認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の発病のトリガー(引き金)となる要因と条件(F-05)

2021-04-15 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

(プロローグ)

 超高齢社会を代表する病気である「アルツハイマー型認知症」(様々な種類が数有る認知症の内の90%以上を占めているのが、アルツハイマー型認知症なのです)。我が国日本は、高齢化率が世界でトップの地位にあるので、「厚労省の予測数値」なのですが、「アルツハイマー型認知症」の発病者数も、2025年には700万人程になると予測されているのです(但し、後述するように、早期の段階である「小ボケ」と「中ボケ」が世界的に見落とされていて、末期の段階である「大ボケ」だけの数なので、実際には、もっと多い数になるのです)。

 その「アルツハイマー型認知症」については、世界中の専門家とされる機関や人達でさえ、殆どが推測や憶測の類の知識しか有していないのです(仮説しか提示できていない)。前頭葉の機能レベルを精緻に判定できる手技を持たないために、物忘れなどの症状を外観的に観測しただけの評価をするだけなので、本当の意味での早期の段階、脳のリハビリの実施により治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄り達が見落とされているのです。早期の段階に対する何等の対策が実行されないままで放置されていて、末期の段階の症状が発現して来ているお年寄り、「大ボケ」の段階の症状が確認され「介護」が不可欠となる「お年寄り」の数が増え続けていて、我が国で言うと、「介護」に要する費用だけでも、『単年度ベースで10兆円を超えてきている』のです。発病者数が年々増加して来ていて、その上、小ボケは中ボケへ、中ボケは大ボケへと重症化が進行しているのです。アルツハイマー型認知症の発病の有無の判定及び症状の重症度の判定について、「認知症ケアパス」をみても、客観的で科学的な方法が示されていないのです。「物忘れの症状」についての「主観的な言葉」だけの表現、何段階にも区分された『言葉だけでの基準』が存在するだけで、「客観的な手技」が何等示されていないのです。『介護の予防』と言う明確な「テーマ」が設定されていても、何の役にも立たないのです。私たち「二段階方式」は、「アルツハイマー型認知症」発病患者の「脳機能データ」と452の市町村での「実践の成果」を基礎とした「客観的な基準」と事象事実としての「客観的なデータ」が特徴でもあるのです。恣意的となるので、言葉の表現だけでの「主観的な基準」は、排除しているのです。

 一介の研究者に過ぎない私、Tadに分かっていることが、世界中の専門家達(学者、医師、製薬会社の研究者達)に、何故わからないのか、不思議に思うでしょう。私Tadは、私達人間だけに特有である「意識的な世界」との関わりに注目して研究してきたのに対して、世界中の専門家達はと言うと、「意識の構築、或いは覚醒」に不可欠の機能である「注意の分配力」の機能や「前頭葉」の機能備わっていないマウス」(アミロイドベータを注入しただけの「アルツハイマーマウス」とて同じこと)を研究対象にしてきているからなのです。彼等はと言うと、未だに、その問題点に気づいてもいないのです。『認知機能の障害』を核心の問題としながら、「前頭葉」の機能レベルを測ろうともしないで、脳の後半領域、左脳と右脳の機能レベルを『MMSEテスト』で判定するだけで終わりにして、満足していて、推測や憶測ばかりしているのです。誤った内容の研究結果を何十年間も主張し続けていて、平気なのです。後に提示するNewsweek誌のレポート記事によると、 米国でのアルツハイマー病患者(正しくは、「アルツハイマー型認知症」の発病患者)は、2050年までに1400万人に達すると予測されていて、治療と介護のコストが、年間で2兆ドル(日本円に換算して、220兆円)を超えることになると予測されているとのことなのです。65歳以上の年齢の高齢者人口が3600万人超の人数の老人大国で、高齢化率が世界でトップの地位にある我が国日本の場合は、どのような規模の予測が為されているのでしょうか。

『発病自体の予防及び早期診断による回復と言うテーマは、将来の研究課題である』(「政府大綱」の第一条の規定内容)として、棚上げにして、高みの見物を決め込んで居ても良いというのでしょうか。喜寿を迎えたこの私は、老婆心が騒いで仕方ないのです。

&1 Newsweek誌の記事が語る内容と問題点

(1) 今年2021年の1月19日号Newsweek日本語版の署名入り特集記事「アルツハイマーの真の原因を探せ」(P44~49)の概要を以下に示しておきます。

この20年間に、世界中の製薬会社が「アルツハイマー型認知症」(記事では、「アルツハイマー病」と表記されているが、正しくは、「アルツハイマー型認知症」のこと。以下、同じ)の治療薬の開発に投じてきた金額は、総計6000億ドル(日本円に換算すると、66兆円)。その殆どは、アミロイドベータ仮説の考え方を基礎にした開発投資であり、アミロイドベータの蓄積を早期に発見して、蓄積を阻害又は除去する方法の発見に注がれたこと。理由は、アミロイドベータの蓄積が、脳細胞の大量死と思考力や記憶力の低下をもたらすとする「アミロイドベータ仮説」が支配的(世界的に通説の地位)であった為。ところが、開発投資の結果、意図した「治療薬」の開発が悉く失敗に終わっていて、未だに、有効な治療薬の開発が出来ていない状況に在ること(日本円に換算して、総額で66兆円もの開発資金を投じた、146種類を数える「アルツハイマー型認知症の治療薬」の開発投資が、全て失敗に終わったそうなのです)。

(2) 「アミロイドベータ仮説」の最大の問題点は、アミロイドベータの蓄積により生ずる「老人斑」が持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死をもたらして、且つ、そのことにより「記憶障害」が引き起こされることが直接の原因で、「アルツハイマー型認知症を発病することになる」との主張が、未だに仮説の儘であり、発病との間に存在するはずの因果関係の存在を実証できていないことにあるのです。 私たち、二段階方式は、記憶障害と発病との間に直接の因果関係は存在していなくて、その意味で、アミロイドベータ仮説の主張内容は誤りであるとして、前回のブログで示した3つの証拠データ提示しているのです。私たちは、「前頭葉の機能障害」、「第二の人生」を送る高齢者に起きてくる要因、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した「廃用性の異常な機能低下の進行」という要因が、発病を惹き起こす/症状の重症化を進行させる(引き金=加重要因核心的な要因)であると主張しているのです。

(3) Newsweekの記事では、アルツハイマー病が遺伝子の異常が原因で発病することと併せて、アルツハイマー型認知症についても発病を引き起こす遺伝子が存在するのではないかとの考え方が紹介されているのですが、何等の科学的で客観的な根拠も無い、夢想の類に過ぎないことを指摘しておきたいのです(迷走というしかない)。このような天衣無縫な空想が出てくる度に、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防及び早期診断による回復』の為の扉を開ける機会が遠のいていくことになるのです。少なくとも、『アルツハイマー型認知症』については、『権威とされる人達の主張内容が、誤った内容』なのであり、世の中を惑わせ、害悪となっているのです。一部の権威者は、『アミロイドベータ仮説』を信望していながら、『家の外に出て行き、他人と親しく交わる機会を多く持つこと、或いは、楽しく運動する機会を多く持つこと』が、『アルツハイマー型認知症の症状の進行の抑制に効果が有る』と主張するのですが、その根拠が何なのか、聞いてみたいのです。それこそ、交遊や運動の機会を多く持つ生活習慣が、アミロイドベータの蓄積を阻害し又は抑制する効果を持つとの主張について、両者間の『因果関係の存在』を実証できる客観的なデータを開示して頂きたいと切に望むのです。

&2 アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症の、発病のメカニズムの相違

(1) アルツハイマー病は、生まれつき特定の遺伝子(現在、4つの遺伝子が確認されている)に異常がある人だけが発病の対象となるものであり、若年発症が特徴で、急速に症状の重症化が進んで行き、治すことも、症状の進行を抑制することも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症なのです。「アルツハイマー病」が認知症全体に占める割合は、僅か1%程度なのです。

(2) アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、老年発症が特徴で、第二の人生を送る上での脳の使い方としての生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因して発病するものであり、何年もかけて徐々に症状が進んで行くのが特徴であり、早期診断と脳のリハビリの実行により、治すことも、症状の進行を遅らせることも可能であり、更には、脳が活性化する生活習慣の創意工夫とその継続に因り、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症なのです。アルツハイマー型認知症が認知症全体に占める割合は、90%以上なのです(皆さんが、日頃耳にしたり、目にする認知症は、そのほとんどが、アルツハイマー型認知症なのです)。認知症全体に占める割合が25%程度とされている「脳血管性認知症」の診断がずさんであり、そのうちの20%相当分が「アルツハイマー型認知症」を誤診したものなのです。

(3) 若年性認知症(代表例が、アルツハイマー病)の内の過半数を占めるとされている「若年性アルツハイマー型認知症」は、実在して居ない架空のものであり、「側頭葉性健忘症」や「緩徐進行性失語症」を誤診しているだけのものなのです。

※1意識的な世界における『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉』の機能から真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴である『アルツハイマー型認知症』の発病患者である場合は、且つ、権威とされる人達(医師を含む)が発病者であると診断するレベル(二段階方式の区分で言う、末期の段階の『大ボケ』の症状が確認されるレベル)の人達であれば、人前で、自分が置かれている日常生活上の困難な状況について、自分なりの言葉で整理して訴えることなどできないのです。権威とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えてもいないレベル、もっと軽い段階である「中ボケ」のレベルでさえできないのです。

※2 『側頭葉性健忘病』の発病者であれば、「重度の記銘力障害と海馬の萎縮」が確認されるのが特徴である一方で、「前頭葉」の機能が正常レベルにあることが特徴なのです。『側頭葉性健忘症』の患者である場合には、人前で、自分が置かれている日常生活上の困難な状況について、自分なりの言葉で整理して訴えることが出来るのです。

権威とされる人達(医師を含む)は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価し、判定できる手技を持たないので、両者の区分けが出来ないのです。MMSEテストの実施は、脳の後半領域、左脳と右脳の機能レベルを判定出来るだけなのです。

私たち「二段階方式」が独自に開発した「かなひろいテスト」は、一見簡単に見えるのですが、やってみると、なかなか手ごわいものなのです。意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の働き具合について、個々に評価できて、且つ総合的に評価できる極め付きの『優れモノ』なのです。「前頭葉の三本柱」の機能が『実行機能』の働きと働き具合(機能レベル)とを支配し、下支えしていること、二段階方式の言葉で言う「両者が二重構造の関係にある」ことに着眼して開発されたテストなのです。このテストによって、『前頭葉の機能レベル』について、精緻に評価し、判定することが高度なレベルで出来ているのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上での関門

(1) 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムと機序を解明するには、『意識的な世界』と『意識の機能構造』を理解することが不可欠となるのです。これまでに、意識の機能構造を解明した人が存在していない為もあって、「アルツハイマー型認知症」と「意識的な世界」とを絡めて考える研究者がいないことが、問題なのです。この両者を、脳の機能面と言う視点から絡めて研究しない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは出来ないのです。

(2) 例えば、「夕食の食材」を買いに行くとしましょう。夕食にどんなものを、何人前作るのか。肉料理にするとして、どんな肉にするのか。すきやきにするなら、野菜は何と何が要るのか。しらたきのほかには、何が要るのか。砂糖はあるか。醤油は。二人で食べるなら、肉の量はどれくらい要るのか。こうしたシミュレーションが事前に行われて、最終的な内容を決定して、関係するお店に買い物に行くことになる訳です。都会なら、スーパーへ行くことに。実は、この程度のことであっても、「注意の分配力」の機能が正常なレベルで機能していない限り困難なことになってしまうのです。末期の段階である「大ボケ」や、その前の段階である「中ボケ」の段階で出来なくなるだけでなくて、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階でも無理なのです。こうした実態、認知症研究の専門家とされる人達が存在自体に気づいていない段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」と言う本当の意味での早期の段階であっても、この程度のことでさえ、きちんと処理できなくなる実態について、権威とされる人達(診断を業務とする医師達を含めて)が、無知なのです。その結果、彼らは、推測や憶測にばかり頼ることとなり、迷走しているのです。有るのは、権威と言う傘だけ。

(3) ①現在自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、②状況判断に沿った「テーマ」を検索し、発想し、抑制し、③テーマを実行する為の実行内容を企画し、計画して、④実行の仕方を創意工夫して、⑤実行の結果を洞察推理推論推察シミュレーションして、⑥シミュレーション結果に基づいて比較し、検討し、選択し、⑦実行の決断をして、⑧実行に移す。ここに、赤字で示した機能が、総称して実行機能』(Executive Function)と呼ばれている機能なのです。DNAの99%が人間と同一と言われているチンパンジーにさえも無い機能、実行機能注意の分配力の機能(異なる3つ以上のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、あの人は頭の回転が速いというときの機能の発揮の度合いと速さにも関わる機能)、更には、それらの機能の総称である「前頭葉の機能」が関わるのが「意識的な世界」、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界のことなのです。『意識』については、人類最大の難問として、未だに誰一人として解き明かせていないテーマなのですが、このTadは、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムを研究してきた過程で、意識についても、或る程度理解が進んできていると自負してもいるのです。

(4) 実は、その「実行機能」が働く(機能を発揮する)度合いが、意欲注意の集中力、就中、注意の分配力の機能に支配され、下支えられている機能関係を、私たち「二段階方式」では、『実行機能の機能発揮上の二重構造の関係』と名付けているのです。この「二重構造の関係」と後述する「廃用性の機能低下」という要因に気づかない限り、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム及び症状が重症化して行くメカニズムと機序を解明することは出来ないのです。絡めて研究してきたのは、世界中でただ一人、この私、Tadだけなのです。

私たち「二段階方式」は、生きた人間の「脳機能データ」と452の市町村での実践の成果を主張内容の基礎にしていて、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証して来ているのです。

ところが、「アミロイドベータ仮説」の主張者や支持者たちは、「注意の分配力」の機能も、「前頭葉」の機能も備わっていない「マウス」を研究材料にしているために、何時までも「仮説の儘」なのです。主張内容と発病との間の因果関係を立証できないで居て、推測と憶測とが主張の根拠なのです。「無関係の場所」を、ただ深く掘り続けているだけであることに、未だに気づいてもいないのです。

(5) 「前頭葉」とは、前頭前野に局在する「評価の物差し」の機能、「記憶の倉庫」の機能、「実行機能」及び「前頭葉の三本柱」の機能の機能総合体のことなのです。「実行機能」は、&3(3)で赤字表記した個別認知機能の総称なのです。この機能構造の理解と知見及び「実行機能の機能発揮上の二重構造」の理解と知見が「基礎」に在って、「前頭葉の三本柱」の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を総称して、こう呼んでいる)の個々の機能レベル及び総体としての機能レベルを評価し、判定出来る方法を開発したことに因り、「実行機能」の機能レベル、更には、「前頭葉」の機能レベルの判定が可能となり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについての客観的で、精緻な判定が可能となり、「脳が活性化する生活習慣」と言う視点での評価と指導が出来る「脳のリハビリ」という方法の開発へと繋がったのです。このことは、私たち「二段階方式」独自の「手技」であるというだけでなくて、極めて重要な知見、ノウハウでもあるのです。世の中の脳科学者達は、こうした理解と知見を持たない為、実行機能の働き具合や前頭葉の働き具合を直接評価し、判定することしか頭に無くて、結果として、有効な手技の開発が出来ないでいるのです。

 近所の大室山と桜の里

&4 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム

(1) 米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM-4」の規定の第一要件の内容並びにアミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説、アセチルコリン仮説及び脳の萎縮仮説等が想定している前提条件の『アルツハイマー型認知症は、記憶の障害に起因して発病する』という考え方自体が、重大な誤りなのです。

①『記憶障害に起因して発病する』との誤った考えに立脚して、②アミロイドベータの蓄積により生ずる「老人斑」が持つ毒性が情報を連絡する役割を担っている「神経細胞の大量死」を惹き起こすことが原因で、記憶障害が起きてくる結果、「アルツハイマー型認知症」を発病するという主張、2つの誤りを重ねた想定自体が、何時まで経っても、発病との間の因果関係を立証することが出来ない仮説に甘んじさせているのです。無関係の関係に在るからです。

『アルツハイマー型認知症は、「実行機能の機能障害」(=前頭葉の機能障害)に起因して発病する』というのが、私たち「二段階方式」独自の考え方なのです。ちなみに、「記憶の障害」自体も、更には、物忘れの症状を含むその結果としての「記憶の障害に起因した症状」も、「前頭葉の三本柱の機能」の機能障害(=実行機能の機能障害、ひいては、前頭葉の機能障害)に起因して発現して来るものなのです。このことの理解が、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム(廃用性の機能低下の進行が核心的な要因)を解明する上で不可欠の条件となることを、世界中の研究者達に、問題提起しておきたいのです。

更に問題提起しておくと、「前頭葉の三本柱の機能」の機能障害自体は、60歳を超えた年齢の「高齢者」が、「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続と言う要因が核となる原因であることを指摘しておきたいのです。

(2) 実行機能の機能の発揮度を支配し、下支えている機能である前頭葉の三本柱の機能意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能の総称)が廃用性の機能低下により異常なレベルに機能が衰えてくることに因って、実行機能の発揮度自体が異常なレベルのものとなり(二重構造の関係)、そのアウトプットそれ自体が異常な症状として発現して来る(=アルツハイマー型認知症の症状)というのが、「二段階方式」の考え方なのです(世界で初で、且つ、唯一の考え方でもある)。

(3) この場合、意欲及び注意の集中力の機能に下支えられていて、前頭葉の三本柱の機能の内で最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が、廃用性の機能低下が進行する場合には、最初に衰えて行くことが極めて重要なのです。

このことは、私たち二段階方式独自のデータ(世界で初めて解析し、発見したもの)である『MMSE下位項目の項目困難度』という事象事実を基礎とした「脳機能データ」が示しているのです。「想起」、「注意と計算」の順番に衰えて行くのは、両者共に「注意の分配力」の機能が高度に関わるテーマであるからなのです。

注意の分配力の機能が正常に働かないと、二重構造の関係から、個別の『実行機能』の発揮度自体が、正常なものではなくなってしまう為に、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、意識的な世界で、様々な程度態様に因る認知症の症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現して来ることになるのです。例えば、「DSM-4」の第二要件が規定している失語や失認や失行の症状も、このメカニズムの下で発現してきているだけのものなのです。季節の挨拶程度の簡単な会話を交わすというテーマであっても、ズボンをはく程度のテーマであっても、必ず、「注意の分配力」の機能が関わることになる為に、実行機能が正常に働くことが出来ない為に、そうした症状が発現して来ることになるだけのことなのです。そこには、「器質的な原因病変」は存在していなくて、アミロイドベータやタウタンパクの蓄積も無関係の世界なのです。

※1 下記のの図は、「加齢と言う要因」(発病の基礎要因)だけにより「前頭葉」の機能が低下して行く曲線を示しています。それに対し、下記の図は、アルツハイマー型認知症の発病者の「前頭葉」の機能低下が進行していく曲線(=発病の加重要因である廃用性の機能低下が、加重された結果としての曲線)を示しています。下記のの図は、「アルツハイマー型認知症」発病患者14689人に対し実施した「二段階方式」のテスト結果(横軸前頭葉の機能レベルを判定する「かなひろいテスト」の結果であり、縦軸左脳と右脳の機能レベルを判定する「MMSEテスト」の結果を示しています。

 ①加齢に起因した機能低下のカーブ(前頭葉の「正常老化の曲線」)

 ②廃用性の機能低下と言う要因が加重された機能低下のカーブ

 ③ 「二段階方式」の手技を活用して集積した「脳機能データ」が根拠

※2 両者を区分けている要因は、廃用性の機能低下と言う要因、「第二の人生」を送る上で、日々展開され、継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」という要因により惹き起こされるものなのです。発病との間の因果関係を未だに実証できない儘である推測や憶測の類に過ぎないアミロイドベータの蓄積(アミロイドベータ仮説)でもなければ、タウタンパクの蓄積(タウタンパク仮説)でもなければ、アセチルコリンの不足(アセチルコリン仮説)でもないのです。

(4) 「アルツハイマー型認知症」の発病者が「老年発症」を特徴としていて、「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られているのは、一つには、「加齢」に起因した前頭葉の機能低下の進行が「基礎要因」であることが関わるからであり、二つには、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行が、「加重要因」であるからなのです。なお、廃用性の機能低下を惹き起こす生活習慣の要因とは、「脳の使い方」としての『生活習慣』要因であって、食生活や学歴や糖尿病の発病等とは、無関係であることに留意して頂きたいのです。

(5) 『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病である』というのが、私たち「二段階方式」の主張なのです(世界初で、唯一の主張内容)。猶、ここに言う『生活習慣』とは、第二の人生を送る上での、脳の使い方としての「生活習慣」であり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』を言います(私たち「二段階方式」独自の造語)。

『加齢』に起因した「前頭葉の機能低下の進行」という「基礎要因」とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣の継続」に起因した「前頭葉の廃用性の機能低下の進行」という「加重要因」、異なるこの「二つの要因」が同時に存在し、充足されることに因る『相乗効果』に因り、廃用性加速度的異常な機能低下が進行して行くその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているということなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、世界で初であり、世界で唯一の主張内容なのです)。

 

 

&5 治療、重症化の抑制及び介護の予防並びに発病自体の予防

(1) 廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態である「アルツハイマー型認知症」は、早期診断と早期治療により治すことが出来るし、症状の重症化の進行を抑制することが出来るのです。一旦発病すると、治すことが出来ないとされているのは、医師たちが見つけている段階が遅すぎる(末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけていて、本当の意味での早期の段階である、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のことを知らないし、見つける為に不可欠となる『前頭葉の機能レベル』を精緻に評価し、判定することが出来る手技を持っていないのです)為に、治せないだけなのです。

(2) 治す為には、「早期診断」と「早期治療」が不可欠:

   小ボケ 治すこと及び症状の進行の抑制が出来る

   中ボケ   症状の進行の抑制が未だ可能

   大ボケ   症状の進行の抑制さえも困難( 為す術が何も残されていない!)

➡ 世界中の権威達から、「原因不明で治せない」とされている『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治せないものではない、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるせいで、治せないだけのことなのです。

猶、症状を治したり、症状の進行を抑制する方法とは、「脳のリハビリ」(「注意の分配力」の機能の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する生活習慣の工夫と継続)の実践をいいます。猶、厚労省の指導により、市町村が実践している『介護の予防』においては、対象者が『アルツハイマー型認知症を発病しているのか否か、発病している場合は、症状がどの段階に在るのか』の判定に際して、「前頭葉」の機能レベルの精緻な判定が為されていなくて、物忘れの症状の外観的な判定と脳の後半領域である左脳と右脳の機能レベル判定の手技であるMMSEの実施のみという手法では、恣意的な判定とおざなりの対応しかできないことを注意喚起しておきたいのです。言葉で何段階にも区分はしていても、客観的に判定出来る手技が無いのでは、適切なタイミングと内容とによる「介護の予防」の実践が、お題目に終わるしかないのです。

(3) 先に述べた、脳の機能面から説明しておきます。意識的に何かの「テーマ」を発想し、実行するには、様々な場面で、個別の『実行機能』(Ex.分析解析理解判定判断発想想像創造妄想空想企画計画予測推測洞察推理シミュレーション比較検討検索選択詮索決心決断抑制興味関心感心感動etc.)が働くには、『注意の分配力』の機能が関わることが必要不可欠となるのです。注意の分配力の機能の関わりなしには、「意識的な世界」は有り得ない(構築されない)のです。その「注意の分配力」の機能の出番が多くて、継続されるような「テーマ」を実行することが、生活習慣化される(反復継続して実践されるという意味)ことに因り、「前頭葉が活性化する」(巷の表現を借りれば、脳が活性化する)ことになるのです。

(4) 左脳の出番が多い「仕事」とは無縁の日々となる第二の人生を送る上で、「前頭葉」が活性化する自分なりの『生活習慣』を構築して、継続して実践することに因り、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することが出来ることになるのです。何故なら、「アルツハイマー型認知症」の発病の場合は、前頭葉の機能から真っ先に、異常なレベルに衰えて行くものだからなのです。言い換えると、『前頭葉の機能が正常な機能レベルに保たれている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きてはこない』からなのです。

(5)「小ボケ」の段階に特有で類型的な症状は、次の通り

□ ぼんやりしていることが多くて、何もしないが、指示されるとできる

□ 自分に自信がなくて、何かにつけて他の人に頼ろうとする

□  同じ食材を買ってくることが多くなり、献立の単調さが目立つようになる

□ 根気が続かなくて、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ

□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない

□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうとする意欲が感じられなくなる

□ これまでなら感動していたことにも、それほど感動しなくなる
□ 問いかけに対する反応が遅くなり、生き生きした笑顔が見られない

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってくる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になる

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間でも居眠りしている
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更が効かない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になる
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
※1二段階方式」による判定では、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階区分の判定に際して、『前頭葉』の機能レベルを含む「脳全体の機能レベル」がどの程度であるかを重視しています。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの実行「テーマ」を発想し、実行に移すに際して、『前頭葉の機能』が働く様々な場面での認知症としての症状が発現して来るのが特徴だからなのです(本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病)。

※2小ボケ」の段階を脳の機能レベルから定義すると、左脳、右脳及び運動の脳は正常な機能レベルに在るものの、「前頭葉」の機能レベルだけが既に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳、右脳及び運動の脳という『3頭の馬が牽引する3頭立ての馬車』の御者の役割、即ち、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに在る『小ボケの段階で、意識的に何かの「テーマ」を実行する際に起きてくる様々な支障が認知症としての症状、『アルツハイマー型認知症』の症状と考えるべきものなのです。馬車を牽引する馬がどれほど元気でいようと、肝心の御者が居眠りしている状態下では、その御者は、馬車を適切な道を通って、的確に運行することは出来ないのです。『小ボケ』の段階の症状こそが、本当の意味での発病の初期症状なのです。

※3上記に列記し、例示した項目、「小ボケ」に特有で、類型的な症状は、全て、「記憶障害」に起因した症状ではなくて、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因したもの、すなわち、『前頭葉』の機能障害に起因したものばかりなのです。これを言い換えると、『実行機能』(Executive Functionの機能障害に起因した症状が、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現してきているのです(「DSM-4」の「第二要件」の最後に例示されている要件、『実行機能の障害』(cognitive disturbance in executive functioning)は、正しくは、その「第一要件」で、(memory impairment)の要件と置き換えるべき重要な要因なのです。
※4「アルツハイマー型認知症」の『発病の最初の段階』である「小ボケ」の段階では、「家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを適切に実行し、的確に処理すべきことが要求される『社会生活面』での様々な支障(認知症の症状の反映)が出てくることになるのです。「脳の機能レベル」及び「前頭葉の機能障害」という極めて重要な視点を持たない(肝心の前頭葉の機能レベルを精緻に判定出来る手技さえも持たない)権威達は、未だに、末期の段階(私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階)にしか注目していなくて(出来ていなくて)、誤った情報を流し続けてきているのです。

   

&6  究極の「介護の予防」の事業効果をもたらすもの、それは、『発病自体の予防』

(1) 「アルツハイマー型認知症」を発病して、末期の段階にまで症状の重症化が進行して行き、更に何年間もの間生きた(廃用性症候群であるにすぎない「アルツハイマー型認知症」の発病患者であれば、アルツハイマー型認知症の発病そのものが原因で死亡することは無いのです。真の死因は、他に有るのを誤診しているだけなのです。身体が持つ限り、症状は更に重いものになって行き、最後は植物人間状態にまで進行していくものなのです)「お年寄り達」の死後の『脳の解剖所見』に共通に確認されるのが、アミロイドベータの沈着(老人斑)であり、タウタンパクの沈着(神経原線維変化)であり、脳の顕著な萎縮と言うことなのです。そうした数多くの解剖所見に接した専門家とされる人達は、「器質的な原因病変」が存在しているはずだと思い込んでしまうのです。その結果、「アミロイドベータの沈着」が発病の原因に違いないと思い込んだ人達が主張(支持)しているのが「アミロイドベータ仮説」なのであり、「タウタンパクの沈着」が発病の原因に違いないと思い込んだ人達が主張(支持)しているのが「タウタンパク仮説」なのであり、「脳の顕著な萎縮」が発病の原因に違いないと思い込んだ人達が主張(支持)しているのが「脳の萎縮仮説」なのです。権威ある専門家と言っても、その程度に過ぎないのです。そもそもこれらの要因は、『発病の結果としての産物』に過ぎないのであり、発病の原因ではないので、それらの仮説は、何時まで経っても、発病との間の因果関係を立証できないで居て、20年間以上も「仮説の地位」に留まっているのです。

(2) 私たち「二段階方式」は、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」に過ぎないものであり、①早期診断【小ボケ及び中ボケの段階で、発病を見つける】と②早期治療【脳のリハビリの実施】の実施により③治せるし、④介護の予防【介護が不可欠となる末期の段階、大ボケになる時期を遅らせる】が可能であるし、更には、⑤発病自体の予防【注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉が活性化する生活習慣の構築と実践の継続により】が可能であると主張しているのです。私たち二段階方式の主張内容が正しいことは、北海道から九州に跨る452の市町村との「二段階方式」の使用許諾契約の締結(5年間のみ有償で、その後は無償とした契約)による先駆的な活動の結果(顕著な成果)として、疫学的に実証してきているのです。私たち「二段階方式」の特徴は、「意識的な世界」との関わりとその具合とに注目して、発病の有無及び症状の重症度を脳の機能レベルと言う視点から捉えて、定義していることなのです。その核となる要素が、「前頭葉の機能レベル」なのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」の要の機能が、前頭葉の機能なのです。分かり易く表現すれば、意識的な世界は、左脳、右脳、運動の脳が牽引する三頭立ての馬車の運行の世界であり、御者の役割を担っているのが「前頭葉」なのです。左脳(デジタルな情報の処理に特化した機能であり、言葉や計算や論理や場合分けを取り扱う機能=仕事や勉強に不可欠)、右脳(アナログな情報の処理に特化した機能であり、形や色や空間や時間の経過を取り扱う機能=趣味や遊びや人づき合いに不可欠)、運動の脳(アナログな情報の処理に特化した機能であり、身体を動かすこと及び形あるものの動きの認知に不可欠)を操る機能であり、『脳全体の司令塔の役割』を担っているのが、『前頭葉』と言う脳機能なのです。

(3) 「意識的な世界」との関わり方に注目していて、「前頭葉」の機能レベルを中核として、左脳と右脳の機能レベルとの関係を評価して、全体を総合的に判定する「二段階方式」では、発病の最初の段階(小ボケ=社会生活面で支障)、途中の段階(中ボケ=家庭生活面でも支障)及び末期の段階(大ボケ=セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠)の三段階に区分して判定するのです。このことに加えて、各段階に特有で類型的な症状を10項目ずつ整理して、指標化したものが、「30項目問診票」なのです。注意すべきは、「小ボケ」の段階としての「脳の機能レベル」なのです。二段階方式では、「小ボケ」は、「左脳も右脳も正常な機能レベル」に在って、「前頭葉の機能だけが異常なレベル」に在ると定義されているのです(それぞれに正常と異常とを区分ける客観的な指標による「基準値」が設定されている)。言い換えると、『前頭葉の機能が正常な機能レベルを維持している状態を保つことが、発病の予防となる』と言うことなのです。その根拠が、上記&4(3)の※1の③の「脳機能データ」なのです。世界中のどの権威ある機関と言えども、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定については、「認知機能の障害」と言う要件が最も重要としつつも、脳の後半領域である左脳と右脳の機能レベルを判定する為の「MMSEテスト」のデータしか提示できていないのです。最も肝心で要となるデータ、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能データを提示できるのは、私たち「二段階方式」だけなのです。 NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』で引用された脳機能データは、左脳と右脳の機能データがハーバード大学が提供したものであり、前頭葉の機能データが私たち「二段階方式」(エイジングライフ研究所)が提供したものなのです。

「前頭葉」の機能が正常な機能レベルを何年間もの間維持させることが出来る(発病自体を予防することが出来る=究極の「介護の予防効果」の成果の獲得)生活習慣体験の場が、住民参加型の地域「予防教室」の運営なのであり(単に「歌って、踊るだけ」の教室では、効果が少なくなるのです=二段階方式の手技の活用により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを定期的に判定して、低下したお年寄りに対しては、脳の使い方としての「生活習慣」の改善を具体的に提起することが必要不可欠となるのです)、その成果グラフを以下に示しておきます。

   厚労省老健局認知症施策推進室に提示済み

本著作物「Fー05」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

   

  

 

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アルツハイマー型認知症の発病原因、症状を治す方法、介護の予防及び発病の予防 ( D-01)

2019-04-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

&1「仮説」が幅を利かせていて、「誤診」が横行する社会状況

今日は、新元号発表の日。東日本大震災の発生から、8年の歳月が過ぎて、道路や箱モノの復興が華々しく取り上げられる中で、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行というテーマは、どのマスコミのテーマにもならなかったのです。重大なテーマではないからという訳ではなくて、問題の存在についての認識が欠如しているせいなのです。認知症研究の専門家とされる人達の無知による誤解が世の中を誤らせ、深く静かに潜行する形で、今もなお日毎に取り返しのつかない方向に向かって進んで行っているのです。アルツハイマー型認知症が記憶障害に起因して発病すると誤解したままで、「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行真犯人であることも知らないで、権威だけで生きている誰かの話を鵜呑みにして、実際にはこの世に存在してもいない架空の病気である『若年性アルツハイマー型認知症』とか言う造語まで作り出されているのです。正しくは、側頭葉性健忘症脳の変性が原因で起きるものであり、新しい記憶が入って行かないという重度の記銘力障害海馬の萎縮を特徴とするものの、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能は正常な機能レベルに在るのが特徴なのです)であることも知らないで、視聴率が高いせいなのか、何度も繰り返してテレビ放映されていたりするのです。『働き盛りの若い年齢で、アルツハイマー型認知症を発病する人たちが増えてきている』等の見出しが躍っていたりするのです。後述する発病のメカニズムから言うと、社会問題になるほどの規模での発病という事態は、高齢化率低い国では起きてこないのです。『超高齢社会』を達成した社会(国)でしか発現することが無い認知症であり、現職で(肩書だけの場合を除く)仕事を続けているお年寄りは発病の対象とはならないで、第二の人生を送っている60歳を超える年齢のお年寄りだけが発病の対象となるという特徴を有することが確認できるのです。そうした基本的なことも知らないで(気づかないで)、更に言うと、前頭葉という脳機能自体が備わっていなくて、異なった複数のテーマを同時に並行して処理する為に不可欠の機能である『注意の分配』の機能が備わっていない『マウス』(アルツハイマー・マウスとて同じこと)のお尻を追い掛け回している程度の研究内容を基礎としていながら、『アミロイドベータが沈着して形成される老人斑の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因で、「記憶障害」が惹き起こされ、そのことが直接の原因アルツハイマー型認知症発病する』ことになる等という奇妙な学説(アミロイドベータ仮説と呼ばれる)を著書で取り上げたり、テレビに出てきて物知り顔に語る人達が多いのに驚かされるのです。『因果関係の存在の有無』に無関心で、支離滅裂な主張が横行している状況に在るのです。アルツハイマー型認知症について言うと、権威が有る人達や機関が言っていることこそが誤っているのです。

2DSM-4」の規定内容の重大な誤り及び「4つの仮説」の問題点

アルツハイマー型認知症発病のメカニズム、早期発見と認知症の症状からの回復、症状の進行の抑制及び介護の予防と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位でのアルツハイマー型認知症の発病の予防の仕方について、正しい情報を発信することが私たちのテーマです。マニュアル化され、システム化された「二段階方式」と呼ばれる私たちのシステムの使用は、有償となっていますが、(使用許諾契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センター、介護施設事業者に限定されています)、このブログの中で、その概要を逐次みなさんに公開していく予定なのです。勿論、関連する「脳機能データ」も逐次公開していく予定です。『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない』タイプの認知症であるとする世界中の認知症研究の専門家達の主張の内容が根本的に誤りであり、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎず、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来る典型的なタイプの認知症である』ことを世の中に広く浸透させていきたいと考えているのです。

アルツハイマー型認知症』の発病原因については、米国精神医学会が策定した診断規定である『DSM-4』並びに世界的に「通説」の地位にあるアミロイドベータ仮説を筆頭にして、タウタンパク仮説、脳の萎縮仮説及びアセチルコリン仮説という『4つの仮説』が提示されています。ところが、「DSM-4」の規定内容は、アルツハイマー型認知症の発病と診断する上で不可欠の条件として、第一要件では、『記憶障害』の確認を要求していて、第二要件では、失語、失認、又は、失行の症状の確認を要求しているのです。その結果、11の項目からなっていて、30点が満点である MMSEの得点が一桁になるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた発病患者だけにしか確認されることが無い『極めて重度の症状』の発現の確認を要求する結果となっているのです。このことに加えて、『4つの仮説』(仮説とされているのは、それぞれが発病の原因であると想定している主張内容とアルツハイマー型認知症の発病との間に存在するべき肝心要の「因果関係の存在」を未だに、立証できないでいるが為に、単なる仮説として扱われているということ)の主張内容も、科学的な根拠が無く、同様に誤りであることの根拠を提示していきたいと考えるのです。「仮説」であるとは言え、権威が有るがために、世の中をかく乱しているだけのものであり、弊害をもたらすだけのものなのです。「DSM-4」の規定はというと、その「第二要件」がアルツハイマー型認知症の発病の初期症状として挙げ、確認を要求しているのが「失語」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により日常の簡単な言葉のやり取りさえもかなわないレベル)、「失認」(器質的な原因病変は存在していないが、発病により鉛筆やハサミ程度のものの認知さえもかなわないレベル)、又は、「失行」(器質的な原因病変は存在していないが、歯を磨いたり、ズボンをはく程度のことさえもかなわないレベル)という症状なのです。『第二の要件』の重大な誤り(問題点)は、私たちの区分で言う末期の段階である『大ボケ』の段階の更に後半になって初めて発現が確認される極めて重度の症状を発病の初期症状であると誤解していて、それらの症状の発現が確認されないと、「アルツハイマー型認知症」の発病と診断してはならないと規定していることなのです。誤解に基づいた重大な規定内容の誤りなのです。

脳の後半領域の機能である左脳及び右脳の機能レベルを判定することが出来る神経心理機能テストであるMMSEを基準に問題点を指摘すると、30点が満点であるMMSEの得点が一桁になって初めて発現してくる『極めて重度の症状』である失語や失認や失行(紛いの)の症状の確認が発病と診断する為の不可欠の条件と規定していることなのです。私たちが本当の意味での早期の段階の症状であるとして提起している段階、私たちの区分で言う「小ボケ」(軽度認知症)及び「中ボケ」(中等度認知症)の段階の存在に気が付かないで居て(見落としていて)、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の更に後半になってからでないと発現が確認できない「極めて重度の症状」を発病の初期症状だと規定しているのです。その結果、『出来るだけ早期の段階で見つけて、治せる病気であれば治して見せる事が医師本来の役目、医療機関の社会的責任であるはず』なのに、失語や失認や失行の症状の確認を基礎として発病とする診断がまかり通ることになってしまった結果、発病のレッテルを貼るだけの役割に満足していて、日常生活に介助や介護が不可欠となる末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)のお年寄りを徒に増産し続けているのが現状なのです。

『内容自体が重大な誤りである』この規定が、世界中の認知症研究の専門家達を迷路に迷い込ませ、早期診断による回復及び発病自体の予防という最も重要な「テーマ」を闇の中へと葬り去ってしまったのです。『4つの仮説』の全てが、「DSM―4」が「第一要件」で確認を要求しているもの、『記憶の障害』に起因して『アルツハイマー型認知症』の症状が発現してくるものと誤解し、『記憶の障害』を惹起する原因として、アミロイドベータの蓄積という条件を想定したのがアミロイドベータ仮説であり、タウ蛋白質の蓄積という条件を想定したのがタウタンパク仮説であり、脳の萎縮の進行という条件を想定したのが脳の萎縮仮説であり、アセチルコリンの不足という条件を想定したのがアセチルコリン仮説というのに過ぎないのです。それらのいずれもが、科学的な根拠をもっていない、単なる「憶測の類」に過ぎないのです。

挙句の果てにというか、最近になって、『アミロイドベータ仮説』という仮説を世界の先頭に立って牽引してきた米国のハーバード大学が初めて提唱し、我が国では東京大学が追随することとなった新たな憶測の類とも言うべき「テーマ」が提示されてきてもいるのです。アミロイドベータ仮説の考えに基づいて、我が国だけでなくて、世界中の巨大な規模の製薬会社が挑戦した「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発が、悉く失敗に終わった状況を踏まえてのことなのです。発病してからでは、薬が効かないので(治療の効能を有する薬の開発がことごとく失敗に終わった、即ち、一旦発病してしまってからでは、治療することが極めて困難な事という認識に到達した)、発病を予防するというテーマを今後は追及していく(方法論としては、「アミロイドベータ」が僅かでも脳内に蓄積が検出される出来るだけ早期に、アミロイドベータを脳内から除去する方法を開発していく)という考え、治療の方法を追求することを断念して、発病の予防へと方針を大転換したということのようなのです。治療から予防へ。聞こえだけは良いのですが、中身が全くのこと無いのです。昨年の後半になって始まり、3年間を目途に実行していくテーマだというのですが、『3年先になって得られる結論』を私たちが今日、明確に指摘しておきたいと、老婆心ながら思うのです。そんなところを掘っても、何も出て来はしないのです。その理由はというと、『そもそも、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間には、因果関係自体が存在していない』からなのです。アミロイドベータの蓄積とか、老人斑の沈着とかは、発病し、症状が末期の段階にまで進行していった結果としての産物であり、発病の原因ではないからなのです。私たちが、過去にこのブログ中でいくつもの客観的な証拠を挙げて問題提起し、今回提示してある二つの科学的で客観的で、且つ、『事象事実』としての脳機能データの内容に鑑みれば、容易にわかることだと思うのです。

 此処で核心的な問題点を指摘しておくと、『そもそも、「記憶障害」自体が、「前頭葉」の機能障害に起因して惹起されてくるもの』なのです。アルツハイマー型認知症は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して『前頭葉』の廃用性の機能低下が進行していき、前頭葉の機能が異常な機能レベルに在ることの直接の反映としての症状(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状であり、「前頭葉」の機能障害に起因した症状)が、「アルツハイマー型認知症」としてのごく初期段階の症状という訳なのです。脳の働きと言う物差しを当ててみると、「アルツハイマー型認知症」の発病の最初の段階である『小ボケ』の段階では、左脳右脳運動の脳も全てが未だ正常な機能レベルを維持している中で、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが既に異常な機能レベルに衰えてきているのです⦅14689例もの「脳機能データ」が根拠)。「アルツハイマー型認知症」の発病の直接の原因は(症状が発現してくる直接の大本は)、「記憶障害」にあるのではなくて(『記憶障害に起因して』ではなくて)、『「前頭葉」の機能障害』にある(廃用性の機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害が直接の原因)ことに専門家とされる人達が気付いていないだけなのです。

&3 「二段階方式」(エイジングライフ研究所)の考え方

私たちが1995年の活動開始以来一貫して主張してきているように、『アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』なのです。アルツハイマー型認知症の発病を規定する条件は、一つには、『「加齢」に起因した脳機能の老化の進行という要因』(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者であること)であり、もう一つの要因が、これに加重される条件としての、①「脳の使い方」としての生活習慣という要因、②『第二の人生』を送る生活状況下でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因、③『「前頭葉」を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性の機能低下の進行という要因が、直接の原因』なのです。第一の要因(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)に加えて、第二の要因(「第二の人生」を送る上でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続)が加重されることに因り、即ち、「異なる二つの条件が同時に存在し、充足されること」の相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことが唯一で直接の原因となって、アルツハイマー型認知症を発病することになり、更には、症状の重症化が進行していくことになるだけのことなのです。

最も重要な命題に言及しておきましょう。『廃用症候群に属する、老化・廃用型の「生活習慣病」であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治せないものではなく、「早期診断」により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。『医師達が見つけて居る段階が遅すぎる為に、治すことが出来なくなってしまっている』ということなのです。明言しておきます。治せないというのは、単なる誤解なのです !!

注1)1995年の活動開始以来、私たちが、北海道から九州に跨る452もの市町村で実践を指導してきた先駆的な活動である『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』として、『疫学的方法』により実証してきているように、『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治らないタイプの認知症ではないのです。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないだけ』なのです(見つけるのが遅すぎる、言い換えると、(「DSM-4」の規定の誤りに気が付かないで、むしろその権威を過度に信頼し盲従していて、失語、失認、又は、失行の症状が初期症状であると誤解したままで居て)末期の段階で見つけるから、治せないだけなのです。アルツハイマー型認知症も早期診断早期治療がカギなのです)。

注2)「二段階方式」の考え方に基づき、「二段階方式」の手技を活用した『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を目的とした住民参加型の地域予防活動』はどこに行ってしまったのか。一つには、平成の大合併で消滅したのです。『地域予防活動』を展開していた高齢化率が高い小さな町や村が、高齢化率が低くて関心が無かった大きな市に吸収されることで業務の見直しの名目により消滅させられてしまったのです。もう一つは、二段階方式の使用について、10年間だけ有償としたために、以降は無償となることにより予算化が不要となることに因り、保健師さんの配置がなくなり消滅していったのです。不条理と言うしかないのですが。そのことに加えて、2010年にアミロイドベータ仮説が登場してきて、世界的に通説となり、わが国でも、東大、京大、理化学研究所がアミリドベータ仮説の牙城となったことが大きい(厚労省までもが、アミロイドベータ仮説を採用した)。

「アルツハイマー型認知症」のことをテーマにしているこのブログでは、根拠となる多数のデータを開示することにより、専門家を含めて、世間の「アルツハイマー型認知症」に対する誤解を解消させていく一助となればと考えているのです。このブログを通じて開示する内容は、エイジングライフ研究所が1995年の活動開始以来、450を超える市町村で(市町村の保健師さんたちとの共同により)展開してきた、アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病の予防を目的とし、「脳のイキイキ教室」(アルツハイマー型認知症の発病の予防を目的とした脳活性化体験教室)の開催と「脳のイキイキ度チェック」を中核とする住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果に基づきデータ化されているものの概要なのです。

『DSM-4』の規定の第一要件の内容も、第二要件の内容も、両者共に重大な誤りであると言っても、更には、米国ではハーバード大学が、我が国ではと言うと、東大、京大、理化学研究所がその牙城であり、世界的にも通説の地位に在る『アミロイドベータ仮説』を筆頭にして、『4つの仮説』が発病の原因と主張する内容が誤りだと、門外漢の私たちが主張しても、皆さんは信じない事でしょう。私たちが政府に提出した『提言書』に対する返事が未だに返ってこないのは、(「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と介護の予防も、更には発病自体の予防も、政府自体が望まないこととは考えにくいので)、皆さんと同じ考えなのでしょう。

但し、厚労省の名誉の為に一言付言しておきたいことが有ります。1998年頃のことだったと記憶していますが、当時厚労省の課長であった尾嵜課長からの要請で尾嵜課長の席で懇談し、『二段階方式の考え方と手技を日本全国に広めて欲しいこと、その為には、国に出来ることは何でも協力する』と1対1で何時間も説得されたのです。私たち側だけの理由で、お受けすることが出来なかっただけなのです。そのことの反省と時の経過ともあって、今回は、私たちの側から政府に『提言書』を提出させていただいたということなのです。

私達には、「DSM-4」の規定内容も、「4つの仮説」の内容も、両者共に誤りであることを実証している『客観的な証拠がある』のです。私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた14689例にも上る極めて多数の症例、「アルツハイマー型認知症」を発病している患者【小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の症例を含むもの】の脳機能データが示す客観的な証拠、事象事実としての「脳機能データ」が存在しているのです。その中でも、極め付きの「2つの証拠」を示しておくことにしましょう。

1つは、「第二の人生」における脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が核心的な要因で発病し、症状の重症化が進行するタイプの認知症、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合には、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に機能が衰えて行くことが特徴であり;更なるダメ押しの証拠としての、2つ目としては、MMSEテストを実施した場合、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合には(且つ、その場合に限って)、出来なくなっていく厳密な順番が存在すること:すなわち、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番に出来なくなっていくのです。このことを説明すると、項目困難度が高い項目から順番に出来なくなっていくということなのです。『想起』という項目が最初に出来なくなっていく理由は、最も高度な機能であり、「加齢」による機能低下の際も、単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の際も、最初に衰えて行く機能である『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求される項目である為ということなのです。この二つ目の特徴は極めて重要であり、『アルツハイマー型認知症』の発病であることの判定並びに他の種類の認知症(例えば、アルツハイマー型認知症との誤診が極めて多い、『脳血管性認知症』との鑑別)との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、アルツハイマー型認知症との誤診が多い、側頭葉性健忘症との鑑別)との鑑別の上で、重要で『客観的な指標』となるのです。

アルツハイマー型認知症研究の専門家とされる人達等は、何故、憶測の類程度のものにしかたどり着けないでいるのか不思議というしかないのです。因果関係に極めてルーズと言うしかないのです。末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の症状ばかりに目が行っていて、私たちが提起している段階、『脳のリハビリ』により回復させる(症状を治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の存在に未だに気がついていないのです。末期の段階で見つけても何の意味もないことの反省なのか、もっと軽い段階に着目しての問題意識により、『MCI』(Mild cognitive impairment 軽度認知障害)という考え方が登場してきてはいるものの、相変わらず「記憶障害」というテーマに引きずられたままで居て、 定義自体が極めて曖昧で、『アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在についてもルーズと言うしかないのです。 元々は門外漢であった私たちから、「アルツハイマー型認知症」研究の専門家と言われる彼等に贈ってあげたい言葉が有ります。『木を見て森を見ず』(to be caught up with trivial matters and lose sight of the big picture)。

そうした状況の中で、光明が一筋というか、近時、『AI技術』の活用による分析結果として、従来とは全く異なる視点であり、『生活習慣が発病の危険因子と考えられる』とする主張が、世界的にも権威がある一部の研究機関(スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会等)から提起されるようになってきたという進歩が見られるのが、僅かに、期待できる成果とは言えるのです(内容的には、私たちの主張内容とは比べ物にならない程、未だ初歩的な段階の内容にすぎないのですが。但し、方向性が正しい)。今後も、月1回のペースで、テーマに分けて具体的な内容を載せる予定です。『アルツハイマー型認知症』について、認知症の専門家とされる人達の重大な間違いを糺して、正しい知識を世の中に広め、早期発見による回復並びに介護の予防及び発病自体の予防と密接な関係がある、脳の使い方としての「生活習慣」の改善に向けて、国民的な関心を呼び起こしたいと考えているのです。

  

纏め

『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病であること(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)並びに早期の段階で見つけて(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)、更には、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を旗頭として、前頭葉を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の工夫、改善、構築と実践)を実施することにより、症状を治すことが出来るし及び『前頭葉』を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と実践により発病自体を予防することが出来るのです。加えるに、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病が本態であるとする私たちの主張は、北海道から九州まで、450を超える多数の市町村での「地域予防活動」の実践展開により、疫学的方法により実証されてきている』のです。その意味で、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制する効能を有する『』が開発されることは、未来永劫、起こり得ない事と断言できるのです。『二段階方式』の手技を活用して判定し、集積した14689例を数える「アルツハイマー型認知症」発病患者【小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含みます】の精緻な「脳機能データ」と先駆的な活動としての住民参加型の「地域予防活動」に基づく実証を基礎とした私たちの主張が、我が国の市町村の小さな地域の隅々にまで浸透していくよう今後も努力していく考えなのです。このブログは、重い症状のお年寄り達に接する施設の担当者ではなくて、正常なレベルや軽い症状の高齢者に接する機会が多い、市町村の保健師さんに読んで頂きたいのです。廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」が本態であるアルツハイマー型認知症は、薬が効かないし、発病の有無や早期段階の診断にCTやMRIやPET等の機器の使用は不要なので、医師が必要とする売り上げが稼げないのが特徴でもあるのです。「二段階方式」の神経心理機能テストの活用により、発病の早期の段階を精緻に判定できるのです。それらの面を考えても、市町村の保健師さんが主導する『一次予防』(脳イキイキ教室の開催と定期的な脳イキイキ度チェック)こそが、最も効果的なのです。何等の対策も実施されないまま放置されていることに因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、そのことに因り、末期の段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状)が出てくることになり、更に症状が進行していき、ついには、同居の家族の顔もわからず、自分が今住んでいる家の方角もわからず、昼か夜かの区別もつかない状態の発病者(必ず、「お年寄り」なのです)が、何処に帰るか、何処に行くかの選択も出来ないままに、徘徊するその対策が市町村の最重要施策であるなど、提案した権威自体の(理解の不足でなくて)重大な誤りを糾弾したいと考えるのです。

&1   エイジングライフ研究所が提案する住民参加型の『地域予防活動』の目的と対象とは

『二段階方式』の考え方及び二段階方式の手技の活用による住民参加型の『地域予防活動』は、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』だけを対象とした活動になります。私たちが集積した14689例にも上る『アルツハイマー型認知症』発病患者【本当の意味での早期の段階であり、回復させることが可能な小ボケ及び中ボケの段階の患者並びに末期の段階であり、回復させることが最早困難である大ボケの段階の患者の全ての段階の患者を含むもの】の症例が指し示す、事象事実としての「脳機能データ」を基礎としているのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルとその機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状との関係について、『脳の働きと言う物差し』を活用し、脳の使い方としての意味で言うところの『生活習慣』に着目して、「アルツハイマー型認知症」の発病原因(メカニズム、機序)を解明し、市町村による「地域予防活動」に活用し、その実践展開の結果として、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです(『憶測の類』とは、レベルが異なる)。

 脳全体の司令塔の役割を担っていて、三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』の機能レベルを『かなひろいテスト』により、馬車を牽引する役割をしている二頭の馬、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」により、二つの神経心理機能テストの実施結果により総合的に、「前頭葉」を含む「脳全体の機能レベル」とその機能レベルにリンクしていて、その機能レベルを厳密に反映したものとしての「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び三段階に区分される症状の段階の判定並びに症状を治すための方法である「脳のリハビリ」の実施内容の指導を行うのが、「二段階方式」の手技の特徴なのです。

その過程では、『キッカケ』を契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない『日々の暮らし方』)に起因した廃用性の機能低下の進行というバックグラウンドの存在を、脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続に関わる聞き取り作業である『生活歴』の聞き取りにより、確認するのです。その基礎の上で、『脳のイキイキ教室』を開いた期初の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」と教室を閉じる期末の時点で「二段階方式」の手技により判定した「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」という両者の脳機能データの比較により、改善、維持、低下の三段階の区分により判定し、低下と判定された個別のケースについては、低下をもたらした原因である当該期間中の脳の使い方としての「生活習慣」を具体的に点検し、「脳のリハビリ」の為の『生活改善指導』を行っているのです。 

『前頭葉』の個別認知機能である『実行機能』の発揮度を左右し/下支えしている機能が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。即ち、「実行機能」の機能発揮の具合(機能の発揮度)との間には、機能発揮上の『二重構造』という仕組みが存在しているのです。あーしたらこうなる、こうしたらあーなるという風に、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況の理解と判断に沿った実行「テーマ」を発想し、実行の内容及び実行の仕方を企画し、計画し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、決定し、実行の決断を下して、実行に移す指令を左脳、右脳及び運動の脳に下すための機能である『実行機能』が機能するに際して、『異なった複数のテーマを同時に並行して処理する』ことが要求されるのであり、そのことを可能にしている機能がチンパンジーにさえも備わっていなくて、私達人間だけに特有な機能である『注意の分配力』という機能なのです。私たちが世界で初めて発見したこの『二重構造の仕組み』と意識的な世界における『注意の分配力』の機能構造とその重要性とに気が付かない限り、何時までマウスのお尻を追い掛け回していようとも、「アルツハイマー型認知症」を発病させている『真犯人』の割り出しに成功することは、極めて可能性が低いこととなるのです。

注意の分配力』の機能は、最近唱えられるようになり、有名になった『デュアル・タスク』(異なった二つのテーマを同時に並行して実行する)という程度の作業の実行で、脳が活性化し、機能が向上するなどと宣伝しないで欲しいのです。肝心要の「前頭葉」が活性化し、その機能レベルが向上しているのでなければ、「脳の機能が向上した」とは言えないのですから。注意を喚起しておきます、「前頭葉」の機能(先に例示したような機能であり、実行機能と総称される)が活性化し、機能が向上したと言えるためには、『自分なりの目標が有り、自分なりに趣味や遊びや交遊を楽しめる生活が有り、そうした生活が継続されて生活習慣化が達成されている』という基礎/基盤に立脚した「脳の使い方」としての「生活習慣」の継続が不可欠の条件となるのですから。

 エイジングライフ研究所が政府に『提言書』として提出している内容と目的は、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象となるお年寄り(「アルツハイマー型認知症」を発病する対象となるのは、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の高齢者のみなのです)を対象として、「二段階方式」の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して「アルツハイマー型認知症」(だけを対象として)の早期診断による回復及び介護の予防並びに発病の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の実践展開なのです。『二段階方式』の考え方に基づいて、市町村が開催する「脳イキイキ教室」への参加と「二段階方式」の手技の活用により実施される(教室の開始時及び終了時の二回実施)「脳のイキイキ度チェック」とを基礎として(必要な個別ケースについては、「脳のリハビリ」の実践指導を実施)、地域住民の早期診断による回復(小ボケ、中ボケの段階からの『回復』を第一義的な達成目標とし、何らかの事情により回復させることが出来なかったケースについては、末期の段階である大ボケには進行させないことに因り『介護の予防』という効果の達成を第二義的な達成目標とする)、更には、講演や書籍の配布による『前頭葉』を含む脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と実践の継続についての『啓蒙活動』の展開により、『発病自体を予防』することを目的としているのです。 

&2 深く静かに潜行していて、いつの間にか天文学的な規模に膨張しているのです

厚労省が発表する「アルツハイマー型認知症」の発病者数は増加の一途  介護関連の総費用(CTやMRIやSPECTや、果ては、PETまで持ち出して、極めて高額の診察料を稼ぎ出しながらも、治すことが最早困難な末期の段階で発病を見つけて居るという『レッテルを貼るだけ』のものでしかない診断の為の費用の増加、副作用ばかりで症状の進行を遅らせる効能さえも確認されない、効きもしない薬の処方と投与の費用の増加、食事をしたり、服を着たり脱いだり、トイレの後始末をする程度のことにも支障が出てきていて、セルフ・ケアにも支障があって、日常生活面での介助や介護が必要なお年寄りが増加の一途をたどるのに任せている状況下での介護の費用の増加)の金額は、年々増加の一途を辿っていて、「うなぎのぼりの状態」にあるのです‼ 私たちの試算では、2018年度単年度で、20兆円を超えようとする勢いに在るはずなのです(一般会計だけでなくて、特別会計との合計総額を注視する必要があります!)。何等の対策も打たないままで、介護保険制度が、財政面から破綻という心配が現実のものとなってきているのです。老老介護や、認認介護や、介護離職を野放し状態にしたままでいいのですか?今日も、全国の市町村の、いたるところでの、徘徊老人の安否情報の提供を依頼する役場の拡声器が、大きな声で呼びかけているのです!

『アルツハイマー型認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」なのであり、早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。更には、『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として、治すことが出来ないタイプの認知症ではない。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、治すことが出来ないものと誤解されているだけ』なのです。その上、『前頭葉が活性化する「生活習慣」の構築と継続的な実践により、症状を治すことが出来るし、発病自体を予防することが出来るのが、アルツハイマー型認知症の特徴』でもあるのです。この基本的な考え方を、(何等かの背景事情の存在により)『国策による実施』の実現の見通しが低いと判断した時は、何らかの方法により国民に分かってもらう為の別の方策を考えていくつもりでもあるのです。若い世代が自己の人生を投げ出して、発病した親の介護をする、所謂、『介護離職』は、絶対に我が国に有ってはならないことなのです。我が国の場合ではというと、早期診断により治せるし、介護を予防することが出来るし、発病自体を予防することが出来ることを、私たちが実証してきているのですから。

私たち人間だけに特有な世界、『意識的な世界』を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能(『実行機能』と総称される)、就中、実行機能の機能の発揮度を左右し/下支えしている基礎的な機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の問題が存在)、中でも、人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能に目がいかないで、注意の分配力の機能は愚か、『前頭葉』という脳機能自体が備わっていないマウスのお尻を追いかけまわしている認知症研究の専門家とされる人達に言いたいのです。現在皆さんが掘り続けている場所をどこまで深く掘ってみたところで、何も出ては来ないのです。世間を徒に混乱させない為にも、そのことに早く気が付いていただきたいのです。産官学の共同PRJなるものの幾つかについての情報も集めてみました。発病の原因について、『アミロイドベータ説』を主張の根拠として掲げながら、運動や交遊の機会を増やすことが、或いは、彼らが開発した「脳トレ」テストの実践が、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防につながるとの説明を読むと、あきれるというよりは、哀しくなってしまうのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の症状は、三段階に区分されるのです

ついこの間まで、特段の支障もなく「社会生活」を送れていて、自分なりに趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活を送ってきていて、地域の催事や行事への参加や参画を楽しんでいたお年寄りが、或る日突然、失語や失認や失行の症状が出てきて、『セルフケア』にも支障が出てきて介護が不可欠になる等の症状が起きて来はしないのです。アルツハイマー型認知症は、症状が段階を追って徐々に緩やかに進行していくのが特徴。最初に、小ボケの段階の症状が、次いで、中ボケの段階の症状が出てきて、最後に、末期段階の大ボケの症状が出てくるものなのです。

 (1) 最初に発現する「軽度認知症」(小ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

)「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルを保っているのに対して、「社会生活」面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの「前頭葉」の個別認知機能(「実行機能」と総称される)だけが、廃用性の機能低下の進行により、異常な機能レベルに在るのです。こうした事態は、「空気ポンプ」に例をとって説明すれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(アミロイドベータ説やタウ蛋白説等の考え方であり、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死に起因した記憶障害が発病の原因だとする考え方)、そもそも、チューブに空気を送り込む働きをする役割のポンプの部分自体の機能が十分には働いていないせいなのです(脳全体の司令塔としての役割を担っている「前頭葉」の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した機能障害、当該機能の発揮レベルの低下が主たる原因で関連する情報の伝達及び情報の処理が的確に行われなくなっているに過ぎないのです)。意欲が湧かない、注意の集中力が発揮できない/発揮が続かない、注意の分配力がきちんと働かないことが症状として際立つ「小ボケ」の段階での症状のイメージは、家の外に出て行って、他人と交わり、何らかの共通目的を実行する場である社会生活面での様々な支障が出てくるのが特徴なのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行の内容を企画計画して、実行の結果をシミュレーションした上で、実行の内容及び実行の仕方を決定し、実行を決断する上での様々な支障が目立つ人、何かにつけて人を頼ろうとする『指示待ち人』が特徴なのです。上述の機能面の理解に立って、上掲の8項目について、見直してみてください。それらの症状が、「記憶の障害」に起因したものではないことを理解頂けるでしょう。

&4「中ボケ」(中等度認知症)の段階の典型的な症状の類型

(1)  「脳のリハビリ」に励むこともなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されたままで居ると(小ボケの段階が3年も続いていると)、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているからなのです。かなひろいテスト不合格のままでMMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達を言います。前頭葉を含む脳全体の機能レベルを反映した症状が発現してくる「中ボケ」のイメージは、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんと出来ないのに(「家庭生活」の面でも、様々な支障が出てくるようになる)、口先だけは一人前、『言い訳ばかりしている、幼稚園児』が特徴です。「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「前頭葉」の機能レベルが更に異常なレベルに低下してきている上に、左脳及び右脳の機能も異常なレベルに低下してきている為に、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。現在の自分に起きてきている状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が『こんなところが、おかしい』と指摘しても、『そんなことはない。私は、ボケてなんかいない』と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴なのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、前頭葉の機能がそこまで衰えてくると、自分自身のおかしさに、気づくことが出来なくなるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した脳の機能年齢は6~4歳児のレベルとなります(口先だけが達者で、言い訳ばかりする『幼稚園児』)。

(2) 「中等度認知症」(中ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)

□入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか石鹸がついたまま

□料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

小ボケの段階が3年も続いていると、次は、中ボケの段階に移っていくことになります。前頭葉の機能が更に異常なレベルに衰えて行く上に、小ボケの段階では正常な機能レベルに在った左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルに衰えて行くからなのです。「かなひろいテスト」は不合格のままで、MMSEの換算点が23点以下15点以上の範囲の人達です。「時の見当識」が揺らいでくるので、MMSEで測定される「時の見当識」(5点が満点)の得点は、4~1点の幅となります(猶、小ボケは、5点。大ボケは、0点になります)。

更に、アルツハイマー型認知症である場合は(且つ、その場合に限り)、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳格な順番があり、時の見当識についていうと、日、年、月、季節、昼夜の順番に出来なくなっていくのです。□季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)という中ボケの症状は、季節が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐという大ボケの症状は、昼夜が分からなくなってきているという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの反映であり、いずれの症状も、『前頭葉』の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能が顕著に異常なレベルにまで低下して来ていることが直接の原因なのであり、「4つの仮説」が想定した前提としての「記憶障害の症状」でもなければ、「記憶障害に起因した症状」でもないのです。

5末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の段階の典型的な症状の類型

(1)  「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても「老化現象」と勘違いして気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことさえもなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に、中ボケの期間が 23年間続いた後は末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、極めて重度の症状であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです。

大ボケの段階になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、肝心の注意の分配力の機能がほとんど働くことが出来ないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、極めて重度の症状が発現してくるのが、アルツハイマー型認知症なのです。『アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と言う、私たちの主張は、実証されてもいるのです。

大ボケ」のイメージは、「脳の寝たきり」なのです(セルフ・ケアにも支障が出てきて、介護が必要となる)。即ち、「意識的な世界」における「前頭葉」の個別認知機能の認知度及び機能の発揮度を支配し/下支えしている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなってきている状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下(下は、0歳児まで)のレベルと考えて下さい。「前頭葉」、左脳、右脳の機能が更に異常なレベルに衰えていく中で、MMSEの換算点が14点以下から大ボケの段階に入っていき、一桁の点数になってくるあたりから、「DSM-4」の規定の第二の要件が確認を要求している失語や失認や失行などの症状が発現して来ることになるのです。

医療現場では、大ボケの段階の前半の症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階とは、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです。大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してくると、最早治すことは出来なくなるだけのことなのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が初期症状だと誤解しているがために、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが故に、治せないだけなのです)。身体がもつ限り(何らかの病気や寿命により死を迎えることになるまで)、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、最終的には植物人間のような状態にまで脳の機能が衰えていくことになるのです。

精神科医が「アルツハイマー型認知症」の発病であると診断する第一の要件である「重度の記憶障害」の症状は(他の症状も同じメカニズムで発現してくることに注意)、一つには『加齢』による機能低下の進行という要因により、更にもう一つの決定的な要因である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続という要因に起因した、廃用性の機能低下という要因が加重されること、『異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることの相乗効果により』、発現してくるものなのです。脳の司令塔の「前頭葉」が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」の段階では、自分の身の回りのことをする「セルフ・ケア」にも支障が出てきます。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や「介護」が不可欠の状態となるのです。

(2) 「重度認知症」(大ボケ)に特有で代表的な症状の8項目

□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中にも騒ぐ

□痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

注1)これらの症状が「記憶障害」に起因したものだと主張する、その科学的及び医学的な根拠は何なのか。私たちは、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたその直接の結果、殆ど機能しえないまでに衰えてきた脳の機能レベルを直接反映しているに過ぎないと主張しているのです。

私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れたが為に着ることが出来ない訳ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である「注意の分配力の機能」(異なった「テーマ」を同時に並行して処理する為の機能)が殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び中核の原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで、廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのとまったく同じメカニズムの下で発現してくるものなのであって、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測なのです。

2)例示した、発病の最初の段階である小ボケの症状、それに次ぐ、中ボケの症状、末期の段階である大ボケの症状は、「記憶障害」に起因して発現するものではないのです(専門家達の想定条件の誤り)。発病の第二の要件であり、発病するか否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が「前頭葉」の機能障害を惹き起こす真犯人なのです。「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の発揮度を左右し/下支えている機能であり、最も高度な機能である「注意の分配力」を筆頭にして並びに注意の集中力及び意欲という機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続により、廃用性の機能低下を進行させていくことが直接の原因となり、①「実行機能」の発揮度を次第に低いものにしていくことに因り、②前頭葉を含む脳全体の機能レベルが徐々に低下していき③機能レベルが次第に異常なレベルのものとなり④且つ、その状態が更に進んで行くことの直接の反映としての、⑤前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分されるアルツハイマー型認知症の症状を発現させていくのです。これが、アルツハイマー型認知症を発病させ、症状の重症化を進行させている真犯人、真のメカニズムなのです。このことを理解するには、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」に目を向けること、実行機能と前頭葉の三本柱の機能との間に横たわる「機能発揮上の二重構造」の関係、様々な個別認知機能の集合体である実行機能が働く上で不可欠である「注意の分配力」の機能構造、更には、脳の使い方としての生活習慣の継続に起因した「廃用性の機能低下」の理解が不可欠となるのです。実は、それらは、マウスには備わっていないもの(無関係のもの)ばかりなのです。

本著作物「Dー01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします。 

 

 

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「物忘れはボケの始まり」という格言は、正しいのか誤りなのか(B-79)

2017-04-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

年とれば 堰切るごとに 物忘れ

   あれよあれよと 言葉を知らず

                                   By kinukototadao

 (プロローグ)世の中に、「物忘れドック」なるものがあるのをご存知でしょうか?比較的小さな病院では見受けられないのですけど、大きな病院では、臆面もなく「物忘れドック」と銘打って、ホームページなどで診察を勧誘しているのです。犬の健康診断ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の早期発見につながる診断と言う触れ込みなのです。ところが、その広告文言を子細に読んでみると、肝心の「アルツハイマー型認知症」については、基本的に良く分かっていないということが良く分かるのです。そこで今日のこのブログで、「物忘れ」の症状が発現してくるメカニズム(機序)について、脳の機能面、就中、「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の三本柱の機能との関係について、関連する「脳機能データ」にも触れながら、詳細に説明することにしたのです。よく分かっていなくてもテレビに出てくる人もいれば、よく分かっていなくても診察の広告を出す病院もあるのです。

 世界中の認知症の専門家達から、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法がないし、発病を予防することも出来ない』とされているのです。いくつか主張されている学説も、主張の内容と発病との間の因果関係が立証できない「仮説」のままというのが現状なのです。その「物忘れドック」では、「医学的・科学的にしっかりと検証された検査をして診断していきます」との説明がなされてもいるのです。『どんな検査をするのか」というと、通常のお決まりのコースでは、『「MRI検査」や「問診」』とあります。病院によって若干の違いは有りますが、だいたいの検査としては、まず「MRI」で脳内に異常(脳梗塞や脳出血や脳の萎縮の有無とその程度など)がないかどうかを調べます。また、記憶の倉庫(これまた仮説)とされる「海馬」という部位の萎縮度の検査をします。次いで、「記憶力テスト」や「認知機能テスト」を行い(但し、彼らが使用している認知機能テストは、脳の後半領域の働きの具合を判定するものであって、肝心の「前頭葉」の働き具合を判定することは出来ないのです)記憶や認知機能が低下しているかどうかを調べるというものなのです(肝心要の「前頭葉」の機能については、関心がないというよりは、無知なのでしょう。全くのこと触れていないのは、何も書けないということだと思うのです)。

  そして、こうした検査によって、患者に起きている「記憶障害」の症状としての物忘れの症状が「アルツハイマー型認知症」としての「記憶障害」の症状であるか否かの診断が出来ること並びに当該検査を受けることが患者の今後の「アルツハイマー型認知症」の発病のリスクとその程度についての指針となる(早期診断となる)とも謳っているのです。「物忘れドック」が診断の大前提としていること、それは、『記憶障害の症状が、様々な内容、程度及び態様の下で発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状の根幹(基礎)となる症状であり、その程度により、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険度を判定できる』ということなのですが、実はこれこそが「重大な誤り」なのです。これは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)に関する学説である「アミロイドベータ説」や「タウ蛋白説」や「脳の萎縮説」等の仮説と同じく、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である『DSM4』の規定の考えを正しいものとして単に踏襲した主張に過ぎないのです。実は、『DSM4』の規定では、「アルツハイマー型認知症」と診断する「第一の要件」として、「記憶の障害」の症状の確認を要求しているのです。

 私たちの「二段階方式」の手技が「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状(「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させ得る可能性の程度により、三段階に区分している症状の類型としての「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の症状)を生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能とその機能レベル並びにその発現としての症状の面から客観的に判定し、鑑別するのに対して、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)は全て、単に外観からの症状のみを観察し、想像や推測や憶測により、自説を展開しているに過ぎないのです。そうした研究態度からは、回復させることが可能なレベルとしての視点から私たちが本当の意味での早期の段階として区分し、取り上げている「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状には、気づかないで居て(見落としてしまって居て)、且つ末期の段階である「大ボケ」の段階の症状を外観的に判断して、「記憶の障害」の症状が根幹をなしているとの誤解をしているだけのことなのです。

        例えば、「着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている」、「風呂に入るのを嫌がる」、「服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする」、「家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)」、「自宅に居ても落ちつかず、出て行きたがる」、「大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)」、「今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)」、「痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものでも口にする」、「独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ」等と言った症状が発現している原因は、それらの学説が主張する「記憶の障害」に在るのではなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行した、言い換えると、殆ど機能しなくなってきている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにあることを知らないでいるだけなのです。私たちは「二段階方式」という簡便で保険点数も極めて低く安価ながら、極めて精緻なレベルで、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定することが出来る「手技」を持っているのですが、彼等はというと、CTやらMRIやらf-MRIやらSPECTやら、果てはPETまでも総動員して、極めて保険点数が高い機器を診断に思う存分使用しながら、売上高を稼ぐだけで、然も「アルツハイマー型認知症」の診断とは名ばかりで、殆ど何も分かっていないというレベルの診断を平然と行っているのです。

「物忘れドック」の謳い文句の一つに、「アルツハイマー型認知症」発病の早期診断というテーマがあるのですけど、以下に列挙する「小ボケ」の段階の症状(左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在って、司令塔である「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在る下で発現してくる「前頭葉」の機能障害に起因した症状)を観察してみると明らかなように、「記憶の障害」の症状はその欠片も確認されないのです。即ち、その謳い文句とは異なり、「記憶の障害」の症状に焦点を定めた「物忘れドック」の診断では、本当の意味での「早期の段階を」鑑別することは無理な相談だということが皆さんが以下に掲げる「小ボケ」の段階の症状の類型をみても容易に理解できることと思うのです。末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくると、日常生活面での「介護」が必要不可欠のものとなるのに対して、「小ボケ」の段階では、家庭生活面にも何等の支障がなくて、家の外に出て行って人と交わり何らかのテーマの遂行が要求される「社会生活面」で支障が出てくるようになるだけなのです。そうした両者の差異は、「記憶障害」の症状の程度の差異にあるのではなくて、ましてや、アミロイドベータ説という仮説が根拠としているアミロイドベータというタンパク質の蓄積量の差異に起因している訳でもないのであり、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの差異(働き具合の差異)に基づいているのです。

 注)「小ボケ」の段階で確認される特有な症状の類型

 ○眼の光がどんよりしていて、表情に力がなく、無表情、無感動の様子が見て取れる

 ○問いかけに対する反応が遅くて、生き生きした笑顔が見られない 

 ○何事に対しても、意欲がなくなる

  (何かをしようとする意欲が出てこない様子)

  (何をしたいのかを思いつかない様子)

  (何をするにも億劫で、面倒がるようになる)

 (何事につけても、直ぐに人を頼りにする)

  (外出するのを面倒がり、嫌がるようになる)

  (おしゃれに関心がなくなる)

  (人付き合いを面倒がるようになる)

  (新しい道具を使うのを面倒がるようになる)

 此処と言うときに、その「テーマ」についての「発想」が湧いてこなくなる

  (会議などで、意見やアイデアを思いつかない)

  (料理の献立が単調になる)

  (いつも同じパターンの食材ばかりを買ってくる)

 ○肝心の「意欲」自体が出てこなくて、自分で計画して何かを始めようとしなくなる

  (色々なことを自分で計画するのが面倒になる)

  (買い物に行くと、お札ばかり使うので、小銭がやたらと貯まるようになる)

  (料理の献立を考えるのが面倒になる)

  (家人に指示されると、草むしりや洗濯や片付けなど家庭内の用事程度のことはこなせるが、自分から  やろうとはしなくなる)

  ○「根気」が続かなくなり、何かをやり始めても、すぐに投げ出してしまう

 (テレビを見ていても同じ番組を続けて見ていられなくてチャンネルを直ぐに変えるようになる)

  ○機敏な動作が出来なくなる

 (歩く時も前かがみの姿勢となり、小股でトボトボと歩く)

  ○毎日ボンヤリとして過ごし、居眠りばかりするようになる

  ○食事の支度をしていて、鍋を度々焦がすようになる

  ○自動車を運転すると、軽微な自損事故が目立って増えてくる

  (歩道に乗り上げる、こする、バックの確認をしないでぶつかる)

  (信号無視や右折/左折のウインカーの指示を忘れる)

  (流れに乗れなくて、同乗者が怖いほど、スピードが遅い:交通量が多い広い道を、時速30Kmで走り、車の列を従える。「前頭葉」の三本柱の機能である「注意の分配機能」が廃用性の機能低下により異常なレベルにまで衰えてきていることが原因で、道路の状況、車や人の流れや交差点の状況等に目配りや気配りと言う「必要な注意を配る」ことが出来なくなり、真っ直ぐ走らせるのが精いっぱいの状況にある為、道の真ん中寄りを時速30Km程度の速度でノロノロ運転することになるのです)

 話の流れに乗れず、話の輪にも入っていけなくて、主題とは関係のない話を自分勝手に唐突に話す

 ○オルゴール・シンドローム現象が起きてくるようになる

 (同じ話を何度も繰り返して話していて、本人はそのことに気付かないでいる)

  ○社会生活に支障が出てくるようになる(人と交わり、コミュニケーションをとりながら何らかの目的に沿った行動が要求される家庭の外での生活、「社会生活」に支障が出てくるようになる)

 

冷蔵庫の扉を開けて、「あれっ!私、何を取ろうとしてたんだっけ?」。『あれよ、あれ!』、お友達と世間話をしていて、肝心の言葉が出てこないんです。夫に頼まれてメモってきてたのに、本屋さんで自分が好きな作家の本が目に留まり、立ち読みしてたら、夫に頼まれていた雑誌を買うのを忘れてそのまま帰ってきてしまい、電車に乗ってからそのことを思い出したのです。私だけ?皆さんも同じような体験がお有りでしょ!!今日は、皆さんが日常体験されていて、『物忘れは、ボケの始まり』とか言われると不安感を覚えておられるあの「物忘れ」の症状が発現するメカニズムについて、その概略を説明しておきましょう。

 物忘れの症状」は、皆さん誰もが自覚されている症状なのですが、30歳代になると既にその症状が発現してきて、年をとればとるほど「物忘れ」の症状が発現する頻度が多くなってきて、その程度も重くなっていくものなのです。そうした症状は、脳の機能面から説明すると、単なる「加齢現象」に過ぎないのです。「二段階方式」の手技を活用して判定すると、「前頭葉」が正常な機能レベルに在ることが分かるからなのです。更に、「アルツハイマー型認知症」の症状との関係で言うと、直接の因果関係はないものの、60歳を超えた年齢の高齢者である場合は、間接的にはあるというのが正しい答えなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(機序)についての私たちの主張の内容はというと、発病の「第一の要件」が、『60歳を超えた年齢の「高齢者」であること』であり及び発病の「第二の要件」が、『ナイナイ尽くしの「単調な生活」という脳の使い方としての「生活習慣」の継続』であり並びに両者の要件が同時に充足されることが「アルツハイマー型認知症」を発病することになるということなのです。

 但し、そのいづれか一方の要件に該当するというだけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです。此処で言う「第一の要件」とは、後述する、誰の脳にも生来的な性質として宿っている「正常老化の性質」に関わることであり、加齢に伴う「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のことを言います)の老化のカーブの作用が、脳の機能面からは「物忘れ」を発現させる基礎となっているという限定的な意味で、「物忘れ」の症状が「アルツハイマー型認知症」の発病とは無関係の関係とは言えないというか、間接的な因果関係が存するということにはなるというだけのものなのです。「正常老化の性質」に起因して、加齢に伴い物忘れの症状が進んで行くとは言え、60歳を超える年齢の高齢者になった(発病の「第一の要件」を充足すること)というだけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないからです。第一の要件と第二の要件とが同時に充足されることが、「アルツハイマー型認知症」を発病する上での絶対的な条件となるのです。要点なので、混同しないでいただきたいのです。 

 対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。「前頭葉」と言う脳機能は、私たち人間だけに特有の世界である「意識的な世界」(意識的に何かをしようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能であり、自分が置かれているその状況を判断し、状況判断に沿って為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立てて、その実行による結果を推測し、シミュレーションして必要な修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を決定し、実行の決断に基づいて脳の各部に実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、コントロールしているのです。

 

その「前頭葉」の個別認知機能(理解、了解、了知、了承、考察、考慮、観察、監視、鑑賞、観賞、感動、抑制、反省、内省、忍耐、思索、思考、企画、計画、シミュ・レーション、創作、創造、洞察、推理、推察、推認、推測、推稿、構築、構想、構成、校正、詮議、詮索、想像、空想、妄想、探求、追及、究明、創意、工夫、比較、検討、評価、判定、判断、修正、選択、排除、排斥、除外、分別、分配、確認、確信、決定、決断、支持、指示、指揮、采配、支配、統率、統合、統括等)の『機能の発揮度』を左右し、下支えする働き(「二段階方式」の活用により集積した「脳機能データ」の解析により、私たちが独自に発見した「前頭葉」の個別認知機能の機能発揮上の「二重構造」の問題)を有する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『脳の使い方としての「生活習慣」の如何に拘らず「加齢」と共にその機能が直線的なカーブを描き乍ら緩やかに衰えていく』という生来的な性質(「正常老化の性質」)が内在しているということなのです。そのデータによると、『「前頭葉」の三本柱の機能は、「18歳から20歳代の前半まで」の頃がピークで、加齢と共に直線的なカーブを描きながら緩やかに徐々に衰えていくのです。そして、「第二の人生」が始まる60歳代の半ば頃には、ピーク時の半分くらいに機能が衰えてきていて、100歳代に向かって、直線的で緩やかに、更に衰えていくのです』。『加齢と共に、物忘れの症状の頻度が増していき、その程度が重くなっていく現象は、上述の「正常老化の性質」のカーブを色濃く反映した結果なのです』。

 我が国での有力な学説とされているアミロイドベータ説(アミロイドベータというタンパク質が蓄積して「老人斑」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が発現してくることが「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムであると主張する仮説)やタウ蛋白説(タウ蛋白というタンパク質が蓄積して「神経原線維変化」が形成され、その毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を招くことにより「記憶障害」の症状が発現してくることが「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムであると主張する仮説)の主張は、それらの主張と「アルツハイマー型認知症」発病との間に存在する因果関係について、未だに立証が出来ていない単なる「仮説」であり【私たちに言わせると、「アルツハイマー型認知症」を長く患っていた結果として、末期の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の更に後半の段階にまで症状が進行していった「お年寄り」、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM4」の規定が要求している、失語や失行や失認の症状が確認された「お年寄り」達の死後の脳の「解剖所見」に共通して確認される「老人斑」(アミロイドベータ説が主張する根拠)や「神経原線維変化」(タウ蛋白説が主張する根拠)や「脳の萎縮」(脳の萎縮説が主張する根拠)を何の根拠も無しに取り上げて、それらが「アルツハイマー型認知症」の発病の原因だと各々の説が主張しているだけのことなのです】。これらの主張の内容が間違いであることは、簡単に立証することが出来るのです。

 何故なら、「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状とは、両説が主張している「記憶障害」の症状なのではなくて、「前頭葉」の機能障害の症状であるからです。認知症の専門家とされる人達(自称による専門家を含む)は、外観から観測される症状を意味もなく並べ立てるだけなのですが、私たちは、脳のリハビリ(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる脳の使い方としての生活習慣の改善という方法)により回復させることの可能性の有無とその程度とにより、軽いほうから「軽度認知症」(回復させることが容易な段階である「小ボケ」)、「中等度認知症」(回復させることが未だ可能な段階である「中ボケ」)及び「重度認知症」(回復させることが困難な段階である「大ボケ」)の三段階に区分しているのです。その根拠となるのは、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ生きた人間の「脳機能データ」なのです。檻の中で餌を求めて彷徨するマウスの行動から憶測により導き出した記憶障害の症状が原因だと考えるアミロイドベータ説の主張者たちとは根拠のレベルが異次元なのです。

 

「アルツハイマー型認知症」を発病した最初の段階(これを脳の機能面から定義すると、左脳、右脳及び運動の脳のいづれも正常な機能レベルに在って、司令塔である「前頭葉」の機能だけが異常な機能レべルに在るのが特徴なのです)である「小ボケ」の段階では、「記憶障害」の症状はその欠片も確認されなくて、全てが「前頭葉」の機能障害の症状だけなのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能とその廃用性の加速度的で異常な機能低下に厳密にリンクしたものとして、私たちが類型化した三段階に区分する「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状については、ここを「クリック」してください。各段階の症状が発現する基礎となっている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについて、「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストを活用して確認すれば、一見した限りでは「記憶障害」の症状を呈しているのかと誤解しそうな「中ボケ」の段階の症状も、「記憶障害」の症状が「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状であると主張する「権威ある人達」の主張内容が誤りであることを容易に理解することが出来るのです)。「前頭葉」の機能構造や意識的な世界の機能構造や「前頭葉」の三本柱の機能と「前頭葉」の個別認知機能との機能発揮面での「二重構造」の関係に目が行き、そのことを理解することが出来れば、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現のメカニズム(機序)が、私たちが独自に規定した発病の「第二の要件」に掲げている生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因したものであることを容易に理解できる(分かってしまえば、コロンブスの卵程度の物)のに、『器質的な病変が発病の原因である』との誤った前提に立脚している上に、『「記憶障害」の症状が根幹をなす』との誤解に基づいた信念だけにしがみついていて、それがアミロイド・ベータを注入したアミロイド・マウスであろうとも、マウスのおしりばかりを追いかけていたのでは、何時まで経っても、発病の真の原因に迫ることは出来ないし、「仮説」の域から脱出することも出来ないのです。

  我が国で最も権威があるとされていて、専門家達からもその主張や学説を疑うことが為されない「東京大学」や「京都大学」の主張はともに、アミロイドベータ説(仮説)なのです。私たちが活動を開始した時から既に主張されていて、今猶、主張の内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係を立証できないでいる「仮説」に過ぎないのです。我が国の製薬会社の規模とは比較にならないほどの規模である欧米の巨大な規模の製薬会社で、「アミロイドベータ説」の主張の考えに則って、「アルツハイマー型認知症」の治療薬の開発に挑んだPRJは、つい最近のことながら、相次いでその全てが失敗に終わっているのが現状なのに、我が国では未だに「有力説」として存続しているのが不思議な現象というしかないのです。

 

 世界広しと言えど、唯一の正しい主張内容である、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を「予防」することが出来るし、私たちが定義する「小ボケ」及び「中ボケ」の段階、言い換えると本当の意味での「早期の段階」で見つけて「脳のリハビリ」に励めば、認知症の症状自体を「治す」ことが出来るタイプの認知症である』という私たちの主張内容は、北海道から九州に至る幅広い地域での440を超える市町村での実践の成果により確認され、実証されてきているものなのです。どこかの権威がある大学の医学部が私たちの主張内容を検証してくれさえすれば、私たちの主張の内容が正しいことが確認され、同時に権威が付与されることとなって、「二段階方式」の導入に今一歩踏み込めないでいる保健師さん達に導入と実践に対する勇気と確信を付与することが出来るのです。私たちが、時に、有名大学や権威ある機関の名前を取り上げて、その主張内容の重大な誤りを公然と指摘する行為は、我が国の文化にはなじまない面があることは承知の上で、公開の討論の場で、「いづれの主張内容が正しいかを競いたい」と考えるが故のことなのです(私たちは、公開討論により、いづれの主張内容が正しいかを競いたいと強く希望しているのです。

  公開討論の結果が、放置され、垂れ流しの状態に置かれている現状を打開する契機になると信じてもいるからなのです)。『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病を予防することが出来ないし、治すことが出来ないタイプの認知症である』とするそれら権威があるとされている大学や機関が主張している「重大な誤りの内容を伴った主張」がこのまま存続していくと、我が国は、取り返しの付かない状況に追い込まれて行ってしまうことを危惧するのです。発病の予防も早期の段階で見つけて治すことも出来ないものとした誤った内容の主張が存続したままで放置されていると、「超高齢化社会」を下支えしている大切な制度である「介護保険制度」が財政面から破綻してしまうことは目に見えた問題だからなのです。

 認知症の専門家とは言っても、「アルツハイマー型認知症」については、私たちのレベルから見ると、全くのこと無知な人達ばかりなのです。厚労省の発表数字で460万人も居るとされているお年寄りは、末期の段階の症状が発現している「お年寄り」(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の「お年寄り」)であって、本当の意味での早期の段階の「お年寄り」(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りであって、「大ボケ」の段階の「お年寄り」の予備軍)の数は、「大ボケ」の段階の「お年寄り」の2~3倍にもなるのですから。このまま放置しておいて、良いのですか? 

 コーヒー・ブレイク) 一口に「認知症」と言っても様々な種類が数有るのですが、そのうちの大多数、90%以上を「アルツハイマー型認知症」が占めているのです。私たちのように、全国的な展開を行い、極めて軽い段階の症状を含む症例数を判定し鑑別した実績が伴っていないで、末期の段階の症例しか体験していないと、「アルツハイマー型認知症」が認知症全体に占める割合さえ確かな情報を獲得することは出来ないのです。

 ましてや受診する先が精神科となれば、家族は、『アルツハイマー型認知症の発病の原因は不明であるとか、遺伝的な要素も考えられる』等の風評が飛び交う中では、症状が「軽い段階」程度では病院に、ましてや精神科に連れて行こうとは考えもしないのです。娘や息子(発病者の孫)の結婚に支障が出てくると危惧するからなのです。末期の段階の症状が出てきて、更には、手に負えない段階にまで至らないと受診させようとはしないのです。その結果、末期の段階でしか発病者を診断する機会が持てなかった精神科医が、体験的に治らないものとの誤った判断を持つに至ったということなのです。精神科医自身が本態を見誤ってしまったということなのです

  私がかつて勤務していた病院は大病院であった上に、中核となっていた副院長の金子医師が、脳外科手術であっても、脳外科手術の成功だけではなくて、社会復帰が可能であるか否かの判断にもこだわり、様々な神経心理機能テストを開発して使用したのです。「アルツハイマー型認知症」を含む認知症を受診する為の専門病院(当時は、「老人性痴呆疾患センター」という名称が付されていました)として厚労省が指定した他の病院はその全てが精神科を受診の窓口としていたのに対して、私が当時勤務していた「浜松医療センター」と言う病院は、唯一、脳外科が認知症の受診の窓口であったが為に、北海道から沖縄まで、且つ、極めて軽い症状の段階の人達が数多く診察に見えたが為に、最初の段階から、真の実態に触れる機会が数多くあったのです(「アルツハイマー型認知症」だけではなくて、他の種類の認知症、認知症と紛らわしい他の病気並びに「アルツハイマー型認知症」の軽い段階から中途の段階を含む末期の段階に至るまでの各段階の患者に接する機会がとても多かったのです)。

加えて、元々は、脳外科でしたが、脳外科手術の後の社会復帰の可能性とその程度についての脳機能の状態を知る目的で様々な「神経心理機能テスト」を開発する業務と開発したテストの実施業務とを、最盛期6人の部下を抱えた私が責任者として主担当していました。その中の一つが、現在も私たちが使用している「かなひろいテスト」だったのです。脳外科手術を専門とする世界的な脳外科医であり乍ら、当時金子医師が脳外科手術から次第に離れていくに反比例する形で、認知症患者の診断数が他の疾患センターのそれと比較して桁が違う程の患者数の受け入れと診断により、私たちは認知症の専門家へと変身して行ったのです。東京都、神奈川県、静岡県及び愛知県に在住する超100歳老人の前頭葉を含む脳全体のイキイキ度の検査を世に先駆けて実施したのも当時の私達の研究グループだったのです。

  「物忘れ」の症状が発現するその原因は、海馬と言う脳機能の衰えに原因があるのではなくて、加齢に起因した「正常老化の性質」のカーブを反映した「前頭葉」の三本柱の機能の機能低下に基づいた対象情報の内容を記銘する際の「記銘度」が低くなってきていることにあるのです。学者達の間では、「短期の記憶」と「長期の記憶」とは、「海馬」が区分けし、選択しているとの学説(これまた、「仮説」の域を出てはいないのです)が有力視されていますが、この主張内容は、「前頭葉」の機能並びに意欲、注意の集中力及び注意の分配力から成る「前頭葉」の三本柱の機能についての無知からきた単なる推測という程度のものに過ぎないのです。海馬が様々な種類及び程度、態様から構成されている情報が出はいりする器官ではあるとしても、そもそもいかなる基準に基づいて、短期に記憶すべき情報と長期に記憶すべき情報とを識別し、区分けしているというのでしょうか。私達の日常体験に照らしてみても、全く納得がいかない「仮説」と言うしかないのです。

 

記憶」の対象となるべき都度の情報(左脳がらみのデジタル情報、右脳及び運動の脳がらみのアナログ情報から構成された様々な内容、程度及び態様から成る情報)を記銘する際の記憶の対象となるべき情報についての記銘度」は、脳の機能面から説明すると、記憶の対象となるべき情報を記銘する際に、「前頭葉」の三本柱の機能がどの程度働いたのか否かに左右されているのです。 

記憶の対象となるべき情報に対する自分自身の関心や興味が深く大きかったものであったり、体験した事象自体が強く激しい心の痛みや悲しみを伴うものであったり、大きな喜びや感動を伴うものであったり、或は、自身が何度も反復した内容であったりしたこと(意欲をもって、集中して、「記憶」しようと何度も何度も反復して覚えるための努力を傾注した情報等も含む)に起因して、よく「記銘」されたものであればあるほど、記銘度が高くなるので、その分よく「保持」され、その結果として、よく「想起」されるということなのです。その上、前々回のブログで詳説したように、「第二の人生」を送っている皆さんであれば、誰しもが、加齢による「前頭葉」の三本柱の機能の老化現象(「正常老化の性質」)の影響をもろに受けているということなのです。65歳時には、全盛期の半分にまで衰えてきている訳なのですから。誰の脳にも生来的なものとして内在する「正常老化の性質」が原因で、年をとればとるほど、「前頭葉」の三本柱の機能の働きが衰えてきているので、その分、「記銘度」が低くなり、「想起」もし難くなってきているということなのです。

  なお、記憶の対象となる情報の記銘度は、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合を直接反映することになるのですが、更に詳しく言うと、「注意の分配力」の機能の働き具合に最も大きく左右されることになるのです。三本柱の機能の中では最も高度な機能であるが故に、「注意の分配力」の機能が他の機能に先行して加齢と共に衰えていくのです。「注意の分配力」の機能が加齢とともに衰えてきているという脳機能レベルの下で、複数のテーマに対し分配されて働いている「注意の分配力」の機能の分配の対象に在った情報のうちの一つに対する記銘度が低くて(記銘時に注意の分配がより多かった他の情報が一つ以上存在した状況下で)、当該情報を想起することが出来なかったという仕組みなのです。「MMSEの下位項目」の一つである「想起」と言う機能は、想起するに際して意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能レベルを反映するのですが、最も影響が大きいのは、注意の分配力の機能レベルなのです。「前頭葉」の三本柱の機能のうち、「注意の分配力」の機能が最も高度な機能であり、加齢による老化、「正常老化の性質」の影響が最も大きいからなのです。 

B77」で開示してある、MMSE 下位項目の項目困難度と題する表に見るとおり、私たちの「脳機能データ」によると、「MMSEの下位項目」のうち、最初に機能が衰えていくものとは、実は、「想起」という項目なのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症と言う病気は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であり(但し、此処に言う「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに注意する)、より高度な機能から順に衰えていくという明確な規則性が確認されるのです。

 思うに、か弱くて小さな動物としてのものでしかなかった私たちの脳は、過去の進化の過程で、「注意の集中力」の機能(何か一点に集中するための機能)よりも、(天敵に何時なんどき遭遇したり、或は襲われたりはしないかと、食事中も家族との団欒中も、木の実などの食料を探しているときも、常に周囲に気を配って、生きてきたので)「注意の分配力」の機能(異なった複数のテーマを同時に並行してこなす為の機能)の方をより高度な機能として発達させてきたと考えられるのです。立ったままの状態で眠ったり、脳の片方だけを交互に使って眠ったり、色々な動物の睡眠の仕方/取り方を調べてみると、そのことが良く理解されるのです。私たち人間の脳が、睡眠中、レム睡眠とノン・レム睡眠とを同じようなパルスで繰り返す仕組みであるウルトラ・ディアンリズム(超日リズム)を進化の過程で獲得したのと同様の仕組みではないかと考えるのです。

 

「加齢」により衰えてきているとはいえ、注意の分配力の機能をフル回転させて、仕事とは無縁の「第二の人生」を送っている日常の生活面での複数の「テーマ」を同時に処理している過程で(音楽を聞きながら、部屋の片づけや掃除をしながら、新聞を読んでいる夫とも会話を交わしつつ)、足腰が頓に弱ってきたことを自覚しつつ、二階への階段をゆっくりと上がって行き目的の部屋に辿り着いた時、「自分が何をしに」その部屋にやってきたのかが分からない(部屋に行く目的の情報を記銘するとき、同時に複数の「テーマ」に注意が分散されていて、二階に上がっていく目的となった肝心の情報に対して配分された機能の容量が小さかったがために「記銘度」が低くなったせいで、思い出せない)自分が居るということなのです。皆さん、「物忘れ」のメカニズムを知って、安心出来ましたか? 

 左脳がらみのデジタル情報はさておいて、右脳及び運動の脳がらみのアナログ情報について言うと、厳密に正確に、全体の且つ詳細な構成内容について想起することは殆どの場合不可能なことであって、記銘度が高かった情報からの構築による総体としての或る種曖昧な情報の想起であることは、私たちが日常的に体験していることでもあるのです。街角で見かけて思わず振り返ってみた程のハンサムな青年の顔や姿であっても、僅か2時間後には、その容姿や容貌や服装でさえも、はっきりとは思い出せない貴方が居るはずなのです。私たちには、「二段階方式」を駆使して集積した14689例にも及ぶ「脳機能データ」の解析結果という客観的な証拠があるのです。「物忘れ」の症状の進行について言うと、「加齢」と共に「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合が衰えていくにつれて、対象となる情報を記銘する際の「記銘度」自体も低くなっていく上に、「想起」する際にも思い出しにくくなっていくという脳の機能構造があるのです。

  ちなみに、記憶は、記銘、保持、想起という脳機能要素から構成されていて、且つ其の順番の経路をたどります。記憶の対象となる情報の「記銘」に際しても、思い出そうとする情報の「想起」に際しても、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が必ず関与する仕組みになっているので、両者ともに、「前頭葉」の三本柱の機能の「加齢」による機能低下という要因に大きく左右されてしまうことになるのです。その結果として、『年をとればとるほど、物忘れの症状が進んでいく』ことになるのです。「物忘れ」が発現するメカニズムは、「アルツハイマー型認知症」が発現するメカニズムとは明確に異なるものであることをこのブログで確認しておいてください。

 加えて言うと、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする世界を構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」が正常な機能レベルに在る限りは、「物忘れ」がどんなに激しくとも、「アルツハイマー型認知症」の発病とは関係がないということなのです(「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。

   吾が駄作ながら、ここで、一句。

        『物忘れ、反省と工夫が効けば、年のせい』。

「物忘れの症状」が常日頃気になる程のものになってきているのであれば、そうした状況、我が身が頻繁に「物忘れ」をするその状況に対する、貴方なりの自覚と工夫が出来てさえいれば(例えば、大事だと思うことは、メモにしたり、日付が絡むのであればカレンダーに書き込んだり等の工夫をするものでしょう。出来ていますよね)、それで良いのです。反省と工夫は、「前頭葉」の重要な個別認知機能の一つであり、状況に対する正しい認識と自覚と反省と工夫が自身で出来ているということは、すなわち、肝心の「前頭葉」が正常な機能レベルに在ることの証拠でもあるからです。 

 「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が続く生活状況の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてくることに起因して発病するもの、就中、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてくることから、認知症の症状の発現が始まるものなのです。その最初の段階であり、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、左脳も右脳も運動の脳も正常な機能レベルに在って、「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに衰えてきているのです。そうであるが故に、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在る限り、「アルツハイマー型認知症」の発病は絶対に起きてはこないものなのです。このことは、私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る精緻な「脳機能データ」が証明していることなのです。                          

  この肝心なことを、認知症の専門家とされる人達が分かっていないだけのことなのです。専門家と言いながら、肝心の「前頭葉」には無関心なのです。脳の「後半領域」の判定にしか役には立たない手技である「長谷川式」を使用して及び極めて重度の「記憶障害」の症状の発現である失語や失行や失認の症状の確認により、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を診断しているのです。「前頭葉」の機能や日々の「生活習慣」に起因した廃用性の機能低下という性質について無知なだけでなくて、「アルツハイマー型認知症」そのものについても無知と言うしかないレベルなのです。いったい何を根拠にして、専門家と称しているのか、理解に苦しむのです。

 診察する医師の単なる主観である外観から観察されるだけの「記憶障害」の症状の判定だけでは、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見つけることは出来ないのです。「認知機能テストと」言っても、脳の後半領域の判定テストである「長谷川式」を用いるだけでは、肝心の「前頭葉」の機能レベルを判定することが不可能だからなのです。その上、「DSM4」の「第二の要件」が確認を要求している失語や失行や失認と言った症状により「アルツハイマー型認知症」の診断を行っていたのでは、せっかく見つけても何の意味もないのです。失語や失行や失認などの症状は、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半の段階で初めてその症状が確認される極めて重度の症状だからなのです(私たちの「二段階方式」で活用しているMMSEの基準に照らして言うと、30点満点のMMSEの得点が一桁の得点にならないと発現がみられない症状だからなのです)。「物忘れドック」とか銘打って、如何にも高度な診断を行うかの印象があるのですけど、そうした医療の現場では、CTやらMRIやらf-MRIやらSPECTやら、果てはPETまでも総動員して、保険点数が極めて高い機器をふんだんに診断に使用していながら、「売上高を稼ぐ」だけの名ばかりの診断が行われているのです。

  その上、何種類かの効きもしない薬を「この薬自体は、「アルツハイマー型認知症」の症状を治す効能は有していないが、ケースによっては、12年ほど症状の進行が遅れることが期待される」などという薬を処方してもいるのです。「アルツハイマー型認知症」の診断とは名ばかりで、殆ど何も分かっていないというレベルの診断を平然と行っていて、単に売上高を稼いでいるだけの診断が行われ、罷り通っているのです。末期の段階の、更に後半になって初めて発現してくる症状を基準にして「アルツハイマー型認知症」の診断をおこなっていると言うことは、診断を行っている医師自身も「治すことが出来ない」と知って診断しているということであり、そもそも何の為に、「アルツハイマー型認知症」の診断を行っているのかと問いただしてみたくもなるのです。

こうしたレベルの診断と投薬が行われている結果として、介護が不可欠となる末期の段階の症状を呈するお年寄りが何百万人も産み出されてきていて、「アルツハイマー型認知症」の診断、投薬及び「大ボケ」の段階のお年寄りの介護の為の費用に対して支払われる血税の規模が、年間で15兆円を超えるところにまで来ているということなのです。無関心でいても良いのでしょうか。国全体の債務の規模は、既に1100兆円を超えているので、『もう、どうなっても良い』というお考えなのでしょうか。皆さん、どうなのですか?

  実力のない権威が主張することを信じるのか、権威がなくても実績のある私たちが言うことを信じるのか、それは貴方の選択(「前頭葉」の機能)にお任せします。 サイチェン!

注)本著作物「Bー79」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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臨時掲載:このブログ記事の過去Noの閲覧(その2:B01~B48まで)

2015-06-23 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 

    

(B-01) アルツハイマー型認知症の早期診断による回復と発病の予防(クリック

(B-02) 認知症の予防と脳を活性化する生活習慣「一芸を極める」(クリック

(B-03) アルツハイマー型認知症の治療と予防を可能にする薬の開発の可能性(クリック

(B-04) 脳の老化現象とアルツハイマー型認知症の初期症状との差異(クリック

(B-05) アルツハイマー型認知症の症状が進行する原因とその特徴(クリック

(B-06) アルツハイマー型認知症の回復が可能な本当の意味での初期症状とその正体(クリック

(Bー07) 東日本大震災の被災地の高齢者とアルツハイマー型認知症の発病との関係(クリック

(B-08) 「前頭葉」の異常な機能低下とアルツハイマー型認知症の初期症状(クリック

(B-09) アルツハイマー型認知症の発病原因から見た意識の枠組みとの関係(クリック

(B-10) アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅠ(クリック

 

(B-11) アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅡ(クリック

(B-12) アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅢ(クリック

(B-13) アルツハイマー型認知症は、防げる治せる(クリック

(B-14) アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる生活習慣の構築ーⅠ(クリック

(B-15) 脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅡ(クリック

(B-16) 脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅢ(クリック

           (臨時掲載)情報発信基地としての伊豆高原の我が家(クリック)

(B-17) 脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅣ(クリック

(B-18) 脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅤ(クリック

(B-19) アルツハイマー型認知症の初期症状から見た発病のメカニズム(クリック

(B-20) 脳の働き方とアルツハイマー型認知症との関係(クリック

    

(B-21) アルツハイマー型認知症の「中ボケ」の症状と記憶障害との関係&2(クリック

(B-22) アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係&3(クリック

(B-23) アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係&4(クリック

(B-24) 学者や研究者は、何時まで、「迷路」をさ迷い歩くのかクリック

(B-25) アルツハイマー型認知症の発病と脳の老化の問題クリック

(B-26) 脳が活性化される生活とは、例えばどんなことなのか(クリック

(B-27)  認知症の)90%以上がアルツハイマー型認知症なのです(クリック

(Bー28) アルツハイマー型認知症に関する検索のための一覧表-クリック

(B-29) 不活発病と名付けられている症状は、実は認知症の症状なのですクリック

(B-30) アルツハイマー型認知症の治療法は、脳のリハビリだけクリック

 

 

(B-31) アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる生活習慣クリック 

(B-32) 回復可能なアルツハイマー型認知症の初期の症状とその特徴ーその1クリック 

(B-33) 回復可能なアルツハイマー型認知症の初期の症状とその特徴-その2クリック )

(B-34) 重度認知症(「大ボケ」)の段階にまで衰えた脳の機能が意味するものクリック )

(B-35) 「脳の活性化」。 特別なことは必要なくて、この程度のことで十分なのです (クリック )

(B-36) アルツハイマー型認知症の発病と記憶障害の原因との関係クリック )     

(B-37) アルツハイマー型認知症に対する「正しい知識」の発信基地 クリック )

(B-38)  忙中に閑ありクリック (クリック)

(B-39) アルツハイマー型認知症は発病を防げるし、早期の段階であれば治せる(クリック)

 (B-40) アルツハイマー型認知症の正体と症状が発現し、重症化する仕組み(クリック)

 (B-41) これって、なに? 性格なの、それとも? (クリック)

 (B-42) アルツハイマー型認知症は、高齢者ならだれでも発病の可能性がある(クリック)

 (B-43) アルツハイマー型認知症の予防と脳が活性化する「生活習慣」の構築(クリック)

 (B-44)   アルツハイマー型認知症の発病の予防と早期診断とを国民的な課題に(クリック)

 (Bー45) 脳が活性化するメカニズムと脳の使い方としての生活習慣(クリック)

 (B-46) 自分らしさをテーマにした「小さな旅」を楽しんでみよう(クリック)

 (B-47) アルツハイマー型認知症の発病者の寿命(クリック)

 (B-48)   アルツハイマー型認知症の予防を国民的な課題に(クリック) 

 注)本著作物(このブログに記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

       エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

       機能からみた認知症の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)


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アルツハイマー型認知症に対する「正しい知識」の発信基地 (B-37)

2015-06-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 

為せば成る。為さねば成らぬ何事も。成らぬは、人の為さぬなりけり                      By 上杉鷹山

          

○  南箱根ダイヤランド内の新しい仕事場

南箱根ダイヤランドは、地図上で言うと、熱海と沼津とを結んだ直線のちょうど中間の地点の少し南の辺り、函南町平井の地にあります。2000戸を超える戸数の 大規模な別荘地なのです。気分転換を兼ねたTadの新しい仕事場の建屋の「全面的なリフォーム=大幅な整形手術と厚化粧(屋根をふき替え、壁も全面的に塗りなおし、地下室も整備)」が、やっと完成したのです。

近隣には大規模な別荘地が数多くあるのですが、それらはまるで大都会の中にあるかのように樹木が少なく、家ばかりが立ち並んでいて、周囲を山に囲まれた環境の片田舎で生まれたTadが嫌がり、この別荘地を選んだのです。ところが、この別荘地は財閥系の著名な大商社が開発したものなのにも拘らず、(当時の担当者にとっては)、経験不足と言うか情報不足と言うか各戸に駐車場を置くような発想自体が「前頭葉」から湧いてこなかったようなのです。(町に寄付した関係で今は公道になってしまった)下の道路に面した狭い階段口に新たに駐車場を設置したので、正面からの景色も大幅に変わってしまいました。別荘地自体はとても広く、樹木も多く、全体が富士山に向かってスタジアム型の地形をしていて、夫々の家では、リビングやお風呂から富士山を仰げるように建てられています。

別荘地の中の道路の総延長が42Kmもあり、様々なコースの散策路(ウオーキング路)が設けられています。階段の上り下りだけでなくて、この散策路を毎朝散歩することにより、「前頭葉」の意欲を引き出し、TadとKinukoが様々な交遊体験をする中で、脳全体が活性化する「生活習慣」についての脳機能データの集積や有効なテーマとその実践内容等について、パターン化を図っていきたいと考えているのです。勿論その成果については、折々、このブログで皆さんにご紹介する予定です。

下の広い道路に面した狭い階段口を掘り崩して新たに駐車場を設置した為に、Tadが気に入っていた正面玄関から下の道路に通じるまでの風景が一変してしまいました。形ちの良い樹形を見せていた姫沙羅と百日紅の木も、少しばかり時代めいた雰囲気を醸していたおしゃれな外園灯も取り除かれてしまい、石積みの階段とコンクリで出来た駐車場の壁面とが中心の姿に変わってしまったのです。様変わりの、この予期せざる結果に、人であれ物であれ何かと「外観を重視」するTad自身がとても戸惑っているのです。人生って、こんなことがよく起きるものですねえ。

  外観をTadが気に入って購入。

 ○  建屋内は全面リフォームして、まるで新築のような雰囲気(年齢で言えば、38歳くらい)

 二階のリビングからも、中二階にあるお風呂からも、真正面に富士山が見えるのですが、景色の邪魔になるとTadが言って、友達の「空師」さんに頼んで上から1/3程の部分を切り払って貰った結果、ご覧の写真のように、切り過ぎてしまったのです。1~2年もすれば、切り過ぎた杉の木の先が新芽で伸びてきて、枝ぶり全体としては綺麗な恰好にはなると周りから慰められているのですが。

日々の生活の本拠ではなくて仕事場なので、当初は、大幅なリフォームはしない予定だったのです。ところが、何度かダイヤランドに足を運んでいる内に、何事にも「外観」にこだわりを持つ性癖のあるTadが、「80歳代の老婆」と暮らすのは嫌だと言い出したのです。「前頭葉」が周りの環境から「負の刺激」を受け続けていると、老化が加速してしまうと言い張るのです。何しろこの建物ときたら、築20年の代物なのです。せめて「40歳代の若い人」と暮らしたいと言い張り、結果的には、38歳くらいにはなったと本人が嬉しそうに語る程全面的なリフォームとなってしまったのです。20歳代のように光り輝いているとは言えないまでも、未だ光を余韻として残している雰囲気の38歳くらいにはなったその姿の一部を、この後、お目にかけたいと思います。

  左前方には、駿河湾

  ○ 格子戸による「リビングの分割」は、実は、私Tadの発想なのです

元々はリビング部分とダイニング部分とが一緒になっていて、そこだけで 130㎡もあって、まるで小学校の教室に居るみたいな雰囲気。広すぎたのです。私Tadの案で格子戸を入れて、二つの空間に分割したのです。自画自賛する訳ではないのだけど、結果には大満足しているのです。後でうかがい知ったことなのですが、この部分の工事を担当された3人の大工さんたち自身が、余りにも素晴らしい成果を出したその変化に驚かれていたそうなのです。格子戸は4枚あり、そのうちの外側にある1枚を固定してあり、内側の3枚だけが動く仕掛けにしてあるのです。リビング部分は程よい広さとなって落ち着いた雰囲気があり、少し広めのダイニング部分は壁面を板張りにしたこともあり、お茶屋風の雰囲気を醸し出しています。天井に取り付けたダウン・ライトも私Tadの発案なのです。

     リビングからの夕景

  左前方は駿河湾と沼津市街              

 格子戸で区分けされたダイニング 

○ 「前頭葉の活性化」を図る為の「脳の使い方」としての『生活習慣』の構築は、他者との交流による「交遊」が不可欠となる:

 第二の人生を送っている私達高齢者にとっては、仕事と言うテーマが無いので、どうしても交流する対象の人達の数自体が少なくなり、且つ固定されたものになりがちです。伊豆高原と南箱根のダイヤランドの二重の生活を継続する中で、交流の対象となる人達の幅を広げ、何をどのように構築し実践することが『前頭葉』(前頭前野に局在する「前頭葉の三本柱の機能」【意欲、注意の集中力及び注意の分配力のことを言います】、「評価の物差しの機能」【意識の首座=自我】及び「実行機能」【Executive  Functionn】により構築される複合機能体とTadは理解しているのです。以下、同じ)を含む脳全体の「活性化」につながるのか体験的に追及してみたいと考えているのです。

 他者との交流の幅と機会とを増やし、特定の「テーマ」の実践を目的とした交遊を生活習慣化して、「前頭葉」の活性化に極めて有効であったと考えられる体験については、折々に、このブログでも報告したいと考えているのです。

伊豆高原に定住されお付き合いをしているお友達が、それ以前は、このダイヤランド内に住んでおられたので、何人かをまず紹介して頂いて、その上で、囲碁クラブやマージャンクラブや散歩の会やゴルフサークルなどにも顔を出し、お付き合いをして頂く友達の輪を、連鎖的に広げていきたいと考えているのです。ダイヤランド内に定住されている方々、別荘通いをされている方々、よろしくお願いします。

       (自宅の樹木)

 建物は、駐車場から玄関までの階段が43段もあって(6度歩く向きが変わる)、家の中の階段が「中二階」部分のそれも合わせると20段もあるのです。片道だけで63段にもなるのです。その階段を日々の生活の中で上り下りするだけでも、私たちが推奨している「速足での散歩」30分に相当するような脳の活性化による「意欲、注意集中力及び注意分配力」の機能の向上が見込めるものと、捕らぬ狸の皮算用をしているところなのです

    

 (写真は、本宅の庭のバラ群の一部です)

○ 高く跳ばんと欲するものは、先ずその膝を深く屈せよ:

中二階のトイレは、部屋がかなり広い空間になっているのです。そこに私がお気に入りの某メーカー製の小型のコンポを持ち込んだのです。新聞などを読むのではなくて、音楽を聴こうというのです。心の底が洗われるような曲を選んで聞いて、そこから次なるテーマを実行する強力な意欲を引き出し行動する中で、「脳」が活性化する「テーマ」とその組み立ての基礎となる行動要素としての「アイデア」を生み出そうという目算をしているのです。但し、場所が場所だけに「この部屋」の写真をこのブログには載せられないのが残念なのですが。

      (本宅も階段が多いのです)

 ○  伊豆高原とダイヤランドとの往復は、「伊豆スカイライン」

道中、富士山の綺麗な姿を見られる「scenery point」が何か所もあり、時折谷になった合間からは、「伊豆大島」の姿までもが見える上に両サイドの樹林の景色もよく、運転していて気持ちがとてもなごむのです。通行する車の数が極めて少ない状況にあるので、途中何か所かにある「イノシシの飛び出しに注意」の看板を除けば、まるで私Tadの通行のためにこの道を開発してくれたのかと、 通行するたびに感謝し、勝手に悦に入っているところなのです。

  韮山峠を抜けて

○   「二段階方式」の普及活動を続けることの目的とその将来像

 リビングから西の方を見ると、駿河湾と沼津の市街地を望め、灯りがともるころになるとそちらの景色もなかなか乙なものなのです。

このリビングに移動式の小さなデスクを持ち込んで、富士山や駿河湾や沼津の景色を眺めつつ、自身の脳をも活性化させながら、「二段階方式」の活用を基礎としたシステムをさらに改善させて、「アルツハイマー型認知症」についての正しい知識と情報とを世の中に提供していきたいと考えているのです。

日本だけでなく、世界中の認知症の専門家とされる人達や機関までもが、「発病の原因」なのではなくて発病の「単なる副産物」だとは考えもしないで、アミロイドベータの蓄積であるとか、タウ蛋白の蓄積であるとか、或いは脳の萎縮の進行であるとかの「因果関係」の存在が未だに実証されていない単なる「仮説としての発病の原因なるもの」を追い続けているのです。

その結果、「アルツハイマー型認知症は、発病の原因もわからないし、治すことも予防することも出来ない病気」と言う誤解が我が国を含め世界の隅々にまで流布し浸透しているのです。

そうした現在の状況を変革させて、「アルツハイマー型認知症は、発病を予防することも出来るし、早期の段階で見つければ、脳のリハビリによって治すことも出来る病気であり、「仕事とは無縁の生活」となる第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけを対象として発病する廃用症候群に属する老化廃用型の単なる生活習慣病である」という私たちの主張が理解されて、少なくとも我が国の隅々にまで浸透していき、市町村による発病の予防を目的とする「地域予防活動」並びに高齢者が家にこもる生活から抜け出て親しく交遊出来る「交流の駅」の設営による早期診断と脳リハビリの指導による回復及び症状の進行の抑制が、『第二の人生』を送っている「高齢者」を対象とし、且つ、全国的及び国民的な規模で実践される日が、出来るだけ早期に実現されることを信じて(わが天命を信じて)、身と心とを鍛えておこうと思っているのです。


       目的地はもうすぐ!!

「アルツハイマー型認知症」の発病の真の、直接の原因の発見、それは「コロンブスの卵」と後世の人々から揶揄されてもおかしくないほどの単純なものなのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病で苦しんでいる人達やナイナイ尽くしの「単調な生活」習慣の下で発病の予備軍となっている高齢者達の為にも、権威ある人達や機関が、私たち「二段階方式」の上述の主張内容が正しいことに、一年でも速く、一日でも速く、気づいて欲しいと切に願うのです。

米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である『DSM-Ⅳ』の第二要件が確認を要求する失語や失認や失行(紛い)の症状と言った末期の段階の症状の中でも『極めて重度の症状』が出てくるようになるのを待つのではなくて、「前頭葉」の機能障害の症状に焦点を当ててほしいのです。そうすれば、もっと軽い段階、本当の意味での「初期症状」、すなわち「回復させることが可能な段階」(私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)があることを理解することが出来るのです。   

     

   

(バラの季節の自宅の庭=”バラの館”と呼ばれることも)

 その為には、何時までラットやアルツハイマーマウスとかを追い掛け回すのではなくて、私たち人間に特有な機能であって、私達の意識的な世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能についての研究を進めて知識を蓄積する必要があるのです。
「アルツハイマー型認知症」の症状の程度及び態様は様々な形態で発現してきて、「脳のリハビリ」による回復の可能性と言う視点で私たちが区分する段階の「段階的な症状」(回復させることが容易である「小ボケ」の段階、回復させることが未だ可能である「中ボケ」の段階及び回復させることが困難な「大ボケ」の段階)となるのですが、その核心となるのが私たち人間だけに特有な「意識」の機能構造及び複合機能体である『前頭葉』(前頭葉の三本柱、評価の物差し及び実行機能)の機能レベルなのです。

 意識的(目的的)に何等かの「テーマ」を発想し実行しようとする場面で、期待されるそれなりのレベルでの実行(思考、言動、行為、行動、判断、意思決定等)が、(器質的な原因病変は存在していなくて、『前頭葉』を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因となり)出来なくなってくる病気、それが『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症なのです(「アルツハイマー型認知症」は、「意識が関わる」タイプの認知症なのです)。
社会生活面」で支障が出てくるのが「小ボケ」の段階であり、 家庭生活面」でも支障が出てくるのが「中ボケ」の段階であり、セルフケア」の面でも支障が出て来て『介護』が必要になるのが「大ボケ」の段階なのです。

      
(リビングから見下ろす道路は、サクラ並木の通りとなっています。桜の季節には、お友達をお呼びし、リビングから階下の桜を愛でながら、団子を楽しみます。
桜のあとは、バラを楽しんで、バラのあとは、ブーゲンビリアを楽しみます)。

その核心となる本当の意味での初期段階での中核となる症状とは、世に言われているような(認知症の専門家とされる人達や機関が主張しているような)「記憶障害」に起因した症状ではなく「前頭葉」の機能障害に起因した症状なのです

アルツハイマー型認知症』の発病の最初は、「小ボケ」の段階で、『前頭葉』の機能障害起因した症状だけが発現してくるのです(『MMSEで』判定される左脳と右脳は、正常な機能レベルに在るのが特徴)。『前頭葉』(「前頭葉の三本柱」の機能、評価の物差しの機能及び実行機能により構成される複合機能体)は、意識的な世界に於ける脳全体の「司令塔の役割」を担っている機能なのです。従って、⓵左脳、右脳及び運動の脳が正常な機能レベルに在ろうとも、②前頭葉』の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、異常なレベルに衰えて来た「小ボケ」の段階での「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットは、異常なものとなるのであり、『アルツハイマー型認知症』の発病と考えるべきものなのです(=社会生活面に支障。脳全体の機能レベルで、生活している)。
このことを分かりやすい表現で置き換えると、『意識的な世界(目的的な世界)は、左脳、右脳及び運動の脳が牽引する「三頭立ての馬車」を運行する世界であり、馬車の運行を支配し、管理しているのが「御者」であり、御者が居眠りし始めたら、馬車の目的に沿った的確な運航は困難となるでしょう』
意識的な世界』(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、異常なレベルに機能が衰えてきたその時(その段階=「小ボケ」の段階)から、『アルツハイマー型認知症』の発病の段階が始まっていると考えるべきなのです。

次いで、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、異常なレベルに衰えが進行してくる「中ボケ」(=家庭生活面にも支障)の段階が有り、最後に、末期の段階である「大ボケ」(=セルフケアの面にも支障=介護)の段階となるのです。
世界中の権威達は、「DSM -Ⅳ」の第一要件及び第二要件の規定内容が重大な誤りであることに気付かないで、両者の規定内容が正しいものとして受け入れているのです。その結果、『重度の物忘れの症状』及び失語、失認又は失行(紛い)の症状の発現が確認されて初めて、アルツハイマー型認知症の発病と判定(診断)する過ちを犯しているのです。

その結果、『MCI』(軽度認知障害)とかの意味不明であいまいで、主観的な基準を持ち出して来て、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を『不活発病とか、発病の前駆的状態』とか説明していて、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を、『アルツハイマー型認知症の発病』とは考えていなくて、『見落としている』のです。『アミロイドβ仮説』と『MCI の基準』という間違った誤りの主張権威達から提示され支持されている結果、厚労省が市町村に「作成と措置の実施」を指示した『認知症ケアパス作成の手引き』の中でも、基本の考え方として、提示されているのです。

そもそも「意識」自体について言えば、有史以来この方今日に至るまで、心理学者や脳科学者たちが、「意識」なるものの機能の発現のメカニズムについて未だに、誰一人として、理解できていないし定義できていないままで居るのです(今日現在もなお、専門家たちの間で、『意識は、人類最大の難問』とされているのです⇒ Tadが提示する『意識の機能構造図とその説明』については、Gブログの【G-02】を参照して下さい)。

いづれにしろ、私たちが集積し保持している情報や知識や脳機能データ程度のものは、専門家とされる人達が集まっている著名な独立行政法人には持っていただきたいのです。組織も大きく、人材も豊富で資金も豊かな上に、私たちの血税が投入されてもいるのですから。
 世界で最も権威があり医師や研究者達から無条件に信望されているあの米国精神医学会の診断規定であるDSM-Ⅳの規定と同じように、「アルツハイマー型認知症」の発病を判定する(初期症状を確認する)第一の要件が「記憶の障害」であるなどと誤解したままで居たのでは、何時まで経っても「目的地」に辿り着くことは出来ない相談なのです。

アミロイド・ベータ蓄積老人斑)を阻害し及び脳内から除去する方法(薬)が開発されようとも、そのことにより、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり/症状を治したり/症状の進行を抑制できることには、繋がらないのです。
アミロイドベータの蓄積と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には因果関係が存在していないからです。このことを明確に指摘しておきたいのです。
アミロイドベータ仮説の主張内容が誤りであること』について、完璧に実証できる脳機能データ』(二段階方式の手技を活用して集積した極めて精緻で極めて多数で、世界に誇れるレベルのものであり、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした類型的症状とがリンクしたもの)を4種類も、私たち「二段階方式」は集積していて、その解析結果をこのブログ上で公開してきているのです(「論文」としては、何処にも提出していないので、世の中には知られていないだけ)。

※ 『仮説』【世界的に通説の地位にあるのが、アミロイドβ仮説】を仮説の儘で、何時までも語り続けるのは、世の中を惑わすだけなのです。発病との間の因果関係実証できないのであれば、潔く、間違いであることを認めるべきなのです。

注) 本著作物(このブログB-37に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

    脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)    


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アルツハイマー型認知症に関する「テーマ」とその検索のための一覧表-(B- 28)

2015-01-15 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 塵も積もれば山となる ・ 涓涓塞がざれば終に江河となる ・ 雨垂れ石をも穿つ ・ 積羽舟を沈む

もうやめてしまおうかという気持ちを何度も押さえ込んで此処まで来ました。テレビに出てくる認知症の専門家とか名医とか紹介される人たちが話す内容に、抑えきれないほどの憤りを覚えるのです。その気持ちがここまでこのブログを続けてくる原動力にもなっています。その人達が話す内容をこのブログでテェックしてみてください。このブログに書かれている内容が正しいのです。その人達は、「アルツハイマー型認知症」については、ほとんど知らないのです。よくもあんな内容を知ったらしく話す気になると、驚きあきれるばかりなのです。プライドをどこかに置き忘れてしまっている人たちなのでしょう。

認知症全体の90%以上を占めていながら、認知症の専門家とされる人達(研究機関を含む)から、発病の原因もわからないし、治すことも出来ないし、発病を予防することも出来ないとされている「アルツハイマー型認知症」について、世界で唯一、発病のメカニズムを解明し、早期段階の発見と回復並びに発病の予防自体を、市町村における「地域予防活動」として実践し、実証してきたその具体的な成果に基づいて、概要を公開するブログです。

「早起きは、三文の徳」と言う諺がありますが、アルツハイマー型認知症について正しい知識を身に着け、日常の生活習慣に取り入れて実践すれば、極めて大きな得をすることになります。みなさんが関心のあるテーマを検索しやすいよう、このブログのアーカイブをまとめましたので、活用してみてください。

なお、東日本大震災の被災地の仮設に住む高齢者たちの間に、不活発病と名付けられる症状を示す人達が激増しているとの報道がありましたが、その原因は体ではなくて脳にあるのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続していることが直接の原因で「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに低下してきていることが原因なのです。詳しくは、下記A-12のブログをクリックして読んでみてください。

    

   :(「クリック」)をクリックすると、当該Noのテーマの記事に跳びます。


(A-01)認知症の解説は、どのブログも誤りだらけ(クリック

(A-02は、全体テーマの構想タイトルなので省略)

(A-03)脳機能のレベルと認知症の症状とのリンク(クリック

(A-04)主な認知症の種類と全体に占める比率(クリック

(A-05)器質的変化ではなくて廃用性の機能退化が本質(クリック

(A-06)アルツハイマー型認知症の対象は高齢者だけ(クリック

(A-07)脳を活性化させる魔法の散歩(クリック

(A-08)精神科医は、回復可能な「軽い段階」を見落としている(クリック

(A-09)末期段階の症状が認知症との誤解が世間の常識に(クリック

(A-10)脳血管性認知症と因果関係の確認(クリック

 

(A-11)脳血管性認知症に対する問題の提起(クリック

(A-12)不活発病の正体と回復方法(クリック

(A-13)脳の働きで見つける認知症と症状の3段階(クリック

(A-14)認知症の重症度別の人数の実態(クリック

(A-15)アルツハイマー型認知症は、治せる防げる(クリック

(A-16)軽度認知症(小ボケ)と脳の働き具合(クリック

(A-17)軽度認知症(小ボケ)に特有の症状(クリック

(A-18)中等度認知症(中ボケ)と脳の働き具合(クリック

(A-19)中等度認知症(中ボケ)に特有の症状(クリック

(A-20)重度認知症(大ボケ)と脳の働き具合(クリック

 

(A-21)重度認知症(大ボケ)に特有の症状(クリック

(A-22)アルツハイマー型認知症の回復と予防を国民的なテーマに(クリック

(A-23)老化の物忘れと認知症の記憶障害(クリック

(A-24)意識的な行為と脳の働き方(クリック

(A-25)認知症の専門家は、「前頭葉」の働きを無視している(クリック

(A-26)認知症の年齢別発症頻度とその意味(クリック

(A-27)年齢別の発症頻度の高さと日本人の価値観(クリック

(A-28)「かくしゃく老人」と生活の楽しみ方(クリック

(A-29)アルツハイマー型認知症になる「お年寄り」の特徴(クリック

(A-30)アルツハイマー型認知症発病のメカニズム(クリック

 

(A-31)アルツハイマー型認知症の早期診断と回復並びに予防(クリック

(A-32)ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まるキッカケ(クリック

(A-33)単調な生活が始まる「キッカケ」となる生活状況の事例(クリック

(A-34)症状の継続期間と「脳の老化のスピード差」をもたらす要因(クリック

(A-35)東日本大震災の被災地における「地域予防活動」が重要(クリック

(A-36)アルツハイマー型認知症の治療法は、脳のリハビリ(クリック

(A-37)アルツハイマー型認知症を予防するための「五カ条」(クリック

(A-38)アルツハイマー型認知症の脳の衰え方の特徴(クリック

(A-39)MMS下位項目の衰え方とその規則性(クリック

(A-40)アルツハイマー型認知症の早期診断と「二段階方式」(クリック

 

(A-41)個別・集団別のデータとその時系列管理(クリック

(A-42)「二段階方式」の活用とアルツハイマー型認知症の予防活動(クリック

(A-43)市町村による地域予防活動の展開(クリック

(A-44)認知症の主な種類とその比率 Q/A Room(クリック

(A-45)アルツハイマー型認知症の診断と基準 Q/A Room(クリック

(A-46)物忘れは認知症の始まりなのか Q/A Room(クリック

(A-47)介護及び予防活動は、何を基準に考えるのか Q/A Room(クリック

(A-48)アルツハイマー型認知症の脳の働きと症状との関係 Q/A Room(クリック

(A-49)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(小ボケ)Q/A Room(クリック

(N-50)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(中ボケ)Q/A Room(クリック

 

(A-51)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(大ボケ)Q/A Room(クリック

(A-52)アルツハイマー型認知症の段階的症状(総集編)Q/A Room(クリック

(A-53)アルツハイマー型認知症の早期発見とその方法 Q/A Room(クリック

(A-54)アルツハイマー型認知症を予防する脳の活性化方法 Q/A Room(クリック

(A-55)地域予防活動と保健師さんに期待される役割 Q/A Room(クリック

(A-56)認知症の地域予防と脳を活性化する生活習慣の指導 Q/A Room(クリック

(A-57)認知症の地域予防活動と展開上の基本的な骨格 Q/A Room(クリック

(A-58)アルツハイマー型認知症の発病と単調な生活習慣 Q/A Room(クリック

(A-59)アルツハイマー型認知症とその治療薬の開発 Q/A Room(クリック

(A-60)アルツハイマー型認知症の原因と予防法(脳の使い方)Q/A Room(クリック

 

(A-61)アルツハイマー型認知症の予防を国民的な課題に Q/A Room(クリック

(A-62)アルツハイマー型認知症の最初の段階と不活発病 Q/A Room(クリック

(A-63)アルツハイマー型認知症と脳の機能レベルとの関係 Q/A Room(クリック

(A-64)アルツハイマー型認知症からの回復と治療薬 Q/A Room(クリック

(A-65)アルツハイマー型認知症の発病とそのキッカケ Q/A Room(クリック

(A-66)アルツハイマー型認知症の発病と単調な生活が始まるキッカケ(クリック

(A-67)アルツハイマー型認知症の症状の進行と段階的症状の各期間(クリック

(A-68)単調な生活が始まるキッカケとなる生活状況(クリック

(A-69)単調な生活が始まるキッカケとなる生活状況とその経過(クリック

(A-70)保健師さんが核になるアルツハイマー型認知症の地域予防活動(1)(クリック

 

(A-71)保健師さんが核になるアルツハイマー型認知症の地域予防活動(2)(クリック

(A-72)アルツハイマー型認知症専門ブログ(発病の原因、回復と予防)(クリック

(A-73)アルツハイマー型認知症の正体は、生活習慣病なのです(クリック

(A-74)脳血管性認知症の診断に関わる種々の問題の指摘と国民的課題提起(クリック

(A-75)アルツハイマー型認知症の症状は、こんな風に段階的に現れるもの(クリック

(A-76)アルツハイマー型認知症を発症する脳の機能レベルと症状との関係(クリック

(A-77)アルツハイマー型認知症の発病原因を知る鍵と脳の働き方メカニズム(クリック

(A-78)アルツハイマー型認知症の発病原因と生き方(日本人の価値観)(クリック

(A-79)アルツハイマー型認知症の発病原因と生き方(その2)(クリック

(A-80)発病の引き金となる「単調な生活」の開始とそのキッカケ(クリック

 

(A-81)ナイナイ尽くしの単調な生活が始まるキッカケとその類型(クリック

(A-82)アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる生活習慣(クリック

(A-83)アルツハイマー型認知症の進行、段階的症状と治療の可能性(クリック

(A-84)アルツハイマー型認知症の治療と回復に係る問題点(クリック

(A-85)アルツハイマー型認知症の治療-小ボケからの回復(クリック

(A-86)アルツハイマー型認知症の治療-中ボケからの回復(クリック

(A-87)アルツハイマー型認知症の発病原因と症状の進行の特徴(クリック

(A-88)アルツハイマー型認知症の進行とその過程及び特徴(クリック

(A-89)アルツハイマー型認知症の発病及び進行と前駆的症状との関係(クリック

(A-90)アルツハイマー型認知症は治らないとされる本当の理由(クリック

 

(A-91)物忘れの多発は、アルツハイマー型認知症の前駆症状なのか(クリック

(A-92)アルツハイマー型認知症の発病とあなたのリスク度を考える(クリック

(A-93)アルツハイマー型認知症の発病予防に効果がある5つの秘策(クリック

(A-94)家族介護から市町村と地域とが協同展開する地域予防活動へ(クリック

(A-95)家族介護の負担を劇的に軽減させる地域予防活動の創成(クリック

(A-96)脳が活性化されたハワイ旅行の楽しい日々の想い出写真(クリック

(A-97)アルツハイマー型認知症発病のキッカケとなる転倒のメカニズム(クリック

(A-98)アルツハイマー型認知症の症状、症状の進行及び治療の方法(クリック

(A-99)それとは知れず密かに忍び寄るボケがアルツハイマー型認知症(クリック

(A-100)このブログのアーカイブ

    

(B-01)アルツハイマー型認知症の早期診断による回復と発病の予防(クリック

(B-02)認知症の予防と脳を活性化する生活習慣「一芸を極める」(クリック

(B-03)アルツハイマー型認知症の治療と予防を可能にする薬の開発の可能性(クリック

(B-04)脳の老化現象とアルツハイマー型認知症の初期症状との差異(クリック

(B-05)アルツハイマー型認知症の症状が進行する原因とその特徴(クリック

(B-06)アルツハイマー型認知症の回復が可能な本当の意味での初期症状とその正体(クリック

(Bー07)東日本大震災の被災地の高齢者とアルツハイマー型認知症の発病との関係(クリック

(B-08)「前頭葉」の異常な機能低下とアルツハイマー型認知症の初期症状(クリック

(B-09)アルツハイマー型認知症の発病原因から見た意識の枠組みとの関係(クリック

(B-10)アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅠ(クリック

 

(B-11)アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅡ(クリック

(B-12)アルツハイマー型認知症の発病原因から見る意識の枠組みーⅢ(クリック

(B-13)アルツハイマー型認知症は、防げる治せる(クリック

(B-14)アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる生活習慣の構築ーⅠ(クリック

(B-15)脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅡ(クリック

(B-16)脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅢ(クリック

(臨時掲載)情報発信基地としての伊豆高原の我が家(クリック)

(B-17)脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅣ(クリック

(B-18)脳を活性化させる「生活習慣」の構築ーⅤ(クリック

(B-19)アルツハイマー型認知症の初期症状から見た発病のメカニズム(クリック

(B-20)脳の働き方とアルツハイマー型認知症との関係(クリック

    

(B-21)アルツハイマー型認知症の「中ボケ」の症状と記憶障害との関係&2(クリック

(B-22)アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係&3(クリック

(B-23)アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係&4(クリック

(B-24)学者や研究者は、何時まで、「迷路」をさ迷い歩くのか(クリック

(B-25)アルツハイマー型認知症の発病と脳の老化の問題(クリック

(B-26)脳が活性化される生活とは、例えばどんなことなのか(クリック

(B-27) 認知症の)90%以上がアルツハイマー型認知症なのです(クリック


 注)本著作物(このブログに記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

       機能からみた認知症の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

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脳の働き方とアルツハイマー型認知症との関係 -&1 (B-20)

2014-09-15 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 日の本に はびこるものが 認知症

         予防はおろか 治療もしない  By kinukototadao


   


&1「意識的な世界」における「脳の働き方」のメカニズム

私たちの頭のてっぺんの所には、身体を動かす指令を出す「運動の脳」があります。脳卒中で、半身麻痺になる人がいます。運動の脳の左の部分が壊れると、右半身麻痺が起きます。右の部分が壊れると、左半身麻痺が起きます。運動の脳の左の部分が右半身を動かしていて、右の部分が左半身を動かしているのです。

  脳の後ろの左側部分には、勉強や仕事などをする為の「左脳」があります。左脳は、言葉や計算や論理や場合分けによるシミュレーションなど「デジタルな情報」を処理しているのです。

 脳の後ろの右側部分には、趣味や遊びや人付きあいなどを楽しむ為の「右脳」があります。右脳は、色や形や空間の認知や感情の処理など「アナログな情報」を処理しているのです。

     

額のところには、脳全体の司令塔の役割をつかさどる「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)があります。私たちが意識的に何かのテーマを実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(身体を動かすテーマ)、「左脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(言葉や計算や論理や場合分けなどのテーマ)、「右脳」をどのような目的の為にどのように働かせるか」(色や形や空間認識や感情の処理などのテーマ)、全ては司令塔の「前頭葉」が周りの状況を判断して決定し、指令を出しているのです。

その「前頭葉」には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察をしたり、或いは機転を利かせたりするなどの様々な働きが詰まっています。更には、自分の置かれている状況を判断し、種々ケースワークした上で、実行テーマの内容や実行の仕方を選択して、最終的に決定するために必要な「評価の物差し」という大事な働きがあります。この状況の判断に伴うテーマや実行内容、或いは実行の仕方やその程度及び態様を選択する機能こそ、私たち人間に特有の機能でもあるのです。

    

これが、「意識的な世界」における私達人間だけが獲得した脳の働き方のメカニズムなのです。言い換えれば、運動の脳、左脳、右脳という「三頭立ての馬車」をあやつる御者の役割をしているのが、「前頭葉」なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、「前頭葉」の働き次第ということなのです。使われる機会が極端に少ないことに起因して発生する廃用性の加速度的な機能低下を直接の原因として、司令塔の「前頭葉」の働きを含む脳の働きが異常なレベルに衰えてきて、そのために社会生活や家庭生活やセルフ・ケアなどに支障が起きてくるのが、「アルツハイマー型認知症」という病気なのです。すなわち、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であると言うのが私たちの主張なのです。

脳の司令塔の「前頭葉」がちゃんと働かなくなった時点で、ほんの少し前に食事をしたばかりなのに、そのことさえ思い出せないような「重度の記憶障害」が出てくるようになるはるか前の段階で、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっている、そのことに認知症の専門家とされる人達が未だに気づいていないのです。

 

   

 &2「前頭葉」の三本柱に潜む加齢とともに機能が低下する性質

皆さんは、「物忘れ」と言う言葉をご存知でしょう。30歳代の後半になるとこの物忘れの症状が出てくるようになり、加齢とともにその頻度が増えていき、その程度や態様も重くなっていきます。昔から言い古されている諺に、「物忘れは、ボケの始まり」と言うのがありますが、これは間違いです。「前頭葉」の働きが詳しく知られていなかった時代の産物、症状だけから組み立てられた諺に過ぎないので、ご安心を(ここを「クリック」してください)。

ところで、その「前頭葉」には、もっと詳しく言うと「前頭葉」の三本柱の機能には、30歳代以降、加齢とともにその働き具合が衰えていくという性質(私たちの命名である、「正常老化の性質」)が潜んでいるのです。60歳を超える年齢の「高齢者」の脳に潜む正常老化の性質と生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、「ナイナイ尽くしの単調な生活」(私たち独自の命名です)が継続されている生活習慣(脳の使い方と言う視点)の下で、両者の相乗効果により、「前頭葉」を含む脳の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです。その行きつく先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです(ここを「クリック」してください)。その最初の段階を、私たちは「軽度認知症」(小ボケ)と名付けているのです。

   

 「アルツハイマー型認知症」の最初の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階は、左脳と右脳と運動の脳は未だ正常なレベルにあるのですが、脳全体の司令塔である「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきているのです。そのため、「前頭葉」の機能のうち最も重要な「三本柱」の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」が的確に発揮されなくなります。

この「三本柱」の機能の衰え具合の相乗効果としての働き具合いが、いろいろな認知機能の対象となる情報や思考の処理に関わる「認知度」及び「発揮度」を左右しているのです。その結果、「小ボケ」の段階では、この「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきていることの機能障害を反映した「前頭葉」の機能障害を示す症状が「小ボケの症状」として特徴的に現れてくるということなのです。

「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えたその反映が、状況の判断や、発想や企画や計画や洞察や機転や感動や決定や抑制といった「前頭葉」の各種機能の「認知度」及び「発揮度」に直接影響してくるために、対象となる情報や思考の認知及び記銘やその保持や想起並びに処理の面でも、機能の発揮が不的確で不十分なものとなるのです(「二重構造」の反映)。その結果、的確な状況の判断、発想、計画、創意、工夫、機転といった機能、或いは的確な見通しや意思決定などが要求される、「社会生活」の面で、程度や態様を含む種々の支障が出てくるようになります。「社会生活」面での種々のトラブルが生じてくるようになるのです。これは単なる「老化現象」ではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した「前頭葉」の機能障害による病気、すなわち、「認知症の症状」なのです。

上述したナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている下で、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことにより、「小ボケ」の段階では未だ正常なレベルにあった「左脳」及び「右脳」までもが異常なレベルに機能低下してくるので、「家庭生活」に支障が出てくるようになる「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていき、最後には、末期の段階でありセルフケアにも支障が出てくる「重度認知症」(大ボケ)の段階へと症状が進行していくことになるのです。認知症の専門家とされる人達は、「前頭葉」の機能レベルという視点を持たないか、或いはそれを精緻に計測し判定することが出来る「二段階方式」のような手技を持たないので、「症状」という外観だけからしか判定しようとしないのです。

医療の現場を眺めると、高額の費用が掛かるCTやMRIなどの画像診断機器を活用している医師達が相当数居る訳ですが、そうした機器の活用では「脳の形」を判定することは出来ても「脳の働き具合」を判定することは出来ないことを知るべきなのです。たとえf-MRIを活用しようとも、「前頭葉」の機能レベルを処理テーマに沿って精緻に判定することは出来ないのです。その結果として、外観から分かり易い「記憶の障害」に関わる症状で且つ程度が重い症状ばかりに目が行くことになるのです。「記憶の障害」に関わる認知症レベルの症状は、私たちの区分で言う「中等度認知症」(中ボケ)の段階にまで「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきて初めて発現してくることになることを注意喚起しておきたいのです。

    


&3「老化現象」と「認知症の症状」とを鑑別する為の必須条件

ここで皆さんに更に注意を喚起しておきたいのは、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階に特有なこうした症状は(&4に詳細な症状を列記)、単なる「老化現象」ではないということなのです。老化現象なのであれば、その人の「前頭葉」の機能は正常なレベルにないといけないからです。医師や研究者を含め認知症の専門家とされる人達は、私達人間だけに備わる特有な機能である「前頭葉」の働き方のメカニズムに精通していないか、又は関心がないか、或いは「前頭葉」の機能レベルを精緻に計測し判定する手技を持たないので、症状を外観のみから判断する結果、「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきたことに起因して発現している症状(「アルツハイマー型認知症」の症状)を「前頭葉」の機能が未だ正常なレベルにあって(単に、機能低下の状態に過ぎない段階で)発現してくるのが特徴である「老化現象」と誤解しているだけなのです。

   


&4「記憶障害」は、アルツハイマー型認知症の必須の症状なの?

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってきた

□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない

□  同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ

□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている

□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなった

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ

□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる

□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になってくる

□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとするようになった

□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になった

□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない

□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

  

上に列記してある症状は全て、私たちの区分で言うところの「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現する「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴です。この「小ボケ」の段階では未だ、「左脳も右脳も運動の脳」も全て正常な機能レベルにあることに注意が必要です。

「前頭葉」を含む脳の働きが異常なレベルに衰えてきて、そのことが直接の原因となって、最初の段階では「社会生活」に支障が出てくるようになり(小ボケ)、次いで「家庭生活」に支障が出てくるようになって(中ボケ)、最後には、「セルフケア」にも支障が起きてくるようになる(大ボケ)のが、「アルツハイマー型認知症」という病気の進行の特徴なのです(ここを「クリック」してください)。認知症の専門家とされる人達は、「前頭葉」を含む脳の機能レベルに見合った「段階的な症状」が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であるにも拘わらず、そのことについて全く気づかないでいて、重度の記憶障害の症状を中心とした色々なレベルの症状をアトランダムに並べ立てているだけなのです。

「アルツハイマー型認知症」としての「認知症の症状」が現れてくる最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階で認められるそれらの症状は、世界で最高の権威とされる米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」が言うようなレベルの「記憶障害」の症状とは全く関係が無いのです。「前頭葉」の機能の根幹(基礎)をなしていて、「前頭葉」の各種の高度な機能の「認知度及び発揮度」を左右している「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」という「三本柱の機能」が異常なレベルに衰えていることの直接の反映が、認知症の症状として現れてくるだけなのです。つまり、「小ボケ」の段階では、「三本柱」の機能障害に起因する「前頭葉」の機能障害を反映した症状が「認知症の症状」として現れてくるだけなのです。

勿論この段階では、上述の類型化した症状に見る通り、「DSM-4」で第二の要件として規定されている「失語や失行や失認」などの重い症状は、そのカケラさえも認められないということに注意が必要なのです。上述した人間の脳のメカニズム、特に、司令塔の役割を担う「前頭葉」の働きからしても、そもそも「前頭葉」と言う機能を持たない「ラット」の行動、特に、迷路をどう通って行って餌にありつくのか等のレベルの行動をどんなに詳しく観察してみたところで、私たちが問題提起している本当の意味での早期の段階、中でも最初の「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状が発現してくるメカニズムを解明することは到底できない相談だということをここで強調しておきたいのです。

  

(コーヒー・ブレイク)

「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれにリンクした症状との関係を精緻にとらえる私たちの「二段階方式」の手技を活用した何万例にも上る多数の「脳機能データ」が示しているのは、「アルツハイマー型認知症」の第一の要件は、「DSM-4」が第一の要件として掲げている「記憶の障害」ではなくて、「前頭葉」の異常な機能低下だということを、「アルツハイマー型認知症」の研究者や医師や学者達に問題提起し、ここにそのことを明確に指摘しておきたいのです(ここを「クリック」してください)。

「DSMー4」を含むこれまでの学説は、「記憶の障害」を第一の要件と誤解しているがために、発病の直接の原因ではなくて、発病し重度の段階(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)にまで症状が進行した結果としての副産物に過ぎない、アミロイドベータの蓄積による老人斑の発現(「アミロイドベータ」の蓄積が発病の原因であると主張する仮説)やらタウ蛋白の蓄積による神経原線維変化の発現(「タウ蛋白」の蓄積が発病の原因であると主張する仮説)、或いは脳の萎縮(脳の萎縮が発病の原因であると主張する仮説)が発病の原因だなどと誤った主張を繰り返すことになってしまっているのです(ここを「クリック」してください)。

回復させることが困難な「末期の段階」、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階の人達の死後の脳の解剖結果に着目するのではなくて、私たちがやってきたように、生きている人間の、「前頭葉」を含む脳の機能レベルの変化とそれにリンクした症状の変化に目を向けてほしいと願うのです。「記憶の障害」が第一の要件だと誤解したままで、更には、脳の機能として「前頭葉」と言う機能自体を持たないラットの迷路で餌を見つけようとするだけの行動をどんなに子細に観察してみたところで、時間と費用と人材の無駄遣いにしか終わらないことに誰かが早く気付くべきなのです。ラットが迷路の中を餌にたどり着くまでの過程でのその記憶、或いはシミュレーションは、特定の方向とその距離だけに特化して活性化する特定のニューロンの働きの合成の結果として探索されるだけの行程のそれにすぎず、右脳や左脳や運動の脳や評価の物差し或いは記憶の倉庫等を駆使して、司令塔の「前頭葉」が三本柱の働きの助けを受けてシミュレーションし、記銘した様々な情報の記憶は、ラットのそれとは脳の構造及びその働きと言う視点から見て異次元の物であり、比較に値しないし、両者のそうした相違を無視し、或いはそれを同一視して比較する考え方そのものが発想力に乏しく原始的に過ぎるのではと思うのです。


  

注)本著作物(このブログB-20に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

       脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

    

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このブログのアーカイブ(これまでの掲載記事のテーマ一覧) A-100

2013-12-15 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 

   ―  歳月は人を待たず  

       脳の老化は人を選ばず 

           ただ物忘れが増えていくだけ

   ―  未だあると  

            思うほどにはあらざるか

                    数える程のこの後の歳月

                            By kinukototadao

 

 ● 【積土成山】 せきどせいざん

          ● Many a little makes a mickle. 
 
                   ● 塵も積もれば山となる     

 東日本大震災の被災地の「高齢者」に少しでも知っていただきたいとの強い想いで、緊急発進して駆り立てられるように書き始めた私のブログも(NO-100)まで来ました。

みなさんが関心のあるテーマを検索しやすいよう、このブログのアーカイブをまとめましたので、活用してください。

 :(「クリック」)をクリックすると、そのNoのテーマの記事に跳びます。

(A-01)認知症の解説は、どのブログも誤りだらけ(クリック

(A-02)は、構想タイトルなので省略)

(A-03)脳機能のレベルと認知症の症状とのリンク(クリック

(A-04)主な認知症の種類と全体に占める比率(クリック

(A-05)器質的変化ではなくて廃用性の機能退化が本質(クリック

(A-06)アルツハイマー型認知症の対象は高齢者だけ(クリック

(A-07)脳を活性化させる魔法の散歩(クリック

(A-08)精神科医は、回復可能な「軽い段階」を見落としている(クリック

(A-09)末期段階の症状が認知症との誤解が世間の常識に(クリック

(A-10)脳血管性認知症と因果関係の確認(クリック

 

(A-11)脳血管性認知症に対する問題の提起(クリック

(A-12)不活発病の正体と回復方法(クリック

(A-13)脳の働きで見つける認知症と症状の3段階(クリック

(A-14)認知症の重症度別の人数の実態(クリック

(A-15)アルツハイマー型認知症は、治せる防げる(クリック

(A-16)軽度認知症(小ボケ)と脳の働き具合(クリック

(A-17)軽度認知症(小ボケ)に特有の症状(クリック

(A-18)中等度認知症(中ボケ)と脳の働き具合(クリック

(A-19)中等度認知症(中ボケ)に特有の症状(クリック

(A-20)重度認知症(大ボケ)と脳の働き具合(クリック

 

(A-21)重度認知症(大ボケ)に特有の症状(クリック

(A-22)アルツハイマー型認知症の回復と予防を国民的なテーマに(クリック

(A-23)老化の物忘れと認知症の記憶障害(クリック

(A-24)意識的な行為と脳の働き方(クリック

(A-25)認知症の専門家は、「前頭葉」の働きを無視している(クリック

(A-26)認知症の年齢別発症頻度とその意味(クリック

(A-27)年齢別の発症頻度の高さと日本人の価値観(クリック

(A-28)「かくしゃく老人」と生活の楽しみ方(クリック

(A-29)アルツハイマー型認知症になる「お年寄り」の特徴(クリック

(A-30)アルツハイマー型認知症発病のメカニズム(クリック

 

(A-31)アルツハイマー型認知症の早期診断と回復並びに予防(クリック

(A-32)ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まるキッカケ(クリック

(A-33)単調な生活が始まる「キッカケ」となる生活状況の事例(クリック

(A-34)症状の継続期間と「脳の老化のスピード差」をもたらす要因(クリック

(A-35)東日本大震災の被災地における「地域予防活動」が重要(クリック

(A-36)アルツハイマー型認知症の治療法は、脳のリハビリ(クリック

(A-37)アルツハイマー型認知症を予防するための「五カ条」(クリック

(A-38)アルツハイマー型認知症の脳の衰え方の特徴(クリック

(A-39)MMS下位項目の衰え方とその規則性(クリック

(A-40)アルツハイマー型認知症の早期診断と「二段階方式」(クリック

 

(A-41)個別・集団別のデータとその時系列管理(クリック

(A-42)「二段階方式」の活用とアルツハイマー型認知症の予防活動(クリック

(A-43)市町村による地域予防活動の展開(クリック

(A-44)認知症の主な種類とその比率 Q/A Room(クリック

(A-45)アルツハイマー型認知症の診断と基準 Q/A Room(クリック

(A-46)物忘れは認知症の始まりなのか Q/A Room(クリック

(A-47)介護及び予防活動は、何を基準に考えるのか Q/A Room(クリック

(A-48)アルツハイマー型認知症の脳の働きと症状との関係 Q/A Room(クリック

(A-49)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(小ボケ)Q/A Room(クリック

(A-50)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(中ボケ)Q/A Room(クリック

 

(A-51)アルツハイマー型認知症のチェックリスト(大ボケ)Q/A Room(クリック

(A-52)アルツハイマー型認知症の段階的症状(総集編)Q/A Room(クリック

(A-53)アルツハイマー型認知症の早期発見とその方法 Q/A Room(クリック

(A-54)アルツハイマー型認知症を予防する脳の活性化方法 Q/A Room(クリック

(A-55)地域予防活動と保健師さんに期待される役割 Q/A Room(クリック

(A-56)認知症の地域予防と脳を活性化する生活習慣の指導 Q/A Room(クリック

(A-57)認知症の地域予防活動と展開上の基本的な骨格 Q/A Room(クリック

(A-58)アルツハイマー型認知症の発病と単調な生活習慣 Q/A Room(クリック

(A-59)アルツハイマー型認知症とその治療薬の開発 Q/A Room(クリック

(A-60)アルツハイマー型認知症の原因と予防法(脳の使い方)Q/A Room(クリック

 

(A-61)アルツハイマー型認知症の予防を国民的な課題に Q/A Room(クリック

(A-62)アルツハイマー型認知症の最初の段階と不活発病 Q/A Room(クリック

(A-63)アルツハイマー型認知症と脳の機能レベルとの関係 Q/A Room(クリック

(A-64)アルツハイマー型認知症からの回復と治療薬 Q/A Room(クリック

(A-65)アルツハイマー型認知症の発病とそのキッカケ Q/A Room(クリック

(A-66)アルツハイマー型認知症の発病と単調な生活が始まるキッカケ(クリック

(A-67)アルツハイマー型認知症の症状の進行と段階的症状の各期間(クリック

(A-68)単調な生活が始まるキッカケとなる生活状況(クリック

(A-69)単調な生活が始まるキッカケとなる生活状況とその経過(クリック

(A-70)保健師さんが核になるアルツハイマー型認知症の地域予防活動(1)(クリック

 

(A-71)保健師さんが核になるアルツハイマー型認知症の地域予防活動(2)(クリック

(A-72)アルツハイマー型認知症専門ブログ(発病の原因、回復と予防)(クリック

(A-73)アルツハイマー型認知症の正体は、生活習慣病なのです(クリック

(A-74)脳血管性認知症の診断に関わる種々の問題の指摘と国民的課題提起(クリック

(A-75)アルツハイマー型認知症の症状は、こんな風に段階的に現れるもの(クリック

(A-76)アルツハイマー型認知症を発症する脳の機能レベルと症状との関係(クリック

(A-77)アルツハイマー型認知症の発病原因を知る鍵と脳の働き方メカニズム(クリック

(A-78)アルツハイマー型認知症の発病原因と生き方(日本人の価値観)(クリック

(A-79)アルツハイマー型認知症の発病原因と生き方(その2)(クリック

(A-80)発病の引き金となる「単調な生活」の開始とそのキッカケ(クリック

 

(A-81)ナイナイ尽くしの単調な生活が始まるキッカケとその類型(クリック

(A-82)アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる生活習慣(クリック

(A-83)アルツハイマー型認知症の進行、段階的症状と治療の可能性(クリック

(A-84)アルツハイマー型認知症の治療と回復に係る問題点(クリック

(A-85)アルツハイマー型認知症の治療-小ボケからの回復(クリック

(A-86)アルツハイマー型認知症の治療-中ボケからの回復(クリック

(A-87)アルツハイマー型認知症の発病原因と症状の進行の特徴(クリック

(A-88)アルツハイマー型認知症の進行とその過程及び特徴(クリック

(A-89)アルツハイマー型認知症の発病及び進行と前駆的症状との関係(クリック

(A-90)アルツハイマー型認知症は治らないとされる本当の理由(クリック

 

(A-91)物忘れの多発は、アルツハイマー型認知症の前駆症状なのか(クリック

(A-92)アルツハイマー型認知症の発病とあなたのリスク度を考える(クリック

(A-93)アルツハイマー型認知症の発病予防に効果がある5つの秘策(クリック

(A-94)家族介護から市町村と地域とが協同展開する地域予防活動へ(クリック

(A-95)家族介護の負担を劇的に軽減させる地域予防活動の創成(クリック

(A-96)脳が活性化されたハワイ旅行の楽しい日々の想い出写真(クリック

(A-97)アルツハイマー型認知症発病のキッカケとなる転倒のメカニズム(クリック

(A-98)アルツハイマー型認知症の症状、症状の進行及び治療の方法(クリック

(A-99)それとは知れず密かに忍び寄るボケがアルツハイマー型認知症(クリック

(A-100)このブログのアーカイブ

シダの部分をTadが散髪

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

機能からみた認知症の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

(N-101)アルツハイマー型認知症の早期診断による回復と発病の予防(クリック

(N-102)認知症の予防と脳を活性化する生活習慣「一芸を極める」(クリック

(N-103)アルツハイマー型認知症の治療と予防を可能にする薬の開発の可能性(クリック

(N-104)脳の老化現象とアルツハイマー型認知症の初期症状との差異(クリック

(N-105)アルツハイマー型認知症の症状が進行する原因とその特徴(クリック

(N-106)アルツハイマー型認知症の回復が可能な本当の意味での初期症状とその正体(クリック

(N-107)東日本大震災の被災地の高齢者とアルツハイマー型認知症の発病との関係(クリック

2014年は、「脳を活性化する生活習慣の構築とその実践」をテーマに、都度関連する場面での「アルツハイマー型認知症」に関係するテーマを取り上げていきたいと考えています。「脳を活性化しよう」、「人生を自分なりに楽しもう」といくら呼びかけても、何しろ日本人は、働くことにしか価値を見いだせない民族らしくて、「どうしたらいいの?」とスグ聞いてくるのです。おまけに、何でも周りと比べて、自分が負けているとかいないとか、気にして騒ぐ傾向がとても強いのです。具体的な場面を取り上げて解説する予定です(万年カレンダーのように、31のケースを取り上げる予定)。

注)本著作物(このブログA-100に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

 脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません

  http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/95c2a476097fda6da8f4056b0d03e5ad

 

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アルツハイマー型認知症の症状、症状の進行及び治療の方法(A-98)

2013-11-15 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 今回は、みなさんがインターネットで検索してこられる関心が高いテーマについて、これまでのブログの中から選択的に関連内容をまとめ、総集編として、整理してみました。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム、症状の進行の原因とその段階の区分、早期診断による回復の可能性と薬の服用による効果等について、比較的簡便に概観できることと思います。

 あれもこれも ナイナイ尽くしで

      出番が少ない 脳は老化を加速する   By kinukototadao

 ○ 「アルツハイマー病」と「アルツハイマー型認知症」との差異に注意が必要

 「アルツハイマー病」と「アルツハイマー型認知症」とをまとめて「アルツハイマー病」と呼ぶ人達がいますが、世間一般の人達に誤解と不必要な恐怖を生じさせるだけで、「百害あって、一利なし」だと思うのです。両者は本質が全く異なる病気なのだから、それぞれの呼称を「アルツハイマー病」(或いは、「若年性アルツハイマー病」)及び「アルツハイマー型認知症」(或いは、「老年性アルツハイマー病」)と使い分けるべきなのです。

両者は解剖所見ベースでは似ていても、発病の原因も、発病のメカニズムも、発病後の症状の進行の度合いも、回復の可能性も全て異なるものなのです。認知症の専門家とされながらも「アルツハイマー型認知症」のことをよく知らない人達が、「重度の記憶障害」の症状と「解剖所見」による特徴とが似ていることで両者を混同し、両者を総称して「アルツハイマー病」と言っているだけなのです。

 ○「アルツハイマー病」とは、そもそも「アルツハイマー病」とは、ドイツの精神科医アルツハイマー博士が1907年、52歳で発症し、急速に記憶障害や認知障害が進行して数年で亡くなった女性の症例を、新しい病気として発表したことに名前の由来がある認知症なのです。「アルツハイマー病」は、30歳代から50歳代までの若い年齢を対象に発病するので、厳密な呼称では「早発型アルツハイマー病」(或いは、「若年性アルツハイマー病」)とも言います。発病の原因は遺伝子の異常であり、特定の遺伝子に生まれつき異常がある人だけが発病する、極めて特殊なタイプの認知症なのです。博士は気づかなかったのですが、その後の研究により、アミロイド前駆体タンパク遺伝子 (APP)、プレセニリン1遺伝子(PSEN1)及びプレセニリン2遺伝子(PSEN2)の3つのタイプの遺伝子が「アルツハイマー病」(「若年性アルツハイマー病」)を発病させる「原因遺伝子」として同定されています。   

 働き盛りの「若い年齢」で発病し、僅か2~3年で寝たきり状態になるほど症状の進行が極めて急激です。「アルツハイマー病」は、現代の医療技術では、治すことも予防することも出来ません。幸いなことに、「アルツハイマー病」が認知症全体に占める割合は1%程度です。一般の皆さんの場合は、この本来の「アルツハイマー病」(厳密な呼称では、「若年性アルツハイマー病」)の人にお目にかかる機会は稀なはずです。

 「アルツハイマー型認知症」とは、認知症の大多数、90%以上を占めるのが「アルツハイマー型認知症」なのです。「アルツハイマー型認知症」は、主に60歳代以降の高齢者を対象に発病するので、厳密な呼称では「晩発型アルツハイマー病」、或いは「老年性アルツハイマー病」とも呼ばれます。皆さんが普段お目にかかるのは、実は殆どがこのタイプの認知症なのです。「アルツハイマー型認知症」は、60歳代より70歳代、70歳代より80歳代、80歳代より90歳代と高齢になる程発病する人の割合が多くなっていきます。その「アルツハイマー型認知症」については、原因も分からないし、治すこともできないと言うのが認知症の専門家とされる人達の主張です(日本だけでなく、世界中)。

 自分なりの生き甲斐や目標がある生活を過ごすことで、日々使ってやることが脳の機能を正常なレベルに保つ上で不可欠の条件となるので、使われる場面が極端に減少するような生活は、極めて危険な生活ということになるのです。「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体のメカニズムからすると、これといった生き甲斐もなく、楽しんだり熱中したりできる趣味もなく、親しく交友する友達もなく、散歩程度の運動もせず、達成しようと心に決めた目標もない生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が来る日も来る日も繰り返される毎日を生きているということは、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の出番が極端に少ない毎日を過ごしていることになるのです。

そうした脳の使い方が日々繰り返されるだけの「単調な生活」では、「前頭葉」の根幹をなす機能(基礎的な機能)である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」という「三本柱」の機能の出番が極端に少ないことになるのです。この「三本柱」の機能には、加齢と共に働きが衰えていくという「正常老化の性質」が備わっているのです。そのため、60歳を過ぎた「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々継続していると、お年寄りなら誰でも経験があるあの体験、「膝」の筋肉の衰えと同じようなことが、「脳」の機能にも起きてくるのです。

高齢者と呼ばれる年齢のお年寄りが、例えば足腰が痛いとか痺れがあるとか、何かの拍子に、出不精を決め込んで外に出ていかないで部屋にこもったままの生活をしていると、膝の筋肉が加速度的に衰えていくのと同じように、「三本柱」の機能を使う機会が極端に少ないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続されていると、廃用性の機能低下が起きてきて、「前頭葉」を含む脳の機能が加速度的に衰えていくのです。脳の機能が加速度的に衰えていく結果として、異常なレベルに衰えた脳の機能レベルの直接のアウトプットとしての「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくることになるのです。

 世間で認知症の専門家とされる人達から原因不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、「加齢とともに脳の老化が進む」(加齢に伴う正常老化)という(「第一の要件」)「ナイナイ尽くしの単調な生活の継続」(廃用性の異常な機能低下)という(「第二の要件」)の二つの条件が重なり合うことの「相乗効果」によって、脳の老化が「加速度的に進んでいく」ことにより発病し及び更なる脳機能の低下の進行により症状が段階的に進行していき重症化していくというのが私達の考えであり、主張なのです(「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)

 

○ 三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状    「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状となるのが特徴です。従って、「前頭葉」を含むどの「脳の機能」がどの程度異常なレベルに衰えると、どのレベルの「認知症の症状」が発現してくることになるのかという一定の診断基準を持たないと、正しい診断をすることもできないし、回復させることが可能な本当の意味での「早期の段階」を見つけることもできないのです。

症状の進行について言うと、「アルツハイマー型認知症」は、発病後の症状の進行が緩やかで、何年もかけて徐々にしか進んでいかないのが特徴です。発病後急激に症状が進行していき、僅か2~3年で寝たきり状態になってしまう狭義の「アルツハイマー病」とは、発病の原因だけでなくて、発病後の症状の進行度合いも全く異なるのです。

 「前頭葉」を含む脳の機能レベルのアウトプットそれ自体が認知症の症状として発現する「アルツハイマー型認知症」は、回復の可能性という視点から「三段階」に区分される認知症の症状が発現してくるのが特徴なのです。このことが、認知症の専門家とされる人達に未だに認識されていないところに重大な問題があるのです。私たちは、「前頭葉」を含む脳の機能レベルとその直接のアウトプットである症状とをリンクさせて計測し及び判定し、回復の可能性の有無及び程度という視点から、症状を私たち独自の区分である回復させることが容易な「軽度認知症」(小ボケ)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)及び回復させることが困難な「重度認知症」(大ボケ)の3段階に区分しているのです。この視点と区分とは、正常な脳の機能レベルに回復させるために(「アルツハイマー型認知症」に対する治療)必須の条件である、「前頭葉」を含む脳を活性化させる「生活習慣」の構築及び実践の程度並びに周りのサポートの態勢を考える上で極めて重要な指標なのです。

 (コーヒー・ブレイク)   米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」という、間違った内容の「診断基準」を金科玉条として信奉し続けている医師達は、治すことが期待できない末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて発現してくる症状だけに注目して「アルツハイマー型認知症」だと診断しているのです。そのため、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達には、症状の区分などという発想自体が全くないのです。「二段階方式」を活用した早期診断による「回復」と地域予防活動による「発病の予防」という実践の成果に裏づけられた私たちの主張から見ると、「DSM-4」の規定は権威は世界最高でも内容がない(内容に重大な誤り)と言うしかないのです。 

 「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」の機能だけが最初に異常なレベルに衰えてくるのが特徴なのです(「軽度認知症」の段階:発病の最初の段階であるこの段階では、左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルにある)。そのため「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「セルフケア」や「家庭生活」の面では何らの支障も起きてこなくて、「社会生活」の面だけに種々の支障が起きてくるようになります。

次いで、「左脳と右脳」も異常なレベルに機能が衰えてくる「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、「家庭生活」の面にも支障が起きてくるようになります。

最後に、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけでなくて、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」までもが極めて低いレベルでしか機能できなくなってくる末期の段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階になると、「セルフケア」の面にも支障が起きてきて、日常生活に「介助」が要るようになるのです。

○「軽度認知症」(小ボケ)の脳の機能レベルとその症状の特徴    額のところにある「前頭葉」は、脳の最高次の機能です。運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔の役割」をしています。私達人間に特有な機能である意識的な(選択的な)思考や言動や行為の世界では、「左脳」が「デジタルな情報」の処理を行なうときも、「右脳」が「アナログな情報」の処理を行なうときも、「運動の脳」が「身体」を動かすときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳及び運動の脳の「三頭の馬」)の御者の役割をしている「前頭葉」の状況判断とその指示なしには、勝手には働かない仕組みになっているのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず事前に「前頭葉」からの指示があるのです。言い換えると、「前頭葉」自体が、三頭の馬を主導しつつ同時に協働して働くというのが、「意識的な世界」で人間の脳が働くときのメカニズムなのです。

 「脳の働き方とその機能の発揮レベル」という視点から言えば、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も未だ正常なレベルにあるのです。3頭の馬はどれもまだ正常なレベルにあって、脳全体の司令塔の役割を担っていて「三頭建ての馬車」の御者である「前頭葉」の働きだけが「異常なレベル」に衰えてきている状態なのです。そのため、「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、発想、計画、創意、工夫、洞察、推理等「前頭葉」の各構成機能によるその「認知度」を左右している「三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」が、様々な場面で、的確且つ十分には働くことができなくなっているが故の「認知症の症状」が発現してくることになるのです。

「軽度認知症」(小ボケ)の段階になると、発想が湧いてこないし、見通しも立たないし、何をどうするのかという「テーマの構想と計画や工夫」が的確に出来なくなるのです。意欲が出てこなくなって、毎日ボンヤリと過ごし、居眠りばかりするようにもなります。何かの「テーマ」に取り掛かっても、「注意集中力」が続かなくて、「あれも遣り掛け、これも遣り掛け」という風に、中途半端になってしまうのです。頭の回転が鈍くなってしまって、かってのようにテキパキと用事を処理することができないのです。その人らしい生活態度が消えていき、「こんな人ではなかったのに」と周りから言われるようにもなるのです。「人柄の本質」自体が変わっていくような症状を示してくるのですが、それは、「前頭葉」の評価の物差しとしての機能レベルのゆらぎに起因するものなのです。「軽度認知症」(小ボケ)のイメージは、何事も人を頼るようになって、一日や一週間の計画も立てられず、指示してもらわないと動けない「指示待ち人」が特徴です(「小ボケ」の症状の詳しい類型については、ここを「クリック」してください」。

○「中等度認知症」(中ボケ)の脳の機能レベルとその症状の特徴     「アルツハイマー型認知症」を発病した後も、発病していることに気づかないままに相変わらず、生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もせず、何らかの社会活動に参加する機会もない、文字通りナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続していると、脳全体の廃用性の機能低下が更に進行していき、「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていくことになります。「軽度認知症」(小ボケ)の段階が3年も続くと、私達の区分で言う「中等度認知症」(中ボケ)の段階に進んでしまうのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続している状況の下で、「前頭葉」を含む脳全体の加速度的な機能低下が更に進行していくことが原因なのです。

「中等度認知症」(中ボケ)は、脳の司令塔である「前頭葉」の働きが「軽度認知症」のときより更に異常なレベルに加速度的に衰えてきている上に、「軽度認知症」のときは未だ正常だった「左脳」と「右脳」と「運動の脳」の働きも異常なレベルに衰えてきていて、脳全体の働き具合が異常なレベルになってきているのです。三頭建ての馬車の御者だけでなく、3頭の馬さえもが異常なレベルに衰えてくる、それが「中ボケ」の段階なのです。脳全体の働き具合が異常なレベルに入ってきた「中等度認知症」のお年寄りの脳の働き具合は、見かけ上は立派な大人の様相を呈していてもその実質は「4~6歳児」相当のレベルと考えれば、実態によく合致します。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、「前頭葉」の各構成機能によるその認知度を左右する「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能が「軽度認知症」のレベルよりも更に不十分にしか働かなくなります。その結果、認知それ自体とその情報の記銘、保持及び想起の機能の発揮が更に不十分なものとなるのです。左脳がらみの論理的思考や計算、或いは言葉に対する理解や判断力、更には右脳がらみの色や形や時間や空間などに対する認知能力にも支障が出てきます。自分が置かれている状況の判断も、状況判断に基づく「テーマ」の発想や企画も、「テーマ」を構成する内容の組立或いはそのやり方の工夫も、実行するに際して事前に行われる洞察や推理やシミュレーションも、最終的な実行の決断も、「5~7歳児」相当のレベルの脳が行っているのです。

状況の判断、物ごとの理解や見通し等の判断が「幼稚園児」の程度となる結果、「家庭生活」面に支障やトラブルが起きてくるようになります。但し、「中等度認知症」の段階では、「家庭生活面」で支障が出てくるとは言え、食事、大小便、入浴など身の回りのこと(セルフケア)は自分で一応できるので、家族に迷惑をかけることはあまりないのです。そのため家族も、「アルツハイマー型認知症」を発病しているとは考えもせず、「年のせい」と考えて悠長に構えているのです。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、食器の片付けや、洗濯物の取り込み、庭の草むしりといった、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできなくなります。せっかく洗ってくれたお茶碗はもう一度洗いなおさないといけないし、庭の草取りをしてもらうと花の苗まで抜いてしまいます。この程度にまで脳の機能が衰えてきていても、「DSM-4」が「第二の要件」に掲げている「失語や失行や失認といった重度の症状」及び第一の要件に掲げている「重度の記憶障害」の症状が発現してきていないので(「中ボケ」の段階では、こうした症状は未だ発現してこない)、せっかく家族が病院に連れて行っても、「アルツハイマー型認知症」とは診断されないのです。その診断基準自体には種々の問題がある「軽度認知障害」(MCIという診断がくだされればまだマシな方、それが医療現場の実態なのです。

「中等度認知症」(中ボケ)のイメージは、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできないのに口だけは一人前、「言い訳の上手い幼稚園児」が特徴です。「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、未だ自覚があります。「意欲もわかないし、根気が続かないし、用事をてきぱき処理出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と自身が感じていて、「以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい」という自覚を明確に持っていて、自分の状態に大きな「不安」を抱いているのです。ところが「中等度認知症」(中ボケ)の段階になってくると、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなってくるのです。自分の状態に対する自覚がもてないので、不安も全くと言っていい程に感じていないのです。逆に、「こんなところが、おかしい」と家族が指摘すると、「そんなことはない。私は、ボケてなんかいない」と言い張るのです。自分のおかしな言動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのです(「中ボケ」の症状の詳しい類型については、ここを「クリック」してください」。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階までに見つけることが出来れば、本人が取り組む意欲が出てきそうな「テーマ」をメニューとした脳を活性化する「生活習慣」を構築し、日々それを実践することにより「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることは未だ可能なのです。ところが「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても手をこまねいていて(そもそも、本人には自覚がないのですが、家族を含む周りの人達にも状況が理解されていなくて)、相変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままでいると、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下が更に加速度的に進んでいき、「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていくことになります。

「重度認知症」の段階にまで「前頭葉」を含む脳の機能レベルが衰えてきてしまうと、もはや回復させることは困難となり、何らかの他の病気によって死を迎えることになるまで(身体が保つ限り)、症状の重症化が更に継続的に進行していくことになるのです(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各期間については、ここを「クリック」してください)。但し、殆どの医療機関では、「アルツハイマー型認知症」の診断基準を米国精神医学会が定める「DSM-4」の規定の基準に依拠しているので、この「重度認知症」の段階の症状が発現してきて初めて、「アルツハイマー型認知症」と診断しています。その上、(インターネットで検索してみればその実態を容易に知ることができるのですが)末期の段階である「重度認知症」の枠内で比較的軽い症状の段階で見つけることを(回復させることが困難な「重度認知症」の段階で見つけることでありながら)「早期診断」と言っているのです。

○「重度認知症」(大ボケ)の脳の機能レベルとその症状の特徴    「アルツハイマー型認知症」の末期の段階であり、回復させることが困難な「重度認知症」(大ボケ)の段階は、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳と運動の脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」は殆ど機能しなくなっているのです。そのため、「前頭葉」の各構成機能の認知度を左右する「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能が僅かにしか働いていない状態なのです。「重度認知症」(大ボケ)の段階のお年寄りの脳の働き具合は、「3歳児~零歳児」のレベル相当と考えて下さい。 

脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が言わば「寝たきり」の状態になっている「重度認知症」(大ボケ)の段階になると、(その最も軽い段階でも)これまでの人生で何度となく体験して体に浸み込んでいるような「言葉」や「状況」或いは「テーマ」に対しては或る程度の対応ができるのですが、折々に直面する新しい状況や身体に浸みこむほどの経験がないテーマに対しては殆ど対応できないのです。

脳の司令塔の「前頭葉」は、僅かにしか機能しなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「重度認知症」(大ボケ)は、脳の機能を回復させることは困難となり、且つ症状が更に進行していく中で、自分の身の回りのことをする「セルフ・ケア」の面にも支障が出てきます。最も軽い段階でも、食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分でできなくなり、日常生活に「介助」が要るようになります(「大ボケ」の症状の詳しい類型については、ここを「クリック」してください」。

○ 「アルツハイマー型認知症」の治療の方法と脳機能回復の可能性  「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する日々の下で、「前頭葉」を含む脳の機能が「廃用性の機能低下」により、加速度的に異常なレベルに衰えてくる結果として、認知症の「症状」が発現してくる病気なのです(異常なレベルに衰えた「前頭葉」を含む脳の機能レベルの直接のアウトプットが認知症の症状として発現する)。従って、「アルツハイマー型認知症」を治療する方法とは、脳の使い方としての「生活習慣」の改善によって、異常なレベルに衰えた「前頭葉」を含む脳の機能を正常なレベルに引き戻すこと、それしか他に方法はないのです。

日常生活の様々な場面で「前頭葉」を含む脳全体を活性化させてやること、「趣味」や「遊び」や「人づきあい」や「運動」、或いは「社会活動」への参加等を自分なりのやり方で楽しむ生き方を「生活習慣」化し、自分なりの目標や生き甲斐がある生活を日々送ることが不可欠となるのです。言い換えると、「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」という「前頭葉」の「三本柱」の機能の出番を増やしてやる(しっかり使ってやる)ことにより活性化されるような「テーマ」の継続的な実行を「生活習慣」化することしか他に方法はないと言うのが、脳の機能データと実践に裏付けられた私達の結論なのです。但し、「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えてしまった時は、「前頭葉」の機能自体が殆ど働かなくなってきているので、本人が状況を理解することができない上に、脳を使おうとする「意欲」や脳を使うときに必要な「注意集中力」及び「注意分配力」の機能が僅かにしか(或いは、希にしか)働かなくなるので、正常なレベルは愚か、「小ボケ」や「中ボケ」のレベルに回復させることさえも、もはや期待できなくなってしまうのです。

○「軽度認知症」(小ボケ)の段階で見つけた場合の治療と留意点   「軽度認知症」(小ボケ)の段階で見つけて対策を講じると、容易に回復させることができるのです。「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、「軽度認知症」(小ボケ)の症状が出てきているお年寄りの症状を治す(「前頭葉」の働きを正常なレベルに引き戻す)には、「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠、唯一無二の方法なのです。飲むだけで(あるいは、貼るだけで)、「前頭葉」の3本柱の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能が活性化してくるような薬等開発できるはずがないのです。

ところで、脳を使うとか、脳を活性化させる方法というとみなさんは、すぐに読書や計算、つまり、「左脳」を使うことだと考えていませんか。お年寄りと言われる年齢の高齢者にとって、「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり楽しむ機会をできるだけ多く日々の生活の中に取り込むことなのです。趣味や遊びや人づきあいなどを楽しむことで、自分なりの目標や喜びや生き甲斐があって、取り組む意欲が湧いてくるような「テーマ」を日々の生活に取り込んで暮らすようにするのです。

やるのが楽しくて、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲や注意の集中力や注意の分配力」の出番が多くて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活とその仕方を工夫するのです。周りが助けて、本人なりに毎日を楽しめる「生活習慣」を組み立てるのです。過去の生活習慣にさかのぼって、どんなことに熱中していたのか、どんなことなら意欲を持って取り組めていたのかを調べてあげることも必要です。

 趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が意外と効果的なのです。一日一時間の「速歩での散歩」が目標(5000歩が目安)です。その場合も、散歩をするのが楽しくなるような工夫が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人が談笑しながら一緒に歩いてあげると一層効果が大きくなります(ここを「クリック」してください)。

○「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけた場合の治療と留意点   「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけて対策を講じると、回復させることは未だ可能なのです。治療としての「脳の機能」を回復させるための考え方及び方法については、「中等度認知症」の場合も「軽度認知症」と基本的には同じ考え方をします。

「軽度認知症」の段階で見つけた場合、異常なレベルに機能が衰えた「前頭葉」の働き具合を正常なレベルに回復させるには、やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活の仕方の工夫とその継続が大切(「右脳」の活性化を主たる目的とした「生活習慣」)だと言いました。「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠、唯一無二の方法だと言いました。「中等度認知症」で見つけた場合は、「前頭葉」の機能が更に衰えてきている上に、「軽度認知症」のときは未だ正常な機能レベルにあった「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も異常なレベルに機能が衰えてきているので、その分、「前頭葉」を含む脳を活性化させる「テーマ」の選別や実行させる程度や態様の在り方に対する工夫及び配慮並びに周りの支援が格段に強く要求されてくることになるのです。

○ 「中ボケ」の脳リハビリに対する家族の心構え   「中ボケ」は、「小ボケ」より達成目標を下げると共に、本人が頑張って実践すべき脳活性化のための「テーマ」自体の計画や実行について、家族自身も一層の関与と手間をかけることが必要不可欠になります。「中ボケ」のレベルになると、「左脳も右脳」も異常なレベルに衰えてきているために、「時の見当識」や「所の見当識」と呼ばれる認知機能が異常なレベルに衰えて、揺らいでくるのです。そのため、「今日が何月何日なのか」が分からなくなってくるのです。今までに行き慣れている所に行くのにも、間違うようになってくるのです。

その上、「自分の脳の働き具合が、どこかおかしいという自覚もない」のが普通なのです(自分の脳の働き具合がどこかおかしいという自覚がもてるのは、「小ボケ」のレベルまでになります)。脳を活性化させるための生活習慣に取り入れる「テーマ」は「小ボケ」と同じでも、やり方や程度や態様及び頻度を変える必要があるのです。従って、家族の深い理解と十分な後押しとが、「小ボケ」の段階よりはるかに重要な役割を担ってくるのです。そのため、家族の負担が極めて重くなります。但し、「中ボケ」までなら、未だ脳の機能レベルが正常なレベルに回復する可能性があるので、家族には自分自身のためにも頑張って欲しいのです。

 ●家族がいくら説明して、おかしな言動があるといっても、「わたしは、ボケてなんかいないよ、何ともないよ」と言い張って、一向に家族の話を聞こうとはしなくなります。「中ボケ」の段階に特有な色々な症状が出てきていて、「家庭生活」面に様々な支障やトラブルが起きていても、脳の機能レベルが原因となり(性格が原因ではない)自分自身の問題としての理解ができないのが「中ボケ」の特徴でもあるのです。

 ●「中ボケ」のレベルでは、脳を活性化するための努力の必要性を理解することも出来ません。それでいて、理解力や判断力が衰えてきている割に口は立つので、口先だけの色々な理由を並べ立てます(単にやりたくないが故のヘリクツのたぐい)。家族が必死になって前から引っ張ったり、後から押してあげないと、脳が活性化するような生活習慣の改善(脳リハビリ)に真剣に取り組もうとはしないのです。

 ●周りの人(できれば同居の家族)が、本人の過去の趣味や遊びや人づきあいの仕方の程度とか生活環境などを考えて、「テーマ」自体とそのやり方を具体的に計画してあげてください。具体的な生活習慣の改善を計画し、家族全員で本人を支えて、「脳リハビリ」の実行に一緒に取り組んであげることが、改善への道につながる不可欠の条件になります。

●口先だけが達者な「中ボケ」に対する脳リハビリのコツは、本人の発言に惑わされずに、行動を根気よく観察することが大事です。着衣・食作法・トイレや入浴・家事(炊事・洗濯・片付け・掃除・庭や畑仕事)等の面での行動や言動或いは実行のレベルをよく観察することが大切です。身についた行動は、スムーズにできることもたまにありますが、判断が必要な状況になると、とたんにトラブルが発生します。その状態を、幼児の行動レベルと比較してみると、よく理解できるはずです。幼稚園の年少・年中・年長に相当するレベルと考えると、納得がいくはずです。

●行動は幼稚園レベルに低下していても、数十年生きてきた体験そのものは消えるわけではないので、「言葉遣い」や「態度」にはそれなりの注意が必要です。「左脳」よりも「右脳」の方が衰え方の進行が緩やかなので、「言葉や論理」に対する理解が十分でなくなっても、感覚的或いは感情的な部分は家族が思っている以上に未だ働くのです。

●「脳リハビリ」の項目や「テーマ」は「小ボケ」と同じでも、幼稚園児に対する指導と同じように、噛み砕いて簡単にすることが必要です。目標レベルが高すぎないことが肝心です。本人が過去に熱中していたり、得意だった分野や「テーマ」があれば、必ずそれを取り入れるのです。「昔取った杵柄」が頼りとなります。

 (コーヒー・ブレイク) 「大ボケ」のレベルにまで脳の機能を衰えさせてしまうと、回復の可能性はなくなります。その一方で、「身体だけは何時までも保ちつつ、脳の機能が更に衰えていく」のが「アルツハイマー型認知症」の特徴なので、家族自身が共倒れになってしまうのです。老老介護のケースでは、介護している家族自身が、介護に追われる生活の中で、自分なりの人生を楽しむ機会を殆どなくしてしまい、或いは身体も心も疲れ果ててしまい、自身も「アルツハイマー型認知症」を発病することになってしまうのです。「小ボケ」や「中ボケ」のお年寄りを介護する場合は、頑張れば頑張るほど「回復という成果」がついてくるのです。ところが、「大ボケ」のお年寄りを介護する場合には、尽くしても尽くしても其の甲斐はなく、症状が進んでいくだけなのです。

○「アルツハイマー型認知症」の診断に関わる医療現場の問題点     前述したように、「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階(私たちの区分で言う「軽度認知症」及び「中等度認知症」の段階)で見つけると「回復」させることができる病気なのです。更には、脳の使い方という視点での「生活習慣」の見直しと「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」の実践により発病自体を「予防」することができる病気なのです。

ところが、認知症の専門家とされる人達は、発病自体を「予防」する何等の対策も講じず、回復可能な実質的な意味での早期の段階(「軽度認知症」及び「中等度認知症」の段階)を見つけるための研究も工夫もせず、回復困難な末期の段階(「重度認知症」)でしか見つけられないでいるのが現状なのです。医療機関が早期診断と銘打って行っているその診断の実態は、「重度認知症」の枠内での早期の意味であって、実質的な意味での早期診断ではないのです。「重度認知症」の枠内での早期で見つけたところで、もはや正常なレベルに脳の機能を回復させることはできないのです。何種類かの薬を飲ませてみたところで、症状の進行を遅らせる効果があるという処方の効果自体が極めて疑わしいものと私たちは考えているのです(服用の効果については、ここを「クリック」してください)。医療機関では、「重度認知症」の段階にあって、且つその後半になって初めて発現してくるいくつかの典型的な重度の症状(「重度の記憶障害」や「失語」や「失行」や「失認」等の末期の段階にならないと発現することのない極めて重度の症状)を基準にして「アルツハイマー型認知症」と診断するので、せっかく見つけても治すことが出来ないのです。

○「軽度認知障害」の概念を主張する学説が抱える問題点    「軽度認知障害」(「MCI」:Mild Cognitive Impairment)とかいう、意味不明の概念が認知症の専門家とされる人達のあいだで最近もてはやされていて、診断の基準にまでされているのです。その「軽度認知障害」とは、正常(私たちの区分で言う「軽度認知症」及び「中等度認知症」は、彼らは認知症と認めていないので、この中に含まれることになる)と認知症の中間ともいえる状態であるとされているのです(この説明自体、意味不明というしかないのですが)。正常でもなければ、認知症でもないという説明なのです。認知症というのは、そもそも認知機能自体が異常な状態なのですから、「正常でもなければ異常でもない状態を指す」という定義は意味不明と言うしかないのです。

その定義によると、以下のような5つの要件が提示されているのです。(1)年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない「記憶障害」が存在すること。(2)本人または家族による「物忘れ」の訴えがあること。(3)全般的な認知機能は正常範囲であること。(4)日常生活動作は自立していること。(5)但し、「認知症」ではない。

すなわち、「記憶の障害」があって「物忘れ」の自覚があるが、記憶力の低下以外に明らかな認知機能の障害がみられず、日常生活への影響はないかあっても軽度のものであるとされているのです。その上、「軽度認知障害」と判定された人は年間で10~15%が認知症に移行するとされ、「認知症」の前段階とされているのです。そもそも「記憶の障害」を「アルツハイマー型認知症」診断の要件にしていること自体が時代遅れというしかないのです(「DSM-4」の改訂版となる「DSM-5」では、「DSM-4」で第一の要件とされていた「記憶の障害」という要件は診断の要件から外される見通しなのです)。

その上、「前頭葉」の機能レベルを含む脳全体の機能レベルを判定することもしないで、「記憶力の低下以外には明らかな認知機能の障害がみられない」としていること自体、重大な欠陥を内包しているのです。「認知機能」を問題にするのであれば、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能がどの程度の機能レベルにあるのかを判定することが不可欠の条件になるはずなのです。そもそも「前頭葉」の機能レベルの判定なしに、「前頭葉」を含む脳の認知機能の機能障害の有無及び程度を判定することはできないからです。

注)本著作物(このブログA-98に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

機能からみた認知症の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

 http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a

 
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アルツハイマー型認知症の進行、段階的症状と治療の可能性(A-83)

2013-04-21 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

「アルツハイマー型認知症」は、日本だけでなくて世界中の医師や学者や研究者など認知症の専門家と言われる人達が、「原因もわからないし、治すこともできないし、予防することもできない」病気と主張しています。そうした主張の中核に「米国精神医学会」という特別な権威があり信望が厚い組織の存在があるが故に、誰もがその主張内容に疑問を抱こうとはしないのです。パソコンで「アルツハイマー型認知症」を検索すると、団体や医療機関や大学などにより開設されている驚くほどたくさんの「ブログ」が出てきます。そうしたブログの殆どが、「米国精神医学会」が定める「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-4」の診断基準を金科玉条として引用したり、主張や説明の根拠にしているのです。

「DSM-4」の基準には、重大な過ちがあり、そのために、回復が可能な「早期の段階」を見落としていて、回復が困難な「末期の段階」でしか「アルツハイマー型認知症」を見つけられないでいることに、認知症の専門家とされる人達の誰一人として気がついていないのです(ここを「クリック」してください)。「アルツハイマー型認知症」の症状とされているものが「末期の段階」の症状であることに気づかないで且つ、「末期の段階」でしか見つけられていないことが原因で、「アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らない病気」にされてしまっているのです。

私達は、「二段階方式」と呼称する神経心理機能テストを開発し、その活用により、早くから脳の司令塔である「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の働きに焦点を当ててきました。その結果、「脳の機能レベル」とその直接のアウトプットである「症状」との関係に関する極めて多数の「脳の機能データ」を集積し、解析してきました。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階で見つけて、脳の使い方としての「生活習慣」を改善することにより脳の機能を正常なレベルに回復させることで「治せる」し、脳を活性化する生活習慣の構築とその維持により発病を「予防」することもできる病気だという結論に到達したのです。

その結論に基づいて、1995年から市町村における「地域予防」活動の展開を主張し、440を超える市町村での実践を主導してきたのです。今日は、これまでの主張の集大成として、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行と三つの段階に区分される段階的症状及びそれに直結している脳機能のメカニズムについて、順を追って説明したいと思います。

(コーヒー・ブレイク) 但し、私達の主張の内容に重大な関心を抱きつつも権威が不足していることに不安を覚える人が居るとしたらその方達は、東日本大震災の被災地の「高齢者」達の、今後3~5年年後(震災の被災から起算すると、5~7年後)の動向に関するマスコミ報道に注目しておいていただければと思うのです。我が国の他のどの地域の高齢者達の間にも見られない割合と規模での大量の「アルツハイマー型認知症」の発病者達の出現が、マスコミを賑わせ、世間を驚かせ、認知症の専門家と呼ばれる人達を仰天させることになるはずだからです(但し、マスコミや認知症の専門家とされる研究者や医師達が騒ぎ出すその段階は、末期段階の「重度認知症」の段階のことなのですが)。

さらに、「重度認知症」の人達の数の多さに注目するだけでなくて、「重度認知症」の段階の人達の数の4倍にも上るそれより軽い段階であり、「重度認知症」の予備軍である「軽度認知症」及び「中等度認知症」の段階の人達の存在が認知症の専門家達から見落とされていることも問題なのです。その極めて不幸な事実が「疫学的証明」となり、私達の主張が正しいことを証明してくれることになるのです。その不幸な証明を未然に防ぐには、関連する市町村の保健師さん達が中核となって展開する、地域密着型の「地域予防活動」を直ちに密に展開するしか方法がないことを注意喚起しておきたいと思います。

更に一言付け加えることがあります。それは、「アルツハイマー型認知症」の治療薬のことです。世界中の製薬会社が治療薬の開発にしのぎを削っていて、時々新薬なるものが世の中に出てきます。「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム及び「前頭葉」を含む脳の構造と機能とに関する私達の知見からすれば、飲んだり貼ったりするだけで「アルツハイマー型認知症」を治す効能を有する薬が開発できるとは考えられないのです。どこまで行っても、どんなに手を尽くしても、出口を見つけることができない、迷路にはまり込んでいる、前途ある研究者達に、警鐘を鳴らしたいのです。既に市販されている薬が3種あります。治療の効能はないが、症状の進行を遅らせる効果があるとの触れ込みですが、私たちはその薬の服用による効能に関する因果関係自体に疑問があると考えています。当該服用の効果とされる周辺条件の中から、脳機能に関するデータの解析に基づいて脳を活性化させる要因として私達が例示的に取り上げている要素が排除されていないから(これらの要因は、脳を活性化させるので、症状の進行を遅らせ或いは僅かとはいえ回復させる効果があるからです。介護施設に居る認知症のお年寄りに、皆んな輪になり手拍子をつけながら唱歌を歌わせたり、簡単な炊事の手伝いをさせたり、遊戯をさせたり、運動をさせたりして賑やかに楽しませている事例を思い起こしてください)なのです(ここを「クリック」してください)。

○ 意識的な世界を支配している「前頭葉」の働き

頭のてっぺんの所には、身体を動かす指令を出す「運動の脳」があります。脳卒中で、半身麻痺になる人がいます。運動の脳の左の部分が壊れると、右半身麻痺が起きます。右の部分が壊れると、左半身麻痺が起きます。運動の脳の左の部分が右半身を動かしていて、右の部分が左半身を動かしているのです。脳の後ろの左側部分には、勉強や仕事などをする為の「左脳」があります。左脳は、言葉や計算や論理や場合分けなど「デジタルな情報」を処理しているのです。脳の後ろの右側部分には、趣味や遊びや人付きあいなどを楽しむ為の「右脳」があります。右脳は、色や形や空間や感情など「アナログな情報」を処理しているのです。

額のところには、脳全体の司令塔の「前頭葉」があります。その前頭葉には、発想したり、計画したり、工夫したり、推理やら洞察をしたりするための様々な働きが詰まっています。更には、自分の置かれている状況を判断し、種々ケースワークしたうえで、実行テーマの内容や実行の仕方を選別して、最終的に決定するために必要な「評価の物差し」という大事な働きがあります。

私達が意識的に何かの「テーマ」を実行しようとするとき、どのような「テーマ」をどのように実行するか、「運動の脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(身体を動かす「テーマ」)、「左脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(言葉や計算や論理や場合分けなどデジタル情報を処理する「テーマ」)、「右脳」をどのような目的のためにどのように働かせるか」(色や形や空間認知や感情などアナログ情報を処理する「テーマ」)、全ては司令塔の「前頭葉」が周りの状況を判断して決定し、「左脳、右脳及び運動の脳」に対し必要な指令を出して実行しているのです。

これが、意識的な行為或いは思考の実行における脳の働き方の全体像なのです。言い換えれば、運動の脳、左脳、右脳という三頭建ての馬車をあやつる御者の役割をしているのが、「前頭葉」なのです。三頭の馬を十分に働かせられるのも、不十分にしか働かせられないのも、前頭葉の働き次第ということなのです。御者が馬をあやつれなくなったら、どうなりますか? 馬はどこへ行ったらいいのか分からなくなってしまうでしょう。

意欲、注意集中力及び注意分配力の加齢に伴う衰え方

○ 加齢とともに誰でも脳の機能が衰えてくる「正常老化」の性質

脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、感動したり、抑制を働かせたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その認知機能を正常に発揮する上でとりわけ重要な「認知度」を左右する「前頭葉」の三本柱の機能、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きには、上記「意欲、注意集中力及び注意分配力 」のグラフにみられるように、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要なしかし専門家達からは見過ごされている性質があるのです

「前頭葉」の各種認知機能の認知度及び発揮度を左右しているこの「三本柱」の機能には、上図のグラフが示すように、18歳から20歳代までがピークで、20歳代を過ぎるころから100歳に向かって緩やかではあるが、一直線に衰えていく性質があるのです。 「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が急に多くなってくる60代後半にもなると、脳の使い方としての生活習慣の如何に関わらず、「前頭葉」の三本柱の働き具合は、ピーク時の18歳から20歳代の頃に比べて、半分以下のレベルにまで衰えてきているのです。70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と、年をとればとるほど、「前頭葉」の三本柱の働きがさらに衰えていって、正常なレベルを保ちつつもどんどん「低空飛行」になっていくのが特徴なのです。

認知症の大多数90%以上を占めていて、専門家達からは原因も分からないし治らないし、予防することもできないと言われている「アルツハイマー型認知症」の正体は、加齢による脳の老化という性質(正常老化の性質)が基本に存在するのです。「加齢による脳の老化」という問題が基本にあるからこそ、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、「60歳代以降のお年寄りだけが発病の対象になる」のです。

  

正常な老化の過程とはいえ、加齢による老化により「前頭葉」の機能が低空飛行状態に入ってきている60歳を超えた高齢者と呼ばれる年代の「お年寄り」(年齢が「第一の要件」)が、脳を積極的には使わない生活、生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると(単調な生活の継続が「第二の要件」)、出番が少ないために使われることが極端に減った「前頭葉」が廃用性の機能低下を起こしてきて、第一の要件と第二の要件とが重なり合うことの相乗効果により、「前頭葉」を含む脳の老化が加速されていくことになるのです。

廃用性の機能低下により「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくその先に、「アルツハイマー型認知症」(晩発型アルツハイマー病とも言います)の発病が待っているのです。(注)第一の要件と第二の要件との相乗効果により廃用性の機能低下が進むときは、直線的ではなくて放物線を描いて加速度的に脳の機能が衰えていくのが特徴です(脳機能の加速度的な低下を示す下図を参照)。

 

その場合、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳や右脳が異常なレベルに衰えていくのです。更には、「アルツハイマー型認知症」の場合は、MMSテストで判定される下位項目(「左脳及び右脳」の機能に関する項目)の衰え方にも、明確な規則性があることが重要な特徴なのです(衰えていく明確な順番とそのパターンがある)。「前頭葉」と「左脳及び右脳」のそれぞれの衰え方が、他の種類の認知症或いは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行など)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な指標としての役割を果たしてくれるのです(ここを「クリック」してください)。 

 脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当しているのが「前頭葉」なのです。中でも、意識的に何かの「テーマ」を実行をする場面で、「前頭葉」の各種の機能を発揮する上で不可欠で基礎的な働きをする「認知機能」を正常に発揮するには、一定レベル以上の「認知度」が確保されていることが必要となります。脳の機能についての専門家と世間で言われている人達でさえ未だ気づいていないのですが、その「認知度」を左右する機能の三本柱が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きなのです(「前頭葉」の各種機能の発揮度に関わる「二重構造」の問題)

然もこの三本柱には、上述したとおり、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質があるのです。生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っていると言うことは、脳の機能面から言うと、「前頭葉」の機能の中でも最も基本的で不可欠な機能であり、「認知度」を左右する働きをしている「三本柱」の機能の出番が極端に少ない生活を送っているということになるのです。言い換えると、内在する「正常老化」の性質によって、もともと加齢により機能が衰えていく性質を持つ「前頭葉」の三本柱の働きが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っている中で、膝の筋肉と同じように、廃用性の加速度的な機能低下を起こしてくることになるのです。 

(またまた、コーヒーブレイク) 意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では(例えば、ゴルフ仲間を家に招待して、男の手料理でもてなすという「テーマ」を考えてみてください)、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、興味、発想、企画、計画、創意、工夫、予見、シミュレーション、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」を構成している各種の高度な機能を発揮する上で不可欠の働きをする「認知機能」を正常に発揮するには、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠なのです。認知度が一定レベル以下だと、「前頭葉」の各種機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。ところが、この「三本柱」の機能自体に、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質があることは、前述したとおりなのです。脳の司令塔は「前頭葉」であり、その「前頭葉」の三本柱の機能に加齢と共に働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が内在していることがミソなのです。このことに誰もが気づいていないことが、「アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないし、予防することもできない病気」などと勘違いさせてしまう主犯だったのです。

世間で認知症の専門家達から原因不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、上述したように、「加齢とともに脳の老化が進む」という(「第一の要件」)「ナイナイ尽くしの単調な生活の継続」という(「第二の要件」)の二つの条件の「相乗効果」によって、廃用性の機能低下というメカニズムにより、脳の老化が更に「加速」されことにより発病するというのが脳機能データに裏付けされた私達の結論なのです。

このメカニズムのもとでは、「第一の要件」は誰しも共通であって、「第二の要件」こそが「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかを決定づける条件ということになります。言い換えると、認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という、第二の人生での「生活習慣」と密接不可分の関係がある病気なのです。「原因も分からないし治せないし、発病を予防することもできない」病気と言われ放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」という病気は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病」に過ぎないというのが私達の見解(主張)です。

(ここで、コーヒー・ブレイク) 高齢になればなるほど、「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が増えていきます。実態がそうであるとはいえ、どんな年齢の高齢者であろうと、年をとっているだけ(「第一の要件」の充足だけ)では、「アルツハイマー型認知症」を発病しないのです。他方で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達は高齢者に限られていて、年齢の若い人達がナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続して送っていても(「第二の要件」の充足だけ)、発病することはないのです。

(注) 働き盛りの50歳代で「アルツハイマー型認知症」になる人が増えているなどとテレビで放映されることがありますが、認知症ではなくて認知症と紛らわしい病気である「側頭葉性健忘症」や「感覚性失語症」、或いは「緩徐進行性失行」等の病気とまちがえている場合が相当あるので、注意が必要です。これらは、若年性の認知症と誤診されるケースが多いのです。重度の「記憶障害」の症状や記憶障害と誤診されやすい「感覚性失語」による症状、或いは「緩徐進行性失行」の症状があっても、前頭葉」の機能レベルが正常な場合は、認知症ではないのです。

 ○ 脳の機能レベルのアウトプットとリンクした段階的症状

脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えてきている段階、私達の区分に言う「軽度認知症」(「小ボケ)の段階では、左脳も右脳も未だ正常なレベルにあるのです。そもそも、「脳の働き具合」のアウトプット自体が、「症状」となって現れるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

左脳や右脳や運動の脳と協働しつつ、それらをコントロールしている脳の司令塔の「前頭葉」が異常なレベルとなり正常に機能しなくなった段階で、その働き具合のアウトプットも同時に異常なレベルのものになってしまうのです。つまり、この段階で既に、思考や行為の面で認知症の「症状」が発現してくるのです。この「小ボケ」の段階では、「社会生活面」に支障が出てきます。

(注) 脳の働きが異常なレベルに衰えてきて、そのために社会生活や、家庭生活やセルフ・ケア等に支障が起きてくるのが、「アルツハイマー型認知症」という病気なのです。脳の司令塔の「前頭葉」が正常に機能できなくなった段階で、ほんの少し前に食事をしたばかりなのに、そのことさえ思い出せないような「重度の記憶障害」の症状が出てくるようになるはるか前の段階で、「アルツハイマー型認知症」はもう始まっていることに、認知症の専門家と言われる人達が気づいていないのです。                                                                                                                                                                           

(再度コーヒー・ブレイク) 私達は、この始まりの段階を「軽度認知症」として区分しており、「軽度認知症」の次の段階、セルフケアには未だ支障が出てきていないが、 家庭生活に支障が出てくる段階を「中等度認知症」(中ボケ)の段階として、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階と区分しているのです。(注)「アルツハイマー型認知症」は、前頭葉を含む脳の機能レベルが認知症の症状として発現してくるものなのです。従って、上記三つの区分は、脳の機能レベルの三つの区分(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の各レベルごとの脳の機能レベル)に対応した症状の三つの区分(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の各レベルごとの症状)として区分し定義されていて、それらは全て極めて多数の「脳機能データ」により裏付けられているのが特徴です。                                                  

世間で認知症の専門家と言われる人達は、世界的に権威がある米国精神医学会の診断規定であるDSM-4」の規定の影響を強く受けているので、「重度の記憶障害」の症状を認知症診断の「第一の要件」と考えています。そのため、私達の区分である「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて出てくる「重度の記憶障害」の症状が現れるようにならないと、「アルツハイマー型認知症」とは診断しないのです。つまり、世間では、私たちが「アルツハイマー型認知症」の始まりの段階と考えている「軽度認知症」(「小ボケ)を単なる「不活発病」として、「中等度認知症」(「中ボケ)を「老化現象」としてしかとらえていなくて、見逃してしまっているのです。

(注)廃用症候群に属する生活習慣病である「アルツハイマー型認知症」は、脳の機能レベルのアウトプットが認知症の症状として現れてくるので、専門家達が騒ぎ出す末期の段階の症状(私達の区分で言う「重度認知症」の段階の症状)が現れてくるまでに、回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階と回復が未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階があるのです。 DSM-4」は、「アルツハイマー型認知症」の要件について、「記憶の障害」(程度についての規定が欠けている)を第一の要件とし、失語、失行、失認又は実行機能の障害を第二の要件としているので(最後の項目に挙げられている実行機能というのが「前頭葉」の機能のことです)回復可能な「早期の段階」を見逃してしまうことになるのです。定義に掲げてある要件自体に重大な誤りがあることをここで指摘しておきたいと思います。

 ○ アルツハイマー型認知症の症状の進行とその期間

60歳代以降の「高齢者」と呼ばれる年齢の人達の仲間入りをしたお年寄りが、趣味や遊びも知らない、友達づきあいもない、運動もしない、目標や生き甲斐もない生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続していると、左脳、右脳、運動の脳のどこからも十分な情報がこなくなった脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が、働く機会が極端に少ないために居眠りし始め、そのうち「寝たきり状態」になって、間違いなく「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです(この場合、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階が回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次が回復が未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階で、最後の末期の段階が回復が困難な「重度認知症」(大ボケ)という3つの段階の症状を示すのです)。 

                                                                                                                                                                                                                                                     

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)では、「社会生活面」で支障が出てきているとはいっても、家庭生活面にもセルフケアの面にも特別の支障は起きてこないので、本人も家族も「意欲が少し衰えてきたのかな」くらいに軽く考えて、そのままナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていくことになります(ここを「クリック」してください)。

その状態が3年間も続くと、左脳や右脳も老化を加速し機能が異常なレベルに低下していくので(使われる機会が少なすぎることに起因する廃用性の加速度的な機能低下)、症状が更に進んで「中等度認知症」(中ボケ)の段階になります。「中ボケ」のレベルになると、「家庭生活面」でも支障が出てくるようになります(ここを「クリック」してください)。なお、「中ボケ」の期間は、短い人で2年、通常は3年が基準となります。

それでも、セルフケアには特別支障がないし、言い訳をする時の口先だけは未だ達者なので、家族も「年のせいかな」くらいに考えて、そのままの単調な生活を続けていると、脳全体の老化が更に加速されるので、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の症状が発現してくることになります(「大ボケ」の期間は、身体がもつ期間、言い換えると何らかの病名で死亡するまでの期間続くことになります。「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてしまうと、回復する可能性がなくなるのです。)。「重度認知症」(大ボケ)の段階になってくると、「セルフケアの面」にも支障が出てくるので、日常生活面での全面的な介助または介護が不可欠となります(ここを「クリック」してください)。

○ 「アルツハイマー型認知症」の進行と段階的症状

「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳の機能レベルが症状として現れてくるのが特徴です。「小ボケ」の脳機能レベルに対応する「小ボケ」の症状を示し、「中ボケ」の脳機能レベルに対応する「中ボケ」の症状を示し、「大ボケ」の脳機能レベルに対応する「大ボケ」の症状を必ず示すのです。私達は、「二段階方式」による神経心理機能テストを全ての被験者に実施して、各人の前頭葉を含む「脳の機能レベル」を三段階に区分して判定するとともに、定型フォームによる各人の生活実態を調査して認知症の症状の有無、個別の症状及び三段階に区分される「症状の段階」を判定します。その膨大なデータを解析し整理したものが標準化され様式化されています。従って私達の様式では、各段階ごとに軽い症状から重い症状へと症状が列記されているのです。皆さんは、表面に現れた症状しか観察することができないわけですが、私たちの区分と順番に照らしてみれば、発病者がどのレベルにいて、この先どのように症状が進行していくのかの大まかな参考資料にできると思いますので、活用してみてください(各段階ごとの「症状」を参照するには、ここを「クリック」してください)。

  注)本著作物(このブログA-83に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください)

 脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

 http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a

 


 

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脳血管性認知症の診断に関わる種々の問題の指摘と国民的課題の提起(N-74)

2013-01-21 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

認知症の専門書やブログサイトを読んで見ると、数ある認知症の中で占める割合が二番目に大きい「脳血管性認知症」が一番大きく取り上げられているのが普通です。一方で、一番大きな割合を占めていて、認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」(「老年性アルツハイマー病」と言われることもあります)については、「発病のメカニズムは分からず、治すこともできないし、予防することもできない」としか記載されていません。「記憶」の異常に起因する様々な「症状」が単に並べられているだけなのです。その上、その「症状」は、発病のメカニズムも性質そのものも全く異なるものである「アルツハイマー病」(「若年性アルツハイマー病」とも言われます)と同一視されているのです(これは、誤解による混同なのですが)。たまに認知症の「予防」という「テーマ」で取り上げられているものも、それは「脳血管性認知症」の予防(食事や運動を中心とした「身体」の健康条件維持をテーマとしている)にすぎないのです。そこで、今日は、「脳血管性認知症」の種々の問題を取り上げて論点を整理して提示することにより、みなさんに正しい知識を身につけていただくと同時に、認知症の大多数、90%以上を占めていて、認知症の専門家とされる人達から、「発病の原因もわからないし、治す方法も予防する方法もわからない」と言われている「アルツハイマー型認知症」の「予防」に対する正しい知識と問題意識とを持っていただきたいと思うのです。その説明に先立って、まずは、「脳血管性認知症」が認知症全体に占める割合の「データ上の間違い」の問題を説明し、次いで、「診断上の間違い」の問題について説明したいと思います。私達が、市町村において「アルツハイマー型認知症」の早期発見と「回復」及び「予防」を目的とする「地域予防活動」の指導を開始した、今から17年前の頃は、日本人の場合は、「脳血管性認知症」が最も多く、且つ認知症全体に占めるその割合は「60%」と認知症の専門家達の間では言われていました。私達は、私達のデータの解析から、「5%程度」と主張していました。今も、私達が主張しているこの数値は変わっていませんが、専門家達の現在の主張数値は「20%」というのが定説になっているのです。17年の経過のうちに、随分と数値が小さくなったと皆さんは驚かれるかもしれませんが、この「20%」という数値自体も実は、「いい加減な数値」に過ぎないのです。

「アルツハイマー型認知症」に次いで大きな割合を占める「脳血管性認知症」について、原因である「脳血管の障害」(脳を養っている部位の血管が詰まったり、出血を起こすこと)とその直接の結果である「認知症の症状」(本来は、脳の当該領域に十分な量の血液が供給されなくなったことに直接起因する症状でないといけないのです)との間の「因果関係」を厳密に確認して診断される場合の正確な数値を挙げると、それは「5%」にしかならないのです。後述するように、この「脳血管の障害」と「認知症の症状」とのあいだの「因果関係」を確認もしないで、脳梗塞等の「既往」さえ認められると全て「脳血管性認知症」と診断しているために、20%という大きな数値が未だに出てきたりしているのです。

ところで、「脳血管性認知症」の認知症全体に占める正しい割合の数値を5%とすると、認知症の大多数90%以上を「アルツハイマー型認知症」が占めることになるのです。認知症の大多数90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」についての最大の問題は、認知症の専門家とされる人達が、相変わらず「原因もわからないし、治せないし、予防することもできない」と主張していて、且つ、その認識が、我が国の隅々に至るまで深く浸透してしまっていることなのです。北海道から沖縄まで、専門家達だけでなく一般の人達の間にも、深く浸透しているのです。その結果我が国は、300万人近い数の「アルツハイマー型認知症」のお年寄りを抱え込むこととなっていて、その「介護のための費用」(介護保険による負担と自費負担の合計額)の総額が年間18兆円にものぼるという、極めて深刻な状況に置かれているのです。しかも、300万人という現在の数値は、この先さらに拡大する一方というのが「厚労省の予測」なのです。このままでは、保険料を大幅に引き上げないと、「介護保険制度」自体が財政破綻してしまう勢いなのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについては、順次このブログで、その詳細を明らかにしていく予定ですが、結論から言うと、「アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方という視点からの「生活習慣病」というのがその正体なのです。第二の人生を送っている高齢の(60歳以上の年齢の)お年寄りが、日々どのような「脳の使い方」をしているかというその「生活習慣」が、「発病」及び「回復」を左右する、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです(ここを「クリック」してください)。「第二の人生」での「脳を活性化」させる日々の過ごし方(「生活習慣」)の構築により発病を「予防」すること、或いは「早期診断」により「早期の段階」(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)を発見して、「脳のリハビリ」を実践することにより「回復」させることによって、こうしたコストの大半を削減することが可能となるにも拘わらず、そのことに「国民的な注意も関心も向けられていない」のが現状なのです。「予防」と「回復」とをシステム化し、「定期検診」を制度化することによって、且つ市町村の「保健師」さんを中核として地域住民との「共同活動」を展開することにより、大幅に介護費用を削減することが可能なのです。

ところで、「アルツハイマー型認知症」の「予防」も、早期診断による「回復」も、どちらも「早期診断と生活改善指導」を実施する上で、「神経心理機能テスト」の実施が不可欠となります(「前頭葉」を含む脳の機能レベルの判定が不可欠であるために、「神経心理機能テスト」の実施が不可欠なのです。CTやMRIでは、「前頭葉」を含む脳の機能レベルの測定ができないのです)。ところが、「神経心理機能テスト」の実施に対する評価(保険点数)が余りにも低いために、「神経心理機能テスト」の実施を制度化した「定期検査」を医療機関に期待すること自体が無理なのです。医療機関といえども、「事業収益」を無視するわけにはいかないからです。こうした背景から、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復及び予防」という「テーマ」は、事業収益を上げる必要がない「市町村」が実施するしか他に方法がないのです。「定期検査」を制度化し、「早期診断による予防と回復」の実施により削減される介護費用の何割かを、「少子高齢化」を減速させるための措置や「婦人の社会進出」を容易にし、加速させるための措置を構築する費用に振り向けることができれば、衰退する一方のこの国を「再生」させる重要な基本施策となりうるはずなのです。財政面からの「地方分権」の推進を叫ぶ首長さんたちにも、格好の「テーマ」となると思うのです。

その為には、一般の皆さんの「アルツハイマー型認知症」に対する正しい知識と理解、市町村の保健師さんを中核とした「地域予防活動」の展開についての「ボランティアの組織化」と拡大が不可欠になるのです。このことをこのブログを通じて、世の中に啓蒙していきたいと考えているのです。このブログを読まれた一般の皆さん及び「保健師」さんは、周りの人達にもこのブログの存在を知らせてあげていただきたいのです。

ところで、今日のブログの本題である「脳血管性認知症」というのは、「脳を養っている大小の血管の障害」である脳梗塞や脳出血に「直接起因しておきる認知症」を言うものと定義されています。実態面から言えば、脳を養っている大小の血管が閉塞して十分な量の血液を脳に送れなくなったために、脳の働きが全般的(左右の脳の両側性)に低下して、そのことを原因として認知症の症状を起こしてくる「閉塞性血管障害」のものが最も多く、一部に「出血性」のものがあります。

どの種類の認知症であれ、「脳の器質的な障害を含む何らかの脳機能の障害によって、正常なレベルとされる程度にいったん完成された知的機能が、全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的に機能低下した状態にあることにより、社会生活や家庭生活やセルフケアに支障が出てきている状態を認知症と言う」とするのが、一般的な認知症の定義の仕方です。 従って、「何らかの脳機能の障害」という直接の(原因)により「知的機能の全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的な機能低下」という(結果)をきたして「認知症の症状」を呈しているという、「原因」と「結果」との間に直接の「因果関係」が確認されることが不可欠になるのです。

 「脳機能の障害」(原因)が認められると言うためには、脳のある領域に血流の低下が確認され、且つその血流低下を惹き起こしている原因血管が確認されることが必要です。次いで、その血流障害がもたらしている「脳機能の低下部位」と認知症の症状を発現させている「脳機能低下の範囲」とが合致(結果)していることの確認も必要です。逆に言えば、脳機能の障害という直接の(原因)と認知症の症状という(結果)との間の「因果関係」を厳密に確認することもなく、認知症と診断してはいけないのです。

ところが、「脳血管性認知症」については、数値の問題だけでなくて「診断内容」自体にも、認知症の専門家たちの主張には、大きな問題があると言わざるを得ないのです。実際の診察の現場では、「局部的な脳出血や脳梗塞」がある場合(あるいは、脳梗塞や脳出血の既往さえあれば)、左脳又は右脳の片側の脳の機能障害による「後遺症」としての記憶障害、或いは言語の障害や手足の身体的な不具合を伴う症状、又は「後遺症」を基にした種々の生活上の不便が認められると、「脳機能の全般且つ継続的な低下」の確認及び原因と結果との間の直接の「因果関係」の確認を行うこともなく、「脳血管性認知症」と診断しているケースが極めて多いのです。そのために、「脳血管性認知症」の認知症全体に占める割合が20%もの大きな数値になっているのです。

「脳血管性認知症」とされるケースで、脳出血や脳梗塞の後、直ぐに認知症と認められるような程度や態様の「症状」が出てくるケースは、実際にはとても少ないのです。左半球に大きな梗塞巣が出来て、左半球が高度に障害されると高度の「失語症」を起こし、生活面に重大な支障をもたらすことになります。この場合、「神経心理機能テスト」で調べさえすれば、「脳機能の全般的な低下」が起きているかどうかは、容易に確認することができるのです。このように、神経心理機能テストによるテスト結果から、右半球の機能は良く保たれていて、「脳機能の全般且つ継続的な低下」が起きていないことを簡単に知ることが出来るのですが、認知症の専門の医師たちは診断に際して、「神経心理機能テスト」で調べるという手間をかけていないのが実情なのです。

先の説明で、(脳出血や脳梗塞の後、直ぐに認知症と認められるような程度や態様の「症状」が出てくるケースは、とても少ない)と言いました。 専門家とされる人達の間では、「脳血管性認知症」と診断されるケースの多くのものは、認知症と認められるような程度や態様の症状が直ぐには出てこないで、「何年もかけて、じわじわと症状が出てくる」ものが主流だと主張されているのです。そして、それらは、“まだら性”とか“多発梗塞性”の「脳血管性認知症」と呼ばれています。この数値が実は、上述の「20%」のうちの15%を占めているのです。

 もうひとつの問題点としては、 “ま だら性”の「脳血管性認知症」を主張する人達の主張内容の特徴として、「初期には、記憶力が低下している一方で、理解力や判断力がしっかりしていて、更には人格が保たれ」ていて、「認知症の症状が“まだらに”出てくる」のが特徴だとされていることです。ところが、「初期の症状」と主張されている程度態様の症状を発現させている「前頭葉」の働き具合を、「前頭葉」の機能レベルを調べることが出来る「かなひろい」テストなどの「神経心理機能テスト」を使って、「前頭葉」の機能が正常レベルであるのかどうかを、きちんと調べてみないと、「初期の特徴とされている症状」がどのレベルの脳機能の結果として発現したものなのかが不明なのです。「前頭葉」を含む脳の機能レベルが、きちんと提示され確認されていない診断では、「理解力や判断力がしっかりしているとか、人格が保たれている」とかいう表現の意味している程度や内容自体が「とてもあいまいで、疑わしい」ものとしか言い様がないのです。

「神経心理機能テスト」による「前頭葉」の機能レベルを計測し評価することを怠っている上に、「重度認知症」のレベルにならないと「アルツハイマー型認知症」であるとは考えない診断基準(その代表が、「DSM-4」という、米国精神医学会の診断基準なのです)によって認知症の有無や種類や程度を診断していたのでは、「前頭葉」の機能が既に異常なレベルに衰えているレベル(私たちが指摘している「軽度認知症」(小ボケ)や「中等度認知症」(中ボケ)のレベル)であっても、「理解力や判断力がしっかりしているとか、人格が保たれているとか」の誤った評価をしてしまうことになるのです。

この説に言うところの、「初期の症状」の特徴とされていることを言い換えれば、「初期には、前頭葉の機能は正常レベルに保たれている」と言っているのと同じことになるのです。「前頭葉」は、意識的に何かの「テーマ」を実行するときの、脳全体の司令塔(コントロールタワー)であり、最高次の機能なのです。従って、意識的な行為のアウトプットは全て、「前頭葉」の機能レベルの直接の影響を受けた程度及び態様のものとして発現することになるのです(ここを「クリック」してください)。つまり、「前頭葉」が正常に機能しているということは、「脳の全般的な機能の低下が起きていない」ということを意味することになる訳です。

そうした説が言うところの「初期」の何年かの期間で、「前頭葉」の機能が正常レベルに保たれている期間は、認知症を発病していなくて、左脳や右脳や運動の脳の「局部的な機能の障害」による「後遺症」の「症状」が出てきているだけということなのです。「まだらな症状が、じわじわと出てくる」と言っているのは、認知症の症状ではなくて、単なる「後遺症」としての「症状」に過ぎないのです。

ところが、本人やその家族の側にとっては、局部的なものとはいえ、「脳梗塞や脳出血」は重大な病気です。診察を受けて、局部的な脳出血や脳梗塞であれ、(その上、「誤診」であるとは言え、本人も家族も、専門の医師による診察の結果として、「脳血管性認知症」だと告知されている状況下では)、「重大な脳の病気」が発生した結果としての「後遺症」の症状の出現に驚くと同時に、それを怖がり、「後遺症」としての種々の「症状」が発現しているその状態を恥ずかしがり、その状況からくる肉体的精神的負担に負けてしまうことがとても多いのです。その結果、局部的なものであれ、脳梗塞や脳出血という重大な脳の機能の障害による「後遺症」としての「症状」の発現を「キッカケ」として、趣味も遊びも人付き合いも運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まるケースがとても多いのです脳を不十分にしか使わない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が何年も継続していく中で、「前頭葉」を含めた脳の機能が廃用性の機能退化を起こしてきて、その機能退化の進行につれて、「アルツハイマー型認知症」の症状が、「軽度認知症」(小ボケ)、次いで「中等度認知症」(中ボケ)、最後に「重度認知症」(大ボケ)の症状として、段階的に現れてくるのです。

”まだら性”の「脳血管性認知症」と主張されている病気(実は、「誤診」)の「初期の症状」とされるその期間が終わって以降に、最終的に認知症の症状であると診断される「症状」(私たちの言う、末期段階の「重度認知症」の症状)へと症状が進行していく過程は、後にそのメカニズムについて詳説する「アルツハイマー型認知症」の「小ボケ」、「中ボケ」を経て最後に「大ボケ」の段階へと段階的に進行していく進行過程に見られる「症状」そのものなのです。

認知症の専門家達は、米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断基準としての「DSM-4」の規定に依拠して診断を行うのです。その結果、「重度の記憶障害」を認知症と診断するための「第一の要件」と考えていて及び失語(左脳)や失行(運動の脳)や失認(右脳)という「重度認知症」の後期にならないと発現することがない重度の認知機能障害を『第二の要件』と考えている(これこそが、「重大な誤り」)ので、重度の記憶障害の症状があらわれてくる認知症の段階(私たちの区分で言えば、末期段階の「重度認知症(大ボケ)」の段階)にならないと「アルツハイマー型認知症」とは考えないのです。そのため、回復可能な軽度の認知症(小ボケと中ボケ)の段階は、記憶障害の程度を含めて軽度の症状が主となるので、見落としているのです。その期間中は、認知症の症状が”まだら”に現れていると考えている(上述したように、「これらの症状は、認知症の症状ではなくて、「後遺症」としての症状に過ぎない」のですが)だけなのです。そして、重度の症状が継続的に現れるようになる(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)と、”まだら”な症状の期間が終わったと考えているのです。

 “まだら性”とか“多発梗塞性”の「脳血管性認知症」と世間で呼ばれているものの多くは、私たちの見解からすれば、「脳血管性認知症」ではないのです。本来は「アルツハイマー型認知症」と診断されるべきものが、”まだら性”或いは、”多発梗塞性”の「脳血管性認知症」(正しく言うと、このような種類の「脳血管性認知症」は存在しない。)として、診断(誤診)されているだけなのです「脳血管性認知症」が認知症全体に占める割合を最近の有力説でさえ20%としているのに対し、私たちは5%と主張していますが、「アルツハイマー型認知症」であるはずのものを「脳血管性認知症」としているという上記の誤った診断が両者の数値の差となって現れているのです。

 上記の誤りが是正されることになれば、認知症の大多数90%以上は「アルツハイマー型認知症」が占めることとなり、「アルツハイマー型認知症」の早期発見による「回復」、或いは「予防」という「テーマ」が、喫緊の「国民的な課題」となってくるはずなのです。これまでのブログの中で何度も説明しているように、「アルツハイマー型認知症」は「生活習慣病」であり、早期発見(「小ボケ」と「中ボケ」の軽度な段階の認知症の発見)と脳リハビリにより「回復」させることも、脳の使い方という視点からの脳を活性化させる「生活習慣の構築」により「予防」することもできるものだからです。

 今回は、専門的な内容になってしまいましたが、皆さんに一番言いたいことは、「認知症の大多数は、アルツハイマー型認知症が占めている。」のだということ、そして、「アルツハイマー型認知症は、治すことも予防することも出来る病気」だということなのです。このことを、皆さんに正しい知識として知っておいて欲しいということなのです!。認知症の大多数、90%以上を占めていて、介護費用の総額が年間18兆円にも上っている、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復」と発病の「予防」という「テーマ」に国民的な関心を持ち、市町村の「保健師」さん達と「地域の住民」との「共同』活動により、小字単位のできるだけ「小さな地域単位」ごとに「地域予防活動」を全国的に展開しなければ、対策が間に合わなくなってしまうのです(ここを「クリック」してください)。

繰り返しになりますが、皆さんが日ごろ目にする認知症の殆どは「アルツハイマー型認知症」であること、「アルツハイマー型認知症」は早期の段階で見つけると「治す」ことができるし、更には、発病自体を「予防」することもできるのだということをしっかりと認識しておいていただきたいのです。そのことが、住民参加による「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を可能にする「前提条件」となるのです。「笛吹けど踊らず」ということでなくて、住民自らが行政に要求していくようにならないと、深く浸透していくことも、活動が継続されていくことも期待しにくいのです。この「テーマ」こそ、日本のどの地域にも必ず存在する『カクシャク』の称号を周りの人達から贈られているお年寄りが「先頭に立って引っ張っていく」べきものなのです。そのことはとりもなおさず、その「カクシャク老人」にとっての生き甲斐を伴う『脳の活性化』策ともなるからです。

注)本著作物(このブログN0-74に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください)

脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

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「アルツハイマー型認知症」の正体は、「生活習慣病」なのです(A-73)

2013-01-11 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

 このブログは、認知症の専門家達(研究者や医師)から「原因もわからないし、治らない病気」と言われ続けてきた「アルツハイマー型認知症」の正体(発病のメカニズム、特有な症状と症状の段階的進行の仕方、回復及び予防の方法並びに市町村による「地域予防活動」の展開等)について、一般のみなさんと市町村の保健師さんに分かりやすく解説する目的で、開設しています。昨年は、東日本大震災の被災地の「高齢者」に、できるだけ速く多くのことを知らせたいとの思いから、3月に開始して71回ブログの記事を書きました。今年は、毎月1日、11日、21日の各3回、ブログの記事を書いていくつもりです。「アルツハイマー型認知症」に関する私たちの考えの体系は、マニュアル化されている内容だけでも、「個別事例判定マニュアルA、B、CのA4版三部作」で630ページを超えるものになります(そのほかにも、「個別事例判定マニュアル使用の手引き」、「二段階方式による手技のフローチャート解説」及び「典型事例集による個別事例判定の仕方の解説」等があります)。ブログに書かれる都度の記事を読んでいただくだけで、「アルツハイマー型認知症」に関する私たちの考え方の「概要」を伝えられるよう、できるだけ工夫して書くようにしたいと考えています。

○   アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、「高齢者」だけ

一口に認知症と言っても、いろいろな種類があることをご存知でしょうか。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、二次性認知症、レビー小体型認知症、アルツハイマー病等、認知症にもいろいろな種類があるのです。そうした数ある認知症の中でも、その大多数、90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症というタイプの認知症なのです(認知症のうちの20%を「脳血管性認知症」が占めると主張する人達がいますが、その人達は、脳血管の障害と認知症の症状との間の「因果関係」の確認が極めてルーズな人達なのです。因果関係をきちんと把握し確認すると、実際の数値は5%にしかならないのです。残りの15%相当分は、脳血管性認知症ではなくて、「アルツハイマー型認知症」なのです。両者をきちんと見分けるすべを知らないので、このようないい加減な数値になっているのです。このことについては、別途詳しく説明します)。

これまで、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症については、認知症の研究者や医師など専門家と呼ばれる人達の間では、「アルツハイマー型認知症は、原因もわからないし、治せないし、予防することも出来ない病気」と言われてきたのです。

ところで、実態面から見たとき、「アルツハイマー型認知症」は、主に60歳以降の「高齢者」だけを対象に発病するので、老年性(晩発型)アルツハイマー病とも呼ばれているのです。但し、生まれつき特定の遺伝子を持つ人にしか発病してこない狭義の若年性「アルツハイマー病」と老年性の「アルツハイマー型認知症」とをまとめて「アルツハイマー病」と呼ぶ人達がいるのですが、昨年のブログでも説明したように、両者は全く性質が違いますので注意してください(両者は発病のメカニズムが全く異なるものなのに、「解剖所見が似ている」というだけの理由で、両者の本質を誤解している人達がいて、混同しているだけのことなのです)。

つまり、皆さんが普段目にしている認知症のお年寄り達は、その殆どが、「アルツハイマー型認知症」の人達なのです。そして、「アルツハイマー型認知症」は、第二の人生にある60歳代以降の「高齢者」だけを対象として発病してくるという極めて重要な「特徴」を有するのです(この極めて重要な要素に目を向けていないが為に、世界中の認知症の専門家と呼ばれる人達が、「アルツハイマー型認知症」の「発病のメカニズム」を未だに解明できないでいるのです)。その上、「アルツハイマー型認知症」は、60代より70代、70代より80代、80代より90代、90代より100歳代と、高齢になるほど発病する人の割合が多くなっていくという特徴を有するのです。従って、「高齢化率」が30%を超えるような町や村、高齢化率がそれほど高くない市や町でも高齢のお年寄りが大勢住んでいる地域では、「アルツハイマー型認知症」の症状を示すお年寄りの姿をよく見かけるようになるのです。

これから先、このブログでは、「アルツハイマー型認知症」に的を絞って、「発病のメカニズム」、「重症度別の段階的症状及びその回復法」、「適切な介護の仕方」及び「発病の予防法」等について、専門家と呼ばれている人達に「問題提起」しつつ、且つ一般の人達と市町村の保健師さん達にも、分かりやすく説明していきます。「アルツハイマー型認知症」を発病するメカニズムを解明するその鍵は、「脳の働き具合」と「脳の機能レベル」にリンクした「症状」及びそれらの脳の機能レベルを測る「物指し」とにあることを心に留めておいて欲しいのです。

○   研究者や精神科医は、回復可能な「軽い段階」(小ボケ及び中ボケ)を見落としている

□ 服を自分で着られなくなり、ズボンを頭から被る;とか

□ 自分の家が分からなくて、徘徊して迷子になる;とか

□ 同居している、家族の顔も分からない;とか

□ お漏らしした服を、平気で着ている;とか

□ つい先ほど食事を摂ったばかりなのに、そのことをすっかり忘れている

こんな症状が見られるようになると皆さんは、「その人は認知症」だと考えるのではないでしょうか。正確に言うと、こんな症状が出ている人は、回復が困難な「アルツハイマー型認知症」の「末期段階」(大ボケ)の人、なのです。こんな「重度の症状」(末期の症状)が出てくるもっと前の回復可能な「軽い段階」(初期の症状及び中期の症状)があるのを、精神科医が見落としているだけなのです。

精神科医が、回復が可能な「軽い段階」を見落としていて、回復が困難な「末期の段階」しか見つけられないでいる最大の原因は、診断の際に依拠するDSM-4」(米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断基準)というその診断基準自体に重大な誤りがあるからなのです。「失語」、「失行」、「失認」という「末期段階」にならないと発現することがない「重度の症状」(私たちの区分でいう「重度認知症」の段階の症状)を診断の要件として規定しているDSM-4の基準に依拠して診断する限り、回復可能な「軽い段階」が見落とされ、回復困難な「重度の症状」が発現している「末期の段階」だけに焦点が当てられることになってしまうのです。その結果として、「アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないし、予防できない病気」という「誤った見解」が、精神科医の診断を通して、「世間の常識」になってしまっているのです。

「アルツハイマー型認知症」の場合は、 昨日まで正常で、趣味や遊びや人付き合いを楽しめていたお年寄りが、一夜明けたら「服を自分で着られなかったり」、「自分の家が分からなかったり」、「家族の顔が分からなかったり」は、しないのです。こうした「症状」は、「アルツハイマー型認知症」の回復が困難な「末期の段階」のみに見られる症状であって、ここまで症状が進んでくる前の「軽い段階」(回復が容易な「小ボケ」の段階及び回復が未だ可能な「中ボケ」の段階)があるのです。

 認知症の大多数を占めていて、専門家達から、「原因も分からないし、治らない」とされている 「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「何年もかけて、症状が徐々に、段階的に進行していく」(段階的症状を示す)のがもう一つの特徴なのです(特定の遺伝子の異常が原因で発病する「狭義のアルツハイマー病」とは、進行度合いが全く違うし、発病のメカニズムも全く異なるものなのです)。

精神科医が「アルツハイマー型認知症」の「初期の症状」と言っているものは、回復が困難な末期段階の「重度の症状」(大ボケ)の中の初期の症状(MMSの換算値で14~11点のレベル)のことなのです。だから、ここまで脳の機能レベルが衰えてきていると、「せっかく見つけても、治らない」ことになるのです。回復が可能なもっと軽い段階の「小ボケ」や「中ボケ」の症状(回復がまだ可能な本当の初期症状:MMSの換算値で15点以上のレベル)については、「認知症のレベルと回復の可能性」に関する脳の機能レベルとリンクしたデータの開示も含めて、逐次、詳細な説明をしていく予定です。

○   器質的変化ではなくて、廃用性の異常な機能低下(機能の退化)が本質の病気

組織や細胞が変形、変性あるいは破壊され、元の形に戻らなくなるように変化することを器質的変化といいます。「アルツハイマー型認知症」は、アミロイドベータの作用によりもたらされる「老人斑の生成」やタウ蛋白の作用によりもたらされる「神経原繊維変化」という器質的変化が本質の疾患とするのが専門家達の多数説ですが、私達は、廃用性の異常な機能低下(機能の退化)が本質の疾患だと考えているのです(「廃用性」の異常な機能低下とは、使われる機会が極端に少なくなることにより、脳本来の機能が退化していくことを言います。その詳細については、追って、関連する「脳機能データ」の開示を含めて詳しく説明する予定です)。

「 脳の働き具合」(機能レベル)とリンクした「症状」(段階的症状)の多数に上るデータの分析結果から、「アルツハイマー型認知症」は、加齢による脳の老化を「第一の要件」とし、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を使う機会が極端に減少する「単調な生活」の継続による廃用性の機能低下を「第二の要件」として、両者の相乗効果により、「脳機能の加速度的な機能低下」が惹起され、脳の機能が加速度的に異常なレベルに低下していく(機能の退化)病気、言い換えると「廃用症候群に属する生活習慣病」だと私たちは考えているのです。

       

 「軽度認知症」(小ボケ)のレベル(MMSの換算値が24点~30点)では、高次機能とされる左脳、右脳と運動の脳の働き具合は未だ正常レベルにあるのですが、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」の働き具合だけが、もはや正常レベルにはなくて異常なレベルに衰えてきているのです(「アルツハイマー型認知症」の場合は、このように、「前頭葉」の働きだけが先行して衰えていくことが特徴なのです)。米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」の規定のように、「失語」、「失行」、「失認」という末期の段階にならないと発現することがない「重度の症状」とリンクした「記憶の障害」を診断の要件としていたのでは、このような「初期の段階」を見逃してしまうことになるのです。但し、この「軽度認知症」(小ボケ)のレベルでは、器質的変化は未だ起きていなくて、機能レベルの異常な低下」(機能の退化)が起きてきているに過ぎません。理由は、この初期の段階で発見できれば、脳のリハビリによって、脳の機能は正常レベル」に比較的容易に回復させることが可能だからです。

「中等度認知症」(中ボケ)のレベル(MMSの換算値が15点~23点)では、高次機能とされる左脳と右脳の働き具合も異常なレベルに衰えてくる上に、司令塔の「前頭葉」の働き具合は、軽度認知症(小ボケ)のときに比べて更に異常なレベルに衰えてきているのです。但し、このレベルでも、MMSの換算値が20点以上を確保できている中等度認知症」(中ボケ)の前期までの段階であれば、器質的変化は未だ起きてきていなくて、機能レベルの異常な低下(機能の退化)が起きてきているに過ぎないのです。理由は、この段階で発見できれば、集団生活レベルでの「脳のリハビリ」でも、脳の機能を正常レベルに回復させることが未だ可能だからです。

更に、MMSの換算値が15点から19点までの中等度認知症」の後期レベルに衰えてくると、個別での頻度と密度の濃い「脳リハビリ」を取り入れることにより、回復させることが未だ可能なのですが、家族を含めた支援態勢と相当な条件下での脳リハビリの実施という困難が伴うことになります。

そして、「重度認知症」(大ボケ)のレベル(MMSの換算値が14点以下)では、高次機能とされる左脳、右脳と運動の脳の働き具合が中等度認知症のときに比べて更に異常なレベルに衰えてくる上、司令塔の「前頭葉」の働き具合は、中等度認知症のときに比べ更に加速度的に機能が衰えていくので、殆ど機能しなくなってきているのです。その上、MMSの換算値が14点から11点へと低下してくるにつれ、徐々に器質的変化が現れてきて、10点以下のレベルでは、顕著な器質的変化が起きてきていると考えられるのです。理由は、この末期段階の「重度認知症」の段階では、脳のリハビリによる機能の回復の効果が期待できなくなるからです。

「アルツハイマー型認知症」の専門家といわれる研究者や医師たちは、前述した「DSM-4」の規定に依拠して診断を行う為に、この末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階だけを捉えて「アルツハイマー型認知症」であると診断しているのです。そのため、本来は機能レベルの退化が本質なのに、器質的変化を起こしていることが「アルツハイマー型認知症」の本質であると本質を見誤っているのです。

「アルツハイマー型認知症」は、「脳の働き具合」のアウトプットが「症状」の程度・態様として発現してくるだけなのです。脳の機能レベル(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)に対応して、機能レベルに特有の「段階的な症状」(小ボケの症状、中ボケの症状及び大ボケの症状)が発症してくるのです。「脳の機能レベル」が「症状」の程度態様とリンクしているわけですから、脳の機能レベルの異常な低下(機能の退化)がもっと軽い段階から、且つ症状の進行を段階的継続的に変化移行していくものとして理解し捉えて、データを集積し分析することが、的確な判定や診断に必要不可欠となるのです。「DSM-4」という、権威はあるが内容自体に重大な誤りがある「診断基準」を金科玉条としていたのでは、いつまで経っても、「アルツハイマー型認知症」の本質を理解することはできないし、的確な診断を行うことはできないというのが専門家達に対する私達からの問題提起なのです。

認知症の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」も、一般の病気と同様に、早期発見・早期治療が鍵になるのです。「軽度認知症」(小ボケ)と「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけると、脳のリハビリ(「前頭葉」を中心とした脳の活性化を目的とする「生活習慣」の構築と実践)により、「治す」(脳の機能を正常なレベルに回復させる)ことができるのです。認知症専門の医師達は、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて、「DSM-4」の基準に依拠して「アルツハイマー型認知症」であると診断することになるので、その結果として、「アルツハイマー型認知症は、治すことができない」ことになってしまっているだけなのです。認知症の専門家と呼ばれる人達が言っているような、「原因不明で治らない病気」ではないのです。 「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する「生活習慣病」の一つにすぎないということを早く理解してほしいと願うのです。更には、発病を「予防」することもできるのです(このことについては、市町村による「地域予防」の展開方法という「テーマ」で詳しく説明する予定です)。 

ところで、「生活習慣」と言うと、「調和のとれた食事、適切な運動、十分な睡眠」などが直ぐに「テーマ」にされるのですが、私達の市町村での「地域予防活動」の実践の成果から言うと違うのです。「アルツハイマー型認知症の回復と予防」には、北海道から九州まで、日本人全体について、「脳の使い方」と言う視点からの「生活習慣の見直し」が不可欠となるのです。こうした視点からの「脳を活性化する生活習慣」の構築と実践とを全国民的な「テーマ」として、特に、第二の人生に入っている高齢者(及び第二の人生を迎えようとしている50歳代の人たちを含む)に、このブログを通じて、呼び掛けていきたいと考えているのです。

注)本著作物(このブログA-73に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください)

 脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

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アルツハイマー型認知症専門ブログ(発病の原因、回復と予防)(A-72)

2013-01-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

○ 専門ブログ開設の目的

このブログは、認知症の大多数、90%以上を占めていて、認知症の専門家達から「原因もわからないし、治すことも出来ない」とされている「アルツハイマー型認知症」について、出来るだけ分かりやすく世の中に、(特に、東日本大震災を被災された被災地の高齢者達及び市町村の保健師さん達に)知らせたいとの思いから、根拠となるデータの開示を含め、概要を公開しているものです。私達の主張や問題提起や基礎データの根拠は、1995年に「エイジングライフ研究所」を立ち上げて活動を開始して以来これまでに、「440を超える市町村」で実践指導してきた「地域予防活動」の成果に基づいています。

 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム、早期発見による回復、症状の進行の抑制と適切な介護の在りかた、そして個人及び地域単位での「アルツハイマー型認知症」の予防の仕方が、本ブログの「テーマ」です。「マニュアル」化され、「システム」化された「二段階方式」と呼ばれるそのシステムの使用は、有償、(使用許諾契約の対象は、市町村の健康・保健・福祉課など、在宅介護支援センター、地域包括支援センター、介護施設事業者及びNPO法人に限定されています)となっていますが、このブログの中で、「その概要」を逐次みなさんに公開していくつもりです。

「市町村」と「地域」との共同による、「アルツハイマー型認知症」の「予防」を目的とする「地域予防活動」(脳の使い方としての「生活習慣の改善」という考え方の地域住民への浸透とその日常生活レベルでの実践並びに早期診断による「アルツハイマー型認知症」からの回復のための窓口の開設)が全国的に拡大され普及することにより、「アルツハイマー型認知症」とは無縁の「第二の人生を完走」していただける「超高齢化社会」の実現に大きな役割を果たすことができると考えています。その根拠となる「脳機能データ」の開示を含めた「概要」を公開するのが、この専門ブログの役割です。

 「アルツハイマー型認知症」については、世界で最も権威があるとされている米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」における定義で、「記憶障害」の症状(第一の要件)と末期段階の「重度の症状」だけに見られる失語や失行や失認の症状(第二の要件)とを「アルツハイマー型認知症の診断要件」として規定している為に、認知症の専門家とされる精神科医による診察では、認知症が気がかりで訪れる人の診断の際、「末期段階の重度の症状」を示している場合でないと「認知症」とは診断されないと言う結果を導くこととなっているのです(「DSM-4」の規定の問題点については、逐次説明していきます)。そのベースの上で、家族も「重度の記憶障害」の「症状」が出てくるようになって、どうにも手に負えなくなって初めて本人を精神科医のところに連れていくので、(「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない病気」)にされてしまったのです。「アルツハイマー型認知症」は、治らない病気ではないのです。「DSM-4」の規定に問題があって、その為に見つけるのが遅すぎる、言い換えると、「末期の段階」でしか見つけられないから、「原因も分からないし、治らない」病気にされているだけなのです。 その基準が現在もまかり徹っているために、我が国には300万人もの認知症のお年寄りが居るのです(その全てが、末期段階の「重度認知症」の段階の人達)。  

 その結果、回復可能な軽度の認知症の段階は、専門家達から「不活発病」や「老化現象」の名前を張られるだけで、見過ごされ、放置されたままになっているのです。「不活発病」のレッテルを貼られているものが最も初期の段階の症状(回復が容易な小ボケ)であり、「老化現象」と混同されているものが中期の段階の症状(回復が未だ可能な中ボケ)であり、原因も分からないし治らない介護の対象とされているものが末期の段階の症状(回復が困難な大ボケ)なのです。

 「アルツハイマー型認知症」に関して出版されている本は、そのほとんどを読みました。新刊本も読みました。「アルツハイマー型認知症」をテーマにしているブログやホームページも、それなりのレベルで書かれているものは、ほとんど読みました。それらのほとんどの記事で、「アルツハイマー型認知症」の発病原因や症状の進み方の特徴等について書かれている内容は、誤りだらけと言うほかありませんでした。更には、「アルツハイマー型認知症」の回復と予防を「テーマ」とする記載については、どこにも見つけることができませんでした。「予防」がテーマとされている認知症は、唯一、「脳血管性認知症」だけでした。「アルツハイマー型認知症」の治療や予防を可能にするかの如くの「新薬の開発」に関する新聞記事やテレビの報道が時々見受けられますが、「治療や予防を可能にする薬の開発はあり得ない」ことを、このブログを読んでいる研究者や医師達に理解して欲しいと願うのです。

全ての記事は、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、原因も分からないし、治せない」ものとして記述されており、発病の原因に関する推測として、アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説等の概要が記述されているだけでした。私達は、(「アルツハイマー型認知症」は、「原因不明でも、治せないものでもなく」て、「早期の段階で見つけると治せるし、予防することもできるものなのだ」)という正しい知識を全国に広めたいと考えているのです。

「アルツハイマー型認知症」の回復と予防を「テーマ」にしているこのブログでは、根拠となる「多数のデータ」を開示することにより、認知症の専門家達を含めて世間全体の「アルツハイマー型認知症」に対する誤解を解消させていく一助となればと願ってい るのです。このブログを通じて開示する内容は、エイジングライフ研究所が1995年の活動開始以来、440を超える市町村で(市町村の保健師さんたちとの共同により)展開してきた、「アルツハイマー型認知症」の早期発見と回復(「相談窓口」)及び発病の予防を目的とした「認知症予防教室」の開催を中核とする、集団参加による「地域予防活動」の実践の成果に基づきデータ化され、システム化されているものの概要です。

 ○ 主な認知症の種類と全体に占める比率

我が国では、「アルツハイマー型認知症」の患者がどんどん増えてきています。ご存知のように、認知症にもいろいろな種類があります。いろいろな種類がある認知症の中で、その大多数90%以上を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」と呼ばれるものなのです。その「正体」は、毎日の脳の使い方としての「生活習慣」が原因で、第二の人生を歩んでいる「高齢者」だけを対象にして発病する病気、「廃用症候群に属する生活習慣病」なのです。

ところで日本では、「若年性のアルツハイマー病(狭義のアルツハイマー病)」と「老年性のアルツハイマー型認知症」とをまとめて「アルツハイマー病」と総称していますが、これは大きな誤解を招くものです。若年性アルツハイマー病(狭義のアルツハイマー病)は、「アルツハイマー型認知症」とは性質が根本的に異なるものだからです。 「狭義のアルツハイマー病」は、特定の「遺伝子」に生まれつき異常が認められる人にしか認知症の症状が発症してこないのです。しかも、発病する年齢は、早いと30代で遅くても50代どまりなのです。そして、発病後に症状が進行する速さも、「アルツハイマー型認知症」の場合の症状の進行度合いとは全く異なる、比べ物にならない速さで進行するのです。そのうえ、現在の医療レベルでは、症状の進行を抑制する方法も、症状を回復させる方法もありません。認知症全体に占める割合も、老年性の「アルツハイマー型認知症」が90%を超えるのに対し、若年性の狭義の「アルツハイマー病」は1%程度なのです。

○ 脳機能のレベルと認知症の症状とのリンク

「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについて、重度の段階でしか認知症であるか否かの判定が困難な方法である脳の萎縮を基準に考えたり、原因ではなくて結果を示しているにすぎないアミロイドベータやタウタンパクによる老人斑の生成や神経原線維変化などを対象とする世間一般のアプローチと比べて、私たちのそれは根本的に異なるものです。

エイジングライフ研究所では、独自に開発した「二段階方式」と呼ばれる「現に生きている人達の脳の働き具合」とそのアウトプットである「症状」とをリンクさせて判定する方法により、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とする17年間に及ぶ市町村での実践活動の中で、極めて多数のデータを蓄積してきました。「脳機能と症状とのリンク・データ」が示す「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを、このブログの中で、簡潔に要約して載せたいと思います。「東日本大震災」の被災地の高齢者が他のどの地域の高齢者とも比較にならないほどの高い割合で「アルツハイマー型認知症」を発病すれば、「アルツハイマー型認知症は、生活習慣病である」という私達の考えが「疫学的に証明される」こととなり、専門家たちを含めて、世の中の考えを変える重要な契機になると考えています。  

○ 長い第二の人生を、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で、完走しよう 

人生60年と言われていた一昔前の時代と違って、世界に先駆けて「超高齢化社会」に突入した現在の日本では、誰でも80歳90歳まで生きるのが当たり前となっています。会社や役所勤めの人のように定年がある場合がもっとも典型的ですが、60歳前後の年齢を起点にして、第二の人生に入るのが通常でしょう。人生60年と言われ、第二の人生の期間が殆どなかった昔の人達の老後とは違って、「超高齢化社会」に生きる私達には、「第二の人生」が20年も30年もある訳ですから、第一の人生がどうだったかだけでなく、「第二の人生」がどうなるかがとても重要な意味を持ってくることになります。第一の人生がどんなに立派でも、第二の人生ではやばやとボケてしまったのでは、人生を全うしたことにはならないでしょう。

「アルツハイマー型認知症」は、「狭義のアルツハイマー病」とは発病のメカニズムも症状の進行の度合いも回復と予防の可能性も全く異なるものなのです。「アルツハイマー型認知症」は、「症状が、何年もかけて、徐々に段階的にしか進行しない」のが特徴なのです。世間で「アルツハイマー型認知症」を発病してから死亡するまでの期間について言及しているものを見かけますが、あの数値は、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)から数えた数値なのです。私たちが問題にしている、「軽度認知症」(小ボケ)の段階と「中等度認知症」(中ボケ)の段階を加えると、「脳はもたないのに、はるかに長く身体はもつ」ところが、このタイプの認知症の特徴なのです。

 日本全体の高齢化率も25%が目前です。手遅れにならないうちに、市町村を中核とした「地域予防活動」を展開し、普及させることが求められているのです。高齢化がどんどん進んでいく中で、独居老人や老夫婦のみの世帯がしだいに増加してきている現状をふまえるとき、お年寄りが、「いつまでも元気なままでいられる」、「身体が持つ限り、脳もちゃんともたせる」、或いは、「年齢相応の社会生活が送られるレベルに脳の機能を保つ」ための施策が、全ての「市町村」で切実に求められているのです。事業としての「必要な収益」を挙げることが期待できない、早期診断による回復や予防は、医療機関が中核となることは、困難だからです。「アルツハイマー型認知症」について、正しい知識を世の中に広め、早期発見と回復並びに予防と密接な関係がある、日々の脳の使い方としての「生活習慣」の改善に向けて、国民的な関心を呼び起こしたいと私たちは考えています。

 注)本著作物(このブログA-72に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください)

脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

 http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a

 
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単調な生活が始まる「キッカケ」となる生活状況とその経過(その2)(A-69)

2012-12-01 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

私達は、誰でもが80歳や90歳まで生きるのが当たり前の「長寿社会」に暮らしています。古来より理想とされたこの長寿社会を実現する過程では、「身体の健康」という視点が我が島国の隅々にまで行きわたり、それを支える十分な政策とシステムとが完備されてきたのです。その結果、誰でもが80歳や90歳という「超高齢」になるまで「身体」がもち、生きることができるようになったのです。ところが、「身体の健康」が達成されている一方で、「脳の健康」という視点がどこかに置き去りにされて、政策の議論もシステムの構築もなされないままに来てしまったのです。「人生 60年」と言われた一昔前(60歳を超えると、やがて「お迎え」が来ていた)には問題にならなかったのですが、第二の人生が20年も30年もあるこの「超高齢化社会」では、身体の健康以上に「脳の健康」と言う視点、言い換えると脳の使い方と言う視点からの「生活習慣」が、極めて重要で国民的なテーマとされるべき「必要条件」があるのです。

何故なら、「超高齢化社会」を実現している我が国には、回復が困難な末期段階の「認知症」のお年寄りが、300万人もいるという現実があるからです。然もこの先、この数字は更に増加していくと厚生労働省が予測しているのです。この「重度認知症」の段階にあるとされる300万人もの「認知症のお年寄りの介護の為の費用」が、年間18兆円にも上っている(介護保険による負担部分と個人負担部分との合計金額)という現実に、国民がもっと目を向ける必要があると思うのです。加えて我が国には、地方と国とを併せて1000兆円という世界に例のない規模の「累積債務」があること、経済活動とその規模とを支える上で極めて危険な指標である「少子高齢化」の更なる進行という、「三重苦」の問題を抱えているからです。これまでのように、「蛇口を開きっぱなし」にしていたのでは、財政面からせっかくの「介護保険制度」が破たんしてしまうことになるのです。

「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と予防のシステムを確立し、全国展開する為の、「国民的な議論」を早急に展開する必要に迫られているのです。国民的な議論を展開して、脳の使い方という視点からの「生活習慣」を再構築することが必要不可欠であり、そのためには、日本人の生き方、価値観を根本的に見直す必要があるからです。「仕事」一筋、「左脳」一辺倒の価値観では、「超高齢化社会」を維持していくことができないのです。脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」には、「加齢とともに、緩やかではあるが下向きのカーブを描きつつ、衰えていく」という性質があります。下向きのカーブが緩やかに衰えていく限りは、「アルツハイマー型認知症」の問題は起きてこないのです。

その緩やかなカーブを保ち続けるためには、そのカーブを下支えすることが不可欠の条件になります。下支えするには、脳をしっかりと使う「生活習慣」を構築して、「脳全体を活性化」してやる生活が必要なのです。「左脳」が中心となる仕事や勉強とは縁がなくなる「第二の人生」で、脳を活性化させる「生活習慣」とは、「右脳」や「運動の脳」を中心に構築した生活のことなのです。「趣味や遊びや人づきあい」を楽しむ生活、或いは「散歩やスポーツ」を楽しむ生活、日々を過ごしていく上での中心となる「テーマ」として、そうした生活に積極的に取り組むのです。そうした「テーマ」の遂行により、自分なりの「目標」があって、喜びや生き甲斐がそれなりに得られるような生活、そうした「生活習慣」を第二の人生での生き方として確立することが、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の活性化につながるのです。

「前頭葉」の三本柱をなす機能、それは、「意欲」、「集中力」及び「注意の分配力」なのです。その機能が最も活性化する生活とは、「やりたいこと」を、「やりたいとき」に、「やりたい仲間と」やる生活、「3Yの生活」を生活習慣化して継続することなのです。「3Y」と言わず、「3Y崩れ」でもいいので、トライしてみてください。(蛇足)第一の人生を、オンもオフも「左脳」一辺倒で頑張っている人達への助言です。オフは、「右脳や運動の脳」中心の生活に切り替えたほうが、オンでの「左脳」の活性化に効果的というのが、脳の機能面からの考え方なのです。「左脳」から「右脳や運動の脳」への切り替えができる「生活習慣」を第一の人生で生活習慣化していれば、第二の人生が始まった時、悩むことも戸惑うこともないということなのです。

認知症を発病している人達の90%以上を占めていて、世間で認知症の専門家と言われる人達から、「原因も分からないし、治すこともできない病気」と言われ続けてきた「アルツハイマー型認知症」と言う病気は、脳の使い方としての「生活習慣」が「発病」を左右し且つ「回復」を左右する「生活習慣病」なのです。このことは、東日本大震災の被災地の高齢者達のこの先3~4年の間の動静を、注意深く観察していれば容易にわかることなのです。 「アルツハイマー型認知症」と言う病気は、認知症の専門家たちが言っているような、「アミロイドベータやタウタンパクが神経細胞を侵し、脱落させることが原因で発病する」ものではないのです。廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」にすぎないことが、「疫学的に証明されることになる」ことを、ここに予告しておきたいと思います。(ここを「クリック」してください)

専門家達が原因もわからないし、治らない病気としている理由は、「アルツハイマー型認知症」の性質そのものに根拠がある訳ではないのです。回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、未だ回復が可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、回復が困難となる「重度認知症」(大ボケ)へと次第に症状が段階的に移行していくことさえ知らないことが問題なのです。権威はあるものの内容が間違っている、米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」(「重度の記憶障害」と末期段階にしか見られない失語、失行及び失認という「重度の症状」とを診断の要件として規定している)を金科玉条として盲目的に依拠して診察を行うために、末期段階の「重度認知症」(私たちが区分している「大ボケ」)の段階にならないと、「アルツハイマー型認知症」であるとは考えないことに問題があるのです。この段階にまで「前頭葉」を含む脳の機能レベルが衰えてくると、治すことはできないし(正常なレベルはおろか、中ボケのレベルに回復させることさえ困難になるのです)、何が原因なのかも分からなくなってしまうということなのです。

「DSM-4」に依拠して診断している限り、見つけることができるのは、「アルツハイマー型認知症」の「重度認知症」(大ボケ)の段階ということになるのです。「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えてきていると、回復させる(治す)ことは困難なのです。回復させるには、「軽度認知症」(小ボケ)の段階、或いは「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけることが不可欠なのです。その最も重要な「指標」となるのが、「前頭葉」の機能の障害ということなのです。「記憶」の障害は、指標とはならないのです。そもそも、「失語、失行、失認等の症状は、「重度認知症」の段階(それも、「MMS」で10点を切る段階)にならないと発現してくることがない、極めて重い「症状」なのだということに、「アルツハイマー型認知症」の臨床の現場を持つお医者さん達が早く気付いて欲しいと願うのです。

「アルツハイマー型認知症」を長年患って「重度認知症」の段階にあった患者の死亡後の脳を解剖したとき「眼につく要素」ではあるのですが、「原因ではない」、且つ、「因果関係の証明」もない、単なる推測にもとずく「仮説」が、未だに学会で幅を利かしているのです。脳の委縮とか、老人斑とか、神経原線維変化とか、神経細胞の脱落とかの副産物をターゲットとして、脳の委縮説やらアミロイドベータ犯人説やらタウタンパク犯人説やらの色々な学説が展開されているのが実情です。その上、「前頭葉」の判断と指令に基づく人間の行動とは機能が異次元の、「ラット」やらの本能的な行動(本能に「薄毛」が生えた程度の行動)を分析して、主張(因果関係の証明がない、推論に基づく「仮説」)の根拠にしているのです。だからこそ、世界中の優秀な頭脳が何十年も一生をかけて研究しているのに、未だに結果が出てこないのです。「アルツハイマー型認知症は、生活習慣病である」との主張のもとに、市町村での「地域予防活動」を私達が開始してから18年が経過しようとしているのですが、その間に、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説と、色々な学説が「うたかた」のように「出てきては消え」を、ただ繰り返してきているだけなのです。

私達が主張している「生活習慣病」説(脳の使い方としての日々の「生活習慣」が発病を左右する要件)は、「前頭葉」を含む脳の機能レベルとそれにリンクした症状を基礎としていて、関連する「データ」に裏付けられているだけでなく、市町村での「実践の成果」にも裏付けられています。「アルツハイマー型認知症」を予防したり、治したりする(「小ボケ」及び「中ボケ」のレベルだけが対象)には、薬はいらないし(予防や治療に効く薬は存在しえない)、脳の使い方としての「生活習慣」を見直し再構築するだけでいいのです。多くのお年寄りが嫌いな、勉強(左脳が主体となる数学や国語の勉強)を要求しているわけでもないのです。自分が楽しくてやりたくなる、「右脳」や「運動の脳」がらみの「テーマ」を生活習慣化することを要求しているだけなのです。「利益はあっても害はない」ので、このブログを読んでおられる「お年寄り」は、是非挑戦してみてください。

「アルツハイマー型認知症」の予防には、脳をイキイキと使う「生活習慣」を毎日の生活に構築することしか他に方法がないのです。予防に効果がある薬は存在しえないし、食べ物もサプリメントの類も関係ないのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の予防というテーマを医師に求めることもできないのです。何故なら、CTもMRIも使えないし、薬も使えないのでは、肝心の利益が出ないし、テスターの人件費さえまかなえないからです。廃用症候群に属する生活習慣病である「アルツハイマー型認知症」の「予防」を業務目標として活動することができるのは、市町村の保健師さん達だけなのです。このブログをできるだけ多くの市町村の保健市師さん達が、興味を持って読んでくれていることを期待しています。(ここを「クリック」してください)

 

あの大震災から1年半も経っているというのに、被災地の「高齢者」達の脳に何が起きてきているのかを「認知症の専門家」たちが理解するには、この先3~4年が更に必要だと言いました。その理由は、「アルツハイマー型認知症」の専門家たちは、「中ボケ」の後期から「大ボケ」の段階になって初めて出てくるようになる「重度の症状」が認められないと、「アルツハイマー型認知症」とは考えないからなのです。(「小ボケ」や「中ボケ」の前期の段階でみられる「症状」は、認知症の症状ではなくて、「不活発病」とか、年のせいによる「老化現象」としか考えていないのです。「アルツハイマー型認知症」の症状が、段階的に発現してくることを知らないので、「重度の症状」が、ある日突然降って湧いたように、発現すると考えているのです)。「アルツハイマー型認知症」という病気は、「脳の機能レベル」のアウトプットとして、(その段階的に区分される「機能レベル」に相応する特有な「症状」が段階的に発現してくる)だけの病気なのに、そのことが分かっていないのです。

3~4年後まで、何等の対応もなく手をこまねいて待っていると、現在「不活発病」のレッテルを貼られていたり(「小ボケ」のレベル)、或いは年のせいによる「老化現象」と誤解されている(「中ボケ」の前期のレベル)お年寄りたちが、突然、「アルツハイマー型認知症」を発病したとして(現在「小ボケ」や「中ボケ」の前期の段階に居るお年寄りたちの症状が進んで、3~4年後には、「中ボケ」の後期のレベルから「大ボケ」のレベルになっているはずなのです)、認知症の専門家達から騒がれることになるのです。被災地のお年寄りたちの間に、余りにも大量で且つ突然、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄り達が出現することになって、マスコミも騒ぎだすことになるのです。その結果、認知症の専門家達の「アルツハイマー型認知症」に対する見方がやっと変わることになるのです。「小ボケ」から「中ボケ」、更には「大ボケ」へと段階を経て、「症状」が進んできていることにも気づくことになるのです。最終的には、「アルツハイマー型認知症」が「生活習慣病」であることにも気づくことになるのです。こうした経過を経て、「アルツハイマー型認知症」が脳の使い方という視点からの「生活習慣病」であることが、「疫学的に証明される」ことにもなるのです。

機能レベルが、「小ボケ」、「中ボケ」、そして「大ボケ」へと段階的に衰えていくにつれて、その脳の機能レベルに相応した 、「小ボケ」、「中ボケ」、そして「大ボケ」の各段階に特有の「症状」が出てくることになるだけの病気、それが、原因不明とされてきた「アルツハイマー型認知症」の正体なのです。そのことに専門家たち(研究者や医師)が気付いていないことが重大な問題なのです。ネズミやサルの脳を研究ばかりしていたのでは、いつまで経っても、「アルツハイマー型認知症」を発病するメカニズムを理解することは出来ないのです。人間の脳、特に「前頭葉」という脳全体の司令塔の役割をしているその機能は、余りにも高度で且つ複雑なので、猿やラットの脳はおろか、人間の脳でも「生きている人間の脳」を使って機能している状態を調べてみないと、理解することができないのです。末期段階の「重度認知症」のレベルを何年も過ごしていた人の脳を死後に解剖してみたところで、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(原因) を理解することはできないのです。

 

人間の脳には、「前頭葉」という脳全体の司令塔を中心として、左脳、右脳及び運動の脳との協働により、「意識的な行為」の世界を組み立てコントロールするメカニズムがあります。人間に最も近いチンパンジーでさえ、異次元のレベル(人間の「前頭葉」とは比較にならないほど機能レベルが低い)にあるのです。世間では(学会や製薬会社)、人間の脳の働き具合を(チンパンジーとでさえ、比較もできない程のレベル差があるのに)、ラットの意識的な行為(「前頭葉」の機能自体を持ち合わせていない上に、行為というよりは、本能に基づく動きでしかない記憶に関わる行動)を基にして、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究し、理解しようとしているのです。

そもそも、「前頭葉」には、ちゃんと使ってやる「生活習慣」を構築し継続していても、「加齢」とともに緩やかに機能が衰えていくという性質がある(「正常な老化」)のです。どんな「生活習慣」を維持していようとも、誰でも、「高齢者」と呼ばれる年齢になってくると、「前頭葉」の機能レベルが若い頃に比べると相当落ちてきているのです。「第二の人生」の入り口の年齢である65歳頃になると、最盛期の20~25歳の頃に比べて、その半分位に機能のレベルが衰えてきているのです。そして、その先は、70歳80歳90歳と年をとるにつれて、一直線に衰えていくのです(「第一の要件」)。そうした性質を内在させている「高齢者」の「前頭葉」が、何かを「キッカケ」として、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に入っていくことで、老化を加速させていき(加速度的に機能が衰える「異常な老化」)、脳の機能が正常なレベルから異常なレベルに低下してくることで、その「機能レベル」に相応する「症状」を発現してくる、それが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

「アルツハイマー型認症」は、「生活習慣病」だと言いました。どんな「生活習慣」が発病を惹き起こすことになるのか。

「生き甲斐」となるものもなく、「喜びや感動」を覚えるときもなく、楽しめる「趣味」もなく、熱中している「遊び」もなく、これといった「人付き合い」もなく散歩やスポーツなど「身体を動かす」ことにも興味がなく、「目標」として掲げるものも何一つない、「ナイナイ尽くしの」単調な生活の連続そうした日々の生活振り、第二の人生でのあなたのそうした「生活習慣」(発病の「第二の条件」)が、「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起すことになるのです。

時間だけはたっぷりあるのにすることがない毎日、ただぼんやりと暮らすだけの「単調な生活」が日々繰り返されていて、そうした日々の脳の使い方(生活習慣)が継続されている生活、そんな毎日を「高齢者」と呼ばれる年齢のあなたが過ごしていたのでは、使われる機会が極端に少なくなった「前頭葉」が居眠りをしはじめ、「前頭葉」の「老化」が日々加速していくことになるのです。「高齢者」の皆さんが、日常生活面で体験していて分かり易い例で言えば、「脚」の筋肉の「廃用性萎縮」による機能低下、あれと同じことがの司令塔の「前頭葉」で起きてくるのです。

ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する中で、「前頭葉」が日々老化を加速させていって、廃用性の加速度的な機能低下(使われる機会が極端に少ないことによって、機能が異常なレベルに加速度的に衰えて行くことを起こしてくるその先にあなたを待っているのが、高齢者のあなたやあなたの周りの家族が一番恐れている、あの「アルツハイマー型認知症」という病気なのです。「前頭葉」だけが異常なレベルにある段階が軽度認知症(小ボケ)で、左脳と右脳とが異常なレベルに衰えてくることで、中等度認知症(中ボケ)及び重度認知症(大ボケ)の段階へと症状が進んでいくのです。「中等度認知症」(中ボケ)の後期の段階から「重度認知症」(大ボケ)の段階の「症状」が出てくるようになって初めて、認知症の専門家たちが騒ぎだす(アルツハイマー型認知症だと診断する)のです。(「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。

今回も前置きがずいぶん長くなってしまいましたが、ここから今日の本題に入って、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まる「キッカケ」となる生活状況(その2)についての例示的な説明を以下にします。

(ケース その2) 「キッカケ」となる生活状況(「目標」を持ち、頑張って生きようとする意欲をなくしてしまうような「生活状況」が発生すること)が発生した時の経過

「左脳」が中心となる「仕事」を達成するような目標や生きがいはなくても、「右脳」や「運動の脳」が中心となる趣味や遊びや人付き合いや運動で、「目標」や喜びや生き甲斐が得られる場がある生活、毎日が楽しく充実していると感じられる生活を送っていれば、「前頭葉」は活性化され生き生きと働きます。そうした脳の使い方の日々が、加齢によりすべてのお年寄りが抱えている、あの「正常な老化のカーブ」を下支えしてくれるのです。(ここを「クリック」してください)

趣味や遊びや人付き合いや運動などを楽しみ、小さいながらも自分なりの「目標」があり、自分なりの喜びや生き甲斐がある生活を送っている日々が過ぎていく、ボケとは無縁であるはずの日々。そんな時、ある日突然、「目標」を持ってがんばって生きようとする「意欲」をなくしてしまうような「生活状況」が発生することになるのです。これが、パターン(その2)なのです。

 

○ 「病気や肉体的悪条件の発生と進行」(重い病気や大きな怪我、激しい痛みを伴う足腰の障害等の発生と進行;重篤な聴力や視力障害の進行)

「重大な病気や怪我や痛み等」を抱えたままの生活になれば、その病気や怪我や痛みが継続している間は、それまでのような趣味や遊びや人づきあいを自分なりに楽しむ、生き生きとした日々を送れなくなることは当然のことです。

注意しておかなければいけないことは、本人が重大な病気にならなくても「配偶者」が重大な病気になったことが「キッカケ」になることがよくあるのです。二人暮らしでがんばってきた老夫婦の相手が重大な病気にかかってしまった時に、その看病している側の方も看病で外出もままならなくなるし、趣味や遊びを楽しむことも許されなくなってしまうのです。毎日家に閉じこもって、「看病」をするだけの生活になってしまえば、肝心の自分の「前頭葉」も、出番が極端に少ない生活の下で、老化を速めて行くことになるのです.

病気の情報を集め、種々の工夫をして、つれあいの看病をすることに「生き甲斐」を感じることができれば、自分の生活もそれなりに、「前頭葉」が働く場面がそこそこある生活状態を保つことができますが、それは極めて稀なケースというのが現実なのです。

「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りの場合は、例えば庭先で転んで骨折したり、変形性膝関節炎にかかったり、腰痛がひどくて、歩行が困難な生活状況が発生したりするのです。足が痛いと、ゲートボールや散歩にも行きたくなくなり、家にこもりがちの生活になってしまいます。そんな「閉じこもりの生活」が毎日継続していると、出番が極端に減った「前頭葉」が居眠りし始め、老化を加速させていく結果、「アルツハイマー型認知症」(小ボケ)の症状が出始める(発病する)のです。「前頭葉」の機能レベルを含む脳の機能レベルを、「神経心理機能テスト」で調べてみれば、「老人性うつ」ではなくて、或いは「不活発病」ではなくて、認知症そのもの(「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である小ボケ)であることが確認できるのです。

 特に注意が必要なケースが、配偶者の一方が「アルツハイマー型認知症」を発病する場合です。「中ボケ」レベル或いは「大ボケ」レベルの相手を抱えて介護している本人自身が「小ボケ」に入っていく(「アルツハイマー型認知症」を発病する)ことがとても多いのです。自身が趣味や遊びの集いに参加することもできず、人付き合いも疎遠になっていく中で、「介護に追われる」だけの毎日、趣味なく交友なく運動もせず、目標もないナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続していると、出番が極端に減った「前頭葉」が居眠りし始め、老化を加速させていき、介護している本人自身が「アルツハイマー型認知症」を発病することになる(小ボケ)のです。

 

○  「家庭内の問題」が発生し、継続すること(子供の離婚やリストラやサラ金問題;孫の不登校や非行問題の発生;家庭内の不和;相続に関連した争いごと等)。

こうした他人には言えない「身内の重大な問題」が発生した時、普段の生活状況では、たとえ趣味や遊びや人付き合いの集いに参加していたり、スポーツや散歩を友人たちとやっていても、「心はいつも上の空状態」で楽しむことができないのです。楽しむ心の余裕もないのです。上記のような家庭内の問題を抱える状況が発生し、継続していると、人に会うのも恥ずかしいので、趣味や遊びの集いにも次第に出て行かなくなるのです。だからといって、自分の力ではどうすることもできないため、いわゆる「うつ状態」と言われるような精神状態に陥りがちなのです(「うつ病」ではなくて、「老人性うつ」)。

そのうち何かをする気力もなくなり、意欲もなくなって、家に閉じこもりがちの生活になっていくのです。生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に入っていくことになるのです。そのナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続するようになると、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていることを知っておいてほしいのです。生活の在り方を何とか工夫して、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する状態から抜け出さないといけないのです。

 

○ 「寂しい生活」が継続すること

家族と一緒に暮らしていながら、生活時間のずれや不和で、家族との挨拶も会話もなく、毎日の食事も一人でするような「寂しい生活」のことです。家の隅に追いやられ、テレビを見るだけのような暮らしでは、寂しさだけでなく精神的なつらさやわびしさが一層募ります。趣味も遊びも人付き合いもない「単調な生活」が過ぎていくだけの毎日で、こんなことなら、はやくお迎えがきて欲しいと思うようになるのです。何をする気力も希望も喜びもない毎日では、「前頭葉」は老化を加速させていくだけなのです。

 

○一人暮らしの生活

「一人暮らしだからこそ、ボケてなんかいられない」という気概を持っている人は、昼間は趣味や遊びで出かけて留守、家にいるときは、お友達がお茶のみや雑談に尋ねてきているような生活を送るものなのです。当然のことながら、こうした生活を継続している「一人暮らし」のお年寄りは、ボケ(「アルツハイマー型認知症」の発病)とは無縁です。

昼も夜も一人で家にいて、お茶を飲んでは居眠りして、水戸黄門を見ているだけのようなボンヤリした「単調な暮らし」だけの生活が、「前頭葉」を居眠りさせ、ボケを呼び込む(「アルツハイマー型認知症」を発病することになる)のです。明日と言わず今日から、お友達探し、趣味や遊びの集いの場探しの探検に出かけましょう。

 注)本著作物(このブログA-69に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここをクリックしてください)

 脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

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「単調な生活」が始まる「キッカケ」となる生活状況(その1)(A-68)

2012-11-21 | アルツハイマー型認知症に対する正しい知識

「アルツハイマー型認知症」の発病(認知症の症状の発現)は、「2つの要件」が充足されることにより起きてきます。(発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。その「第一の要件」は、「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りであることです。「アルツハイマー型認知症」(「老年性アルツハイマー病」とも言います。)を発病する人たちの実態を調べてみると、60歳以上の年齢のお年寄りに限られていることが分かります。なお、60歳にならない若い年齢で発病するのは、遺伝子の異常が原因で発病する「アルツハイマー病」(「若年性アルツハイマー病」とも言います。両者の名前は似ていますが、発病のメカニズム、発病後の症状の進行、回復の可能性など、両者は性質を全く異にします。)なので、混同しないよう注意してください。

更に、「第二の人生」に入っているお年寄りを対象に調べてみると、注目すべき全国共通の実態として、「アルツハイマー型認知症」を発病する人の割合が、年齢が上がるにつれて、どんどん増加していくことがわかるのです。(ここを「クリック」してください )。「認知症」を発病していて回復が困難な末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のレベルにある人達の総数は、厚生労働省が今年の8月に数値を従来の200万人から300万人に変更したように、これまでの見通しをはるかに上回るスピードで増加しているのですが、その大多数90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」なのです。然も、この300万人という数字は、末期段階の回復が困難な「重度認知症」(大ボケ:認知症の専門家とされる医師たちは、「DSM-4」という権威はあるが誤った内容の「診断基準」に基づいて診断するので、この段階にならないと、「アルツハイマー型認知症」とは診断しないのです)だけの数字であって、その前段階の回復が可能な「中等度認知症」(中ボケ)と始まりの段階の回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)とを合わせた数は「大ボケ」の数の3倍にもなるのです。

「第二の人生」に入っているお年寄りの中の或る人は、「生き甲斐や目標があり」、時には喜びや感動を覚えるといった生活を日々過ごして居り、或る人は、「生き甲斐も目標もなく」、喜びや感動を覚えることもないといった生活を日々過ごしている訳なのですが、いずれの側の生活をしていようとも、言い換えると、「どんな生活習慣」を基礎として毎日を過ごしていようとも、「高齢者」である限りお年寄りは誰でも、「前頭葉が、加齢に伴い機能を老化させていく」という問題を抱えているのです(どのような「生活習慣」の下で生きていようと、「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りは誰でも、脳が「正常な老化」のカーブをたどりながら、機能のレベルがゆるやかに且つ直線的に低下してゆくのです)。これが、「アルツハイマー型認知症」を発病する為の「第一の要件」となっているのです(これは、全てのお年寄りに「共通」する条件なのです)。認知症を専門に研究している人たちは、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、(脳の機能が、加齢による「正常老化」のカーブを辿って、一定のレベルにまで衰えてきている年齢のお年寄りに限られている)という実態に目を向ける必要があるのです。

それでは、「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りは誰でも、「アルツハイマー型認知症」を発病するのかと言うとそうではありません。「アルツハイマー型認知症」を発病することになるかならないか、何がそれを仕分けるのか。それが今日のテーマである、「キッカケ」となる「生活状況」の発生とそれに対する、本人の「受け止め方と対応の仕方」の話なのです。

ところで、(少し横道にそれる話なのですが)施設に入居している「重度認知症」(大ボケ)の段階のお年寄りにかかる毎月の「介護保険」の費用だけでみても、約40万円かかっているのを皆さんご存知でしょうか(この他に、個人負担額が約10万円ほどかかります)。費用の高額さだけに驚かないでください。この段階のお年寄りがわが国には、現在300万人もいるのです(厚生労働省の発表数字です)。認知症のお年寄りにかかる介護費用の総額は、介護保険の費用と個人の負担分とを合わせると、我が国の国家収入金額(一般会計での歳入金額)の半分近くに達するほどの巨額なものになっているのです。

「アルツハイマー型認知症」の定期健診制度の導入と早期診断による「回復」と「予防」を「国民的な課題」にしないと、我が国の若者や子供たちの将来はないと思いませんか。(ここを「クリック」してください)。その上我が国には、国と地方自治体とを合わせると、総額1000兆円にも達する債務が累積しているのです。12月には衆議院の総選挙が実施されます、こうした問題も踏まえて、よく考えて、投票していただきたいと思うのです。

「超高齢化社会」を実現した我が国では、どのお年寄りにとっても”20年も30年”もある「第二の人生」を、ボケ(「アルツハイマー型認知症」)とは無縁で、自分らしくいきいきと生きることは、本人にとっても、家族にとっても、国の財政にとっても、極めて重要なことなのです。

ところで、ボケないために不可欠な、脳を生き生きと使う、自分なりの「生活習慣」を打ち立てるための「大原則」とは、何か。それは、「左脳」(仕事)を中心に据えて、「周りの人達に負けまいと頑張って生きてきた」第一の人生での「生き方」(価値観;生活習慣)に大きく舵を切って、「右脳」を中心に据えた「目標」を設定し(それが無理な人は、せめて「運動の脳」を中心に据えた目標を設定し)、「他人は他人として、自分なりの生活の楽しみ方」を追求すること、「自分の置かれた状況を肯定して、自分なりに人生を楽しむ生き方をすること」、「この生き方」が、「アルツハイマー型認知症」を予防する唯一無二の「特効薬」だと、以前書いたこのブログで言いました。

「アルツハイマー型認知症」を予防するには、日常生活のいろんな場面で、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体を「しっかりと使ってやる」ことが必要不可欠の条件なのです。脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」には、そもそも、加齢とともに働きが衰えていくという性質(発病の「第一の要件」)があるからです。「アルツハイマー型認知症」を発病しないためには、老化のカーブ(上述した「正常老化」のカーブ)を支えていくこと(下支えする「生活習慣」を構築し、維持すること)が不可欠の条件となるのです。

自分なりの「目標」がある生活、その「目標」を達成することで「生き甲斐」や「喜び」や「感動」が得られることが、その過程での「意欲」や「注意の集中力」や「注意の分配力」という「前頭葉」の三本柱の出番を多くすることになり、「脳を活性化」させ、廃用性の老化を防止することになるのです。そうした「前頭葉」の三本柱の出番が多い「生活習慣」の下では、発想、創意、企画、構成、計画、工夫、観察、分析、理解、把握、考察、洞察、推理、予見、シミュレーション、組み換え、修正、変更、整理、機転、興味、創造、感動、評価、判断、抑制、忍耐及び決断等の「前頭葉」の高度な諸機能が、それなりに働く機会が与えられることで、「年齢相応」の自分なりの「機能のレベル」を維持することが出来ることになるのです。

世の中の専門家たちから原因がわからないと言われている「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳の機能が、廃用性の機能低下(使われる機会が極端に少ないために、機能が衰えてくること)により、加速度的に異常なレベルに衰えてくることが原因で発病するのです。言い換えると、「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する「生活習慣病」にすぎないのです。認知症の専門家といわれる医師や研究者たちは、「脳の機能レベル」という視点を欠き、「症状」だけにしか目がいかなくて、「前頭葉」に焦点を当てることがこれまでなかったのです。その上、アミロイドベータとかタウタンパクなどの横道に目がそれてしまい、「アルツハイマー型認知症」発病の原因を究明することができなかったのです。「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳の機能が異常なレベルに衰えてきたことの単なるアウトプットにすぎないのです。したがって、「前頭葉」の出番が多い「生活習慣」を維持することにより機能が正常なレベルに保たれている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないのです。(脳の衰え方の順序と特徴については、ここを「クリック」してください)。

自分なりの「目標」がある生活、その目標を達成することでの「達成感」や「喜び」や「感動」や「生き甲斐」が得られる生活を送ることで、三本柱の機能を含む「前頭葉」の諸機能の「出番を増やしてやる」(しっかりと使ってやる)ことしか他に、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する方法はないし、回復可能な早期の段階(回復が容易な「小ボケ」の段階及び回復が未だ可能な「中ボケ」の段階)からの回復の方法もないと言うのが、データと実践に裏付けられた私達の考えなのです。

そうした視点から言えば、第二の人生では仕事(「左脳」が中心となる)がらみの「テーマ」を目標とすることは一般的には無いことなので、仕事以外の「テーマ」、「趣味」や「遊び」や「人づきあい」(「右脳」が中心となる)や「運動」(「運動の脳」が中心となる)、或いは「社会活動」等を「テーマ」として、それを自分なりの「目標」の設定と自分なりの「やり方」で実行し、且つそうした生き方を自分なりに「楽しむ」という生活を「習慣化」することが、「アルツハイマー型認知症」の発病を「予防」する必要不可欠の条件ということになるのです。

生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もないという、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々過ごしている(発病の「第二の要件」)のでは、「三本柱」を含む「前頭葉」の諸機能の出番が極端に少なくなってしまうのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続している生活(「第一の要件」と「第二の要件」が充足されている生活)が継続されていると、その相乗効果が出てきて、「前頭葉」を含む脳が廃用性の加速度的な機能低下を起こしてくることになるのです。加速度的な機能低下が起きてきて、働きが異常なレベルに衰えてくる結果、「アルツハイマー型認知症」を発病する(認知症の「症状」が発現してくる)ことになってしまうのです。これこそが、認知症の専門家たちから「原因不明」と言われている、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムなのです。

やることが楽しくて、「意欲」が自然と湧いて来て、熱中できるような、自分なりの「目標」となる「テーマ」、「注意を集中」したり「注意を分配」(複数の異なったテーマを同時並行して実行する前頭葉の機能)したりすることができるだけ多い「テーマ」に取り組む「生活習慣」を継続する中で、自分らしい「生き方」、自分らしい「生活の楽しみ方」を追及し、そうした暮らし方(脳の使い方としての「生活の仕方」、すなわち、「生活習慣」)が、「アルツハイマー型認知症」の発病を「予防」してくれることになるのです。

(ここで、コーヒー・ブレイク)「アルツハイマー型認知症」の治療や予防に効く薬は、未来永劫、開発されることはないのです。(詳しい説明は、ここを「クリック」してください)。「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を遅らせる効果が期待されるとかいう薬が何種類か販売されていますが、その薬の投与が症状の進行を遅らせる効果がある訳ではないのです(そもそも投薬がなかった場合に、その人の症状の進行がどうなったかは検証不能なのですから、投薬による効果についての「因果関係」を立証することは出来ないはずなのです)。症状の進行を遅らせる効果があったとしたら、それは投薬による効果ではなくて、その人の「右脳」や「運動の脳」を使う機会が増える生活環境があって、そのことが「脳の老化」のスピードを遅らせたにすぎないと私たちは考えているのです。(脳の老化のスピード差をもたらす要因については、ここを「クリック」してください)。

ところで、私たちが市町村で実践してきた体験、その実態から言うと、「生活状況」(このブログのN-66に例示してあります)に直面した時、多くのお年寄りは、その「生活状況」に負けてしまい、何かをしようとする「意欲」をなくしていき、「目標」となる「テーマ」を見つけることが出来なくて、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に入っていってしまうのです。

ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続することが「アルツハイマー型認知症」を発病する「第二の要件」の充足となるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する原因は、一部の学者が主張するような、「アミロイドベータやタウ蛋白によって脳の神経細胞が侵され脱落していくこと」ではないことは、東日本大震災の被災地の「高齢者」たちに現在起きてきている状況を詳細に調べてみれば、容易に分かることなのです。

この写真は、今年の秋、陸前高田で、私が撮影したものです。 

 そこで今日は、日本人に多いケースで、第二の人生に入ると早々と「アルツハイマー型認知症」を発病するパターンを例示的に取り上げて、分かりやすく説明したいと思います。それは、たった一度しかない人生を、「高齢者」と呼ばれる年齢になってもなお「仕事」(左脳)中心の価値観で生きていこうとする人たちのことなのです。「人生60年」と言われた一昔前の時代には問題にならなかったことなのですが、誰でもが80歳や90歳まで生きる「超高齢化社会」を実現している今の日本では、こうした価値観(生き方)は極めてリスクが高いと言わざるを得ないのです。

前置きが長くなってしまい、首が随分伸びてしまったのではないでしょうか。それでは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まる「左脳タイプ」のお年寄りについて、その「経過」(「生活状況」の発生後の受け止め方と生活の仕方)を実態に即して、説明していくことにしましょう。

(ケース その1) 「キッカケ」となる生活状況(「目標を持って、がんばって生きようという本人の意欲を支えてきた生活がなくなってしまう状況が発生すること」)が発生した時の経過

○ 「仕事」(左脳がらみのテーマ)だけが「生き甲斐」だった人にとって、仕事の第一線を退くこと(勤め人の場合は定年退職;自営業の場合は会社や店の経営をやめることや息子に代を譲ること;主婦の場合は嫁に家事を譲ること;孫が成長して手離れること):

ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まる「キッカケ」として、これが意外と多いのです。特に、第二の人生が始まって早々と「アルツハイマー型認知症」を発病するケースで、多いのです。「仕事」(左脳中心)がらみのテーマだけに生き甲斐や価値を求めるのが、多くの日本人に共通した「生き方」であることに注意が必要です。キャッチコピー的な表現を借りれば、(「生き方」や「考え方」や「感じ方」が、感覚的思考や状況に対する感情が主となるのが「右脳タイプ」で、状況を客観的に場合分けし、論理的な思考や状況に対する言葉が主となるのが「左脳タイプ」)と「仕分け」できます。自分が「左脳」タイプの人間であると自覚している人は、以下の項目について、具体的に自分のものとして理解し、第二の人生での生き方に留意して欲しいのです。「リスクが高い人」ということなのですから。「仕事一筋」の生き方、「左脳偏重」の生活習慣を疑うこともなく、社会的な規範として抵抗もなく受け入れて第一の人生を送ってきた人達は、「第二の人生」を送る上で特に大きな「リスクを抱えている」ことに留意して欲しいのです。

「仕事中心の価値観」に支えられて第一の人生を送ってきた人達は、「第二の人生」に入っていくと、「仕事」以外のことには価値や喜びを見出し難いのです。第一の人生での体験が少ないことも一因なのですが、「仕事(左脳)」には縁がなくなった第二の人生を過ごすのにも拘わらず、「趣味とか遊び(右脳)とか運動(運動の脳)」とかに価値がおけなくて、「目標」として生きていくことができないのです。チャンチャラおかしくて、そうしたことには「熱中」することが出来ないのです。年をとった自分がそうしたことに「熱中」することを評価できないし、恥ずかしいことと考える人達も少なくないのです。

こうした「左脳」中心の価値観や生き方を変えることが出来ない人達は、第二の人生が始まり、生きていく上での「生きがい」や「喜び」や「目標」を与えてくれていた「仕事」がなくなったとき、「仕事以外のテーマ」をどのように設定して、どのように「脳を使う場」を持って、毎日を過ごしたらいいのかが分からないのです。「生き甲斐」や「喜び」や「感動」を与えてくれるものもなく、「目標」となるようなものもなく、あり余る時間をもてあますことになり、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送ることが多いのです。

「仕事(や家事)」だけが生き甲斐だった人達にとっては、毎日の目標となることも、喜びや生きがいを覚えることも、すべてが「左脳」中心になるのです。「前頭葉」の三本柱の機能であり、他の前頭葉の諸機能の下支えをしている「意欲を注ぐ」ことや「注意を集中する」ことや「注意を分ける」ことも、「計画」を立てたり「工夫」を凝らしたり「機転」を利かせたりすることも、「全てが仕事(家事)がらみ」になるのです。言い換えれば、「前頭葉」のこうした機能を発揮する「テーマ」となるものは「全て仕事(家事)がらみ」の場だけなのです。

こうした価値観を基礎とする生き方の人達は、「運動の脳」や「右脳」と「前頭葉」が協同する場が極端に少ない生活を送っているのです。散歩やスポーツを楽しんだり、趣味や遊びや人付き合いを楽しむ場が極端に少ない生活を送っているのです。第一の人生では「仕事」だけの生活、「左脳」を使う生活しか経験してこなかったから、第二の人生が始まった時、趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」を使う生活も、散歩したりスポーツを楽しんだりといった「運動の脳」を使う生活も立ち上げることができないのです。いつまでも第一の人生での生き方(「価値観」)を引きずって生きていたのでは、長い第二の人生を乗り切っていくことができないのです。

「仕事」だけが生きがいで、「左脳」がらみのテーマしか目標を設定できない人たち、運動の脳や右脳を使って、「人生を楽しむ」生活習慣のなかった人たちは、定年等で第二の人生が始まり「仕事」のために「左脳」を使う場面がなくなった時、「生きがいなく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標もない毎日」、ナイナイ尽くしの「単調な毎日」を送るようになり、出番をなくした「前頭葉」が居眠りし始め、廃用性の機能低下を起こしてきて、働きが異常なレベルに衰えてくるとき、「アルツハイマー型認知症」の症状が始まる(発病する)ことになるのです。

「俺(私)が左脳人間として頑張ってきたのは、誰のためでもない、家族のことを思えばこそのことなんだ(なのよ)!!」。そんなに、むきになって叫び憤ることはないのです。神様は、よく分かってくれているのです。仕事人間、左脳中心で生きてきたあなたへの「朗報」を最後に紹介しておきます。コペルニクス的転換をトライされることを期待しています。

幸いなことにというか、当然のことというか、第一の人生を「左脳」中心で生活してきた人たちでも、定年退職や家業を息子に譲る等して、「仕事」がなくなる第二の人生を過ごす上で、「運動の脳」の出番である散歩やスポーツ等が生き甲斐の生活を始められる人達や、「右脳」の出番である趣味や遊びや人付き合い等が生き甲斐の生活に切り替えることが出来る人達は、そうした生き方や「生活習慣」を再構築することによって、新たな「目標」の実行と達成に伴う「前頭葉」の出番がそれなりにあるので、ボケない(「アルツハイマー型認知症」を発病することのない)第二の人生を送ることが出来るのです。このことを念のために付け加えて、今日の説明を終わりにしたいと思います。ついでに、それこそ老婆心ながら、気をつけて頂きたいことがあるので、最後に一言申し添えておきます。

第一の人生では体験することのなかった趣味や遊びの集いへの参加、例えば「ガーデニング」やら、「野菜作り」やら、「水彩画教室」やら、「ゲートボール」やらの集いに参加することにしたとしましょう。「基本的な考え方」或いは「態度」として、いつも心掛けて注意していただきたいことがあるのです。そこは、「仕事をする場」ではなくて、参加している皆さんと一緒に「楽しむ場」だということなのです。「左脳」タイプのあなたは、いつもの癖が出てきて、そこがまるで「仕事をする場」であるかのように振る舞おうとしてしまうのです。自分を出しすぎるのです。「言葉も態度も」、全てが論理的で、計画的で、シミュレーションしてみないと気が済まないのです。「上手である必要はないし、本人が楽しめていたらそれでいい」そのことをなかなか理解できないのです。いつの間にか周囲から浮いた存在となっていることに気付いて、参加の回数が次第に減っていくことになるのです。その点を理解することさえできていれば、いつの間にか集いの仲間の中心的な存在となっている自分を見つけることになるでしょう。頑張れ、左脳タイプ! 

 注)本著作物(このブログA-68に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

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