認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の予防と早期診断による回復(建白書その4:B-94

2017-11-15 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

&9「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を目的とする住民参加型の「地域予防活動」を国民的な課題に

〇 将来の全国展開に先駆けて、実施に関わる様々な手法の改善パターン化を目的とした「Model事業PRJ」の実施を提案します

(1) 「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者である日本国民、日本中の全ての自治体及び我が日本国にとって、極めて重要で、且つ重大なテーマとなる『「二段階方式」の手技に基づいて実施される「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開』を日本中の全ての市町村の出来るだけ小さな地域の地区単位で、近い将来に急速に全国的に展開する為の効果的な手法、システム及び体制のパターン化を築く為の基盤となる「Model事業PRJ」の実施を、北陸、中部、近畿及び東海地方の特定の市町村(120の市町村)を対象として先駆的に実施してみせることが極めて重要となるのです。私たちが開発した「二段階方式」の手技及び主張内容の正しさと実効性と有効性と有益性とが上述した「検証PRJ」により実証されたやり方を基礎としつつも、或る一定の規模での「Model事業PRJ」の実施により、もっと効果的に実施する手法の工夫と改善及びそうした手法のパターン化/モデル化を徹底させることが、導入市町村が拡大していく上で起きてくる実施品質のバラつきを抑制し、且つ、成果のバラツキを抑制することにも繋がるからなのです。

(2)  そうしたパターン化を検討すべき項目としては、「前頭葉」の機能テスト及びMMSEテストの実施及び判定の手技のパターン化の更なる徹底、「三段階」に区分する症状を確認する手技の更なるパターン化、「下位項目の項目困難度」基準との照合のパターン化、三段階に区分された段階的症状のパターン化に連動した個別事例の判定のパターン化、廃用性の機能低下を持たらした「生活歴」の聴き取り方のパターン化を徹徹することにより、導入市町村の数が拡大していくにつれて不可避的に起きてくる「手技の実施者」の意欲及び能力の差異によるテストの実施、結果の評価について生じるバラつきを出来るだけ少なくすること並びに予防教室の運営方法の改善とパターン化(開催頻度、脳を活性化させる「テーマ」の工夫と種類の区分化、データ化、実施の仕方等の改善、ボランティアの育成と活用方法の改善)及び予防教室の運営及びテーマに関わる様々なやり方による実践の効果及び成果を出来るだけ具体的な形で検証できるように改善した上で、それを「パターン化及びモデル化」された「先駆的な成功モデル」として具体的で明確な成果を達成し、広報して、「地域予防活動」実践の予備軍となる他の市町村に対し及び住民に対し、更には、国民全体に対して、広報/宣伝し、必要性、有効性及び有益性を理解させる為の啓蒙対策が必要だと考えるのです。民間企業と異なり市町村の場合には、他に先駆けた革新的なテーマに挑戦する姿勢自体があまり期待できないので、まとまった特定の地域及び市町村を対象として、且つ、それなりの規模で、Model事業として先駆的に実践し、明確で大きな成果を挙げて見せること並びに特段の困難も問題点も存在しないことを(どちらかと言えば、「良いことづくめのPRJ」となる)実証して見せることが、その後の全国展開をスムーズにさせ、且つ、拡大のスピードを加速させることにもなるのです。私たちが市町村に対し、住民参加型の「地域予防活動」を推奨した初期の段階で、三重県美杉村或いは長野県下条村に始まった住民参加型の「地域予防活動」が、美杉村/下条村を渦の中心にしたドーナッツ現象のように急速に周りの市町村に広まっていった成功体験からの提案なのです。平成の大合併のその後の進捗内容を見ればよく理解できるように、成果が具体的に直ちに求められる民間企業とは異なり、市町村の場合には、『個人的なリスクをとってでも新しいことに対して意欲的に挑戦する』という価値観は存在していないのです。新しい事業展開は、民間とは異なった考え及びやり方で実施するしかないのです(リスクの最小化を先に達成)。

上から押し付けるのではなく、導入市町村の自発的な活動、住民自身及び担当する保健師さんがその実施を強く望むやり方が重要

(1)「アルツハイマー型認知症」の住民参加による「地域予防活動」は、出来るだけ多くの高齢者が、自ら望んで参加することが極めて重要なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の対象となるお年寄り、私たちが発病の「第一の要件」として定義する『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」』が、積極的に時間を割いて、自ら望んで参加してくるような内容の「予防教室」の運営が重要となるのです。その意味で最も重要なことは一つだけ、それは、『「早期診断による回復」という実績を出来るだけ数多く示して見せること』に尽きるのです。その実績が住民サイドから『保健師さんは、神様です』という絶対的な信頼を獲得することになるのです。その実績が、「予防教室」へ自ら進んで参加したくさせる信頼の基礎を築くことに繋がるのです。

脳の専門家達からデュアルタスクやコグニサイズという考え方が最近提唱されてきてはいるのですが、肝心の「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の内で最も高度な機能であり、DNAが99%も共通であるあのチンパンジーにさえも備わっていない脳機能、私達人間だけに特有な機能である、「注意の分配力」の機能の内容及びその活性化している状態に付いては、不十分で不確かな知識しか持ち合わせていないのです。例えば、車を運転中のこの機能の活動状態を考えてみていただきたいのです。私が大好きなマライアキャリーの歌をBGMに楽しみつつ、行き交う車の流れや道路の状況、更には、最高速度制限や一方通行規制などの道路標識や交通信号や交差点での人や自転車の通行等にも目を配り、気を配りながら、更には、周囲の景色にも注意を分配し、且つ、その変化を楽しみながら、同時に、助手席や後部座席に座って今日の行楽を楽しんでくれているお友達との切れ目のない会話や談笑も楽しんでいる状況、10以上の異なった様々な「テーマに」対し、私の「注意の分配力」の機能が同時に分配され、注がれ、且つ、統括されていて、車との接触とか、脱輪とかの事故、或いは、速度違反や信号無視とかの交通違反を起こすことが無い様、異なった10以上の様々なテーマが状況の変化に応じて同時に的確に処理され、見事にコントロールされているのです。私は、プロのドライバーでもない、70歳を超える年齢の「高齢者」の一人に過ぎないのです。この程度の運転をこなしているお年寄りは、何処にでも存在しているのです。

私たち人間だけに備わっている「注意の分配力」の機能の活性化こそが、『「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」の構築とその実践により、「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」を具体的な形で実証してみせること』のカギを握っているのです。このテーマの実証の成功は、もう一つの重要なテーマである、『早期診断による「回復」』というテーマを実証してみせる上で不可欠の手法である「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善とその実践)により、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)からの「回復」を実証してみせるのにも不可欠のテーマなのです。この二つのテーマを120もの市町村で、パターン化されモデル化された「二段階方式」の手技の活用により、具体的な形と具体的な数値により実証してみせたいと望んでいるのです。そのことによって、世界中の認知症の専門家達から、『発病の原因が分からないし、症状を治すことも症状の進行を抑制/防止することもできないし、更には、発病自体を予防することもできないタイプの認知症である』として、放置されたままで居る(年間で15兆円ものコスト)「アルツハイマー型認知症」の本態が、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期診断による回復も発病自体の予防も可能なものであることを、世界中に向けて発信したいと考えているのです。

アルツハイマー型認知症」の発病と診断する上で米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の規定が第二の要件で確認を要求している症状であり、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後半の段階、30点が満点であるMMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される失語や失認や失行の症状は、「DSM-4」の規定が第一の要件で確認を要求している「記憶の障害」に起因して発現してきているのではなくて、意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールする役割を担っている「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の内でも最も高度な機能である「注意の分配力」の機能が殆ど機能しえないまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきていることが、それらの症状が発現している直接の原因なのであり 、加えて、その張本人は、「アミロイドベータ」の蓄積(老人斑)やタウタンパクの蓄積(神経原繊維変化)に起因した神経細胞の大量の細胞死といった「器質的な病変」が原因ではなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な毎日、「キッカケ」を契機として開始され継続されてきたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(こに言う「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに注意する)が直接の原因であるということに早く気づいて欲しいのです。「前頭葉」という脳機能もなく、「注意の分配力」の機能も備わっていないマウス(アルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を探し求めてうろつきまわる動きをどんなに深く研究したからと言って、どんなに優秀な若手の研究者を配置しようとも、何時まで経っても、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムを解明することは不可能なことなのです。矢を射かけるべき「的」が全くの的外れのものである上に、矢を射かけるという手段も全くの見当違い、大間違いをしているのですから(目覚めよ、さらば与えられん!!)。

デュアルタスクやコグニサイズという、今までには無かった新たな視点を提供している脳の機能の専門家とは言いながらも、「脳が活性化したか否か」をMMSEテストの得点の上昇度で判定したり、物忘れの症状の改善で判断したりしている有様なのです。『私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の「御者」、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能が構築し、統括し、支配し、コントロールしている「意識的な世界」に目が向かない限りは、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防という目的を達成する上で極めて重要で、且つ、極めて大きな効果をもたらすものであり、且つ、唯一無二の重要な方法である、『脳の使い方としての「生活習慣」の改善及び構築という視点に辿り着くことはない』出来ないのです。そもそもMMSEテストは、脳の後半領域(左脳及び右脳)の働き具合しか判定することが出来ないのです。肝心の「前頭葉」の機能レベル、就中、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の働き具合を極めて精緻に、且つ、極めて容易に判定することが出来る手技は、現状では、世界で唯一、副理事長と金子医師とが共同で開発した「かなひろいテスト」だけなのです。f-MRIやPETを用いようとも、不可能な事なのです。左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働き具合、その機能レベルの変化とそれを惹き起こしている張本人、脳の使い方としての「生活習慣」を精緻に判定する手技を活用することが無くて(左脳と右脳の働き具合を判定する為の手技であるMMSEや長谷川式の実施でお茶を濁していて)、『単に歌って踊るだけの教室』では、そのうちしりすぼみになっていくだけでなくて、住民参加型の「地域予防活動」展開の本来の目的である『早期診断による回復及び発病の予防』には、何等つながらない、具体的で直接的な効果が期待できないからなのです。何が要となるのか。それは、言うまでもないことなのですが、『「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがどのようなレベルに在るのかを教室の開始と終了時との期間中における「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化(改善、維持、低下)並びに当該期間中における脳の使い方としての「生活習慣」の具体的な中身とその問題点を調べて(生活歴の聞き取り)判定し、必要な場合は、脳の使い方としての問題点の指摘と「生活習慣」の具体的な改善内容及び方法を指導すること』が、「二段階方式」の実施品質を維持し、発病の有無及び症状の区分の判定、早期の段階の症状(小ボケ及び中ボケ)からの改善/回復及び発病の予防という具体的な効果及び成果を挙げる上で必要不可欠の条件となるのです。MMSEの得点が2~3点上昇したことと「前頭葉」の機能、就中、「注意の分配力」の機能の潜在的な機能レベルが上昇したこととは、本来の意味が異なるのです脳の活性化とは、「前頭葉」の活性化のことであり、就中、「注意の分配力」の機能の活性化を意味するのだということに注意を向けて頂きたいのです。脳が活性化した状態は、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行しようとする世界で起きてくることなのです。その世界を動かしている、三頭立ての馬車の動向を左右しているのは、馬ではなくて、御者なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病した最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)を脳の機能面から説明すると、左脳、右脳及び運動の脳という「三頭の馬」は未だ正常な機能レベルに在るのです。「御者」である「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在るのです。私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行する世界では、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」を介して全ての症状がアウトプットしてくる機能構造となっているが故に、 その結果として、そうした「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接の反映として、&6で例示した、「小ボケ」の段階の症状が発現してきているのです。認知症の専門家と言いながら、その程度のことさえ未だ知らないでいる(気づかないでいる)のです。医療の現場では、MMSE(中には、長谷川式)を使用して脳の後半領域(左脳及び右脳)の働き具合だけを判定し、「御者」の脳の機能レベルには見向きもしないで居て、且つ、外観から観察しただけの「重い記憶障害の症状」らしきものに着目して、回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階のいくつかの症状を確認するだけで、「アルツハイマー型認知症」の発病との診断を下しているのです。「廃用性の機能低下」という要の要素には、未だに気づいていないのです。

(2)「二段階方式」を導入して、住民参加型の「地域予防活動」を実施した市町村の数は累積数で452に上るのですが、実際には、「二段階方式」の実施品質程度には、相当大きなバラツキがあったのです。その主な原因は二つ、最も重要な点は、担当する保健師さんの意欲と能力と想いの差の問題であり、もう一つがエイジングライフ研究所の戦力の問題、私と副理事長の二人でしか活動していなかったことによる指導の量の不足という問題だったのです。その問題点の解決策として提示するのが、上述した社会的に選ばれた存在であり、高い意識と使命感と意欲と能力を持った女性の専門職集団」による密な内容での指導、「ピラミッド型の指導体制」の構築という「テーマ」なのです。導入市町村における保健師さんの配置人数の制約という問題もあったとは思うのですが、「二段階方式」の内容の理解不足や、「地域予防活動」に対する意欲、想い入れの差が存在したことが、「実施品質の格差」となって現れたと私たちは考えているのです。意欲と能力と想いとが有る保健師さんが一人でもいると、成果がはっきりと異なってくることを私たちは体験してきているからなのです。そうした意味での問題点の反省を込めて言うと、脳の機能レベルの判定と脳を活性化する生活習慣の改善の指導を担う役割が期待される「保健師さん」自ら望んで、且つ、意欲と使命感を持ちその職務に従事することが極めて重要だということなのです。1995年の活動の開始から僅か数年で、厚労省の目に留まり政府に呼ばれ、全国展開を要望されるまでになりました(尾嵜課長に呼ばれ、「二段階方式」の全国展開の要請を受けました)。その原動力の中心は、意欲と能力と想いがある保健師さん達の存在だったのです。極めて優秀で、予防活動の展開に対する情熱が極めて旺盛で、組織を動かす能力にも長けていて、人並み外れた行動力をも併せ持っている人達ばかりだったのです。その一方で、「二段階方式」による住民参加型の「地域予防活動」の導入先が急速に拡大していくにつれて、導入先の市町村の保健士さん達のレベル(導入に対する想いの強さと深さ、取り組みに対する想いの強さと深さ等)についてのバラツキが目立つようになっていき、実施の品質にもバラつきが目立つようになっていったのです。その問題点を認識していながらも、指導する人材を抱えて居なくて、『実務を指導する担当者は、副理事長一人しか居なかった』ことが大きな反省点なのです。「地域予防活動」を全国的な規模に拡大展開する次のステージでは、この点に対する視点を持っておくことが重要だと考えるのです。上述の、女性の「専門職集団」創設の要請が、問題解決の要となるのです。

(3) その役割の重要性を強く認識し、意欲と情熱と使命感とをもってその役割を担い、且つ活動を下支えしてくれる地域のボランティア組織を動かせる行動力も併せ持った人材を投入することが、活動を活発化させ、継続させる原動力を生み出し、延いては、「地域予防活動」の実践の成果を大きなものとさせてくれることに直結するからなのです。加えて、「予防教室」の運営面での中心的な役割を担う「地域のボランティア組織」が積極的に活動に参加し、下支えしてくれることも、活動の活発化と継続性にとっての極めて重要な条件となるのです。上から押しつけたのでは、活動の活発化も継続性も望めないことをこれまでの活動の歴史の中で、経験してきているのです(「二段階方式」の手技を縦横に使いこなし、自ら望んで活動の牽引者となる「保健師」さん達の存在が必要不可欠となるのです)。

(4)  そのことに加えて重要なもう一つのテーマ、それは、市町村にも、市町村(当該業務を担当する保健師さん達を含む)を指導する職責を担う「女性の専門職集団」にも、両者に共通の「目標」を設定し、その達成度を客観的な尺度により評価するシステムを導入することが不可欠と考えるのです。脳の機能データを管理するソフトである「エイジング」の評価項目に、従来から管理している「前頭葉」の機能レベルの変化(改善、維持、低下)とその推移に関わる「脳機能データ」に加えて、「予防教室」に参加している「お年寄り」について、教室参加の回数並びに介護保険の適用に関わるデータ(介護保険適用の有無及び介護保険の適用区分)を管理させるのです。そうすることによって、住民参加型の「地域予防活動」の具体的で客観的な成果を判定することが出来ることになるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病者数(年齢別、男女別、教室が設営されている地域区分別、市町村単位別)、その内訳としての区分データとして「小ボケ」の人数(男女別、年齢別)、「中ボケ」の人数(男女別、年齢別)及び「大ボケ」の人数(男女別、年齢別)、更には、介護保険の適用の有無及び適用区分別のデータを管理するのです。

(5)  上述した政府が推薦する権威ある機関が参加する検証PRJ」による「検証」により、私たちの主張内容の正しさと「二段階方式」の手技に基づいた「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」の有効性と有益性とが実証され、更には、此処に提案する「Model事業PRJ」の展開による成功事例が全国に広報されることにより、上述した住民参加型の「地域予防活動」の活発化と拡大展開と継続性のKeyとなる人達(専門職集団、保健師さん、地域のボランティア)が「地域予防活動」の実施と拡大とを強く望むようになる雰囲気が醸成されると同時に、その先頭に立つことに誇りをも持つようになる社会体制/情勢が生み出されてくることになると考えるのです。エイジングライフ研究所がこれまでに体験してきたことに鑑みて、その対象とする地域の広さ及び構成する市町村の数から、全国展開した場合に直面するはずの様々な問題点を吸い上げることが出来、成功モデルへの標準化、パターン化が達成できると考えるのです。以下に提案する「Model事業PRJ」の展開による広報が、最終的な目的となる全国の市町村の通津浦々にまでこの活動を拡大し、進行させていく上での起爆剤となる重要な役割を担うと考えるのです。

〇 私達が提案する「Model事業PRJ」実施の目的

二段階方式」を活用した「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復」及び発病の「予防」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の成功事例としての「モデル化」の達成を軸とする事業を実践して見せることに加えて、放置された山林と竹林の再生及び伐採間伐材と竹材の具体的で実現可能な有効活用対策としての事業モデルとしてModel事業PRJ」を展開することにより、『地方、地域、お年寄りの「活性化モデル」を確立する』(上述した二つの「テーマ」に加えて、地方の観光資源の再開発活用を目的とする「日本版 DMO」の推進というテーマも付加することにより、(地方、地域、「第二の人生」を送っているお年寄りの生き方の活性化を含む『地方の活性化』を実現する)ことにより、「一億総活躍社会」の実現に向けた具体的な「汎用型の成功モデル」を提示することが将来の他の市町村に於ける「二段階方式」を活用した「アルツハイマー型認知症」の早期診断による「回復」及び発病の「予防」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の拡大展開のスピード化を促進する上で極めて重要な役割を果たすのです。

モデル事業PRJ」により成功モデルのパターン化を実現することにより、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を他の市町村に向けて広報し、加えて、出来るだけ近い将来における全国展開を急速に推進することを効果的なものとする為に、政府、エイジングライフ研究所及び「モデル事業PRJ」の参加市町村の代表者から構成される「アルツハイマー型認知症予防事業推進協議会」を設立し運営することを提案します。モデル事業のパターン化のテーマに含まれる、地方、地域、「第二の人生」を送っている「お年寄り」の活性化と言うテーマを併せて推進する上で有益だと考えるのです。

アルツハイマー型認知症」の本態廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であること(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」に起因して発病し、症状の重症化が進行していくものであること)並びに「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践及び「脳のリハビリ」の実践(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の改善と実践)により、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防並びに早期診断による回復が可能であることが「検証PRJ」により実証されることは、『医療現場で現状行われている「アルツハイマー型認知症」の診断及び投薬』について、「革命的な大変革」をもたらすことになるのです{その直接の帰結として、2015年度ベースで15兆円という天文学的な規模にまで膨れ上がっていて、この先さらに増加の一途を辿るものと予測されている「介護関連の総費用」(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断及び投薬並びに介護に関わる費用の総額)の規模を抑制するだけでなくて、劇的な規模とスピードとにより劇的に減少させることに直結する}。現在の医療現場では、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断に際しては、間接的な診断しか行われていないのです。『「アルツハイマー型認知症」の本態が何であるかが不明であり、発病及び症状が重症化するメカニズム自体が不明の物とされている』が為に、直接的な診断は行われていない(直接的に診断する方法を知らない)のです。「DSM-4」の第一の要件及び第二の要件の規定内容並びに「アルツハイマー型認知症」発病の前駆的な段階として捉える極めて杜撰な判定基準であるとしか言いようがないMCI(Mild Cognitive Impairment : 軽度認知障害)という基準だけが「アルツハイマー型認知症」の診断の根拠という状況なのです。

その結果、本態と症状とが明白である他の様々な種類の認知症を順次消去していき、最後に残ったものについて、言い換えると、『外観的に見た「重度の記憶障害」の症状らしきものが確認されるものについて、「アルツハイマー型認知症」であるとの診断を行っている』のです。その為に(ある意味では、それを奇禍として)、CTやMRIや、果てはPETまで持ち出して、『肝心の「前頭葉」の機能レベルについては、精緻な判定が出来ない事さえも知らないで』、(高額の診察料を稼ぐためのものでしかない)それらの機器を診断に使用しているのです。その結果として、「脳のリハビリ」による回復が可能である(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としていて回復させることが最早困難となる末期の段階の「大ボケ」の段階で見つけて居るのが実情なのです。その上に、副作用ばかりで、治すことはおろか、症状の進行を遅らせる効能さえも有していない」(製薬会社の説明では、『治す効能は有していないが、ケースによっては、半年から1年程度、症状の進行を遅らせることが期待できる』とされている)を処方しているだけなのです。製薬会社自体が、脳の使い方としての「生活習慣」の変化とその内容の濃さが患者の脳の機能レベルの変化を惹き起こしていることを知らないで、杜撰な因果関係の評価をしているだけなのです(kinukototadaoと入力して、『症状の継続期間と脳の老化のスピード差』と題する脳機能データの評価結果である「A-34」を参照してみてください。症状を遅らせる効能があるとする因果関係の評価は、この重要な生活要因を見落とした評価に過ぎないのです。

私達が独自に開発し、実務に活用してきている「二段階方式」という「神経心理機能テスト」の活用では、「二段階方式」の手技を活用して、『「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び回復の可能性及びその程度という視点から「三段階」に区分される症状の段階の判定並びに脳の使い方としての「生活習慣」の問題点の把握に基づいた「脳のリハビリ」の実施方法を具体的に指導することになる訳なのですが、極めて精緻な発病の有無の診断及び症状の段階区分の判定並びに有効な発病の予防/症状の回復という結果をもたらすことが出来るこの「二段階方式」という神経心理機能テストの使用に対する「保険点数」は極めて低いのです(使用による売上高が極めて少ない)。「アルツハイマー型認知症」の診断についての使用には殆ど意味がないCTやMRIやPETの使用には、極めて高い保険点数が付く(極めて高額の売上高を稼ぎ出すことが出来る)のです。そうした事情が最も大きな原因となって(背景に在って)、『医療機関が(医師が)、「二段階方式」の活用を前提とした、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」に関心を示したり、或いは、その主役の座に就くということは全くのこと期待できないことなのです』ということの理解(認識)が、極めて重要なことなのです。医療機関(医師)の出番は無いことを社会的に確認すべきなのです。

『様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防』というテーマについて、「二段階方式」の手技がどれだけ有効で有益な手技であろうとも、必要な売り上げを稼ぎ出すことが出来ない手技である限り、医療機関(医師)が主役となることは出来ない相談なのです。導入市町村の「保健士」さんが主役となり、当該地域の「ボランティア」と共同して展開する「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」の牽引者として、「第二の人生」を送っているお年寄りの日々の生活の活性化と地方の活性化とに貢献する時代が到来することになるのです。この活動が日本全国の市町村の小さな地区単位の地域にまで深く浸透し、期待された具体的な成果を大きな数値で達成するとき、「女性が活躍する社会」、「第二の人生を送っているお年寄りが活発に消費行動を支える社会」、「一億総活躍社会」が、名実ともに実現された社会が到来することになるのです。

「Model事業PRJ」の実施地域の選択と活動の「映像化

(1) 近い将来に全国的に展開し、急速な拡大展開を可能とするための効果的なシステム及び体制を築く上で基礎となる「Model事業PRJ」の実施を、北陸、中部、近畿及び東海地方の特定の市町村(120の市町村)を対象として先駆的に実施すること並びにその立ち上げから早期診断による回復及び発病自体の予防についての具体的に確認可能な形での成功を収めるに至るまでの過程を出来るだけ映像化し、全ての市町村及び国民全体に対する広報に活用するものとします。講演会の実施やパンクレット(小冊子、万年カレンダー、脳イキイキ手帖)の配布自体もそれなりに有効ではあるものの、映像化という手段により、実施の過程自体も含めて、映像により示すことが、極めて大きな説得力を持つと考えるのです。何処の市町村でも「二段階方式」の考え方及びその手技に基づいた住民参加型の「地域予防活動」の有効な実施が可能であることを映像により示すのです。

(2)『私たちは、こうして町興しを実現した』(ドキュメンタリー映像

ⅰ)「Model事業PRJ」の映像化

現在我が国に起きてきている二つの重大な社会問題に光を当てるだけでなく、市町村と地域住民の協働という形で、且つ、全国展開が可能な方法と内容とにより、その具体的な解決策としての「活動の最適モデル」を実現し、実践してみせ、それを映像化と言う手段により国民全体に問題提起し、将来的には、「地域予防活動」が国策として制度化されることを目的とする「広報」を展開することが重要だと考えるのです。

ⅱ)対象となる「社会問題」に対する具体的な方法を伴う問題提起

 身体の健康の維持と言う政策の成功により世界的にも稀なスピードと規模とで超高齢化社会が実現された一方で、「アルツハイマー型認知症」の発病者数が激増してきていて、「介護関連総費用」の額が単年度で15兆円を超える天文学的な規模に達している上に、増加のスピードはとどまることを知らない現状に在ります。脳の健康の維持と言う視点から、「アルツハイマー型認知症」の早期診断と回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」のモデル事業を立ち上げ、「第二の人生」を送っている「お年寄り」が、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化するような具体的な目的を追及する「生活習慣」の構築と実践に励み、「お年寄り」だけでなく、「地域住民」全体、更には「地域」全体が活性化する、体験型の「脳イキイキ教室」の運営並びに老若男女が何時でも交流し、交遊し、交歓することができる場所となる「交流の駅舎」(駅舎名は地域住民を対象に公募する)を建設し、当該地域のボランティア組織が運営の主体となって活動するモデルを立ち上げ、実践の過程及び成果並びに『「第二の人生」での生き方』を映像化し広報することにより、地方都市の再生を図る重要な方策として、且つ、実現可能な『成功モデル』を示しつつ、問題提起することを付随的な目的とします。

ⅲ)『ボケは、防げる 治せる』

-「前頭葉」を含む脳全体が活性化する脳の使い方としての「生活習慣」の工夫と確立/改善を基礎とした「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践展開を核心的な活動としつつ、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する脳の使い方としての「生活習慣」の実践を体験することが出来る体験型/滞在型の町づくりの「モデル事業化」(都市と地方との交流の機会の活発化により、双方の「お年寄り」達の脳の使い方としての「生活習慣」が活性化する体験ができ、且つ、その体験をもととして、日々の脳の使い方としての「生活習慣」の工夫と改善を体験した個人が日々の生活に取り込むことになる)。

(3)具体的なモデル活動としてのテーマ

〇 脳が活性化する「生活習慣」の構築による「脳の健康」の維持

-お年寄りが歩いて往来できる範囲の小さな地域単位での「予防教室」を常設し、保健師さんが「二段階方式」に基づいた「脳のイキイキ度」テストの実施と脳の使い方としての「生活習慣」の改善の為の指導を行う(10日に半日開催)こと並びに「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる為の実践体験が出来る「脳イキイキ教室」の運営を当該地域の「ボランティア組織」及びボランティアが担うこと

-小地域単位での「交流の駅舎」(間伐材及び竹材により建築した館)の建設と常設館としての日々の運営

言葉、計算、論理、場合分けと言ったデジタルな情報の処理を担当する脳機能である「左脳」が主役となる「仕事」とは無縁の「第二の人生」を送っている「お年寄り」が、家に籠りきりの生活を継続することは、「」にとって極めて危険なことなのです。廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」の発病の原因となる廃用性の機能低下を避けることを目的として、徒歩圏内に「交流の駅舎」を建てて、「第二の人生」を送っている「お年寄り」家の外に出ていく生活を常態化させるのです。

&10 二段階方式の活用と「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を目的とした「地域予防活動」の展開方法

〇「前提」となる条件

(1)認知症全体の90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」(狭義のアルツハイマー病とは、発病のメカニズムも発病後の進行過程も予防及び治療の可能性も全く異なるもの)について、「二段階方式」の手技を活用することにより、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」と「中ボケ」の段階)の判定、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」)の改善指導による回復及び発病の予防の為の「地域予防活動」の展開を事業目的とします。

(2)「モデル事業PRJ」による活動展開の対象に選定され、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした「地域予防活動」を展開する市町村は、エイジングライフ研究所と導入契約(「二段階方式」の手技の「使用許諾契約」)を締結して、エイジングライフ研究所が開発した「二段階方式」の手技に基づいた上記①の事業目的の活動の実践を行うものとします。

(3)「二段階方式」の手技を実践する保健師さんは、エイジングライフ研究所が開催する「実務研修会」を事前に受講し、「マニュアル」に基づく「二段階方式」の手技の実務研修を受けることとします。

(4)導入市町村は、個別事例について、実務研修会を受講した保健師さんによる「二段階方式」の手技に基づき、「アルツハイマー型認知症」の有無の判定及び三段階に区分される症状の内の早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の判定とその段階の症状から回復する為の「生活習慣」の改善の指導業務を行い、小地域単位での、住民の自主参加による「地域予防活動」主導するものとします。

〇「二段階方式」による「アルツハイマー型認知症」判定の概要

(1)神経心理機能テスト(前頭葉の機能レベルを「かなひろいテスト」で、左脳と右脳の機能レベルを「MMSE」で判定する)により、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル(A)を判定し、脳全体の機能レベルの反映として現れる症状(B)を「30項目問診票」により確認し、「前頭葉」を含む脳全体の機能の低下を加速させた脳の使い方としての「生活習慣」という視点からの判定の対象となる期間中の具体的な「生活習慣」としての生活歴(C)を聞き取りで確認します。

(2)廃用症候群に属する生活習慣病が本態である「アルツハイマー型認知症」である場合には/その場合に限り、必ず、(ABCが成立する)のです(14689例に上る「解析結果」が基礎データとして存在します)。

ⅰ)「二段階方式」の手技により「アルツハイマー型認知症」について、認知症のレベル(症状の程度)も判定することができるのです:

「小ボケ」-脳の使い方としての「生活習慣」の改善を目的とした「脳のリハビリ」の実施による「前頭葉」を含む脳全体の活性化により、「前頭葉」の正常な機能レベルへの回復が容易(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが容易)

「中ボケ」-脳の使い方としての「生活習慣」の改善を目的とした「脳のリハビリ」の実施による「前頭葉」を含む脳全体の活性化により、「前頭葉」を含む脳全体の正常な機能レベルへの回復が未だ可能(「小ボケ」への回復を経由して正常な機能レベルに回復させる)

「大ボケ」-回復させることは最早困難(「中ボケ」への回復も困難となり、大河の川幅のように幅が広い「大ボケ」の段階の症状という枠の中で、身体が持つ限り、症状がさらに進んで行くだけとなり、日常の生活面における「介護」が不可欠のものとなる。

「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化していくメカニズム(機序)に鑑みて言うと、世界中の様々な製薬会社や研究機関が現在もなお追及している発病を予防したり、症状の進行を抑制したり、症状を治す効能を有する「」が開発されることは、未来永劫期待できない〈有り得ない〉ことなのです。学者は、様々な「仮説」の類を並べ立てては、「薬」の開発が可能であるかのような「幻想」を社会に撒き散らすべきではないのです。「社会的責任」を自覚すべきなのです。私たちが問題提起する『諸学説の重大な誤り及び問題点』の指摘について、kinukototadao と入力して検索し、GooブログのB-88及びB-89の詳細な解説を読んでみてください)。

ⅱ)また、「二段階方式」の手技により、「アルツハイマー型認知症」以外の種類の認知症との鑑別並びに認知症と紛らわしい病気との鑑別も精緻に可能なので、どの病院に送るかを適切に判断できます(アルツハイマー病、アルツハイマー病亜型感性残存型、脳血管性認知症、側頭葉性健忘症、老年期うつ病、失語症、神経症などとの鑑別を精緻に、且つ、容易に行うことが出来るのです)。

〇 「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を展開する活動の目的とその要となる保健師さんとボランティア組織の役割

(1)「二段階方式」の手技は、神経心理機能テストによる「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を判定する機能テストの実施とテスト結果の判定(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定、症状の段階区分の判定、「キッカケ」を契機として開始され継続されてきた、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に直接起因したものとしての「廃用性の機能低下」を進行させてきた基礎である脳の使い方としての「生活歴」の具体的な聞き取り)に基づいて、「アルツハイマー型認知症」の回復可能な早期の段階(小ボケ及び中ボケの段階)を判定(鑑別)し、脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善指導(「脳のリハビリ」の指導)を行うことで、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復(症状を治す)させるシステムであり並びに脳の活性化を目的とする「生活習慣」の改善を体験させることを目的とした小地域単位での「予防教室」の開催により、参加者の日常生活に「脳の活性化」というテーマを持ち込ませ実践させることにより、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を図る(「前頭葉の機能レベルが正常な人を、正常なレベルのままに維持させる=発病自体を予防出来る」)極めて有効で、有益なシステムなのです。その活動を担う牽引者は、医師ではなくて、保健師さんなのです。

(2) 活動は、個別事例の判定及び生活改善指導並びに住民参加による小地域単位での「予防教室」の運営の二面性を持つ活動となります。

個別事例の改善指導というテーマについては、個人と密接な継続的関係の維持が不可欠である為、導入市町村の保健師さん(女性)の役割がきわめて重要なのです。更には、個別事例の的確な判定により、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)にあるお年寄りを見つけて、且つ、「脳のリハビリ」の適切な指導により(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導)実際に治して見せる(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させてみせる)ことが、「地域予防活動」の活発化に大きく寄与することを忘れてはならないのです。

認知症の専門家達から『原因不明で、治らないもの』とされている「アルツハイマー型認知症」について/且つ、「アルツハイマー型認知症」だけに特化して、発病の有無とその程度の判定、脳の使い方としての過去数年間の具体的な「生活習慣」についての聞き取り(「生活歴」の聞き取り)並びに「脳のリハビリ」についての具体的な改善内容の指導等を行うに際しての「脳の機能テスト」の実施(脳の機能レベルを「二段階方式」のテストで調べてもらうこと)に対する「お年寄り」側(本人及び家族)の抵抗感を払拭させることに、大きく寄与するだけでなく、積極的に「脳の機能テスト」を受ける雰囲気が住民の間に醸成されてくることにも繋がるのです(『保健師さんは、神様です』というお年寄りの声を聴くことにもなるのです)。

(2)  地域住民の自主的な参加による小地域単位での「予防教室」の設営(「お年寄り」が家に籠る生活から離れて、家の外に出ていき、積極的に交遊を図れる場所として私たちが設営を提案している「交流の駅舎」と同様に、「お年寄り」が歩いて行き来できる範囲内に設営されることが理想なのですが)という「テーマ」については、「脳の機能テスト」を実施する保健師さんの役割並びに脳を活性化するテーマの実施に関わる「予防教室」の自主的活動と運営(脳の活性化に資するテーマの選択、実施企画、実技指導及び組織化と運営)を担当する当該地域の各種ボランティア(組織)の積極的な参画とその役割分担が極めて重要なものとなるのです。

(3) なお、「二段階方式」の手技の実施については、その実施(二段階に区分して/総合的な判定が行われる「脳の機能テスト」の実施、「アルツハイマー型認知症」としての症状の確認、「キッカケ」を契機として開始され継続されてきたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の確認並びに脳の使い方としての「生活習慣」の改善に繋がる「脳のリハビリ」の指導等の業務)が、医師法で禁じられている「医行為」を何等含まない為に、保健師さんが全ての面について実施でき活動を広範囲に展開できることが大きなメリットとなります(1995年の活動開始から今日にいたるまで、累計総数で452を数える市町村での「二段階方式」の手技の活用(早期診断による回復の為の発病の有無及びその程度の判定業務等)について、医師や医師会からのクレームは皆無であることを念のため付記しておきます(実際には、協働分担して実施している市町さえあります。「二段階方式」で「大ボケ」の段階であると判定された被験者を病院に回すこと。「予防教室」の設営が「収益」を挙げることが出来ないので医院や病院の経営者の関心が湧かないのは当然のことなのですが、「二段階方式」の手技の活用による「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階の判定(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の判定)並びにその判定に基づいた「脳リハビリ」の指導業務は、実施業務に対する保険点数が極めて低いので、必要な収益を挙げられないことから、「二段階方式」実施の対象となる業務については関心がないのです(「二段階方式」を立ち上げた初期の段階で、50を超える大規模の病院と有償の導入契約を締結したのですが、それだけの理由で、それら全ての病院が早々と導入を中止していったのです)。

〇 地域予防活動を展開するに先立って実施する啓蒙の為の講演会

(1)「二段階方式」の手技を活用した「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実施に際しては、最果ての地にある小さな島々を含む我が国の全土の隅々にまで、住民全体に、『発病を予防することは出来ないし、原因不明で治らないもの』との誤った考えが浸透しているので、啓蒙の為の「講演会」(演題「ボケは防げる治せる」)の実施が、「地域予防活動」の展開に先立つ必要不可欠のものとして、極めて重要な「テーマ」となるのです(そうした誤った情報による誤解を取り除き、「アルツハイマー型認知症」こそが、治せるし、予防できる性質のものであることを、分かり易く説明する必要性)。

アルツハイマー型認知症」の症状については、住民側にそれなりの知識があるのが普通です。但し、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状については、それなりに実態を目にした経験等もあり詳しいのですが、回復可能な本当の意味での早期の段階である「小ボケ」(本人の行動が、どこか変と感じている)及び「中ボケ」(本人の行動や言動について、何かが変とは感じて、不安を抱いている)の段階の症状については、それが、「アルツハイマー型認知症」の症状であるとは考えてもいないのが通常なのです。

(2)従って、「大ボケ」の段階の症状は末期の段階の症状であり、最早治すことが出来ない段階としての症状であること並びに医療の現場では見過ごされてきている初期段階の症状としての「小ボケ」及び「中ボケ」の症状があること、加えて、「小ボケ」及び「中ボケ」の症状が発現してきている段階で見つければ、脳の使い方としての「生活習慣」の改善を目的とした「脳のリハビリ」を実践させることにより治せることを説明し、啓蒙することが重要であり必要なのです。

権威ある書物や報道機関からの情報に基づいただけの、それまでの知識として誰もが身に着けていた『アルツハイマー型認知症は、治すことも、予防することも出来ないタイプの認知症である』とする専門家達の主張が根本的に誤ったものであることを分かり易く説明するのです。その上で、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの概要を分かり易く説明し、且つ、「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を予防できることを説明するのです(&7の内容)。その後で、住民が参加する「地域予防活動」展開の重要性及び必要性についての説明をすることになるのです。

注)本著作物「Bー94」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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アルツハイマー型認知症の予防と早期診断による回復(建白書その3:B-93)

2017-11-01 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

&6  「アルツハイマー型認知症」は、早期の段階で見つければ治せる

ボケの治療は「脳のリハビリ」(「小ボケ」の場合の留意点)

(1)「アルツハイマー型認知症」も早期発見、早期治療がとても大切なのです。早く見つける程、回復する可能性が高いからなのです。

小ボケ」で見つければ、簡単に治せます回復させることが容易)。

中ボケ」で見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば何とか治せます回復させることが未だ可能)。

大ボケで見つけたのでは、見つけても手遅れ、治せないのです(回復させることはもはや困難)。

認知症の専門家達の間で、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)が存在していることが気付かれていないので(見落とされている)、医療の現場では、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の「大ボケ」の段階で発現してくる「重度の症状」を物指しとして見つけようとしているが為に、せっかく見つけても治せないのです。

(2)「アルツハイマー型認知症」を治す(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに引き戻す)には、脳の使い方としての日々の「生活習慣」を「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを出来るだけ活発にしてやることが必要不可欠となるのです。左脳、右脳及び運動の脳という三頭建ての馬車の「御者」であり、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」が居眠りしかけている状態(小ボケ)/居眠り状態(中ボケ)から目覚めさせてやる必要があるのです。

脳を使うというと、簡単な足し算や引き算の計算に励むとか、平仮名で書かれたおとぎ話を音読するとか、左脳に注目するのが世間のやり方なのですが、脳の機能構造という視点から言うと『脳の働きを活性化させる、その潜在的な機能レベルを引き上げるということは、即ち、「前頭葉」の潜在的な機能レベルを上昇させること』だということに専門家と言われる人達が未だに気づいていないのです。加えて専門家の注意喚起を含めて指摘しておくと、言葉や計算や論理や場合分け等デジタルな情報を処理する左脳が主担当する「仕事」とは無縁の「第二の人生」を送っているお年寄りの前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、言い換えると、趣味や遊びや人づきあいをしっかり「楽しむ生活」、或いは、地域興し等に参加して自分なりの目標達成感とを持てる、更には、喜び生き甲斐が得られる脳の使い方としての「生活習慣」を構築し、日々実践することなのです。「前頭葉」の三本柱の機能が活性化するような「生活習慣」の確立と実践、「意欲」が湧いてきて、「注意の集中力」が高まってきて、「注意の分配力」が頻繁に、且つ、活発に作動するような「テーマ」の実践を日々心がける「生き方」が求められるのです。「アルツハイマー型認知症」を発病することになるかならないか、それは、「第二の人生」での「生き方」(脳の使い方としての「生活習慣」の中身)が問われることになるのです。趣味や遊びや人づきあいといった右脳中心の生活が、「前頭葉」の出番を増やし、その働きを活性化させ、或いは、「前頭葉」の元気を取り戻させるのです。そのもととなるのが運動、一日一時間の速足の散歩であり、脳の「意欲」を引き出すことにつながるのです。やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような趣味や遊びや人づきあいを、自分なりに「楽しむ生活」とその仕方を工夫し、生活習慣化することが大切なのです。

(3)後で類型としての典型的な8つの症状を例示する「小ボケ」の段階の症状が出てきているということは、「脳の機能と言う視点」から言うと、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き具合が、既に正常なレベルにはなくて、異常域に入ってきているということなのです。生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な生活の日々、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に直接起因して、自分が置かれている状況の理解と判断、為すべきテーマの発想、言動や行動の企画や計画、実施結果についての洞察や推理、実行の決断と脳の各部に対する実行の指令等「意識的」に何かを実行する上で不可欠の機能である「前頭葉」の個別認知機能の働き具合を支配し/左右している「前頭葉」の三本柱の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能のことを言います)が、異常なレベルに衰えてきているので、自分で「テーマ」を見つけることが出来ないし、せっかく見つけてくれた「テーマ」も集中して実行することが出来ないし、あれこれ自分なりの工夫をすることが出来ないのです。同居している家族や周りが助けて、「前頭葉」の働きを活性化させる生活、本人なりに毎日を楽しめる「生活習慣」を組み立てる手助けをしてあげることが必要となるのです。趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が意外と効果的なのです。この場合、一日一時間の「速足での散歩」が目標となります(5000歩が目安となります)。「速足での散歩」が、全ての行為、行動の源となる「意欲」を引き出させるのに極めて効果的なのです。

〇「小ボケ」からの回復の為の「脳のリハビリ」と家族の注意事項

☆「小ボケ」は、余程注意してみないと普通に話せるので、普通に見えます(重要な問題が起きてきているようには見えないのです)。家族によっては、普通に見ようとする心理が働くことさえあります(家柄等への配慮から、外聞を重んじる家庭の場合に、よく見受けられます)。

☆一旦家庭の外に出ると、その場の状況についていけないことを忘れないこと。プライドは保っているので、その面での配慮も大切なのです。

☆「小ボケ」は、「前頭葉」がきちんと働いていません。分かっていても行動につながりにくい状態(「前頭葉」の機能レベルが原因)にあります。家族や周りの人達が、やさしく言葉かけをして、本人を後押ししてあげることが必要です。『自分の意識の中で何かが変』との自覚が本人にもあるので、「やさしい脅し」は有効です。

〇 居眠りをさせないこと(「意欲」の低下を補う)

(1) 声掛けをしてくれる人を探す(テーマを自発的には、みつけられないのです)。

① 家族(離れていれば電話、手紙なども次善の策として考えてください。「曜日」を決めて電話するのは、「時の見当識」に良い刺激を与えます)。

② 近所の人に頼む(ボランティアをさがす)。

③ 出来るだけ集いに参加させる。趣味の会などでは目配り気配りをしてくれるところ。本人の脳の機能レベルと比較して、集いに集まる人達のレベルが余りにも低いところは、逆効果になります(プライドに配慮する)。

(2) 家族や周りが、一日や一週間の「実行の日程」を組んであげる。曜日(時間)によって決まったことをしてもらう。散歩などの運動、家事などの役割分担。

 〇 一行日記をつける(「時の見当識」に対する刺激)

 (1) 時の見当識が、揺らぎ始めようとしている小ボケにとって、「今がいつか」という日付の確認は、脳の使い方としての生活習慣を安定させる上で、最も重要な要因なのです。

(2)一日一ページを目標にして;最初は、「日付のほかなんでもいいから一行だけ」を継続させてください(書きやすいものとしては、万歩計の歩数・天気・食事の内容・今日の出来事・散歩した場所・散歩の相手等。残りの紙面は、空白のままにすること)。「もったいないから」とか言い出したら、絵でも、折り紙でも、記事のスクラップでも貼り付けるようにする。

 (3)  次の段階の目標は、状況に対する感想や感情が書けるようになること。

注)以下に、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での「早期の段階」である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の典型的な症状を8例ずつ例示しておきます。これらの症状は、私たちの「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」という脳機能の働き具合(機能ベル)を核心として、その「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接のアウトプットとしての症状(機能レベルの直接の反映としての症状)に焦点を当て、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して集積された14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の様々な症状について、「前頭葉」を含む脳全体の働きを活性化させる手法である「脳のリハビリ」という手法により、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させること(症状を改善させ、更には治すこと)の可能性の有無及びその程度に基づいて、三段階に区分した症状(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)の各段階に特有な症状であり、且つ、典型的な類型としての症状ばかりなのです。認知症の専門家と言いながら、彼等は、「アルツハイマー型認知症」の症状が三段階に区分されることも知らないで、回復させることが最早困難である末期の段階の症状、「大ボケ」の症状にしか注目出来ていないのです。

すなわち、世界中の認知症の専門家とされる人達は、私たちが「諸悪の根源」であるとして問題提起しているあの「DSM-4」の規定を闇雲に信望していて、基本的には、その規定の要件に依拠して「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を判定(診断)している状況にあるので、「DSM-4」の規定が第二の要件で確認を要求している失語や失認や失行の症状といった極めて重度の症状が発現してこないと「アルツハイマー型認知症」の発病であるとは考えてもみないのです。もう少し軽いところに目が行っている人達でさえも、『私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状だけが、「アルツハイマー型認知症」の症状だ』と勘違いしているのですその結果、私たちが問題提起している「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状を見落としているのです。そうした本当の意味での早期の段階である「小ボケ」の段階の症状については、「不活発病」であるとかの名称を冠しただけの誤解と誤診をしていて、「中ボケ」の段階の症状については、「老化現象」と勘違いしているのです。

「DSM-4」の規定に挑戦するだけの気概と知識は有しないまでも、臨床経験に照らしてのことだと思うのですが、もう少し軽い段階の存在に関心を持つ人達が、MCI(Mild Cognitive Impairment:軽度認知障害)とか言う概念というか判定基準を持ち出したりしているのですが、相変わらず『記憶障害に起因して発病してくるという』「DSM-4」の規定の「第一要件」に呪縛されたままで居て、杜撰で粗雑な要件ばかりを羅列している有様なのです。この先、何時の日になったら、「DSM-4」の規定の呪縛から解放されて、更には、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の真の原因、或いは、機序とは無関係のものである「器質的な病変」とか「記憶障害に起因したもの」という要素を捨て去る日がやってくるというのでしょうか。豆粒のような組織に過ぎないこのエイジングライフ研究所(理事長である私と副理事長の二人だけの研究所なのです)が今から20年も前に、既に解明しているというのに。加えて、北海道から九州に至る広域の450を超える市町村で、早期診断による「回復」及び発病自体の「予防」を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」として、主張の内容が正しいことを個別にも/疫学的にも実証してきているというのに。

 主張の内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係を立証できないままで居て、相も変わらず様々な「仮説」の類ばかりをお経のように唱え続けている認知症の専門家と自称している人達、権威ばかりで、内容がないのはどうしたことなのですか。私たちは、何時でも、どんな組織の誰とでも、「公開討論」に応じる用意があることを、ここで宣言しておきたいと思います。私たちが世界で初めてその真の正体(本態)を解明した「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」に過ぎないのです。そのことを強く示唆するのが、左脳及び右脳の働き具合を判定する際に活用しているMMSEの下位項目についての14689例にも及ぶ「二段階方式」の手技を活用して私たちが集積した精緻な「脳機能データ」の解析結果なのです。二段階方式の手技で「MMSE下位項目の項目困難度」と題していて、「アルツハイマー型認知症」の症状であるか否かを判定する「判定の場面で引用するデータ」のことなのです。

廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、世に言われている「食生活」ではなく、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)が本態である「アルツハイマー型認知症」の場合は、機能が衰えていく明確な順番があるということなのです。その厳格な順番とは、『想起、注意と計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名と言う項目の順番に極めて厳格に衰えて行くのです(出来なくなっていくのです)。その下位項目の一つである「時の見当識」について示すと、日、年、月、季節、昼夜の順番に、厳格にこの順番に出来なくなっていく(機能が衰えて行く)のです。認知症の専門家とされる人達が唱えているアセチルコリン説であれ、アミロイドベータ説であれ、タウ蛋白説であれ、或いは、脳の萎縮説であれ、どの仮説も、衰えて行く順番の機序を説明することは出来ないのです。私たちの主張は、科学的であり、論理的であり、更には、実証的でもあるのです。上述の「仮説」の類は全てが、憶測に基づいた「単なる推測」の域を出てはいないのです。「アルツハイマー型認知症」は、私たち人間だけに特有な意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能に生じてくる『廃用性の機能低下という要件が、真犯人を解く鍵となる』のです。

)「前頭葉」の機能レベルの精緻な判定及び脳の使い方としての「生活習慣」(生活歴)の確認なしに行うのは極めて大雑把なやり方と言うしかないのですが、介護する側の家族にとっての「大まかな目安」をここで提供しておきましょう。病院では「前頭葉」の機能テストの手技を持たないので、MMSEだけを実施しているのが通常です。そのMMSEの得点(長谷川式は大雑把過ぎて使えません)が、「小ボケ」の段階での「時の見当識」の得点は5点となるのです。「中ボケ」の段階になると、4点から2点までの範囲に分布し、末期の段階である「大ボケ」の段階になると1点から0点となるのです。

「軽度認知症」(小ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

「中等度認知症」(中ボケ)に特有で、代表的な症状の8項目

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をするので、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんとできない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る)。

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着る)

中ボケ」の「脳のリハビリ」を支え主導する「家族」の留意点

(1)「中ボケ」は、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳と右脳までもが異常なレベルに衰えてきています。「前頭葉」の機能も、「小ボケ」の時より更に異常なレベルに衰えてきているのです。「小ボケ」の段階で考えるものよりも達成目標自体を下げて、「小ボケ」に対するよりも一層の手間と暇をかけることが必要です。「中ボケ」のレベルになると「時間」や「場所」がわからなくなります(「時の見当識」及び「所の見当識」についての機能レベルの、廃用性の加速度的で異常なレベルへの機能低下)。その上、「自分の脳の働き具合が、どこかおかしいという自覚がない」のが普通です。自分の脳の働き具合がどこかおかしいという自覚がもてるのは、「小ボケ」のレベルまでとなります。テーマは「小ボケ」と同じでも、目標を実行する程度とやり方を変えることが必要です。

家族がいくら説明して、おかしな言動があるといっても、「わたしは、ボケてはいないよ、何ともないよ」と言い張り、一向に家族の話を聞こうとしはなくなります。「中ボケ」の段階としての様々な症状が出てきていて、「家庭生活面に支障」が起きてきていても、自分自身の問題として理解することができないのです。そこまで、「前頭葉」を含む脳全体の機能低下、就中、「注意の分配力」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進んできているということなのです。

(2)「中ボケ」の段階になると、努力の必要性を理解することも出来ません。それでいて、理解力や判断力が衰えてきている割には口が立つので、いろいろと理由を並べ立てるのです(ヘリクツの類)。脳が活性化するような「生活習慣」の改善(脳のリハビリ)に真剣に取り組もうとしなくなるので家族の支えが不可欠となるのです。

周りの人(できれば同居の家族)が、本人の過去の趣味や遊びや人づきあいの仕方の程度とか生活環境などを考えて計画してあげることが不可欠になるのです(右脳や運動の脳の活用を主体とした、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と活性化の為の工夫が必要)。具体的な「生活習慣」の改善を計画し、加えて、家族全員で本人を支えることにより、「脳のリハビリ」の実行に一緒に取り組んであげることが、改善への道につながる必要不可欠の条件となるのです。

(3)口先だけが達者な「中ボケ」の段階にある「お年寄り」に対する、「脳のリハビリ」の実行の仕方のコツは、本人の発言に惑わされずに、行動をよく観察することから始まります。着衣・食作法・トイレや入浴・家事(炊事・洗濯・片付け・掃除・庭や畑仕事)などが、観察の対象となります。身についた行動なのでたまにはスムーズにできることもありますが、判断が必要な状況になると、とたんにトラブルが発生してきます。その状態を、「こどもの行動レベル」と比較してみると、よく理解できるはずです。4~6歳児のレベル、大体幼稚園の年少・年中・年長に相当するレベルと考えると、納得がいくはずです。「脳のリハビリ」の項目は小ボケと同じでも、噛み砕いて簡単にすること。幼稚園児に対する指導と同じに考えることが不可欠であり、実行「テーマ」の目標レベルが高すぎないことが肝心です。周りが注意すべきは、行動は幼稚園レベルに低下していても、何十年もの人生をそれなりに生きてきた体験そのものは消えるわけではないので、言葉遣いにはそれなりの注意が必要となるのです。

&7「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」

○ 発病を予防する為の「五箇条

一、熱中し、夢中になれる趣味や遊びを出来るだけたくさん持つ

二、気心が知れた仲間達と密に交わる機会を出来るだけ多く持つ

三、自分なりの生き甲斐や喜び、目標となるものを見つける

四、精神的な張りと適度に緊張感のある毎日を過ごす

五、散歩程度でも良いから、運動する機会を出来るだけ多く持つ

)日々の生活習慣の有り方の危険度をチェックできる簡便な指標、それは、『笑顔と笑い声が有る「生活習慣」が青信号』であり、『笑顔と笑い声が消える「生活習慣」が赤信号』となるのです。

〇「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁で、自分らしくイキイキと生きる為に不可欠な「生活習慣」を打ち立てる為の「指針

左脳」中心、「仕事偏重」だった第一の人生とは生き方を変えて、第二の人生では、「右脳」重視の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、自分らしさが前面に出るような生き方をし、自分がイキイキしていると感じられる脳の使い方(「生活習慣」)を毎日の生活の中に組み込み実践することが、「必要不可欠の条件」となるのです。「左脳」を中心に据えて、周りの人達に負けまいと頑張って生きてきた「第一の人生」での「生き方」に大きく舵を切って、「右脳」を中心に据えて、「他人は他人として気にせず、自分なりの生活の楽しみ方、生き方を追求する」こと、「自分の置かれた状況を肯定し、自分なりに人生を楽しむ生き方」が、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁で、「第二の人生」を完走する為に不可欠となるのです。

「こうした生き方」こそが、「アルツハイマー型認知症」を予防する唯一無二の、「特効薬」となるのです(「薬」は、有り得ないのです)。小さな目標で良いから、何か、自分なりの達成目標をもって生きるのです。その目標を達成する生活を積み重ねていくことにより、自分なりの喜びや生き甲斐が得られることとなり、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に陥る危険を回避する為の防波堤となる「意欲」自体が出てくることになるからなのです。「キッカケ」となりそうな状況が起きたときに、特にこの考え方、生き方が、立ち上がる「意欲」を保持し、喪失させない為にも、必要不可欠の物となるのです。

「意欲」が自然と湧いて来るような自分なりのテーマ、「注意を集中」したり「注意を分配」(複数の異なったテーマを同時並行して実行する「前頭葉」の機能 )したりすることが出来るだけ多い「テーマ」に取り組む中で、自分らしい「生き方」、自分らしい「生活の楽しみ方」を追及し、そうした暮らし方(「生活の仕方」)が「生活習慣化」するよう心掛け、努力する姿勢が必要不可欠となるのです。

〇 超高齢化社会の政策目標は、身体だけでなく、脳も持たせること

「アルツハイマー型認知症」は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」が廃用性の機能低下により異常なレベルに衰えてくることが発病の最初の段階(「小ボケ」)なのです。逆に言えば、「前頭葉」が正常に働いている(正常な機能レベルにある)限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することにはならないのです(14689例の脳機能データがそのことを示している)。その「前頭葉」が生き生きと働いている状態を保つには、人生を自分なりに楽しむ「生活習慣」(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣)を組み立てて、「前頭葉」の出番が出来るだけ多くなるような生活習慣を心がけ、工夫することが不可欠となるのです。

「左脳」の働きが核心を占める「仕事」とは無縁の「第二の人生」では、第一の人生とは生き方を根本的に変えることが求められるのです。趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」の働きを活性化させ、「前頭葉」の元気を取り戻させるのに最も効果的ということなのです。「第二の人生」で極めて重要な存在となる「右脳」や「運動の脳」の活用を何処かに置き忘れていて、本を読む、計算を日課とする、勉強をする等の「左脳」が主体となるだけの「生活習慣」中心では、『自分ではそれなりに頑張っているつもり』でも、肝心の「前頭葉」の機能が活性化してくれないのです。

&8 提言する基本構想のアウトライン(国が選定する組織との共同展開による、「二段階方式」の実証研究PRJ(「検証PRJ」)の実施

大ボケの段階のお年寄りの「家族介護」は制度化すべきではない

(1) 「脳のリハビリ」の実践による正常な機能レベルへの回復(認知症の症状を改善し、或いは治せる)が可能な小ボケ及び中ボケまでの段階での父母の介護は、本人を支え/後押しして介護する家族の側にも目標を達成することによる達成感があり、喜びや感動を得られることにもなるので、とても意味があることと考えるのですが、「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えた父母の家族による介護は、介護する側である家族の社会生活自体を奪い去ってしまうことになるのです。時の見当識も、所の見当識も、果ては、人の見当識さえも殆ど働かないレベルにまで「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきているお年寄りを、介護し日々見守るだけという実際の生活を想像してみて欲しいのです。介護を期待されている未だ若い家族の人生にとって、自らの社会生活、人生を捨てて(介護離職)までして、父母の介護という負担を要求すべきものなのでしょうか。「家族介護」の制度化は、我が国が取るべき政策ではないのです。回復が困難な大ボケは、症状の更なる進行を止められないのです。

認知症の大多数、90%以上の割合を占める「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、そのこと自体が重大な誤りでありながら、世界中の専門家達から、「発病を予防することができないし、治すこともできないタイプの認知症」と言う誤った情報が発信され続けてきているのです。ところが、主張内容が誤ってはいるものの、権威が有り発信力が有るが為に世の中に広く、深く浸透していて、60歳を超える年齢の「高齢者」という発病の対象年齢に在るお年寄りにとっては、極めて深刻で重大な関心事となっているのです。

私たちのかねてからの主張である、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、脳を活性化する「生活習慣」の構築とその実践により、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて「脳のリハビリ」に努めれば治すこともできる』ということを世の中に広く知らしめたい、周知させたいと強く願うのです。早く知らしめることが出来、周知が徹底される程、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」を全国的な規模で展開する為の土壌が構築されることになるからです。「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの数が減り、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が出てきているお年寄りの「家族介護」や、果ては、現在社会的に大きな問題となってきている「老老介護」や「認認介護」や、或いは、累積数が100万人を超えたとされている「介護離職」と言った悲惨な「社会現象」を激減させ、最終的には駆逐することが出来る具体的で有効な処方箋となるからです。

(2) 私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技を活用した「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果について検証することを目的とした「検証PRJ」の実施により、「東日本大震災」の被災地を中心とした市町村(30を超える規模)で検証し、私たちの主張内容が正しいこと並びに「二段階方式」の手技の活用による「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防とが可能であり、有効であり、有益であることを実証して見せることにより、私たちの主張の内容に権威信頼とがつくことを期待するのです。提案する「検証PRJ」による実証研究の結果として、私たちの主張内容が検証され、主張内容の正しいことが確認され、そのことが世の中に周知された暁には、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を、全国の「市町村」で、且つできるだけ小さな地域単位で、出来るだけ密に実践する政策の制度化国民的な課題とするよう提言し、広報したいのです。早期診断による回復と発病の予防により介護関連総費用劇的に減少させ得るからです。

発病自体を予防及び早期診断により回復させる、言い換えると、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに引き戻す(認知症の症状を「治す」)ことにより、現在天文学的な規模に達している上に増大の一途を辿っていて、介護保険制度が財政面から破綻しそうな状況に追い込まれている主たる原因である「介護関連の総費用」(診断、投薬及び介護に関わる総費用)の規模を、今後の増加を単に抑制するというレベルではなくて、劇的な規模の額と劇的なスピードとにより、劇的且つ大幅に削減することが可能となると考えているのです。

(3)東日本大震災の被災地の市町村を対象に加える目的は、他のどの地域と比較しても異次元と言えるほどの割合で『「アルツハイマー型認知症」を発病して居て、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の極めて多数の「高齢者」の存在実態』について、疫学的に明らかにする(実証する)ことができると考えるからなのです。「東日本大震災」の被災者であり、今猶、被災地に居住して居て①『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(発病の第一の要件の充足)』だけを対象とした現地調査の実施により、②『被災を「キッカケ」として、何事に対しても「意欲」を喪失してしまい、その結果として、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まり、継続していき、「生活習慣化」する中で(発病の第二の要件の充足)、二つの要件が同時に充足されることに直接起因して「アルツハイマー型認知症」を発病し、且つ、症状の重症化が今なお進行している状況に在る』ことを「疫学的に証明」することが出来るのです。

(4)『様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」については、世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師)から、発病のメカニズム(原因)が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することもできない』とされていて、今猶様々な仮説(アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説、脳の萎縮説)の類が主張されている訳なのですが、未だに主張の内容と発病及び症状重症化との間の因果関係を立証できないままで居るのです。権威だけはありながらも、それらが仮説であるのに対して、私たちの主張には権威が不足しているとは言うものの、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムを解明し、且つ、その機序を具体的に解き明かし、更には、早期診断による症状の回復及び発病自体の予防についても、北海道から九州までの広域に亘る、450を超える市町村での住民参加型の「地域予防活動」の指導により実証してきてもいるのです。それ故に、東日本大震災の被災地の「高齢者」たちを対象として、疫学的に実証してみせることを希望しているのです。然も、権威ある機関の参加を認める「検証PRJ」という形を望んでもいるのです。私たちの主張の内容は、認知症の研究者たちに対して世界的な権威があるとされている「DSM-4」の規定の内容とは全く異なり、加えて、上述の「仮説」の類の主張内容とも全く異なる内容なのです。その要点だけを簡潔に説明すると、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であること。但し、此処に言う生活習慣とは、食生活とは無関係のものであり、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気である』と主張しているのです。このことを脳の機能面という視点から説明すると、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たち人間の「意識的」な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールする役割を担っている「前頭葉」という脳機能を核心とする脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始し継続される生活状況の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに直接起因して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してくるものであること、言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接反映したものとしての症状が「三段階」に区分される症状(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」の改善と工夫とその実践という意味での「脳のリハビリ」により、治すこと比較的に容易である「小ボケ」の段階の症状、治すことが未だ可能である「中ボケ」の段階の症状及び末期の段階であり治すことが最早困難となる「大ボケ」の段階の症状)として発現してくるものなのだということを実証してみせたいと望んでいるのです。加えて、『「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する為の脳の使い方としての「生活習慣」の確立と実践とにより、発病自体を予防することが出来る』ことも実証してみせたいと望んでいるのです。それが、私たちが「検証PRJ」を希望する目的なのです

(5)「二段階方式」の手技の活用により「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズム並びに早期診断により「脳のリハビリ」を施せば症状が改善すること(症状を治すことが出来ること)及び脳の使い方としての「生活習慣」の改善、即ち、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築とその実践とにより、発病自体を予防することが出来ることを実証して見せることにより、『早期診断による「回復」及び発病の「予防」を明確な目的とした、住民参加型の「地域予防活動」の展開の有益性、有効性及び必要性を他の市町村に、他の市町村の保健士さんと地域のボランティアに、我が日本国の全国民に広報することが出来る』のです。

(6)『「アルツハイマー型認知症」が治せないものとされてきた本当の理由は、「末期の段階」でしか見つけることが出来ていなかったことなのであり、予防することが出来ないとされてきた本当の理由は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」が本態であり、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気であることに気づいていなかっただけのこと』という真の理由と実態とを明らかにし、広報する必要があると考えるのです。『東日本大震災の被災地の実態を明らかにすることだけでなくて、その具体的な解決策をも示して見せること』が、他の市町村での「二段階方式」の早期導入と住民参加型の「地域予防活動」の展開のスピードを加速させることになると考えるのです。昔からの諺に、『災い転じて、福となす』というのが有ります。検証PRJの実施は、それを体現することにもなるのです。加えて、このことを映像化し、日本国民だけでなくて、この先超高齢化社会を迎えることになる諸外国に対しても映像化という手段を活用して広報していくことが、国際貢献という視点からも極めて有益だと考えるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化する機序を世界に先駆けて解明し、理論的に体系化しただけでなくて、「二段階方式」という手技の開発と実用化により、早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実施により、『治すことも予防することも可能である』ことを具体的な実践活動という形で実証してみせ、且つそれを映像化という手段で世界に向けて発信するというテーマは、既に天文学的な規模(2015年度ベースで15 兆円もの規模)に達していて、今後も増大の一途を辿るものとして懸念されている「介護関連の総費用」(診断、投薬及び介護関連の総費用)を劇的に減少させる多大な可能性が期待される手法として、日本の権威を高めることにもなると考えるのです。我が国が世界に先駆けて、この『早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実施を全国民的な課題とし、且つ、出来るだけ早期に国策として展開し、全国展開を実現してみせる』ことは、世界的な賛同を呼ぶと同時に称賛を得ることにもなると考えるのです。

) 私たちが電話での状況の聞き取りを行った結果によると、被災地の市町村では、道路や港湾などのインフラや建物や住居といった、ハードの復興に人的な資源も取り込まれてしまっている状況に在り、役場の人手自体が不足している状況に在るのです。そのため、被災以前には、「二段階方式」を導入して「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開していた市町村のほぼ全数が、『使用料は、無償』の時期に在りながらも、活動が休止された状態に在るのです。その中の何人かの保健師さんからの情報によれば、大ボケの段階に在るお年寄りへの対応だけで手いっぱいの状況であり、現実の状況では、予防活動にまでは手が回らない状況に在るとのことなのです。

〇 社会的に権威が有る組織との協働による実施が不可欠

(1)これまで、(有)エイジングライフ研究所の独自の社会活動としてのレベルで実験的な規模と程度により展開してきた住民参加型の「地域予防活動」の実績にとっての最大の弱点は、社会に通用し、社会を動かすだけの『権威が無い』こと、『発信力が余りにも小さすぎる』ということなのです。その「唯一の弱点」を補うために実施するのが、ここに提案する「検証PRJ」なのです。社会的に権威がある組織と共同して行う「検証PRJの実施による主張内容の正しさと実践による有効性及び有益性の検証とにより、エイジングライフ研究所の主張内容の正しさと「二段階方式」の手技の有効性と更には、「地域予防活動」の有効性及び有益生とが実証されることとなり、必要な権威が付与される結果、全ての市町村が「二段階方式」の手技の活用に基づいた「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」を展開する重要な契機となること並びに将来の可能性としてエイジングライフ研究所が期待しているコンビニによる「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復(回復させることが可能な本当の意味での早期の段階の判定と脳のリハビリの指導による回復)の事業の展開への道が開かれることになること等、極めて重要で意義のある転機になりうると考えるのです。

(2)「検証PRJ」の構成相手としては、我が国で権威が有り著名な機関(研究所や大学)に所属する研究者を希望します。私たちの主張内容及び実践の結果を検証するだけでなく、「二段階方式」の主張内容とその手技及び根拠となっている「脳機能データ」並びに検証で得られた実践の成果の分析結果等について、国内外の機関に研究論文を「共同論文」として発表していただきたいと考えるのです。権威がなく、発信力に乏しかったエイジングライフ研究所の主張内容(「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の原因に関わる主張内容)と活動の内容(「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の内容)等について、国内外の著名な医学誌に論文として発表することにより、『「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムや症状が重症化するメカニズムについての従来の主張が根本的に誤ったものであること、更には、困難とされてきた症状の回復/発病の予防が、脳の使い方としての「生活習慣」の改善/「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の構築という方法により可能なものであること』を世界に向けても発信することが出来るのです。

(3) 上記の論文の発表という手段に加えて、『認知症の専門家達から見過ごされている本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)が存在すること及び発病の対象と発病のメカニズム(「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となるものであり、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続が発病を惹き起こす唯一の原因であること)並びに早期の段階であれば「脳のリハビリ」により治すことが出来るものであり、加えて、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践により、発病自体を予防することが出来るものであること』を私たちが市町村で指導してきた住民参加型の「地域予防活動」が有効で有益であることを「映像化」という手段を活用することにより、日本国民全体及び全国の市町村に向けて、更には、諸外国に向けて、「東日本大震災」の被災地の復興及び「高齢者」を含む被災住民の復活の姿と併せて広報することを提案したいのです。この映像による広報が、「アルツハイマー型認知症」に対する国民全体の見方(権威ある「仮説」の主張する儘に信じて誤解してきていた『「アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である」という誤解』根底から変えさせて、早期診断による回復及び発病自体の予防と言うテーマに対する大きな関心を呼び起こし、惹き起こすことになると考えるのです。加えて、世界中の認知症の専門家達から『発病の原因が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』とされていて、何等の対策も為されないで放置された儘である「アルツハイマー型認知症」に対する正しい対応と先駆的な対処策である住民参加型の「地域予防活動」と言うテーマを世界中に向けて、超高齢化社会を迎えようとしている国々に対して発信していくことが出来るのです。

〇 実証結果の発表が社会的に極めて大きな反響を呼ぶことになる

(1)実証を目的とする本「検証PRJ」の実施により、関連「マニュアル」に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して、エイジングライフ研究所が主張する「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム並びにその正体、発病の予防の可能性と予防の方法及び早期の段階の判定と回復の方法等について、その有効性と有益性が実証されたときは、その成果を学会に共同して発表し(米英の医学雑誌に対する寄稿を含む)、更にはマスコミや政府関係者及び国民に対し、広報及び啓蒙活動を展開することを期待し、そのことを強く望むのです。

(2)その場合、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を全国的な規模で展開し、活動を拡大していく為の不可欠の布石として、「二段階方式」の手技を高度なレベルで活用することができ及び個別事例の判定と「脳のリハビリ」による「生活習慣」改善の指導並びに「地域予防活動」の開始に先立つ活動として必要不可欠となる実践活動の対象となる地域単位での認知症の予防講演会での「講師」が務められる人材を「女性の専門職集団」として、&9で提案するMdel事業PRJの開始までに最小限度20人程度(本格的な全国展開の開始までには200人程度)は養成し、確保しておく必要があると考えているのです。厚労省が、公募により獲得した人材をエイジングライフ研究所が養成し、「地域予防活動」の指導本部となるエイジングライフ研究所に20人、道州制の基盤となる地域単位ごとに設置される「各管理センター」毎に各20人を配置するものとします。このピラミッド型の指導の構造により、導入市町村が次第に拡大していく中で、相互の情報交換を効果的に活用しつつ、全体を管轄し、密で具体的で、且つ、効果的な指導を行うことが可能となるのです。

「二段階方式」の導入市町村の地域単位毎に実施するボケ予防講演会(「ボケは防げる治せる」の演題で実施します)の講師が務まり、導入先の市町村から折々に問い合わせてくる「個別のケース事例」についての質問に対する回答及び指導(脳の機能レベルの判定、症状の段階区分の判定、脳の使い方としての「生活習慣」の内容に関わる生活歴の聴き取り方、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの判定及び脳の使い方としての「生活習慣」の改善の指導の在り方等)並びに、当該保健師さんに対する教育指導が務まり、更には、「脳イキイキ教室」の展開上の問題点の把握と指導及び他市町村での展開面での有益な情報の提供と交換等の役割を担うことが出来る女性の専門職集団が居て、其の専門職集団が市町村の保健士さんを指導する核心となることが、住民参加型の「地域予防活動」の実施品質を高度に維持しつつ拡大のスピードアップ、更には、「二段階方式」を使いこなすことにより達成が可能となる「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防の具体的で、且つ大きな成果につながるからなのです。極めて重要な「テーマ」なのです。

 エイジングライフ研究所が1995年に活動を開始して以来、これ迄に452の市町村が「二段階方式」を導入して「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開してきました。ところが、そもそもエイジングライフ研究所自体が従業員は雇っていなくて、私と副理事長の二人だけでやってきたのです。講演、実務研修会、ケース指導と言った表舞台の業務は副理事長が担当し、書籍の著作、マニュアルの著作、データ管理ソフトの著作と開発、全体の運営システムの構築、GOOブログ上への投稿(認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム)は全て、私が担当するという二人三脚でやってきたのです。その一番の問題は、市町村の指導に対して十分な手をかけることが出来なかったということなのです。市町村の指導に対してもう少し手をかけさえすれば、早期診断による回復及び発病の予防についてはるかに大きな成果を挙げることが出来るのです。  

 その意味で、ここに提案している女性の「専門職集団」の養成というテーマが、住民参加型の「地域予防活動」の内容を密なものとさせることに大きく貢献し、その帰結として、「アルツハイマー型認知症」の発病者数を激減させることが期待出来て、発病した人達に対しては早期診断により大多数の人達を正常なレベルに回復させる(認知症の症状を治させる)ことが期待出来て、更には、日常生活面での「介護」が必要となる「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく人達の数を激減させることが期待できるのです。このことを言い換えると、2015年度ベースで15兆円にまで規模が拡大してきていて、この先さらにその額が増大する一方であると予測されている介護関連総費用(「アルツハイマー型認知症」の有無の診断、投薬及び介護関連の総費用)の額の規模について、増加を単に抑制するだけでなくて総額の規模自体を劇的な規模の額と劇的なスピードとで、劇的に減少させることが期待できる世界で唯一の方法であり、且つ、実施による当該の成果自体が実証されている方法なのです。「二段階方式」の手技に基づいた「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開と言う命題であり、その核心的な存在となるのが上述した女性の「専門職集団」ということなのです。

(3)市町村が、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」を展開するに際して、その企画、展開指導及びボランティアの組織化、特に中核となり極めて重要な業務である個別事例の判定と生活改善の指導業務を担当する保健師さんのレベルは、対象地域が拡大していくにつれて、意欲、能力の両面で様々なレベルのものとならざるを得ないのです(私たちが過去に体験した重要な事実なのです)。

「地域予防活動」の核となる業務、「二段階方式」を活用して「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを精緻に判定し、「脳のリハビリ」の指導により脳の使い方としての「生活習慣」の改善を指導し、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にある本当の意味での「早期の段階」のお年寄りを、正常なレベルに回復させてみせるという重要な役割を担うこと並びに地域のボランティア(組織)を組織化し、予防教室の運営をスムーズに、且つ継続的に展開していく上でも、当該市町村の保健師さん達の役割が極めて重要となるのですが、その保健師さん達を指導する役割を担うのが、女性の専門職集団としての「専任講師達」なのです。厚労省に帰属する専門職集団として選任され養成された「専任講師達」が核心的な存在となり、「二段階方式」に基づいて住民参加型の「地域予防活動」を展開する市町村の保健師さん達の中核となる保健師さんを指導しつつ、当該保健師さんが、当該市町村の他の保健師さん達を指導する中心的な存在となるという、実施品質を維持する上での「ピラミッド型の構造」が不可欠のものとなるというのが、私たちの体験に基づいた考え方なのです。

市町村の出来るだけ小さな地区単位で展開する「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」が期待される具体的な成果を確実に挙げる為には、「二段階方式」の手技の実務に精通しているだけではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方について、その基礎にある「前頭葉」が構築し、統括し、支配し、コントロールしている意識的な世界についての機能構造に対する深い理解に則った個別事例での具体的な評価及び改善指導ができる「専門家集団」の存在が不可欠であり、その専門家集団が核心となり、個々の市町村の保健師さんを指導していく能力が要求されることになるのです。私たちが希望し、提案している「検証PRJ」の成功により、「二段階方式」の考え方及び手技に基づいて全国的に、全ての市町村の/小さな地域単位ごとに実践展開される    「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の指導者/推進者としての重責を担う「専門職集団」としての核心的な存在となるのです。

注)本著作物「Bー93」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

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アルツハイマー型認知症の予防と早期診断による回復(建白書その2:B-92)

2017-10-15 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

    

5 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

○ 私たちの主張の根拠となるのは、「脳機能データ」の解析結果

(1) 世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因さえも分からないとされている「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、理論面から体系化したのは、私たちが世界で初めてなのです。私たちは、脳が壊れてもいないのに、言い換えると、何等の「器質的な病変」が全く確認できないのに、認知症の症状が発現してくることに焦点を当てたのです。私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す過程で、『何が、どのようにして起きてくるのか、その機序を探ろう』と考えたのです。そこで、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の「御者」である「前頭葉」の機能に目を付けたということなのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能構造の特徴並びに「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」とそれに厳密にリンクした症状という視点から、私たちが開発した「二段階方式」という精緻な「神経心理機能テスト」を活用して、14689例に上る「脳機能データ」を集積し、それを解析したのです。その結果、「二重構造の問題」、「正常老化の性質」及び「廃用性の機能低下」という核心的なテーマに辿り着いたのです。

(2) 「加齢」の進行と言う条件下では、「正常老化」のカーブを描いていただけのものが(緩やかに機能が低下していきつつも、正常な機能レベルの範囲内にある)、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下が加重された条件下では、異常な機能レベルに向かって放物線のカーブを描きながら加速度的に機能低下が進行していくことに気づいたのです。三頭立ての馬車の御者である「前頭葉」の機能が正常なレベル、正常下限のレベル、異常域に入ってきたレベル、更には、馬である左脳及び右脳の機能レベルが異常域に入ってきたレベルという風に、様々な機能レベル(すなわち、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)に厳密に対応する形での症状(正常なものとしての症状から、異常なものとしての症状迄)を集積し、解析していくことによって、「アルツハイマー型認知症」の症状が廃用性のものであり、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い「単調な生活」の繰り返しの日々とその継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続することが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を惹き起こす『核心的な要因である』ことを突き止めたのです。様々な仮説の前提とされている「器質的な病変」とは無関係であり、加えて、「記憶障害」とも無関係であることを突き止めたのです。

  

(2)そのノウハウを体系化し、「二段階方式」の手技のソフトという形で実用化し、北海道から九州に至るまで全国440を超える市町村で、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践を指導してきたのです。1995年2月に活動を開始して以降、急速に全国的に導入先が拡大していきましたが、合併前に320に上った導入先の数は、平成の大合併の多大な影響を受けて、合併後の新規締結による導入先の数は120までに減少したのです(吸収合併した市側が吸収された側独自の業務の継続を認めなかったことが、最大の原因です。『合併後の対応の仕方が、民間とは、全くのこと異なっていた』のです)。又、合併後も有償期間は5年のままに維持したこともあり、その活動は、現在下火の状況にあります(民間の企業とは異なり、市町村の場合は、有償期間の満了により使用料が不要になると、なぜか活動が下火になっていくのです。予算化が必要でない事業は、人の配置も考慮されなくなり、いつの間にか消えて行ってしまう)。こうした経験から、現在の使用許諾契約の有償期間は、10年の長期にしてあります。事業の継続という面で言うとき、予算化の必要の有無が極めて重要なものとなる市町村の場合は、有償期間が長期に亘ることにより予算化が必要な期間も長期に亘るので、活動が長期に亘り消滅することは無いのではと考える(期待する)からです。

  

(3)とはいえ、「東日本大震災」の被災地の高齢者達に現在起きていて、認知症の専門家たちから(気づかれないで)見逃されている状況、他のどの市町村でも起きなかった規模と発病率の高さでの「アルツハイマー型認知症」の発病並びに何等の調査も対策も実施されないで放置されたままで居るが為に症状の重症化が進行していくと言う状況が、闇の中に閉じ込められたままで進行しているという状況に対して、何等かの措置が{例えば、30くらいの市町村を対象とし、且つ、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(私たちが規定する発病の第一の要件の該当者)を対象とした、「二段階方式」の活用による「全数調査」を実施し、発病者の男女別の人数及び重症度の分類調査を確認する}必要となる状況に在ると考えるのです。「東日本大震災」の被災を「キッカケ」として、何事に対しても「意欲を喪失」してしまうという状況が継続している中で、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの「単調な生活」に入って行ったお年寄り達が、『半年から1年が経過した後「アルツハイマー型認知症」を発病する』こととなり、小ボケの期間が3年、次いで中ボケの期間が2~3年、発病してから5~6年目以降は末期の段階である大ボケの段階』に入るという、「段階的症状の各期間」の指標から考えるとき、そろそろ、「大ボケ」の段階に入ってきた「お年寄り」達が、然も大量の規模で発現してきているはずだと私たちは考えているのです。早い人の場合であれば、「大ボケ」の段階の初期の症状が発現してきている人達(「大ボケ」の段階としての前半の症状であり、脳の機能面から言うと、MMSEの得点が10点に近づいている人達、言い換えると、MMSEの下位項目である「時の見当識」が、昼夜の区別はつくものの、今の季節が何時なのかが分からなくなってきている人達)が、認知症の専門家達が想像する以上の大量の規模で発現してきているはずだと、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムに照らして、私たちは考えているのです。

これまで市町村で実践してきた住民参加型の「地域予防活動」による成果を、世の中に再び、且つ大規模に広めていき、『もっと小さな「地域単位」で、且つ、講演や予防教室の開催回数をもっと増やし、もっと密な内容での生活改善の実践を指導し展開していきたい』と、「古希」を迎えた今は、強い想いの下で考えているのです。認知症の専門家とされる人達、特に医療現場で診断に従事している医師達がアルツハイマー型認知症の症状であると判定するレベル(私たちの区分で言うと、「前頭葉」を含む脳全体の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫に基づく治療である「脳のリハビリ」により回復させることが最早困難となる末期の段階である大ボケ」の段階)或いは、「DSM-4」の基準が「アルツハイマー型認知症」の発病であると規定する段階、即ち、「大ボケ」の更に後半の段階(MMSEの得点が一桁になって、失語や失認や失行の症状が確認されるようになってくる段階)のお年寄り達の存在が大量に確認されると、認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病と考え、且つ、その人数の余りの多さに驚くことになるので、マスコミを含め大騒ぎになると考えられるのです。

そこまで行ってしまったのでは遅すぎるのです。手遅れと言うか、「脳のリハビリ」の実践による回復の途(症状が改善する途)が閉ざされてしまい「介護」の方法しか残されていないお年寄り達ということになる訳なのですから。総選挙の洗礼を受けて信任されたばかりの政権担当与党の政策として、そうした末期の段階のお年寄りを被災した家族が介護する等絶対にあってはならないことだと考えるのです。老々介護、認認介護、介護離職は、世界に冠たる繁栄を謳歌し、世界の将来を先取りする形で進行している超高齢化社会の見本となるべきこの日本に有ってはならない社会現象であると考えるのです。実施の規模が小さくて、密度も緩やかな先行的な実践でしかなかったとはいえ、私たちが指導してきた住民参加型の「地域予防活動」という画期的で具体的な「解決策」が有るのですから。

 

 (4)出来るだけ早く現状を把握して、症状の個別のレベルを判定して、本当の意味での早期の段階にあるお年寄り(未だ、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄り)に対しては、脳の使い方としての「生活習慣」の改善である「脳のリハビリ」を実施すれば、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが出来る(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが出来る)のです。

注)世界中の専門家達から今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要な要素、それは、「前頭葉」の三本柱の機能には、「20歳を過ぎると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく」という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」が存在することなのです。それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「左脳」の働きが核となる「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」が始まったばかりの60~65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが、最も高い18歳から20歳過ぎ頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきていることが注目すべき要点(ポイント)なのです。

二段階方式」を活用して集積した「脳機能データ」の解析により、「前頭葉」を含む脳の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つこの要因に着目し、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』と言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たちは規定しているのです。私たちが集積してきたデータによる予測では、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの年齢別の割合は、「第二の人生」が始まる60歳代では12%となり、70歳代では30%、80歳代では二人に一人となる50%、90歳代では75%を数えていて、加齢の極まりである100歳代では97%にもなるのです。但し、この数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含む数値であって、医療現場が発病と診断している及び厚労省が発病者数として発表しているのは、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である大ボケ」の段階の人達だけであることに注意していただきたいのです。厚労省が推定値として発表している我が国全体で500万人と言う数値には、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りは含まれていないのです。実は、「小ボケ」と「中ボケ」とを併せた数は、「大ボケ」の数の2倍にもなるのです。

 

老化のカーブを左右する要素は、脳の使い方としての「生活習慣」

(1)自分なりの生き甲斐や達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が多くあり、地域興し等の活動にも興味があるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報が「前頭葉」に送られてくるような「生活習慣」が継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです(「かくしゃく老人」である場合の特徴として言えることは、脳の使い方としての「生活習慣」が、早々とボケていく「お年寄り」のそれとは、対極の内容の「生活習慣」を送っているということなのです。世の中で言われているような「食生活としての生活習慣」ではなくて、「脳の使い方としての生活習慣」の顕著な相違が存在するのです)。

「アルツハイマー型認知症」は、老年性アルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者であり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。「発病の原因」そのものが、加齢と言う要素と脳の使い方としての「生活習慣」という要素に起因したものであるが故に、年齢が上がれば上がるほど、発病するリスクが高くなっていくという特徴が、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴なのです。

(2)上述した年齢別の発病率からも明らかなように、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であれば(私たちが規定する発病の「第一の要件」の充足)、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳ではないのです。そこには、もう一つ別の明確な条件が存在するのです。それこそが、発病の「第二の要件」として私たちが規定する条件、脳の使い方としての「生活習慣」なのです(ここに言う、生活習慣とは、「食生活」ではないことに注意してください)。

私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、脳の使い方としての生活習慣、即ち、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が、継続されていることなのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていて、量も少なく、質も劣る情報しか脳に送られてこない(左脳、右脳、運動の脳を介して、最終的には「前頭葉」に送られてくる種々の情報)「生活習慣」が継続されているお年寄りは、発病の「第一の要件」(正常老化による機能低下)と「第二の要件」(廃用性による機能低下)とが同時に充足される相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が加速度的で異常な機能低下の曲線を描き、急速に低空飛行の状態に入っていくことになるのです(「二段階方式」の活用により集積した14689例にも及ぶ「脳機能データ」が示す「加速度的な老化曲線」のデータが、実証データなのです)。

   

○ アルツハイマー型認知症の症状は「前頭葉」の機能レベルを基礎

(1)「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」)を継続させていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていると言いました。  

そこに言う廃用性の機能低下の場合は、「前頭葉」の機能(就中、「前頭葉」の三本柱の機能)が最初に衰えを開始し進行していき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順に衰えが開始され、進行していくのです(詳細については、後述)。廃用性の機能低下が原因で、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくとき、注意の分配力、注意の集中力、意欲の機能の順に早くに衰えていく、即ち、機能がより高度で複雑なものから、より低いものへと順番に衰えていくのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです(添付の資料である「MMSE下位項目の項目困難度」の指標のデータを参照してください)。

(2)脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたその時から左脳も右脳も運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルに在ることに注意すること)、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベルのアウトプットとしての症状が、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくるのです。以下に要点を概説するように、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」では、「前頭葉」が「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」により構成される三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのです。「前頭葉」の機能レベルこそが脳全体としての機能レベルの核心なのであり、認知症の症状、「アルツハイマー型認知症」の症状自体も、『「前頭葉」の機能レベルを核心とした脳全体の機能レベルを直接に反映したものとなる』のであって、「記憶障害」に起因した症状ではないのです。

(3)私たち人間の意識的な世界では、全ての思考、行為、行動や言動が、或いは、感情や表情の表出が、必ず「前頭葉」の機能を介してアウトプットしてくる機構になっているのです(「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担いつつ、「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている=三頭立ての馬車の御者が「前頭葉」)。もう少し詳しく説明すると、私達の「意識的な世界」では、「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを統括し、支配し、コントロールしながら、状況の理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想と選択、選択した「テーマ」についての実行すべき内容の企画や計画、実行結果に対する考察、洞察、推理やシミュ・レーション、シミュ・レーションに基づいた実行内容の修正、実行手順の組み立て、実行の程度及び態様の考察と選択、更には、実行の決断、決断に基づく脳の各部への実行の指令等を行っているのです(Executive Function)。こうした過程での個別認知機能の機能の発揮度を左右し/下支えしているのが「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能であり、就中、「注意の分配力」の機能の働きが極めて重要なものとなっているのです(猶、「前頭葉」の三本柱の機能の働き具合、機能レベルを精緻に判定できるのが、「かなひろいテスト」なのです。このテストは、この点の精緻な判定に関して言うと、f-MRIやPETよりも優秀なのです!)。

(4)このメカニズムの下で脳全体が機能するが故に、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「キッカケ」を契機としたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の開始とその継続の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたことに起因して(リンクして)、それを直接反映したアウトプットとしての症状、「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」が発現してくることになるのです。そして、脳の機能が「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに在るその総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「小ボケ」の症状として発現するのです。脳の機能が「中ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「中ボケ」の症状として発現するのです。脳の機能が「大ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も「中ボケ」の段階よりも更に異常なレベルにあって、更には「運動の脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「大ボケ」の段階の症状として発現するのです。認知症の専門家とされる人達は、(小ボケ及び中ボケの段階の症状が存在していることを知らないで、見落としているが故に「アルツハイマー型認知症の症状」と単に考えている(実は「大ボケ」の段階の)症状だけを(治せないものとの前提に立っていて)、単に羅列しているだけなのです。

  

(5)「脳のリハビリ」により回復させることが可能である(認知症の症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)の症状は、認知症としての症状であることが気付かれないで居て(見落とされていて)、「アルツハイマー型認知症」の発病としての症状であることが見過ごされているのです。その内の一部の症状が、MCIMild Cognitive Impairment)とか言う極めて杜撰で粗雑な概念であり、基準である考え方の下に、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高い状態(発病の予備状態)として、説明されていたりするのです。

これらの場合に注意すべきことは、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「器質的な病変」が発病の原因となっているのではなくて、及び「記憶障害」に起因して症状が発現してくるものでもなくて、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な脳機能低下の進行が発病の直接の原因だと私たちは主張しているのです。そうであるが故に、極めて微量のアミロイドベータの蓄積、或いは、タウ蛋白の蓄積を、どれ程早い段階で検出しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発現を検知することにはならない、「早期発見」には繋がらないのです。ハーバード大学や東京大学が向かおうとしている新たな方向は、根本的な誤り、極めて重大な誤解を前提とした発想に過ぎないのです。

 

廃用性の機能低下が原因であるからこそ、本当の意味での「早期の段階」で見つければ、「回復」させる(治す)ことが可能なのです

(1)発病の最初の段階となるのが、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があって、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(小ボケに始まり、中ボケの段階を必ず経由して、大ボケの段階に至るという経路が「アルツハイマー型認知症」に特有な症状重症化の過程の特徴なのです)。

医療現場では、誤りだらけの内容が規定されていることにも気づかないで居て、あの「DSM-4」の規定の基準に依拠して診断が行われているのです。第二の要件で確認が要求されている失語や失認や失行の症状が確認されるお年寄りとは、末期の段階である「大ボケ」の段階の枠の中でも更に後半にならないと発現が確認されない極めて重度の症状が発現しているお年寄り達なのです(MMSEの得点が14点以下 0点までが「大ボケ」の段階なのですが、失語や失認や失行の症状が確認されるお年寄り達は、30点が満点であるMMSEの得点が一桁の得点にしかならない程、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきている人達、言い換えると、極めて重度の症状を呈している人達のことなのです)。

(2)医療現場では早期診断と銘打った診察が横行しているのですが、それは、「脳のリハビリ」により正常なレベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させることが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)ではなくて、「失語や失認や失行の症状」の発現が未だ確認されない段階とはいえ、あくまで、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけて居るにすぎないのです。『早期診断とは名ばかり』なのです。末期の段階であり、回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけることに何の意味があるのか、医師としての良心の呵責を感じないのかと問いたいのです。その上、効きもしない「薬」を処方してもいるのです(『症状を治す効能は有しないが、ケースにより、半年から1年程症状の進行が遅くなることが有るかも知れない』等と、製薬会社の受け売りのままに処方しているのです。医師が気にするのは、副作用の有無とその程度だけなのです。「症状を遅らせる効能を有する薬は存在しないのです(このブログの「A-34」を参照)。

(3)「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させること(厳密にいうと、前段階の中ボケの段階にさえも)が困難となるという意味での末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの幅が大河の川幅のように極めて広いのです。「大ボケ」の枠組みの中で、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状の更なる重症化が進行していくことになるのです(「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのであり、「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡するということは起こり得ない事なのです。「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡したとの診断は、診断した医師が、「アルツハイマー型認知症」の本態について無知と言うだけのことなのです)。

上述した意味、回復させることは困難であり、「大ボケ」の枠の中で更なる重症化が進行していくだけという意味からも、「大ボケ」の段階の症状の発現が確認されているお年寄りの「家族介護」は、介護する家族側に精神的、肉体的、経済的な負担を強いるだけでなく、介護する側の社会生活自体を奪うものであり、「老老介護や認認介護や介護離職」を生むこととなり、国の採るべき政策としては、絶対に避けるべきものであると言うことを強調しておきたいのです。

住民参加型の「地域予防活動」を全国展開し、介護関連総費用の増加に歯止めをかけ、更には、絶対額自体を大幅に減少させて、何等かの理由で「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまった「お年寄り」の介護にこそ、「介護保険」を全面的に適用すべきものと考えるのです。政権与党の責任ある政策の実施を期待するものなのです。

 

○ 食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」が原因

「アルツハイマー型認知症」の発病の予防も症状の回復の方法も、「仕事」とは無縁となる「第二の人生」での、脳の使い方としての「生活習慣」、即ち、「生き方」が問われることになるものなのです。

お昼にはココアを飲んで、夕食時には赤ワインを飲んで(カマンベールを食するとより効果的という説がテレビで紹介されてもいるのですが)、出来るだけ青魚を多く食するようにして、更には「サプリメント」をたくさん摂ってDHA&EPAを補おうとも、自分なりの「目標」となるものが無い生活、生きがいなく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を日々続けていたのでは「アルツハイマー型認知症」の発病を回避することは出来ないのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化させる「生活習慣」の確立こそが、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防し並びに「脳のリハビリ」を工夫し実践させることが、早期の段階(小ボケ及び中ボケ)から正常なレベルに回復させることができる(症状を治すことができる)唯一無二の方法なのです。

 

〇「アルツハイマー型認知症」の治療薬/予防薬の開発は、発病のメカニズムから考えて、未来永劫不可能な事なのです

(1)極めて重要なことなのでここで付言しておくと、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり、又は症状を治癒させたり、若しくは症状の進行を遅らせたりする効能を有する薬が開発されることは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムからして未来永劫有り得ないことなのです(詳細な説明の内容は、kinukototadaoと入力して検索し、Gooブログ「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」のB-73及びB-74を参照 してください)。

何故なら、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化する上での核心となる要素は、今日でもなお認知症の専門家達の間で世界的に権威があるとされる「DSM-4」が診断の第一の要件に規定する「記憶障害」の症状(或いは、「記憶障害」に起因した症状)ではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下を原因とした「前頭葉」の機能障害(「実行機能」の障害)に起因した症状だからです。

『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い「単調な日々」の暮らし方、「脳の使い方」としての視点で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている状態下で(私たちが規定する発病の「第二の要件」の充足)、薬を飲むだけで/貼るだけで、発病を予防することができたり、症状の進行を遅らせることができたり、或いは、症状を治すことができたりする効能が発揮されるということは、廃用性の加速度的で異常な機能低下に直接起因して発病し、症状が重症化していくという「前頭葉」を含む脳全体の働き方/衰え方のメカニズムからして、絶対に有り得ないことなのだ』ということを指摘し、強調しておきたいのです。

   

(2)「前頭葉」を含む脳全体の働き具合(総体としての機能レベル)のアウト・プットそのものが、三段階(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくるものなのです。アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説を唱える人達が言うように、(神経細胞の大量死という)「器質的な病変」が原因で脳内での「情報の連絡」機能の不具合による「記憶障害」を惹き起こし、そのことに直接起因して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してきている訳ではないのです。

 分かりやすく説明しましょう。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。「アルツハイマー型認知症」は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維)に支障が起きてくることが認知症の症状発現の原因だというのが、アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説の考え方なのです。これらの考えに立脚しているので、ゴム管を繕って空気が漏れる量を少しでも抑える効果を期待できるはずとされているのが、現在販売されている4種類の薬ということなのです(治療薬ではなくて、「症状」の進行を遅らせる効果を狙うだけのものだそうですが、私たちはそのことの因果関係の確認自体が粗雑だと考えています。「生活要因」による影響という要因を見落としているからなのです。「A34」を参照してください)。

 私達は(廃用性の機能低下説)、ゴム管の部分に支障があるからではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理・発信してやる前頭葉等の機能)に支障が起きてきて(「廃用性の加速度的で異常な脳機能低下」)、脳が正常に働かなくなったことが「症状」発現の原因だと考えているのです(「二段階方式」の活用により私達が集積してきた「脳機能データ」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が「アルツハイマー型認知症」の症状だということを示唆しているのです)。いくらゴム管を繕っても(神経細胞を壊すアミロイドベータの量を少なくしたり、脳の外に排出してやる)、そもそもポンプを押す作業をしない限り(脳の機能を意識的に働かそうとしないのでは)、空気は十分に流れない(情報の処理も発信もない)ということなのです。

(3)アミロイドベータ説やタウ蛋白説の考え方の人達が開発を目指している「アルツハイマー型認知症」の「治療薬」とは、異常なレベルに機能が衰えている「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、飲むだけで(貼るだけで)、正常なレベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。ナイナイ尽くしの単調な生活が日々繰り返され継続されている生活習慣の下で(ポンプを押してやろうとはしない生活状態下で)、飲むだけで/張るだけで、失語や失認や失行の症状が確認されるところまで機能が低下していた「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常なレベルに回復してくる(空気が管全体に激しく流れ出していく)効能を有する薬が開発されることは有り得ないのです。

そもそも、アミロイドベータ(老人斑)の蓄積やタウ蛋白(神経原線維変化)の蓄積により、情報を伝達する役割を担っている神経細胞の大量死が惹起された状態下で、言い換えると、「器質的な病変」が惹起されていて、薬を飲む/貼るだけで、当該薬の効能により、神経細胞の大量死という器質的な病変がなくなり、症状が消えるという発想自体が、奇想天外な発想と言うしかないのです。権威ある著名な研究機関に所属していて、且つ、認知症研究の専門家とされていて、「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関する様々な仮説(アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説、脳の萎縮説)を唱えている人達は、その社会的な影響に対する責任を自覚して、自説の内容と「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状重症化との間の因果関係実証して見せるべきだと思うのです。何時まで、推測憶測に基づいただけの「空想物語」を語り続けるつもりなのですか。貴方が拠って立っているはずの「権威」が泣いていませんか?

(4)「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りを抱えて介護に追われる家族の精神的、経済的負担は筆舌に尽くし難い程大きいので、治療効果がある新薬への期待はとても大きいのです。とは言え、そこに現実の可能性は存在しないのです。治療薬の開発は、絵空事だからです。飲むだけで(貼るだけで)正常レベルに回復させることがあたかも可能であるかのような「新薬開発」の言葉がマスコミの記事で踊る度に、市町村による住民参加型の「地域予防活動」への取り組みが遠のいていくことになるのです。過去何度繰り返されてきたことか。

  

(5)日本全体での高齢化率が30%を超えた時(現在は、27%を超えたところ)、取り返しのつかない状態が来るのです。予防は、啓蒙活動(講演会の実施やパンフレットの配布)だけでは足りないのです。早期診断による回復の窓口と小規模単位集落ごとの住民参加型の「地域予防活動」の密で活発な実践が不可欠だと考えるのです。

我が国の医師や研究者や学者が、「前頭葉」のことを、或いは意識的な世界の機能構造のことを知らなさ過ぎるのです。正常老化の性質、機能発揮上の二重構造の問題、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていくその「キッカケ」、更には、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する廃用性の機能低下などと言う基本のテーマについてさえ、何も知らなくて、マウスばかりを追いかけまわして、有り得ない事なのに薬(治療薬や予防薬)の開発という夢を追い掛け回しているだけなのです。若く有為な人材の無駄遣い、税金の無駄遣い、時間の無駄遣いに過ぎないと言うのに!無駄なことに人材や税金や時間を使う前にやるべきなのは、『アルツハイマー型認知症の発病とそれらの仮説との間の因果関係を立証して見せるべき』なのです。

必要な因果関係の立証というテーマを脇に置いたままで居て、発病する前の状態、「認知機能」が未だ正常な状態時に、アミロイドベータの蓄積の兆候を捉えて、アミロイドベータそのものを脳内から排除する(解消させる)などという発想は、「世迷い事」なのです。

注)本著作物「Bー92」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


 

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アルツハイマー型認知症の予防と早期診断による回復(建白書その1:B-91)

2017-10-01 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

                                                   

                            建  白  書

       認知症予防活動の専門家/専門職集団としての

            保健師さん集団がプロデュースする

                住民参加型の「地域予防活動」の全国展開

 

              「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防

                明確な目的とした:住民参加型の「地域予防活動」の実践により;

   お年寄り、地方、地域の活性化による「介護関連総費用」(診断、投薬

   及び介護の総費用)の劇的なスピードによる大幅な削減を達成する道標

   となる実証研究PRJ及びモデル事業PRJの提言

   (有)エイジングライフ研究所  理事長 高槻忠男/副理事長 高槻絹子 

 

&1 「アルツハイマー型認知症」に関する学説と諸問題の概観

○ 「DSM-4」の規定の重大な誤りと私たちの主張の概要

(1)我が国には、現在500万人を超える数の認知症患者がいて、この先さらにその数は増大の一途をたどるというのが厚労省の予測です。私たちのデータによると、いろいろな種類が数ある認知症のうち、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病している人が認知症全体の90%以上を占めているのです(注:脳血管性認知症が25%を占めるとされるのですが、そのうちの20%分は「アルツハイマー型認知症」を誤診したもの。「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者が、或る日突然発症した脳卒中の「後遺症」を抱えた日状生活を余儀なくされたことをキッカケとして、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続されている生活の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させたことに起因して発病した「アルツハイマー型認知症」が正しい診断であるのに、脳卒中の後遺症と「記憶障害」の症状の確認だけで短絡的に「脳血管性認知症」の発病と診断する誤診が多すぎる医療現場の実態を反映したもの。GooブログkinukototadaoA-1及び74を参照)

然も、「アルツハイマー型認知症」の診断に際して医師達は、米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」の規定内容に依拠して発病の有無を判定するので、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断された人達は、重度の「記憶障害」の症状に加えて、「失語や失認や失行」の症状が確認されたお年寄り、すなわち、極めて重度の症状が発現しているお年寄りということになるのです。注)「DSM-4」の規定内容自体の問題点については、&5での説明と問題提起を参照してください。

(2)失語や失認や失行の症状が確認された人達ということは、MMSEの得点でいうと、一桁の得点」しか取れない人達のことなのです。「DSM-4」の規定は、第一の要件である「記憶の障害」の症状には程度や態様に関する規定がなく、第二の要件である「失語失認失行」症状は詳細について後述するように、極めて重度の症状であり、並びに第二の要件も第一の要件も共に同じ人物に同じ診断時に確認されることが要求されることから、「記憶の障害」の症状も極めて重い症状の確認が要求されることになるのです。その帰結として、『昨日、レストランに行って何を食べたかを忘れていても、第一の要件には該当しないが(認知機能が正常者の物忘れの症状とされる)、レストランに行ったこと自体を忘れているのは第一の要件に該当する症状となる(認知症の症状としての記憶障害の症状とされる)等の極めて不明瞭な例示がなされるのが、認知症の専門家達に共通した説明の仕方なのです。そうした重大な誤り及び問題点を内包していることに注意が向けられていない結果、「DSM-4」の規定に余りにも権威があるが為に、世界中の認知症の専門家とされる人達から「アルツハイマー型認知症は治すことができない」タイプの認知症されてしまったのです。

(3)世界中の認知症の専門家達から、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も見当が付かない』とされているのですが、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣病であることに留意する)である』と言うのが、私たちの主張なのです(その詳細は、次回のブログの&5で説明します)。日常の生活面における「脳の使い方」という視点で言うところの廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症こそが、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけると治すこともできるものなのです

(4)そして、私たちが主張する発病の要件二つに特定されているのです。その発病の第一の要件は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られるということに注目して頂きたいのです。その基礎となるのは、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における「前頭葉」を中核とした脳の機能構造のメカニズムなのです。脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何等かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の機能自体に、私たちが「正常老化の性質」と名付ける性質、生活習慣の如何に関わらず加齢と共に働きが衰えていくという性質、『「正常な機能レベル」を保持しつつも、緩やかなカーブを描き乍ら衰えて行く』という性質が存在することなのです。

(5)そして、私たちが規定する発病の第二の要件とは、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続すること』、言い換えると、食生活と言う生活習慣ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」に起因して発病するのが、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の特徴なのです。それ故にこそ、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因としての「器質的な病変」は何等存在していなくて、且つ、様々な程度及び態様の下で発現してくる症状は、「記憶の障害」に起因して発病してくる訳のものではないということが極めて重要な視点となるのです。その意味で、「DSM4」が規定する内容も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関わる様々な「仮説」としてのアセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の萎縮説の主張内容も全て、それらの主張内容は根本的に誤っている、即ち、基本の理解が根本的な誤解を前提にしたものと言うしかないのですそれらの「仮説」の最大の弱点と言うか、欠点を、一言にして言えば、『木を見て、森を見ずの類』なのです

(6)何かを「キッカケ」として、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続していると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の機能低下を起こしてくることになるのです。第一の要件と第二の要件とが同時に充足される相乗効果により「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「廃用性の加速度的で異常な機能低下」を進行させていくことになるのです。その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を発病の原因とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が認知症の症状として発現してくるのが特徴となるのです(「三段階の症状」の発現が特徴となる)。

(7)加えて、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して症状が段階的に発現してくる「アルツハイマー型認知症」の場合には、「前頭葉」を含む脳の機能に衰えていく明確な順番があるのが特徴です。最初に、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が加速度的で異常な機能低下を起こしてきます。次いで、より高度で複雑な機能の順番に、「左脳」、「右脳」、「運動の脳」の機能の順番に、且つ、少しずつ遅れる形で「前頭葉」を核としつつ「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して来るのが特徴なのです。従って、「脳のリハビリ」という脳の使い方としての「生活習慣」を改善する方法により「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させる(認知症の症状を治す)ことが出来るか否かという視点から、小ボケ(回復させることが容易)、中ボケ(回復させることが未だ可能)、大ボケ(回復させることは、最早困難)という「三段階」に区分される認知症の症状が順次発現し、進行していくことになるのです。

(8)私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技の場合は、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」により、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」により判定します。「MMSE」で判定するとき、左脳と右脳の機能については、想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識・・・・の順番に、衰えてくるということなのです(14689例の臨床事例の解析結果)。この順番に衰えていかないときは、「アルツハイマー型認知症」ではないのです。「アルツハイマー型認知症」以外の「認知症」であるか、或は、認知症と紛らわしい「病気」ということになるのです(「マニュアル-C」を参照)。それ程この順番、『「前頭葉」だけが最初に衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくこと。更には、「MMSE」で判定される「下位項目の衰え方」には、「想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識・・・・の順番に衰えていく 」という「衰え方の規則性」があること(「MMSE下位項目の項目困難度」)』という私たち独自の指標に関する資料は、極めて有益で重要な客観的な指標であり、私たちの実務マニュアルである「二段階方式 個別事例判定マニュアルA」の巻末に根拠データが添付してあります

(9)「衰え方の規則性」というこの厳密で客観的な指標は、廃用性のものである「アルツハイマー型認知症」の場合に特有のものであり、他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気との鑑別(例えば、重度の記憶障害の症状を示していても、「アルツハイマー型認知症」ではなくて、「側頭葉性健忘症」であることの鑑別、或いは、「緩徐進行性失語」であることの鑑別)に極めて有効なのです。なお、この規則性は、14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」の症例の精緻な「脳機能データ」の解析により求められたものなのです。

〇 発病者数に関わる真実としての実態と問題点の指摘

(1)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという考え方の下に、「脳のリハビリ」によって正常なレベルに回復させることの可能性の有無及び程度という視点から、軽い順に、回復させることが容易「軽度認知症」小ボケ)、回復させることが未だ可能「中等度認知症」中ボケ)、そして回復させることが困難な末期の段階としての「重度認知症」大ボケ)という「三つの段階」に区分して判定しています(発病患者が訴える認知症の症状の重症化の順番について、私たちのデータを当時の東京都老人総合研究所が解析してくれた資料が基礎となっています)。

(2)「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている条件下で緩やかにではあるが身体がもつ限り症状が進行していく特徴があり、キッカケが発生し何事にも意欲を喪失した生活、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まって半年から1年迄の期間が発病までの期間であり、「小ボケ」の期間が3年間、「中ボケ」の期間が2~3年の期間続いて、発病して5~6年目以降になると末期の段階である、「大ボケ」の段階に入っていくことになるのです(「標準となる期間」としての指標)。

(3)「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる為の「生活習慣」の改善と工夫とその実践を目的とする「脳のリハビリ」により回復させることが可能な(「アルツハイマー型認知症」としての症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることなく(その段階を見逃したままの状態で居ると)、医療現場での現在の診察状況に見られるように、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されたままの状態で放置した儘で居ると、やがては、末期の段階であり、回復させることが困難な「大ボケ」の段階にまで進んで行ってしまうのです。その最も大きな見落とされている問題点はと言うと、「小ボケ」の人数と「中ボケ」の人数とを併せた人数は、「大ボケ」の人数の少なくとも2倍以上にはなるということであり、この数値は住民参加型の「地域予防活動」の実践指導に基づく私たちの経験値でもあるのです。

(4)現在、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」を発病している人達の数500万人超という数字は、上記三段階区分でいえば、末期の段階である大ボケ」の段階の人達だけの数であるということに注目していただきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の診断基準として世界的に権威がある「米国精神医学会の診断規定」の「DSM-4」の要件(診断基準としての第一要件及び第二要件)に従い診断している限り、「脳のリハビリ」によって回復させることが困難な末期の段階(私たちの区分でいう重度認知症「大ボケ」の段階)の更に後半の段階、言い換えると、MMSEの得点が一桁にしかならないまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきていて極めて重度の症状が発現してきている段階でしか、「アルツハイマー型認知症」(その症状)を見つけることができないことになってしまうのです。

医療の現場における診断の実態とその問題点

「アルツハイマー型認知症」については、「発病を予防することも、治すこともできない」タイプの認知症であるとの考えが、世界中の学者や研究者や医師達の間で定着しているその一方で、発病の原因(メカニズム、機序)についての様々な仮説(アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説、脳の萎縮説等)が横行しているのが現状なのです(ブログのB-89及びB-90で、問題点を指摘してあります)。

○ 私たちの研究と市町村での実践活動の成果に基づく結論

私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例の「脳機能データ」と440を超える市町村で実施した「地域予防活動」の実践の成果に基づく結論として、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「廃用症候群に属する単なる生活習慣病である」(但し、その「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)と主張しているのです。私たちが開発した「二段階方式」のような、精緻な神経心理機能テストを活用すれば、「本当の意味での早期の段階」(私たちの区分で言う、小ボケ及び中ボケの段階)で容易に発病を判定することができるし、詳細について後述する「発病のメカニズム」についての私たちの見解にみるように、廃用性の生活習慣病をその本態とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により正常なレベルに回復させることができる(症状を治すことが出来る)ものなのです。世界中の認知症の専門家達が『「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ないタイプの認知症である』としているのは、病気それ自体の性質によるのではなくて彼らが見つけて居る段階が遅すぎるだけのことなのです。彼らは、米国精神医学会が策定した「DSM-4」を微塵も疑うことなく、正しいものとして扱い、そこに規定された診断基準(第一の要件及び第二の要件)に依拠して診断しているが為に、末期の段階であり私たちの区分で言う「大ボケ」の段階でしか「アルツハイマー型認知症」を見つけることが出来ないでいるが為に、『治すことが出来ない』と誤解しているだけなのです。

2 エイジングライフ研究所の主張の概要と活動の歴史

〇 主張の概要と「二段階方式」の手技の活用の成果

(1)   世界中の認知症の専門家とされる人達(学者や研究者や医師達)から、発病の原因が不明とされてきていて、発病者数が超大型の病気である「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、「アルツハイマー型認知症」が廃用症候群に属する「生活習慣病」であること並びに『アルツハイマー型認知症は、左脳が主体となり活躍する「仕事」とは無縁の「第二の人生」での脳の使い方としての「生活習慣」、生き方自体が問われる病気であること』を解明し、理論的に体系化し、更には、市町村の保健師さんが「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開し、維持していく上での要ともなる「二段階方式手技」として実用化しました(別送する二段階方式個別事例判定マニュアルA; 二段階方式個別事例判定マニュアルB;二段階方式個別事例判定マニュアルC及び二段階方式個別事例判定マニュアル使用の手引き並びに脳機能データ管理ソフト「エイジング」をご参照ください)。それらの実務書は、1995年の活動開始以来、保健師さんから提起された実務面での様々な問題を解決して、より使いやすいものへと、何度も改訂されて現在に至っているものなのです。

(2)   発病を予防する方法として、脳の使い方としての生活習慣の改善と言う方法を創出し、市町村での住民参加型の「地域予防活動」の実践により、その有意性、有効性及び有益性を実証してきました。市町村での地域予防活動は、実施地域としては北海道から九州までの広範囲に亘り、これまでに累積数で452の市町村を数えますが、予防教室の開催頻度は「月当り1回、半日」である上に、僅かな数の例外を除いて、当該市町村内での全面的な実施には至らず、部分的な実施であったこと並びに平成の大合併により吸収された市町村で実施されていた活動が、実施していなかった相手市町村を吸収した側の都合で(「事業の見直し」という名目のもとに)廃止に追い込まれたことなどもあり、加えて、導入後5年の経過で、「二段階方式システム」の使用の対価が無償となることにより予算化が不要となることから活動が下火となって行ったという事情が有りました。

ご参考までに、長野県小布施町及び豊科町(現在は、吸収合併により安曇野市)の各実績データを添付します。事業の実施からは、極めて僅かな費用及び保健師さんの人数投入により達成されたこのデータに鑑みて、『小さな地域単位で、且つ、もっと密に(例えば、10日に1回半日予防教室を開催する)実施すると共に、最終的には全域に広めて実施するだけで、極めて大きな効果(「アルツハイマー型認知症」の発病者数の減少、発病時期の先送り、「小ボケ」及び「中ボケ」の滞留期間の延長、或いは、「大ボケ」の人数の現象により、「介護関連総費用」(診断、投薬及び介護に関わる総費用)の大幅な、且つ、劇的な規模とスピードとでの削減効果が期待できる』のです。  

(3)   認知症の専門家達から「治すことも、発病を予防することも出来ない」とされている「アルツハイマー型認知症」について、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階の存在の解明と回復の可能性の有無と程度により三段階に区分し判定する精緻で、且つ簡便な手法である「二段階方式」の手技を開発し、完成させました。

(4) 「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な状態に回復させるための手法としての「脳のリハビリ」脳の使い方としての生活習慣の改善)の手法を創出し、有効性及び有益性を実証してきました。

(5) 「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復の為の「二段階方式」の手技を柱として活用する住民参加型の「地域予防活動」の展開について、1995年の活動の開始から現在に至る期間中での実施数は、累計で452を数える市町村での実践の指導をしてきました(年度ごとに更新しつつ、5年の期間を有償とする、「使用許諾契約」の締結を条件。なお、有償期間は現行では10年に変更されています。システム使用の対価となる使用許諾契約に基づく使用料は、市町村単位で月額3万円が現行です。合併前は、1万円でした。同一市町村内で、例えば複数の課が使用しても使用料は同じです。使用料は、近いうちに月額5万円に改定の予定です)。

(6) 「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する生活習慣病であり、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて脳のリハビリに努めることにより治すことができることを、Gooブログへの掲載(内容を公開)という方法により、広報活動を行ってきました(kinukototadaoと入力し検索:2012年3月に投稿を開始して以来、これまでの掲載回数は、193回を数えます。字数で言えば、累計で400万字を超えます)。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因とそのメカニズム、症状が進行する原因とそのメカニズム、発病自体を予防する方法とそのメカニズム、早期の段階の判定と回復させる方法とそのメカニズム、更にはその根拠となる脳機能データと住民参加型の「地域予防活動」の実践による成果等について、関連する「脳機能データ」も例示しつつ、これだけ精緻に、体系的に且つ理論的に解説した書物は、日本だけでなくて、世界中にも例がないものと自負しています。勿論、その主張内容の品質の高さ、内容の正しさ、主張の根拠についての実証という面からも、他に例がないものと自負しています。

   

&3「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、「前頭葉」を含む「脳全体としての機能レベル」を直接反映したもの

○私たち人間だけに特有な「意識的な世界」を構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」という脳機能

(1)無意識の世界、意識は覚醒してはいないが意識度が低い世界、或は条件反射の世界は置いておいて、覚醒された意識度の世界、私たちが意識的に何かを、或は何かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界では、「前頭葉」という脳の機能が脳全体の「司令塔」の役割を担いつつ、時の経過と不可分に重層的に働いているのです。

(2)前頭葉」は、左脳、右脳及び運動の脳と言う三頭立ての馬車の御者としての機能を担っていて、三頭の馬と協働しつつ、且つそれらを支配し、コントロールしながら思考や思索、言動や行動などを組み立て、実行しているのです。何等かのテーマについての思考も、行為も、何等かの「テーマ」についての言動も、行動も、或はその程度や態様も、その全てが「前頭葉」の支配とコントロールの下に、且つ、必ず「前頭葉」を介して、そのアウトプット自体が行われているのです。意識的な世界における「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下の進行に起因したものであり、総体としての脳の機能レベルの直接の反映としてのアウト・プットそれ自体が、「アルツハイマー型認知症」の「三段階」に区分される症状として、発現してくるのです。その特徴は、何等の「器質的な病変」が確認されないこと並びに「記憶障害」に起因した症状として発現する訳のものではないことなのです。この二つの点の理解について、「DSM4」の規定自体も及び認知症の専門家とされる人達の理解も重大な誤解をしていることを指摘し、問題提起しておきたいのです。

(3)言葉や計算や論理や場合分けなどのデジタルな情報の処理を担う左脳も、感情や情景、色や形や空間や時間の経過等アナログな情報の処理を担う右脳も、身体を動かす機能を担う運動の脳も、私たち人間の意識的な世界では、それらが単独で働くことはなくて、必ず、『「前頭葉」を介して働く』という機能発揮上のメカニズムが存在しているのです。従って、「脳が活性化」するということについても、或は、「脳の機能が衰えていく」ということについても、「前頭葉」が必ず関っていることになるのです。脳の働き具合と言うとき、自分がその時置かれている状況の理解と判断やテーマの発想から計画した内容の実行に至る過程での、「前頭葉」の関与の仕方/或いはその度合いがどのようであるか、そのことが極めて重要なのです。取り分けて、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕組み及び段階的に発現してくる症状の特徴とその意味について、この視点を持つことが極めて重要なものとなるのです。

三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状

(1)「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性という視点で三段階に区分するその段階的な症状は、「前頭葉」の働き具合、言い換えると、「前頭葉の機能レベルと密接不可分の関係にあるのです。認知症の専門家とされる人達は、未だにこのことに気づかないで居て、中核症状とか周辺(随伴)症状とかの意味のない区分に終始し、満足しているだけなのです。廃用症候群に属する生活習慣病が本態である、『「アルツハイマー型認知症の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがそのまま認知症の症状として、発現してくるものであり」、その症状は、「小ボケ」(軽度認知症)に始まり、「中ボケ」(中等度認知症)を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の段階に進んでいくことさえも知らないでいるのです。

(2)上述したメカニズムにも気づかないで居て、脳の活性化とか「アルツハイマー型認知症」の予防とかいうテーマについて、テレビに出てきて語る認知症の専門家とされる人達が大勢いるのです。三頭立ての馬車の老馬を若い馬に取り換えたからと言って、御者の手綱さばきが良くなることには直結しないことが重要なのです。日常の生活面で「左脳」を使う場面が少しばかり多くなったからと言って、そのことが「前頭葉」の機能レベルの上昇には直結しないのです。生活改善の効果の判定で「二段階方式」の場合は、改善、維持、低下という判定を行うのですが、左脳及び右脳の働き具合の変化を判定するMMSEの得点は、容易に3点も4点も動くのに対して、「前頭葉」の働き具合の変化を判定する「かなひろいテスト」の得点は、脳の使い方としての「生活習慣」における「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能)の出番の多少の程度を敏感に捉えることが出来る手技であるのですが、容易に変化しないのです(機能レベルが容易には向上しないのです)。残念なことに、認知症の専門家達も脳科学者達も、このことについてのデータを有していない、全くのこと無知と言うしかないのです。

(3)「脳が活性化された」、就中、「脳機能が改善された」ことを何を根拠にして、確認しているのか、一度、聞いてみたいのです。PET好きのどこかの大学の教授のように、「物忘れの回数が減った」等と素人が考えるような基準を持ち出さないでいただきたいのです。老人保健施設や介護施設で、脳を活性化するテーマとして、盛んにおこなわれている、「日々の生活の中に簡単な足し算や引き算をする時間を組み込むこと、或いは、ひらがなで書かれたおとぎ話を音読する時間を取り入れた」からと言って、そのことが、「前頭葉」機能の上昇に直結する訳ではないということを強調しておきたいのです。そんな子供だましのような「テーマ」を脳の活性化に役立つと信じて日常の生活に取り込んでいるお年寄り達が、趣味も遊びも人付き合いも中断して、朝も昼も夕方もその「テーマ」をやり続けるだけの生活を3ケ月間も実行し継続してみれば、「前頭葉」が活性化するどころか、意欲が衰え、注意の集中力も衰え、注意の分配力の機能も衰えてきていることを知ることになるのです(「かなひろいテスト」を;数十人という単位の被験者全員に実施して見れば、容易に確認できる)。

前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとその変化を客観的な基準で判定するのが、私たちが開発した「二段階方式」の手技の特徴

(1)「二段階方式」の場合は、「前頭葉」機能の改善、維持又は低下について、それ自体を直接、然も客観的な基準で評価することができるのです。私たちが指導してきた住民参加型の「地域予防活動」として展開される「脳イキイキ教室」に参加しているお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化を、「二段階方式」という精緻な神経心理機能テストを活用して、客観的な基準に従って評価しているのです(現状では、基本的には1年間につき2回の判定、活動の開始時と終了時の2回だけ、定期的に判定を実施しています)。

(2)「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復とを明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」という枠組みの中で、「予防教室」(脳イキイキ教室)を長期にわたり継続し実践している市町村の場合は、脳機能データの管理ソフトである「エイジング」の活用により、個人別及び地域別、更には、男女別の脳機能データ、個人毎の「前頭葉」を含む脳の機能レベルの「改善、維持、低下」に関する経時変化のデータが取得され保管されることになるのです。

(3)認知症の発病の予防、具体的には、いろいろな種類が数多くある認知症全体の90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」は、小さな単位毎に運営が行われています(費用対効果の視点で言うと、出来るだけ小さな地域を単位として、出来るだけ開催回数を増やし密に活動を行うことが、効果がより大きくなるのです)。それらの活動の拠点となる「予防教室」に参加しているお年寄りの「脳機能データ」の推移を比較してみると、教室が長期に亘って運営され継続されている「予防教室」に参加しているお年寄り達の方が教室の運営存続期間がそれよりも短い予防教室のお年寄りたちの場合よりも、脳機能の改善効果が大きいという明確なデータが存在し、確認されているのです。要介護認定者の割合を比較してみても、同様の結果が確認されているのです(添付する長野県「小布施町」及び「豊科町」のデータを参照してください)。

4「前頭葉」の諸機能と機能発揮上の「二重構造」のメカニズム

○ 「前頭葉」の諸機能についての概観

 (1)一口に「前頭葉」の個別認知機能といっても様々なものがあり、私たちが確認しているものだけでも、七十種類もの数になります。以下に、その代表的なものをいくつか挙げてみることにします。自分が置かれている状況の理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想と選択、選択した「テーマ」の実行に係わる内容の企画と計画、計画した内容を実行した場合の結果の予測、洞察、推理、ケース・シミュレーション、ケース・シミュレーションに基づく修正、最終的な実行内容、手順及びその程度と態様の決定、実行の決断と脳の各部に対する実行の指令。状況の理解と判断に基づいて、自分が行おうとする/行っている言動や行動や感情の発露の行き過ぎに必要な抑制をかけるのも「前頭葉」の機能であり、何かに感動するのも「前頭葉」の重要な機能なのです。更には、これらの個別の認知機能が発揮されるときの機能の発揮度の問題があるのです。そして、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしているものが、後で詳説する私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名づけている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです(機能発揮上の「二重構造」の問題)。

(2)私たちの意識的な世界、思考であれ、言動であれ、行為であれ、私たちが意識的に何かを実行しようとする世界では、先ずもって、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能が正常な機能レベルにあることが要求されるのです。左脳、右脳、運動の脳という三頭立ての馬車の御者の役割を担う「前頭葉」が、三頭の馬を支配し、コントロールすることにより、私たちの意識的な世界での状況の理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、発想したテーマの実行内容に関わる企画と計画、計画した内容の実行とが成り立っているのです。言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が「或る一定の異常なレベル」に衰えてくること、そのことに直接起因して、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の様々な症状が発現してくることになるのです(「二段階方式」の手技では、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」により、『正常な機能レベルであるのか、異常な機能レベルであるのか』を判定しているのですが、年齢別の客観的な基準が設けられているのです。そのさまざまな症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが直接、且つ厳密に反映され、その機能レベル自体のアウト・プットとしての「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性の有無及び程度という視点から「三段階」に区分する症状が、発現してくるものなのです。

○ 「前頭葉」の個別認知機能の発揮度と「二重構造」の問題

(1)私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が、理解、判断、発想、企画、計画、想像、推理、洞察、考察、構成、修正、選択、感動、抑制、決断、指示等「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしているという問題、私たちが、機能発揮上の「二重構造」と名付ける機能構造の問題の存在とその理解が、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する上で及び/又は症状を理解する上で必要不可欠の「テーマ」でもあるのです(この機能構造は、私たちが世界で初めて見つけたものなのです)。従って、日常の生活面で、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていることにより、三本柱の機能個別の認知機能が個別に及び/又は両者並行して廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくることにより、私たちが区分する「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、次いで「中等度認知症」(中ボケ)を経て、最後に末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してくることになるのです。そして、末期の段階である「大ボケ」の症状が発現している段階では、症状が発現する基礎である「前頭葉」を含む脳全体の機能の機能レべルの問題、具体的には、「前頭葉」の三本柱の機能の内でも最も高度で複雑な機能である「注意の分配力」の機能が殆ど働かない、(状況と「テーマ」によっては、僅かに働くことがある)というレベルにまで衰えてきていることが分かるのです。

(2)「DSM-4」の規定が、「アルツハイマー型認知症」」の発病と診断する為の「第二の要件」に規定している症状が発現してくる段階、30点が満点であるMMSEの得点が一桁になり、「失語や失認や失行」等の症状が発現してくる段階は、「前頭葉」の三本柱の機能の内でも最も高度で複雑な機能である「注意の分配力」の機能が殆ど働かないという脳の機能レベルを反映したものとしての症状なのだということを理解する必要があるのです。「失語や失認や失行等」の症状も、「器質的な病変」に起因したものではなく、更には、「記憶障害」に起因したものでもなくて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な生活の継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して惹起された「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下、就中、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した症状に過ぎないのです。例えば、『服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする』とか、『同居している家族の顔も名前もわからなくて、配偶者を娘と間違えたりする』とか、『自宅に居ても落ち着かず、外に出ていきたがる』等の症状は、「記憶の障害」が基礎にある訳ではなくて、意識的な世界を構築し、統括し、コントロールしている「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の核心である「注意の分配力」の機能が殆ど働かないという条件下での「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルをそのまま反映した症状に過ぎないのです。

(3)様々な種類、程度及び態様の下で発現してくる「アルツハイマー型認知症」の症状は、「器質的な病変」とは関係が無くて、「記憶障害」に起因したものでもなくて、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因して発現したもの、言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接反映した症状に他ならないのです。アセチルコリン説も、アミロイドベータ説も、タウ蛋白説も、脳の萎縮説も、それら全ての学説について、『仮説としての主張内容と「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病(発症)及び症状の重症化の進行との間には、直接の「因果関係」自体が存在していない』ということが重要なのです

(4)「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の正体、発病のメカニズムを解明し、或いは、発病の予防や治す方法を開発する為には、「器質的な病変」や「記憶障害」に起因した症状と言う要素にばかり目を向けて探し求めるのではなくて、視点自体を根本的に変えて、「前頭葉」の個別認知機能の機能発揮面での「二重構造」の問題という「テーマ」に目を向けることが必要不可欠となるのです。

注)「前頭葉」の個別認知機能が正常なレベルにあっても、「加齢」により「前頭葉」の三本柱の機能がそれなりに衰えてくると、言い換えると、「意欲」、「注意の集中力」及び注意の分配力」の機能の「加齢」に伴う機能低下により、記銘時の記銘度が低下し、想起の機能レベルも低下してくる為、「物忘れ」の症状が発現してくるのです(「前頭葉」の機能レベルが正常であっても、言い換えると、「かなひろいテスト」の結果は、合格のレベルでありながらも、「物忘れ」が起きてくるのです)。なお、「注意の分配力」の機能というのは、複数の異なった「テーマ」を同時に並行して処理し、実行する際に不可欠の脳機能なのです。

○「前頭葉」の三本柱の機能に内在する「正常老化」の曲線

(1)脳全体の司令塔で、置かれている状況を理解し、判断し、何かのテーマを思いついたり、実行の為の計画を立てたり、手順を工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、抑制をかけたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その個別の認知機能を正常に発揮する上でとりわけ重要であって、「前頭葉」の個別認知機能の「発揮度」や「認知度」の高さ、或は低さを直接左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、以下に説明するように、趣味や遊びや交遊や運動を仲間と自分なりに楽しむ生活があり、自分なりの目標や楽しみや生き甲斐がある生活(それなりに「前頭葉」の出番がある生活)を送っていても、『正常な機能レベルを保ちつつも、「加齢とともに、それらの機能が緩やかなカーブを描きつつ、老化し、衰えていく」という重要な性質があるのです』(私たちは、これを「正常老化の性質」と呼んでいます)。

(2)私たちが集積してきた年齢別の「脳機能データ」を基にして簡潔に説明すると、「前頭葉」の三本柱の機能には、18歳から20代の半ばまでがピークで、20代の半ばを過ぎる頃から100歳に向かって、緩やかではあるけれど直線的に衰えていくという性質があるのです。「第二の人生」が始まって間もないころ、60歳代半ばにもなると、「三本柱」の働き具合は、ピーク時の18歳から20代の半ばの頃に比べ、潜在的な機能レベルとしての働き具合が半分以下のレベルになっているのです。70代、80代、90代、100歳代と、年をとればとる程、「三本柱」の働きが更に衰えていって、どんどん低空飛行になっていくという性質があるのです。但し、脳が活性化する「生活習慣」の維持により、「前頭葉」の働きが正常な機能レベルを維持できている限りは、「加齢」が進んで行こうとも、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないのです。最も高度な機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在る時は、左脳及び右脳の機能も正常な機能レベルにあるので、脳全体としての機能が正常な機能レベルにある、即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病は起きてこないのです。このことはすなわち、「加齢」と共に「前頭葉」の三本柱の機能が機能低下を進行させていこうとも、『「前頭葉」が活性化して正常な機能レベルを維持できる「生活習慣」の構築により、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することが出来る』ということを意味している訳なのです。

(3)認知症の大多数90%以上を占めていて、高齢化率が高い市町村や高齢化率が高い地域等で、普段よく目にし、或は、耳にしている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、その発病のメカニズムを考えるとき、「前頭葉」の三本柱の機能に「正常老化の性質」という問題が内在しているという理解が極めて重要になるのです。私たち人間だけに特有な世界であり、私たちが意識的に何等かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界、私たちの「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔としての役割を担っているのは「前頭葉」という脳機能であり、その「前頭葉」の三本柱の機能に加齢と共に働きが衰えていくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付けている性質が内在していることに気づくことが、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明する上で、必要不可欠のテーマとなるのです。「前頭葉の正常老化」という問題が基本にあるから、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、「60歳代以降のお年寄りだけが対象になる」のです(私たちが規定する、発病の「第一の要件」)。

注)「アルツハイマー型認知症」についての本質、発病や症状重症化のメカニズムを理解した時、『「特定の種類のDNAの異常」という問題が生来的に存在する人だけを対象として発病し、30歳代から50歳代までと言う若い年齢での発病、若年発症を特徴とする「アルツハイマー病」とは、根本的に異なるタイプの認知症なのだ』ということをも知っておいて頂きたいのです。両者を混同しているうえに、両者をまとめて「アルツハイマー病」と呼称する等、もっての他のこと、『そのようなレベルの人達は、認知症の専門家とは名ばかりで、「アルツハイマー病」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、無知である』ことがお分かりいただけるでしょうか。

注)本著作物「Bー91」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 

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アルツハイマー型認知症の発病の予防と地域予防活動(B-85)

2017-07-01 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

 

(プロローグ)

皆さんに我が国での現状についての正しい認識を是非ともしていただきたいことがあります。何かというと、様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めていて、認知症の専門家達から『発病の原因が分からないし、症状を治す方法が分からないし、発病を予防する方法が分からない』と言われている「アルツハイマー型認知症」の発病者総数及び年代別の発病率のことなのです。

先ずは、「発病者総数」についてのことなのですが、厚労省が発表している500万人という数字は、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる「生活習慣」の改善と工夫)により回復させることが困難な末期の段階、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り達だけの数であって、それよりも症状が軽い段階、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)のお年寄りの数は、その数に含まれてはいないということなのです。後述するように、認知症の専門家達は、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階を見落としているからなのです。私たちのデータによると、「小ボケ」と「中ボケ」とを加えると発病者総数は、「大ボケ」の数の2倍にもなるのです。

認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)は、「アルツハイマー型認知症」の診断について、米国精神医学会が策定した診断基準である「DSM-Ⅳ」の規定内容を疑うこともなく信望していて、その「第一の要件」で確認が要求されている「記憶の障害」に起因した症状並びに「第二の要件」で確認が要求されている失語、失認又は失行(紛い)の症状のいずれかの症状が確認されないと、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えないのです。失語、失認又は失行(紛い)の症状は、いずれも、脳の後半領域の機能レベルを判定する神経心理機能テストのMMSEの得点(30点が満点なのです)が 一桁になるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが衰えてきているお年寄りにしか発病が確認されない極めて重度の症状であり、私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階の症状の中でも後期にならないと発現が確認できない症状なのです。その為、認知症の専門家達の間では、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が発現しているお年寄り達は、見落とされているのです

 

&1  『アルツハイマー型認知症』の発病者数の予測数値と実態の加速

アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄り達の割合について言うと、言い換えると、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄り達の数を併せた発病率はというと、「第二の人生」が始まったばかりの60歳代では12%、70歳代では30%、80歳代になると二人に一人は発病する50%となり、90歳代では75%、加齢の極まりの100歳代では97%、殆どのお年寄りが発病するということになるのです。然も、発病者数は、この先増加の一途を辿るとも予測されているのです。厚労省の予測数値によると、「大ボケ」の段階のお年寄りの数だけで、我が国では、2025年には630万人にも達することになるのです。私たちが幼児であった頃、人生60と言われていた時代には、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りは極めて少数だったのです。寿命(体の寿命)が劇的に伸びたにもかかわらず、言い換えると、『身体が持つにもかかわらず、肝心の脳が持たない』ことが「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの数を激増させているということなのです。この先も続く我が日本の「超高齢化社会」を健全な形で維持する上での国や市町村での短期及び長期の政策を策定し実施するについても、「第二の人生」をこの先長期間に亘って生きていく皆さんにとっても、更には、介護を担う家族にとっても、『「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復並びに症状の進行の抑制』というテーマは極めて重要な問題であり、現状何等の対策が実施されないままに「医療費介護費用を併せた介護関連の総費用」に投入している税金の総額(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断、投薬及び介護の費用に投入している税金の総額)が増加し続けている状況を放置する訳にはいかない、喫緊の極めて重要な『国民的政策課題』なのです。

現在国会で議論されることと言えば、「介護施設」の数を増やしたり、介護施設で働く人達の給与を上げるというレベルのことばかりなのです。毎年度天文学的な規模で増え続けている「介護関連の費用」の削減対策として、もっと根源的な対策となる、「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と早期診断による「回復」とについて、国としての抜本的な政策の在り方を議論していただきたいのです。隣国韓国の大統領降ろしの真似事ではあるまいに、肝心の政策論議はどこかに置き忘れたかのように、これが法治国家の国会審議なのかと疑うばかりの劇場型の国会審議、森友学園の問題や加計学園の問題ばかりの、然も、違法とされる法律も具体的な適用条文の明示も為されないで、声ばかりを張り上げる野党議員の姿、そうした報道に過熱気味のマスコミも、核の開発を推進し、長距離弾道ミサイルを我が国の排他的経済水域内に打ち込んできている北朝鮮の問題も含めて、もっと重要で深刻な政策テーマがあるはずなのに、本来の役割の在り方を忘れ果てているのではないでしょうか。

 

 専門家とは言うものの、実際には、「アルツハイマー型認知症」に対する認知症の専門家とされる人達の考え方はというと、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法が分からないし、発病自体を予防する方法も分からない』とされているのです。裏を返せば、そうした考え方のもとに、発病の予防についても、症状を治すことについても、何等の対策が実施されないままに、放置されてきているのです。その行きつくところが、「アルツハイマー型認知症」に対する診断、投薬及び介護にかかる総費用の額が、2015年度ベースで15兆円を超えてしまった上に、この先その額は更に急激に膨張していくと予測されてもいるのです。後述するように、「脳のリハビリ」による治療の効果が期待できなくなる末期の段階、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階を見つける為に、高額の費用が掛かるだけの意味しかないCTやMRIやSPECTや、果てはPETまで持ち出して(「脳のリハビリ」による回復が可能な「小ボケ」及び「中ボケ」の段階は見落としているのですが)、その上、効きもしない薬を処方しているだけの診断がまかり通っているのです(それらの薬の効能として、「症状の進行が、1年程度遅れることがある」とは、何を根拠にしているのか開発担当者に聞いてみたいのです。因果関係を立証できるはずがないのです)。

その結果、身体が持つことが特徴であるので、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りは、末期の段階にまで症状が進行していく結果、セルフケアにも支障が出てくるようになり、日常生活面での「介護」が不可欠となっていき、その状態が何年間も続くのです。そうした費用、「介護関連の費用」(診断、投薬及び介護)の総額が、2015年度で既に15兆円を超える規模にまで膨れ上がってきていて、この先その額はさらに増大してゆくと予測されているのです。

 

&2 学会、医療業界、製薬業界の問題点

末期の段階になってやっと発病を見つけて居る「アルツハイマー型認知症」の診断(「発病のレッテル」を貼っているだけ)と症状の進行の抑制には効きもしない薬(治療の効能は無くて、アリセプトに代表される単なる対症療法薬)の処方に明け暮れる医療現場、セルフケアもままならなくなったお年寄りの『介護事業』の拡大に奔走する介護業界、あたかも治療薬の開発が可能であるかのような謳い文句ばかり並べていながら、効きもしない薬を開発し製造し続ける製薬業界、それらの業界にとっては、2015年度ベースで年間15兆円もの収入規模であり、今後とも規模が増大し続けると予測されている分野、言い換えると魔法の、打ち出の小槌、そうした状況の維持に極めて有効であり、且つ担保してくれる合言葉が、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法が分からないし、発病を予防する方法が分からない』という主張なのです。『発病の予防』を訴える医師はいないし、『脳のリハビリ』(「前頭葉」が活性化する生活習慣への改善と継続的な実践)により回復させること/症状の進行を抑制することが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で「アルツハイマー型認知症」を見つけようと試みる医師はいないし、回復させることが可能な早期の段階を見つけるには何の役にも立たなくて、費用が高額なだけの機器であるCTやMRIやSPECTやPETの使用を中止して、私たちの「二段階方式」のように精緻な機能を有しつつも(保険点数が極めて低い為費用が安く、診療費を稼げない)神経心理機能テストの活用には無関心な医療業界効きもしない薬(症状の進行を1年程度遅らせるという触れ込みとは裏腹に、副作用ばかりで症状の進行を遅らせる効能は無いのです:「脳の使い方としての暮らし方が、症状の回復や進行に影響する生活習慣要因」により、症状の進行が遅れる効果があることを知らないか、無視しているだけのことなのです:詳細については、このブログの「A-34」をお読みください)を開発し続ける製薬業界、そうした現状を奇禍として事業の拡大に乗り出す介護業界、彼らは、発病の予防にも、早期診断による回復にも、大きな抵抗勢力となるのです(獣医学部の新設に関わる例の加計学園の問題の裏側には、岩盤規制を崩そうとする内閣府と抵抗勢力との間の鬩ぎあいという構図が存在している由)。

何故なら、「アルツハイマー型認知症」こそが、発病を予防することが出来て、早期診断により認知症の症状を治すことが出来る/症状の進行を抑制することが出来るタイプの認知症の典型であるからなのです

 但し、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病及び症状が進行するメカニズムは、廃用性の機能低下であるが故に、脳の使い方としての生活習慣の見直しと工夫だけが発病の予防及び治療に有効な唯一の方法となるのであり、「薬」の出番は皆無なのです。簡単な計算なので、考えてみてください。「アルツハイマー型認知症」の発病を予防すること、然もその予防方法は投薬ではなくて、『前頭葉』(「前頭前野」に局在する前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能から構成されているれている「複合機能体」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の工夫と日々の生活への取り込みと継続的実践により、100%予防することが出来るようになれば、現在税金から支出している15兆円という天文学的な規模の「介護関連費用」の総額はゼロ円となるのです。100%の予防が出来なかったとしても、精緻でありながら費用が極めて安価な「二段階方式」を活用して(CTやMRIやSPECTやPET等の機器は一切使用を止めて)、早期の段階である「小ボケ」や「中ボケ」の段階見つけて、「脳のリハビリ」により回復させることが50%出来るようになれば、 診断費用は激減し、薬代はゼロとなり、介護の為費用も50%になるのです。100%の発病の予防も、早期診断による100%の回復も現実には起こり得ない事なのですが、現在15兆円を超えるという天文学的な規模にまで膨張してきている「介護関連の総費用」を劇的なスピードと劇的に大幅な規模の額とで劇的に減少させることが可能になるのです。但し、抵抗勢力に対する強い世論の後押しがないと、政府は実行に着手できないと思うのです。選挙権の行使をもっと有効にすべく、国会議員の選挙では、言葉の遊びでなくて、具体的な方策を提示する候補者選びの視点を持って頂きたいのです。

ところが、認知症診断の専門医師達は、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の症状ばかりを診断の対象として、且つ、その症状を重度の記憶障害の症状という外観的な観察により判断していて(何故か、CTやMRIやSPECTやPET等を使用したがる。原因の究明には何の役にも立たない機器なのに)並びに、学者はと言うとアミロイドベータ仮説を通説とした4つの仮説が提示されているだけなのです。世界的に通説の地位にあるアミロイドベータ仮説の内容は、マウスにアミロイドβを注入して、注入量に対するマウスの記憶行動の変化を研究するというまるで漫画の世界なのです。その結果、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法が分からないし、発病自体を予防する方法も分からない』と主張しているのです(このこと自体が重大な誤解)。医学会で『仮説』とされている意味はというと、『主張する発病原因=仮説の主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に因果関係が存在していることが実証できていない』(憶測の類)ということなのです。

私たち人間の意識を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能との関係に着目し、もっと軽い段階の症状を判定する方法を開発し、鑑別し、類型化しさえすれば、『「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型単なる生活習慣病(但し、食生活でなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)であり、発病自体を予防することも出来るし、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であれば、症状を治すことも出来るし、症状の進行を抑制することも出来るタイプの認知症である』ことが比較的容易に分かるものなのです。加えて言うと、廃用症候群に属する老化廃用型の単なる生活習慣病であることを本態とする『アルツハイマー型認知症』の場合は、症状の進行を抑制するにも、症状を治すにも、更に、発病自体を予防するにも、何等かの効能を有する「」が開発されることは未来永劫有り得ない事であって、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させるようなテーマの実践を「生活習慣化」することが『唯一無二』の治療法となり、予防法となるのです。このことは、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状を類型化した14689例に上る症例の集積と北海道から九州に至る広範囲の452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」の展開により、疫学的方法により実証してきているところなのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、様々な種類が数有る認知症の中で唯一廃用性の機能低下、言い換えると、生き甲斐いなく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』の継続に起因して発病する病気なのです。然も発病の対象となるのは、60歳を超えた年齢の高齢者で、「第二の人生」を送っているお年寄りだけということなのです。その基礎基盤には、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能について、私たちが発見した「正常老化の性質」が存在しているからなのです。このことを世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師)の誰一人として、気づいていないことが重大問題なのです。

  

米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM-Ⅳ」の「第二の要件」が確認を要求する失語や失認や失行【紛いの】症状が発現してきているお年寄り、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の後期(MMSEの総得点が一桁)になってからでないと発現が見られない症状ばかりに焦点を当てていたのでは、発病の原因も症状を治す方法も発病を予防する方法も分からない(見つけることが出来ない)のは、当然なのです。

認知症の専門家達から見落とされている症状、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の中でも特に、正常域との境界に在る「小ボケ」の段階に焦点を当てることによって、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因並びに症状を治す方法及び発病自体を予防する方法を解明することが出来たのです。その場合、「器質的な病変」ではなくて、「廃用性の異常な機能低下」がKey となるのです。更に言うと、「記憶の障害」に起因した症状ではなくて、「前頭葉の機能障害」に起因した症状であることがKey となるのです。

マウスを追いかけまわしているアミロイドベータ仮説の支持者(我が国では、東大、京大、理化学研究所が牙城)に注意を喚起しておきたいのです。
一つ目は、『アルツハイマー型認知症は、人間だけに特有な「意識」が関わるタイプの認知症であること』を、忘れていませんか。
二つ目は、『人間の記憶は、「注意の分配力」の機能の発揮度が関わる為に、記銘と想起が、マウスの世界で起きているのとは異次元であること』を、忘れていませんか。
三つ目は、『意識的な世界のkな目の機能である「前頭葉」は、単体の機能ではなくて、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能で構成される前頭葉の三御柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能により構成された複合機能体であること』を、忘れていませんか。
 
&3  「軽度認知症」(小ボケ)に特有で、代表的な症状を8項目例示)

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

此処に挙げた症状は全て、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)に特有な症状であり、それらの症状が発現してくるメカニズム(機序)は何かというと、認知症の専門家達が言っているような器質的な病変としての「記憶障害」に起因したものなのではなくて、『前頭葉」

認知症の専門家達はというと、「DSM-Ⅳ」の規定内容の重大な誤りに気づいていない上に、それを鵜呑みにして、むしろ信望さえしているのです

ここで「DSM-Ⅳ」の規定内容の重大な誤りを指摘しておくと二つあるのです。その一つが、『「第一の要件」の内容であり、「記憶の障害」に起因した症状が「アルツハイマー型認知症」の発病の基礎を構成しているとして、その確認が要求されている』ことであり及び二つ目が、第二の要件」の内容であり、『失語や失認や失行【紛い】』の症状(「末期の段階」である「大ボケ」の後期にならないと発現が確認されることが無い極めて重度の症状)の発現の確認が要求されていることなのです。失語や失認や失行(紛い)の症状は、「脳のリハビリ」により回復させることが困難となる「末期の段階」(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階)の更に後期になって初めて発現してくる極めて重度の症状であり、それらの症状が発現してきているお年寄りはと言えば、30点が満点のMMSEの得点が一桁にしかならない人達、意識的に何かの「テーマ」を発想し実行しようにも、肝心の「前頭葉」の三本柱の機能の内で最も高度な機能であり/廃用性の機能低下により最も早くに機能が衰えて行く性質を有する『注意の分配力』の機能が殆ど働かない(結果として、機能発揮上の二重構造の関係にある『実行機能』を行使してメタ認知することが出来ない結果、あいさつ程度の簡単な会話も交わせせないし歯ブラシを握っても、どうしていいかが分からないし、ズボンを頭から被ったりするのです。これらの症状は、失語、失認、失行とは根本的に異なるものであり、発現してくる「脳の機能関係」に無知な人たちからすると、それらの紛いものに見えるだけのことなのです)までに廃用性の異常な機能低下が進行してきている人達であることさえも知らない為に、せっかく発病を見つけても、治すことが出来ないという結果になるのです(「末期の段階」で、発病を見つけることに何の意味もないのです=発病のレッテル貼りをしているだけの診断)。  

 

&4 「アルツハイマー型認知症」の本態と発病のメカニズム

前頭葉を含む脳全体の働き具合」(機能レベル)と厳密にリンクした「アルツハイマー型認知症の症状」(三段階に区分される段階的症状)について、14689例もの極めて多数に上る「脳機能データ」の解析結果から、「アルツハイマー型認知症」は、加齢による脳の老化(60歳を超える年齢の「高齢者」であること=誰の脳にも宿る内因性のものとしての「正常老化の性質」に起因した「前頭葉」の三本柱の機能低下)を発病の「第一の要件」とし、複合機能体である『前頭葉』を含む脳全体の機能を使う機会が極端に減少する『単調な生活習慣』、自分なりに追求する特定のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続起因した廃用性異常な機能低下の進行を発病の「第二の要件」として並びに両者が同時に充足される条件下でのその「相剰効果」に因り「前頭葉の廃用性の加速度的で異常な機能低下」が惹起され、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに機能低下が進行していくことが直接の原因で認知症の症状が発現し、重症化が進行していく病気だと私たちは考えているのです。私たちが独自に解明し、主張している「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状進行のメカニズム(機序)は、世界中の認知症の専門家達が主張しているような「器質的な病変」に起因するものではなく、更には、「記憶障害」の症状に起因するものでもなくて、『第二の人生』の暮らし方における「脳の使い方」としての『生活習慣』の在り様が関わる病気なのです。

「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「第二の人生」を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象として発病する「廃用症候群に属する老化廃用型の生活習慣病であり、「第二の人生」を送る上で、日々展開される『脳の使い方』としての「暮らし方」(生活習慣)の在り様が問われる病気であると私たちは主張しているのです(疫学的方法により、主張内容が正しいことを実証済み

なお、ここで私たちが言う「生活習慣」とは、脳の健康という視点、「脳の使い方」という視点と意味での「生活習慣」を言うことに注意してください。従来型の、運動や食事という視点で言う、身体の健康を維持するための生活習慣とは全く異なるのです

本態が廃用症候群に属する老化廃用型の『生活習慣病』であり、そこで言う「生活習慣」が脳の使い方としての生活習慣である故に、『アルツハイマー型認知症』の発病を予防したり、或いは、症状の進行を抑制し/防止したり、又は、症状を治したりする効能を有する治療薬やサプリメントは存在し得ない(開発されることは、未来永劫、有り得ない)ことだと断言することが出来るのです。様々な程度及び態様の下で発現してくる『アルツハイマー型認知症』の諸症状は、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行したことが直接/唯一の原因で発現してくるのであり、私たち人間の「意識的な世界」(目的的な世界)を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」と言う脳機能、即ち、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の「御者」の役割(脳全体の司令塔の役割)を担っている『前頭葉』が、状況に応じて的確に働くことが出来なくなったことにより(「小ボケ」の段階)/或いは殆ど機能しなくなったことにより(「大ボケ」の段階)、自分が置かれている状況の判断も、実行すべきテーマの発想も、実行内容の企画や計画も、実行結果のシミュレーションとその結果としての修正も、実行の決断と脳の各部に対する実行の指令も不的確(「小ボケ」の段階)/支離滅裂(「大ボケ」の段階)になってしまう結果が、「認知症の症状」として発現してくるだけのことなのです。

上述の「小ボケ」の段階で確認される症状の類型が正にそれであり、「大ボケ」の段階で確認される症状の類型が、以下のようなものなのです。これらの症状は、有力な学説として最近注目されている『「前頭葉前野」という部位の損傷を含む器質的な病変が症状発現の原因』と主張する「仮説」との間には、肝心の「因果関係」自体が存在していないことを指摘しておきたいのです。

「器質的な病変」とそれに基づく末期の段階の症状(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状)ばかりに焦点を当てているので、そのような誤解が生じてくるのです。『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階の症状(類型の一部について上掲)が発現しているお年寄り100人を無作為に選んで、「前頭前野」について、CTやMRIで確認すれば、損傷を含む器質的な病変が確認されないことを容易に知ることが出来るのです。

更に、様々な状況下での強度の/極度の不安や恐怖や衝動に基づく様々な感情の発露、或いは行為の選択が、「情動」に規制されているとする最近の学説も、基本的な誤りを犯しているのです。そもそも「情動」は、大脳辺縁系に属する「扁桃体」が専管する脳機能であり、扁桃体が「前頭葉」を規制し、支配し、コントロールしているのではなくて、『前頭葉』が「扁桃体」を経由して送られてくる感情の一種としての情動を(前頭葉の構成機能である評価の物差しの機能による自由意思に基づいての)規制、評価、選択、コントロールしていること並びに様々な状況下での様々な感情の発露、更には、行為、実行の内容、実行の手段及びその程度や態様の最終的な選択及び実行の決断は、扁桃体という機能の働きである「情動」が規制しているのではなくて、「前頭葉」の機能の一つである「評価の物差し」の機能による評価、注意、関心、選択に基づくもの(即ち、複合機能体としての『前頭葉』の働き)と私たち二段階方式は、考えているのです(その背景には、「意識の機能構造」についての私たち二段階方式独自の理解があります)。

規制するための困難度の差異はあるものの、右脳を経由する感情だけでなく、扁桃体を経由する情動も、『前頭葉(評価の物差し)』による規制(抑制)の対象であり、且つ、規制の網が働いていることを知るべきなのです。

 

&5 「重度認知症」(大ボケ)に特有で、代表的な症状8項目を例示)

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、子供を配偶者と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

私たちが『脳のリハビリ』(「前頭葉」を活性化させる生活習慣の改善と工夫)により回復させることが可能であるか及び症状の進行の抑制が可能であるか否か並びにその可能性の程度から三段階に区分する「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階(私たちの基準で言うところの「改訂版かなひろい」テストが不合格で、MMSEの換算値が24点~30点)では、左脳、右脳及び運動の脳の働き具合は未だ正常なレベルにあるのですが、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」の働き具合だけが、「異常なレベル」に衰えてきているのが特徴なのです。

アルツハイマー型認知症』の場合は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的な症状が発現してくるのが特徴でありこのように、私たちの『意識的な世界』(目的的な世界)を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔としての役割、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の「御者」としての役割を担っている、「前頭葉」の働きだけが異常な機能レベルに衰えていくことから認知症の症状(初期症状)が発現してくるのが特徴なのです。

※1 権威とされる機関(専門家達)は、重度の物忘れの症状(「DSM - Ⅳ」の第一要件が確認を要求)及び失語、失認、失行(紛い)の症状(「DSM -Ⅳ」の第二要件が確認を要求)を確認して初めて、『アルツハイマー型認知症』の発病であると誤解しているのです(認知症の診断が専門の医師達も同じ)。
※2 『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として、治すことが出来ない』タイプの認知症ではないのです。医師達が、「発病を見つけている段階が遅すぎる為に治せないだけ」であることを問題提起したいのです。

米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-Ⅳ」の規定のように、「失語」、「失認」「失行」(紛いの症状)という末期の「重度認知症」の段階の更に後期の段階(30点が満点のMMSEの得点が一桁にしかならないまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能の機能レベルが衰えてきている)にならないと発現することがない「極めて重度の症状」の確認を診断の要件としていたのでは、このような「本当の意味での早期の段階」(「脳のリハビリ」により、症状を治すことが可能な段階)の症状を見逃してしまうことになるのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルにまで回復させることがもはや困難となる段階であり、食事をしたり、服を着たり脱いだり、入浴したり、大小便をしたりする等の「セルフケア」もままならない状態、日常生活面で『介護が不可欠』となる段階で「アルツハイマー型認知症」の発病を見つけることに何の意味があるのかと聞きたいのです。

上述の「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、脳の器質的な変化は起きてきていなくて、「機能レベルの異常な低下」(機能の廃用性の異常な低下)が起きてきているに過ぎないのです。理由は、この初期の段階で発見できれば、「脳のリハビリ」によって、「前頭葉」の機能は「正常なレベル」に比較的容易に回復させることが出来る(「アルツハイマー型認知症」の症状自体を治すことが出来る)からなのです。更に、「中等度認知症」(中ボケ)の段階(私たちの基準で言うところの「かなひろい」テストが不合格で、MMSEの換算値が15点~23点)では、左脳と右脳の働き具合も異常なレベルに衰えてくる上に、司令塔の「前頭葉」の働き具合は、「軽度認知症」(小ボケ)のときに比べて更に異常なレベルに衰えてきていることに注意が必要です。

なお、このレベルでも、MMSEの換算値が20点以上を確保できている「中等度認知症」(中ボケ)の前期までの段階であれば、脳の器質的変化は未だ起きてきていなくて、機能レベルの異常な低下(廃用性の異常な機能低下)が起きてきているに過ぎないのです。理由は、この段階で発見できれば個別の周密なものではなくて「集団」レベルでの「脳のリハビリ」によってでも、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが未だ可能だからなのです。ところが、MMSEの換算値が15点から19点までの「中等度認知症」の後期レベルにまで脳全体の機能が衰えてくると、「個別」での頻度と密度の濃い「脳リハビリ」を取り入れることにより、正常な機能レベルに回復させることが未だ可能ではあるのですが、家族を含めた支援態勢と個別のメニューの工夫という厳しい条件下での「脳リハビリ」の実施という困難が伴うことになってくるのです。但し、回復させることは未だ可能なので、この後半の段階であっても脳の器質的な変化自体はまだ起きてきてはいないということなのです。

私達がアミロイドベータ(老人斑)の蓄積やタウ蛋白の蓄積(神経原線維変化)は、「アルツハイマー型認知症」発病の原因なのではなくて、発病の結果に過ぎないと主張する根拠がここに在るのです。

 

&6 発病の予防と「第二の人生」での生き方の「基本的な理念」

廃用性の生活習慣病(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)を本態とする「アルツハイマー型認知症」の発病を予防するには、脳の活性化、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する脳の使い方としての「生活習慣」が求められるのです。「仕事」の遂行が生活の中心であった「第一の人生」とは異なり、仕事とは無縁となる「第二の人生」では、生き方そのものが変わり、その基礎となるべき考え方や価値観も変える必要があるのです。「脳の使い方」についても劇的な変化が求められ、「左脳」(仕事や勉強に不可欠の脳)が中心であった「第一の人生」とは異なって、「第二の人生」では「右脳」(趣味や遊びや人付き合いを楽しむため不可欠の脳)が主役となる「生き方」が求められるのです。

自分を中心に据えて(但し、利己的という意味ではないことに留意する)、「自分らしく、自分なりに」を基本に据えて全てを考え、行動することが求められるのです。自分の考えだけで自由にできる時間が思う存分使える自由を満喫する贅沢な生き方が、「前頭葉」を中核とした脳全体の活性化、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する為には、必要不可欠の条件となるのです。

 なお、この場合誤解のないように皆さんに理解して頂きたい最も重要な考え方を言っておきます。自分の脳が活性化するテーマを「生活習慣化」するということは、何年間にもわたって継続できるということを意味します。その為には、自分にとって楽しいものであること、楽しみながらやれることが必要不可欠の条件となります。言い換えると、絶対に他人(周りの人達)と比較してはならないということなのです。他人と比較すると、どうしても格差が生じてきます。もって生まれた才能も違えば、幼児期の家庭及び家族環境も異なれば、社会人としての生きてきたキャリアも異なります。その上、「第二の人生」を生きている現在の生活環境や生活条件の格差、或いは、肉体的な条件の差もあります。どんな人であれ、何事についてであれ、何時も勝ち組になれる訳のものではないでしょう。負け組と感じると、結果として、楽しくなくなり、意欲がしぼんできて、長続きしなくなってしまうのです。「他人は他人と割り切り」、加えて、「自分なりの目標を設定して、自分なりのやり方で実行して、自分なりに楽しめて、熱中できるもの、そして、自分なりの喜びや生き甲斐に繋がること」が、極めて重要なのです。「やりたいことを、やりたい時に、やりたいようにやる、出来ればやりたい人達と」、「第一の人生」ではありえなかったこのやり方を「第二の人生」では思う存分楽しんでいただきたいのです。

「仕事」中心で生きてきた「第一の人生」での価値観、評価の尺度とは全く異なる、或る意味で全く逆の物が必要となるのです。そうでないと、何かにつけて、何事につけて、「意欲」が落ち込むこととなり、『肝心要の「前頭葉」の機能レベルを身体が持つ限り正常な機能レベルに保ち続ける』ことが出来なくなってしまうからなのです。そうでなくても、「加齢」と共に、「前頭葉」の機能が「正常老化の性質」の為に衰えて行っているからなのです。嫌な出来事や、辛いことや、哀しいことに「耐える力」も、「前頭葉」の機能の一つであり、「正常老化の性質」により、「加齢」と共に衰えてきているからです。

 

&7「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」の展開

私達が北海道から九州に至る広範囲な地域、452を数える市町村での住民参加型の「地域予防活動」を展開してきた中で、最も特徴的で印象に残っていることと言えば、「第二の人生」を送っている「お年寄り」が「家に籠り勝ちの生活」をしているケースが極めて多いということなのです。年を取るということは、身体の基礎体力が衰えて来て免疫力が低下してきます。加齢に伴う機能低下の進行により「前頭葉」の機能も衰えて来ます。「前頭葉」の個別認知機能の一つである「耐える力」が衰えてくるのです。体調が少しばかり思わしくない時や、ほんの少しばかり辛い出来事があっただけで、心が萎えたり、折れてしまったりするのです。廃用症候群に属する「生活習慣病」を本態とする「アルツハイマー型認知症」にとって、「第二の人生」を送っているお年寄りが、「家に籠り勝ちの生活」をするということは、そのことだけで、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていく、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の発病のリスクが高くなるということなのです。脳の活性化、「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常な機能レベルを保つ生活習慣の実践という場合に最も重要な要素はというと、それは、「家の外に出て行って、他人と交わる機会を出来るだけ多く持つ」ということなのです。芸術家のような特別の/特殊のレベルの「右脳の優位性」が備わっている人達を除いて、右脳の機能レベルが一般のレベルである皆さんの場合は、家の内に籠っていたのでは、「前頭葉」を活性化させるテーマを見つけること自体が極めて困難になるのです。家の外に出て行って、「他人と交わる」ということは、何らかの「テーマ」について言葉を交わす機会が必然的に多くなることを意味します。家に籠って心が萎えていたり、折れたりしていた場合は、猶更のことなのです。外の空気を吸い、気分が転換されるだけで、心も張れるのです。その上、「交流の駅舎」で人出会って、何かのテーマで話が弾めば、その際には、相手の話の内容を聞き取り概要を理解するにも、相手に対して言葉や表情や態度で反応を返すにも、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し下支えする役割を担っている「前頭葉」の三本柱の機能、即ち、「意欲」、「注意の集中力」の機能だけでなく、最も必要で重要な機能である「注意の分配力」の機能の出番が必然的に増えることになるのです。「注意の分配力」の機能の出番が増えるということは、「前頭葉」の機能の活性化に直結しているということなのです。

そのベースの基地として、次回のブログで提案する、『廃校や空き家』の活用による「交流の駅舎」の運営が極めて有効、有益な施策となるのです。


注)本著作物「Bー85」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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市町村による住民参加型の「地域予防活動」の展開(B-75)    

2017-01-25 | アルツハイマー型認知症の予防を国民的テー

 

 & 仕事とは無縁の「第二の人生」を何十年も生きる意味とは

プロローグ)マスコミ報道によると、今年2017年は、病気の診断や治療法の研究などで人工知能(AI)の活用が加速される年になると予測されています。その大きなテーマの一つが、「アルツハイマー型認知症」の治療及び予防に最適な医薬品の開発や症状の発現及び進行の原因の解明とされているのです。皆さんご存知のように、同様の解析方法によって、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の立証がないままに、これまで、ココアや赤ワイン、或いは青魚の摂取が発病との間で因果関係が存在するかのような誤った報道が為されてきたのです。AIと言うのは、大量のデータをコンピューターに読み込ませておいて、自動的に特徴を抽出する技術に過ぎないのです。解析の対象となるデータに、従来型の食生活と言う視点での生活習慣の要因、ワインやココアや青魚の飲食しか読み込ませていなくて、肝心の脳の使い方としての「生活習慣」の中身とその実践の程度とが読み込ませてないのであれば、AIは、誤った結果を抽出してしまうことになるのです。「アルツハイマー型認知症」の本質について、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した病気、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行によるものだとする考え方及び「発病の要件」として、『「第一の要件」に60歳を超える年齢の「高齢者」を及び「第二の要件」にナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」、脳の使い方としての単調な「生活習慣」を挙げて主張する人達は、研究者であれ、学者であれ、医師であれ、この日本中だけでなく、世界広しと言えど私たち以外には存在しないのです。言い換えると、何処の医療機関のデータを解析の対象にしようと、脳の使い方としての「生活習慣」を読み込ませることは出来ないのです。強いて可能性として挙げれば、運動くらいの物しか期待できないのです。皆さんもご承知のように、これまでは、飲食と言う「生活習慣」面の項目だけしか読み込ませていなくて、それが為に、実は何の関係もないものなのに、そうした項目があたかも発病との間に「因果関係」があるかのような誤った解析(誤った特徴の抽出)がなされてきただけのことなのです。要は、どのような視点から、どのような項目を解析の対象となるデータとして読み込ませてあるかが最も重要なことなのです。深層学習機能により、人工知能がプロの将棋や囲碁の棋士に勝つようなところまで機能が充実してきたからと言っても、それは過去のプロ棋士による「実戦譜」とその要点を読み込ませてあるが為に強いだけのことであって、AIを活用するということだけで、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムが解明されることには直結しないのです。それよりは、私たちが「二段階方式」の「手技」の活用により集積してきた14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」の解析の方が、正しい発病原因の情報を与えてくれるのです。その「脳機能データ」の解析結果と全国440を超える市町村で展開を指導してきた住民参加型の「地域予防活動」の実践の成果の方が発病のメカニズム及び症状進行のメカニズム更には、発病自体を予防する方法及び症状を回復させる(治す)方法の解明には遥かに役に立つのです。

私たちが発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムを解明し、発病自体を「予防」したり、本当の意味での早期の段階で見つけて「治す」方法を解明した結果並びにその実践の成果とに基づいて言うと、「アルツハイマー型認知症」の発病についての「第一の要件」は、『第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』であり(私たちが、「脳機能データ」を解析し発見した「加齢」に起因して起きてくる「前頭葉」機能の正常老化という問題であり)、「第二の要件」は、日々を暮していく上での脳の使い方としての「生活習慣」について、『「前頭葉」の出番がどの程度あるか否か』、言い換えると、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を送っているか否か』、すなわち、『「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した衰えの進行』という項目を「判定の対象項目」に取り入れていない限り、正しい解析結果を得ることは出来ないことなのです。「ビッグ・データ」の解析が即ち正しい判定結果につながるという程に単純なものではないのです。要は、「どのような項目を解析の対象項目に取り入れているのか」が最も大事なことなのですから。その意味で、こうした報道の仕方も、やや雑に過ぎると思うのです。

   

&「アルツハイマー型認知症」のお年寄りに対する「家族介護」の問題

私たちの区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」や「中ボケ」の段階であれば、「家族介護」にも重要な意味があるのです。要求される「脳のリハビリ」の実行自体を家族が支えることが不可欠ではあるのですが、脳の機能レベルに対応した「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)が要求されるだけなので、それ自体はそれほど家族の負担にならないだけでなくて、「脳のリハビリ」の実践を家族が支えることにより、発病者を正常な機能レベルに回復させることができるからです。家族にとっても大きな達成感が得られることになるのです。

これに対して、私たちの区分で言う末期の段階、大ボケ」の段階にあるお年寄りを家族が支えるということは、「脳のリハビリ」による回復の道が閉ざされてしまっていて、「大ボケ」の枠の中での更なる症状の重症化が進んでいくという極めて困難な状況の下で、家族が本人のセルフケアを支えることだけが要求されるという内容となってしまうのです。前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルがそこまで衰えてきてしまっていると、「脳のリハビリ」の効果が期待できなくなり(「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてくる中で、「大ボケ」の段階の症状が発現してくるまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきてしまっていると、「脳のリハビリ」を実行する目的も意味も理解できないだけでなくて、「脳のリハビリ」の内容を理解できないし、その実行の仕方を理解することも出来ないが為に、「脳のリハビリ」の実行自体が不可能となってしまうのです)、そこには「介護」しか残されていないということなのです。

  

& 関心を寄せて、問題意識を持っていただきたいのです

 前回(2017.01.01)のブログで、色々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症であること並びに「アルツハイマー型認知症」の本質は廃用症候群に属する「生活習慣病」(但し、此処で言う「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣」であることに留意する)であって、発病自体を予防することが出来るし、早期の段階で見つければ治すことが出来るものであることを明確にしました。そこで今回は、住民参加型の地域予防活動」の必要性と重要性について問題提起したいと考えるのです。何しろ、「アルツハイマー型認知症」の発病の診断投薬及び末期の段階にまで症状が進行した発病者の介護の為の総費用が、2015年度の実績ベースで15兆円を超えるという天文学的な規模に達していて、この先その額は、更に増大の一途を辿るものと予測されている重大問題だからなのです。

発病自体を「予防」し並びに早期の段階で見つけて「治す」しかこの問題の解決方法は有り得ないのです。これまでにもこのブログで詳細な根拠を提示して、指摘し問題提起してきたように、発病のメカニズム及び症状が重症化していくメカニズムから言って、発病自体を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制したりする効能を有する「薬」が開発されることは、未来永劫有り得ないことだからなのです。『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、発病の原因が不明であって、治すことが出来ないし、発病を予防する方法が見つからない』とか言って、この問題をむしろ奇禍として、売り上げの獲得だけに腐心しているのが医療機関なのです。発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すという命題に真摯に向き合うことが出来るのは、市町村の保健師さん達だけなのです。その保健師さん達の活動を後押しし、住民参加型の「地域予防活動」の展開を拡大していくには、皆さん個人の理解と参画とが必要不可欠となるのです。

   

 &「アルツハイマー型認知症」の正体が廃用性「生活習慣病」であるということについては、二つの重要な側面があるのです。

第一の側面は、「アルツハイマー型認知症」を、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけるには、私たちが開発した「二段階方式」のような使い勝手が良くて且つ精緻な診断ができる「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるということなのです。然も、「神経心理機能」テストによる「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」の判定と廃用性の機能低下の基礎となる過去数年間の脳の使い方としての生活習慣(「生活歴」)の聞き取り並びに「生活歴」の聞き取りに基づく脳を活性化させるための「生活習慣」の改善指導がと回復と予防の方法になるので、投薬や手術といった「医行為」が必要とならないのです。ついでのことに付記しておくと、医療機関が活用したがるCT(コンピュータ断層撮影装置)やMRI(磁気共鳴画像装置)やPET(陽電子放射断層撮影装置)やSPECT(単光子放射断層撮影装置)等の診療費が極めて高額な機器の使用並びに機器の使用に付加的に良く活用している「長谷川式」(脳の後半領域「左脳と右脳」の働き具合の判定)の使用では、肝心の「前頭葉」の機能レベルの判定には全くのこと役に立たないのです。「前頭葉」の機能レベルを精緻なレベルで判定できないのでは、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階で(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)「アルツハイマー型認知症」を見つけることは出来ないということなのです。

「第二の側面」は、発病の有無及び症状の程度を「診断(判定)する方法」が、肝心の判定自体には何の役にも立たず無用の長物に過ぎないCTやMRIやPETやSPECT 等の保険点数が高くて高額な治療費を稼げるだけの機器は不必要であり、逆に、「二段階方式」のような保険点数が極端に低いが精緻な判定が可能である「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるので、医療機関にとっては事業としてペイしないということが重要なポイントなのです。その上、症状の進行を抑制したり、或いは回復や予防に効く「」はそもそも存在し得ないものなのであり、医療現場で現在行われている「投薬」は、「無用の長物」として不必要となるからなのです。

         

コーヒー・ブレイク)認知症が専門の医師達から「原因不明で治らない」とされている「アルツハイマー型認知症」からの回復は、本人にとっては勿論のこと、家族にとっても極めて大きな意味があります。

私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状、末期の段階の症状が発現してきていないと「アルツハイマー型認知症」の発病とは診断しない医師達が言う早期の段階と言うのは、「大ボケ」の段階の前半の症状が発現している段階、MMSEの換算後の得点で言うと、14点から10点までの段階を捉えて言っているので、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階のことを言っている訳ではないのです。ところが、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)を見つけるには、「二段階方式」のような精緻な「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるのです。「前頭葉」の機能レベル、就中、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能についての精緻な判定が不可欠となるからです。CTやMRIでは、形しか計測できないので、早期の段階を見つけることはできません。たとえ「f-MRI」や「PET」や「SPECT]を使用しても、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能についての精緻な判定は困難なことなのです。

「アルツハイマー型認知症」の本質は、脳の使い方としての「生活習慣病」であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくものなので、見つけられないで放置されたままでいると重症化が進み、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)になります。診断に際して高額な費用が掛かるCTやMRIやPETやSPECTを使っても、末期の段階である「重度認知症」の段階で見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ、回復させることは困難なのです。「重度認知症」の段階で見つけていたのでは、「大ボケ」の枠組みの中での「更なる重症化」が進行していくだけという介護の生活の継続とその負担の中で、診断費用や介護の負担だけでなく介護費用も大変となり、周りの家族だけでなくて、自治体や国にとっても、介護保険制度の財政面からもこの先不可避的に重大な政策問題となってくるのです。天文学的な規模で増大の一途を辿っている現状に鑑み及びこの先の更なる増大という問題に鑑み介護保険の料率を野放しに増やしていくことは政権を担当する与党にとっても極めて困難な問題となってくるのです。

     

〇 医療現場の実態

テレビがいろいろな種類のものを取り上げるので認知症にも種類がたくさんあることは、皆さんもご存じだと思います。その種類が数ある認知症の中で、「アルツハイマー型認知症」が認知症全体の90%以上を占めているのです。高齢化の更なる進行が予測される中で、このまま放置していたのでは、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄り達の数も増え続けることが予測されているのです。その「アルツハイマー型認知症」こそ、保健師さんにとって、「保健及び予防活動」の最も重要な対象となる「テーマ」だということなのではないでしょうか。発病自体を「予防」することが出来るし、更には「治す」ことも出来るのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であって、発病自体を「予防」し及び症状を「治す」為には、「前頭葉」の出番が出来るだけ多い「生活習慣」の構築と実践、言い換えると、「脳の健康」と言う視点からの保健指導活動が唯一の方法となるものなのです。然もこうした活動には、「医行為」という問題は、全く関係してこないのです。

一方で医療の現場では、「前頭葉」を含む脳全体の機能を、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)で見つけるには何の役にも立たない、CTやMRIやPET等の機器(医療機関側から見れば、保険点数が高いので高額の診療費を稼げる)を使用して、回復させることが困難となる末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、その前半を初期とし、後半を後期と位置付けているのですが、「前半であれ後半であれ、もはや治すことは「困難」であり見つけるのが遅すぎる)、おまけに、効きもしない「」を何種類か処方してみるというだけの診断がまかり通っているのです。それらの薬は症状を治す効能を有しているのではなくて、「発揚」させたり、或いは「抑制」させたりと言った対症療法的な効能しか有しないのです。それを症状の進行を抑制する効果があると誤解していて、有用な「治療方法」と信じている医師が多いのにも驚かされるのです。

売上高を稼ぐことを至上命題とする医療機関は、必要な規模での売上高を稼ぐことが出来ない「アルツハイマー型認知症の「予防」にも、或いは、本当の意味での早期の段階で見つけて「治す」ことにも、何の興味も関心も持てないでいるのです。

   

アルツハイマー型認知症」は、回復可能な早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)の診断(判定)にはCTもMRIもPETも不必要(無意味)なのです。本当の意味での早期の段階で見つけることが出来れば、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルへの回復が可能である上に、その為の治療には薬が不必要なのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させることが出来る、治療の効能を有する「薬」は、世界のどこを探してみても未だに開発されていませんし、未来永劫あり得ないことなのです)。診断している医療機関も、薬を開発している製薬会社も、「前頭葉」の働きについての知識と理解が浅すぎるというしかないのです。認知症の専門家、就中「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達が、「DSM-4」の規定の重大な誤りに早く気付くべきなのです。加えて、アミロイド・ベータ説やタウ蛋白説の主張内容の重大な誤りに早く気付くべきなのです。そのことによって、「アルツハイマー型認知症」の本質が、廃用症候群に属する単なる生活習慣病に過ぎないことが確認され、理解された時、世の中は、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とし且つ、それに特化した活動として、住民参加型の「地域予防活動」を国策として我が国の隅々にまで展開して欲しいと考えるようになるはずなのです

将来的に「アルツハイマー型認知症」を発病して、介護が必要となった時に備えて、自分の消費行動自体を抑制して、貯蓄に励んでいるお年寄り達が、家の外に出て行って、幅広く交遊の輪を広げて、趣味や遊びや人付き合いや運動、或いは、地域興し等の活動に積極的に参加するようになれば、更には交遊の為に、或いは「第二の人生」をもっと楽しむ為に浴室やキッチンやリビング等の一部をリフォームするようになれば、地域経済自体も活性化してくることになるのです。

    

& 住民参加型の「地域予防活動」の展開により介護費用の大幅な削減が可能に

2015年度ベースで15兆円を超える規模にまで膨れ上がっている介護関連の費用(診断、投薬及び介護の為の費用。以下、介護関連総費用と言う)の一部を取り崩す形でこの「地域予防活動」に振り向けていけば、僅か数年が経過する内に増大の一歩を辿るものと予測されている「介護関連総費用」が急速に減額していく明確な成果を生むこととなり、その減額分を子育て支援などのわが国に必要不可欠の重要な政策の実施に振り向けていくことが出来るようにもなるのです。

 私達が蓄積してきた「アルツハイマー型認知症」を発病した人達の多数のデータを解析すると、正常下限から「小ボケ」へ、「小ボケ」から「中ボケ」へ、「中ボケ」から「大ボケ」へと症状が進んでいくにつれて、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことが分かるのです。発病の前後を通じて、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性(日常の生活面で、使われる機会が極端に少ないことによる機能の低下)の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが分かるのです。そして、医師達が「アルツハイマー型認知症」の発病と診断している症状とは、末期の段階の症状、「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」自体の衰えを直接的に反映したアウト・プットとしての「大ボケ」のレベルの症状が発現してきているだけのものなのです(「大ボケ」の段階の更に後半にならないと発現が確認されない症状、「DSM-4」の規定が「第二の要件」として確認を要求している「失語や失認や失行」の症状が発現してくるようになると、「前頭葉」は殆ど機能していないことが分かるのです)。

   

&「アルツハイマー型認知症」に効く薬など存在し得ないのです

 医療の現場では、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を和らげ、或いは抑制する効能を有するとした薬が処方されているのですが、そもそも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状重症化のメカニズムに鑑みて言えば、症状の進行を和らげるものであれ、症状を治すものであれ、そもそも「アルツハイマー型認知症」に効く薬など未来永劫存在し得ないことなのです薬の効能とは全く別の要因の存在、症状の進行を和らげ、抑制し、或いは症状を回復させる働きを有する要因である脳の使い方としての「生活習慣」、廃用性の機能低下で衰えてきた「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の回復に作用する脳の使い方としての「生活習慣」という要因について無知であるが為に、当該の薬を製造している製薬会社による「因果関係の評価自体がずさんなだけなのです。そのことについては、私たちが集積してきた「脳機能データ」が明確に証明していることなのです(ここを「クリック」してください)。

 自分が置かれている状況を判断し、その状況判断に沿った「テーマ」を発想し、「テーマ」に沿った実行を企画、計画し、その実行の内容を組み立て、記憶の倉庫に内蔵している判断基準に基づいて最終的な実行内容を選択して、決定する働きをしている、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きが、「薬を飲む」(薬を貼る)だけで機能回復することなどありえないことなのです。「前頭葉」は、左脳、右脳、運動の脳の三頭立ての馬車の「御者」なのです。「脳の機能」を回復させるには「前頭葉」の機能を回復させることが不可欠になるのです。「前頭葉」の機能を回復させるには、しっかり「使う」ことしか方法はないのです。発病者本人にとって「前頭葉」の出番が出来るだけ多い生活の仕方を組み立て実行するしか他に方法は無いのです。薬が効くような代物ではないのです。

「本当の意味での早期の段階の判定及び早期段階からの回復や発病の予防」のために不可欠である「神経心理機能」テストの使用及び脳を活性化する為の「生活習慣」の改善のための指導は、事業として必要となるだけの「収益」をあげることが期待できないのです。医療機関といえども事業体ですので、必要な規模での収益が上がらない事業を継続的に実施していくことはできないのです。従って、「収益はあげられなくても、費用が減るメリットがある」ことで事業として継続して展開できる自治体や国でしか、対応が期待できないということになるのです。

       

「アルツハイマー型認知症」には、他の種類のどの認知症とも異なる、明確で且つ重要な特徴があります。皆さんお気づきでしょうか。

それは何かというと、発病する対象者が、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られているということなのです。若い年齢では発病しないということなのです。アミロイドベータの蓄積による老人斑の生成とか(アミロイドベータ仮説)、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化とか(タウ蛋白仮説)が発病の原因であるとしたら、この実態をどのように説明することが出来ると言うのでしょうか。

 私たちは、「脳機能データ」の解析結果から、このことを明確に説明できているのです。私たちが集積してきた14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」によると、私たちの意識的な世界を構築し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能には、生来的な性質として、日々の脳の使い方としての「生活習慣」の内容の如何に拘わらず誰でも、「加齢」によりその働き具合が衰えていくという性質があるのです。その衰え方のカーブはと言うと、20歳代の前半が機能レベルが最高であって、以降は100歳に向かって緩やかに直線的なカーブを描いていきながら衰えていくという性質があるのです。特に、第二の人生が始まったばかりの65歳時で言うと、全盛期の半分くらいの機能レベルにまで衰えてきているのです。更に、「アルツハイマー型認知症」の年代別の発症率で言うと、60歳代ではその12%、70歳代ではその30%、80歳代ではその50%、90歳代ではその75%、100歳代ともなるとその97%もの人が、アルツハイマー型認知症を発病しているという実態があるのです(但し、 ここに示した数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全てを含んだ数値であることに注意する。厚労省が発表している数値は、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りの数値は含まれていなくて、末期の段階の「大ボケ」の段階のお年寄りだけの数値であることに留意する)。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、誰でもが80歳や90歳まで生きるようになった「超高齢化社会」に特有の社会現象であり、産物なのです。

日本は世界に先駆けて「超高齢社会」に突入しています。この先、高齢化が更に進んでいく中で、医療機関も国も市町村も、何もしないでこのまま手をこまねいて放置していると、高齢者の大半は、「身体が持ちながら、脳が持たない」結果として、行き着くところは「アルツハイマー型認知症を発病したお年寄り」の更なる増加という、悲惨な将来像が、はっきりと見えてきているのです。厚生労働省が発表している認知症のお年寄りの数460万人というのは、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りだけの数なのです。「重度の記憶障害」という誤った医療指針の為に見逃されている回復可能な「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の3倍にもなるのです。然も、「大ボケ」の3倍の数にもなる「小ボケ」と「中ボケ」の段階の人達は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を見直して、脳を活性化する「生活習慣」を日常生活に取り込身、構築し、実践することにより、正常なレベルに「回復」させることが出来るのです。財政面は国の負担とし、活動面は市町村を主体として、「アルツハイマー型認知症」の予防並びに早期段階の発見と回復を実践して、「小ボケ」と「中ボケ」になるお年寄り自体の数を減らし、更には「重度認知症」に重症化していくお年寄り達の数を減らす「政策」を継続的に実行するのです。そのうえで、「重度認知症」のお年寄り達に対する「介護保険」の適用を手厚くすることが重要だと思うのです。そうすれば、「認人介護」とか「介護離職」とかの悲惨な社会現象は消えていき、過去の時代のものとなるのです。

         

& 「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防と早期診断による回復の為の活動を担う中核となる人は、医師ではなくて保健師さんなのです

〇 発病の予防及び早期の段階で見つけて治す方法は、「前頭葉」を活性化する「生活習慣」の改善指導と「脳のリハビリ」指導が唯一無二の方法となるが為に、発病の診断に際してはCTやMRIやPETと言った保険点数が高くて極めて高額な治療費を稼げる機器は不必要となり、謳い文句とは違って症状の進行を抑制する効能を有していない投薬も不必要となるので、売り上げの確保にしか興味が持てない医療機関は、そうした活動には何等の関心を持つことが出来ないのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の「予防」と早期診断による「回復」という、超高齢化社会で最も重要となる「テーマ」の遂行には、「医行為」は全く関係なくて、医師ではなく「保健師さん」がその「主役」となって活動することになるのです。

このブログで詳細に説明してきたように、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし治らない病気」という考えは、誤りなのです。「重度の記憶障害」という誤った医療指針に基づいて、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りばかりを見つけて診断してきた精神科医の誤解が原因なのです。

 これまでのブログで詳細にメカニズムを説明し、開示した根拠となるデータからも分かるように、「アルツハイマー型認知症」は廃用性の「生活習慣病」なのです。早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を見直し、脳を活性化する「生活習慣」を日常生活に取り込むことにより、正常レベルに「回復」させることが出来るし、「予防」することもできるのです。「高齢者」を抱える個々の市町村が実施の主体となり、行政活動の中の重要なテーマとして「アルツハイマー型認知症」の予防活動を位置づけ、住民参加型の「地域予防活動」について、「継続性」を持って取り組むことが重要となるのです

「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」に取り組む専門の保健婦さんを配置して、地域のいろいろな組織やボランティアを取り込み、継続的な自主活動として、出来るだけ小さな「地域単位」で密度の濃い予防活動に取り組むことにより、何等の対策も為されないままに放置されてきて既に天文学的な規模となってしまっている「介護関連の総費用」を劇的に削減させることが期待できるのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や早期の段階で見つけて治すことには無関心で、その診断に際しては、保険点数が高いだけで早期の段階の判定には向いていないCTやらMRIやらPETと言った機器を動員して、おまけに回復させることが困難となる末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、更には、効きもしない薬を何種類か処方しているというのが医療現場の実態なのです。そうした売上高第一主義の医療機関に対策を委ねたままにしていたのでは、「介護関連の費用」はどこまでも増大していくだけのことなのです。医療機関や製薬会社にとっては、『アルツハイマー型認知症は、原因が分からないし、治すことも予防することも出来ないタイプの認知症である』という「錦の御旗」を掲げて居さえすれば、そのことが、極めて大きな、天文学的な規模での売上高の維持と増大につながっているという訳なのです。現状はと言うと、医師としてのプライドや使命感は、何処かに、置き忘れてしまっているとしか言いようがない状態に在るのです。

         

アルツハイマー型認知症」を予防する為の「生活習慣」の確立を目的とした生活改善の指導は、脳を生き生きと使う「生活習慣」を個々人が日常生活に取り込み、実践することが核になります。それは、生き甲斐なく、趣味なく交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」と裏返しの生活が「指標」になります。

前頭葉」に十分な情報が上がっていき、「前頭葉」の機能がフルに働くような「生活習慣」、特に、趣味や遊びや人付き合いの場面での働きを司る「右脳を中心とした生き方」を指標として、脳イキイキ教室で体験させ、日々の生活に自分なりの「前頭葉が活性化する生活習慣」を構築させ、実践させるように指導することが重要となります。これまでは、「身体の健康」というテーマについて大きな役割を果たしてきた保健師さんたちは、これからは、「脳の健康」という大きなテーマについて極めて重要な役割を果たすことが期待されているのです。

介護保険で期待されている、従来型の「身体介護サービス」提供の担い手ではなくて、「生き甲斐創造の手助け」となる新しいタイプのサービスを提供する担い手になっていただきたいと切に願うのです。

注)本著作物(Bー75に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

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