(プロローグ)
様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているのが、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』というタイプの認知症なのです。
皆さんが日ごろ耳にしたり、或いは目にすることが有る認知症は、大多数が『AD型認知症』なのです。ところが、『AD型認知症』について、若年で発症(若年型と老年型に区分ける誤りの区分がされている)することもあるとして、「若年性アルツハイマー型認知症」の発病であるとする『誤診』がまかり通っているのです。
意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを精緻に評価し、判定できる手技を持っていない為に、専門の精神科医までもが、この世に実在していない架空のものである「若年性アルツハイマー型認知症」が存在しているとの診断を繰り返して、NHKを筆頭にして、テレビ番組でも幾度となく取り上げられているのです。
「若年性アルツハイマー型認知症」は、『側頭葉性健忘症(基本的に若年で発症し、「重度の記銘力障害による高度の物忘れの症状と顕著な海馬の萎縮が特徴であるものの、『前頭葉』の機能が、正常なレベルに在る」のが特徴)を「誤診」しているケースが大半であり、稀に、「緩徐進行性失語症」を誤診しているケースもある ❕
事象の事実として、『AD型認知症』は、老年発症が特徴であり、60歳代の高齢者の12%、70歳代の高齢者の30%、80歳代の高齢者の50%、90歳代の高齢者の75%、100歳代の高齢者の97%は、『AD型認知症』の発病者なのです(発病者=小ボケ、中ボケ、大ボケの全てが対象)。厚労省の調査では、75歳以上の「高齢者」の5人に1人が要介護の状態に在るそうなのです。そうであるからこそ、末期の段階でなくて、早期の段階で見つけて治すこと、更には、発病自体の予防が不可欠と考えるのです。
『AD型認知症』というタイプの認知症は、「超高齢社会」に特有な落とし児、社会現象なのです。『AD型認知症』は、『前頭葉』を含む「脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした三段階に区分される症状(最初が「小ボケ」、次いで、「中ボケ」の段階があり、最後が、専門の学者や医師が初期症状であると誤解しているもの、末期の段階である「大ボケ」の症状が確認されることになる)が発現して来るのが特徴。
『AD型認知症』の研究者であり、世界的に権威とされる人達(学者、医師、製薬会社の研究者)は、誰一人として、①意識的/目的的な世界が関わるタイプの認知症であることに気づいていなくて、②意識的/目的的な世界の要である『前頭葉』の機能も、その根幹をなす『注意の分配力』の機能も備わっていないマウスの行動ばかりを研究していて、③「記憶障害という原因に起因して発病する」との「重大な誤解」を前提にしていて、④物忘れの症状にしか関心が行っていなくて、⑤アミロイドβの蓄積とか、タウ蛋白の沈着とか、アセチルコリンの不足とかの要因、「それ等が発病の原因とは無関係のものである」ことに気づかないで、⑥誤った場所をただ深く掘り続けていて、➆「重大な誤り」の内容である『AD型認知症は、発病の原因が不明で、治すことが出来ないし、症状の進行を遅らせることが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』という「権威という傘」を着せ『誤情報』を発信しているのです。
その結果、「脳のリハビリ」により症状を治したり及び/又は重症化の進行を抑制することが出来る本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としていて、為す術が何も残されていなくて/『介護』する以外に方法が無い末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけて、効きもしない薬(症状の進行を遅らせる効能は皆無であり、症状の発現の仕方を単に、亢進させたり/抑制するだけの効能)でしかない『対症療法薬(興奮型のアリセプトが代表)』を「症状の進行を抑制する治療薬と称して処方しているのです。
我が国日本は、世界でトップの高齢化率を誇り(身体が持つという意味)、「AD型認知症」の発病者数についてもアメリカに続いていて、(身体が持つのに、肝心の脳が持たない)『高齢者』の数が、2025年には、700万人に達するとするのが、厚労省の予測数値。
皆さんは、この数値を見てどう感じられるのでしょうか。身体が持ちながら、脳が持たない為に、『第二の人生』を、自分らしく、イキイキと生きる意味がどこかに置き忘れられているのです。余りの多さに驚きますか、どうですか。この数値に驚かないで頂きたいのです。この数値は、末期の段階の発病者、「大ボケ」の段階の高齢者の数だけなのです。「小ボケ」の段階も、「中ボケ」の段階も、見落とされている為に、この数値には、入っていないのです。
回復させること及び/又は症状の進行を抑制することが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階について、『前頭葉』の機能レベルを精緻に評価し、判定出来る手技を持たない世界中の専門家達(専門機関)から見落とされているのです。『AD型認知症』を発病して、『介護』が不可欠の状態にある高齢者達(「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階の高齢者)の『介護費用』に投入する血税の額が、年間で13兆円を超える規模(一般会計と特別会計の合計)に迄、膨れ上がっているのです。
➡この他に、発病の診断と投薬(治すことが出来ない段階、『末期の段階』で発病を見つけて居るので、『発病のレッテル貼り』の意味でしかない診断及び治療効果が期待できない単なる「対症療法薬」の処方)という『医療費』に投入する血税の額も、年間で10兆円を超す規模になっているのです ❕
未だに誰一人として解き明かせていないのが『意識』であり、『人類最大の難問』とされているのです。加えて、『AD型認知症』の発病原因も、世界中の誰もが、未だに解明できていないのです(KinukoとTadの二人を除いては)。
権威達が原因不明とする『AD型認知症』は、『意識』が関わる世界、「意識的/目的的な世界」における根幹をなす機能である『意欲、注意の集中力及び注意の分配力』の機能(以下、『前頭葉の三本柱』の機能と呼びます)の廃用性の異常な機能低下の進行に起因した機能障害を原因とする「実行機能」の機能障害、最終的には、それら機能の複合機能体であり、『意識』が覚醒した目的的な世界に於ける「脳全体の司令塔」の役割を担っている『前頭葉』機能の機能障害が、その発病を惹き起こす加重要因としての「原因要因」なのです。
心理学者も、哲学者も、脳科学者も、『AD型認知症』の専門家達も、『前頭葉の三本柱』の機能が『実行機能』の発揮度自体を支配し、管理し、下支えしていること、即ち、『両者は、機能発揮面での二重構造の関係にあること』を知らないし、「前頭葉の三本柱」の機能、「実行機能」及び『評価の物差し=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス=By Tad』の機能の複合機能体が、『前頭前野の穹窿部』に局在する『前頭葉』と呼ばれている機能であることさえ知らないのです。
生きた人間の『意識』との関わり、『意識』を構築し、管理し、コントロールしている機能である『注意の分配力』の機能との関わり、更には、『第二の人生』を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行といういう要因、この要因が、『AD型認知症』の発病の原因を解き明かす鍵、発病及び症状の重症化の進行を惹き起こす加重要因、「引き金となる要因」なのです。
『意識』が関わる世界、意識的/目的的に行われる思考、思索、行為、行動、発言や言動には、必ず『目的性』と『評価』と『評価に因る注意の分配』と『ケース・シミュレーション』と『選択』とが、不可分の要素として機能しているのです。
その『目的性』とは、予め目標を定めて、当該目標を実現する為の置かれている状況の理解と判断に沿った方法や程度や態様をケース・シミュレーションして、選択し、選択された内容と方法を、目標の実現にむけて管理し、実行することなのです。
「目的性」支配の根幹をなす機能が『評価の物差し』の機能(ブログB-83)なのであり、「目的性」を管理し、コントロールしている『システム』が、『評価の物差し』による評価/ 関心/観方/注意」に従い、人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能が、『実行機能』を駆使して目的を実行していく有機的な機能関係(即ち、ニューロン・ネットワーク)』の存在なのです【=Tadの思考実験】。即ち、『評価の物差し』の機能が選択する対象に対して『評価の物差し』による評価/関心/観方/注意に従い、『注意の分配力』の機能の「注意が分配される度合い」に因り、『選択された対象』に対する『意識の覚醒度』がコントロールされる機能構造によって、高くも/低くもなるという訳なのです。
意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮レベルが、極端に低い状態に抑えられている為、意識の覚醒度が極めて低い状態下でのみ起きてくることになる所謂「夢を見ている世界」(脳の機能を守るために進化の過程で獲得された機能であるサーカディアン・リズム下の世界)は、「注意の分配力」の機能の働きが極めて低いレベル(異常なレベルと同じ機能レベル)に抑制されている為、『目的性』を維持し、管理し、コントロールすることが出来ないことが特徴なのです。その為、夢を見ている状態下では、論理の展開も行動も、支離滅裂のものにしかならないのです(論理の展開に注意が向くと、意識の覚醒度が上がるので、目が醒めてしまうのです)。
『AD型認知症』を発病して、末期の段階にまで症状が進行したお年寄り(「改訂版かなひろいテスト」が異常と評価される基準値を示していて、MMSEの総得点が、換算値で一桁になる、「極めて重度の段階」にあるお年寄りのことなのですが)が、『徘徊する』のは、当該「目的性」を維持し、管理し、コントロールすることが出来なくなっているからなのです(=「注意の分配力」の機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきていることが原因なのです)。「徘徊行為」について、「何らかの特定の目的」がある行動であるかのような説明をする学者や医師が多いのですが、単なる憶測の類に過ぎないレベルの主張内容なのです。
「加齢」に起因した前頭葉の正常老化の性質とその機能低下という『基盤の要因』及び「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(自分なりに追及する特定のテーマが無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な暮らし方)の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行という『加重要因』、『異なる二つの要因が、同時に存在し、充足される』ことに因る「相剰効果」により、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行く』ことの先に、『AD型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているのです。
Kinukoの知見と体験と脳機能データを基にして、Tadが世界で初めて解き明かした、『AD型認知症』の発病/症状の重症化が進行するメニズム、第二の人生を送る上での日々の「脳の使い方」に起因したもの、『生活習慣病』であるに過ぎない(「食習慣」も、糖尿病の発病も、学歴も、因果関係は存在していない)ことについて、根拠となる精緻で極めて多数で、幾種類もの「脳機能データ」を提示して、更には、北海道から九州に跨る全国的規模、「452の市町村」での『住民参加型の地域予防活動』の実践指導の顕著な成果を基礎に、説明するものなのです。
『AD型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎない(但し、「食生活」は無関係であり、『脳の使い方』としての視点と意味で言う生活習慣で会うことに留意する)のであり、世界的に通説の地位にある(支持する人達が多いという意味)『通説としてのアミロイドβ仮説、少数説であるタウ蛋白仮説及び異説であるアセチルコリン仮説という「3つの仮説」の主張内容が誤りであり、「仕事」とは無縁の日々の「暮らし方」となる『第二の人生』を送る上での生活習慣、『脳の使い方』としての『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』が、発病との直接の因果関係が確認できる原因要因であり、食生活や学歴や糖尿病の発病等と『AD型認知症』の発病とは無関係であることの重要な証拠資料となる『脳機能データ』を提示して、説明したいと考えるのです。
『加齢』に起因した正常な機能低下の進行とナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(異なる二つの要因)とが、同時に並行して進むことの相剰効果に因り、意欲の機能が異常なレベルに衰えてきて、機能構造的な反映として注意の集中力及び注意の分配力を持続的に高度に発揮する力が異常なレベルとなる結果、「機能発揮上の二重構造」の関係にある『実行機能』の発揮度が異常なレベルに衰えてきたことの反映が、それら機能の複合機能体である『前頭葉』の機能を含む脳全体の機能レベルの反映としての『AD型認知症』の発病の症状として発現してくるのです。これが、発病及び症状の重症化が進行する『真のメカニズム』なのであり、「3つの仮説」が想定する『記憶の障害に起因して発病するとの前提自体が誤り』なのです。
現在は、「政府大綱」の第一条で、将来の研究課題として棚上げにされている『発病自体の予防』の国策化による全国展開の制度化というテーマが、近い将来に、「我が国での重要な政策」となっていることを、心から願うのです。
&1『MMSE下位項目の低下順(項目困難度)』の指標という『事象事実』が示す「脳機能データ」の意味
(1)下記のデータは、私たちエイジングライフ研究所が『二段階方式』の手技を活用して集積した14689人もの『AD型認知症』を発病した「高齢者達」の『脳機能データ(前頭葉を含む脳全体の機能レベル)』の解析結果が示すグラフです。多人数であることもさりながら、全ての段階、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄りの「脳機能データ」であることが極めて重要なのです。
権威があるとは言え、世界中の権威ある機関は、極めて重度の症状、為す術が何も残されていなくて、『介護』する仕方に方法が無い『末期の段階』である「大ボケ」の段階にしか関心が無い(「前頭葉」の機能レベルを精緻に評価/判定出来る「手技」を持たない為に、MMSEのテスト結果しか持っていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階のテスト結果しか持っていない)ので、このような「脳機能データ」の存在自体に、気付いてもいないのです)。
※1『AD型認知症』の発病者であれば、且つ、その場合に限り、『必ず、この低下順が示す項目の順番に出来なくなっていく』ことが、「事象としての事実」なのであり、客観的で、科学的な「脳機能データ」として提示出来ているのです。この一事をもってしても、発病原因に関する『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容及び「通説のアミロイドβ仮説を含む(3つの仮説)」の主張内容は、誤りであるということになるのです。
※2「MMSE下位項目の項目困難度」が高い順に示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となります。
※2 11の下位項目の内で、最初に出来なくなっていく項目(項目困難度が最も高いことを意味する)である「想起」の項目は、MMSEの総得点が28点を切った段階で(マイナスが2点となった段階で)、満点でない人の数の方が既に多くなることを示している、(「極めて困難度が高い項目」=『注意の分配力』の機能の、極めて高度なレベルでの発揮が要求される項目)ということなのです。
(2)「想起」は、「3つの単語」を記銘して答えてもらい、『後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と教示した後に、いくつかの質問に答えてもらった上で、記銘の5分後に、『ところで、先ほど、後で言ってもらいますので、覚えておいてください』と言い、『3つの言葉を覚えてもらいましたが、覚えていますか?その3つの言葉を言ってください。何だったでしょうか?』と質問するもの。
※1『注意の分配力』の機能の発揮に因り、記銘して保持した「3つの単語」を、いくつかの(他の質問)を実施した5分後に、(想起してもらう)のですが、『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求されることになる為、単に記銘するのでなくて、同定されるところまでいかないと、必要なレベルでの記銘度が確保できないこと並びに想起する為に種々の条件を工夫して付加しないと検索を活用した想起が上手く出来ないせいなのです。
※2『前頭葉の三本柱』の機能のうちで最も高度な機能であり、最初に衰えて行く機能でもある「注意の分配力」の機能が、異常なレベルに衰えてきている高齢者の場合は、極めて困難度が高い項目となるのです。
※2 同定する為に、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索という個別実行機能の発揮が要求されるので、一定レベル以上での意欲、注意の集中力の発揮が要求される上に、一定レベル以上での注意の分配力の機能の発揮が要求される為、11あるMMSEの下位項目の中で、困難度が最も高いのです。
(3) そもそも、『記憶』は、記銘して、保持して、想起するという行程で構成されているものなのです。
「記銘」が、困難度が極めて低い項目であるのに対して、『想起』は困難度が極めて高い項目であることを示しているこの脳機能データは、何を意味しているのでしょうか。記銘と想起の項目の困難度の乖離は、『注意の分配力』の機能が関わることが要求されるのか/否かが要因であるということなのです。
※「記銘」の場合には、一定レベルでの意欲と集中力さえ発揮出来ればいいのに対して、「想起」の場合には、両者に加えて、「注意の分配力」の機能の高度な発揮が要求されるところが異なるのです。『注意の分配力』の機能の発揮が要求されるか/否かが、両者の項目困難度の差異となって表れてきているのです。
(4) 『MMSE下位項目の項目困難度の指標』は、『アミロイドβの蓄積』による「老人斑」やタウ蛋白の沈着による「神経原線維変化」が、情報を連絡する神経細胞の大量死を招くことが、記憶障害を惹き起こす結果として、『アルツハイマー型認知症』を発病することになると主張するアミロイドβ仮説やタウ蛋白仮説の主張内容が誤りであることを示す「事象の事実としての証拠データ」なのです。
※1 神経細胞の大量死に因る記憶障害が発病の原因であるとするなら、発病者について、『項目困難度の順番』が存在することを示す『事象の事実』を合理的に説明することが出来ないのです。
※2「想起」は、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の発揮が要求される項目なのですが、それらの機能の中でも、特に、『注意の分配力』の機能の高度な発揮が要求される項目であることが重要なのです。
(5) 詳細を記述すると、想起は、『注意の分配力』の機能(3つ以上の異なる複数のテーマを、同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)の発揮により、所謂『実行機能』(分析し、理解し、判断し、企画し、計画し、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、比較し、選択し、決定し、決断し、抑制する等の機能)の発揮が顕現されることになるのであり、私たち人間だけに備わる特有な機能であり、「前頭葉の三本柱」の機能の内で、最も高度な機能である『注意の分配力』の機能が少しでも異常なレベルに衰えてくると、「想起」(想起するには、分析、理解、洞察、推理、シミュレーション、検索等の機能の活用が不可欠)すること自体が、それだけ困難になることを意味しているのです。
(6) これに対し、「記銘」は、意欲及び注意の集中力の機能と僅かな機能レベルでの注意の分配力の発揮しか要求されないので、11の下位項目中、4番目に容易な項目(中々衰えて行か無くて、ずっと保たれていく機能)であると言うことになります{『MMSE下位項目の項目困難度』のデータは、「大ボケ」の段階のお年寄りにしかMMSEテストを実施しない権威者たち(権威があるとされている機関)には、現在でも猶、未知のものなのです=存在自体を知らない}。
※1『記憶』について言うと、「記銘度」が高い記憶は、良く保持され、良く想起されるのです。記銘度を高めるためには、オウム返しのような単純な記銘ではなくて、記憶の対象を同定できるだけの注意の分配力の機能の発揮が要求されることになるのです。『直前に食事をしたことさえも忘れている』という症状は、もともと記銘度自体が低いことを意味するのです(『前頭葉の三本柱』の機能が異常なレベルに機能低下してきた反映により記銘する機能が極めて異常なレベルにまで衰えてきている)。
※2 そうした症状は、「大ボケ」の後半になって(脳の後半領域の認知機能テストである「MMSE」の総得点が10点を切った一桁となる段階で)、初めて発現してくる症状(「極めて重度」の症状)であることが分かるのです。
(7) 猶、『AD型認知症』研究の専門家とは言え、脳の機能レベルを判定するに際し、MMSE(又は、長谷川式)しか実施しないのですが、これでは脳の後半領域(左脳及び右脳)の機能レベルを判定しているに過ぎず、肝心の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が行われていないのです。これでは、『脳全体の機能レベル』をきちんと判定していることにはならないのです。
脳の後半領域の機能レベルだけでなく、同時に、『前頭葉』の機能レベルを判定しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「二段階方式」の手技では、『改訂版かなひろいテスト』により、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るのです。
(8) このブログ(F-05)で例示した『小ボケ』の段階で発現が確認される様々な症状は、『アルツハイマー型認知症』発病者の本当の意味での早期(発病の最初の段階)に確認されるものばかりなのです。ところが、認知症診断を専門とする医師は、「DSM-Ⅳ」の規定が確認を要求している失語、失認、失行(紛い)の症状、並びにそれ等よりももっと重い症状だけが、『AD型認知症』の症状であると誤解しているのです。
(9) その為、「小ボケ」や「中ボケ」の段階の症状が発現してきて、何かがおかしいと感じている同居の家族が、発病した「高齢者」を伴って診断に訪れても、「発病してはいない=AD型認知症の症状は発現していない」と診断してしまうのです。
(10)「失語や失認や失行(紛い)」の症状より軽い段階に、それなりに関心がある医師でも、「物忘れの症状」の程度や頻度だけで構成されたものであり、判定基準と言うには極めて曖昧な内容であり、お粗末に過ぎるMCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)と言った意味不明の基準を持ち出して、「発病の前駆的状態にある」と説明して、発病の予防の為と言いつつ、4種の「対症療法薬」(実際の効能としては、症状を治したり、症状の進行を遅らせる治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度や仕方を亢進又は抑制する効能しか有していない「4種の薬」の内のどれか)を処方するのが、今も猶、医療現場の診察の実態なのです。
(11) MMSEの下位項目には、上述のように出来なくなっていく厳密な順番(落ち方の順番)があります。脳が壊れてもいないのに、「老化が加速される」ことにより働きが衰えていく、「AD型認知症」の発病の有無の判定をする上で、この脳機能データの解析結果が不可欠のものとなるのです(テストで出来なかった減点項目を構成する下位項目の内容が、このグラフ通りであれば、それは「AD型認知症」の発病を推定させ、減点項目がこの構成とは異なっていれば、「AD型認知症」以外の認知症、又は、認知症と紛らわしい病気を推定させることになるのです)。極めて「価値ある指標」なのです。
※ それらのことから、次のような「物差しの存在」が見えてくるのです。例えば、MMSEの総得点が29点の時、何かの項目が出来なくて、マイナス1点となっている訳です。そのマイナス1点を構成している最も可能性の高い「下位項目」は何かを、次のようにして予測することができる訳なのです。
それは、最初に落ちる項目(出来なくなる項目)によって1点落としたはずであり、それが何かを考えるのです。それは、「AD型認知症」の場合であれば;項目困難度が最も高い「想起」でマイナス1点となったはずです。その結果、MMSEの総得点がマイナス1点の29点となったはずなのです。
(12) この判定を行う時、MMSEの減点内容を構成する下位項目の内容が、「一定の法則に従う」ことが、極めて重要なのです。更には、認知症の種類あるいは認知症と紛らわしい病気により、落ちていく順番には、厳密なパターンが有るので、減点を構成する項目とその組み合わせが何であるか、言い換えれば、『どのような落ち方のパターンを有しているのか』を判定することによって、認知症の種類ならびに認知症と紛らわしい病気の判定および鑑別が可能となるのです(「二段階方式」では、それらの病気の判定について、『個別事例判定マニュアルC』を著作し、詳細に説明し、発病の的確な判定と的確な医療機関への受診に結び付けているのです)。
※1 例えば、「AD型認知症」であれば、MMSEの総得点が高い場合は、「減点は項目困難度の高い項目同士の組み合わせによる」ものでなくてはなりません。MMSEの総得点が高いのに、減点を構成する項目が項目困難度の低い項目になっている場合は、『AD型認知症』以外の認知症又は病気を疑うことになる訳なのです。二段階方式のテスト結果だけで、被験者に対し、どの種類の医療機関を受診させるのが適切かを、的確に判定できるのです。
※2 例えば、MMSEの総得点が28点と前頭葉を含む脳全体の機能が高いレベルに在る事を示しているのに、減点のマイナス2点を構成している下位項目の内容が、『前頭葉を含む脳全体の機能が相当に低いレベルに在ることを示している「復唱」や「命名」である』時は、「失語症」を疑うことになるのです(失語症の詳細については、「個別事例判定マニュアルC」に詳述)。
(13) 世の中の権威とされる人たち、学者や研究者達だけでなくて、認知症の診断を専門とする医師達にも、この事実を知っていただきたいのです。「AD型認知症」の発病の原因として提示されている『3つの仮説』の主張内容は誤りであり、それらの「仮説」では、『MMSE下位項目の項目困難度』という「事象事実の存在」を合理的に説明できないということなのです。
(14) 加えて、新型コロナの感染回避策としての『3密の回避』に徹した生活を続けている(脳の使い方としての生活習慣)お年寄り達の間で、専門の学者たちが取り上げ騒いでいる『脳のフレイル』が確認されるお年寄り達の顕著な増加現象について、その症状が、私たち「二段階方式」が例示列挙する「AD型認知症」の最初の段階の症状、「小ボケ」の段階で確認される類型的な症状そのものであることに注意していただきたいのです。
(15) 小ボケの段階を「脳の機能面」から定義すると、左脳と右脳は正常な機能レベルに在って、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在るということなのです。
このことは即ち、『実行機能』の発揮度が異常なのであり、『機能発揮上の二重構造』のメカ(=By Tadの思考実験)から、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在ることを意味しているのです。その反映が、小ボケの段階に特有な類型的症状として確認されるということなのです。
(16) 意識的な世界は、三頭立ての馬車を運航する世界なのです。馬車を牽引する馬(左脳、右脳、運動の脳)が元気一杯でも、肝心の御者(脳全体の司令塔である前頭葉)が居眠りしている状態は、その運航結果(前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウト・プット)は、正常ではなくて、異常なもの、即ち、「AD型認知症の発病としての症状」であることを理解すべきなのです。
&2 『AD型認知症』の発病患者の『標準的な滞留期間』の存在が示す意味
(1)「AD型認知症」の症状について、米国精神医学会が策定した診断規定である「DSM-Ⅳ」の第二要件は、「失語、失認、失行(紛い)の症状が発病の初期症状である」と規定しています。その為、世界中の権威ある専門家と言われる人達【機関】は、未だに、『その規定内容自体が、重大な誤りである』ことに気づいていないのです。彼等は、末期の段階の症状である「大ボケ」の段階で初めて発現が確認される症状だけが、『AD型認知症』の症状だと誤解していて、私たち二段階方式の区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が存在していることに、未だに気づいていないのです。
※その原因は、「意識的/目的的な世界」における脳全体の「司令塔の役割り」を担っている『前頭葉』の機能レベルを、精緻に評価し、判定出来る「手技」を持たないことが原因でもあるのです。彼等は、『AD型認知症』の発病について、「認知機能の障害」を重要な問題としながらも、脳の後半領域、左脳と右脳の機能レベルを判定する(それしか判定できない)認知機能テストであるMMSEテストしか実施しようとはしないのです。
(2)『AD型認知症』は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした三段階に区分される症状、二段階方式の区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階に特有で類型的な症状が発現して来るのが特徴なのです。即ち、『AD型認知症』発病としての症状については、『脳のリハビリ』により回復及び/又は症状の進行の抑制が出来るか否か並びにその程度により、三段階に区分されるのですが、そこには以下のような一定の標準期間としての「滞留期間」の存在が確認されるのです。
「小ボケ」 3年間が標準的な滞留期間 (治す/症状の進行の抑制が、可能)
「中ボケ」 2~3年間が標準的な滞留期間(症状の進行の抑制が、未だ可能)
猶、末期の段階である「大ボケ」については、標準となる滞留期間自体が存在しないことに注意して下さい。
※「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体がもつ限り(死を迎える迄)、大ボケの枠の中で、症状が更に重いものになっていくだけなのです。身体が持つケースであれば、最終的には、植物人間状態となるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えて行くことになるのです。
(3) 世の中には、『家族介護』を美化するような発言や書籍が存在するのですが、実態は、そんなに生易しいものではないのです。『介護離職者』(「親の介護」をする為に、「子が離職」して、自分自身の人生の追求をあきらめてしまうこと)が累計数で100万人を超えてしまっているのが、我が国の現実なのです。
(4) 私たち「二段階方式」が、『AD型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』なのであり、早期診断(小ボケ又は中ボケの段階で、発病を見つけること)と早期治療(本人の脳の機能レベルに見合った内容の『脳のリハビリ』を継続して実践すること)により、治せる及び/又は症状の更なる進行を抑制出来ることにより「介護の予防」が可能であるし、更には、「発病自体の予防」が可能であることについて、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村での先駆的な活動、『AD型認知症に特化した活動であり、「早期診断による回復及び発病自体の予防」を明確な目的とした『住民参加型の地域予防活動』の実践指導の顕著な成果により、(疫学的方法により)主張内容が正しいことを実証しているのです。
(5) それにも拘らず、「政府大綱」では、その第一条の規定で、「発病自体の予防活動の国策化は、将来の研究テーマである」と明記しているだけで、「介護の予防」しか、制度的に実施されていないのが現状なのです。
「発病の予防活動の国策による実施の制度化」の棚上げにより、新規の発病者は増え続けていて、早期段階の重症化の進行に因り、「介護」が不可欠のお年寄りの数が増え続けていて、単年度ベースでの「介護の費用」に投入する血税の額だけで、既に13兆円を超えているのです。背後にどのような考え方、或いは、反対勢力が存在しているのか分からないのですが、マスコミや、我が国の政策を議論する為の存在であり、国民の血税で養われている「野党」でさえも、このことを問題にしてもいないのです。
(6)ここに提示する『標準的な滞留期間』と個々の実際のケースの実態との間に僅かな期間ながら、差異が存することが認められる場合があります。
その差異については、当該被験者の過去の「生活歴」(「キッカケ」の発生と継続を契機に開始された『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』の継続に関わる具体的な生活習慣の実態)を詳しく聞き取ってみると、確認される差異を埋めるに足る理由(「脳の使い方」としての「生活習慣」の存在)が確認できるのです。
それは、プラスの要因(当該段階における滞留期間を長くする要因)の場合とマイナスの要因(当該段階における滞留期間を短くする要因)の場合とが確認できるのであり、その詳細に関わる「脳機能データ」が、次の&3で説明する「生活習慣要因」なのです。
&3「 脳の老化のスピード差」をもたらす『生活習慣要因』の存在が示す意味
(1) 60歳を超えた年齢の『高齢者』が、「左脳」が専管する「仕事」とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る中で、何事かに挑戦しようとする本人の「意欲を喪失」させてしまう何等かの「生活状況」の発生と継続が『キッカケ』となり、ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』が始まり、発病してから(3年間)が『小ボケ』の期間、『中ボケ』の期間が(2~3年間)続き、発病から(5~6年間)が経つとつと『大ボケ』になる」というのが大原則であり、『標準的な滞留期間の指標』となります。
(2)「大ボケ」のレベルになると、「正常レベル」への回復は愚か、「中ボケレベル」への回復も、最早困難となります。
その「大ボケ」のレベルの枠の中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活改善」により、『大ボケの枠の中で/ケースにより及び同居の家族の献身的なサポートにより、更なる症状の進行の抑制が、或る程度期待出来る』ことはありますが、基本的には、『為す術が何も残されていなくて、介護が不可欠となるということ』なのです。
(3) そこまで廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してしまうと、『前頭葉』の機能レベルが改善出来なくなってしまうからなのです。
とはいえ、「大ボケ」レベルで、右脳や運動の脳を刺激する「生活改善」を試みることさえもなく、「介護」しているだけでは、症状は更に、重いものになっていきます。同じ「大ボケ」のレベルといっても、その幅は大河の幅のように極めて広いものなのです。
(4)「小ボケ」や「中ボケ」のレベルの間であれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の影響により「前頭葉の三本柱」の機能の出番が増えたり減ったりする中で、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの顕著な「改善」(症状の進行が抑制されて、「滞留期間」が長くなる)や「低下」(症状の進行が加速されて「滞留期間」が短くなる)が見られるのです。
(5)「 小ボケ及び中ボケ」は、言葉によるコミュニケーションが可能なので、『脳リハビリ』(脳の使い方としての生活習慣の改善)の意味を本人が、或る程度は、理解出来るので、家族の献身的な支えと後押しとがあれば、『脳リハビリ』を、創意工夫して、継続して実践することが出来るからです。また、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続されているように見えてはいても、実際の生活実態を詳細に聞き取ってみると、それなりに「プラス要因」の生活が入り込んでいたり、逆に「マイナス要因」の生活が入り込んでいたりするものなのです。上述の基準に適合しないケースは、下図に例示する「プラス要因」と「マイナス要因」の「生活習慣」の質と量とが脳に働いて、「アルツハイマー型認知症」の症状の回復や進行の抑制や重症化の更なる進行に影響を与えているのです。
(6) 私たちエイジングライフ研究所が開発した『二段階方式』を活用するときは、定期的に最高次機能の「前頭葉」及び高次機能の「左脳と右脳」の働き具合を神経心理機能テストで測定し、「生活実態」を「改訂版30項目問診票」に当てはめて、生活の自立度を判定し、更に、「生活歴」の聞き取りからその期間中の「生活習慣」としての脳の使い方を具体的にチェックします。
(7) 私たち「二段階方式」では、神経心理機能テストによる脳の働き具合の定期的で総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「低下」の三段階に区分して判定します。そして、対象期間中の「生活習慣」を脳の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。
「改善」、「維持」、「低下」の各々のケースについて、その人の『前頭葉の機能を活性化』させるような、日々の「脳の使い方」としての意味と視点で言う『生活習慣』としての生活実態があったのか、プラス要因やマイナス要因がどのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続したままだったのか等を、詳細にチェックするのです(脳の使い方としての日々の暮らし方である『生活歴』の詳細な確認が不可欠)。
そうした判定によると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの経時的な推移(改善、維持、低下)と対象期間中の脳の働き具合を支える「脳の使い方としての生活習慣」としての『生活実態』とは、必ず合致していることが確認されるのです。
(8) 極めて多数の事例の分析とデータの積み重ねから、上記『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因』の期間が導き出されているので、この「小ボケ」、「中ボケ」の期間は、『標準的な滞留期間』としての指標となる訳なのです。
(9) ところで、大ボケの標準的な期間というものは、存在しません。「大ボケ」の段階にまで症状が進行してくると、身体が保つ限り(老衰により及び他の何らかの病気が原因で、死を迎えることになるまで)、「大ボケ」の枠の中で、症状が更に進行していくだけなのです(介護する側の労苦だけが増して行く)。
(10) この指標となる期間と実際のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」(滞留期間を長くする)と「マイナス要因」(滞留期間を短くする)とが複合して働いて、脳の機能レベルの変化に影響を与えているのです。その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。
(11) こうした多数のデータの積み重ねから、専門家たちから原因も分からないし、治らない病気とされている「AD型認知症」を発病する原因は、「加齢」(60歳を超える年齢の高齢者であること)が「基盤の要因」であり、『第二の人生』を送る生活の下での「脳の使い方」としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が「加重要因」であることが分かったのです。
(12) この場合、どのような「生活習慣」が脳の不活性化をもたらすのかについては、標準的なものを類型化して導き出すことはできるのですが、絶対的なものではなくて、あくまで相対的なものだということが留意すべき重要なポイントです。
※「キッカケ」の発生と継続を、当の本人の「前頭葉」がどのように評価したのかが、「前頭葉の三本柱」の意欲、注意の集中力と注意の分配力の働き具合に、直接影響するのです。「キッカケ」の発生と継続を契機として「心が折れて」しまい、『意欲』を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な日々が始まり、継続することで『生活習慣化』することが、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことが『AD型認知症』の発病に直結して行くことになるからです。
(13) 更に「小ボケ」と「中ボケ」のレベルであれば、日々の「生活習慣」の改善により、正常レベルへの脳機能の回復及び/又は症状の更なる進行の抑制が可能であることが分かったのです。
但し、「大ボケ」のレベルにまで脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待できないことも分かったのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能が、極めて異常なレベルに迄低下した問題並びに「前頭葉」及び「左脳」の異常なレベルへの機能低下により、コミュニケーション自体が機能しないので、本人が「脳リハビリ」の意味も目的も理解できなくて、「脳リハビリ」自体が実行出来ないからなのです。
(14) 猶、ここで言う「治療」とは、複合機能体である『前頭葉』機能全体の出番が増えて、『全体が活性化』するような「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善を目的とした『脳の使い方としての生活習慣の改善/構築』と継続的な実践の自助努力の実行のことを言います。現在、殆どの医療機関で行われているような、「重度の記憶障害」の症状並びに「失語、失認又は失行(紛い)」の症状を基準にして診断する方法では、回復困難な「大ボケ」しか見つけることが出来ないのです。
(16) 回復/症状の更なる進行の抑制が可能な、『本当の意味での早期の段階』である「小ボケ」又は「中ボケ」の段階で発病を見つけて、『前頭葉を含む脳全体の機能レベルに見合った「脳のリハビリ」を実施』することが、症状を回復させる及び/又は症状の重症化の進行を抑制する『唯一の方法』なのです。
※1 権威達が語る内容自体が『重大な誤りである』ことが放置されていて、新型コロナに対する感染回避策としての『3密の回避』の徹底が叫ばれ、要求されている社会状況の中で、「第二の人生」を送っている「高齢者達」の間で、実は、「AD型認知症」の新規発病者の増加発現(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者数の増大(小ボケ➡中ボケの前期;中ボケの前期➡中ボケの後期;中ボケの後期➡大ボケの前期;大ボケの前期➡大ボケの後期)が、権威機関に気づかれない儘に、放置されているのです。
&4【脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣」の要因】
以下は、『標準的な滞留期間(=小ボケは3年間、中ボケは~3年間)』との差異を生じさせている『生活習慣の要因』を例示したもの(滞留期間を長くする「プラス要因」と滞留期間を短くする「マイナス要因」とがある)。
➡『AD型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないのではない、医師達が見つけている段階が遅すぎるせいで、治せないだけなのです。「早期診断」と「早期治療」を怠っているせいなのです。
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