という新たな視点からの研究発表が相次いでいます。とは言え、検索及び解析の対象となる項目について、脳の使い方としての『生活習慣』並びに『注意の分配力』の機能の発揮の度合いが直接関わる生活習慣及びその在り方という視点からの情報が含まれていない限り、結果は、地中海料理を食するのが予防に効くとか、ココアや赤ワインの飲食が効果があるとかの『奇妙奇天烈な結果』が出てくることになることを、一般の皆さんにも、敢えて、注意喚起しておきたいのです。

本著作物「Dー08」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 


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アルツハイマー型認知症の発病と本当の意味での早期の段階の症状(D-09)

2019-09-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

年とれば 堰切るごとに 物忘れ   アレょアレょと 言葉を知らず

&1「アルツハイマー型認知症」(我が国では、アルツハイマー病と呼ぶ学者や医師もいる)の症状は、「三段階」に区分されるのが特徴 

(1)   厚生労働省の発表によると、認知症のお年寄りの数は現在600万人超と言われています。600万人超もの認知症のお年寄り(90%以上がアルツハイマー型認知症であることに注意)とは、自分が住んでいる家が分からなくて徘徊したり、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ったり、トイレの後始末も出来ないで、セルフ・ケアにも介助が要る末期の段階の人達、私たちの区分で言う重度認知症(「大ボケ」)の人達だけの数なのです。医学会の現状はというと、『DSMー4』の「第二要件」の規定内容が重大な誤りであることに気づいていない為に、末期の段階である「大ボケ」の更に後半の段階(11の「下位項目」により構成され、30点が満点である『MMSE』の総得点が、一桁にしかならない脳の機能レベルに在る「お年寄り」に確認される失語や失認や失行と言った症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期症状であると誤解したままで、それらの症状の確認を待って初めて発病と診断しているのです。もっと軽い段階があるとは何故か考えようとしないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、末期の段階である『大ボケ』になってしまうと、本当の意味での早期の段階、「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復及び症状の進行の抑制、或いは緩やかな進行という治療の効果が最早期待できなくなり、「セルフ・ケア」にも支障が出てくるので、日常の生活面での『介護』が不可欠の状態となってしまうのです。

1)「小ボケ」や「中ボケ」の段階自体が見落とされている現状では、『大ボケ』のお年寄り家族介護を礼賛するかのような、「介護生活に関わる楽しさや、喜びや、生き甲斐」なるものを、テレビに出てきて語ったり、新聞に連載したり、ブログで発表したり、本まで出版している人達が大勢いるのです。「大ボケ」の段階に在る「親の介護」以外に何等の目標となることも、生き甲斐や喜びを覚える「テーマ」も見いだせない人達が、『「大ボケ」の親の介護』という「テーマ」に挑戦する事自体は、個人の自由であり、反対はしないのですが、そうした価値観の人達と言えども、『介護離職』が100万人を超えている現在の社会状況に目を背けてはならないのです。更に問題を指摘すると、専門家である医師達が見落としている『本当の意味での早期の段階』、発病者が私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」であれば、『脳のリハビリ』(自分なりに「注意の分配力」の機能の出番が多いテーマを日々実践することに因りにより、「前頭葉」の機能が活性化してきて、前頭葉を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)のであり、家族による関わりについての諸般の事情により、それがかなわない場合であっても、症状の進行を抑制し、或いは、進行を緩やかにすることが出来て、末期の段階である「大ボケ」にまでは落とさないことに因り、『介護の予防』という成果も獲得することが出来るのです。「大ボケ」の段階に在る「お年寄り」の介護は、『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行という要因の存在により、どれだけ介護に励もうとも、症状の進行を緩やかにすることも、症状を治すことも困難になってしまうのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した「親に対する介護」に励むのであれば、回復の可能性が有る/或いは、症状の進行を緩やかにすることが出来る「小ボケ」/「中ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ」の実践の後押しに心を傾け、努力すべきだと考えるのです。「介護する側」にとって、その方が真の意味での価値ある喜びや、生き甲斐につながると思うのです。「大ボケ」の介護を礼賛する発言や活動に注力している人達は、私が提起するこのテーマに正面から対峙していただきたいと思うのです。

注2)認知症の専門とされる医師達は、「失語や失認や失行等の症状」が、『11の下位項目により構成され、30点が満点であるMMSE』の総得点が一桁になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることを知らないでいて、米国精神医学会が定めた診断規定である『DSM-4』の第二要件が「失語や失認や失行の症状」が発病の初期症状であると規定重大な誤りの内容)していることに疑いを持たないままに、それ等の症状の確認を待って、初めて『発病と診断している』のです。もはや治すことも出来ないし、症状の進行を緩やかにすることも出来なくて、『介護の途』しか残されていない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル張り」をしているだけなのです。医師達は、何故、発病のレッテル張りだけの診断に満足し、そうした診断の在り方に疑いを持たないで居るのか。その方が、もうかるからなのです。早期診断と称して、CTやMRIやSPECTやPETを診断に用いることが多いのですが、実際には、CTやMRIやSPECTやPETを診断に用いようとも早期診断は、不可能なのです。早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つける事)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することによって初めて可能であるからなのです。 この早期の段階を見つける方法、『前頭葉』の機能レベル(実際の手法としては、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能レベル)を個別に及び総合して精緻に判定することが出来る「手技」は、保険点数が極めて低い『かなひろいテスト』しか存在していないので、必要な規模の売り上げが立たない為に、早期の段階で見つけることに医師達の多くは、関心が無いのです。

(2)   世界中の認知症研究の専門家と言われる人達が気づかないで見落としている本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実践により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階であり、私たちが問題にしている「軽度認知症」(「小ボケ」)及び「中等度認知症」(「中ボケ」)のお年寄りは、「アルツハイマー型認知症」の発病者の数には入っていないのです。後述する『MCI(Mild Cognitive Impairment):軽度認知障害』等という極めて曖昧な基準、外観から推測するだけで、客観的な判定要件が規定されていない基準を基礎として、副作用だけで、治療効果を有していない薬(症状を回復させる効能も、症状の進行を緩やかにする効能も有しない単なる対症療法薬であり、治療薬ではない)が処方されているのが医療現場の実態なのです。その問題を自覚している心ある医師達は、それら「4つの」「対症療法薬」に対して健康保険の適用を除外す」べきだと主張しているのです(仏国では、既に適用除外とされている)。

(3)   認知症とは、「一旦完成された脳機能が、何等かの原因で全般的に機能が低し、社会生活や家庭生活やセルフケア等に支障が起きてくる病気」と定義されます。つまり、もともとは正常な『社会生活』を営んでいた人に起きてくるものである以上、現在セルフ・ケアもおぼつかなくなっている人であっても、過去に遡れば正常であった時期があり発病後に『前頭葉』を含む脳全体の機能についての加速度的で異常な機能低下の進行により症状が次第に重症化していった結果ということなのです。「アルツハイマー型認知症」(生まれつき、特定の遺伝子に異常が確認される人達だけが発病して、且つ、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」とは根本的に異なる病気)は、老年発症が特徴なのであり、『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の「高齢者だけが(私たちが規定する発病の「第一要件」)発病の対象となる特徴を有するのです(生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象にして発病し、若年発症を特徴とするアルツハイマー病と廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないアルツハイマー型認知症とを総称して「アルツハイマー病」と呼称する人達が我が国にはとても多いのですが、両者は根本的に異なる種類の認知症なのです)。

(4)   廃用性の機能低下(『前頭葉』の使い方が不十分/『注意の分配力』の機能の出番が不十分な「脳の使い方」としての『生活習慣』)に起因して発病する「アルツハイマー型認知症」は、症状が徐々に段階的に進むのが特徴なのです。昨日まで正常だったお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病した途端に、同居の家族の名前や顔も分からなかったり、ズボンを頭から被ってみたり、トイレの後始末も自分で出来ないで、セルフ・ケアにも重大な支障があって、介助が要るようにはならないのです。『DSM―4』の「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとする考えは、「アルツハイマー型認知症」の無知からくる重大な誤りの内容なのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてみると、軽いほうから順に、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の「三段階」に分かれていることが確認されるのです(14689例の症例のデータ)。

私たちが独自に開発した「二段階方式」の神経心理機能テストを実施(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定)してえられたものであり、「アルツハイマー型在認知症」の発病者と判定されたお年寄り達の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクして発現するのを特徴とする症状であり、「三段階」に区分される類型的症状を集積した143689例に上る『脳機能データ』から、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」に区分されることが分かるのです。

私達が問題にしているのは、「大ボケ」に先立つ「小ボケ」と「中ボケ」の段階の存在が見落とされていることなのです。年のせいと言われていたり、不活発病の名前を冠せられたままで居たり、MCI(軽度認知障害)という極めて曖昧な基準の適用対象にされて放置されている「小ボケ」と「中ボケ」とをあわせると、「大ボケ」の2倍もいるのです。「大ボケ」に「小ボケ」と「中ボケ」とをプラスすると、「アルツハイマー型認知症」の発病者達の数は、既に1000万人を超える規模になっていると考えられるのです。「小ボケ」は、「社会生活面」での支障が出てくる段階であり、「中ボケ」は、「家庭生活面」での支障が出てくる段階であり、『DSM-4』の「第二要件」が確認を要求している失語や失認や失行の症状はその欠片も確認されない段階なのです。「中ボケ」でさえも、それなりのレベルでの会話も行えるものなので(日常の生活面で、『家庭内の簡単な用事』程度の実行で、種々の失敗を重ねていても、それなりに言い訳を並べ立てることが出来る)、診断を行う医師等の専門家達が、発病とは気づいていないのです。認知症研究の専門家達とは言え、学者も医師も、『前頭葉』の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを精緻に判定出来る「手技」を持たないことが原因なのです。

☆アルツハイマー型認知症の発病の場合の上記三つの段階における脳の機能と生活実態との関係の概要を整理すると、以下の表のようになります

〇 「アルツハイマー型認知症」の症状の「三段階」と脳の機能レベルとの関係及び生活実態

脳の機能レベル

生活実態としての症状

段階区分

正常レベル

正常

正常

前頭葉のみ異常なレベルに低下

但し、後半領域は正常レベル

社会生活面のみに支障指示待ち人

小ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域も異常な機能レベルに低下

家庭生活面にも支障
 言い訳のうまい幼稚園児

中ボケ

前頭葉低下の更なる進行+後半領域の機能の更なる低下の進行

セルフケアの面にも支障脳の寝たきり児

大ボケ

2 『脳のリハビリ』により、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の症状とその特徴(「小ボケ」の症状は、前回「D-08」を参照

中ボケ』の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする際に不可欠の機能である『前頭葉』の働き具合が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきています。加えて、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルにあった、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、異常な機能レベルに衰えてきているのです(「中ボケ」の段階から、前頭葉を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意して下さい)。廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が『中ボケ』の段階にまで衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で一応のことが出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることはないのですが、『家庭内の簡単な用事』程度のこと(ex.炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事等)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面での様々な支障が起きてくるようになるのです。

この場合、『DSM-4』の「第一要件」の規定や『4つの仮説』が発病を惹き起こす原因条件とする「記憶障害」が原因で、『家庭内の簡単な用事』程度の事案の遂行に支障が出てくる訳ではないことに注目して頂きたいのです。『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「小ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきていていることに加えて、「左脳、右脳及び運動の脳の機能」までもが異常な機能レベルに衰えてきていることが、「中ボケ」の段階の症状が発現する核心的な要因なのです。

『前頭葉』を含む脳全体の機能が「中ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現が確認される「中ボケ」の段階に特有な類型的症状について、その症状を列挙しておきましょう。「DSM-4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても未だ、部分的に過ぎず、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。

抑制が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしている」だけの日々を送るようになる

「時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくる

(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。今の季節があいまいになる時から大ボケに入っていき、昼夜が分からなくなると、大ボケの後半に入っていきます。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、『時の見当識』には、衰えていく厳密な順番があり、日、年、月、季節、昼夜の順に言えなくなっていきます。)

「脳のリハビリ」による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」が不可欠となるのです。

箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない

ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる

自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる

簡単な計算もできなくなる

料理の味付けが可笑しくなる(塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)

服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる

(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)

家族のことを正確に言えなくなる(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えない)

パジャマを着たまま平気で表に出たり髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる

昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる(昨日の老人会の出来事を忘れているというのではなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)

「所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)

お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)

前回例示した(D-08)の「小ボケ」の類型的症状や今回例示した「中ボケ」の類型的症状を見ても、「DSM-4」が「第一要件」で確認を要求する「記憶障害に起因した症状」という要件の内容自体が、誤りであることに気づいていただきたいのです。正しくは、『「前頭葉」機能障害起因した症状(any disturbance in executive functioning )』が正しい要件となるのです。『外観』からの観察に基づいただけの推測や憶測に頼っているだけで、『前頭葉』の個別認知機能群である「実行機能」の機能の発揮度を支配し、下支えている機能構造の関係にある「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能との関わり具合及び関わり方のメカニズム(“機能発揮上の二重構造”)の問題に気づかない限り、発病の原因を解明することは、不可能事であることを指摘しておきたいのです。その視点から問題点を指摘すると、世界中の認知症研究の専門家とされる人達は、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』という脳機能も備わっていない、マウス(アルツハイマーマウスを含む)の行動ばかりを、何時まで追いかけ続けるつもりなのでしょうかと問いたいのです。

&3 『軽度認知障害』(Mild Cognitive Impairment)という基準の問題点

(1)   『軽度認知障害』の基準を取り上げる学者や医師達の共通した要点の概要をまとめると、以下のようになります。

「記憶障害」という要件が中核をなしている基準であり、以下の要素の確認を要することとされている。

〇主観的な「物忘れの症状」の訴えが、本人や家族からあること

〇年齢に比し、「記憶力」が低下していること

〇複雑な日常の生活動作に最低限の障害があっても、基本的な日常生活機能は正常であること

〇全般的な「認知機能」は、正常であること

上記に加えて、「軽度認知障害」の該当者は、「アルツハイマー型認知症」だけでなく、他の原因による認知症発病の「前段階」であるとされていて、『正常な状態からから認知症発病までの間に位置するグレー・ゾーンである』とされているのです。まったく、意味不明の基準であり、極めて曖昧な概念説明であるというしかないのです。これが診断基準になると主張する人たちの杜撰さには、あきれるしかないのです。 

(2)   『記憶障害の症状』というとき、「加齢」という要因に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が原因で発現する記憶障害の症状とは、所謂物忘れの症状のことなのです。これに対し、「アルツハイマー型認知症」の発病として発現する「記憶障害」の症状とは、「加齢」に起因した脳機能の低下という要因に加えて、「第二の人生」における脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されて起きてくる「前頭葉」を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発現してくるものなのです。両者を鑑別する上での、最も重要な要件とは、物忘れの場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在ることが確認されることであり、「アルツハイマー型認知症」の発病としての記憶障害の症状の場合は、『前頭葉』の機能自体が異常な機能レベルに在ることが確認されることなのです。前頭葉の機能レベルという視点も無ければ、前頭葉の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻に判定/鑑別する「手技」を持たない状況で、上述したような極めて曖昧で、客観的な基準を持たない、「軽度認知障害」(MCI)なる基準そのものが、有効で、有益な「物差し」であるかのような説明をする学者や医師達が多いという実態に、心から驚かされるのです。

(3)   その原因は、専門家とされる権威ある彼ら自体が、『アルツハイマー型認知症』そのものについて無知であり、客観的で科学的な判定基準及び鑑別の為の手技を持たないことに在るのです。彼等には、権威はあっても、肝心の実力が無いのです。

上記(1)の概説を読んでみて頂きたいのです。具体的な被験者を前にした場合に、「軽度認知障害」の考え方を適用するに際し、客観的な要件が殆ど規定されていないことについて、何の疑問も抱かないで、客観的で適切で合理的な診断を実施できる医師がいるのでしょうか。特に、客観的な『診断基準』自体が存在していない「アルツハイマー型認知症」の発病の可能性の有無及び程度を、どのような客観的な証拠データに基づき判定し、診断を下すことが出来るというのでしょうか。

その上に重大な問題があることを皆さんにも知っておいて頂きたいのです。『軽度認知障害』に該当すると診断した場合、上述したように、医師達は、発病の予防とか、症状の進行を遅らせる為とか言いつつ、『薬』を処方するのです。症状を改善させる治療効果は無く、症状の進行を遅らせる治療効果さえも無く、単に、症状の発現の仕方に影響するだけの薬である『対症療法薬』に過ぎない「4種の薬=エーザイのアリセプトが代表例」を「予防薬」と称して処方しているのです。フランスでは既に、健康保険の対象から除外されている薬なのに。

&4「アルツハイマー型認知症」の発病に関わる『意識的な世界』

(1)様々な種類が数ある認知症の内の90%以上もの割合を占めていて、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている 『アルツハイマー型認知症』、世界中の巨大な製薬会社が『治療薬』の開発に挑戦し、そのことごとくが失敗に終わっているのです。根本的な問題として、「アルツハイマー型認知症は、発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム自体が、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に関わる認知症だから」なのです。『意識』については、古代ギリシャ、ローマの時代から現在に至るまで、それこそ数えきれない程の数の哲学者や心理学者や脳科学者などが、『意識の機能構造』の解明に努力してきたのですけど、未だに解明できた人が一人もいないという現実があるのです。独自の手技である『二段階方式』の手技を開発してこの「テーマ」に挑戦してきた私たちは、『意識的な世界』、『意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界』での「前頭葉」を含む脳全体の機能の関わり方の解明に挑戦することに因って、世界で初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズム、類型的で典型的な症状の「三段階区分」と早期診断による症状の回復(症状を治すこと)の具体的な方法、更には、発病自体を予防する方法を解明し、1995年の活動開始以来、北海道から九州に跨る地域の累計で452を数える極めて多数の市町村で、先駆的な実践、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』として、その実践を指導し、私たちの主張が正しいことを、疫学的方法により実証してきたのです。

(2) 私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す世界は、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車の御者が運行する世界』と考えると、分かり易いかと思うのです。対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。『前頭葉』と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界(マウスは愚か、DNAの98%が人間と同一であるとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能であることに注意)である『意識的な世界』(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、シミュレーションして、必要な比較と選択を行って修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部(三頭の馬)に対して実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、監督し、コントロールしているのです。

(3)   その『前頭葉』の個別認知機能(理解、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、校正、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、判断、修正、選択、排除、排斥、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、支持、指示、指揮、采配、支配、統率、統合、統括等)の総称である『実行機能』の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した『実行機能』の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘らず「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(私たちが「正常老化の性質」と呼称する性質)が内在しているということなのです。そのデータによると、『「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、「加齢」と共に直線的で緩やかなカーブを描きながら徐々に衰えていく(機能が低下していく)のです。そして、我が国での『第二の人生』が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです』。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。但し、上述した『正常老化のカーブ』自体は、100歳代になっても異常な機能レベルには衰えてはいかないことを示しているのです。学者達の一部には、『アルツハイマー型認知症の発病は、加齢の延長線上にあると考えられる』と主張する人達がいるのですが、「脳機能データ」から言うと、『誤り』なのです。

(4)我が国での有力な学説とされているアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより、「記憶障害」の症状が惹起されることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が、蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が惹き起こされることが「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の要因であると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり【「アルツハイマー型認知症」を長く患っていた結果として、末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の更に後半の段階にまで症状が進行していった「お年寄り」、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の第二要件が確認を要求している、失語や失行や失認の症状が確認された「お年寄り」達の、死後の脳の解剖所見」に共通して確認される「老人斑」(「記憶障害」を惹き起こす原因として、アミロイドベータ説が主張する根拠)や「神経原線維変化」(「記憶障害」を惹き起こす原因としてタウ蛋白説が主張する根拠)や「脳の萎縮」(記憶障害を惹き起こす原因として脳の萎縮説が主張する根拠)を何の根拠も無しに取り上げて、それらが「アルツハイマー型認知症」の発病の原因だと憶測し、因果関係の立証も無く、主張しているだけのことなのです】、これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。 何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、『DSM-4』や仮説が主張している「記憶障害」に起因した症状なのではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因した症状であるからなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状について、認知症の専門家とされる人達は、外観から観測される症状を単に並べ立てるだけなのですが、私たちは、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」と市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果を根拠としているのです。

&5『アルツハイマー型認知症』の本態と発病するメカニズム(機序)

1.器質的な原因病変が何等確認されないのに、意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に様々な支障が出てくるのがアルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の特徴なのです。ところで、脳の機能面から言うと、「意識的な世界」における全体の「司令塔」としての役割を担うのが「前頭葉」という脳機能なのです。「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」ことは、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭建ての馬車を動かしていくようなものであり、御者なくしては、どんなに立派な馬をつないだところで、馬車は動きようもありません。御者の働きが、「前頭葉」の働きだと考えると、分かり易いと思います。馬車が動くときいつも、御者が手綱を引いて馬全体を制御しているように、毎日の様々な具体的な思考や生活行動や言動の場面で、必ず、「前頭葉」が自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行する為の行為や行動を企画し、計画して、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、選択して、最終的に何をどのようにするのかを判断し、決定しているのです。意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、この作業工程に見られるように、「前頭葉」が脳全体の司令塔の役割を担っているのです。

2.  「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。

(1) 発病の「第一要件」は、60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。『加齢』に起因した脳の老化の進行の問題が、発病の第一要件なのです。

それゆえに、「アルツハイマー型認知症」は、『老年発症』が特徴なのです。

(2) 発病の「第二要件」は、『第二の人生』を送る上で繰り返されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行の問題なのです。

すなわち、「第二の人生」での生き方、言い換えると、脳の使い方としての『生活習慣』の質が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意)。

(3) 「第一の要件」と「第二の要件」が同時に存在し、充足されることの相乗効果により発病するのです。「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に存在し、充足されることに因る相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、発病(小ボケの段階)及び症状の重症化の進行(「中ボケ」の段階を経由して、末期の段階である「大ボケ」の段階に至ること)が待っているということなのです。

若年層(ex:30歳代や50歳代の人達)が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続していても、発病することにはならないのです。

逆に、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、現役で仕事を続けている限り(農業であれ、会社勤めであれ、職人であれ、現職で仕事についている限り)、前頭葉の出番が十分に確保された生活習慣が有り、それに付随して、注意の分配力の機能の出番が多い生活が確保されていることになるので、発病することは無いのです。但し、「現職」と言っても、肩書だけの場合は、除外されることに注意してください。

&6 「アルツハイマー型認知症」からの回復及び症状の進行の抑制による介護の予防並びに発病自体の予防

『前述のように「アルツハイマー型認知症」は、日々の「脳の使い方」としての視点で言う『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が発病及び症状の重症化の進行を左右する、唯一で核心的な要因である「生活習慣病」なのです。「加齢に因る脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の機能低下の進行」という「異なる二つの要因」が重なる(同時に存在し、且つ、充足される)ことに因り、その相乗効果によって、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させることに起因して発病し、症状の重症化が進行していくものである「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方にも明確な特徴があるのです。

その「特徴」となるのは、

① 最初に、最高次機能である「前頭葉の働き」が異常なレベルに衰えていくこと

② 次いで、高次機能である「左脳と右脳の働き」が異常なレベルに衰えていく

③ 更に、『MMSE』で判定される高次機能には「衰えていく極めて厳密な順番」が事象データとして確認されているのです。

従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能がどこまで衰えているのか(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)及びその脳全体の機能レベルでは、どんな症状を特徴的に示すのか(生活実態としての類型的な症状)を調べることで、「アルツハイマー型認知症」を発病している人の認知症のレベル(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の段階)を精緻に判定することができるのです。

エイジングライフ研究所が開発し、市町村の保健師さんが使いやすいように実務化した「二段階方式」の手技は、御者の働きをする「前頭葉」の働き具合を『かなひろいテスト』で判定し、馬の働きをする左脳と右脳の働き具合を『MMSE』で判定し、両者の機能レベルを総合的に判定することにより、『アルツハイマー型認知症』の重症度を精緻に判定することができます。更には、回復が困難で介護するだけのレベルである「大ボケ」と回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」とを区別して、脳の機能レベル毎に適切な対応ができるように工夫されているのです。

「小ボケ」と「中ボケ」に対しては、第一義的には、「脳のリハビリ」の実践指導による前頭葉を含む脳全体の機能の正常な機能レベルへの回復(アルツハイマー型認知症の症状を治すこと)を達成目標とすること、第二義的には(何らかの事情により、回復させることが困難であった場合でも)、末期の段階である「大ボケ」には症状を進行させないことによる介護の予防を達成すること(認認介護介護離職を失くすこと)を目標としているのです。こうした活動が一定の成果を挙げることに因り、日常の生活面での『介護』が不可欠となる「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになる「お年寄り」の数を顕著に減少させることが出来、精神的、肉体的、経済的な負担が極めて大きい「大ボケのお年寄り」の「家族介護」の必要性を失くすことにもつながるのです。ひいては、「介護保険制度」が財政面から破綻する状況を失くすことにもつながるのです。

本著作物「Dー09」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

 

 

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認知症の発症を遅らせ、症状の進行を遅らせ、発病自体を予防する『地域予防活動』の展開ーそのⅢ(D-07)

2019-08-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

       時は今 天が下知る 五月かな  

本能寺の変を起こした明智光秀が詠んだ句。極めて高い権威がある世界中の認知症研究の専門家達から、『原因不明で治らない、予防も出来ないもの』とされてきた『アルツハイマー型認知症』について、コペルニクス的な転回が、起きようとしているのです。二段階方式の出番が回ってきたのです。今年の1月1日に公開した私のブログ(C-19)の内容に若干の手直しを加え、ここに引用します。政府大綱が、『予防』というテーマを持ち出してきたので、市町村による今後の取り組み方について、保健師さんに関心をもって頂きたいのです。

最近になってやっと、スエーデンのカロリンスカ研究所を頂点として、ロンドンに拠点を置くランセット委員会や、我が国では、国立精神・神経医療研究センターが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、日常の『生活習慣』が危険因子と考えられるとの従来の学説とは視点も要因も全く異なる見解を発表するようになってきました。これまでは、と言うか、未だに、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である『DSM-4』の規定が、「第一要件」で確認を要求する「記憶の障害」が発病を惹き起こす核心的な要因であると誤解していて、発病の原因=「記憶障害」を引き起こす原因という図式の下に構成した単なる「仮説」(主張内容の基礎に客観的な根拠データがなく、発病との間の因果関係が未だに立証されていない憶測)に過ぎない『4つの仮説』、アミロイドベータ説(通説)、タウタンパク説、アセチルコリン説及び脳の萎縮説が専門家とされる医師や市町村の保健師さん達を混乱させ、惑わせてきたのです。

私たちは、市町村に対する指導活動を開始した1995年以来、一貫して、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であること並びに『早期診断により治せるし、発病自体を予防できる』と主張してきているのです。更には、北海道から九州に跨る452の市町村で、『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践展開を指導する中で、私たちの主張内容が正しいことを『疫学的方法により実証』してきてもいるのです。仮説のような単なる憶測の類とは次元が異なるものなのです。権威が足りないが為に、情報の発信力が乏しいことは否めないのですが、品質は突出しているのです。注)私たちが独自に開発した『二段階方式』の考え方に基づいて及び「二段階方式」の手技を活用して市町村の保健師さんが主導する住民参加型の「地域予防活動」は、『アルツハイマー型認知症』に対象を絞り特化して行うのが特徴なのです。

前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの判定、私たち独自の指標である『MMSE下位項目の項目困難度』通りの低下順の確認、「二段階方式」独自のものである『30項目問診票』との照合により行われる「三段階」に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の確認、廃用性の機能低下を惹き起こした原因である『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続』の確認、関わるそれらの業務の全般が、医師法が定義する「医行為」に該当しないので、保健師さんが、関わる全ての業務を一元的に実施し管理することが出来るのです。

&7「アルツハイマー型認知症」は、『超高齢社会に特有な落とし子』なのです

(1)我が日本は、世界に先駆けて超高齢社会を実現し、更に、その先頭を走っている状況にある中で、『アルツハイマー型認知症』の発病者数の増加のスピードの面でも先頭集団にいるのです。発病者数が既に500万人を超えているとされるのです。ところが、実は、その数というのは、「末期の段階」の症状が発現しているお年寄り、私たちの区分で言う『大ボケ』のお年寄りの数だけなのです。認知症の専門家とされる人達が見落としている回復可能な本当の意味での早期の段階の発病者、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りを加えた数で言うと、次のような数値(概数予測)になるのです。60歳代のお年寄りの12%、70歳代の30%、80歳代の50%、90歳代の75%、100歳代の97%ものお年寄りが、『アルツハイマー型認知症』を発病しているのです。私たちが幼かった頃は、還暦を迎えて数年が経つとお迎えが来ていたものなのです。70歳を迎えたお年寄りに『古稀』の祝いがあることが示すように、70歳まで生きる人は稀だったのです(人生70古来稀なり)。超高齢社会を達成した現在は、『人生百年時代』という言葉が夢物語ではなく、普通に語られるようになってきているのです。上述の発病率の数値でお分かりのように、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、実態面からみても、『超高齢社会』に特有の落とし子と言うべきものなのです。

アルツハイマー病、脳血管性認知症、二次性認知症など、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めているのが、アルツハイマー型認知症なのです。『アルツハイマー型認知症』の的確な診断基準が存在していない状況下で、的確な診断が為されない為に、脳血管性認知症と診断されている(誤診を含めて、脳血管性認知症と診断されていることで認知症全体に占める割合が25%になるとされている)25%のうちの「20%分」が、実は、「アルツハイマー型認知症」なのです。脳梗塞などの既往があり、少しばかり頻度や態様が激しい物忘れの症状、或いは、僅かな程度の脳の萎縮がみられると、全て脳血管性認知症と診断されていたりするのです。それほど、アルツハイマー型認知症については、認知症診断の専門医でさえ、ほとんど無知というに等しいのです。アルツハイマー型認知症を直接に鑑別する診断基準が存在していないので、CTやMRIやPET等の高額な診察費が稼げる機器を多用して、分かっている種類の認知症から順次消去していき、最後まで残ったものについて、前述の基準などから、アルツハイマー型認知症の発病だと推測しているのです(肝心の『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定する「手技」を持たない)、重度の「記憶障害」の症状(或いは、失語や失認や失行紛いの症状)という基準だけを頼りに発病の有無を診断する為に、側頭葉性健忘症感覚性失語症などを「アルツハイマー型認知症」の発病と誤診しているケースも多々あるのです(『側頭葉性健忘症』は、記銘力障害(新しい記憶が入って行かない)に起因した重度の記憶障害の症状と海馬の萎縮が認められるものの、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、正常な機能レベルに在るのが特徴)。その上、治療の効能を有しない薬(単なる対症療法薬)を処方しているのです(症状を治すことは出来ないが、症状の進行が半年から1年遅くなる効果が期待されるとかの説明がなされるのが通常)。私たちは、小ボケ、中ボケ、大ボケの各段階に特有で類型的な症状というものを持っているのですが(「30項目問診票」で使用している類型的な症状については、各段階毎に発現してくる症状の順番について、かつて、東京都老人総研に分析して頂いた「発現してくる順番」のデータも保有しているのです)、製薬会社だけでなく彼等医師達も、そうしたデータや基準を持たないのです。失語や失認や失行紛いの症状と言った「極めて重度の症状」を、発病の初期症状だと誤解しているのです。学者も、認知症の診断が専門の医師達も、因果関係についても、何故か『ルーズ』というしかないのです。

テレビに出てきて、大学の医学部教授という肩書で、『アルツハイマー型認知症』について、『運動や交遊の機会を増やすことにより発病を予防することが出来る』と発言しつつ、『アミロイドベータの蓄積が原因で発病する』などと、自分が無知であることに気づかないで、意味不明な内容を物知り顔に語る人達がいるのです。末期の段階の症状であり、もはや治すことが出来なくて「脳のリハビリ」の対象にはならない「重度の段階」(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状が発現してきているお年寄りに『発病のレッテル』を貼っているだけなのです。『早期診断により回復させることが出来て、発病自体を予防することが出来る認知症』、それこそが「アルツハイマー型認知症」の特徴であることを知らないし、そのことに関心も無いのです。関心があるのは、いかにして売り上げ高を稼ぐかだけなのです。アルツハイマー型認知症の薬とされ販売され、処方されている4種の薬は、全て、治療薬ではないのです。「症状の発現の仕方が激しい」患者の症状に対しては、それの発現を抑制し、「何かをする意欲が消失している」患者に対しては、意欲をある程度亢進させる効果しか期待できないのです。「症状を治す」効能も有していなければ、「症状の進行を抑制」する効能も有していないのです。単なる『対症療法薬』に過ぎないのです。症状が治るのではなくて、症状の発現の程度が抑制され/亢進されるだけなのです(発現してくる症状の内容自体は、更に重いものになっていくことになるのです)。

廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」(但し、脳の使い方としての『生活習慣』であることに注意)が本態である「アルツハイマー型認知症」の場合は、症状を治したり、症状の進行を抑制したり、発病を予防する効能を有する『』が開発されることは、発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)に照らしてみて、未来永劫あり得ないことなのです。

 &8 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム

(1)   「アルツハイマー型認知症」の発病原因については、アミロイドベータ説、タウ蛋白説、アセチルコリン説、脳の萎縮説と言った、4つの仮説(発病との間の因果関係が立証されていない憶測の類)が世界中の医学会をリードしてきた中で、時間だけが空しく経過するという状況でした(「アミロイドベータ説」やアセチルコリン説に基づいて挑戦された治療薬の開発、過去30年間で、200種類もの「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発が悉く失敗に終わっています)。

(2)   ところが、2016年になって、世界的に著名で巨大な規模を誇る研究機関であるスエーデンのカロリンスカ研究所が、「生活習慣」で「アルツハイマー型認知症」の発病リスクを低減することが可能であるとの研究論文を発表し、2017年には、ロンドンに拠点を置く、ランセット委員会が、『生活習慣がアルツハイマー型認知症の危険因子である』との研究論文を発表し、2018年7月には、我が国の国立精神・神経医療研究センターが、『「生活習慣」がアルツハイマー型認知症のリスク因子と考えられる』との研究論文を発表したのです。私たちがこれまで発表してきた内容の質と量に比べると、足元にも及ばないと言うしかないのですが、意味不明の『仮説の類』ばかりを主張し、「マウス」のお尻ばかりを追い掛け回してきた医学界にとっては、とても良い刺激だと考えるのです。これらの動きを契機に、見方も研究方法も、抜本的に/世界的に見直されることになるのではと、密かに期待しているのです。

(3)脳が壊れてもいない(器質的な原因病変が存在しない)のに発病し、症状の重症化が進行していくアルツハイマー型認知症の発病原因、それは一つには、「加齢」と共に進行する『老化による機能低下』(正常老化)が基礎にあって(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者であることが「発病の第一要件」)並びに、異なるもう一つ別の要因であり、加重される要因である、『キッカケ』の発生と継続を契機に心が折れてしまい、意欲を喪失することで開始された単調な生活習慣、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」)の継続に起因した『廃用性の異常な機能低下』(発病の第二要件)という第二の要因が加重されることにより(異なる二つの要因の同時充足に起因した相剰効果により)、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが発病及び症状の重症化が進行する直接及び唯一で真の原因なのです。それが、原因不明とされている「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムなのです。『二段階方式』の手技を活用して、14689例の発病者に対し実施した『脳機能データ』が示す分布(「前頭葉」並びに左脳及び右脳の機能レベルの同時変化を示すカーブ)が、『事象事実』として、そのことを証明しているのです。

簡潔に表現すれば、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』なのです。但し、ここに言う生活習慣とは、食生活ではなくて、私たち人間だけに特有な『意識的な世界』における脳の使い方としての『生活習慣』であることが、極めて重要なポイントとなるのです(私たちが「世界で最初」に解明)。後に詳述するように、脳の使い方としての『生活習慣』の改善及び『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』の構築と実践という方法が、『治療、介護の予防及び発病予防』の唯一無二の方法、有効な対策となるのです。『食生活は、無関係。薬も効かない』ということなのです

認知症の専門家達から、発病の原因が不明とされている「アルツハイマー型認知症」は、超高齢社会に特有な産物であり、『仕事とは無縁となる、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となる』のです。60歳を超えても猶、仕事という現職を続けているお年寄りは、アルツハイマー型認知症を発病することはないのです。その意味で、政府が、人生100年時代を俯瞰した政策、『定年年齢の引き上げと働き方の改革』を推し進めようとしていることは、「アルツハイマー型認知症」の発病者数の増加の抑制という視点からも、時宜にあった政策だと評価することが出来るのです(4つの仮説は根本的に誤りの主張であり、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』での日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』が問われることになる病気という訳なのです)。ちなみに、誰の脳にも、「加齢」に起因した脳の老化の進行(”正常老化”の性質)という問題が内在しているので、正常老化の曲線が示すレベル(第二の人生が始まる60歳過ぎになると、最も機能レベルが高かったころの半分くらいの機能レベルに衰えてきている)、『発病の潜在的な対象年齢に到達している』というリスクを抱えているという訳なのです。但し、『加齢』の進行に起因した脳の老化という要件だけでは、『前頭葉』の機能が異常な機能レベルにまで衰えていくことは無いのです(このことは、私たちが『正常老化の性質』と名付ける「脳機能データ」の存在とそのカーブが証明しているのです。これもまた、事象事実)。

(3)『アルツハイマー型認知症』の早期診断(回復可能である早期段階の判定と「脳のリハビリ」の実施)による回復、介護の予防及び発病の予防の為の神経心理学的手法として開発されたものであり、総合的な神経心理機能テストである『二段階方式』の手技は、平成の大合併前後累計452の市町村において、回復させることが可能な『早期段階』の判定、「脳のリハビリ」の実施による早期の段階の症状からの回復、介護の予防(=大ボケの予防)、発病自体の予防及び地域における『高齢者』のイキイキ活動展開の為の脳活性化体験並びに生活習慣改善の手法として、北海道から九州に至る地域、全国的規模で実践されてきました。

様々な種類がある認知症の90%以上を占めている『アルツハイマー型認知症』の発病の予防を目的とした『生活習慣』改善のための脳活性化体験並びに早期の段階の発見と回復の為の「脳のリハビリ」による治療の指導、或いは介護の予防などを目的とした有効な諸施策が、市町村の保健師さんによる『アルツハイマー型認知症』の発病の予防を明確な目的とした脳イキイキ教室(脳活性化体験による発病自体の予防、早期発見による回復並びに介護の予防を目的)の運営や生活改善指導として展開され、更には、地域全体の活性化やお年寄りの『生き甲斐創造』活動として世の中に定着することを期待しており、「二段階方式」の考え方、或いは「手技」が全国的に/市町村の/小さな隅々にまで広まっていくよう、今後とも尽力していく考えなのです。市町村による活動の基礎として、『定型化された有償期間が10年の使用許諾契約』を個別に(市町村単位で)締結していただくことが前提となります。

(4)『DSM-4』が発病の診断に際して、「第一要件」として確認を要求する「記憶の障害」という要件と発病とは無関係なのです(因果関係自体が存在していない)。更に言うと、「DSM-4」の「第一要件」が正しいものとして、その条件を前提として主張されている『4つの仮説』、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説の全てが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因(発病のメカニズム)とは無関係なのです(それらの仮説が主張する「発病原因」と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、そもそも肝心の「因果関係」自体が存在していないのです)。仮説の中では通説の地位を占めているアミロイドベータ説を主導するハーバード大学が先頭に立ち、我が国では東大が追随する新たなプロゼクトの報道が昨年11月にありました。報道によると、発病してしまうと薬が効かないので(治療薬の開発が悉く失敗に終わってきているので)、発病する前に、言い換えると、アミロイドベータの蓄積を出来るだけ早期に捉えて、且つ、アミロイドベータを脳内から除去してしまう方法の開発に着手したそうなのです。ところが、『アミロイドベータの蓄積と発病との間には肝心の因果関係自体が存在していない』のです。「アミロイドベータ説」の主張の概要は、『アミロイドベータが情報を伝達する神経細胞に蓄積することにより生成される老人斑の持つ毒性が神経細胞の大量死を惹き起こすことにより、記憶障害が惹起され、アルツハイマー型認知症を発病する』とする『仮説』なのです。因果関係の存在を否定する数多くのデータが存在するのですが、字数の関係で二つだけ、再度挙げておきましょう。

『アルツハイマー型認知症』だけに確認される特徴として、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、最初に異常なレベルに衰えて行き発病する【小ボケの段階の症状】。次いで、『前頭葉』の機能が更に機能低下を進行させていく中で同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が異常なレベルに衰えて行く(中ボケの段階を経て末期の段階である大ボケの段階へと移行していく)こと。並びに、MMSEが左脳及び右脳の働き具合を判定する下位項目について、出来なくなっていく(機能が衰えて行く)厳密な順番が存在し、その順番は、必ず以下の通りとなること(『MMSE下位項目の項目困難度』の事象事実としての脳機能データが存在する)。

 想起注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名

14689例に及ぶ『アルツハイマー型認知症』発病患者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含む)の脳機能データが示す事象事実について、アミロイドベータ説では合理的に説明することは不可能なのです。内容的には、重大な誤りでありながら、「DSM-4」の策定者達及び「4つの仮説」の提唱者達に権威が有るが為に、それだけのことで、未だに世界を席巻していて、弊害だけをまき散らしているのです。治すことも予防することも出来ないとされる状況が継続したままで、治療薬が一向に開発されないままに、末期の段階の「大ボケ」(セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠の状態のままで、身体だけが長持ちしている)のお年寄りの数が更なる高齢化の進行という社会状況下で、際限もなく増大することで、『介護関連の総費用』(CTやMRIやPETまで持ち出して、高額の診療費を稼ぎながら、「発病のレッテルを貼るだけ」に過ぎない診断費用、「半年から1年程度症状の進行が遅れるかもしれない」との説明の下で処方される「治療効果は無くて、単なる対症療法薬」でしかない薬の処方の費用、結局のところセルフケアにも重大な支障が出て来て介護が不可欠となる「大ボケ」の段階のお年寄りの限りない増加による介護費用)の総額が、天文学的な規模に膨れ上がってきていて、更には、急激にとめどもなく増加し続けているのです。「一般会計」に載せられて、国会審議にかけられているものと「特別会計」で処理されて、国会審議にかけられていないものの両者を併せると、国民の皆さんが聞いたら泡を吹きそうになる程の巨大な額、天文学的な規模の数字になっていて、然も毎年膨張する一方で、留まることを知らない状況が放置された儘なのです。負の岩盤が形成されていく状況にあるのです。野党も、『年金問題』だけに国民の注意を向けないで欲しいのです。

 &9 『早期診断』」による「回復」(治療)」とその方法(「三段階」に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴は、概要を示すと、以下の通り)

(1) 標語的な表現による全体的な特徴

ⅰ)「小ボケ」の段階の特徴

「小ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、「指示待ち人」なのです(『社会生活』の面で様々な支障が出てきているお年寄り)。

ⅱ)「中ボケ」の段階の特徴(脳の機能年齢は、「6歳児以下~4歳児」のレベル)

「中ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、失敗しては、言い訳ばかりする『幼稚園児』なのです(『家庭生活』の面でも様々な支障が出てきているお年寄り)。

ⅲ)「大ボケ」の段階の特徴(脳の機能年齢は、「3歳児以下~0歳児」のレベル)

「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りの特徴を一言、簡潔な表現で語れば、『セルフケア』の面でも様々な支障が出てきて、日常生活面での「介護」が必要となる状態、司令塔である『脳(前頭葉)が寝たきり』の状態にある。

(2)認知症の診断が専門の医師達は、異口同音に、『アルツハイマー型認知症』は、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないと言います。「アルツハイマー型認知症」について無知な発言というしかないのです。『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。彼らが見つけている段階が遅すぎるだけなのです(「DSM-4」の規定が発病の初期段階の症状として確認を要求している失語、失認、失行の症状が、極めて重度の症状であること、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁になって初めて発現が確認される『極めて重度の症状』であることを知らない。「DSM-4」の規定内容の重大な誤りに気付いてもいない)。「末期の段階の症状」を基準にして、初めて発病と考えているから治せないだけなのです。

(3)世の中では、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの為の「薬」として、それらの代表的なものである「アリセプト」を含む4種類の薬が医療現場では処方されています。但し、それらの薬のいずれもの薬が、症状を治す(改善させる)/或いは、症状の進行を遅らせる効能は有していなくて治療薬ではなくて)、「対症療法薬(症状の発現の程度を変化させるだけで、介護する側の労役の緩和の効能しか有していないもの)として販売されていることに注意が必要です。

(4)私達が独自に発見し、住民参加型の「地域予防活動」の活動の柱(根拠)として実践してきた「アルツハイマー型認知症」の症状を治す方法である『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の改善、工夫及びその実践)の指導による回復(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことを言う)の可能性と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の症状を「三段階」に区分しているのです。

「小ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により、治す/症状の進行の抑制が可能

「中ボケ」の段階 「脳のリハビリ」により、症状の進行の抑制が未だ可能

「大ボケ」の段階 症状の進行の抑制さえも最早困難

この区分は、事象事実に基づいたものです(北海道から九州に跨る452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践により、疫学的方法により実証して来ている)。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の主導者は、医師ではなくて、市町村の保健師さん。とは言え、「二段階方式」の手技の理解のレベルと活用のレベルには、それなりの差異があり、結果として、実施品質にもバラツキがあり、治して見せる実績にもバラツキがあるのは事実なのです。一番の問題点は、『副所長が独りで保健師さんに対する指導を行ってきた』点にあり、国策化(国の事業支援を受けての全国展開)に際しては、「講演」の講師と「ケース指導」を担当できる『女性の専門職集団』を養成したいと考えているのです。

(5)地域住民に対する情報発信をどれだけ徹底しても、早期診断により、どれだけ多くの「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りを治した実績を積んで見せても、末期の段階である「大ボケ」にまで脳機能が衰えていくお年寄りは、或る程度の割合と規模で必ず出現するものなのです(症状を治すための「脳のリハビリ」の実施には、家族の後押しが不可欠となる)。その「大ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄り、『セルフケア』の面にも様々な支障が出てきて、日常の生活面で『介護』が必要不可欠となる「お年寄り」こそ、『介護保険』で全面的に対応する社会を目指すべきなのです。日本の将来を担うべき若い世代が、自分の人生を捨てて、「大ボケ」の段階に在る親の介護に明け暮れるだけの人生を送る『介護離職』は、古来、日の本を謳う我が国に有ってはならない『重大な社会悪』なのです。

 &10 最も効果的な対策は、発病自体の『予防』

(1)「アルツハイマー型認知症」の場合は、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて(早期診断)、「脳のリハビリ」を実施することにより治すことが出来るのです(早期治療)。そのことは、私たちが市町村での実践を指導してきている住民参加型の「地域予防活動」において、実証してきているのです。とはいえ、『脳のリハビリ』の実行、特に、対象者が中ボケの段階のお年寄りである場合は、家族の役割に期待される度合いが高くなり、口で言うほど容易なことではないのです。市町村が、目指すべきは、一次予防、発病自体の予防なのです。矛盾するわけではないのですが、一次予防の効果を高めるには、早期診断による回復の事例を数多く積み上げることが、有効でもあるのです。地域住民に対して、脳の使い方としての生活習慣、『「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築こそが、発病の予防となる唯一の方法である』ということに対する関心を喚起する効果が大きいからなのです。

(2) 世界中の権威ある組織に属する認知症研究の専門家達が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』と主張し、発病の原因については、因果関係の存在すら未だに立証できてもいない『3つの仮説』が幅を利かせている状況で、「仮説の主張内容が正しいものとの前提」に立脚した下で世界中の巨大な規模の製薬会社が開発に挑戦した治療薬は、そのことごとくが失敗に終わっているのです。我が国で言うと、東大、京大、理化学研究所が、「3つの仮説」の内でも世界的に「通説」の地位にある(支持する学者の数が多いというだけの意味なのですが)アミロイド(β)ベータ仮説牙城なのです。一般の人達は、権威に対し疑いを持たないので、権威の主張することは、正しいものと考え、無防備に、そのまま信じてしまうものなのです。おまけにNHKまでもが、仮説に基づいた、誤った内容を放送し続けているのです。上述の『側頭葉性健忘症』についても、『働き盛りの若い年齢で「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』とした内容、誤った内容を放送し続けているのです。テレビ報道や番組で最近流行りの『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、実在しないのです(最も重要な要素である『前頭葉』の機能レベルの判定が出来ない為、側頭葉性健忘症感覚性失語症混同しているだけなのです)。権威もなく、情報の発信力にも乏しい、私的な研究所に過ぎない『エイジングライフ研究所』が主張しても、市町村になかなか浸透してはくれないのです。「二段階方式」の手技の使用に対して、期限付きの有償期間という考えを導入したのも間違いでした。国策化の暁には、使用期間中は有償とする(有償である期間を付さない)ことに変更する考えなのです。有償でなくなると、予算化が不要となる為、人の配置もなくなり、極めて有効で、有益であるはずのPRJが、いつの間にか立ち消えてしまうのです。但し、「二段階方式」の主張内容は、疫学的に実証されているので、近い将来に、必要な権威は確保できることになると考えています。『二段階方式』の考え方が、近い将来に、世界標準になると確信しているのです。分かってしまえば、『コロンブスの卵』程度のこととは思うのですが、専門家達は未だに、『誤った場所を誤った方法で、掘り続けている』のです。ハーバード大学が先導し、東大が追随することとなった『治療から予防へ』という方針の大転換も誤りなのです(時間の無駄、若い人材の無駄遣い、税金の無駄遣い)。アミロイドベータの蓄積を出来るだけ早い段階で見つけて、脳内から除去する方法を新たに開発しようとも、アミロイドベータの蓄積と発病との間に因果関係が存在していないのです(上述した、『MMSE下位項目の項目困難度』という指標、14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』発病患者に実施したMMSEテストの結果としての事象事実を、アミロイドベータ説は合理的に、科学的に説明することは不可能なのです)。『無駄骨に終わった』と5年先に発表されることになることを今から予言しておきます。

 &11 『注意の分配力』の機能の特徴的な性質と「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する上での重要性

(1)  私たちが独自に解明したものであり、私たち人間だけに特有な機能であり、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、必要不可欠の機能である『注意の分配力』の機能を、私たちなりの定義で言うと、過去、現在及び/又は未来に直接及び間接的に関わる『テーマ』であり、異なる複数の錯綜する「テーマ」について(浮かんでは消え、更には再復活して来ることもある種々で多岐に亘る)各々の「テーマ」を記銘度の差異のままに保持しつつ(或いは、それまで、意識度の低いところで単に保持していただけのテーマを喫緊の課題として意識度を顕在化させて来ることもある)、同時に並行して、且つ、重層的に処理する(している)脳機能であり、その発揮には、意欲及び注意の集中力の機能が、その基盤として、常に関わっている「脳機能」なのです。

私達人間だけに特有な世界である意識的な世界(意識的に何かのテーマを発想し実行に移す世界)に於いて、様々な程度及び態様により形成され、構築され、保持されている種々の「意識」に対して、配分の度合いが異なる『注意を分配』し、更にその上で、それらの「意識」を統合し、統括し及びコントロールする(している)脳機能なのです。『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』(「アルツハイマー型認知症」を発病する潜在的な可能性が有る唯一の対象群なのです)が、上述の特徴を有する『注意の分配力』の機能を発揮させ得る場及び機会となる『生活習慣』を、どのようにして確保するのかが、「アルツハイマー型認知症」を発病するか/しないかを区分ける分岐点となるのです。

(2) 私たち独自のデータである「MMSE下位項目の項目困難度」のデータでは、想起、注意と計算が一番目、二番目の順番、早くに衰えていく項目となります。その訳は、「意欲」及び「注意の集中力」の機能は勿論のことなのですが、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能の発揮が最も高度に要求される項目だからなのです。脳の機能レベルの判定テストに臨んでいるお年寄り達のデータなので、被験者である全員が、それなりに一生懸命取り組んでいて、意欲と注意の集中力は放っておいても発揮しようとするものなのです。「アルツハイマー型認知症」を発病している被験者にとって、最も早くに衰えていく脳機能が、『注意の分配力』の機能ということなのです。『あの人は、頭の回転が速いとか遅いというときの脳機能』であり、あーしたらこうなる、こうしたらどうなる、あれこれと発想し、創意工夫し、シミュレーションし、検索する際に不可決の機能、それこそが、『注意の分配力』の機能のことを指して言っているのです。専門家が行う唎酒の際も、この『注意の分配力』の機能が大活躍するのです。その注意の分配力の機能こそが、廃用性の機能低下により、機能が真っ先に低下していくものでもあるのです。

(3) 『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』が、発病するかしないかを区分ける核心的な要素なのです。言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」とは、『注意の分配力』の機能の出番が多い暮らし方ということになる』のです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』の各機能要素、分析、理解、発想、計画、創意、工夫、判断、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、感動等の機能の出番が多い生活を、自分なりに楽しみつつ、行使する場面や機会が出来るだけ多い「テーマ」を選択し、実行するのです。『生活習慣』となる為には、継続することが出来るということが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が要求されるのです。その「テーマ」を選択し、実行の計画をすること、目標を設定すること、実行すること、目標達成の結果を残すこと、それらの各過程自体が、楽しみや喜びに繋がり、目標の達成が生き甲斐に繋がるようなテーマがベスト・ヒットなのです。自分なりの楽しみ、喜び、生き甲斐であれば、OKなのです。

&12 発病を予防する『生活習慣』構築の為の情報の『パターン化』

(1)  私たち人間だけに存在する意識的な世界。その時自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、実行すべき発言や、身体の動静や、行為や行動の内容を計画し、実行結果の洞察、推理、シミュレーションを行い、必要な修正を加えた上で、最終的な実行内容を決定し、実行の決断を下して、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対し実行の指令を出すという脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』と言う脳機能なのです。『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』が、「キッカケ」を契機に意欲を喪失していき、開始された単調な生活、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです(私たちが、世界で初めて解明した『発病のメカニズム』)※アルツハイマー型認知症』の発病の核心的な要因は、『前頭葉』の廃用性の機能低下に起因した機能障害(any disturbance in executive functioningという要因なのです。

(2)『アルツハイマー型認知症』を治す方法は、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化するテーマの選択と実践に尽きると言いました。実は、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の特徴はというと、最初の段階である「小ボケ」の段階は、脳の機能面からいうと、三頭立ての馬車を牽引する三頭の馬、左脳、右脳、運動の脳の機能は未だ正常なレベルにあるのに対して、御者である前頭葉の機能だけが既に異常なレベルにあるのです。「中ボケ」の段階になると、前頭葉の機能が更に異常なレベルにあって、左脳も右脳も運動の脳も異常なレベルにまで機能が低下して来ているのです。言い換えると、脳全体の機能、前頭葉並びに左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルにあること、具体的な衰え方の順番を考慮した表現からすれば、『「前頭葉」の働きが、正常な機能レベルを保っている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に起きない』ということなのです。『「生き甲斐」や喜びがあり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を楽しみ、或いは、居住地域での「地域活性化活動」に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、言い換えると、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」を構築し、継続することが、発病の予防を担保してくれることになるのです。

(3)私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。従って、『例え年齢が60歳を超える年齢の高齢者』であっても、「第二の人生」を送っていない場合は(畑仕事であれ、裁縫仕事であれ、大工仕事であれ、板前であれ、会社勤めであれ、名目上ではなくて、実質的に現職である限り、現職で発病することが無いことが、アルツハイマー型認知症の特徴なのです)発病の「第一の要件」からは除外されることになるのです。何故なのか。その理由は、仕事に従事する為に、「左脳」の出番が極めて多い暮らし方となり、その日々の生活習慣の中で、『目標』を達成する為に注意の分配力の機能を最大限発揮すべく努力することになるので、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化することになり、正常な機能レベルを保つことが出来る状況が確保されることになるからなのです。目標の設定、目標を達成するための種々様々な創意と工夫、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の駆使による「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する生活状況及び「生活習慣」が存在し、継続されているということなのです。

注)あーしたらどうなる、こうしたらどうなる、様々な状況を発想し、対策をシミュレーションし、効果的で最適な対応策を具体的に検索し、選択し、実行に努めることになる。こうした状況下では、意欲や注意の集中力の機能は言うまでもないことながら、取り分けて、『注意の分配力』の機能(複雑に重層的に錯綜する、複数の異なるテーマを同時に並行して処理する為の機能。シミュレーションや検索に不可欠)の出番が極めて多く、脳全体が極めて高く活性化されることになるのです。その意味で、労働力の減少という側面からの視点に加えて、『アルツハイマー型認知症の発病の予防』という視点からも、「第二の人生」に入る為の時期を先送りする再雇用制度(但し、通常の勤務形態ではなくて、午前又は午後だけの勤務、一週間の中での勤務日を分割した分割勤務のようなパート勤務)の検討が必要であり、有効であり、有益だと考えるのです。仕事のある生活により「第二の人生」の開始時期を先送りすることが、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防(すなわち、発病時期の先送り)にもつながり、その帰結として、『介護関連の総費用』の絶対額の顕著な規模での増額傾向の抑制に直結することにもなるのです。

(4)「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する方法は、『自分なりの「喜び」や「生き甲斐」を覚える機会があり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動を自分なりに楽しみ、或いは、居住地域での地域活性化活動に関わり、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』を構築し、実践することだと言いました。とは言え、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の個々の「高齢者」について言うと、「第一の人生」でのキャリアも異なるし、「第二の人生」を送る上での条件(居住する地域の条件)自体が大きく異なる上に、経済的な条件(金銭的な条件及び居住条件)及び家庭的な条件(家族構成及び家族関係)、更には、肉体的な条件も異なる訳なのです。上述の『大枠の条件』をもとにして、自分なりのものを、具体的に工夫して頂く、選択して頂くしか方法がないのです。

(5)その場合も、私たちが提起しようとしている『地域予防活動』(市町村の保健師さんとボランティアとが協同して展開する『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」)の全国展開を拡大していく際、或る程度のパターン化が必要となるとも考えているのです。『パターン化』して、その中から選択して頂くことが有益な方策と考えるのです。こうしたことにも、先達が居る方がやり易いと考えるのです。『キッカケ』の発生を契機に開始される単調な生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な生活が始まるのは、『意欲の喪失』が起きてくるからなのです。何事に対しても、挑戦しようとしなくなるのです。「意欲の喪失」は、自分がその時置かれている状況に対する『深い失望』が原因となって、そこから立ち上がっていこうと出来なくなる、這い上がっていこうと出来なくなる状態のことなのです。これを言い換えると、「キッカケ」自体は『何でもあり』ということになるのです。その人の考え方次第で、キッカケにもなるし、又は、ならないということなのです。『飼い猫が死んだ』ことがキッカケになる人もいるのです。『孫が大学に受かって上京し、孫との日々のかかわりの機会がなくなった』ことがキッカケになる人もいるのです。要は、『その状況に対する本人の受け止め方(周りからの支え方)次第』ということになるのです。言い換えると、「キッカケ」になりそうな事件や状況は、何でも有り(人それぞれ、人に依る、誰にでも起きる可能性がある)ということなのです。その意味で、すべての『お年寄り』が、対策を『事前に準備』しておく必要があるのです。

ⅰ)何でも有りなのだから、『意欲を喪失しない為の対策となるものを出来るだけたくさん準備しておけばいい』のです。『出来るだけたくさんの趣味や遊びを楽しむ「生活習慣」を構築』しておく、『出来るだけたくさんの仲間との交遊の輪や交遊の場』を広げておく。それが、対策になるのです。第二の人生を送っている個々人は、すべてが異なるのです。第一の人生での体験や職場での様々な経験も異なるし、キャリア自体が異なるのです。考え方も生き方も異なるし、興味や関心の対象も異なるのです。『生活資金』の額も異なるし、家庭環境も家族環境も異なるのです。第一の人生が異なっていたように、『第二の人生』での過ごし方、生き方も異なることになるのです。それら全ての相違や差異を容認した上で、要は、自分なりの求め方、『生き方』をするしかないのです。『選択の是非無く存在する現在の自分に許された生活環境の下で、「自分なりの」という条件の下で生きていくしか、他に方法は無い』。『自分なり』の「テーマ」を選択し、『自分なり』の「目標」を持ち、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」を得られるように工夫して、生きるのです。

ⅱ)「第一の人生」では、「仕事」という大きなテーマがあります。仕事があるということは、必然的に達成すべき目標があるということです。目標を達成する為に、あれこれと創意工夫がなされることになります。即ち、「前頭葉」の三本柱の機能の一角をなしていて、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能の出番が多く確保されることになるのです。仕事とは無縁となり「左脳」が活躍する機会と場面とが少なくなる『第二の人生』では、残った右脳および運動の脳が活躍する「テーマ」の選択が不可欠となります。趣味や遊びや人付き合いや、居住地域の地区の活性化などの内から、自分なりの「テーマ」を選択して、自分なりの『目標』を持つことが、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で「第二の人生」を乗り切るために不可欠となるのです。そこで考えたのです。「左脳」が専管する仕事とは無縁となる「第二の人生」という日々の生活を送る上での『前頭葉』を活性化させる視点からの何等かの指針、或いは、指標となるものの活用が有益で、有効だと考えたのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病のメカニズム、発病を予防する為のあるべき「生活習慣」の類型について分かり易く記述した小冊子、基本書が必要で有益だと考えているのです。『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の指標となる内容を標語化した「万年カレンダー」、或いは、「脳イキイキ手帖」等を導入市町村を通じて直販したいと考えてもいるのです。それぞれの原稿はすでに書きあがっていて、後は、読み易いように、眺めていても楽しくなるように、表現の仕方を工夫し、挿絵を入れたら、完成という訳なのです。

ⅲ)身体がもつ限り、「第二の人生」は続いていくのです。そうだとしたら、『身体がもつ限り、脳ももたせる』ことが必要不可欠の条件。誰もが体験する長く続く道、『第二の人生』を、出来れば自分らしく、自分なりに、『自分の路』を、元気に駆け抜けていただきたいと願うのです。

ⅳ)心の痛みに『耐える』機能も『前頭葉』の個別認知機能の一つなのです。『加齢』と共に衰えてきてもいるのです。自分に対する要求の一線を少し低くすることも、対策の一つになると思うのです。その分、目標の達成に対する満足度が高くなる訳なのです。上を見ればキリがないし、下を見てもキリがないのです。言ってしまえば、『それが、自分の人生』。少し前に、ボケは神様からの贈り物などと説いて回る医師が居たのですが、大間違い。『ボケるべきではない』のです。自分自身の為にも、家族の為にも、我が日本国の為にも。

 &13 「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を展開する活動の目的とその要となる保健師さんとボランティア組織の役割

(1)「加齢」に起因した脳の老化による機能低下及びキッカケを契機に開始され継続するナイナイ尽くしの単調な生活習慣(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)に起因した廃用性の機能低下、この異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っていると言いました。廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である(に過ぎない)『アルツハイマー型認知症』は、早期診断により治せるし、発病を予防することが出来るのです。そのキーとなるのが、脳の使い方としての生活習慣であり、発病及び症状の重症化が進行していく『メカニズム』に照らして、治療薬も予防薬も、有り得ないことなのです。『早期診断』による回復及び発病の『予防』のために為すべき方策、それは、二段階方式の『考え方』に基づいた、且つ、二段階方式の『手技』を活用した対策、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開』の国策化です。出来るだけ早期に実施し、且つ、効果を高める為に、出来るだけ小さな地域の「地区単位」で、密に実施すべきなのです。「高齢化率」が高い市町村やお年寄りが集まって住んでいる地域では、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、昼夜の区別が分からなくなるまでに脳の機能が衰えてきていながらも、身体が持つが為に、徘徊するお年寄り(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)が、極めて多数に上るのです。

(2)「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を判定する脳機能テストの実施とテスト結果の判定(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定、症状の三段階区分の判定、「キッカケ」を契機として開始し継続されてきた、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に直接起因したものとしての「廃用性の機能低下」を進行させてきた基盤である脳の使い方としての「生活歴」の具体的な聞き取り)に基づいて、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)を判定(鑑別)し、脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善指導(「脳のリハビリ」の指導)を行うことで、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)システムであり並びに脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善を体験させることを目的とした小地域単位での「予防教室」(Ex.「脳イキイキ教室」)の開催により、参加者の日常生活に「脳の活性化」というテーマを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を図る(『前頭葉の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる=発病自体を予防出来る』)極めて有効で、有益なシステムなのです。その活動を担う牽引者は、医師ではなくて、保健師さんなのです。医師が担うことになるのは、「脳のリハビリ」により回復させることが困難であり、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してきて、日常の生活面における「セルフケア」にも重大な支障が出てきている段階のお年寄りだけなのです。この段階のお年寄りに対しては、現状使用されている薬(治療の効能は無くて、対症療法薬に過ぎない)が処方されているのです。単なる興奮型(興奮剤)や抑制型(抑制剤)の対症療法薬の使用により、医療機関側も必要な収益を確保できるし、対症療法薬としての効能はあるので、介護する側の労苦を軽減させることには役立ち、それなりのメリットがあると言えるのです。

(3) 市町村が展開し、保健師さんが主導する『地域予防活動』は、個別事例の判定及び生活改善指導並びに小地域単位での予防教室の運営の二面性を持つ活動です。

ⅰ)個別事例の改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠である為、導入市町村の保健師さん(女性)の役割がきわめて重要なのです。更には、個別事例の的確な判定により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)にあるお年寄りを見つけて、且つ、「脳のリハビリ」の適切な指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる)ことが、「予防活動」の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。保健師さんの主たる業務、第一義的な業務と位置付ける「二段階方式」の活用による『早期診断による回復』を目的とする業務は、「二段階方式」の手技の活用が不可欠のものとなるので、「二段階方式」の手技の活用がおろそかになった教室の運営では、『単に歌って踊るだけの教室』となり、『早期診断による回復も発病自体の予防も期待できないもの、名目的な予防活動になってしまう』のです。「二段階方式」の導入先市町村が拡大していく状況に備え、導入先市町村が地域単位で開催する認知症予防講演会の「講師」が務まり、更に、個別事例の判定及び「脳リハビリ」のための個々のお年寄りに対する「生活改善」の指導が行える専門家であり、導入先市町村の保健師さんを指導できる女性の専門職集団の養成が重要なテーマとなると考えているのです。

ⅱ)お年寄りが居住地から歩いて行き来できる程の場所に、間伐材で構築した平屋建ての家を建設し、開放するのです。交流の促進を目的とした『交流の駅』を建設し、更に、『お年寄りの脳のイキイキ度チェック』を恒常的に実施し、早期診断による回復と発病の予防を徹底する制度の国策化を実現したいと考えるのです。血圧や体重を何時でも簡便に測定できるのと同様に、お年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」の活用により簡便に/精緻に判定し(脳のイキイキ度チェック)、必要な場合は、脳の使い方としての『生活習慣の改善の指導』が行える場所にしたいと考えるのです。

      本著作物「Dー07」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

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有識者会議の提言に基づく新大綱が掲げる認知症予防施策の問題点と具体的な方策の提起―その2(D-06)

2019-07-20 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

   歳月は人を待たず(還暦を迎えたのがこの間の事のように思えるのに、もう古希を過ぎてしまった?!

      脳の老化は時を選ばず(些細な事にも、我慢出来ない程に腹が立ち抑制が効かないんです!

         日々に物忘れが増えていくだけ(出てくる言葉は、レョ、アばかり)

政府が、認知症対策(その大多数、90%以上を占めているのが、今日のこのブログのテーマであるアルツハイマー型認知症というタイプの認知症なのです)を強化する為の新大綱を6月18日に決定しました。『認知症の人』が暮らしやすい社会の実現を目指す従来の『共生』に加えて、発病や症状の重症化が進行することを遅らせる『予防』に初めて重点を置いた施策という触れ込みなのです。ところがその中身を子細に検討してみると、様々な問題点が潜んでいることが分かるのです。それらの問題点を指摘するだけでなくて、正しい知識の提供やあるべき対応策について提言したいと考えるのです(前回の提言であるD05&1&3の続きです)。

4「アルツハイマー型認知症」こそ、”治すことが出来る”タイプの認知症なのです:

(1) 最初に取り上げる問題は、新たに追加された『予防』というテーマが抱える問題点の指摘と正しい知識とあるべき対応策の提言です。

大綱では、『予防』について、「病気一般」について使われる場合のものとは異なった説明が「注釈」として付け加えられています。この大綱に言う『予防』とは、「アルツハイマー型認知症」にならない(発病自体の予防)という意味ではなくて、認知症になるの遅らせる、症状が進行する緩やかにするという意味であるとの注釈がつけられているのです。通常の場合と比較して、極めて不自然な用語の使用である「この注釈」が付加されている意味、背景、目的はどこにあるのか。専門家達が集って、有識者会議を開催し、大綱を提言した割には、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムについて具体的体験に乏しい、即ち、『発病を予防したり、症状を治したり、介護の予防に役立つ治療を指導した一定数/規模での具体的な体験が乏しい』人達召集されていた、に違いないのです。

(2)更に、有識者会議のメンバー達が、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないタイプの認知症であると考えている』と推測されるのです。その理由は、二つ考えられるのです。一つは、彼らが発病の初期症状と考えているのは、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である『DSM4』の「第二要件」が、失語や失認や失行(紛い)の症状が「初期症状」であると規定している(実際には極めて重度の症状を、「初期症状」と誤解して規定している)、その規定内容を疑うことなく、正しいものと考えていると推測できるのです。『脳の機能面』という物差しを使う視点さえも無く、単純に、発現した外観的な症状だけを捉えて、然も、末期の段階でしか発現が確認されない(極めて重度の症状であるとの認識さえも欠いている)米国精神医学会が策定した規定である『DSM-4』の策定に参加したメンバー達の権威に押し倒されて、その考えを踏襲し、誤解していると考えられるのです。

私たちが独自に開発した『二段階方式』の手技を活用して集積した『アルツハイマー型認知』」の発病患者(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の症例である14689例)に対し実施したMMSEの得点の解析結果が示唆する『MMSE下位項目の項目困難度』の存在を知らないからなのです。前回のブログで詳細を説明したように、「アルツハイマー型認知症」の発病者達について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定し、且つ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状という基準を適用し分類すると、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三つの段階」に区分されることが分かるのです。その基準を適用してみると、「失語」や「失認」や「失行」の症状(紛いの症状)が発現してくるのは、末期の「大ボケ」の段階の後半になってから、『11の「下位項目」により構成されていて30点が満点であるMMSEの総得点が「一桁になって初めて確認される」症状、極めて重度の症状であることが分かる』のです。猶、失語、失認、失行(紛いの症状)が発現してくるのは、記憶障害ではなくて(間違いの想定)、注意の分配力の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の結果、殆ど働かないことが原因で発現してくる失語、失行、失認(紛いの症状)であることに注意。

私たち「二段階方式」の考え方、基準による場合も、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた段階、「末期の段階」である「大ボケ」の段階の症状が発現してきたお年寄りの場合には、最早治すことが出来ないと考えているのです。治すには、早期の対応が不可欠。『アルツハイマー型認知症』も、一般の病気と同じこと、早期診断・早期治療が不可欠なのです!

『アルツハイマー型認知症』の場合も、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけること(早期診断による早期の段階での発見)及び早期治療(「脳のリハビリ」の実践)が不可欠となるのです。「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ。『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下をそこまで進行させていることが原因で、当の本人自身が『脳のリハビリ』の目的や意味を理解することができないし、継続して実践することができないし、治療の効果も出ては来ない『脳の機能レベル』に在るのです。

もう一つの理由は、大綱を策定した有識者会議の有力メンバーが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、未だに発病との間の因果関係を立証できてもいない単なる仮説とはいえ、世界的に通説とされている『アミロイドベータ説』の権威に押されて、当該仮説の主張内容が正しいものと妄信している為と推測されるのです。アミロイドベータ説の考えに依拠しているのでは、「症状を治すこと」など想像することさえ困難と想像できるのです(情報を連絡する役割を担う神経細胞に「アミロイドベータ」が沈着してできた「老人斑」の有する毒性が神経細胞の「大量死」を惹き起こすことに因り発病すると主張する「仮説」を正しいものと信じている)。『アミロイドベータ説の考えを支持』していながら、大綱で彼等は、『家の外に出て行き、交遊を楽しんだり、運動する』ことの効果として、『認知症になるのを遅らせる、症状の進行を緩やかにする』ことが出来るとの「提言」を行っているのです。こうしたバックグラウンドがあるからこそ、大綱では、「アルツハイマー型認知症」を治すこと(私たちが提言している『早期診断による早期回復』というテーマ)が、今回の目標テーマからは、除外されていると推測するのです。

&5 「アルツハイマー型認知症」の治療と「介護の予防」の為の正しい方法

(1) お年寄りが、歩く機会が極端に少ない「生活習慣」を続けていると、膝の筋肉が廃用性の筋萎縮による機能低下を起こしてきて、歩行が困難となります。ところが、再び歩く生活を取り戻し、その生活習慣を続けると、普通に歩くことが出来るようになります(廃用症候群)。

(2)  何か(世間に対する強い恥ずかしさ本人の心の重い負担となる辛さや、或いは、以前の自分なりのテーマを追求出来ていた生活状況の回復の困難を伴う出来事の発生とその継続)を「キッカケ」として、心が折れてしまい、何事に対しても「意欲」を喪失して、立ち上がり、這い上がっていくことが出来なくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方の継続、『「前頭葉」の出番が極端に少ない「生活習慣」であるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続させていると、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、使われる機会が極端に少ないことが原因である廃用性異常機能低下が進行していくことになる』のです(廃用性の異常な機能低下に因る発病と症状の進行=廃用症候群)。

関連するニューロンのレベルにまで掘り下げた場合のメカニズムは異なると考えるのですが、筋肉の場合に起きてくる場合と、機序としては、同じ構造に属すると考えているのです。すなわち、治療の方法として使ってやれば、再び、元の正常な機能レベルに回復させることが出来るという意味なのです。但し、それには条件があり、「小ボケ」及び「中ボケ」までの早期の段階であることが必須の条件であり、末期の「大ボケ」の段階にまで機能低下が進行している場合は、回復の可能性はなくなるということに注意が必要です(とは言っても、認知症の専門家とか専門医とか言いながら、世界中の権威ある機関が発病の初期段階と誤解しているが本当は末期の段階である「大ボケ」の症状しか知らないのです。「小ボケ」や「中ボケ」の段階があることさえ知らないでいるのです)。

(3)  症状自体を治す方法及び症状の進行を抑制し(遅らせ)、介護の予防の方法(介護が不可欠となる「大ボケ」の段階にまで症状が進行するのを抑制する/遅らせる)は、両者共に、『脳のリハビリ』という方法が、「唯一の効果的な方法」となるのです。アルツハイマー型認知症の本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病(脳の使い方としての生活習慣であることに注意する)であることに鑑みて、症状を治す効能を有する薬は存在し得ないし、症状の進行を遅らせる効能を有する薬は存在し得ないのです(未来永劫、治療薬が開発されることは、ありえない事と断言できるのです)。

(4)  私たちが開発した『脳のリハビリ』とは、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する「脳の使い方」としての『生活習慣の改善』を言います。脳の機能面から言うと、私たちが「前頭葉の三本柱の機能」と呼ぶ「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」、中でも、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような「生活習慣」の継続が必要不可欠の条件なのです。『注意の分配力』の機能を一言で表現すると、『異なる複数の「テーマ」を同時に並行して処理する機能』と言うことになります。例えば、自分が置かれている状況を分析し、理解するにも、状況判断に沿った「テーマ」を発想するにも、テーマの実行内容を計画するにも、実行結果の洞察、推理及びシミュレーションを行なうにも、シミュレーション結果に基づいて評価し、比較し、最終的な実行内容を選択するにも、異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されているので、『注意の分配力』の機能の出番が要求されることになるという訳なのです。

これこそが、「私達人間だけに特有な世界である、『意識的な世界』における、『前頭葉』が働くメカニズム」なのです。脳全体の働きで言うと、意識的な世界とは、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』が、前頭葉の三本柱の機能、評価の物差し(意識の首座=自我)及び実行機能から構成されている複合機能体である『前頭葉』という脳機能の役割なのです。その『前頭葉』の個別認知機能群である実行機能(Executive Function)の機能の発揮を左右し/下支えている機能が、注意の分配力の機能を核心的機能とする『三本柱の機能』なのです。その意味で、『注意の分配力』の機能の機能構造の深い理解なしには、『アルツハイマー型認知症』発病のメカニズムを理解することは出来ないと言っても過言ではないのです(アミロイドベータ仮説の我が国での牙城の一つである理研ーMIT研究室が研究の対象にしている「マウス」(アミロイドβを注入したADマウスが自慢)には、『意識』という世界も存在しなければ、『注意の分配力』の機能も備わってはいないのです)。

)14689例にも及ぶ生きた人間の意識的な世界、私たちが独自に開発した『二段階方式』の手技を活用して集積した精緻な「脳機能データ」の解析を基礎とした私たち独自の定義で言うと、『注意の分配力』の機能とは、①覚醒の度合いがそれぞれに異なる複数の「意識」を同時に並行してあ操り、管理し、コントロールしている機能であり並びに過去現在及び/又は未来直接及び間接的に関わる『テーマ』であり、異なる複数の錯綜する「テーマについて(浮かんでは消え、更には再復活して来ることもある種々で多岐に亘る)各々の「テーマ」を記銘度の差のままに保持しつつ(或いは、それまで、意識度の低いところで単に保持していただけのテーマを喫緊の課題として意識度を顕在化させて来ることもある同時並行して、且つ、重層的に(処理の対象となる各項目の次元が平面的でなく、交差し、立体的に)処理している脳機能であり、その発揮には、意欲及び注意の集中力の機能が、その基礎として常に関わっている「脳機能」なのです。人間だけに特有な機能である「意識」を構築し、統合し、統括する上で、不可欠の機能なのです。DNAの98%が人間と同一とされる『チンパンジー』にさえ存在し得ない世界であり、私たち人間だけに特有な、『意識的な世界』(「意識的」に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)は、『注意の分配力』の機能の働きなしには、存在し得ないのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を語る上で最も核心的な要因、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続する生活状況下で、最初に、最も早い段階から、機能が異常なレベルに衰えて行く脳機能、それが、『注意の分配力』という脳機能なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病の真の原因は、「DSM-4」の第一要件が、科学的な根拠も無く、単なる憶測による想定だけを基にして規定する「記憶障害」が原因ではないのです。「記憶障害」自体が、以下にメカニズムについて詳細を説明する『前頭葉の機能障害』に起因して惹起されることに気づいていないのです。『実行機能(『前頭葉』の個別認知機能の総称)が、廃用性の機能低下の進行により徐々に働かなくなることが発病の真の原因なのです。意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、『意識的な世界』を構築する不可欠の要素である『実行機能』の機能群、観察、分析、理解、想像、予測、判断、発想、企画、計画、創意、工夫、創造、洞察、推理、シミュレーション、比較、評価、選択、決定、決断、統合、統括、管理、コントロール、感動、抑制等の機能の発揮度を左右し、下支えている機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力機能自体が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方の日々、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続する状況の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに厳密にリンクして、三段階に区分される『認知症の症状』が発現してくる真の原因は、一つは、『加齢』に起因して進行する機能低下という要因であり、もう一つ別の「加重される要因」が、脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して進行する廃用性の機能低下という要因なのです(私たちが世界で初めて解明し、私たちの主張内容が正しいことを、住民参加型の『地域予防活動』の実践指導として、疫学的方法により実証してきたのです)。『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症は、「仕事とは無縁となる『第二の人生』での生き方、脳の使い方としての生活習慣が問われることになる認知症」なのです。自分なりの夢も希望も無い、目標となるものも無い日々の暮らし方が、『発病の危険因子』なのです。自分なりの興味が持てる何等かの「テーマ」(趣味や遊びや人付き合いや地域活動等)を見つけて、自分なりの喜びや生き甲斐を感じられる時間が有り、自分なりの目標が持て、小さくても良い、自分なりの希望や夢が持てる脳の使い方としての『生活習慣』の継続的な実践が、「意欲」が湧き、「注意の集中力」が継続でき、『注意の分配力』の出番が多くなる日々の暮らし方の構築となり、必然の結果として、『実行機能』の廃用性の加速度的で異常な機能低下を防止することとなり、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防につながるのです。

(5)  世界中の認知症研究の専門家達から原因不明で治らないタイプの認知症であるとされ、発病の原因については『4つの仮説』が提起されてはいるものの、それらの全てが発病との間の因果関係を未だに立証することが出来ない儘でいるアルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、一つには、『加齢』に起因した脳の老化の進行という要素(『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者』が発病の「第一要件」であると私たちは主張)が存在し、もう一つは、何等かの具体的なキッカケ」の発生と継続に因り、心が折れてしまい、立ち上がり、這い上がる「意欲」を喪失して、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の開始と継続という要因(私たちが規定する発病の「第二要件」)が存在し、異なるこの二つの要因同時に存在し、充足される『生活状況』下で前頭葉を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことが原因で、発病し及び症状の重症化が進行していくというのが私たちの主張であり、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない』と主張しているのです(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続することに因り、『前頭葉』の機能が廃用性の機能低下の進行により機能障害を惹き起していくことが、『アルツハイマー型認知症』の発病を決定づける核心的要因なのです)。注意の分配力』の機能を制する者は、『意識』の機能構造を制し、更には、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムの解明を制することになるのです!!

(6)  上述した発病及び症状の重症化が進行するメカニズムに鑑みて、治す方法及び症状の重症化の進行を抑制する(緩やかにする)方法は、『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣、脳の使い方としての『生活習慣』の改善)と実践の継続が、唯一効果的な方法となるのです。「二段階方式」の手技の活用により、『前頭葉』の機能レベル及び左脳と右脳の機能レベルを精緻に判定し、且つ、その機能レベルに厳密にリンクした症状の類型化による区分により、本当の意味での「早期の段階」である「小ボケ」又は「中ボケ」と判定されたお年寄りに対し、脳の機能レベルをベースとして、本人の生活歴の聞き取り結果(脳の使い方としての「生活習慣」の具体的な中身)を斟酌した、前頭葉を含む脳全体が活性化する「テーマ」の実践を継続する(「生活習慣」となる)よう実践を指導しつつ、同時に、定期的に「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化を精緻に、客観的な基準により『判定』(改善、維持、低下に区分)して、『低下』と判定されたお年寄りに対しては、『生活習慣』(但し、食生活は、無関係)の改善指導を行うべきなのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防する為の正しい方法

(1)  NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』で使われたデータであり、『加齢』に起因して、機能の老化が進行していくことを示している「前頭葉」の老化曲線のカーブは、『二段階方式』の手技を活用して集積した私たちの脳機能データなのです。「正常老化の曲線」と私たちが呼ぶこの曲線は、重要な意味を持っています。その意味するところは、『加齢』という要因だけでは、「前頭葉」の機能低下は、異常なレベルにまでは進行しないということなのです。100歳までのカーブが示すのは、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルを保っている限りは、『物忘れの症状』が進行しようとも、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きては来ないということなのです。

アルツハイマー型認知症』を発病し及び症状の重症化が進行する要因は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因に対して、更に加重されるもう一つ別の要因の継続的な存在が必要なのです。それこそが、私たちが発病の「第二要件」として定義するナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因なのです。この加重要因が付加されることが無ければ、「アルツハイマー型認知症」の発病という事態は起きてはこないということなのです。

(2)上述の説明でお分かりのように、『アルツハイマー型認知症』の発病自体を予防する方法は、『前頭葉』を含む脳全体を正常な機能レベルに保つことであり、その具体的な対策方法としては、『前頭葉』が廃用性の機能低下を開始する条件を回避すること、即ち、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続を回避すること』に尽きるのです。言い換えると、あなたの、『前頭葉』が活性化する「生活習慣」を構築し、継続的に実践することが、唯一の対策方法となるのです。

※1私たちの「脳機能データ」の解析結果によると、加齢に起因した脳機能の低下の際も、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の際も、最初に衰えを開始していくのが、『注意の分配力』の機能なのです(11の下位項目で構成されるMMSEのデータでは『想起』の項目が、必ず最初に衰えていく)。このことからも明確なように、アミロイドβの蓄積により生成された老人斑がもつ毒性に因り情報を連絡する神経細胞の大量死が惹き起こされてその領域が拡大していくことが原因で記憶障害が生じてきて発病し、重症化が進行して行くと想定した憶測が主体のアミロイドβ仮説は、誤りであり、破綻しているのです。

※2様々な程度及び態様により形成され、保持されている種々の各「テーマ」に対して、配分の度合いが異なる「注意を分配」し、更にその上で、それらの「テーマ」を統合し、統括し及び同時に並行して処理する(している)脳機能なのです。『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(「アルツハイマー型認知症」を発病する潜在的な可能性が有る唯一の対象群なのです)が、上述の特徴を有する『注意の分配力』の機能を発揮させ得る場及び機会を、いかにして、どのように確保するのか、どのように出来るだけ多くの機会を確保するのかが、「アルツハイマー型認知症」を発病するか/しないかを区分ける分岐点となるのです(創意、工夫が問われる)。

(3) 『注意の分配力』の機能は、「異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為の機能」なのです。この『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多い「テーマ」を実践する「生活習慣」の継続が、日々の生活面で、『前頭葉』の出番を増やすこととなり、発病を予防する上で最も効果的な『生活習慣』となるのです

自分なりに興味や関心が持てて、実行の計画や、実行計画の遂行が、意欲を湧き起こさせ、注意の集中力の継続的な発揮に繋がり、あーしたらどうなる、こうしたらどうなるという風に、洞察し、推理し、シミュレーションして、創意や工夫を凝らすことにより、『注意の分配力』の機能が発揮される場面や機会が多くなる生活自分なりの「喜び」や「生き甲斐」を得ることが出来る『生活習慣』を楽しみつつ、日々継続して実践する『第二の人生』を送るのです。その際に、一人で取り組むのではなくて、出来るだけ仲間と一緒に実践することが、『社会生活』(他人と交わり、共通の「テーマ」の設定や「目標」を実行する場)を不可避的に、体験することが出来るので、より効果的ということなのです。 継続は、力なり。長期に亘って継続できて、『生活習慣』となる為には、『自分なりに楽しめる』という要素が要求されるのです。

(4)(「正常老化の性質」と私たちが呼ぶ要因、『加齢』に起因した脳の老化が進行してきている『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』が、これといった趣味もない、遊びも楽しまない、友達づきあいもしない、運動もしない、達成すべき目標もない生活、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』を日々続けていると、運動の脳、左脳、右脳と協働する場面が大幅に減ってきて、あーしたらどうなる、こうしたらどうなる等の検索やシミュレーションをした上で、何をどうするのかを決める「脳の司令塔」としての『前頭葉』の出番が、極端に少ない単調な「生活習慣」の継続により、『前頭葉を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、間違いなく『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです

(5)「左脳中心」、仕事偏重だった「第一の人生」とは生き方を変え、仕事とは無縁となる『第二の人生』では右脳中心の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、自分らしさを前面に出せるような生き方をして、毎日の生活の中に、実践の過程や目標達成の結果に『自分なりに』「楽しみ」を感じ、「喜び」や「生き甲斐」が得られるような『テーマ』を選択し、『目標』を設定し、自分がイキイキとしていると感じられる『脳の使い方』としての『生活習慣』を打ち立てて、継続することが必要不可欠の条件となるのです。

(6)「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が得られるような『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけて、自分らしい生活の楽しみ方』をして、何かに挑戦する『意欲が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の出番が出来るだけ多くなるような脳の使い方としての『生活習慣を組み立て、構築し、実践するのです。

①     時間が経つのも忘れるような、熱中し、夢中になれる、趣味や遊びの機会を出来るだけ多く持ち;

②     趣味や遊びを通じて、できるだけ多くの友達と交わり;

③     趣味や遊びや人付き合いや地域活動に、自分なりの生き甲斐や目標や喜びを見つけて;

④     精神的な張りと緊張感のある毎日を過ごしながら;

⑤     速足の散歩やラジオ体操など、毎日、『運動』するのです。

&7 住民参加型の『地域予防活動』の実践(国策化)が喫緊の課題(アルツハイマー型認知症に対する正しい対策の必要性

(1)      私たちが内閣府に対して『提言書』の郵送により提案している『アルツハイマー型認知症』の早期診断による『回復』及び『介護の予防』並びに『発病自体の予防』を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の国策化こそが、『喫緊の課題』であると考えているのです。対策を実施せず、現状のまま放置していたのでは、際限なく膨れ上がる社会保障費(CT、MRI、SPECTやPET等の高額の診療費を稼げるものの、回復させることが可能である早期診断には無用の長物の使用に因る末期の段階での発病の有無の診断、治療効果が全く認められない単なる対症療法薬でしかない薬の使用、末期の段階にまで症状の重症化が進行した結果、「セルフケア」にも様々な支障が出てきて介護が不可欠となっている『大ボケ』の段階の「お年寄り」の介護の為の費用)の総額が、年々増加の一途を辿っていて、今や、単年度で、20兆円を超えるという天文学的な規模にまで、膨れ上がっているのです(一般会計特別会計の合計額)。

(2) その上、老々介護とか、認認介護とか、果ては、『介護離職』が重大な社会問題になっていながら、発病自体の予防、早期診断による回復、更には、介護の予防という「テーマ」に対する何等の施策が実施されていない状況で、国民の関心が薄い現状に対し、具体的で実施可能な方策を提起しつつ、警鐘を鳴らしたいと考えるのです。

(3)   『二段階方式』の使用許諾契約(対価は有償とし、有償の期間限定はしない)の新規の締結先市町村に対し(指導能力から考え、私たちの「対応能力」に鑑みて、累計総数300に限定)、徹底的に『成果』を追求する活動によって、私たちの主張内容が正しい(「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」が本態なのであり、早期診断により治せるし、介護の予防も発病自体の予防も、脳の使い方としての生活習慣、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践が、唯一で効果的な方法である)ことを実証して見せること、実証に注力した活動を、来年度から再開する考えなのです。導入先の数の多さではなく、導入先の数を限定し、早期診断による回復及び介護の予防について、実施品質の確保と具体的で顕著な成果の獲得を指導する考えなのです。その成果が、発病自体の予防についての、地域住民に対する極めて効果的な情報発信になると考えるからなのです。

(4)  住民参加型の『地域予防活動』の指導に際しては、『早期診断による回復と介護の予防』を最重要課題とする考えなのです。『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防に対する首長の関心が高い市町村であって、脳の機能と言う物差しを活用する住民参加型の「地域予防活動」の実践に対して、自らの関与の使命感を覚えていて、意欲にあふれる保健師さんがいる市町村だけを対象として、指導したいのです。私たちの側の対応としては、過去の活動に際して指導力の発揮が不十分であったとの猛省から、指導に携わる女性の専門職』を或る規模で養成する考えなのです。

アルツハイマー型認知症』の発病について、『脳のリハビリ』の実施により『回復』させることが可能な本当の意味での『早期の段階』(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)で発病を見つけること及び早期診断と早期治療(『脳のリハビリ』の実践指導)による『回復』を達成した数の多さ、更には、末期の段階である大ボケの段階にまで症状が進行するのを抑制することに因る『介護の予防』の達成の率の高さについて、『二段階方式』の考え方及び『二段階方式』の手技の実施品質の高さの証明による情報発信が、『アルツハイマー型認知症』の発病自体の『予防』という「テーマ」に対する、国民的な関心を惹き起こす上で、最も効果的な手段となる(情報の発信力となる)と考えるからなのです。

(5)  我が国の医療の現場では、「DSM4」の第一要件が発病の原因と規定し確認を要求している『記憶障害』という要素と第二要件が発病の『初期症状』と規定し確認を要求している失語失認、又は、失行の症状(紛いの症状)という要素を確認する作業が不可欠の診断業務とされているのです。その結果、極めて重度の記憶障害の症状の発現の確認を基礎として、加えて、末期の段階である「大ボケ」の段階の後半になって初めて発現してくる『極めて重度の症状』である「失語や失認や失行(紛いの)の症状」の確認を待って、「アルツハイマー型認知症」の発病とする診断がまかり通っているのです。その結果、本当の意味での早期の段階、脳のリハビリにより症状を治すことが可能である(「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに引き戻すことが可能である)小ボケ及び中ボケの段階は見落とされているのです。「小ボケ」、又は、「中ボケ」の段階で確認される類型的な症状がいくつも出てきて、家族がどうも変と思って、病院へ本人を連れて行き、受診させても、「何でもないと診断される」のです。頻度や程度が通常のお年寄りに比較してやや重い程度の『物忘れ』の症状が確認されると、MCI(Mild Cognitive Impairment『軽度認知障害』)とかの専門用語を使って(正常でも異常でもなくて、発病の先駆的状態とかの意味不明な説明)説明し、ケースによっては、半年から1年程度、症状の進行を遅らせることが期待されるとか言いながら、効きもしない薬(「治療効果」は無くて、介護する側の労役の緩和程度の単なる「対症療法薬」=症状の発現の仕方や程度を速成し、又は、昂進させるだけの効果だけ)に過ぎないのです。エーザイのアリセプトを含む「4種の薬」の内の1種類を処方している場合が多いのです。

注1)医療の現場では、意識的な世界、『意識的に何かを発想し、実行に移す世界』が、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムと密接不可分の関係にあるという発想自体が無いのです。『左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車が運行する世界が、意識的な世界であるという認識も無い』のです。その為、三頭立ての馬車の御者、脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉という脳機能についても無関心なのです。医療機関が、診断の際に実施するのは、MMSE テストだけなのです(「長谷川式」、を実施するところもあるようですが、長谷川式には欠陥が多いのです)。MMSEテストでは、左脳と右脳、馬の機能レベルしか判定できないのです。肝心の前頭葉の機能レベルは判定できないのです。良く使用されるCTやMRIでは、「脳の形」しか測定できないのです。脳の機能を測定する為に使用するf-MRIやPETで判定すると言っても、『前頭葉』の機能レベル、就中、「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能レベルを精緻に判定することは出来ないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定することが出来る手技を持たないこともあって、末期の段階でしか発病の有無を判定することが出来ていないのが実態なのです(結果として、脳のリハビリにより正常な機能レベルに回復させることが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄りは見落とされていて、アルツハイマー型認知症は発病していないと診断(誤診)されるのが一般的なのです。

注2)認知症研究の専門家達の脳が、『DSM-4』の束縛からどうしても逃れられないというのなら、第一要件を『前頭葉の機能障害』(cognitive disturbances in executive functioning)と読み替え、第二要件を『前頭葉の機能障害のみに起因した症状を初期症状とする』と読み替えることを提案します。

(6)  脳全体の機能レベルと症状とのリンクが「二段階方式」の特徴

二段階方式』の手技では、『アルツハイマー型認知症』の発病の有無を「三つの側面」から判定し、鑑別します(概要を記します)。

)二つの神経心理機能テストによる『前頭葉を含む脳全体の脳機能レベル』の判定(以下、「A」と言う)。同時に、MMSE下位項目の低下順の通りであるか否かの判定が必須の作業となります。

)「30項目問診票」による『生活実態』(具体的な症状の確認及び三段階に区分される症状の段階区分)の確認と把握(以下、「B」)

)予測される「キッカケ」の発生時期以降についての過去数年間に亘る脳の使い方としての『生活習慣』という視点からの『生活歴』(「キッカケ」の発生の確認作業及びその後の単調な「生活習慣」の継続の確認)の聞き取り(以下、「C」)という「三つの側面」を厳密にリンクさせ、総合的に判定、鑑別することが、特徴なのです。

脳の機能レベルAと生活実態Bとが一致して、更にそれを説明でき得る生活歴の存在Cの確認ができた場合のみ、アルツハイマー型認知症の発病と判定することになり、初めて個別生活改善(脳リハビリ)指導の対象となります(割合は、90%を超える:認知症の発病を疑われる場合、殆どのケースが、「アルツハイマー型認知症」)。

ⅳ)『二段階方式』の手技を使うということは、依拠する多数の症例により集積された脳機能データに基づいて、A・B・Cの各々が意味するところが、相互に一致するかどうかを「確認していく」作業であるともいえます(「判定の手順」がパターン化されている)。

二段階方式』の手技は、判定マニュアルのA、B及びC並びに「判定マニュアルの使用の手引き」により、実務化されています

 現行マニュアルの内容の更なる進化とパターン化の改訂作業中!

『アルツハイマー型認知症の発病であれば、必ずA==Cになる』のです!!。加齢』に起因した脳機能低下の進行(正常老化)とナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という異なる二つの要因同時に並行して進行していく相剰効果に因り、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに厳密にリンクした症状(前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的な症状)が発現してくるのが、他の種類の認知症とは全く異なる特徴である老化・廃用型の生活習慣病が本態であるアルツハイマー型認知症の場合は、且つ、その場合に限り、『A(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)=B(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状の発現=C(ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続としての生活歴の確認)』という図式が成立するのです。このことに加えて、『MMSEの下位項目』について、14689例の症例が示す『項目困難度の指標』が示す通りの低下順であることが確認されることに因り、発病の有無の精緻な判定、他の種類の認知症との精緻な鑑別、更には、認知症と紛らわしい他の病気との精緻な鑑別が可能となるのです。

 (7)『脳のリハビリ』(生活習慣改善)の実践のための指導の留意点

アルツハイマー型認知症』の発病であり、「小ボケ」又は「中ボケ」のレベルであることが確認され、『生活歴』の聞き取りにより、意欲を喪失させることとなった『キッカケ』の発生時期及びその具体的な内容が確認され、「ナイナイ尽くし」の単調な『生活習慣』の継続が確認されたら、被検査者本人の脳の活性化を図る為の、『脳のリハビリ』の指導〈生活習慣の改善の為の指導〉を行います。

)本人の現在の脳の使い方としての「生活習慣」の問題点を把握して、脳の活性化、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する『生活習慣』への改善の為に、出来るだけ具体的で、実施可能で脳の機能レベルに見合った脳のリハビリの処方箋」を提示します。

ⅱ)『前頭葉』が活性化するテーマは、個々人によって異なります。『評価の物差し』が異なる上に、『人生体験』自体が異なるからです。第二の人生を送っていた発病前の本人の脳の使い方としての「生活習慣」の具体的な内容を聞き取り、本人なりに継続して実践することが出来、テーマを実践することに因り「意欲」が湧いてきて、「注意の集中力」が継続するようになり、「注意の分配力」の機能の出番が多くて、発想し、工夫し、洞察や推理する機能、『実行機能』と呼ばれる「前頭葉」の個別認知機能が活性化して良く働くような「テーマ」を見つけ実践の指導をすることが、必要不可欠となるのです。継続されて、『生活習慣』化することに因り始めて、本人の『前頭葉』を含む脳全体の機能の『活性化』と『改善』に繋がるのです。

 本著作物「Dー06」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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有識者会議の提言に基づく新大綱が掲げる認知症予防施策の問題点と具体的な方策の提起ーそのⅠ(D-05)

2019-07-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

             もてあまし することも無い 今の時

     身体も脳も 今日も居眠り

&1政府が、認知症対策強化の為の『大綱』を決定

これまで世界中の専門家達から、原因不明で治らない、予防も出来ないとされてきた『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、スエーデンのカロリンスカ研究所が、『「生活習慣」が危険因子と考えられる』と発表してから、流れが大きく変わったんです!!※政府は、6月18日に開催した関係閣僚会議で、認知症の人アルツハイマー型認知症の発病者のことであることに注意。以下、同じ)が暮らしやすい社会の実現を目指す従来の『共生』に加えて、発病や症状の重症化の進行を遅らせる『予防』に重点を置く政策の採用を決定したのです。但し、『治療(早期診断と早期治療)』は、対策項目に入っていないことに注意が必要です。更には、対策項目としての『予防』というのは、「認知症になるのを遅らせること及び症状の重症化が進行するのを緩やかにすること」を言うとの注釈がつけられていることにも注意が必要です。それらの目標を達成する具体的な手段としては、「高齢者」が体操や趣味を楽しむ為の『通いの場』の拡充を重要政策の一つに掲げているのです。その目的とすることは、お年寄りが家に籠って孤独な状態に陥るのを防止し、『認知症の人の意思を尊重し、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる社会』の実現にあるのだそうです(「アルツハイマー型認知症」の予防に対する国民の注意を喚起し、生活習慣の改善により発病を「予防」することに因り、認知症を発病して末期の段階にまで症状が進行したお年寄りの「介護費用」を含む「社会保障費」の増加に抑制をかけることも重要な目的とされているのです)。とは言え、『認知症になるのを遅らせる』にも、『症状の重症化が進行するのを緩やかにする』にも、『アルツハイマー型認知症』の発病び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)を正しく理解していることが必要不可欠となるはずなのです。

発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)自体は知らないけど、大綱が奨励していること(目標テーマ)を自分なりにやっておけばいいのだろうという訳にはいかないのです。『生活習慣が危険因子である』として、「自分なりにどのような『生活習慣』を、どのように構築するか」が重要となるからです。『加齢』に起因した脳の老化の進行という問題が誰の脳にも存在している(正常老化の性質)ので(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者が、私たちが定義する発病の「第一の要件」なのです)、出来るだけ効果的で、長続きする、自分の生活環境に適した「テーマ」を出来るだけ数多く、頻繁に、且つ、継続して、実践していく必要があるからなのです。もっと重要な問題は、私たちが規定する発病の「第二の要件」の問題があるからなのです。第一の要件を充足するお年寄りが、何等かの出来事の発生や状況の発生とその後の継続を『キッカケ』(類型化のしようがなく、人により何でもありなのです)として、立ち上がり、這い上がっていこうとする『意欲』を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』に陥り、その「生活習慣」が継続していると、半年から1年が経過すると、『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。

※『アルツハイマー型認知症の発病は、「4つの仮説」が想定するような原因、アミロイドベータの沈着やタウタンパクの蓄積や脳の萎縮の進行やアセチルコリンの不足が真の原因ではないのです。「キッカケ」の発生を契機に始まった脳の使い方としての『生活習慣』、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続していることが原因で、前頭葉』の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行すること(前頭葉の機能障害の進行を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で)により、発病及び症状の重症化が進行するのです(市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践により、疫学的に実証済み)。

『認知症の人の意思を尊重し、認知症の人が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる』という「共生」の為の設定条件自体が、『アルツハイマー型認知症』について、『脳の機能』と言う視点からいうと、発病者の『脳の機能レベル』と症状の段階を精緻に判定し、厳格に区分した上で、個々の発病者の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルと機能レベルに見合った『対応可能な支え方の在り方』という考え及び基準の導入が不可欠となることについても、詳しく説明しておく必要があると考えるのです。『自分なりに、何をどのように行うのか』については、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルが、意識や、思考や行為や言動の在り方を決定づける、最も重要な核心的要因だからなのです。

アルツハイマー型認知症は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私達人間だけに特有な意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現することに因り、最初の段階(小ボケの段階)では『社会生活』面で、次いで(中ボケの段階では)『家庭生活』面にも、最後に(末期の段階である大ボケの段階では)『セルフケア』の面でも、様々な程度及び態様に因る『支障が出てくる』(認知症としての症状が発現する)のが特徴なのです。

大綱が掲げる「目標」をどのように考えて、具体的に実行に移せばいいのか、以下に詳細に説明し、問題点を具体的に提示し、且つ、根拠となる科学的で客観的なデータ及び『脳機能データ』をつけて、補足し、説明していきたいと考えるのです。あと数年が経過すれば、私たちの主張が正しく、且つ、指摘が正鵠を得ていたことが判明する時代が来ると確信してもいるのです。専門家とされる人達は、未だに正しい知識や実体験が無いので、私たちの問題提起を、『転ばぬ先の杖』にして頂きたいと切に願うのです。

アルツハイマー型認知症』についての、発病及び症状の重症化が進行するメカニズム、治す為の具体的な方法(早期診断と早期治療)、症状の進行を遅らせる為の具体的な方法(介護の予防)、更には、発病自体を『予防』する方法について、「脳機能データ」を含む科学的で客観的な根拠に基づき、二段階方式の手技の活用による、且つ、累計で450を超える極めて多数の市町村での実践展開により、その考え方が正しいことを疫学的に実証してきていて、実践の方法を具体的にマニュアル化している機関は、日本中と言わず、世界中を探してみても、私たち(『二段階方式』)しか存在していないのです。

内容自体は未だ初歩的なレベルのものに過ぎないとはいえ、スエーデンの「カロリンスカ研究所」やロンドンに拠点を置き活動する「ランセット委員会」等の世界的に著名な研究機関が、『アルツハイマー型認知症』の発病原因について、『生活習慣が危険因子である』との新しい視点からの問題提起をしたことを契機にして、発病原因に関わるコペルニクス的な転回が起きてきつつあるのです。その意味で、「4つの仮説」は、過去の遺物と化してきていると言っても過言ではないのです。詳細は後述するように、私たちは、『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復介護の予防及び発病の予防を目的とした「住民参加型」の『地域予防活動』という形態で、且つ、市町村に対する実践指導(有償の使用許諾契約の締結先のみを対象)という先駆的な活動を指導してきていて、1995年の活動の開始以来首尾一貫して、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、早期診断と早期治療により治せるし、治すことが最早困難な末期の段階である大ボケの段階にまで症状が進行することを抑制することに因り介護の予防が可能であり、更には、発病自体の予防が可能である』と主張し続けているのです。市町村の保健師さんが、全面的に実施することが出来るように手技を「マニュアル」化してもいるのです。

 &2 認知症発病者総数についての政府発表数字(90%以上を、アルツハイマー型認知症が占める)と実態との乖離

(1)   発病原因に関する「4つの仮説」は、過去の遺物に過ぎないのです。まず最初に皆さんに知っていただきたいこと、世界中の認知症研究の専門家達が、アルツハイマー型認知症の発病原因、症状が重症化するメカニズム、症状の類型、治療の仕方、予防の方法については、ほとんど無知という状況なのです。世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説を含め、提示されている『4つの仮説』(アミロイドベータ説、タウタンパク室、脳の萎縮説、アセチルコリン説)の全てが、科学的な根拠や客観的なデータさえも提示出来ていなくて、且つ、発病との間の因果関係を未だに実証出来ていない儘のものであり、「憶測の類」でしかないのです。

「アルツハイマー型認知症」の診断の専門医達は、『DSM-4』の第一要件が規定する要件、『「アルツハイマー型認知症」は、記憶障害に起因して発病する』との誤った前提をそのまま受け入れていて、加えて、第二要件が規定する要件、『失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状である』との誤った内容(「極めて重度の症状」であることに気付いてもいない)を金科玉条として敬い、診断する結果として、最早治すことが困難である末期の段階(大ボケの段階)で発病を見つけているのです。その結果として、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないタイプの認知症』であると誤解し、誤った情報を発信し続けているのです。『詳細なメカニズムについて後述するように、「アルツハイマー型認知症」こそが、「治すことが出来る」典型的なタイプの認知症である』にも拘らず、今回の大綱が、「治す」こと(早期診断による回復)を『達成目標』の重要なテーマに選んでいないのも、同様の誤解に基づいていると考えられるのです(大綱を策定した有識者達は、発病の原因について言うと、世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説を支持していると想定されるので、「治すことが出来る」など想像も出来ないのでしょう。「アミロイドベータ説」の想定では、「アミロイドベータ」が情報を連絡する神経細胞に沈着して生じた老人斑が持つ毒性が神経細胞の大量死を惹き起こすことで、「記憶障害」が惹起されるという想定の下で、「アルツハイマー型認知症」を発病することになると憶測しているのです。⇒未だにどれ程の権威があり、どれほど多数の学者が支持していようとも、想定している原因と発病との間の因果関係が未だに実証されていない仮説、単なる憶測の類に過ぎないのです。世界中の大規模の製薬会社が、「アミロイドベータ説」の主張の考え方に沿って開発に挑戦した「治療薬」の開発は、悉く失敗に帰しているのが実情なのです。このことが契機となり、「アミロイドベータ説」を掲げて世界を牽引してきたハーバード大学が、『治療から予防へ』と方針を転換したと発表したのです。昨年末になって、発病してしまうと治すことが出来ないので、発病前に、言い換えると、アミロイドベータの蓄積がほんの僅かでも検知された段階で、アミロイドベータを脳内から除去する方法の開発に着手したと発表したのです。

方針の転換はどうでもいいのですが、そもそも、アミロイドベータの蓄積と発病との間には因果関係自体が存在していないので、無意味な転換なのです。

(2) 政府が発表している数値とその問題点

ⅰ)2025年には、認知症(その大半は、「アルツハイマー型認知症」)の発病者数が約700万人になるとの政府予測数値が発表されています。但し、此処で言われている発病者達(ボケ老人)とは、末期の段階の症状が発現しているお年寄り(「大ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄り)達だということに注意が必要です。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄り達の数は含まれていないのです(「脳のリハビリ」の実施により回復させることが可能である小ボケ及び中ボケの段階は、見落とされているのです)。私たちが提示しているのは、(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)の全てなのです。発病者総数に、全てが含まれていないのは、間違いなのです。

ⅱ)ところで、「アルツハイマー型認知症」の発病者達(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の症状が確認されるお年寄りの全て)の年齢別の発病率は、私たちの予測データでは、次の通りとなるのです。

「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の発病者達、発病者全体の年代別の発病者の割合は、定年退職などで、第二の人生が始まったばかりの60代に12%もの高い割合を示していて:70代に30%、80代に50%、90代に75%、加齢の極まりの100歳代に97%と、年をとるにつれて、どんどん増加していくのです。年をとるほど、ボケている人の割合がどんどん増えていき、命の極まりの100歳代では、ほとんどの人(97%の人)がボケている。 このデータは、或る複数の市町村の全数調査の結果をもとにして予測したものなのです。

ⅲ)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」の脳の使い方としての「生活習慣」が、発病するか/しないかを決定づける『唯一の要因』である認知症、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めていて、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態である『アルツハイマー型認知症』の発病率は、日本全国どこも殆ど同じであり、基本的に大きな差異はないと私たちは、考えているのです(東日本大震災のような大震災の被災地での被災直後の発病者数は、他の地域と比較し、一時的に、大幅に増加すると私たちは、考えているのです。被災地に居住するお年寄りを対象として、二段階方式の手技を活用して、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定してみれば、容易に判明することなのです「仕事」とは無縁となる「第二の人生」を送っていた「お年寄り」が、被災を「キッカケ」に心が折れてしまい、意欲を喪失して、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する生活(脳の使い方)に陥っていくことになると、『アルツハイマー型認知症』を発病することになるのです。

ⅳ)「アルツハイマー型認知症」を発病している対象者には、60歳未満の若い人は含まれていなくて、60歳を超える年齢の『高齢者』であり、且つ、『第二の人生』を送っている「お年寄り」に限られていることが特徴(老年発症が特徴)なのです。猶、現職で『仕事』をしている人は(ただし、肩書だけの人は除く)、年をとっても発病しないことに注意(日々の生活面で、「仕事」というテーマがあるので、分析、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、企画や計画などの機能の出番が多く、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を中核とした『前頭葉』の出番が多いので、それらの機能についての、「廃用性の機能低下」という問題が起きてこないからなのです)。

)ドラマ化までされた『若年性アルツハイマー型認知症』という認知症は、誤解と誤診に因り創造されただけの病名であり、現実には存在しないのです。側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が確認されるものの、「前頭葉」の機能が正常レベルに在るのが特徴)、或いは、感覚性失語症であるものを、『認知症であると誤解、誤診』しているだけのものなのです。末期の段階の「大ボケ」であり、重度の「記憶障害」の症状が確認されるお年寄りが、自分の日々の生活面に起きてくる様々な問題を他人に語ることが出来る等ということ自体が、起き得ないことなのです。『側頭葉性健忘症』と混同しているのです。その誤診に基づく活動が、オーストラリアに源を置き、イギリスを経由して、日本にも伝播してきているのです。『アルツハイマー型認知症』の発病である場合、『前頭葉』の機能が真っ先に機能低下を進行させていくのが特徴であり、「大ボケ」の段階にまで症状が進行してきている場合の「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、ほとんど働かなくなってきていることを知らないのです。

 (3)政府の予測値には、(実態)との間に「大きな乖離」が存在

ⅰ)政府が発表している『発病者数』とは、末期の段階の症状が発現しているお年寄り達、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現してきている「お年寄り」の数だけを指して言っていることに注意が必要です。今回の大綱の内容を提言した有識者達を含めて、世界中の認知症研究の専門家達は、米国精神医学会が策定した判定基準である『DSM-4』の規定の重大な誤りに気付かないで、そのまま正しいものとして扱っているからなのです。

ⅱ)世界中の認知症研究の専門家達の殆ど全ての人達が、その内容について微塵も疑うことが無い程、世界的な権威があるとされている『DSM-4』の規定の「第二要件」は、失語や失認や失行と言った症状が「初期症状」であると規定しているのです。私たちの正しい基準に因る実態としては、もっと軽い段階、私たちの区分で言いう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があるのを見落としているのです(「失語や失認や失行の症状」は、11の「下位項目」から構成されていて30点が満点であるMMSEの「総得点」が一桁の点数になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたお年寄りだけに確認される『極めて重度の症状』であることに気づいていないだけなのです)。⇒ 世界中の専門家達が、その規定の内容に従った研究、診断を行うほど、権威は世界的でも、内容は『誤り』なのです。『規定内容自体が重大な誤りである』ことに、専門家とされる人達が未だに気付いていないのです!!)。

 『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのです(「食生活」とは関係なくて、脳の使い方としての『生活習慣』が発病するかしないかを区分ける決定的な要因であることに留意!)。

(4) 更なる問題が存在するのです。アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについて専門家とされる人達が無知であること、更には、脳梗塞や脳出血等の既往があり、頻繁な『物忘れ』の症状が確認されると、「脳血管性認知症」と診断する杜撰な診断が横行している結果、その分、「アルツハイマー型認知症」の発病者数が減少するのです。

 脳血管性認知症であると誤診されている(脳血管性認知症と診断されているものの80%相当数)ものをアルツハイマー型認知症の発病者数に入れ替え、更に、発病者でありながら見落とされている早期の段階のお年寄り達(小ボケ及び中ボケの段階の発病者達)の数を組み入れて、「アルツハイマー型認知症」の発病者総数を正しくカウントしなおすと、発病者総数は、厚労省が発表している総数の2倍という天文学的な数になるのです。大ボケの段階のお年寄りは死んでいく数が多いのに、小ボケや中ボケのお年寄りは身体がもつので、それほど死なないのです(⇒アルツハイマー型認知症は、症候群に過ぎないので、アルツハイマー型認知症の発病が原因で死ぬことは無いのです。死因の病名とはならないのです!)。

      

&3 脳の機能レベルにリンクしたアルツハイマー型認知症の症状

(1)   「三段階」に区分される症状の類型と区分の基準

ⅰ)アルツハイマー型認知症研究の専門家達は、末期の段階で発現してくる症状だけしか知らないのです。失語や失認や失行(紛いの)症状が初期症状であると誤解していて、それ等の症状より重い症状だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解しているのです。発病の原因(メカニズム)について、アミロイドベータの沈着とか、タウタンパクの蓄積とか、脳の萎縮とか、アセチルコリンの不足とかが原因で、『記憶障害』が惹起されることが、発病の原因であると想定しただけの単なる憶測を基礎としているだけなのです。科学的で客観的な根拠が存在していない上に、発病との間の『因果関係』も未だに実証することが出来ないでいるのです。

ⅱ)私たちは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で判定し、左脳及び右脳の機能レベルをMMSEテストで判定し、且つ、両者の組み合わせにより、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを総合して判定します)を精緻に判定することが出来るだけでなく、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状を「三段階」に分けて判定します。

「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、意識的な世界で、状況の分析、理解と判断、テーマの発想、実行の企画と計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーション結果に基づく比較と評価と選択、更には、実行の決断、或いは、抑制や感動等の機能、『実行機能』と総称される『前頭葉』の個別認知機能群の発揮に支障が出てくる原因である『廃用性の機能低下』という要因の存在に、世界で初めて気づいたのです。更には、「廃用性の機能低下」をもたらす要因が、「仕事」とは無縁となる『第二の人生』での脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続であることを発見し、市町村での住民参加型の地域予防活動を指導する実践の場で、私たちの考え方(根拠)が正しいことを、疫学的方法により実証してきたのです。

ⅲ)「アルツハイマー型認知症」は、何年もかけて、徐々に緩やかに進行していくのが特徴であり、その様々な症状は、『回復の可能性の困難度』という視点から『三段階に区分される』のです。つい先日まで、特段の支障もなく『社会生活』を送れていて、自分なりに趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活を送れていて、地域の催事や行事への参加や参画を楽しんでいたお年寄りが、突然、『失語や失認や失行(紛いの)』の症状が出てきて、『セルフケア』にも支障が出てきて『介護が不可欠』になる等の状況が起きて来はしないのです。

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が本態なので、症状が緩やかに徐々に段階的に進行していくのが特徴なのです。最初に、小ボケの段階の症状が、次いで、中ボケの段階の症状が出てきて、最後に、末期の段階である大ボケの段階の症状が発現してくるのです。

小ボケ 症状の回復/進行の抑制が可能な段階

中ボケ 症状の進行の抑制が未だ可能な段階

大ボケ 症状の進行の抑制さえも最早困難な段階

ⅳ)「アルツハイマー型認知症」の症状の治療に効果がある「」は、発病のメカニズムからして、存在し得ないのです。

①   治療の効能を有する『』は、未来永劫存在し得ない

②   症状の進行を遅らせる効能を有する『』も、存在し得ない

③   回復させ(治すこと)及び症状の進行を遅らせる効能があるのは、『脳のリハビリ』(前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と日々の実践の継続)だけ

ⅴ)「脳のリハビリ」の指導の継続的な実施業務を担えるのは、医師ではなくて、市町村の保健師さんだけ。医師の場合には、一定規模での売り上げと利益を上げることが必要不可欠の命題である為に、早期診断(治すことが可能である早期の段階、小ボケ及び中ボケの段階を見つけること)に不可欠の手技である『二段階方式』に代表される神経心理機能テストの使用だけでは、必要な規模での売り上げと利益を稼ぎ出すことが出来ないのです。CT、MRI、SPECT、或いはPET等の機器の使用は、高額の診療費は稼げても、早期診断には無用の長物なのです。

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるが為に、早期診断と「脳のリハビリ」の実施による回復及び介護の予防、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』の指導による発病自体の「予防」については、医師(医療機関)の出番が全く無いのです。医療機関の出番が出てくるのは、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が出てきているお年寄りに対しては最早回復/症状の進行の抑制が困難であり、症状の出方を抑制したり、或いは逆に、高揚させる為の効能を有する4種の薬(治療薬ではなくて、「対症療法薬」に過ぎないのです)を使用することに因り、家族を含む『介護する側』の労役の負担を或る程度緩和することが出来るという意味と程度での出番しか期待できないのです。

(2)   最初に発現する「軽度認知症」(小ボケ)の段階に特有で、代表的な症状の8項目(記憶障害に起因した症状の発現は皆無であり、「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかりが発現してくるのです)。

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

(3)「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状、言い換えると、最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄り達の脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくて、それらの全てが『前頭葉の機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです。

ⅰ)小ボケの症状は全て、「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び機能の発揮度を下支えし/左右している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(「前頭葉」の三本柱の機能)が的確、且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

ⅱ)実行機能(Executive Function)の発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが唯一直接の原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病し、症状の重症化が進行していくこととなるのです。 

ⅲ)「小ボケ」では、『社会生活』面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」と総称される)が、廃用性の機能低下の進行により、十分には発揮出来ない機能状態に在るのです。意欲が湧かない、注意の集中力の発揮が続かない、注意の分配力がきちんと働かないことが原因で発現する「小ボケ」の症状のイメージは、家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通の目的を実行する場である社会生活面での様々な支障が出てくるのが特徴なのです。何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が特徴なのです。上述の機能面の理解に立って、上掲の8項目について、見直してみてください。それ等の症状が、「記憶の障害」に起因したものではなく、「前頭葉」の機能障害に起因して発現した症状であることが理解できるでしょう。

(4)「中ボケ」(中等度認知症)の段階の典型的で特有な症状の類型

ⅰ)「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されたままで居ると(「小ボケ」の期間が3年も続いていると)、次は、『中ボケ』の段階に移っていくことになります。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。アルツハイマー型認知症の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

「前頭葉」の機能レベルを判定する「かなひろいテスト」は不合格のままで、左脳及び右脳の機能レベルを判定するMMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達を言います。前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現している『中ボケ』の段階のお年寄り達のイメージは、『家庭内の簡単な用事』程度のこともちゃんと出来ないのに(「家庭生活」の面でも、種々様々な『支障が出てくるようになる)、口先だけは一人前、『失敗しては、言い訳ばかりしている幼稚園児』(4~6歳児のレベル)が特徴なのです。

「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきているのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。

現在の自分に起きてきている状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が『こんなところが、おかしい』と指摘しても、『そんなことはない。私は、ボケてなんかいない』と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した脳の機能年齢は6~4歳児のレベルとなります。『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが原因で、「典型的な症状の類型」として、以下に例示するような症状が自分に起きていることさえも自覚できないのです。発病の最初の段階である「小ボケ」の段階で、「自分らしさ」が出せなくなるのです。

政策大綱が目標として掲げる社会状況の構築、『認知症の人の意思を尊重し、「認知症の人」が住み慣れた地域で自分らしく暮らせる』社会の構築という設定条件自体が、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階の症状しか知らないだけでなくて、その症状が発現しているお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについての理解不足(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階」に区分される症状が発現してくるのが、アルツハイマー型認知症の特徴)であり、「脳の機能レベル」に見合った対策(予防及び共生)が不可欠となるのです。『アルツハイマー型認知症』を発病した最初の段階である『小ボケ』の段階で、『前頭葉』の機能、就中、「注意の分配力」の機能を筆頭にした三本柱の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、且つ、そのことが原因で、『自分らしい生き方の追求が困難となる』のです。この極めて重要な視点が欠けているために、設定した目標自体が『空虚な内容』となっているのです。大綱の策定に参画した有識者たちが、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を知らない(『DSM-4』の規定の第二要件の内容に惑わされていて、発病と知らないで、見落としている)為に、『的外れの目標内容』となってしまっているのです。私たちが問題提起している小ボケ及び中ボケの段階の前頭葉を含む脳全体の機能レベル及びその機能的な意味について、真剣な議論と深い研究と理解が必要と考えるのです。

ⅱ)「中等度認知症」(中ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

ⅲ)「中ボケ」は、「かなひろいテスト」は不合格のままで、MMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達です。

「時の見当識」が揺らいでくるので、MMSEで測定される「時の見当識」(5点が満点)の得点は、4~2点の幅となります(猶、小ボケは5点。大ボケは1~0点になります)。更に、「アルツハイマー型認知症」である場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳格な順番があり、その順番は、『項目困難度』が高い方から、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです。更に、例えば、『時の見当識』の項目についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていくのです(関係する脳機能が衰えていく)。

ⅳ)□季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を平気で着る)という「中ボケ」の症状は、季節が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、いずれの症状も、『前頭葉』の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能が顕著に異常なレベルにまで低下して来ていることが直接の原因なのであり、『4つの仮説』が「単なる憶測」をもとに想定した前提としての「記憶障害の症状」でもなければ、「記憶障害に起因した症状」でもないのです。

これ等の内容は、私たちが二段階方式の手技を活用して集積した精緻な判定結果に基づいた14689例にも及ぶアルツハイマー型認知症発病患者の脳機能データが示す事象事実を基礎としているのです。

(5)末期の段階の「大ボケ」(重度認知症)の段階の脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした特有で典型的な症状の類型の概観

ⅰ)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

ⅱ)「大ボケ」になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、ほとんど働くことが出来ないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであって、「記憶障害」が原因でそれらの症状が発現してきているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいと願うのです。

『アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』とする、私たち独自の主張に対し、専門家達が真摯に向き合って欲しいのです。

ⅲ)「大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」なのです(セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が不可欠となる)。即ち、「意識的な世界」における「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」)の機能の発揮度を支配し/下支えている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなってきている状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベルと考えて下さい。「前頭葉」、左脳、右脳の機能が更に異常なレベルに衰えていく中で、MMSEの換算点が14点以下から大ボケの段階に入っていき、一桁の点数になってくるあたりから、「DSM-4」の規定の第二の要件が確認を要求している失語や失認や失行などの症状が発現して来ることになるのです。

ⅳ)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前半で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。

大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが為に治せないだけなのです。極めて重要なポイントなのです!!)。

ⅴ)末期の段階である「大ボケ」の段階に症状が進行してくると、身体がもつ限り(何らかの病気や寿命により死を迎えることになるまで)、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになるのです。

ⅵ)「大ボケ」の段階になると、その初期においてさえ、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が殆ど寝たきりの状態になっている為(異なる複数のテーマを同時に並行して処理する為の不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が、殆ど機能出来なくなってしまっているので)、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるような「簡単な言葉」や「簡単な身体の動きを伴う行為」、或いは「単純な状況」に対しては、或る程度の対応が出来るのですが、折々に直面する新しい状況や経験が浅いテーマに対しては、その目的や意味を理解することも、対応することも出来ないのです。

ⅶ)『DSM-4』の規定の「第一の要件」に従って、医師が「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する症状である「重度の記憶障害」の症状は、一つには『加齢』による機能低下の進行という要因により、更にもう一つ別の決定的な要因である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因に起因した、廃用性の機能低下という要因が加重されること、『異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることの相剰効果』により、発現してくるものなのです(他の症状も同じメカニズムで発現してくることに注意!!)。

脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

ⅷ)「重度認知症」(大ボケ)に特有で代表的な類型的症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする

□家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注1)これらの症状が「記憶障害」に起因したものだと主張する、その科学的及び医学的な根拠は何なのか。私たちは、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』と言う脳機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた結果、殆ど機能しえないまでに衰えてきた脳の機能レベルを直接反映しているに過ぎないと主張しているのです。推測ではなくて、14689例(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の症状から構成されている)もの生きた人間の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「アルツハイマー型認知症」の症状の解析を根拠としているのです。

ⅸ)私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのと全く同じメカニズムの下で発現してくるものなのであり、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測というべきものなのです。認知症研究の専門家達は、『注意の分配力』の機能についての理解が浅すぎるのです。『注意の分配力』という機能の深い理解が無い限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは不可能事となると言っても過言ではないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想して、思いついたテーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果の洞察推理シミュレーションを行い、シミュレーションの結果を評価し、比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定して、実行の決断をして、脳の各部に必要な指令を出しているのです。

上記赤字で表記した機能が「前頭葉」の個別認知機能群(『実行機能』)であり、個別の「実行機能」が発揮されるには、意欲、注意の集中力の機能の発揮は当然のことながら、『注意の分配力』の機能の発揮なしには、何事も行い得ない事(機能発揮上の二重構造の存在)を理解すべきなのです。『意識』の機能構造を解明する上で、『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

注2)例示した、発病の最初の段階である小ボケの症状、それに次ぐ、中ボケの症状、末期の段階である大ボケの症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。私たちが規定する発病の「第二の要件」であり、発病するか/否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、複合機能体である『前頭葉』の機能障害を惹き起こす真犯人なのです。そして、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させている真犯人が、『前頭葉』の機能障害なのです。「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の発揮度を左右し/下支えている機能であり、最も高度な機能である「注意の分配力」を筆頭にして並びに注意の集中力及び意欲という機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により、廃用性の機能低下を進行させていくことが直接の原因となり、「実行機能」の発揮度を次第に低いものにしていくことに因り、前頭葉を含む脳全体の機能レベルが徐々に低下していき機能レベルが次第に異常なレベルのものとなり且つ、その状態が更に進んで行くことの直接の反映としての、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分されるアルツハイマー型認知症の症状を発現させていくのです。これが、アルツハイマー型認知症を発病させ、症状の重症化を進行させているメカニズムなのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に目を向けること、『実行機能』と『前頭葉の三本柱の機能』との間に横たわる『機能発揮上の二重構造』の関係、様々な個別認知機能の集合体である実行機能が働く上で不可欠である『注意の分配力』の機能構造の理解が不可欠となるのです。

本著作物「Dー05」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

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意識的な世界を貴方独自に彩るのが「評価の物差し」(意識の首座=自我)の機能(D-04)

2019-06-15 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

       抜き足、差し足、忍び足  居眠る間に忍び寄る    脳の老化と認知症

(プロローグ
(1) 様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めている『アルツハマー型認知症』の予防について、政府が数値目標を提示しました。達成の為の『数値目標』を定めた上で「予防対策」を推進するということだったのです。

問題は、「有識者会議」のメンバー全員が、アルツハイマー型認知症の発病原因については、世界的に通説の地位にある『アミロイドβ仮説』(アミロイドβという蛋白質が生成する『老人斑』が有する毒性により神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、記憶障害を惹き起こすことに起因して「アルツハイマー型認知症」を発病すると主張する「仮説」)を支持していると考えられるのです。

(2) 会議をリードした権威が説明する内容、「アミロイドβ仮説を支持していて、『運動することや、家の外に出て行き、他人と交わることや、公民館での教育講座を受講することが発病を予防することになる』とする説明には、理解が不能というしかないのです(因果関係に無頓着)。

 「4つの仮説」が想定するような原因で発病するのであれば、症状を治すことも発病を予防することも不可能なはずなのです。真実は、私たちが主張しているように、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であるが故に、早期診断により治せるし、症状の進行を抑制できるし、発病自体を予防することが出来るのです。

(3) アミロイドβ仮説、タウ蛋白仮説、アセチルコリン仮説、更には脳の萎縮説等の『仮説』が提示されているだけなのです。それ等のどの「仮説」も、発病の原因と想定する内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係(原因と結果の関係)を実証できていない、いわば、憶測の類でしかないのです(4つの仮説の全てが、末期段階に症状が進行していた高齢者の死後の脳の解剖所見を基礎に「原因を妄想」したもの、憶測と推測に基づいて主張内容を構想し構築しただけの内容で、裏付ける客観的な脳機能データさえも、存在しないものなのです)。

&1 『アルツハイマー型認知症』の発病原因(発病のメカニズム)

(1) 世界で最も権威があるとして信望されていて、主張内容に対して微塵も疑いがもたれていない米国精神医学会が策定した基準、『DSM-Ⅳ』の第一要件が確認を要求している『アルツハイマー型認知症は、「記憶障害」に起因して発病するとの設定なのですが、その設定条件自体が『重大な誤りである』ことも知らないで、権威が想定しただけの内容を正しいものと妄信し、追従して、「記憶障害」をもたらしそうな条件憶測により想定しただけの原因要因未だに追い求めているのです。『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』の機能も備わっていない、齧歯類の「マウス」(ADマウスとて同じこと)や、マーモ・セット(やっとこさ、哺乳類)を研究の対象としているレベルなのです。

(2)『 廃用症候群に属する老化廃用型生活習慣病』が本態(真犯人)である『アルツハイマー型認知症』は、『意識(未だに、人類最大の難問とされる)が関わり、意識が覚醒した世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている複合機能体である『前頭葉』の機能から真っ先に、最初に異常なレベルに機能低下が進行して行き、『前頭葉の機能が活性化する生活習慣』の構築と継続的な実践により、『前頭葉の機能が、正常なレベルに保たれている限りは、発病は起きて来ない』性質の認知症なのです。

(3) 世界中の権威機関や専門家達とは異なり、別次元、私たち『二段階方式』は、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界(目的的な世界)』を研究の対象にしていて、左脳右脳および運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』、「意識」が覚醒した状態下における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(前頭前野の穹窿部に局在する複合機能体=「前頭葉の三本柱」の機能、「実行機能」、及び「価の物差し」の機能から構成される複合機能体を言う。以下、同じ)に的を絞り、「評価の物差し」の機能(意識の首座=自我)及び個別認知機能群(「実行機能」)並びに左脳、右脳及び運動の脳の働き具合(機能の発揮度)を左右し/下支えている機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(総称して、前頭葉の三本柱の機能と命名)就中、重層的且つ複層して存在している複数で多数の『意識を構築し、統合し、分離し、統括し、コントロールする要となる機能であり、更に、異なる複数の「テーマ」を同時に並行して処理する上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能に焦点を定めて、『私たちが「意識的(目的的)」に何等かのテーマを発想し、実行しようとする際に起きてくる』様々な症状が発するメカニズム(発病の原因)の解明を主眼としてきたのです。

(4) 私たち独自の考え方と手技である『二段階方式』の主張は、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村で、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』という先駆的な活動の実践指導により、主張内容が正しいことが、疫学的方法により実証されてきているのです(世界初)。

(5)『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できるのは、私たち二段階方式の『改訂版かなひろいテスト』しか存在していないのです。MMSEでは無理なのです(MRIやPET等の高額の機器を使用していても、医療機関には、小ボケ及び中ボケを精緻に判定する能力が無いのです。本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケを見落としている)。『アルツハイマー型認知症』を研究している学者達も、診断の専門医達も、意識的に何かを実行する世界を構築し、管理し、統括し、コントロールしている要の機能である『注意の分配力』の機能について余りにも無知に過ぎるのです。「デュアル・タスク」等の言葉を使用して、分かったような発言をしていても、実際には、殆ど何も分かっていないのです。

※ 車や人が往来する道路で車を運転するだけでも、5つを超える異なるテーマを同時に並行して処理することが要求されているのです。然も、車との離合や歩行者の往来、信号や景色や状況の変化等に即応し、ハンドルを切ったり、ブレーキを踏んだり、アクセルを吹かしたりといったスピードの調整について、或る時は、咄嗟に、3つ以上の複数の異なるテーマを、同時に並行して処理し、判断し、適切に対応することが要求されるのです。

(6) アルツハイマー型認知症を発病した高齢者の自動車事故(小ボケが最も多くて、中ボケの前期もある程度居るが、大ボケは居ない)の原因は、交通問題の専門家が主張するような、運動神経(反射神経)の問題ではなくて、『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきていることにあるのです(矢を射るべき的が違う)。

(7) こうした状況及びその様々な変化に対し、適切に対応するには、『前頭葉』の機能正常なレベルに在ること、就中、「実行機能」を駆使する要の機能である『注意の分配力の機能が正常な機能レベルに在ること不可欠の条件となるのです。『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』から要求される、こうした問題点について、専門家とされる人達が何も分かっていないのです。

(8) アルツハイマー型認知症の専門家と言うと、世界中を見渡せば、星の数程もいるのです。とはいえ、『アルツハイマー型認知症』の発病の原因について、実証できていて、科学的で、客観的脳機能データの裏付けを持っているのは、我が国だけでなくて、世界中を見渡してみても、私たち『二段階方式』(Kinuko とTadの二人だけのエイジングライフ研究所)の主張内容だけなのです。他は、全てが仮説であり憶測の類でしかないのです。

&2  『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした類型的症状の発現
(1) 私たち二段階方式は、アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病に過ぎないと考えているのです(世界初で、唯一)。※第二の人生』での脳の使い方としての「生活習慣」が、発病及び症状が進行していく核心的な要因であり、食生活や糖尿病の発病とは無関係なのです)。
(2) アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが、何等かの追求すべき「テーマ」を意識的(目的的)に発想し、実行に移そうとする際に、様々な程度及び態様での認知症の発病としての症状が出てきて、支障が出てくるのが特徴なのです。このことを言い換えると、『「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクした症状、三段階に区分される症状が発現して来る』ものなのです(軽い方から、小ボケ、中ボケ、大ボケの順に、段階的に発現してくるのが特徴)。

(3)『脳のリハビリ』の実施という方法により、『治す』/「症状の進行を抑制する」ことが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で発病を見つけるには、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベル(正常なレベルから、異常なレベルまで)を精緻に判定することが出来る『手技』の使用不可欠となるのです。

※1 手足の機能である脳の後半領域の機能(左脳及び右脳)については、MMSE(MMS)という世界的に活用されている神経心理機能テストが存在している。他方脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能については、私たちが独自に開発した神経心理機能テストである「改訂版かなひろいテスト」しか存在していないのです。

※2「改訂版かなひろいテスト」は、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能レベルを、個別に及び総合して判定することが出来るのです。私たち「二段階方式」の考え方は、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能が、『 前頭葉』 の「評価の物差し」の機能及び個別認知機能群(「実行機能」)の機能レベルを左右し/下支えているとする機能構造機能発揮上の二重構造の存在)の発見と理解が評価及び判定の基礎となっています。

(4)『機能発揮上の二重構造の存在』に気づいたからこそ、『前頭葉』(「評価の物差し」に因る評価、関心、注意、観方に基づいて、「注意の分配力」の機能が「実行機能」を行使する先行的なメタ認知に連動し、随伴する形での「実体験認知」が行われる複合機構体)の機能レベル精緻に判定することが出来る「手技」である『改訂版かなひろいテスト』の開発に成功することが出来たのです。

※ 今回は、あなた独自の『意識的な世界』の彩を決定している脳機能である『評価の物差し』について説明したいと思うのです。「評価の物差し」と意識的な世界との関わり方についての、私たち独自の考え方を提示したいと考えるのです。何故なら、この『評価の物差し』の働きなしには、意識的な世界における、あなた特有の認知は起きてこないのですから。

(5) 私たちの『意識的な世界』(意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車を運行していく世界と言えば、分かりやすいでしょう。御者が居眠りしていたり、眠り込んでいたら、馬車の適切な運航は困難となるでしょう。脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、異常なレベルにまで機能低下が進行してきたら、意識的な世界(目的的な世界)は、様々な程度及び態様に因る支障が出てくる、『アルツハイマー型認知症』の発病の世界が発現してくることになるのです。

(6)『アルツハイマー型認知症を発病するか/しないか』を区分ける真の要因は、アミロイドβの蓄積(老人斑の数)でもないし、記憶障害の有無や程度でもないのです。『アルツハイマー型認知症を発病するか/しないか』を区分ける真の要因、唯一の条件は、『仕事とは無縁となる第二の人生を送る上での、「脳の使い方としての生活習慣」の在り様、「生き方」が問われることになる』ことが条件、脳の機能面から説明すると、『前頭葉が活性化している日々の暮らし方の継続』が、『発病を予防する(発病時期を先送りする)唯一の条件』となるのです。

&3  川上対策が最も有効で有益で省コストなのです
(1)『前頭葉』が自分なり活性化する生活習慣を構築して、『明日も、その生き方を継続して、「第二の人生」を送っていくことが、自身に納得がいっていること』不可欠の条件となるのです。その条件の確保と維持が、アルツハイマー型認知症の発病を予防する(「発病時期の先送り)為の必要不可欠の条件なのです。「第二の人生での自身の生き方が問われる認知症」が、『アルツハイマー型認知症の正体』なのです。

※ CTやMRIやPETまで持ち出し、高額な診察費を稼ぎながら、末期の段階で発病を見つけているだけの、「発病のレッテル貼り」の診断、末期の段階にしか目がいかなくて「ボケても安心な社会の構築」が目標とされているのが現状なのです。

(2) 川上対策であり、最も有効である『発病の予防対策』を棚上げにして(政府大綱の第一条で、発病の予防は将来的な検討課題と規定している)、新規発病者数が増加の一途を辿っていて、何等の有効な対策が為され無い儘に症状が進行して、末期の段階(大ボケ)の高齢者達が溢れてきた結果、「介護保険制度」が財政面から破綻しそうな状況が放置された儘なのです。

(3) 私たちが規定する『二つの要因』、1つ目は、『加齢』に起因した正常老化の進行という要因、2つ目は別の要因である『第二の人生を送る上で日々展開され、継続されていく脳の使い方としての生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣の継続」という要因、『異なるこの二つの要因が同時に存在し、充足される』ことに因り、その『相剰効果』に因って、『前頭葉を含む脳全体の機能』が、廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくことが唯一の原因となり、「アルツハイマー型認知症」を発病し、更には、症状進行していくことになるのです(疫学的に実証済み)。アミロイドベータの蓄積も、タウ蛋白の蓄積も、アセチルコリンの不足も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係であり、発病との間には、「因果関係」が存在していないのです。

(4)『アルツハイマー型認知症』の初期(最初)の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、左脳と右脳と運動の脳は未だ正常機能レベルに在るのですが、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続している中で、廃用性加速度的異常な機能低下が進行してきた「前頭葉三本柱」の機能が、就中、その中でも核心をなす『注意分配力』の機能が、必要十分な機能レベルでの発揮が出来なくなってきていることの反映が、機能発揮上の二重構造により「評価の物差し」及び「実行機能」の機能発揮にも反映されていているのが、「小ボケ」の段階の特徴です(「中ボケ」以降は、左脳と右脳と運動の脳も異常なレベルに機能低下が進行してきて、そのことが症状に反映されてくるのです)。

&4  『アルツハイマー型認知症』の発病/症状が進行するメカニズム

(1) 発病及び症状が進行していく核心的な要因は、仮説が主張する「記憶障害」ではなくて前頭葉』の機能障害なのです。

私たちが前頭葉の三本柱の機能と名付けている意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能が、一つには、『加齢』に起因した老化の進行による機能低下の進行により、もう一つは、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行により、異なる二つの要因が同時に存在するその相剰効果に因り、機能発揮上の二重構造の関係にある前頭葉の『評価の物差し及び実行機能』が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこと(中ボケの段階からは、左脳、右脳及び運動の脳の機能低下の進行が加わることに注意)の直接の反映としての「アルツハイマー型認知症」の症状(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状)が、三段階(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」に区分される「類型的な症状」として発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴なのです。

(2) 前頭葉の三本柱の機能異常な機能レベルに衰えてきたこと及びその更なる進行反映が、評価の物差し及び実行機能(中ボケ以降は、左脳、右脳、運動の脳が、且つ、その順番に)の発揮度に直接的に反映されて機能発揮上二重構造反映)、複合機能体である『前頭葉』の機能レベル並びに左脳、右脳及び運動の脳の機能レベルに反映されるのです。前頭葉の三本柱の機能の機能レベルに厳密にリンクしたものとしての評価の物差し及び実行機能の発揮度が、状況の分析、理解、判断、テーマの発想や、実行の計画や、実行結果の洞察やケース・シミュレーションや、機転や感動や抑制或いは決断といった、個別認知機能の「発揮度」に直接影響する為に、対象となる情報の認知並びに記銘、保持及び想起、更には、処理の面でも、機能の発揮が不的確で不十分であった「小ボケ」の段階を出発点に、「中ボケ」の段階を経由し、殆ど働かないことの反映として、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくることになるです。

(3)『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクした/反映としての三段階に区分される様々な症状が、最初に社会生活の面(小ボケ:回復させることが容易)に、次いで家庭生活の面(中ボケ:回復させることが未だ可能)に、最後にセルフケアの面(大ボケ:回復させることは、最早困難)における症状の段階的な発現を特徴としていて、思考、言動或いは行動の面に徐々に緩やかな進行という形で現れてくるのが「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴なのです。

&5  脳全体の司令塔としての「前頭葉」の諸機能とその役割

(1) 額のところにある『前頭葉』(前頭前野に局在する複合機能合体)は、脳の最高次の機能です。運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔の役割」を担っています。

(2) 私達人間だけに特有意識的な(自由で選択的な)意思や思考や行為や言動や行動の世界では、「左脳」が「デジタルな情報」の処理を専任的に行なうときも、「右脳」が「アナログな情報」の処理を専任的に行なうときも、「運動の脳」が「身体」を専任的に動かすときも、三頭立ての馬車の『御者』の役割をしている『評価の物差し』の機能による把握評価選択なしには、勝手には動けない仕組みになっているのです。

(3) 三頭の馬の、どれかが動こうとする際は、必ず事前に、司令塔である『評価の物差しホムンクルス=脳の中のもう一人の私)」による把握評価選択とが為されているのです(例えば、「右脳」の働きにより、樹上から下方に向かって、滝が流れ落ちるように、真っ盛りに咲いている眼前のブーゲンビリアの樹の風情を、あなた特有の切り取り方としての色や形で、あなた特有に感得するに際しても、『評価の物差し』が被った状態としての右脳の機能発揮でしかないのです)。

(4)『評価の物差し』の機能が最初に、且つ、最優先に働くという「の機能」の下、『評価の物差し』の機能による評価、関心、注意、観方に従い、『注意の分配力の機能』が『実行機能』を行使することに因り、「意識的な世界」(目的的な世界)での、人間の脳が働くメカニズムなのです。

※ 時間の経過を感じるにも、眼前の花の色の鮮やかさを感得するにも、相手が発する言葉や表情や態度から内に抱いている本心を窺い知るにも、それらのクオリアを感じ取るにも、『評価の物差し』の機能が核心の機能であり、不可欠の役割を担って、果たしているのです。彼と我の存在を区分けている最も核心的な要因であり、機能でもあるのです。

但し、『意識的な世界』には、意識に覚醒されてはいなくても脳機能としては選択的に働いている世界が存在することを注意喚起しておきたいのです。睡眠中に夢を見ている場合に代表される世界、一定の機能レベルにはあるが、意識の覚醒度が低い状態にある世界、即ち、「前頭葉」を含む脳全体の選択的な機能状態が存在しているのです(「無意識」ではないのです。意識について、意識の覚醒の度合い=覚醒度という視点を持たないが為に見落とされている世界が有るのです)。

(5) 気に懸かっている『心配事』が、何時もあなたの心を大きく占めている状態下で、そのとき手に持っていた「スマホ」を、その時目についた場所に置くのです。これは、その時、そのテーマ(スマホを目についた場所に置く)自体は、選択的で意識的な行為なのです。心配事に注意の分配量の大半が注がれていて、そのテーマに配分されていた注意の分配量が少なかった為に、記銘度が極めて低くなり、後で想起することが出来ない(どこにスマホを置いたのかが思い出せない)だけのことなのです。屡々、『無意識に・・・した』という言葉が乱用されるのですが、そのメカニズムは上述した通りであり、「無意識」が支配しての行為ではないのです。

(6)「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の顕在的な発揮度を意識的に次第に下げて行くとき、(「前頭葉」の機能の発揮度と意識との関わりを調べていけばいく程)意識的な世界でありながら専門家とされる人達から「無意識」の世界と混同されている世界があることに私たちは気付いているのです。思考、行為、言動、或いは行動のいずれであるかを問わず、それ等を一定のレベルで行うには、「意識」が一定レベル以上の度合いで覚醒されていることが不可欠であり、その意識の覚醒度合いは、意欲注意の集中力及び注意の分配力の働き具合に左右されていると考えているのです。

(7) 肝心要の「前頭葉の三本柱」の機能には内在的な性質としての加齢に起因した機能の老化(「正常老化の性質」)が存在していることを私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた極めて多数の「脳機能データ」が証明していて、『アルツハイマー型認知症』を発病する対象が60歳を超える年齢の「高齢者」だけに限られることともリンクしているのです。

(8)「脳の機能の顕在的な発揮度とその機能の潜在的な機能レベル」という視点から言えば、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も潜在的な機能レベル自体は未だ正常なレベルにあるのです。三頭の馬はどれも未だ正常なレベルにあって、脳全体の司令塔の役割を担っていて「三頭建ての馬車」の御者である「前頭葉」の潜在的な機能レベルとしての働き具合だけが「異常なレベル」に衰えてきている状態なのです。その為、『前頭葉』の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、分析、理解、発想、計画、創意、工夫、洞察、推理等「前頭葉」の各個別認知機能による「認知度」及び「発揮度」を左右し/下支えている「三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能の潜在的な機能レベル自体が異常なレベルに衰えてきている為に、様々な場面で、状況や目的に即しては(又は、状況や目的に十分には)「前頭葉」の各種個別認知機能を十分には発揮できなくなっているが故の「本当の意味でのアルツハイマー型認知症の初期症状」が発現してくることになると考えているのです。御者(前頭葉)の機能障害だけに起因した症状の発現という『極く初期の段階が存在する』のです。

&6  「廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病」が、真の正体

(1)『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが発見し、「正常老化の性質」と名付ける加齢に因る脳の老化が進行しているお年寄りであり、私たちが規定する発病の「第一の要件」)が、何等かを「キッカケ」として、立ち上がり/這い上がっていこうとする『意欲』を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々継続させる中で(私たちが規定する発病の「第二の要件」)、私たちが発見し、機能発揮上の二重構造と呼ぶ関係の機能であり、実行機能の機能の発揮度を左右し/下支えている機能である「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の潜在的な機能が、廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくその反映として『評価の物差し』及び『実行機能』の潜在的な機能機能低下を進行させていくことが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させていく上で(際し)の唯一で核心的な原因なのです。このメカニズムの存在は、二段階方式の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ膨大で精緻な『脳機能データ』が証明しているのです(世界初で、私たち「二段階方式」独自の発見なのです)。

(2) 一つのデータは、『前頭葉』の機能が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳という順番に異常なレベルに衰えていくという、衰えが進行していく厳密な順番が存在していること及びもう一つ別のデータは、MMSEテストを実施し発病者であることが確認された人たち(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階のお年寄りを含む14689例に及ぶ脳機能データの解析結果)の場合は、且つその場合に限り、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳密な順番である『MMSE下位項目の困難度』を示す客観的な「脳機能データ」が存在していること。その順番は、項目困難度が高い方から、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです(「アミロイドβ仮説」では、この順番を説明できない)。

(3)「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、『前頭葉の機能障害』に起因した症状しか発現が確認されないのです。

自分が置かれている状況の分析と理解と判断も的確には/不十分にしか出来なくなるのです。自発的な発想も工夫も計画も出来なくなってくるのです。何をどうするのかという「テーマの発想と実行の計画や工夫」が、出来なくなってくるのです。

テーマを実行する上で不可欠である実行の態様や程度、自分が置かれている状況や相手との関係などのシミュレーションも、不十分にしか出来なくなります。その上、最終的な選択と決断も足元が揺らいでくるのです(何事に対しても他人を頼る『指示待ち人』が、『小ボケ』の段階の「お年寄り」の特徴となるのです)。

(4) 意識的に(目的的に)、何かの「テーマ」を発想し、実行を計画し、決断する上で必要不可欠の働きをしている「意欲」が不十分にしか発揮できなくなってしまうのです。何かの「テーマ」に取り掛かってみても、「注意の集中力」が続かなくて、「あれも遣り掛けこれも遣り掛け」という風に、中途半端になってしまうのです。『注意の分配力』が十分には働かないので、頭の回転が鈍くなってしまい、かつてのように『テキパキと用事を処理することができない』し、発想が湧いてこないので、『毎日をボンヤリと過ごして、居眠りばかりするようになる』のです。臨機応変とか機転が利くとかとは無縁の人となり、「あーしたらどうなるか、こうしたらどうなるか」と言った脳の使い方、『注意の分配力』の機能の出番が極端に少ない毎日を送る「生活習慣」が、日々繰り返されていくのです。最初の「小ボケ」の段階で、『これまでの本人を特徴づけていた「その人らしさ」が、日々の暮らし方の中から、消えて行ってしまう』のです

(5) その人らしい、物の見方、感じ方、捉え方、考え方、或いはそれらの表出の程度及び態様を決定する「前頭葉」の評価機能である行動指針(「評価の物差し」)の反映としての生活態度が変化してしまうのです。『元は、こんな人では、なかった』と周りから言われるようにもなるのです。此処で注意すべきは、『そうした変化は、「評価の物差し」の基準内容自体が変化した訳ではないということなのです』。評価の物差しの働き方(機能の発揮の度合い)が変化したに過ぎないのです。

(6) 他人に対する言動や対応の仕方を含めて、あたかも「人柄の本質」自体が変わったかのような「特徴的な症状」を示してくるのですが、それは、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力潜在的機能レベル自体が、異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因となり、「前頭葉」の『評価の物差し』としての顕在的な機能の発揮度が異常なレベルに低下していることを反映した認知症の症状なのです。『前頭葉の三本柱』の機能の潜在的な機能自体が異常なレベルに衰えているので、『その反映』として、日常の生活面での『前頭葉』の顕在的な発揮度それ自体が異常なものとなり、そのことが、『アルツハイマー型認知症』発病としての「初期症状」として発現することになるのです。

(7) 世界中の認知症研究の専門家達は、DSM4の第二要件が発病と診断する上で確認が必須と規定している症状、極めて重度の症状である失語、失認、失行(紛い)の症状が初期症状であると誤解している為に、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階(両者ともに、脳のリハビリの実施により治すことが可能な段階なのです)を見落としているのです。重大な誤りである「DSM-4」の規定内容を妄信し、失語や失認や失行の(紛いの)症状が確認されて初めて発病と診断誤解に基づく誤診)している為に、(脳のリハビリにより、最早治すことが出来ない段階)末期の段階である「大ボケ」の段階で初めて発病と診断していて、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないもの』と誤解しているのです。

&7(Tadが提示する『評価の物差し(意識の首座=自我)』の機能とは)

(1)『評価の物差し』(意識の首座=自我)自体は、あくまで後天的に形成されるものなのです。「4歳になる以前」の幼児期における体験、自分を取り巻く環境、特に「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした家族環境の中での実体験を基礎として「評価の物差し」の「原型」が形成され、4歳児から18歳ごろまでの体験(実体験及び伝聞による体験)の積み重ねにより悩み、迷い、或いは拒絶し、挑戦し、好むと好まざるにかかわらずそうしたもろもろの体験の集積が幼児期に獲得したその原型の上に加味され、溶け込んでいく中で、最終的に自分としての独自のものを形成し、確立していくのです。

(2) なお、ここで私たちが言う『評価の物差し』とは、自分独自の物の切り取り方、見方、感じ方、受け止め方、考え方、或いは、それらの表出の程度及び態様を決定する評価注意関心観察感受表現、表出、思考、言動及び行動指針のことを言います。言い換えると、意識的に何かの「テーマ」を実行していく上での、置かれている状況の分析、理解、判断、状況の判断に沿ったテーマの発想、テーマの実行内容の企画と計画、計画内容の実行結果についてのシミュレーション、或いは、計画内容の実行の仕方及びその実行内容の表出である言動や態度を選択するに際しての自分独自のやり方の選択及び決定と決断に非選択的に関わってくることになる「評価、観察、選択、行動規範」のことなのです。

※ なお、「非選択的に関わってくる」とは、程度のいかんに拘わらず意識が覚醒された瞬間に「評価の物差し」としての網が「前頭葉」の各種の個別構成機能全体を覆ってしまい、状況の分析、理解及び判断も、テーマの発想も、テーマに沿った実行内容の企画や計画も、結果のシミュレーションンも、或いはそれらの表出程度や態度の選択も全て、その「評価の物差し」による非選択的な評価が下された制約の下で実行されることになるという意味なのです。

(3)  通常のケースとしては、4歳児となる前の幼児期に形成されたその「原型」を基盤として、その色眼鏡をかけた状態で、その後の体験(実体験及び伝聞体験)により、加味或いは付加され、修正された規範(価値観)を自分なりに受け入れ、構築する中で、必要な修正や変更がなされていき、最終的には18才頃までに自分なりに確立された独自の『評価の物差し』(価値規範、評価規範、観察規範、或いは行動規範)を形成していくことになるのです。そうした自分独自の「評価の物差し」が形成され、確立されていく過程は、同時に、精神分析学や心理学の専門用語で言う「自我」の形成及び確立の過程と重なるものと言えるのです。

(4) なお、「三つ子の魂百まで」、或いは「頭禿げても浮気はやまぬ/産屋の風邪は一生つく/産屋の癖は八十までなおらぬ/漆剥げても生地は剥げぬ/噛む馬はしまいまで噛む/子供は大人の父親/雀百まで踊り忘れず/痩せは治るが人癖は治らぬ/病は治るが癖は治らぬ」等の古くから言い慣わされてきた諺が示しているように、全てを吸収する4歳以前幼児期に形成された『評価の物差し』の「原型」は、4歳児以降の人生での様々な体験をもってしても、容易には変更できない程、最終的な自分なりの/或いは,自分独自の『評価の物差し』を形成し、確立していくことに対する影響が極めて大きいのです。

(5) 3つ子、4歳児以前の幼児というのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした自分を取り巻く家族環境の中での体験に対して、それらを評価したり、批判したり、反発したりする能力を未だ持っていないので、それらの体験を何の疑いもなくそのまま、ただひたすらに受け入れるだけなのです。恐ろしいのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」が示す価値観が、そのままその子の「前頭葉」の『評価の物差し』の原型となってしまう、無抵抗に「前頭葉」に入り込んで「原型」を形成してしまうことなのです。

 本著作物「Dー04」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

   

 

 

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アルツハイマー型認知症の発病原因、治療と予防の方法-万年カレンダ編(D-- 03)

2019-06-01 | 定年後の第二の人生をどう生きるか

政府が5月16日の有識者会議で、認知症対策の強化に向け、「大綱素案」を発表したとの報道が有りました。素案のポイントは、70歳代の発病をこの先10年間で1歳遅らせること。70歳代の認知症の人の割合を1割減らすこと。発病や発病後の進行を遅らせる為の『予防の取り組み』を推進することが、重要施策とされたもの。

ところで、一口に「認知症」と言っても、様々な種類が数有るのであり、中でも、「アルツハイマー型認知症」が90%以上の割合を占めているのです。一方で、「アルツハイマー型認知症」は、世界中の認知症研究の専門家達から、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張されているのです。発病の原因については、4つの「仮説」(想定された発病の原因なるものと発病との間の因果関係を未だに立証できないでいる為に、仮説として扱われているということ)が提示されているだけなのです。

4つの仮説の内で、我が国だけでなくて、世界的に通説としての地位に在る(支持する学者の数が一番多いというだけの意味のものであり、単なる憶測であることに注意)のが、アミロイドベータ仮説なのです(我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)。アミロイドベータ仮説想定する発病の原因とは、『アミロイドベータというタンパク質が情報を連絡する神経細胞に付着して生じる「老人斑」の持つ毒性が、神経細胞の大量死を惹き起こすことに因り「記憶障害」が惹起されて、その領域が拡大されていくことが原因で、失語失認失行と言った症状(正しくは、失語や失行や失認紛いの症状)を初期症状とする「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現し、更には、症状の重症化が進行していく』と主張しているものなのです(末期の段階の症状を初期症状と誤解していることに注意)。

有識者会議に参加した専門家の殆どは、アミロイドベータ仮説の信望者と考えられるのです。その有識者会議が提案している具体的な施策の内容はというと、『①運動や社会参加が孤立を防ぎ、予防につながること、②地域の公園や公民館でのスポーツ教室や教育講座等の活用が効果的だ』としているのです。

 上掲の①や②の実行が発病を予防し、発病及び症状の重症化の進行を抑制する効果を生むとの主張の科学的な根拠は何なのかを、有識者会議に参加した認知症研究の専門家とされる全員に聞きたいのです。『①や②を実行することに因り、アミロイドベータの蓄積と老人斑の発生を予防することが出来る』こと並びに『アルツハイマー型認知症の発病を予防することが出来、更には、発病及び症状の重症化の進行を抑制することが出来る』とする科学的で客観的な根拠は何なのか、どのような根拠データを持ち合わせているのかを聞きたいのです。

肝心要の『発病との間の因果関係の存否」というテーマについて、余りにも杜撰な主張内容であり、『支離滅裂な主張』と言わざるを得ないのです。科学的な根拠も無く、裏付けるデータもなく、『単に権威を笠に着ただけのもの』と言うしかないのです(このブログの「D-01」の記載内容を参照してください)。

会議に参加した有識者全員からの反論をお聞きしたいのです。私たちは、このブログで、主張内容と根拠となる脳機能データを詳細に開示してきています。何時でも、何処でも、政府が参加する公開の場で、有識者会議のメンバー全員を相手にして、議論してみたいと切に望むのです。世の為、人の為に極めて多大な貢献ができると考えるからなのです。私たちは、権威ある専門家達の重大な誤りを指摘することだけが目的ではないのです。一日も早く、正しい理解をしてくれて、世界中の専門家達から『原因不明で治らないタイプの認知症』と誤解されているアルツハイマー型認知症」こそが、『早期診断により治せるし、発病自体の予防が可能である』ことを、科学的で、客観的で、根拠となるデータも開示して、議論し、正しい理解をして頂いて、権威ある専門機関としての『あるべき正しい対応』をしていただきたいと願うからなのです。今なら、未だ間に合うからなのです。

マスコミの皆さんも、政府が発表する有識者会議の内容を単に報道するだけでなくて、問題提起する役割を担っていただきたいのです。我が国では、国家の重要な政策論議に関しては、野党が機能していないのですから。アルツハイマー型認知症の発病の有無の診断費用、症状の進行を遅らせるとかの名目で投与される投薬の費用、末期の段階にまで症状が進行してセルフ・ケアに支障が出てきていて介助や介護が不可欠のお年寄りに対する介護の為の費用が天文学的な規模にまで達していて、この先さらに増大する一方と予測されているにもかかわらず放置された儘と言う現在の不条理な状況を正しい方向に向けさせる為に、社会正義を実現する為の世論を形成する為に、マスコミの皆さんも一肌脱いで、重要な役割を担っていただきたいのです。

政府は、有識者会議の『提言』を本当に効果があると信じて居るのでしょうか。政府が本気で予防対策に取り組む意思があるのであれば、私達が先日内閣府に送付した『提言書』の内容と比較してみて頂きたいと切に願うのです。私たちが内閣府に送付した『提言書』の主張内容と提言の具体策とは、北海道から九州に跨る累計452の市町村で展開を指導したものであり、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践』の成果と疫学的な方法による主張内容の実証並びに14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」発病患者について集積した膨大な数の/且つ、精緻な「脳機能データ」に裏付けられているのです。

   

二段階方式」の手技を活用した地域予防活動の展開という課題について、市町村による活動が現在下火になっている最大の理由は、『二段階方式』の手技の使用に対する対価(「二段階方式」の手技の「使用許諾契約」の締結に基づく「使用料」)の支払いを契約開始から10年にした為に、有償期間が終了後予算化が不要な事業となり、民間の場合とは異なる対応が起きてしまったからなのです。市町村の場合は、予算化が不要になると地域予防活動を実践する為の人員の配置もなくなってしまうのです。

その一番大きな理由は、おそらく、2010年の『アミロイドβ仮説の登場』と考えられるのです。米国のハーバード大学が先導して世界的な通説となり、我が国では、東大、京大、理化学研究所がアミロイドβ仮説の牙城ともなれば、実績を示してはいても、二人だけの無名の研究所の主張など、見向きもされなくなった筈。実際、厚労省(認知症施策推進室)さえも、アミロイドβ仮説の考え方に賛同し、市町村への通達でも提示しているのです。

 治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症であると言いつつも、早期診断による発見と症状の進行の抑制と銘打って、極めて重度の症状である失語失認失行の症状(実は、紛いの症状)が出てくる「末期の段階」で発病と診断しているのが医療機関の実態なのです。『脳のリハビリ』を実施することに因り、回復させるのが可能であり、症状の進行を抑制することが出来るのが、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であることも知らないで、高額の診療費が稼げるという以外に何の意味も無いCTやMRIや果てはPETまで持ち出して、もはや治すことが出来ない末期の段階で(「大ボケ」)発病を見つけて(発病のレッテルを張っているだけで無意味な診断)、効きもしない」(治療薬ではなくて、単なる対症療法薬に過ぎない)を処方してもいるのです。アルツハイマー型認知症の診断に際して医療機関は、社会的責任である『早期診断による早期回復の道』を何故追求しようとはしないのでしょうか。現状のやり方を追求する方が稼げるから、ただそれだけの理由なのです。「アルツハイマー型認知症」の診断が専門の医師達に聞いてみればいいのです。発病の原因と彼らが考える(支持する)仮説は、恐らく、誰もが、「アミロイドベータ仮説」と答えるはずなのです。彼等にとって因果関係の存在の有無は、どうでもいいこと。考える必要もないことなのでしょう。何かの際に、『世界的に、アミロイドベータ説が通説であるとされている』からという、言い訳さえあればいいと考えているのです。

 「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」(ただし、食生活は無関係であり、脳の使い方としての「生活習慣」こそが、発病を決定づける核心的な要因)なのです。「アルツハイマー型認知症」は、早期診断小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つける)により治すことが出来るし、発病自体を予防することが出来るものなのです。そのことは、1995年の活動開始以来、私たちが、市町村での住民参加型の『地域予防活動』の実践指導により疫学的方法により実証してきているのです。

私たちは、(有識者会議のメンバーとは正反対に)、『実力は突出したものであるのですが、権威と情報の発信力とが無い』のです。政府が、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による『回復』及び末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行することの抑制による『介護の予防』、更には、発病自体の予防』について、実際に効果のある政策を実施したいと望むのであれば、せめて、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を目的とした『産学共同プロジェクト』に参加している大学(参加している大学は、東大、京大、東北大学との情報を得ているのですが)の専門家達と議論することが出来る機会を与えていただきたいと強く希望するのです。

 何であれ、病気に対しては、『早期診断による回復』が医師及び医療機関の共通の命題であり、社会的責任であるという考え方に反対する医師及び医療機関は無いと考えるのです。一方で、個人医院であれ、大病院であれ、存続を維持する上では、一定規模の売り上げが立ち、利益が出ることも必要不可欠の条件なのです。

ところが、『こと、「アルツハイマー型認知症」に限っては、その本態廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるにすぎない』ものであるが故に、早期診断による回復も、介護の予防も、発病自体の予防も、正しい対応『CTやMRIやSPECTやPET等の高額の売り上げが稼げる以外に使用の意味が無い機器を発病の有無の診断に活用しない』こととして、更には、半年から1年程度ケースにより症状の進行を遅らせる効果が期待されると製薬会社が言う対症療法薬治療効果が期待できるものではなくて、症状の発現の程度や態様に関わる昂進型/抑制型の対症療法薬に過ぎないのです。従って、症状の進行を抑制する効果は期待できないのです。私たちには、「脳の老化のスピード差」をもたらす「生活習慣」要因という脳機能データがあるのです。上掲の右端の図がそのことを絵で示しています。)の使用を末期の段階の患者だけに投与するよう抑制して、診断を含むあるべき正しい対応』をしていたのでは必要な規模の売り上げと利益を確保することが出来ないのです。但し、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認される患者に対しては、介護する側にとっては使用のメリットがあるので、『対症療法薬』の使用にそれなりの意味があると考えるのです。

その意味で、売り上げや利益を上げることが要求されない市町村こそ(市町村だけ)が超高齢社会に特有で最大の懸案事項である、「アルツハイマー型認知症」の予防早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防)という、この時代に不可欠の役割を担うことが出来ると考えるのです。

 『超高齢社会』の先頭を走っている我が国だけでなくて、この先超高齢社会に入っていく世界の他の国々でも、極めて重大で大きな社会問題となる「アルツハイマー型認知症」の治療(治癒)及び予防方法について、その発病のメカニズム及び症状の重症化が進行していくメカニズム並びに治療の可能性の有無という視点からの三段階に症状を区分する基準、症状を治す方法及び発病自体を予防する方法に関わる私たち「二段階方式」の考え方(主張内容)は、近い将来に、必ず『世界標準になる』と確信しているのです。私達が独自に開発し、数多くの市町村での先駆的な活動として実践を指導してきた『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の要となる「二段階方式」の考え方(主張内容)及び「二段階方式」の手技は、我が国だけでなく、世界のどの国の機関と比較しても、抜きん出ているレベルに在るのです。

「二段階方式」の手技は、保健師さんが市町村での活動に全面的に実施できるように「マニュアル」化されていて、主張内容が正しいことは実証されてきてもいるのです。私たちが内閣府に提出した『提言書』(A4版で75ページというボリューム)の実施施策の具体的な内容は、有識者会議の素案とは比較にもならない優れモノなのです(ボリュームではなくて、提言している内容及び予防の為の具体的な実施施策の内容の品質が異次元)。

       

 皆さんが、常日頃、よく耳にする話だと思うのです。

第二の人生」を送っている高齢者、年齢と運動不足のせいもあり、足元がおぼつかなくなってきているお年寄りが、雨が降って、何かの弾みに滑って転んでしまい、挙句の果て、複雑骨折をしたのです。手術後の安静期間が意外と長くて、入院したままになったのです。  

 その為、病院のベッドに臥せったままの生活が、何か月間か続くことになったのです。大きな手術だったせいもあって、病院内を歩き回って、新しい友達を見つけて、世間談議に耽ることも無くて、訪れてきてくれる友達も無くて、来る日も来る日も単調な生活の繰り返し。一人で、部屋でテレビを見て、ただ時間をつぶすだけの生活が続いていたのです。『あーしたらどうなるか、こうしたらどうなるか』等と考えをめぐらす機会が全く無いのです。

その結果として、二つの問題が起きてくるのです。一つは身体の問題です。何ヶ月もの間病院のベッドに臥せったまま、病院の中を歩くことさえしない生活が続くのです。使われる機会が極端に少ない生活が続く結果、足の筋肉が廃用性の萎縮を起こしてきて、筋肉の機能が衰えてきて、歩行することが困難になってしまうのです。

もう一つは脳の問題です。足を複雑骨折し、手術後の安静の為に病院に長期入院することがキッカケとなり、趣味や遊びや交遊を楽しむ機会もなく、ベッドで寝て暮らすだけの、単調な毎日(脳の使い方としての単調な「生活習慣」が続く毎日)、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が4~5ヶ月間程も継続された結果として、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果として、『アルツハイマー型認知症』を発病することになるです(発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が出てくることになる)。

注1)九州大学が久山町の全数調査結果として発表している『高齢のお年寄りが、糖尿病を発病し、症状が重いケースの場合には、アルツハイマー型認知症を発病することが多い』との研究結果は、上記で説明したケースと同じメカニズムで発病しているだけのものを、因果関係の存否の評価を誤っている結果の誤解に過ぎないのです。糖尿病の発病とアルツハイマー型認知症の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。医師の指示と要求通りの生活を守っていると、①気力も体力も失う程に体重を制限することを要求され、②摂取カロリーを極度に制限され、③料理の味付けに際しては、摂取により血糖値が急上昇する原因である『砂糖と油の使用』も禁止に近い制限を受ける結果、毎食ごとに『食べること自体が苦痛となるようなまずい食事』を強要され、④食事は楽しみでなくて苦痛の状態となり、その結果として、発病後の強要される『苦痛に近い養生生活』がキッカケとなり、自分なりに頑張って生きて行こうとする『意欲』自体を減退させてしまう結果として、ナイナイ尽くしの単調な日々を暮していく『生活習慣』の継続に因り、『前頭葉』が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが直接の原因で、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるだけなのです(私のこのブログの2017.03.15「B-78」を読んでみて下さい)。

)30歳代や40歳代の若い年齢で、血糖値が極めて高い重度の重い症状を示している糖尿病患者達が、どんな生活習慣を送っていようとも(例えば、医師の指示と要求を無視した食生活、又は、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続)、アルツハイマー型認知症を発病することは絶対に起きてこないのです。糖尿病の発病とアルツハイマー型認知症の発病との間に、直接の因果関係自体が存在していないからなのです。

注2)発病の最初の段階である「小ボケ」(軽度認知症)は、左脳も右脳も運動の脳も(三頭の)全てが未だ正常な機能レベルに在るのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(三頭立ての馬車の御者)の機能だけが、既に、異常なレベルに衰えてきているのです。医療機関では、頭のレベルを測る為にMMSEテストを実施します。ところが、MMSEテストが測れるのは、左脳と右脳の機能レベルだけなのです。肝心の前頭葉の機能レベルを判定する手技を医療機関は持ち合わせていないのです。「前頭葉」の機能レベルを判定することが出来る(具体的には、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能レベルを個別に及び総合して判定している)のは、世界広しと雖も、私たちが開発した「改訂版かなひろいテストだけなのです。意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」での脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在る段階、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状は全て、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを厳密に反映したものとしての症状が発現してくるのであり、この段階で、すでに『アルツハイマー型認知症」を発病していると考えるべきものなのです。

米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である『DSM-4』の規定が発病と診断する上で確認を要求している症状(発病の初期症状として例示している症状)である失語失認失行の症状は、11の下位項目で構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁にならないと発現が確認されない極めて重度の症状であることも知らないで、初期症状との誤った規定をしている為に、世界中の研究機関に属する専門家達及び世界中の医療機関の医師達が、本当の意味での早期の段階、『脳のリハビリ』の実施により治すことが可能である「小ボケ」び「中ボケ」の段階を見落としてしまう状況を生み出させてしまったのです。世界的な権威が有るが故に、世界中の専門家達(研究者及び医師)を誤らせてしまったということなのです。『DSM-4』の「第一要件」が確認を要求している『記憶障害に起因して発病する』との「想定」自体が重大な誤りであることに気が付かない儘に、未だに「通説」の地位を維持している『アミロイドベータ説』を筆頭にして、「4つの仮説」の全てが、発病の原因を『記憶障害に起因して』という要件を金科玉条として探し求めてきたのです。アミロイドベータの沈着による老人斑が「記憶障害」を惹起させる犯人と想定したのが、アミロイドベータ仮説。タウ蛋白の沈着による神経原線維変化が「記憶障害」を惹起させる犯人と想定したのが、タウ蛋白仮説。脳の萎縮が「記憶障害」を惹起させる犯人と想定したのが、脳の萎縮仮説。アセチルコリンの不足が「記憶障害」を惹起させる犯人と想定したのが、アセチルコリン仮説。世界中の専門機関でさえその程度に過ぎないのです。未だに、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』という視点を持たないでいるのです。

『DSM-4』の規定も、『4つの仮説も』、それらの主張内容は単なる『憶測の類』程度のものに過ぎないのであり、内容的には誤りなのです。客観的で具体的な一つの例を挙げれば、『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実としての「脳機能データ」(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の症例を含む)が存在しているのです(「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る膨大で/精緻な脳機能データ)。「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、且つ、その場合に限って、『MMSEのテストを実施すると、出来なくなっていく厳密な順番が存在する」ことが、確認されるのです。出来なくなっていくその順番とは、早くから出来なくなっていく順番に言うと、『想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名』となるのです。『DSM-4』の規定も『4つの仮説も』、この事象事実を合理的に、客観的に、科学的な根拠データを提示して、説明することは出来ないのです。このブログで何度も指摘し、問題提起してきているように、他にもデータがいろいろ存在するのです。認知症研究の専門家達(専門機関)とはいっても、失語や失認や失行等の極めて重度の症状、或いは、それらよりも少しばかり軽い症状、末期の段階で発現してくる重度の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階で発現してくる症状)ばかりに目が行っているために、本質が分からないし、治すことも出来ないと誤解しているのです。

 「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)が本態なのであり、早期診断(本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけること)と早期治療(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣への改善)である「脳のリハビリ」を実施することにより治せるし、発病自体を予防することが出来るのです。医師達が見つけて居る段階が遅すぎるがために(末期の段階である「大ボケ」の段階で発病と診断している)、治すことが出来ないものと誤解しているだけなのです。

 老人斑(アミロイドベータ仮説)が出来たせいでも、神経原繊維変化(タウタンパク仮説)が起きたせいでも、脳の萎縮が進行(脳の萎縮仮説)したせいでもないのです。それらの「仮説」が、発病の原因と想定する要素発病との間には、肝心の因果関係が存在していないのです。『加齢』による機能低下に加重される条件としての廃用性の機能低下(使われる機会が極端に少ない生活習慣の継続起因して起きてくるもの)が進行して、前頭葉の機能が異常なレベルにまで衰えてきたことが発病の原因なのです。

    

アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣が発病の原因)に過ぎないのです。

『第二の人生』を送る60歳を超える年齢の高齢者のみが発病の対象(老年発症)となるという特徴が確認される認知症であり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して前頭葉廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して『機能が異常なレベルに衰えてくる』ことが発病の直接/唯一の原因であり(小ボケの段階)、『前頭葉』を含む脳全体の機能について廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行きつつ、さらに異常なレベルにまで機能低下が進行して行くことが症状の重症化が進行していく原因なのです(次いで中ボケの段階及び末期の段階である大ボケの段階へと進行していくことになる)。

廃用症候群に属する老化廃用型生活習慣病(食生活は関係なくて脳の使い方としての「生活習慣」が原因)が本態である「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。 

医療機関が見つけている段階が遅すぎるせいで治すことが出来ないだけなのです(末期の段階である『大ボケ』の段階の症状を幾つか確認して初めて発病と診断している為に、治すことが出来ないだけなのです)。「アルツハイマー型認知症」も早期発見、早期治療が肝心なのです。小ボケ及び中ボケまでの段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」(「前頭葉」が活性化する生活習慣への改善を実施)に因り、治すことが出来るのです

自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマを実行する為の行為の内容や実行の仕方を計画し、実行結果をシミュレーションして、必要な修正内容を比較し、評価し、取捨し、選択して、実行の決断を下すのが、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」という機能なのです。

実行機能と総称される「前頭葉」の個別認知機能太字表記)の機能の発揮度は、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能に左右され/下支えられている(機能発揮上の二重構造)のです。意欲が湧いてこない、注意の集中力を発揮する場面が少ない、注意の分配力(複数の異なったテーマを同時に並行して実行する為に不可欠の機能)の出番が少ない単調な生活習慣が継続する状況下では、出番が極端に少ないことが原因で、廃用性の機能低下が進行していき、それらの機能の潜在的な機能レベル自体が、低下して行ってしまうのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能についての廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことが唯一直接の原因で、『アルツハイマー型認知症』を発病し(「小ボケ」の段階)、症状の重症化が進行していく(「中ボケ」の段階を経由して、最後に末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくる)ことになるのです。

誰の脳にも、「加齢」に起因した機能低下という要因が存在しています(私たちが発見し、「正常老化の性質」と名付けている)。「加齢」に起因した機能低下という要因に加えて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下同時に進行していくことに因り、即ち、両要因が同時に存在し進行することに因る相剰効果として、加速度的で異常な機能低下が進行していくその結果として、脳の機能が異常なレベルに低下していくことにより、左脳、右脳及び運動の脳の3頭の馬が牽引する三頭立ての馬車御者である『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル直接の反映としての様々な症状(小ボケ、中ボケ及び大ボケの症状)が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴なのです。


「4つの仮説」の中核を担う学説で、世界的にも未だに通説の地位を維持している仮説であるアミロイドベータ仮説の主張に基づいた「治療薬」の開発が悉く失敗に帰した状況を背景としてなのか、或いは、「AI技術」の進歩によるものなのか、従来とは全く異なった視点からの新たな学説が、スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会や、我が国では、国立精神神経医療研究センターから提示されてきているのです。極めて多数例の解析手法である「コホート解析」に因り得られた解析結果として、『アルツハイマー型認知症は、生活習慣が危険因子である』と主張するものなのです。但し、私たち二段階方式とは異次元の幼稚なものであり、他に、学歴や食生活(地中海料理やカレー料理や赤ワインなどが挙げられていたり末う程度のもの)があ得られていたりするもの。とはいえ、従来の仮説とは全く異なり、器質的な原因ではなくて、『生活習慣の要因』を挙げてきたことが特徴であり、意味があることなのです。

私たちは、1995年の活動開始時から首尾一貫して、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と主張し、450を超える市町村での『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践指導により、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきたのです。

私たちの主張は、人間だけに特有な『意識的な世界』を対象として、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定及びその機能レベルの直接のアウトプットである「症状」の精緻な判定並びに発病及び症状の重症化の進行をもたらした基礎としての「生活歴」、脳の使い方としての「生活習慣」である生活歴の確認に基づいた、14689例もの膨大な数の『アルツハイマー型認知症』発病患者の「脳機能データ」の解析を基礎としているのです。

 その核心は、意識的な世界を構築し、統合し、統括し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能、左脳、右脳及び運動の脳からなる三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」である『前頭葉』に焦点を当て、且つ、その機能レベルを精緻に判定することが出来る二段階方式という独自の手技を活用していることなのです。権威が有るとされる機関が、何かをキッカケにして私達と同様の主張を展開し出すと、『トンビに油揚げ』を持って行かれる危険が高いので、私たち独自の主張内容の中核をなすテーマを再度取り上げ、再確認をしているのです。

世界中の認知症研究の専門家達から発病の原因が不明であるとされているアルツハイマー型認知症について、私たち独自の見解である『本態は廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること』の主張並びにその基礎となる脳の機能面から見た『アルツハイマー型認知症』の発病原因(メカニズム)、症状の重症化が進行するメカニズム(機序)、症状を三段階に区分する基準とその内容、脳の使い方としての生活習慣の改善である「脳のリハビリ」により症状を治す方法、介護の予防、更には、発病自体を予防する方法に関する私たち独自の主張内容に関わる著作権が成立している内容と範囲を再度明確にしておく意図でもあるのです。

私たちだけが世界で初めて解明したテーマでもある『評価の物差し及び実行機能発揮上の二重構造の存在』及び『意識的な世界における注意の分配力の機能の働き方と機能構造』並びに『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方の継続という脳の使い方としての「生活習慣継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の問題』及びアルツハイマー型認知症の発病患者だけに特有な性質として確認される『MMSE下位項目の項目困難度の指標』(11の下位項目に、出来なくなっていく厳密な順番が存在すること)を示す「脳機能データ」について、過去のブログ内容の一部を引用し、それ等が私たち独自の主張内容であり、著作権が成立していることを明確にしておく意図なのです。



 本著作物「Dー03」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)     

 脳機能からみた認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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