認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の症状の進行を速める/遅らせる要因と方法(F-06)

2021-05-01 | アルツハイマー型認知症の症状の進行と特徴

(プロローグ)

様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。皆さんが日ごろ耳にしたり、或いは目にすることが有る認知症は、殆どが、アルツハイマー型認知症なのです。そのアルツハイマー型認知症について、若年で発症することもあるとして、若年性アルツハイマー型認知症の発病であるとする『誤診』がまかり通っているのです。意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを精緻に評価し、判定できる手技を持っていない為に、専門の医師や学者までもが、この世に存在していない架空のものである「若年性アルツハイマー型認知症」が存在しているかのような発言を繰り返していて、テレビ番組でも幾度となく取り上げられていたりするのです。「若年性アルツハイマー型認知症」は、側頭葉性健忘症(基本的に若年で発症し、「高度の記銘力障害の症状と顕著な海馬の萎縮が特徴であるものの、前頭葉の機能が、正常なレベルに在る」のが特徴なのです)を誤診しているケースが大半であり、時に、「緩徐進行性失語症」を誤診しているケースがあるのです。

客観的な事象事実として、アルツハイマー型認知症は、老年発症が特徴なのであり、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%は、「アルツハイマー型認知症」の発病者なのです(発病者=小ボケ、中ボケ、大ボケの全てが対象)。厚労省の調査では、75歳以上の「お年寄り」の5人に1人が要介護の状態に在るそうなのです。そうであるからこそ、末期の段階でなくて、早期の段階で見つけて治すこと、更には、発病自体の予防が不可欠と考えるのです。

アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「超高齢社会」に特有落とし児、社会現象なのです。「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む「脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした三段階に区分される症状(最初の段階が「小ボケ」、次いで、「中ボケ」の段階があり、最後が、専門の学者や医師が初期症状であると誤解しているもの、末期の段階である「大ボケ」の症状が確認されることになる)が発現して来るのが特徴なのです。世界的に、アルツハイマー型認知症の研究者であり、権威とされる人達(学者、医師、製薬会社の研究者)は、誰一人として、①意識的な世界が関わるタイプの認知症であることに気づいていなくて、②意識的な世界の要である『前頭葉』の機能も、その根幹をなす注意の分配力の機能も備わっていないマウスの行動ばかりを研究していて、③「記憶障害に起因して発病する」との「重大な誤解」を前提にしていて、④物忘れの症状にしか関心が行っていなくて、⑤アミロイドベータの蓄積とか、タウタンパクの蓄積とか、脳の萎縮とか、アセチルコリンの不足とかの要因、「それ等が発病の原因とは無関係のものである」ことに気づかないで、⑥誤った場所をただ深く掘り続けるだけでいて、➆「重大な誤った」内容である『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、症状の進行を遅らせることが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という情報を、「権威という傘」の下で、情報発信し続けているのです。その結果、「脳のリハビリ」により症状を治したり、重症化の進行を抑制することが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としていて、『介護』する以外に方法が無い末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけて、効きもしない薬(「対症療法薬」)を処方しているのです。⇔三段階に区分される類型的な症状については、4月1日付の『F-04』を参照してください。

我が国日本は、世界でトップの高齢化率を誇り(身体が持つという意味)、「アルツハイマー型認知症」の発病者数についてもアメリカに続いていて、(身体が持つのに、肝心の脳が持たない)『お年寄り』の数が、2025年には、700万人に達するとするのが、厚労省の予測数値なのです。皆さんは、この数値を見てどう感じられるのでしょうか。身体が持ちながら、脳が持たない為に、「第二の人生」を、自分らしく、イキイキと生きる意味がどこかに置き忘れられているのです。余りの多さに驚きますか、どうですか。この数値に驚かないで頂きたいのです。この数値は末期の段階の発病者、「大ボケ」の段階のお年寄りの数だけなのです。小ボケの段階も、中ボケの段階も、見落とされている為に、この数値には、入っていないのです

回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、小ボケ及び中ボケの段階について、前頭葉の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る手技を持たないために、世界中の専門家達(専門機関)から、見落とされているのです。『アルツハイマー型認知症』を発病して、『介護』が不可欠の状態にあるお年寄り達(私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)の『介護』に要する費用だけで、現在時点で、年間で10兆円を超える規模(一般会計と特別会計の合計)にまで、膨れ上がってきているのです。➡このほかに、発病の診断費用(もはや治すことが出来ない段階、『末期の段階』で発病を見つけて居るので、発病のレッテル貼りの意味でしかない)と治療効果が期待できない単なる「対症療法薬」の処方の費用の合計額も、ほぼ同規模に上っているのです。

 世界の歴史上、未だに誰一人として解き明かせていないのが『意識』なのです。加えて、「アルツハイマー型認知症」の発病原因も、世界中の誰もが、未だに解明できていないのですこの私、Tadを除いては。権威達が原因不明とする「アルツハイマー型認知症」は、「意識」が関わる世界、「意識的な世界」における根幹をなす機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、『前頭葉の三本柱の機能』と呼びます)の廃用性の機能低下に起因した機能障害を原因とする実行機能機能障害、即ち、『前頭葉』の機能障害がその発病を惹き起こす真の原因」なのです。心理学者も、哲学者も、脳科学者も、『アルツハイマー型認知症』の専門家達も、『前頭葉の三本柱の機能』が『実行機能』の発揮度自体を支配し、管理し、下支えしていること、即ち、『両者は、機能発揮面での二重構造の関係にあること』を知らないし、前頭葉の三本柱の機能、実行機能、「評価の物差し」の機能及び「記憶の倉庫」の機能の集合体が、『前頭前野』に局在する脳機能総合体、即ち、『前頭葉』と呼ばれているものであることさえ知らないのです。

生きた人間の『意識』(B-11と12を参照)との関わり方、『意識』を構築し、管理し、コントロールしている機能である『注意の分配力』の機能との関わり、更には、『第二の人生』を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』に起因した廃用性の機能低下の進行という要因、この要因が、アルツハイマー型認知症の発病の原因を解き明かすなのです。アルツハイマー型認知症研究の専門家達が、追いかけまわしている「マウス」には、これらの機能は、備わってはいないのです。意識的なもの、意識的に行われる思考、思索、行為、行動や発言には、必ず『目的性』と『ケースシミュレーション』と『選択』が不可欠の要素として存在しているのです。その目的性とは、予め目標を定めて、当該目標を実現する為の方法をケースシミュレーションして選択し、選択された手段を目標の実現にむけて管理し、実行することなのです。「目的性支配の基礎にある根幹をなす機能が「評価の物差し」の機能(ブログB83を参照)なのであり、「目的性」を管理し、コントロールしている脳機能が、『注意の分配力』の機能なのです。評価の物差しが選択する対象に注意が分配される度合いに因り、選択された対象に対する意識の覚醒度が高く/低く変化するのです。意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮レベルが、極端に低い状態に抑えられている為、意識の覚醒度が極めて低い状態下でのみ起きてくることになる所謂「夢を見ている世界」(脳の機能を守るために進化の過程で獲得された機能であるサーカディアンリズム下の世界)は、「注意の分配力」の機能の働きが極めて低いレベル(異常なレベルと同じ機能レベル)に抑制されている為、『目的性』を維持し、管理し、コントロールすることが出来ないことが特徴なのです。その為、夢を見ている状態下では、論理の展開も、支離滅裂のものにしかならないのです(論理の展開を求めようとすると覚醒度が上がるので、目が醒めてしまうのです)。

『アルツハイマー型認知症』を発病して、末期の段階にまで症状が進行したお年寄り(「かなひろいテスト」が異常と評価される基準値を示していて、MMSEの総得点が、換算値で一桁になる、「極めて重度の段階」にあるお年寄りのことなのですが)が、『徘徊する』のは、当該「目的性」を維持し、管理し、コントロールすることが出来なくなっているからなのです(=「注意の分配力」の機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきていることが原因なのです)。「徘徊行為」について、「何らかの特定の目的」がある行動であるかのような説明をする学者や医師が多いのですが、単なる憶測の類に過ぎないレベルの理解なのです。

加齢」に起因した前頭葉の正常老化の性質とその機能低下という『基礎要因』及び「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な暮らし方)の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という『加重要因』、異なるこの二つの要因が、同時に存在し、充足されることに因る「相乗効果」により、『廃用性加速度的異常機能低下が進行していくこと』の先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているだけなのです。分かってみれば、『コロンブスの卵』程度のことだったのです。この私Tadが世界で初めて解き明かした、「アルツハイマー型認知症」発病のメニズム、第二の人生を送る上での脳の使い方に起因したもの、『生活習慣病』であるに過ぎない(食習慣も、糖尿病の発病も、学歴も、直接の因果関係は存在していない、無関係)ことについて、根拠となる脳機能データを提示して、説明するものなのです。

今日は、アルツハイマー型認知症廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病に過ぎないものであり、世界的に通説の地位にあるとされる(支持する人たちが多いというだけの意味)『アミロイドベータ仮説』を含む「4つの仮説」の主張内容が誤りなのであり、「仕事」とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る上での生活習慣、「脳の使い方」としての『生活習慣』が、発病との直接の因果関係が確認できる真の原因であり、食生活や学歴や糖尿病の発病等と「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係であることの重要な証拠資料となる『脳機能データ』を提示して、説明したいと考えるのです(今回提示する『3つの脳機能データ』は、私たち「二段階方式」が世界に誇る内容のものなのです)。加齢に起因した機能低下の進行とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行が同時に進むことに因り、意欲の機能が異常なレベルに衰えてきて、機能構造的な反映として注意の集中力及び注意の分配力を持続的に高度に発揮する力が異常なレベルとなる結果として、機能発揮上の二重構造の関係にある実行機能の発揮度が異常なレベルに衰えてきたことの直接的な反映が、アルツハイマー型認知症の症状として発現してくる、これが、発病及び症状の重症化が進行する真のメカニズムなのです。「4つの仮説」が想定する記憶の障害に起因して発病するとの前提自体が誤りなのです。

近い将来に、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(但し、第二の人生を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」であり、食生活や学歴や糖尿病の発病とは無関係のもの)である』という考え方が、世界的に確認され、「世界標準」となることを確信しているのです。現在は、「政府大綱」の第一条で、将来の研究課題であるとして棚上げにされている『発病自体の予防及び早期診断による回復』というテーマが、第一義的な意味での政策目標となっていることを予告しておきたいのです。

&1『MMSE下位項目の低下順』(項目困難度)の事象事実が示す「脳機能データ」の意味

 (1)下記のデータは、私たちが『二段階方式』の手技を活用して集積した14689人もの『アルツハイマー型認知症』を発病した「お年寄り達」の『脳機能データ』の解析結果が示すグラフです。多人数であることもさりながら、全ての段階、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄りの「脳機能データ」であることが極めて重要なのです。権威があるとは言え、世界中の権威ある機関は、重度の症状、末期の段階である「大ボケ」の段階しか関心が無い(「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る「手技」を持たないために、MMSEのテスト結果しか持っていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階のテスト結果しか持っていないので、データの存在自体に気づいてもいないのです)。
※1『アルツハイマー型認知症』の発病患者であれば、且つ、その場合に限り、必ず、この項目の順番に出来なくなっていくことが、「事象としての事実」なのであり、客観的で、科学的な「脳機能データ」として提示しているのです。この一事をもってしても、発病原因に関するDSM4』の第一要件の規定内容及び4つの仮説」の主張内容は、誤りであるということなのです。

※2「MMSE下位項目の項目困難度」が高い順に示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となります。
事象の事実」としての当該「脳機能データ」によると、「記銘」という項目は、11の下位項目により構成されていて、30点が満点である『MMSE』の総得点が、10点を切った段階(「大ボケ」の後半の段階)になって初めて、『満点でない人の方の数が満点の人の数よりも多くなる』ことを示しています。項目困難度極めて低い項目である(『前頭葉』を含む脳全体の機能の機能レベルが、極めて異常なレベルにまで低下してきていても、正解できるお年寄りの数が多い項目である)ことを示しているのです。二段階方式の区分で言う末期の段階である、『大ボケの段階前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在って、左脳と右脳の機能レベルを判定するMMSEの換算値が、14点以下からは、大ボケの段階に入っていくのです)の前期、MMSEの得点が14点から10点までのお年寄りであれば、「記銘の項目」は、未だ半数以上が出来ることを示しているのです。一定レベル以上の意欲と注意の集中力とが残っていれば、注意の分配力の発揮僅かにしか出来ないレベルであっても、記銘出来ることを意味してもいるのです。他方『想起』は、「注意の分配力」の機能の高度な発揮が不可欠となるのです。
即ち、「想起」という項目は、11の下位項目の内で、最初に出来なくなっていく項目なのです(項目困難度が最も高いことを意味する)。MMSEの総得点が28点を切った段階で(マイナスが2点となった段階で)、満点でない人の数の方が既に多くなることを示している、「極めて困難度が高い項目」=極めて高度なレベルでの注意の分配力の機能の発揮が要求される項目)ということなのです。

(2) 「記銘」は、『今から、私が3つの単語を言いますから、言い終わった後で、私が言った通りに行ってください』と教示して「みかん」、「でんしゃ」、「27」の3つの単語を、ゆっくり目に(単語の間に1秒間の間隔を置くくらい)連続して言って聞かせた後、その通りに復唱してもらうものです。ある程度の意欲と注意集中力の発揮が要求される項目です。末期の段階である「大ボケ」になっていても、その前期(かなひろいテストの結果が「前頭葉の機能が、異常なレベルに在る」と判定され、且つ、MMSEの結果が、換算値としての総得点が、14点以下10点以上の場合を言う)であれば、出来る場合の方が多い項目であり、容易な項目に入ります。この段階のお年寄りであれば、「DSM-4」の規定の第二要件が、アルツハイマー型認知症の発病であると診断する上で確認を要求している症状、失語や失認や失行の症状は確認されないレベルなのです。

想起」は、上述した「3つの単語」を記銘して答えてもらい、『後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と教示した後に、いくつかの質問に答えてもらった上で、記銘の5分後に、『ところで、先ほど、後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と言い、『3つの言葉を覚えてもらいましたが、覚えていますか?その3つの言葉を言ってください。何だったでしょうか?』と質問するもの。記銘で覚えた3つの単語を、いくつかの他の質問後に(3つの単語を保持して、且つ、他のテーマを実施することに因り、注意の分配力の機能の高度な発揮が要求されることになる為、単に記銘するのでなくて、同定されるところまでいかないと、必要なレベルでの記銘度が確保できないのです。前頭葉の三本柱の機能のうちで最も高度な機能であり、最初に衰えて行く機能でもある「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきているお年寄りの場合は、極めて困難度が高い項目となる)記銘から5分経過後に尋ねて、どれだけ想い出せるかを見るものです。同定する為に、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索という個別実行機能の発揮が要求されるために、一定レベル以上での意欲、注意の集中力の発揮が要求される上に、一定レベル以上での注意の分配力の機能の発揮が要求される為に、11あるMMSEの下位項目の中で、困難度が最も高い項目なのです。

そもそも、『記憶』は、記銘して、保持して、想起するという行程で構成されているものなのです。「記銘」が、困難度が極めて低い項目であるのに対して、『想起』は困難度が極めて高い項目であることを示しているこの脳機能データは、何を意味しているのでしょうか。記銘と想起の項目の困難度乖離は、『注意の分配力』の機能が関わることが要求されるのか/否かが要因であるということなのです。「記銘」の場合には、一定レベルでの意欲と集中力さえ発揮出来ればいいのに対して、「想起」の場合には、両者に加えて、「注意の分配力」の機能の高度な発揮が要求されるところが異なるのです。注意の分配力の機能の発揮が要求されるか/否かが、両者の項目困難度の差異となって表れてきているのです。前頭葉の三本柱の機能は、「意欲」、「注意の集中力」、「注意の分配力」の順に、機能が高くなっていくのです。「注意の集中力」を分配したものが「注意の分配力」であり、注意の集中力を下支えているのが「意欲」なのです。

アミロイドベータの蓄積による「老人斑」やタウタンパクの沈着による「神経原線維変化」が、情報を連絡する神経細胞の大量死を招くことが、記憶障害を惹き起こす結果として、アルツハイマー型認知症を発病することになると主張するアミロイドベータ仮説やタウタンパク仮説の主張内容が誤りであることを示す「事象事実としての証拠データ」なのです。神経細胞の大量死に因る記憶障害が発病の原因であるとするなら、発病者について、『項目困難度の順番』が存在することを示す『事象事実』を合理的に説明することが出来ないのです。

「想起」は、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮が要求される項目なのですが、それらの機能の中でも、特に、『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求される項目であることが重要なのです。詳細を記述すると、想起は、『注意の分配力』の機能(3つ以上の異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)の発揮により、所謂『実行機能』(分析し、理解し、判断し、企画し、計画し、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、比較し、選択し、決定し、決断し、抑制する等の機能)の発揮が顕現されることになるのであり、私たち人間だけに備わる特有な機能であり、「前頭葉の三本柱」の機能の内で、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が少しでも異常なレベルに衰えてくると、「想起」(想起するには、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索等の機能の活用が不可欠)すること自体が、それだけ困難になることを意味しているのです。     

これに対し、「記銘」は、意欲及び注意の集中力の機能と僅かな機能レベルでの注意の分配力の発揮しか要求されないので、11の下位項目中、4番目に容易な項目(中々衰えて行か無くて、ずっと保たれていく機能)であると言うことになります{『MMSE下位項目の項目困難度』のデータは、「大ボケ」の段階のお年寄りにしかMMSEテストを実施しない権威者たち(権威があるとされている機関)には、現在でも猶、未知のものなのです=存在自体を知らない}。
※3記憶』について言うと、「記銘度」が高い内容は、良く保持され、良く想起されるのです。記銘度高めるためには、オウム返しのような単純な記銘ではなくて、記憶の対象を同定できるだけの注意の分配力の機能の発揮が要求されることになるのです。『直前に食事をしたことさえも忘れている』という症状は、もともと記銘度自体が低いことを意味するのです(『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに機能低下してきた反映により記銘する機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきている)。そうした症状は、「大ボケ」の後半になって(脳の後半領域の認知機能テストである「MMSE」の総得点が10点を切った段階で)、初めて発現してくる症状(「極めて重度」の症状)であることが分かるのです。
(4) 猶、『アルツハイマー型認知症』研究の専門家とは言え、脳の機能レベルを判定するに際し、MMSE(又は、長谷川式)しか実施しないのですが、これでは脳の後半領域(左脳及び右脳)の機能レベルを判定しているに過ぎず、肝心の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が行われていないのです。これでは、『脳全体の機能レベル』をきちんと判定していることにはならないのです。脳の後半領域の機能レベルだけでなく、同時に、『前頭葉』の機能レベルを判定しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「二段階方式」の手技では、『かなひろいテスト』により、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るのです。

※4このブログ(F-05)で例示した『小ボケ』の段階で発現が確認される様々な症状は、「認知症」の症状、『アルツハイマー型認知症』発病患者の本当の意味での初期最初の段階)に確認されるものばかりなのです。ところが、認知症診断を専門とする医師は、「DSM-4」の規定が確認を要求している失語、失認、失行の症状、並びにそれ等よりももっと重い症状だけが、『アルツハイマー型認知症』の症状であると誤解しているのです。その為、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が発現してきて、何かがおかしいと感じている同居の家族が、発病した「お年寄り」を伴って診断に訪れても、「発病してはいない=アルツハイマー型認知症の症状は発現していない」と診断してしまうのです。「失語や失認や失行」などよりも軽い段階にそれなりに関心がある医師でも、「物忘れの症状」の程度や頻度だけで構成されたものであり、判定基準と言うには極めて曖昧な内容であり、お粗末に過ぎるMCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)と言った意味不明の基準を持ち出して、「発病の前駆的状態にある」と説明して、発病の予防の為と言い4種の「対症療法薬」(実際の効能としては、症状を治したり、症状の進行を遅らせる治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度や仕方をコントロールする効能しか有していない「4種の薬」の内のどれか)を処方するのが、今でもなお、医療現場の診察の実態なのです。

MMSEの下位項目には、上述のように出来なくなっていく順番(落ち方の順番)があります。脳が壊れてもいないのに、「老化が加速される」ことにより働きが衰えていく、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定をする上で、この脳機能データの解析結果が不可欠のものとなるのです(テストで出来なかった減点項目を構成する下位項目の内容が、このグラフ通りであれば、それは「アルツハイマー型認知症」の発病を推定させ、減点項目がこの構成とは異なっていれば、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症、又は、認知症と紛らわしい病気を推定させることになるのです)。極めて「価値ある指標」なのです。

※5それらのことから、次のような「物差しの存在」が見えてくるのです。例えば、MMSEの総得点が29点の時、何かの項目が出来なくて、マイナス1点となっている訳です。そのマイナス1点を構成している最も可能性の高い「下位項目」は何かを、次のようにして予測することができる訳なのです。それは、最初に落ちる項目(出来なくなる項目)によって1点落としたはずであり、それが何かを考えるのです。それは、「アルツハイマー型認知症」の場合であれば;項目困難度が最も高い「想起」でマイナス1点となったはずです。その結果、MMSEの総得点がマイナス1点の29点となったはずなのです。

この判定を行う時、MMSEの減点内容を構成する下位項目の内容(項目とその組み合わせ)が一定の法則に従うことが、極めて重要なのです。更には、認知症の種類あるいは認知症と紛らわしい病気により、落ちていく順番には一定のパターンが有るので、減点を構成する項目とその組み合わせが何であるか、言い換えれば、『どのような落ち方のパターンを有しているのか』を判定することによって、認知症の種類ならびに認知症と紛らわしい病気の判定および鑑別が可能となるのです(「二段階方式」では、それらの病気の判定について、『個別事例判定マニュアルC』を著作し、詳細に説明し、発病の的確な判定と的確な医療機関への受診に結び付けているのです)。

例えば、「アルツハイマー型認知症」であれば、MMSEの総得点が高い場合は、「減点は項目困難度の高い項目同士の組み合わせによる」ものでなくてはなりません。MMSEの総得点が高いのに、減点を構成する項目が項目困難度の低い項目になっている場合は、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症又は病気を疑うことになる訳なのです。二段階方式のテスト結果だけで、被験者に対し、どの種類の医療機関を受診させるのが適切かを、的確に判定できるのです

例えば、MMSEの総得点が28点と前頭葉を含む脳全体の機能が高いレベルに在る事を示しているのに、減点のマイナス2点を構成している下位項目の内容が、『前頭葉を含む脳全体の機能が相当に低いレベルに在ることを示している「復唱」や「命名」である』時は、「失語症」を疑うことになるのです(失語症の詳細については、「個別事例判定マニュアルC」の第二章P91~に詳述)。

➡ 世の中の権威とされる人たち、学者や研究者達だけでなくて、認知症の診断を専門とする医師達にも、この事実を知っていただきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因として提示されている『4つの仮説』の主張内容は、誤りなのであり、それらの「仮説」では、『MMSE下位項目の項目困難度』という「事象事実の存在」を合理的に説明できないということなのです。加えて、新型コロナの感染回避策としての『3密の回避』に徹した生活を続けている(脳の使い方としての生活習慣)お年寄り達の間で、専門の学者たちが取り上げ騒いでいる『脳のフレイル』が確認されるお年寄り達の顕著な増加現象について、その症状が、私たち「二段階方式」が例示列挙する「アルツハイマー型認知症」の最初の段階の症状、「小ボケ」の段階で確認される類型的な症状そのものであることに注意していただきたいのです。小ボケの段階を「脳の機能面」から定義すると、左脳と右脳は正常な機能レベルに在って、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在るということなのです。このことは即ち、『実行機能』の発揮度が異常なのであり、実行機能の機能発揮上の二重構造のメカニズムから、意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在ることを意味しているのです。その反映が、小ボケの段階に特有な類型的症状として確認されるということなのです。意識的な世界は、三頭立ての馬車が運航する世界なのです。馬車を牽引する馬(左脳、右脳、運動の脳)が元気一杯でも、肝心の御者(脳全体の司令塔である前頭葉)が居眠りしている状態は、その運航結果(前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウトプット)は、正常ではなくて、異常なもの、即ち、「認知症の発病としての症状」であることを理解すべきなのです。

&2 アルツハイマー型認知症発病患者の『標準的な滞留期間』の存在が示す意味

(1)「アルツハイマー型認知症」の症状について、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM―4」の第二要件は、「失語、失認、失行の症状が発病初期症状である」と規定しています。その為、世界中の権威ある専門家と言われる人達【機関】は、未だに、『その規定内容自体が、重大な誤りである』ことに気づいていないのです。疑うこともしないで、そのまま信望しているのです。即ち、彼等は、末期の段階の症状である「大ボケ」の段階で初めて発現が確認される症状F-04を参照)だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状だと信じていて、私たち二段階方式の区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が存在していることに気づいてもいないのです

その原因は、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔の役割」を担っている「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る「手技」を持たないことが原因でもあるのです。彼等は、「アルツハイマー型認知症」の発病について、「認知機能障害」を重要な条件としていて、問題にしながらも、脳の後半領域、左脳と右脳の機能レベルを判定する(それしか判定できない)認知機能テストであるMMSEテストしか実施していないのです。

(2)「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状、二段階方式の区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階に特有類型的な症状が確認できるのが特徴なのです。即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状については、『脳のリハビリ』により回復させることが出来るか否か及びその程度により、三段階に区分されるのですが、そこには以下のような一定の標準期間としての「滞留期間」の存在が確認されるのです。

   「小ボケ」 3年間が標準的な滞留期間 治すことが比較的に容易な段階)

   「中ボケ」 2~3年間が標準的な滞留期間治すことが未だ可能な段階)

猶、末期の段階である「大ボケ」については、標準となる滞留期間自体が存在しないことに注意して下さい。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(死を迎える迄)、大ボケの枠の中で、症状が更に重いものになっていくだけなのです。身体が持つケースであれば、最終的には、植物人間状態となるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えて行くことになるのです。

世の中には、『家族介護』を美化するような発言や書籍が存在するのですが、実態は、そんなに生易しいものではないのです。『介護離職者』(「親の介護」をする為に、「子が離職」して、自分自身の人生の追求をあきらめてしまうこと)が累計数で100万人を超えてしまっているのが、我が国の現実なのです。

私たち「二段階方式」が、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する単なる生活習慣病なのであり、早期診断(小ボケ又は中ボケの段階で、発病を見つけること)と早期治療(脳のリハビリを実践すること)により、治せるし、症状の更なる進行を抑制できることに因り「介護の予防」が可能であるし、更には、「発病自体の予防」が可能であること』について、北海道から九州に跨る452の市町村での先駆的な活動、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践指導により、疫学的に実証してきているのです。それにも拘らず、「政府大綱」では、その第一条の規定で、「早期診断による回復と発病自体の予防は、将来の研究テーマである」と明記しているだけで、「介護の予防」しか、実施されていないのが現状なのです。

発病者は増え続けていて、重症化の進行に因り、「介護」が不可欠のお年寄りの数が増え続けていて単年度ベースでの「介護費用」だけで、既に10兆円を超えているのです。背後にどのような考え方、或いは、反対勢力が存在しているのか分からないのですが、マスコミや、我が国の政策を議論する為の存在であり、国民の血税で養われている「野党」でさえも、このことを問題にしてもいないのです。

(3)ここに提示する『標準的な滞留期間』と個々の実際のケースの実態との間に僅かな期間ながら、差異が存することが認められる場合があります。その差異については、当該被験者の過去の「生活歴」(キッカケを契機に開始されたナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に関わる具体的な生活習慣の実態)を詳しく聞き取ってみると、確認される差異を埋めるに足る理由(「脳の使い方」としての「生活習慣」の存在)が確認できるのです。それは、プラスの要因(当該段階における滞留期間を長くする要因)の場合とマイナスの要因(当該段階における滞留期間を短くする要因)の場合とが確認できるのであり、その詳細に関わる「脳機能データ」が、次の&3で説明する「生活習慣要因」なのです。

&3「 脳の老化のスピード差」をもたらす『生活習慣要因』の存在が示す意味

 60歳を超えた年齢の『高齢者』が、「左脳」が専管する「仕事」とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る中で、何事かに挑戦しようとする本人の意欲を喪失させてしまう何等かの「生活状況」の発生が『キッカケ』となり、ナイナイ尽くし単調な生活習慣が始まり、発病してから3年間が『小ボケ』の期間、『中ボケ』の期間が2~3年間続き、発病から5~6年経つと『大ボケ』になる」というのが大原則であり、『判定の標準的な指標』となります。「大ボケ」のレベルになると、正常レベルへの回復を期待することはもはや困難となります。その「大ボケ」のレベルの枠の中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活改善」により或る程度の改善がみられることはありますが、「中ボケ」レベルへの改善の見込みさえも、その可能性が極めて低いものになってしまいます。そこまで廃用性の機能低下が進行してしまうと、右脳や運動の脳は、大ボケの枠の中での或る程度の改善が未だ期待できるのですが、肝心の『前頭葉』(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能レベルが改善できなくなってしまうのです。 とはいえ、「大ボケ」レベルで、右脳や運動の脳を刺激する「生活改善」を試みることさえもなく、「介護」しているだけでは、症状はさらに重いものになっていきます。同じ「大ボケ」のレベルといっても、その幅は大河の幅のように極めて広いものなのです。

   最初 次いで 最後

小ボケ」や「中ボケ」のレベルの間であれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の影響により「前頭葉の三本柱」の機能の出番が増えたり減ったりする中で、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの顕著な「改善」(症状の進行が抑制されて、「滞留期間」が長くなる)や「低下」(症状の進行が加速されて「滞留期間」が短くなる)が見られるのです。

言葉によるコミュニケーションが可能なので、『脳リハビリ』(脳の使い方としての生活習慣の改善)の意味を本人が理解できるので、家族の支えと後押しとがあれば、脳リハビリを続けることができるからです。また、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されているように見えてはいても、実際の生活実態を詳細に聞き取ってみると、それなりに「プラス要因」の生活が入り込んでいたり、逆に「マイナス要因」の生活が入り込んでいたりするものなのです。上述の基準に適合しないケースは、下図に例示する「プラス要因」と「マイナス要因」の「生活習慣」の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の回復進行の抑制や重症化の更なる進行に影響を与えているのです。

私たちエイジングライフ研究所が開発した『二段階方式』を活用するときは、定期的に最高次機能の「前頭葉」及び高次機能の「左脳と右脳」の働き具合を神経心理機能テストで測定し、「生活実態」を「30項目問診票」に当てはめて、生活の自立度を判定し、更に、「生活歴」の聞き取りからその期間中の「生活習慣」としての脳の使い方を具体的にチェックします。「二段階方式」では、神経心理機能テストによる脳の働き具合の定期的で総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「低下」の三段階に区分判定します。そして、対象期間中の「生活習慣」を脳の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。「改善」、「維持」、「低下」の各々のケースについて、その人の脳を活性化させるような「生活習慣」としての生活実態があったのか、プラス要因やマイナス要因がどのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続したままだったのか等を詳細にチェックするのです。そうした判定によると、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの推移(改善、維持、低下)と対象期間中の脳の働き具合を支える「脳の使い方としての生活習慣」としての生活実態とは、必ず合致していることが確認されることになるのです

そうした極めて多数の事例の分析とデータの積み重ねから、上記「老化のスピード差」の期間が導き出されているので、この「小ボケ」、「中ボケ」の期間は標準的な指標となるのです。ところで、大ボケの標準的な期間というものは、存在しません。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(老衰により及び他の何らかの病気が原因で、死を迎えることになるまで)、「大ボケ」の枠の中で、症状がさらに進行して重くなっていくだけなのです(介護する側の労苦だけが増していく)。この指標となる期間と実際のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」(滞留期間を長くする)と「マイナス要因」(滞留期間を短くする)とが複合して働いて、脳の機能レベルの変化に影響を与えているのです。その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。こうした多数のデータの積み重ねから、専門家たちから原因も分からないし、治らない病気とされている「アルツハイマー型認知症」を発病する原因は、「加齢」(60歳を超える年齢の高齢者であること)が「基礎要因」であり、『第二の人生』を送る生活の下での「脳の使い方」としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が「加重要因」であることが分かったのです。

この場合、どのような「生活習慣」脳の不活性化をもたらすのかについては、標準的なものを類型化して導き出すことはできるのですが、絶対的なものではなくて、あくまで相対的なものだということが留意すべき重要なポイントです。「キッカケ」の発生を個々の本人の「前頭葉」がどのように評価したのかが、「前頭葉」の「三本柱」の意欲、注意の集中力と注意の分配力の働き具合に直接影響するからです。「キッカケ」の発生を契機として『意欲』を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な日々が始まり、継続することで生活習慣化することが、前頭葉を含む脳全体の機能について、廃用性加速度的異常機能低下を進行させていくこととなり、そのことが、『アルツハイマー型認知症』の発病直結していくことになるからです。更に「小ボケ」と「中ボケ」のレベルであれば、日々の「生活習慣」の改善により、正常レベルへの脳機能の回復が可能であることが分かったのです。但し、「大ボケ」のレベルにまで脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待できないことも分かったのです。「前頭葉」を含む脳全体の極めて異常なレベルに低下した機能レベルの問題並びに「前頭葉」及び「左脳」の異常なレベルへの機能低下によりコミュニケーション自体が機能しないので、本人が「脳リハビリ」の意味も目的も理解できなくて、「脳リハビリ」自体が実行できないからなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」の場合も、早期発見(小ボケ及び中ボケの段階での発見)と早期治療(「脳のリハビリ」)が極めて重要だということなのです。猶、ここで言う「治療」とは、「前頭葉」の出番が増えて活性化するような脳の使い方としての「生活習慣」の改善のことを言います。現在、殆どの医療機関で行われているような、「重度の記憶障害」の症状並びに「失語、失認又は失行」の症状を基準にして診断する方法では、回復困難な「大ボケ」しか見つけることが出来ないのです。回復可能な「小ボケ」と「中ボケ」の早期段階で発病を見つけて、本人の前頭葉を含む脳全体の機能レベルに見合った「脳のリハビリ」を実施することが、症状を回復させる及び症状の重症化の進行を抑制する『唯一の方法』なのです。

権威達が語る内容自体が『重大な誤りである』ことが放置されていて、新型コロナに対する感染回避策としての『3密の回避』の徹底が叫ばれ、要求されている社会状況の中で、「第二の人生」を送っている「高齢者達」の間で、実は、「アルツハイマー型認知症」の新規発病者数(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者数(小ボケ➡中ボケの前期;中ボケの前期➡中ボケの後期;中ボケの後期➡大ボケの前期;大ボケの前期➡大ボケの後期)が増え続けているのです。⇒ 「脳のフレイル」は、前頭葉の三本柱の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、異常なレベルにまで衰えが進行している(=アルツハイマー型認知症の発病者であり、少なくとも、小ボケの段階にある)ことを意味しているのです。

脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣」の要因

以下は、「標準的な滞留期間」との差異を生じさせている『生活習慣の要因』を例示したもの(滞留期間を長くするプラス要因と滞留期間を短くするマイナス要因がある)。➡『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないのではない、医師達が見つけている段階が遅すぎるせいで、治せないだけなのです。「早期診断」と「早期治療」を怠っているせいなのです。

本著作物「Fー06」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

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快気祝いと名残の桜たち(B-81)

2017-05-01 | アルツハイマー型認知症の症状の進行と特徴

 

  何であれ 定めのままに 生きること

  手術の前の まな板の鯉  By kinukototadao

 

 前立腺の核出手術を受ける前日の4月13日に、大室山のふもとにある『さくらの里』に行って、下手をするとこの世の見納めになるかもしれないと思い、 桜を心行くまで楽しんでから、熱海にある病院へ車で行き、入院しました。まずは、『さくらの里』の桜を楽しんでください。

   

    

     

      

       

 

(プロローグ)

昨年の3月8日の帯状疱疹の発症に端を発して、その後は、後遺症としての激烈な痛みを伴う神経痛が続き、年の瀬も押し迫った12月23日には尿閉を起こして、年が明けた1月23日には、HbA1cの値が15.2で血糖値が594の糖尿病を発病ということで急遽入院を強いられ、4月の14日には6倍にも肥大した前立腺の核出手術という、僅か1年の間に、一生分を全て体験したような1年だったのですけど、幸いなことには、HoLEPという技法による前立腺の核出手術は大成功で、且つ手術後の経過も極めて順調に推移しており、身体の状態も気分も良く、膿も毒も全てを吐き出し尽くしたかのような感じがしていて、全てが極めて良好な状態に在ることを報告しておきたいと思います。1年間もの間、捕らわれの身となって苦しまされてきた帯状疱疹とその後遺症である筋肉痛(神経痛?)からも解放されて、激烈極まりない苦痛をもたらしてくれた尿閉には昨年末におさらばしていて、6倍にも肥大していた前立腺は今回の核出手術により跡形もなく闇の中に葬り去られ、年初にはHbAicの値が15.2で血糖値が594を示していた糖尿病は、担当の医師が目を丸くして私の主張に只耳を傾けるしかなかったほどの急激で劇的な回復を見せていて、富戸漁協が経営するレストラン“波止場”で 黒潮定食(刺身と鰺のフライ)を食べても血糖値が110にしかならないという状況に在るのです。膿も毒も全てが消えうせた状態に在るのです。このように、私自身の脳と身体を取り巻く環境と状況とが様変わりした今こそ、まっしぐらに、「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を活性化させる新たな「生活習慣」の構築とその実践というテーマに向かって、全力で立ち向かわねばと、私の「前頭葉」が私の耳元で囁きかけてくるのです。

身体には人一倍自信があった私は、何年間も先まで人生設計をして、その上で一年ごとの、或いは毎四半期月ごとの具体化されたテーマを追求する生き方をしてきたのですけど、この1年間に発生した、未曽有の出来事というか体験により、余り先まで計画するやり方は止めにして、2~3年先までくらいを考えて生きることにしようと私の「前頭葉」に言い聞かせているところなのです。それくらいの単位を目途にして、私の「前頭葉」が出来るだけ活性化するような生き方を追求しようと考えているところなのです。「快気祝い」を兼ねたその手始めの行事として、伊豆高原で年に1回だけ5月中一杯開催される「アートフェスティバル」の諸行事が終わり、6月に入ったら早々に、エクシブの軽井沢を拠点にして、4泊5日の旅程で草津温泉と四万温泉とを楽しんできたいと考えているのです。

この場合、以前とは大きくやり方を変えようと考えていることがあります。以前は、外国であれ、国内であれ、色々な所に数多くいくことに価値を見出していたようなところがあったのですけど、これからは幾先の数は減らして、一か所を深くじっくり味わうやり方に変えようと考えているのです。今年中には古希を迎える年齢の私に、残された時間はそれほど多くは無いので、ゆっくりと時間が流れてくれるやり方にするつもりなのです。幸いなことに、外国にまで出かけて行かなくても、我が国日本には素敵な地方や地域がたくさんあるので、国内志向で目一杯楽しもうと考えているところなのです。

折も折、川奈ゴルフ場の桜を見に行った際に知り合った方から教えられた、米桜が群生している西伊豆の仁科峠に行ってきたのです。残念ながら曇天だったせいで、写真から感じられる桜の開花状況が今一なのですが、雰囲気なりとも感じ取っていただきたいのです。普通の大きさの桜ではなくて、その全てが、米粒のように小さい“米桜”なのです。糖尿病の闘病生活が始まって甘いものとは無縁の生活を送ってきている私にとって、仁科峠に在る牧場で、久しぶりに食べたクリームぜんざいの味は格別でした。

    

      

       

 

& 私達が主張する「アルツハイマー型認知症」の本質

アルツハイマー病、脳血管性認知症、二次性認知症、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、一口に認知症と言っても様々な種類があるのです。そのうちの一つが「アルツハイマー型認知症」という訳なのですけど、実は、認知症全体の90%以上を占めていながら、世界中の認知症の専門家達の間で、『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とされているのです。その為、診断に際しても、発病の原因と症状の特徴とが明確なタイプの認知症から順に除外していき、最後まで残ったもののうち、重度の「記憶障害」の症状を呈する場合に、「アルツハイマー型認知症」なのではなかろうかという程度の判断と鑑別で、「アルツハイマー型認知症」の診断がなされているのが医療現場での実態ということなのです。そして、「アルツハイマー型認知症」を発病して、末期の段階であり私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階の更に後半の段階にまで症状が進行した「お年寄り」の死後の脳の「解剖所見」に共通に確認されるところの器質的な病変としての「老人斑」(アミロイドベータ説の根拠)、「神経原線維変化」(タウ蛋白説の根拠)及び「脳の顕著な萎縮」(脳の萎縮説の根拠)という特徴を捉えて、それぞれの主張の根拠としながら、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係が立証されないままでの「仮説」にすぎないそれら学説の主張の根拠としているが為に、CTやMRIの機器により、脳の形(脳の萎縮の有無とその程度)を確認するのが通常の診察時の診断方法となっているのです。

世界中の認知症の専門家達から『発病の原因が不明』とされている「アルツハイマー型認知症」の発病の原因、発病と症状重症化のメカニズムの理解について、私達が何故に、「前頭葉」と言う脳機能のことを持ち出すのか、皆さんは不思議に思っているのでしょう。それは、『「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は、「記憶の障害」に起因して発現して来る』とする、『DSM-4』の考えが誤りであることを世の中に、世界中の認知症の専門家とされる人達に気づいてもらいたいからなのです。様々な程度及び態様により発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状は、「記憶の障害」に起因して発現してくるのではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因して発現してくるものなのです。然も、老人斑とか、神経原線維変化とか、脳の顕著な萎縮とかの器質的な病変ではなくて、機能の低下、就中、脳の使い方という視点で言うところのナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下が原因で発現してくるもの、それが「アルツハイマー型認知症」の症状なのです。その「アルツハイマー型認知症」は、私たちが意識的に何かの「テーマ」を思いつき実行しようとする際に、脳が壊れてもいないのに、言い換えると器質的な病変が原因でもなく(認知症を発病させている原因となる器質的な病変が見当たらないのに)、「社会生活面」や「家庭生活面」や「セルフケア面」で、様々な支障が生じてくる元となる認知症の段階的な症状(回復の可能性の有無とその程度から三段階に区分される症状)が発現してくるものなのです。それ故に、私たちは、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う脳機能、三頭立ての馬車の御者の働き具合とそれに厳密にリンクした症状のことを深く研究し、実証してきているのです。

その肝心の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについては、認知症の専門家とか専門の研究機関とか言いながら、「前頭葉」の機能レベルを精緻なレベルで判定できる「二段階方式」のような優れた「手技」を持たないので、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階である「軽度認知症」(小ボケ)や「中等度認知症」(中ボケ)の段階が見過ごされたままで居て、回復させることが困難となる末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階になって初めて「アルツハイマー型認知症」であるとする粗雑な診断が横行していて、それでいて、物の役には立たないのに保険点数ばかりが高くて高額な売上高を稼ぐだけの用具に過ぎないCTやらMRIやらSPECTやら、果てはPETまでもが総動員されて診察に用いられていて、脳の後半領域の判定テストである長谷川式やMMSEを使用してお茶を濁しているのが医療現場での診察の実態という訳なのです。逆に言えば、私たちが主張しているような発病の原因に気づいていないこと及び症状の特徴についてもよく知らないこと並びに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについて精緻なレベルで判定する「手技」を持っていないことから、かなり曖昧でアヤフヤな診断を平気で行っているというのが実態なのです。

世界中の認知症の専門家とされる人達は全て、「アルツハイマー型認知症」が器質的な病変により発病するとの重大な誤解をしているが為に、発病の原因としては、アミロイドベータの蓄積による「老人斑」に着目したアミロイドベータ説、タウ蛋白の蓄積による「神経原線維変化」に着目したタウ蛋白説、脳の顕著な萎縮に着目した脳の萎縮説等が主張されているのです。発病の原因とされているものと発病との間の因果関係の立証が未だに為されない儘に「仮説」の域を出られないそれらの主張に対して私たちは、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定及び脳全体の機能レベルに厳密にリンクした認知症の症状の判定と分類並びに「アルツハイマー型認知症」を発病させ症状を重症化させる直接の原因としての廃用性の加速度的で異常な機能低下に関わる「生活習慣」としての「生活歴の聞き取り」(但し、此処に言う「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに注意する)を行った14689例にも上る「脳機能データ」の解析並びに北海道から九州に至る広範囲で、且つ440を超える規模にもなる市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践指導の成果により、私たちの主張の内容が正しいことを実証してきてもいるのです。そのことに基づいて私たちが主張する「アルツハイマー型認知症」の本質というのは、『廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である』ということなのです言い換えると、『器質的な病変が原因ではなくて、使われる機会が極端に少ないことに起因して発病する病気、即ち、廃用性の機能低下が原因で発病する病気に過ぎない』ということなのです。 

 & 「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状

「アルツハイマー型認知症」の症状について、治すことは出来ないというのが世界中の認知症の専門家とされる人達(医師や研究者や学者)の共通した見解なのです。皆さんもそうした権威ある人達の言うことをそのまま鵜吞みにして信じていることと思うのです。「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の症状、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状についてはその通りなのですが、その前の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状)の症状について言うと、答えはNO なのです。本当の意味での早期の段階(私たちが事更にこの表現を使う意味はというと、医療の現場では、大ボケの段階の早い段階の症状を捉えて早期の段階という表現を使うからなのです)である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であれば、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善と実践)によって「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが可能、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが可能だからなのです。米国精神医学会の診断規定である「DSM4」の規定を鵜吞みにして、失語や失行や失認の症状が確認されて初めて「アルツハイマー型認知症」と診断しているがために、言い換えると、見つける段階が遅すぎるが故に治すことが出来ないだけのことなのです。治すことが可能な軽い段階、本当の意味での「早期の段階」を見逃していることに気づいていないだけのことなのです。

ところで、高齢化率が30%を超えるような高い率の町や村、高齢化率はそれ程高くなくてもお年寄りが大勢住んでいる地域では、ボケたお年寄りの姿をよく見かけるようになります。皆さんの周りにもボケたお年寄り(「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄り)がいるでしょう。「あの人、とうとうボケたんですって!」、あなたの周りで、ボケたお年寄りのことを口にするとき、どんなお年よりを「ボケた」と言っていますか?

○ 服を自分で着られなくなり、ズボンを頭から被る;とか

○ 自分の家が分からなくて、徘徊して迷子になる;とか

○ 同居している家族の顔も分からない;とか

○ トイレの縁を便で汚しても、その後始末が出来ない;とか

○ 失禁した服を平気でそのまま着ている;とか。

こんな症状が見られるようになると自信をもって「その人はボケている」と思ったり、言ったりしているのではないでしょうか。 

正確に言うと、これ等の症状は、『ボケ、「アルツハイマー型認知症」の症状であって、且つその末期の段階になって初めて発現が確認される症状』なのです。こうした症状が出てくるもっと前の「軽い段階」があるのを、世間では見逃しているだけなのです「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の症状の発現は、「脳血管性認知症」の症状の発現の仕方とは真逆なのです。何年もかかって、症状が徐々に緩やかに進行していくのが特徴なのです。それは、脳の使い方としての日々の「生活習慣」に起因した「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下が原因で発病し、症状が進行していくものだからなのです。症状の進行が何年もかかって緩やかにしか進行していかないからと言って、発病の原因も症状重症化の原因も、両者共に、アミロイドベータの蓄積ともタウ蛋白の蓄積とも無関係の関係にあるのです。専門家達が重大な誤解、重大な過ちを侵しているだけなのです。「前頭葉」と言う脳機能を持たないマウスの行動ではなくて、「前頭葉」と言う脳機能を持つ人間、生きた人間の、日々の「生活習慣」に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下という視点を持たない限り、いつまで研究を続けようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因の解明も症状重症化の原因の解明も、発病自体を予防する方法の解明も、症状を治す方法の解明も、どれ一つとして達成することは有り得ない事なのです。事のついでに指摘しておくと、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化のメカニズムからして、その直接の原因が脳の使い方としての日々の「生活習慣」に起因していることからして、発病を予防したり、或いは症状の進行を抑制したり、更には、症状を治したりする効能を有する薬は、未来永劫開発することは不可能な事なのです。脳血管性認知症とは異なり、日々の「生活習慣」に起因した廃用性の機能低下が原因で発病する「アルツハイマー型認知症」の場合には、昨日まで正常で、趣味や遊びや人付き合いを楽しんでいたお年寄りが、一夜明けたら、自分の家が分からなかったり、家族の顔が分からなくなったりは、しないのです(「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。  

 ボケが専門の精神科医はボケ(このブログでは、「アルツハイマー型認知症」のことを言います)を見つけるのに、「脳の働き具合」を調べないで、症状だけで(然も、「記憶障害」の症状を核とした症状だけで)、その上、「末期の段階の症状」からボケを見つけようとするのです。思考の類であれ、行為の類であれ、或いは、行動であれ、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、私たちが意識的に何かを行おうとする場合に、脳が壊れてもいないのに(「器質的な病変」が何処にも見当たらないのに)、様々な程度及び態様での認知症の症状が出てくる病気のことを言うのです。私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」という脳機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、異常な機能レベルにまで衰えてきた時から、「アルツハイマー型認知症」としての認知症の症状が発現してくるのです(」ボケの段階)。したがって、器質的な病変ばかりを探し求めていたのでは、或いは、失語や失認や失行と言った末期の段階でも更に後半にならないと発現が確認されることが無い症状ばかりを追い掛け回していたのでは、又は「前頭葉」と言う脳機能が備わってもいない「マウス」(アミロイドベータを注入したアルツハイマー・マウスを含む)の行動を追い掛け回していたのでは、何時まで経っても「アルツハイマー型認知症」を発病させている真の犯人にはたどり着けないというのが私たちの問題提起であり、専門家達に対する警告でもあるのです。「脳の働き具合」、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を調べないで、「記憶障害」の症状の有無とその程度ばかりに焦点を当てていて、且つ末期の段階の「症状」だけからボケを見つけようとしていたのでは、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされてしまうだけでなく、『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、原因も分からないし、治らない」』ことにされてしまうのです。       

 & 「小ボケ」の段階の脳の機能レベルとその特徴

認知症の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)は、左脳と右脳と運動の脳は正常レベルなのですが、脳全体の司令塔である前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきているのです。 そのため、「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」を左右している「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、的確且つ十分には働かなくなっているのです。その結果、行為の目的であるテーマ自体とテーマの中身を構築している構成要素に対する認知機能が正常なレベルで働らかないのです。更には、認知している各構成要素の内容について、「記銘」、「保持」及び「想起」の機能の発揮も不十分なものとなるのです。簡単に言うと、日常の社会生活面で発生してくる種々のテーマを実行するのに必要となるレベルでの認知機能が十分には機能発揮出来ないのです。こうした条件下で行われるため、状況の判断、実行テーマの計画と内容の工夫、機転や見通し及び決断等が的確にできなくなるのです。 こうした事態は、「空気ポンプ」に例をとって説明すれば、空気をチューブに送る役割のゴム管部分に支障があるからではなくて(情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死による「記憶障害」が原因なのではなくて)、そもそもチューブに空気を送り込む働きをするポンプの部分の機能がちゃんと働いていないせいなのです(私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能がちゃんと働いていないせいなのです)。

& 「中ボケ」の段階の脳の機能レベルとその特徴

「中等度認知症」は、脳の司令塔である「前頭葉」の働きが「軽度認知症」のときより更に異常なレベルに加速度的に衰えてきている上に、「軽度認知症」のときは未だ正常だった「左脳」と「右脳」と「運動の脳」の働き具合も異常なレベルに衰えてきていて、脳全体の働き具合が異常なレベルになっています。「中等度認知症」(中ボケ)の脳の働き具合は、4~6歳児のレベルと考えて下さい。

意識の認知度及び覚醒度を左右する意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が「軽度認知症」のレベルよりも更に不十分にしか働かなくなります。その結果、認知それ自体とその記銘、保持及び想起の機能の発揮が更に不十分なものとなります。左脳がらみの論理的思考や計算や場合分けの作業、或いは言葉に対する理解や判断力、更には右脳がらみの色や形や時間や空間などに対する認知能力にも支障が出てきています。状況の判断、物ごとの理解や見通し等の判断が「幼稚園児」の程度となる結果、「家庭生活面」でのトラブルが起きてくるようになります。「家庭生活面」で支障が出てくるとは言え、食事、大小便、入浴など身の回りのこと(セルフケア)は自分で一応できるので、家族に迷惑をかけることはあまりないのです。

「中ボケ」になると、食器の片付けや、洗濯物の取り込み、庭の草むしりといった、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできなくなります。「4~6歳の幼児」がやる程度にしかできないのです。せっかく洗ってくれたお茶碗はもう一度洗いなおさないといけないし、庭の草取りをしてもらうと花の苗まで抜いてしまいます。この程度にまで脳の機能が衰えてきていても、「重度の記憶障害」の症状が出てきていないと、家族が病院に連れて行っても、「アルツハイマー型認知症」とは診断されないのです。 「中ボケ」のイメージは、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできないのに、口だけは一人前、「言い訳の上手い幼稚園児」が特徴です。

「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲もわかないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・・」と感じていて、「以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい」という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。自分の状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が「こんなところが、おかしいと」指摘しても、「そんなことはない。私は、ボケてなんかいない」と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴です。

 & 「大ボケ」の段階の脳の機能レベルとその特徴

中等度認知症(中ボケ)の段階になっても、何もしないでただ手をこまねいている結果、相変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活」が続けられていると、脳全体の廃用性の機能低下が更に加速度的に進んでいき、末期の段階である「重度認知症」大ボケ)の段階に進んで行きます。「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)は、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきています。左脳、右脳及び運動の脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が殆ど機能しなくなっています。その為、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右する「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が殆ど働いていない状態にあるのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働き具合は、3歳児以下のレベルと考えて下さい。脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が殆ど寝たきりの状態になっている為、これまでの人生で何度となく体験して身体に浸み込んでいるような「言葉」や「テーマ」或いは「状況」に対しては或る程度の対応ができるのですが、折々に直面する新しい状況や身体に浸みこむ程の経験がないテーマに対しては、理解することも対応することもできないのです。脳の司令塔の「前頭葉」は、殆ど働かなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」は、自分の身の回りのことをするセルフ・ケア面」にも支障が出てきます。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分でできなくなり、日常生活面で全面的な「介助」が必要になります。

注1)アミロイドベータの蓄積により形成される老人斑の持つ毒性が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こすことにより「記憶障害」の症状が発現し、進行してくることにより「アルツハイマー型認知症」を発症すると主張するアミロイドベータ説という「仮説」も、タウ蛋白の蓄積により形成される神経原線維変化が情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こすことにより「記憶障害」の症状が発現し、進行してくることにより「アルツハイマー型認知症」を発症すると主張するタウ蛋白説という「仮説」も、両者共に基本的なところで重大な誤りを犯している、重大な誤解をしているのです。何故なら、私たちが「二段階方式」の手技を活用して、60歳を超える年齢で、且つ「第二の人生」を送っている「お年寄り」という、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能とその機能レベルに厳密にリンクして発現してくる症状等に関わる14689例にも上る「脳機能データ」、極めて精緻なレベルで実施し、集積した、神経心理機能テストとその結果の判定及び鑑別の作業と集積した「脳機能データ」の解析の結果、「アルツハイマー型認知症」の症状は、60歳を超える年齢で、且つ「第二の人生」を送っている「お年寄り」が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っていて、そうした単調な生活習慣が継続される状況下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことにより、認知症の症状が発現し、症状の重症化が進行していくものである』ことを突き止めたからなのです。神経細胞の細胞死の進行による「記憶障害」の症状の発現とその進行が発病の原因なのではなくて(発病及び症状進行の根幹に在るのではなくて)、使われる機会が極端に少ない「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、且つ「前頭葉」の機能障害の症状の進行が主たる原因で(発病及び症状進行の根幹に在る)発病し及び症状の重症化が進行していくものなのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにより「三段階」に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の類型については、ここを「クリック」してください)。

注2)従来学説の主流とされてきたアミロイドベータ説の仮説に則ったアルツハイマー型認知症の治療薬の開発が、海外の大規模な製薬会社でことごとく失敗に終わり、加えて、国内の製薬会社も相次いで失敗に終わる最近の創薬開発状況の中で、従来は少数説に過ぎなかったタウ蛋白説(これまた仮説)が、我が国では、注目されてきているのです。今日の新聞記事によると、産学連携による、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因についてタウ蛋白説が主張する考えに基づいた「アルツハイマー型認知症」の創薬開発の記事が取り上げられているのです。こうした記事が大新聞に取り上げられると、読者はいかにもその考えに立脚した創薬の開発が有力であるかの印象を持つことになると思うのですが、結論から言うと、その開発は必ず失敗に終わるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム自体が、タウ蛋白説の言うような原因で発病するものではないからなのです。『タウ蛋白の蓄積により形成される神経原線維変化が、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の細胞死を惹き起こすことにより「記憶障害」の症状が発現し、進行してくることにより「アルツハイマー型認知症」を発症する』とする「タウ蛋白仮説」自体が誤りだからなのです。

 

注)本著作物「Bー81」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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アルツハイマー型認知症の発病者の段階的症状と脳の働き具合(B-58)

2016-04-15 | アルツハイマー型認知症の症状の進行と特徴

 何時であれ 意識の在りよう 操るは

  三頭立ての 馬車の御者 By  kinukototadao

今日は、4月の14日。今は、もうそのお昼過ぎ。明日は、15日。ということは、ブログの記事を載せないといけないということなのです。ところが、肝心の作業が一向に進んでいないのです。いつもであれば、文字通り「朝飯前」なのです。私のブログは文字数が多くて、一回に書く字数が25000字程度になるのです。それでも、前日の早朝に書き始めて、Tadが起きてくる前には書き終わっているものなのです。ところが今回はと言うと、未だに、書こうという気にもなれないのです。その原因は何かと言うと、「帯状疱疹」(たいじょうほうしん)の発病による神経の痛みのせいなのです。「帯状疱疹」による神経の痛みがひどすぎて、まさに言葉では言い表せないほどの激痛が続いているのです。その痛みに耐えることに、私の「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の総力が結集され消費されていて、ブログを書くだけの余力が全くのこと残ってはいないという状態に在るのです。夜は、自覚の上では、殆ど眠っていない感覚で、何時眠ったのかわからない程。昼間も激痛が続いて、床に臥せたままの状態で居て、ひたすら激痛に耐えるだけの毎日なのです。左腕の肩を起点として、人差し指に向かって走る神経線維と左の耳の横を経由して左目に向かって走る繊維と左肩の肩甲骨を周回する繊維の3本の神経繊維が同時にウイルスに侵され、神経繊維が侵される激痛が3本の繊維に沿って同時に走っている状態なのです。ずきずきする激痛が続く中で更に、時折、波状的に/間欠的に脳天を突き抜かれるかのような激しい痛み、声に出して何かを叫びながら右の拳を天に向かって突き上げていないと耐えられない程の痛みが、10秒から15秒もの間続くのです。神経繊維への激痛が続くせいで、筋肉が硬直してしまい、左腕が動かなくなってしまってもいるのです。何故私がこんな目に遭わなくてはならないのかと、天を恨むばかりなのです。それほどの、激痛が、日夜続いているということなのです。「前頭葉」の三本柱の機能である、「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能がちゃんと働いてくれないのです。私は、何かの「テーマ」について、その内容を文章で表現しようとする際、書く前に、必ず頭の中で事前のシミュレーションをします。どのような「テーマ」について書くのか。その「テーマ」に沿って、どのような全体構成にするのか。どのような筋でその「テーマ」を展開するのか。文体及び言葉の使い方をどのようなものにするのか。全体として、何字くらいの文章量にするのか。それらを何度か頭の中でシミュレーションして、最終的なものを選択したら、あとは一気に書き出すだけなのです。2万字とか3万字とかの文章量であれば、書き出してから書き終えるまで、一気呵成に進行していくので、「朝飯前」の作業で完結するのです。その作業が、まったくのこと進まない。書こうという気力、意欲自体が湧いてきてくれないのです。注意の集中力が、全体構成とシミュレーションとに不可欠である肝心の注意の分配力の機能が、全くのこと働こうとはしてくれないのです。それ程、この「帯状疱疹」による神経の痛みが激烈なのです。あ~、辛い~。痛みがひどすぎて、耐えるのが辛すぎて、2012年の3月以来、一度も欠かすことなく掲載し続けてきた(毎月、1日及び15日に新規のブログ記事を掲載)このブログを、今回だけはスキップしようかと悩んだのです。でも、一度でも怠ると、又何かの理由をつけて掲載を休む気持ちが起きてくることが怖かったので、「刀折れ矢尽き」の心理状態と神経状態で、このブログ記事をやっとのことで書いたのです。全体構成と文章表現に、いつものキレがないのは、「帯状疱疹」の痛みのせいなのです。

   

& 三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状

 いろいろな種類が数ある認知症全体の大多数、90%以上の割合を占めているのがここに取り上げる「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症なのです。ところがその「アルツハイマー型認知症」は、世界中の認知症の専門家達(学者や研究者や医師達)から、「発病の原因がわからないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ない」ものとされているのです。発病の予防については誰もが考えてもいないのです。早期診断による回復についても、誰もが主張していないのです。発病すると、症状が進行していき、介護が必要になるのが当然のこととして、疑われてもいないのです。それでいて、「アルツハイマー型認知症」の診断と薬の処方と投与とに、天文学的な巨額の税金が垂れ流しにされているのです。診断とは名ばかりで、末期の段階であり、回復させることが困難になる段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけているだけ、「アルツハイマー型認知症」と言う病名を貼り付けるだけの診断がまかり通っているのです。私たちは、「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であって、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」によって治すことが出来るし、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣を言うものとする)の構築によって、発病自体を予防することが出来ると主張し、市町村での「地域予防活動」を実践指導することにより実証してきているのです。「介護離職」と言う社会状況は、或る意味で作り出されているのです。発病自体を予防し、早期の段階で見つけて回復させれば、介護は必要ではなくなってくるからなのです。

 「アルツハイマー型認知症」の症状について、世の中の専門家とされる人達は、中核症状と周辺症状(随伴症状)とに区分するのが普通です。何処の誰が最初にこの区分を持ち出したのか知りませんが、区分する意味は全くのこと無いというか、意味不明の区分としか言いようがないのです。単なる自己満足の程度でしかないのですが、誰でもがこの区分を持ち出すのが不思議でならないのです。その上、その人達が取り上げている症状と言うのは、記憶の障害に起因する症状を中心として全てが外観的な症状に過ぎないのです。その人達は、症状が発現するメカニズムについて無知なので、様々な程度と態様とで発現してくる症状を区分する客観的な意味の有る基準を確立できていないが為の「主観的な区分」に過ぎないのです。

 私たちは、私たちが開発した「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状並びに脳の使い方としての「生活習慣」と言う「生活歴」の把握に基づく14689例ものケース事例を解析することにより、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の原因であることを突き止めているのです。更には、北海道から九州に至る日本全国440を超える市町村での、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防を目的とした「地域予防活動」の実践の成果に基づいてこうした主張を展開し、その概要をブログで公開もしてきているのです。その私たちが、「アルツハイマー型認知症」の症状を分類し、区分するときは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの回復の可能性、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」と言う病気の症状を治す可能性と言う視点から、以下の三つの段階に区分しているのです。発病の判定及び症状の段階の区分に際しては、後述する「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれを客観的に判定する基準としての、「二段階方式」の手技の基準に基づき、区分しているのです。

「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状   治すことが容易

「中等度認知症」(中ボケ)の段階の症状  治すことが未だ可能

「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状   治すことは困難

人は誰でも、権威に対する内容不問的な自発的追従性を自らは気づかない心の奥底に抱いているもの。同じテーマの放送でも、民放の放送内容よりはNHKの放送内容に信頼を抱くのです。この「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについても、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因とする私たちの主張内容よりも、アミロイド・ベータの蓄積による神経細胞の滅失や脱落が発病の原因であると主張する東京大学や(アミロイド・ベータ・米の活用によるワクチン療法の開発を主張)京都大学(アミロイド・ベータ・マウスの活用による発病の早期診断と治療薬の開発を主張)の主張の方が信頼がおけると思っているでしょう。アミロイド・ベータの蓄積は発病の原因ではなくて、発病の結果(副産物)に過ぎないのです。両者とも、肝心の因果関係の立証が未だに為されてはいないのです。アミロイド・ベータの神経細胞群への蓄積と「アルツハイマー型認知症」の症状の発現との間には、直接の「因果関係」は存在しないと言うのが私たちの主張なのです。私たちは、生きた人間の「前頭葉」を含む「脳機能データ」と市町村での「地域予防活動」の実施の成果に基づいて主張しているのです。発病の原因は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下であることが、2017年の春か夏ごろには明確になることをここで再度問題提起しておきたいのです。東日本大震災の被災地の高齢者達の間でひそかに進行している問題、「アルツハイマー型認知症」の発病と症状の進行が、他のどの地域の高齢者達のそれと比較した場合に、比較にならないほどの多い数と割合で進行していることが明るみに出てくることになるからなのです。私たちの主張、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が発病及び症状の進行の直接の原因であること、言い換えると、(「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないということ)が、疫学的に立証されることになるのです。私たちの区分で言う、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が現在も続々と発現してきていても、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階(回復させることが可能な段階と言う意味)であることにも気づかないで居て、「不活発病」とかの無意味な名前を冠するだけで放置していて、或いは、「老化現象」だと勘違いし放置していて、全くのこと注目されていないのです。

  生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続するようになってから発病までに半年、「小ボケ」の期間が3年、「中ボケ」の期間が2年、その後は末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくという私たちの基準によると、2017年の春か夏ごろには、症状が進行していき、末期の段階であり私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階の人達があふれ出してくるようになるはずなのです。認知症の専門家とされる医師達は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が出てきて初めて、「アルツハイマー型認知症」を発病していると騒ぐだけなのです。見つけている段階が遅すぎて、「治せる病気」(「アルツハイマー型認知症」こそが、治せるタイプの及び発病自体を予防することができるタイプの認知症)を治すことができないマンモスに仕立て上げていることに気づいてもいないのです。医師としての社会的使命を放棄しているとしか言いようがないのです。

    

○「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状の類型

(「前頭葉」が異常な機能レベルに在ることの確認を条件として、4つ以上に該当していると、「小ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 複数のことに注意が分配できなくて、3つの用事が同時にさばけない

□ 機転がきかなくて、創意工夫ができない

□ 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ

□ 何事をするにも億劫で面倒がり、何かをやってみようという意欲が見られない

□  同じ食材を買ってくることが多く、料理の献立の単調さが目立つ

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられず、なにも思いつかない様子

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと居眠りしている

□ これまでなら感動していたことに対して感動しない

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔がほとんど見られない

□ 何時もぼんやりしていることが多くなり、自分からは何もせず、指示されるとできる

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情

□ 反応が遅く動作がもたもたしていて、階段をトントンと降りられない

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 料理の手際が悪くなり、家族数に関係なく多すぎる量の料理を作る

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけ人を頼ろうとする

□ 髪の手入れや、おしゃれに無関心

□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかない

□ 会話の最中唐突に、一方的に言いたいことを言い相手の話しを聞こうとしない

□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない

□ これまでなら楽しんでいた趣味や外出や旅行を嫌がる

「中等度認知症」(中ボケ)の段階の症状の類型

「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常な機能レベルに在ることの確認を条件とし、小ボケの症状4つ以上に加えて以下の4つ以上に該当すると、「中ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 何度教えても日付けがあいまいになる

□ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をし、小銭がたまる)

□ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)

□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない

□ 服の着方に無頓着で重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る;裏表や前後ろに着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたままとか

□ 周りを汚したり流してないなど、トイレの後始末がきちんとできない

□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 自分の子供の数、生まれ順、居住場所の説明がきちんとできない

□ 季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を着る

□ 昨日の出来事をすっかり忘れてしまう

□ 物盗られ妄想(物の置き場所を忘れて、相手が隠したとか盗んだとか言う)とか、世話をしてくれる人に対して口汚くののしる行為とかがある

 「重等度認知症」(大ボケ)の段階の症状の類型

  (「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常な機能レベルに在ることの確認を条件とし、小ボケと中ボケの症状に加えて以下の3つ以上に該当すると、「大ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、子供を配偶者と間違えたりする

□ 食事やあいさつをしたことなど直前に起きたことをすぐに忘れてしまう

□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)

□ 自宅に居ても落ちつかず、出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)

□ 自宅の方向が、たびたびわからなくなる

□ 同居している家族の名前も顔もわからない(家族かどうか分からない)

□ 昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする  

    

& 「アルツハイマー型認知症」の「初期の段階」の人達とは

○ 「小ボケ」の段階の人達に確認される症状の類型

  上述した症状の類型を参照してください

○  「小ボケ」の段階の症状が発現している人達の脳の機能レベル

「軽度認知症」(「小ボケ」)の段階の症状は、「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えていて、左脳と右脳と運動の脳は正常レベル(判定は、「二段階方式」の基準値による。以下、同じ)なので、「前頭葉」の機能障害の症状と同じなのです。「認知度」と直結していて、認知に不可欠の「意欲」、「注意集中力」及び「注意の分配力」が状況に相応して必要なレベルで働かない、的確に働かないゆえの症状を示します。認知症は、「生活の自立度」がどうであるかを問題にする性質のものなので(社会生活や家庭生活やセルフケアにどのような支障があるかを問題とする)、原因である脳の機能は「前頭葉」だけが異常なレベルであっても、そのアウトプットである「症状」には、コントロールタワーの「前頭葉」の機能レベルが直接反映されるので、正常なものではなくなります。この点が、認知症の定義にも反映されるべきだと思います。DSMーⅣの定義を含めて、「アルツハイマー型認知症」を診断する精神科医も治療薬を開発している研究者も、「前頭葉」の機能の仕方及びその衰え方に対する理解が浅いのではないかと思います。「不活発病」と言う名前を作り出している人達は、「前頭葉」の機能、「前頭葉」の三本柱の機能、或いは、「二重構造」の問題等について無知なので、(そこに確認される症状が、「アルツハイマー型認知症」の初期の段階の症状、「小ボケ」の段階の症状であることに気づいていない)だけなのです。

 & 「アルツハイマー型認知症」の「中期の段階」の人達とは

○  「中ボケ」の段階の人達に確認される症状の類型

  上述した症状の類型を参照してください

○  「中ボケ」の段階の症状が発現している人達の脳の機能レベル

「中等度認知症」(中ボケ)は、脳の司令塔である「前頭葉」の働きが「軽度認知症」(小ボケ)のときよりも更に異常なレベルに衰えてきている上に、「軽度認知症」(小ボケ)のときは未だ正常だった「左脳」と「右脳」の働きも異常なレベルに衰えてきていて(判定は、「二段階方式」の基準値による。以下、同じ)、「脳全体の働き」が異常なレベルに衰えてきているのです。そのため、新しい記憶は記銘度が低くて想起しにくいのですが、昔の記憶は(「前頭葉」の三本柱の機能が正常で在ったころの記憶なので、記銘時の記銘度が高くて、想起され易いので)比較的大丈夫なのが特徴です。

脳全体の衰えが「軽度認知症」(小ボケ)の時に比べて加速度的に速まるので、「症状」の出方の程度や幅も広く深くなります。「中ボケ」は、「小ボケ」(MMSの換算値は、24点以上)と大ボケ(MMSの換算値は、14点以下)の中間にあり、むしろ「中ボケの前期と後期とに区分」した方が「症状」も判定し易いのです。MMSの換算値が20点以上であれば、「集団の中での脳リハビリ」でも効果があるのに対し、20点を切ると手間暇コストの負担が相当に必要な「個別の脳リハビリ」でないと効果が期待できなくなります。20点以上と19点以下との間のたった1点の差なのに、回復の可能性という視点からは、ここに深い溝があるのです。「中等度認知症」(中ボケ)の脳の働きは、4~6歳児のレベルと考えて下さい。

意識の認知度(意識状態)を左右する意欲、注意集中力と注意分配力が「軽度認知症」のレベルよりも更に不十分にしか働かなくなります。その結果、認知それ自体とその記銘、保持及び想起の機能の発揮が更に不十分なものとなります。左脳がらみの論理的思考や計算、或いは言葉に対する理解や判断力、更には右脳がらみの色や形や時間や空間などに対する認知能力にも支障が出てきています(認知症の専門家とされる人達は、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の重大な誤りに気づかないで居て、それに依拠している結果、「記憶の障害」が原因で起きてくるものと誤解しているのですが)「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の異常で加速度的な機能低下が原因となって、状況の判断、物ごとの理解や見通し等の判断が「幼稚園児」の程度となる結果、「家庭生活」にトラブルが起きてくるようになります。「家庭生活面」で支障が出てくるとは言え、食事、大小便、入浴など身の回りのこと(セルフケア)は自分で一応できるので、家族に迷惑をかけることはあまりないのです。家族も本人の年齢を考えて、老化現象と誤解し易いのです(年が年だから、こんなものと考え易い)。「中ボケ」になると、食器の片付けや、洗濯物の取り込み、庭の草むしりといった、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできなくなります。「4~6歳の幼児」がやる程度にしかできないのです。せっかく洗ってくれたお茶碗はもう一度洗いなおさないといけないし、庭の草取りをしてもらうと花の苗まで抜いてしまいます。この程度にまで脳の機能が衰えてきていても、「重度の記憶障害」の症状が出てきていないと、家族が病院に連れて行っても、認知症とは診断されないのです。

 「中ボケ」のイメージは、家庭内の簡単な用事程度のこともちゃんとできないのに、口だけは一人前、「言い訳の上手い幼稚園児」が特徴です。

「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲もわかないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、「以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい」という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります。自分の状態に対する自覚がないので、不安も全く感じていないのです。逆に、家族が「こんなところが、おかしいと」指摘しても、「そんなことはない。私は、ボケてなんかいない」と言い張り、自分のおかしな行動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが特徴です。

& 「アルツハイマー型認知症」の「末期の段階」の人達とは

○ 「大ボケ」の段階の人達に確認される症状の類型

   上述した症状の類型を参照してください

「大ボケ」の段階の症状が発現している人達の脳の機能レベル

 「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても気づかないで、相変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままで居ると、 「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下が継続され、加速度的に進んで行く結果、末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていきます。

「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)は、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきています。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が残っている程度である上に、脳の司令塔の「前頭葉」は殆ど機能しなくなっています(判定は、「二段階方式」の基準値による。以下、同じ)。そのため、意識の認知度を左右する「意欲」、「注意集中力」と「注意分配力」がほとんど働いていない状態なのです。「重度認知症」(大ボケ)の脳の働きは、3歳児以下のレベルと考えて下さい。

「前頭葉」、左脳、右脳の機能の衰えが進行していく中で、MMSの得点が一桁の点数になってくるあたりから、運動の脳も異常なレベルに衰えてきて、重度認知症の症状が更に進行していくのです。「大ボケ」の段階の後半になって発現してくる症状、失語や失認や失行の症状及び世間で区分する周辺/随伴症状等も含めて、それらの全てが、外見的には「記憶障害」の症状かと誤解しがちなものの、その機序の実質は「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な廃用性の機能低下に直接起因したものであることに、認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)に気づいて欲しいと切に願うのです。 

 脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」がほとんど寝たきりの状態になっているため、これまでの人生で何度となく体験して体に浸み込んでいるような「言葉」や「テーマ」或いは「状況」に対しては或る程度の対応ができるのですが、折々に直面する新しい状況や体に浸みこむほどの経験がないテーマに対しては、理解することも対応することもできないのです。精神科医が「アルツハイマー型認知症」であると診断する第一の要件である「重度の記憶障害」の症状は、「認知」それ自体と「記銘」、「保持」及び「想起」の機能が極めて不十分にしか働かない為に起きてくるものなのです。脳の司令塔の「前頭葉」は、殆ど働かなくなっている上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない「大ボケ」は、自分の身の回りのことをする「セルフ・ケア」にも支障が出てきます。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分でできなくなり、日常生活に「介助」が要るようになります。

  同じ「大ボケ」の段階に区分される症状と言ってもその幅はとても広く(14点以下0点までの幅がある)MMSEの得点が一桁の段階になってくると「前頭葉」を含む脳全体の機能が更に衰えていく中で、「前頭葉」自体が次第に機能しなくなっていきつつ同時に並行して、「左脳」が次第に機能しなくなっていき(左脳の認知機能障害が進行していくので、言葉による理解が次第に難しくなり、コミュニケーションの道が次第に閉ざされていき、「失語」の症状が出てくるようにもなる)、次いで、右脳が次第に機能しなくなっていき(併せて、右脳の認知機能障害も進行していくようになり、物の形や空間の理解も、音の理解も、知人の顔や家族の顔や自分の顔の理解さえも次第にできなくなっていき、自分が住んでいる家さえも自分の家と理解できなくなっていく等といった「失認」の症状が出てくるようにもなる)、最後は、運動の脳が次第に機能しなくなっていく(更に併せて、運動の脳の機能障害も進行していくようになり、着衣失行と呼ばれる症状「服を自分で着ることができなくなる症状」、或いは構成失行と呼ばれる症状「使い慣れた鋏や歯ブラシなどが使えなくなる」等といった「失行」の症状が出てくるようにもなる)ことになるのです。

 「大ボケ」レベルのお年寄りを家族が介護する中核となると、介護する側の家族の自由な生活の道は閉ざされていき、介護する側の家族も共倒れとなってしまうのです。医療の現場が、何時までもこの「大ボケ」の段階で見つけている限り、「介護離職」が重大な社会問題にならざるを得ないのです。

    

& 意識的な世界を操る三頭立ての馬車の御者

意識的に何かの「テーマ」を実行する際の「前頭葉」機能の発揮度

意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、推論、想像、問題の発見と理解、状況の判断、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予見、予測、シミュレーション、区別、比較、切り替え、執着、評価、修正、具象化、抽象化、整理、段取り、組み立て、機転、抑制、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な個別の認知機能(猶、「学習」機能は、大脳辺縁系の機能であって、「前頭葉」の機能ではないことに留意する)を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とが共に、「三本柱」の機能の発揮レベルと「リンク」している)。私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の働き具合が、「三頭立ての馬車」の「御者」の役割(脳全体の司令塔の役割)を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である「個別の認知機能」によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の認知機能を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係が存在していることを、「二段階方式」を活用して集積した「脳機能データ」の解析によって、私たちが世界で初めて見つけ出したのです。

 ○  意識的な行為の世界と「前頭葉」の働き具合の二重構造の仕組み

 「前頭葉」を中核/監視/管理/支配/統合機能として、相互の有機的な連携の下に「左脳」や「右脳」や「運動の脳」も参加して、「前頭葉」を含む脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(自分が置かれているその状況を自主的に判断し、判断に沿って実行すべき「テーマ」をいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容及び実行の程度と態様とを組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」と「注意の集中力」の機能の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮しつつ、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な実行内容及び実行の程度と態様とを選択して決定し、最終的に実行に移すには、必要な機能レベルでの「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮が不可欠になるのです。

原因不明と言われている「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化のメカニズムを理解するには、状況の判断、テーマの発想、実行内容の企画や計画、行動や行為や言動のシミュレーション及び実行内容の選択、最終的な意思決定、或いは相互のコミュニケーション等を意識的に行う上で、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の(一定の機能レベルの下での)働き具合(機能の発揮度)が必要不可欠となることを理解すべきなのです。左脳を介した言葉によるコミュニケーションで言えば、相手の話の内容を理解しつつ、自分の考えを構想し整理するには、「前頭葉」の三本柱の機能の中核をなす「注意の分配力」の機能が正常に機能することが不可欠なので、小ボケから中ボケ、更には大ボケへと認知症の症状が進む中で、言葉によるコミュニケーションに支障が出てくるようになるのはその為なのです。「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状の発現の根本原因は、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下に在ることを理解して欲しいのです。

「前頭葉」の機能の構成要素である「個別の認知機能」によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の認知機能を発揮するに際しての「二重構造」の関係(「前頭葉」の三本柱の機能の機能レベル/発揮度が個別認知機能の発揮度及び認知度を左右する構造)が存在していることを理解することが、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現及び症状の重症化の直接の原因が器質的なものでなくて、機能的な変化、言い換えると、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続に基づく「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因していることを発見する上で不可欠となるのです。そこに発病の「第一の要件」に関わる問題、「正常老化の性質」(私たち独自のネーミング)の問題が存在するからなのです。 

「アルツハイマー型認知症」の症状の発現及び症状の進行(重症化)並びに症状発現の程度及び態様と、アミロイド・ベータやタウ蛋白の沈着や蓄積とは、無関係の関係にあるのであって、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下こそがその真の犯人、直接の原因なのだということをここに再度指摘し、問題提起しておきたいのです。         

注)本著作物(Bー58に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

  エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

 

 

 

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