認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の予防と注意分配機能の活性化(Bー53)

2016-02-01 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 

 機能落ち 過ぎゆく世界 気づかずに

    話した筋は どこへやら消え  By kinukototadao

   

(プロローグ)

 時間だけは有り余る程有るのに、することが無い毎日。一言で言ってしまえば、それがあなたの「第二の人生」。朝は遅くまで床に伏せっていて、朝食を終えたら、新聞を拡げてめくるだけ。お昼の食事を終えて少し時間が経ったらお昼寝をむさぼり、夕食を摂ったら水戸黄門を観る。太陽が東から出てきて西に沈んでいくように、同じことの繰り返し。今日も昨日と同じように日が暮れていった。追及すべきこれと言った「テーマ」もなく、期限を切って達成すべき目標となるものもなく、時が経過していくだけの日々。何の為にこうした毎日を送っているのかと、あなたは、自分の心に問いかけたことがありますか。自分はこの先、何を求めてどのように生きて行けば良いのか。考えれば考える程分からなくなってくるのが、「第二の人生」の生き方なのです。何しろ、「仕事」とは、無縁の日々なのだから。

「60歳」の声を聞くと間もなくお迎えが来てくれていた一昔前の人達と違って、誰でもが「80歳とか90歳」とかまでも生きる超高齢化社会の真っただ中に生きる私達にとって、第二の人生だけでも20年とか30年とか、人によってはそれ以上の長きにわたって、生きていくことになる訳です。これから先の短くはない、「仕事」とは無縁の「第二の人生」をどのように生きて行けば良いというのか。自分なりの「第二の人生」をどのように構築していけば良いというのか。独りそれなりに悩んでみても、答えが見つからないのです。そして、気にかかることと言えば、我が身が認知症を発病することになるかも知れないということ。「介護離職」の4文字を見るにつけ、子供たちに迷惑をかけるようにだけはなりたくないと思ってはみても、どうしたら良いのかが分からない。怖いだけなのです。

せっかくの第二の人生を、早々とボケていってしまった(但し、身体だけは、極めて長期に亘って持つことになるのですが)お年寄り達を、北海道から九州まで440を超える数の多くの市町村で20年以上にわたって数多く観察してきた、私たちからの、提言なのです。どのようにして生きて行けば良いのか。どのような生き方、脳の使い方としての生活習慣を構築し実践していけば、あの恐ろしい「アルツハイマー型認知症」を発病しないで済むのか、その為の大事なアドバイスなのです。キーとなるものは、「食生活」の在り方ではなくて、或いはテレビの広告でよく目にし、耳に聞く、何とかのサプリメントの摂取とかでもなくて、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方なのです。

    

& 「第二の人生」でのあるべき生き方と脳の使い方

 周りの誰でもが80歳や90歳まで生きる超高齢化社会にある我が国。定年を60歳か65歳で迎えるとして、第二の人生が20年も30年もあるのです。「第二の人生」を送るということは、そのことを好むと好まざるとにかかわらず、左脳が活躍の中心となる仕事とは無縁の日々を送る人生ということになるのです。残るのは、右脳と運動の脳だけになるのです。ボケとは無縁で、第二の人生を完走する為には、「前頭葉」を含む脳全体の活性化が常に求められるのです。即ち、「アルツハイマー型認知症」を発病しない為には、「身体がもつ限り脳も持たせる」ことが必要不可欠の条件となるのです。それでいて、仕事とは無縁の第二の人生では、第一の人生とは違い、「左脳」が中核となって活躍できる場が無いのです。どんな「テーマ」を見つけて、どのように実践すれば、左脳の出番が少なくても、脳全体の司令塔の役割を担っているあの「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能を正常なレベルのままに保たせることができるというのでしょうか。三頭立ての馬車の御者の役割を担っているのが「前頭葉」という脳機能なのです。「三頭立ての馬車」と言いながらも、第二の人生では、「右脳」を中核とした「三頭立て」の馬車が要求されることになるのです。

    

旅行に出かけようと、美術館巡りをしようと、独りでただ忙しく出かけるだけでは、生き甲斐も喜びも獲得することは難しいのです。何かが足りないと感じるその心の隙間を、埋めることは出来ないのです。じゃあ、どうしたら良いというのか。

「テーマと目標」と言う冠をかぶせて、且つ、出来れば、我が身一人ではなくて、気が置けないお友達と一緒に、その実行自体を及び実行の過程自体を楽しむことが肝心なのです。そうした生き方、脳の使い方としての「生活習慣」を構築し実行することが、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁で、「第二の人生」を完走する必要不可欠の条件となるということなのです。

あなたの周りの人達をよく眺めて、よく観察してみてください。同じように、左脳が主役となる仕事とは無縁の「第二の人生」を生きていながら、右脳や運動の脳を積極的に活用して、「前頭葉」の出番が多い日々を送ることによって、生き生きとした毎日を暮らしている人達がいるはずなのです。所謂、「かくしゃく老人」達の生き方です。その人達の生き方の特徴を簡潔に表現すれば、それは「第二の人生」を自分なりの楽しみ方で、自分なりに楽しんで生きている人達だということなのです。

必要なのは、これまでのあなたの価値観、生き方の物差しの転回なのです。第一の人生では、左脳が主役となる「仕事」と言うテーマを遂行する上で、或いは周りと比べて見劣りしない水準の生活レベルを維持するために、言い換えればあなたが生きていく為に、好むと好まざるとにかかわらず、甘んじて受け入れ、我慢して受け入れざるを得なかった諸条件、或いは諸環境について、出来るだけ脇に押しやる生き方をするのです。仕事とは無縁になる「第二の人生」を生きていく上では、そうした条件や環境を我慢することは無い、我慢しない生き方の方が、あなたの脳の健康にとっては、良いことなのです。そのことに加えて、「何事につけて、周りと自分とを比較する」という物差しを捨て去って、「自分なりに、自分らしく生きる」という第一の人生での物差しとは全く異なる物差しを掲げて生きる生き方こそが、あらゆる思考や行動の最も重要な評価規範、価値規範となるべきだということなのです(ここを「クリック」してください)。

自分らしい「テーマ」を見つけて、自分なりの「目標」を設定して、自分なりに(出来るだけ自分らしく)追及して、その過程自体を自分なりに楽しむことが大切なのです。そして、過程や結果を周りの人達のそれとは比較しないこと。要は、自分に与えられた環境を肯定して、「自分なりに生きること」、「自分らしく生きる」ことが大切なのです。そうした生き方が、脳の健康を維持する上で、不可欠の条件となるのです。自分自身の生き甲斐や喜びを得る為にも、家族にそれなりの生活をさせる上でも、第一の人生では「左脳」が中核となる「仕事」が、あなただけでなく世の中の誰にとっても、第一の関心事だったと思うのです。ところが「仕事」とは日々無縁の生活となる「第二の人生」では、「右脳」が中核となる生き方が必要となるのです。「右脳」が中核となる生き方とは、「趣味や遊びや人付き合いや運動や社会活動」の分野に、自分なりの「テーマ」を見つけることなのです。第一の人生で大活躍したあの左脳ではなくて、第二の人生では、右脳が中核となる生き方が求められるのです。その生き方によって、仕事とは無縁の第二の人生を送る中での、自分なりの生き甲斐や喜びが得られる生活が獲得されることとなり、ひいては、「前頭葉」を含む脳全体の活性化が得られる「生活習慣」の構築へとつながっていくことが出来ることになるのです。こうした生き方こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に必要不可欠の条件となるのです。認知症全体の90%以上を占めていて、(日本だけでなく世界中の)認知症の専門家とされる人達から、発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防する手立てもないとされてきている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないからなのです。アミロイドベータの蓄積やタウ蛋白の蓄積ではなくて、更には食生活でもなくて、脳の使い方としての「生活習慣」が、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病及び症状の進行(重症化)を左右する唯一の要因だからなのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病の原因について、学説(仮説)として、幅を利かせてきた従来の最有力説としてのアミロイドベータ説は破綻してしまいました。残された学説(仮説)は、少数説としてのタウ蛋白説だけと言う状況なのですが、この説も近い将来に破綻が確認されることになるはずなのです。「前頭葉」の機能と言う視点がなく、「記憶の障害」が中核症状だとするアミロイドベータ説と同じ考え方だからです。

そして最後に生き残るのは、発病の原因は、「前頭葉」を含む脳全体の異常で加速度的な廃用性の機能低下にあり、その源は、脳の使い方としての生活習慣に在る、すなわち、「アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病である」と言う考え方、私たちだけが独自に主張してきた考え方に行きつくことになるのです。その時期は、2017年の春か夏頃と言い切っておきましょう。

   

& 身体が持つだけでは、生きる意味がないのです。身体が持つ限り、脳も持たせないといけないのです

○ 60歳を超えた年齢の「高齢者」だけが「アルツハイマー型認知症」を発病する(発病の「第一の要件」)

私達がこれまでに集積してきた極めて多数の症例に基づく「脳機能データ」によると、日々の脳の使い方としての「生活習慣」について特段の問題が認められない「正常な老化」の場合でも、「高齢者」と呼ばれる年代の65歳頃になると誰でも、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合が、そのピーク時である20歳代の半ば頃に比べて、「半分程度」にまで衰えてきているのです。このことが、誰でもが生来的な性質として具有する「前頭葉」の三本柱の機能の加齢に伴う老化(私たちが名付ける「正常老化」の性質)の重要なポイントでもあるのです。つまり、私たちの定義では、「60歳を超えた年齢の高齢者である」という要件こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」なのです。言い換えると、60歳を超える年齢に達しているお年寄りは誰でも、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を発病するリスクを抱えているということになるのです。

そして、「前頭葉」の三本柱の機能の加齢による「正常老化」のカーブは、その先70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と年をとるにつれて、「直線的」ではあるが緩やかなカーブを描きながら、更なる「低空飛行」の状態に入っていくのです。それ故に、実態面を見るとき、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は60歳を超える年齢の「高齢者」だけということになるのです。更に言えば、60歳代よりも70歳代、70歳代よりも80歳代、80歳代よりも90歳代、90歳代よりも100歳代と、年齢が増せば増す程「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の「年代毎の発病率」が高くなっていくのです(年をとればとるほど、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの割合を示す数値が大きくなる)。私たちが「地域予防活動」を指導してきた(日本全国)北海道から九州までの440を超える市町村のどこでも、この「アルツハイマー型認知症」に特有の「実態」が確認されているのです。

  ○  脳の使い方としての「生活習慣」が発病の引き金に(発病の「第二の要件」)

「正常な老化」のカーブを辿りつつ年をとっていく過程にあるとはいえ、「前頭葉」の三本柱の機能が「低空飛行」の状態に入ってきている「60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢のお年寄り」が(上述した、発病の「第一の要件」の充足)、脳を積極的に使おうとはしない「単調な生活」、キャッチ・コピー的な表現を借りて言えば、「生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」というナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると(発病の「第二の要件」の充足)、出番が極端に少ないために使われる機会が極端に減った「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくることになるのです。

つまり、「第一の要件」と「第二の要件」とが重なり合う(二つの要件が「同時に充足される」)ことの「相乗効果」によって、「前頭葉」機能の老化が加速度的に進んでいくことになるのです。「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことにより、脳全体の働き具合(「機能レベル」)が異常なレベルに衰えてくるその先に、「アルツハイマー型認知症」(晩発型、或いは老年性「アルツハイマー病」と呼称されることもあります)の発病が待っているのです。その最初の段階が、私たちの区分でいう「軽度認知症」(小ボケ)の段階なのです。

    

(コーヒー・ブレイク) 「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることによるその相乗効果により「廃用性の機能低下」が進むときは、上の左端図が示すカーブに見られるように、直線的ではなくて放物線を描いて、「加速度的」に脳の機能が衰えていくことを、私たちが集積してきた多数の症例の「脳機能データ」が示しているのです。上の右端の図は、それを立体的に表示したものなのです。

私たちが開発した「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して14689例に及ぶ脳機能データを解析して判明したこと、それは、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることの「相乗的な効果」により、「廃用性の異常な機能低下」が加速度的に進行していくときは、「前頭葉」を含む脳の機能に「衰えていく厳格な順番が存在する」と言うことなのです。これこそが、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症だけに特有の特徴なのです。従って、この要素に着目することによって、「アルツハイマー型認知症」以外のタイプの認知症との精緻な鑑別及び認知症と紛らわしい病気との精緻な鑑別が可能となるのです。私たちは、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの直接的で且つ精緻な判定基準を保有しているのですが、医療現場での診断は、皆さんの予想/期待に反して、明確な診断/鑑別の手技及び基準を有してはいないのです。認知症の専門医と称していながら、世の中の医師達は、様々な種類の認知症の症状を前にして、様々な基準によって診断していきつつ、それらを順次除外していって、最後に残ったものを「アルツハイマー型認知症」と診断しているだけなのです。それ故にこそ、「アルツハイマー型認知症」の診断には不必要で無用な、高額の費用が稼げるだけの機器、MRIやらSPECTやらPETやらを平気で診察に使用しているのです。

「アルツハイマー型認知症」である時は、「三頭立ての馬車」の御者の役割をしている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、「前頭葉」機能の更なる異常な機能低下が進行する中で同時に、馬の役割をしている「左脳」や「右脳」や「運動の脳」までもがその順に異常なレベルに衰えていくことになるのです。然も、「アルツハイマー型認知症」の場合には、且つ、その場合に限り、MMSEで測定される「左脳」及び「右脳」の衰え方自体にも「規則性」がある(衰えていく厳格な「順番」がある)ことがとても重要な特徴なのです。「前頭葉」と「左脳」及び「右脳」のそれぞれの衰え方、或いはその組み合わせでの働き方の衰え具合と症状の発現(三段階に区分される「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接の反映としての三段階に区分される「認知症の症状」)とが、他の種類の認知症、或いは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行等)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な「指標」としての役割を果たしてくれるのです。

脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当しているのが「前頭葉」の各種個別認知機能なのです。その働きが、余りにも高度で、複雑で、且つ働き方や働き具合が様々な程度と態様を示すので、計測したり判定したりする方法の開発が難しい為に、研究自体が遅れているのです。そのため研究者達から、脳の中の「空白地帯」とさえ言われてきたのです。私たちは、「アルツハイマー型認知症」の脳の機能の衰え方のデータ(「脳機能データ」)を解析していて、MMSEで測定される「下位項目」の衰え方にも厳格な「規則性」があることに気付いたのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の機能低下を示しているときは、「下位項目」の衰えて行く順番に厳格な規則性があるということなのです)。「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳の機能レベルを調べ、「下位項目」の衰え方が規則通りであるか否かを判定することにより、「アルツハイマー型認知症」であるかどうかを極めて精緻なレベルで鑑別できるのです。これは、まさに「コロンブスの卵」でした。認知症の専門家達から、「原因もわからないし、治すことも出来ないし、予防することも出来ない」病気と言われている「アルツハイマー型認知症」の診断につき世界的に権威があるとされている米国精神医学会の診断基準である『DSM-4』への挑戦が、そこから始まったのです。

『DSM-4』の規定には、重大な誤りがあり、それがために、回復が困難な末期の段階(私たちの区分でいう、「重度認知症」の段階)しか見つけることができなくて、回復が可能な早期の段階(私たちの区分でいう、回復させることが容易な「軽度認知症」の段階と回復させることが未だ可能な「中等度認知症」の段階)を見逃しているだけだということが分かってきたのです。

   

意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする場面では(例えば、あなたが、付き合いがあまり深くないお友達の家に伺って、孫の就職についての頼みごとをするというテーマを考えてみてください)、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、シミュレーション、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」を構成している各種の個別認知機能を高度に発揮するには、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが必要となるのです。認知度が低いと、「前頭葉」の各種個別認知機能自体が必要なレベルで機能を発揮出来なくなるからです。その「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という機能、私たちが「前頭葉」の「三本柱」の機能と名付ける機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。

ところが、この「三本柱」の機能自体に、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質(誰にでも備わっている生来的な性質)があるのです。60歳を超えた年齢の「高齢者」が、「第二の人生」を送る日々の中で、「生き甲斐」を覚える機会も無く、これといった「目標」となるものもなく、「趣味や遊びや人付きあい」を楽しむ機会もなく、「運動」もしない、謂わばナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っていると言うことは、脳の機能面から言うと、「前頭葉」の機能の中でも最も基本的で不可欠な機能であり、「前頭葉」の各種個別の認知機能の「認知度」及び「発揮度」を左右する働きをしている意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉」の「三本柱」の機能の出番が極端に少ない生活を送っているということになるのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々送っている中で、もともと加齢により機能が衰えていく性質を持っている「三本柱」の働き(その反映としての「前頭葉」の個別認知機能の働き)が、膝の筋肉と同じように、廃用性の異常な機能低下を起こしてきて、更には、加速度的に働きが衰えていくことになるのです。

「前頭葉」の「三本柱」の働きが、廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしていくということは同時に、自発性、観察、分析、考察、洞察、想像、推理、表象、批判、理解、了解、把握、判定、興味、関心、着眼、発想、連想、空想、妄想、意図、企図、企画、計画、創意、工夫、創造、具象化、抽象化、シミュ・レーション、予見、予測、修正、比較、選択、確認、整理、統合、判断、決定、決断、監視、機転、拘泥、執着、憤怒、抑制、忍耐、及び感動等といった「前頭葉」全体の機能の構成要素としての各種の高な個別の認知機能の「認知度」及び「発揮度」も同時に加速度的に低下していくということなのです(「二重構造」の仕組みの問題)。そうした「前頭葉」の各種個別認知機能が異常なレベルに機能低下した状態の下では、「前頭葉」の機能低下を核として並びに左脳、右脳及び運動の脳の機能低下を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が認知症の症状、すなわち、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくることになるのです。つまり、三段階に区分される脳全体の「機能レベル」に厳密に対応する三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくるのです。

    

「前頭葉」の三本柱の機能が異常なレベルに機能低下してきた(廃用性の機能低下)ことに直接起因して発現してくる症状、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階の中核的な症状として「二段階方式」の判定基準として例示してあるものの中から、いくつか取り上げて、具体的に説明してみることにしましょう。

□ 複数のことに注意が分配できなくて、3つの用事が同時にさばけない(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ 機転がきかなくて、状況に応じた創意工夫ができない(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ 何事をするにも億劫で面倒がり、何かをやってみようという意欲が見られない(「意欲」の機能の機能障害としての症状)

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられず、なにも思いつかない様子(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ これまでなら感動していたことに対して感動しない(「感動」の機能の機能障害としての症状)

□ ぼんやりしていることが多く、自分から何もしないが指示されるとできる(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ(「注意集中力」の機能の機能障害としての症状)

□ 自分が言いたいことだけを一方的に言い、相手の話を聞こうとはしない(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

□ 簡単な計算ができなくなり、お札ばかりで買い物をするために、やたらと小銭がたまる(「注意分配力」の機能の機能障害としての症状)

(注1)「前頭葉」の機能だけが異常なレベルであって、「左脳も右脳も運動の脳」も機能が未だ正常レベルにある「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現してくる症状は、この「三本柱」の機能の異常な機能低下(機能的障害)のアウト・プットそのものなのです。

    

(再度コーヒーブレイク)

以下は、前頭前野や頭頂葉領域が交通事故などで損傷された場合に確認される注意障害の症状(「前頭葉」機能の器質的変化に起因する症状)の特徴とされるものです。

上述した、「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状として例示した症状群(「前頭葉」の廃用性の機能低下により、異常なレベルに機能が低下してきたことが原因で起きてくる症状)と酷似していることに驚かれると思うのです。発病の原因もメカニズムも全くのこと不明とされている「アルツハイマー型認知症」の本質とは、「前頭葉」を含む脳全体の異常で加速度的な機能低下が原因で症状が発現し、且つ症状が進行していく(重症化していく)タイプの認知症、私たちが主張する廃用症候群に属する「生活習慣病」なのです。その症状は、「小ボケ」の段階に始まり、次いで「中ボケ」の段階を経由して、最後は末期の段階である「大ボケ」の段階に至るという「三段階」に区分される段階的症状を示すのが特徴なのです。従って、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下していくにつれて、症状が進行し重症化していくことになります。その中核をなすのが脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能低下に起因する症状なのです。上述した「小ボケ」の段階で発現が確認される症状(「前頭葉」機能自体の廃用性の機能低下が進行していくにつれて発現してくる症状)は、次第に下記に例示する「前頭葉」機能の器質的な変化に起因する症状に近づいていくことになると考えられるのです。

①  集中せず、落ち着きがなく、言われないと何事も続けられない。

②  1つのことに集中出来ず、すぐに中断し、長続きしない。

③  細かいことへの注意が抜け、ミスが多く、能率が上がらない。

④  他のことに気が散り、目的に沿った言動や行動が出来ない。

⑤  複数のテーマを、同時に進行処理することが出来ない。

⑥  注意が散漫になり、周りの声や他の動きに注意がそれやすい。

⑦  周りの状況変化に応じた、臨機応変の修正や変更が利かない。

⑧  ぼんやりしていることが多く、思考自体が先に進まない。

⑨  てきぱきと物事を処理することが出来ない。

⑩  動作自体がのろくて、言葉での反応も遅い。

    

& 脳を活性化させる脳の機能とその構造

○「前頭葉」の三本柱の機能構造とその衰え方の特徴

意欲、注意の集中力及び注意の分配力(異なったテーマを同時に並行して処理する為の機能)の機能から構成されていて、私たちが「前頭葉」の三本柱と名付ける機能は、実は、三層構造をしているのです。意欲が大本の機能であって、その上に注意の集中力の機能があり、更にその上に注意の分配力の機能があるのです。意欲のスパンが大きければ大きいほど、注意の集中力の機能のスパンも大きくなり、注意の集中力の機能のスパンが大きいほど注意の分配力の機能のスパンも大きくなるという意味での「三層構造」をしているのです。何かのテーマを思いつくにも、実行するにも、意欲が働かなくては、前に進むことが出来ないのです。集中力も上がらないし、注意の分配力(頭の回転速度)の機能も速くは動いてくれないのです。その一方で、使われる機会が極端に少ない生活習慣の下で廃用性の機能低下によって働き具合が衰えていくときは、逆に、注意の分配力の機能、注意の集中力の機能、意欲の機能の順番に衰えていくことになるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するためには、言い換えると「前頭葉」の機能レベルを正常な機能レベルのままに保ち続けるためには、「注意の分配力」の機能の出番が多い「生活習慣」の構築と実践とが必要不可欠の条件となると言うことになるのです。

    

○ 脳の活性化と「前頭葉」の三本柱の出番が多いテーマの遂行

上述したように、脳を活性化させるということは、「前頭葉」の機能を活性化させることが大前提となるのです。「前頭葉」が活性化していない状態での、左脳や右脳や運動の脳の活性化と言うことは、「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常な機能レベルにある世界では、脳の機能構造からして絶対にありえないことなのです。上述したように、「前頭葉」の個別の認知機能の発揮度は「前頭葉」の三本柱の機能の発揮度に左右されるという構造になっているからなのです。これを分かり易く説明すれば、 御者が居眠りをしていて、三頭の馬が働くという場面では、制御不能の状態で三頭の馬がそれぞれに勝手に働くと言うことを意味することになるからです。このことは、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階であり、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階にある人達の症状を観察してみれば容易に理解できることなのです。施設に住む要介護状態に在るお年寄り、大ボケの段階の症状が確認されるお年寄りの、暴言や暴行、或いは粗暴行為は、その典型的な事例なのです。

上述した脳の機能構造(並びに私たちが集積してきた「脳の機能データ」)に鑑みて言うと、脳の活性化とは、「前頭葉」の活性化であり、もっと言えば、「前頭葉」の三本柱の機能の活性化であり、就中、「注意の分配力」の機能の活性化と言うことになるのです。自分の置かれている状況を判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、発想したテーマを実行する為の思考や行為や言動や態度や行動を具体的に計画し、実行した結果をシミュレーションして、最終的な内容を選択し決定するには、「注意の分配力」の機能が正常な機能レベルで働くことが必要不可欠の条件となるのです。皆さんも脳科学者も心にとどめおいていただきたいのです。私たち人間の意識的な世界を拡大展開するキーとなる脳機能とは、この「注意の分配力」と言う機能なのです。従って、脳の活性化とは、この「注意の分配力」の機能の出番が多いテーマを日々実行して、「生活習慣」となるまでに継続して実行することが必要条件となるということなのです。様々なレベルの介護施設で実践されているテーマ、「簡単な足し算や引き算をしたり、或いは、ひらがなで書かれた(読み仮名がふられた)おとぎ話を音読する」と言ったテーマを日課とすると言ったレベルの実践では、「前頭葉」の活性化にはつながらないと言う私たちの主張の根拠は、此処に在るのです。更に問題を指摘すれば、少しばかり意欲が出てきたとか、物忘れする機会が減ってきたとか言ってもそれは、このテーマを実行していることが原因ではないのです。因果関係の評価対象を誤っているだけなのです。実際は、教室が始まる前と終わった後の教室に通ってくるお友達との談笑がその効果の原因となっているだけなのです。このテーマの実践を、教室に通うことをやめて、家に籠って独りだけでやっている場合と比較してみればすぐわかることなのです。ところで、脳の機能構造から見た脳の活性化と言う考え方を理解されたとして、皆さんは、どのような「テーマ」を脳の活性化のテーマに選ぶのでしょう。皆さんが選択すべき第一の「テーマ」は、「速足の散歩」(ここを「クリック」してください)です。その次に選択すべき第二、第三の「テーマ」(矢)をどのようなものにするのか、第一の矢を実践して、「意欲」のスパンが大きくなってきた段階で、じっくり考えてみてください(ここを「クリック」してください)。

付言しておくと、「 お年寄り」の脳を活性化させることを目的としたゲーム、お年寄りを熱中させて「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に役立つようなゲームの開発を企画中のあなた(会社)に、一言重要なアドバイスをしておきましょう。最も重要なポイントは、上述した「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多いテーマの処理を内容とする物語性のゲームと言うことになるのです。然もそのゲームが楽しくて、またやりたくなるということも、もう一つの重要な視点となるということなのです。どのような開発のコンセプトが脳の活性化に有効なのか?それは、国家機密なので、此処では、教えられないのです。じゃあ、頑張ってください。

 注)本著作物(Bー53に記載され表現された内容)に係る著作権は、

 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

     エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

      脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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アルツハイマー型認知症の発病と脳機能の衰え方との相関(B-52)

2016-01-15 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 

  日も時も 消え失せにけり 吾が妹は

  想い起せば ナイナイ尽くし By kinukototadao

 

    

プロローグ)

 アルツハイマー型認知症」の発病者数が、認知症発病者数全体の90%以上を占めているにもかかわらず、世界中の認知症の専門家達の間では、未だに発病の原因も(メカニズムも)分からないし、治すことも出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症だと考えられているのです。当然のことながら、このブログを読んでおられる皆さんもそう信じていると思うのです。

ところが実際には、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病自体を予防することも出来るし、治すことも出来る病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。すなわち、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気なのです。末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけているがために、発病の原因もわからないし、治すことも出来ない病気にしているだけなのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つければ、脳のリハビリ(脳の使い方としての生活習慣の改善と工夫)によって治すことが出来るのです。「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体を活性化させ、脳全体を正常なレベルのままに維持させる生活習慣、趣味や遊びや人付き合いや運動を日々の生活に取り込み、自分なりに第二の人生を楽しむ生き方、自分なりの目標や喜びがあり、自分なりに生き甲斐が得られる生き方が出来てさえいれば、「アルツハイマー型認知症」を発病することは無い、発病自体を予防することが出来るのです。以下に順を追って、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムについて、詳しく説明していきたいと思います。

 

    

&1アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症

(1) 学説の考え方

アルツハイマー博士が最初に報告した症例が50歳代発病の、所謂、「若年性の症例」だったので、若年発症のものをアルツハイマー病、高齢(老年)発症のものをアルツハイマー型認知症として区分ける考えがあり、両者には臨床的にも、病理学的にも、何ら区別すべきものはなく、全てを、アルツハイマー病と呼ぶべきとするのが主流。

(2) 私たち(「エイジングライフ研究所」)の考え方

若年発症のものは、遺伝因子の関与が主たる要因であり、高齢発症のものは、加齢による脳の老化が第一次的要因(正常老化の性質)であり、脳の使い方としての単調な「生活習慣」が第二次的要因であると考えているのです(市町村でのボケ予防教室の展開の結果と関係する「脳機能データ」の蓄積)。

また、発症後の症状の進行スピード及び可逆性ならびに治療及び発病予防の可能性の点で、両者は根本的に異なるものと考えているのです(「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状の解析並びに脳の使い方としての「生活習慣」の在り方が与える治療及び発病予防への影響の解析)。

 

    

&2「 アルツハイマー型認知症」の中核症状とされる記憶障害の症状

(1) 学説

「アルツハイマー型認知症」の中核症状は、「記憶の障害」であるとする。年をとると誰でも物忘れをするが、これは、病気によらない「生理的な物忘れ」であり、「アルツハイマー型認知症」の記憶障害は、病的物忘れであるとするもの。

その場合、「生理的な物忘れ」では「忘れたことを自覚」しており、病的物忘れでは忘れたこと自体を自覚しないとする(Ex.昨日レストランに行って食事をして、何を食べたのか食べたメニューを想い出せないのは、生理的な物忘れであって、レストランに行って食事をしたこと自体を想い出せないのが、病的な物忘れ、認知症の症状としての物忘れであるとする)。

(2) 私たち(「エイジングライフ研究所」)の考え方

私たちが提唱する「二段階方式」では、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合と症状とをリンクさせて調べるのが基本であり、常に、原因である脳の働き具合(「機能レベル」)を調べると共に、脳の働き具合の直接のアウトプットとしての症状(症状の種類と程度)を調べるのです。

「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が加齢と共に老化していき(私たちはこれを「正常老化の性質」と名付けています)、その働き具合が衰えていく(脳の機能レベルが低下していく)と言う生来的な性質に注目しているのです(廃用性の機能低下が原因で脳の働きが衰えていく場合の厳格な「順序」についてのデータについては、ここを「クリック」してください)。

加齢による脳機能の低下(老化現象)に加えて、使われる機会が極端に少ないことに起因する廃用性の機能低下が起きてきて、両者が同時に充足されることの相乗効果としての脳機能低下、加速度的で異常な機能低下が進行していく際は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが最初に衰え始め、「前頭葉」の働き具合が異常なレベルになった最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、左脳も、右脳も、運動の脳も、その働きが、未だ正常域にあるのです。次のステップである「中等度認知症」(中ボケ)の段階で初めて、左脳と右脳の働きが異常な機能レベルになるのです。そして、認知症の専門家とされる人達が「アルツハイマー型認知症」の症状だと騒ぐのは、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階のことなのです(実は、これは、認知症の末期の段階なのであって、それよりも軽い段階である、小ボケと中ボケの段階が見落とされているだけのことなのです)。認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の中核症状として記憶の障害を挙げているのは、恐らく、アメリカの精神医学会が制定している認知症の判定基準であるDSM-Ⅳ(Dementia of the Alzheimer’s Type)」の多大な影響であろうと思われるのです。

その規定は、「アルツハイマー型認知症」と診断する為の第一の要件として「 記憶障害が確認されること」及び第二の要件として「 失語、失認、失行、又は実行機能障害のいずれか1つ(又は、それ以上)が認められること」を要求しているのです。

学説も、DSM-Ⅳも、私たち人間が、意識的に何かを実行しようとする場合(左脳がらみの行為、右脳がらみの行為、運動の脳がらみの行為、或いは、それら高次機能のうちの二つ以上の脳が共同して働く行為)、「前頭葉」が、左脳、右脳、運動の脳(或いは、それら高次機能のうちの二つ以上の脳)と必ず連動して働いていることを見過ごし、或いは気づいていないのです。私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしている脳全体の司令塔としての「前頭葉」の働き方のメカニズムについて/衰え方の原因とその特徴について余りにも無知と言うしかないのです。

「前頭葉」と言う脳機能の司令塔としての役割の在り方(左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭の馬を操る「前頭葉」の役割)、三頭立ての馬車の御者としての役割を理解していないのです。特に、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し実行しようとする様々な場面では、「前頭葉」の諸機能の中で最も中核的な機能であり、認知の程度を左右する「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能(私たちは、これらの機能を総称して、「前頭葉の三本柱の機能」と呼んでいます)レベルに大きく依存していることが看過されているのです(見落とされている、或いは気づいていないのです)。

更に重要なこととして指摘しておきたいのは、「前頭葉」には、加齢とともにその働きが衰えていく、老化していくという性質が生来的に(人間であれば誰でも)具有されており(「正常老化」の性質)、「前頭葉」を含む脳全体をどのように活発に使うのか/使わないのかという視点での「生活習慣」、すなわち、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方次第で、脳の老化のスピードが違ってくるということが見逃されているのです(別途、「脳の老化のスピード差」に関する私たちが集積してきたデータを開示し、説明します)。脳の専門家とか、認知症の専門家とか称する人達の誰一人として、「正常老化」の性質のことにも「脳の老化のスピード差」に関しても、気づいていないのです。更に言えば、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する上で、発病を予防する方法を見つける上で、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階を見つける上で及び正常なレベルに回復させる(「アルツハイマー型認知症」を治す)方法を見つける上で、不可欠の要素である「前頭葉」と言う脳機能の働き方のメカニズム、衰え方のメカニズムとその特徴、或いは、活性化するメカニズムについて、全くの無知と言うしかないのが実情なのです。その人達は、何をもって専門家だと自負しているのか理解に苦しむのです。

 

   

&3 短期記憶と長期記憶を生む源(メカニズム)は、何なのか

認知症の/脳の専門家達の間では、「記憶の障害」についても、侵されていく場所の問題(海馬とその近傍の脳)と理解(誤解)されているようなのです。「アルツハイマー型認知症」では、初期段階から、記憶の一時貯蔵に重要な海馬やその近傍の脳から侵されるので、「短期記憶」のうちのワーキング・メモリー(作業記憶)も、初期から侵されると説明されているのです。

一方で、「長期記憶」が保たれる「アルツハイマー型認知症」では、長期に記憶される言葉のテストである「語想起」のテスト結果データから、記憶の再生(想起)にも海馬が関与しているためと説明されているのですが、これには、根本的な疑問があると言うべきなのです。

そもそも「記憶」は、単なる記銘とは異なるのです。記憶は、「記銘」、「保持」、「想起」の3つの工程から構成されているのです。海馬が侵され、記憶の再生(想起)に障害があるのであれば、短期の記憶も長期の記憶も、共に再生できないはずではないのかとの疑問を抱くのです。「長期の記憶」が再生できるのに、「短期の記憶」が再生できないのは(「中ボケ」の段階の人達の記憶障害の症状は、その典型的な事例と言えるでしょう)、「記銘」時の対象の認知の度合いの問題、言い換えれば、「記銘」時の対象の認知の度合いを左右する「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能を総称して、私たちはこのように呼んでいるのです)の発揮度の差が原因と私たちは考えているのです(14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析結果が、その根拠なのです)。最近の記憶(「短期の記憶」)が再生できないのは、「前頭葉」の三本柱の機能が異常レベルに衰えたことに起因する「前頭葉」の働き具合により「記銘度」が低いが為であり、昔の記憶(長期の記憶」)が再生できるのは、「前頭葉」の三本柱の機能が正常レベルにあったことに起因した「前頭葉」の働き具合により「記銘」度が高かったが為と私たちは考えているのです。記銘時の「記銘度」が高かった記憶情報は良く保持され、且つ、良く想起されるのです。記銘時の記銘度が低かった記憶情報は、その逆の結果を生むことになるだけのことなのです。この考え方もまた、ほら、「コロンブスの卵」の事例なのです。

私のこれまでのこのブログでの詳細な説明にみるとおり、MMSEで判定される項目としての「時の見当識」、「所の見当識」、「人の見当識」、それぞれの見当識について、脳機能が衰えていく明確な(厳格な)順番が存在するのです。このことは、海馬と言う場所の問題だけではないことを示唆していると考えられるのです。「海馬」の機能が短期記憶と長期記憶とを区分ける働きをしているのではなくて、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能と言う「前頭葉」の三本柱の機能がどの程度機能したのかにより、情報を記銘する際の「記銘」度が左右され、その記銘度の差が、或いは短期記憶となり(記銘度が低いが故に、短期にしか保持されず、よく想起されない)、或いは長期記憶となる(記銘度が高いが故に、長期に保持され、よく想起される)と考えられるのです。「前頭葉」を含む脳全体の働き方及び衰え方並びに脳の機能レベルにリンクした症状について、14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」を集積し、コンピュータ解析したデータを有するのは、世界広しと言えど、私たちだけと自負してもいるのです。私たちの主張は、この脳機能データの解析結果を基礎としているのです。私たちが開発した「二段階方式」と称するその手技は、市町村の保健師さんたちが使いやすいようにマニュアル化されてもいるのです。2017年の春か夏頃に重大な社会状況の存在が明るみに出てくるその時に備え、そのニーズに対応できるよう、私たちは様々な準備を進めているところなのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症に対する考え方が、わが国だけではなくて世界中の専門家達の間で、コペルニクス的な転回が起きることになると私たちは確信しているのです。専門家の考え方が180度変わって、「アルツハイマー型認知症」は発病自体を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことが出来るタイプの認知症であるという考え方に変わることになるのです。専門家達の考え方が根本的に変われば、皆さんの考え方も根本的に変わることになるでしょう。その時、「アルツハイマー型認知症」の地域予防活動と言う考え方が、陽の目を見ることになり、市町村の保健師さんたちの極めて重要な活動目標となり、或いは、地域の皆さんの具体的な行動目標にもなると考えているのです。

 

   

&4 脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き

意識的に何かをしようとするとき、自分の置かれている状況を判断して、テーマを発想し、その内容を企画し、その実施結果をシミュレーションした上で、どのような内容の行為を/どのような態様で/どの程度実行するかを最終的に選択し、実行の意思決定をするのが脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働きなのです。「前頭葉」という機能は、この地球上にこれまでに存在した及び今なお存在するあらゆる種類の動物の中で人間だけに与えられた特別の脳の機能なのです。

実は、この「前頭葉」こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病のカギを握っている及び症状が重症化していく源なのです。脳の司令塔の「前頭葉」の働きが廃用性の機能低下により異常なレベルに衰えてきたとき、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにあっても、その段階で(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で)、既に「アルツハイマー型認知症」は始まっているのです(専門家とされる人達が気付いていないだけなのです)。

「前頭葉」は、脳の中の空白地帯とされて、最近までこれといった研究が為されてこなかったのです。脳科学を専門とする人達も、「前頭葉」の働きのメカニズムやその二重構造、正常老化の性質、或いはその機能が衰えていく原因やその特徴などについて、未だにデータを持ち合わせていないし、究明する有効な手技さえ持たないのが実情なのです。もっと言えば、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えていくメカニズム、廃用性の機能低下と言う視点を全くのこと持ち合わせていないのです。CTやMRIでは脳の形はとれても、「前頭葉」の働き具合(機能レベル)を計測することはできません。たとえ、極めて高額な費用がかかるf‐MRIやらPETやらを持ち出そうとも、血流の動態反応やら中枢神経系の代謝のレベルとやらをどのように精緻に計測しようとも、私たちの意識的な世界、常に複雑な内容が重層的に絡まりあっている「テーマ」を同時に且つ並行して処理しつつ働いている「前頭葉」の重層的/集合的/複合的/統合的な機能とその機能レベルを精緻に計測することはできないのです。私たちの意識的な世界では、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能とその機能レベルとが複雑に絡み合い、複雑な態様での相互の絡み合いが、様々なレベルでの「前頭葉」の各種個別認知機能の発揮の程度や認知の程度を左右していて、どのような「テーマ」をどのように設定すれば「前頭葉」の各種の個別認知機能を、或いはそれらの機能の衰え方の進行状況を、精緻に精密に計測できるのか、その計測の仕方が分かっていないからなのです。

例えば、「記憶」という機能一つを取り挙げてみても、「記銘」する対象となる情報自体が複雑で重層的で複合的な要素(左脳がらみの要素、右脳がらみの要素、運動の脳がらみの要素、或いはそれらの程度と態様の絡み合い)から構成されているのです。はるかな昔、若い頃に体験した激しいショックや悲しみや恐怖や怒りを伴う体験の思い出が、何故60才を過ぎた今でも夢にまで出てくるのか、しかも一度ならず二度、三度までも繰り返して。

それは、その何度も思い出す「テーマ」を構成している種々様々な情報の記銘に関わる脳の機能の関与の程度が深く態様が幾重にも重なっているがために、そのテーマの「記銘度」自体が高いからなのです。「記銘」するときに、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」も「注意の集中力」も「注意の分配力」の機能も最大限に働いていたからなのです。

互いのやり取りに関わる言葉の情報の記銘も(左脳の関与)、関わる情景や感情や声の響きなどの情報の記銘も(右脳の関与)、関わる互いの動作や仕草の情報の記銘も(運動の脳の関与)、並びにそれらの脳を支配しコントロールしている司令塔の「前頭葉」の機能レベルそれ自体も、常に「三本柱」の機能の最大限の支援と関与を受けていて、「記銘度」自体が極めて高くなっていたのです。記銘する際の「記銘度」が極めて高かったので、よく保持されて、よく想起されてくるということなのです。そのテーマの内容の理解、状況の判断、相手の言葉や態度や表情に対する洞察や推理などに、「前頭葉」の各種の個別の認知機能がフルに働いていたはずなのです。だからこそ、今でも夢の中にまで出てくるのです。

 脳の専門家達が言っているような、「海馬」の働きにより、海馬が判断し選択して、長期記憶として保存させていた(今まで覚えさせていた)わけではないのです。そうした極めて高度で複雑なメカニズムの下で働いている人間の記憶の働き方やそれに関わる「前頭葉」の機能の関与の仕方、或いは衰え方などを、ホップのエキスを混ぜた水を「前頭葉」はおろか「左脳」さえもないマウスに飲ませて、箱の中の本能的な活動で得られた程度のデータの解析とかで、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や治療に役立つデータが得られたなどと騒ぎ立てないで欲しいのです。そもそも、アミロイド・ベータとかタウ・タンパクとかの沈着が神経線維を変性させ、或いは神経細胞を脱落させることが、記憶の機能の異常な低下の原因だとする考え(単なる仮説)自体が誤りなのですから。上述した理由からしても、あのiPS細胞をもってしても、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する効能がある物質を発見することにはつながらないと考えているのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(具体的には、廃用性の機能低下)が発病の直接の原因であって、何らかの種類のタンパク質が発病の原因ではないからです。

 

   

&5 アルツハイマー型認知症発病のメカニズム

私たちが主張し、市町村での地域予防活動で実践し、成果を出し、「改善、維持、低下」の3段階に区分され判定された「前頭葉」の機能レベルを含むそれらの「脳機能データ」で裏付けられているように、脳の使い方という視点から言えば廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」でしかない「アルツハイマー型認知症」は、世界中の認知症の学者(大学に勤務)や研究者(製薬会社に勤務)や医師(病院や医院に勤務)達から、「治すことも、発病を予防することもできない、原因不明の病気」、モンスターにされてしまっているのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病し、ナイナイ尽くしの単調な生活が継続するだけの日々の暮らしの中で、症状が進行していき、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の症状が発現してきた上に、その期間が何年も続いた人の死後の脳を解剖して得られる「解剖所見」にみられる3つの特徴である「老人斑」とか、「神経原線維変化」とか、「脳の萎縮」とかを追い掛け回していたのでは、或いは「前頭葉」はおろか左脳さえもない下等な動物である「マウス」とやらを追い掛け回していたのでは何時までたっても、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因を解明することはできないのです。世の中でその道の権威者と呼ばれる人達が追及しているこれまで通りのやり方では、時間と税金を含むコストと人材の無駄遣いと言う結果となるに過ぎないのです。「前頭葉」の働き方とその機能が衰えていくメカニズムとに、もっと目を向けるべきなのです。若い研究者の皆さん方に、コペルニクス的な発想の転換を期待したいのです。

60歳を超えた年齢の「高齢者」と呼ばれるお年寄りであろうとも、自分なりに楽しめる「テーマ」を自分流のやり方で追及することにより、「前頭葉」の機能レベルが正常なレベルを保っている限りは(「前頭葉」の3本柱の機能である「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能の出番が十分にある生活習慣を実践してさえいれば)、脳の神経細胞は、新陳代謝することもできるし、増殖することもできるのです。その必然の結果として、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の第二の人生を完走することが出来ることになるのです。

 60歳を超えた年齢の「高齢者」と呼ばれるお年寄りが(私たちが規定する発病の「第一の要件」)、左脳の出番である「仕事」とは無縁の「第二の人生」を日々生きていく中で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返されるだけの「生活習慣」のもとでは(私たちが規定する発病の「第二の要件」)、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて(「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることの「相乗効果」により、緩やかに下降するカーブであるそれまでの「正常老化の曲線」から逸脱して、加速度的に下降する異常な放物線の曲線をたどることとなるのです)半年から1年が経過すると、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。その段階が、最初の段階である「小ボケ」の段階であり、次いで、「中ボケ」の段階があり、最後に「大ボケ」の段階と言う三段階の症状に区分されるのが特徴なのです。失語や失認や失行などと言う極めて重い症状の確認を要求している「DSMー4」の規定に依拠して診断が行われるがために、発病後の(回復させることが可能な)早期の段階の症状も「アルツハイマー型認知症」の症状であることが見逃されているのです。小ボケの段階も中ボケの段階も見逃されていて、末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて「アルツハイマー型認知症」を発病していることが確認されている(医療現場での診断の実態)のです。末期の段階である「大ボケ」の段階になるまで、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えてしまった状態が何年間も継続した、そのことの「副産物」としてもたらされるものが、アミロイド・ベータ説が注目する「老人斑」であり、タウ蛋白説が注目する「神経原線維変化」であり、脳の萎縮説が注目する「脳の顕著な萎縮」だと私たちは考えているのです。回復の可能性と言う視点から三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の本質は、機能的な変化であって、器質的な変化ではないからです。「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の使い方としての「生活習慣」の改善を実行すれば、正常なレベルに回復させることが出来るからなのです。「大ボケ」の段階で見つけているから、治せないだけなのです。

  「第二の人生」を生きるということは、身体が持てば良い(身体が丈夫で長生きすること)という訳のものではないのです。定年を迎えて、「仕事一筋」の「第一の人生」がやっと終わったばかりのあなた、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する為にも(身体が持つ限り、脳も持たせて「第二の人生」を完走する為にも)、今一度、あなたの日々の生き方、脳の使い方としての「生活習慣」を見直してみてはいかがでしょうか(ここを「クリック」してください)。 

 注)本著作物(Bー52に記載され表現された内容)に係る著作権は、

(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

    エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

     脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

   

 

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富士山は、女神でした

2016-01-10 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

今年は、暖冬のようなのです。1月に入ったら寒くて無理と思っていたのに、連日3月の初旬並みに温かいのです。おかげで、今日も南箱根の脳活性化研究所に来ています。

 今日は、彼女が選んだ帽子の数々をお目にかけましょう。そのセンスの良さに、唯々感動するのです。

   

    

   

    

   

    

   

    

   

    

 

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臨時投稿

2015-12-24 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 昨日まで、泊りがけで、四人組の皆さんが、東京方面から見えていたのです。

四人組が皆さん美人ぞろいであったせいだと思うのですが、富士山が全く姿を現さなかったのです。雲に覆われてしまって、その影さえも見えなかったのです。

  ところが、皆さんがお帰りになったせいか、今朝は、ご覧の通り。

全面的に、姿を現してくれたのです。今朝の富士山は、冠雪後としては最高。

四人組の皆さん、堪能してください。富士山の遠く左前方に見えるのは、冠雪した南アルプスの連峰です。

 円錐型に湾曲した駿河湾の右側に見えるのは、あの見事な夜景、函館に劣るとも勝ることなき夜景を提供してくれる、沼津の市街です。

これらの写真は、正真正銘、全てが、あのリビングとテラスから撮ったものばかりなのです。

皆さんがダイヤランドの我が家に滞在中は、まったくその姿を現さなかったのですが、普段の富士山の御姿は、こうなのです。次回は皆さんも、お化粧をしない姿で、全くのすっぴんで、見えてください。そうすれば、このお姿を拝見できるはずです。

   

   

   

   

   

   

  写真をワンクリックすると、拡大されますよ。

 

2015年も、もうすぐ暮れようとしています。自分なりにイキイキした生活、脳の使い方としての生活習慣を構築することが出来ましたか。

  2016年の元旦に、元気で、お会いしましょう。     サイチェン!!

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アルツハイマー型認知症の発病と人間としての尊厳とは(B-50)

2015-12-15 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 

 どうなるの 己が心に 今日も聞く 

   生きながらえる そのことの意味 By kinukototadao

     第二の人生では、仕事とは無縁の日々になります。誰からも指示は来ないし、期限に追われることもなくなります。電話もかかってこなければ、電話をかける相手先もない。訪れる先も無ければ、訪ねてくる人もいない。太陽が東の方から出てきて、西の方に沈んでいくように、来る日も来る日も同じことの繰り返し。自分は何のために生きているのだろうと、己が心に問いかけることになるのです。あなたの毎日と比べてどうですか。

   

日本の高度成長が始まる少し前の頃、昭和30年代の初め。私たちの幼少期には、還暦を迎えるとそろそろお迎えが来るというのが普通の現象だったのです。今は、還暦どころか、古希を迎えてもなんのその。米寿を迎えるくらいの年齢になって初めてお迎えが来るという時代なのです。その当時の企業勤めの人たちの定年は55歳~60歳だったので、第二の人生の期間がとても短く、還暦を迎えるとそれ程遠くない日にお迎えが来てくれていたので、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りは極めて少なくて、今とは比較にならないほどの少人数だったのです。

 世界に称賛された戦後復興。滅私奉公が社会的にも称賛され、家庭も忘れて、私たちは働いたのです。その結果、世界でもまれに見る程の高度経済成長を達成したのです。そして現在の我が国は、世界にも類例がないほどの「超高齢化社会」を迎えているのです。現在の我が国では、80歳は愚か90歳を迎える年齢になるまで、お迎えが来ないのです。60~65歳で定年を迎えたのちは、仕事とは無縁の「第二の人生」が、20年も30年も続くのです。とはいえ、「身体が持つ限りは、脳も持つ」というのであれば、何の問題も無いのです。ところが現在の我が国は、中国に次いで世界第三位の経済大国である一方で、米国に次いで世界第二位の「認知症大国」でもあるのです。厚労省が発表している認知症の患者数460万人のうちの、90%は「アルツハイマー型認知症」の発病者なのです。然も、厚労省が発表しているその数は、実は末期の段階の人達(私たちの区分でいう「大ボケ」の段階の人達)のことなのです。

 「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、段階的な症状を示すのが特徴なのです。最初の段階である「小ボケ」に始まり、次いで「中ボケ」の段階があって、最後に「大ボケ」の段階に行き着くのです。小ボケと中ボケとを合わせた数は、大ボケの数の2~3倍の数にもなるのです。この先更なる「高齢化」が進む中で、「アルツハイマー型認知症」の発病者数もさらに増加していくと予測されてもいるのです。何等の対策も打たれないままに、診断と薬の処方と介護にかかる費用が、年間で数十兆円もの規模になってしまい、製薬会社と医療機関だけが潤うという状況の中で、家族が自治体が国が財政面からも疲弊していっているのです。

「アルツハイマー型認知症」の正体は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。アルツハイマー型認知症」は、発病自体を予防することもできるし、本当の意味での早期の段階(私たちの区分でいう小ボケと中ボケの段階)で見つけて、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)に努めることで治すこともできるのです。発病を予防し、早期の段階で見つけて治せば、介護が不可欠となる「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく人達の数を劇的に減らせることができるのです。そうなれば、現在深刻な社会問題となっている介護離職の問題も解消されることになるのです。脳を活性化する「生活習慣」の体験と日々の生活への取り込みを目的とした「地域予防活動」の全国展開という願ってもない方法が存在するというのに、国の税金を使って活動しているはずの独立行政法人は、マウスを追いかけていて、アミロイドベータなどという発病の原因ではなくて結果である(副産物)の血液中の量を測定することで早期診断につなげるとかいう、的外れな研究に夢中になっているのです。アミロイドベータの沈着が発病の原因だとしながら、原因と発病の結果との間の因果関係も未だに立証されてもいない単なる「仮説」に過ぎないのです。まずは、その因果関係を立証してから、大事な国の税金を投入すべきだと思うのです。因果関係が立証されなかったら、大事な巨額の税金の投入も、若く有為な人材の投入も、無駄に終わってしまうのですから。

   

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症を発病しているお年寄りの数が、400万人を超えているのです(460×0.9=414)。その上問題なのは、そのお年寄り達は、セルフ・ケアにも支障が出てきていて、日常生活を送る上での介護が不可欠の人達なのです。そうした人達は、私たちの区分で言うと、末期の段階の症状である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してきている人達のことなのです。消費税の税率を2%上げるだけでも、政権を担当している自民党が右往左往する程の大変な政治問題になるのです。そうした状況の下で、介護保険の料率は簡単には上げられないので、介護保険制度が財政面から破綻しそうな勢いで、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の数が増えてきているのです。おまけに「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、脳が持たない(症状が次第に重症化していく)のに身体が持つのが特徴なのです。いつまでもお迎えが来てくれないのです。他の何らかの病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその日まで、緩やかながらも症状が進行していくのです(大ボケの症状の枠の中で、更なる重症化が進行していき、お迎えが来ないままで居ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下し続けていくので、最後は植物人間状態にまでなるのです)。末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進んでくると回復の可能性はなくなってしまい、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下がその先もなお進行していくことになるのです。左脳が担う「言葉」のコミュニケーションが次第に難しくなっていき、同居している家族の名前や関係も分からなくなっていくのです。更には、右脳が担う「感情」が主体となる反応が進行していく中で、身体にしみこんでいたはずの衣服をどうやって着たらいいのかも分からなくなっていき、大小便を失敗しても後の処理さえできなくなっていくのです。症状がさらに重症化していく中で、介護する家族自身が共倒れとなっていくのです。そこには、介護に従事することの生き甲斐も喜びも無いのです。老老介護は、介護しているお年寄り自身もナイナイ尽くしの「単調な生活」を余儀なくされる中で、「アルツハイマー型認知症」を発病していくことになるのです(脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される中で、廃用性の異常で加速度的な機能低下を進行させていくこととなり、正常な機能レベルから、異常な機能レベルへと衰えていき、行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです)。

    

今日私が皆さんに問題提起するのは、この「大ボケ」の段階の症状を発現している人達について、世の中の識者とされる人達の口から「尊厳」と言う言葉が物知り顔に語られることなのです。「前頭葉」の働きとその機能レベルについての知識が無いからではと推察するのです。大ボケの段階にまで症状が進んだ人たち、言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがそこまで低下してきている人たち(身体がもつ限り、脳の機能レベルは低下し続けていくのですが)の尊厳を問題にするのであればその前に、「小ボケ」にさえしてはいけないのです。大ボケの段階にまで症状が進む、脳全体の機能が衰えてくると、肝心の「前頭葉」自体が殆ど働いていないのです。「小ボケ」の段階の人たちは、「大ボケ」の段階の人たちよりもはるかに「前頭葉」の機能レベルが高い、正常な機能レベルよりは低下しているとはいえ、「前頭葉」が未だ働いているのです。「中ボケ」の段階の人たちの脳の機能レベルは、「小ボケ」と「大ボケ」との中間になります。

ここで問題提起しておきたいのは、ある著名なテレビ局の番組の中で、「アルツハイマー型認知症」と診断された人達(お年寄りだけでなくて、40歳代や50歳代の若い人たちまでもが含まれている)が、日々の生活や社会生活の中で自分たちがどのようなことに苦悩しているのかを、切々と然も豊かな感情を交えて、詳細に語ることなのです。その語り口は、極めて論理的で理路整然としていて、ユーモアを交えることさえあるのです。これは、脳の機能面から言えば、肝心の「前頭葉」が生き生きと働いている、正常な機能レベルにあることの証拠でもあるのです。前頭葉が生き生きと働くアルツハイマー型認知症の患者と言うのは、いないのです。

そもそも、「アルツハイマー型認知症」である場合は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」から衰えていくものなのです。最初の段階、私たちの区分でいう「軽度認知症」(小ボケ)の段階での脳の機能レベルはと言うと、左脳も右脳も運動の脳もそれらの全てが正常な機能レベルに在りながら、肝心の「前頭葉」の働き具合だけが異常なレベルに在るのです。テレビに出てきて見事な論理の展開と豊かな感情表現を交えて、わが身の困難な状況を切々と訴えている人達は、「アルツハイマー型認知症」を発病している訳ではないのです。側頭葉性健忘症であるケースが一番多いと思うのですが、緩徐進行性失語の場合もあるのです。番組を製作したテレビ局のディレクターだけでなくて、そのディレクターに教示した医師自身が、「アルツハイマー型認知症」について無知なうえに、側頭葉性健忘症や緩徐進行性失語のことについても無知なのです。重度の記憶障害の症状さえ確認されるものは全て、「アルツハイマー型認知症」だと勘違いしているのです。ついでのことに言及しておくと、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られるのです。40~50歳代の若い人達が発病の対象となることは無いのです。その番組の報道内容は、余りにも出鱈目というしかないのです。その番組を見ていて私たちは、「開いた口が塞がらない」程驚いたのです。

   

①  「国語辞典」によると、

尊厳とは、とうとくおごそかなこと。気高く犯しがたいこと。また、そのさま。

②  「Wikipedia」によると、

個人の尊厳或いは、個人の尊重とは、全て の個人が人間として有する人格を不可侵のものとし、これを相互に尊重する原理をいう。 人間の尊厳、個人尊厳の原理、人格不可侵の原則とも。基本的人権と同義ともされる、 ... とあります。

そもそも「人格」とは、何を言うのでしょうか。人格と評価されるその大本は何を捉えて言っているものなのでしょうか。

実は、その人自身の人格の大本は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能、その機能の中核をなす機能の一つである「評価の物差し」と言う機能に在るのです(私見で恐縮なのですが、「評価の物差し」の機能についての詳細な説明は、ここを「クリック」してください。脳科学者でさえ未だに気づいていない機能なのです)。

私たちの意識的な世界、何かのテーマを意識的に実行しようとするその世界では、この「評価の物差し」の機能の正常なレベルでの働き無しには、その人らしさを表出することが出来なくなるのです。かつてノーベル医学賞を受賞したロボトミー手術(前頭前野と他の部位との連絡繊維を切断するもの)の実施によって、「前頭葉」の機能が正常に機能しえなくなった結果、その人らしさが失われてしまうという大変な副作用が生じてくることとなり、現在ではこの手術法は禁止されているのをご存知でしょうか。

    

私たちは、私たちが開発した「二段階方式」と言う神経心理機能テストを駆使して、旧マニュアルベースでは14689例(最新のマニュアルベースでは、23725例)にも上る膨大な脳機能データ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「アルツハイマー型認知症」の症状を集積し解析してきたのです(三段階に区分した「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の類型については、ここを「クリック」してください)。

世の中の認知症の専門家達がその発病を気付かないでいる「アルツハイマー型認知症」の最初の段階であり、私たちの区分で言うところの「小ボケ」の段階は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働き具合自体が、すでに異常なレベルに衰えてきているのです。

この段階では、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も、全てその働き具合が未だ正常な機能レベルに在るのですが、三頭立ての馬車の御者が居眠りしている状態、「異常なレベル」に衰えてくると、そのアウト・プットとしての症状自体も異常なものとなってしまうのです。それらの症状は、学者や認知症の専門家といわれる人たちには、「不活発病」などと命名されて注目を集めてはいても、「アルツハイマー型認知症」の症状であるとは考えられてもいないのです。

一つには、それらの研究者や学者達が、あの米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の重大な誤りに気づかないでいること及び「前頭葉」の機能についての知識が浅いこと並びに「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定する「手技」を持たないこと等に、その主たる理由が有るのです。

 そのことはさておいて、左脳も右脳も運動の脳の機能も未だ正常なレベルにありながら「前頭葉」の機能だけが正常なレベルを超えて異常なレベルに衰えてきた段階、医師も学者も気づかないで見逃している「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階での最も注目すべき特徴的な症状は、「その人らしさが出てこなくなる」ということなのです。そのことに加えての特徴となるのが、私たちが「前頭葉」の三本柱と名付けている機能である「注意の分配力」が働かなくなり、「注意の集中」が出来なくなり、「意欲」が出てこなくなることに直接起因した症状、私たちが「指示待ち人」と呼ぶ特徴的な症状、何事にも興味も関心も示さなくなって、指示されるとそれなりにこなせるのにもかかわらず、指示されないと何もしようとはしなくなってくる症状なのです。外見から観察しただけの単なる作業によって「不活発病」とか言う名前を研究者達から冠されているそれらの症状は、14689例にも上る私たちの「脳機能データ」の解析から、詳細な生活態様については後述するナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されることにより「前頭葉」が廃用性の異常で加速度的な機能低下を起こしてきたことが原因だということが判明しているのです。

同居の家族や近所付き合いがある周りの人達が異口同音に発する言葉それは「その人らしさが失われてきた」ということなのです。ここで言う「その人らしさが失われてきた」とは、その人に特有の「物の見方や考え方や感じ方」の表出の具合が、従来のそれとは全く違った様相を呈するようになったということなのです。

それを脳の機能面から説明すると、その人に特有の(その人独自の)「評価の物差し」が、正常に機能しえなくなっているということを意味しているのです。「前頭葉」の機能が、「前頭葉」の評価の物差しと言う機能が、状況の判断、テーマの発想、内容の企画と計画、実行結果のシミュレーション、シミュレーションを反映した修正、実行の態様の抑制などにその人なりの(その人独自の)色付けを与えているのです。言動や行動も態度も感情の発露の仕方も全てそうなのです。

   

「前頭葉」の機能レベルが正常な段階から異常な段階に突入してきたその時から、言い換えると、「小ボケ」の段階になってきた時から、「前頭葉」の評価の物差しの機能が揺らいでくるのです。末期の段階であり、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階で発現してくる症状の類型を読み返してみてください。この段階になってくると、症状を発現させている大本である「前頭葉」の機能自体が、殆ど機能しなくなっている状態に在るのです。「二段階方式」のテストを実施してみれば、明確に且つ精緻にそのことが判定できるのです。

「小ボケ」と「大ボケ」の間に横たわるのが、「中ボケ」の段階です。「中ボケ」の段階とは、「二段階方式」の定義では、「前頭葉」の機能テストが不合格となっていて、且つMMSの評価点が23点から15点までのレベルのことを言います。その「中ボケ」の段階でも、評価点が20点を切るか切らないかで、「前頭葉」を含む脳全体の総合的な機能のレベルは大きく異なることになるのです。評価点が20点以上の人達の脳機能は、集団での脳リハビリによって脳機能全体を正常なレベルに回復させることが出来るのに対し、評価点が19点以下(但し、15点までの人達。14点以下になってしまうと、末期の段階である「大ボケ」の段階に入ってしまい、「脳のリハビリ」が奏功しなくなって、「中ボケ」に回復させることさえも困難になってしまうのです)になってくると、個別の特別な「脳リハビリ」を実行するのでないと正常な機能レベルに回復させることが出来なくなってしまうのです。世の中の認知症の診断を専門とする医師達が、「アルツハイマー型認知症」を発病しているとの診断を行っている患者さん達は、「大ボケ」の段階の症状が確認される人たちだけなのです。

私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り達、「DSMー4」を盲信し、それに依拠して診断を行っている医師が「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断する場合は、「記憶障害」の症状の確認(「DSMー4」が規定する発病の第一の要件)に加えて、失語や失認や失行などの症状の確認(「DSMー4」が規定する発病の第二の要件)までもが要求されるのです。

「DSMー4」の規定に依拠して診断され、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断されたお年寄り達はと言うと、失語や失認や失行などの症状が確認されたお年寄りと言うことになります。失語や失認や失行などの症状が確認されるお年寄り達の「前頭葉」の働き具合はと言うと、ほとんど機能していない状態に在るのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能面から説明すると、自分が置かれている状況の判断も出来ないし、自分が何のテーマをどのようにやろうとしているのかも理解できないし、必要な手順に従った動作も行うことが出来ないし、言葉によるコミュニケーションにも重大な支障が起きてきている人達なのです。MMSEの得点で判定される左脳及び右脳の機能レベルと言えば、30点満点の一桁の得点にしかならない人達のことなのです。末期の段階の更に後半の段階にまで症状が進んだ人たち、そんな人たちを見つけるだけのために、医師達は、CTやらMRIやらSPECTやらPET等の機器を使用している、医療機関によってはそれらの機器を総動員して、診断しているのです。

こんな段階で見つけるのに何の意味があるというのか、その理由と根拠とをお聞きしてみたいのです。医療費だけが膨らんできて、見つける意味がないのです。ここまで症状が進んでしまったら(「前頭葉」を含む脳全体の働き具合が此処まで衰えてしまったら)、治すことはもはや困難なことになるのです。もっと早い段階、私たちの区分で言う、小ボケの段階で見つけたら「脳のリハビリ」によって容易に正常な機能レベルに回復させることが出来るし(「アルツハイマー型認知症」を治すことが出来る)、中ボケの段階で見つけたら「脳のリハビリ」によって正常な機能レベルに回復させることが未だ可能なのです。

 「中ボケ」の段階の症状が発現してきている人達は、良くて、「軽度認知障害」(MCI)の段階にある人との診断を受けるか、或いは、単なる「老化現象」、年のせいとして片づけられているだけなのです。「MCI」(Mild Cognitive impairment )とか言われると、何か権威を感じさせられて、とてもきちんとした医学上の概念であるかのような印象を持たれると思うのですが、外観的な記憶の障害の症状ばかりに目が行った極めてあいまいな定義にすぎず、「アルツハイマー型認知症」の発病と関連付けるには、余りにお粗末な定義と言うしかないのです。「アルツハイマー型認知症」の最も中核となる症状が「記憶の障害」の症状であるとの誤った考え方を前提とした定義に過ぎないのです。私たちが区分する「小ボケ」の段階の症状の類型に挙げられている症状をもう一度読み返してみてください。そこにみられるのは、「前頭葉」の機能障害を示す症状ばかりなのです。

私たち人間の「尊厳」を問題にするのであれば、「大ボケ」の段階にまで症状が進行する、言い換えると、「大ボケ」の段階の症状が発現してくるようになるまで放置している、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合、「脳の機能レベル」が衰えて行ってしまうまで放置していること自体が重大な社会問題を抱えていることを指摘したいのです。「小ボケ」の段階で見つけてもらって、「脳のリハビリ」に励めば、容易に治すことが出来るのです(前頭葉を含む脳全体の機能レベルを正常な状態に回復させることが容易に出来るのです)。「中ボケ」の段階で見つけてもらい、「脳のリハビリ」に励めば、未だ治すことが出来るのです。収益を上げることだけに血眼になっていて、「治す」という医師本来の社会的使命を忘れてしまっている(放棄している)医療業界に大きな問題があるのです。

余談はさておいて、私が言いたいのは、「アルツハイマー型認知症」を発病していて、末期の段階の症状である「大ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄り達の人間としての「尊厳」を問題にし、声高に叫ぶのであれば、「小ボケ」の段階にも「中ボケ」の段階にもさせてはいけないのです。アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病に過ぎないのであって、発病自体を予防することが出来るのです。更には、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて、脳のリハビリを実践させることにより、正常な状態に回復させることが出来る、治してあげることが出来るのです(「小ボケ」からの回復の為の「脳のリハビリ」の方法については、ここを「クリック」してください)。大ボケの段階にまで脳の機能が衰えてしまった人たちの人権とか尊厳とかを声高に叫び問題にすることは、「アルツハイマー型認知症」が、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるというその本質から目を背けさせることになってしまうのではないかと危惧するのです。

   

私たちがこのブログでしばしば「本当の意味での早期の段階」と言う表現を何故使っているのか。早期診断と銘打って、「アルツハイマー型認知症」の診断の呼び込みに精を出している病院が多いからなのです。インターネットで検索してみるだけでも、そうした医療機関をたくさん見つけることが出来るのです。それらの医療機関が、「早期診断」としているのは、末期の段階であり私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前半の領域のことなのです。治すことは出来ないが、進行を遅らせる効果が期待できるかもしれないとか言って、効きもしない薬(興奮型の場合もあれば抑制型の場合もあるのですが)を何種類か処方して稼いでいるというのが診察現場の実態なのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する「生活習慣病」、脳の使い方と言う視点からいうところの「生活習慣病」なのです。60歳を超えた年齢のお年寄り(加齢に伴う「正常老化」が進行してきて、私たちが規定する発病の「第一の要件」を充足していることになる)が、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続させていること(私たちが規定する発病の「第二の要件」を充足している)に起因して、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能の低下を進行させていくことにより発病してくるものなのです。「前頭葉」が使われる機会が極端に少ない「生活習慣」が、発病の直接の原因であり、症状を更に重症化させていく原因なのです。そうした性質、「アルツハイマー型認知症」の本質を理解することもなく、効きもしない上述の二種類のタイプの薬を処方して、稼いでいるだけなのです。

 皆さん、眠って閉じたままで居る「眼」を開けてください。実は、認知症の専門家達、学者も研究者も医師も気づかないでいるうちに、以下に問題提起する異常な事態が進行中なのです。

「アルツハイマー型認知症」の予防と早期診断による回復を明確な目的とした、市町村の保健師さん達と地域住民との協働による「地域予防活動」を出来るだけ早期に、且つ国の重要な政策として、全国展開すべき時が来ているのです。2012年の3月に私が、このブログを立ち上げて以来、何度もこのブログ上で警告し、警鐘を鳴らしてきたあの問題、東日本大震災の被災地の高齢者たちの間で起きてきている問題、「アルツハイマー型認知症」を発病して「小ボケ」の段階に始まり(通常は、発病してから3年の期間が小ボケの期間)、中ボケの段階を経て(通常は、中ボケの期間が2年間続きます)、最後に末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくものなのです(「大ボケ」の期間は、何らかの他の病気が原因で死を迎えることになるまで、大ボケの段階の枠の中で、症状の重症化が進行していくことになります)。発病までに半年から1年が経過しているとして計算すると、その大ボケの段階の症状が発現してきている人達が明るみに出てくる日がまじかに迫ってきていることになるのです。然も、その年齢別の発症率の高さ及び発病者数が、日本中の他のどの地域と比較しても、突出している程の率と規模とになっていることを知ることになるのです。その日は、刻々と近づいてきているのです。これは、単なる予告ではなくて、警告なのです。これまでとは全く異なった視点から「アルツハイマー型認知症」の発病の原因や症状の特徴が考えられるようになる、新しい時代の幕が切って落とされることになるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復というテーマが認知症の専門家たちの間で語られる新時代の幕開けとなる日が来るのです。

   

私たちが、「アルツハイマー型認知症」の発病の「第二の要件」として定義するところのナイナイ尽くしの「単調な生活」生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」が始まるのに、半年間程が経過していたとして、発病するまでに少なくとも半年間のナイナイ尽くしの単調な生活の継続が必要となるので、東日本大震災の発生日から約1年後には、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が出始めていたと考えられるのです。この計算で行くと、東日本大震災の発生日が2011年3月11日なので、それから一年後の2012年の春ごろから「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が出てき始め(然も極めて大量の規模で)、それに小ボケの期間が3年、中ボケの期間が2年加算されると、2017年の春か夏ごろには、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が出てきたお年寄り達が、他府県のどの地域のお年寄り達とも比較にならない程の割合と数の認知症の発病者として、際立ってくるようになるはずなのです。大ボケの段階の症状が確認されるようになると、医師達も、「アルツハイマー型認知症」の発病と診断するようになるので、マスコミも大騒ぎすることになると考えているのです。その結果、「アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病である」とする私たちの主張が、疫学的に立証されたことになるのです。私たちの主張内容の正しいことが立証されることにより、実力だけでなくて、権威が付くことにもなる、そのことが、市町村での「地域予防活動」の展開を指導していく上で、極めて重要なことなのです。

 その暁にこそ、私たちがこれまで問題提起し、提唱してきた「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復を明確な活動目的とした「地域予防活動」が、極めて重要且つ不可欠のテーマとして、全国民の間で認知され、我が国の市町村全体が実践のための活動を主導し、小さな地域単位での地域住民と協働する中で、島々の隅々の間でも、その活動が展開されてくるようになる記念すべき出発の年となると期待し、考えているのです。

そのタイミングに合わせて、「二段階方式」の実践「マニュアル」を更に使いやすい内容に改善していき、そのことに加えて、「脳機能データ」の管理ソフトについても、二種類の脳機能テストの結果、発現が確認される症状の類型、過去数年間継続されてきたナイナイ尽くしの単調な生活習慣の類型等のデータを投入するだけの作業で、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの判定(他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい病気との鑑別を含む)が自動的に的確に処理できるような程度のものに改良しておきたいと考えているのです。全国の市町村で「二段階方式」の手技を活用することになると、その業務に従事する保健師さんの資質(性格、意欲、情熱、態度)も様々なものになってきます、そうした資質の差が判定結果のバラツキとなって生じてくることを出来るだけ防ぐためにも、判定の自動化と言うテーマ(判定ソフトの開発)を極力推進していきたいと考えてもいるのです。

私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄りは、残念ながら、「介護」と言う途しか残されていないのですが(「大ボケ」の段階のお年寄りこそ、家族介護に頼るのではなくて、介護保険制度を全面的に適用すべきなのです。そうすれば、介護離職を防げるのです)、「小ボケ」と「中ボケ」の段階の症状が発現している人たちは、家族が中心となって「脳のリハビリ」を組み立てて実践させることにより「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な状態に戻すことが出来る(「アルツハイマー型認知症」を治すことが出来る)のです。正常な状態に回復させることが期待出来るからこそ、小ボケと中ボケの介護を家族が中心となって担い行うことが期待できるのです。回復させることへの努力が、介護に従事する家族自身の生き甲斐や喜びにもつながるからなのです。このことを、是非、忘れないでおいていただきたいのです

 皆さんが目指すべきは、現状のような放置された認知症大国ではなくて、世界に冠たる「認知症の予防大国」になることなのです。2017年をその出発の年、コペルニクス的転回の年にするのです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。謝 謝。

 

  注)本著作物(Bー50に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

    エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

     脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

    

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冠雪の量が次第に増えていくのです

2015-12-09 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

ここ函南の地は、今日も天気が、快晴です

よく見てみると、富士山の冠雪の量が次第に増えていっているのです。

 目を凝らしてみると、今日は、遠く、南アルプスも見えています。

ご鑑賞ください。

   

 今日から伊豆高原に移って、週明けにはまたこちらに戻ってくる予定です。

 いよいよ忘年会のシーズンが始まって、どちらでも、仲間が集まって、行く年をしのび、くる年を祝うのです。日本酒も、焼酎も、ウイスキーも、ワインも、ブランディーも、全て取り揃えてあります。お客さんのお好みに合わせて、飲んでいただくのですが、Tadは、その全てをちゃんぽんで飲むことになるのです。泡盛を置いてないのは、唯一泡盛だけなのですが、Tadが苦手とするのです。泡盛を飲むと、後で記憶が飛んでしまうのです。面白いでしょ。

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あの人、雨男だったのかしら

2015-12-05 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

昨日は、ゴーゴーと音を立てながら、一日中強風が吹き荒れました。せっかくお友達が、Tadとのゴルフを楽しみに、伊豆高原から訪ねて見えたのに、富士山も見えなかったのです。せっかくだから、一晩でも、泊まっていけばとTadが言うのに、また来ますとの言葉を残して、その方は夕方前には帰られたのです。

 ところが、今日は、快晴の上に無風なのです。

ごらんのように、富士山の姿もくっきり。

 もったいないほどの天気なので、これからTadと二人で、西湖の方面へドライブに出かけることにしたのです。

    

             皆さんもよい一日を。     アディオス!

 

2年前の晩秋に、紅葉狩りを兼ねて河口湖方面に行った帰りに、西湖の湖畔に立つレストランに立ち寄ったのです。Tadがとても気に入って、また必ず来るからと、約束して帰ったのです。そのとき、お店を全面的に改装するとのお話だったので、とても期待して行ったのです。訪ねてみたら、改装どころか、なんとタダの草原になっていたのです。栄枯盛衰は世の習いとは言いながら、哀しいものでした。

 帰り道は、朝霧高原の脇を抜けて帰ったので、車を止めて、富士山を写し撮りました。ご鑑賞ください。

   

 

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第二の人生での日々の生き方と前頭葉の働き具合及び衰え方との相関 (B-49)

2015-12-01 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 誰や知る 伊賀の上野の 枯れすすき

   生きたる証 垂れる白髪か By kinukototadao

 & 認知症と言えば、そのほとんどは「アルツハイマー型認知症」なのです

○ 高齢化率が高い町や村、大都会でも築年数が古い集合団地等のように、高齢者が大勢集まって住んで居るような地域で、皆さんが、日ごろ目にするのは、そのほとんどが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病したお年寄りの姿なのです。ところで、一口に認知症と言っても様々なタイプのものがあるのです。代表的なものを挙げると、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、二次性認知症、レビー小体型認知症などがあります。

そうした種類が数ある認知症の中でもその90%以上の割合を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。然もその発病者数は、高齢化率が40%を超える町や村も珍しくはなく、我が国全体でさえ25%を超えるところまで来ていることが要因となって(後述するように、60歳を超える年齢の「高齢者」であることが、私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」なのです)、近年増え続けているだけでなくて、高齢化率がさらに高くなるとの予測の中で、この先も増加する一方と予測されてもいるのです。

認知症の割合についても諸説ありますが、受診者数が少ないので肝心の医療機関自体が十分には把握できていないのです。精神科を有する大型の総合病院だけを対象に、認知症治療の中核を担う機関として、当時の国が「老人性痴呆疾患センター」として認定したのです。原因不明のものとされ、遺伝子異常が原因のアルツハイマー病と同じように扱われ、受診するところが精神科ときたら、末期の段階、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が出てきて、家族が介護に困り果てるようにならないと医者に連れて行かなかったのです。私が勤務していた浜松医療センターは大規模な病院で、且つ「老人性痴呆疾患センター」に認定されていたのですが、そのころ全国では唯一、精神科ではなくて「脳外科」が認知症の診断を行っていたのです。副院長の金子満雄先生が最終的な診察を、私がテストの判定と家族指導の中心となり、海道から沖縄まで、全国から毎年2500人前後押し寄せてきた患者さんを(物忘れを気にする正常な人達も中には混じっていましたが)、連日大盛況の状況で診察したのです。日本中で当時二番手の、「老人性痴呆疾患センター」に認定された病院の患者さんの数でさえ年間で200人程度のものだったのです。精神科に連れて行くのを家族がそれほど嫌がったのです。その上私たちは、テスト結果の判定と家族指導及び診察の過程を通じて発想した、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働き具合を判定する為の様々な種類とタイプの「神経心理機能テスト」を開発しては、都度、高齢化率の高い村や町に出て行って、「実態調査」を重ねて、脳機能データを集積し、解析したのです。その中の代表的なものが、(かなひろいテスト)なのです。全国の他のどの「老人性痴呆疾患センター」も、私たちのような試みを行うところは皆無だったのです。

 そうした多数の診断事例と各種テストの開発と実態調査とにより、私たちだけが、「アルツハイマー型認知症」の発病の要因として、「廃用性の機能低下」と言う視点を持つに至ったのです。

○ 「アルツハイマー型認知症」の正体に関する諸説の意味とは

世間ではというか、認知症の専門家とされる人達の間では、その「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、発病の原因やメカニズムが分からないし、治すことができないし、発病を予防することもできないタイプの認知症であるとされているのです。然も、発病の原因については、かつては「アセチルコリン説」というものが通説として医学会でもてはやされ、現在は、「アミロイドベータ説」が多くの学者の支持を集める通説とされていて、少数説として、「タウタンパク説」、或いは「脳の萎縮説」とかが主張されているのです。

ところが、これらの諸説はすべて、単なる「仮説」に過ぎないのです。「仮説」という意味は、発病の原因とされている主張の根拠と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の「因果関係」が、どれ一つとして、未だに立証されていないということなのです。

名医であるとか、認知症研究の第一人者であるとかの紹介でテレビに出てきて、テレビ受けを狙ったかのような簡単な「記憶のテスト」などをして、軽度認知障害(MCI)の状態にあるとか、血液中のアミロイドベータやタウタンパクの量を測定することで、「アルツハイマー型認知症」の早期の段階の判定ができるかのような、いい加減な発言が目立つのです。放送しているのが著名なテレビ局の番組であれば、皆さんは、そうした発言内容を正しいものと、そのまま信じ込んでしまっているのではないかと恐れるのです。

 発病の原因がアミロイドベータの蓄積だとか、タウ蛋白の蓄積だとか言われると、専門的過ぎて、何の意味だか分からないし、どうせ自分には関係ないことだと、単に聞き流しているのではないでしょうか。そのこと自体には何の問題もないのですが、「アルツハイマー型認知症」の発病が自分とは関係のないこと、他人事と感じたり、考えたりしてしまうことが問題なのです「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、長生きすればするほど、発病する危険が極めて高くなる性質のものだからなのです。あなたが、60歳を超える年齢の「高齢者」であり、仕事とは無縁の「第二の人生」を生きているというのであれば、「明日は、我が身」と真剣に考え、備えていただかないといけないのです。「年齢」が、発病の第一要件なのだから。

 私たちの主張は、上述したような「仮説」の類とは、内容の次元が異なります。1995年以来、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルとその機能レベルに厳密にリンクした症状としての「アルツハイマー型認知症」の症例14689例の解析を基礎として、北海道から九州まで幅広く440を超える市町村で「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とする「地域予防活動」の実践の指導をしてきたその成果に基づいた主張内容なのです。権威だけに頼っている「仮説」とは違うのです。

( コーヒー・ブレイク私たちの主張内容とそれが体系化された手法である「二段階方式」の手技は、三部作のマニュアルにまとめられているのですが、最近では、「二段階方式」のマニュアルに書いてある内容の重要な一部を引用した書籍が幾つか出回っています。それらの書籍の或る物は、以下に例示する「二段階方式」独自のもので、且つ極めて重要な主張内容について、それらが「浜松二段階方式」の主張であるかのような書き方、或いはそうした誤解を与えるような書き方になっているのです(それらの著者に対しては、内容を早急に訂正することを、此処に強く要求します)。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム自体に関する考え方、「前頭葉」の三本柱と言う視点及び三本柱の機能に内在する「正常老化の性質」と言う考え方、或いは、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度と「二重構造の問題」並びにかなひろいテストの評価の仕方、MMSEの得点についてテストの粗点ではなくて、一定の指標に基づく換算点(評価点)を使用すること、「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴として及び他の種類の認知症との鑑別の上で極めて重要な不可欠の判定指標として、MMSEで判定される下位項目に衰えていく明確な順番があるとする考え方(「下位項目の項目困難度」の指標)等は全て私たちの「二段階方式」独自の物なのです。なお、二段階方式」の導入市町村は安心してそれらを使用していただきたいのです。著者の故意なのか、或いは不注意なのかは知りませんが、私たちの「二段階方式」独自の考え方と内容が、或いは私たちの「マニュアル」に記載された内容の記述とデータ(解析図表など)が、「マニュアル」に記載された内容のそのままに、或いは少し表現や形や順番を変えることで、書籍の各所に引用されているのを目にするのです。

ところが、それらの書籍で手技の内容が紹介され、或いは引用されている「浜松二段階方式」 当初は「浜松方式」と言う呼称だったものです)の手技は、A5版で44Pの内容なのです。上述の、「前頭葉」の三本柱の機能と言う考え方も、三本柱の機能に内在する「正常老化の性質」と言う視点も、「二重構造の問題」と言う視点も、更には、MMSの粗点に対する換算点(評価点)の考え方も、MMSEで判定される「下位項目の項目困難度」の考え方も、「浜松二段階方式」の手技とは全く関係がない考え方であり内容なのです。それら「二段階方式」独自の考え方や内容に関する部分については、「二段階方式からの引用である」ことが表記されるべきだと思うのですが、「この部分の記述、図表は、二段階方式からの引用である」ことの記述も表記も全く見当たらないのです(今後改訂される場合を含め、「引用」であることの表記をきちんと守っていただきたいと思うのです)。従って、そのことを知らないで読者が読み進むと、「アルツハイマー型認知症」であるか否かを判定(鑑別)する上で、極めて重要な指標であり、不可欠のものであるそうした「二段階方式」独自の考え方や手技や脳機能データ(解析図表を含む)が、まるで「浜松二段階方式」独自のものと誤解されるのではないかと私たちは恐れるのです。そもそも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムに対する考え方や理解自体も、「浜松二段階方式」と私たちの「二段階方式」とでは、基本のところが異なるのです(私たちが定義する発病の「第一の要件」と「第二の要件」についての私のこのブログでの記述を参照してみてください)。そのことを、「二段階方式」又は「浜松二段階方式」 の導入を検討されている読者(市町村関係の方)の皆さんに注意喚起しておきたいと思うのです。

数年前には「浜松二段階方式」の手技は、A5版の44Pで「浜松二段階方式のマニュアル」と言う書名で300円程で、地域保健研究会から出版され、市販されていました。そのマニュアルを購入することだけで、誰でも無償で、「浜松二段階方式」の手技の使用が可能となるのです。私たちの「二段階方式」の手技は、三部作のマニュアルに整理され体系化されていて、「脳機能データ」や「解析図表」等を含めて全部合わせると、A4版の590Pを超える内容なのです(私たちの「二段階方式」の手技では、使用料が月額3万円で有償の期間が10年間の「使用許諾契約」を締結して、且つ、私たちが主催する「実務研修会」を受講することにより、「二段階方式」の手技の「マニュアル」が引き渡されるのです)。

もともとは、浜松医療センターの脳外科で一緒に働き、かなひろいテストを含む種々の神経心理機能テストを共同して開発していたのです。「浜松方式」を立ち上げた金子満雄医師も、「二段階方式」を立ち上げた私も、「アルツハイマー型型認知症」の予防を目的とした市町村での「地域予防活動」の指導を、当初は一緒に共通の活動目標にしていたのですが(エイジングライフ研究所が主催する「実務研修会」の講師の一員として、金子先生にお越しいただいていた時期もあります)、金子先生は「浜松方式」(後に、「浜松二段階方式」と改称)を医師達及び医学会に広めたいという思いが極めて強く、私たちは「二段階方式」を市町村に広めたいという思いが強く、かなり早い段階で、袂を分かつに至ったのです。それが最大の契機となって、私が50歳を迎えた時に、浜松医療センターを退職したのです。「二段階方式」の導入市町村が急激に増えていく中で、「二段階方式」の手技の内容や考え方が、或いは基礎となる「脳機能データ」の内容が進化を遂げていき、今日のマニュアルやこのブログに記述されているような内容の深さに到達したということなのです。勿論その過程で、「二段階方式」の手技を記述したマニュアル自体も、幾度も改編されてきて今日の内容となっているのです。私がこのブログで、2012年の3月から書き始めた「アルツハイマー型認知症」に関する記述の内容は、「アルツハイマー型認知症」の本質の捉え方や根拠となるデータについて、或いは「重要なテーマや視点や理解」の面で、金子先生の著作物から得られる見解や内容とは、大きく異なることに気づかれると思うのです。

毎日G00ブログから送られてくる私のブログの「検索キーワード」上で、「浜松二段階方式」と「二段階方式」の両者の名前での検索が、最近しばしば確認されるので、いづれかの方式の導入を検討されている市町村の保健師さんにお知らせしておく必要があると考え、コメントしました。「アルツハイマー型認知症」の予防と早期診断による回復と言うテーマについては、我が国に(世界中でも)、金子先生が立ち上げた「浜松方式」(「浜松二段階方式」)と私が立ち上げ推進している「二段階方式」の両者しか存在しません。最終的にどちらを選択されるかは、皆さんの良識に委ねますので、しっかりと判断していただきたいと思うのです。

&「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

○ 「正常老化の性質」が基礎に在る「物忘れ」の症状

私たち高齢者が日常しばしば体験していることと言えば、「物忘れ」でしょう。この物忘れは、30歳代になると症状が確認され出して、40歳代、50歳代、60歳代、70歳代、80歳代、90歳代と、年をとればとるほど、その頻度が増えていき、症状の程度も態様も重くなっていく性質のものなのです。それには、以下に説明するような記憶の「メカニズム」が存在し、作用しているからなのです。

ここでは、「物忘れ」の症状が発現するメカニズムを脳の機能面から説明しておきます。

「物忘れ」とは、言い換えると思い出せない、専門用語で言えば、想起できないということなのです。実は、記憶と言うのは、記銘し、保持して、想起するという行程をたどるものなのです。それぞれの行程の機能自体も加齢とともに衰えていく性質があるのですが、その前に、私たちが「前頭葉の三本柱の機能」と名付ける、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、加齢とともに働きが衰えていくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付ける問題が横たわっているのです。日々の生活の営みの中で、仕事や趣味や遊びや人付き合いや運動等左脳や右脳や運動の脳を使う機会が十分に有り、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の出番が十分に有り、生き甲斐や喜びにつながるテーマや目標がそれなりにありながらも、これを言い換えると、脳の使い方としての「生活習慣」に問題が無くても、加齢とともに「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合が衰えていくという性質が存在するのです。左脳が主役となる「仕事」とは無縁の「第二の人生」を送っているお年寄りの誰もが、この問題を抱えているのです。世界中の認知症の専門家達から発病の原因が分からないとされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症について、集積するその症例数が増えれば増える程、発病の実態面から見るとき、60歳を超える年齢の「高齢者」と言う事実が厳然と存在していることが確認されるのです。現在の私たちの最新のマニュアルでは、23725例もの症例が(このブログ中でしばしば引用している旧マニュアルの脳機能データでは、14689例の症例が)解析の基礎となっているのです。

そのカーブは、18歳から20歳代の半ば頃をピークとして、第二の人生が始まり、「高齢者」の仲間入りをしたばかりの65歳の頃にはピーク時の半分程度に働き具合が直線的に衰えてきていて、以降、100歳に向かって、緩やかではあるが直線的に働き具合が衰えていくのです。

「物忘れ」の症状は、この「前頭葉」の三本柱の機能の衰えに比例して発症してくるものなのです。「物忘れ」の程度や態様、或いは頻度が増してくるのです。記憶は、記銘、保持、想起という行程をたどると言いましたが、「記銘度」が高いほどよく保持され、よく想起されるのです。「前頭葉」の三本柱の機能の衰えが、肝心の「記銘度」に直接関わりがあることが、加齢による「物忘れ」の症状の発症具合に直接関係し、影響してくるということなのです。さらに詳細にデータから説明すると、三本柱の機能は、注意の分配の機能、注意の集中力の機能、意欲の順番に、加齢とともに衰えていく性質があるのです。そのすべてが記銘度の深さ或いは浅さに関わっているのですが、加齢とともに「注意の分配力」の機能が衰えてきて、何か複数のテーマを処理している最中に、分配された注意が少なかった方のテーマについて、想起できないという現象(物忘れ)が発生するということなのです。

ここで注意していただきたいのは、「前頭葉」機能の「正常老化」に起因する物忘れの症状は、「アルツハイマー型認知症」の症状である「記憶の障害」の症状とは、「発症のメカニズム」が根本的に異なるということなのです。「物忘れ」の症状は、前頭葉も左脳も右脳も運動の脳も、全ての脳機能が正常なレベルにありながら発現してくるものなのです。「アルツハイマー型認知症」の記憶障害の症状は、そもそも「前頭葉」の機能自体が異常なレベルであることが大前提となるのです。そうした症状の発現のメカニズムの差異自体を医療機関でさえ知らないので、認知症の専門と言いながら、「物忘れ外来」などの看板を平気で架けていたりするのです。「問診」では、物忘れの症状を確認し、「認知機能」テストでは、長谷川式かMMSEを使用し、「画像診断」と称して、CTやMRIやSPECTやPET等の機器を総動員しているのが、「アルツハイマー型認知症」の診断の実態なのです。その上、効きもしない「薬」を何種類か処方してもいるのです。あ~、嘆かわしや。

 後述するように、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現する「記憶障害」の症状は、「前頭葉」の機能が廃用性の異常で加速度的な機能低下を進行させてきたこと、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されてきたことが症状発現の直接の原因であり、「物忘れ」が発症する場合の脳の使い方としての「生活習慣」とは根本的に異なる生活習慣が存在し、継続されているという条件が必ず確認されるということなのです。

テレビに出てきていい加減なことを物知り顔に話す認知症の第一人者とか名医とか紹介される人たちが、物忘れの症状を確認さえすると、「アルツハイマー型認知症」の前段階、軽度認知障害(MCI)の段階にあるとか言い、或いは、昔から言い慣わされてきた「物忘れは、ボケの始まり」と言う諺等は、上述した、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因する「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の異常で加速度的な機能低下の進行と言うメカニズムについて無知だからが故のことなのです。「前頭葉」の機能が正常な機能レベルであれば単なる「物忘れ」の症状であり、「前頭葉」の機能が異常な機能レベルであれば「アルツハイマー型認知症」としての症状ということなのです。

両者を区分ける(鑑別する)物差しは、「前頭葉」の機能レベルが「正常」であるか、又は「異常」であるかと言うことなのです。ついでのことに付言しておくと、「前頭葉」の機能レベルが正常であるか、或いは異常であるかの判定は、MMSEや長谷川式では出来ないし(困難)、更には、極めて高額の診断費用を請求されることになる(形態画像検査であるCTやMRI、或いは機能画像検査とされるSPECTやPET等の機器)を使用しようとも、的確で正しい判定はできないことを知っておいていただきたいのです「アルツハイマー型認知症」であるか否かの判定及びその重症度の判定には、「前頭葉」の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのです。その上に、「前頭葉」の機能レベルは、脳の使い方としての「生活習慣」にリンクしていて、「生活歴」の変化の把握も不可欠となるのです。ついでのことに付言しておくと、簡単な足し算や引き算をし及び平仮名で書かれた(漢字が混じる場合は、その漢字に平仮名で読み方を振る)簡単なおとぎ話や文章を音読する作業を日々の生活に取り込む(生活習慣化する)として、その作業の継続と言う生活習慣が「前頭葉」の機能レベルの改善に直結しているということをPETでどのように計測し判定できると主張するのか、以下に説明する理由により、私には理解不可能なのです。

 PET(脳内での神経活動が高まるとその部位での血液流量が増大するので、捉えたい指標に合わせたトレーサーを選ぶことで、間接的に脳内で活動が活発になっている部位を特定することができる機器)を活用して、何か特定の「テーマ」を処理している脳機能部位の血流を計測する程度のことでは、脳の使い方としての意味で言う「生活習慣」の継続とその程度の変化に直接に起因して起きる「前頭葉」の働き具合の変化(脳機能レベルの変化)を精緻に計測することは出来ないからなのです。その程度の作業をするだけで、MMSEで計測される左脳及び右脳の機能は容易に向上するのですが、「前頭葉」の機能の改善及び向上は容易なことではないのです。「二段階方式」の場合は、認知症の予防教室に参加しているお年寄り達の「前頭葉」の機能レベルの変化を半年ごとに判定し評価するのですが(一定の基準で改善、維持、悪化を判定する)、脳の使い方としての「生活習慣」の改善に努めても、容易には評価点が上がってこないものなのです。

更には、肝心の「因果関係」についても理解していないというしかないのです。「前頭葉」の機能レベルの改善、維持、悪化については、様々な生活要因、脳の使い方としての「生活習慣」が直接大きく影響してくるものなのです(ここを「クリック」してください)。上述した作業テーマは、「左脳」の刺激に特化しているのですが、左脳が担っている「仕事」とは無縁の第二の人生を送っているお年寄りにとっては、右脳や運動の脳からの刺激、言い換えると、趣味や遊びや人付き合いや運動と言ったテーマの遂行が、「前頭葉」を刺激し活性化させる極めて重要な要因なのです。こうした諸要因を排除さえもしないでいて、上述の作業が「前頭葉」の機能レベルの改善にどのように影響したのか判定できると考えているとしたら、因果関係を全く無視した考え方と言うほかないのです。 

 上述の作業が、「アルツハイマー型認知症」の症状の維持、改善、更には予防に効果があるとうたわれているのですが、どのような「脳機能データ」が「根拠」とされているのか、詳細を聞いてみたいし、議論してみたいと思うのです。私たちこそが、「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であると主張する第一人者だからです。私たちには、主張の根拠となる14689例にも上る脳機能データ(これは、旧マニュアルでのデータ数であり、最新のマニュアルでは、23725例にも上る)があり、440を超える数の市町村での、「アルツハイマー型認知症」の予防と早期発見による回復を目的とする「地域予防活動」の実践を指導してきた経緯と経験と成果があるからです。

○ 「前頭葉」の個別認知機能の発揮と「二重構造」の問題

「アルツハイマー型認知症」の症状と言うのは、そもそも、私たちが日常の生活を送る上で、意識的に何かのテーマを実行しようとする際に、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの面からの支障が直接反映される形で出てくるものであり、その支障のレベル面から、最初に「社会生活」に支障が出てくるようになり、次いで「家庭生活」に支障が出てくるようになり、最後に「セルフケア」に支障が出てくるようになるとの分類がなされているのです。そこで私たちは、私たち人間の意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」と言う脳機能に焦点を当てて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした14689例にも上る症状の症例を集積し、解析したのです。

これらの症例の脳機能データは、私たちが開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用し、「前頭葉」自体の機能レベル、「左脳及び右脳」の機能レベルのデータに基づく脳全体の機能レベルの判定(A)、当該機能レベルにリンクした三段階に区分される症状の類型(B)及び当該脳機能レベルをもたらした脳の使い方としての「生活習慣」の在り方と言う視点からの過去数年間の「生活歴」(C)の聞き取り(脳機能判定の結果のデータから、「前頭葉」を含む脳全体の異常で加速度的な廃用性の機能低下をもたらす原因であるナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まる「キッカケ」となった時期が精緻な確度で推定されるのが私たちの手技独自の特徴なのです)を緻密に行ったものなのです。

実は、認知症が「アルツハイマー型認知症」である場合は(且つ、その場合に限り)、A=B=Cが成立するのです。この算式も、私たちが初めて手技として確立したものであり、私たちが日本だけでなく世界で初めて独自に発見したものなのです。

  ○ 「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件

「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られるのです。60歳より若くして発病する人は、皆無とは言わないまでも、ほとんどいないことに注意していただきたいのです。勿論、30歳代や40歳代の若者が、「アルツハイマー型認知症」を発病することは無い、皆無なのです。そこのところが、特定の遺伝子に生まれつき異常がある者だけが発病の対象となる「アルツハイマー病」とは根本的に異なるのです。逆に、「アルツハイマー病」の場合は、30歳代から50歳代までの若い年齢で発病するのがほとんどであり、60歳代で発病するケースは、皆無とは言わないまでも極めてまれなことなのです。働き盛りの若い年齢で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人が増えてきているというのは、根本的な誤解(医師の誤診に基づく誤報)であって、側頭葉性健忘症などの病気(新しい記憶が入っていかないという特徴を有する重度の記憶障害の症状を示すが、「前頭葉」の機能レベルが正常なのが特徴)の鑑別が出来ないが故の誤診なのです。

私たちは、「前頭葉」の三本柱の機能に内在する「正常老化の性質」の発見と14689例の脳機能データの解析から、「60歳を超える年齢の高齢者であること」を「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」と定義しているのです。

過去の職歴も、学歴も関係ないのです。身体が健康であるかどうかも関係ないのです「年齢」と言う要素だけが、発病の「第一の要件」になるのです。

○ 「アルツハイマー型認知症」発病の第二の要件

何かを「キッカケ」として、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり継続されるということが、私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」となるのです。ここに言う、ナイナイ尽くしの「単調な生活」とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」、脳の使い方としての「生活習慣」のことを言うことに注意してください。

「第二の人生」を送っているお年寄りと言うことは、「仕事」とは無関係の生活をしているということになります。「左脳」の出番が少ない生活と言うことになります。趣味なく交遊なく運動もしない生活とは、右脳も運動の脳も出番が少ない生活と言うことになります。脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」と言う脳機能は、左脳、右脳及び運動の脳と言う馬を操る御者、三頭立ての馬車の御者の役割を担っているのです。左脳からも右脳からも運動の脳からも情報が送られてくることが極端に少ない「生活週間」の下では、出番が極端に少なくなった「前頭葉」が、廃用性の機能低下を起こしてくるのです。

 &私たちが主張する「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(原因要因)

「正常な老化」の過程とはいえ、「加齢」による老化により「前頭葉」の機能が低空飛行状態に入ってきている60歳を超えた「高齢者」と呼ばれる年齢の「お年寄り」(発病の「第一の要件」の充足)が、何かを「キッカケ」にして(私たちが集積した「キッカケ」の類型については、ここを「クリック」してください)、生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると(発病の「第二の要件」の充足)、出番が少ないために使われる機会が極端に減った「前頭葉」が、廃用性の機能低下(使われる機会が極端に少ないことにより、機能が衰えて行くこと)を起こして来るのです。その場合に、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足され、重なり合うことの「相乗効果」により、「前頭葉」の機能の老化が加速されていくことになるのです。

この場合、「前頭葉」機能の老化は、廃用性の異常で加速度的な機能低下をもたらすことが特徴なのです。機能低下のカーブは、「正常老化」の過程における緩やかで直線的なものから、加速度的なもの、放物線を描いて急速に衰えていくことを示すのが特徴なのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能が、老化を加速させて行く中で、異常な機能レベルに衰えた機能(三段階に区分される段階的な機能レベル)のアウトプットそれ自体が、「三段階に区分される段階的な症状」となって発現してくるということなのです。つまり、正常老化の性質を内在させている「前頭葉」を含む脳全体の働きに、廃用性の機能低下の要因が重なることで、脳全体の機能が異常で加速度的な衰えを示していくその先に、「アルツハイマー型認知症」(晩発型アルツハイマー病ともいいます)の発症が待っているということなのです。

 (注)第一の要件と第二の要件との相乗効果により廃用性の機能低下が進むときは、直線的ではなくて放物線を描いて「加速度的」に脳の機能が衰えていくのが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。その場合に、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳や右脳や運動の脳がその順番に異常なレベルに衰えていきます。更には、「アルツハイマー型認知症」の場合には、「左脳および右脳」の機能の衰え方にも規則性がある(「衰えていく順番がある」)ことが重要な特徴なのです。「前頭葉」と左脳及び右脳の機能のそれぞれの衰え方が、他の種類の認知症あるいは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行など)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な指標としての役割を果たしてくれるのです。

     

 ○「アルツハイマー型認知症」の本質

上述した発病のメカニズムから明らかなように、わが国だけでなく世界中の認知症の専門家達から、発病の原因(メカニズム)がわからないとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのです。なおこの場合、生活習慣とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣病」ということが極めて重要なのです。我が国では、「身体の健康」と言う面に特化した「テーマ」について、かつては保健所が、現在では市町村(健康課や健康福祉課や健康保健課)が主導して、且つ過剰な医療制度の達成も手伝って、世界に冠たる「超高齢化社会」を実現したのです。素直にそのことを喜べないのは、同時に、世界に冠たる「認知症大国」であり、更には、そのことに起因して、医療費及び介護費用が巨額なものとなって(両者を合計すると、年間で数十兆円もの規模となる)、「国家財政」を圧迫しているという現実があるからなのです。

身体の健康はもう十分すぎる程なのです。今こそ、「脳の健康」と言うテーマを掲げて実行すべきなのです。身体が持つ限り脳を持たせないと、「アルツハイマー型認知症」の発病者数が、この先も増加の一途をたどることとなり、介護保険制度が財政面から破綻してしまうことになりかねないところまで来ているのです。国民全体が、もっと真剣にこの問題について注意を傾け、考えるべきときなのです。

なぜなら、我が国の認知症の発病者数の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、脳の使い方としての生活習慣、「前頭葉」を含む脳全体が活性化するようなテーマを日々の生活に取り込み実践する(生活習慣化する)ことによって、発病自体を予防することが出来るし、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)で見つけて「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)に励むことで治すことが出来る(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る)ものだからなのです。発病を予防できれば言うこともなく、発病しても本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)で見つけて、脳のリハビリの実行により治すことが出来れば、上述の費用を天文学的な規模で減少させることが出来るのです。

 & 「アルツハイマー型認知症」の段階的症状

○ 「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴(「三段階の症状」)

「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状として発現するものであり、回復の可能性と言う視点から私たちが区分する三段階に区分された症状の類型を示すのです。その最初の段階は、脳のリハビリにより回復させることが比較的に容易である「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、次いで脳のリハビリにより回復させることが未だ可能である「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、最後に回復させることが困難となる「重度認知症」(大ボケ)の段階に行き着くのです。

○ 「アルツハイマー型認知症」の症状と脳全体の機能レベルとの関係

私達が意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするとき、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」は、「左脳」、「右脳」、「運動の脳」の各部と協働し、且つそれらを主導し、コントロールしながら:

●自分のおかれている状況を判断し(「状況の判断」);

●テーマの発想とその実行内容を企画、計画し(「テーマの発想と実行内容の計画」);

●テーマの内容を実行する手順を計画し(「実行手順の計画」);

●実行の結果をシミュレーションし(「実行結果の予測」);

 ●実行結果の予測に基づく必要な修正を施し(「テーマと実行内容の修正」);

●構想から実行に至る全体の構成を保持し(「構成の保持」);

●結果に向けた実行を決断し(「決断」);

●脳の各部に、実行の指令を出す(「指令」);という一連の作業を「同時並行」して、且つ「重層的」に行っているのです。

意識的に何かの「テーマ」を実行するときの「前頭葉の機能レベル」は、「三本柱の機能」、「前頭葉」の個別認知機能及び評価の物差しとしての「評価機能」のそれぞれが、加齢に伴う「正常老化による機能低下」と使われる機会が極端に少ないことに伴う「廃用性の機能低下」とが同時に充足されることの相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の総合体としての或る一定の「機能レベル」(私たちが区分し規定する三段階の機能レベル)を構成し、その「機能レベル」の直接のアウト・プットそれ自体が、三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状として発現してくるものなのです「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状の根底に横たわるものは、「前頭葉」機能の「廃用性の異常で加速度的な機能低下」の存在なのであって、器質的な変化が原因ではないのです。器質的な変化にばかり目を向けていたのでは、末期の段階にしか目がいかないこととなり、何時まで経っても原因不明で治らないタイプの認知症とされてしまうことになるのです。製薬会社や医療機関はその方が好都合なのでしょうが、せめて学者が目覚めて気づいて欲しいと願うのです。アミロイドベータ説やタウタンパク説や脳の萎縮説等を現状唱えていない大学の医学部で、且つ日本国民に権威がある大学の医学部との実証研究PRJにより、私たちの主張内容の正しいことが検証されさえすれば、「二段階方式」の内容と手技は完成された水準にあり(「脳機能データの」管理ソフトも、開発済み)、且つ後を追ってくる二番手の姿は全く見えない状況にあるので、「二段階方式」を導入する市町村は、動き出した転石が坂を転がるように拡大していくと確信してもいるのです。その場合、市町村は企業と違い、使用料を無償にすると、予算化が必要なくなると同時に人の配置も無くなるので、有償の期間を出来るだけ長くすることも体験から得た学習なのです。有償期間を長く設定することが、地域予防活動を長期間継続させる上で、有効且つ必要な条件だということを学習したのです。来るべき日に備えて、「マニュアル」をさらに使いやすいものに改良し、「脳機能データ」の管理ソフトも更に機能進化させていこうと、Tadと話しているところなのです。

  注)本著作物(Bー49に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

  エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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臨時投稿

2015-11-24 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 明け方、なんだか寒いなと思って、目が覚めました。ハッと気づいて、二階のリビングに急ぎました。

予想通り! 富士山の冠雪の量が増えていました!!

皆さんに、お目覚めのプレゼントです!

    

    

     

 お客さんが多かったせいもあって、此処ダイヤランドの脳活性化研究所での滞在が長くなりました。

今日から、伊豆高原のエイジングライフ研究所の方へ移ります。

   早速、忘年会の行事が始まります。脳が活性化してきて、発想、創意、工夫、企画、計画、シミュレーション等の機能がフル回転状態になっているのです。皆さんは、どんな企画をされていますか。

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富士山の朝景色

2015-11-18 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

朝方寒くて目を覚ましたら、冠雪していました。

   

   

   

   

   

        

        

        

 

私は平気なのですが、Tadが寒さが苦手なので、何時まで此処へ通ってこれるか

それが気になるところなのです。弁慶の泣き所かな。

 

今月は東京からのお客さんが多くて、2~3(1人)、5~7(1人)、16~17(2人)、

21~23の連休に(4人)と総計8人のお客さんを迎える盛況です。

 忙しい中で、人と交わる楽しさを満喫しています。前頭葉が、とっても活性化されている毎日です。

お客さんたちが異句同音に感激してくださるのが、ここ脳活性化研究所のリビングからの景色です。

朝方は、雲海に浮かぶ朝陽を受けた富士山の姿。

昼間は、駿河湾のあの湾曲したライン。

夕方は、夕陽を受けた富士山の姿。

夜は、沼津市街の夜景。

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臨時掲載

2015-11-05 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

伊豆高原にあるエイジングライフ研究所は、暖流が流れる海のすぐ近くにある上に、海抜が僅か20mです。此処南箱根のダイヤランドにある脳活性化研究所は、標高が500mにもなります。この季節の温度差は、なんと5度にもなるのです。

11月に入ってから、めっきり朝晩が寒くなってきました。

 その一方で、富士山の姿は、くっきりと見えるようになってきました。今朝は、脳活性化研究所のリビングから見る、その富士山の姿をたっぷりとお目にかけることにしましょう。なお、放物線状に湾曲した部分が見えているのは、駿河湾です。晴れていると、砂浜の砂の色までがくっきりと見えます。手前の街は、沼津なの。夜には日本三景にあげられる函館のそれには劣るものの、夜景がとてもきれいです。

これから紅葉狩りの季節。11月のイベントは、エクシブの山中湖を拠点に、河口湖の紅葉狩りというスケジュールかな。エクシブの蓼科を拠点に、蓼科の「黄葉」というのも素敵なんだけど。紅葉と黄葉、どちらも捨てがたいんだけど。私は両方行きたいのに、Tadが大人はゆったりとした生活をすべきとか言って、きっとどちらか一つになるんだわ。一緒に楽しんでくれるお友達も決めないと。これまでは8人乗りのランクルだったけど、今は小さなGLAなので、5人が定員なのよね。とは言っても、楽しみごとって、実行する前から、あれこれプランを考えているだけでも、楽しいのよね。まさに、「前頭葉」の活性化よね。

脳の活性化といえば、私はこれからお風呂に入るの。私は、寝る前にお風呂に入るのだけど、Tadが朝風呂派なので(但し、朝寝、朝酒はしないのよ)、結局私は、朝と晩の二回、お風呂に入るの。ここは、お風呂がリビングの真下にあって、景色を楽しむために中二階の構造になっているの。お風呂からも、リビングから見るのと同じ景色を楽しめるという訳なの。良いでしょ。じゃあ、入ってこようっと。

       

   

   

   

   

お風呂から見た富士山と、今朝の脳活性化研究所の姿を最後に入れておきました。

   

 

 

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高く跳ばんと欲する者は、先ずその膝を深く屈せよ

2015-10-15 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 今日は、アルツハイマー型認知症に関するテーマでの私のブログを載せる日なのですが、

今回は、ダイヤランドの部屋から観る富士山の景色だけなのです。

 

安倍政権が、我が国が長期に継続して経済的にも社会的にも繁栄を続けるための政策として、今回打ち出した「一億総活躍社会」の実現に向けた具体的な政策課題と施策の条件について、私たちも具体的な提言をしようと、Tadを含めた3人が、ダイヤランド内にあるここ脳活性化研究所に籠りきりで、これまでの経験に基づく、政策提言能力をフルに発揮して、基本のコンセプトづくりに邁進している最中なのです。ブログを書く意欲も、注意の集中力も注意の分配力も使い果たしてしまっているのです。ごめんなさい。 

(時は今 雨が下知る 五月哉)という訳でもないのですが、いづれその時が来たら、その全貌或いは部分について、このブログでお披露目をするつもりなので、今しばらく待っていただきたいと願うのです。

    

   

   

   

   

   

   

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臨時掲載

2015-10-12 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 富士山の冠雪した姿をお届けします。初冠雪かと思いきや、新聞によると昨日がその初冠雪だったとか。残念!!!

 昨日は、天気が悪かったので、今日のほうがずっと綺麗と、自分を慰めるのです。

何か意欲を落とすキッカケが起きた時、その受け止め方がとても大事なのです。キッカケは、単なる例示であって、キッカケとなる事態や状況や事件が発生した時、それによって立ち上がれないほど意欲を落とすことになるかどうかは、その本人の受け止め方次第だからなのです。

かわいがっていた猫が死んだことがキッカケとなるお年寄りも居れば、東日本大震災を被災して、町も家族も家も過去の思い出もすべてを失ってもキッカケにならないお年寄りも居るのです。

ここで私がキッカケといっているのは、あのことなのです。「えっ!!」、あなた、もう忘れ果ててしまったというのですか。

私がキッカケといっているのは、私のあの文学的な表現「そのことをキッカケにして、立ち上がれなくなるほど意欲をなくしてしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの単調な生活に陥っていく」、そのキッカケのことを言っているのです。

 いろんな種類が数ある認知症の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのです。

60歳を超えた年齢のお年寄りが、何かをキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な生活を続けていると、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。その行き着く先に、アルツハイマー型認知症の発病が待っているということなのです。

「アルツハイマー型認知症」は、世間でいろいろな学者が主張しているようなものではないのです。発病自体を予防することもできるし、本当の意味での早期の段階、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけて、脳のリハビリ(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣の改善)に励めば、治すこともできるのです。

アミロイドベータとかタウタンパクとか、脳の委縮であるとかの発病の原因に関する仮説が主張されていますが、それらはすべて間違っているのです。それらの説はいづれも、アルツハイマー型認知症を発病して、その症状が進み、末期の段階であって私たちの区分で言う「大ボケ」の段階にまで症状が進み、さらにそのまま何年も経過した人の死後の脳の解剖所見に共通して確認される、アミロイドベータの蓄積による老人斑とか、タウタンパクの蓄積による神経原繊維変化とか、脳の萎縮とかを見て、それらが発病を惹き起こしているのではないかと想像しているだけなのです。原因と結果の間には因果関係が存在するのに、原因だとするそれぞれの説と発病という結果との間の因果関係については未だに立証できないでいるのです

その場合に、あの「DSM-4」が規定するアルツハイマー型認知症診断の第一要件とされる「記憶の障害」の規定にも惑わされているのです「記憶の障害」がアルツハイマー型認知症の症状の中核をなすものであり、その記憶の障害の症状を惹き起こしている原因が、アミロイドベータの沈着であるとか、タウタンパクの沈着であるとか、脳の委縮であるとか考えるが故の仮説に過ぎないのです。私たちは、アミロイドベータの沈着も、タウタンパクの沈着も、脳の委縮も、アルツハイマー型認知症を発病してその症状が進み、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進み、さらにそのまま何年も経過したこと、そのために起きてきた結果だと考えているのです。結果としてもたらされているに過ぎない外観的な内容だけを観測して、それらが「アルツハイマー型認知症」を発病させている直接の原因と考えていて、然も、「記憶の障害の症状」が中核となる症状だと勘違いしているだけなのです。

世界中の認知症の専門家とされる人達にそうした勘違いを起こさせている主犯が、上述した「DSMー4」の第一の要件なのです。その責任は極めて重大と言うべきなのです。その既定の誤りにも気づかないで、権威に惑わされて、正しいものと信じ込んでいて、「アルツハイマー型認知症」の発現のメカニズムはおろか、段階的な症状のことも知らないで、物忘れの症状さえ見つけると、「軽度認知障害」(MCI)だとか叫ぶ人達が、テレビに出てきて、名医だとか「アルツハイマー型認知症」の第一人者だとか紹介されて、喜んで、平気で出鱈目な内容を語るのです。

30代にもなるとすでにその発現がみられる「物忘れ」の症状であれ、昨日レストランに行ったことさえ思い出せなくなるような症状とか、ついさっき食事をしたばかりなのにもうそのことさえも忘れてしまっているような「大ボケ」の段階で確認される重度の症状とか、所謂「記憶障害」の症状は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」機能の働き具合と密接不可分の関係にあるのです。「物忘れ」の症状は正常な機能レベルの下で及び後二者は廃用性の機能低下の下で、前頭葉の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能低下に厳密に沿った形で、「記憶障害」の症状が発現してくることさえも知らない人達が主張する仮説に過ぎないのです。

脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが何かをしようとする世界、私たち人間の意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」のことを知らないが故の単なる主張に過ぎないのです。前頭葉は、脳の中の空白地帯とされ、研究が遅れているのです。調べ方がわからないからなのです。その為、私たち人間とは脳の構造も機能レベルも異次元というべきマウスを研究の対象にして、マウスが檻の中で迷路をあちこちさまよいながらエサを求めて動き回るだけの行動を研究して、私たち人間の脳の働きを空想しているのです。

私たちは「二段階方式」と呼称する精緻な神経心理機能テストを開発して、前頭葉を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした14689例にも上る症状(正常な機能レベルで発現してくる症状、正常下限の機能レベルで発現してくる症状、前頭葉を含む脳の機能が異常なレベルで発現してくる症状)を調べて解析し、その成果をもとにして、アルツハイマー型認知症の予防を目的とする地域予防活動を、440を超える市町村で1995年から実践指導してきたのです。アルツハイマー型認知症を発病して認知症の症状が発現してくる場合の症状についても、三段階に区分される「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密に対応した「三段階の症状」を類型化し例示しているのです。三段階に区分する理由は、脳リハビリによって回復させることが可能であるかどうかの視点からなのです。

そうした基礎的なことも知らないで、中核症状とか周辺症状とかの区分を行って、訳が分かったような気分になっている認知症の専門家といわれる人達とは、根本的に手法も手技も主張の内容も異なるのです。認知症の専門家とされる人達がテレビによく登場してきます。その人達がアルツハイマー型認知症について物知り顔に話すのを聞いていると、私のほうが哀しくなってきてしまうのです。その人が語る内容が支離滅裂だからです。

 「記憶の障害」がアルツハイマー型認知症の中核的な症状だと勘違いしていて、重度の「記憶障害」の症状さえ認められると、アルツハイマー型認知症(アルツハイマー型認知症ときちんと区分けすることさえしないで、「アルツハイマー病」と言う人が多いことにも驚かされるのですが)だと勘違いしているのです。側頭葉性健忘症や緩徐進行性失語や緩徐進行性失行のことさえ知らないで、「50歳代の働き盛りの人達の間で、アルツハイマー型認知症を発病する人が増えてきている」などと平気で発言したりもするのです。

                              あー、嘆かわしや。

(いつもの富士山)

   

(初冠雪した富士山)

    

       

 注)本著作物(今日の私のブログに記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

    エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

      脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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臨時掲載  自分らしさをテーマにした「小さな旅」を楽しんでみよう(B-46)

2015-10-01 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

   古希を聞き 死出の旅路か 草枕

    水杯を 誰に拒まん  By kinukototadao

 

   

& 自分らしさを演出できる旅を楽しんでみよう

○ 自分らしさを楽しむ「小さな旅」を企画してみよう

新聞で見てタイトルが気になっていたところ、雑誌の企画で見て行ってみたいと思っていた処、テレビで観て行ってみたいと思っていた処、友達とおしゃべりしていて急に行ってみたくなった処、そこへ行って楽しむ「小さな旅」を企画するのです。

一緒に旅を楽しむ相手は、気心が知れていて、好みが合っているお友達、似たような環境にいて、24時間ずっと一緒に居ても気づかれしない人がいいと思うのです。お互いに相手に対して気づかいしないで済むことが大切だと思うのです。それでいて、実は、秘かに気遣いしてくれている人。ちょっと要求が多すぎるかな。

日程的には、3泊4日から4拍5日くらいの期間。これより短い日程だと、行っても直ぐに帰ってきたみたいで、少し物足りなさを感じると思うから。

費用は、あなたの懐次第。余裕があれば、少し贅沢目に、余裕が無ければ、少し抑えた節約型で良いのではないかしら。

旅する時期は、旅の「テーマ」次第ということで良いのでは。思い立ったが吉日のケースもあるかしら。

     

○ 旅の「テーマ」

その旅に何を求めて旅するのか、それがその旅の「テーマ」です。

Nickさん御夫婦は、四国へ行かれたことが未だないので、四国。

できれば、最後の清流として名高い四万十川を入れたいということでした。私たちは、「二段階方式」の市町村展開の関係で、たいていの場所には行っているので、Tadの希望を入れて、大歩危/小歩危を旅程に入れることにしました。テーマは、「四国遊覧」とし、自然を楽しむことをメインに、桂浜や鳴門等定番の観光地も幾つか訪れることにしました。Tadが強く注文したのは、強行軍にならないこと、ゆったりとした日程でということでした。

 ○ プラニングの準備

先ずは、本屋さんに行って、目的地周辺に関する旅行本を探しましょう。何種類か選んで、地図入りの解説になっているかも要注意事項です。

○ 私が立てた小さな旅のプラン

日程は、時間短縮のため四国への往復に飛行機を利用することと、

現地滞在時間をできるだけ有効に使うという観点から、東京都内に前泊する関係上、4泊5日になりました。

○大雑把な経路と旅の概要

● 初日は、東京都内に前泊。ヒルトン・グランド・バケーションズ・クラブの会員なので、ポイントが使える関係で、Conradに泊まってみることにしました。一寸だけ、リッチな気分をという算段。

●二日目は、Jalを使って、高知に飛び、レンタカーを借りて、桂浜や高知城を楽しんだ後、大歩危の「ホテル大歩危まんなか」が宿となります。インターネットで探しただけなのだけど、楽しみ。

●三日目は、大歩危の観光と散策(かずら橋への挑戦)を楽しんだ後、自動車道を使って、阿波の鳴門に向かいます。宿は、エクシブ鳴門です。Tadが、翠陽の中華懐石が希望なので、ここに泊まることにしたのです。Tadの要望には、無抵抗で従うのが、私の習性だから。

●四日目は、淡路島に渡ってから、鳴門の渦潮観光が目的。事前の調査で、淡路島からの方が、渦潮観光に良いと分かったからです。お泊りは、再度エクシブ鳴門。夕食は、私の要望で、和食です。

●五日目になる最後の日は、鳴門から高松までのドライブを楽しんだ後、金比羅山への挑戦です。786段すべてを徒歩で行くのは、到底無理な話なので、途中500段のところまでは車で行き、そこから、徒歩で階段上りに挑戦する予定です(これぞ、捕らぬ狸の皮算用)。

 

   

〇 Tadが立てた詳細で具体的な旅のプラン

● 二日目の楽しみ事

羽田発09:35(By JAL493)

高知空港着11:05(レンタカーの配車予定時間は、11:40)

高知空港から高松空港までの3泊4日コースでレンタカーを借りて、先ずは、今日の昼食をいただくことに。だって、腹が減っては戦は出来ぬというでしょう。高知を代表する料理と言えば、黒潮の海の幸と皿鉢料理でしょう。(高知市本町2-1-19:本池澤088-873-3231)。

腹が満腹したところで、いざや、高知城へ。築城から400年余り。高知城は、国の重要文化財に指定されている追手門や天守閣、本丸正殿等が見どころ。高知城を堪能したら、桂浜へ。夫婦仲良く連れ添って浜を散歩した後は、五台山に在る竹林寺へ。四国霊場第31番札所。本尊は、知恵の仏様として知られる文殊菩薩。古希を目前にした私には、時すでに遅いと言うべきか。

境内には、本堂、大師堂、五重塔、宝物館等の見どころがたくさんあり、更には、県下三名園に数えられる見事な庭園もあるのです。

今日のお宿へ:

竹林寺の参詣を追えたら、今日のお宿である「大歩危峡まんなか」を目指します。峡谷の湯宿 大歩危峡まんなかは、四国のまんなかに位置し、大歩危峡や祖谷のかずら橋などの観光に便利な場所にあります。露天風呂からは、眼下に吉野川と渓谷を観賞できるのです。

そして、旅行の楽しみの一つは、なんといっても美味しいお料理。

 

   

● 三日目の楽しみ事

今日の日程は、ここ大歩危峡及び小歩危峡を楽しんでから、宿泊地である阿波、徳島は、鳴門に在るエクシブ鳴門に向かうだけの日程。

朝食を早々に済ませたら、大歩危峡観光遊覧船にホテル前から乗船して、ホテル大歩危峡まんなかの桟橋を出発してから、下流の2kmを往復する4kmの船旅です。紅葉の時期には少しばかり早いかなと思うのだけど、30分間の舟下りが今からとても楽しみです。

舟下りを体験したら、再びレンタカーで、小歩危まで上って行き、そこで折り返した後、東に向けて行き、平家屋敷民俗資料館を訪れるのです。ここは、安徳天皇の御典医、堀川内記の屋敷を資料館にしていて、平家の赤旗、武具、古文書などの宝物が展示されているのです。源平の昔を偲び、しばし歴史のロマンに浸ってみたいではないですか。そのあとは、いよいよかずら橋。平家の落人達が考案したと言われる吊り橋は、日本三大奇橋の一つとして有名なのです。敵方である源氏の追手達が来れば、断ち落とせるよう、野生のシラクチカズラで編まれているのです。祖谷川の上流14kmの地点にあります。昼食は、いこい食堂で名代の祖谷そばとアメゴの炭火焼きを食す予定。食後は、阿波十郎兵衛屋敷目指して一直線。少し無理でも、14時からの人形浄瑠璃の上演に間に合わないといけないの。その後は、阿波おどり会館で16時からあわ踊りを鑑賞する予定。

今日の泊りは、エクシブ鳴門。夕食は、Tadの強い希望で、レストラン翆陽での中華懐石なのです。食事もさることながら、料理ごとに出される器がとても洒落ていて、紹興酒にも酔いしれるのです。

 

   

● 四日目の楽しみ事

今日は、淡路島に渡り、淡路島側から鳴門の渦潮を楽しもうという算段なのです。聞くところによると、淡路島側からの方が鳴門大橋を渡れるうえに、その他の利点(国家機密)も多いということなのです。渦潮観光の後は、鳴門公園の千畳敷展望台内にある食事処、うづ乃屋で昼食の予定。鳴門海峡を眺めながら名物の鯛料理を味わいたいと思っているのです。

戦の前の腹ごしらえが終わったら、大塚国際美術館を訪れます。大塚国際美術館は、世界に類例のない陶板名画美術館で、世界25ヶ国の190余りの美術館が所蔵している1000点余りの西洋名画を陶板に焼き付けて、原寸大で再現しているのです。

今日のお泊りは、再び鳴門に帰って、エクシブ鳴門です。夕食は、今度は私の希望を入れて、和食ということにします。

 

   

● 五日目の楽しみ事

今日は、四国旅行の最後の日です。高松と言えば、金毘羅宮ですよね。問題は、石段の数。どこまで挑戦できるか、500段近くの駐車場まで車で行って、お昼を食べて、それから徒歩での登段と言うことになりますが、どうなることやら。

● その他

実は、小型サイズのスケッチブックと五色の色のボールペンを買ったのです。私なりに印象が深かった場所で、下手な(but、横好きではない)スケッチを楽しもうと考えているの。

 

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2015-09-23 | アルツハイマー型認知症の予防と脳の活性化

 今日は、南箱根のダイヤランドにある脳活性化研究所のリビングからとらえた朝方の雲海に浮かぶ富士山の景色です。駿河湾とお隣のきれいになった庭も一緒に。

  

       

      

        

                              アディオス

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