認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法-総集編(B-62)

2016-06-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

    一億総活躍社会達成への具体策の   提     言

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での「地域予防活動」の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言ー    

               有限会社 エイジングライフ研究所

                        

4「前頭葉」の諸機能と機能発揮上の「二重構造」のメカニズム

○ 「アルツハイマー型認知症」とその症状が発現する特徴

認知症を発病していて、日常生活に介護が不可欠の状態に在るお年寄りの数が、500万人を超えるところまで来ている我が国の実状、その数はこの先も増え続けていくものと予想されていて、介護保険制度が財政面から破綻しそうな状況の下、介護保険の適用を抑えて「家族介護」に頼ろうとしているのが現状なのです。アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、二次性認知症、レビー小体型認知症など、様々な種類がある認知症の内の大半、90%以上の割合を占めているのが「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症なのです。その肝心の「アルツハイマー型認知症」については、我が国だけではなく、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師達)から、発病の原因(メカニズム)が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症であるとのお墨付きが出されているのです。ところがそのことを奇禍として、製薬会社は効きもしない薬を量産して放出し、医療機関は、極めて高額の診療費を稼ぎ出すことが出来るCTやMRI、果てはPETまで総動員して、治すことが出来なくなる末期の段階で見つけて、その上効きもしない薬を処方して、売上高を稼ぎ出すことだけに腐心しているのです。私たちは、こうした世の中の不条理な状況を正そうとして、小さいながらも高い志に燃えて市町村における「地域予防活動」の展開を指導し、こうして、ブログで私たちの主張とその根拠となるデータを公開してもいるのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病した世界、正常なレベルへの回復(「アルツハイマー型認知症」が治る)の可能性と言う視点から、私たちがその症状を「三段階」に区分(「小ボケ」の段階の症状、「中ボケ」の段階の症状、「大ボケ」の段階の症状)する世界は、脳が壊れてもいない、器質的な障害が起きてきている訳ではないのに、「意識的」に何かをしようとする際に不都合が生じてくる世界なのです。世の中の専門家とされる人達は、「アルツハイマー型認知症」を発病して末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認されつつ何年間も生きていたお年寄りの、死後の脳の解剖による解剖所見を基礎として、そこに確認されるアミロイドベータの沈着による老人斑、タウタンパクの沈着による神経原線維変化と言う特徴に着目して、それぞれ、アミロイドベータ説、タウ蛋白説と言う「仮説」を主張しているだけなのです。「仮説」と言う意味は、その主張の根拠と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係が未だに立証できていないという意味なのです。それぞれの主張の内容に十分な根拠があるというのではなくて、主張している人達(機関)に権威があるが為に有力視されているだけのものなのです。

私たちは、彼らのような権威こそないものの、生きた人間の「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、並びにその源となっている発病前後の数年間における脳の使い方としての生活歴についての精緻で、14689例にも上る数の「脳機能データ」の解析を根拠としていて、「アルツハイマー型認知症」は廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であって、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることにより、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)を実践することにより治すことが出来るし、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を基礎とした「生活習慣」の構築により発病自体を予防することが出来ると主張しているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病は、上述の2つの「仮説」が設定しているような脳の器質的な変化が原因なのではなくて、私たちが主張しているように「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因に過ぎないのです。就中、「前頭葉」の廃用性の機能低下が中核にあるのです。

私たちの主張に賛同して、私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技と称する私たちの「システム」の導入契約(有償期間が有期の「使用許諾契約」。有償の期間満了後は、使用料は無償となります)を締結し、実践してきた市町村は北海道から九州まで全国に分布し、その数は、私たちが活動を開始した1995年以来の累積数で、440を超えるのです。私たちの説は、仮説ではなくて、実践の成果に基づいてもいるのです。私たちの主張内容の正しいことは、その疫学的な証明と言う方法による立証という事態が、2017年の春か夏ごろには確認されることになると予告もしているのです。それは、東日本大震災の被災地の60歳を超える年齢の高齢者たちの間でひそかに進行している実態が明るみに出てくることになるからです。発病してから3年間は「小ボケ」の期間、その後2年間は「中ボケ」の期間、それ以降は「大ボケ」の段階となるという、私たちの「脳機能データ」に基づく、各段階の期間に関する基準値があるからなのです。言い換えると、認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病と騒ぐ症状が確認される段階の人達(私たちの区分で言う末期の段階である、「大ボケ」の段階の人達)が、我が国の他のどの地域のお年寄りたちと比較しても、異次元とされるレベルでの年齢別の発症率と発症者数とが確認される事態に直面することになるはずだからなのです。

私たちの意識的な世界は、条件反射などとは異なり、まず最初に、「前頭葉」を含む脳全体の関与が不可欠となるのです。意識は、「前頭葉」の働きによって作り出されるものだからです(ここを「クリック」してください)。その「前頭葉」の個別の認知機能は、様々な種類の機能に分化していて、私たちが確認しているものだけでも40種類を超えるのです。更にその中でも、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の働きが、極めて重要な役割を担っているのです。何かの「テーマ」を考え付くにも、言葉を駆使して何かを語ろうにも、何かの目的のために身体を動かそうにも、或いは、自分が置かれている状況を判断しようにも、この「三本柱の機能」が、正常な機能レベルで働くことが不可欠になるのです。

脳の働きを専門的に研究している脳科学者と称する人達、更には、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究している認知症研究の専門家達の誰もが、意識のメカニズム、或いは、「前頭葉」の働き方のメカニズム、更には、「前頭葉」の働きの衰え方のメカニズムについて、明確な表現で言えば、無知なのです。それらのメカニズムについて、或る程度の知識を習得しない限りは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて、正しく且つ、十分な知識を獲得することは出来ないのです。

私たちの意識的な世界、思考であれ、言動であれ、行為であれ、私たちが意識的に何かを実行しようとする世界は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という機能が正常な機能レベルにあることが前提として要求されることになるのです。左脳、右脳、運動の脳という三頭立ての馬車の御者の役割を担う「前頭葉」が、三頭の馬を支配し、コントロールすることにより、私たちの意識的な世界での正常で、且つ、適切な結果を伴う思考や行為や言動の企画や計画、或いは、その選択及び決定が成り立っているのです。

60歳を超える年齢の高齢者(発病の「第一の要件」)が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続させること(発病の「第二の要件」)で、言い換えると、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足されることによって、「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下が進行していき、その結果として、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるのです。更には、発病後もナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続される下で、廃用性の機能低下が進行していき、「前頭葉」を含む脳全体の機能が更なる機能低下を進行させていくことにより、「アルツハイマー型認知症」の症状が重症化していくことになるのです。その段階的な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが(一つの要素として「前頭葉」自体の機能レベルと、そして他のもう一つの要素として、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能レベルとが、相互に組み合わさった脳全体の機能レベルを言うものとする)、直接に反映されて、且つ、厳密にその機能レベル自体のアウト・プットとして、「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性という視点から「三段階」に区分する症状が、発現してくるのです。

 ○ 「前頭葉」の諸機能

一口に「前頭葉」の機能といっても様々なものがあり、私たちが確認しているものだけでも、数十種類もの数になります。以下に、その代表的なものをいくつか挙げてみることにします。自分が置かれている状況の判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想と選択、選択したテーマの実行に係わる内容の企画と計画、計画した内容を実行した場合の結果の予測、理解、考察、洞察、推理、構成、ケース・シミュレーション、ケース・シミュレーションに基づく修正、最終的な実行内容及びその程度態様の選択と決定、実行の決断と実行の指示。自分が行おうとする/行っている言動や行動や感情の発露の行き過ぎに抑制をかけるのも「前頭葉」の機能であり、何かに感動するのも「前頭葉」の重要な機能なのです。更には、これらの個別の認知機能が発揮されるときの機能の発揮度の問題があるのです。そして、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右しているのが、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。

○ 「前頭葉」の個別認知機能の発揮度と「二重構造」の問題

私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、判断、企画、計画、想像、推理、洞察、考察、理解、構成、修正、抑制、感動、決断、指示等「前頭葉」の個別認知機能の認知度及び発揮度を下支えしているという問題、私たちが、「二重構造」と名付ける構造問題が存在しているのです。

従って、発病後もナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていくことにより、三本柱の機能個別の認知機能が個別に及び/又は両者並行して廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてきて、私たちが区分する「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、次いで「中等度認知症」(中ボケ)を経て、最後に「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状が発現してくるようになると、その「大ボケ」の段階では、症状発現の原因である「前頭葉」の三本柱の機能と個別認知機能が殆ど働かない、(状況とテーマによっては、僅かに働くことがあるのですが)というレベルにまで衰えてくることになるのです。あの「DSM-4」が診断の「第二の要件」に規定している症状が発現してくる段階、MMSEの得点が一ケタになり、「失語や失認や失行」等の症状が発現してくる段階になると、「前頭葉」の三本柱の機能と個別認知機能はほとんど働かないレベルにまで、衰えてきているのです。

アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の正体、発病のメカニズムを解明し、或いは、発病の予防や治す方法を開発する為には、「記憶障害」の症状に目を向ける以前に、「前頭葉」の機能及び上述した「二重構造」の問題に目を向けることが不可欠となるのです。

注)「前頭葉」の個別認知機能が正常なレベルにあっても、「前頭葉」の三本柱の機能がそれなりに衰えてくると(但し、かなひろいテストの結果は合格のレベルで)、注意の分配機能の加齢に伴う衰えにより記銘時の記銘度が低下してくる為に、「物忘れ」の症状が発現してくるようになるのです。

なお、「注意の分配力」の機能というのは、複数の異なった「テーマ」を同時に並行して実行する際に不可欠の脳機能なのです。例えば、相手が語る話に注意を傾けて大筋や重要な点を理解しながら、自分なりの意見を提示するには、この注意の分配力と言う機能が正常なレベルで機能していることが不可欠となるのです。注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきたとき、コミュニケーションに支障が出てくることになるのです。或いは、自分が置かれている状況を判断し、その判断に沿って適切なテーマを選択し、実行すべき内容を企画し計画するにも、或いは、その実行の可否を判断し決定するにも、この注意の分配力の機能が正常なレベルで機能していることが不可欠の条件となるのです。

 ○「前頭葉」の三本柱の機能に内在する「正常老化」の性質

 脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当している「前頭葉」の機能、中でも、その個別の認知機能を正常に発揮する上でとりわけて重要であって、「前頭葉」の個別認知機能の「発揮度」や「認知度」の高さ、或は低さを直接左右している「前頭葉」の三本柱の機能である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、以下に説明するように、趣味や遊びや交遊や運動を仲間と自分なりに楽しむ生活があり、自分なりの目標や生き甲斐がある生活(それなりに「前頭葉」の出番がある生活)を送っていても、「加齢とともに、それらの機能が老化し、衰えていく」という重要な性質があるのです(私たちは、これを「正常老化の性質」と呼んでいます)。私たちが発見したこの「正常老化の性質」は、人間であれば誰でも、生来的な性質として存在している、「前頭葉」の三本柱の機能に内在しているものなのです。

「正常老化」の曲線の存在

私たちが集積してきた年齢別の「脳機能データ」を基にして簡潔に説明すると、「前頭葉の三本柱」の機能には、18歳から20代の半ばまでがピークで、20代の半ばを過ぎる頃から100歳に向かって、緩やかではあるけれど、直線的に衰えていくという性質があるのです。

60歳代後半にもなると、「三本柱」の働き具合は、ピーク時の18歳から20代の半ばの頃に比べ、働きが半分以下になっているのです。70代、80代、90代、100歳代と、年をとればとる程、「三本柱」の働きが更に衰えていって、どんどん低空飛行になっていくという性質なのです。但し、脳が活性化する生活習慣の維持により、「前頭葉」の働きが正常なレベルを維持できている限り、「アルツハイマー型認知症」を発病することはないのです。

認知症の大多数90%以上を占めていて、高齢化率が高い市町村や高齢化率が高い地域等で、普段よく目にし、或は、耳にしている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、その発病のメカニズムを考えるとき、「前頭葉」の三本柱の機能に「正常老化」という問題が内在しているという理解が極めて重要になるのです。「脳の正常老化」という問題が基本にあるから、「アルツハイマー型認知症」は、若者には関係なくて、「60歳代以降のお年寄りだけが対象になる」のです(私たちが規定する、発病の「第一の要件」)。

脳の司令塔は「前頭葉」であり、その「前頭葉」の三本柱の機能に加齢と共に働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が内在していることに気づくことが、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明する上で、不可欠となるのです。

脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」と言う機能の性質や働き方のメカニズムを知らないで/或いは、着目さえしないで、(何時までも)アルツハイマーマウスとやらを追いかけて、又はアミロイドベータの蓄積であるとか、タウタンパクの蓄積であるとか、脳の萎縮の度合いであるとかのテーマを追い続けていたのでは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムをも、発病を予防する方法も、治療する方法をも、解明することは未来永劫困難な問題だと言うことを問題提起し、指摘しておきたいのです。水面に浮かんでいる状態から、沈んでいく間の状態、更には、沈殿し堆積していくまでの間をつぶさに観察してみれば容易にわかることなのに、堆積物の中を単に掘り起こし、出てくるものが発病の原因だとの仮説を展開しているだけのレベルなのです。それが、権威とかの仕業なのです。

 5 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

○ 私たちの主張の根拠となる「脳機能データ」の解析結果

 世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因さえも分からないとされている「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、14689例にも上る「脳機能データ」の解析を基礎に理論面から体系化したのは、私たちが世界で初めてなのです。私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の「機能レベル」とそれに厳密にリンクした症状並びに加速度的で異常な脳機能低下という視点から、私たちが独自に開発した「二段階方式」という精緻な「神経心理機能テスト」を活用して「脳機能データ」を集積し、それを解析して、「アルツハイマー型認知症」の正体が「脳の使い方」と言う視点から言うところの廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるということを突き止めたのです。

そのノウハウを体系化し、「二段階方式」の手技のソフトという形で実用化し、北海道から九州に至るまで全国440を超える市町村で、「アルツハイマー型認知症」の予防を目的とした「地域予防活動」の実践を指導してきたのです。地域単位で開催される予防教室での脳の使い方としての「生活習慣」の体験を通して、「趣味」や「遊び」や「人付き合い」や「運動」、更には「社会活動」などの中に、自分なりの「テーマ」を見つけ、自分なりの喜びや生き甲斐が得られる生き方を追求し、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を図る「生活習慣」を構築することにより、「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防し、且つ、早期の段階で見つけて脳のリハビリの実践により治すことを目標とした「地域予防活動」を1995年に活動を開始して以降、実践の成果が評判となって、導入先を起点としたドーナッツ現象が起き、急速に全国的に導入先が拡大していきましたが、合併前に340に上った導入先の数は、平成の大合併の多大な影響を受けて、合併後の市町村で新規に導入契約が締結された市や町の数は、合併後100程までに減少しました。吸収合併した市が業務の継続を認めなかったことが、最大の原因でしたが。2つ以上の市町村が合併して、新しい市や町に生まれ変わったので、新規に導入する契約のソフトの使用料を2倍にしたこともありますが、合併後も有償期間は5年のままに維持したこともあり、その活動は、現在下火の状況にあります(民間の企業とは異なり、市町村の場合は、有償期間の満了により使用料が不要になると、なぜか活動が下火になっていくのです。無償となることで予算化の必要がなくなると、人の配置もなくなってしまうのです)。こうした経験から、現在の使用許諾契約の有償期間は、10年の長期にしてあります。そこまで活動が継続されれば、有償期間が満了したことにより無償の期間に入っていっても、活動が消滅することは無いものと期待しているからです。使用の対価が有償とはいえ名目的な金額に過ぎなかったのですが、市町村で実践する場合は、予算化が必要なテーマという視点から、或る程度高額な対価の方がプロゼクトとしての実施が担保され、周囲や上層部の認知度も高くなるということなのです。更には、「主張内容」が正しいというだけでは足りなくて、主張自体の権威づけが極めて重要となることも学習したのでした。

とはいえ、「東日本大震災」の被災地の高齢者達に現在起きていて、認知症の専門家たちから(気づかれないで)見逃されている状況、他のどの市町村でも起きなかった規模と年齢別の発病率の高さでの「アルツハイマー型認知症」の発症と言う状況が、今まさに明るみに出ようとしている状況に対して(震災の被災をキッカケにして、ナイナイ尽くしの単調な生活に入ったお年寄りたちが、「小ボケの期間が3年、中ボケの期間が2年で、6年目以降は大ボケの段階に入る」という、私たちが有する「段階的症状の各期間」の指標から考えると、そろそろ「大ボケ」の段階に入ってきた人達が、然も大量の規模で出現してくるはずと私たちは考えている)、市町村で実践してきた活動による成果を、世の中に再び広めていきたいと、今は、考えているのです。「大ボケ」の段階の症状が確認されると初めて、認知症の専門家とされる人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病だと考えることになるので、マスコミを含め大騒ぎになると考えられるからです。

○「正常老化の曲線」の存在と年齢別の発症率

世界中の認知症の専門家とされる人達から、今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要な要素、それは、意欲、注意の集中録及び注意の分配力の機能と言う「前頭葉」の三本柱の機能には、「20歳を過ぎてくると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく」という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」が存在すると言うことなのです。これこそが、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを知る、解明する上での出発点となるのです。それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「高齢者」の入口である65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが、最も高い20歳頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきていることが注目すべき要点(ポイント)なのです。

「二段階方式」を活用して集積した「脳機能データ」の解析により、「前頭葉」を含む脳の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つこの要因に着目し、60歳を超える年齢の「高齢者」であることと言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たちは規定しているのです。「大ボケ」の段階のお年寄り達の数だけでなくて、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階のお年寄り達の数を総合してカウントすれば、60歳代では12%、70歳代では30%、80歳代では50%、90歳代では75%、100歳代では97%にも上る人達が、「アルツハイマー型認知症」を発病していることをデータが示しているのです。

老化のカーブを左右するのは、脳の使い方としての「生活習慣」

自分なりの生き甲斐や達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が多くあるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報とが「前頭葉」に送られてくるような「生活習慣」が継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、晩発型アルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者であり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。年齢が上がれば上がるほど発病するリスクが高くなっていくという特徴を有するのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。そうだからと言って、60歳を超える年齢の「高齢者」であれば(私たちが規定する「発病の第一の要件」の充足)、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳ではないのです。そこには、もう一つ別の明確な条件が存在するのです。それこそが、発病の「第二の要件」として私たちが規定する条件、脳の使い方としての「生活習慣」なのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能の老化のカーブを左右する条件とは、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方であって、一部の説(仮説)が主張しているようなアミロイドベータの沈着でも、タウ蛋白の沈着でも、或いは顕著な脳の萎縮でもないのです。勿論のこと、食生活の在り方でもないのです。

私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている生活習慣のことなのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されていて、量も少なく、質も劣る情報しか脳に送られてこない(左脳、右脳、運動の脳を介して、最終的には「前頭葉」に)「生活習慣」が継続されているお年寄りは、発病の「第一の要件」(正常老化による機能低下)と「第二の要件」(廃用性による機能低下)が同時に充足される相乗効果により老化の曲線が加速度的で異常な低下の曲線を描き、急速に低空飛行の状態になっていくことになるのです。

○ アルツハイマー型認知症の症状は「前頭葉」の機能レベルを基礎

60歳を超える年齢の高齢者が、ナイナイ尽くしの単調な生活(脳の使い方としての「生活習慣」)を継続させていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その行き着く先には、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。これこそが、世界中の認知症の専門家とされる人達から、発病の原因(メカニズム)が分からないとされている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の発病のメカニズム(正体)なのです。

廃用性の機能低下の場合は、高度な機能から順に衰えていく、言い換えると、最も高度な機能である「前頭葉」の三本柱の機能が最初に衰えを開始し、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順に衰えていくのです。三本柱の機能は、源である「意欲」が進化し分岐して、注意の集中力を生み、「注意の集中力」が進化し分岐して注意の分配力の機能を生んだと考えられるのです。廃用性の機能低下が原因で、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくとき、注意の分配力、注意の集中力、意欲の順に衰えていく、機能が高度なものからより低いものへと順に衰えていくのです。脳全体の司令塔の役割を担う前頭葉の機能が異常なレベルに衰えてきたその時から、左脳も右脳も運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルにあろうとも、脳全体のアウトプットとしての症状は、「アルツハイマー型認知症」の症状として発現してくるのです。

私たち人間の意識的な世界では、全ての思考、行為、行動や言動が、必ず「前頭葉」の機能を介してアウトプットしてくる機能の機構になっているのです。そして、私たちの「意識的な世界」では、「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを支配し、コントロールしながら、状況の判断、状況の判断に沿った「テーマ」の選択、実行すべきテーマの内容の企画や計画、実行結果に対する考察、洞察、推理やシミュ・レーション、シミュ・レーションに基づく実行内容の修正、実行の決断、決断に基づく脳の各部への実行の指示などを行っているのです。このメカニズムで脳が機能するが故に、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきたことに起因して(リンクして)、それを直接に反映したアウト・プットが、「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」として、発現してくることになるのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能の低下を進行させていき、且つ、そのことが直接の原因となって、「アルツハイマー型認知症」の「段階的症状」が発現してくるのです。脳の機能が「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルにあって、その全体としての脳機能のアウト・プットが「小ボケ」の段階の症状として発現するのです。脳の機能が「中ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、左脳及び右脳の機能も異常なレベルにあって、その全体としての脳機能のアウト・プットが「中ボケ」の段階の症状として、発現するのです。

脳の機能が「大ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、左脳及び右脳の機能も「中ボケ」の段階よりも更に異常なレベルにあって、更には運動の脳の機能も異常なレベルに衰えてきていて、その全体としての脳機能のアウト・プットが「大ボケ」の段階の症状として、発現するのです。このように、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の器質的な機能低下が発病の原因ではなくて、機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が発病の原因だと私たちは考えているのです。

廃用性のものであるからこそ、本当の意味での「早期の段階」で見つければ、「回復」させることが可能なのです

発病の最初の段階となるのが、回復の可能性の有無とその程度と言う視点から私たちが区分する「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(「小ボケ」に始まり、「中ボケ」の段階を必ず経由して、最後に「大ボケ」の段階に至るという重症化の経路が「アルツハイマー型認知症」の特徴でもあるのです)。

「小ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させる(治す)ことが容易であり、「中ボケ」の段階で見つけると、「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに回復させることが未だ可能なのですが、医療の現場で行われているような末期の段階(MMSEの得点が換算値で14点以下)である「大ボケ」の段階で見つけたのでは、(厳密にいうと、前段階の「中ボケ」の段階にさえも)回復させることが困難となるのです。更に問題となるのは、末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの程度の幅が極めて広いのです。回復させることを期待できないうえに、「大ボケ」の枠組みの中で(MMSEの得点が換算値で14点以下0点まで)、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状のさらなる重症化が進行していくことになるのです。身体が持ち続けるケースの場合には、最後は、「植物状態」のようになるのです。介護保険制度の財政面からの破たんと言う問題を恐れて、介護保険の適用条件を絞り、「家族介護」に頼ると、昼夜をいとわず介護が必要となる為、連れ添いのお年寄りも、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に追い込まれることにより「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが極めて高くなるし、現役世代が介護する場合は、「介護離職」の問題が現実化してくることになるのです。介護保険の適用条件を絞るのではなくて、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防及び本当の意味での早期の段階で見つけて治すということが可能となる「地域予防活動」を制度化すべきなのです。

MMSEの得点が14点以下の領域の全てが大ボケの段階なのですが、「大ボケの段階」でMMESの得点が(14点から10点までの)二桁の得点を維持している段階では、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の三本柱の機能及び個別認知機能が僅かにしか機能しなくなっていて、更に、左脳も機能が相当程度低下している状態に在って、右脳と運動の脳だけがそれなりのレベルで未だ機能しているという「脳の機能レベル」としての状態になっているのです。更に、MMSEの得点が一桁になるまで脳全体の機能レベルが衰えてくると、徘徊や不潔行為、或いは暴力行為等の「周辺症状」に区分される症状が脳の機能レベルの低下に呼応する形で、発現してくるようにもなるのです(「前頭葉」が殆ど働かないので、状況の判断が全くできない状態。加えて、左脳も相当程度機能が低下してきているので、言葉によるコミュニケーションも困難になってきているのです。機能がそれなりに残っている「右脳」と「運動の脳」が主体の反応や行動が起きてくるだけなのです)。このレベルのお年寄りの介護に際しては、その脳機能レベルの下で発現してくる言動や行動や状況の理解、或いは言葉のやり取りについて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがどのようなレベルのものであるかについての理解が不可欠となるのです。「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、器質的な変化ではなくて、「廃用性」の加速度的で異常な機能低下が原因で(基礎に在って)起きていることの理解が重要となるのです。

○ 食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」が原因

お昼にはココアを飲んで、夕食時には赤ワインを飲んで(同時に、カマンベールを食するとより効果的という説がテレビで紹介されていたりするのです)、出来るだけ青魚を多く食するようにし、その上「サプリメント」をたくさん摂ってDHA&EPAを補おうとも、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていたのでは、「アルツハイマー型認知症」の発病を回避することは出来ないのです。

「前頭葉」を含む脳全体の機能を活性化する「生活習慣」の確立こそが「アルツハイマー型認知症」の発病を予防し及び「脳のリハビリ」の実践こそが本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階。医療機関がネットで呼びかけている早期の段階とは、「大ボケ」の段階の前半と言う意味なのです。「DSM-4」の規定に依拠して診断がなされている医療現場では、大ボケの段階の症状が確認されないと「アルツハイマー型認知症」とは診断しないからです)から正常なレベルに回復させることができる(治すことができる)唯一無二の方法となるのです。食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」こそが、発病を予防し及び/又は、発病から回復させる決め手になるのです。

〇「アルツハイマー型認知症」の治療薬は、発病及び症状重症化のメカニズムから考えて、開発することは困難

極めて重要なことなのでここで付言しておくと、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防したり、又は症状を治癒させたり、若しくは症状の進行を遅らせたりする効能を有する薬が開発されることは、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムからして有り得ないことなのです(詳細な主張の内容は、kinukototadaoと入力して検索し、Gooブログ「認知症の早期診断、介護並びに回復と予防のシステム」のA-15を参照 してください)。

何故なら、「アルツハイマー型認知症」の中核となる症状は、今日でもなお認知症の専門家達の間で世界的に権威があるとされる「DSM-4」が診断の第一の要件に規定している「記憶の障害」の症状ではなくて、廃用性の加速度的で異常な機能低下を原因とした「前頭葉」の機能障害(「実行機能」の障害)に起因する症状だからです(更に、「記憶の障害」の症状を第一の要件とする誤解が続く限り、側頭葉性健忘症を「アルツハイマー型認知症」であると誤診したり、働き盛りの若い年齢で「アルツハイマー型認知症」を発病する人が増えている等の「誤診」に基づく誤報が為されることにもなるのです)。

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、キャッチコピー的な表現を借りれば、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されている状態のままで(私たちが規定する発病の「第二の要件」の充足)、薬を飲むだけで/貼るだけで、発病を予防することができたり、症状の進行を遅らせることができたり、或いは治すことができたりするということは、「前頭葉」を含む脳の働き方/衰え方のメカニズムからして、有り得ないことだと私たちは考えて、問題を提起しているのです。

 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な衰え方を進行させていくことに直接リンクした段階的な症状となって発現してくるのです。「前頭葉」を含む脳全体の働き具合のアウト・プットそのものが、認知症の症状として発現してくるものなのです。アミロイド・ベータ説やタウ蛋白説や脳の萎縮説を唱える人達が言うように、神経線維の脱落による脳内での「情報の連絡」の不具合が、「記憶障害」の症状となって発現してきている訳ではないのです。

 分かりやすく説明しましょう。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。「アルツハイマー型認知症」は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維)に支障が起きてくることが認知症の症状発現の原因だというのが、アミロイドベータ説やタウ蛋白説や脳の委縮説の考え方なのです。これらの考えに立脚しているので、ゴム管を繕って空気が漏れる量を少しでも抑える効果を期待できるはずとされているのが、現在販売されている4種類の薬ということなのです(治療薬ではなくて、「症状」の進行を遅らせる効果を狙うだけのものだそうですが)。

 私達は(廃用性の機能低下説)、ゴム管の部分に支障があるからではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理・発信してやる「前頭葉」等の機能)に支障が起きてきて(「廃用性の加速度的で異常な脳機能低下」)、脳が正常に働かなくなったことが(異常なレベルに機能が低下してきたことが)「症状」発現の原因だと考えているのです(私達が集積してきた14689例にも上る「脳機能データ」は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が症状だということを示しているのです)。

いくらゴム管を繕っても(神経細胞を壊すアミロイドベータやタウ蛋白の蓄積量を少なくしたり、脳の外に排出してやること)、そもそもポンプを適切に押してやる作業をしない限り(脳の機能がちゃんと働かないのでは)、空気は流れない(情報の処理も発信もない)ということなのです。アミロイドベータ説やタウ蛋白説の考え方の人達が開発を目指している「アルツハイマー型認知症」の「治療薬」とは、異常なレベルに機能が衰えている「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、飲むだけで(貼るだけで)、正常なレベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。

生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもないナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々繰り返され継続されている「生活習慣」の下で(ポンプを押してやることを一切しない状態下で)、飲むだけで/張るだけで、失語や失認や失行の症状が確認されるところまで機能が低下していた「前頭葉」を含む脳全体の機能が正常なレベルに回復してくる(ポンプが適切に押されて空気が管全体に激しく流れていく)効能を有する薬が開発され得るとは、考えられないのです。 

末期の段階であり治すことが困難な「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りを抱えて介護に追われる家族の精神的、経済的負担は筆舌に尽くし難い程大きいものなので、治療効果がある新薬への期待はとても大きいのです。とは言え、そこに現実の市場は存在しないのです。治療薬の開発は、非現実だからです。飲むだけで(貼るだけで)正常レベルに回復させることがあたかも可能であるかのような「新薬開発」の言葉がマスコミの記事で踊る度に、市町村による「地域予防活動」への取り組みが遠のいていくことになるのを恐れるのです。

日本全体での高齢化率が30%を超えた時(現在は、26%を超えたところ)、取り返しのつかない状態がくるのです。予防は、啓蒙活動だけでは足りないからです。早期診断の窓口と小規模単位集落ごとの「地域予防活動」の実践が不可欠だと考えるからです。

我が国の医師や研究者や学者達が、「前頭葉」のことを知らなさ過ぎるのです。正常老化」の性質、機能発揮上の「二重構造」の問題、ナイナイ尽くしの「単調な生活」に陥っていくその「キッカケ」、更には、脳の使い方としての「生活習慣」に起因する廃用性の機能低下等、基本のテーマについてさえ、何も知らなくて、アミロイドベータ説とかタウ蛋白説とかの「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の立証が未だに為されてもいない単なる「仮説」を根拠にして、マウスばかりを追いかけまわしているのです。人材の無駄遣い、税金の無駄遣い、時間の無駄遣いに過ぎないと言うべきなのです。

注)本著作物(Bー62に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 


 

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アルツハイマー型認知症の原因、治療と予防の方法ー総集編(B-61)

2016-06-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

     

      一億総活躍社会達成への具体策の    提       言                   

「アルツハイマー型認知症」発病の予防を目的とする特定市町村での「地域予防活動」の実証を基礎に全国の市町村における実施を将来的な課題とする実証研究の提言- 

                       有限会社 エイジングライフ研究所

  (B-61)とその 目     次

&1  プロローグ(「アルツハイマー型認知症」の知られざる真実)   

&2  エイジングライフ研究所の主張の概要と活動の歴史        

&3「アルツハイマー型認知症」の症状の発現と「前頭葉」の機能レベル                          

   

 &1 プロローグ(「アルツハイマー型認知症」の知られざる真実)

○ 「DSM-4」の規定の重大な誤りと私たちの主張

我が国には、現在500万人を超える数の認知症患者がいて、この先さらにその数は増大の一途をたどるというのが厚労省の予測です。私たちのデータによると、様々なタイプが数ある認知症の内、アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病している人が認知症全体の90%以上を占めているのです(注1:脳血管性認知症が25%を占めるとされるが、そのうちの20%分は「アルツハイマー型認知症」を脳血管性認知症と誤診したもの。kinukototadaoA10及び11を参照)然も、肝心の「アルツハイマー型認知症」の診断に際して医師達は、米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」の規定内容に依拠して「アルツハイマー型認知症」の発病の有無を診断するので、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断された人達は、「DSM-4」が第一の要件として規定する「記憶障害」の症状に加えて、第二の要件として規定する「失語や失認や失行」の症状が確認された人達ということになるのです(第二の要件に規定がある「実行機能の障害」の症状についての問題提起は&6(2)参照)。

注)最新の規定は、「DSM-5」なのですが、診断基準としては曖昧な要素が多く(例えば、Major or Mild Neurocognitive Disorder等の規定内容の曖昧さ)、「DSM-4」の方が曖昧さが少ないので、診断に使いやすいのです。なお、「DSM-4」の規定自体の問題点については、&6(2)での詳細な説明と重大な誤りについての問題提起を参照してください)。

ところが、「失語や失認や失行」の症状が確認される人達ということは、MMSEの得点でいうと、30点満点で「一桁の得点」しか取れない人達のことなのです。更に、認知症の専門家達から見逃されている重要なことは、この症状が確認される人達の脳機能、特に脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルは、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で、殆ど働いていない状態に在るということなのです。そうした脳全体の機能レベルが、この人達の症状に直接反映されていることが見逃されていて、「前頭葉」の機能レベルと言う視点が欠けているのです。

「DSM-4」の規定は、第一の要件である「記憶の障害」の症状には程度や態様に関する規定がなく、第二の要件である「失語失認失行(又は、実行機能の障害)」の症状は、極めて重度の症状であり、並びに第二の要件も第一の要件も共に同じ人物に同じ診断時に確認されることが要求されることから、「記憶の障害」の症状も極めて重い症状の確認が要求されることになるのです。その帰結として、昨日レストランに行って何を食べたかを忘れていても第一の要件には該当しないが(健常者の「物忘れ」の症状とされる)、レストランに行ったこと自体を忘れているのは第一の要件に該当する症状となる(認知症の症状とされる)等の極めて不明瞭な例示がなされるのが、認知症の専門家達の考え方の通例なのです。

その結果、「DSM-4」の規定に余りにも権威があるが為に、世界中の認知症の専門家とされる人達から、「アルツハイマー型認知症は、治すことができない」タイプの認知症にされてしまったのです。その詳細については後述しますが、私たちのデータでは「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症こそが、発病自体を予防することもできるし、早期の段階で見つけると治すこともできるのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であると言うのが私たちの主張なのです(詳細は、&5で説明)。

そして、私たちが規定する「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」とは、60歳を超える年齢の「高齢者」であることなのです。脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする世界を支配し、コントロールしている「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)の機能自体に、どのような脳の使い方としての「生活習慣」が維持されていようとも誰でも、加齢と共に働きが衰えていくという性質、私たちが「正常老化の性質」と名付けている性質が存在するからなのです。

そして、私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、以下に述べるような脳の使い方としての「生活習慣」の継続ということなのです。

何かを「キッカケ」にして、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々続いていると、出番が極端に少なくなったことを直接の原因として、「前頭葉」を含む脳全体の働きが廃用性の機能低下を起こしてくることになるのです。

その結果、「第一の要件」と「第二の要件」とが同時に充足される「相乗効果」により「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「廃用性の加速度的で異常な機能低下」を起こしてくることになるのですその行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。

  

廃用性の加速度的で異常な機能低下を発病の原因とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が認知症の症状として発現してくるのが特徴となるのです「段階的症状」の発現が特徴となる)。その最初の段階が「脳のリハビリ」(脳の使い方としての生活習慣の改善)と言う方法により治すことが容易な「軽度認知症」(小ボケ)の段階であり、次いで治すことが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階があり、最後に治すことが困難な「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです。認知症の専門家とされる人達は、治すことの可能性と言う視点から「三段階」に区分されることも知らないで、末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて、それこそが「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解していて及び治らないものと誤解していて、それらの症状を「中核症状」であるとか「周辺症状」であるとかの意味のない区分に満足しているのが現状なのです。治すことが出来ない「末期の段階」である、「重度認知症」(大ボケ)の段階で見つけて、意味もない区分をして満足しているのです。

私たちが独自に開発した「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを駆使して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクした症状、脳全体の機能レベルの直接のアウト・プットとしての症状、正常なレベルから、正常下限のレベル、並びに、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階での症状、就中、「アルツハイマー型認知症」の症状について、14689例と言う極めて多数の「脳機能データ」を集積したのです。その「脳機能データ」の解析により、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因(発病のメカニズム)を解明し、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症が廃用性の単なる「生活習慣病」であることを突き止めると共に廃用性の機能低下に起因して症状が段階的に発現してくる「アルツハイマー型認知症」の場合には、「前頭葉」を含む脳全体の機能に衰えていく明確な順番があることを発見したのです。

最初に、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が加速度的で異常な機能低下を起こしてきます。次いで、左脳、右脳、運動の脳の機能の順番に衰えてくるのです。勿論、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくその過程においては、「小ボケ」の段階では「前頭葉」の機能のみが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていきつつ、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階にあっては、「前頭葉」を含む脳全体の機能が同時に廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになるのです(このブログ中の、「アルツハイマー型認知症」の各段階の症状とその発現の基礎となる「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの説明の箇所を参照してください)。

「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴として、「脳のリハビリ」という脳の使い方としての「生活習慣」を改善する方法により、「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常なレベルに回復させる(治す)ことができるという視点から、「小ボケ」(回復させることが容易)、「中ボケ」(回復させることが未だ可能)、「大ボケ」(回復させることは困難)という「三段階」に区分される症状が発現し、進行していくことになるのです。

  

私たちが開発した「二段階方式」では、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」によって、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」によって判定します。「MMSE」で判定するとき、左脳と右脳の機能については、想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、、、、、、、の順番に、機能が衰えていくということなのです(14689例の臨床事例の解析結果)。

廃用性の機能低下を本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合には、高度な機能から順番に衰えていくことになるのが特徴なのです。従って、この順番に衰えていかないときは、「アルツハイマー型認知症」ではないのです。その場合は、「アルツハイマー型認知症」以外の「認知症」であるか、或は、認知症と紛らわしい「病気」ということになるのです。

それ程この順番、「前頭葉だけが最初に衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくこと」が極めて重要な診断基準となるのです。更には、MMSEで判定される下位項目の衰え方にも、「想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、、、命名の順番に衰えていく 」という「衰え方の規則性」があるのです(MMSE「下位項目」の項目困難度に関する資料は、私たちだけが有する極めて重要な資料なのです)。

「衰え方の規則性」というこの指標は、廃用性のものである「アルツハイマー型認知症」の場合、極めて厳密であり、他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、重度の記憶障害の症状を示していても、アルツハイマー型認知症ではなくて、側頭葉性健忘症であることの鑑別、或いは、緩徐進行性失語であることの鑑別等)に極めて有効なのです(基礎データは、「個別事例判定マニュアル-A」の巻末を参照)。

  

○ 発病者数にかかわる真実

「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の症状発現の特徴なのです。

私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという考え方の下に、「脳のリハビリ」によって正常なレベルに回復させることの可能性という視点から、軽い順に、回復させることが容易な「軽度認知症」(小ボケ)、回復させることが未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)、そして回復させることが困難な末期の段階としての「重度認知症」(大ボケ)という三つの段階に区分して判定しています(発病患者が訴える認知症の症状の重症化の順番については、私たちの「脳機能データ」を当時の東京都老人総合研究所が解析してくれた資料を基礎にしています)。

「アルツハイマー型認知症」は、緩やかにではあるが身体がもつ限り症状が進行していくので、(市町村での地域予防活動の実施により得られたものを含む14689例に上る脳機能データの解析結果としての、私たちのこれまでのデータでは)「小ボケ」の期間が3年間、「中ボケ」の期間が2年間で、発病して6年目以降になると末期の段階である、「大ボケ」の段階に入っていくことになる)、医療現場の現在の診断状況のように、正常なレベルに回復させることが可能な本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることなく、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が放置され、継続されたままの状態でいると、やがては、回復させることが困難な末期の段階である「大ボケ」の段階にまで進んで行ってしまうのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが廃用性の加速度的で異常な機能低下によりそこまで衰えていってしまうと、もはや回復させることは困難になってしまうのです。「小ボケ」と「中ボケ」とを併せた数は、「大ボケ」の数の少なくとも2倍以上にはなるというのが、私たちの「地域予防活動」の実践体験に基づく数値なのです。現在、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」を発病している人達の数というのは、上記「三段階の区分」で言えば、「大ボケ」の段階の人達の数である(「小ボケ」と「中ボケ」の段階の人達の数は含まれていない)ということに注目していただきたいのです。

  

○ 医療の現場における診断の実態とその問題点

「アルツハイマー型認知症」については、「発病を予防することも、治すこともできない」タイプの認知症であるとの考えが、認知症の専門家とされる世界中の学者や研究者や医師達の間で定着しているのが現状なのです。医療現場の実態に見るように、「アルツハイマー型認知症」の診断規定として世界的に権威がある「米国精神医学会」の診断規定である「DSM-4」の要件(診断基準としての「第一要件」及び「第二要件」)に依拠して診断している限り、「脳のリハビリ」によって回復させることが困難な末期の段階(私たちの区分でいう重度認知症「大ボケ」の段階の更に後半の段階)でしか見つけることができないのです。

○ 私たちの研究と市町村での実践活動の成果に基づく帰結

私たちが開発した「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例の脳機能データと440を超える市町村で実施した「地域予防活動」の実践の成果に基づく帰結として、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「廃用症候群に属する単なる生活習慣病である」と言うのが私たちの主張であり、これこそが、アルツハイマー型認知症の正体なのです。

 私たちが開発した「二段階方式」のような、精緻な「神経心理機能テスト」を活用すれば、「本当の意味での早期の段階」(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で容易に発病を判定することができるし、詳細について後述する「発病のメカニズム」についての私たちの見解にみるように、廃用性の「生活習慣病」をその本質とする「アルツハイマー型認知症」は、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により、正常なレベルに回復させることができる(治すことが出来る)ものなのです。

   

エイジングライフ研究所の主張の概要と活動の歴史

〇 主張の概要と「二段階方式」の手技の活用の成果

(1) 世界中の認知症の専門家とされる人達(学者や製薬会社の研究者や医師達)から、発病の原因が不明とされてきていて、発病者数が世界中で数千万人に上る超大型の病気である「アルツハイマー型認知症」について、発病のメカニズムを解明し、「アルツハイマー型認知症」が廃用症候群に属する生活習慣病であることを解明し、理論的に体系化しました

(2) 発病を予防する方法として、脳の使い方としての「生活習慣」の改善と言う方法を発見し、市町村での「地域予防活動」の実践により、その有効性及び有益性を実証しました  

(3) 治すことが出来ないとされる「アルツハイマー型認知症」について、回復させることが可能な早期の段階の存在の解明とその判定の為の精緻で且つ簡便な手法である「二段階方式」の手技を開発しました

(4) 「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な状態に回復させるための手法としての「脳リハビリ」脳の使い方としての生活習慣の改善)の手法を開発し、その有効性及び有益性を実証しました

(5) 「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復の為の「二段階方式」の手技を柱として活用する「地域予防活動」について、累計で440を超える市町村で実践の指導をしてきました

(注)「二段階方式」の導入は、各年度ごとに契約を更新し、5年の期間を有償とする「使用許諾契約」の締結を条件としてきました。なお、対価の支払いが必要な有償の期間は現行様式では10年に変更されています。

(6) 「アルツハイマー型認知症」の本質は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であり、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つけて脳のリハビリに努めることにより治すことができることを、Gooブログへの掲載(内容を公開)という方法により、広報活動を行ってきました(kinukototadaoと入力し、検索:2012年3月に投稿を開始して以来、これまでの掲載回数は、丁度160回です。字数でいえば、累計で400万字を超えます。「アルツハイマー型認知症」の発病の原因とそのメカニズム、症状が進行する原因とそのメカニズム、発病自体を予防する方法とそのメカニズム、早期の段階の判定と回復させる方法とそのメカニズム、更にはその根拠となる脳機能データと地域予防活動による実践の成果について、これだけ精緻に、体系的に且つ理論的に解説した書物は、日本だけでなくて、世界に例がないものと自負しています(二番手の走者は、その影さえ見ることが出来ない)。現在のところは、無償で公開していますので、関心のある方は、インターネットで検索して読んでみてください。

  

&3「アルツハイマー型認知症」の症状の発現と「前頭葉」の機能レベル

○「意識的な世界」を支配しコントロールしている「前頭葉」の機能

無意識の世界、意識は覚醒してはいないが意識度が低い世界、或は、条件反射の世界は脇に置いておき、覚醒された意識的な世界、私たちが意識的に何かを、或は何かの「テーマ」を実行しようとする世界では、「前頭葉」という脳の機能が脳全体の「司令塔」の役割を担いつつ活動しているのです。「前頭葉」が左脳、右脳及び運動の脳と協働しつつ、且つそれらを支配し、コントロールしながら思考や思索、言動や行動などを行っているのです。何かについての思考も、行為も、何かの「テーマ」についての言動も、行動も、或はその程度や態様も、その全てが「前頭葉」の支配とコントロールの下に、且つ「前頭葉」を介して為されていて、そのアウト・プット自体が症状として発現してくる(正常なものであっても、その発現の程度や態様に差異が生じてくる)のです。

言葉や計算や論理や場合分けなどのデジタルな情報の処理を担う左脳も、感情や情景、色や形や空間などアナログな情報の処理を担う右脳も、身体を動かす機能を担う運動の脳も、私たち人間の意識的な世界では、それらが単独で働くことは出来ない仕組み、メカニズムになっているのです。

私たちが意識的に何かを行う/行おうとするときに、言わば、「三頭立ての馬車」の御者の役割を担っているのが「前頭葉」なのです。従って、「脳が活性化」するということについても、或は、「脳の機能が衰えていく」ということについても、「前頭葉」が必ず関っていることになるのです(ここに言う、「三頭の馬」とは、左脳、右脳、運動の脳を意味し、「御者」とは、「前頭葉」を意味しているのです)。

脳の働き具合と言うとき、自分がその時置かれている状況の判断やテーマの発想から計画した内容の実行に至る過程での、「前頭葉」の関与の仕方/或いはその度合いがどのようであるか、そのことが極めて重要なのです。取り分け、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の仕組み及び段階的に発現してくる症状の特徴とその意味について、この視点を持つことが極めて重要なものになるのです。

「アルツハイマー型認知症」の症状、私たちが回復の可能性という視点で三段階に区分するその段階的な症状は、「前頭葉」の働き具合、言い換えると、「前頭葉」の機能レベルと密接不可分の関係にあるのです。認知症の専門家とされる人達は、未だにこのことに気づかないで、中核症状とか周辺症状とかの意味のない区分に終始し、満足しているだけなのです。それであるが故に、そうした状況の問題点について疑うことさえもしないので、「アルツハイマー型認知症の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルがそのまま認知症の症状として、発現してくるもの」であり、その症状は、小ボケに始まり、中ボケを経て、最後は大ボケの段階に進んでいくことさえ知らないのです。

上述したメカニズムにも気づかないでいて(「前頭葉」自体について無知でいて)、脳の活性化とか、「アルツハイマー型認知症」の予防という「テーマ」について、テレビに出てきて、物知り顔に語る認知症の専門家とされる人達が大勢いるのです。

三頭立ての馬車の老馬を若い馬に取り換えたからと言って、御者の腕前が良くなることには直結しないことが重要なのです。日常の生活面で「左脳」を使う場面が少しばかり多くなったからと言って、そのことが「前頭葉」の機能レベルの上昇には直結しないのです。

老人保健施設や介護施設で、脳を活性化するテーマとして、盛んに行なわれている、「日々の生活の中に簡単な足し算や引き算をする時間を組み込むこと、或いは、ひらがなで書かれたおとぎ話を音読する時間を取り入れた」からと言って、そのことが、「前頭葉」機能の上昇に直結する訳ではないということを強調しておきたいのです。

「物忘れ」の症状の軽減くらいのことを、「前頭葉」の機能の上昇の指標にするのは間違いだと指摘しておきたいのです(「地域予防活動」の実践に基づいて集積した私たちの「脳機能データ」からいえば、左脳および右脳の働き具合を調べるMMSEのテストの得点は容易に上昇するのですが、「前頭葉」の働き具合を調べるかなひろいテストの得点は容易には上昇しないのです)。

 そんな「テーマ」を脳の活性化に役立つと信じて生活に取り込んでいるお年寄り達が、趣味も遊びも人付き合いも中断して、朝も昼も夕方もそのテーマをやり続けるだけの生活を3ケ月間実行し継続してみれば、「前頭葉」が活性化するどころか、意欲が衰え、注意の集中力も衰え、注意の分配力の機能も衰えてきていることを知ることになるだけなのです。

  

○ 「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを客観的な基準で判定するのが、私たちが開発した「二段階方式」の手技の特徴

「二段階方式」の場合は、「前頭葉」機能の改善、維持又は低下について、それ自体を直接、然も客観的な基準で評価することができるのです。「地域予防活動」として展開される脳イキイキ教室に参加しているお年寄り達の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの変化を、「二段階方式」という神経心理機能テストを活用して、客観的な基準に従って評価しているのです(1年間につき2回定期的に判定する)。

「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期診断による回復を目的とした「地域防活動」の枠組みの中で「予防教室」を長期にわたり継続して実践している市町村の場合は、個人別及び地域別、更には、男女別の脳機能データ、個人毎の「前頭葉」を含む脳の機能レベルの「改善、維持、低下」に関する経時変化のデータが取得され保管されているのです(脳機能データの管理ソフトは、エイジングライフ研究所が独自に開発)。

認知症の発病の予防、具体的には、いろいろな種類が数多くある認知症全体の90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」の発病の予防を明確な目的とした「地域予防活動」は、小さな単位毎に運営が行われています。それらの活動の拠点となる「予防教室」に参加しているお年寄り達の「脳機能データ」の推移を比較してみると、教室が長期に経って運営され維持されている「予防教室」に参加しているお年寄りの方が教室の運営存続期間がそれよりも短い予防教室のお年寄りの場合よりも、脳機能の改善効果が大きいという明確なデータが存在しているのです。要介護認定者の割合を比較してみても、同様の結果が確認されているのです。

 注)本著作物(Bー61に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

  エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

 

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