認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

発病の原因である廃用性の機能低下の機序を示す証拠としての脳機能データ(B-70)

2016-11-01 | 器質的な病態でなく廃...

  

   見過ごされ 気にもかけずに 生きる意味

        身体が持てば それで良いのか  By kinukototadao

&  廃用性の機能低下が原因であるからこそ、脳の機能の衰えに厳密な順番があるのです

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されている生活状況の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、それが進行していくとき、私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしていて脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の機能が最初に廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしていくことが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです(※最も高度な脳機能から順番に衰えていくのです。「三頭立ての馬車」の例で言うと、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくのです。「三本柱の機能」の例でいうと、注意の分配力、注意の集中力、意欲の順番に衰えていくのです。MMSEが判定する「下位項目の機能」についても、後述のように衰えていく順番があるのです。この一事をとってみても、「アミロイドベータの蓄積」や「タウ蛋白の蓄積」や「脳の萎縮」が発病の原因ではないことが分かるのです)。ちなみに(私たちの「脳機能データ」の解析によると)、皆さんが日常的に体験し気にかかっている例の「物忘れ」の症状の発現は、「注意の分配力」の機能の「加齢による衰え」と密接不可分の関係にあるのです。認知症の専門医だとか名医だとか言いながら、「前頭葉」のことにも、「前頭葉」の「三本柱」の機能のことにも、無知で居て、「物忘れ」の症状が増えてきていると、「軽度認知障害」(MCI)だとか訳の分からない基準を持ち出して、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険が高いとか言って騒いでいるのです。物忘れはボケの始まりというのは誤解に基づく単なる仮説にすぎないのです「アルツハイマー型認知症」の中核的な症状であり、最初に発現が確認されるのは、記憶の障害に起因した症状ではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因した症状なのですから(ここを「クリック」してください)。知りもしないのに、「権威だ」けで平気で間違ったことをテレビに出てきてしゃべったり、本まで出版する人たちが余りにも多いのを嘆くのです。

 認知症全体の90%以上の割合を占めていて、世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因も、重症化する原因も分からないし、治す方法が分からないし、予防することができないと言われ続けてきている「アルツハイマー型認知症」を発病させるその仕組みは、一部の学者が主張しているような、アミロイドベータの蓄積とも、タウ蛋白の蓄積とも、脳の顕著な萎縮と言った「器質的な病変」とは無関係の世界なのです。器質的な病変が発病の原因となっているのではなくて、単なる機能の低下、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した、廃用性の加速度的で異常な機能低下が発病の真の犯人、本当の原因なのです。

「アルツハイマー型認知症」を発症したその最初の段階であって、「家庭」の枠の外に出ていき人と交わりながら、何等かの共通のテーマをこなすことが要求される「社会生活」面での様々な支障が出てくるのが私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、小ボケの段階では、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにあるのです。従って、「小ボケ」の段階の症状の特徴として、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルにあり、そのことに直接に起因した症状としての「前頭葉」の機能障害の症状を示すのです(小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階の症状の類型については、ここを「クリック」してください)。

     

「小ボケ」の段階では、上述したように、脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきている訳ではないのですが(「前頭葉」は異常なレベルに衰えてきてはいるものの、左脳も右脳も運動の脳もその機能が未だ正常なレベルにあることに注意)、全ての症状は、必ず「前頭葉」による意識的な世界の構築、支配及びコントロールという関与を経てアウト・プットされてくるので、「前頭葉」の機能が異常なレベルにある下での脳全体の機能レベルのアウト・プットである症状自体も異常な症状(認知症としての症状)となるということなのです。

上述の(クリック部分の)「小ボケ」の段階の症状をつぶさに観察し、検討を加えてみれば分かるように「小ボケ」の段階での発現が確認される「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴として特筆すべきことは、「記憶障害の症状」、或いは、「記憶障害に起因する症状」は、その欠片さえも観測されないということなのです

私たちの「二段階方式」の手技のように、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、すなわち「小ボケ」の段階の症状、次いで、「中ボケ」の段階の症状及び末期の段階である「大ボケ」の段階の症状という形で、連続した脳の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状としての「脳機能データ」を集積し、解析することにより初めて、「記憶障害の症状」、或いは「記憶障害に起因した症状」が、「アルツハイマー型認知症」の中核となる症状ではないことが理解できるのです世界中の医師達が世界最高の権威あるものとして崇め、診断時に依拠している規定、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-4」の規定の「第二の要件」として定められ、診断に際して症状の確認が要求されている「失語、失認又は失行」と言った症状は、「第一の要件」で確認が要求されている「記憶の障害」とは無関係なのです。それらの症状が発現する仕組みとは、記憶の障害に起因して発現してきているのではなくて、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されている状況下で、私たちが意識的に何かのテーマを実行しようとする際に不可欠の機能である「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきて殆ど機能しないレベルにまで衰えてきていることが、そうした症状が発現する核心的な基礎となっているのです服を着ようとして袖に頭を通そうとするのは、服の着方を忘れているための行為ではないのです。服を着るという目的、行為の内容自体を理解できなくなっているせいなのです。意識的に服を着ようとしているのに、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「前頭葉」の機能が「大ボケ」の後半の段階にまで衰えてきていること(MMSEの得点が一桁しか取れないまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきている段階)が真の原因で、実行すべき「テーマ」(ここでは、服を着ること)についての発想が湧いてこないだけなのです。状況や実行すべき行為について必要なレベルでの理解や判断が出来なくて、闇雲に支離滅裂の動作をやっているだけなのです。その結果として、「服を着る」という行為の実行の仕方を組み立てることが出来ないのです。何をどうしたら良いのかが理解できないし、判断できないので、ただ闇雲に、袖に頭を突っ込んでみたというだけの行為でしかないのです。器質的な原因で起きてきている失語や失認や失行の症状とは本質的に異なるものなのです。

たとえ自慢げにアルツハイマー・マウスを使用していようとも、「前頭葉」と言う脳機能がないマウスの行動、檻の中で単に餌を求めて走り回っているだけのマウスの行動を研究していたのでは、何時まで経っても、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明することは出来ない、アミロイド・ベータの蓄積との間の因果関係を証明することも出来ない、無駄な研究に終わるだけだということを指摘しておきたいのです。何故あなた達は、生きた人間の、「前頭葉」と言う脳機能の、「廃用性の機能低下」という視点に気づかないで居るのですか。勿体ないというべきか、嘆かわしいと言うべきか。

            

& 「アルツハイマー型認知症」を発病した場合に確認される脳機能の衰えの順番とその根拠となる「脳機能データ」

「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状並びに症状の発現及び重症化の基礎となる「生活歴」(脳の使い方としての生活習慣の具体的な過去歴の把握に基づく評価)について、私達が集積してきた14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析によると、認知症全体の90%以上の割合を占めていて、発病の原因(メカニズム)が未だに不明とされている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の場合は、廃用性の加速度的で異常な機能低下により脳の機能が衰えていくとき、その「衰え方」に、以下に示す4つの特徴があるのです。

1.脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下を最初に起こしてきて異常なレベルに衰えていった結果、「社会生活」面での様々なレベルの支障が起きてくることになるのです。「社会生活」面に支障が出てくる段階を、私たちは「軽度認知症」(小ボケ)の段階と定義しているのですが、この段階では、左脳、右脳及び運動の脳は全てが未だ正常な機能レベルにあるのです;このことを言い換えると「小ボケ」の段階の症状というのは、「前頭葉」の機能障害に起因した症状だけが発現してくるということなのです。

2.「小ボケ」の段階の症状が発現してきてもナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を継続しつつ、同時に並行して、「左脳」、「右脳」及び運動の脳がその順番に廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになります。その結果として、「家庭生活」面でも様々な支障が起きてくるようになります。「家庭生活」面にも支障が出てくるようになった段階を、私たちは、「中等度認知症」(中ボケ)の段階と定義しています。

3.そして、「中ボケ」の段階の症状が確認されるようになってもなお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」並びに左脳、右脳及び運動の脳が更なる廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく結果、 最後は、「セルフケア」にも支障をきたす段階、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してくることになるのです。

4.並びに、MMSEによる判定の対象となる「下位項目」の機能について、出来なくなっていく順番(脳の機能が衰えていく順番)に厳密な「規則性」が認められるのです(「下位項目」が出来なくなっていく順番とそのパターンが存在する:「規則性の存在」)。

5.「前頭葉」を含む脳全体の機能について起きてくる、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発病し、症状が重症化していく特徴を有する「アルツハイマー型認知症」の場合には、「前頭葉」の機能レベルを判定し評価する「かなひろいテスト」並びに左脳と右脳の機能レベルを判定し評価するMMSEテストという二種類の「神経心理機能」テスト、更には、上記「4つの特徴」を客観的な指標として活用することにより、「アルツハイマー型認知症」の診断(判定)に際しては、他の種類の認知症との鑑別並びに認知症と紛らわしい病気との的確な鑑別が極めて容易に行えるのです

ⅰ)  以下の中央のグラフは、「かなひろい」テスト(前頭葉の機能テスト)とMMSE(左脳と右脳の機能テスト)を同時に施行した、14689人分の成績分布を示しています。

  

ⅱ)上出のグラフでは、右に行くほど「かなひろい」テストの成績が良くなり、上に行くほどMMSEの成績が良くなることを示しています。

グラフの分布から、「かなひろい」テストの成績良好群(「前頭葉」の機能が正常なレベル)には、MMSEテストの成績が悪い(不合格)ケースは存在しないことが分かります。「かなひろい」テストが合格する人達は、MMSEテストの成績も合格するのです。

一方、「かなひろい」テストの成績が悪くなっていくと(合否の基準点を下回るようになると)、MMSEテストの成績には満点から0点まで大きな幅が見られます。このグラフから直接には見え難いのですが、MMSEテストが30点満点でも、「かなひろい」テストが0点のケースが相当数みられるのです。

このことはとても重要なことなのです。なぜなら、医療現場で通常使われているMMSE(或いは、長谷川式)のようなテストだけでは、「前頭葉」の機能の衰えは発見できないことを意味しているからです。「前頭葉」の機能テストを実施しないと、脳機能の老化が加速されて社会生活に支障が出てきている「アルツハイマー型認知症」の最初の段階(「脳のリハビリ」により回復させることが容易な小ボケ」の段階)をキャッチすることができないのです(見過ごしてしまうことになるのです)。

   

& 「前頭葉」機能の加齢による衰えの基礎となるものとは

○ 「かなひろい」テストのテスト目的

(1)「かなひろいテスト」は、全部ひらがなで書かれた「おとぎ話」を2分間という時間の制約のもとで、①テストの課題を保持しつつ、②文を読んでいきながら、③あらすじを理解していき、その内容をイメージ化して覚えていく作業と④「あ、い、う、え、お」が出てくる度にそれに○を付けていくという複数の異なった作業同時に並行して行うことが要求されているものなのです。

(2)このテストの意図は、いくつか同時進行する異なった仕事注意力を分配させながら、その複数の異なった課題を忘れないよう記憶を保持しつつ、複数の異なった課題を一定の時間内に、いかにテキパキとさばけるか(「注意の分配機能」の発揮度)、「注意の集中力」の発揮の度合い及び課題の遂行継続の意欲(「意欲」の継続的な発揮度)を個々に観察した上で、三者の総合的な機能の発揮度(発揮能力)を評価することにあります。理解、判断、企画、計画、創造、推理、観察、洞察、シミュレーション、修正、抑制、決定や感動や共感等、私たちが意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行していく世界、意識的な世界の構築と実行のために不可欠の機能である「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右している「前頭葉」の「三本柱の機能」の機能の発揮度を評価し、判定することにより、左脳、右脳及び運動の脳という各馬を操る、三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」という脳機能の働き具合を評価し判定できるのです。「前頭葉」の個別認知機能と「三本柱の機能」との間に存在する機能発揮上の「二重構造の関係」に着目した評価方法としてのテストなのです。物忘れの回数が減ったとか、程度が良くなったとか言った程度のことで、脳の機能が向上したとか回復したとか言って騒いでいる人たちとはレベルが異次元なのです。その人達は、「前頭葉」という脳機能について無知であり、「意識」を構築する脳機能の構造についても無知というしかないのです。前頭葉」という脳機能は、脳の使い方としての「生活習慣」自体が改善されないと、その機能レベルは向上しないということさえ知らない人たちなのです。歩きながら足し算や引き算をしたり、シリトリをしたりすると、「物忘れ」が減るとか言って騒いでいる学者がいますが、それをもって脳機能が改善されたというのは言い過ぎなのです。「木を見て森を見ず」の類に過ぎないのです。脳機能が改善されたというためには、「前頭葉」という脳機能の機能レベルが改善されたことが必要条件だからなのです。「前頭葉」という脳機能についてもう少し研究していただきたいのです。

(3)このテストは、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右している三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度に基づいて、それらの総合的な能力としての機能レベルを判定し評価するものなのです。「前頭葉」の個別認知機能を発揮する上での基礎となる三本柱の機能であり、社会生活や家庭生活やセルフ・ケアを行う上で不可欠の機能である意欲、注意の集中力(特定の目的に添った行為を集中して行うときに必要となる機能)及び注意の分配力(異なった複数のテーマを同時に並行して処理するときに必要となる機能)について、それら個々の働き具合がどの程度であるかを測定し、同時に、三本柱の機能の総体としての機能レベルを判定し、評価することを目的とするものなのです。

○ 「かなひろいテスト」のテスト結果が示すもの

「かなひろいテスト」のテスト結果は、加齢による脳機能の老化を示す「正常老化の曲線」の存在を示しているのです。私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行していく上で不可欠の機能であり、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者、私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしている脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う機能の個別の認知機能の発揮度を左右している三本柱の機能には、日々の脳の使い方としての生活習慣のいかんにかかわらず、加齢とともに徐々に緩やかに衰えていくという性質、私たちが「正常老化の曲線」と名付けている性質が生来的に内在していることが示されているのです。そのカーブはというと、20歳代の前半が機能の最高値を示していて、65歳ころになると最高値の半分くらいに衰えてきていて、その後は、70歳代、80歳代、90歳代と年を取っていくにつれて緩やかなカーブを描きながら、100歳に向かって、徐々に衰えていくのが特徴なのです。その正常値の推移を示す曲線が、上出の「前頭葉の老化曲線」のデータなのです(下記、右側のグラフを参照)。

     

「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を支える「二重構造」の問題

 ○「意欲、注意集中力と注意分配力」の加齢による老化のカーブ

 私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能、自分が置かれている状況を理解し、判断したり、何かのテーマを思いついたり、実行のための計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、最終的な実行の内容、程度及びその態様を選択して、決定したり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その個別の認知機能を正常に発揮する上でとりわけ重要な「認知度」を左右する三本柱の機能としての意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力の機能には、上出した「意欲、注意集中力と注意分配力 」のグラフにみられるように、脳の使い方としての「生活習慣」の内容の良し悪しとは無関係に、加齢と共に老化し衰えていくという重要な、然し脳科学者や認知症の専門家達から見過ごされている性質があるということを、ここで問題提起しておきたいと思うのです。

20歳代の半ばまでがピークで、20歳代の半ばを過ぎるころから100歳に向かって、緩やかではあるけれど、直線的に衰えていくという性質のことなのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が急に多くなってくる60代後半にもなると、「前頭葉」の働き具合は、ピーク時の20歳代の半ば頃に比べて、「働き」具合が半分以下に衰えてきているのです。70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と、年をとればとるほど、「前頭葉」の三本柱の働きが更に衰えていき、正常な機能レベルを保ちつつも、どんどん「低空飛行」の状態になっていくのが特徴なのです。

認知症の大多数90%以上を占めていて、皆さんが普段よく目にしていて、専門家達からは原因も分からないし治らないと言われている「アルツハイマー型認知症」の正体は、加齢による脳の老化という問題が基本にあるのです。私たちが「正常老化の性質」と名付けている性質、誰にでも生来的に「前頭葉」の三本柱の機能に内在する性質、すなわち、「加齢による脳の老化」という問題が基本にあるが為に、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、60歳代以降のお年寄りだけが発病の対象になる」のです。

コーヒー・ブレイク)数日前のことなのですが、或る新聞に「アルツハイマー型認知症」の特集記事が載っていました。6人のパネラーによる討論会の記事で、2面全体を使うほどの大々的な記事でした。内容を読んでみて失望したのは、6人全員が「アルツハイマー型認知症」について無知であることでした。「若年性アルツハイマー病」と診断された人が一人パネラーに加わっていたのですが、紙面で読んで知り得たその人の症状とその人の発言の内容とから判断して、その人は若年性の「アルツハイマー病で」はなくて、ましてや老年性の「アルツハイマー型認知症」でもなくて、恐らくは極めて高い確度で「側頭葉性健忘症」だと思われるのです。重度の「記憶障害」の症状さえ確認されるとすぐに若年性「アルツハイマー病」とか「アルツハイマー型認知症」と診断してしまう、診断のずさんさにはただあきれるばかりなのです。とにかく、これだけの人数のパネラーがいながら、誰もが「アルツハイマー病」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、「側頭葉性健忘症」についても無知と言うしかないのです。私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能のことも知らないのです。「前頭葉」の機能が正常なレベルにあって認知症の症状を発現してくるような「アルツハイマー病」とか、「アルツハイマー型認知症」というものは存在しないのです。この新聞記事を読んだ読者は、この内容を信じてしまうのではないかと恐れるのです。重度の記憶障害の症状を示しながら、それでいて「前頭葉」の機能が正常なレベルにあるのは、「側頭葉性健忘症」なのです。医師とみられるパネラー達はその上、例によって、効きもしない薬を褒めていたり、アミロイド・ベータ説が正しいものであるかのような発言の内容なのです。自己体験ではなくて他人の説の受け売り程度の内容であり、然も自分自身が良く分かってもいないことを、物知り顔にこうした場で話す人達。その人達の「前頭葉」に内在する「評価の物差し」の機能が、そうさせていることなのですが。

   

&「前頭葉」の個別認知機能の発揮度と二重構造の仕組みの問題

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、実態面から見るとき、極めて例外的なごく少数のケース事例を除いて、60歳を超える年齢の「高齢のお年寄り」だけが発病の対象となっているという特徴があります。「高齢のお年寄り」だけが対象となる為には、脳の機能面から見たとき、次のような理由が存在することがその根拠となるのです。

私達が開発した「二段階方式」と呼ばれる神経心理機能テストを活用して、「前頭葉」の機能レベルの年齢別の推移を調べたのです。その脳機能データの解析によって、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」基礎的機能(私たちは、三本柱の機能と呼んでいます)である意欲注意の集中力及び注意の分配力という「三本柱」の機能には、脳の使い方としての良し悪しに関わらず(脳の使い方としての「生活習慣」の如何に関わらず)「加齢とともに働きが老化していく」という性質があることが判明したのです。自分なりの「生き甲斐」や「目的」や「目標」がある生活、趣味や遊びや人付き合いや運動等を楽しんでいる「生活習慣」の下で日々を過ごしていようとも、20歳代の半ばにピークを打ったその先は、年を重ねていくにつれて「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが正常な機能レベルを保ちつつも、100歳に向かって緩やかに直線的に低下していくという性質が生来的な性質として「前頭葉」の三本柱の機能に内在しているのです(「正常老化」の性質の存在)。

私達が意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするに際して、その実行内容が複雑で高度なものであればあるほど、そうした場面で要求される「前頭葉」のさまざまな個別の認知機能の「発揮度」(様々な程度態様からなる情報の認知とその処理にかかわる「前頭葉」の各種個別認知機能の発揮にかかわる「認知度」と密接不可分の関係を有する)を左右する「前頭葉」の「三本柱」の機能である、「意欲、注意の集中力と注意の分配力」からなる機能に、「正常老化の性質」が生来的に内在していることが、「前頭葉」全体の機能の正常老化の性質及び廃用性の機能低下が進んでいく下での、総合的な脳機能の「発揮度の低下」の問題(廃用性の機能低下の問題)に直接的に繋がっていると考えているのです(『二重構造の仕組み』)。

 状況の理解と判断に対応する内容の「テーマ」を発想し、発想した「テーマ」の実行内容を計画し、実行結果をシミュレーションした上で修正を加えた上で最終的な実行内容と実行の仕方及び態様を選択して、決定し、左脳や右脳や運動の脳に対して実行の指令を出す過程では、情報の「認知度」と情報の処理にかかわる「前頭葉」の各種個別認知機能の「発揮度」が高いレベル、正常なレベルで要求されることになる訳なのです。「前頭葉」全体の構成要素である各種の個別認知機能、例えば自発性、発想、計画、理解、考察、洞察、推理、機転、修正、創造、感動、抑制、判断などの個別の認知機能の認知度も発揮度も、「前頭葉」の「三本柱」の機能のレベルが異常なレベルに機能低下してきたときには、共に揺らいでしまうと考えられるのです。人生での様々な「体験」、「学習の積み重ね」及びそれらの組み合わせにより、それら個別の「認知機能」自体は機能範囲を拡大していくのですがそれら個別の認知機能の発揮度を下支えしている関係にある「前頭葉」の「三本柱」の機能が廃用性の機能低下により、その働き具合が異常なレベルに低下したとき、「前頭葉」の構成要素としての個別認知機能も同時に機能の発揮度が低下してくると考えているのです。これが、14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析により私たちがその存在を確認した「前頭葉」全体を構成する構成要素としての各種個別認知機能の機能発揮面における二重構造の仕組み』という問題なのです

  

&  「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム(発病の仕組み)

○「高齢者」だけが「アルツハイマー型認知症」を発病する理由

私達がこれまでに集積してきた極めて多数の症例に基づく脳機能「データ」によると、「正常な老化」の場合でも、「高齢者」と呼ばれる年代の65歳頃になると誰でも、その働き具合がピーク時である20歳代の半ば頃に比べて「半分程度」にまで衰えてきているのです。このことが、加齢による前頭葉の「正常老化」の性質の重要な点でもあるのです。つまり、この「60歳を超えた年齢の高齢者である」という条件こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」なのです。そして、加齢による前頭葉の「正常老化」のカーブは、その先70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と年をとるにつれて、「直線的」ではあるが緩やかなカーブを描きながら、更なる「低空飛行」の状態に入っていくのです。それ故に、実態面を見るとき、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は60歳を超える年齢の「高齢者」だけということになるのです。更に言えば、60歳代よりも70歳代、70歳代よりも80歳代、80歳代よりも90歳代、90歳代よりも100歳代と、年齢が増せば増すほど「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の「同年代での発病率」が大きくなっていくのです(年をとればとるほど、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの割合を示す数値が大きくなる)。北海道から九州まで、日本全国どこでも、この特徴的な「実態」が確認されているのです。

○ 脳の使い方としての「生活習慣」が発病の引き金に

「正常な老化」のカーブを辿りつつ年をとっていく過程にあるとはいえ、「前頭葉」の機能が「低空飛行」の状態に入ってきている「60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢のお年寄り」が(上述した、発病の「第一の要件」の充足)、脳を積極的に使おうとはしない「単調な生活」、キャッチ・コピー的な表現を借りて言えば、「生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」というナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると私たちが定義する発病の「第二の要件の充足、出番が極端に少ないために使われる機会が極端に減った「前頭葉」が廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくるのです。

つまり、「第一の要件」と「第二の要件」とが重なり合う(二つの要件が同時に充足される)ことの相乗効果によって、「前頭葉」の機能の老化が加速度的に進んでいくことになるのです。「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことにより、脳の働き具合(機能レベル)が異常なレベルに衰えてくるその先に、「アルツハイマー型認知症」(晩発型、或いは老年性「アルツハイマー病」と呼称されることもあります)の発病が待っているのです(その最初の段階が、私たちの区分でいう「軽度認知症」(小ボケ)の段階なのです)。

     

(コーヒー・ブレイク) 私たちが規定する「発病の第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることによる相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、「廃用性の機能低下」が進むときは、上掲の図が示すカーブに見られるように、直線的ではなくて放物線を描いて「加速度的」に脳の機能が衰えていくことを、私たちが集積してきた多数の症例の「データ」が示しているのです(右端の図は、それを立体的に表示したもの)。

& MMSE「下位項目」の項目困難度が示す指標

「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることの「相乗的な効果」により、「廃用性の機能低下」が加速度的に進行していくとき、「前頭葉」を含む脳の機能に「衰えていく順番がある」ことが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。「三頭立ての馬車」の御者の役割をしている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、馬の役割をしている「左脳」や「右脳」や「運動の脳」が異常なレベルに衰えていくのです。更には、「アルツハイマー型認知症」の場合には、MMSEで測定される「左脳」及び「右脳」の衰え方自体にも「規則性」がある(衰えていく厳蜜な「順番」がある)ことがとても重要な特徴なのです。「前頭葉」と「左脳」及び「右脳」のそれぞれの衰え方、或いはその組み合わせでの働き方の衰え具合と症状の発現(三段階に区分して定義される「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接の反映としてのアウト・プットが、三段階に区分される「認知症の症状」となる)とが、他の種類の認知症あるいは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行等)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な指標としての役割を果たしてくれるのです。

(1) 下の左のグラフは、MMSE各下位項目の「項目困難度」を示す指標である完全正答率50%(各下位項目について、満点をとる人が50%になる時のMMSの総得点)のグラフを示します。

 

50%の横軸とクロスする点が、右に行くほどその項目は難しく、左に行くほどその項目は易しいことになります。上記のデータは、14689例の「脳機能データ」を解析したものなのです。

 (2) 上に示したMMSE下位項目の「項目困難度」のグラフを整理し表示方法を変えたのが、右の表です。上述の「 項目困難度の順番」は、上の表のようになります。その意味するところは、「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳の機能がこの項目の順番に衰えていく(項目が、この順番にできなくなっていく)という厳密な「規則性」を示すということなのです。アミロイドベータ説、タウ蛋白説又は脳の萎縮説のいづれの仮説も、「前頭葉」を含む脳機能に衰えていく順番があるという事実を説明することが出来ないのです。

      

(3)私たちが開発した二段階方式の手技では、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」により、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」によって判定します。「MMSE」で判定するとき、左脳と右脳の機能については、MMSEで判定される項目(「下位項目」)について、衰えていく厳密な順番があるということなのです。

 廃用性の機能低下を本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合には、必ず高度な機能から順番に衰えていくことになるのが特徴なのです。従って、この順番に衰えていかないときは、「アルツハイマー型認知症」ではないのです。その場合は、「アルツハイマー型認知症」以外の「認知症」であるか、或は、認知症と紛らわしい「病気」ということになるのです。

(4)それ程この順番、「前頭葉」だけが最初に衰えていき、次いで、「左脳、右脳、運動の脳」の順番に衰えていくことが極めて重要な診断基準となるのです。更には、MMSEで判定される下位項目の衰え方にも、「想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、、、、命名の順番に衰えていく 」という「衰え方の規則性」があるのですMMSE「下位項目」の項目困難度に関する資料は、私たちだけが有する極めて重要な資料なのです)。

(5)衰え方の規則性というこの指標は、廃用症候群に属する「生活習慣病」を本質とするのものである「アルツハイマー型認知症」の場合、極めて厳密であり、上述のように、他の種類の「認知症」との鑑別及び認知症と紛らわしい「他の病気」との鑑別(例えば、重度の記憶障害の症状を示していても、「アルツハイマー型認知症」ではなくて、「側頭葉性健忘症」であることの鑑別、或いは、「緩徐進行性失語」であることの鑑別等)に極めて有効な指標となるのです。

 注)本著作物(Bー70に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

    エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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一芸を極めよう 1日1Hの速足の散歩と1W100球の練習で「90」を切るためのゴルフスイングの要点

2016-10-27 | 器質的な病態でなく廃...

 ゴルフを物理的な側面から理解することが、上達への近道なのです。インパクト時のフェースの面のありようにより3種類の球筋となることを理解してください。

 

力で振り回すのでなくて、技でヘッドスピードを上げることが大切なことを理解してください。ボールを単に飛ばすことに注力するのではなくて、「グリーン」地点から逆算して、ティー・ショットを打てるように習慣化してください。

  飛ばそうと 思えば力む 我が身かな

   右へ左へ 行くへも知れず  By kinukototadao


     


&1 テークの始動からトップに収まるまで

 1.テーク・バックの開始から「第一段階の終了時」まで

(1)   全ての形状をアドレス時のそれに固定維持して:【①左手首の甲側及び親指側の形状を固定し②左腕の左肘をキチンと伸ばして③右脇を閉じて/右肘を体に密着させ/右脇が開かないよう右肘の下方向及び内方向への「くの字」形状を固定した状態のままで】④右手首/シャフト部を形状固定した状態を保ち:右肘のV字に力が張った状態下で右脇部をヒンジとして;前傾角度が固定された背骨を軸とした肩の回転によりシャフトをシャフト平面上に沿って立ち上げていく動作がテークの始動となり⑤「左腕の前腕部位」が「地面に水平の高さに達したとき」が「第一段階」の終了時点となる(この時、右股関節部と大腿部と右膝を結ぶラインが、上体部の回転を支える軸となっていること)

ⅰ)右脇を閉じた状態を保ち:ⅱ)右肘部の「くの字」形状を形状固定した状態で:①右手人差し指の鈎状部でシャフトを下側から支えて;②右手首の付け根部の形状を固定した状態を保ちつつ;③右脇部をヒンジとして;④両手首を水平に移行していく(スタート)

(2) 左肘部が直線状に伸びた左手首の小指部が首から出来るだけ遠くの軌跡を描きつつ:①左手首部はノー・コックのまま/両肘の間隔を固定したまま/右腕のライン(右肘のくの字/右手首とシャフトの関係形状)をアドレス形状に固定したままで: 右脇をヒンジにして/両肩を回転させていき②右手首/シャフト形状及び右肘の「くの字」の形状が共に固定されたままの状態下で; 左腕が地面に対し水平となるまでが「第一段階」の終了時

ⅰ)右手グリップが右足前を通過するときから、足早に左手首部のコックを開始していき;同時にHeadが先行する形で、シャフトを足早に立ち上げていくことがKeyポイントとなる

(3)「第一段階」の終了直後から:右股関節部がアドレス方向に向いたままの状態で:右腕上腕部位を体に付けた状態の下; ①小指部を外方向に突き出す動作;②左手首の「コック」を深く足早に折る動作を継続しつつ/③同時に右肘のV字を足早に畳み込んでいく動作が伴いつつ;閉じた右脇部をヒンジに:Headが先行する形でシャフトを足早に立てていくこと

ⅰ)この間右脇を閉じた状態の右肩と左肩とが踏ん張った右膝を軸にして回転していく

 (4)テーク中は:常に右脇を閉じていて、右肘の「くの字部」に力を張ることにより、右肩 の回転に左肩の回転を同調させつつ;左ラインの動作(左肘部を伸ばすことと左肩の回り込みと左手首部のコック)と右肘V字部の引き上げ動作でシャフトを立ち上げていくこと

 ⅰ)左手首の小指と薬指とが形成する平面が全く見えない板状の形状で:シャフトが地面に対し45度の傾きを維持した状態で;右脇を閉じた状態で右肘が右脇から出来るだけ遠い軌跡を描きつつ「右手首部が右耳と同じ/高い場所に収まった」時点が、テークの「終了時点」(トップの折り返し点)となる

 2.テーク中の動作の重要ポイント

 (1) テークでは:両膝位置が不動の状態で/且つ右股関節部がアドレス方向に向いたままの状態を保持し(右方向に「スエ-」しない)①左腕が肘部を含めて直線状に伸ばされていて/左手首部が首からできるだけ遠い軌跡を描きつつ;②同時に右脇、右肘、「右手首/シャフト形状」がアドレス時のままに固定された状態で;更には;③右脇と肘部を閉じた状態での右肩の回転による右後方への引きに応じた左肩の十分な回り込みがあることがキー・ポイントとなる(右脇の奥が閉じられていて;右腕上腕の下半分の部位が右脇腹よりも背中側の後方に離れている形が保たれた状態が、トップの折り返し時点で要求されるポイント)

 (2) アドレス時に形成した「両肩を結ぶ線」に対する「左腕上腕部」の角度(「左脇の角度」)は、テーク中常に普遍に維持することが極めて重要となる(右肘の「くの字部」に力を張った状態を保ちつつ;アドレス時の左手首部と右肩との距離を遠くに/且つできるだけ近づかないように保つことが、左肩の十分な回り込みに重要)

    テーク中に左腕上腕部が胸の方に寄ってきて、「左脇の角度」が狭くなることは:テークでの「左肩の回り込み」が浅いことを意味し;所謂、手で上げるだけのテークとなっていることを意味する

 ②「左脇の角度」がテーク中に狭くなると:D/Sでは、グリップがフェース面に先行する形でインパクトに入ることとなる結果、フェースの面が開いた状態でボールを捉えるので、スライス球が出ることになる

 (3) テークの間中は、トップで右手グリップが右肩の上に収まることを意識していること(それより低い位置にトップが収まると、D/Sでシャフトがフラットに寝てしまうので、フェース面よりグリップが先行する形のインパクトとなる結果、インパクトでフェース面が開いてボールを捉えることとなり、スライス球が出てしまうことになる)

 (4)テーク中は、薬指でfirmにグリップされた左手首甲側の角度が不変であること(左手首甲側の角度とフェースの面とが常に同じ向きであることが、同じスイング平面上での往復を確保し保証する

 (5)テークの間中常に、「左脇の角度」(両肩を結ぶ線と左腕上腕部位とが形成する角度)が固定維持されていて、不変に保たれていること(この角度がアドレス時のそれより狭くなる、言い換えると、左腕上腕部位が胸の方に近づいてくると、テークで最も重要な条件である「左肩の回り込み」が浅くなり、腕だけでシャフトを持ち上げてしまうこととなる)

  (6)テーク中は、右脇奥部を緩く閉じた状態を保ちつつ:左手首甲側の角度並びに右手首/シャフトの関係形状も不変に保つことが重要(その条件の下で:左手首部の深いコックと同時に右肘のV字部を足早に畳むことにより;ヘッドが常に先行する形でシャフトを足早に立てていき、右耳と同じ高さの「トップの位置」に右手グリップを収めること)

 (7)上記条件下:右脇奥を緩く閉じた上腕部位を形状/位置固定したまま;右肘V字部に力を張った状態下で;その右腕上腕部位に支えられた「右肘皿部のヒンジ」に対して;直線状に伸びた左腕の左手首部小指の外側を左脇から出来るだけ遠く/外方向に突き出していく動作とそれに付随した動きとしての:①左肩の回し込みの動作に支えられた左手首部のコックを深めていく動作を主体として:②それに付随する形で;右肘V字を足早に畳み込んでいく動作により;③ヘッドが先行し④足早にシャフトを立ち上げていくのがテークの基本動作

 3.テークの始動からコックを開始する時迄の留意点

 (1)下半身は地面に対し垂直のまま/上体の前傾角度をセットした後、首を伸ばす感じで頭の位置を高くし/両肩と両手グリップが地面に近く低い位置にくるようセットし、左腕を柔らかく伸びた直線形状にし/左手首甲側/親指側の角度を自己が持つ自然の形状にセットする

 (2)テークの始動時は:左手首部の形状(甲側及び親指側の両者)をきちんと固定したまま;左手首部がセットの地点からアドレス三角形の「窓枠の真ん中」に「右腰/右膝/右脚足」の全体が入る時まで目標方向に平行に動いていく意識を明確に持つこと

 (3)右脇奥をきちんと閉じ/右肘を地面方向に対して「くの字」に形状固定した上で及び右肘の「くの字」部に力を張った状態で/右手首とシャフトとの関係形状を固定したまま、右脇を回転の為のヒンジとし/左肘が右腰から遠い奇跡を通過するよう意識し;左肘を目一杯に伸ばした左脇部が「左手首部」の小指を遠くに押し出す動作が左手首部の足早なコックを形成させ及び右脇の部分で体に密着させた右腕の上腕部位を後方に引く動作と右肩を後方に回転させる動作が原動力となり;「ユッタリ」としたリズムの下で;両肩を右回転させる

 1)この時、左手首の甲部は、左手グリップが右膝先を通過するまで(30cm)「目標方向」に対し平行移動すること(ヘッドをインサイドに引きすぎないこと)が重要。そのうえで、右脇を閉じ/地面方向を向いた「くの字」部に力を張ったままで/シャフトとの「関係形状」が固定された「右手首の親指部」が首の中央部からできるだけ遠くを動く軌道をとること

2)テークの開始から、右肘の「くの字部」には力を張り/形状固定したままであること

 3)両肩を結ぶ線と左腕の上腕部が形成する角度が不変のこと(角度が小さくならない)

 ⅳ)テークの始動からテークの第一段階が終了する時まで、左手首の甲側/親指側の角度はアドレス時の角度/形状のまま固定維持されていて、不変であること(親指側が、ヘッドの重さに負けて、その角度が伸びると、「左肩の回り込み」が阻害されてしまうことになる:それを確保するには、小指を中心とした「三本指部」がしっかりとグリップしていること)

 4.「左腕」が「地面に水平の高さに達するまで」(第一段階の終了時まで)の留意点

 (1) 左肘部が直線状に伸びた左手首の小指部が首から出来るだけ遠くの軌跡を描きながら:①  左手首部はノー・コックのまま/両肘の間隔を固定したまま/右腕のライン(右肘のくの字/右手首とシャフトの関係形状)をアドレス形状に固定したままで: 右脇をヒンジにして/左肩を回転させていき②右手首/シャフト形状及び右肘の「くの字」の形状が共に固定されたままの状態下で;左腕のラインが地面に対し水平となるまでが「第一段階」の終了時

    右脇を閉じた状態の右脇奥部を回転のヒンジとして;左肩を回転させていきつつ/同時に右肘のV字の先端が右肩の後方(背中の方向)に回り込んでいくものであること

(2)テークの「第二段階」の開始から右脇奥を常に閉じたままで居て/且つ右手首とシャフトとの関係形状を固定した状態下で;小指の部位を外方向に突き出す動作により;左手首部を足早にコックしつつ;同時に右肘のV字部を足早に畳み込んでいき;シャフトを立てていく

①  テークの「第二段階」から、ヘッドが常に先行する形で;シャフトをシャフト平面上に沿って足早に立ち上げていく原動力は:「①右手首とシャフトとの関係形状を固定したまま:、②左肘部を十分伸ばした状態の左肩の十分な押し込みによる回り込みと③左手首部のコックの深くて足早な形成と③右肘のV字を足早に畳み込む動作を同時に実行することであること(このとき;右腕の前腕部位を使うと、左肩の回り込みが浅くなり;シャフトが身体に近づいてきて;「手で引き上げる」だけのテークとなってしまう結果、D/S時には右足体重で/グリップがフェースに先行する形でインパクトを迎えるため、スライス球が出てしまうことになるので注意する)

 (3)  この間、左腕が直線状に伸びた形状で:且つ、左手首部の甲側の角度が僅かに凸形状に変化していくことが:Headが先行する形でシャフトが立って上がっていき、更には左肩の十分な回り込みという条件を達成する上で不可欠の条件となる

 (4) 右肘のV字部に力を張った状態下;左手首部の「コック」の角度を足早に深めていきつつ;「くの字」に形状が維持された右手首部が左手首部を下側から支えつつ;Headが先行する形で;シャフトを足早に立てていく動作が:テークの「第二段階」でのKeyとなる

 ⅰ)右肘の皿をヒンジとして、右手首を僅かに甲側に折りつつ、且つ、右肘のV字を畳み込む動作により、「前傾角度」を保ちつつ、Head先行でシャフトを足早に立ち上げていく

 ⅱ)右肘のV字を畳む際は、右手の首甲側付け根部を右肩上に引き上げていくイメージ

 ⅲ)この間、右脇奥が閉じられた状態下で:右肘V字部に力が張られていて;右腕の肘部の「くの字の形状」が維持されていることが、左手首甲部のローリングを防止し、シャフトが寝ることを防止してくれる重要な要素となる

 ⅳ)右肘のV字を畳み込んでいく時、右手首部の角度は不変のまま、同時に左手首も甲側の角度が不変のままであること(トップの位置で:左手首の甲部が僅かに凸状の形状となること〔トップの位置で左手首が凹形状に折れていると、D/S時に、ヘッドがアウトサイド・インの軌跡となり、ボールを引っ掛けてしまうことになるので注意する〕)

 ⅴ)トップでの左肩は、左肩が右内股の正面にまで回り込んでいて/左肩が顎の真横にまで回り込んでいること(左肩の回り込みがこれより浅いと、D/Sが手打ちになる:この時、右脇奥が閉じられた状態下での:右腕の上腕部及び前腕部を結ぶラインが両脇を結ぶ直線に対して、必ず「直角」となっていること)

 5.テークで:シャフトを立ち上げていく原動力

 (1) シャフトをシャフト平面上に沿って立ち上げていく原動力は、左肘及び左腕が十分に伸びた左肩の回り込み及び左手首を深く足早にコックする力及び右肘V字部が「くの字」の形状を維持した状態態下での右肘のV字部を畳み込む動作とが協働するものであることに注意する(右肘皿部の地面からの位置を次第に高く挙げて行きながら:右肘が出来るだけ身体に近い状態を維持して;肘と腕とが十分に伸びた左腕の左手首部が左肩脇からできるだけ遠くの軌道を取ることで、左手首部を深く足早にコックする動作が容易となる)

(2)   コックの際に、右手で左手親指を引いたり/左肩が左手親指部を押し込もうとすると、左手がローリングを起こし易く、結果としてシャフトが寝ることになるので注意する

 (3) テークでシャフトが寝る原因は、①右肘が身体の外方向に逃げていく/②インサイドにいきなり引いている/③左肩の回り込みが浅く、手首だけでシャフトを立てている/④グリップの上にある左手親指を右手の親指部が引っ張り、左手首部がローリングを起こしているなどであり、常にこのことを意識すること

(4) テーク中常に右股関節部に力を張り:且つ右股関節部が正面を向いた状態を保つこと:ボールと右股関節部との距離を一定の距離に保つことが、回転軸の安定につながる

 6.「トップの位置」での条件

 (1)トップでは、「左手首部」の甲側の形状が僅かに凸状の形状となっていて(凹状だと、インパクトで手首がHeadに先行し、フェースの面が開くので不可)、且つ形成された「コックの角度」が深いものであること及び右耳と顎を結ぶラインに左腕が重なる形で左手首部が収まっていて:右脇が閉じていて;且つ右肘部が「くの字」の形状をした右腕の前腕部位が下側から「トップの左手首の位置」を支えていること

 (2)トップでは、左腕が伸びて直線形状のままで:左手甲部の中指から小指までの面が見えないこと(このとき、フェース面と左手首の甲側とは、目標方向に平行であること)

 (3)トップでは、右脇が閉じた状態で:左腕の脇が顎と唇の間で顔面部に接していて:右手のグリップが右耳と同じかそれより高い位置に収まっていること(その位置が低いと、インパクト時に、グリップがフェースの面に先行する形でボールを捉えることとなり、スライス球が出やすくなる)及び「ユッタリ」としたリズムでトップから折り返すこと


&2「D/S」の始動からインパクト・スイングに入る直前までのポイント

 1.D/Sの始動から左腕のラインが地面に対し水平になるまで(D/Sの「第一段階」)

(1)  トップの「折り返し」は:右脇及び右肘部を閉じた意識の下:右肘の「くの字」の形状を維持したままで行い;テーク時で軸となった右股関節部と右膝を結ぶ部位に対する両肩の左回転からの動作の開始により「ユッタリ」とした「リズム」でD/Sを始動していく動作により、D/S及びインパクト時の軸となる左股関節部と左膝とを結ぶ部位による回転軸を形成していくこと。

ⅰ)このとき、折り返し動作を急がないことが、極めて重要となる(気持ちが打ち急ぐと、右前腕部位が早い段階から動作してしまい、グリップが身体の前に出る為シャフトが寝て;インパクトがアウトサイド・インの軌道になる)

 (2)トップでの折り返し直前の状態(左手首のコックの角度;直線状に伸びた左腕;皿が天を向き地面方向に向いているV時の「くの字」形状;右手首/シャフト形状の固定)を全て維持したまま:左脇部からの始動;(右肘V字の形状と左手首のコックの角度とを固定したままで);左脇部位に対する右肩の回転から始動していき:左脚の回転軸に対して;緩やかながら左脇が閉じられた状態で;左膝と左足裏を結ぶ部位に対し左腰と左肩を同時に引き;左腰が左膝の上に乗った時から;左肩を左回転させていきつつ、両手首部を一体化してグリップ部を地面方向に引き降ろす動作がD/Sでの第一段階となる(この時、左手首のコックの角度及び右肘くの字形状の維持によりシャフトが寝ないで立った状態を維持すること)

 (3) 第一段階では、左脇を閉じた状態で:左肘を起点に左腕主体でのラインどりを重視する

 2.D/Sの「第二段階」の開始から「フィニッシュ」まで

 (1)第二段階では(左腕が地面に対し水平になった時がその開始時)、右脇を閉じた状態で: 右手首/シャフト形状及び右肘くの字の形状を固定し、維持したままでの右腕前腕部位主体によるフル・スイングを開始すること

 (2)左手の「薬指」に力を入れた状態で:左手首部が左膝前をかすめていくよう左手薬指部から直線的に引き下ろしていくイメージで/アドレス時の位置である右膝前にできるだけ近い空間を;右手首が目標方向にスクエアな形で振り抜けていくよう引き下ろしていくことで;シャフトが寝ることが防止されて、フェースの面がスクエアにボールを捉えることになる(左膝前に向かって引き下ろすと、インパクト時にグリップ部がフェース面より前に出てくることになって、シャフトが寝て、フェースの面が開いた形でボールを捉えることになるので不可:フェースの面でボールを捉えようとする強い意識でD/Sを開始すると、右手が早い段階で効いてしまう結果、シャフトが寝てしまうことになる)

  (3)インパクトの軸を構成する為の腰の回転による「左脚ラインの形成」に先行して右腕の前腕部位が動くと(右腕の前腕が効いて手首をコネル):右腕に負けた左手首部がローリングを起こして、シャフトが寝て、グリップ部が先行する形でフェースの面がボールを捉えることになる結果として、フェースの面が開いたインパクトとなりスライス球となる

 (4)D/Sの後半からインパクトに至るまでの間ずっと、左脚部位(左腰、左膝、左足裏)の形状全体が不変であること。形状固定され位置固定された「左脚部位」がインパクト後の回転軸となり、左肩の回転に付随して、右脇を閉じた状態で/且つ右手首・シャフト形状が固定された右腕前腕部が右肘の「くの字」を思い切り伸ばしていき/振りぬいていくこと

 ⅰ)左腰が回転するとき目標方向に突き出ると、左肩が上がり/右肩が下がって、グリップがフェース面より先行するため、シャフトが寝てスライス・ボールの原因となる

 ⅱ)この時注意すべきは、「左腰は左脚部の上で回転すべきもの」であり、目標方向に突き出てはいけないことに留意する(左腰が突き出ると右肩が下がり、シャフトが寝てしまう)

 ⅲ)D/Sは、フル・スイングに入る直前までは、「ゆったり」としたリズムを保つこと及び右肘の「くの字」形状を維持したままインパクトスイングに入ること(D/Sの動作としてポイントは、左肩及び左腕の動きよりも「右肘くの字」の動きの方が遅れること)


&3  D/Sからインパクト・スイングまでの要点

 1.D/Sの開始とその直後の動作は:左肩と左手首の甲部とを結ぶ「板状のライン」が、両肩と左上腕部位とが形成する「左脇の角度」を固定し維持しつつ;肘が十分に伸びた左腕の薬指がfirmにグリップした左手首部を地面に引き降ろす動作と同時に左肩の動きが主導する形による「左肩の回転」に付随する動きとして、トップで形成された深いコックを維持したままで;インパクトの軸となる湾曲状の「左脚部」に上体部の重心が乗っていく動作である

2.上述の動作により、左腕のラインが地面に対し水平になるところまで降りてきた直後(第三段階の開始)から;右肘のV字部に力を張ったままの状態で、「右腕の前腕部位」を使ったインパクト・スイングを開始していくこと。なお、正しい意味でのインパクトスイングは;柔らかさを保ちつつ全体が直線状に伸びた左腕の上腕部側が左脇をヒンジとした回転運動により右手首部を引っ張っていきつつ/同時に右腕全体を使うのではなくて、右脇を閉じた状態下で、右肘の「くの字」形状を維持したままで、右手首/シャフト形状を形状固定したままで:「右腕の前腕部位」だけを使ってフル・スイングすることであり;且つ、右手首部をコネないことが;「フェース面」をボールに対しスクエアに入れる上で重要(フェースの面がボールを捉えた直後から、右手首部の甲を返す動作を開始すること)

3.左腕が地面に対して水平になるところまで降りてきた時点(第二段階の開始)から:直線状に伸びた左腕の脇の奥部が左肩の左回転を主体とした回転運動により:右前腕部を引っ張っていきつつ/左手首甲側及び親指側の形状が固定された(角度が板状)左手首部が;甲側を返していく動作により;「アドレス時の位置」で且つ、地面に最も近いところをインパクト時に通過していくことが;ヘッド・スピードを加速させていく上での要点となる。ⅰ)インパクトの際に:左手首「甲側及び親指側」の形状が伸びて板状になっていると;フェース面が開いた形でボールを捉えることになる(親指側のハンドアップの形状が最悪)。

ⅱ)インパクトの直前までに右肘が直線状に十分伸ばされていて:インパクトの直後からは、両手首の甲部が目標ラインに沿って走っていく両手首を返す動作が必要であり:且つ右手首/シャフト形状を固定した状態での右手首甲側を返す動作によってフル・スイングの状態が完成されることになる(Headスピードが加速される)


&4 インパクト・スイングの要点

 1.(ヘッドスピードが加速するインパクト・スイング)

 (1)「上体の前傾角度」を維持したままで:&5の動作を始動していき、左腕のラインが、地面に対し水平になるところまで降りてきた直後から、右肘のくの字形状を保ち;右脇を閉じたままの状態で、且つ左手首の甲側の角度を固定し維持し;右手首/シャフト形状を固定したまま、右腕前腕部位を使い/右肘部の「くの字の形状」を思い切り伸ばしていくことでインパクトスイングを開始する(フェース面をスクエアに入れる為に、左手首の甲側部は、インパクト直前には目標方向と正対している感覚)が、左脚体重でボールを捉えるための絶対の条件であることを体感すること。これより早いタイミングで右腕前腕部位を使ってインパクト・スイングを開始すると、「右足体重」のスイングとなり、グリップ部がフェース面に先行してインパクトを迎えることとなるため、フェースの面が開いた形でボールを捉えるので、スライス球が出ることになるのです(所謂、初心者の打ち方)

(2)①左手薬指部でfirmにグリップし/左手首甲側の形状を固定したまま:②右肘のくの字の形状を保持したまま/右手首とシャフトとの関係形状を固定したままインパクトに入る

(3)Headスピードを加速させるには、叩くのではなくて、「振りぬく」ことが必要条件であり:右脇を閉じた状態で;右肘の「くの字」の形状を維持したままで;右手首/シャフト形状を固定したままの状態を保ったまま;両手首の甲側を返していきつつ;インパクトスイングに入ること(これが、所謂、「タメが効いたスイング」のこと)

 ⅰ)インパクトの直前から直後にかけては、左手首部のコックの深い角度がアドレス時の角度に戻っていて及び右脇が閉じた状態下で:直線状に伸びた左腕の左手首部の付け根をヒンジとして:左手首部がシャフト全体を制御しつつ;両手首の甲側を返していく動作及び右脇を閉じた状態で右腕前腕部位を振りぬく動作とにより;フェースの面がボールを捉えた後にHeadスピードを加速させていくこと

 ⅱ)ボールをフェース面が柔らかく捕まえたその後に、ヘッドスピードが「最大スピード」に上がっていき、左脇を閉じて:左肩の位置を留めたままで:左肘のV字を急速に畳み込んでいきつつ;右腕の全体ラインを急速に伸ばしていくことにより;フィニッシュが所定の位置に収まること(フェース面がボールを捉えた直後から、左肩の回転に付随する右肩の素早い回転を基礎として:左脇を閉じたままで;D/Sでは形状を固定して降りてきた右手首を返していく動作によりフィニッシュの位置に向けて右腕の前腕部位を強く早く振り回すことにより;ヘッドスピードを加速させてやること)

ⅲ)テーク中もD/S中もインパクト時も常に、両肘間の距離が不変であること

 ()ボールをフェース面で叩くのではなくて、フェース面がボールを捉えてから数十センチ目標方向に通過する間、左手首部を思い切り返す動作を強く意識しインパクトすること並びにインパクト・スイング後は、右腕を長躯線上に伸ばしていきつつ左肘をV字に畳むことにより;所定の位置にフィニッシュすることが弾道を安定させる上で極めて重要

 ⅰ)インパクト後は、右肘を思い切り伸ばしていき/右手首部が右肩から出来るだけ遠い弧を描きつつ:同時に、左脇が閉じた状態で;左肘の皿部をヒンジとして、「左肘のV字」を畳み込んでいきながら;左手首部を左耳の上の位置(フィニッシュの位置)に収めていく動作が最後の決め手となる

 )インパクト・スイングでは、①左手の小指部から開始し:次いで、②右腕の前腕部位を使用すること(①⇒②の順番でないと、②が効きすぎて、叩くインパクトになってしまう)

(5).左手首の甲側及び親指側の角度の固定維持を中核とした左腕の形状の維持を保持して:右肘及び右手首/シャフト形状が形成する右腕の三角形の形状を固定し維持して;右脇部を閉じた状態下で;右肘皿部をヒンジにして;シャフトを足早に立ち上げていくこと

 (6)①状態が反り上体の前傾角度が小さくなってインパクトに入ること②左手グリップが左膝から遠く離れた場所でインパクトに入ること③左肩の左回転のスピードが遅く回転幅が小さいこと等が、フェースの面が開いた形でボールをインパクトする原因となる

 (7)ボールを遠くに飛ばそうという気持ちが強いと:インパクトで振り急ぐ気持ちが強くて、右手が早くから効くために;ボールを「叩く」インパクト・スイングになるので、出来るだけ左ライン(左肩;左腕;左肘;左手首)主導でのスイングを開始し;右手首/シャフト形状を固定したインパクト・スイングを意識すること(三本指部の「薬指」をキチンと締めて、左手甲部が目標方向を向いたインパクトを心がけること)

 (8)実践の場面では、ボールが在る下の地面の傾きを確認し、(平行、前上がり、前下がり、左下がり、左上がり)のいずれであるかをきちんと確認した上で、ボールの出方を予測し地面の状況に対応した適切なスイングをすること

 D/Sを開始していき、左腕が地面に対し水平になった直後に:右腕前腕部位をフルに活用してインパクト・スイングに入って行くこと(左手首部の甲側及び親指側の角度と形状をアドレス時のそれに保ち: ボールを捉える直前迄それがD/Sを主導し;ボールを捉える直前から;両手首部の返しの動作と協働しつつ;右腕の前腕部位が主体となって、右脇を緩く閉じたままの状態下で、フル・スイングに入ることがHeadスピードを加速させる)

 注)基本の理解

1.ゴルフは、フェースの面がボールを捉えるとき、フェースの面の入り方によって、「3通り」の球筋が形成されることを理解することが基本となる(この理解なしにどれだけ練習しようとも、上手にはならないのです)。①フェースの面が開いた状態でボールを捉えると、(打ち出されたボールが右回転の玉となるために)スライスの球筋となるのです。②フェースの面が閉じた状態でボールを捉えると、(打ち出されたボールが左回転の玉となるため)フックの球筋となり、③フェースの面がスクエアな状態でボールを捉えると、(打ち出されたボールが上回転の玉となる為に)ストレートな球筋となることを理解する 

2.テーク及びD/SのスイングのKeyとなるカギは共に、股関節部から下の土台が、極力アドレス形状を維持する下で: 身体に近い部位から順に肩、上腕、肘、前腕、手首と作動していくことであることを理解し、体感すること


     

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アルツハイマー型認知症の発病原因とアミロイドベータ説との関係(B-69)

2016-10-15 | 器質的な病態でなく廃...

  恋しくて 待てど暮らせど 来ぬ人を

    夢にまで見る 吾が身哀しき By kinukototadao

 

   

 

& アルツハイマー型認知症の特徴は、脳機能に衰えていく厳密な順番があること

○「オート・ファジー」の仕組みの解明も、「iPS細胞」による神経細胞死の仕組みの解明も、「アルツハイマー型認知症」の発病の仕組みの解明にはつながらないのです

「iPS細胞」の研究で京大の山中伸弥教授がノーベル生理学・医学賞を受賞したときも、その研究の進展により、「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発が期待されるのではとの報道が盛んにおこなわれました。今回、東京工業大学の大隅良典栄誉教授が、「オート・ファジー(自食作用)」の仕組みの発見(細胞が自分自身の一部を分解し、栄養源としてリサイクルしたり、新陳代謝したりする仕組み)により、ノーベル生理学・医学賞を受賞したことにより、その研究の進展により「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの解明や治療薬の開発に貢献するのではとの報道が盛んにおこなわれています。オート・ファジーの仕組みが、病気の原因になる老朽化した蛋白質などを分解してリサイクルしたり、或いは不要物を掃除する役割を担っていることがその理由だとしているのです。例えば、「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳内に大量に蓄積されたアミロイドベータやタウタンパク質が神経細胞を侵すことにより神経細胞死を起こさせ、そのことが原因で「記憶障害」の症状を惹き起こす結果、「アルツハイマー型認知症」を発病させることになるとの仮説が我が国では有力な学説として主張されているからなのです。ところが、アミロイドベータの蓄積も、タウ・タンパクの蓄積も共に、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因ではなくて、発病と症状の進行の結果に過ぎないので(末期の段階であり、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階にまで「前頭葉」を含む脳全体の働き具合の廃用性の機能低下が進んだこと)、オート・ファジーの仕組みの解明が、「アルツハイマー型認知症」の発病や症状の重症化のメカニズム(仕組み)の解明にはつながらないことを指摘したいのです。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の本質は、廃用症候群に属する「生活習慣病」(脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気)であって、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により働き具合が衰えた「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクして、私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行する上での様々な支障が起きてくる、言い換えると「回復の可能性」という視点から「三段階」(回復させることが容易な小ボケ、回復させることが未だ可能な中ボケ及び回復させることが困難な大ボケ)に区分される「認知症」の症状が発現してくるに過ぎないものだからなのです。アミロイドベータ説やタウ蛋白説等の主張(仮説)では、アミロイドベータやタウ蛋白が蓄積することにより、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の神経細胞死が起きてきてくると主張しているのですが、肝心の「アルツハイマー型認知症」の場合には、小ボケ及び中ボケまでの早期の段階で見つければ「脳のリハビリ」を実践させることにより「治すことが出来る」のです。「治すことが出来る」ということは、「神経細胞死は起きてきていない」ということを意味することになるのです。神経細胞死が起きてくるのは、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「末期の段階」である「大ボケの段階」にまで「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきて、「失語や失認や失行」と言った症状の発現が確認されるまでに症状が進んで行き、更にその上に、体が持つことにより何年間も生きた「お年寄り」の場合にしか確認されないものだということを見逃しているのです。

上述の赤字の部分の説明から明らかなように、アミロイドベータやタウ蛋白の蓄積を排除したり減少させる仕組みを考え付いたところで、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することは出来ないし、症状の重症化を防いだり遅らせたりすることは出来ないことなのです。何故なら、アミロイドベータの蓄積を抑制したり排除したりしたとしてもそのことによって、「意欲や注意の集中力や注意の分配力」の機能レベルが上がって、「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)が勝手に働いて、「意識的」な世界が構築され、状況を判断したり、状況判断に沿った「テーマ」を発想したり、テーマの実行内容を企画計画したり、実行結果のシミュレーションをしたり、シミュレーションに基づいて実行内容の修正を行ったり、最終的な実行内容を選択して決定し、左脳や右脳や運動の脳に実行の指令を出したりすることにはならないからなのです。私たちの意識的な世界を構築し、支配しコントロールしている「前頭葉」の機能や、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムやその症状及び症状の進行するメカニズム等について無知な人たちが、空想して言っているだけのことに過ぎないのです。

 

またしても「的外れな期待」で騒ぎ立てるマスコミ

オート・ファジーの仕組みの解明によるノーベル生理学・医学賞の受賞に対する過度の期待から、その仕組みの解明が「アルツハイマー型認知症」の仕組みの解明や治療薬の開発につながる可能性が有るのではないかとの報道がなされているのですが、こうしてまた一つ「見えない的」が作られ、有能な若い人材が投入されて、その見えない的に向かって矢を射かけ続けていくことになるのです。

あ~、哀しいかな。時間の無駄であり、人材の無駄であり、税金の無駄遣いになるだけなのです。専門家であるが故の落とし穴、世界中の研究者や学者や医師達が、何十年も探求してきて、全くのこと発病のメカニズムが分からないとされているのが、認知症全体の90%もの割合を占めている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症なのです。世界中に何千万人もの患者がいて、その数が今後も増加の一途を辿ると予測されているのです。このブログ中で、何度も繰り返して指摘し、問題提起してきているように、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、器質的な病変が原因で発病してくるものではなくて、単なる機能的な変化、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発病してくるにすぎない認知症、第二の人生での脳の使い方としての「生活習慣病」なのです。従って、「前頭葉」を含む脳の使い方としての「生活習慣」の改善によって発病自体の予防が可能なのであり、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」までの早期の段階で見つければ、「脳のリハビリ」により治すことが出来るのです。発病自体の予防と早期の段階で見つけて治すことを明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」として、これまでの20年間に、北は北海道の先端の地から南は九州の南の果ての地までのほぼ全国で、440を超える市町村で実践し、理論的にも高度に体系化された私たちの主張と手技である「二段階方式」の主張の正しいことを実証し、具体的な成果を挙げてきているのに、器質的な病変が発病のだとの思い込みから、発病の予防にも目もくれず、早期の段階を見つけることにも目をくれず、治すことにも目をくれず、上述の処置だけを行っていて、売り上げを稼ぐことだけに没頭し、邁進している、それが我が国の医療現場の実態なのです。

このブログを書いている10月15日の3日前の12日のインターネット記事に「認知症の一因、iPSで解明」の表題が踊りました。京大のiPS細胞研究所が、「或る特定の種類の」認知症などの原因となる「前頭側頭葉変性症」が発症する仕組みを解明し、患者から作ったiPS細胞を育てた神経細胞では、情報伝達を担うカルシウムイオンが流入しやすく、病気を起こす原因となる異常なタンパク質がたまる原因となっていることを突き止めたとするもので(カルシウムイオンの流入量を減らすと異常なタンパク質の蓄積が抑えられ、神経細胞の生存率が上昇する)、その知見が、「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発につながるのではないかと期待するものなのです。これは、京大等が主張しているアミロイドベータ犯人説(何らかの機序により脳内に蓄積されたアミロイドベータというタンパク質が、情報を伝達する神経細胞に蓄積して「老人斑」が沈着する結果、沈着した「老人斑」の持つ毒性が神経細胞を侵すことにより神経細胞死が起きてきて、「記憶障害」の症状が起きてくることが、「アルツハイマー型認知症」発病の原因だとする仮説)の主張に沿った見解に過ぎないのです。

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「前頭葉」を含む脳全体の機能低下、就中、単なる廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発病するにすぎないものなのです。器質的な病態の発生が原因で発病するものではないのです。その上、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」の中核的な症状でもないのです。「アルツハイマー型認知症」は、「アルツハイマー病」とも、「前頭側頭葉変性症」とも、発病の原因(メカニズム、機序)自体が全く異なるものなのです。それにも拘らず、こんなニュースが駆け巡るたびに、市町村の保健師さん達が自信を無くして、「地域予防活動」の展開、或いは拡大展開の途が、遠のいていくことになってしまうことになるのです。

   

& 「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発は、100%不可能なことなのです

ましてや、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ただボンヤリと毎日を過ごし月日を重ねるだけの単調な生活の継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続が原因となって発病する病気であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが発病及び症状重症化の直接の原因であり、廃用症候群に属する「生活習慣病」がその本質である「アルツハイマー型認知症」に対する治療薬の開発は、発病のメカニズム及び症状が進行するメカニズムからして、絶対に有り得ないことなのです。治療薬ではなくて、症状の進行を遅らせる効果が期待できるとされて現在販売されている4種類の薬も、地方の市井の一医師が有効な治療として宣伝している対症療法(「河野メソッド」と称されている対処法)が、図らずも、露呈させているように、「アルツハイマー型認知症」としての症状の進行を遅らせる効果がある訳ではないのです。患者によっては症状の進行を遅らせることが期待できるとされている4種の薬のうち、患者の症状の発現の態様と程度により、問題行動等の症状の発現がみられる患者には抑制系の薬を、又は身体を動かすことも言葉を語ることもなく、何もしようとしない症状の発現がみられる患者には興奮系の薬を、原因に対する治療ではなくて、症状に対する処置として使用しているだけのものなのです。それは、発病の原因に対する治療により患者の症状の進行を遅らせているのではなくて、「要介護状態の緩和」に資する単なる処置効果が患者を介護する家族や施設側に評価されているだけのものなのです。

これは、そもそも、「アルツハイマー型認知症」の症状に対する投薬による「単なる処置」であり、症状の進行を遅らせ、或いは症状を回復させることを目的とした本来なされるべき「治療」とは言えないのです。症状を治している訳でも、症状の進行を遅らせている訳でもないのですから。それは、治療と呼ぶには値しない処置、身勝手な処置に過ぎない行為なのです。私たちの反証の基礎となる「脳機能データ」があります(ここを「クリック」してください。)。こうした処置は、「アルツハイマー型認知症」の本質(発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズム)を知らないが故の、誤った処置というべきものなのです。認知症の専門家達、特に医師達に知ってほしいのです、対応すべきもっと前の段階があることを。

「アルツハイマー型認知症」としての症状がもっと軽い段階、言い換えると「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下がそこまで進行していない段階、本当の意味での早期の段階であり私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があって、その段階で見つけて、「脳のリハビリ」(脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の出番が多い、脳の使い方としての「生活習慣」の改善)を実践させることによって治すことが出来る(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る)ことを知ってほしいのです。私たちの区分で言う「大ボケ」の段階、回復させることが困難な「末期の段階」に症状が進行するまで放置しておいて、その上、効きもしない薬を投与する処置だけは、出来るだけ早く止めて欲しいのです。

発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すという体制を確立し、その上で、末期の段階にまで症状が進行したお年寄りは全員、「介護保険」の適用対象にするのです。そうすれば、社会実態として存在し、現在重大な社会問題となっている「老老介護」も、「認認介護」も、「介護離職」も、その実態自体が私達の社会から消えていき、過去の時代の言葉となるのです。

   

医療現場での診断及び投薬の在り方にコペルニクス的転回が必要

世界中の認知症の専門家達から発病のメカニズムが分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないと言われている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」を本質とするものなのです

本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階で見つけて居れば、「脳のリハビリ」を実践させることによって治すことが容易なのであって、「中ボケ」の段階で見つけて居れば、「脳のリハビリ」によって治すことが未だ可能だからなのです。保険点数が高いために診断費用が極めて高額になるCTやらMRIやら、果てはPETまで総動員していながら、「小ボケ」の段階も、更には「中ボケ」の段階も見過ごしてしまっていて、回復させることが困難な「大ボケ」の段階になって初めて見つけて居るのが医療現場の実態なのです。更には、30点が満点のMMSEの得点が一桁になって初めてその発現が確認できる「失語や失認や失行」などの症状(「DSM-4」の規定が「第二の要件」として確認を要求している症状)が発現してくる末期の段階になって、やっと「アルツハイマー型認知症」だと診断していて、上述した処置を施し、それが医師としての正しい対応だと誤解していて、反省するどころかむしろ自負している医師達さえいる、一部の者達とはいえ、医師としての「社会的使命」を自覚していない人達と言うしかないのです。

薬を飲むと(貼ると)、「前頭葉」を含む脳全体の機能が勝手に働くようになることは有り得ないことなのです

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、脳が壊れてもいないのに(器質的な病態「病変」が存在してもいないのに)、「意識的」に何かの「テーマ」を実行しようとしても、それがきちんと出来なくなる結果、「社会生活面」で支障が出てくるようになり、更に症状が進行すると、「家庭生活面」で支障が出てくるようになり、更に症状が進行した末期の段階になると「セルフ・ケア」にも支障が出てきて日常生活面での介護が不可欠となるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、60歳を超える年齢の「高齢者」が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を継続させているうちに、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合(「機能レベル」)廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが原因で発病する病気、廃用症候群に属する単なる生活習慣病に過ぎないのです(発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。「便で汚してもトイレの後始末ができない」、「お風呂に入っても体を洗おうとしない」のは、「記憶障害」が原因での行為ではないのです。自分が置かれている状況の判断や為すべき行為の目的や内容の理解が出来ないことが原因の行為なのです。目的的行為ができないその原因は、アミロイドベータやタウタンパクの蓄積が原因ではないのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能低下が真の犯人、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因なのです。これこそが、世界中の専門家達から原因不明とされている「アルツハイマー型認知症」の発病の真の原因なのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して衰えていくことに直結する形で、その機能レベルの衰えに厳密にリンクして、認知症の段階的な症状が発現してくるものであり、軽いほうから順番に、「脳のリハビリ」により治すことが容易な段階である「軽度認知症」(小ボケ)、治すことが未だ可能な段階である「中等度認知症」(中ボケ)、治すことが困難な段階である「重度認知症」(大ボケ)の順に、三段階の症状が発現してくるのです(私たちが開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状の類型については、ここを「クリック」してください)。

末期の段階である「大ボケ」の段階の症状、就中、「失語や失認や失行」などの症状、更には、問題行動と呼ばれるような症状が発現してきているお年寄り達、言い換えると、そうした症状が発現するまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきたお年寄り達に効く薬、飲むだけで(貼るだけで)、そこまで働きが衰えてきたお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させる薬(治す薬)などありうるはずがない、この先開発されることは100%不可能なことなのです。「前頭葉」と言う脳機能は、私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールする機能、脳全体の司令塔の役割を担っているのであり、薬を飲む(貼る)だけで末期の段階の症状が発現してくるまでに衰えていたその機能が、正常な機能レベルに回復する薬など開発されることは有り得ないことを指摘し、強調しておきたいのです。

  

○「DSM-4」の規定に依拠した診断では、「末期の段階」でしか見つけられないのです

世界的な権威があるとされている米国精神医学会により策定された「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の規定の重大な誤り、第一の要件として「記憶の障害」の症状の確認が要求されていて、第二の要件として「失語、失認又は失行」の症状の確認が要件とされているが為に、末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の更に後半の段階であって、MMSEの得点で言うと30点満点の一桁の得点しか取れない人達)でしか、「アルツハイマー型認知症」と診断されなくて、且つ発病のメカニズムも分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症であると誤解され続けてきているのです。まるで、医学の分野での合成の誤謬まがいの状況が、世界中で起きてきているのです。

○蛇口を開きっぱなしにした状態を放置しておいて良いものなのか

我が国では、蛇口を開きっぱなしにしたままで居る帰結(結果)として、「アルツハイマー型認知症」についての診断、発病者に対する投薬及び介護の為の費用の総額が、2015年度単年度ベースで、15兆円を超える天文学的な規模にまで膨れ上がってきているのです。世界中の「アルツハイマー型認知症」の専門家達が原因の解明に携わってきていながら未だに、「発病のメカニズム(仕組み)が分からないし、治すことができないし、発病自体を予防することもできないタイプの認知症」とされてきている最大の原因は、器質的な病態が起きてきているはずとの誤った先入観念、誤った思い込みにあるのです。何等かの器質的な病変(病態)が存在するに違いないとの思い込みが、逆に、発病のメカニズム(仕組み)の解明の妨げとなっていることに、誰もが気付かないでいるのです。

私たちが幼児だったその昔、「人生60年」と言われていた時代には、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達は極めて少数だったのです。私たちが「正常老化の性質」と名付けている生来的な要因が「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のことをいう)に宿ることが、「アルツハイマー型認知症」を発病する「第一の要件」だからなのです。私たちが「発病の第一の要件」と規定するその「正常老化の性質」の故に、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、60歳を超えた年齢の「高齢者」に限られることになるからなのです。いろいろな種類が数ある認知症の内で、認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」こそ、「超高齢化社会」に特有な産物なのです。人生60年さえも未だに達成していない、高齢化がそこまで進んでいない若い社会が特徴の国では、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病者の量的な意味での社会問題は存在し得ないことなのです。未だに、アミロイドベータ説とかタウ蛋白説とか脳の萎縮説とかの仮説を主張し、それに拘泥している研究者の皆さん、私がここで指摘した問題点を途上国などの若い国で調べて確かめてほしいのです。皆さんの主張が全て根拠を誤った仮説であることが、容易に確認されることになるはずなのです。誤りであることが確認できたら、躊躇することなかれ、仮説の主張を直ちに中止し、放棄していただきたいのです。世の中のためになるからです。

   

○「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することは可能なのです

「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、第二の人生での「生き方」、脳の使い方としての「生活習慣」が問われることになる病気なのです。そのことが、「アルツハイマー型認知症」の怖いところでもあるのです。廃用症候群に属する「生活習慣病」が本質である「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、「前頭葉」を含む脳全体をしっかりと使ってやる「生活習慣」を確立することが必要不可欠の条件となるのです。「仕事」とは無縁になる「第二の人生」で、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは地域興し等の社会活動等の「テーマ」の中で、自分なりに興味や関心がある「テーマ」を見つけて、自分なりの「目的」や「目標」がある生活の実践、自分なりの「生き甲斐」や「喜び」や「達成感」や「満足感」や「楽しみ」が得られる「生活習慣」を構築し実践することが出来るか否かが問われることになるのです。60歳を超える年齢の高齢者であって、未だ現職の人が、「アルツハイマー型認知症」を発病することがあるのは、極めて例外的な事例であるとは言え、事実なのですが(但し、名目だけの会長職や社長職や茶道の先生等の地位にある人が発病の対象となるのであり、名実ともに実権を握っている状況の人は発病の対象とはならないことに注意)、殆どの場合は、「第二の人生」を送っているお年寄りだけが発病の対象となるのです。発病の「原因が」分からないし、「治す」ことができないし、発病自体を「予防」することもできないとされている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「左脳」が主役となる「仕事」とは無縁の生活が日々続くことになる「第二の人生」での「生き方」が問われる病気なのです。日々の脳の使い方、特に「右脳」を主体として、運動の脳や左脳をいかに使うかによって、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の出番ができるだけ多い生活習慣を確立することによって、発病自体を「予防」することができるのです。その「テーマ」自体を考えること、実行することにより、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能がよく働くこと、意欲が湧いてきて、注意の集中力が上がってきて、注意の分配力の機能が回転を速めてあれこれとシミュレーションしたり、てきぱきと処理する機能の発揮度が上がってくる状況にある生活が維持されることになり、「前頭葉」の「個別認知機能」の発揮度が上がってくるようになるからなのです(「二重構造」の関係)。但し、そうした生活の状況が「生き甲斐」や「喜び」を与えてくれる「楽しいもの」であるか否かを判断するのは他ならぬ、あなた自身の「前頭葉」、言い換えると、あなた自身の「前頭葉」に備わっているあなた自身の「評価の物差し」という機能なのです。だからこそ、他人の真似事をするのではなくて、自分なりのテーマを選択し、実行することが求められることになるのです。再度繰り返し、提案します。「仕事」とは無縁になる「第二の人生」で、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは地域興し等の社会活動等の「テーマ」の中で、自分なりに興味や関心がある「テーマ」を見つけて、自分なりの「目的」や「目標」がある生活の実践、自分なりの「生き甲斐」や「喜び」や「達成感」や「満足感」や「楽しみ」が得られる「生活習慣」を構築し実践することが、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁で、「第二の人生」を完走することにつながるのです。「継続は、力なり!」。

時間だけは掃いて捨てるほど有るのに、することが無いとのたまっているあなた、明日と言わず今日の今から、あなたの生き方の総点検をやっていただきたいのです。

   

& アミロイドベータの蓄積もタウ蛋白の蓄積も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係

東大や京大や理化学研究所などがその牙城となっていて、我が国での主流となっている主張、アミロイドベータ説という仮説は、実は、「アルツハイマー型認知症」の発病とは何の関係もないのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病し、且つ「末期の段階」にまで症状が進行したその結果として「老人斑」の沈着が確認されるという意味合いでの関係しか存在しないのです。諸外国では様々な反証がなされてきて我が国でも「アミロイドベータ説」の勢いが低下してくる中で、代わりに、異説とは言わないまでもこれまでは少数説でしかなかった地位から我が国での有力説に代わりかけようとしている「タウ・タンパク説」(タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化が発病の原因だと主張)と言う仮説も、同様の類の主張でしかないのです。

発病の原因が不明と言われている「アルツハイマー型認知症」の本質は、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した単なる「機能低下」という要因、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して発病する病気、廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、食生活としての生活習慣ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)に過ぎないのです。

次回のブログ(B-70)でその詳細を説明する予定である14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」が意味すること、私たちの「意識的な世界」を支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状を、正常なレベル、正常下限のレベル、「小ボケ」のレベル、「中ボケ」の前半のレベル、、「中ボケ」の後半のレベル、末期の段階である「大ボケ」の前半のレベル、「大ボケ」の後半のレベルという風に、連続した「脳機能データ」という形で全体を見ていくと、「アルツハイマー型認知症」の中核となる症状が「記憶の障害」の症状ではないこと及び記憶の障害に起因した症状ではないこと(様々な態様及び程度で発現してくるその症状の中核をなしているのは、覚えていなくて想起できないことが原因ではなくて、「小ボケ」の段階では「前頭葉」の三本柱の機能の廃用性の機能低下に起因した症状が発現してくるのであり、「中ボケ」以降の段階になると、「前頭葉」の三本柱の機能の更なる廃用性の機能低下並びに左脳、右脳、運動の脳の順番で衰えてくることによる「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、「意識的」に何かの「テーマ」を実行しようとする際に、自分が置かれている状況の判断が出来なくて、更には、「テーマ」自体及び「テーマ」を実行する為の実行内容の目的や意味や内容自体が理解できていないことに起因した症状であること)並びにアミロイドベータやタウ蛋白の蓄積に起因した症状ではないこと廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して「前頭葉」を含む脳全体の働き具合が異常なレベルに低下したことが発病の原因)が明確に理解できるのです。末期の段階の症状だけに焦点を当てて、且つその細部だけを研究し、推論を展開しているがために(木ばかりを見て、森を見ていない)、本当の実態を見ることが出来なくて、言い換えると、末期の段階の症状だとは気づかないで居て、そうした末期の段階で発現してきているものが「アルツハイマー型認知症」の症状だと誤解して居て、その外観を眺めて発病の原因を妄想して、器質的な病変を探してそれが発病の原因だとの「仮説」を打ち立てて主張しているだけのことなのです。何しろ、アミロイドベータ説は、未だに因果関係の立証さえできないでいる「仮説」にすぎないのですから。

  

空気ポンプの柄を押してやらないから、空気が出てこないだけ

自転車のタイヤの中に組み込まれている「チューブ」の中の空気が減ってきたとき、そのチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病のメカニズムを分かり易く表現すると、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を相互に伝達する役割を担っている神経細胞の部分の働き)に支障が起きてきて発病する病気であるとの仮説がアミロイドベータ説やタウ蛋白説の主張であり、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理し、指令を発信してやる役割を担っている「前頭葉」を含む脳の機能部位)に支障が起きてきたことにより、空気の送り込み機能(状況の理解や判断やテーマの発想や実行内容の企画や計画、或いは実行結果のシミュレーションに基づく修正、最終的な実行内容の選択と実行の決定並びに左脳、右脳及び運動の脳の各部への指令などの働き)が正常に働かなくなったことが原因で発病する病気だというのが私たちの主張なのです。

然も、「前頭葉」を含む脳全体の機能に支障が起きてくるその原因は、器質的な病態の発生にではなくて、機能の低下、すなわち、廃用性の加速度的で異常な機能の低下にあるのです。「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象として、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、或いは地域興しなどの社会活動に参加することもない生活、言い換えるとこれと言った目的や目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている日々の生活、「前頭葉」の出番が極端に少ない単調な「生活習慣」の下で、「廃用性の加速度的で異常な機能低下」が進行してきて、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに低下してくることが直接の原因で、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくることになるのです。

   

従来の見方を180度転回して、新たな視点を構築すべき

情報を伝達する役割を担う神経細胞の神経細胞死という「器質的な病変(病態)」に原因を求め続ける姿勢を打ち捨てて、脳の機能面の低下、私たちの意識的な世界を支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が発病の原因だとする私たちの主張に、そろそろ目を向け、的を絞って欲しいのです。今こそ、正しい的に矢を射かけて欲しいのです。先日の大隅氏の受賞に見るように、医学部の出身でない人でも、ノーベル生理学・医学賞を受賞する時代が来ているのですから。

私たちが開発し体系化させた「二段階方式」は、14689例にも上る精緻な「脳機能データ」(脳全体の「司令塔」の役割を担っていて、私たちの意識的な世界を構築する機能の要であり、且つその意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状のデータ)に支えられていて、精緻でありながらも使用方法が極めて簡便な「手技」として完成されていて、440を超える市町村での「地域予防活動」の展開により主張の正しいことが成果として実証されてきてもいるのです。

足りないのは、権威だけ。重大な誤りを含む主張内容でありながら世の中に浸透している権威ある機関や人達が主張している内容とは根本的に主張の内容が異なるが故に、私たちの主張は世の中に浸透していかないのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(仕組み)、早期の段階で見つけて認知症の症状を回復させる方法、発病自体を予防する方法、住民参加型の「地域予防活動」の展開の要点等についての私のブログは、2012年の3月に「Gooブログ」上での無償の公開を開始して以来、169回にも及ぶのです。字数で言うと、累積で400万字を超えるのです。自分で言うのもおこがましいのですが、権威があるとされる人達のそれと比較して内容的にも異次元のものと自負はしているのですが、いかんせん、権威不足なのです。私たちの主張に権威さえつけば、私たちが20年にもわたって、市町村で実証してきた住民参加型の「地域予防活動」の展開を国の重要な政策として実施することに国民的な合意が得られる基礎が得られることになるのです。この問題については、何等かの方策を見つけるとして、私たちの主張内容は、最終的には、我が国だけでなくて、世界を席巻することになると考えているのです。交流サイト(SNS)最大手、米フェイスブックの創業者マーク・ザッカーバーグ氏が、医療研究に巨額の寄付を最近行ったことが話題になっていますが、規模は別問題として、IT分野の成功者で、このブログの「Bの61~65」で提起している「実証研究PRJ」の活動資金を提供していただける方は、我が国では、現われてきてはくれないのでしょうか。

    

注)本著作物(Bー69に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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アルツハイマー型認知症の真の原因と学説主張との乖離(B-68)

2016-10-01 | 器質的な病態でなく廃...

  & 「アルツハイマー型認知症」の発症頻度

一口に認知症と言っても、実は、いろいろな種類があるのです。その主なものを挙げると、脳血管性認知症、二次性認知症、アルツハイマー病、アルツハイマー型認知症等があります。「脳血管性認知症」は、脳を養う大小の血管に障害が存在することが原因となるのです。その大半のものは、脳を養う大小の血管が梗塞を起こして、十分な量の血液を脳に送れなくなったことが原因で脳の働きが全般的に低下することにより、認知症の症状が発現してくるものを言います。脳内出血(脳を養う血管が出血)を起こして、認知症の症状を惹き起こすタイプの脳血管性認知症も勿論のことありますが、数自体がずっと少なくなります。私たちが集積してきたデータによれば、脳血管性認知症が認知症全体に占める割合は、僅か4~5%に過ぎないのです。世の中でしばしば25%程度を占めるという数字が使われますが、その内の20%という部分(25%-5%=20%)は、実は「アルツハイマー型認知症」なのです。重度の記憶障害の症状が確認されたお年寄りで、脳梗塞や脳内出血の既往さえあれば全て「脳血管性認知症」と診断している医療現場での雑な扱いが原因なのです。60歳を超えた年齢の「高齢者」が、脳梗塞を患って、例えば右手の動きの不具合と発語の不具合という部分的な「後遺症」が残っただけの場合に、そのことが「キッカケ」となって、人と交わること自体に意欲を喪失してしまい、それまで楽しんでいた趣味も遊びも人付き合いも、或は運動も止めて家にこもるような生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に代わって、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した認知症の症状が発現してくるのは、「アルツハイマー型認知症」なのです。認知症の症状の発現の原因が、脳を養う血管に起因していると言える為には、脳の或る領域に血流の低下が確認され、当該血流の低下を惹き起こしている原因血管を特定することが出来て、且つその血管障害がもたらした脳の機能低下の部位と認知症の症状を惹き起こしている脳の機能低下の範囲とが合致していることが不可欠の条件となるのです。ところが医療現場では、脳血管性認知症であるとの診断に際して、必要な両者間の因果関係の確認が殆ど行われていないのが実態なのです。

アルツハイマー病」は、内因性のものであり、特定の遺伝子の生来的な異常に起因した認知症のことを言い、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するのが特徴なのです。発病する対象は、基本的には「若い年齢」の人達、「若年発症」がその特徴であり、30歳代から50歳代の人達だけが発症し、60歳を超える年齢で発症する人は極めて稀なケースとなります。症状を治したり、或いは症状の進行を遅らせたりする手立てが全く無い上に、症状進行のスピードが極めて速く急激で、僅か2~3年のうちに、寝たきり状態になってしまう程なのです「アルツハイマー病」は、認知症の代名詞のように扱われていますが、認知症全体に占める割合は、1.1%程度に過ぎないのです。我が国では、学会でもマスコミでも、「アルツハイマー病」と「アルツハイマー型認知症」とを一括して、「アルツハイマー病」と呼ぶ人達が多いのですが、両者は発病の原因(メカニズム)も、発病後の症状の進行の原因も進行の速度も、発病自体の予防の可能性も、症状の進行速度を緩めたり、或は治したりする「方法」の有無と言う点についても、全く異なるものなのです(両者が似ている点としては唯一、老人斑の沈着、神経原繊維変化及び脳の顕著な萎縮という、死後の脳の「解剖所見」が似ているというだけのことなのです)。発病の結果として、症状が進行して末期の段階にまで進んだ場合の脳内に起きてくるものが似ていても、両者の発病の原因(メカニズム)は全く異なるものなのです。「混同するのも甚だしい」と言わざるを得ないのです。

 誰でもが80歳とか90歳までも生きる超高齢化社会を実現している我が国では、身体が持つ一方で脳が持たない、具体的に言うと「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病しているお年寄りの数が、厚生労働省の発表数字で460万人×0.9≒400 万人を超える数に達しているという状態にあるのです。但し、そこで言う400万人という数には、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の人達の数は含まれていないのです。末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半の段階になって初めて確認される失語や失認や失行の症状が確認される人達だけの数なのです。驚くなかれ、「アルツハイマー型認知症」発病者の対象から見逃されている「小ボケ」と「中ボケ」の人達を併せた合計数は、「大ボケ」の段階にある人達の数倍もの規模になるのです。私たちのデータによれば、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階にある人達全員を併せた人数の、年齢別の割合は、定年退職等で「第二の人生」が始まったばかりの60歳代ではその12%、70歳代ではその30%、80歳代ではその50%、90歳代ではその75%、「人生」の極まりの年齢である100歳代になるとその97%ものお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」を発病していて、「小ボケ」、「中ボケ」又は「大ボケ」のいずれかの段階にあるのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴として、一つには、働き盛りの若い年齢とされる人達の発病は存在しないこと、もう一つは、60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となり、然も、年を取るにつれて発病している人達の「年齢別の発病率」が高くなっていくこと、言い換えると、「加齢」という要素が発病の重要な条件となっていることが分かるのです。それが、次に解説する、「前頭葉」の老化曲線、私たちが「正常老化の性質」と名付ける生来的な老化曲線の存在の問題なのです。とは言え、年を取れば誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳のものではないことは上述した年齢別の発症率のデータからも明らかなことです。それでは、発病する人と発病しない人とを区分ける「他の条件」とは何なのか、それが、後述する「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の廃用性の機能低下という問題の存在なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因は、アミロイド・ベータの蓄積でもタウ・タンパクの蓄積でも脳の顕著な萎縮でもないということなのです。

 & 「アルツハイマー型認知症」の正体は、「頭の寝たきり」

言葉や論理的な思考や計算する力、或は場合分けなど、脳の後半領域にある「左脳」の働きは、一定の年齢に達するまで伸びていくのに対し、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳、運動の脳という三頭立ての馬車の「御者」の役割、私達が意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」という脳機能を構成している理解、判断、企画、推理、修正、抑制、感動等の個別認知機能の働き具合を支配する(機能発揮上の「二重構造」の問題)意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(「前頭葉」の三本柱の機能)には、誰でも20歳代の前半までの「若い」年齢の時がピークであり、そこから100歳の時に向かって緩やかではあるが直線的に衰えていくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付けている生来的な性質が内在しているのです。「第二の人生」が始まる年齢である60歳代の半ば頃になると、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合は、ピークの時である20歳代の半ば頃の半分位にまで衰えてきているのです。そして、70歳代、80歳代、90歳代と加齢が進むにつれて「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合が更に衰えていき、より低空飛行の状態になっていくのです。「前頭葉」の三本柱の機能に生来的なものとして宿る性質、「加齢」と共に機能が低下していくというカーブが存在するが為に、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係がなくて、「高齢者」と呼ばれる年齢の60歳代以降の年齢のお年寄りだけが発病の対象となるのです(「発病の第一の要件」)。

○ 器質的な病態が発病の原因ではなくて、単なる「廃用性の機能低下」が発病の原因

認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」の発病の第一の要件の基礎にあるのは、「正常老化の性質」という問題の存在なのです。従って、20歳代や30歳代の若者が、スキーに行って転倒し、骨折して1~2ヶ月余りも寝たきりの生活をしていて、足の筋肉が使われない生活が続いていても、筋肉が廃用性萎縮を起こしてきて歩けなくなるという状態が起きてはこないように、「アルツハイマー型認知症」の発病という事態も絶対に起きてはこないのです。60歳を超えた年齢という「高齢者」の仲間入りをしたお年寄り、加齢に伴い「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合がピークの時の半分以下に衰えてきているお年寄りが、家の前で躓いて転んだ時、骨折して、1~2ヶ月余りも寝たきりの生活をしていて、足の筋肉が使われない生活が続いていると、筋肉が廃用性萎縮を起こしてきて歩けなくなる(廃用性の機能低下)と同時に、「前頭葉」の出番が極端に少ない生活が継続されたままの状態で居ると、「アルツハイマー型認知症」の発病という事態が起きてくることになるのです。発病のもう一つの条件、私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」の「発病の第二の要件」は、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていること、このことを分かり易い表現を借りて言うと、「前頭葉」を含む脳全体の機能が寝たきり状態にある生活が継続すること(「頭の寝たきり」)なのです。

勉強や仕事をしているときは、「左脳」が中核となって働き、言葉や計算や論理的思考や場合分け等に関わるデジタルな情報を「前頭葉」とやり取りしています。趣味や遊びや人付き合いを楽しんでいるときは、「右脳」が中核となって働き、色や形や音や雰囲気、感情や表情等に関わるアナログな情報を「前頭葉」とやり取りしています。体操や散歩やスポーツを楽しんでいるときは、「運動の脳」が中核となって働き、身体の動静に関わる情報を「前頭葉」とやり取りしています。脳全体の司令塔の役割を担っていて、言葉や計算や論理や場合分けなどのデジタル情報の処理に特化した脳機能である「左脳」、形や色や音や空間の認知や感情の認知などのアナログ情報の処理に特化した脳機能である「右脳」及び身体を動かす情報の処理に特化した脳機能である「運動の脳」という「三頭の馬」が牽引する三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのが、「前頭葉」という脳機能なのです。私達の意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」は、三頭の馬から送られてくるさまざまな情報に基づいて状況を判断し、状況判断に沿った何かのテーマを発想し、テーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果を推理し、予測し、シミュレーションして必要な修正を加えて、最終的な実行の内容や程度や態様を選択して決定し、脳の各部に実行の指令を出しているのです。それが、「私達人間だけに特有な機能」である「前頭葉」という脳機能の働きなのです。私達は、左脳に偏った生活習慣、右脳に偏った生活習慣、運動の脳に偏った生活習慣、バランスがとれた生活習慣など、色々なタイプの「生活習慣」に従って日常生活を送っています。

脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きは、左脳、右脳及び運動の脳を支配しコントロールしながら、私達人間の意識的な世界を形成している訳なのですが、一方でその働き具合は、三頭の馬から送られてくる情報の量と質次第で、生き生きと働き、或は居眠ったりもするのです。三頭の馬からたくさんの量の情報が送られてくる生活習慣があって、そうした情報の質に当の「前頭葉」自体がより高い評価を与えるような生活、自分なりの追及すべき「テーマ」があって、「テーマ」を実行するに際しての自分なりの「目標」があって、そうした日常生活を送ることにより自分なりの「生き甲斐や喜び」が得られている、そうした「生活習慣」(但し、ここにいう生活習慣とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)が確立されていて、継続されている程、「前頭葉」の機能が活性化することになり、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁の生活が保証されることになるのです。趣味、遊び、人付き合い、運動又は地域興しなどの社会活動の「テーマ」の中で、自分なりに興味が湧くものを選んで、そうしたテーマの実行により出来るだけたくさんの人と交わり、その実践により、自分なりの「目標」がある生活を楽しむことが、脳、就中、「前頭葉」を活性化させることとなるのです。そうした脳を使う生活、「前頭葉」の出番ができるだけ多い「生活習慣」が、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することとなり、自分らしい「第二の人生」を完走することにつながるのです。60歳を超えた年齢の「高齢者」の仲間入りをした「第二の人生」で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となることもない「単調な生活」、ナイナイ尽くしの「単調な生活」、言い換えると、人生を自分なりに楽しむことをしないで、ボンヤリとした生活を日々送るだけの毎日を送っていると、三頭の馬から極端に少ない情報しか送られてこなくなった「前頭葉」の機能が、使われる機会が極端に減少した「生活習慣」の下で(出番が極端に減ったことにより)、廃用性の機能低下を起こしてくることになるのです。「正常老化の性質」という第一の条件と「廃用性の機能低下」という第二の条件とが同時に充足されることによって、その「相乗効果」によって、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくることになり、その行き着く先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。

世界中の認知症の専門家達から「発病のメカニズムが分からない」と言われている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。発病の原因は、「前頭葉」を含む脳全体の「器質的な変化による病態の進行」にあるのではなくて、「廃用性の機能低下の加速度的な進行」にあるに過ぎないのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)によって、治すことが出来るからなのです。脳の器質的な病態の発生が発病の原因とする考え方(アミロイド・ベータの蓄積による老人斑の沈着やタウ・蛋白の蓄積による神経原繊維変化とやらが情報を伝達する役割を担っている神経細胞を犯すことによって、「記憶障害」を起こすことが原因とする考え方)は、「木を見て森を見ず」の類の誤りと言うか、根本的な誤りを犯しているのです(ここを「クリック」してください)。

「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下が発病及び症状重症化の原因であるが故に、「アルツハイマー型認知症」の診察の現場に携わっている医師でさえも、被験者が既に発病していることに気付かないのです。本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階が「不活発病」とかの名前を冠されるだけで見過ごされているのも、或は、次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階が単なる老化現象と見間違えられているのも、共に、同じ原因なのです。その結果として、診察を行っている医療現場の医師達でさえ、末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階の更に後半になってからでないと見つけることが出来ないでいるという訳なのです。医師達が早期の段階と言っているのは、末期の段階である「大ボケ」の段階の前半、MMSEの得点で言えば、10点までのあたりのことを言っているのです。大ボケの段階とは、MMSEの得点で言えば、14点以下0点までの範囲なのです。たとえ10点あっても、既に、「大ボケ」の段階なので、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないタイプの認知症だ』と、医師達にさえ誤解されてしまっているということなのです。「小ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ」に励めば治すことが容易なのです。「中ボケ」の段階で見つけて、「脳のリハビリ」に励めば治すことが未だ可能なのです。「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、手遅れ、治すことは困難になるということなのです。

コーヒー・ブレイク先月、アクトシティー浜松の研修交流センターで、「二段階方式」の「実務研修会」を実施してきたのですが、お昼休みに近くの書店(浜松市で一番大きな書店)で、「アルツハイマー型認知症」に関する書籍(最近発刊されたばかりの合計50冊)を読んでみたのです。それらの書籍の大半が、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因についてアミロイド・ベータ説を引用していたのです。アミロイド・ベータというタンパク質が情報を伝達する役割を担っている神経細胞に蓄積して老人斑の沈着が起き、その毒性が神経細胞を犯すことが原因で、「記憶障害」の症状が起きてくることが「アルツハイマー型認知症」発病の原因である(原因と言われている)と書いてある書籍が大半だったのです。アミロイド・ベータ説は、欧米の医学会や研究機関や製薬会社の研究者達の間では、「発病との間の因果関係が確認できない」として、既に過去のものとなっているのですが、肝心の我が国では、東大や京大や理化学研究所がアミロイド・ベータ説の牙城であるが為に、上記のような状況が存在しているという訳なのです。我が国では、医師たちの間では、東大、京大、理化学研究所の権威がかくの如くに有るのだと、感心させられたのですが、『アミロイド・ベータの蓄積による老人斑の沈着は、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因ではなくて、(症状が「大ボケ」の段階にまで進んだ)結果に過ぎない』というのが私たちの考えなのです。

脳の働き具合が良くなったかどうかを調べるときに、「物忘れ」の症状の程度や頻度を指標にする学者や医師が多いことに驚かされるのです。更に驚かされることは、「アルツハイマー型認知症」の診断に、医療の現場では、神経心理機能テストである「長谷川式」が使われているのです。「長谷川式」では、肝心の「前頭葉」の機能レベルを判定することは不可能だということにさえも気づいていない、知らないとでもいうのでしょうか。驚くしかない、ことなのです。脳が活性化しているとか、脳の機能レベルが改善しているとかいう為には、三頭の馬ではなくて、馬を操っている御者、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私達人間だけに特有である「意識的な世界」を支配しコントロールしている「前頭葉」自体の機能レベルの変化、就中「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名づけている「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能レベルが改善していることの判定と確認が「不可欠の条件」となるのです。但し、その「前頭葉」の機能が改善しているか否かを判定し、客観的な基準で評価するには、私たち独自の体系化された神経心理機能テストである「二段階方式」の手技以外には、世界中を見渡しても、これといった手技が見当たらないのが実情なのです。

付言しておくと「前頭葉」の三本柱の機能の機能レベルが改善されているか、維持なのか、又は低下しているのかを精緻に判定するには、「PET」といえども困難だということを指摘しておきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の診断に際して、大病院が使用しているCTやMRIやPET等の機器では、「前頭葉」(「前頭葉」の三本柱の機能)の機能レベルの変化(改善、維持又は低下)を客観的に判定し評価することは出来ないことをここに指摘しておきたいのです。CTやMRIやPET等の機器では、脳の形やら、血流の或る程度の変化を判定できても、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合の変化を判定ことすることは出来ない相談なのに、大病院では、「売り上げや利益」を最優先するがあまり、使用による保険点数が高いだけの理由で、機器を最大限度使用しているというのが医療現場での実態なのです。上述した、「アルツハイマー型認知症」に関する50冊の近刊書籍の著者の誰もが、「前頭葉」の働き方のメカニズム、特に、「前頭葉」の個別認知機能の機能発揮度が「前頭葉」の三本柱の機能との関わり方及び発揮の具合と極めて密接な関係にあり、不可分の関係にある(私たちだけが確認している、機能発揮上における「二重構造」の関係のこと)ことを知らないし、「前頭葉」の三本柱の機能に生来的に宿る「正常老化の性質」のことも、更には、使われる機会が極端に少ない「生活習慣」に起因する「廃用性の機能低下」という問題についても、全くの無知なのです。「前頭葉」という脳機能の働き方、或は衰え方、更には「アルツハイマー型認知症」の発病のメカ二ズムについてこれほどの無知でありながら、各々が発行している書籍の題名はと言うと、読んでいる私の方が赤面しないではいられない程に先鋭的な(前衛的な?)題名のものばかりなのです。

コーヒー・ブレイク)「脳の活性化」とか「脳機能の改善」とかの言葉が流行っている今日この頃なのですが、驚くことにそんな言葉を使っている人達が、脳のことについて無知なのです。その人達は、「物忘れ」の頻度が改善したとか、MMSEの得点が2~4点改善したとかを根拠にして、脳機能が改善したと主張しているのです。その人達は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能の働き方のメカニズムについて無知なのか、或は「前頭葉」の機能が改善しているのか否かを客観的な基準で判定する「手技」を持たないかのどちらかなのでしょう。50人程のお年寄りを一堂に集めて、月に1~2回の頻度で、例えば、特別の「テーマ」もなくて、単なる「お茶のみの会」を催すのです。会ではと言うと、各人が持ち寄った自慢のお漬物やお菓子などをつまみながら、おしゃべりを楽しんでもらうだけでいいのです。その会を半年間も続けて、参加したお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能がどのように改善したのかを判定してみるといいのです。「お茶のみの会」に継続して参加していた人であれば、皆さん全員が、MMSEの得点が数点向上しているはずなのです。ところが、「前頭葉」の機能レベルはと言うと、「お年寄り」各人の「前頭葉」の機能レベルが改善したのか、維持だったのか、或は低下だったのかを知るには、その期間中のお年寄りの具体的な「生活習慣」及び生活実態にまで踏み込んで聞き取りをしてみないと分からないのです。当該期間の前後での「前頭葉」の機能レベルの変化(改善、維持又は低下)は、当該期間中のそのお年寄りの生活実態、脳の使い方としての「生活習慣」の内容の濃さ、或は薄さを反映したものとなるからなのです。その人なりの「テーマ」があって、テーマを実行していく上での「目標」があって、それを日々実践していく生活の中で、その人なりの「生き甲斐」や「喜び」がどの程度に得られていたのかどうか、それを反映する形で「前頭葉」自体の機能レベルの改善、維持又は低下という結果が出現してくるものだからなのです「前頭葉」という脳機能は、私たちの意識的な世界を支配しコントロールしていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行する際に、自分が置かれている状況を理解し判断して、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、当該「テーマ」を実行する上で必要となる内容を企画し計画し、計画した実行内容の実行結果を予測し、シミュ・レーションして、必要な修正を加えて、最終的な実行内容及びその程度と態様とを選択して決定して、脳の各部に実行の指令を出す脳全体の司令塔の役割、三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのです。当該期間中における各お年寄りの、日々の生活の具体的な実態、脳の使い方としての「生活習慣」という視点からの「生活歴」を色濃く反映した結果が、お年寄り達の各「前頭葉」の機能レベルの改善、維持又は低下として判定されることになるのです。その意味で、簡単な足し算や引き算とひら仮名で書かれたおとぎ話を読む程度のことでは、肝心の「前頭葉」機能の活性化、すなわち、「前頭葉」の機能レベルの改善にはつながらないのだということを指摘しておきたいのです。改善するというデータがあると主要する人達は、それ以外の要素が関係していることを見逃しているだけなのです(ここを「クリック」してください)。効果の判定における「因果関係の確認」が粗雑に過ぎるのです。ここで、「PET」の信望者に指摘しておきたいのです。その人の「前頭葉」の働き具合の経時変化を測定し、判定するには、私たちの「二段階方式」が採用している「かなひろい」テストのようなもの、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合の変化を精緻に測定し、判定できる手技が不可欠となるのです。「PET」と言えども、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合の変化及び継時的な変化を精緻なレベルで測定し、判定することは困難なことなのです。

 &「アルツハイマー型認知症」を早々と発病する脳(ボケる脳)

リーマン・ショック以後の我が国では余り姿を見かけなくなった状況だと思うのですが、「仕事人間」というタイプ(価値観)の人達は、我が国が高度経済成長を驀進していた時代には、当たり前だったのです。企業戦士ともてはやされ、家庭を忘れてまで、仕事一筋に考えて、我が身も我が趣味や遊びや人付き合いに費やす時間も、果ては睡眠時間までも削って、仕事に励んだ人達が当時の世の中には溢れていたのです。年間に数百件もの改善提案を提起する人が何処のどの企業にも必ずいたものなのです。当時の企業戦士達が今や「第二の人生」を送っている人達の中核なのです。当時は、世の中全体の価値観が、それを良しとしていたのです。ところが、「仕事人間」は仕事を取り上げられたら、言い換えると、「第二の人生」が始まったら、「早々とボケる危険が高い」という実態があるのです。「定年退職」が目前に迫るその前に、脳の使い方としての「生活習慣」を見直し、軟着陸するための準備を怠らないで欲しいのです。

※この人は、62歳の男性。元高校の校長先生でした。55歳で公立高校の校長を定年退職した後、60歳まで私立高校に嘱託として勤務しました。その後は、自宅で悠々自適の生活のはずでした。性格はと言うと、謹厳実直を絵に描いたよう。これといった趣味も遊びもなく、人付き合いも希薄で、運動にも興味を示さず、ゲームをしたりスポーツをするのを軽蔑する有様。パチンコ屋の前は、誤解されないようにと足早に通り過ぎるような人でした。そのうえ、テレビは、堕落のもととして若いころから見なかったのです。その人の生き方は、文字通り、「仕事一筋」の人生でした。趣味はなく、ゲームをしたり、スポーツをするのを軽蔑していたということは、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ脳である「右脳」を使って人生を楽しむ「生活習慣」が無かった上に、「運動の脳」を使って人生を楽しむ生活習慣も無かった、ということなのです。脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」という脳機能は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬に支えられる構造をしているのに、右脳も運動の脳も使わないで、左脳という一頭の馬(1本の柱)しか使わない生活を毎日送っていたということなのです。「第一の人生」では、左脳一本で「前頭葉」を支えていたこの人の「第二の人生」がどうなったのかを、具体的に見てみましょう。仕事を定年退職で取り上げられた、言い換えると、左脳の出番が極端に減ってしまったこの人の第二の人生は、時間だけはたっぷりあるのに、することがない毎日を送ることになったのです。退職後は、毎日庭を眺めてはゴロゴロして、暮らしていただけなのです。悠々自適の生活といっても、趣味もない、遊びも知らない、その上お偉い先生の所へは、誰も遊びに来てくれないし、遊びに誘ってもくれないのです。奥さんが見かねて、ゲート・ボールにでも行ったらと水を向けても、「バカとは、遊べん」とか言って、行こうともしなかったのです。毎日毎日、お茶を飲んでは居眠りして、庭を眺めて暮らすだけの生活だったのです。すると、半年後には動作が緩慢になり、何事をするにも意欲が見られなくなり、表情が無表情になってきたのです(小ボケ)。それから2年後には、自堕落になって、パジャマを着たままで表に出て行ったり、家の庭で平気で「おしっこ」をするようになったのです。3年後には、今が何月かが分からなくなってきたのでした(中ボケ:言い訳ばかりの幼稚園児)。せめて「散歩」にでも行きましょうと奥さんが誘っても、「用もないのに、歩けるか」と言って、散歩さえもしなかったのでした。

 & 「アルツハイマー型認知症」の三段階(「小ボケ」)

「小ボケ」は、脳の働きから言うと、五感を通して情報を取り込み「前頭葉」に送る役割の左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルにあってちゃんと働いているのに、三頭立ての馬と協働し、且つ、それらを支配しコントロールしながら、状況を判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマを実行する為に必要な実行内容の企画や計画を行い、実行結果の推理や予測やシミュレーションの結果に基づく必要な修正を施し、最終的な実行内容とその程度及び態様を選択して決定し、三頭の馬に対して実行の指令を出す役割を担っている脳全体の司令塔、三頭立ての馬車の「御者」である「前頭葉」の機能だけが、廃用性の加速度的で異常な機能低下により、異常な機能レベルに衰えてきている状態をいうのです。とはいえ、「セルフ・ケア」は自分で何の支障もなく行えるし、「家庭生活」面での支障も何ら起きてはこないのです。家の外に出て行って、人と交わり、何かの「テーマ」を実行する「社会生活」面で支障が出てくるようになる、それが「小ボケ」の段階です。

脳の働きが「小ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現する「アルツハイマー型認知症」の症状について、「小ボケ」の段階に特有な類型を列挙しておきましょう。世界的に権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」が「アルツハイマー型認知症」診断の「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状はその欠片さえも確認されず、「前頭葉」の機能障害に起因した症状ばかりだということに注意を向けていただきたいのです。家の外に出て行って人と交わり何らかの共通の「テーマ」を実行する場である「社会生活」を送る際に、以前は出来ていたことなのに、今は、出来なくて、様々な支障が起きてくるのです。

眼の光がどんよりしていて、表情に力がなく、無表情、無感動の様子が見て取れる

問いかけに対する反応が遅くて、生き生きした笑顔が見られない

何事に対しても、意欲がなくなる

(何かをしようとする意欲が出てこない様子)

(何をしたいのかを思いつかない様子)

(何をするにも億劫で、面倒がるようになる)

(何事につけても、直ぐに人を頼りにする)

(外出するのを面倒がり、嫌がるようになる)

(おしゃれに関心がなくなる)

(人付き合いを面倒がるようになる)

(新しい道具を使うのを面倒がるようになる)

此処と言うときに、その「テーマ」についての「発想」が湧いてこなくなる

(会議などで、意見やアイデアを思いつかない)

(料理の献立が単調になる)

(いつも同じパターンの食材ばかりを買ってくる)

肝心の「意欲」自体が出てこなくて、自分で「計画」して何かを始めようとしなくなる

(色々なことを自分で計画するのが面倒になる)

(買い物に行くと、お札ばかり使うので、小銭がやたらと貯まるようになる)

(料理の献立を考えるのが面倒になる)

(家人に指示されると、草むしりや洗濯や片付けなど家庭内の用事程度のことはこなせるが、自分から  やろうとはしなくなる)

「根気」が続かなくなり、何かをやり始めても、すぐに投げ出してしまう

(テレビを見ていても、同じ番組を続けて見ていられなくてチャンネルを直ぐに変えるようになる)

機敏な動作が出来なくなる

(歩く時も前かがみの姿勢となり、小股でトボトボと歩く)

毎日ボンヤリとして過ごし、居眠りばかりするようになる

食事の支度をしていて、鍋を度々焦がすようになる

自動車を運転すると、軽微な自損事故が目立って増えてくる

(歩道に乗り上げる、こする、バックの確認をしないでぶつかる)

(信号無視や右折/左折のウインカーの指示を忘れる)

(流れに乗れなくて、同乗者が怖いほど、スピードが遅い:交通量が多い広い道を、時速30Kmで走り、車の列を従える。「前頭葉」の三本柱の機能である「注意の分配機能」が廃用性の機能低下により異常なレベルにまで衰えてきていることが原因で、道路の状況、車や人の流れや交差点の状況等に目配りや気配りと言う「必要な注意を配る」ことが出来なくなり、真っ直ぐ走らせるのが精いっぱいの状況にある為、道の真ん中寄りを時速30Km程度の速度でノロノロ運転することになるのです)

話の流れに乗れず、話の輪にも入っていけなくて、主題とは関係のない話を自分勝手に唐突に話す

オルゴール・シンドローム現象が起きてくるようになる

(同じ話を何度も繰り返して話していて、本人はそのことに気付かないでいる)

社会生活に支障が出てくるようになる

(人と交わり、コミュニケーションをとりながら何らかの目的に沿った行動が要求される家庭の外での生活、「社会生活」に支障が出てくるようになる)

  & 「アルツハイマー型認知症」の三段階(「中ボケ」)

「中ボケ」の段階になってくると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行しようとする際に、無くてはならない機能である「前頭葉」の働き具合が、廃用性の機能低下によって「小ボケ」の時のそれよりも加速度的に更に衰えてきていて、加えて、「小ボケ」の時には正常な機能レベルにあった、左脳、右脳及び運動の脳までもが、廃用性の機能低下によって異常なレベルに衰えてきているのです。

「中ボケ」の段階にまで「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてくると、食事、着衣、大小便、入浴等、身の回りのことは、自分で一応のことが出来るので、セルフ・ケアの面で周りの家族に迷惑をかけることはないのですが、家庭内の用事程度のこと(炊事、洗濯物の整理、掃除、庭の草花の手入れ、簡単な畑仕事など)でさえ、満足にはできなくなるので、「家庭生活」の面での様々な支障が起きてくるようになるのです。

脳の働きが「中ボケ」レベルの時、日常の生活面で明瞭に発現する「中ボケ」の段階での特有な症状について、その類型を列挙しておきましょう。「DSM4」が「第一の要件」として規定している「記憶障害」の症状は、「中ボケ」段階となっても未だ、その中核となる症状ではないことに気づいていただきたいのです。

抑制が効かなくなり、感情がもろに表に出てくるようになって、「ボンヤリと暮らしている」だけの日々を送るようになる

「時の見当識」に、順次、以下のような支障が出てくる

(「中ボケ」の初期には、今日が何日か、平成何年なのかが言えなくなります。MMSEの換算後の得点が19点以下となる「中ボケ」の中期になると、今の季節が何時なのかが言えても、今が何月なのかが言えなくなります。「時の見当識」には、衰えていく順番があり、日、年、月、季節、昼夜の順に言えなくなっていきます。)

「脳のリハビリ」による回復の可能性についていうと、MMSEの得点が20点以上であれば(大まかな目安として今何月なのかが言える)、集団の中での「脳リハビリ」メニューが可能なのに対し、20点を切ると、個別での「脳リハビリ」が不可欠となるのです。

箪笥の整理が出来ない、洗濯物の畳方が雑、食器も整理してしまうことが出来ない

 ガスの消し忘れや水道の蛇口の閉め忘れが、週に数回起きてくるようになる

 自分が飲む23種類の服薬管理が出来なくなる

 簡単な計算もできなくなる

 料理の味付けが可笑しくなる

 (塩辛すぎて食べられないものを作り、本人だけが平気で食べる)

服を自分で着ることはできるが、季節に合ったものを選べなくなり、着方にだらしなさや可笑しさが目立つようになる

(セーターの上からYシャツを着たり、パジャマの上にズボンを履いたり、前後ろに着たり、裏返しに着たりするようになる)

家族のことを正確に言えなくなる

(自分の子供が何人か、名前を何と言うか、どこで何をして暮らしているかが正確には言えなくなる)

パジャマを着たまま平気で表に出たり、髪の手入れやお化粧を殆どしなくなる

昨日の出来事をすっかり忘れてしまうようになる

(昨日の老人会の出来事を忘れているというのではなくて、昨日老人会に行ったこと自体を忘れてしまっている)

「所の見当識」が衰えてきて、自分が今居る場所が何処だか分からなくなる

(自分の家に居るのに、夕方になって「今日は、長いことお邪魔しました。そろそろ帰らせていただきます。」と言い出し、出ていこうとする)

お金や持ち物の仕舞い場所を忘れてしまい、「盗まれた」と言って、騒ぐようになる

(「物盗られ妄想」は、初めのうちは、通帳、財布、証書類などのことが多いのですが、次の段階では、化粧品や食料品などの日用雑貨に及ぶようになります)

  & 「アルツハイマー型認知症」の三段階(「大ボケ」)

「中ボケ」の段階が更に進んでくると、「セルフ・ケア」(食事をしたり、服を着たり脱いだり、風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった身の回りのことを自分で処理すること)にも様々な支障が出てくる、「大ボケ」の段階に入っていきます。廃用性の機能低下に起因して、「前頭葉」を含む脳全体の働きの具合が、「中ボケ」の時のそれよりも更に衰えてくる為なのです。

「大ボケ」は、「脳の機能レベル」で言うと、当初は4歳児レベルの幼児のレベルに始まり、次第に低下してきて、3歳児、2歳児、1歳児のレベルとなり、終には、寝たきりの植物状態にまで衰えが進んでいきます。

4歳児のレベルから次第に「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えていくのですが、以前には「社会生活」がちゃんとこなせていた生活体験を経由した者としての、言い換えると、成人レベルの脳機能の働きにより暮らしていた当時の様々な知識や体験の断片なり欠片なりが、日常の言動や態度や行動の合間に漏れ出してくることがあるのが特徴なのです。)

「大ボケ」のレベルに特有なもので、日常の生活面で発現して来る症状、行動、或は態度について、類型的なものを列挙すると、以下のようになります。

 MMSEの得点が14点以下になる「大ボケ」の段階になると、初期の段階でも、「時の見当識」も「所の見当識」も「人の見当識」も全くなくなってきます。「今日が何年何月何日」なのか、「今の季節が何なのか」が分からなくなるだけではなくて、「昼夜の区別」も分からなくなるのです。自分が今何処に居るのかも分からなくなって、自宅に居ても落ち着かなくなるのです。そのうえ、同居している家族の名前も顔も分からなくなるのです。その根底には、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちの意識的な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下によって、働き具合が衰えてしまっていて、殆ど働いていないことにあるのです。アミロイド・ベータやタウ・蛋白の蓄積が原因という主張は誤解に過ぎないのです。

○ MMSEの得点が1410点である「大ボケ」の前半のころは、症状事態は重くて、日常生活面での自立度は低くても(セルフケア自体には様々な支障が起きていても)、或る程度の言語能力が保たれていて、挨拶などの身体に染みついたような日常の会話や内容の簡単な会話は、交わすことが出来るのです(状況や話の流れに沿った会話や質問に対する応答などは、無理になります)

MMSEの得点が一桁の得点(9点以下)となる「大ボケ」の後半のころは、時の見当識や所の見当識や人の見当識がないだけでなくて、社会的な存在としての「人間らしさ」そのものが失われてきます(廃用性の機能低下により「前頭葉」も左脳も殆ど働かなくなってきていて、僅かに働きが未だ残っている右脳と運動の脳だけによる反応が見られるだけになります。時間や空間や人の認識が殆どなくなって、感情的、或は本能的に生きているだけの存在となっていきます)

いつも着ている服を脱ぎたがらず、風呂の後も汚れた下着を先ず身に着けて、其の上から、新しく出してもらった下着を着たりします

(症状がさらに進んでくると、着衣失行が起きるようになり、服を一人では着ることが出来なくなって、ズボンを頭から被ったりするようになります)

風呂に入れても、ただ入るだけで身体を洗わず、洗髪もしなくなります

(脳機能の廃用性の機能低下により症状がさらに進むと、水を怖がり、風呂に入るのを嫌がるようになります)

「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が殆ど働かなくなっているので、「記銘」自体がきちんと為されない為に、(保持も想起もできないので)直前に起きたことも直ぐに忘れるようになります

幻覚や妄想が出て来ることがあります

(誰も居ないのに、「人が居る」と言い張ったりする)

独り言や同じ言葉の繰り返しが多くなる

夜中に起きてきて、「会社に行く」とか「田んぼに行く」とか言って聞かないことがある

せん妄、妄想、徘徊、他傷、便コネなどの「問題行動」を起こすことがある

(「前頭葉」を含む脳全体の機能が「大ボケ」のレベルにまで衰えてきていても、全てのお年寄りに問題行動が見られる訳ではありません)。

(私たちの観察では、「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えた「お年寄り」の約7割の人達は、単に判断力や理解力や記憶力の顕著な機能低下のみを示す場合が多く、問題行動を起こすことはありません。特に、付き添いの人に従順で、その人の言うことをよく聞くタイプの人の場合は、付き添いの人との間の人間関係が良好な場合が多いように見受けられます。最後まで機能が残っている右脳の働きにより自分の味方と感じている為と考えられるのです。僅かに未だ右脳が働いているので、感情面や感覚的な面での反応を示していると考えられるのです)

(逆に、問題行動が見られるお年寄りの場合は、配偶者やお嫁さんが日常生活面での様々な面倒を見ていても、その人達との間の人間関係が悪いことが原因となって、「大ボケ」のお年寄り自身が付き添いの人達を「敵であるか」のように、感情的に/感覚的に捉えている

と考えられるのです。「前頭葉」も左脳も殆ど働いてはいないので、僅かに機能が残っている「右脳」で感じたり見たりしているのです。)

(「妄想」については、認識する能力自体の機能低下が原因で、息子のお嫁さんを自分の母親と取り違えているような単純な錯覚のことが多いようです。精神病の場合に見られるような、複雑なストーリー性を持った妄想とは、根本的に異なるものと考えています)

器質的な障害が「アルツハイマー型認知症」発病の原因だとする専門家達の考えは、根本的に誤り

中核症状と周辺症状とに区分するのが通例である専門家とされる人達の特段の意味のない区分に対して、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善により)治すことが可能であるか、且つその程度はどの程度なのかと言う視点から、私たちは上述のような「三つの段階」に区分しているのです。しかもその区分は概念的なものではなくて、「二段階方式」を導入して(導入に際しては、有償の期間が10年間の「使用許諾契約」の締結が必要となります)440を超える市町村が「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期発見による回復を明確な活動目的として掲げて実践した住民参加型の「地域予防活動」の成果として実証されてきてもいるのです。

「小ボケ」の段階から、「中ボケ」の段階を経て、末期の段階である「大ボケ」の症状を列記した上述の説明を読めばお分かりのように、「アルツハイマー型認知症」の本質とは、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の廃用性の機能低下を中核として、且つ「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した「生活習慣病」(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣が原因)なのです。「前頭葉」の働き方の仕組み、機能が異常なレベルに衰えていく仕組み、機能が回復してくる仕組みの根本となる原因(機序)が単なる「機能低下」、或いは「機能回復」によるものであることに気づかないで居て、器質的な原因に違いないとの仮説、前提の下で、マウスやアルツハイマー・マウスの尻を追い掛け回している限り、何時まで経っても、真の原因を解明する日はやってこないことを指摘しておきたいのです。プロであることを自負するが余りに学者や研究者は、発病の原因に器質的な病態を求めたがるのですが、原因不明とされている「アルツハイマー型認知症」発病の原因は、情報伝達の機能を担う神経細胞の「器質的な病態」なのではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能の低下、然も、「廃用性の機能の低下」に過ぎないのです。付言すると、「物忘れ」の症状が出てきていようと、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が出てきていようと、器質的な病変は起きてきていないのです。「脳のリハビリ」で治すことが出来るのですから。回復させることが困難となる「大ボケ」の段階にまで症状が進んで、更に何年間も生きている内に、「老人斑」の沈着やら「神経現線維変化」とやらが起きてきたにすぎないのであり、それらの器質的な病態は発病の原因ではなくて結果に過ぎないのです。注)本著作物(B-68)の著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。  

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