認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の治療法は、脳のリハビリだけ(B-30)

2015-02-15 | 前頭葉を含む脳機能の正常老化と異常老化

  押さずとも 空気は動くと 人は言う 

 

            飲むだけで良い 魔法の薬 By  kinukototadao

       

 

&「アルツハイマー型認知症」の診断に関わる「DSM-4」の規定

世界中の認知症の研究者や医師達から、「アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないし、予防することも出来ない」病気とされているのです。原因不明とされていながら、(研究者達自身も原因不明と考えている一方で)世界中の研究者達(特に、製薬会社の研究者達)が、「治療薬」の開発に日夜しのぎを削ってもいるのです。

 それらの研究者達は、発病の原因がナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続と言う脳の使い方としての「生活習慣」に起因するものだということに気づいていないのです。「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルの加速度的で異常な「廃用性の機能低下」が症状を発現させている原因であることに気づかないで、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状として発現していることにも気づかないで、「アルツハイマー型認知症」の「治療薬」を開発することが出来ると考えて居るのです。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。発病の直接の要因は、第一に「加齢」(60歳を超える年齢の「高齢者」であること)であって、第二に脳の使い方としての「生活習慣」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないというナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続する生活)なのです。廃用性のものであるからこそ、「症状の進行が極めて緩やか」であり、且つ回復の可能性と言う視点で言う三段階に区分される「段階的な症状を示す」ことになるのです。後述する「小ボケ」の期間が3年間続いた後、「中ボケ」の期間が2年間続き、その後は「大ボケ」の期間が身体が持つ限り(「アルツハイマー型認知症」が原因で死ぬことはないので、何らかの他の病気が原因で死を迎えることになるまで)続くことになるのです(ここを「クリック」してください)。

 私たちが解明した「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(上記二つの要因が真の原因)から考えて、飲むだけで、或いは貼るだけで、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を遅らせる効能を有する薬、或いは治すことが出来る薬など未来永劫開発されることはあり得ないのです。「アルツハイマー型認知症」を発病させている直接の原因は、アミロイドベータでもタウ蛋白でも脳の委縮でもないのです。「東日本大震災」の被災地の高齢者たちの間で起きていること、その人達の脳に起きていることに学者も医師もマスコミも早く注目していただきたいのです。廃用性の加速度的で異常な脳機能の低下が進行しているからです。これこそが、「アルツハイマー型認知症」を発病させている真犯人だからです(ここを「クリック」してください)。

        

 わが国で最も有力な地位を占めている学説である(但し、「原因」と「結果」との間の「因果関係」の証明が未だに為されていない、単なる「仮説」に過ぎないのですが)「アミロイドベータ説」は、脳内で過剰に生産されて老人斑を形成するまでに蓄積したアミロイドベータが、脳内の情報を伝達するために不可欠である神経細胞を死滅させることが直接の原因となって、徐々に「記憶の障害」の症状を惹き起こしてくると言う理解に立っているのです(世界で最も権威があるとされる米国精神医学会の診断規定である『DSM-4』の規定でも、「アルツハイマー型認知症」診断の「第一の要件」とされている)。

そのため、「記憶の障害」を惹き起こさせないために、アミロイドベータの蓄積を排除し或いは蓄積量を抑制することが出来れば、「記憶の障害」の症状が出てこなくなる、言い換えると、(そうした効能を有する薬を開発することが出来れば)その薬こそが「アルツハイマー型認知症」の治療薬になるものと勘違いしていて、若い有為な研究者たちが、アミロイドベータの蓄積量を人為的に操作された「マウス」の行動に関するデータの収集に今日も追われているということなのです。

      

 

&「記憶の障害」を第一の要件と考えること自体が重大な勘違いなのです

彼らの共通の誤解はと言うと、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の第一の要件としての症状は「記憶の障害」の症状であると勘違いしていることなのです。基本的な、最も重要な要素を理解すべきところで、「重大な過ち」を犯しているのです。

私たちは、「二段階方式」と呼称する精緻な神経心理機能テストを開発し、生きた人間の「前頭葉」を含む脳の機能レベル及びその機能レベルを生じさせるに至った脳の使い方としての生活習慣(「生活歴」)並びにその機能レベルにリンクした症状に関する「脳機能データ」を収集し、解析する努力を積み重ねてきました。

14689例にも及ぶその「脳機能データ」によると、何らかの種類の認知症と疑われるその症状が「アルツハイマー型認知症」の症状であるためには、「前頭葉」の働き具合が異常なレベルにあることが必要不可欠の判定条件となることを示している、或いは要求しているのです。言い換えると、「前頭葉」の機能が正常なレベルにある限りは、程度のいかんを問わずどのような「記憶の障害」の症状が確認されようとも、それは、「アルツハイマー型認知症」の症状ではないということなのです。30歳代から50歳代の年齢の人達に発症例がみられる「側頭葉性健忘症」は、その代表例です。その人の「前頭葉」の働き具合を測定し判定することさえもしないで、重度の「記憶の障害」の症状さえ観測されると、そのことだけで、「アルツハイマー型認知症」と安易に診断されてしまっているのです(ここを「クリック」してください)。このような誤診による誤った症例紹介のテレビ番組を見ることが多いのです。

       

わが国で超一流とされる研究機関の研究者達までもが、なぜにそのような「基本的」な過ちを犯しているのか。世界で最も権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」が、「アルツハイマー型認知症」と診断するには、第一に「記憶の障害」が確認されること、第二に「失語、失行又は失認の症状」が確認されることと規定しているからなのです。

この規定が重大な誤りを犯していることに気づかないで、この規定の要件が正しいものと盲信しているからが故のことなのです。裏返して言うと、それほどにまで、「DSM-4」の規定に権威があるということでもある訳なのですが。その既定の内容を微塵も疑うこともなく、正しいものだと言う前提に立っているところに重大な落とし穴があるのです。

       


&「DSM-4」の規定の重大な誤り

「DSM-4」の規定の第一の要件と第二の要件とは、診断時に同時に確認されることが必要なのです。皆さんもご存知のように、私たちでさえと言うか、30歳代以降の年齢になると脳の機能レベル自体は正常な機能レベルに在ろうとも、「記憶の障害」の症状が発現してくるのです。所謂、物忘れの症状のことです。「記憶の障害」の実態については様々な程度と態様が確認されるのですが、「DSM-4」の規定に「記憶の障害」についての程度の規定がないので、第二の要件である「失語、失行、または失認の症状」が確認される人について同時に「記憶の障害」が確認されることが診断の手順とならざるを得ないのです。

 私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を精緻なレベルで判定することができる「二段階方式」と呼称する(脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きのレベルとその下部機構である左脳及び右脳の働きのレベルとその相乗的及び総合的な働き具合のアウト・プットとしての症状を総合的に判定するという考え方からこのように命名している)神経心理機能テストを開発し、脳の機能レベル、その機能レベルにリンクしたアウトプットとしての直接の症状及びその機能レベルを構成する基礎となった「キッカケ」後の生活歴(脳の使い方としての視点から言う「生活習慣」)を詳細に聞き取り、世界でも例のない生きた人間の極めて多数にわたる精緻な「脳機能データ」を集積してきたのです。

       

 そうした「脳機能データ」の解析によると、失語、失行又は失認の症状が発現してくる人達の脳の機能レベルはと言うと、「前頭葉」の働き具合が極めて異常なレベルにあって且つ脳の後半領域の働き具合を判定するMMSの得点が(粗点ではなくて、私たちは一定の指標に基づく換算点を使用しています)一桁にまで落ちてきているのです。このような脳の機能レベルにある人達の「記憶の障害」の症状のレベルはと言うと、よく例示されるように、昨日の出来事は愚か「僅か数時間前に食事をとったこと」も覚えていない(食事をとったそのこと自体について、「前頭葉」の機能レベルが極めて低い状態にあるが故に、そのことを「記銘」すること自体が困難になっている結果として、「想起」できないのです。)と言うような極めて重度の「記憶の障害」の症状が確認されることになるのです。

       


& 「アルツハイマー型認知症」の正体

「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです(「発病のメカニズム」の詳細な説明については、ここを「クリック」してください)。「アルツハイマー型認知症」の症状は、もっと厳密な表現で言うと、三段階に区分される段階的な症状は(段階的な症状の例示については、ここを「クリック」してください)、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの単なる(直接の)アウト・プットに過ぎないのです。このことを、脳の機能面から説明すると、「失語、失行又は失認の症状」が確認される人達の「前頭葉」を含む脳の機能レベルは、極めて低いレベルにあって、自分が置かれている「状況の判断」ができないばかりか、何かを自分なりに楽しむ「テーマ」の発想やその内容を組み立てることが出来ない上に、言葉を介した「意思疎通」さえも出来ないのです。相手が話す内容を理解できないし、自分が思っていることを相手に伝えることも出来なくなっているのです。

(私たちが集積してきた極めて多数の「脳機能データ」から言うと)、「失語、失行又は失認の症状」が確認される人達は、脳全体の司令塔の役割を担っていて、意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続下で進行してきた「廃用性」の加速度的で異常な機能低下によって、殆ど機能しなくなっているのです。そのうえ、脳の後半領域の機能である「左脳及び右脳」の機能レベルはと言うとMMSの得点が一桁にまで衰えてきているのです(MMSの得点は、満点が30点で、14点以下からが「大ボケ」のレベル )。このレベルにまで脳の機能が衰えてくると、もはやその働きを正常なレベルに回復させることは困難(不可能)となるのです。「大ボケ」のレベルにまで症状が進んできたら「治せなくなる」のです。「前頭葉」を含む脳の機能レベルを正常なレベルに「回復させることができなくなる」ことを意味しているのです。

「小ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により回復させることが容易なのです。「中ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により回復させることが未だ可能なのです。「大ボケ」の段階で見つけていたのでは遅すぎる、回復させることが出来なくなるのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、治らない病気ではないのです。一つには、見つけるのが遅すぎるから、治せないのです。もう一つには、せっかく「小ボケ」や「中ボケ」の段階で見つけても、「脳のリハビリ」を実行しないで、(発病のメカ二ズムからして)効くはずもない薬を飲ませているから、治らないのです。

       


&医療現場の実態と医師たちの社会的使命

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「本質的に治らない病気」なのではなくて、見つけている段階が遅すぎるだけなのだということを認知症の治療を専門としている医師達に指摘しておきたいのです。治すことができないレベルにまで脳の機能が衰えてきている段階で発現してくる症状(私たちの区分で言う、「大ボケ」の段階の症状)を手掛かりにして、「アルツハイマー型認知症」と診断していたのでは、せっかく見つけても手遅れ(見つけるのが遅すぎる)と言うことなのです。見つけている段階が遅すぎることになっている最大の原因は、「DSM-4」が規定している「第二の要件」の確認にある(その規定の重大な誤りに気づかないで、或いは疑うこともなく盲信していて)ことがお分かりいただけたでしょうか。

「DSM-4」の規定の重大な誤りが、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ「脳のリハビリ」によって「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させることができる(「アルツハイマー型認知症」を治すことができる)病気であるにも拘らず、治らない(治せない)病気にしてしまっているのです。

 医師達が、重大な誤りのある「DSM-4」の規定を疑うこともなく盲信していて、治すことが出来ない末期の段階でしか確認されることがない「失語や失行や失認」の症状を確認して初めて、「アルツハイマー型認知症」と診断しているのが、医療現場の実態なのです。他方で、(最近流行りの「軽度認知障害」《MCI》と言う極めて曖昧な判定基準であり、医療現場での恣意的な判定結果を誘発することになる考え方を含めて)、「記憶の障害」の症状さえ確認されると、「前頭葉」を含む脳の働き具合には目もくれずに、「アルツハイマー型認知症」と診断してもいるのです。遅すぎたり、早すぎたり、或いはズサンだったり、医師としての使命感やプライドはどこに行ってしまったのかと、驚きあきれるばかりなのです。

       

 

&「記憶の障害」を生じさせているメカニズムについての誤解

「記憶の障害」が第一の要因だとする「DSM-4」の規定を盲信し、「アミロイドベータ」の蓄積や「タウ蛋白」の蓄積や「脳の委縮」の進行が原因となって、「記憶の障害」の症状が発現し或いは症状が重くなっていくと考えているそれらの学説について、その理解自体が重大な誤りであることを(「空気ポンプ」の機能を例にとって)、分かり易く説明しておきたいのです。

 自転車のタイヤの中には柔らかいゴム製のチューブと言うものが入っていて、そこに空気が十分に充満されていることにより、心地よい走行が確保されるメカニズムになっています。「アルツハイマー型認知症」は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維)に支障が起きてくることが、「DSM-4」が診断の第一の要件として規定している「記憶障害」の症状が発現する原因だというのが、アミロイドベータ説やタウ蛋白説、或いは脳の委縮説の考え方なのです。これらの説に共通しているのは、第一の要件に規定されている「記憶障害」に起因して「DSM-4」が診断の第二の要件として規定している「失語や失行や失認」などの症状が発現してくるという考え方なのです。

      

 私達は(ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という生活習慣に起因する廃用性の加速度的で異常な脳機能低下説)、ゴム管の部分に支障があることが原因となって「記憶障害」を含む(記憶障害以外の認知症の症状があるという意味です)様々な種類、程度及び態様の認知症の症状が発現してくるのではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を認知し、処理し、発信してやる「前頭葉」を含む脳全体の機能)に支障が起きてきて(「廃用性の加速度的で異常な機能低下」に起因したもの)、脳が正常に働かなくなったこと(正常なレベルで機能しなくなった)が「記憶障害」を含む様々な種類、程度及び態様の認知症の「症状」発現の直接の原因だと考えているのです(私達が集積してきたデータは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が「アルツハイマー型認知症」の症状だということを示している)。

 従って、ゴム管をどのようにしてどんなに繕ってみたところで(アミロイドベータやタウ蛋白の排除、或いは神経細胞の修復)、そもそもポンプをキチンと押してやる作業を継続してやらない限り(「前頭葉」を含む脳の機能が正常なレベルで機能していない状態では)、空気は流れない(正常な機能レベルの下で処理された正常なレベルでの情報の認知も処理も発信もない)ので、「前頭葉」を含む脳の機能レベルに応じた認知症の症状(私たちが区分する「アルツハイマー型認知症」の「三段階の症状」)が発現してくると私達は考えているのです。

       

 

&「軽度認知症」(小ボケ)の症状と「老化現象」との違いとは

私たちが「意識的」に何かをしようとする場面では、「状況の判断」であれ、「テーマの発想」であれ、「実行内容の構成」であれ、実行結果の「ケースシミュレーション」であれ、「実行の決断」であれ、全ては、「前頭葉」の支配とコントロールのもとに行われていると言うことが極めて重要な視点なのです。

  「アルツハイマー型認知症」の最初の段階であり、私たちが定義する「軽度認知症」(小ボケ)の段階を脳の機能面から説明すると、この段階では、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して判定すれば、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も未だ正常な機能レベルにあることが確認できるのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常な機能レベルにあることが分かるのです。

       

 「左脳」がらみのデジタル情報の処理であれ、「右脳」がらみのアナログ情報の処理であれ、「運動の脳」がらみの身体を動かす情報の処理であれ、全ては「前頭葉」の支配とコントロールのもとで実行されているのです。分かり易く言うと、「三頭建ての馬車」の御者の役割を担っているのが「前頭葉」の働きなのです。御者が居眠りを始めると三頭の馬は、どこへどのようにして行けばいいのかを判断できないので、馬車は道に迷ってしまうことになるでしょう。道を走ること自体は未だ出来るのだけど、単に走るだけのこととなってしまって、行くべき道をたどることも、行くべき目的地にちゃんとたどり着くことが出来なくなってしまうでしょう。

「前頭葉」の働き具合が異常なレベルに衰えてきていると(左脳、右脳、運動の脳のすべての働き具合が正常な機能レベルに在ろうとも)、「協働作業」による処理結果は、もはや「正常なものではなくて、異常なレベルのものになってしまう」、脳全体としての機能レベルのアウトプットは異常なレベルのものになってしまう、それが「アルツハイマー型認知症」の症状、「小ボケ」の症状なのです。本当の意味での早期の段階を見つけるには、記憶の障害ではなくて「ナイナイ尽くしの単調な生活の継続に起因する、前頭葉の廃用性で且つ異常な機能低下」を診断の第一の要件として[DSM-5]に規定すべきなのです。その場合、第二の要件として規定すべきなのは、失語や失行や失認の症状ではなくて、60歳を超える年齢の「高齢者」と言う要件なのです。

       

アミロイドベータの蓄積が確認されない状態に在っても、タウ蛋白の蓄積が確認されない状態に在っても、脳の委縮が確認されない状態に在っても、「前頭葉」の働き具合自体が異常なレベルに衰えてきていさえすれば、脳全体の働き具合のアウトプットは、もはや正常なものではありえなくなる、「認知症の症状」となって発現してくるのです。

60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが定義する発病の「第一の要件」)の「前頭葉」の働き具合自体が異常なレベルに衰えてきていて、その機能低下の原因がナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続と言う生活習慣(私たちが定義する発病の「第二の要件」)に基づく廃用性の加速度的で異常な脳機能低下が原因となったものである時、その症状こそが、「老化現象」ではなくて「アルツハイマー型認知症」の症状そのものなのです。

       

「老化現象」とは、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合が正常な機能レベルを保っているという条件下で発現してくるもの、「小ボケ」との対比で言えば、「前頭葉」の働き具合自体も未だ正常な機能レベルにある下での脳全体の機能レベルのアウトプットなのです。「前頭葉」の働き具合は正常な機能レベルにはあるものの(私たちが発見した生来的な性質である「正常老化」のカーブを描きつつも)、正常域の中で次第に異常域に近づいてきた段階で発現してくる脳全体の機能レベルのアウトプットとしての正常な症状なのです。

 「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の脳の働き具合、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合とそれに直接リンクした症状について、極めて多数の症例に基づく「脳機能データ」を集積してきた私たちだからこそ、外観からの単なる憶測に頼るのではなくて、客観的なデータに基づいた分析ができるのです。

    

(コーヒー・ブレイク)

前回のブログ(B-29)の内容と今回のブログ(B-30)の内容とに、一部重複した内容/箇所があることに気づかれたでしょうか。それは、私の脳の老化のせいではないのです。極めて重要なテーマ/内容であるにもかかわらず、認知症の専門家とされる人達(学者、医師、製薬会社の研究者達)が全く気付いていないので、その人達に注意を喚起する目的で、意図的に記述してあるのです。

注)本著作物(このブログB-30に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

     エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

    脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

     

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不活発病と名付けられている症状は、実は認知症の症状なのです(B-29)

2015-02-01 | アルツハイマー型認知症の初期症状の正体

  人として 生きる意味とは

       覚えたり 身体でなしに 脳が保つこと

                                                              By kinukototadao

 & 「脳活性化研究所」の外壁の高圧洗浄機による洗浄

 富士山を正面にみるために山の斜面に建っている研究所の周囲の壁を、梯子を壁に立てかけて、Tadが清掃したのです。Beforeは既にないので、Afterをお目にかけましょう。

    

& 「アルツハイマー型認知症」の症状と脳の機能と言う視点

色々な種類が数多くある認知症の中でも、その90%以上を占めていながら、発病の原因もわからないし、治すことも出来ないし、予防することも出来ない病気として放置されたままになっているのが、「アルツハイマー型認知症」(「老年性」アルツハイマー病とも呼ばれる。発病後の症状の進行が極めて緩やかで、且つ長期に亘るのが特徴。早期の段階であれば、脳リハビリにより回復させることができる。)と言うタイプの認知症なのです。

末期の段階にまで症状が進んでしまった人たちの死後の脳の解剖所見が両者とも似ていると言うだけの理由で、発病の原因が全く異なる「アルツハイマー病」(「若年性」アルツハイマー病とも呼ばれる。生来的に特定の遺伝子に異常がある人だけを対象として、且つそのことが原因で発病するもので、30歳代から50歳代までの若い年齢で発病するのが特徴。発病後の症状の進行が極めて急激なのもその特徴。現代の医学水準では、治療の方法は皆無。)と混同されていて、日本の一部の学者やマスコミが両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼んでいたりもするのですが、両者は発病の原因(発病のメカニズム)も発病後の症状の進行も治療の可能性という点でも全く異なるものなので注意が必要です。

私達人間の意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の働きに早くから着目し、「前頭葉」を含む脳の働き具合(「機能レベル」)とその結果と言う視点から、脳全体の機能レベルとそれに直接にリンクした症状の発現に焦点を当てて、生きた人間の脳の機能レベルとその症状を研究してきたのが私たちエイジングライフ研究所の活動なのです。発病の予防、早期段階の判定と正常な状態への回復を目的とした市町村での「地域予防活動」の実践の成果からも、「アルツハイマー型認知症」は廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるというのが私たちの考えなのです。

   

 & 人間だけに特有な世界を作り出す「前頭葉」の働き

猛烈に吹き荒れる風の音と激しく降る雨の音を夢うつつに聞きながら、伊豆高原でこうなのでは、南箱根では大変な嵐になっているのでは、、。Tadが切り落とした杉の枝が家の南斜面に放置されたままになっているのが吹き跳ばされないかしら、、。そういえば寝室にする予定の部屋の屋根の瓦が一枚割れているとTadが言っていたけど大丈夫かしら、、。考え事をしているうちに、いつの間にか眠ってしまって、気が付いたら朝。8時をとっくにまわっていたのです、、、。寝室の窓を開けた途端に、晴れ渡った空と降り注ぐ陽光がまぶしく目に飛び込んできたのでした。

 久方ぶりのともいうほどに良い天気、ブログを書いてなんかいられない、どこかに遊びにでかけようか!確か、Jガーデンの石井さんの話では、伊豆高原界隈に自生している珍しい花木を販売するための売店がそろそろ完成するはずだわ。それを見に行って、ついでに、南箱根の家のリフォームの相談をしてこようかしら。Tadに任せておくと暴走しそうなので、石井さんに相談に乗ってもらうのが得策かも、、、。ついでにと言っては何だけど、そのまま一緒に「洗濯船」に夕ご飯を食べに行くよう誘ってみるのも良い案かも、、、。ベッドから起き上がったままの状態で、あれこれと今日の行動テーマやその内容を考えているのが私の「脳」の働きなのです。

自分の置かれている状況を判断し、その判断に沿って、色々な「テーマ」を発想し、テーマの構成内容及び実行の手順を企画及び計画し、更には実行結果のケース・シミュレーションをした上で最終の内容を決定し、その実行を決断する。これこそ、私たち人間にしか備わっていなくて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳の働きなのです。

   

「意識的」に何かをしようとする際には、必ずこうした脳の働き、脳全体の司令塔である「前頭葉」がちゃんとしたレベルで働くことが不可欠の条件となるのです。自分の置かれている状況を判断し、状況に沿ったテーマを発想し、テーマの内容を組み立てるには、この「前頭葉」の働き具合が、「正常な機能レベル」に保たれていることが必要不可欠の条件となるのです。こうした手順、脳の働きの順番をたどった上で最終的に自分が実行したいと考える内容を私自身が決める(私の「前頭葉」が決定する)訳なのですが、こうした脳の働き、「前頭葉」の働きがちゃんと機能するためには、(このことを脳の構造と機能の面からもう少し詳しく説明すると)「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」と言う「前頭葉」の基礎的な機能であり、個別機能の発揮度及び認知度を左右する機能としての「前頭葉の三本柱」の働きが一定レベル以上の機能レベルを確保していることがその前提となるのです。

或る独立行政法人の医師を含む研究者達から「不活発病」と名付けられている人達の暮らしぶり、何かをしようとする様子もなく、仮設住宅の中で日々ゴロゴロしてばかりで暮らして居るのは、(脳の機能と言う視点からいうと)こうした暮らしぶりをしている人達の「前頭葉」がちゃんと働かなくなってきている(そうした症状を示している人達の「前頭葉」の機能の発揮度を下支えしている「三本柱」の働きが異常なレベルに衰えてきている)証拠なのです。

これは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに直結した段階的症状という、世界に誇れるほどの極めて多数に上り、且つ精緻なレベルの「脳機能データ」(「二段階方式」と言う神経心理機能テストを活用して得られたデータ)を解析した結論により導かれた、私たち独自の考えなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病原因として、日本では、「アミロイドベータ説」が主流なのですが、『ナイナイ尽くしの単調な生活が継続する生活習慣の下で、「前頭葉」を含む脳の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていった結果として蓄積されてくるにすぎない単なる副産物であって、発病の直接の原因ではない』というのが、このアミロイドベータ説(未だに因果関係の立証がなされていない、単なる仮説)に対する私たちの評価なのです。

    

&「前頭葉」機能の概観

脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」には、自ら様々なことに取り組むための「自発性」、色々なテーマを思いつくための「発想」、実行しようとする内容を組み立てる上で必要な「理解」や「計画」や「工夫」、実行内容をシミュレーションする上で必要な「考察」や「分析」や「予見」、実行した場合の結果の推測に必要な「推理」や「想像」や「洞察」、予期しない状況に対応するための「機転」や「修正」、状況や実行内容の「判断」、感情の高ぶりを抑えるための「抑制」、実施を指令するための「決断」、「指示」、更には「創造」や「感動」といった機能等、私たち人間だけに特有の様々で高度な働きが詰まっています。これら個別機能により構成される「前頭葉」と言う機能は、他の動物には例を見ることができず、私たち人間だけに備わっている極めて高度な機能であり、或る「独立行政法人」が得意としている「マウス」は愚かチンパンジー等の人間以外の霊長類の脳に備わる種々の機能と比較しても異次元と言える程に極めて高度な機能なのです。

     

&「前頭葉」の「個別機能」の発揮度と「二重構造」の問題

 「前頭葉」の機能について語るとき、「前頭葉」の機能レベル(働き具合)と言う視点を持つことが極めて重要です。正常な状態であれ、異常な状態であれ、「前頭葉」が働いている意識的な場面では、「前頭葉」の機能レベルの問題が必ず発生しているからです。「前頭葉」の機能レベルが「意識的な世界」における「認知度」に直結しているからなのです。

然もその認知度には、一つには「前頭葉」の個別機能の機能レベルの反映という側面と、もう一つには「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが命名している「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」と言う機能の機能レベルの反映と言う側面の二つの側面があることに注意が必要です。「前頭葉」の個別機能が正常なレベルにあろうとも、三本柱の機能が異常なレベルに衰えてくると、その反映の結果として、「前頭葉」の個別認知機能の発揮自体が異常なレベルのものになってしまうために「認知度」も異常なものになってしまうという「二重構造」の問題があるからなのです。状況判断も、理解も、推理や洞察も、もはや正常なレベルのものではなくて異常なレベルのものになってしまうのです。このことは、多数の症例を対象として、「小ボケ」レベル、「中ボケ」レベル、「大ボケ」レベルでのそれらを比較することで明確に確認できるのです。

     

&「三本柱の機能」に内在している「正常老化」の性質

脳の専門家と言われる人達も認知症の専門家と言われる人達の誰もがこれまで問題にしてきていないのですが、「前頭葉」の基礎的な且つ中核をなす機能である「三本柱」の機能、すなわち、「意欲、注意集中力及び注意分配力」の機能には、「加齢による老化のカーブ」という性質が内在しているのです。これは、生来的に内在している性質なので、(脳の使い方としての「生活習慣」の差異に起因するカーブの緩やかさの相違はあるにしても)、誰でも年を取るにつれて、(正常な機能レベルを保ちつつも)機能のレベルが次第に衰えていくことになるのです(この性質を私たちは、「正常老化」の性質と名付けています)。

脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、感動したり、抑制を働かせたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、個別の認知機能を正常に発揮する上でとりわけ重要な「認知度」を左右しているのが、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きなのです。

ところが、「三本柱」の働きには、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要なしかし専門家達からは見過ごされている性質があるのです。「前頭葉」の個別認知機能の発揮度及び認知度を左右しているこの「三本柱」の機能には、18歳から20歳代の半ばまでがピークで、20歳代の半ばを過ぎるころから100歳に向かって緩やかではあるが、一直線に衰えていく性質があるのです。 「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が急に多くなってくる年齢、「高齢者」の仲間入りをしたばかりの60歳代半ばにもなると、脳の使い方としての生活習慣の如何に関わらず、「前頭葉」の三本柱の働き具合(機能レベル)は、ピーク時である18歳から20歳代の半ばの頃に比べて、その半分以下のレベルにまで衰えてきているのです。70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と、年をとればとるほど、「前頭葉」の三本柱の働きが更に衰えていって、正常なレベルを保ちつつもどんどん「低空飛行」になっていくのが特徴なのです(下図の「カーブ」を参照)。

& ナイナイ尽くしの「単調な生活」と廃用性の機能低下

    

「正常老化」が進行してきて働き具合が頂点に在った20歳代の半ばの頃に比べて、その半分以下のレベルにまで機能が衰えてきている(65歳の頃でちょうど半分に衰えてきている)年齢の「高齢者」)が、何かを「キッカケ」にして、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」(脳の使い方としての「生活習慣」)の下で日々を過ごしていると、「前頭葉」を含む脳の廃用性の機能低下(使われる機会が極端に少ないことが原因となって、機能の低下が異常な速さで進行していくこと)と言う要素が加味されてくるのです(「キッカケ」の説明については、ここを「クリック」してください)。

「正常老化」による機能低下と言う要素に加えて、「廃用性」の機能低下と言う要素が加味されることにより、(その相乗効果による結果として)脳の機能低下が加速度的な速さで進行していくことになるのです(「上記資料」の「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」のデータ図にみるとおり、直線的ではなくて、放物線を描いて機能が衰えていく様子が見て取れるのです)。

     

&「アルツハイマー型認知症発病」のメカニズム

極めて多数に上る「脳の働き具合」(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)とリンクした「症状(私たちが三段階に区分する「段階的症状」)のデータの解析結果から、「アルツハイマー型認知症」は、加齢による脳の老化(「正常老化」)を「第一の要件」とし、「前頭葉」を使う機会が極端に減少するナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続による廃用性の機能低下を「第二の要件」として、両者の相乗効果により、「脳機能の加速度的な機能低下」が惹起され、脳の機能が異常なレベルに低下していく(機能の退化)ことが原因で認知症を発病する病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」だと私達は考えているのです。

私達が集積してきた極めて多数の脳機能データの解析によれば、「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳の機能の衰え方の程度にリンクして、脳の異常な機能レベルが「認知症の症状」として発現してくることが分かるのです。発病の原因として「アミロイドベータ」や「タウ蛋白」或いは「脳の委縮」を唱える人達が言うように、神経細胞の変性或いは脱落による脳内での「情報の連絡」の不具合が、認知症の症状となって発現してきている訳ではないのです。私たちが、「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを駆使して、極めて多数の脳機能データを集積し、分析し、確認したことにより得られた特別な性質(「アルツハイマー型認知症」の場合には、「前頭葉」を含む脳の機能の衰え方に明確な「規則性」があると言う性質)について、「アミロイドベータ説」も「タウタンパク説」も「脳の委縮説」も、その機序を説明することができないと私たちは考えるのです。

    

& 回復させることがが可能な「早期の段階」で対策を

「アルツハイマー型認知症」は、第二の人生を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」が、日々の生活を送る中での脳の使い方としての「生活習慣」(「前頭葉」を含む脳の出番が極端に少ない「単調な生活」の継続)のために、「廃用性」の異常な機能低下が起きてくることが原因の病気に過ぎないのです。何等の呼びかけも対策も行われないままに放置されていて、時間だけがいたずらに経過していく中で(被災から、既に4年の月日が経とうとしている)、東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達が、他のどの地域の高齢者達とも異なる「異次元と言える程のはるかに高い割合」で、「アルツハイマー型認知症」を発病している症状を示していることが確認されれば、マスコミも政府も大騒ぎする事態が起きてくることになるはずです。私たちの「脳機能データ」から推測すると、あと1年もすると(『被災から5年が経過』したその時点では)、「中等度認知症」(中ボケ)の後半の症状から、速い人の場合は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の症状を示すようになるはずなのです。そのとき、(私たちの主張が正しいことが疫学的に証明されることになる結果)「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムと症状の進行についての私達の主張内容に、認知症の専門家と言われている人達の注目が集まることになることを指摘しておきたいのです。

その場合、「アルツハイマー型認知症」は廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないので、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で見つけて脳リハビリに励めば容易に治せる(「前頭葉」を含む脳の機能を正常なレベルに回復させることができることにより、認知症の症状が消える)し、「中ボケ」の段階で見つけて脳リハビリに励めば未だ治すことが可能なのですが、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで症状が進んでしまっている人達(「前頭葉」を含む脳の機能レベルが衰えてしまっている人達)については、もはや治すことは出来ない(見つける段階が遅すぎる)ということを併せて指摘しておきたいのです。

     

 &「不活発病」の症状は「軽度認知症」(小ボケ)の症状そのもの

一部の学者や医師達から「不活発病」のレッテルを張られているお年寄り達は、「前頭葉」の個別機能が異常なレベルに衰えている訳ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能レベルが「正常老化」の要因に加えて「廃用性」の機能低下の要因が加味され異常なレベルにまで衰えてきた結果として、「前頭葉」全体としての働き具合がテキパキとは機能しなくなってきている(正常には機能していない)だけなのです(上述した「二重構造」の反映)。その「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットが「認知症としての症状」となって現れてきているのが、「アルツハイマー型認知症」の重要な特徴なのです。

「前頭葉」を含む脳の機能レベルを判定することもなく、その外観だけから見られる症状だけを基礎として「不活発病」のレッテルを張られているお年寄り達の多くは、「前頭葉」を含む脳の機能レベル自体を私たちが開発した「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストを活用して判定すれば、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も未だ正常な機能レベルにあるが、脳全体の司令塔の役割を担っていて「意識的」な世界を支配しコントロールしている肝心の「前頭葉」の働き具合(更に言えば、「三本柱」の働き具合)だけが「異常なレベル」に衰えてきていることが確認されるはずなのです。

    

その原因はと言うと、誰にでも生来的な性質として備わっている「正常老化」の要因に加えて、もう一つ別の要因、東日本大震災の被災を「キッカケ」として、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない日々(ナイナイ尽くしの単調な生活が始まり、且つそうした単調な日々が継続されている)という「お年寄り」だけを対象として、「廃用性の機能低下」という要因が加味されたことにより、「前頭葉」の三本柱の働き具合が、加速度的に衰えてきて、異常なレベルにまで働らきが衰えてきたことにあるのです。

そうした症状に「不活発病」とかいうレッテルを張って状態を正しく理解したと勘違いしている人達は、症状と言う外観だけから憶測しているだけなのです。「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれに直結した症状の判定と言う視点から、東日本大震災の被災地の高齢者の症状を分析してきた私たちは、そうした症状は、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状なのであって(「小ボケ」の症状については、ここを「クリック」してください)、何等の注意喚起や対策が施されないままにこのままナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままで居ると、次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階の症状が発現してくることになることを指摘し、警告しておきたいのです(「中ボケ」の症状については、ここを「クリック」してください)。更に言うと、「中ボケ」の段階の症状が発現してきても「老化現象」だなどと言って放置していると、最後は末期の段階である「重度認知症」(「大ボケ」)の段階に進んでいくこととなり、身体が持つ限り(何らかの他の病気が原因で死を迎えることになるときまで)、症状がさらに重くなっていくだけと言う結果になるのです(「大ボケ」の症状については、ここを「クリック」してください)。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないからです。

     

& 専門家達に対する問題の提起

いろいろな種類が数ある認知症の中で90%以上の割合を占めていながら、原因不明と言われて放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」の発病の直接の原因は、60歳を超える年齢の高齢者(発病の「第一の要件」)が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続すること(発病の「第二の要件」)にあるのであって、アミロイドベータでも、タウ蛋白でも、脳の委縮でもないのです。これらの仮説(原因と結果との間に要求される「因果関係の立証」がなされていない)は、「アルツハイマー型認知症」の第一の要件が「記憶の障害」であると規定している、米国精神医学会の『DSM-4』の誤りをそのまま踏襲しているが故の誤りを犯しているのです。「記憶の障害」こそが「第一の要件」だと盲信しているその人達は、今日も、「迷路」の中でエサを探して歩き回る「ラット」の行動ばかりを追っているのです。

 私たちが発病の最初の段階と定義している「軽度認知症」(小ボケ)の症状を詳細に検討してみれば、「前頭葉」の機能障害こそが「アルツハイマー型認知症」診断の「第一の要件」として「DSM-5」に規定されるべきなのだということに気付くはずなのです。「アルツハイマー型認知症」の最初の段階として私たちが規定する「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「三本柱の機能」が異常なレベルに衰えてきているが故に、そのことを直接的に反映した症状、言い換えると「前頭葉」の機能障害だけが原因の症状(「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきたことに起因して、「前頭葉」の個別機能の発揮度及び認知度が異常なレベルにあることを反映した「症状」)を示していることに気づくはずなのです。

      

  &「小ボケ」の治療は、脳のリハビリ

 「軽度認知症」(小ボケ)は、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の働きが異常なレベルに衰えているだけなので、その機能を正常なレベルに引き戻してやれば脳全体の機能が正常なレベルに回復するのです(認知症が治る)。「アルツハイマー型認知症」が専門家達の間で「治せない病気」とされているのは、本質的に治らない病気なのではなくて、見つける段階が遅すぎるのです(上述の「大ボケ」の機能データ図を見ればわかるように、「前頭葉」の機能が殆ど働かなくなってきている末期段階の「大ボケ」の段階で見つけているので、治らないだけなのです)。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎず、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される生活習慣の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきたことに起因する「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットが認知症の症状となって現れてくるだけの病気なのです。従って、治す薬も進行を遅らせる薬も、発病と症状進行のメカニズムからして、あり得ないのです。どうやれば「前頭葉」の機能を正常なレベルに回復させることができるのか。それは、「三本柱」の機能の出番が多い自分なりの「テーマ」を実行する生活を中核とする日々の過ごし方を考え、そうした「テーマ」の実行を「生活習慣化」することにより、「三本柱」の機能を正常なレベルに回復させることが「唯一、無二の方法」となるのです。

 「アルツハイマー型認知症」も、早期発見、早期治療が大切なのです。早く見つける程、回復する可能性が高いのです。標語的な表現を借りて言えば、「小ボケで見つければ、簡単に治せます(回復容易)」、「中ボケで見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば、未だ治せます(回復は未だ可能)」、「大ボケで見つけていたのでは、見つけても手遅れ、治らないのです(回復困難)」。世間では、「DSM-4」の規定に準拠した診断をするので、言い換えると末期の段階である「大ボケ」のその後半になってしか確認されない「失語、失行又は失認の症状」を物指しとして、「アルツハイマー型認知症」を見つけようとするので、せっかく見つけても治らない(治すことができない)のです。「大ボケ」の段階になってくると、脳の機能レベルの問題に加えて、実施すべき内容が個別に緻密に計画された「脳リハビリ」を実行することが要求される一方で、「脳リハビリ」の目的や意味を理解することが出来ず、実行する意欲もわかず、必要な注意を集中することも出来ないことが回復への道を閉ざすことになるもう一つの要因でもあるのです。

      

& 「小ボケ」からの回復方法についての基本的な考え方

 「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、「軽度認知症」(小ボケ)の症状が出てきているお年寄りの症状を治す(「前頭葉」の働きを正常なレベルに引き戻す)には、「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠、唯一無二の方法なのです。効く薬はないし、薬は効かないのです。「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を第二の要件とする、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なので、「アルツハイマー型認知症」を治す薬を開発することや、最近流行りの「ips細胞」に頼ることも、不可能なことなのです。

 ところで、脳を使うとか、脳を活性化させる方法というとみなさんは、すぐに読書や計算、つまり、「左脳」を使うことだと考えていませんか。お年寄りと言われる年齢の高齢者にとって、「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり楽しむ機会をできるだけ多く日々の生活の中に取り込むこと、「生活習慣化」することなのです。趣味や遊びや人づきあいなどを楽しむことで、自分なりの目標や喜びや生き甲斐があって、取り組む意欲が湧いてくる、そういった自分なりにやる気が起きてくるような「テーマ」を日々の生活に取り込んで暮らすようにするのです。

      

& 家族の側の注意点

趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」中心の生活或いは、運動や散歩や体操などの「運動の脳」を使う生活習慣が、「前頭葉」の出番を増やし、働きを活性化させることになり、「前頭葉」の元気を取り戻させせることになって、「小ボケ」のレベルにあった「前頭葉」を含む脳の機能が正常なレベルに回復してくるのです(「アルツハイマー型認知症」が治る)。

 やるのが楽しくて、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲や注意の集中力や注意の分配力」の出番が多くて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活とその仕方を工夫するのが大切なのです。周りが助けて、本人なりに毎日を楽しめる生活習慣を組み立ててあげるのです。過去の生活習慣にさかのぼって、どんなことに熱中していたのか、どんなことなら意欲を持って取り組めていたのかを調べてあげることも大切です。

趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が意外と効果的なのです。一日一時間の「速足での散歩」が目標(5000歩が目安)となります。その場合も、本人自身が「散歩をするのが楽しくなる」ような工夫が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人が談笑しながら一緒に歩いてあげると効果が一層大きくなります。

注)本著作物(このブログB-29に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

    脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません


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