認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症予防の為の万年カレンダー (E-10)

2020-10-01 | 仕事とは無縁になる「第二の人生「」をどう生きるか

1日:  抜き足 差し足 忍び足 居眠る間に忍び寄る

               脳の老化と認知症(対象を「アルツハイマー型認知症」に限定)

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているアルツハイマー型認知症発病及び症状の重症化が進行する世界は、マウスはおろか、チンパンジーにさえも備わっていない、『注意の分配力」という機能が、構築し、統合し、統括し、管理し、監視し、コントロールしている意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界で様々な程度及び態様による支障(認知症の症状)が発現して来る病気の世界なのであり、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象として、その『前頭葉』を含む脳全体の機能に、一つには、加齢と言う要因により、もう一つ別の加重要因であるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下に因り、機能障害が惹き起こされた結果、様々な程度態様による症状、認知症の症状が発現してくる病気が関わる世界なのです。その意識的な世界を脳の機能面から要約すると、左脳、右脳及び運動の脳という3頭の馬が牽引する、三頭立ての馬車の御者の役割脳全体の司令塔の役割を担っているのが、前頭葉前頭前野を言うものとする)という脳機能なのであり、その意識的な世界前頭葉の機能(就中、注意の分力の機能に目を向けることに因って、はじめて、発病のメカニズム及び症状の重症化が進行していく機序を解き明かすことが出来るのです。

この視点に立って、前頭葉意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能について、各々、及び総合した機能レベルを精緻に判定することが出来る独自の手技を開発し、発病のメカニズム及び症状の重症化が進行するメカニズムを解明し、早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防の具体的な方法を開発し、市町村での実践により、主張内容が正しいこと及び顕著な効果を疫学的に証明できているのは、世界中で、私たち、『二段階方式』だけなのです。

「アルツハイマー型認知症」の初期(入口)の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、左脳と右脳と運動の脳は正常な機能レベルに在るのですが、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきているのです。「前頭葉」の機能のうち最も重要で基礎的な働きを担う「三本柱」の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能が、加齢による機能低下の進行と加重要因であるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という異なる二つの要因の同時存在が原因で、的確且つ十分には、働くことが出来なくなっているのです。「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきていることの反映が、状況の判断や発想や企画や計画や洞察やケース・シミュレーションや機転や感動や抑制或いは決断といった、「前頭葉」の個別認知機能群である実行機能(Executive Function)の「認知度」及び「発揮度」に、直接且つ、構造的に影響する為、対象となる情報の認知及び記銘やその保持や想起並びに処理の面でも、機能の発揮が、不十分で、状況や場面に対し、不的確なものとなり、社会生活の面での、思考、言動、或いは行動面での支障として、現れてくるのです(これらは、不活発症状とか、老化現象として片づけられているのですが、実は、脳の機能面から言うと、『前頭葉』の機能障害に起因した症状、すなわち、『アルツハイマー型認知症』の初期症状なのです)。

そのために、的確な状況の判断、発想、計画、創意、工夫、機転といった機能、或いは的確な見通しや意思決定などが要求される、『社会生活』(家の外に出て行き、他人と交わり、何等かの共通のテーマを処理し、実行する世界)の面で、程度や態様を含む種々の支障が出てくるようになるのです。勿論、この段階では、「家庭生活」の面にも「セルフケア」の面にも何の支障も起きてはきません。それぞれの段階で必要とされる「脳の機能のレベル」が異なるからなのです。

我が国日本は、世界中を見渡してみても、『超高齢社会』を走る先頭のランナーなのであり、65歳を超える年齢の『高齢者』の数が総人口に占める比率が、28.7%にも達しているのです。3600万人もの高齢者が、「第二の人生」を生きているのです。そうした高齢者にとって、今回の新型コロナの感染は特別の意味を持っているのです。高齢者が感染し易い上に、持病がある人の場合は、重症化するリスクが高いともされているからです。70歳以上の「高齢者」が新型コロナに感染した場合は、死亡率が20%近くにもなるとデータで示されると、猶更のこと。その上に、反政府意識が格別に高い我が国の幾つかのマスコミが危機感を日々あおりまくるので、恐怖心さえ抱いているのです。そうした状況の中で、感染回避策に有効として、『3密の回避』が求められている訳なのです。「3密の回避」が徹底される日々の生活、『脳の使い方』としての「生活習慣」をこれほど長い間継続してきた、お年寄り、『第二の人生』を送っている高齢者達の間に、密かに浸透して行っている問題、専門家達さえ気づいていない問題が、存在していることに警鐘を鳴らしたいのです。新型コロナの感染問題に対する恐怖心と『3密の回避』策に対する徹底の必要性の理解(然も、恐怖に駆られた、格別の理解が特徴)という新たな、これまでに経験したことのない生活状況の発生とその継続を「キッカケ」として、何事に対しても挑戦することが無い日々の暮らし方、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』(脳の使い方としての生活習慣をいうものとする)が開始され、継続しているのです。我が国全体に亘る、例外をほとんど見ることが無い、「脳の使い方」としての『生活習慣』、「第二の人生」を送っている「高齢者」の3密の回避に徹底した日々の暮らし方としての特徴が確認されるのです。

その帰結として、『アルツハイマー型認知症』の発病者(「小ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄り)の顕著な増加の問題と、更には、重症化が進行している既発病者(小ボケ➡中ボケ及び中ボケ➡大ボケ)の顕著な増加の問題が起きてきているのです。この問題について、「末期の段階」の症状が発現している「大ボケ」のお年寄り達間で起きている、重症化の進行(大ボケの段階という枠の中での、更なる症状の重症化の進行)については、施設の管理者達や市町村の保健師さん達から声が上がってきているのですが、その前の段階であり、私たちの区分で言う、本当の意味での早期の段階である「小ボケ発現及び「中ボケへの進行、更には、「中ボケ」から「大ボケ」への進行という問題は、専門家達に気づかれていなくて、『闇の中の問題』でしかないのです。認知症の診断が専門の医師達でさえ、『末期の段階』である「大ボケ」の症状が発現しているお年寄りにしか関心が無くて(明確に指摘すると、知らない)、全くのこと気づいていないのです。彼等は、肝心要の『前頭葉』(「意識的な世界」に於ける脳全体の「司令塔」の役割を担っている脳機能であり、私たち人間だけにしか備わっていない機能。勿論、「マウス」には、備わってはいないのです)の機能レベルを精緻に判定できる手技を持たない為、本当の意味での早期の段階であり、「脳のリハビリ」の実践により回復させることが可能な(症状を治すことが可能)「小ボケ」及び「中ボケ」の段階に無知で、無関心という訳なのです。『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できる手技は、我が国だけでなくて、世界中を見渡してみても、私たち「二段階方式」の『かなひろいテスト』しか、実用化されていないのです(TMTやFABによる判定では、結果が杜撰に過ぎるのです)。

その上、『若年性認知症』とか銘打って、間違った情報を流し続けている番組が有るのです。60歳よりも若い年齢での発病者を『若年性認知症』、60歳以上での発病者を『老年性認知症』として区分しているということでした。猶、その番組が取り上げていた対象である認知症は、正確に表現すると、「アルツハイマー型認知症」のことなのです(但し、生来的に特定の遺伝子に異常が存在している人達だけを対象として発病が確認されるものであり、30歳代から50歳代どまりの「若年発症」が特徴である、所謂、「アルツハイマー病」とは全く異なる種類のものであるので注意して下さい。)。

その番組が取り上げていたのは、アルツハイマー病ではなくて、「アルツハイマー型認知症」なのです。そもそも、「アルツハイマー型認知症」の真の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」なのであり、「第二の人生」を送っている、60歳を超える年齢の「高齢者のみが発病の対象となる、「老年発症」が特徴であることを知らないために、そうした内容の番組を組んだのでしょう。では、番組で取り上げられ、登場していた人達の真の病気はなんであったのか。番組の内容から察するに、彼等の病気は、正しくは、『側頭葉性健忘症』という病気なのです。『側頭葉性健忘症』は、そもそも認知症ではないのです。

 認知症は、認知機能の障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害/或いは廃用性の異常な機能低下の進行により、いったん正常に発達した機能が不可逆的に低下(器質障害が原因である場合)/或いは可逆的に低下(廃用性の機能低下が原因である場合で、早期の段階の場合)した状態(認知機能に障害がある状態)を言うものなのです。認知機能は、理解、判断、論理などの知的機能のことを言い、前頭葉、左脳、右脳及び運動の脳の働きが関わるのであって、中でも、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が最も高度な機能なのです。

 前頭葉の機能が正常なレベルにある『側頭葉性健忘症』は、その意味でも、認知症ではないのです。重度の記銘力障害」(「脳の変性」が原因で、新しい記憶が、入って行かない)と海馬の萎縮が認められる特徴を有する為に、『記憶の障害起因して、アルツハイマー型認知症の症状が発現するもの』とする想定条件自体が重大な誤りであることに気づかないで居て、即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムに対する誤解から、「アルツハイマー型認知症」と間違えられるケースが極めて多いのです。その結果、若年で「側頭葉性健忘症」を発病した人が、「アルツハイマー型認知症」の発病者であると誤診されて、この世に実在していない病気、『若年性アルツハイマー型認知症』の発病者であるとされているということなのです。専門家とされる医師達が、発病のメカニズムだけでなくて、症状自体についても、殆ど知らない/知られていない(知っているのは、治すことが最早困難である、『末期の段階』の症状についての、外観的な知識だけ)のが、様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症なのです。

 私たち「二段階方式」のように、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来る『手技』さえ持っていれば、両者を鑑別することは、難しくはないのです。両者を鑑別する為の客観的な手技と視点を持たない上に、「記憶障害」という要素が、「アルツハイマー型認知症」発病の要因であると誤解していることが原因なのです(ディレクターに助言した医師が、無知)。『記憶の障害』と或いは、記憶の障害の症状(記憶の障害に起因した症状を含む)と『アルツハイマー型認知症』の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。

記憶の障害自体が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の機能低下の進行による機能障害起因して発現してくることに、未だに気が付いていないことに警鐘を鳴らし、問題提起しておきたいのです。一昨日の新聞記事報道にある『人工的に組み合わせた蛋白質を用いて、シナプスをつなぎ直すことに成功』しようとも、『アルツハイマー型認知症』の治療に役立つ治療法とはならなのです。この試みもまた、これまでの各種事例と同様に、『記憶障害という要因が、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因である』と想定したもの(客観的なデータの裏付けがない、憶測や推測、重大な誤りの前提に基づいた主張であり、試み)という類のものでしかないのです。

注)本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』【但し、、食生活は関係なくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)であるにすぎない『アルツハイマー型認知症』は、『第二の人生』を送る上での日々の暮らし方「脳の使い方」としての『生活習慣』が発病するか/しないかを区分ける唯一の要因なのです(E-09の&5を参照)。

『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が、発病するか/しないかを区分ける核心的な要因なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する『生活習慣』とは、『注意の分配力』の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する暮らし方ということになるのです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』(Executive Functionの各構成要素=分析、理解、考察、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、判断、決断、抑制、感動等の機能)の出番が多くて活性化する暮らし方を自分なりに模索し、楽しみ乍ら行使する場面や機会が出来るだけ多い「テーマ」を選択して、実行する生活を継続するのです。『生活習慣』となる為には、継続出来ることが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が必要なのです。そうした「テーマ」を選択し、実行の計画をすること、目標を設定すること、実行すること、目標達成の結果を残すこと、それらの各過程自体が、自分なりの楽しみや喜びに繋がり、目標の達成が達成感の獲得や喜びや生き甲斐に繋がるような「テーマ」の実践が、有効な方法となるのです。それ以外に方法は無いのです。薬も、機能性表示食品も効かない世界なのです。

両者について、「前頭葉」の機能レベルを判定しないで(出来ないために)、おまけに、記憶障害と海馬の萎縮という要素だけで、推測し、憶測している為、混同し、現実にはこの世に実在しない『若年性アルツハイマー型認知症』が、実在しているかのような「間違った内容の番組」となっているのです。側頭葉性健忘症」は、重度の「記銘力障害」と海馬の萎縮が確認されるものの、『前頭葉の機能が、正常な機能レベルに在る』ことが特徴なのです。他方で、『アルツハイマー型認知症』は、「前頭葉」の機能レベルが真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴なのです。

発病の最初の段階である「小ボケ」の段階を脳の機能面から定義すると、左脳と右脳の機能が正常なレベルに在るものの、肝心の、前頭葉の機能が既に異常なレベルに在ることが確認できるのです。更に言うと、専門家達が発病と騒いでいる「大ボケ」の段階にあるお年寄り達の脳の機能レベル、就中、『前頭葉』の機能レベルを判定すると、極めて異常なレベルに在ることが確認されるのです。中でも、『注意の分配力』の機能が殆ど機能しないレベルにまで衰えてきていることが分かるのです。その帰結として=『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なので、挨拶程度の簡単な日常会話程度の言葉のやり取りも出来なくなり/ズボンを頭から被ってみたり/風呂に入っても身体を洗うことに注意が行かなくなり/歯ブラシを握っても、どうしていいのかわからなくなり/何かの拍子に家の外に出たら、そのまま何キロも歩き続けて、自宅に帰れなくて、徘徊したりする症状が出てくるようになるだけなのです。脳の機能面という物差しを持たない人達が、外観的な症状だけから憶測して、ただ訳もなく歩き回っているだけのものに過ぎない行為、所謂、徘徊に対して、何か特別の目的が有るかのような「誤った解説」を行っているのです。赤字で例示した症状、「大ボケ」の後半の段階で確認されえるようになる、それらの症状が発現する原因は、「記憶の障害に起因して、発現してくるものではないのです。日常会話程度の簡単な内容の言葉を忘れている訳ではないし、ズボンの着方を忘れている訳ではないし、身体の洗い方を忘れている訳ではないし、歯ブラシの使い方を忘れている訳ではないし、居住している家を忘れている訳ではないのです。すべては前頭葉の機能障害、もっと核心的な機能で言えば、『注意の分配力』の機能が殆ど働かなくなるまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきたことが、直接の原因なのです。左脳が専管する『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』での「脳の使い方」としての『生活習慣』自体に、直接の原因が存在しているのです。

)『加齢』と言う要因のみが原因で発現してくる記憶障害の症状【所謂、物忘れの症状=前頭葉の機能が正常なレベルの下で発現する症状】とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という要因が加重されることで発現してくる記憶障害の症状【正しくは、アルツハイマー型認知症の症状としての記憶障害の症状=前頭葉の機能が異常なレベルの下で発現する症状)とは、根本的に異なるものなのです。前頭葉の機能レベルという視点が無くて(精緻に判定できる手技自体を持たない)、MCI(軽度認知障害)などという、「物忘れの症状」を外観的に観察するだけの診断基準を持ち出してきて、アルツハイマー型認知症発病の前駆的状態に在るとかの診断が行われるのが通常なのです。

意識的な世界」、「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界における「脳全体の司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを判定することが出来ないで、外観から憶測しているだけの診断である為に、このような重大な間違い(過ち)を起こしているのです。アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、我が国だけでなくて、世界中の専門家達から、私たちの区分で言う、「小ボケ」や「中ボケ」の段階は、発病しているとは考えられていないのです。米国精神医学会が策定した診断規程である『DSM-4』の第二要件が、失語や失認や失行の症状が確認されて初めて発病と診断すべきものと規定していて、その規定内容自体が重大な誤りであると認識されていない為に、加えて、第一要件が、記憶の障害に起因して発病するとの、これまた重大な誤りの内容である為に、『重度記憶障害の症状』が確認されることが、アルツハイマー型認知症の発病の要件であるとされているからなのです。医師が、アルツハイマー型認知症の発病者であると診断するお年寄りは、規定内容が共に誤りである「DSM-4」の診断規定の第一要件第二要件両者を充足している『お年寄り』に限られるということになるのです(=極めて重度の「記憶障害」の症状が確認されることになる)。他方、私たち「二段階方式」の規定内容では、アルツハイマー型認知症は、第一要件の要因基礎要因である、加齢に起因した機能低下の進行)が有るので、必ず、老年発症が特徴となるのです。逆に、側頭葉性健忘症は、若年発症が特徴なのです。然も、両者を鑑別する上での最も重要な要素は、『前頭葉』の機能レベルが、正常なレベルに在るのか(=側頭葉性健忘症)/異常なレベルに在るのか(=アルツハイマー型認知症)なのです。上述のように、『DSM-4』の第二要件の規定が、「失語や失認や失行の症状」(極めて重度の症状)の確認を要求している為、医師が、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断する人達は、極めて重度の記憶障害の症状を示すということになってしまうのです。そうした根本的に誤った内容の診断規定に依拠した診断が医師達に因り行われている上に、対象者の年齢が、60歳未満である場合には、更なる過ちを犯した診断である、『若年性アルツハイマー型認知症』の発病者であると誤診されてもいる訳なのです(認知機能の検査として、医師たちが実施しているMMSEや長谷川式は、左脳と右脳の機能レベルしか判定出来なくて、肝心の『前頭葉』の機能レベルの判定が置き去りにされているのです)。

あの番組で取り上げられていた発病対象者の発病時年齢が若いことと、何時でも、何処でも見かける『アルツハイマー型認知症発病患者』(=お年寄りで、末期の段階の大ボケの症状が発現している=このブログのE-07の&4の症状を参照)の日常行動の内容のレベルとの、余りの乖離に驚き、関心が湧くために、視聴率が高くて、何度も繰り返して、間違った内容であることも知らないで、彼等が、『側頭葉性健忘症』の発病者であることも知らないで、『若年で、「アルツハイマー型認知症」を発病した人達』というコンセプトで、番組を組み続けているのではないかと憶測するのです。何時まで、こんな『重大な誤りの内容』の番組が放送され続けられるのでしょうか。『アルツハイマー型認知症』を発病したお年寄りの姿は、『高齢化率』が高い町や高齢者が多く集まって住んで居る団地などに行けば、容易に出会え/詳しい生活状況を知ることが出来ます。そうしたお年寄りの姿とNHKのあの番組が取り上げていた『若年性アルツハイマー型認知症』の発病者とされていた人達の姿とは、余りにも異なることに気が付くと思うのです。単に年齢が若いか/老いているかの差ではないのですから。症状自体が異なる、言い換えると、『前頭葉の機能レベル(就中、「注意の分配力」の機能レベル)自体が根本的に異なるレベルに在る』こと自体のアウトプットが、全く異なる症状を示してくるということなのです。番組を制作したディレクターの側に責任があるのではなく、間違った内容をディレクターに教授した医師(或いは、学者❓)の側に責任があるのです。「アルツハイマー型認知症」について、殆ど何も知らないで、「側頭葉性健忘症」のことも知らないで、それでいて、「専門家ぶって誤った情報を発信している人達、エセ専門家達」が多いのです。この不条理な状況を糺すには、どうすれば良いのか。

     2日: 初心忘るべからず 吾が座右の銘

       ボケの発病 脳が居眠り    

私達の意識的な思考や行為、言動或いは行動は、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」が「左脳」や「右脳」や「運動の脳」と協働しつつ、且つそれらを主導し、コントロールして実行されています。左脳、右脳、運動の脳の「3頭の馬」が牽引する三頭立ての馬車御者の役割を担っているのが、『前頭葉』という脳機能なのです。

朝方目覚めて寝床から起き上がるにも、尿意を催して、トイレに行くにも、顔を洗って自分好みにお化粧するにも、ニュースを早く知ろうと新聞受けに新聞を取りに行くにも、朝食の用意のため電気釜のスイッチを入れるにも、今日の行動予定に見合った服に着替えるにも、それ等「意識的な世界」(意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)では全て脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きなしには実行することが出来ないのです。もっと正確な言い方をすると、「前頭葉」がちゃんと働いていないと、こうした行動を『必要とされるレベルできちんと実行することは出来ない』のです。「前頭葉」が正常なレベルで機能していて初めて、目的となる行動を、意図したレベルで、きちんと実行することができるのです。その意味で、「アルツハイマー型認知症」の発病者であると診断される場合は、『前頭葉』の機能自体が極めて異常なレベルに衰えてきていることになるので、NHKが若年性認知症(正確な表現で言うと、若年性アルツハイマー型認知症の発病者)として、番組で取り上げていた人達の言動や行動は、極めて異質なもの、驚きの内容のものである(ボケているお年寄りとは全く異なるレベルの思考や発言や言動や行動である)として、誰もが関心を持つ為、視聴率が高くなり、NHKが幾度も番組を組むことになっているのではないかと、憶測するのです。

 自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマの実行を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションし、シミュレーション結果に基づき比較し、評価し、選択し、最終的な実行内容及びその程度と態様を決定し、実行の決断を下して、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に実行の指令を出し、その後の進行状態を管理し、コントロールしているのが、『前頭葉』という脳機能なのです。

赤字表記例示している上述した前頭葉の個別認知機能のことを総称して『実行機能Executive Function)』と世間では呼んでいるのですが、その際に、『実行機能の機能発揮上の二重構造』という問題が、存在していることに世界で初めて気づいたのが、私たち「二段階方式」なのです。『実行機能』の機能の発揮の程度は(前頭葉の個別認知機能に備わる機能が、様々な場面で、どの程度及びどのように発揮されるのかという意味)、『意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能に左右され、下支えられている』(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能がどの程度及びどのように発揮されているかに、依存し、左右されているという意味)という問題の存在なのです。

 更なる問題を提起すると、『注意の分配力』という機能の存在なしには、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界は存在し得ないということなのです。世界中の認知症研究の専門家達から、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症であるとされてきている『アルツハイマー型認知症』は、何等の器質的な原因病変が確認されないのにもかかわらず、私達が意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行に移す際に、『社会生活』面、『家庭生活』面及び『セルフケア』の面という風に、様々な生活のレベルで、更には、様々な程度及び態様により(脳のリハビリの実施により回復させることの可能性の有無及び程度により、小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階に区分するのが私たち二段階方式の考え方なのです)症状が発現してくるという特徴が確認されるのです。『注意の分配力』の機能については、世界中の専門家達の知識が、無知に等しいという程に未だに浅いことが、「アルツハイマー型認知症」の発病原因の解明方法として、(極めて重大な誤りであることに未だに気づいていない)『マウス』(アルツハイマーマウスを含む)の行動の研究を基礎に置くといった方法を未だに継続させているのです(通説とされるアミロイドベータ説の信望者達のことであり、未だに、誤った方法で、誤った場所を掘り続けているのです)。

日常の簡単な挨拶や世間話程度の会話であれ、服を着る行為であれ、歯を磨く行為であれ、入浴したり洗顔をする行為であれ、それ等程度の行為であれ、『記憶』が核となる要因ではないのです。核となる要因とは、『注意の分配力』の機能【3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して選択的に処理し、実行する為に不可欠の機能であり、私たち人間だけに備わる機能であって、DNAの98%が同じとされるチンパンジーにも備わっていない脳機能】が、正常なレベルで機能することが出来る『脳の機能レベル』に在るか/どうかということなのです。➡この点について、側頭葉性健忘症の発病者(若年での発症が特徴)とアルツハイマー型認知症の発病者(老年での発症が特徴)について、『前頭葉の機能レベルの精緻な判定』を実施してみれば、容易に両者を正しく鑑別することが出来るのです。両者を混同した診断を行っている医師達に対する、私たち『二段階方式』からの助言(問題提起)です。真摯に受け止めて頂きたいのです。➡ 注意の分配力の機能については、デュアル・タスク(異なる二つのテーマの、同時並行した処理)が重要であるとされ、日々の生活習慣での取り組みが提起されているのですが、余りの無知に驚かされるのです。そもそも、注意の分配力の機能が構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている『意識』自体が、常に、多重多層の異なる複数の存在なのであり、友達を助手席に乗せて、世間話に花を咲かせ乍ら、好きなBGMを楽しみ乍ら、移り変わる景色も楽しみ乍ら、多数の車が行き交う途を、信号にも注意を向け乍ら、溝にはまることも無く、安全に運転するなど、70歳を超えた年齢の高齢者にとっても、さして難しいことではないことを知るべきなのです。

アルツハイマー型認知症』の発病の原因要素が、『記憶障害』という要因であると想定しているのが、米国精神医学会が策定した診断規程である『DSM-4』の規定であり、その第一要件は、発病との診断に際しては、『記憶障害に起因』して症状が発現してきていることの確認を要求しているのです。「第一要件」の規定の内容が正しいものとの前提に立脚して、アミロイドベータの蓄積、タウタンパクの沈着、脳の萎縮、アセチルコリンの不足が、発病の原因と想定されている「記憶障害」を惹き起こしている原因であると想定(仮定)しただけの「憶測」に基づいた学説である『4つの仮説』が提示され、主張されているのです。

『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する真の原因は、一つには、加齢に起因した脳機能の老化の進行による機能低下という要因なのであり、更にもう一つ、別の加重される要因としての、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因なのです。60歳を超える年齢の高齢者が(加齢に因る機能の低下という要因=「発病の第一要件」)、『第二の人生』を送る生活過程において、「キッカケ」を契機に、開始され継続された単調な『生活習慣』、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、生活習慣の継続に因る要因(ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した「廃用性の機能低下」に因る要因=「発病の第二要件」)という加重要因の存在により、即ち、第一の要件と第二の要件とが同時に存在し、充足されることによる相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことの先に、発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです。

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病(但し、「食生活」とは関係が無くて、「脳の使い方」としての『生活習慣』であることに留意)であるというのが、私たち「二段階方式」の主張なのです。「社会生活」の面であれ、「家庭生活」の面であれ、「セルフケア」の面であれ、「前頭葉」が正常なレベルで機能していない限り、それらの生活面で様々な程度及び態様に因る支障が出てくる(「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現してくる)ことになるのです。           

二段階方式手技を活用して集積した精緻な脳機能データ、『アルツハイマー型認知症』発病者の前頭葉を含む脳全体の脳機能レベルを解析した『事象事実』としての「脳機能データ」が証明しているのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が、正常な機能レベルで働くことが出来なくなった時から(私たちの区分で言う小ボケ)、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっているのです。左脳、右脳及び運動の脳の全ての機能が正常な機能レベルで働くことが出来ていても、肝心の司令塔の「前頭葉」が正常なレベルで機能出来なくなったときから(異常なレベルに衰えてきたときから)、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっているのです(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルであることが、全てのアウトプットに構造的に反映されることになるのです)。

何等かの原因で脳の機能が全般的に機能低下したことにより、私達が意識的に何かを実行しようとするとき、生活面に支障が出てくる病気のことを「アルツハイマー型認知症」と言います。どんな生活面で支障が出ているのかは、高度なレベルから順に「社会生活」、「家庭生活」、「セルフケア」の3つに区分されます。どんな内容、レベルのものであれ、「社会生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは、「家庭生活」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されるし、「家庭生活」を行うのに要求される脳の機能レベルは「セルフケア」に要求される脳の機能レベルよりも高いものが要求されることについては、誰も異論はないと思うのです。また、「脳の機能が異常なレベルに低下」していることが原因で生活面に「支障」があると言うことは、支障が「認知症の症状」として認められると言うことなのです(「加齢」という要因だけの場合は、発現してくることが無いことに注意が必要)。

私たちは、こうした視点から、社会生活、家庭生活、セルフケアの『3つの生活区分』に対応した「脳の機能レベルリンクした症状」について、二段階方式のデータを蓄積してきたのです。蓄積されたデータを分析し、「アルツハイマー型認知症」の脳の機能の衰え方とそれに対応した症状、「三段階に区分」され、且つ、それぞれに「グループ分け」された「段階的症状」をパターン化してきてもいるのです(このブログの「E-07」の類型的症状を参照して下さい)。

 脳全体の司令塔の 「前頭葉」の働きが異常なレベルに衰えてきている人達、言い換えると「アルツハイマー型認知症」の症状を示している人達は、脳の働き具合とそれに対応した症状のレベル及び正常なレベルへの回復の可能性と言う視点から区分すると、軽いほうから回復させることが容易な「軽度認知症」(「小ボケ」:社会生活面に支障)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(「中ボケ」:家庭生活面にも支障)、及び回復させることが最早困難な「重度認知症」(「大ボケ」:セルフケア面にも支障)の「三つの段階」に区分されるのです。様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症』の症状について、世界中の専門家達は、末期の段階の症状、私たちの区分で言う「大ボケ」の症状だけが、認知症の症状を示すものとしているのですが、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、「3段階に区分される症状」の発現が確認されるのが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。彼ら専門家とされる人達は、他の権威ある【機関や人たち】の主張(例えば、『DSM-4』の規定内容や世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ説の主張内容 )について、微塵も疑うことが無く、金科玉条のものとして敬い、信望している結果として、『末期の段階』の症状にしか目が行ってなくて(関心が無くて)、誤解していて、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』などと重大な誤りの内容を、今日現在もなお、日々情報発信しているのです。挙句の果てと言うか、我が国政府も、『介護の予防』が当面の課題であるとしていて、発病自体の予防というテーマは、今後の研究課題という位置づけに終わっているのです(有識者会議が導いた結論)。

※ 東日本大震災の翌年、20123に書き始めたこのブログは、総数の字数で500万字を超えました。書くべき「テーマ」は書き尽くし、著作権も自動的に発生しているので、今後は趣を変えて、『万年カレンダー』タイプで、書いてみようと思い立ったのです。このブログ上で公開してきた「二段階方式」の主張内容が、近い将来に、必ず、『世界標準になる』と確信しています。

本著作物「E-10」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

   エイジングライフ研究所 (ホームページ) 

                 & 脳機能からみた認知症(もうひとつのブログ)  

 

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アルツハイマー型認知症と介護の予防、発病の予防及び正しい治療の方法(E-07)

2020-07-07 | 仕事とは無縁になる「第二の人生「」をどう生きるか

                 
(プロローグ)
書店に行くと、『アルツハイマー型認知症』について、数多くの本が出版されていることが分かります。学者が書いたもの、医師が書いたもの、介護の従事者や体験者が書いたものなど、いろいろです。それらの書物はほとんどを読んだのですが、全てが、誤った内容のものであることに驚かされるのです。特に、『アルツハイマー型認知症』の本態、発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズム、症状の治療、更には、発病の予防等の項目について記述された内容は、その全てが単なる憶測や推測に基づいただけのもので、科学的で、客観的な内容のものが存在しないのです。根拠となるデータの添付さえないのです。発病及び重症化が進行する原因には、私たち人間だけに特有な『前頭葉』という脳機能の顕現である『意識』(意識的な世界)とその廃用性の機能低下の進行という機能構造の問題が関わっていることに気づいていないのです。その上、海馬の萎縮と重度の「記憶障害」の症状が確認されるものの、『前頭葉』の機能が正常である「側頭葉性健忘症」とを区別する手技さえ持たないで、両者を混同しているのが彼らの実力レベルなのです。


&1『アルツハイマー型認知症』の症状は、三段階に区分されるのが特徴

様々な種類が数ある認知症全体の90%以上を占めているのがここに取り上げる『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症なのです(権威とされる機関の予測数値には、末期の段階のお年寄りの数だけが対象となっていて、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りの数が含まれていないこと及び25%を占めるとされている血管性認知症の内の20%分は、アルツハイマー型認知症を混同したものなので、割合が60~70%程度になっているのです)。その上、『アルツハイマー型認知症』については、世界中の認知症の専門家達(学者や研究者や医師達)から、「発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないもの」とされているのです。発病の予防については、誰もが考えてもいないのです。早期診断による症状の回復についても誰もが言及していないのです。一旦発病すると、介護が必要になるのが当然のこととして、疑われてもいないのです。それでいて、末期の段階で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つける診断と効きもしない薬の処方と投与とに、天文学的な巨額の税金が垂れ流しにされているのです。診断とは名ばかり。回復させることが困難な末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で、発病を見つけているだけ。「アルツハイマー型認知症」と言う病名を貼り付けるだけの診断がまかり通っているのです。
 私たち『二段階方式』は、『「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であり、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」により治すことが出来るし、『前頭葉』を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」(食生活ではなく、脳の使い方としての「生活習慣」を言う)の構築と継続的な実践により発病自体を予防することが出来ると主張し、市町村での「地域予防活動」を実践指導することにより、主張の内容が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです。累計者の総数が100万人を超えているとされ、我が国で大きな社会問題となっている「介護離職」は、或る意味、作り出されているのです。二段階方式を活用して(But,医療機関にとっては、必要な売り上げを稼げないので、活用できない)、発病自体を予防し、早期の段階で見つけて回復させれば、『介護』が必要な「末期の段階」(大ボケ)にまで症状が進むお年寄りの数を激減させられるからです。
※『アルツハイマー型認知症』の症状について、世の中の専門家とされる人達は、中核症状と周辺症状(随伴症状)とに区分するのが普通です。何処の誰が最初にこの区分を持ち出したのか知りませんが、『区分する意味が無い』、意味不明の区分としか言いようがないのです。自己満足の程度でしかないのですが、誰でもが、この区分を持ち出すのが不思議なのです。その人達が取り上げている症状と言うのは、「記憶障害」に起因する症状を中核としていて、全てが外観的な症状の観察に過ぎないのです。彼等は、アルツハイマー型認知症の症状が発現するメカニズムについて無知なので、様々な程度と態様とで発現してくる症状を区分する客観的な意味の有る基準を確立できていない為に、「主観的な区分」を行っているに過ぎないのです。

さて、「アルツハイマー型認知症」という病名がつけられているように、認知症である以上、『認知機能の障害』の確認が必要とされ乍ら、専門家と言われる人達は、認知機能のレベルを判定出来る手技自体を持っていないのです。どんな大病院であれ、認知機能のテストと言い乍ら、MMSEテストしか実施していないのです。MMSEテストは、脳の後半領域の働き具合、左脳及び右脳の働き具合を判定するテストであり、『前頭葉』の働きを判定することは不可能なのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、『意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界』の脳の働きの関係を簡潔に表現すると、左脳、右脳及び運動の脳の三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのが、『前頭葉』の機能(前頭前野)なのです。認知機能の障害が主命題なのに、肝心要の『前頭葉』の機能レベルを判定出来ていないのでは、認知症の発病の有無及びその程度を客観的に、科学的に、精緻に判定することは不可能なのです。『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来る手技を持ち、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及びその程度の実際の判定に活用しているのは、世界中で、私たち『二段階方式』だけなのです。
私たち二段階方式は、北海道から九州に跨る全国452の市町村を活動の場として、有償の「使用許諾契約」の締結(導入先の事情により、名目的な使用のために、賃貸借契約又は請負契約の名称を使用することもあります)に基づき、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の展開を実践指導してきたのです。二段階方式の主張の基礎には、14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』発病患者の『脳機能データ』があるのです。全ての「脳機能データ」には、発病者の年齢、男女の区分、「アルツハイマー型認知症」の発病の段階区分(症状の類型の該当項目を含む「小ボケ」、「中ボケ」又は「大ボケ」の三段階区分)、脳の使い方としての生活習慣の内容に関わる生活歴、MMSEのテスト結果、前頭葉の機能レベルを判定する為の「かなひろいテスト」の実施結果とその詳細が記録される仕組みとなっています。ここ迄精緻な「脳機能データ」は、世界中を見渡しても、私たちのデータ以外には、存在していないのです。
 私たちは、「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状並びに脳の使い方としての『生活習慣』と言う「生活歴」の把握に基づく14689例ものケース事例を解析することにより、『前頭葉』を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が、『アルツハイマー型認知症』の症状の発現の真の原因であることを突き止めているのです(主張の詳細をブログで公開してもいます。⇒ kinukototadaoと入力して、検索してください)。
私たち『二段階方式』が世界で初めて解き明かし、疫学的方法により主張内容が正しいことを実証したように、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』が真の本態である『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしており、「脳のリハビリ」の実施に因る回復の可能性の有無及びその程度により、三段階に区分されるのが特徴です(世界中の権威は、末期の段階の症状しか見ていない)。
「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状      治すことが、比較的に容易
「中等度認知症」(中ボケ)の段階の症状   治すことが、未だ可能
「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状       治すことは、もはや困難
『新型コロナ』との共生による経済活動の復活という命題の追求の下で、『3密』の回避が社会的にも強く求められる生活が必要とされ、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』達に実行されているのです。脳の使い方としての生活習慣という視点からは、『3密』の回避という生活習慣の追求と継続は、アルツハイマー型認知症の発病及び重症化の進行にとって温床となってしまうのです。その一方で、末期の段階の症状が発病の初期症状であると未だに誤解している権威達には、危機意識が芽生えることは無いのです。
 私たちの区分で言う「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が発現するお年寄りが続々と増え続けてきていても、『アルツハイマー型認知症』の本当の意味での早期の段階回復させることが可能な段階と言う意味)であることにも気づかないで居て、「不活発病」とかの無意味な名前を冠するだけで満足していて、或いは、「老化現象」だと勘違いして放置していて、学者も医師もマスコミも、全くのこと注目してはいないのです。
生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続するようになってから発病までに半年、「小ボケ」の期間が3年、「中ボケ」の期間が2~3年、その後は末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくというのが標準的な期間なのです。認知症の専門家とされる医師達は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が出てきて初めて、「アルツハイマー型認知症」を発病していると騒ぐだけなのです。見つけている段階が遅すぎ、「治せる病気」を治すことができないマンモスに仕立て上げているのです。 「小ボケ」及び「中ボケ」の段階について、標準的な滞留期間が存在する(事象事実)ことを取り上げてみても、アミロイドベータ説やタウ蛋白説を含む『4つの仮説』の主張内容が誤りであることの科学的で客観的な証拠資料が存在するのです。

  (「前頭葉」の正常老化のカーヴ) 

&2「軽度認知症」(小ボケ)の段階の典型的で類型的な症状 

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってくる
□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない
□  同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ
□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない
□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている
□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなる
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ
□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になる
□ 自分に自信がなくて、何かにつけて他の人に頼ろうとする
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になる
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更が効かない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

&3 「中等度認知症」(中ボケ)の段階の典型的で類型的な症状
□ 何度教えても、日付けがあいまいになる
□ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる)
□ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ
□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食事の後片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)
□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している
□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない
□ 入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか、石鹸が身体についたまま
□ 服の着方に無頓着で重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る;裏表や前後ろに着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)
□ 周りを汚したり流してないなど、トイレの後始末がきちんとできない
□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)
□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)
□ 自分の子供の数、生まれ順、居住場所の説明がきちんとできない
□ 季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を着る)
□ 昨日の出来事をすっかり忘れてしまう
□ 物盗られ妄想(物の置き場所を忘れて、相手が隠したとか盗んだとか言う)とか、世話をしてくれる人に対して口汚くののしる行為が見られる

&4 末期の段階である「重等度認知症」(大ボケ)の段階の典型的で類型的な症状
□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている
□ 風呂に入るのを怖がり、嫌がる
□ 服を正しく着られなくて、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする
□ 家族の名前を間違えたり、自分の子供を配偶者と間違えたりする
□ 食事や挨拶をしたことなど、直前に起きたことを直ぐに忘れてしまう
□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)
□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる
□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れに隠すようなこともあります)
□ 自宅の方向が、たびたび分からなくなる(そのまま、徘徊することにもなる)
□ 同居している家族の名前も顔も、分からない(家族かどうかも分からない)
□ 昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)
□ 傷んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする
□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする  

「アルツハイマー型認知症」を発病し、徘徊するお年寄りの数が、『我が国では、昨年度は、17479人に上った』との報道が有りました。徘徊するのは、末期の段階(大ボケ)の後半であり、「所の見当識」の得点が0点で、MMSEの総得点が10点以下のお年寄りに見られる症状なのです。専門家とされる人達は、『重度の記憶障害の症状である』として、片づけてしまうのです。専門家と言いながら彼等は、『脳の機能面』からの説明が出来ないのです。最も肝心な要因というのは、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されてきたことが原因で、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、『注意の分配力」の機能がほとんど機能し得なくなってきていることにあるのです。「注意の分配力」の機能が殆ど働かない(比較、検索、シミュレーションができない)為に、自分が現在住んで居る住居(場所)の検索と認知が出来なくなってきているので、何キロも先まで歩いて行かなくて、目の前に家が建っていても、そのことが理解できなくて、「徘徊」してしまうことになるのです。「記憶障害」の症状と短絡的に片づけないで、『前頭葉』の機能障害、就中、『注意の分配力』の機能の機能障害に起因した症状であるとの深い理解が必要となるのです。言葉を操るにも、道具を操るにも、『注意の分配力』の機能が不可欠となることに、専門家達が気付いていないだけなのです。

&5「中ボケの段階」のお年寄り達の「脳の機能面」からの分析
(1) 「中ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄り達の「脳の機能レベル」
『前頭葉』の機能レベルを判定することなく、外観から観ただけでは、比較的程度が軽い「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)が目立つように思えることが多い「中ボケ」は、認知症の専門家達からは、「老化現象」と勘違いされているのです。
「二段階方式」が典型的な症状として例示している「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の類型的な症状を子細に観察してみれば、それ等が「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)ではなくて、『前頭葉』の機能障害(「前頭葉」の三本柱の機能の機能障害を第一次的な要因とし及び実行機能の機能障害を第二次的な要因とした、即ち、両者の機能障害)に起因した症状であることが分かるのです。その為には、脳全体の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのであり、認知機能の判定に際して、「MMSEテスト」しか実施しなくて、『前頭葉』の機能レベルの判定を行うことが出来ていない専門家達は、外観的な症状から、単に推測したり、単に憶測したりしているのが実態という訳なのです。
※ 『中ボケ』の記憶障害の特徴は、脳の機能面からこれをみると、新しい記憶は記銘度が低くて想起しにくいのですが、昔の記憶は(「前頭葉」の三本柱の機能が正常で在ったころの記憶なので、記銘時の記銘度が高くて、想起され易いので)比較的大丈夫なのが特徴なのです。『アルツハイマー型認知症』の診断や研究について、権威があるとされる人達は、末期の段階の症状についてしか研究していなくて、「中ボケ」の段階の諸症状について無知なだけでなく、「二段階方式」が世界に誇る「脳機能データ」である“MMSE下位項目の項目困難度”というデータについても無知というしかないのです。「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階を含む14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』の発病患者の脳機能データが示しているのは、『MMSEの下位項目には、出来なくなっていく、極めて厳格な順番が存在している』ということなのです。記憶障害が発病の要因であるとすれば、”MMSE下位項目の項目困難度のデータ“の存在、事象事実としての当該脳機能データを説明することが出来ないのです。言い換えると、記憶障害に起因して『アルツハイマー型認知症』の様々な症状が発現してくると想定した学説である『4つの仮説』及び『DSM-4』の規定が誤りであることの、極めて重要で、客観的で、科学的な証拠資料となるのです。
 こうした特徴からも、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという視点が不可欠となるのであり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現するのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であるという考えに立ち、私たち『二段階方式』の場合は、先ずもって、「脳の機能レベル」を判定することになります。言うまでも無く、三頭立ての馬車の『御者』の働き具合及び馬車を牽引する「馬」の働き具合を判定するのです。御者である『前頭葉』の機能レベルについては、「二段階方式」独自のものである“かなひろいテスト”により、馬である左脳及び右脳の機能レベルについては、MMSEにより判定します。両者の総合的な働き具合により『脳全体の機能レベル』を判定して、且つ、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に厳密にリンクしたものとしての『症状』(「30項目問診票」)を確認するのです。
⇒ 認知症診断の専門家とされる世界中の医師達は、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定出来る手技を持たないので、脳の後半領域の働きであるに過ぎない左脳および右脳の働き具合を判定する為の“MMSEテスト”を実施するだけでお茶を濁し、憶測に基づいた判定と診断を行っているだけなのです。彼等は、失語や失認や失行の症状、又は、それ等より更に重い症状を含む末期の段階の症状にしか関心が無くて、『脳のリハビリ』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「生活習慣」)の実施により回復させることが可能である(認知症の症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階の症状、私たち『二段階方式』の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状の存在を知らないか、或いは、それらの段階について無関心というしかないのです。
(2)『中ボケ』の段階を「脳の機能面」から定義すると、脳全体の司令塔である「前頭葉」の働きが「小ボケ」のときよりも更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の時は未だ正常だった「左脳」と「右脳」の働きも異常なレベルに衰えてきていて(判定は、「二段階方式」の基準値による。以下、同じ)、「脳全体の働き」が異常なレベルに衰えているのです。『前頭葉』を含む脳全体の働き具合の衰えが「小ボケ」の時に比べ加速度的に速まるので、「症状」の出方の程度や幅も深く広くなります。「中ボケ」は、「小ボケ」(かなひろいが不合格で、MMSEの換算値は、24点以上)と大ボケ(かなひろいが不合格で、MMSEの換算値は、14点以下)の中間にあり、むしろ「中ボケの前期と後期とに区分」した方が「症状」も理解し易いのです。
MMSEの換算値が20点以上であれば、「集団の中での脳リハビリ」でも効果があるのに対して、20点を切ると手間暇コストの負担が相当に必要な「個別の脳リハビリ」でないと効果が期待できなくなるのです。20点以上と19点以下との間のたった1点の差なのに、脳のリハビリの実施に因る回復の可能性の程度という視点からは、ここに深い溝があるのです。「中ボケ」の脳の働きは、『6~4歳児』のレベルと考えて下さい。
※意識の覚醒度(意識状態)を左右する意欲、注意集中力と注意分配力が「軽度認知症」のレベルよりも更に不十分にしか働かなくなります。その結果、認知それ自体とその記銘、保持及び想起の機能の発揮が更に不十分なものとなります。左脳がらみの、言葉を介した論理的な思考、場合分け」(分析、洞察、推理、シミュレーション、検索)、計算或いは言葉に対する理解や分析力、更には、右脳がらみの色や形や時間や空間や場所等に対する認知度にも支障が出てきています。『アルツハイマー型認知症』の専門家とされる人達は、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の規定内容の重大な誤りに気づかないで居て、それに依拠している結果、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が「記憶の障害」が原因で起きてくるものとの短絡的な発想の下で、単に、誤解しているだけなのです。
正しい見方で言うと、『加齢』に起因した機能低下の進行という要因及び『第二の人生』を送る上でのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることによる相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて異常なレベルにまで衰えてきたことが直接の原因となって、状況の分析、理解、判断、行為や行動の計画、結果の洞察、推理、検索、シミュレーション、シミュレーション結果の比較と選択、決断、或いは抑制や感動等の機能が、「幼稚園児」の程度となる結果、『家庭生活面』でのトラブル(様々な支障)が起きてくるようになります。⇒『老化現象』としての症状であれば、『前頭葉』が正常な機能レベルにあることが不可欠の条件となるのです。
※『家庭生活面』での支障が起きてくるとは言え、食事、大小便、入浴等身の回りのこと(セルフ・ケア)は自分で一応できるので、家族に迷惑をかけることは余り無いのです。家族も本人の年齢を考えて、老化現象と誤解し易いのです(年が年だから、こんなものと考え易い)。『中ボケ』の段階になると、食器の後片付けや、洗濯物の取り込み、庭の草むしりといった、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできなくなります。「4~6歳の幼児」がやる程度にしかできないのです。せっかく洗ってくれたお茶碗はもう一度洗いなおさないといけないし、庭の草取りをしてもらうと花の苗まで抜いてしまいます。この程度にまで脳の機能が衰えてきていても、「重度の記憶障害」の症状が出てきていないと、家族が病院に連れて行っても、『アルツハイマー型認知症』の発病とは診断されないのです。
(3) 『中ボケ』のイメージは、「家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんと出来ないのに、口先だけは一人前」、「言い訳ばかりしている幼稚園児」が特徴です。
⇒『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、『小ボケ』には、自覚があります。「意欲もわかないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と感じていて、「以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい」という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが『中ボケ』の段階になると、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。
自分の状態に対する自覚がないので(自覚できていない)、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が「こんなところが、おかしいと」指摘しても、「そんなことはないよ。私は、ボケてなんかいない」と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。⇒ 介護に従事してきた人達が、「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄りに対して、『その人らしく生きてもらう…』とか、『本人のプライドを尊重して意見に耳を傾ける・・』とか言うことが多いのですが、「前頭葉」の機能レベルについての無知からくる『良い加減な発言』でしかないのです。

    

&6 「意識的な世界」を操る三頭立ての馬車の『御者』
(1) 意識的に何かの「テーマ」を実行する際の「前頭葉」機能の発揮度
意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、理解、考察、洞察、推理、推論、想像、判断、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、区別、比較、評価、修正、具象化、抽象化、整理、段取り、組み立て、機転、抑制、感動及び決断等、『前頭葉』の機能を構成している各種の高度な個別の認知機能群(『実行機能』と総称される=Executive Function)を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠なのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した『実行機能』の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能(実行機能)による「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という『前頭葉の三本柱』の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルとリンクしている)。私たちが『前頭葉の三本柱』の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、「三頭立ての馬車」の『御者』の役割(脳全体の司令塔の役割)を担っている『前頭葉』の構成要素の一角をなしている「個別の認知機能」による認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の認知機能を十分に発揮するに際しての『二重構造の関係』が存在していることを、「二段階方式」を活用して集積した「脳機能データ」の解析によって、世界で初めて見つけ出したのです。
(2) 意識的な行為の世界と「実行機能」の働き具合を左右する『二重構造の仕組み』
 『前頭葉』を構築/監視/管理/支配/統合機能として、相互の有機的な連携の下に「左脳」や「右脳」や「運動の脳」も参加して、「前頭葉」を含む脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(自分が置かれているその状況を自主的に判断し、判断に沿って実行すべき「テーマ」をいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容及び実行の程度と態様とを組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」と「注意の集中力」の機能の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮しつつ、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な実行内容及び実行の程度と態様とを選択して決定し、最終的に実行に移すには、必要な機能レベルでの「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の継続的な発揮が不可欠となるのです。 『第二の人生』を送っている「お年寄り」の日々の生活にとって、自分なりのテーマも目標もない、『注意の分配力』の機能の出番が少ない(使い方が不十分な)生活習慣が継続することに因り、廃用性の機能低下が進行していくことに、注意が不可欠となることを指摘しておきたいのです。
発病の原因が不明とされている『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状重症化のメカニズムを解明するには、状況の判断、テーマの発想、実行内容の企画や計画、行動や行為や言動のシミュレーション及び実行内容の比較と選択、最終的な実行の決断等を意識的に行う上で不可欠の脳機能である『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル、就中、「前頭葉の三本柱」の機能の(一定の機能レベルの下での)働き具合(機能の発揮度)の影響要因の判定が不可欠となるのであり、それらの機能の働き具合を精緻に判定出来る『手技』の適用が不可欠となるのです。左脳を介した言葉によるコミュニケーションで言えば、相手の話の内容を理解しつつ、自分の考えを構想し整理するには、「前頭葉」の三本柱の機能の中核をなす『注意の分配力』の機能(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して選択的に処理/実行する為に不可欠の機能)が、正常なレベルで機能していることが不可欠となるのであり、認知症の症状が進み、言葉によるコミュニケーションに支障が出てくるのはその為なのです。『アルツハイマー型認知症』の症状の発現の根本原因は、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因ることの理解が不可欠となるのです。
(3)「前頭葉」の機能の構成要素である「個別の認知機能群=実行機能」によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の認知機能を発揮するに際しての『二重構造』(「前頭葉」の三本柱の機能の機能レベル/発揮度が個別の認知機能の発揮度及び認知度を左右する構造)が存在していることの理解が、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現及び症状の重症化の直接の原因が、器質的なものでなくて、機能的な変化に在ることを理解する上で不可欠となるのです。
 
&7 私たちの眼前に同時存在するのは、多重で多層な『意識(意識状態)』の世界
(1) 私たち人間だけに特有な『意識(意識状態)』とは
お風呂に身を沈めて、ゆったりと朝の入浴を楽しみながら、この庭の景色をぼんやりと眺めているのです。その時、上の庭の全体像を私の目が捉えているのです。その全体像を一つの視野に入れた時、複数の様々な覚醒レベルでの「意識」と言うか、或いは意識とは二次元的な性質のものではなくて、三次元むしろ四次元的な意識状態と言うべきものであり、その「意識度」(個々の意識の覚醒の度合い)が異なる意識の世界が、複数存在していることに気づいていただきたいのです。「主題」となって意識されていない世界も、意識度は「主題」のそれよりは低いものの、別の意識の世界として、複数の意識の一つとして、存在しているのです。どれほどの過酷な修行をこなしてきた一流の修験者であろうとも、『単一の意識の世界』を意識的に体験することは、極めて困難なことなのです。私たち人間だけに特有な脳機能である『注意の分配力』の機能は、常に/通常の世界では必ず、『複数の意識を構築している』からなのです。即ち、『意識』が覚醒された状態下では、「意識の覚醒度」の差異に関わらず、多層で多重の『意識の世界』が存在していると考えられるのです。
(2)「主題」となる対象を庭の右奥のブーゲンビリアの木から、庭の中央に据え付けられているピザ窯に移したとき、主題こそ変わろうとも、同じように視野の中に捉えられている「意識度」が主題よりも低い『複数の別の意識の世界』が、そこに、存在しているのです。私たちの意識の世界は、基本的には、このような「複数の意識の世界の同時存在」と言う形で構成されているのです。それを可能にしている脳機能が、今日のテーマである、『注意の分配力』の機能と言うことなのです。思考することであれ、言動であれ、或いは行動であれ、意識的に行われるそれらの世界は、この『注意の分配力』の機能なしには存在し得ないのです。私が語っている、こうした『意識』の世界とそれを可能にしている『注意の分配力』の機能の働きについては、日本はおろか、世界中の哲学者も心理学者も脳科学者の誰一人として問題提起したことは無い、世界初の話なのです。この先、脳全体の司令塔の役割を担いながら、専門家達による研究が遅れていて、未知の領域に近い、『前頭葉』と言う機能の働きやそのメカニズムが明らかになるにつれて、今日の私の問題提起と説明が注目されることになるのです。私たちの意識的な世界と「前頭葉」の機能、就中、『注意の分配力』の機能(異なる複数のテーマを、同時に並行して、選択的に処理/実行する為に不可欠の機能)とは、切っても切れない関係にあるのですから。
私がこのテーマを今日持ち出すのは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する(解明する)上で、早期診断による回復(治療)の方法を開発する上で、或いは発病自体を予防する方法を開発する上で、「前頭葉」の機能、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能から構成される『前頭葉』の三本柱の機能の機能構造の理解が、必要不可欠のものだからなのです。
アミロイド・ベータを注入したアミロイド・マウスも、アミロイド・ベータを吸収させたアミロイド・米も、iPS細胞も、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム及び症状の重症化が進行する機序の解明に、とりわけ、「アルツハイマー型認知症」の治療薬/予防薬の開発に無関係だということを指摘しておきたいのです。何故なら、それらの説(仮説)が主張の根拠にしている、アミロイド・ベータの蓄積に因る老人斑の生成と『アルツハイマー型認知症』の発病との間には、何等の「因果関係」が存在しないからなのです。『アルツハイマー型認知症』の様々な症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能の器質的な変化が原因なのではなくて、機能的な変化、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が直接/唯一無二の原因で発現してくるものだからなのです。この極めて重要な要因が、世界中の専門家達に見落とされているのです。解剖所見に基づく誤解が、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムの解明の妨げとなり、逆に、その「誤解」に基づく研究方法への「拘泥」が迷路へと追い込み、彷徨いさせているということを指摘しておきたいのです。
(3)『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』(「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」に起因する病気)に過ぎないのであり、早期診断(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で発病に気付いて、「脳のリハビリ」を実践させること)により回復させることが出来るし(治すことが出来る)、発病自体を予防することが出来る(脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫に基づく、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる生活の実践が不可欠の条件)病気なのです。⇒ 様々な程度及び態様により発現してくる『アルツハイマー型認知症』の段階的な症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくるものなのです。このことを機能構造面からの視点で言うと、前頭葉の三本柱の機能及び実行機能の両者について、『加齢』に起因した機能低下とナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下という両要因が同時に存在し、充足される相乗効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、異常な機能レベルに低下して行くことが直接の原因で、両者の総合的な機能レベルのアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現してくるものなのです(『二段階方式』独自の考え方としての主張=世界初の見解)。
世界中の権威のある人達や組織、学者や研究者や医師達は、「DSM-4」の規定に惑わされ、『アルツハイマー型認知症』の中核症状が「記憶の障害」(第一の要件として規定されている)であると誤解して、第二の要件が規定し確認を要求している失語、失認、又は失行と言った極めて重い症状(私たちが末期の段階として規定する「重度認知症」の段階でも、更にその後半の段階、30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと発現してくることが無い極めて重度の症状)が発現してきていないと、『アルツハイマー型認知症』の発病とは考えないのです。余りにも遅い段階、極めて重度の症状の確認に基ずいた発病の診断である為に、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけて、「脳のリハビリ」を施せば治すことが出来るタイプの認知症であるにも拘わらず、治すことが出来ない病気にされているのです。
(4) 脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状進行(重症化の進行)の真の原因なのです。猶、ここで私たちが言う「単調な生活」の継続とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続(生活習慣)のことなのであり、こうした「生活習慣」こそが、発病及び重症化の真犯人なのです。
それ故、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるという本質から(発病のメカニズム)、症状の進行を遅らせる効能を有する薬も、治療の効能を有する薬も、発病自体を予防する効能を有する薬も、未来永劫開発されることは有り得ないことなのだということを指摘し、強調しておきたいのです。脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫こそ、発病を予防する唯一無二の方法なのであり、『脳のリハビリ』の実践こそが、症状の進行を抑制し及び症状を改善させる唯一無二の方法となるのです。人間だけに特有な『意識』の機能構造が発病に関わる主たる要因である為、薬が開発されることは、有り得ないのです。
※ アミロイドベータの蓄積により生成される老人斑が持つ毒性により情報を連絡する神経細胞の大量死が持たらされることが原因で記憶障害が起きてくることに因り『アルツハイマー型認知症』の症状が発現するとする『仮説』であるアミロイドベータ説は世界的には支持者が急減した仮説であるにも拘らず、我が国だけ、アミロイド・マウスとか アミロイド・米とか、肝心の因果関係の立証が為されない儘に、意味不明の材料とデータを基礎にして、意味不明の主張が有力視されて(アミロイドベータ説は、東大、京大及び理化学研究所が牙城となっている)、税金と人材と時間とが無駄に使用されているのです。「マウス」の行動を研究材料にしてみたり、iPS細胞の活用による治療薬/予防薬の開発への挑戦等、私たち人間だけに特有な機能である『意識』の機能構造についての無知からくる奇妙奇天烈な主張/試みというしかないのです。⇒ 今日現在でさえ、長期記憶、短期記憶のメカニズム及びその差異を含む、人間の脳の記憶のメカニズムについて、世界的に解明できていないにも拘らず、「記憶障害」がアルツハイマー型認知症の原因と主張しているのが、「4つの仮説」なのです(「記憶」に関する仮説の上に、「記憶障害」という仮説を乗せた、屋上屋を架した憶測だらけの主張)。
アミロイドベータの蓄積による老人斑の出現(タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化の出現)は、共に、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の原因ではなくて、発病の結果としての単なる副産物に過ぎないのです。肝心要の因果関係の立証がなされないままで居る単なる「仮説」であるにも拘らず、アミロイドベータを脳内から早期に除去することに因り、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防が出来るなど言わないで欲しいのです(単なる「憶測の類」に過ぎない)。我が国で権威がある機関の主張/試みであるがゆえに、有力な主張/試みであるかのような誤解を世間に与えているのです。

&8 『アルツハイマー型認知症』の症状と意識の機能構造を含む『脳全体の機能レベル』
生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する「生活習慣」の下では、左脳も右脳も運動の脳も、全てが正常な機能レベルに在ろうとも、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の働きが異常なレベルに衰えてくると、『前頭葉』の機能障害としての症状、言い換えると、発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の様々な症状が発現してくるのです。「アルツハイマー型認知症」は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「段階的な症状」が発現してくるのが特徴なのです。皆さんは想像できないと思うのですが、そのことに、世界中の専門家で/権威あるとされる人達(機関も含め)が、未だに気づいていないのです。何時になったら、気づいてくれるのでしょうか。
「小ボケ」の症状が発現してきていても、それを認知症の症状だとは気づかないで、「不活発病」などと訳の分からない名前を付けるだけで放置して、それまで続いていたナイナイ尽くしの単調な生活習慣を継続させたままで居ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の更なる加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、私たちの区分で言うところの「中ボケ」の段階に入っていくことになります。
 『中ボケ』の段階になると、『前頭葉』の働き具合が「小ボケ」の段階のときよりも更に異常なレベルにまで衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では、未だ正常な機能レベルにあった左脳や右脳の機能までもが異常なレベルに衰えてきているのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルがそこまで衰えてくると、「小ボケ」の段階の症状(社会生活面に支障)よりも更に進んだ重い症状(家庭生活面にも支障)を発現するようになるのです。
以前にもこのブログ中で説明したことなのですが、「記憶の障害」の症状が発現してくるのは、「中ボケ」の段階からなのですが、「中ボケ」の段階(更には「大ボケ」の段階)での『記憶の障害』の症状(記憶の障害に起因した症状を含む)とみられている症状の根幹にあるのは、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続する状況下で、異常なレベルに機能が衰えてしまった『前頭葉』の働き具合【『前頭葉』の三本柱の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきたことを基礎要因(第一次的要因)とした『実行機能』(分析、理解、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、決定、決断、抑制、感動等の諸機能)の発揮度が異常なレベルに低下してきたこと(第二次的要因)】に起因して、関係する脳機能が異常なレベルに機能低下を進行させてきたことを直接の原因として発現する(前頭葉を含む脳全体の機能低下のレベルを直接に反映した重症度区分に因る症状の発現が確認される)のです。このことを理解しておくことが、『アルツハイマー型認知症』の症状の発現及び症状の重症化が進行して行くメカニズム並びにその本質を正しく理解する上で極めて重要なことなのです。『アルツハイマー型認知症』の全ての症状は、「覚えていない」というだけの「単純なメカニズム」により発現してきている訳ではないのです。『意識』の機能構造の深い理解が、必要不可欠となるのです。⇒『アルツハイマー型認知症』の症状発現の一態様である 『記憶障害』(の症状)自体が、『前頭葉』の三本柱の機能及び『実行機能』の機能について起きてくる①「加齢」に起因した機能低下の進行及び②ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因、『両機能の機能障害』という要因に直接起因して発現してくるのです。

&9『中ボケ』の段階で発現する症状について、脳の機能面からの分析と理解が必要

(1)『中ボケ』の段階になると、脳の機能としては、『前頭葉の三本柱』の機能である『意欲』、『注意の集中力』及び『注意の分配力』の機能が『小ボケ』の段階よりも更に加速度的に異常なレベルに機能低下が進行してきたことによる『実行機能』(「前頭葉」の各種個別認知機能群=Executive Function)の発揮度の低下に加えて、左脳や、右脳も異常なレベルに衰えてきているのです。『中ボケの段階の症状』は、そのトータルの脳機能レベルのアウトプットとしての症状(『アルツハイマー型認知症』としての症状)を示しているのです。
『アルツハイマー型認知症』の発病としての診断の為の要件として、「記憶障害」の確認を第一の要件とし、「失語、失認又は失行」の症状の確認を第二の要件と規定している『DSM-4』の規定内容には、根本的な理解の誤りと定義上の誤りとがあることに、世界中の『アルツハイマー型認知症』研究/診断に関わる専門家達が早く気づいて欲しいと願うのです。
(2)『4つの仮説』の主張者及びその支持者を含む世界中の専門家達は、「記憶の障害」の症状とみられる症状を含む『アルツハイマー型認知症』の諸症状が発現する根底にあるのが、『前頭葉』を含む「脳全体の機能レベル」に厳密にリンクして発現すると言う要因であることを見落としているのです。
『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットとして私たちが「二段階方式」を駆使して類型化した「中ボケ」の症状を例にとりながら、以下に説明したいと思います。こうした症状は、単なる記憶障害の症状と言うのではなくて、且つそれ以前に、『前頭葉』の機能が「小ボケ」の段階のそれよりも更に異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因となっていることに視点を移すべきなのです。自分が置かれている状況の分析と理解と判断、状況判断に沿った「実行テーマ」の発想、テーマを実行するための計画、計画の構成内容の構想、展開の結果を見通す力、実行した場合の結果のシミュレーション、シミュレーションの結果に基づく比較、選択、修正、更には、実行の決断、或いは、抑制、感動等、『前頭葉』の各種個別認知機能(実行機能)自体が、「小ボケ」の段階時よりも、廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進行した結果としての『中ボケ」の段階の症状の発現として顕現しているのです。「記憶の障害」という憶測と推測だけに基づいた誤った要因に拘泥するのではなく、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくることに注意を向けるべきなのです。「小ボケ」の段階で確認される典型的で類型的な症状、「中ボケ」の段階で確認される典型的で類型的な症状、「大ボケ」の段階で確認される典型的で類型的な症状について、『視点』を変えてみることに因り、正しい理解が得られると思うのです。
「DSM-4」の規定が『アルツハイマー型認知症』の診断基準としての「第一の要件」に「記憶の障害」の要件を挙げていて、その確認を要求している為に、認知症の診断の医療現場では、『前頭葉』を含む脳の機能レベルを判定していない(判定できていない)だけでなく、発現する症状を単に外観面だけから観察して、それらの症状が「記憶の障害」の症状(或いは、記憶の障害に起因した症状)だと早とちり(或いは、勘違い)しているのです。
(3) 以下、『中ボケ』の段階で発現してくる症状の発現のメカニズムについて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルと言う『物差し』を判断材料にして、具体的に解説します。
☆ 『何度教えても「日付け」があいまいになる』
「二段階方式」を活用して私たちが集積した“MMSE 下位項目の項目困難度”のデータによると、『時の見当識』の項目については、日、年、月、季節、昼夜の順番に見当識が衰えていく(正解できなくなっていく)のです。これは、単に思い出せない順番なのではなくて、思い出すことが難しい順番がそうなのだということなのです⦅4点には、小ボケの後期と中ボケの初期が混在する)。
※そこで、思い出すことが難しい順番の原因とは、一体何なのかを以下に考えてみました。
「今日は何日?」と問われた時、あなたはどのようにして今日の日にちを思い出そうとしますか?日は毎日変化するので、第二の人生を暮しているお年寄りにとって、自分に関わる何か特別な出来事とか行事とかで無いと、今日が何日かを思い出せないものなのです。「12日」が、木曜日で太極拳がある日だとすると、それを起点にして「今日は、13日だ」ということにたどり着けるのですが、来る日も来る日も判で押したように単調な毎日だと、日にちが生活上の特別な意味を持たなくなり、「記銘」されにくいので「想起」できないのです。昨日は木曜日で、習い事の太極拳があって、その時お友達と、「明日は13日の金曜日ね、何か嫌なことが起きないと良いけどねって」話したから、今日は、13日よねと言う風に、生活上の出来事をきっかけにして日にちを思い出すことが出来るものなのです。但し、この作業には正常な機能レベルを有する強力な『前頭葉』の働きが必要となるのです。「今日の日にち」にたどり着くには、あれこれと手掛かりになりそうな出来事の記憶をたどっていくのに、意欲、注意の集中力及び(就中)注意の分配力(洞察、推理、検索、比較、シミュレーションする働き)の機能の継続的な発揮が不可欠となるからです。
『前頭葉』が異常なレベルに衰えてくると、何かの出来事や行事を手掛かりとして、「日にち」にたどり着くことが出来なくなってしまうのです。単に、「覚えているかいないか」と言うのではなくて、この作業ができる脳の機能レベル(「前頭葉」の働き具合)が正常な機能レベルに保持(維持)されているか否かが分岐点となるのです。「日にち」にたどり着くことがどうしても出来なくなっているとき、その脳の機能レベルは、『中ボケ』のレベルに入ってきているのです(二段階方式の『MMSE下位項目の項目困難度』のデータが根拠)。
そして、「年と月」とでは、日常の生活上、年よりは月の方が使われる機会に接することが多いということなのです。そのため、月の方が「記銘度」が高くてたどり着き易いということなのです。従って、年、月、日については、たどり着きにくい順番(「想起」しにくい順番)が『日、年、月』の順番となるということなのです。
季節と昼夜の場合では、「今の季節が何時なのか」を考えるよりは、たどり着くための判断要素が少なくて簡単な「今が昼なのか夜なのか」を考える方が容易(要求される「前頭葉」を含む脳の機能レベルが低くて済む)と言うことになるのです。
今の季節が何なのか(春なのか、夏なのか、秋なのか、冬なのか)が分からない時、その人の脳はすでに末期の段階であって回復させることが困難な「重度認知症」(大ボケ)の機能レベルを示しているのです。「覚えているか、いないか」と言うことではないことに注意して欲しいのです。
☆ 『簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる)』
私たちの「二段階方式」で採用している「MMSE」では、計算の項目の様式が、長谷川式とは明確に異なっていて、「100引く7」の計算の項目については、『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能)が関与した計算の仕方を要求しているのです。「100から7を引いて、次に、その答えからまた7を引いて、その答えから更に7を引くというのを繰り返す」ことを被験者自身の「前頭葉」を含む脳の働きに要求しているのです。つまり、長谷川式のような単純な引き算ではなく、「前頭葉」(就中、「注意の分配力」の機能)が関与した計算、言い換えると、『注意と計算』と言う作業を要求していることが極めて重要なのです。
その結果、『前頭葉』を含む脳の機能レベルが「中ボケ」の段階になって来ている人たちは、5点満点で1点の人達が大半を占めることになるのです。つまり、「前頭葉」を含む脳の機能レベルが「中ボケ」のレベルに衰えてきている人達は、買い物に行った時、簡単な計算さえも(自分でする上で必要となるレベルの意欲も注意の集中力も注意の分配力も持ち合わせていないので)出来ないのです(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる結果になるのです)。こうした症状は、単なる「記憶障害」の症状(記憶障害に起因した症状)の問題ではないということに気づいていただきたいのです。このことを理解し易いのが、『大ボケ』の段階で出てくる症状である{「服を正しく着られなくて、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする」、「自宅に居ても落ち着かず、外に出て行きたがる」、「大小便を失敗しても、後の処置が出来ない」、「傷んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする」}と言った症状を観察してみれば(こういった行為や行動は、「3歳児以下」の幼児には、しばしば観察されるものでもあるのですが)、単なる記憶障害の症状(記憶障害に起因した症状)と考えることが間違いなのです。最も重要で、核心的な要因【大ボケの後半の段階の症状が発現して来る迄に、『注意の分配力』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきていることが主たる原因で、殆ど機能していない状態に在ること】に、世界中の権威とされる人達が気が付いていない(見落としている)だけなのです。
☆『 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ』
私たちが『前頭葉の三本柱』の機能と名付けている、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、「加齢」と共にその働き具合が衰えていくという性質があります。私たちは、この性質を、「正常老化の性質」(加齢により機能低下が進行しても、加齢という要因だけでは、異常なレベルにまでは機能レベルが低下して行かない性質のもの)と呼んでいます。
『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化廃用型の単なる「生活習慣病」なのです。『第二の人生』を送る60歳を超えた年齢の『高齢者』が、何かを『キッカケ』として(「キッカケ」に特定の類型はなく、意欲を喪失し、何事にも挑戦しようとしなくなる出来事や状況の継続のこと)、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されていると、(60歳を超える年齢の「高齢者」である場合は、20歳代の初期に確認される最盛期の半分以下のレベルにまで衰えてきた)『加齢』という要因による前頭葉機能の低下及びナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続という要因による前頭葉機能の廃用性の機能低下という異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることに因る『相乗効果』により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果、『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症を発病することになるというのが私たち二段階方式の主張なのです。
発病して最初の段階が「小ボケ」の段階であり、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が更なる機能低下を加速させていき、「中ボケ」の段階に入っていくことになるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能が、『中ボケ』の段階にまで衰えてきているとすると、『記銘』する機能自体が極めて低いレベルにしかないことになるのです。⇒そもそも記憶は、「記銘」したものを「保持」して、それを「想起」してくる経路をたどります。「はっきりと記憶している」とか「すっかり忘れてしまった」とかいうことは、どの程度に記銘され、保持されていて、想起されたのかという、個々の要素の機能レベルが相乗的に影響している(個々の要素の相乗効果による)と私たちは考えています。中でも、『記銘』するときの記銘の度合い(「記銘度」)が最も重要だと考えています。海馬に集められた認知内容の情報を記銘するとき、(記銘度が高いもの)であったなら、その記銘度に応じて「長期」に保存されるし、(記銘度が低いもの)であったなら、その記銘度に応じて「短期」にしか保存されないと考えるのです。従って、「記銘」する(覚える)ときの「記銘度」が高い(よく記銘される)情報は、よく「保持」され、よく「想起」される(思い出される)のです。このことは、「記銘」した5分後に「想起」できる程度をチェックしてみれば、直ぐに分かります。「記銘度」が高い情報ほど、想起することが容易なので、よく「記銘」された(「記銘度」が高い)情報は、長期に記憶されるのです。
更には、保持/想起されやすいか否かを左右している『記銘度』は、「記銘」するときの状況(「前頭葉の三本柱」の機能の働きの度合い)に直接左右されます。記憶の対象となる認知情報を記銘する時、「意欲」が強く作用する内容であり、「注意の集中力」が深く作用する内容であり、「注意の分配力」(いくつかの異なったテーマを同時並行して処理する機能のこと)が大きく作用する内容であれば、「記銘度」が高くなるので、長期に保存され、想起しやすく、結果的に「長期記憶」となるのです。逆の場合は、記銘度が低くなるので、短期にしか保存されず、想起しにくく、結果的に「短期記憶」となるのです。もちろん、繰り返し海馬に送り込まれた同じような内容は、繰り返された回数が多いほど「記銘度」が高くなるので、其の分、より長期に記憶されることになるということなのです。
※私たちのデータによれば、MMSEの下位項目中、『想起』の機能が最も早く加齢により衰えていく項目なのです。「記銘」自体が「意欲」、「注意の集中力」、「注意の分配力」という「前頭葉の三本柱」の働き具合に直接的に大きな影響を受けるからです。
そして、「前頭葉の三本柱」の各々の機能もまた、上述したように「加齢と共に衰えていく」と言う性質を持っているのです。その為、年をとるにつれて、「覚える」こと(記銘)自体が難しくなっていき、「思い出す」こと(想起)も難しくなっていくのです。そうした正常老化の機能低下の進行下で見られる低下要因に加えて、加重要因であるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下が「中ボケ」の段階にまで進んできた結果としての、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットそれ自体が、此処に取り上げたような「症状」の発現となっているものと私たちは考えているのです。
☆ 『家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)』
説明するまでもなく、これは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットとしての症状そのものなのです。これを「記憶障害」の症状だと勘違いするような人は、認知症の専門家とされる人達の中には居ないはずと思うのですが。
☆ 『お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している』
如何にも「記憶障害」の症状のように見えますが、実は、こうした症状が発現してくる真の原因は、『時の見当識』のところで説明した構造と前述した「ガスや電気の消し忘れ・・・」のところで説明した構造とが重複した原因構造と考えられる問題、症状の発現なのです。
☆ 『自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない』
これもまた、「記憶障害」が中核の症状ではないのです。薬を飲むこと自体/或いは飲み方を忘れているという以前に、「中ボケ」の機能レベルにまで衰えてしまった『前頭葉』の機能レベル(就中、注意の分配力の機能の低下及び実行機能の機能低下)の問題が中核の症状なのです。「物忘れ、反省と工夫が効けば、年のせい」と言うようなレベルの話では、もはやないのです。 『朝食の前後、夕食の前後、或いは、就寝前などの区分に因り、何回かに分けて、どんな種類の薬をどれだけの数毎に飲むことの目的も、意味も、内容の理解自体もが不十分/不正確/不適格な『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』の下で、服薬管理を自分がしているという状況なのです。『記憶障害』で片付けられる問題ではないのです。
☆ 『服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)』
上述したケースと同じように、『服の着方を忘れた』ということではないのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能(就中、『注意の分配力』の機能)自体が、服を着ることの意味や目的や状況や場面を理解できないレベルにまで、衰えてきているということの反映なのです。

これら『中ボケ』の段階で発現してきている症状は全て、第一次的には異常なレベルに機能が低下した『前頭葉の三本柱』の機能障害が及び第二次的には異常なレベルに機能が低下した『実行機能』の機能障害が並びに第三次的には異常なレベルに機能が低下した「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能障害が、相互に影響しつつ、且つ、相乗効果的に影響して、発現してきているものなのです。

意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、判断、批判、想像、理解、了解、興味、関心、執着、発想、連想、空想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレーション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び決断等の機能からなる『前頭葉』の個別認知機能(実行機能=Executive  Function )が正常なレベルで機能していることが不可欠なのです。『小ボケ』を通り越して、更に、『中ボケ』の段階にまで『前頭葉』を含む脳全体の機能が異常な機能レベルにまで衰えてきていることの「直接の反映」が、『中ボケ』の段階の症状として発現してきていることに認知症の専門家とされる人達が早く気づくべきなのです。単に、『加齢』に起因した機能低下の進行という要因だけを原因とするものであり、正常な機能レベルに在る『前頭葉の三本柱』の機能低下を要因とした『記憶障害』の症状とか、単なる『老化現象』という訳のものではないことを知るべきなのです。私たち『二段階方式』が提起する諸問題に、世界中の専門家達が早く気付いて欲しいと切に願うのです。左脳が専管する仕事とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』における脳の使い方としての生活習慣こそが、発病するか/しないかを区分けている核心的で/唯一の/真の要因なのです。

 本著作物「Eー07」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。 エイジングライフ研究所 (ホームページ) 

 

 

 

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