認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

# 認知症 認知症の症状悪化の原因と介護の予防及び発病の予防の対策方法(G-04②)

2022-04-16 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

ブログの掲載枠が「3万字以内」である為、前回の(G-04-①)と区分けてここに掲載しています。

    

 1971年の209万人を頂点に、以降は毎年、新生児が生まれる数が減り続けていて、昨年度は、84万人だったのです。一方で、高齢者の長生きに因り高齢化率は上がり続けてきていて、2025年には、「国民の4人に1人が、75歳以上になる」と予測されているのです(2025年問題)。このことはとりもなおさず、社会保障費が激増するのに対して、負担する若い層の人数が減っていくことを意味しているのです。社会保障費の内の『介護の費用』は、2017年度に既に、年間10兆円を超えているのです。以下に詳述するように、アルツハイマー型認知症の診断については、末期の段階で発病を見つける事(レッテル貼りするだけ)の診断と治療や予防や症状の進行の抑制には効果がなくて、症状の発現の仕方を抑制したり、昂進させるだけの効能しか有していない単なる「対症療法薬」の処方の為の費用の総計も、年間10兆円を超えてきているのです(深く静かに潜行)。

 身体が持つのに、が持たないことに起因した病気の発病! それが、このブログのテーマである『アルツハイマー型認知症』のことなのです!!

   医学の進歩で、iPS細胞の活用や遺伝子情報のコピーミスの修復等により、身体の老化を先延ばしすることが出来るようになろうとも、

  廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行による脳の老化を先延ばしできないのであれば、「第二の人生」を長く生きる意味はないのです。

 どうすれば、脳の老化を先延ばしできるのか? 本態が廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるにすぎないアルツハイマー型認知症については、その方法は一つだけ。 脳の老化を加速させないことに尽きるのです。具体的には、「脳の使い方」としての『生活習慣』の改善、創意、工夫と言う方法です。

     『脳の機能面』から説明すると、「実行機能」の出番が多い『生活習慣』の実践を継続的に追及することに因り、その結果(直接の反映)として

         人間だけに特有で最も高度な機能である「注意の分配力」の機能の出番が多方面に亘り増えることに因り、

 脳機能総合体であり、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が活性化する生活習慣を構築し、実践を継続することなのです。

 

趣味や遊びや人付き合いや地域活動等の分野で、自分なりに追求する「特定のテーマ」を見つけて、テーマの選定や、実行の内容、程度及び態様についての創意・工夫・シミュレーションの実施や、得られる実行の結果(成果)について、自分なりの楽しみ喜び生き甲斐が得られる(を感じれらる)場面が出来るだけ多い生活の追及の仕方である程に、脳の老化の進行の加速を抑制することが出来るのです。身体の機能とは異なり、脳の機能については、これ以外に方法は無いのです。

勿論のこと、老化の進行を抑制する効能を有する『薬は有り得ない』のです(アリセプトにもアデュカヌマブにも、そうした効能は無いのです)。 

なお、人と交わる機会を出来るだけ増やすことに因り、相手の話を聞くにも、自分の考えを説明するにも、協働し、強調して、共通のテーマを実行していくにも、実行機能」を活用する場面が増えて、不可避的に「注意の分配力」の機能の出番が増えるので、『前頭葉の活性化』に寄与することになるのです。

    (Tadの自宅の庭の景色)

&4 「意識的な世界」(目的的な世界)と『実行機能』の関わり方
アルツハイマー型認知症』について説明している書籍でよく見かける『実行機能』(Executive function)と言う用語が有ります。実行機能の障害という風に使われるものなのです。ところが、アルツハイマー型認知症の発病との関係において、実行機能の障害がどのようなメカニズムで起きてくるのかについて、実証された定説が無く、発病との間の因果関係が立証されていない仮説しか存在していないという状況なのです。問題は、意識の機能構造未だに解明されていない状況下で、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症としての症状)が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症の特徴であることが理解されていないことなのです。実行機能と総称される個別認知機能が機能を発揮するには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の発揮度が関わること、即ち、実行機能の機能の発揮度並びに意識の覚醒の度合いは、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度に左右され、下支えられていること、機能発揮上の「二重構造」が存在していることに気づいているのは、私たちの『二段階方式』だけなのです。この問題に気が付かない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び廃用性の機能低下に起因した症状の重症化のメカニズムを解明することは不可能ということなのです(その核心となる脳機能が注意の分配力の機能なのであり、権威達が『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムの研究材料に使っているマウスやマーモセットには、『注意の分配力』の機能が備わっていない結果として、「意識的な世界」に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている「複合機能体」としての『前頭葉』という脳機能も備わっていないことに無知で、無関心なのです。
私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』(目的的な世界=何等かの、特定の目的に沿ったテーマの実行を目的とする世界)、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマを実行する為の実行の内容及びその仕方を計画し、実行結果をシミュレーションして修正を加え、最終的な実行内容及び仕方(態様及び程度)を比較し、選択し、決定し、実行に移す決断を行う世界に関わる『前頭葉』(内因的構成機能としての実行機能)を含む脳の働き方について起きてくる、廃用性の機能低下という要因が惹き起こされてくる原因のことなのです(黒字で例示した個別認知機能が、「実行機能」と総称されている機能の一例)。実は、世界中の、脳機能の専門家、就中、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達でさえ、「実行機能」及び『前頭葉』の詳細について、或いは、その機能構造については、殆ど分かっていないという現実が存在しているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを研究している専門家とされる人達でさえ、「マウス」を研究材料にしているという有様なのです。『注意の分配力』の機能が、脳の機能構造として備わっていないマウスの行動を何時まで研究しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムの解明は不可能であることを、専門家とされる人たちに対して注意喚起する為に、2016年の4月1日に掲載した、私(ブログの執筆者は、実は、Tadなのですが)の過去のブログの内容を、再度ここに引用します。 

⇒   現代の数学界で世紀の難問とされてきた「ポアンカレ予想」や「ABC予想」が、とうとう証明されたように、人類最大の難問とされてきた「意識」について、独自の定義機能構造図を提示し、当該「意識の機能構造」が関わる人類最大の難病とされている「アルツハイマー型認知症」について、その発病及び症状が重症化する「メカニズム」を解明し、発病の有無及び症状の重症度の科学的で客観的な判定及び鑑別の為の手技を開発し、更には、実務化して、住民参加型の「地域予防活動」として展開し、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきていて、国策による全国展開の実施を提言しているのが、私たち「二段階方式」なのです。発病自体の予防(発病時期の先送り)にとって不可欠のテーマであり、要因である『第二の人生での生き方』、「脳の使い方」としての生活習慣の在り方を国民の全てが理解し追及する気になってもらうには、高い権威が必要となるので、国策化の暁には、新たなデータを集積し、更には、実証データを添付し、カロリンスカ研究所やランセット委員会に論文を提出して、ノーベル医学・生理学賞の受賞を目指す「検証プロゼクト」(私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことの疫学的証明を目的としたPRJ)の早急な実施を 岸田政権の中枢に提案しているのです。

(函南町のTadの仕事場  (自宅の玄関下の階段
&5『旧ブログ』(2016年4月1日)からの引用(一部加筆修正)

様々な種類が数ある認知症の内の大半、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』の発病の核心的な要因は、二つに限られるのです。
一つは」、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因です『私たちが、二段階方式の手技を活用して集積した「正常老化の性質」(「前頭葉の老化曲線」)と名付ける「脳機能データ」が存在しているのです』(NHKの人気番組、チコちゃんに叱られるでも引用されたもの)。これが発病の基礎となっているのです。「若年発症」を特徴とするアルツハイマー病とは異なり、「老年発症」を特徴とする『アルツハイマー型認知症』の発病の対象者が、60歳を超える年齢の『高齢者』に限られているのは、その為なのです。但し、加齢に起因した機能低下という要因だけでは発病はしないのです。「もう一つ別の」要因は、加重される要因が、『廃用性の機能低下』という要因なのです。私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』(意識的に何かのテーマを発想し、実行する世界)に於いて、関係する脳機能の使われる機会が極端に少ない生活習慣の継続が原因で機能が異常なレベルに低下する(廃用性の機能低下の進行)という要因の存在なのです(私たちが世界で初めて発見)。 

 異なるこの二つの要因の同時存在こそ、発病を決定づけている『核心的な要因』なのです
加齢に起因した機能低下という基礎要因に加重される廃用性の機能低下という要因の存在により、両者の同時存在による相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに衰えてくることに端を発して発病し発病の最初の段階であり、私たちの区分で言う小ボケの段階)、次いで、中ボケの段階を経て、最後は末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠となる大ボケの段階へと重症化が進行していくことになるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階に区分される類型的な症状」が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴なのであり、発病原因に関する、アミロイドベータ仮説を含む「4種の仮説」の主張内容は、全てが誤りの内容なのです。
言い換えると、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、「第二の人生」を送る上で展開される脳の使い方としての生活習慣であり、食生活とは無関係であることに留意する)というのが、『アルツハイマー型認知症』の真の本態(正体)なのです。
14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者に対し「二段階方式」の手技を実施した「脳機能データ並びに累積452の市町村での先駆的な実践である、『アルツハイマー型認知症の早期診断と回復及び介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践の成果に基づく、私たち独自の主張(厚労省老健局総務課認知症施策推進室に対しては、資料を提出し、協議の場を設けて頂き、説明済み=2019年11月に実施;現在は、岸田政権の中枢に対し、国策化実施を提言中)なのです(世界初の且つ、独自の主張内容=疫学的方法により、主張内容が正しいことを実証済みのもの)。
MRIやf-MRIやSPECTやPET等の機器を総動員しようとも、何等の器質的な原因病変が確認されないのが特徴である「アルツハイマー型認知症」の診断には、無用の長物です。
➡アルツハイマー型認知症は、意識的に何等かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障が出てくる(認知症の症状が発現してくる)のが特徴でもあるのです。上記に例示した「実行機能」と総称される各個別認知機能は、「注意の分配力」の機能が関わらないと機能が発揮されない機能構造にある(「実行機能」の機能発揮上の二重構造の存在)ことが、見落とされている(専門家とされる人達が気づいていない)ことが問題なのであり、「記憶障害」が発病の原因だとする想定自体が、重大な誤りなのです。
症状が末期の段階にまで進んで、更に、何年も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見共通して確認されるものである、老人斑、神経原繊維変化、脳の顕著な萎縮などを見て、それ等が発病の原因であると勝手に憶測しただけの主張であるにすぎない『4つの仮説』が未だに幅を利かせていることが問題なのです。彼等は、『木を見ているだけで、森を見ていない』し、『誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り続けているだけ』なのです。

&6 私たちの眼前に存在するのは、人間だけに特有な「意識」の世界
 お風呂に身を沈めて、ゆったりと朝の入浴を楽しみながら、前の庭の景色をぼんやりと眺めているのです。その時、上の庭の全体像を私の目が捉えているのです。その全体像を一つの視野に入れた時、複数の様々な覚醒度が異なるレベルの「意識」と言うか、或いは、二次元的ではなくて、三次元むしろ四次元的な意識状態と言うべきものであり、その「意識度」(個々の意識の覚醒の度合い)が異なる意識の世界が、複数存在していることに気づいて頂けるでしょうか。「主題」として明確に認識されていない世界も、覚醒度が「主題」のそれよりは低いものの、別の「意識」として、複数の意識の一つとして並存しているのです。「主題」となる対象を右奥のブーゲンビリアの木から庭の中央に据え付けられているピザ窯に移したとき、主題こそ変わっても、同じように認識され、視野の中に捉えられている「覚醒度」が主題よりも低い複数の「意識の世界」が、そこに存在しているのです。
私たち人間だけに特有なものである『意識的な世界』は、基本的には、上述したような「複数の、且つ、重層的で覚醒の度合いが異なる意識」の同時存在と言う形で構成されているのです。そのことを可能にしている脳機能こそ、今日のテーマである、『注意の分配力』の機能なのです。思考であれ、発言であれ、或いは行動であれ、意識的に行われるそれらの世界は、この『注意の分配力』の機能なしには、存在し得ないものなのです。私が問題提起している「意識の世界」とそれを可能にしている「注意の分配力」の機能の働きについては、世界中の哲学者も心理学者も脳科学者も、未だに、誰一人問題提起したことが無い、世界初の話なのです(Tad以外の誰にも知られていない世界)。

意識的な世界(即ち、目的的な世界)において、脳全体の『司令塔』の役割を担いながら、専門家達による研究が遅れていて未知の領域に近い『前頭葉』(「前頭前野」に局在する、脳機能総合体を言う:G-02を参照)と言う機能の働きやそのメカニズムが明らかになるにつれて、今後、今日の私の問題提起と説明が注目されることになるはずと考えるのです。このテーマを今日持ち出すのは、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを理解する(解明する)上で、早期診断による回復(治療)の方法を解明する上で、或いは発病自体を予防する方法を解明する上で、「前頭葉」の機能並びに意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能から構成される「前頭葉」の三本柱の機能(私たち独自の命名)、就中、『注意の分配力』の機能の機能構造の理解が、必要不可欠のものとなるからなのです。
そもそも、それら「仮説」の中で、世界的に通説の地位に在るアミロイドベータ説が主張の根拠にしている、アミロイド・ベータの沈着と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、何等の「因果関係」が存在していないのです。「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能の器質的な病変が原因なのではなくて、機能的な変化、廃用性の加速度的で異常な機能低下が原因で発現してくるものだからなのです

更に言うと、様々な程度及び態様で発現してくるアルツハイマー型認知症の症状は、記憶障害に起因して発現するものではなくて、『前頭葉』の機能障害の発現及びその進行に起因して発現するものなのです。そこには、意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の機能障害に起因した前頭葉の個別認知機能である「実行機能」の機能障害が発現し及び進行するという『二重構造の問題』が存在していることに、未だに誰も気づいていないことが、重大な問題なのです。更に言うと、意識の覚醒度(個々の意識の覚醒の度合い)も、前頭葉の三本柱の機能の総体としての発揮度にリンクしているとの理解が重要なのです。「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」(『第二の人生』を送る上で日々に展開される脳の使い方としての「生活習慣」に起因する病気)に過ぎないのであり、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で発病に気付いて)と「脳のリハビリ」を実践させることにより回復させることが出来るし(治すことが出来る)、発病自体を予防することが出来る(脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫に基づく、「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる生活習慣の構築と日々の実践が不可欠の条件)病気なのです。世の中の権威のある人達や組織、学者や研究者や医師達は、「DSM-4」の第一要件の規定内容に惑わされて、「アルツハイマー型認知症」の中核症状が「記憶の障害」であると誤解し、加えて、第二要件が規定し確認を要求している失語、失認、又は失行と言った極めて重度の症状(私たちが末期の段階として規定する「重度認知症」の段階でも、更にその後半の段階、30点が満点のMMSEの得点が一桁にならないと発現してくることが無い程の重度の症状)が発現してきていないと、「アルツハイマー型認知症」の発病とは考えようとしないのです(米国精神医学会が策定したものである『DSM-4』の第一要件の規定も第二要件の規定も、重大な誤りの内容)。

余りにも遅い段階、極めて重度の症状の確認に基づく発病の診断であるが為に、本当の意味での早期の段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階で見つけて、「脳のリハビリ」を施せば、治すことが出来るタイプの認知症であるにも拘わらず、世界中の権威達は、末期の段階で(極めて重度の症状である失語、失認、又は失行の症状の発現を確認して初めて、『発病と診断している』のです。その結果として、誤解に基づいているとも知らずに、『治すことが出来ない病気だ』との確信をもって、そのように『内容が誤った主張』を、今なお発信し続けているのです
 脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの『単調な生活習慣』の継続こそ、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状進行(重症化の進行)の真の原因なのです。なお、私たちが言う「単調な生活習慣」の継続とは、自分なりに追求する特定のテーマが無くて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続のことであり、こうした『生活習慣』の継続が、発病及び重症化を進行させる真犯人なのです。本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるという性質から(「発病のメカニズム」)、症状の進行を遅らせる効能を有する薬も、症状を治すという意味での治療の効能を有する薬も、発病自体を予防する効能を有する薬も、未来永劫開発されることは有り得ないことを指摘し、問題提起したいのです。我が国で健康保険の適用対象とされている「アリセプト」を含む4種の薬も、更には、現在認可について継続審議中である「アデュカヌマブ」という薬も、何等の治療や予防の効能を有する訳がないのです。薬を飲むだけで、自分なりの「テーマ」を見つけることが出来て、前頭葉の三本柱の機能が実行機能を駆使して、前頭葉が活性化してくることなど、有り得ないことなのです。発売している製薬会社は、それらの薬の効能の評価が杜撰なだけなのです。私たち「二段階方式」は、政府の要請があれば何時でも、根拠となる『脳機能データ』を提供することが出来るのです。『第二の人生』における日々の脳の使い方としての『生活習慣』の改善と工夫こそが、発病を予防する唯一の方法となるのであり、「脳のリハビリ」の継続的実践こそが、症状の進行を防止し及び症状を改善させ/治す為の『唯一の方法』となるのです。アミロイドベータの蓄積による老人斑の出現も、タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化の出現も、共に、「アルツハイマー型認知症」の症状の発現の原因ではなくて、発病の結果としての単なる副産物に過ぎないと考えるのです。

&7  『アルツハイマー型認知症』の段階的な症状の態様とその特徴【小ボケの段階に特有な類型的症状の事例】
○ごく初期の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階で発現する症状の特徴
□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってきた
□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうという意欲が見られない
□ 同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ
□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない
□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている
□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなった
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ
□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になってくる
□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとするようになった
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になった
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

※   「小ボケ」の段階の類型的症状の詳しい説明は(F-15の&2)を、「中ボケ」及び「大ボケ」の類型的症状については(F-11)を参照して下さい。

〇「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現するメカニズム
上記に列挙した本当の意味での初期症状、すなわち「アルツハイマー型認知症」の最初の段階の症状(「小ボケ」の症状)は、実は、「記憶の障害」とは関係が無いのです(上記の類型的症状の列挙に見られるように、前頭葉の三本柱の機能障害に起因した症状ばかりなのであり、記憶障害に起因した症状は、確認されないのです)。私たちが何かのテーマについて文章で考えを表現するとしましょう。どのようなテーマについて、どのような筋を展開し、どのような内容で表現内容を構成するか、どのような言葉の表現方法を使用するか、全ては、「注意の分配力の機能」(3つ以上の異なった複数のテーマを同時に並行して処理)の適切なレベルでの働きなしには実行することが困難となるのです。⇔ 高齢者による自動車事故の原因は、記憶障害が原因ではなくて、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきていることに因るとっさの判断と処理が出来ていないせいなのです(小ボケが中心で、中には中ボケも居る)。
※1加齢の進行と共に「正常老化の性質」という条件が進行してきた60歳を超える年齢の「高齢者」が(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一の要件」)、何かを「キッカケ」にして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々継続していると、廃用性の機能低下が進行していくことになるのです(私たちが定義する、「アルツハイマー型認知症」発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが同時に充足されることによるその相乗効果として、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉」の三本柱の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていく(その結果、機能構造的に、実行機能、総体としての『前頭葉』の機能の発揮度が異常なレベルに衰えて行く)その行き着く先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っているという訳なのです。
その最初の段階が、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることが容易な段階であり(私たちの区分で言う、軽度認知症「小ボケ」の段階=家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを実行する生活である「社会生活」面で様々な支障が出てくる)、次いで、「脳のリハビリ」により回復させることが未だ可能な段階があり(私たちの区分で言う、中等度認知症「中ボケ」の段階=庭の草取り、洗濯物の取り込みと始末、食器を洗うこと等の「家庭生活」面での簡単な作業にも支障が出てくる)、最後に回復させることがもはや困難となる段階(私たちの区分で言う、重度認知症「大ボケ」の段階=食事をしたり、風呂に入ったり、トイレに行ったり及びその後始末をしたり等のセルフ・ケアにも支障が出てきて、日常の生活面での介護が必要となる)が有るのです。⇒ 廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるに過ぎない「アルツハイマー型認知症」の症状は、徐々に緩やかにしか進行して行かないことが特徴です。前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクして、三段階に区分される類型的な症状が発現してくるのです(重度の記憶障害に注目する権威とされる専門家たちは末期の段階の症状にしか気づいていないのです)。

後述する「DSM-4」が「第二の要件」として規定し、初期症状として、確認を要求している「失語失認失行」の症状は、「DSM-4」の「第一の要件」が確認を要求する「記憶の障害」に起因した発現ではないのです。失語のような、失認のような、失行のような状態は、前頭葉の機能が、就中、『注意の分配力』の機能が異常なレベルにまで衰えてきて、殆ど機能していないことが原因(機能的反映の結果)なのです。意識的な世界、即ち、目的的な世界は、「評価の物差しの機能」(『意識の首座』=自我)の働きの傘の下で(意識の覚醒と同時に、先行的に前段の働きが開始されるという意味)、『前頭葉の三本柱』の機能が「実行機能」の機能の発揮度を支配しているという「機能発揮上の二重構造」の関係にあり、この機能構造によって初めて所謂『メタ認知』が実行されていくことになっているのです。言葉や事物や事象などの認知や行為や行動の対象を内的に事前に認知(表情や態度や言葉や行為や行動により脳外の外界に出す前に、脳の中で理解し、評価し、シミュレーションし、組み立て、選択)するにも、その結果を、発言や認識や行為や行動として外界に発現させていく為にも、事前のメタ認知が必要不可欠となるのです。前頭葉の三本柱の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきて、前頭葉を含む脳全体の機能異常なレベルに機能が低下してきて、末期の段階である「大ボケ」の後期にまで進行してくると、メタ認知機能が先行的に働くことが出来なくなるのです(二段階方式独自の見解であり、世界で初めて解明したもの)。相手が話しているテーマの理解と内容の把握と保持が出来なくて、自分なりの考えを構築できなくて、結果として、簡単な内容の日常の会話のやり取りさえもできないのです。ズボンを頭から被るのは、ズボンがどのような使用目的のものであり、どのようにして使うものであるかを構築できない為なのです。配偶者である妻を娘と間違えるのは、妻と娘とを区別するに際して必要不可欠の機能である注意の分配力の機能が異常なレベルにまで衰えてきていて働かないことが原因で、顔や姿や声の識別が出来なくなっているせい(『注意の分配力』の機能が全く働かない為に、肝心のメタ認知機能が働かなくて、記憶の倉庫との照合自体が出来ない)に過ぎないのです。いずれの症状も、「記憶障害」に起因して発現している訳ではないのです(『注意の分配力』の機能レベル及び(それにリンクした)『前頭葉』の機能レベルについて、精緻に判定できる「手技」を持たないで居て、重度の「物忘れの症状」及び記憶障害らしき症状の外観的な観察だけを基礎とした判定及び鑑別に依拠しただけの推測憶測に基づいた、主張内容を未だに展開している「権威とされる人達」が誤解しているだけなのです=「機能発揮上の二重構造」に因るメタ認知の機能構造を理解できていない)。⇒「メタ認知」とは、物や事象や自分が置かれている状況の存在、発生及び変化の認識基礎としての発言や会話、行為や行動や言動の表出に不可欠のものであり、それ等が外部に表出される前段階の、且つ、先行的で内的なものであって並びに『意識的』な思考、発言、行為(身体の動静)及び行動の組み立てに関わる不可欠で先行する前段の認知機能を言うものとTadは考えているのです。この仕組みがうまく働かない病的状態(自我の確立に関わる、最終的で、内的で心因的な自己闘争に内包される『或る意味で負の要素』が混在する「評価の物差し」の機能と実行機能と「注意の分配力」を核心的機能とする前頭葉の三本柱の機能との機能発揮面での相互関係の 不整合な発現が起きてきている状態)が、「統合失調症」(自我が最終的に確立していく時期である思春期から青年期に発症するのが特徴)ではないかとTadは考えているのです。

※2  ①日常の簡単な挨拶程度の会話も出来なくなったり、②歯ブラシを歯ブラシと認識出来なくて、手に持ったまま次の動作が出来なくなったり、③ズボンを履こうとして、頭から被ったりする等の状態が起きてくる(アルツハイマー型認知症の発病者であって、MMSEの換算値による総得点が一桁、9点以下になって発現してくる症状、末期の段階である「大ボケ」の段階の更に後期の段階になって発現する類型的な症状の一例)のは、「記憶の障害に起因して、発現してくるのである」と世界中の権威とされる人達は、未だに主張している(憶測している)のですが、このこと自体が重大な誤りであり、「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」についての視点と基本的な理解が無くて、更には、『意識』の機能構造に対する無知からくる誤解による理解と主張なのです。脳の機能構造面からこれらの症状が発現してくるメカニズムを、以下に簡単に説明しておきます。結論から言うと、「廃用性加速度的異常機能低下の進行」が、ここまで及んでくると、即ち、『前頭葉を含む脳全体の機能レベルが、極めて異常なレベルであることが確認されるようになる(ここまで低下してくる)と、『前頭葉の三本柱』の機能と私たちが呼称する意欲注意の集中力及び(就中)「注意の分配力」の機能が、極めて異常なレベルに在ることが確認されることになるのです。その結果機能発揮上の二重構造の機能構造の関係により、実行機能の発揮が困難となってしまうのです。

 このことにより、所謂「メタ認知困難となる直接の結果として、失語や失認や失行の症状が発現してくると言うことなのです(世界で、「二段階方式」だけが解明できている構造) メタ認知の機能構造に関心がある人は、意識の機能構造について詳細に説明している(「G02のその1その3」)を読んでみて下さい。

※3加齢』の進行に起因した機能低下の進行という基礎要因及びナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という加重要因同時存在による相乗効果に因り、「前頭葉の三本柱の機能」が、ひいては、前頭葉を含む脳全体の機能が、加速度的異常機能低下の進行によって、極めて異常なレベルに機能が衰えて来た直接の結果として発現してくるものであることを示す客観的で、事象事実としての「脳機能データ」(前述した「MMSE下位項目の項目困難度」のデータ」)が存在していることに、世界中の専門家達が未だに、全く気付いていないことが、意味不明の仮説を生む下地となっていることを指摘し、糾弾したいのです(権威と言う傘を隠れ蓑にした、まるで素人の発想に過ぎないのです)。根拠となる科学的で客観的なデータを提示して、発病との間に直接の因果関係が存在することを実証できて初めて、権威と言うべきではないでしょうか。

  =  =  (14689例に及ぶ発病患者の『脳機能データ』の解析結果)

&8 『前頭葉』という脳機能について学者や研究者や医師達は理解不足
(1)私たちは、様々な種類が数ある認知症全体の90%以上の割合を占めている、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症に特化して、早期診断と脳のリハビリの実施による回復及び介護の予防、更には、発病自体の予防を目的とした住民参加型の『地域予防活動』の展開を市町村の保健師さんを通じて、且つ地域のボランティア組織の協力を得ながら、小さな地域単位で展開して、市町村全体に拡大する活動を1995年以来、北海道から九州までの地域に跨る、累計450を超える数の市町村で展開し、早期診断による「回復」、介護の予防及び発病自体の「予防」の面で、驚く程の顕著な成果を挙げてきたのです。
(2) ところが、世界中の専門家達の間では、「アルツハイマー型認知症」は治すことも予防することも出来ないタイプの認知症とされてきているのです。その根本的な原因は、認知症の専門家とされる人達(機関)が、脳全体の司令塔の役割を担い、私たち人間の意識的な世界を支配し、コントロールしている『前頭葉』(単体の機能ではなくて、脳機能総合体としての機能なのです=このブログの「G-01~03」を参照)と言う脳機能について無知である上に、『意識』の機能構造及び注意の分配力の働きの特徴についても無知なことにあるのです。私たちのように、「二段階方式」と言う精緻な神経心理機能テストを活用して、生きた人間の『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを判定し、同時にその脳機能レベルに厳密にリンクした「症状」及び脳の使い方としての『生活習慣』と言う「生活歴」を詳細に調べ、正常なレベルから始めて、正常下限、「小ボケ」、「中ボケ」の前半、「中ボケ」の後半、「大ボケ」と言う風に、段階を追って、順を追って判定し、鑑別して行けば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「DSM―4」の第一要件が想定している「記憶障害に起因して発病してくる」ものではなくて、『前頭葉』(就中、「注意の分配力」の機能が核となる)を含む脳全体の機能について生じてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で発病してくるという「発病のメカニズム」を解明することが出来るのです(世界中の権威が有るとされる機関は、我が国では東大や京大や理化学研究所は、マウスやマーモセットなどの動物、注意の分配力の機能も前頭葉の機能も備わっていなくて、『意識』が存在してもいない動物を研究対象にしていて、憶測ばかりしているのです)。前頭葉の機能構造に無知で、注意の分配力の機能構造に無知で、意識の機能構造に無知なままで居て、権威と言う傘だけを振りかざしている人達がいるのです。「脳の機能構造面」から言うと、「物忘れの症状の改善」と『前頭葉の機能レベルの改善』とは異なる次元のものだという程度のことさえ、権威とされる人達は、未だに気がついてはいないのです。

(3) 「アルツハイマー型認知症」の発病の原因を器質的な病変に求めて、『前頭葉』を含む脳全体の機能的な変化(廃用性の加速度的で異常な機能低下)という視点を持たない限り、「脳の使い方」としての『生活習慣』の改善と工夫/脳のリハビリの実施という方法により、発病の予防も、早期診断による回復も、介護の予防も可能である、廃用症候群に属する単なる生活習慣病』であるにすぎない病気を、発病の原因も分からないし、発病を予防することも治すこともできない病気、マンモスに仕立て上げ、効きもしない薬の処方に対して血税を垂れ流しているのです。私たち『二段階方式』が世界で初めて解明し、疫学的方法により実証してきているように、『前頭葉』を含む脳全体の、廃用性加速度的異常な機能低下の進行が症状の発現及び症状の重症化の進行唯一の原因である、『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症の本態及び発病のメカニズムを考えるとき、発病の予防や症状の回復や症状の進行を抑制することが出来る効能を有する薬を開発することが、そもそも不可能であると考えられるのです。現状下では、「治療薬や予防薬」の開発という無意味なテーマに、血税を垂れ流し続けることになるのです。治療の効能は有していなくて、症状の発現の程度を昂進させたり、抑制するだけのものである対症療法薬に過ぎないアリセプトを含む「4種の薬」に対しても、認可について現在継続審議中であるアデュカヌマブについても、健康保険の適用を認めるべきではないのです=このことを実施するだけでも、大規模な額での税金の無駄な支出が避けられることになるのです。アルツハイマー型認知症」の診断規定であり、米国精神医学会が策定した規定である「DSM-4」の「第一要件」及び「第二要件」の規定内容には、両者共に重大な誤りが有るにも拘らず、研究者も、学者も、医師も、その規定内容を未だに疑わないで居るのです。

本著作物「G-04-②」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。 

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください) 脳機能からみた認知症 (もうひとつのブログ)  

 

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# 認知症 症状悪化の原因と介護の予防及び発病の予防の対策方法(G-04-① )

2022-04-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

 日も月も 季節も知らぬ わが妹は  明日は我が身と じっと手を見る   

   (プロローグ) 脳血管性認知症、二次性認知症、或いは、アルツハイマー病等、様々な種類が数ある認知症のうちの大多数、90%以上の割合を占めているのが『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。現在「介護の予防」施策が求められている対象は、『アルツハイマー型認知症』なのです(発病の予防が出来るタイプの典型なのに)、何故か、予防対策が棚上げにされていて(岸田政権が動こうとしない)、末期の段階で発病と診断する医療費が10兆円、介護の費用が13兆円、毎年度支出。

 ところが、認知症の権威とされる機関や人たち、わが国だけでなくて、世界中の専門家とされる人たちが、そのアルツハイマー型認知症については、全くの無知なのです。無知なのに権威を笠に着て、重大な誤りの内容を垂れ流して いる為に、発病の原理からは開発されることが有り得ないのに、症状の進行を抑制できる「治療薬」を開発したと強弁する日本の企業が出て来てたりするのです。

アルツハイマー型認知症の発病原因については、記憶の障害に起因して症状が発現するとの重大な誤りの規定である『DSM-4』の第一要件の規定が存在し、今なお権威を保っていて、専門家とされる人達が盲従しているのです。『米国精神医学会』が策定したというだけのもので、アルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係が存在する実証が未だに為されていないのに、記憶の障害に起因して発病するとする「第一要件」の規定内容が正しいことを前提にした4種の仮説、現在も通説の地位にあるアミロイド・ベータ仮説、更には、タウ・タンパク仮説、或いはアセチルコリン仮説を含む『4種類の仮説』(主張原因と発病との間の因果関係の存在を未だに実証できていない為に仮説の扱いを受けている=単なる憶測)が提示されていて、幅を利かせている状態なのです。「4種類の仮説」の提示内容は、アルツハイマー型認知症の発病原因について、誤りだらけなのです。

生まれつき特定の遺伝子に異常が存する人だけが発病するアルツハイマー病(認知症全体の1%程度を占める)。これに対し『アルツハイマー型認知症』は、第二の人生を送っている、60歳を超えた年齢の『高齢者だけ』を対象として発病してくる』ものであり、「老年発症」が特徴であることにも気づいていないのです。前者は発病の原因が特定されていて、後者は発病の原因が不明とされ乍ら、両者をまとめてアルツハイマー病と呼称する理由は何故なのか。権威が有るとされる人たちの主張内容が常に正しいというわけではないことを皆さんご承知だと思うのですが、アルツハイマー型認知症の場合は、取り分けてそう。権威達が、誤りだらけの主張内容を垂れ流して、世の中を惑わせているのです(我が国では、東大、京大、理科学研究所が、アミロイドβ仮説の牙城なのです)。

 私たち二段階方式は、アルツハイマー型認知症の発病と意識の機能構造との関係に早くから着目し、意識的な世界であり、目的的な世界である意識の機能構造の解明に注力し、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病に過ぎない』ことを解明し、その理解に立って二段階方式手技として実務化し、北海道から九州に跨る452の市町村で、「対象を、アルツハイマー型認知症に特化」した活動であり、発病自体の予防及び早期診断による回復を明確な目的とした、住民参加型の地域予防活動 を実践指導し、主張内容が正しいことを、疫学的方法により、実証してきてもいるのです(小さいながらも、実績面では世界で唯一の研究機関)。

主張内容について、『個別事例判定マニュアル』のA,B,C及びマニュアル使用の手引きが発刊されていて、更には、2012年の3月以来、総字数500万字を超える分量で、このブログ上に、無償で公開してきているのです。世界中の権威とされる機関や人たちの主張内容と真反対のものである上に、論文を発表していない為に、無名の存在ではあるのですが、専門家たちの間で未だに人類最大の難問とされている意識の機能構造との関連を主張するその主張内容については、『著作権が成立』してもいるのです。「業務上の使用」であれば、個人であれ、会社や研究所や大学や医療機関であれ、私たち二段階方式の(エイジングライフ研究所の)事前の書面に拠る許可を得ない限り、それらの内容の一部たりと雖も、言葉で語ることも、診断に使用することも、市町村の活動に使用することも、著作物の形態をとることも、全てが著作権法の違反となり、行為の差し止めと損害賠償の責任を負うことになるのです。

世界で唯一の主張内容であり、言葉による説明や様式や分析表により、或いは、判定や診断の為の『手技』としても完成され、実務化されているのです(個人が、業務上の使用ではなくて、私的な使用目的、自身や家族や、周りの友人たちに教えてあげ、活用するのは、もちろん、OKなのです。

岸田政権が、発病の予防のテーマに対し、どのように考えているのか、発病の予防と早期診断による回復という対策を実施しないで、垂れ流しの状態を容認して、天文学的な規模での「介護の費用」及び発病のレッテル貼りと効きもしない対症療法薬の処方による「医療費」に対し、税金を垂れ流しにする政策を維持するのか/否かを見極めたいと考えているのです。両者を併せると、単年度ベースで、20兆円を超える規模になっているのです。何等の対策が実施されない儘に、介護保険の負担額が徐々に増えて行っているのです。この問題について、マスコミも野党も全く無関心なのが不思議なのですが、国民の皆さんが、もっと関心を持って頂きたいと願うのです。

&1 「介護の予防」措置の実施対象を判定し、区分ける「MCIの基準」の問題点

1.「MCI(「軽度認知障害」)の基準」とは:

私たち二段階方式から見ると、お粗末すぎる内容であり、どの国の誰なのか知りませんが、権威が有るとされる機関か人が言い出して、今や世界中で権威を持っているとされる基準と主張なのです。ところが、余りにも、『アルツハイマー型認知症について無知』なだけでなくて、余りにも主観的で客観性に欠ける「杜撰な基準」と言うしかないのです。あと数年が経過すれば、あんなお粗末な内容の主張と基準が世界的に幅を利かしていた時期があったのかと、驚かされることになる(活用していた医師は、後悔と自責の念に駆られることになる)のです。

2.『MCIの基準』の概要

(1) 市町村に対し『介護の予防』(介護が不可欠となる段階にまで認知症の症状が進行する時期を少しでも遅らせることを目的)措置の実施を求める認知症施策推進室の通達である「認知症ケアパス作成の手引き」からの引用によると、「MCI」(軽度認知障害))の定義は、次の5項目となります。これらに全てが当てはまれば、「軽度認知障害(MCI)に相当する」と判断され、アルツハイマー型認知症発病の前駆的状態に在ると説明されているのです。その上で、該当者は、「介護の予防」の措置の対象者となるということのようなのです。

(2)『軽度認知障害(MCI)の定義』は:

年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない「記憶障害」の症状が存在することが、確認されること。

② 本人または家族による『物忘れの症状』の訴えがあること。

③ 全般的な認知機能は正常範囲である(注:認知機能が正常であるか否かを問題とし乍ら脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルが正常であるか、異常であるかの客観的な判定が為されていないことに注意=二段階方式からの注意書き)こと。

④日常生活動作は、自立していると観測されること。

⑤認知症ではないこと(注:ここで言う認知症ではないという意味は、「極めて重度の症状」であり、30点が満点のMMSEの総得点が9点以下にならないと発現が確認されないものである「失語や失認や失行」の症状を「初期症状」であると誤解し、考えている上での、基準であることに注意して下さい。「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階で確認される症状は、認知症の症状とは考えられていない=見落とされているのです)。

3.「介護の予防」の措置の実施対象を選定する基準としての「MCIの基準」の問題点

(1) 重視される要素が、本人または家族の訴えによる物忘れの症状であること

(2) 認知機能を問題とし乍ら、『前頭葉の機能レベル』の判定が行われないので、単なる言葉上だけのチェックに過ぎないのです(せいぜい、MMSE/長谷川式の実施程度か)。

 (3) 言葉の上では、色々記述が為されているのですが、全てが主観的な記述内容で、客観性の担保が全くなく、基準内容は言葉の遊びに過ぎず、恣意的運用を容認したもの。

(4) 「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び程度については、失語や失認や失行の症状が確認されなければ、「認知症の発病ではないと判定される」こと(末期段階の「大ボケ」の更に後期の段階の症状が例示されていて、その有無の確認が要求されている)。

(5)「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能が、真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴なのであり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのであり、それ等の判定が要素に入っていないMCIの基準は、無意味。

※1 「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者であれば、例外なく(100%)物忘れの症状が確認されるものなのであり、『MCIの基準』は、介護の予防措置を実施するべき対象者を選別するに際して、『何等の客観的な判定基準とはなり得ない』のです。

※2 ましてや、我が国日本は、2020年以降ずっと、「新型コロナに対する感染回避対策」として、『3密の回避』が政府主導で叫ばれ、第二の人生を送る高齢者達は、その遵守を徹底してきたのです。そうした『単調な生活習慣』が徹底されている状況下で、高齢者の誰もが「物忘れの症状」の頻度が増えて、程度が重いものになっていくのです。

我が国の高齢者数はと言うと、65歳以上の年齢の高齢者が3627万人にも上るのです。『物忘れの症状』の重症度の進行と『アルツハイマー型認知症』の発病及び重症度の進行との間には、『直接の因果関係は存在していない』のです。加齢の進行による物忘れの症状の発現とアルツハイマー型認知症の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。第二の人生を送る上での脳の使い方としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(追及する自分なりの特別のテーマが無くて、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない単調な暮らし方、脳の使い方としての生活習慣)の継続による前頭葉の廃用性の異常な機能低下の進行という要因こそが、『アルツハイマー型認知症』の発病との間に直接の因果関係が存在することが確認される『唯一の要因』なのです。

 (6) 『アルツハイマー型認知症』の発病者の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)が確認されるのであり、且つ、症状を治すにも、症状の進行を抑制するにも、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定が必要となるのであって、以下の基準に基づいた措置が必要不可欠となるのです。

〇 「小ボケ」:脳のリハビリの実践により、症状の回復/進行の抑制が、可能な段階

〇 「中ボケ」:脳のリハビリの実践にりり、症状の回復/進行の抑制が、未だ可能な段階

〇 「大ボケ」:脳のリハビリの実践による症状の進行の抑制さえ、最早困難な段階

⇔  権威が提示する『MCIの基準』は、何の役にも立たないのです(主観的な言葉の区分だけの意味不明の基準)。

4.『発病自体の予防』が、最も効果的な「介護の予防」(介護が不可欠のものとなる段階の到来時期の先送り)策となるのです

(1) アミロイドベータ仮説が未だに権威を保っている米国では、アミロイドベータ仮説の考えに依拠して開発されたアデュカヌマブという薬が、条件付きで認可されています。

(2) 我が国では、アデュカヌマブについては、継続審議とされていて、現在のところ認可はなされていません。

(3) 効きもしない意味不明の薬に税金を投入するくらいなら、発病自体の予防に税金を投入すべき(二段階方式の考えと手技に基づいた市町村による実践)と考えるのです。

5.『若年性アルツハイマー型認知症』なる病気は、無知による『架空の病気なのです』:

(1)「徘徊」して、行方が分からなくなった「お年寄り」に関する情報の提供を呼び掛ける役場のスピーカーの音が、今日もまた朝早くから聞こえてくる。日本全体での高齢化率が30%に到達し、「超高齢社会」に到達した世界の先頭をひた走る日本の市町村でみられる、日常的な光景なのです。それらのお年寄りは、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病者であり、且つ、末期の段階の症状であり、私たちの区分で言う、「大ボケ」の段階の後半の段階の症状が発現してきている「お年寄り」のことなのです(「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「老年発症」が特徴であり、発病する対象者は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られている事実に注意して頂きたいのです=二段階方式が、これまでに集積した「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の各患者を含む極めて多数の症例データである14689例にも上る脳機能データ及び二段階方式を導入し、地域予防活動を実践した450を超える数の市町村の脳機能データが根拠)。

(2) 脳の変性による重度の「記銘力障害」による重度の「記憶障害の症状」と海馬の顕著な萎縮が認められるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在る場合は、側頭葉性健忘症なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病であるとの診断は、明確な誤診』なのです。アルツハイマー型認知症と側頭葉性健忘症とを鑑別する最も重要な要件は、前頭葉の機能が異常であるか(アルツハイマー型認知症)、正常であるか(側頭葉性健忘症)なのです。

 『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉』の機能が真っ先に最初に異常なレベルに衰えてくることが特徴なのです。第二の人生を送る高齢者の脳の使い方としての単調な生活習慣である『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』の継続に直接起因したものである『廃用性の機能低下』の加速度的で異常な進行という要因が、発病及び重症化が進行していく『唯一の要因』である「アルツハイマー型認知症」の場合は、最も高度な機能である注意の分配力の機能から異常なレベルに衰えが進行していくものなのです(二段階方式の手技の活用により判定し、鑑別された14689例の脳機能データが根拠なのです)。

脳の変性による重度の記銘力障害(何等かの原因による海馬の萎縮の進行が原因か)が原因で、記憶の対象となる情報についての『記銘度』自体が極めて浅く、不十分ものにしかならないことによって、直前の記憶の「想起」は出来るものの、短期及び長期の記憶の想起が困難となるのが特徴でありながら(結果として、外観的には、重度の記憶障害の症状が確認されることとなる)、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能』(G-01~03参照)が正常な機能レベルに保たれているのが側頭葉性健忘症の特徴なのです。両者の違いを知らない医師が多いのです。最近流行りの、『若年性アルツハイマー型認知症』という病気は、実在していない架空の病気なのです。
専門家だけでなく、素人も誤った情報を発信し続けているのです。脳の働きという物差しを持たないで、末期の段階の発病者の介護の経験だけで、表面的な観察に基づいただけの、推測や憶測に基づいた情報を、テレビや新聞で情報発信しているのです(素人であるという自覚に欠けていて、自分が誤った情報を発信しているという認識が無くて、逆に、断定的な発言をしている人達が多いのです)。

脳の働きという物差し』の活用及び『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクした「三段階に区分される症状」という説明が出来ない人は、ズブの素人なのです。

アルツハイマー型認知症』についても、『側頭葉性健忘症』についても、無知であって、「重度の記憶障害の症状」を外観的に観察しているだけの経験と知識に基づいていて、『アルツハイマー型認知症』の発病者で、且つ、その末期の段階、「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄りの『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルとそれに直結した「症状の類型」についての知識もなくて、両者を混同していて、全てを『アルツハイマー型認知症』の発病者と誤解し、勘違いしていて、『徘徊したり、妄言をする「アルツハイマー型認知症の発病者」達にも、その人たちなりの言い分がある』等と主張するのです。

 &2「アルツハイマー型認知症」については、専門家達さえもが無知

(1) 世界中の権威が、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張し続けてきたのです。それが「重大な誤りである」ことに気づかないで、誤った情報を発信し続けているのです。その結果として早期診断による回復というテーマも、発病自体の予防というテーマも、何等の対策が講じられないまま、放置されているのです。

2019年に発表された「政府大綱」により、『介護の予防』(日常の生活面でセルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠のものとなる、「大ボケ」の段階にまでは、症状を進行させないこと)だけは、市町村で対応することとなったのですが、それでも、対策自体が不可能とされ、介護だけがテーマであった従来の対応に比べれば、大きな進展なのですが。

(2) 私たち「二段階方式」は、世界に先駆け、「アルツハイマー型認知症」の発病原因及び症状の重症化が進行するメカニズムを解明し、対策方法を実務化して、『アルツハイマー型認知症対策に対象を特化』し、北海道から九州に跨る全国的な地域と規模で展開してきて、452の市町村において、「個別の有償契約」の締結に基づいて、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防及び早期診断による回復を明確な目的』とした、『住民参加型地域予防活動の実践展開』を指導してきて、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきているのです。『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防及び早期診断による回復』こそが、最も有効な『介護の予防』対策となるとして、岸田政権に問題を提起しているところなのです。費用対効果の面でも極めて有効な対策であるだけでなく、個々のお年寄りの第二の人生について、『身体がもつ限り、脳も持たせる』(発病時期を少しでも先延ばしさせる)ことが、当の本人の満足及び生きる意味についても、家族の負担の軽減の面でも、更には、高齢化が進行している『地方の地域の活性化』という面でも、極めて有効で、有益であり、国策として展開すべきと考え、岸田政権の中枢に対し、提言書を提出しているのです。

&3「アルツハイマー型認知症」の正体(発病のメカニズム)

世界中の権威ある機関や人達から、『原因不明で、治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症である』とされていて、今なお主張され続けている『アルツハイマー型認知症』は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病(但し、食生活は無関係であって、第二の人生を送る上で展開される「脳の使い方」としての生活習慣が発病するか/しないかを決定づける唯一の要因)に過ぎないのであり、発病の対象者となるのは、日々の暮らしが「仕事」とは無縁となる『第二の人生』を送っている60歳を超えた年齢の『高齢者』に限られているのです(権威とされる人達は、末期の段階の症状にしか目が向いていないので、且つ、『前頭葉』の機能レベルという視点が欠けている為に、そのことに気が付かないでいるだけなのです)。 その結果として、単なる『生活習慣病』に過ぎない「アルツハイマー型認知症」が、原因不明の不可思議な病気にされているのです。

彼等権威は、アルツハイマー型認知症の発病を問題としながら、認知機能が正常であるか否かについて、意識的な世界(=目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルが正常であるか/異常であるかを精緻なレベルで判定できる「手技」さえも有していない為に、判定及び鑑別を行おうともしないのです。

ハーバード大学も東大も理化学研究所も、『アミロイドベータ仮説』の主張内容が正しいものとした前提に立脚していて、「アミロイドベータの蓄積」による老人斑の沈着とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在の立証という、『最も重要な前提条件』については、語ろうとはしないのです(二段階方式は、14689例にも及ぶ『アルツハイマー型認知症』の発病者の「脳機能データ」の解析により、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間には、直接の因果関係自体が存在していないことを、『事象の事実』により、立証していて、このブログ中で何度も問題提起してきているのです。

60歳を超える年齢の『高齢者』が、仕事とは無縁の日々の暮らし方となる『第二の人生』を送る日々の生活面で、どのような脳の使い方としての『生活習慣』を送っているのかという要因だけが、「発病するか/発病しないか」を決定づける核心的な要因』となるのです。

アミロイドベータの蓄積(老人斑)や、タウタンパクの蓄積(神経原線維変化)や、或いは、アセチルコリンの不足や、脳の萎縮の進行等「4つの仮説」が想定する原因は、発病の原因とは無関係のものなのです(=単なる憶測の類)。アミロイドベータやタウ蛋白の蓄積の増加を抑制する効能を有するワクチンの開発に成功しようとも、且つ、当該「ワクチン」を投与された「マウス」の『認知機能』が改善する効果が確認されようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防及び症状の進行の抑制に役立つ可能性は、全く期待できないのです(私たち二段階方式が解明し、実証してきた「発病のメカニズム」に照らして、「発病の予防や症状の回復や症状の進行を抑制する効能を有する薬」が開発されることは、未来永劫、有り得ないことなのです)。

(2)本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であるにすぎないものである『アルツハイマー型認知症』について、発病の予防や治療の効果があると言えるためには、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」(目的的な世界)を構築している『前頭葉』の機能についての改善効果が確認されることが、必要不可欠の条件となるのです。そもそも、マウスには、意識的な世界(目的的な世界)は存在していないし、「注意の分配力の機能」も、『前頭葉』と言う脳機能も備わってはいないことが無視された(単に無知な)結論というしかないのです。そもそも、アミロイドベータやタウ蛋白の蓄積(老人斑の生成や神経原線維変化の発現)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に、直接の因果関係は存在していないのです。更に言うと、アルツハイマー型認知症は、記憶障害に起因して発現するわけのものではないのです。重大な誤りであり、世の中を惑わせる主張内容として、指弾したいのです(因果関係の立証もなしに主張するのは、無責任に過ぎる)。
(3)どんなテーマであれ、「仕事」を遂行するということは、目標を設定し、実行すべき内容を計画し、手順を考えて、一定の期限の制約下で、効率的に実施していくことが要求される中で、洞察、推理、比較、検索、シミュレーション、創意、工夫などの『実行機能』の活用が不可欠となるのであり、それら実行機能の機能発揮上必然的注意の分配力の機能の発揮が機能構造的に要求されることに因り、たとえ、畑仕事や裁縫のような労働内容であっても、『注意の分配力』の機能の高度な出番が必要不可欠で、出番も多いので、仕事が現職(肩書だけの名誉職は除く)である限り、60歳を超える年齢の「高齢者」であっても、「アルツハイマー型認知症」を発病することは、絶対に起きてはこないのです。 現在議論されている働き方改革の一環としての、「定年年齢の延長」というテーマは、仕事というテーマの保持、第二の人生の開始時期の先送りとなることから、『アルツハイマー型認知症』の発病の予防(発病時期の先送り)という効果の面からみても、真剣に議論されるべきものと考えるのです。
アルツハイマー型認知症を発病したお年寄り(小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の症例を含む14689例)の脳機能データの解析並びに累計452の市町村で「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の実践により、私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことが、疫学的に実証されてきているのです(論文を発表していないので、知られてていないだけ)。
アルツハイマー型認知症は、老年発症が特徴であり(加齢に起因した前頭葉の機能低下という要因が基礎となることから、若年での発症は、有り得ない)、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」(注意の分配力の機能の出番が多い生活習慣の実践⇒前頭葉が活性化する=)により治せるし、「末期の段階」である大ボケにまで症状を進行させないことに因り、『介護の予防』が可能であるし、更には、「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と継続的実践という『生活習慣』の構築と実践の継続により、『発病自体を予防することが出来る』タイプの認知症であると主張しているのは、「二段階方式」だけなのです(世界初で;唯一の主張)。
(4) 私たち「二段階方式」(エイジングライフ研究所)に解明できる程度のことが、世界中の権威が何も分かっていないのはどうしてなのか、皆さんは疑問に思うでしょう。一つの理由は、『アルツハイマー型認知症』は、意識的に何かのテーマを発想し実行に移す世界、意識的な世界に関わる際に支障が出て来る(認知症としての症状が発現する)のが特徴となる認知症なのです。私たちは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクして発現する症状に着目して、小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半及び大ボケの段階の症状を精査してきたのです。ところが、世界中の権威は、『前頭葉』の機能(中でも、「注意の分配力の機能」が核心的な機能)が備わっていない『マウス(マーモセットとても同じこと)』に着目して、研究し、憶測しているのです。私たち人間だけに特有意識的な世界(自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿って、何かのテーマを発想し、実行に移す世界)は、『注意の分配力』の機能が核心的な機能として、構築され、統合され、管理され及びコントロールされていることに、世界中の『アルツハイマー型認知症』研究の専門家達(研究者、学者、医師)が、未だに気づいていないことが問題なのです。
もう一つの理由は、世界中の権威は、末期の段階(二段階方式の区分で言う大ボケ)の症状が発現してきて、更に何年間も生きた発病者の、死後の脳の解剖所見に共通に確認される老人斑神経原線維変化及び脳の萎縮に着目して、それ等が発病を惹き起こすとの条件を想定し(憶測の類)、「記憶障害」に起因して症状が発現してくるとの推測による仮説」を組み立てて、発病との間の因果関係を立証出来ない儘に、未だにそれらの仮説に未だにしがみついたままなのです(因果関係の立証が無いので、仮説の扱いを受けている)。
哀しいかな、権威が不足している為に(権威とは真反対のことを主張している為もあり)、私たちの考え方及び手技が世の中に浸透して行かないのです。正しい主張内容であっても、権威が無いことだけで、世の中には浸透して行かないという現実の壁に突き当たっているのです(私たち二段階方式は、主張するだけではないのです。主張内容が正しいことを、452にも及ぶ市町村で地域予防活動の展開により、疫学的に実証してきてもいるのです)。

(5) 『アルツハイマー型認知症』は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルにリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ、大ボケ)が発現してくるのが特徴なのです。

※皆さんが日ごろ目にしたり、耳にしたりする認知症とは、その殆どが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症のことなのです。生まれつき特定の遺伝子に異常が確認される人達だけを対象に発病が確認される「アルツハイマー病」(基本的に、若年発症が特徴)と加齢による脳機能の低下の進行を基礎としつつ、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下を加重要因として60歳を超える年齢の「高齢者」だけに発病が確認される『アルツハイマー型認知症』(老年発症が特徴)は、発病のメカニズムも、発病の対象年齢も、発病後の症状の進行も、治療及び予防の可能性の有無も全く異なることに注意して頂きたいのです。両者を纏めて、「アルツハイマー病」と呼称する学者や医師が我が国には多いのですが、それらの人達は、「アルツハイマー病」についても、「アルツハイマー型認知症」についても、知識が乏しい人達なのです。
交遊の機会を多く持つことや運動する機会を多く持つ生活習慣が、アルツハイマー型認知症の予防に効果があると言いつつ、アルツハイマー型認知症の発病原因について、アミロイドベータ説やタウ蛋白説を語る人であれば、どれだけの権威が有る人であろうとも、アルツハイマー型認知症については、無知な人なのです。更に、認知機能の低下と言いつつ、『前頭葉』の機能レベルという視点を欠いていて、単に『物忘れの症状』の頻度や程度を主たる要因として主張内容が提示されている指標である『MCI』(軽度認知障害)の基準について語る人達も、同様に無知な人達なのです。

(6)「アルツハイマー型認知症」の症状が「記憶の障害」に起因して発現するとの考え方は、米国精神医学会が策定した『DSM-4』の「第一要件」が規定しているものであり、アミロイドベータ仮説を筆頭に「4つの仮説」はそれが正しいものとしての前提に立って、「記憶障害」を惹き起こす要因として「アミロイドベータ」の蓄積による老人斑の生成、タウタンパクの蓄積に因る神経原線維変化、アセチルコリンの不足、脳の萎縮を想定したそれぞれの「仮説」を打ち立て、主張を展開しているだけなのです(憶測の類に過ぎないのです)。
アルツハイマー型認知症の発病の最初の段階であり、私たち二段階方式の区分で言う「小ボケ」の段階の症状は、全てが、『前頭葉』の機能障害、就中、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の機能障害(それらの機能が、異常な機能レベルに在ること)の直接の反映としての症状の発現であることに注意し、理解し、対応して頂きたいのです。

世界の権威達が未だに気づいていないことが重大問題なのです。彼等が、本当の意味での早期の段階(脳のリハビリの実施により治すことが出来る段階であり、二段階方式の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)に気づいていなくて末期の段階であり、最早治すことが出来ない段階(私たちの区分で言う大ボケの段階)ばかりに着目していて、『アルツハイマー型認知症』は、治すことが出来ないものという誤った情報を発信し続けているのです。

『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治すことが出来ないものではないのです。彼等が見つけている段階が遅すぎる末期の段階である『大ボケ』の段階で発病を見つけている)為に治すことが出来ないだけなのです。
『アルツハイマー型認知症』も通常の病気と同じなのです。「早期診断」(小ボケ及び中ボケの段階で見つける)と「早期治療」(脳のリハビリの実施)により、治すことが出来るものなのです(末期の段階で発病を見つけている診断は、発病のレッテル貼りをするだけ)。

 専門家の間で未だに世界的に権威があるとされている『DSM-4』の「第二要件」が、「初期症状」として確認を要求している失語や失認や失行の症状は、実は、末期の段階である大ボケの更に後半になって初めて発現が確認される症状、「極めて重度の症状」である(14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」の発病患者の脳機能データを解析して得られた結果。11の下位項目から構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が、「一桁の得点(9点以下)」にしかならない程に「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきた「お年寄り」の場合にしか確認されない症状である)ことが、気づかれていないのです。「アルツハイマー型認知症」の研究及び診断の権威とされる人達が、無条件に信奉している「DSM-4」の「第一要件」の規定内容(記憶の障害に起因して発病する)も、「第二要件」の規定内容(失語、失認、失行が初期症状)も、『共に重大な誤りである』にも拘わらず、そのことに未だに気づいていないのです。前頭葉」という脳機能も、「注意の分配力」という脳機能も備わっていないマウス(マーモセットとて同じこと)が、餌を探して檻の中を彷徨するデータばかりを追いかけまわし、憶測ばかりしているのが、世界的に「通説」の地位にあるアミロイドベータ仮説の主張であり、支持者達の研究態度なのです。
(7) 私たち二段階方式は、『アルツハイマー型認知症』の発病患者と判定されたお年寄りについての、世界に誇れるレベルと人数の14689人分の精緻な『脳機能データ』を持っているのです。発病者の症状は、最も軽い段階の「小ボケ」から、それに次ぐ段階の「中ボケ」及び最も重い段階末期の段階である「大ボケ」の全ての段階の患者の脳機能データを解析しているのです。「二段階方式」の手技を活用して『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを判定し、それにリンクした症状を並べ解析して行くと、三段階に区分される類型的な症状群が浮かび上がってくるのです。『アルツハイマー型認知症』は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクした症状が発現してくるのが特徴でもあるのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを独自に開発した『かなひろいテスト』で判定して、左脳及び右脳の機能レベルMMSEで判定します。実は、MMSEは、11の下位項目から構成されていて、30点が満点のテストなのですが、「アルツハイマー型認知症」の発病患者である場合は(且つ、その場合に限って)、 MMSEの下位項目に出来なくなっていく厳格な順番が存在しているのです。出来なくなっていく順番は必ず、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となるのです。『想起、注意と計算』の項目がいち早く出来なくなるのは、注意の分配力の機能の発揮が高度に要求される項目だからです。世界中の権威ある機関はと言うと、末期の段階の症状の存在にしか気づいていないので、こうしたデータさえも持ち合わせてはいないのです。二段階方式では、「アルツハイマー型認知症」の発病患者であるか否かの判定に際して、MMSEの下位項目についての被験者の回答が、「MMSEの下位項目の項目困難度」のデータが示す通りの順番で出来なくなっているか否かを、最初にチェックします。この項目の順番通りでないケースは、「アルツハイマー型認知症」の発病者ではないからなのです(14689例の症例データが示す事象事実の存在だけで、『「4つの仮説」の主張内容は、全てが誤りである』と言い切ることが出来る程のデータなのです)。

(8)もう一つの根拠を示しておきましょう。「アルツハイマー型認知症」の発病の本当の意味での初期の段階であり、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階(左脳、右脳及び運動の脳の全てが未だ正常な機能レベルに在るものの=MMSEの得点が24点以上。But,脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が既に異常な機能レベルに在る=年齢区分別に設定された基準に基づき、かなひろいテストが不合格と判定されたお年寄り)の症状は、全てが、『前頭葉機能障害』(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が異常なレベルに在る)に起因した(を反映した)症状だけが確認されるのです。
末期の段階にしか注目していない世界中の権威達は、このことを知らない(データ自体を有してはいない)のです。アルツハイマー型認知症の発病患者である場合には、且つその場合に限り、より高度な機能から順番に、即ち、前頭葉の機能、左脳の機能、右脳の機能、運動の脳の機能の順番に衰えが進行して来るという機序が存在しているのです。「4つの仮説」は、私たちが提示する脳機能データ事象事実である当該脳機能のデータが示す機序の存在)について、科学的、合理的、客観的に説明することが出来ないのです。➡ ハーバード大学も、東大も、京大も、理化学研究所も、アミロイドベータ仮説を信望し、主張の根拠にしているのです。

権威があるとはいっても、主張している内容は、誤りだと断言できるのです。その他にも、私たちが有する、「アルツハイマー型認知症」の発病患者の『脳機能データ』として、「小ボケ」(発病してから3年間)及び「中ボケ」(2~3年間)という期間の標準的な滞留期間の存在のデータ、更には、「小ボケ」及び「中ボケ」の各期間について確認される脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣」(食生活でなくて、脳の使い方としての『生活習慣』であることに留意する)という要因のデータが存在していて、それらの事象事実もまた、『「4つの仮説」が単なる憶測の類であり、内容自体が誤りである』ことの科学的で客観的な証拠資料が幾つも存在しているのです。

※1 二段階方式の手技の活用により、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び三段階に区分される症状の判定と鑑別並びに脳のリハビリの実践指導による回復についての記述書である、「個別事例判定マニュアルA」には、次の記述がなされています。

①「小ボケ」の段階であれば、脳のリハビリの実践により、症状の回復又は症状の進行が比較的に容易に実現されうること。

②「中ボケ」の段階であれば、脳のリハビリの実践により、症状の回復又は症状の進行が未だ可能であること。この場合、「中ボケ」の前期(MMSEの換算値の総得点が23点以下20点以上)であれば、集団による脳のリハビリ(個々人ではなくて、集団に共通のテーマの実践)の実践でも、効果が得られること。但し、「中ボケ」の後期(MMSEの換算値の総得点が19点以下15点以上)になると、個別の脳のリハビリ(個々の被験者についての、特定のテーマの選択が不可欠となる)の実践が不可欠のものとなり、且つ、同居の家族による実行の支援と後押しが不可欠のものとなること。

③「大ボケ」の段階(MMSEの換算値の総得点が、14点以下)になると、脳のリハビリの実践を個別のテーマにより、且つ、同居の家族の献身的な協力と支援による脳のリハビリを実践しても、症状の回復又は症状の進行の抑制は、最早困難となるものであること。

「MCI」の基準は、言葉であれこれ書かれていても、介護の予防のための適切な措置を考えるうえで、何等の有効な指標とはなり得ないことを、理解していただけたでしょうか。

(9) そもそも、『アルツハイマー型認知症』は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様による支障(認知症の症状)が発現してくるのが特徴なのです。私たちの意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、自分が置かれた状況の分析や理解や判断も、状況判断に沿ったテーマの発想も、テーマを実行する為の実行の計画も、実行結果の洞察や推理やシミュレーションも、シミュレーションの結果に基づいた比較や選択も、実行の決断も、或いは何かに対する感動も、更には、何事かに対する感情の抑制も、注意の分配力の機能の関与なしには、機能が発揮されないという機能構造になっているのです(実行機能の機能発揮上の二重構造の存在=二段階方式が、世界で初めて解明したもの)。

どのような状況であれ、必ず存在している複数の意識の構築、統合、管理、コントロールさえもが、注意の分配力の機能の関わりなしには、存立できない構造になっているのです。日常の挨拶程度の会話が成り立つ為にも、ズボンをきちんとはく動作を正しく遂行するにも、手に取ったものがハサミであることの正しい認識を得るにも、この、注意の分配力の機能が働くことが不可欠となることに、専門家とされる人達が未だに気づいていないことが重大な問題なのです。こうした機能構造の理解なくしては、前頭葉の機能障害、就中、廃用性の機能低下に起因した機能障害というテーマに行き着くことは出来ない相談というしかないのです(注意の分配力の機能は、異なる複数のテーマを同時に並行して処理する機能であり、『あーしたらこうなる、こうしたらあーなる』という風に、洞察し、推理し、シミュレーションし、検索し、選択する際に不可欠の機能であり、加えて、あの人は「頭の回転が速い」という言葉が示すように、咄嗟の判断と対応とに不可欠の機能でもあるのです。「お年寄り」達が自動車事故を起こすことが多いのは、廃用性の機能低下によって、『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきているせいなのです。私たちの区分で言う「小ボケ」のレベルに在る「お年寄り」が、車を運転しているケースが多いのです)。

 ブレーキシステムの問題ではなくて、小ボケや中ボケが運転していることが大問題。
私たちが「正常老化の性質」と呼ぶ、『加齢』に起因した機能低下が進行している60歳を超えた年齢の「高齢者」が、左脳が主管する仕事とは無縁となる、「第二の人生」を送る生活の中で、自分なりに追求する特別のテーマが無くて、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、これといった目標となるものも無い日々の暮らし方、『脳の使い方』という視点で言うナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(即ち、食生活は関係なくて、「脳の使い方」としての生活習慣という要因のみが関係していることに注意する)に起因した廃用性の機能低下が、前頭葉の機能障害(就中、注意の分配力の機能の機能障害)を惹き起こすことが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行するか否かを決定づける「核心的な要因」であることに、世界中の認知症研究の権威ある専門家達(専門機関)が、早く気付いて欲しいと願うのです(アミロイドベータの蓄積は、『アルツハイマー型認知症』を惹き起こす原因要因ではないのです)

何等の対策(早期診断による回復、介護の予防、更には、発病自体の予防)が、国策として制度化され実践されないでいると、「介護」が必要となるお年寄り(末期の段階の症状が発現してきて、セルフ・ケアにも重大な支障が出てきて日常の生活面での介護が不可欠となるお年寄り、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階のお年寄り)の数が、増加し続けていくこととなり、結果として、既に年間で10兆円を超えたとされている『介護の費用』がとめども無く増加し、「介護保険制度」が財政面から破綻することを恐れるのです。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」である為に、世の中に極めて大きく、重大な悪弊を生じさせているのです。

平成の大合併前の時期を中心に、440を超える市町村が、二段階方式を導入し、実践し、成果を挙げていながら、「二段階方式」の使用料を5年で無償にした為並びに平成の大合併で導入市町村が吸収合併された為に、予防活動が、泡のように立ち消えて行ってしまったのです予算化が不要になると、保健師さんの配置も無くなったのです。合併後の人事異動により、経験のある保健師さんが、他部署や他の地域に異動させられてしまったのです。
➡ それはそれとして、権威とされる機関や人達が、「誤った情報を垂れ流し続けている」ことが重大な問題なのです。彼等が主張の前提においている『記憶障害』に起因して発病するとの想定自体が、科学的で合理的な根拠もデータも無い『重大な誤り』なのですから。
(10)「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす唯一で、且つ、「核心的な要因」は、①加齢に起因した機能低下を基礎要因としていて、②『加重要因』としてのナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続による廃用性の機能低下の進行に起因した「前頭葉」の機能障害という、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることによる相乗効果により、廃用性加速度的異常機能低下が進行していくことなのです(極めて単純な要因)。
※1 私たちが、市町村との個別で有償の使用許諾契約に基づいて先駆的な活動として実践してきた住民参加型の地域予防活動により、『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないことが疫学的方法により実証されているのであり、『早期診断と脳のリハビリの実施により治せるし、症状の進行を抑制することにより介護の予防が出来るものなのです。更には、前頭葉が活性化する(=「注意の分配力」の機能の出番が多い)生活習慣の構築と日々の実践により発病自体を予防することが出来る』ものなのです。我が国の現在の実態で言うと、『発病の原因が不明で、治せないもの』とする権威の主張(重大な誤り)の社会への影響が強すぎて、何等の対策が実行されないままに居る状況下で、「介護の為の費用」だけで年間10兆円を超えた状況にあるという訳なのです。
※2 最近になって、スエーデンのカロリンスカ研究所やロンドンに拠点を置くランセット委員会等が、『「生活習慣」が、アルツハイマー型認知症発病の危険因子と考えられる』との主張を展開し始めたとはいえ、「AI技術」を駆使した多人数の分析程度のものに過ぎず、内容的には不十分なものであり、『食生活学歴が関係する』等という発病原因とは無関係の「誤った要因」が挙げられていたりもするのです。

※3 現代数学での最大の難問とされている『ABC予想に対する望月博士が提起した証明の考え方』と同じという訳ではないのですが、見方を変えて見れば、『発病自体の予防』も、『介護の予防』も、表裏一体の同じテーマと言えるものなのです。『川上に目を向けたもの』が発病の予防であり、『川下に目を向けたもの』が介護の予防であり、実施後の効果に大きな差があるものの、両者は共に、介護が不可欠となる時期を少しでも先送りする目的で、実施されるという点では、共通したテーマであるとも言えるのであり、且つ、同時に並行して展開できるものなのです(関わる部門は異なっても、互いに競合はしないのです)。

本著作物「G-04-①」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。

  

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♯ 認知症 アルツハイマー型認知症の発病と意識の機能構造との関係 「G-02- その3」

2022-02-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

&3『評価の物差し(=自我』と言う脳機能の存在とその役割

1.「意識的な世界」に於ける脳全体の司令塔としての『前頭葉』の諸機能

(1)  額のところ(前頭前野)に在る『前頭葉』という脳機能は、脳の最高次の機能です。運動の脳、右脳及び左脳を統括し、「脳全体の司令塔の役割」を担っているのです。私たち人間だけに特有な機能である意識、即ち意識的な世界(自由で、選択的で、目的的な意思や思考や行為や言動や行動の世界)では、「左脳」が「デジタルな情報」(言葉、計算、論理、場合分け)の処理を専任的に行なうときも、「右脳」が「アナログな情報」(形、色、音、時間の経過、空間、感情)の処理を専任的に行なうときも、「運動の脳」が「身体」を専任的に動かすときも、三頭立ての馬車の『御者』の役割をしている『前頭葉』という脳機能を構成している要の機能である『評価の物差し(自分独自の物差しで評価する意識の主座)』が実行機能を駆使して行う分析と理解と評価と洞察とシミュレーションと比較と選択と決定による判断なしには、勝手には動けない仕組み(構造)になっているのです。⇔三頭の馬のどれかが動こうとする際には、機能構造的に、必ずその事前に、『評価の物差し』(ホムンクルス=脳の中のもう一人の私=意識の主座=『自我』)が働く構造になっているのです。

(2)即ち、『実行機能』を駆使して、メタ認知する人間だけに特有なタイプの認知であって、注意の分配力の機能を介して、実行機能を駆使して、自我が行う認知のこと主観的な『意識の主座』(自我=「評価の物差し」の機能)による評価と比較と選択と決定が為されているのです。『例えば、「右脳」の働きにより、樹上から下方に向かって、滝が流れ落ちるように、真っ盛りに咲いている眼前のブーゲンビリアの樹の風情について、「自分特有の切り取り方」としての色や形で、自分特有の質感(クオリア:qualia=個々人毎に異なる主観的な認知の質感)を感得することになっている』のです。猶、「時々に感得される個々の質感自体にも、質感の差異が存在」していて、当該質感の差異自体が、前頭葉の三本柱の機能の発揮度に支配され下支えられていて、意識の覚醒度並びに個々の質感自体が、「注意の分配力」を核心とする「前頭葉」の三本柱の機能の高度の発揮と抑制の度合いとに応じて変化するのです。『前頭葉の三本柱』の機能の発揮を基盤として、『評価の物差し(意識の主座)』が一定の機能レベルで働きを開始するその瞬間に『意識』が覚醒され、「評価の物差し」が全面的に覆った状態下で、実行機能の行使が始まるのです。『評価の物差し(意識の主座)』の機能が最優先に働くという「機能構造の枠組み」の下で、『前頭葉』が自分の置かれている状況を分析し、理解し、判断し、その状況判断に従って、三頭の馬を主導しつつ、「前頭葉」の状況判断に沿う形で、同時に協働しながら、三頭の馬が目的となる「テーマ」を実行していくというのが、「意識的な世界」での、人間の脳が働くときのメカニズムであると、私たち「二段階方式」は、考えているのです(前頭葉を含む脳全体の機能の廃用性の機能低下の進行と小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階に区分される『-アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行とがリンクしている)。相手が話しているその意図を正しく理解できなくなるのも【小ボケで出来なくなる】、 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来なくなる【中ボケで起きてくる症状】、ズボンを頭から被ったり、或いは、徘徊したりするのも【大ボケで起きてくる症状】、上述の注意の分配力の機能が関わるメタ認知に支障が起きてきていること原因なのであり、記憶の障害が原因ではないのです。⇔朝食時はAとCを、夕食時はBとCを飲むという指示を自分で読んでも、適切なメタ認知が出来ないために目の前にあるA,B,Cの薬を適切に扱えないのです。

(3)猶、『意識的な世界』には、意識が覚醒されてはいなくても脳機能としては自由選択的に働いている世界が存在することを注意喚起しておきたいのです。睡眠中に『夢を見ている』場合に代表される世界が存在しているのです。一定の機能レベルにはあるが意識の覚醒度が極めて低い状態の世界が存在しているのです。すなわち、覚醒はしていなくて、「前頭葉」を含む脳全体の選択的な機能状態が存在しているのです。この状態は、「無意識」ではないのです。言い換えると、意識の覚醒度が極限にまで低下していった、その先に、無意識と表現できる究極の状態(無意識状態)が存在していると言い得るのかもしれないと考えるのです。特段の「定義」もしないで、「無意識」という用語を頻繁に使う傾向がある権威が有るとされる専門家達から、見落とされている世界があるのです⇒「脂肪細胞が脳を支配している」などと声高に騒がないで欲しいのです(メッセージを発しているだけのもの)。

※1 例えば、気が付けば何時も気に懸かっている『心配事』が、あなたの心を大きく占めている状態下で、そのとき手に持っていた「スマホ」を、その時、目についた場所に置くのです。これは、その時、そのテーマ(スマホを、目についた場所に置く)自体は、選択的で意識的な行為なのです。心配事に注意の分配量の大半が注がれていて、「スマホをその場所に置く」というテーマに配分されていた注意の分配量が少なかった為に、当該行為の記銘度が極めて低くなり、後で想起することが出来ない(どこにスマホを置いたのかが想い出せない)だけのことなのです。屡々、『無意識に・・・・した』という言葉が乱用されるのですが、そのメカニズムは、上述したとおりであり、「無意識」が支配しての行為ではないのです(『無意識が支配している云々』というのは、権威達の単なる誤解!)。猶、所謂「無意識」なるものには、「選択」が無いのに対し、「意識」には「選択」(且つ、自由意思に基づいた選択であることに留意する)という要素が機能構造的に担保されていることが特徴でもあるのです。この場合、「意識的に云々する」とは、一定レベル以上での「覚醒度」(関連する機能の発揮による覚醒の度合い)が必要条件となるのです。

※2「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の顕在的な発揮度を意識的に次第に下げて行くとき、(「前頭葉」の機能の発揮度と意識との関わりを調べていけばいく程)意識的な世界でありながら、専門家とされる人達から「無意識」の世界と混同されている世界があることに私たち「二段階方式」は気付いているのです。

(4)  思考、行為、言動、或いは行動のいずれであるかを問わず、それらを一定レベルで行うには、「意識」が一定レベル以上の度合いで覚醒されていることが、不可欠となるのであり、その意識の覚醒の度合いは、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の働き具合に左右され、支配され、下支えられていると私たちは考えているのです。実は、その肝心要の「前頭葉の三本柱」の機能には内在的な(生来的な)性質としての加齢に起因した機能の老化(二段階方式が、その存在を解明し、「正常老化の性質」と呼称)が存在していることを私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた14689例にも上る極めて多数の「脳機能データ」が証明しており(以前、NHKの人気番組である「チコちゃんに叱られる」で採用されたもの)、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者が60歳を超える年齢の「高齢者」のみに限定されることともリンクしているのです(「アルツハイマー型認知症」は、老年発症が特徴なのであり、若年性アルツハイマー型認知症は、実在しないのであって、「側頭葉性健忘症」を誤診しているものなのです)。私たちがこのブログの中で使用する「意識的」という意味は、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の全てが、一定の機能レベルで機能している為に(顕在的な機能)、意識が一定レベルで覚醒されている脳の機能状態を言います(=正常、小ボケ、中ボケ、大ボケ)。

(5) 心理学の専門家達から「無意識」と呼ばれているものには、潜在的な機能である「前頭葉」の「評価の物差し(意識の主座)」としての機能の『潜在的な存在の状態(潜在的な機能の状態)』及び『顕在的な機能であるが「意識の覚醒度」が極めて低い状態にある為に意識に覚醒されていない状態(顕在的な機能の状態)』とがあることが理解されていないか、或いは、両者が混同されているだけなのです。「夢遊病」は、別名「睡眠時遊行症」とも呼ばれる睡眠障害のひとつとされているのですが、そもそも、『無意識に行う動作』は、ありえないことだと考えているのです。意識の覚醒度が極めて低い状態下で行われている為に、当該状況や行為の記銘度が極めて低いものとなっている結果、当の本人が後でそのことを、想起することができないだけのことと、考えるのです。(実は、そのことにも関連していて、専門家たちの間で世界的に有名な実験である、『ベンジャミン・リベットの実験』自体が、解釈を誤っていると私たち「二段階方式」は考えているのです。⇒ 意識下の思考と動作の実施に関わる「注意の分配力」の機能の関わり方(関与の態様と度合い)の理解が不十分というしかないのです。

※動いている『長針が3時を通過するその瞬間の度にボタンを押す』というテーマの実行の為のその瞬間の動作が行われるとき、被験者は、『注意の分配力』の機能の働きによって、①当該テーマを脳内に常に保持している状態下にあって、②長針の動きを常に目で追って行っていて、③長針が3時の真上を通過しようとするまさにその直前に『ボタンを押す動作をイメージして想起しながら、押すという命題を想起』(=メタ認知)して、④『長針が、3時の真上に来たら、その瞬間にボタンを押す動作を脳の中で想起して実行する』のです。即ち、「注意の分配力」の機能の働きにより、動いている長針を目が追い認知し続けているので、左脳と右脳と運動の脳が共同して、ボタンを押す直前に、『注意の分配力』の機能を核心とした「前頭葉の三本柱」の機能が高度に機能を発揮しつつ『ボタンを押すべき動作をイメージする、すなわち、メタ認知的に認識する』のです。更に、その直後(長針が3時の真上を通過すると認知する瞬間)前頭葉の三本柱の機能が高度に機能を発揮しつつボタンを押す動作が実行されることになるのです。明確な血流の変化が起きるのです。然も、両者の関係は、『正に、ミラーニューロン』が働く如き状況が、脳内と脳外で相前後して起きている事例と全く同じことと言えるのです。

これが、実験結果に対する正しい理解なのであり、リベットは、理解を誤っているということなのです。リベットによる実験結果の理解(誤解)は、注意の分配力の機能の働きについての理解が浅いのです。自己が行う「同じテーマの2つの動作=先行するメタ認知と直後に実行される認知」という実行動作の直前の準備と直後の動作の実行には、ミラーニューロンの事例の如く、「同じ脳の領域が関わることを見落としている」のです。この実験の誤った解釈により、『意識に先行する無意識が存在するとか、無意識が意識を支配している』などという誤解が、権威を持つことになったのです。

(6)そもそも「無意識」なるものは、意識の覚醒度が極限の状態にまで低下していったその先の技術的な、または用語上で語られるべきもの(結果)であって、「無意識」を惹き起こす脳の機能が存在する(原因要因)と考えるべきではないのです。その意味で、「無意識が意識を支配している」というのは、言葉の遊び以上の何物でもなく、意味をなさない用語と考えるのです。

2.意識下での認知の「クオリア」の濃淡を発現させている要因とは

(1) 私たち二人が現在住んでいる伊豆高原には、備屋(びんや)珈琲という名のおしゃれな喫茶店があります。先日は、そこで、『小さな音楽会』が催されるというので、TadとKinukoの二人で出かけてきたのです。まだ若いロシア人の美しい歌姫が、電子オルガンを自分で弾き乍ら、ロシア民謡をロシア語で歌ってくれたのです。二人ともロシア語は全く分からないのに、心を打たれ揺さぶられ、涙しそうになるのです。その時、目をつぶって聞くと、目を開けた状態で、歌姫の表情やオルガンを弾く動きを視野にとらえ乍ら聴いている状態で感得される意識の質感(クオリア)との差異があることに気付くのです。目を開けていると、「注意の分配力」の機能が先に働くことになるので、異なる複数の様々な対象に対して、機能構造的に注意が分配されることになる結果、「注意の集中力」の発揮度がその分低下してしまい、結果として、当該対象の認知から感得される「意識の質感」が、その分低下することになるのです。

(2)Tadは、30数年も前に、ブレジネフの時代のソビエトのモスクワに、仕事で何度か行き、科学技術委員会と交渉した後、夜に科学技術委員会からの接待を受けた、会場となった瀟洒な劇場での体験を思い出しながら聴いていたのです。数十人ものジプシー達が、絹の衣をまとっただけの姿で乱舞する状況に驚いたすぐ後に、場面が一転して、華やかなドレスをまとってはいるものの、哀愁を帯びた声調で、若い歌姫が歌うロシア民謡を聞いた体験を有するTadと、そうした生の体験がないKinukoが感得する種々のクオリアには、別の意味での差異が存することにもなるのです。『前頭葉の三本柱』の発揮のレベルが異なることに加え、それぞれが独自に有する『評価の物差し(意識の主座)』及び『記憶の倉庫』の中身自体が、異なっているからなのです。「二段階方式」が提示する上掲『意識の機能構造モデル図』に照らし乍ら、上述した説明をもう一度読み返してみて頂きたいのです。『意識的な世界』、即ち、「意識が覚醒」した状態下で、自分の脳内で起きてくる様々な神経活動を自覚し、様々な感覚での質感を感得することが出来るのは、「注意の分配力」の機能を核心とした『前頭葉の三本柱』の機能の働きと働き具合の変化を基盤としつつ、自分独自の内容であることを特徴とする『記憶の倉庫』との照合を不可避で必然の事前工程としていて、自分独自のものの見方、感じ方が関わる作用が働くからなのであり、そのことは即ち、『評価の物差し』(意識の主座)の機能が、一定の機能レベル以上の機能を発揮することによるものであることを提起したいのです。それ故に、他者とは共感できない質感であり、且つ、対象ごとに異なる様々な種類及び程度からなる自分独自の質感が、同時に並行して、存在してくることになるという訳なのです。

⇒ 自身が、その意識作用に於いて、『自己の内面に目を向けて、その意識過程を分析して,言語化を試みる内観作用』であり、「自分で、自分の気持ちや考えを内省することで、どのような時に、どのような気持ちや考え方になるか、どうしてその考え方が発生し、行動をしたのか、これからどのようなことをどのようにしたいのか、等を考える」ものである所謂メタ認知は、『注意の分配力』の機能の働きが関与して、且つ、一定以上の機能レベルで働くことに因り、初めて成り立つものなのです。

⇒ 意識が覚醒した世界、『意識的な世界』に於いて、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』という機能が、「前頭葉の三本柱」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)の機能、「評価の物差し」の機能及び「実行機能」から構成される「複合機能体」であると考える重要な根拠でもあるのです。

(3)『注意の分配力』の機能を核心とする「前頭葉の三本柱」の機能の発揮が基盤にあって、機能を発揮する上で当該機能に左右され、支配され、下支えられ乍ら、『評価の物差し(意識の主座)=意識の首座』による評価、選択、決定に従い、『注意の分配力』の機能が、「実行機能」と総称されている各種個別の認知機能群(Executive Function)を行使するに際し、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』の役割(意識的な世界を運行する脳全体の司令塔)を担っていて、「記憶の倉庫」と照合しつつ、『実行機能』を駆使しながら、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、「テーマ」の実行及び実行内容を企画し、計画して、実行結果の洞察、推理、シミュレーションを行って、シミュレーション結果に基づいた比較を基に選択を行い、実行の決断を下して、脳の各部に実行の指令を出しているのです。その過程で、様々な種類の及び覚醒度がそれぞれに異なる複数の意識が創出され、維持され、統合され、分離されて、同時に並存しているのが、私たち人間だけに特有な世界、意識的で目的的な世界なのです。マウスには、「意識の世界」は存在していないのです。

注意の分配力の機能が重要な役割を果たしている記憶のメカニズムは、マウスの記憶のメカニズムとは、全く異なる上に、『アルツハイマー型認知症』を発病させ、症状の重症化を進行させている張本人、真犯人である【ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下】を惹き起こすメカニズムは、マウスには存在していないのです。この要因に気付かないで居て、権威とされる世界中の研究機関や研究者達は、未だにマウスが檻の中でエサを探して徘徊する行動を研究し、無意味な推測や憶測をして、世の中を惑わせているのです。間違った場所を、間違った方法で掘り続けている限り、どこまで深く掘ろうとも、何も出ては来ないことを、指摘しておきたいのです。自分たちの根本的な誤りに気付くのに、あと何年間必要とするのでしょうか。世界の権威を自認するのであれば、その分、社会的責任を自覚すべきなのです。

(4)そうした機能構造の存在を前提としたものである「廃用性の機能低下の進行の連鎖」であり、『前頭葉の三本柱』の機能が(連鎖的に説明すると、「評価の物差し=自我」の機能が、「実行機能」が、『前頭葉』の機能を含む脳全体の機能が)、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことを直接的に反映したものとしての「意識が覚醒」している上での様々な支障が、『アルツハイマー型認知症』の症状(社会生活面での支障=「小ボケ」、家庭生活面での支障=「中ボケ」及びセルフケアの面での支障=「大ボケ」)として発現してくる「意識的な世界」での存在を問題提起したいのです。

世界中の専門機関から、発病の原因が不明とされている『アルツハイマー型認知症』は、何等の器質的な原因病変は存在していなくて、第二の人生を送る上で日々展開される単調な生活習慣、追及する特別のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものがない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が惹き起こす、前頭葉を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が『唯一の原因』で発病するタイプの認知症なのであり、その本態が廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないと、私たち「二段階方式」は、一貫して主張しているのです(発病のメカニズムの詳細については、このブログの「F-12」 を参照して下さい)。

(5) 上記(4)の考えから、発病を予防できる、症状を治せる、或いは、症状の進行を抑制できる効能を有する薬が開発されることは、未来永劫ありえないことだと考え、主張しているのです。「アリセプト」他の4種の薬も、今回出てきたアデュカヌマブも、治療や発病の予防の効能は、有していないのです。効能の有無の評価が杜撰な為に、誤った主張がなされているだけなのです(詳細は、このブログの「F-14」 を参照して下さい)。発病の予防効果も、治療の効果も、症状の進行を抑制する効果も有しない、こんな薬が万が一にも承認されたとしたら、その背景に何があるのかを分析し、公表したくもなるのです。

(6)「脳の機能の顕在的な発揮度とその機能の潜在的な機能レベル」という視点から言えば、『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」も潜在的な機能レベル自体は未だ正常なレベルにあるのです。三頭の馬はどれも未だ正常なレベルにあって、脳全体の司令塔の役割を担っていて「三頭建ての馬車」の御者である「前頭葉」の潜在的な機能レベルとしての働き具合だけが「異常なレベル」に衰えてきている状態にあるのです。

その為、『前頭葉』の機能の中で最も基礎的で、且つ重要な働きであり、分析、理解、発想、計画、創意、工夫、洞察、推理等「実行機能」の個別認知機能による「認知度」及び「発揮度」を左右し/下支えている「前頭葉の三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の潜在的な機能レベル自体が異常なレベルに衰えてきている為、様々な場面で、状況や目的に即しては(又は、状況や目的に十分には)、『実行機能』と総称されている各種個別認知機能群の機能を、十分には発揮させられなくなっている為、「アルツハイマー型認知症発病の本当の意味での初期症状」が発現してくることになるのです。そこには、「権威」と称されている、世界中の専門家達から見落とされている本当の意味での初期段階(二段階方式の区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)が存在しているのです(その類型的症状については、このブログの「F-11」を参照して下さい)。

彼等は、末期の段階の後半、11の下位項目から構成されていて、30点が満点であるMMSE(左脳及び右脳の機能レベルを判定する手技)の総得点が9点以下、一桁になって初めて発現が確認される症状、極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状を確認して初めて発病と診断する『重大な誤りを犯している』のです。このことに加えて更なる重大な誤りとして、物忘れの症状を判定基準とする「MCIの基準」(軽度認知障害)が提示されてもいるのです。『MCI』の基準の該当者を、『アルツハイマー型認知症』発病の前駆的状態と説明する愚を犯しているのです(このブログの「F-12」を参照して下さい)。

正しくは、前頭葉(御者)の機能障害に起因した症状の発現という本当の意味での早期の段階が存在するのです。権威達が主張しているMCI(軽度認知障害)という基準と考え方は、これまた、「重大な誤りを犯している」内容なのです。前回のこのブログで注意を喚起し、問題提起しているように、物忘れは、アルツハイマー型認知症の発病とは、直接の因果関係はないのです。『前頭葉』の機能障害こそ、「真犯人」なのであり、物忘れの症状を含む記憶の障害は、前頭葉の機能障害に起因して発現する症状の「一形態に過ぎない」のです。

前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現してくることさえ知らないで、発病との間の因果関係の存在を未だに実証できない儘に、「記憶障害」という憶測に基づいただけの原因を想定していて、アミロイドベータ仮説を筆頭に「4つの仮説」が主張されているのです。発病の真の原因を語れないで、極めて重度の症状を初期症状だと誤解していて、「物忘れの症状」を外観から主観的に観察するだけのものであり、客観性が全く担保されていない『MCIの基準』(軽度認知障害の考え方)が世界中を席巻しているのが現状なのです。

3.何等かについての簡単な思考であれ、言動であれ、行為であれ、意識的に何等かのテーマを発想し、実行するには、一定レベルでの『意欲』の発揮が必要不可欠なのです。きちんとした内容で実行するには、『注意の集中力』の継続的な発揮が要求されるのです。実行の結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、最適な方法を選択するには、『注意の分配力』の機能の高度な発揮が、不可欠となるのです。それらの過程で、『実行機能』と総称される個別の各種認知機能群の機能を最大限に発揮させるには、それら機能の発揮の度合いを左右していて、支配し、下支えている機能である『前頭葉の三本柱』の機能の存在と関与が欠かせないのです。

これが、『アルツハイマー型認知症』の発病原因を解く鍵なのであり、私たち二段階方式が、実行機能の機能発揮上の二重構造と名付けている機能構造なのです。権威とされる人達は、このことにさえ気づいていないのです。認知症研究の専門家と言いながら、彼等は、最も重要で、核心的で、簡単な『この要因を見落としている』のです。挙句の果て、『注意の分配力』の機能が備わってもいない、マウスを対象にして、仮説を主張しているのです(間違った方法で、間違った場所を、深く掘っているだけ)。

(1)「アルツハイマー型認知症」発病の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、『前頭葉の機能障害』に起因した症状しか発現が確認されないのです。自分が置かれている状況の分析と理解と判断も不十分にしか出来なくなるし、発想が湧いてこないし、見通しも立たないし、何をどうするのかという「テーマの構想と計画や工夫」も出来なくなってくるのです。テーマを実行する上で不可欠である実行の程度や態様、自分が置かれている状況や相手との関係などのシミュレーションも不十分にしか出来なくなり、最終的な決断自体も足元が揺らいでくるのです【何事に対しても他人を頼るようになる『指示待ち人』が、『小ボケ』(軽度認知症)の段階の「お年寄り」の特徴なのです】。

(2)意識的に何等かの「テーマ」を発想し、実行を計画し、決断する上で、必要不可欠の大本の働きをしている「意欲」が、不十分或いは断続的にしか発揮できなくなってしまうのです。何かの「テーマ」に取り掛かってみても、「注意の集中力」が続かなくて、「あれも遣り掛け、これも遣り掛け」という風に、中途半端になってしまうのです。ケースシミュレーションする上で不可欠の「注意の分配力」が不十分にしか働かなくて(頭の回転が、鈍く、遅くなってしまう)、かつてのようにテキパキとは、用事を処理することができないのです。実行すべき何等かの「テーマ」の発想が湧いてこないので、毎日をボンヤリと過ごして、居眠りばかりするようになるのです。臨機応変とか、機転が利くとかとは、無縁の人となり、「あーしたらどうなるか、こうしたらどうなるか」と言った脳の使い方、『注意の分配力』の機能の出番が極端に少ない単調な毎日を送る「生活習慣」が、日々繰り返されていくことになるのです。

『セルフケア』自体には問題ないし、『家庭生活面』でのさしたる支障も見られないので、家族も特段気づかないのですが、『家の外に出ていき、他人と交わり、何等かの共通のテーマを実行することが必要となる』社会生活面で、支障が出てくるのが、『小ボケ』の段階なのです。脳の後半領域の機能である左脳も、右脳も、運動の脳も未だ正常な機能レベルにあるのですが、三頭立ての馬車の『御者』の役割、脳全体の『司令塔』の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきている為に、『前頭葉』の機能障害の症状が発現してくることになるのです(F-11を参照して下さい)。

(3)『アルツハイマー型認知症』発病の 最初の段階である「小ボケ」の段階で、これまでの本人を特徴づけていた「その人らしさ」が、日々の暮らし方の中から消えて行ってしまうのです。その人らしい物の見方、感じ方、捉え方、考え方、或いはそれらの表出の発言や行動を決定する「前頭葉」の評価機能である行動指針(「評価の物差し=意識の主座」)の反映としての「生活および行動態度」が、大きく変化してしまい、或いは失われていき、「元は、こんな人では、なかった」と周りから言われるようになるのです。此処で注意すべきは、『そうした変化は、「評価の物差し(意識の主座)」の基準内容自体が変化した訳ではないということなのです』。『評価の物差し(意識の主座)』の働き方が(当該機能の発揮の度合い=機能レベル)、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の結果として、変化した(当該機能の発揮レベルが異常なレベルに低下した)に過ぎないのです。

他人に対する言動や対応の仕方を含めて、あたかも「人柄の本質」自体が変わったかのような「特徴的な症状」を示してくるのですが、それは、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力(中でも、注意の分配力の機能)の潜在的な機能レベル自体が、異常なレベルに衰えてきていることが直接の原因となり、「前頭葉」の『評価の物差し(意識の主座)』としての顕在的な機能の発揮度が異常なレベルに機能低下していることを反映した認知症の症状なのです。潜在的な機能自体が異常なレベルに衰えているので、日常の生活面での『前頭葉』機能の顕在的な発揮度それ自体が認知症の初期症状(脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体)として発現することになるのです。

※意識的な世界は、三頭立ての馬車が運行する世界であり、『軽度認知症=小ボケ』の段階では、『御者だけが、異常な機能レベルに在る』とはいえ、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在る訳であり、そのアウトプット(前頭葉を含む脳全体の機能レベルの反映)である症状は、異常なレベルのものであり、『アルツハイマー型認知症発病としての症状である』ことを理解すべきなのです。このことを言い換えると、『前頭葉』の機能レベルを判定しないで(肝心要の、判定するための手技を持たない為)左脳と右脳の機能レベルだけの判定に頼っているのでは、見落としてしまうのです。

4.ところで、「前頭葉」の『評価の物差し(意識の主座=自我)』自体は、あくまで後天的に形成されるものなのです(=独自の価値観自体は、後天的に形成される)。

(1)4歳になる以前での幼児期における体験、自分を取り巻く環境、特に「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした家族環境の中での実体験を基礎として『評価の物差し(意識の主座)』の「原型」が形成され、4歳児から18歳ごろまでの体験(実体験及び伝聞による体験)の積み重ねにより悩み、迷い、或いは拒絶し、好むと好まざるにかかわらずそうしたもろもろの体験の集積が幼児期に獲得したその原型の上に加味され溶け込んでいく中で、最終的に自分としての独自のものを形成し、確立していくのです(『自我』の確立)。

(2)なお、ここで私たちが言う『評価の物差し(意識の主座)』とは、自分独自の/自分だけに特有な対象の切り取り方、見方、感じ方、受け止め方、考え方、或いは、それらの表出の程度及び態様を比較し、評価し、選択し、決定する上での、観察、感受、表現、表出、思考、言動及び行動指針のことを言います。言い換えると、意識的に何かの「テーマ」を実行していく(表情、仕草、動作、発言、行為、言動、行動)上での、自分が於かれている状況及び環境の分析、理解、判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、「テーマ」の実行内容の企画と計画、計画内容の実行結果についてのシミュレーション、或いは、計画内容の実行の仕方及びその実行内容の表出である言動や態度を比較し、評価し、選択し、決定するに際しての自分独自の選択及び決定と決断に非選択的に関わってくることになる『評価規範=価値規範=行動規範=選択規範=(意識の主座=自我)』なのです。

(3)なお、「非選択的に関わってくる」とは、程度のいかんに拘わらず意識が覚醒された瞬間に『評価の物差し(意識の主座)』としての網が『前頭葉』の各種の個別認知機能群である『実行機能』全体を覆い、状況の分析や理解及び判断も、「テーマ」の発想も、「テーマ」に沿った実行内容の企画や計画も、結果のシミュレーションンも、或いは、それらの表出程度や態度の選択も、実行するかしないかの選択、決定、決断の全てについて、「評価の物差し=意識の主座」による非選択的な評価及び選択が下される機能構造の存在という制約の下で、選択的に(自由意思として)実行されることになるという意味なのです。別の表現を借りて説明すると、『評価の物差し(意識の主座)』の潜在的な機能が「自我」、「人格」、或いは「人柄」なのであり、顕在的な機能の発揮状態が「心」、「感情」、「表情」、或いは、「気持ち」、「態度」又は「言動」であると、私たち「二段階方式」は考えているのです。

⇒ 脳の中には「もう一人の私は居ない」、『意識の主座は、独り者=自我』なのです。

(4)ここで一つ注意を喚起しておきたいのは、専門家が問題にする『ホムンクルスの誤謬』の問題です。『認識の主体と客体の関係が、無限に後退して続いていくことになる』というテーゼなのですが、それ自体が、重大な誤りなのです。主体は、『評価の物差し』だけ。

『意識的な世界』は、「注意の分配力」の機能を核心とする「前頭葉の三本柱」の機能の働きにより、基本的には、異なる複数の『意識』が、同時に並存しているものなのです。『注意の分配力』の機能が一定の機能レベル以上に発揮されるだけの分配の対象となったテーマについては、『実行機能』を駆使して、メタ認知が、同時に複数行われているのです。マウスは愚か、チンパンジーやオランウータンにも備わっていない脳機能であって、私たち人間だけに特有な機能である『注意の分配力』の機能及び『実行機能』について、並びに、両者が共同する機能関係について、未だに、権威とされる人達が無知なせいなのです。

注意の分配力の機能の分配の程度の差異によって(量及び質の差異に起因)、覚醒の度合いが異なる複数の異なる意識が常に並行して存在しているのが常態であり、「前頭葉の三本柱」の機能に下支えられ乍ら、『評価の物差し』(意識の主座)の機能が、「実行機能」を駆使することによって、メタ認知が行われてもいるのです。『評価の物差し(意識の主座)』による当該対象に対する評価の変化、或いは、興味や関心の対象の変化が起点となって、「注意の分配力」の機能が働いて、「注意の分配量」の配分の変化が起きることにより、「対象に対する意識の覚醒の及び集中の度合い」が変化して(「質感」の変化を誘導することにもなる)、或いは、「対象そのものが変化する」ことになると考えるのです。

『評価の物差し』による変化を下支えているのが、『注意の分配力』の機能なのです。『注意の分配力』の機能の存在と働き無しには、『覚醒の度合い』が異なる複数の『意識』の同時、且つ、並行しての存在(3つ以上の異なる複数の意識の同時、並行存在)は、在り得ないことなのです。私たちが気にもかけないで、異なる複数のテーマを容易に実行できている(例えば、運転席の横に仲の良いお友達を乗せて、日常会話を楽しみ乍ら、移り行く周囲の景色を楽しみ乍ら、Tadが大好きなマライア・キャリーの“ We Belong Together”をBGMに流して楽しみ乍ら、信号を無視することもなく、溝に落とすこともなく、流れに沿って、車を走らせることが出来る)のは、『注意の分配力』の機能が正常な機能レベルで働いているからなのです(「小ボケ」の段階のお年寄りは、道路の真ん中よりを、時速30kmほどのスピードで、ノロノロ運転し、何台もの車を後に従えていることにも気づかない)。

⇒意識的な世界の構築と運営に不可欠である『注意の分配力』の機能は、マウスには愚か、マーモセットにも、チンパンジーにも、備わっていないのです。

加えて言うと、意識的な世界における認知の内容、枠組み、程度及び態様を決定づけている大本の機能である『評価の物差し(意識の主座=自我)』の機能には、『志向性、但し、確率論的視点にはなじまない』が備わっているその一方で、『柔軟性=状況による選択的変化、或いは、時に逸脱=不確定性』が備わっているのであって、機械的な世界であるに過ぎない『AI技術』のような、プログラムされた通りの機械的な反応しか出来ないものとは質的に全く異なるものであることが、特徴でもあるのです。『脳の中にもう一人の私が存在している』のではなくて、「前頭葉の三本柱」の機能が一定の機能レベルで機能を発揮する瞬間、言い換えると、「意識」が覚醒される瞬間に及び脳内及び脳外のすべての事象の認知について、私『評価の物差し=(意識の主座=自我)』が、主体となり及び主座となると私たち「二段階方式」は、考えているのです(個々の木でなくて、森を見ての考え方)。

例えて言えば、『評価の物差し(意識の主座)』の機能の場合には、客観的な存在としての赤を、主観的には、赤と評価しないことができるのです。自我として確立された機能であるために、基本的には、揺らぎや変化が起きてこないものなのですが、時と場合(状況や場所や相手)によっては(このこと自体の選択についても、『評価の物差し(意識の主座)』が真っ先に働いているのですが)、異なる認識と対応を選択することが出来るのです。いかなる場合と状況下でも、常に同じという機械的な選択とはならないことが、特徴なのです。

(5) 通常のケースとしては、「3歳児までの幼児期」に形成されたその「原型」を基盤に、その色眼鏡をかけた状態で、その後の知識や経験や体験(実体験及び伝聞体験)により、加味或いは付加される価値観を自分なりに反抗し、受け入れる中で、必要な修正や変更や追加や取捨選択がなされていき、最終的には、18才頃までに自分なりに確立された独自の『評価の物差し(=意識の主座=「自我」)』(「観察規範」、「価値規範」、「評価規範」、「比較規範」、「選択規範」、或いは、「行動規範」)を形成していくことになるのです。そうした自分独自の『評価の物差し(意識の主座=「自我」)』が形成され、確立されていく過程は、同時に、精神分析学や心理学の専門用語で言う『自我』の形成及び確立の過程と重なるものと、私たち「二段階方式」は考えているのです。確立された『自我』が、確立された「評価の物差し」、すなわち、『意識の主座』であると考えるのです。

なお、「三つ子の魂百まで」、或いは「頭禿げても浮気はやまぬ/産屋の風邪は一生つく/産屋の癖は八十までなおらぬ/漆剥げても生地は剥げぬ/噛む馬はしまいまで噛む/子供は大人の父親/雀百まで踊り忘れず/痩せは治るが人癖は治らぬ/病は治るが癖は治らぬ」等の古くから言い慣わされてきた諺が示しているように、全てを吸収する4歳以前の幼児期に形成された『評価の物差し(意識の主座)』の「原型」は、4歳児以降の人生での様々な知識や経験や体験をもってしても、容易には変更できない程、最終的な自分なりの或いは自分独自の評価の物差しを確立していくことに対する影響が極めて大きいのです。

3つ子、4歳以前の幼児というのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」を中心とした自分を取り巻く家族環境の中での体験に対して、それらを評価したり、批判したり、反発したりする能力を未だ持っていないので、それらの体験を何の疑いもなくそのまま、ただひたすらに受け入れるだけなのです。恐ろしいのは、「父母や祖父母や兄や姉の背中」が示す価値観が、そのままその子供の「前頭葉」の『評価の物差し(意識の主座)』の原型となってしまう、無抵抗に『前頭葉』に入り込んで「原型」を形成してしまうことなのです。

⇒ 「親の背中」の影響というテーマについて、親がもっと自覚を持つべきものなのです。


&4 「意識」の覚醒下『前頭葉』を含む脳全体の機能の発揮に関わる二重構造

1.『DSM-Ⅳ』の規定内容の重大な誤り

(1) 「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、発現して来る初期の症状は、左脳(失語)がらみの症状、右脳(失認)がらみの症状、運動の脳(失行)がらみの症状、又は、実行機能がらみの症状となると、『DSM-Ⅳ』(米国精神医学会が策定したアルツハイマー型認知症の診断規定)の第二要件は規定しているのですが、実はこれが「重大な誤り」の規定内容なのです。最初に挙げられた「3つの要件」は、特定の症状を例示しているのに対し、最後の要件は、症状が発現してくる原因、要因を規定したものなのです【「実行機能」の障害(disturbance in executive functioning )】に起因して発現して来る症状という「前3者とは異なる規定の仕方」なのです。規定の仕方自体が、論理的に支離滅裂のものとなっているのです。

※後で、詳細について説明しますが、失語や失認や失行の症状自体が、実は、記憶障害でなくて、「実行機能」の機能障害(三者の機能構造の関係で言うと、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因した、「実行機能」の機能障害=『前頭葉』の機能障害)に起因して、発現して来る症状なのです(「4つの仮説」は共に、この点で、重大な誤りを犯している)。

(2) 加えて『DSM-Ⅳ』の規定は、「意識的な世界」に於ける脳の機能構造を無視したものなのです(機能構造を知らない為に誤った内容の規定をしているのです。4つの仮説も、MCIの基準も同じ誤りを犯しているのです。『意識的な世界』に於ける、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能レベル』という視点がない為、失語や失認や失行の症状が発現してきていないもっと軽い段階、二段階方式の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階が存在することに、未だに気が付いていない、見落としているのです)。

(3)『実行機能』は、意識的な世界、即ち目的的な世界に於いて、『評価の物差し』の規範に従って①自分が置かれている状況を分析し、理解し、憶測し、推測し、判断して、②状況判断に沿った自分なりの何等かの「テーマ」を発想して、③「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を企画し、計画して、④想定した条件下での実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、⑤シミュレーションの結果を比較し、⑥最終的な実行内容及び実行の仕方を選択して、⑦実行内容を決定して、⑧実行の決断をし、⑨意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている、『前頭葉』の機能が左脳、右脳及び運動の脳に対して、実行の指令を出すという機能構造になっているのです。①『実行機能』とは、上記(3)で赤字列挙した個別認知機能群の総称なのであり、②「実行機能」が働くには、左脳、右脳及び運動の脳を介しての働きが不可欠となるのであり、加えて、③実行機能が機能を発揮する為には、『注意の分配力』の機能を核心とした「前頭葉の三本柱」の機能による下支え及び管理が不可欠となるという機能発揮上の二重構造の関係があるのです(『前頭葉の三本柱』の機能、就中、「注意の分配力」の機能の関与の度合いが、「実行機能」の働きの度合いを左右しているという機能構造をしている)。

 この機能発揮上の二重構造から、実行機能の機能障害は、前頭葉の三本柱の機能障害に起因して惹き起こされることになるという「機能構造」に対する無知が原因での規定内容上での間違いを犯しているのです(「実行機能の機能障害」と規定するのではなくて、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因した実行機能の機能障害が正しい規定内容となるのです)。加えて、実行機能の機能障害は、第二要件に規定するのではなく、第一要件に規定すべきものなのです。第一次的に『注意の分配力を核とする前頭葉の三本柱の機能』の機能障害に起因して、第二次的には、『実行機能』の機能障害に起因して、最終的には、即ち、『前頭葉』の機能障害に起因して、失語や失認や失行の症状が発現して来るものなのです(機能障害の因果関係が支離滅裂の規定)。

(4)分かり易く表現して説明すると、意識的な世界、目的的な世界は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」が運航する世界なのであり、馬車の運行を判断し、支配し、管理し、コントロールしているのが御者である『前頭葉』という脳機能なのです(意識的な世界、目的的な世界では、『前頭葉』の機能が、脳全体の司令塔の役割を担っているので、「前頭葉の異常な機能レベル」が、症状に反映されたものとなる)。左脳、右脳及び運動の脳を手足として、『前頭葉』が運行の全般を管理し、コントロールしていて、思索や思考、行為や行動、或いは、発言を行う上で、不可欠となる脳機能が、「実行機能」であり、「実行機能」の機能の発揮度を支配し、管理し、下支えているのが、『前頭葉の三本柱』の機能という機能構造関係にあるのです。

(5) このことを言い換えると、意識的な世界、即ち、意識が覚醒した世界、目的的な世界では、左脳、右脳及び運動の脳を手足として、実行機能を活用して馬車を運行して行くとき、『前頭葉の三本柱』の機能レベルが、その先の全ての意識的なアウトプット、即ち、実行機能の働き具合及び記憶の倉庫との照合関係並びに、左脳、右脳及び運動の脳の働き具合、(或いは、それら機能の複合した機能発揮の関係の上で)、必ず直接的に反映されるという「因果関係の鎖」の連鎖が存在しているということなのです。

➡『注意の分配力』の機能を核とした「前頭葉の三本柱の機能」の機能障害が、実行機能の機能障害に繋がり、即ち、そのことが『前頭葉の機能障害』となり、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能障害が、関わる全ての、アウトプットに直接反映されることになり、アルツハイマー型認知症の症状が発現して来ることになる(小ボケの段階の症状は、アルツハイマー型認知症としての症状であることが、権威達から、見落とされているのです)⇒ 小ボケ及び中ボケの段階の症状も、「アルツハイマー型認知症の発病」としての症状なのです(⇔アルツハイマー型認知症が認知症全体の90%以上を占める)。

(6) 第二要件の規定の問題点を明確にしつつ表現すると、「注意の分配力」の機能を核とする前頭葉の三本柱の機能の機能障害が「実行機能」の機能レベルに直接的に影響し、「実行機能」の機能障害が、即ち、総体としての『前頭葉』の機能障害となるのであり、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルにリンクしたアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』の発病としての「症状」となる(小ボケ、中ボケ及び大ボケの症状となる)という訳なのです。

2.『意識的な世界の認知』と脳の機能構造と機能障害

(1) その機能構造の要の機能が、「前頭葉の三本柱」の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を総称して、二段階方式が名づけているもの)なのです。その要の機能である『注意の分配力』の機能なしには、こうした現象は起きてこないことについて、世界中の、脳科学者も哲学者も認知症の研究者も、未だに気づいていないことが、『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムが不明とされている一番の理由なのです。アルツハイマー型認知症は、意識が関わるタイプの認知症であり、意識を構築し、統合し、分割し、管理し、コントロールしている要の機能が、『注意の分配力』という脳機能なのですから。

(2) 『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の、内容及び覚醒度が異なる、多層で多重の複数のテーマ及び意識を同時に並行して、且つ、重層的に、処理する為に不可欠の機能なのであり、あの人は頭の回転が速いという言葉があるように、咄嗟の判断と処理を行う上でも不可欠の機能』なのです。同時に並行して、且つ重層的に行われるのが特徴である、①複数の対象の認知にも、②複数の意識の構築、統合、分割、管理にも、③各意識の「覚醒度」又は、「質感」の差異を生じさせるにも、この『注意の分配力』の機能が関わることが不可欠となるのです。

(3) 私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、即ち、自分が置かれている状況の判断に沿った『テーマ』を発想し、目標を定めて、実行に移していく世界である「目的的な世界」では、個々の認知を行う機能であり、『実行機能』(Executive Function)と総称される機能の発揮度を左右し、下支えして、支配し、管理している脳機能が、『注意の分配力』の機能なのです。

分析、理解、判断、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、選択、抑制、感動、決断等の個別認知機能群(総称して実行機能と言う)が働く場面では、内容と覚醒の度合いとが異なる『複数の意識』が同時に並行して存在しており、その働きを可能にさせている要の機能が『注意の分配力』の機能なのです(「注意の分配力」の機能を支えているのが「注意の集中力」の機能であり、「注意の集中力」の機能を支えているのが『意欲』の機能と言う多重で多層の機能構造が存在していることにも注意が必要です)。言い換えると、「注意の分配力」の機能の関与が無いと、実行機能は働くことが出来ないという機能構造(このことを、二段階方式では、実行機能の機能発揮上の二重構造の問題と呼んでいるのです)が存在しているのです。

この構造の上で更に、注意の分配力の機能が廃用性の機能低下に因り異常な機能レベルに衰えてくると、実行機能の発揮度が異常なレベルのものになってしまうことに直結して行くのです(機能構造の連鎖=廃用性の機能低下の進行の連鎖が起きてくるのであり、最終的には、『前頭葉』の機能障害に繋がること及びその機能構造の関係が、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下が進行する場合に、三段階に区分される症状の発現という直接的な反映という連鎖を生じさせてもいるのです)。※ここに取り上げる機能構造の連鎖及び廃用性の機能低下の進行の連鎖は、マウスにも、マーモセットにも無関係で、私たち人間だけに特有なものなのです(アルツハイマー型認知症の特殊性)。

&5『アルツハイマー型認知症』の発病と「意識の世界」との関わり

(1)世界中の専門家達が未だに気ずいていないことなのですが、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状は、私たち人間だけに特有な『意識』が関わるタイプの認知症なのです。様々な程度及び態様による発現が確認される『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状、『脳のリハビリ』の実践に因る回復の可能性の有無及び程度により、「三段階に区分」される症状が発現してくるのが特徴なのです。『前頭葉』の構成機能の一つである『実行機能』を下支えていて、支配し、管理している機能である「前頭葉の三本柱」の要の働きをしている機能である『注意の分配力』の機能が、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』により、異常な機能レベルに衰えてきたことに起因した『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』の直接的な反映としてのアウトプットが、三段階に区分される『アルツハイマー型認知症』の症状として発現して来るものなのです(14689例の「脳機能データ」が存在=受診の為に、日本中から浜松医療センター脳外科を連れてきた発病患者のデータ)。

(2)『アルツハイマー型認知症』を発病した最初の段階(脳の機能面から定義すると、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在って、「意識的な世界」、即ち、「目的的な世界」における脳全体の司令塔である『前頭葉』の機能だけが異常な機能レべルに在るのが特徴)である『小ボケ』の段階では、異常なレベルでの「記憶障害」の症状はその欠片も確認されなくて、『全てが「前頭葉」の機能障害の症状だけ』なのです。「各段階の症状」が発現する基礎となっている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルについて、「二段階方式」の手技のような精緻な神経心理機能テストを活用して確認すれば、一見した限り、「記憶障害」の症状を呈しているのかと誤解しそうな「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の症状も、「記憶障害」の症状が「アルツハイマー型認知症」の根幹となる症状であると主張する「権威ある人達」の主張内容が誤りであることを容易に理解することが出来るのです。

(3)「前頭葉」の機能構造や「意識的な世界」の機能構造や「前頭葉」の三本柱の機能と「前頭葉」の個別認知機能群である『実行機能』との機能発揮面での「二重構造」の関係に目が行き、そのことを理解することが出来れば、『アルツハイマー型認知症』の症状の発現のメカニズム(機序)が、私たちが独自に規定した発病の「第二の要件」に掲げている内容、(左脳の出番が極めて多い性質のものである)仕事とは無縁の日々となる『第二の人生』を送る上で展開される単調な生活習慣、追及すべき特別の「テーマ」がなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因したものであることを容易に理解できるのに(分かってしまえば、コロンブスの卵程度のもの)、『器質的な病変が、発病の原因である』との誤った前提に立脚している上、『「記憶障害」の症状が根幹をなす』との誤解に基づいた前提条件だけにしがみついていて、マウスを追いかけていたのでは、発病の真の原因に迫ることは出来ないし、「仮説」の域から脱出することも出来ないのです。

権威を自任する人達は、カロリンスカ研究所がAI技術の駆使による大量の比較データの解析により、交遊や運動などの生活習慣が発病の危険因子と考えられるとの論文を発表すると、(「アミロイドベータ」の蓄積により生成される「老人斑」の持つ毒性により、神経細胞の大量死が惹起されて記憶障害が起きてくることに起因して発病すると主張する)アミロイドベータ仮説を支持していながら、運動や交遊が発病を予防すると主張するのです。仮説によると、運動や交遊が神経細胞の大量死を予防することになるという、非科学的な結論を導くことになるのです。

※1『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、その症状は、「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ、大ボケの症状)が発現して来るのが特徴なのです。末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行して来ると、意識的に何かのテーマを発想し、実行することが出来なくなるのです。記憶障害が原因で起きてくる訳ではないのです。『注意の分配力』の機能が働かないことにリンクして、実行機能が働かないこと、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り異常な機能レベルに在る為に、異常なレベルでしか機能が発揮出来なくなってきていることが、真の原因なのです。

※2様々な種類が数ある認知症の内で、その大多数、90%以上の割合を『アルツハイマー型認知症』が占めているのです(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含めた場合のこと)。発病者数が600万人を超えたとしている厚労省の予測数値には、「小ボケ」及び「中ボケ」の人数は含まれていないのです(世界中の専門家機関が、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することが出来る手技さえ持っていない為に、失語や失認や失行の症状が初期症状であると規定している「DSM-4」の第二要件の規定内容の誤りに気づいていなくて、極めて重度の症状だけにしか注意が行っていない結果、私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」と「中ボケ」の段階が見落とされていて、アルツハイマー型認知症の発病者の人数に含まれていないのです)。コロナ下、「三蜜の回避」に徹する生活習慣(脳の使い方の視点で言う単調な生活習慣)が継続する暮らし方が二年間にもわたる状況下で、症状の重症化が進行してきていて、新規の発病者が大幅に増えてきてもいるのです。

※3 権威が主張する内容『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が不明で、治すことも発病自体を予防することも困難なタイプの認知症である』を鵜呑みにしていて、失語や失認や失行の症状が「極めて重度の症状である」ことも知らないで、末期の段階で発病を見つけていて、発病のレッテル張りしかしていなくて、症状の進行を抑制する治療の効能も無く、単に、「症状の発現の仕方を抑制させたり、昂進させたりする効能しか有していない」単なる「対症療法薬」であるアリセプトを含む「4種の薬」を処方するだけなのが、医療現場での診断の実態なのです。早期診断による回復(「小ボケ」と「中ボケ」の早期の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」の実践により回復させる、症状を治すこと)が、対象となっていなくて、発病自体の予防も対象となっていなくて、何時発病したのかも分からないままに放置されていて(本当の意味での「早期診断」が行われていない)、セルフケアにも支障が出てくるようになり、介護が不可欠のお年寄りの介護の為の費用だけでも単年度ベースで10兆円を超える規模(一般会計分と特別会計分との合計)になっているのです。

⇔ 『発病自体の予防が出来る』のに、このまま放置しておいて良いものなのでしょうか。

&6 数年後には、「二段階方式」の主張内容が『世界標準』となるのです

(1) 世界で最も権威があるとして専門家達からも信望されていて、主張内容に対して微塵も疑いがもたれていない米国精神医学会が策定した『DSM-Ⅳ』の第一要件が確認を要求している「記憶障害」に起因して発病するとの設定条件自体が『重大な誤りである』ことも知らないで、権威が憶測により想定しただけの「記憶障害」を発病条件とする規定内容を正しいものと妄信し、「記憶障害」をもたらしそうな条件と憶測により想定しただけの原因事項を未だに追い求めているのです。然も、『前頭葉』という脳機能も、『注意の分配力』の機能も備わっていない、「マウス」(最近流行りのマーモセットとて同じこと)を未だに研究の対象としているという有様なのです。

それが、世界的に通説の地位にある「アミロイドベータ仮説」なのです。ほとんど破綻しかかっている仮説なのに、その仮説の考え方を根拠に開発された「アデュカヌマブ」という正体不明の、訳が分からない薬が、またしても飛び出してきたのです。アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムに照らして、私たち「二段階方式」が集積し解析した14689例にも上るアルツハイマー型認知症の発病者の「脳機能データ」(事象の事実)からも、発病を予防したり、症状を治したり、症状の進行を抑制する効能を有する薬、予防薬や治療薬が開発されることは、未来永劫ありえないことなのです。薬の効能を評価する方法や評価結果が杜撰なだけなのです。

(2)私たちは、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界を研究の対象としていて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(前頭前野に局在している「前頭葉の三本柱」の機能」、「評価の物差し」の機能及び「実行機能」の総合体を総称して言う)に的を絞り、「前頭葉」の個別認知機能群(「実行機能」と総称)の働き具合(機能の発揮度)を左右し/下支えている機能である「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』(重層的、且つ複層して存在している複数で多数の意識の世界を構築し、統合し、統括し、コントロールする要となる機能であり、更には、異なる複数の「テーマ」を同時に並行して処理する上で、不可欠の機能)の機能に焦点を定めて、『私たちが「意識的」に何かのテーマを発想し、実行しようとする際に起きてくる様々な症状』の発現のメカニズム(発病の原因)の解明を主眼としてきたのです。

私たち独自の主張である『二段階方式』の考え方は、北海道から九州に跨る452の市町村で、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』という先駆的な活動の実践の成果によって、『主張内容が正しいことを疫学的に証明し』、『顕著な成果』を挙げてきているのです。

※1 世界中の認知症研究の専門家達から、発病の原因が不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、『三頭立ての馬車』の御者である「前頭葉」の機能が最初に異常なレベルに衰えてくることから発病するのです(私たちの、区分で言う小ボケの段階では、左脳も右脳も運動の脳もそれら全てが未だ正常な機能レベルに在る状態下で、『前頭葉』の機能だけが、異常な機能レベルに衰えてきているのです。この事象事実一つを例にとっても、『4つの仮説』の主張内容が全て誤りであり、単なる「憶測の類」だと指摘できるのです)。

※2 『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の皆さん(私たちが規定する、アルツハイマー型認知症発病の第一の要件)、「第一の人生」での「仕事」に相当するような、何等かの追及している自分なりの「テーマ」がありますか。その「テーマ」を実行する上での「目標」がありますか。目標を達成するために様々な創意、工夫が行われていますか。目標を達成する過程で、或いは、目標の達成自体により、自分なりに喜びや生き甲斐を覚えることがありますか。

ここに挙げた質問の内容が、『アルツハイマー型認知症』を発病するか否かが関わる/問われる『核心的な要因であり、条件=脳の使い方としての生活習慣の在り方』なのです。私たちが規定する発病の第二の要件は、『追及すべき自分なりの特別のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、単調な日々の暮らし方の継続』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続、即ち、『脳の使い方』としての単調な「生活習慣」の継続という要因こそが、『発病のリスク因子』なのです。

※3『アルツハイマー型認知症』を発病することになるか/ならないか、それを区分ける唯一の条件は、『仕事』とは無縁となる第二の人生での「生き方」が問われることになるということなのです。『第二の人生』は、全てが下り坂なのです。身体も脳も下り坂。経済的な条件も下り坂。そうした環境にあらがっても無駄なのです。そうした条件を受け入れた上で、自分なりの『テーマ』を見つけて、自分なりの『目標』を設定して、自分なりに創意・工夫して、『自分なりに、第二の人生を楽しむことが出来る生活』を送る為の『自分なりの生活習慣』を構築し、継続して実践することが、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防に不可欠の条件となるのです。食生活の在り方ではなくて、脳の使い方としての『生活習慣の在り方』が問われることになるのです。再度指摘しておきます。「4つの仮説」が想定する発病原因は、発病との間に直接の因果関係が存在していない、単なる「憶測の類」に過ぎないのです。

(3)私たちが規定する『二つの要因』(①加齢に起因した正常な機能低下の進行及び②単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行)が同時に存在し充足されることに因り、両要因の充足に因る「相乗効果」に因り、『前頭葉を含む脳全体の機能』が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが、唯一の原因となり、「アルツハイマー型認知症」を発病し、更には、症状の重症化が進行していくことになるのです(疫学的に実証済み)。「4つの仮説」が想定するような、アミロイドベータの蓄積も、タウタンパクの蓄積も脳の萎縮の進行もアセチルコリンの不足も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因とは無関係なのであり、「発病との間には、直接の因果関係が存在していない」のです。

(4)  異なった複数の「テーマ」(必然的に、異なった複数の実行機能の働きの関与が起きてくる)を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能が、異常なレベルに衰えてきていることの直接の反映が、就中、機能構造の連鎖の結果として、「前頭葉の三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきていることの直接の反映が、「小ボケ」/「中ボケ」/「大ボケ」の段階での、様々な症状が発現してくる核心的な要因(基盤となる要因)なのです。

(5)『前頭葉の三本柱』の機能が異常な機能レベルに衰えてきたことの直接の反映、言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした機能発揮の結果としての状況の分析、理解、判断、テーマの発想や、実行の計画や、実行結果の洞察や推理やシミュレーションや、機転や感動や抑制或いは決断という「実行機能」の機能の「発揮度」に直接影響する為に、対象となる情報の認知並びに記銘、その保持及び想起、更には、個々の処理の面でも、当該機能の発揮が不的確で不十分であった「小ボケ」の段階を出発点に、「中ボケ」の段階を経由して、最後に、殆ど働かないことの直接の反映としての末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくることになるのです。

これを言い換えると、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクし/反映としての三段階に区分される様々な支障が、アルツハイマー型認知症の発病としての症状として、発現してくるのです。最初に社会生活の面(小ボケ:回復させることが容易)に、次いで家庭生活の面(中ボケ:回復させることが未だ可能)に、最後にセルフケアの面(大ボケ:回復させることは、最早困難)における症状の段階的な発現を特徴として、思考、言動或いは行動の面に徐々に緩やかな進行という形で現れてくるのが、「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴なのです。

※『脳のリハビリ』の実践により、正常なレベルに回復させることが出来ないケースについても、「中ボケ」に留まらせている限り、『介護の予防』という成果が得られることにもなるのです。

(6) 発病及び症状の重症化が進行していく原因は、記憶障害ではなくて、『4つの仮説』が発病の原因と想定し主張する要因は、誤りなのです(以下が、その根拠)。

一つ目のデータは、「前頭葉」の機能が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳という順番に機能が異常なレベルに衰えていくという衰えが進行して行く厳密な順番が存在していること及び二つ目のデータは、MMSEテストを実施し、発病者であることが確認された人達(小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階のお年寄りを含む14689例に及ぶ脳機能データの解析結果)の場合は、且つその場合に限り、MMSEの下位項目について出来なくなっていく厳密な順番である『MMSE下位項目の困難度』を示す客観的な「脳機能データ」が存在していること。その順番は、項目困難度が高い方から、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです。三つ目のデータは、「脳のリハビリ」の実践により正常なレベルに回復させることが出来ることが可能である本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階については、標準的な滞留期間が存在していることなのです(「小ボケ」の期間は3年間、「中ボケ」の期間は2~3年間)。

注1)今回のブログは、各回につき3万字以内という字数制限があるために、3回に分けて、このブログ上に公開してあります(前回分と合わせて、1回で読んでください)。

注2)私たち「二段階方式」の主張内容は、根拠となる「脳機能データ」があり、ブログ上にも出来るだけ掲示しているのですが、字数制限の関係で今回は、載せることが出来ていません。

本著作物「G-02ーその3」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

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♯ 認知症 アルツハイマー型認知症の発病と意識(の機能構造)との関係 G-02-その1

2022-01-15 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

 

※ 上記は、私たち「二段階方式」が考える(浜松医療センター脳外科でのアルツハイマー型認知症の発病患者の診察での前頭葉を含む脳全体の機能レベル及び当該機能レベルに厳密にリンクした症状並びにその基盤に在る脳の使い方としての「生活習慣」の生活歴の精緻な確認業務の実体験を基礎とする3000例を超えるKinukoの実体験実務を基本にして、Tadが、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状並びに14689例の発病患者の「脳機能データ」の解析結果が示す3種類の「脳機能データ」と整合する形で、更には、『Tad自身の脳の働き』による確認を基礎)『意識の機能構造モデル図』です。

『アルツハイマー型認知症』の発病と意識(の機能構造)との関係については、このブログの「G-02-その2」及び「G-02-その3」の詳細な解説を読んでみて下さい。

(プロローグ)

様々な種類が数ある認知症のうちの大多数、90%以上の割合を占めていながら、世界中の権威とされる機関や人たちから異口同音に、『発病の原因が分からないし、症状の重症化の進行を抑制できないし、一旦発病したら症状を治すことが出来ないし、発病自体の予防が困難なタイプの認知症である』と言われ続けていて、発病の原因については、単なる憶測の類でしかない「アミロイドベータ仮説が世界的に通説の地位に在る3種類(通説であるアミロイドベータ仮説、対抗馬であり少数説であるタウ蛋白仮説及び異説であるアセチルコリン仮説)等の仮説が提示されているだけの『アルツハイマー型認知症』は、意識が関わるタイプの認知症なのです。

※ それらの憶測の類でしかない説(主張内容)が『未だに仮説として扱われている』のは、いづれの仮説も、アルツハイマー型認知症の発病/症状の進行との間に存在するべき因果関係(原因と結果の関係)について、今日現在もなお、実証が出来ていない為なのです。

 世界中の権威とされる機関や専門家達は、そのことにも気づかないでいて、「意識」という脳の機能構造が備わっていない(複合機能体である「前頭葉」の機能も、『注意の分配力』の機能も備わっていない)マウス(齧歯類)とか、マーモ・セット(哺乳類)とかの動物の行動を研究していて、それが、『誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘っているだけ』ということにも気づいていないのです。

意識』は、人類最大の難問と言われ続けているものなのですが、最近では、『アルツハイマー型認知症は、人類最大の不思議な病気』と言われるようになっているのです。その二つの難問に挑戦してきて、私たち『二段階方式』が解き明かしてきた知見の概要を、東日本大震災の翌年、以降の単調な生活習慣の継続が予想される状況から、(被災高齢者達の間で、アルツハイマー型認知症の発病者が大幅に増加する予測により、世の中に対し警鐘を鳴らせる意味と目的で、2012年の3月以降このブログで、(世の為、人の為に)無料で公開してきているのです(累積の総字数が、500万字超え)。

上京した折に、大きな書店へ行ってみると、『アルツハイマー型認知症』の発病原因に関する本や、脳トレ本が、たくさん棚に並べてあります。
発病原因は、アミロイドβ仮説の説明(脳の中にゴミが溜まるとか、食生活でごみを除去できるとか、根拠となる因果関係への言及も無く、ましてや前頭葉を含む脳全体の機能レベルとの関連の説明もデータの提示さえも無く、単なる憶測レベルでの出鱈目な内容)ばかりなのです。
脳トレ本はと言うと、複合機能体である「前頭葉」の機能構造にも無知な人達が、『前頭葉の活性化』を謳っているのです。

両者共に、大学教授や認知症の診断が専門の医師や介護施設の責任者たちなのです。全員が、無知でありながら(間違った内容であることを、知っているのか/知らないのか)、平気で書籍を出版する価値観の持ち主なのです。

 


&1 発病の原因は、『廃用性の機能低下の進行』に過ぎないのです

『二段階方式の考え方及び二段階方式の手技の活用によるアルツハイマー型認知症に特化した、早期診断による回復、症状の重症化の進行の抑制による介護の予防、更には、発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の国策化による全国展開』を実現し、『アルツハイマー型認知症』の発病の対象者となる高齢者老年発症が特徴)第二の人生を送る高齢者達が、身体がもつ限り、出来るだけ脳も持たせて』、この我が国日本で世界に先駆けて、『持続可能な超高齢社会』を実現させたいと考えているのです。我が国の地方の隅々にまで、『二段階方式』の考え方を浸透させていく考えなのです。

 アルツハイマー型認知症の発病原因に関する『DSM-Ⅳ』の規定の第一要件の内容も、「3つの仮説」の内容も、共に重大な誤りの内容なのです。

何度もこのブログで問題提起し説明してきているように、『アルツハイマー型認知症の本態は、「廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病」に過ぎない』のであり、『発病自体の予防が出来たり、症状を治すことが出来たり、症状の進行を抑制できたりすることが出来る効能を有する薬が開発されることは、発病のメカニズムに照らして、未来永劫有り得ないこと』なのです。

 発病を予防するにも、症状を治すにも、重症化の進行を抑制するにも、『第二の人生を送る上で展開し、継続される「脳の使い方」としての生活習慣』だけがKey条件となるのです。

 ハーバード大学を筆頭にした、世界中の権威とされる機関の重大な誤りを、理論面だけでなく、実際の活動面で顕著な成果を実現して、正していきたいと考えているのです(岸田政権=岸田首相の懐刀)に対する「3つのPRJ」の実施の提案に対して、未だに何等の回答も無い状態)。

 

函南町のTadの仕事場(富士山が丸見え)

&2  「アルツハイマー型認知症」は、人間だけに特有な『意識』が関わるタイプの認知症なのです

今回は、『意識の機能構造図』を提示して、世の中に問題提起し、アルツハイマー型認知症の発病との関係について、Keyとなる原因要因及び条件を提示し、説明したいと考えるのです。

アルツハイマー型認知症』を発病して、「DSM -Ⅳ」の第一要件が確認を要求する失語失認失行〔と第一要件は規定している。但し、本来の失語、失行、失認は、器質的な発病原因が正体であり、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(食生活や糖尿病の発病とは無関係)であり、器質的な原因とは無関係の「脳の使い方」としての『生活習慣』の要因が発病/症状の進行を惹き起こす唯一の要因であるとの意味で言う『廃用症候群』であるに過ぎない『アルツハイマー型認知症』の症状であるので、正しくは、失語紛い、失認紛い、失行紛いの症状と規定すべきもの〕の症状が確認される段階、末期の段階である「大ボケ」の後期の段階にまで症状が進行した「高齢者」達の死後の「脳の解剖所見」に確認されるもの、(老人斑の沈着や神経原線維変化)に着目しただけの仮説、中でも、通説である「アミロイドベータ仮説」やタウタンパク仮説、「重大な誤りの主張内容」であるそれらの仮説が、未だに、大手を振ってまかり通っているその世界を根本から覆してやりたいと考えているのです。

※1「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定は、失語、失認、失行、又は、実行機能の障害に起因した症状となっているが、そもそも、失語、失認、失行(紛い)の症状自体が、実行機能の障害に起因して発現してくることにも無知な規定なのです。
※2 脳の機能面からもっと正確に言うと、失語、失認、失行(紛い)の症状は、『注意の分配力』の機能が核心である「前頭葉の三本柱」の機能障害を基礎として、機能発揮上の二重構造の存在から、注意の分配力の機能の機能障害が実行機能の機能レベルに直接反映されたものとしての機能構造面からの実行機能の機能障害が生じて来ているものなのです。

 それが、政府に提案を考えている「3つのPRJ」(二段階方式の主張内容が正しくて、有効で、有益であることの検証PRJ, 手技や実施マニュアルの標準化PRJ, 導入市町村の拡大展開PRJ)なのです。

 Tad手作りの日本ミツバチ用の巣箱


&3 「アミロイドベータ仮説」は、100%誤りであり、『世の中を惑わすだけ』のものなのです

(1) 抗アミロイドβ抗体(アミロイドβを標的とする抗体)を投与することにより、脳内のアミロイドβが除去され、老人斑の沈着が阻害されようとも、アルツハイマー型認知症の発病の予防に対しても、症状の重症化の進行の抑制に対しても、何等の効能が確認されることには絶対にならないのです。

(2) 我が国の製薬会社であるエーザイがアミロイドベータ仮説が正しいことを前提として開発したレカネマブは、アルツハイマー型認知症の症状の進行を抑制する効能は皆無であり(CDRを転用した効能の評価数値27%は、真っ赤な大ウソ)、有るのは、(脳出血、脳浮腫、脳の萎縮)等の副作用だけなのです。

 (3) 私たち「二段階方式」は、アミロイドベータ仮説が主張する発病のメカニズム(アミロイドベータの蓄積により生成される老人斑がもつ毒性が、情報を連絡する神経細胞の大量死を惹き起こすことに因る記憶障害に起因して、アルツハイマーガタ認知症を発病し、症状が進行するとの憶測に基づいただけの仮説)は、100%誤りであり、(アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病/症状の進行との間には、因果関係自体が存在していないことを完璧に実証できている発病患者の「3種類の精緻な脳機能データ」を何時でも提示できるのです=G00ブログ上で公開済み)。

&4『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病に過ぎないのであり、器質的な原因病変は存在していないのです。そもそも、アミロイドベータの蓄積(老人斑)と『アルツハイマー型認知症』の発病との間には、直接の因果関係自体が存在していないのです。

(1) 発病のメカニズムに鑑みて、アルツハイマー型認知症の発病を予防出来たり、症状を治せたり、症状の重症化が進行するのを抑制できたりする「効能」がある薬、「治療薬」が開発されることは、未来永劫有り得ないことなのです

(2)エーザイが、アセチルコリン仮説を根拠に開発し、製造し、販売している「アリセプト」は、症状の発現の仕方を昂進させる効能でしかない単なる『興奮型の対症療法薬に過ぎず(フランスでは、健康保険の適用対象外の扱いを受けている)、更には、エーザイがアミロイドベータ仮説を根拠に開発した開発した『アデュカヌマブ』(EUでは、治療の効能が確認できないとして、申請が棄却された。我が国では、継続審議とされている)も、東大が開発研究中とされる『光酸素化法』も、両者は共に、アミロイドベータ仮説」が正しいものとする前提に立脚したものであり、早晩、効能が否定されることになる筈のものなのです(CDRなどという主観的な基準に基づく主観的な観察結果を単に数値化するだけの杜撰な基準を、治療薬と強弁する薬の効能の評価に転用したエーザイの今回の態度は、反社会的というしかないのです)。

私たち人間だけに特有な世界である『 意識的な世界』に於ける「脳全体の司令塔の役割り」を担っている要の機能である『前頭葉』の働き方に関わる薬でありながら、効能の評価方法があまりに杜撰で、悪質である上に、『脳浮腫、脳出血、脳の萎縮』などの副作用が相当高い割合での発症が申告(自白)されているなど、『もってのほかのこと』と考えるのです。

 厚労省は、アリセプトでエーザイに煮え湯を飲まされている経験がある訳であり、エーザイがアミロイドベータ仮説に基づいて開発したレカネマブで、「柳の下の2匹目のドジョウを得させてはならない」のです。主観的な観察基準に基づき、主観的な観察結果を単に数値化しただけの杜撰な手法であるCDRを効能の評価に転用した転用した姑息な手法に因る効能のデータは、真っ赤な大ウソであり、「「レカネマブには、症状の進行を抑制する効能は皆無な上に、脳出血、脳浮腫、脳の萎縮等の副作用のひどさは、将来的には、深刻な『薬害訴訟の危険』さえはらんでいることを指摘しておきたいのです。
 

本著作物「G-02ーその1」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。    エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリック

 

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♯ 認知症 アルツハイマー型認知症に対する権威の主張の誤りを整理しました(G-01)

2022-01-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

(プロローグ)

還暦を通過し、古希を通過し、喜寿も通過すると、1年が、本当にあっという間に過ぎ去ってしまうのです。周りに居るお友達の間でも、お迎えが来る人が増えてくるのです。

ふと気が付いてみると、『3密の回避』に徹した「生活習慣」(脳の使い方としての単調な生活習慣)を2年間も守ってきているお年寄り達の間で、アルツハイマー型認知症の発病者が顕著に増加してきているのです。権威とされる人達は、末期の段階(大ボケ)の事しか知らないので騒がないのですが、私たち「二段階方式」が提起している本当の意味での初期段階、小ボケの段階のお年寄りが大幅な増加をみせているのです。放置しておくと、小ボケは中ボケに、中ボケは大ボケへと重症化が進行して行くのです。初夢を見た後の元旦の朝、様々な種類が数有る認知症の内の大多数90%以上の割合を占めている本家本流の『アルツハイマー型認知症』について正しい知識の提供と、権威とされる機関や人達の主張内容の重大な誤りについて、根拠を提示しながら、整理し、国民の皆さんに問題提起してみようと思ったのです。

&1『アルツハイマー型認知症』については、世界中の権威達の主張内容に、以下に例示してあるように、重大な誤り含む種々の問題点があります

1.発病及び症状が進行するメカニズム

権威は、器質的な病変が原因と主張(世界的な通説は、アミロイドベータの蓄積による老人斑の沈着が神経細胞の大量死を惹き起こすことが原因と主張)。

二段階方式は、「加齢」に起因した機能低下及び「第二の人生」を送る上で展開される単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行が原因と主張。

2.発病後の症状

権威は、極めて重度の症状であることも知らないで、失語、失認、失行が初期症状と主張している。

二段階方式は、小ボケ、中ボケ、大ボケの三つの段階があり(F-11を参照)、失語、失認、失行の症状は、末期の段階の大ボケの後期、極めて重度の症状であると主張。

小ボケ 脳のリハビリの実践により、治すこと比較的に容易な段階

中ボケ 脳のリハビリの実践により、治すこと未だ可能な段階

大ボケ 脳のリハビリの実践により、治すことが最早困難な段階

権威達は、末期の段階である大ボケの段階で発病を見つけて、「治すことが出来ないタイプの認知症であると誤解している」のです。

3.発病者総数(我が国の場合での人数)

権威は、600万人と推定している。

二段階方式は、権威は、小ボケ、中ボケの段階を見落としているのであり、末期の段階である大ボケの段階の症状だけが発病と考えている為、予測総数は600万人より大幅に増加する(我が国は、高齢者総数が3600万人いる)。

小ボケと中ボケを発病者数に加えると、3割、1200万人が発病していて、末期段階の高齢者が600万人と推定されるのです)。「小ボケ」は、3年経つと、「中ボケ」となり、「中ボケ」は2~3年経つと、末期段階の「大ボケ」となる(症状が次の段階へと、進行していく)。

4.発病の予防、症状の回復と重症化の抑制の可能性

権威は、発病及び症状の重症化が進行する原因は不明で、症状を治すことも、発病自体を予防することもできないと主張。その一方では、科学的で、客観的な基礎データの提示さえも出来ない儘に、交友及び運動の機会を増やす等の生活習慣の改善が症状の進行を抑制する効果を生むと主張している。

二段階方式は、「アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病なのであり、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と早期治療(「脳のリハビリ」の実践=「前頭葉」が活性化する「生活習慣」への改善とその継続的な実践)により治すことが出来るし、重症化の進行抑制することが出来ること更には、(趣味や遊びや交友や運動や地域活動等について自分なり特定のテーマを見つけて、目標を設定して、自分なりの喜びや楽しさや生き甲斐が得られる生活習慣前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣を継続して実践すること)により、『発病自体を予防できる』と主張し、北海道から九州に跨る452の市町村との個別の有償契約で、住民参加型の『地域予防活動』を指導し、顕著な成果を挙げ、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証した【1996・7?)年頃厚労省に呼ばれ、当時の尾嵜課長から全国展開を懇請された(国としてできることは何でもするので、二段階方式を全国展開して欲しいと要求された)が、当時50歳代の前半だった高槻忠男が、お断りした。2005年以降の平成の大合併の進行、オレンジプラン、新オレンジプランが政府の施策として市町村で全国展開される中で、導入後は10年が経過後に使用の対価を無料としたことで予算化が不要となり、当該PRJに対する人員の配置がなくなったことも相まって、活動が次第に消えていき、新規導入先がなくなって行った】。

『菅官房長官の御計らいで、2019年11月29日、厚労省認知症施策推進室の室長他と協議の場を持てたのですが、AMEDに持って行くよう勧められただけで、国がどうするかについては無回答だったのです。その直後に菅首相が誕生して、いよいよ国策化による発病の予防活動が展開されることになると意気込んで準備を進めていたら、新型コロナの感染が激増して来て、「3密の回避」が叫ばれる状況で、「脳イキイキ教室」など、言うことも出来なくなっていった矢先に、菅首相が退陣されてしまったのです。新型コロナの終息が見えてきたし、オミクロンは感染力が強いものの、重症化や死亡の発生率が低いようなので、「発病自体の予防」を目的とした住民参加型の「地域予防活動」の国策化による展開を岸田新政権に提言している初夢を見た新年の早朝、朝日を拝みながら、戦略をあれこれ妄想しているところなのです。寅年である今回こそはと、期待して』。

ハーバード大学を筆頭に世界中の権威あるとされる機関(我が国では、東大、京大、理化学研究所)でさえ、上記のような誤りを未だに犯し続けている根本的な原因はどこにあるのか。その主たる原因は、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行が、私たち人間だけに特有な世界、「意識的な世界」(目的的な世界)で脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が関わっているせいなのです。前頭葉の機能構造さえ解明できていない上に、前頭葉の構成機能である『実行機能』(分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、憶測、シミュレーション、比較、選択、決断、抑制、感動etc.の個別認知機能群の総称)の機能の発揮及び発揮度が前頭葉の三本柱の機能に左右され、下支えられているという機能構造(実行機能の機能発揮上の二重構造)の存在に、私たち「二段階方式」しか気づいていない有様なのです。そんなことも知らずに、権威とされる人達は、意識的な世界とは無縁の動物であり、『注意の分配力』の機能が備わっていないマウスやマーモセットにアミロイドベータを注入して、注入量の増減に因る行動の変化(記憶の機能レベルの変化)の様相を研究している有様なのです。記憶の障害と言う要因と発病との間に『因果関係が存在していない』のにも拘わらず。因果関係が存在していることの立証が先決であるべきなのです。立証さえできないで、意味もない先陣争いに走っているのが権威と言われる人たちの行動なのです。

&2 予防及び治療

1.権威

発病の原因が不明で、治すことも発病を予防することも出来ない

2.二段階方式

早期診断(小ボケ及び中ボケの早期の段階で発病を見つけること)と早期治療(脳のリハビリ=前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣への改善)により治せるし、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する生活習慣の実践とその継続により、発病自体を予防できる

&3 発病のメカニズムと症状の特徴

1.権威

(1)米国精神医学会が策定した「DSM-Ⅳ」の規定の第一要件の規定内容(記憶の障害に起因して発病すると規定)及び第二要件の規定内容(失語、失認、失行が初期症状と規定)が重大な誤りの規定内容であること気づかない儘に(疑わないで居て=正しいことを前提にしていて)、「記憶障害」に起因して発病し、失語や失認や失行の症状が初期症状であり、若年発症型(少数)と老年発症型(大多数)があると主張している。

(2)アミロイドベータの蓄積により生成される「老人斑」の持つ毒性により、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が惹き起こされることを主因として記憶障害が惹起されることにより発病するとするアミロイドベータ仮説(発病との間の因果関係を未だに立証できていない為に、仮説の扱いを受けている)が、現在も猶世界的に通説の地位(支持する学者の数が一番多い説というだけの意味)にある(我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)。

2.二段階方式

(1)  ①廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であり、②前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現するものであり、③「老年発症」が特徴とする(若年性アルツハイマー型認知症は、実在しない架空のものであり、『前頭葉』の機能レベルの精緻な判定により鑑別が出来るものを、「前頭葉」の機能レベルの判定をしないで、重度の記憶障害の症状だけの確認により判定する診断によって、側頭葉性健忘症を誤診しているだけ)。

(2) 一つの要因は、加齢による機能低下の進行であり、もう一つ別の要因が、「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続による廃用性の機能低下の進行であり、異なる二つの要因同時に存在し充足される相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性加速度的異常機能低下が進行するその先に発病及び症状の重症化の進行が待っているものと主張している。

&4主張内容の根拠と実証データ

1.権威

通説であるアミロイドベータ仮説は、マウスにアミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスが檻の中でエサを探して徘徊する行動の研究から、アミロイドベータの注入量の変化(減量、増量)が行動の改善、悪化に与える影響を調査して、記憶障害に対する影響の有無及び変化を研究しているが、アミロイドベータの蓄積(老人斑)とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在実証が出来ていない為に、現在もなお「仮説」の扱いのまま。『アミロイドベータ仮説』の考え方を開発の基礎に置き、世界中の巨大な規模の製薬会社が、様々なタイプの治療薬の開発に挑戦したが、全てが失敗に終わっている(それらの総投資額は、70兆円を超えたと言われる)。-

 ➡ 今回発表された新薬候補の「アデュカヌマブ」も、数年が経過していく中で、きちんとした効能の有無の評価が為されていけば、失敗作であったことが判明するはずなのです(間違った場所を、単に深く掘っているだけのもの)。

2.二段階方式

①アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病と考えているのです。但し、ここに言う『生活習慣』とは、食生活とは無関係であり、仕事というテーマの遂行とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る上で展開される、脳の使い方としての『単調な生活習慣』、追及する自分なりの特定のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した、前頭葉を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が唯一で真の原因であり、前頭葉が異常な機能レベルに衰えてきた時が、発病の最初の段階(小ボケ)であり、次いで、左脳と右脳とが異常なレベルに衰えてきた時から「中ボケ」の段階が始まり、前頭葉を含む脳全体の機能が更に異常な機能レベルに低下してきた時から末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくと考えている。権威が発病の初期症状とする失語失認失行の症状は、大ボケの後期、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁(9点以下)になって初めて確認される「極めて重度の症状」なのです。

北海道から九州に跨る452の市町村との個別の有償契約の締結に基づく指導、対象を「アルツハイマー型認知症」に特化した活動であり、「アルツハイマー型認知症の発病自体の予防及び早期診断による回復を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動」の実践の指導により、主張内容が正しいことを疫学的方法によりに実証済みのもの。

新型コロナの終息が見えたところで、更には、新型コロナの感染回避対策として徹底されてきた「三密の回避」という単調な生活習慣の継続により、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者(二段階方式が規定する、アルツハイマー型認知症発病の第一の要件)たちの間で、新規の発病者(小ボケ)の顕著な増加及び症状の重症化の顕著な進行(小ボケ⇒中ボケ、中ボケ⇒大ボケ、大ボケの中での更なる症状の重症化の進行)という状況について、世の中に問題を提起する為、「二段階方式」の考え方に基づいて、「二段階方式」の手技の活用による「三段階のPRJ」(①検証PRJ、②Model事業化PRJ、③拡大展開PRJ)の実施提言書を、再度政府に提出して、岸田新政権に、検討して頂く初夢を見て、行動を起こすべきか、あれこれ考えているところなのです。新型コロナ下で徹底された「3密の回避」と言う単調な『生活習慣』の継続に因り、「第二の人生」を送っている高齢者達の間で新規発病者が急増しているからなのです。ネット上で検索してみると、何故か、発病の予防に反対する団体がいるのです。記事によると、その団体は、「予防を強調すると、認知症になった人は努力が足りなかった。家族も支援が不足していた」と受け取られかねない。自己責任を要求すべきものではないと猛烈に批判したそうなのです。発病の予防もしないで、発病するが儘に任せていて、結果として、天文学的な規模の税金を、「介護に投入し続ける」ことを要求しているのです。加えて、予防活動の全国展開に反対するマスコミ(人)や族議員に対しては、世論が監視の目を光らせて欲しいのです。参院選が近々あるのですから。その団体は、生活習慣病の代名詞のような存在である「糖尿病」の発病の予防についても同じ考え方で反対するのでしょうか。隠された意図は何なのか、分析したくなるのです。

&5 脳機能データから見た「アルツハイマー型認知症」の特徴(二段階方式

Ⅰ.正常老化の曲線(下記Ⅱの図を参照)

1.『加齢』という要因に限定した「前頭葉」の老化曲線

(1)下記曲線図は、「二段階方式」によるテストの実施(かなひろいテストの平均値)結果が示す「前頭葉の機能レベル」の変化の曲線を示します(同じ年齢のテスト実施対象者の平均値が示す曲線)。

小学校一年生、二年生、…六年生、…。中学校一年生、二年生、三年生、高校一年生、二年生、三年生、20歳代、30歳代、50歳代、・・、70歳代、80歳代、90歳代という風に、かなり大雑把なデータなのですが、緩やかにしか低下して行かないというイメージは、表現できていると思います。

※1 改訂版かなひろいテストは、意欲注意の集中力及び注意の分配力について、その機能レベルを個々に及び総合的に判定することが出来る神経心理機能テストです。

実行機能評価の物差しの機能が、自身の機能発揮能力が無くて、その機能発揮を前頭葉の三本柱の機能(意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能を総称)が、左右し、下支えている関係機能発揮上の二重構造の関係)に着目し、前頭葉の三本柱の機能の発揮レベルを判定することにより、実行機能及び評価の物差しの機能の発揮レベル、言い換えると、前頭葉の機能レベル精緻に判定できることに着目し開発したもの。平かなで書かれた「おとぎ話」を読んでいきながら、同時に並行して、「あ、い、う、え、お」が出てくるたびに〇をつけていきながら、話の粗筋を覚えていくことがテーマとなります。

判定値は、①正答数×スピード要素の係数(意欲)×正確度要素の係数(注意の集中力)×内容把握度の係数(注意の分配力)により算定します。猶、合否判定(前頭葉の機能レベルが正常であるか、異常であるか)は、60歳代、70歳代及び80&90歳代の年代区分ごとに設定された各年代の合格基準値により判定します。

※2「改訂版かなひろいテスト」の結果に基づく、前頭葉の機能レベルの改善、維持、低下の判定基準は、15%以上上昇、15%未満上昇又は15%未満の低下、15%以上低下です。※3二段階方式は、前頭前野に局在する『前頭葉三本柱』の機能、評価の物差しの機能及び実行機能が、脳全体の司令塔の役割を担う、所謂『前頭葉の機能』を構成していると考えています。

⇒ 様々な種類が数ある認知症のうちで90%以上の割合を占めているアルツハイマー型認知症』は、意識的な世界(目的的な世界)が関わるタイプの認知症なのであり、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割(三頭立ての馬車の御者)を担っている『前頭葉』の機能の働き具合(加齢に起因した正常老化及び左脳の出番が極めて多い性質の仕事とは無縁の暮らし方となる「第二の人生」を送る上での単調な生活習慣の継続に起因した廃用性加速度的異常機能低下の進行が発病を引き起こし、症状の重症化を進行させる『唯一の、真の原因』なのであり、アミロイドベータ仮説の考えに基づいて開発されたアデュカヌマブという薬に、発病を予防する効能も、症状を治す効能も、症状の進行を抑制する効能も有り得ないことと考えるのです(「アデュカヌマブ」という新薬を飲むだけで、単調な生活習慣がなくなり、自分なりのテーマを見つけ、目標を見つけ、「前頭葉の三本柱」の機能の出番が増えて、『前頭葉』が活性化されて、廃用性の機能低下の進行が阻害されることになるはずがないのです)。

Ⅱ.廃用性の機能低下が加重された「前頭葉を含む脳全体の老化曲線」

第一要件の「正常老化の曲線」に、第二要件の「廃用性の機能低下」と言う加重要因が加わる相乗効果により、

   (加速度的で異常な機能低下の曲線)へと変化する 

(1) 二段階方式が、同時に実施した前頭葉の機能テスト(かなひろいテスト)並びに左脳と右脳の機能テスト(MMSEテスト)のテスト結果をプロット(横軸にかなひろいテストの結果)を(縦軸にMMSEのテスト結果)を表示している。被験者の人数は、14689例。※①加齢に起因した機能低下の進行という要因に②単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下が加重されたもの。

(2) 上掲左の図を、分かりやすく表示したものが、上掲右の図です。

加齢という要因に起因して正常老化の曲線を描いて緩やかな機能低下が進行していた正常老化の曲線が、②ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因り廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行のカーブを描いていることが、明確な形で読み取れるのが特徴です。

二段階方式の手技では、意識的な世界目的的な世界では、①自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、②状況判断に沿った実行テーマを発想し、③テーマの実行の内容及び仕方を企画し、計画し、④実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、⑤シミュレーション結果を比較し、⑥最終的な実行内容を選択し、⑦実行の決断をして、⑧実行の指令を脳の各部に出すという『脳の機能の関わり』を分析しています。即ち、意識的な世界(目的的な世界)は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車運航する世界であり、馬車の運航を支配し管理しているのが御者、言い換えると、脳全体の司令塔の役割を担っているのが『前頭葉』の機能と考えるのです。

 アルツハイマー型認知症の発病及び重症化の進行を惹き起こすのは、①権威が主張している記憶障害が原因ではなくて、②実行機能(上記赤字で例示した機能の総称)の機能の発揮度を左右し、下支えている前頭葉の三本柱』の機能(意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能の総称)について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行することを基礎(基盤)にして実行機能が、総体としては、前頭葉の機能が異常なレベルに機能低下が進行していくことの直接の反映(アウトプット)が、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階に区分される症状」として発現してくると主張している。

1上図に見るように、前頭葉』の機能レベルが異常値を示してくると、左脳と右脳の機能レベルは、3つの段階に区分されるのです。

その3つの段階は、「前頭葉」の機能レベルだけが異常値で在って、左脳と右脳は正常値(24点以上)である段階(軽度認知症:小ボケ)、「前頭葉」の機能レベルが異常値で在って、左脳と右脳も中等度の異常値(23点以下、15点以上)である段階(中等度認知症:中ボケ)及び「前頭葉」の機能レベルが異常値で在って、左脳と右脳も重度の異常値(14点以下)である段階(重度認知症:大ボケ)に区分されるのです(権威は、発病か否かだけの区分)。

小ボケ、中ボケ、大ボケについては、多数の症例群の中から、「類型的な症状の事例」として、各段階ごとに特有な各10例の症状を抽出し、『30項目問診票』として定型化し、『生活実態』の把握と確認をしています。

猶、「DSM-Ⅳ」が第二要件で、発病の初期症状として例示する失語、失認、失行の症状は、末期の段階である重度認知症(大ボケ)の段階の後期、11の下位項目により構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁の得点(9点以下)になって初めて発現が確認される『極めて重度の症状』であることに注意が必要です。加えて、第一要件が、記憶障害の症状の確認を要求していることから、即ち、第一の要件と第二の要件の充足が要求されている為に、記憶障害については、極めて重度の物忘れの症状の確認が要求されていて、更には、失語、失認、失行、若しくは、それ等よりもさらに重い症状の確認でもって、アルツハイマー型認知症の発病と診断するという極めて重大な誤りが内包されているのです。我が国の医学会も、その誤りに気付かないでいて、「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容、第二要件の規定内容、更には、世界的に通説の地位にある『アミロイドベータ仮説』を支持している人達が、多い状況です。

(3)もう一つ別の問題点を挙げると、MCI(軽度認知障害)という基準が抱える問題客観性が全く担保されていないし、根拠データも無い)のことです。

この基準は、MCIの基準に該当するお年寄りは、アルツハイマー型認知症発病の前駆的状態に在ると説明するもの。ところが、この基準は、①本人が申告する物忘れの症状、②家族が申告する本人の物忘れの症状及び③診断する医師が確認する物忘れの症状という、『外観から観測しただけの物忘れの症状だけ』を判定の対象としていて、客観的な基準が全く存在していない規定内容なのです。

1 認知機能の障害を問題とする病気の判定に際して、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉の機能レベル」(正常であるか、異常であるか)の判定が、全くなされていないのが、「アルツハイマー型認知症」の世界の特殊性(世界的傾向)なのです。

その結果として、本当の意味での早期の段階、「脳のリハビリ」(前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣への改善と継続的な実践)により、正常な機能レベルに回復させる(アルツハイマー型認知症の症状が消滅し、治る)ことが可能である小ボケ及び中ボケの段階見落とされているのです医師は、「末期の段階」である「大ボケ」の段階の症状によって発病を見つけているだけ)。

二段階方式では、以下の区分に従い、「脳のリハビリ」の実践を指導します。

  • 小ボケ「脳のリハビリ」の実践により治すことが、比較的に容易な段階
  • 中ボケ「脳のリハビリ」の実践により治すことが、未だ可能な段階
  • 大ボケ「脳のリハビリ」の実践により治すことが、もはや困難な段階

⇒ 小ボケの段階は、「意識的な世界」(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常な機能レベルに在って、手足の役割である左脳及び右脳の機能は未だ正常な機能レベルに在るのです。中ボケの段階は、左脳も右脳も異常な機能レベルに在って、前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに在るのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットが、アルツハイマー型認知症の症状として発現してくるのです。

権威とされる人達は、極めて重度の物忘れの症状の確認(「DSM-Ⅳ」の第一要件)と末期の段階の後期で初めて発現する失語、失認、失行若しくはそれよりも更に重い症状を確認(「DSM-Ⅳ」の第二要件)で発病と診断しているのです。

(4) 「二段階方式」テスト

『アルツハイマー型認知症』だけを対象とした(特化した)住民参加型の地域予防活動は、アルツハイマー型認知症の発病自体の予防及び早期診断による回復明確な目的とし、地域単位で発病自体の予防を目的とした(身体がもつ限り、出来るだけ脳を持たせる=発病する時期をできるだけ先送りする)体験型予防教室(“脳の生き生き教室”)の展開を市町村の保健課の保健師さん達及び地域のボランティアさん達が共同して展開する形態なのです。

保健課の保健師さんの最も重要な役割は、脳の生き生き度チェック(アルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の「三段階区分」の精緻な判定)並びに発病の極く初期段階(小ボケ)と判定されたお年寄りに、症状の回復を目的とした「脳のリハビリ」の実践を指導します。中ボケは、介護の予防の対象として、地域包括支援センターに引き渡します。発病の予防事業』(究極の介護の予防効果となる)と現行の『介護の予防事業』とは、両立して展開できるのです(扱う対象者の機能レベルが異なる)。

&6 アルツハイマー型認知症」の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。早期診断と早期治療により治せるし、発病自体の予防が出来る(最も効果的な「介護の予防」策とも言える)のです。

(1) 三頭立ての馬車の御者が『前頭葉

権威や医師は、アルツハイマー型認知症について、認知機能の障害を問題とし乍ら、意識的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能、就中、『前頭葉の機能レベル』の精緻な判定を怠っているのです(精緻に判定出来る「手技」を持たない為及び神経心理機能テストの保険点数が低い為が理由)。

  60歳を超える年齢の高齢者が、加齢に起因して機能低下が進行してきている(緩やかな機能低下の進行=正常老化の曲線)生活状況の下で、『キッカケ』の発生を契機にして、意欲を喪失してしまい、何事に対しても挑戦できなくなり、単調な生活習慣が開始され継続されていくことに起因して、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の機能低下を進行させていき、加齢と単調な生活習慣の継続という異なる二つの要因が同時に存在し、充足される相乗効果に因って、廃用性の、加速度的異常機能低下が進行していくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病が待っているということなのです(アミロイドベータが、蓄積し、神経細胞が大量死し、記憶障害が惹き起こされるせいではないのです)。

(2)「脳の老化」を加速する『キッカケ(=意欲の喪失)』の発生

ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始されて行くことになるのは、本人にとって、人生上の大きな出来事生活上の大きな変化が起きて、従来本人が営んできた生活習慣が継続できなくなり、意欲を喪失することが、「キッカケ」となるのです。『キッカケ』は種々様々で、本人の受け止め方次第なのです。震災で、家も家族も友人も失うという出来事は勿論のことなのですが、自分が可愛がっていた飼い猫が死んだ、玄関先で転び複雑骨折して3週間病床に臥せって寝ているだけの生活等も「キッカケ」となり意欲を喪失するのです。

(3)『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした三段階の症状が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴となるのです。発病の有無及び症状の段階(「脳のリハビリ」の実践により正常なレベルに回復させることの可能性の有無及び程度により、三段階に区分するのが「二段階方式」の特徴)。

権威の考えに従うだけの医療機関は、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定出来る「手技」を持たない為に、脳の後半領域の機能レベルを判定する手技であるMMSE(わが国では、長谷川式を使用する病院もある)しか実施しないで居て、回復させることが可能である本当の意味での早期の段階(二段階方式の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)を見落としていて、回復させることが困難である末期の段階(大ボケの段階)で発病を見つけている、『発病のレッテル貼り』をしているだけなのです。その上、アリセプトを含む4種の薬、治療の効能は有していなくて、効能的には症状の発現の程度を抑制したり、昂進させるだけのものである、単なる「対症療法薬」を処方しているのが医療現場の実態なのです。この先、「アデュカヌマブ」が認可されたら、いったいどういうことになるのか。MCIの基準を適用して(第二の人生を送っている高齢者であれば、それ相当の物忘れの症状が必ず確認できることになるので)、片っ端から処方してしまうのを危惧するのです(40歳代から、アミロイドベータの蓄積が始まるとされている)。⇔私たち二段階方式が世界で初めて解明した『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムに照らして、発病の予防の効能も、症状の進行を抑制する効能も、症状を治す効能も、絶対に有してはいない薬なのです。

⇒アミロイドベータ仮説が重大な誤りの内容であること及びアミロイドベータ仮説に基づいて開発されたアデュカヌマブという薬が、発病後の症状の治療や発病の予防の効能を有していないことについては、①「MMSE下位項目の項目困難度」の指標の存在の脳機能データ、②以下に提示する「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因」のデータ並びに③「小ボケ及び中ボケの段階の滞留期間」について確認される「小ボケの滞留期間は、3年間」及び「中ボケの滞留期間は、2~3年間」という標準的な滞留期間の存在が確認される極めて多数に上る「脳機能データ」の集積と解析という「二段階方式」が世界に誇る「事象事実として脳機能データ」が存在しているのです(上記3つのデータは、『検証PRJ』の実施により、容易に、必ず確認できるものなのです)。

※1右図は、『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因』の解析図。        

※2右図は、「MMSE下位項目の項目困難度」の脳機能データの解析結果図。

「二段階方式」の考え方に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも上る脳機能データである「MMSE下位項目の項目困難度」の指標の意味:アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、且つ、その場合に限り、MMSEのテスト結果について、11の下位項目について、出来なくなっていく厳密な低下順(脳の機能が衰えていく順番を示している)が存在しているのです。この一事だけをとってみても、アミロイドベータ仮説の主張内容が誤りであることの『実証データとなる』のです。

⇒①「二段階方式」の手技を活用して実施したテストの結果である「MMSE」のテスト結果(小ボケ、中ボケ及び大ボケと判定された14689例のデータ)は、アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、且つ、その場合に限り、11の項目により構成されていて、30点が満点である『MMSEの下位項目』について、出来なくなっていく厳密な順番(=関係する脳の機能が、衰えていく厳密な順番)が存在していることが確認できるのです(症例数が極めて多いこと及び小ボケ、中ボケ、大ボケの段階と判定された発病者数が各段階ごとに多数に上ること並びに被験者達が、精神科の精神科医ではなくて、脳外科の脳外科医が診断する「浜松医療センター」に、日本全国から診断を求めてきたことは、資料的にも、極めて重要なものと言えるものなのです)。

②MMSEのテスト結果について「MMSE下位項目の項目困難度」の指標に示す厳密な低下順(関連する機能が衰えて行く厳密な順番)が存在しているのです。

 その低下順は、「項目の困難度が高い順」に、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、五角形相関図の模写、文を書く、三単語の記銘、書字命令、復唱、命名 の順番となるのです(この順番通りでない場合は、アルツハイマー型認知症の発病者ではないこととなる)。

事象の事実である「MMSE下位項目の項目困難度の指標」と言う脳機能データの存在は、『アミロイドベータ説を含む4つの仮説の主張内容では、合理的に、且つ、客観的に、説明することが出来ないのです。言い換えると、「4つの仮説が主張する内容は、誤りであること」の重要な証拠資料なのです。

&7前頭葉を含む脳全体の機能レベル」 に厳密にリンクした三段階の症状が発現してくる。

(1)『脳イキイキ教室』の展開の仕方(典型的で、効果的なやり方の一つの事例)

教室(”脳のイキイキ体験教室”)の運営面(体験するテーマの選定)で、『ボランティア組織とリーダー』の活用が極めて重要となるのです。

保健課の保健師さんの仕事は、『脳のイキイキ度チェック』(当年度の教室の開始と閉鎖の2回、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル及び当該機能レベルにリンクした症状を二段階方式の考え方と二段階方式の手技の活用により、チェックします(『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来る神経心理機能テストであって、「二段階方式」独自の内容である『改訂版かなひろいテスト』の実施が極めて重要となります。発病の有無の判定及び症状の区分の判定については、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定に加え、『MMSE下位項目の項目困難度』の低下順の指標との照合が極めて重要となります。その上で、「30項目問診票」による「生活の実態」を確認し、最後に、「脳の使い方としての単調な生活習慣=生活歴」の聞き取り、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルについて、廃用性の加速度的で異常な機能低下をそこまで進行させて来ることとなった直接の原因、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続の確認と意欲を喪失させる元となった「キッカケ」の時期と内容とを確認していくのです。

(2) 過去の展開事例における「予防教室での効果」(前頭葉の機能レベルの変化を核心としていて及び脳の後半領域の機能である左脳と右脳の機能レベルの総合的な判定基準により、教室運営の効果を客観的な基準により経年変化評価していくのが、「二段階方式」の評価の特徴)について、「エイジング」と称する「脳機能データ管理ソフト」により、二段階方式を実施したテスト結果である『前頭葉の機能レベル並びに左脳及び右脳の機能レベルに関するMMSEのテスト結果、更には、生活実態の確認表である「30項目問診票」の結果』を入力すると、前回との比較が、所定の厳格な基準との比較により、『改善維持低下の三段階評価』が自動的にできる「管理ソフト」を開発していて、客観的に、且つ、自動的に判定します。

医療機関では、左脳と右脳の機能レベルをMMSE(又は、長谷川式)で判定するだけなのです。或いはもっと簡易なやり方の場合、MCI(=軽度認知障害の考え方=物忘れの症状外観的な観測による診断だけ)なのに対し、二段階方式では、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベル精緻に判定しているのが、他者とは異なる特徴であり、その分精緻な判定が出来る(権威達が見落としている本当の意味での早期の段階=脳のリハビリの実践により、正常な機能レベルに『前頭葉』を含む脳全体の機能を回復させることが出来る=「アルツハイマー型認知症」の症状が消滅する=治る段階=二段階方式独自の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)のです。回復させることが困難となる末期の段階で発病を見つけて居る(=発病のレッテル貼りをしているだけの診断)のが、医療現場の診察の実態なのです。その上、治療の効能を有していない単なる対症療法薬(症状を治すことが出来ないし、症状の進行を遅らせることも出来ない)である「アリセプト」を含む4種の薬(症状の発現の仕方を抑制したり、昂進させたりするだけの薬=フランスでは、健康保険の適用対象から除外されている)を処方しているのです。

 アミロイドベータ仮説の考えに基づいて開発された「アデュカヌマブ」と言う新薬について、EUは、効能を認めない決定を下し、我が国日本は、「効能を有するか否かの判定を継続審議にした」との報道を聞いて、ひとまず安心しているのです。私たちが提起し、データを提示している『脳の老化のスピード差をもたらす生活要因』と言う『脳機能データ』に照らした判定をするべきとの問題提起をしておきたいのです。効能の有無についての『厳格な因果関係の有無の判定』が不可欠と考えるのです。

 私たち「二段階方式」は、極めて多数例に上る『アルツハイマー型認知症』の発病者の「脳機能データ」の解析結果、更には、北海道から九州に跨る452の市町村に於いて、個別の有償契約の締結により、展開を指導した活動の顕著な成果『アルツハイマー型認知症に特化した、発病の予防及び早期診断と脳のリハビリの実践による回復』を明確な目的とした地域住民参加型の「地域予防活動」の成果』により、「アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であること」、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証済みなのです。この考え方に照らしてみた時、アルツハイマー型認知症について、発病を予防出来たり、症状を治せたり、或いは、症状の進行を抑制することが出来る効能を有する薬(予防薬又は治療薬)が開発されることは、未来永劫有り得ない事だと主張し、問題を提起しているのです。      

&8 『発病自体の予防』の国策化による全国展開が喫緊の課題

(1) アルツハイマー型認知症がらみの税金の支払い額は、医療費が10兆円超、介護の費用が10兆円超、両者の総計が単年度20兆円超え(一般会計と特別会計の合計総額)を【1万円札の新札宇宙空間に向けて、積んでみると】;『1cmが100万円、1mが1億円、1kmが1000億円、10kmが1兆円。と言うことは、20兆円200km越えですよね!!』

住民参加型の「地域予防活動」の国策化による全国展開により、新規発病者数の大幅な減少が実現できることにより、天文学的な規模の巨額の「税金の垂れ流しを止められる』のです。なのに、野党もマスコミも騒がない

(2) 権威と言われる機関や人達が研究の対象としているのは、マウスやら、マーモセットやら、「注意の分配力」の機能も、「前頭葉」の機能も備わっていない動物たち、言い換えると、「意識的な世界」(目的的な世界)とは無関係なのです。私たち人間には、【注意の分配力】の機能が備わっていることに因り、実行機能を駆使することが出来るのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマの実行及びその内容を企画し計画して、実行結果を洞察し、推理し、憶測し、検索し、シミュレーションして、シミュレーション結果を比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定し、実行の決断を下して、目標に向かって、実行して行くことが出来るのです。
(3) 発病の末期の段階、大ボケの後期の段階に入ってきて、失語や失認や失行の症状が発現してくる真の原因は、前頭葉の三本柱の核心をなす注意の分配力の機能が殆ど働かなくて、「実行機能」の行使による、『メタ認知が全く出来ないせい』なのです。ズボンを履こうとして、頭から被ったり、夜中に家を出て田んぼに行くと騒いだり、何かの拍子に家を出たらそのまま徘徊したりするのは、『記憶障害が原因で起きている行動ではない』のです。
(4)【キッカケ】の発生を契機にして「意欲を喪失してしまい」、何事に対しても挑戦できなくなり、ナイナイ尽くしの単調な【生活習慣】(仕事とは無縁の暮らし方の日々となる第二の人生を日々送る上で、自分なりの特定の目標が無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、自分なりの楽しみや喜びや生き甲斐を得ることも無い生活のことを指し、「食生活とは無関係」のものであることに留意する)の継続が、唯一で真の原因で発病することになるだけなのです。
(5) 2017年の秋頃だったと記憶しているのですが、世界的な権威が有るカロリンスカ研究所が、『極めて多数例のAIによる比較解析』の実施結果から、『交友の不足、運動の不足、食生活、学歴』などの要因が、アルツハイマー型認知症発病の危険因子と考えられると発表したことを契機として、「発病の原因について、「アミロイドベータ仮説の考え方を支持」して居ながら、『交遊や運動が発病の進行を遅らせる効果が有る』などと発言する権威と呼ばれる人達が、大幅に増えてきているのです。自身が権威の傘をさしていながら、もっと権威が有る傘の下に潜り込もうとする人達が多いのです。
(6) もう一つの問題が、『MCI(軽度認知障害)の基準』に群がる権威達が、極めて多いのです。MCIの基準は、単なる憶測の類に過ぎないのです。本人が訴える物忘れの症状、家族が申告する物忘れの症状、医師が外観的に観察により確認する物忘れの症状、「この3つの要因の確認だけ」によって、『MCIの該当者は、アルツハイマー型認知症の発病の前駆的段階にある』等と、いい加減な説明をしているのです。何等の科学的な根拠も無く、客観的な脳機能データの開示も無く、権威とされる人達が、持ち出して、『物知り顔に説明する』のです。彼等には、プライドも、社会的な責任感も無いのかと疑うのです。

本著作物「G-01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。
アルツハイマー型認知症についての専門家達の主張の誤りを正すのがこのブログの目的です。
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♯ 認知症 発病の引き金を引くのは、記憶障害ではなくて、前頭葉の機能障害 (F-12)

2021-09-30 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

  コロナ下に 狂騒と迷走招く 世の乱れ カンナ咲く庭 忌中の札

&1 重層的な意識の構築、分離、統合及び管理と注意の分配力との関係

1.「意識的」な思索、行為、行動、発言及び言動の世界と『前頭葉』の個別認知機能群(『実行機能=Executive Function』と総称)によるその認知及び機能の発揮度の仕組み

意識的(目的的)に何等かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、憶測、忖度、想像、理解、興味、関心、発想、連想、企画、計画、創意、工夫、予測、シミュレーション、検索、比較、選択、修正、整理、機転、感動、抑制、決定及び決断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の個別の認知機能(実行機能)を正常に発揮する上で、一定レベル以上での『認知度』が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能(=実行機能)自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。

評価の物差し(意識の首座=自我)」による評価、注意、観方に基づいて、『注意の分配力』の機能が、「実行機能」を行使してメタ認知し及び実体験認知する際、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という『前頭葉の三本柱』の機能がわらないと、「認知度」と「発揮度」とがともに発揮されないこと、即ち「前頭葉の三本柱」の機能レベルと「リンク」していることに注意して下さい。この機能構造を、『機能発揮上の二重構造』と私たち二段階方式が命名しているのです。

2.『前頭葉』(前頭葉の三本柱の機能、評価の物差しの機能及び実行機能から構成されている複合機能体であると、私たち「二段階方式」は理解)を中核の機能として、有機的な連携のもとに、手足となる「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」並びに「記憶の倉庫」も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(自分が置かれているその状況を分析し、理解し、判断し、判断に沿って実行すべき「テーマ」をいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容及び実行の程度と態様とを企画し、計画するには)、先立って且つ、常に、必要な機能レベルでの「意欲」と「注意の集中力」の継続的な発揮が不可欠となるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮しつつ、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な実行内容及び実行の程度と態様とを決定し、実行の決断を下して最終的に実行に移すには、『注意の分配力』の機能の継続的で、高度な発揮が不可欠となるのです。これが、意識的で、目的的な世界に於ける脳の働き方なのです。

上述のように、私たちが「前頭葉の三本柱」の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が、「三頭立ての馬車」の「御者」の役割、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能の構成要素である「個別認知機能群」(=実行機能)によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の「認知機能群」の機能を十分に発揮するに際しての『二重構造の関係』(私たちのネーミング)が存在しているのです。世界中の脳科学者や認知症の専門家とされる人達の誰もが、未だ気づいてはいないその「テーマ」である、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムが解明され、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』という脳機能の働き方のメカニズムにも注目が集まることにより、「重層的」な複数の意識の同時存在並びにそれらの覚醒度及び内容を構築し、統合し、分離し、管理し、コントロールしている機能が、『注意の分配力』の機能を核心とした『前頭葉の三本柱』の機能であるという視点と理解とが、専門家達に要求されるのです。

3.そのテーマには、「前頭葉」の三本柱の機能の一つであり、廃用性の異常な機能低下という視点で言うと最初にその機能が衰えていくところの『注意の分配力』の機能が直結しているのです( アルツハイマー型認知症発病のメカニズムを解明する上で、不可欠の視点)。「意識」が存在している世界と言っても、各「意識」の覚醒度及び内容が様々に異なる(複数の意識の並存)が常態である世界、対象となる特定の「主題」に絞り込まない限り基本的には常に複数の重層的な「意識」が構築されて存在しているという、私たち人間だけに特有な「意識の世界」に、脳科学者達が未だ気づいていないのです。

或る特定の「主題」に「意識」を集中させ、一定レベルでの機能を発揮させるには、「意欲」と「注意の集中力」の機能の発揮が不可欠となり、複数の「主題」について「注意」を同時に分配させて、一定レベルでの機能を同時に発揮させるには、一定レベルでの『注意の分配力』の機能の正常な発揮が不可欠となるのです。但し、我が身が置かれている状況下での「主題」を選択し/特定の内容に意識を集中させる機能は、「前頭葉の三本柱」の機能ではなくて、別の機能である、即ち、『評価の物差し=意識の首座=自我が関与することにより/且つ同時に、「覚醒された意識」の世界が出現することになるのです。『評価の物差し』の機能には、カメラのレンズの焦点を特定の主題に選択的に切り変え、且つ絞るかのような機能が備わっているのです。

4.ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因する廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を本態とする『アルツハイマー型認知症』の場合は、脳の機能に衰えていく明確な順番があり、「前頭葉」の三本柱の機能、就中最も高度な機能である『注意の分配力』の機能から異常なレベルに衰えていくのです(前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に、廃用性の機能低下が進行して行く=アミロイドβ仮説では、説明が不可能)。私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、自分が置かれている状況の分析と理解と判断も、状況判断に沿った「テーマ」の発想も、テーマに沿った実行内容の企画や計画も、実行結果についてのシミュレーションも、実行の決断も、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能の発揮が異常なレベルに機能低下が進行してきていることを基礎/反映した「アルツハイマー型認知症の症状」が発現してくるのです。世界中の権威が有るとされる人たちは、この機能構造に気づいていない為に、誤って「記憶の障害」に焦点を絞って、間違った場所(的)に矢を射かけているのです。

&2「アルツハイマー型認知症」の発病と「記憶障害」の要因との関係

1.生まれつき「特定の遺伝子に異常」が存する人だけを対象に発病するタイプの認知症を最初に発見したドイツ人「アルツハイマー」の名にちなんで「アルツハイマー病」と呼びます。その「アルツハイマー病」の場合は、30歳代から50歳代までの「若年で発症」するのが特徴なのです。

「器質的な原因病変」は何等存在していなくて、認知症の症状が発現して来るお年寄りが居ます。そのお年寄りの症状について、極めて重度の症状である失語や失認や失行(紛いの)症状が確認されていたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」で、アミロイドβの蓄積に因る老人斑、タウ蛋白の蓄積に因る神経原線維変化、脳の顕著な萎縮が確認されるだけなのです。後者については、特定の遺伝子異常が確認できないものの、死後の「脳の解剖所見」で同じものが確認されることから、後者を「アルツハイマー認知症」と呼ぶことになったのです。

2.『4つの仮説』は、未だに主張されているものの、現状は瀕死の状態

アルツハイマー型認知症』(生まれつき「特定の遺伝子に異常」がある人達だけが発病の対象となり、30歳代から50代までの若年発症が特徴である所謂「アルツハイマー病」とは、全く異なるものであることに注意して下さい。

専門家と称しながら、両者を纏めてアルツハイマー病」と呼称する人たちが多いのです)の発病原因については、以下に例示する「4つの仮説」が、世界的に、今猶主張されています。「仮説」という扱いが為される意味は、各々が、「発病の原因」と主張する内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の『因果関係』が存在していることについて、未だに実証できていない為に仮説の扱いが為されているという訳なのです。

➡ 『記憶障害という原因条件が存在しない限り、アルツハイマー型認知症の発病という結果は起きてこない』ということが、実証されない限り、「記憶障害」が「アルツハイマー型認知症」の発病を惹き起こす直接の原因とは言えないということになるのです。夫々が、世界的に、それなりに権威がある(支持する学者の数が、それなりに有る)とはいえ、それ等「4つの仮説」は、全てが、『アルツハイマー型認知症は、記憶の障害に起因して発病する』との想定に立脚した構想の下での単なる仮説なのです。

⇒米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である『DSM-4』の第一要件が、「記憶の障害に起因した症状が発現する』と規定してある内容を鵜呑みにして、「末期の段階」にまで症状の重症化が進行していたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」に見られる3つの特徴が「発病原因である記憶の障害を惹き起こす要因と想定」したのが、以下の(1)、(2)、(3)の「仮説」の始まりなのです(想像と憶測と推理に基づいて、記憶障害に起因して発病するという前提条件を想定し、それが原因で発病する/症状が発現すると憶測し、構想しただけの仮説に過ぎないのです)。

(1) アミロイドベータ仮説(通説=支持している学者の数が一番多いだけ):

アミロイドベータの蓄積により発現して来る老人斑が持つ毒性が、情報を連絡する神経細胞の大量死を惹き起こすことに因る記憶障害に起因して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現すると主張する仮説。アミロイドベータ仮説の考え方に基づいて、治療薬の開発が試みられたが、全てが失敗に終わっている。同じアミロイドベータ仮説の考え方に基づいて開発された「アデュカヌマブ」という薬は、一旦発病してからでは、治療の効能を有する薬の開発は困難であるとの考えで、アミロイドベータが僅かでも確認された段階でその除去を目的とした発病の予防薬という謳い文句ではあるが、&4に詳細を説明するように、二段階方式が解明した「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムからも、発病を予防及び/又は症状の進行を抑制する効能は有していないものなのです。

(2) タウタンパク仮説:

情報を連絡する神経細胞にタウタンパクが沈着することにより、情報を連絡する神経細胞の神経原線維変化を惹き起こすことに因る記憶障害に起因して、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現すると主張する仮説。

(3) アセチルコリン仮説:

情報の連絡に関わるアセチルコリンの不足が惹き起こすことになる記憶の障害に起因して発病すると主張する仮説。

(4) 3つの仮説は、「DSM-4 」の第一要件の内容が(正しいことを前提とした)仮説にすぎないのです。

3.記憶の障害(それに起因した症状)は、発病原因ではなくて、結果

記憶の障害というとき、彼等が取り上げるのは、物忘れの症状のことなのです。物忘れの症状が、①加齢(正常老化の要因)に起因して発現して来る軽度の物忘れから、②アルツハイマー型認知症の発病ではないが、①の物忘れの症状よりは、もう少し重い物忘れの症状と、同時に軽度の認知機能障害を伴うレベルのものという極めて曖昧で単純な基準で『MCI』(軽度認知障害)の基準 (&6で、MCIの基準が抱える問題点について詳細に説明します)が取り上げる段階の症状があり、その次に、③「アルツハイマー型認知症」の発病としての「重度の記憶障害」に起因した失語や失認や失行(紛いの)症状を初期症状とするアルツハイマー型認知症の症状が存在していると主張するのが、世界中の専門家達の言い方なのです。➡ 失語や失認や失行(紛い)の症状が認知症発病の初期症状であると主張(重大な誤り)しているのです。

(1) このMCIの基準も、「記憶の障害」(物忘れの症状)がアルツハイマー型認知症発病の有無を判定する上での核となる要因だと主張(単なる誤解)しているのです。

(2) 記憶の障害自体が、後述するように、前頭葉の機能障害に起因して発現して来ることに無知なのです。その意味からも、「アルツハイマー型認知症」を発病させている原因は、記憶障害でなくて、「前頭葉の機能障害」なのであり、解明すべきは、『前頭葉の機能障害』を惹き起こさせている要因なのです。

人間だけに特有な世界の要の機能、「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能について、何が、どのようなメカニズムが、その機能障害を惹き起こしているのかの解明が、すなわち、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状が重症化するメカニズム、更には、症状の回復、症状の重症化の進行の抑制、果ては、「発病自体の予防」の方法の解明へとつながるものであることを、世界中の、専門家達に問題提起したいのです。アミロイドベータ仮説の主張者は、マウスを研究材料にして、「アミロイドベータの注入量とマウスの記憶の機能レベルの変化」を追求しているのですが、「前頭葉の機能が備わってもいない、ましてや、『注意の分配力』の機能が備わっていないマウスの行動を追求するのは、時間と費用と人材の無駄遣いなのです。

&3 『注意の分配力』という脳機能の特徴的な役割と重要性

1.『注意の分配力』という脳機能の特徴

(1) 「散歩しながら暗算をする」とか言う風に、『異なる二つのテーマを同時に並行して実行する』ことが、『脳を活性化させる』とか唱える人達が出てきて、「デュアル・タスク」という言葉が一世を風靡したのは、まだ、記憶に新しい出来事なのです。「注意の分配力」という脳機能の紹介をしている訳なのですが、実は、その人たち自身が、「注意の分配力」の機能についての深く正しい意味を知らないのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、目的的な世界を構築している要の機能が、『注意の分配力』という脳機能であり、デュアル等という簡単な機能ではないのです。彼等に対する啓蒙の意味も含めて、「正しい意味」を詳しく説明しておくことにします(『意識』の機能構造自体が、世界的にも、未だに解明されていない状況の中で、「注意の分配力」の機能は、意識に関わる要の機能でもあるのです。「あの人は頭の回転が速い」と言う言葉に代表されるように、とっさの判断や処理にも不可欠の機能なのです=高齢者が惹き起こす日常的で軽微な自損事故や、ときには重大な自動車事故の原因=二段階方式の脳機能データとその解析結果)。

(2) 『注意の分配力』の機能と言うのは、「意欲」及び「注意の集中力」の三者を含めて、私たち「二段階方式」が、『前頭葉の三本柱』の機能と名付けている極めて重要で核心的な機能なのです。

「二段階方式」の定義で言うと、『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる複数の「テーマ」或いは、「意識」を同時に、並行して処理し、管理する上で不可欠の機能であり、並びに、「意識」(覚醒の度合い及び内容がそれぞれに異なるのが、意識的な世界の常態であることに注意)を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールする上で、不可欠の機能なのです(意識の研究者達、世界中の権威機関が、このことに、未だに気付いていないことが、重大問題)。

加齢の進行という要因(正常な老化現象)に因り、「物忘れの症状」が発現して、頻度が増し、程度や態様がより重いものになって行く原因が、この「注意の分配力」の機能の加齢に因る機能低下の進行の直接的な反映であることが、専門家とされる人達の間でも、殆ど知られていないことなのです。そもそも、『物忘れの症状』が発現して来る原因は、記銘する機能の低下と想起の機能の低下との「相剰効果」に因るものであり、両者がともに、「注意の分配力」の機能の機能低下の「直接的な影響」を受けることに気づいていないのです。

私たち「二段階方式」が集積した脳機能データである「正常老化の曲線」は、実行機能の発揮度を下支えし、支配している「注意の分配力」の機能を核心とする「前頭葉の三本柱」の機能は、30歳代の半に入ると緩やかではあるが明確に下降して行くカーブを描き出すことを示しているのです。その直接の反映として、所謂『正常な物忘れの症状』が発現して来ることになるのです。

その、加齢という要因のみに起因したものとしての所謂『物忘れの症状』は、加齢の進行に連れて、頻度や程度や態様が増していき、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る高齢者の場合は、日常茶飯事のものとなってくるのです。従って、老化要因のみに因る記憶障害であるか(正常な物忘れの症状)、アルツハイマー型認知症の発病の結果としての記憶障害の症状であるか(異常な物忘れの症状)は、『前頭葉』の機能レベルが、①正常なレベルに在るか(所謂、物忘れの症状)、②異常なレベルに在るか(認知症発病の症状としての記憶障害の症状)を精緻に、客観的に判定することでしか、鑑別することが出来ないのです。その『前頭葉』の機能レベルが正常であるか、異常であるかを客観的な方法で、且つ、精緻に評価し、判定し、鑑別出来る手技は、世界中を見渡しても、私たち「二段階方式」の『改訂版かなひろいテスト』しか、開発されていないのです。そのため、権威とされる人達は、物忘れの症状について、主観的な言葉による区分けしかできないでいるのです。

生きた人間の『認知機能』を問題とする以上、手足の役割を担っていて、大脳後半領域の機能である左脳と右脳の機能レベルでなくて、前頭前野に局在する脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを第一に評価し、判定し、鑑別すべきことに、専門家の誰も異論がないはずなのです。

※ 『注意の分配力の機能』の分かり易い説明として、前回のブログで説明した、車の運転時の「注意の分配力」の機能の発揮の状況を以下に、引用し、説明します。⇔仲のいいお友達を助手席に乗せ、好みのBGMを流しながら、女性の活躍が目立ったオリンピックの思い出話に花を咲かせながら、交通量が比較的に多い街中を、昼間に運転している状況を想像してください。こうした状況が、異なる3つ以上の複数のテーマを、同時に並行して処理している状況なのです。会話の流れを把握し、会話の内容を理解し、楽しみながら、他方で、BGMを楽しみながら、更には、行き交う車の動きやその変化にも注意しつつ、信号の色の変化にも気を配りつつ、どんどん代わって変化して行く周囲の景色にも目をやり、楽しみつつ、運行する周りの車のスピードの変化に合わせてアクセルを踏んだり、時にはブレーキを踏んだりして、自分の車の速度の維持や変化にも注意しながら、目的とする喫茶店に向けて、適切に車を運行して行くことが出来るのです(小ボケになると、それが、出来なくなるのです)。

(3) 私たち二段階方式の「改訂版かなひろいテスト」は、『かなで書かれた「お話」を①読んで行きながら、同時に並行して、②読んだところまでの話の概要を把握し、理解し、③覚えて行きながら、④「あ、い、う、え、お」が出てくるその度に、そのかなに丸を付けて行く』という作業を実行して行く「神経心理機能テスト」なのです。作業が終わった時点で、⑤読んだところまでの「話の概要」を書いてもらうのです(ここまでが、テスト)。

このテストの目的は、被験者の有する「意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能」の働き具合(機能レベル)、を個別に及び三者を総合的に評価することにあるのです。

私たち人間だけに特有な世界である「意識的な」世界、意識が関わる世界は、「注意の分配力」の機能を核心としている「前頭葉の三本柱」の機能が構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしている世界なのであり、&4で詳細を説明するように、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されている状況下で、「第二の人生」を送る「高齢者だけを対象(老年発症が特徴となることに注意)として、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくことに因り、『アルツハイマー型認知症』を発病し、症状の重症化が進行して行くことになるのです。

2.「記銘」と「想起」の機能の項目困難度の差異分析

(1)『記憶の構造』

記憶は、記銘した事象の内容を保持して、想起してくると言う過程を辿ります。その場合、記銘する対象の事象の内容(範囲と記銘度の深さ)は、様々な程度と態様となることは、経験則上明らかな事だと思うのです。その時の「自身の脳機能のレベルと機能の発揮度」とが常に関わってくるものなので、一旦認知された事象の範囲と内容とがそのまま記銘されることにはならないのであり、その上更に、機能構造的に、想起される範囲と内容とが直接的な影響を受ける結果として、想起される範囲と内容とは、記銘された通りのものとはなりにくいことになるのです。前頭葉の三本柱の関わり、就中、『注意の分配力の機能』の発揮度が記銘度及び想起の発揮度に対して、直接的に影響する為に、認知≧記銘≧保持≧想起という結果が生じてくるのです。

(2) 『MMSE下位項目の項目困難度の指標』という「脳機能データ」

①「想起」が最も困難度が高い(最も早くに、機能が衰えて行く)項目であるのに対して、「記銘」は、項目困難度が低い項目となるのです。

➡ 『MMSE下位項目の項目困難度』の脳機能データは、『アルツハイマー型認知症』の発病者(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含む)と判定されたお年寄り14689人の「脳機能データ」であり、『事象の事実』を示す極めて重要な意味があるものなのです。

⇔「二段階方式」の手技を活用して集積し、解析した結果は、以下の通りとなるのです(以下に、「項目困難度が高い順」に表示します)。

想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、

文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名

注)ここに示す『MMSE下位項目の低下順』は、極めて厳密な低下順を示すものであり、アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、且つ、その場合に限って、必ず、この低下順に出来なくなっていくことが事象事実として示されているのです。世界的に通説の地位にあるアミロイドβ仮説も、タウタンパク仮説及びアセチルコリン仮説も、事象の事実としての『MMSE下位項目の項目困難度の指標』を説明することが出来ない(=それらの仮説の主張内容は、100%誤りとなる)のです。⇔この一事をもってしても、アミロイドベータ仮説の主張内容が、間違った内容であることの、科学的で、客観的な証拠データであると言い切れるのです。

(3) 「記銘と想起」の機能の関係の比較と分析

私たち人間だけに特有な「意識的な世界」、「目的的な世界」では、何等かの「テーマ」を実行して行く為に、『実行機能』がその機能を発揮することが不可欠となります。その「実行機能」の発揮度を下支えし、支配しているのが、『注意の分配力』の機能なのです。何かの事象を記銘するに際しては、異なる複数のテーマ及び意識を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている「注意の分配力」の機能の関与を出来るだけ(特定の記憶の対象に集中)して、意欲と注意の集中力の発揮度を高めて、記銘度を高めることが必要になります。よく記銘された対象が、よく保持されるからなのです。

記銘され、保持されている事象を(想起)するには、逆に、意欲注意の集中力の発揮度を出来るだけ高めると同時に、(記憶の倉庫)とのやり取りについて、あれこれ条件建てして検索する為に、注意の分配力の機能を最大限発揮させていくことが不可欠となるのです。

3.人間に特有な意識的な世界と「記憶のメカニズム」

(1) 「重度の記銘力障害」と海馬の萎縮

前頭葉』の機能レベルを精緻に判定する「手技」を持たない為に『側頭葉性健忘症』という病気が誤診されて、『架空の病気』である「若年性アルツハイマー型認知症」という病名が冠されているのです。1998年にオーストラリア人の女性、クリスティーン・ボーデンさんが、「私は誰になって行くの」という本を出版して、一躍世界的に有名になったのが、所謂『若年性アルツハイマー型認知症』と言う病気なのです。海馬の萎縮に始まる脳の変性により、『重度の記銘力障害』(記銘できないことに因り、想起が出来ない=直ぐに忘れてしまうと単純に考えられている)が発現して来ることから、「アルツハイマー型認知症」と誤解されていて、若年で発症するのが特徴であることから、単純に、「若年性のアルツハイマー型認知症」として世界的に有名となり、現在もなお、その誤診が世界的に広まっている架空の病気なのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病による記憶障害の症状は、&3の2で詳細にデータを付して説明してあるように、「記銘」は出来るのです。末期の段階である「大ボケ」の後期の段階、30点が満点であるMMSEの総得点が一桁(9点以下)の段階になっても、3点が満点の記銘の項目は、満点をとるお年寄りが一番多い、良くできる項目なのです。一方で、『想起』は、11の下位項目中で最も難しい項目(機能が、一番最初に衰えて行く項目)であり、MMSEの総得点が26点の段階になると、3点が満点の想起の項目は、0点をとるお年寄りが一番多い項目、最も難しい項目(一番最初に、衰えて行く項目)なのです。

⇔(記銘)自体に極めて重度の障害が存する為に(想起)に重大な支障が出ることが特徴である記憶障害、即ち、(重度の記銘力障害が特徴)である『側頭葉性健忘症』並びに記銘する機能は、最後まで残っているのが特徴である「アルツハイマー型認知症」の特徴を知らないで、鑑別が出来ない為に、両者を混同しているのです。

(2) 『側頭葉性健忘症』の特徴は、重度の記銘力障害と海馬の萎縮が確認されるものの、『前頭葉』の機能が正常なレベルに在ることが確認される特徴を有する病気なのです。専門の医師達から、重度の記銘力障害と海馬の萎縮の確認だけにより、アルツハイマー型認知症の発病者とされ、(若年で発症することから)若年性アルツハイマー型認知症と(誤診されている)のです。

脳の変性により情報の入り口としての海馬の機能が障害されることに因り、重度の記銘力障害が発現して来るのです。「直前の事象」でさえも、「記銘」されない為に、「想起」出来ないことに因り、重度の記憶障害の症状と考えられていて、海馬の萎縮の発現を伴うことから、『アルツハイマー型認知症』の発病であると誤診されているものなのです。

※1『側頭葉性健忘症』についても、さしたる知識が無くて(鑑別する手技を有していない)、更には、『アルツハイマー型認知症』についてもさしたる知識が無くて(鑑別する手技を有していない)、両者の間には、①記銘力の相違だけでなくて、②『前頭葉の機能レベルの相違』が存在していることも知らないのです(『側頭葉性健忘症』は、「前頭葉」の機能が正常なレベルに在ることが特徴であるのに対して、『アルツハイマー型認知症』は、「前頭葉」の機能が真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴なのです。肝心の「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定する手技を持たない上に、記銘力の相違にも気付いていなくて、両者を混同していて、『側頭葉性健忘症』の発病者を『アルツハイマー型認知症』の発病者であると誤診しているのです。側頭葉性健忘症は若年発症が特徴であり、アルツハイマー型認知症は老年発症が特徴であることも知らないで、『若年性アルツハイマー型認知症』という架空の病気が、実在しているかのような誤診が、世界的に横行していて、誤った報道がなされているのです。

2 二段階方式の区分で言う「中ボケ」の段階(脳の機能年齢は、幼稚園児程度)になると、発病している本人には、中ボケの段階で発現して来る様々な症状についての認識が持てないのです。自分が置かれている生活状況での種々の問題点を整理して、他人に言葉で伝えたりは出来ないのです。他方では、専門家達は、失語や失認や失行(紛いの)の症状が「初期症状」であると誤解しているので、中ボケの段階のお年寄りをアルツハイマー型認知症の発病者とは考えてもいない(見落としている)のです。

(2) 『長期記憶と短期記憶』が生じる機能構造の背景理解

上述のように、「よく記銘されたものが良く想起される」のであり、深い悲しみ憤り恐怖心或いは、心の傷を残すこととなった『心に深く刻み込まれた』事象、或いは、繰り返し記銘し覚え込んだ事象は、更には、内容の深い理解を伴う事象という要因が存在する分、記銘度が高くなる為に、良く保持されて、良く想起されるのです。これが、長期記憶と短期記憶を生じるメカニズムなのです。「海馬が、長期記憶と短期記憶とを区分けている」とする専門家達の説明は、単なる憶測や推測の産物なのであり、誤りなのです。そもそも、「どのような基準」で区分けているのかを考えてみるだけで、そうしたことが起こり得ないこととわかるでしょう。基本的に、記憶の対象となる事象は、左脳、右脳、運動の脳、「実行機能」、「前頭葉の三本柱」の機能が、夫々に/相互に関わりを持ちながら、複雑な関係上の役割をもって関わってくるものであり、「記憶の対象となる事象を都度、長期に保存すべきものと短期に保存すべきものに区分ける基準などは、存在し得ないはずと考えるべきもの」だからなのです。

(3) 長期に記憶されている記憶が、加齢とともに想起しにくくなる理由

想起の機能についても、加齢に起因した機能低下の進行という問題が存在しているからなのです。『チコちゃんに叱られる』に登場した脳機能データであり、二段階方式が誇る「加齢に因る前頭葉の老化曲線」がその証拠データなのです。

このデータは、各年齢についての多数の被験者に対して「かなひろいテスト」を実施したデータを集積したものなのです。前頭葉の三本柱の機能である意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能を個別に及び総合的に判定し、評価した脳機能データであり、即ち、機能構造的に、「実行機能」及び「前頭葉」の老化曲線でもあるというものなのです。此処に取り上げた3種類の機能が、意識を構築している要の機能なのであり、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症が、何等の器質的な原因病変が確認できない(実は、存在していない)にも拘わらず、認知機能が異常なレベルに衰えてきて、認知症の症状が発現して来る原因(根拠)なのです。専門家達が、このことに気づくべきなのです。世界中の専門家達は、未だに、『器質的な原因病変』を探し求めているのです。

➡ 「中ボケ」の前期の段階にある「お年寄り」の特徴として、「最近の事象」について思い出せない(想起出来ない)のに対して、「過去の事象」については、以外にも、よく思い出すという特徴が確認できるのです。最近の事象は、記銘時の記銘度が低い(記銘する機能が異常なレベルに低下している)のに対して、過去の事象は、記銘度が高い(記銘時は、年齢が若く、且つ、発病してもいなかった為、前頭葉の三本柱の機能が正常で、もっと高度な機能レベルに在った)為、想起し易いのです。

&4『記憶の障害』が発現するメカニズム

(1) 人間だけに特有な「記憶のメカニズム」

そもそも、私たち人間の「記憶」は、無意識下で行われたり、睡眠中に整理されたりする機能構造にはなっていないのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、即ち、「目的的な世界」で、行われているものなのです。意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に、記憶が行われる(記銘して、想起する)ものなのです。記銘想起のはざまに存在する保持は、記銘に連動して起きてくるだけのものなのです。記銘度の高さに応じた保持が起きてくるだけのことなのです。その記銘と想起の問題については、前出の&2で、詳しく説明した通りなのです。「よく記銘された事象は、良く保持されて、良く想起される」のです。

睡眠中は、意識の覚醒の度合いが極めて低い状態を維持しつつ、サーカディアン・リズムの規制の下で、レム睡眠とノン・レム睡眠とを繰り返しているのです。意識の覚醒の度合いが極めて低い状態下では、意欲や注意の集中力及び/又は注意の分配力の機能を発揮しようにも機能レベル自体が極めて低い状態にあるのであり、その結果として、記銘度自体が極めて低いものとなる為、人は、睡眠中には記憶の整理など行われ得ないことを知るべきなのです。➡ マウスと人間とでは、「記憶のメカニズム」が根本的に異なるのです。

(2) 所謂「物忘れの症状」(加齢に起因した記憶障害)

記憶』は、①記銘して、②保持して、③想起する3つの過程を辿ります。

所謂「物忘れ」の症状も、「意識的な世界」、「目的的な世界」で起きてくるものなのです。意識的に何かのテーマを実行しようとしている際に起きてくるものなのです。その意識的な世界(且つ、目的的な世界)で、『実行機能』の働き具合を(機能の発揮度を)下支えし、支配し、管理し、コントロールしているのが、『前頭葉の三本柱』の機能なのです。その際に、異なる複数のテーマを処理する場面が起きてくるのが常態なのであり、その要となる脳機能が、『注意の分配力』の機能という訳なのです。分かり易い例で説明しましょう。遠く離れた町にお嫁に行って、生活している娘が、新型コロナに感染して、発症して、発熱が続いているのに、娘を受け入れてくれる医療施設が無くて、家で寝たままで居ると知らされたとしましょう。居ても立っても居られないのに、家には、アルツハイマー型認知症を患っていて、徘徊迄する義父が居るとしましょう。夫はと言うと、中国の武漢に海外駐在で行っていて、独りで、留守宅を守っている状況なのです。

夕ご飯の準備をしていても(冷蔵庫を開けて、アレッ?!何を取ろうとしてたんだっけ?)、階段を二階に上がって行き、部屋の扉を開けた途端に(アレッ?!何をしようとして二階に上がって来たんだっけ?)という風になってしまうのです。原因はどこに有るのか? 実行機能の働き具合を下支えし、支配している『注意の分配力』の機能が備わっていることに因り、私たち人間だけが、『3つ以上の異なるテーマを同時に並行して実行することが出来る』のです。「物忘れの」症状が発現して来る最大の原因は、此処に在るのです。

新型コロナに感染して自宅で療養している娘のことが、何をしていても、常に気になってしょうがないのです。夕ご飯のおかずにと、魚を煮つけようとしていて、しょうゆを取り出そうと考えたときも、娘のことが気になって仕方がないのです。『高熱が出てきてないか、医師との連絡は取れているのか』心配で、娘のことがあれこれと気に懸かりながら、『同時に並行して、他のテーマを処理しようとしていた』為に、起きて来た事件なのです。心ここに有らざる状態下で、醬油を取ろうとしたり、或いは、二階の部屋にスマホを置き忘れたことに気づいて取りに行こうとしていた訳なのです。この状況を脳の機能面から説明すると、『注意の分配力』の働きによって、「異なる複数のテーマを同時に並行して処理」しようとしていた訳なのです。

その際に、無意識に何かをしようとしていたのでなくて、意識的にしようとしていたのです。「注意の大半の部分」が娘のことに分配されていて、しょうゆを取り出そうとか、スマホを取ってこようとか言うテーマに対しては、ほんのわずかしか分配されていなかったということなのです。ほんのわずかしか注意が分配されていないテーマについては、『記銘度が低くなる』為に、想起できなかった(「物忘れ」が生じた)いうことなのです。これは、注意の分配力の機能を筆頭にして、「前頭葉の三本柱」の機能について起きてくる、『加齢に起因した脳機能の老化=機能低下』の進行という要因が犯人なのです。

➡ 『アルツハイマー型認知症』の発病原因については、&5で詳細を説明してあるように、『加齢』に因る機能低下の進行(=機能の老化)が、第一要件なのですが、加齢という要因だけでは、発病はしないのです(第二要件が必要)。

3.「アルツハイマー型認知症」発病としての「重い記憶障害の症状」

(1) 『DSMー4』の第二要件が規定する失語、失認、失行の症状問題点

米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である『DSM-4』の規定は、その「第一要件」で、「記憶障害」に起因して発病すると規定していて及び「第二要件」で、失語や失認や失行の症状が発病の「初期症状」であると規定しています。実は、失語や失認や失行(紛いの)の症状は、MMSEの総得点が一桁、9点以下の段階にあるお年寄りに初めて確認される症状、極めて重度の症状なのです。その結果として、「第一要件」で確認を要求されている「記憶の障害」を充足するものとしては、『重度の記憶障害の症状である』こととなってしまうのです。専門家とされる人でさえ、『昨日友達とレストランに行ったこと自体を思い出せないのは、「アルツハイマー型認知症」発病としての記憶障害の症状であり、その時何を食べたか思い出せないのは、「加齢」による物忘れの症状である』等と、思わず笑い出したくなるような説明をしているのです。正しい判定、鑑別を行う為には、『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、前頭葉の機能が、異常なレベルに在ることが確認される』ことを必要とするのです(&5参照)。

(2) 徘徊』に特別の意味は無い

アルツハイマー型認知症』を発病して、末期の段階にまで重症化が進行したお年寄りに確認される症状として『徘徊』が有ります。その徘徊には、本人なりの「目的」があると説明する人達がいます(介護従事者の発言の場合が多い)。脳の機能レベルという視点が無くて、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定する手技も有していなくて、介護している中で、外観的に観察し、憶測しただけの「素人の感想と発言」のレベルに過ぎないものなのです(脳機能について無知)。

MMSE下位項目の項目困難度のデータから説明します。①「時の見当識」は、MMSEの総得点が一桁(9点)になった時から、5点満点である「時の見当識」の得点が0点のお年寄りが一番多くなるのです(0点であるということは、昼夜の区別もつかないという意味なのです)。②「所の見当識」は、MMSEの総得点が一桁(9点)になった時から、5点満点である「所の見当識」の得点が0点のお年寄りが一番多くなるのです(0点であるということは、自分が今いる場所の区別もつかないという意味なのです)。③『アルツハイマー型認知症』を発病して、「徘徊」するお年寄りとは、「時の見当識」も「所の見当識」も、「人の見当識」も機能が殆ど残っていない、働いていないのです。『意識的な世界』における「脳全体の司令塔の役割」を担っている「前頭葉」の機能が、就中、注意の分配力の機能が極めて異常なレベルに在るものの、身体が丈夫である為に、何かの拍子に「住んでいる住居を出たら、意味も目的も無く、歩いて行き、自分が現在何処にいるのかも分からない儘に歩き続ける」結果、「徘徊」して歩き回るということになるのです。家のある場所を忘れた(重度の記憶障害)ことが原因ではないのです➡ 夜中に騒ぎ回ったり、「田圃へ様子を見に行く」とか言い張って、外に出て行こうとするのも、同じことなのです。失語が確認されるということは、簡単な会話さえも、意味の有るやり取りは出来ないということなのです。徘徊や発言は、なにか特別の意味がある行動でも、発言でもないのです。『注意の分配力』の機能が極めて異常なレベルに在って殆ど働かないことの反映、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプットが、『大ボケ』の段階の症状として発現してくるものなのですから。

※『DSM-4』の第二要件が、失語や失認や失行(紛いの)の症状が「初期症状」であると規定している為に、中ボケは、発病とは考えられていないのですが、「中ボケ」の段階で既に、日々我が身に起きている『症状の自覚が出来ない』のが、特徴なのです。

&5 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム

1.「意識的な世界」と「実行機能」の機能構造

(1) アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、器質的な原因病変が確認されないにも拘らず、私たち人間だけに特有な「意識的な世界」、且つ、「目的的な世界」において、すなわち、何等かの「テーマ」を実行する場面で、『実行機能』の発揮レベルが異常なものとなることに因り、認知症発病としての症状が発現して来るのが特徴なのです(世界中の専門家とされる人たちが、この視点に未だに気づいていない為に、発病の原因をめぐって、迷走を続けているのです)。

※ ここに、『実行機能』(Executive Function)とは、自分が置かれている「状況」を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った何等かの「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を企画し、計画して、想定した条件の下で実行の結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、評価し、修正し、最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、決定し、実行の決断をして、脳の各部に対し実行の指令を出す等、テーマの発想とその実行に必要となる様々な個別認知機能総称した脳機能なのです(他に、抑制感動等もある)。

(2) その「実行機能」が肝心の機能を発揮するには、「前頭葉の三本柱」の機能の要である『注意の分配力』の機能が関与しないと機能が発揮できないという機能構造上の問題、私たち「二段階方式」が世界で初めて発見し、『実行機能の機能発揮上の二重構造』と名付けている問題が存在しているのです。

(3) そうした個別の「認知機能」(それらの総称が、『実行機能』)が必要なレベルでの機能を発揮するには、常に、『注意の分配力』の機能が関与し、下支えし、管理し、コントロールしているという機能構造が存在している訳なのです。

(4) 「小ボケ」の段階で確認される症状(□発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってくる、□同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ、□一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない)、「中ボケ」の段階で確認される症状(□何度教えても、日付があいまいになる、□自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない、□行き慣れている所に行くのに、スムーズにいけない)及び「大ボケ」の段階で確認される症状(□着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で来ている、□服を正しく着られなくなり、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする、□住んでいる家を出た後、帰える途が分からなくなり、そのまま徘徊する)等の症状は、全て、『注意の分配力』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、異常なレベルに衰えてきて、次第に働かなくなっている為に起きてくることを直接的に反映した症状なのです。末期の段階である大ボケの更に後期になって初めて発現が確認される失語や失認や失行(紛い)の症状も、同じメカニズムの下で、発現してきているものなのです。「記憶の障害」に起因した症状であると考えている人達は、脳機能についての理解が浅すぎるのです。

2.「加齢」による機能低下と「廃用性」の機能低下という要因

(1) 『アルツハイマー型認知症』は、何等の「器質的な原因病変が確認されない」にも拘らず、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが原因で発病し、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした『三段階に区分される症状』が発現して来るのが特徴です。

(2) 発病後の症状が末期の段階にまで進行し、失語や失認や失行(紛いの)、極めて重度の症状が確認されていた発病者(第二の人生を送っていた高齢者)の、死後の脳の解剖所見で確認されるアミロイドベータの蓄積に因る老人斑の沈着やタウ蛋白の沈着による神経原線維変化や脳の顕著な萎縮等は、発病の原因ではなくて、発病し、症状の重症化が進行し、末期の段階である大ボケの後期にまで進んだ結果としての産物に過ぎないのです。

3.「二段階方式」の主張(正しいことを疫学的に実証済み)

(1) 発病の「第一要件」(『基礎要件』)

発病の第一要件は、加齢に起因した『前頭葉』機能の老化に在るのです。我が国での実態としては、「60歳を超える年齢の高齢者」が、発病の第一要件となるのです(二段階方式独自の規定内容であり、現時点で他に類例が存しないもの)。このことが基礎要因であるために、アルツハイマー型認知症は、『老年発症』が特徴となるのです(「正常老化の性質」のカーブが根拠)。但し、発病する為には、第二の要件の充足が不可欠となるのであり、「第一の要件の充足」だけでは、『アルツハイマー型認知症の発病は、起きてこない』ことに注意して下さい

(2) 発病の「第二要件」(『加重要件』)

発病を惹き起こす「第二の要件」、決定的な要件(『加重要件』)が、第二の人生を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行(二段階方式独自の規定内容であり、現時点で他に類例が存しないもの)という要件なのです。猶、ここに言う『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』とは、「自分なりに追求する特定のテーマもなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、達成すべき目標も無い単調な生活習慣」を言います。この要因が、発病するか/しないか、症状の重症化が進行するか/しないかを区分け、決定づける『唯一の要因』なのです。このことを言い換えると、『仕事』とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で展開され、継続される『脳の使い方』としての『単調な生活習慣の継続』なのであり、食生活も、学歴も、糖尿病の発病とも無関係のものである(直接の因果関係は存在しない)ことを注意喚起したいのです。

(3) 『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズムと正体(本態)

第一の要件」と「第二の要件」という、異なる二つの要因が同時に存在し、充足されることに因る「相剰効果」により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに因り、①「前頭葉の三本柱」の機能に端を発し、②評価の物差しの機能が、③「実行機能」が、更には、④複合機能体である『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えて行くことを直接反映したもの、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』発病の症状として発現して来ることになるのです。

アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないというのが、「二段階方式」独自の主張なのです。

猶、この主張については、北海道から九州に跨る452の市町村での実践、「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動」の実践展開指導により、正しい主張内容であることを、疫学的方法により実証して来ていて、その成果については、厚労省の認知症施策推進室との協議の際に、実証データを提示してもいるのです。とはいえ、世界中の権威達が、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が不明であり、治すことも、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』と未だに主張していて、二段階方式の主張内容が彼等とは真反対の主張内容であることもあり、未だに、陽の目を見ていないのです。

(4) 様々な程度及び態様により発現して来る『アルツハイマー型認知症』の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴であり、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と早期治療の実施(「脳のリハビリ」の実践)に因る回復の可能性の有無及び程度により「3つの段階」に区分されるべきものなのです。専門の医師達が、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ない』と主張しているのは、彼等が発病を見つけている段階が遅すぎるせいなのです(&5で詳細を説明)。なお、三段階に区分される症状の類型については、「ブログF-11」の&6を参照)。

&6 『MCI』(軽度認知障害)の基準の問題点

1.基準の概要

(1) 市町村に対し「介護の予防」(介護が不可欠となる段階にまで認知症の症状が進行する時期を少しでも遅らせることを目的)措置の実施を求める認知症施策推進室の「認知症ケアパス作成の手引き」によると、「MCI」(軽度認知障害))の定義は、次の5項目となります。これらに全てが当てはまれば、「軽度認知障害(MCI)」にー相当と判断されるということなのです。

(2)『軽度認知障害(MCI)の定義』は:

①年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない「記憶障害」が存在することが確認される。

②本人または家族による『物忘れの症状』の訴えがある。

③全般的な認知機能は正常範囲である(注:認知機能を問題としながら脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルが正常であるか、異常であるかの客観的な判定は為されていないことに注意して下さい)。

④日常生活動作は自立していると観測される。

⑤認知症ではないこと(注:ここで言う認知症ではないという意味は、「極めて重度の症状」であり、30点が満点のMMSEの総得点が9点以下にならないと発現が確認されないものである「失語や失認や失行(紛いの)」の症状を「初期症状」であると誤解し、考えているものであることに注意して下さい)。

2.MCIの基準の問題点

(1) 重視される要素が、本人または家族の訴えによる物忘れの症状であること

(2) 認知機能を問題としながら、前頭葉の機能レベルの判定が行われないので、単なる言葉上だけのチェックに過ぎないのです(せいぜい、MMSE程度か)。

(3) 言葉の上では、色々記述が為されているのですが、全てが主観的で、客観性の担保が全くなくて、言葉の遊びに過ぎず、恣意的運用を是認したもの。

(4) 「アルツハイマー型認知症」の発病の有無については、失語や失認や失行の症状が確認されていなければ、「認知症ではないと判定される」こと。

(5) 「アルツハイマー型認知症」は、意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能が、真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴であり、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るものであり、その判定が要素に入っていない基準は、無意味。

本著作物「F-12」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学界に身を置く人達に、お願いします)。

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# 認知症  アルツハイマー型認知症の症状と意識の世界との関係 (F-11)

2021-09-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

&1   今猶、世界最高の権威規定である「 DSM-4」の内容の重大な誤り

1.「 DSM-Ⅳ」の第一要件及び第二要件の規定の構成と内容の分析

(1)米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断規定である『DSM-Ⅳ』の規定は、①第一要件では、記憶の障害(記銘及び想起の機能の障害)に起因して発病し、②第二要件に規定する症状(失語、失認、失行、又は実行機能の障害等)が発現して来ると規定しています。 その論理的構成は、「第一要件」の要因が原因となって、「第二要件」に例示する症状が発現して来るという構成の仕方をしているのです。

(2) 「アミロイドベータ仮説」の旗印の下で、マウスにアミロイドベータを注入したアルツハイマー・マウスとかが檻の中で餌を探して徘徊する動きを対象にして、記憶障害とアルツハイマー型認知症との関係、言い換えると、アミロイドベータの蓄積量と記憶の機能レベルとの相関関係を研究し、世の中に対して、間違った情報を発信しているのが、ハーバード大学であり、我が国では、東大、京大、理化学研究所なのです。彼等は、アルツハイマー型認知症が、意識的な世界、目的的な世界と密接な関係を有するタイプの認知症であることにさえも気づいていないのです。意識的(目的的)な世界、常に異なる『複数の意識が並存』している状態下で、それ等複数の意識を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしている要の機能が、『注意の分配力』の機能であることも知らないのです。意識と記憶に関わる最も重要な機能である『注意の分配力』の機能が備わっていない、マウスを研究対象にしていることが問題。

(3)『アルツハイマー型認知症』の発病の原因は、記憶障害にあるのではなくて、『注意の分配力』の機能の機能障害に端を発した、『実行機能』の機能障害を介した機能構造関係、最終的な表現では、『前頭葉』の機能障害が原因なのです。

※「アルツハイマー型認知症」は、「第二の人生」を送る上で継続される、単調な生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(追求する特別のテーマも無く、生き甲斐無く、趣味なく、交遊無く、運動もせず、達成すべき目標も無い単調な「生活習慣」を言う)の継続に起因した『前頭葉』の廃用性加速度的異常な機能低下の進行が原因で発病し、症状が進行して行く性質のものなのです。➡ 発病を予防するには、食生活ではなくて、仕事とは無縁となる第二の人生を送る上での脳の使い方としての『生活習慣』の創意工夫と継続的な実践、即ち、『前頭葉の三本柱』の機能(意欲注意の集中力及び注意の分配力のことを言います)の出番が多くて、「実行機能」の出番が多くなることに因り、『前頭葉』の機能が活性化する『生活習慣』の構築と継続的な実践が、唯一の方法となるのです。「意識的な世界」を支える要の機能である『注意の分配力』の機能が、廃用性の機能低下の場合には、真っ先に衰えて行く性質があるからなのです。

発病を予防したり、症状の進行を抑制する効能を有する「治療薬」は、発病のメカニズムに照らして、未来永劫開発されることは有り得ないことなのです。アリセプトを含む「4種の薬」に、症状の進行を抑制する/緩やかなものにする効能、治療薬としての効能は存在していないのです。あるのは、単なる『対症療法薬』としての効能(症状の発現の仕方を抑制し、或いは、昂進させる効能)だけなのです。「効能の評価」をする方法に欠陥があるだけなのです。当該薬を飲んだ人達の日々の脳の使い方としての生活習慣が、症状の進行の抑制或いは、緩徐にする影響に気づいていない評価方法なのです(評価方法にも欠陥)。私たち「二段階方式」には、『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因』という脳機能データが存在しているのです(ブログ中で公開済み)。

(4) 意識的な世界は、目的的な世界であり、何等かの具体的なテーマを見つけて、自分が置かれている状況を判断して、自分なりの目標を設定して、発想、分析、理解、企画、計画、洞察、憶測、推理、検索、比較、シミュレーションして、シミュレーションの結果により選択して、実行内容及び程度と態様を決定し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を下す。その際の、脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能が、『前頭葉』であり、その過程で、様々な「個別認知機能」が活躍することになるのです。それら個別認知機能の総称が『実行機能』なのであり、実行機能が機能を発揮する(EX.深い洞察や理解をする)上で、その機能の発揮度(実行機能の機能レベル)を下支えし、支配している要の機能が注意の分配力の機能なのです。ここに挙げた、注意の分配力や実行機能や前頭葉という脳機能は、マウスには備わっていないのです。意識的な世界は、注意の分配力の機能が管理している世界であり、『記憶』(記銘、保持、想起)についても、記銘時も想起時も、必ず、注意の分配力の機能が関与することになるのです。こうした脳の機能構造の相違にも気付かないで、アミロイドベータ仮説の研究者たちは、マウスの脳を題材にして、研究しているのです。

(5) 何れにしろ、問題の対象となる世界は、無意識や条件反射の世界で起きてくるものではなくて、意識的な世界、「意識が覚醒」している状態下での、異常な症状として、『アルツハイマー型認知症』の症状が発現して来るものであるとの理解と認識に立って規定すべきものであることに注意を喚起したいのです。

2.上記構成の理解に立って、第二要件の規定内容を検討してみたいのです。

(1) 第二要件の規定を別の視点で分析して見ると、失語、失認、失行(紛い)の症状、又は、実行機能の障害の症状が発現して来ることになると規定しているのです。そうした症状が発現してくる原因が、「記憶の障害という要因だと規定している」のです。

(2) 実は、この第二要件の規定内容自体が、重大な誤り、欠陥規定であるということになるのです。その問題点を&2で論じてみることにします。アミロイドベータ仮説は、「DSM-Ⅳ」の第一要件が、正しい規定内容であるとして、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑の沈着により、老人斑が持つ毒性により、情報を連絡している神経細胞の大量死が惹き起こされることに因る記憶障害が原因となって、失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来ると主張しているのです。➡仮説の主張者(支持者)達は、新型コロナ回避の為の「3密の回避」に徹したナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」を長期に亘り継続している状況下で、第二の人生を送る高齢者たちの間で、新規の発病者が激増して、重症化が進行して行っている事象事実をどのように説明できるというのでしょうか。

※「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定(記憶障害に起因して発病するとの規定)を妄信し、アルツハイマー型認知症を発病し、末期の段階にまで重症化が進行し、失語や失認や失行の症状が確認されていたお年寄りの死後の「脳の解剖所見」で取り上げられるアミロイドベータの蓄積に因る「老人斑」の沈着に着目して、老人斑が毒性を有していて、その毒性が情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を招くことに因り、記憶障害が惹き起こされるという想定をしただけの仮説なのです。その仮説の主張内容とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係の存在を未だに立証できないでいる為に、仮説の地位に甘んじているものなのです。

&2 「意識的な世界」での「前頭葉」を含む脳全体の機能構造

(1) 「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、発現して来る症状は、左脳(失語)がらみの症状、右脳(失認)がらみの症状、運動の脳(失行)がらみの症状、又は、実行機能がらみの症状であると、第二要件は規定しているのですが、実はこれが「重大な誤り」の規定内容なのです。最初の3つの要件は、特定の症状を例示しているのに対し、最後の要件は、症状が発現してくる原因、要因を規定したものなのです(=「実行機能」の障害に起因して発現して来る症状という、前3者とは異なる異質の規定の仕方となっているのです)。規定の仕方自体が、論理的に支離滅裂のもの。

※1後で、詳細について説明しますが、失語や失認や失行の症状自体が、実は、記憶障害でなくて、「実行機能」の機能障害(三者の機能構造の関係で言うと、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因した「実行機能」の機能障害=「前頭葉」の機能障害)に起因して、発現して来る症状なのです。

(2) 加えてこの規定は、「意識的な世界」での脳の機能構造を無視したもの(機能構造を知らない為に誤った内容の規定をした)なのです。

(3) 『実行機能』は、意識的な世界、即ち、目的的な世界において、①自分が置かれている状況を分析し、理解し、憶測し、推測し、判断して、②その状況判断に沿った自分なりの何等かの「テーマ」を発想し、③「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を企画し、計画して、④想定した条件下での実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、⑤シミュレーションの結果を比較して、⑥最終的な実行内容及び実行の仕方を選択し、⑦決定して、⑧実行の決断をして、⑨意識的な世界における脳全体の「司令塔の役割」を担っている、『前頭葉』の機能が、左脳、右脳及び運動の脳に対して、実行の指令を出すという機能構造になっているのです。①『実行機能』とは、上記(3)で赤字列挙した個別認知機能群の総称なのであり、②実行機能が働くには、左脳、右脳及び運動の脳を介しての働きが不可欠となるのであり、更には、③実行機能が機能を発揮する為には、「注意の分配力」の機能を核心とした「前頭葉の三本柱」の機能による下支え及び支配が不可欠となるという機能発揮上の二重構造の関係があるのです(前頭葉の三本柱の機能、就中、「注意の分配力」の機能の関与の度合いが、実行機能の働きの度合いを左右している機能構造)。

この機能発揮上の二重構造から、実行機能の機能障害は、前頭葉の三本柱の機能の機能障害に起因して惹き起こされることになるという「機能構造」に対する無知からくる規定上での間違いを起こしているのです(「実行機能の機能障害」と規定するのではなくて、「前頭葉の三本柱の機能の機能障害に起因した実行機能の機能障害が正しい理解となるのです)。加えて、実行機能の機能障害は、第二要件ではなく、第一要件に規定すべきなのです。第一次的には、『注意の分配力』の機能障害に起因して(最終的には、即ち、『前頭葉』の機能障害に起因して)失語や失認や失行(紛い)の症状が発現して来るものだからなのです。

(4) 分かり易く表現して説明すると、意識的な世界、目的的な世界は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」なのであり、馬車の運行を判断し、支配し、管理し、コントロールしているのが御者である「前頭葉」という脳機能なのです(意識的な世界、目的的な世界では、『前頭葉』の機能が、脳全体の司令塔の役割を担っているのです)。左脳、右脳及び運動の脳を手足として、『前頭葉』が運行の全般を管理し、コントロールしつつ、思索や思考、行為や行動、或いは、言葉を介した発言を実行して行く上で、不可欠となる脳機能が「実行機能」(太字表記の個別認知機能の総称)なのです。

(5) このことを言い換えると、意識的な世界、即ち、意識が覚醒した世界、目的的な世界では、左脳、右脳及び運動の脳を手足として、実行機能を活用して馬車を運行して行くときに、『前頭葉』の機能レベルが、その先の全ての、意識的なアウトプット、即ち、実行機能の働き具合並びに、左脳、右脳及び運動の脳の働き具合、或いは、それら機能の複合した機能発揮の関係の上で、必ず直接的に反映されるという「因果関係の鎖」の連鎖が存在しているのです。

➡『注意の分配力』の機能を核とした「前頭葉の三本柱の機能」の機能障害が、実行機能の機能障害に繋がり、即ち、そのことが『前頭葉の機能障害』となり、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能障害が、関わる全てのアウトプットに直接反映されることになり、アルツハイマー型認知症の症状が発現して来ることになる(小ボケの段階の症状は、アルツハイマー型認知症としての症状であることが、権威達から、見落とされているのです)※ 小ボケ及び中ボケの段階の症状も、認知症発病としての症状なのです。

(6) 第二要件の規定の問題点を明確にしつつ表現すると、「注意の分配力」の機能を核とする前頭葉の三本柱の機能の機能障害が「実行機能」の機能レベルに直接的に影響し、「実行機能」の機能障害が、即ち、総体としての『前頭葉』の機能障害となるのであり、「意識的な世界」における脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』の発病としての「症状」となるという訳なのです。

(7) その意味で言うと、発現して来る症状の初期段階の症状について例示列挙的に規定した「DSM-Ⅳ」の「第二要件」の規定の仕方は、上述した、「前頭葉」及び「実行機能」並びに左脳、右脳及び運動の脳との構造的な機能関係を無視した規定内容であるということになるのです(失語や失認や失行の症状自体が、発病の「初期段階の症状」ではなくて、極めて「重度の症状である」ことの問題点については、後述するものとします)。

(8) 第二要件の内容には、もっと重い罪があるのです。

ⅰ)「第二要件」は、アルツハイマー型認知症の症状を例示しているのですが、失語や失認や失行(紛い)の症状が、発病の「初期症状」であると規定しているのです。そもそも、『アルツハイマー型認知症』は、元々は、精神科の専門領域とされていたのです。「重度の記憶障害の症状」に焦点が当てられて、症状が精神症状と誤解されて、精神科のみが診断を行っていたのです。我が国で厚労省が、「アルツハイマー型認知症」の発病患者の診断の為の専門病院の指定に際して、精神科を有する地域の総合病院を『老人性痴呆疾患センター』という形で、僅かな数を指定したのが始まりなのです。「食事をしたばかりなのに、そのことも忘れている」と言った重度の「記憶障害」の症状や「夜中に騒ぐ」とか、「徘徊」等の症状や行動ばかりが取り上げられていたのです。そのため、発病者を抱えることになった家族は、発病を疑っても病院に連れて行かないで、手に負えなくなって初めて病院、精神科に連れて行くことが常態化して行き、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないタイプの認知症である』という誤解が、我が国の隅々にまで浸透して行ったのです。浜松医療センターは、『老人性痴呆疾患センター』の中では唯一、精神科の精神科医ではなくて、脳外科の脳外科医が診断を行った為に、正常下限のお年寄りから、軽い初期症状、中等度の症状の発病者から重い症状までを含めた、日本全国の発病患者を診察する機会を得たのです(脳外科で、高槻絹子が、種々の「神経心理機能テスト」を開発したのです)。

ⅱ)失語や失認や失行の症状は、11の下位項目で構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が、9点以下になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることさえ、精神科医達には、認識されていなかったのです。それが「初期症状である」と第二要件が規定していたので、それらの症状よりも更に重い症状ばかりに目が行っていたのです。症状を治す効能を有する薬も無いし、発病のレッテル張りをしていただけなのです。現在処方されている「4種の薬」も、症状の進行を遅らせる効能が期待されると製薬会社が謳い文句にしているものの、実際には、そうした効能は有していない単なる「対症療法薬」(症状の発現の仕方を抑制したり、又は、昂進させるだけのもの)が、現在もなお、大手を振って処方されているのです。

ⅲ)失語や失認や失行の症状が初期症状であると規定されているために、それより軽い段階の症状(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階での発現が確認される症状)が存在していることについて、専門家達でさえ未だに考えていないし、知らないのです(『重度の記憶障害』との考えが根底に在る)。

ⅳ)専門家とか言いながら、「MCI」(軽度認知障害)とか言う基準を持ち出してきて、『物忘れの症状』を外観から観察しただけの基準に依拠して、「アルツハイマー型認知症」の発病の「前駆的状態である」とか説明しているのです。

➡意識の機能構造について無知であり、前頭葉の廃用性の機能低下の進行という認識さえなくて、小ボケ及び中ボケの段階が存在することさえ知らないで、末期の段階で発病を見つけていて、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で、治せない』タイプの認知症であると公言してはばからないのです。⇔ 全ての責任は、『DSM-4』の第二要件の規定内容の誤りにある。

&3 「意識的な世界」と「注意の分配力」の機能の関わり方

(1) 「意識的な世界」、目的的な世界では、『前頭葉』の機能が、左脳、右脳及び運動の脳を手足の機能としつつ、「実行機能」を介して、更に、「注意の分配力」の機能を核とする「前頭葉の三本柱の機能」による下支え及び支配を得ることに因り、「意識的」な、且つ、「目的的」な思索や思考、行為や行動、或いは、発言や言動を惹き起こしているのです。

(2) ところが、世界中の脳科学者も哲学者も、誰一人として、未だに気づいていない問題、問題を提示し得ていない、「実行機能」の機能発揮と「注意の分配力」の機能との関係、私たち「二段階方式」の表現で言う『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』という機能構造の問題があるのです。実は、この機能構造の問題に気が付かない限り、何時迄、マウス(又は、アルツハイマーマウス)のお尻を追いかけまわそうとも、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム及び症状の重症化が進行して行くメカニズムを解明することは出来ないことを、専門の学者や研究者達に、問題提起したいのです。

&4 実行機能の機能発揮上の「二重構造の問題」

(1) 『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる「テーマ」或いは、「意識」を同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり並びに「意識」(覚醒の度合いが異なる、覚醒度が異なる状態の意識を含む)を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールする上で、不可欠の機能であることを注記し、問題提起しておきたいのです(分かり易い事例で。仲のいいお友達を助手席に乗せ、好みのBGMを流しながら、女性の活躍が目立ったオリンピックの思い出話に花を咲かせながら、交通量が比較的に多い街中を、昼間に運転している状況を想像してください。こうした状況が、異なる3つ以上の複数のテーマを、同時に並行して処理している状況なのです。会話の流れを把握し、会話の内容を理解し、楽しみながら、他方で、BGMを楽しみながら、更には、行き交う車の動きやその変化にも注意しつつ、信号の色の変化にも気を配りつつ、どんどん代わって変化して行く周囲の景色にも目をやり、楽しみつつ、運行する周りの車のスピードの変化に合わせてアクセルを踏んだり、時にはブレーキを踏んだりして、自分の車の速度の維持や変化にも注意しながら、目的とする喫茶店に向けて、適切に車を運行して行くことが出来るのです(小ボケになると、それが、出来なくなる)。

こうした状況を可能にしているのが、DNAの99%が同じとされるチンパンジーにも備わっていない、勿論のことマウスには備わってもいない、『注意の分配力』という脳機能なのです。意識的な世界の実行に不可欠の機能である『実行機能』が働く為にも及び複数の異なる意識が、覚醒の度合いが異なる儘に、発現して来ては消えていき、再度復活してくる等、同時に並行して、並存して存在している為にも、正常な機能レベル下での/及び異常な機能レベル下での『意識的な世界』自体が、『注意の分配力』の機能の関与なしには、『存在し得ないもの』であるという機能構造の存在を知るべきなのです。

(2) その『注意の分配力』の機能の発揮度を下支えしていて、支配しているのが「注意の集中力」の機能であり、「注意の集中力」の機能の発揮度を下支えしていて、支配しているのが「意欲」の機能であり、三者間には、常にこの機能関係の鎖という構造が存在していることの理解が、意識的な世界での「前頭葉機能」の及び「実行機能」の種々のアウトプットの判定と評価と理解に不可欠なのです。「第二の人生」を送る高齢者だけを対象として(「二段階方式」が規定する「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一要件」)、「キッカケ」の発生と継続を契機に「意欲を喪失」することで開始される『ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続』(「二段階方式」が規定する「アルツハイマー型認知症」の発病の「第二要件」)により、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病並びに症状の重症化の進行が待っていると主張する「二段階方式」が主張する「発病及び重症化が進行するメカニズム」の基礎をなしているのが、上述した理解に基づいた「私たち人間だけに特有な脳の機能構造」なのです。

(3) 『前頭葉』の機能と言う用語は、比較的によく見かけるものの、その前頭葉の機能の精緻な「機能構造」について語れる専門家は、未だに居ないのです。「前頭葉」の機能について語るのであれば、「評価の物差し」(ここをクリックしてください)、記憶の倉庫実行機能「前頭葉」の三本柱の機能とも称すべき極めて重要な機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能、並びに、左脳、右脳及び運動の脳が関わる機能構造の理解と認識が必要となるからです。前頭葉という脳機能は、前頭前野に局在している前述した様々な脳機能の連合体、総体であるというべきものなのです。世界中の著名な専門家とされる人達の論文を見渡しても、「評価の物差し」という概念を提示している人は、このTad以外には、未だに居ないのです。この場合に、「評価の物差し」が働くことが、認知の開始であり、「記憶の倉庫」との照合による同定が起きないと、記銘されない、即ち、認知自体の完成は無いということを知るべきなのです。その上で、「前頭葉の三本柱」の機能の発揮度に下支えられた「実行機能」の機能の発揮度が顕現してくることになる、これが「意識的な世界」で、「目的的な世界」で起きている、様々な種類及び態様に因る「認知の機能構造」なのです。

(4)『アルツハイマー型認知症』の症状の発現及び重症化の進行のメカニズムを考えるとき、上述した脳全体の機能構造の理解が不可欠となるのです。その意味からも、「注意の分配力」の機能も、「実行機能」も、「前頭葉」という脳機能も備わっていない、マウスの行動を対象にして、アミロイドベータの注入量との関係を調べて、そのデータだけを根拠にして、発病のメカニズムを論じている「アミロイドベータ仮説」は、誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り下げているに過ぎない研究というしかないのです。「注意の分配力」の機能と「実行機能」と、不可分のものとして関わることになる「記憶」についても、両者は、脳の機能構造面からも根本的に異なるものなのであり、その面からも、「アミロイドベータ仮説」が行っている「記憶」の評価の仕方は、誤った評価方法なのです。

(5) 注意の分配力の機能を核とした前頭葉の三本柱の機能が実行機能の機能の発揮度を支えている機能構造の下で、意識的な世界、目的的な世界が展開されているのです。その意味で厳密に定義するなら、「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るというべきものなのです(二段階方式の場合は、小ボケ、中ボケ及び大ボケの「3つの段階」に区分しているのですが、世界中を見ても、様々な程度及び態様により発現して来る「アルツハイマー型認知症」の症状について、「前頭葉の機能レベルに厳密にリンクした症状」という視点は全くなくて、「記憶障害について、言葉の区分だけで説明しているものばかり」なのです。「症状が記憶障害に起因して発現して来る」と想定する『DSM-4』の規定の「第一要件」の規定内容(重大な誤り)を疑いもしていないのです。

&5 正しく規定した場合の「規定内容」の在り方

(1) 第一要件は、発病のメカニズムを規定していて、第二要件は、発現して来る症状について規定しようとしているのが、「DSM-Ⅳ」の規定の策定者達の意図だった訳なのです。問題は、「意識的な世界の脳の機能構造」についての知見が不足していた為に、規定の内容を間違えたということになる訳なのです。

(2) 「前頭葉」の機能障害に起因して発病したことが確認されること。これが、『DSM-4』の第一要件の規定でのあるべき正しい規定内容だったのです。

この規定が為されていたなら、アルツハイマー型認知症の発病原因について、「記憶障害に起因」して発病するとの誤った内容の規定を、正しい内容であるとして、記憶障害を惹き起こしている原因が「アミロイドベータの蓄積」及び「老人斑」の沈着による神経細胞の大量死であるとする仮説を思いつくことも無かったであろうし、ここ迄の迷路にはまり込むことも無かったろうと考えるのです(その間違いが、世界中で、時間と人材の無駄遣いを導いたのです)。

(3) 「覚醒の度合い」が低い場合を含めて、「意識が覚醒している」状態下で、様々な程度及び態様により発現して来る「アルツハイマー型認知症」の症状は、三つの段階に区分されるものであることを明確な、客観的な条件により、定義すべきなのです。猶、「前頭葉」の機能レベルの判定については、「かなひろいテスト」の実施結果については、50歳代、60歳代、70歳代、 80歳代以上の年齢別の基準値が設定されていて、MMSEのテスト結果については、「注意と計算」の項目について、「時の見当識」の得点を基礎とした換算を実施した後の「換算値」により、『小ボケは、換算値が24点以上』、『中ボケは、換算値が23点以下15点以上』、『大ボケは、換算値が14点以下』と定義されています。

① 最初の段階の症状は、「社会生活」を送る面での支障が出てきていることが確認される症状群であり、左脳、右脳及び運動の脳は、未だ正常な機能レベルに在るものの、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルであることが確認されることになるのです(「小ボケ」の段階)。

② それに次ぐ段階の症状は、「家庭生活」を送る面でも支障が出てきていることが確認される症状群であり、脳全体の機能(前頭葉の三本柱の機能、実行機能、左脳、右脳及び運動の脳の全て)が異常なレベルであることが、確認されることになるのです(「中ボケ」の段階)。

③最後の段階、末期の段階の症状は、「セルフケア」の面でも支障が出てきていることが確認される症状群であり、注意の分配力の機能を核とした「前頭葉の三本柱の機能」が、異常な機能レベルに在るために、実行機能が殆ど働かないまでに、極めて異常なレベルに機能低下が進行してきていることが確認されること(「大ボケ」の段階)。

(4) 上記(2)及び(3)の要件が確認されることにより発現して来る症状群、類型的な症状として、次章&6に例示列挙する症状群を規定すること(「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の症状)。

(5) 猶、(2)及び(3)の要件を提示する根拠は、「脳のリハビリ」の継続的な実践に因る回復の可能性の有無及び程度により、以下の実態が疫学的方法により実証されているからなのです。

① 小ボケ 「脳のリハビリ」の継続的な実践により治すことが比較的に容易

② 中ボケ 「脳のリハビリ」の継続的な実践により治すことが未だ可能

③ 大ボケ 「脳のリハビリ」の継続的な実践により治すことが最早困難

&6 各段階で確認される「類型的な症状」の例示(14687例の患者を基礎)

(1) 『小ボケの段階』で確認される類型的な症状(4つ以上の確認が必須)

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってくる
□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうとする意欲が見られない
□ 同じ食材を買ってくることが多く、献立の単調さが目立つ
□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない
□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間に居眠りしている
□ これまでなら感動していたことにも感動しなくなる
□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない
□ 根気が続かず、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ
□ ぼんやりしていることが多く、何もしないが指示されるとできる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になる
□ 自分に自信がなくて、何かにつけて他の人に頼ろうとする
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になる
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更が効かない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

(2) 『中ボケの段階』で確認される類型的な症状(4つ以上の確認が必須)

□ 何度教えても、日付けがあいまいになる
□ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる)
□ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ
□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食事の後片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)
□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している
□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない
□ 入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか、石鹸が身体についたまま
□ 服の着方に無頓着で重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る;裏表や前後ろに着る;入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)
□ 周りを汚したり流してないなど、トイレの後始末がきちんとできない

□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)
□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道 b を間違えたりする)
□ 自分の子供の数、生まれ順、居住場所の説明がきちんとできない
□ 季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を着る)
□ 昨日の出来事をすっかり忘れてしまう
□ 物盗られ妄想(物の置き場所を忘れて、相手が隠したとか盗んだとか言う)とか、世話をしてくれる人に対して口汚くののしる行為が見られる

(3) 『大ボケの段階』で確認される類型的な症状(3つ以上の確認が必須)

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている
□ 風呂に入るのを怖がり、嫌がる
□ 服を正しく着られなくなり、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする
□ 家族の名前を間違えたり、自分の子供を配偶者と間違えたりする
□ 食事や挨拶をしたことなど、直前に起きたことを直ぐに忘れてしまう
□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)
□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる
□ 大小便を失敗しても後の処置ができない(大小便で汚れた下着を押し入れに隠すようなこともbあります)
□ 自宅の方向が、たびたび分からなくなる(そのまま、徘徊することにもなる)
□ 同居している家族の名前も顔も、分からない(家族かどうかも分からない)
□ 昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)
□ 傷んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする
□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする  

&7 「アルツハイマー型認知症」発病の基礎要因としての『加齢』要因

1.「アルツハイマー型認知症」を発病する対象が60歳を超える年齢の高齢者に限られる理由、「正常老化の曲線」の存在【チコちやんに叱られるに登場】

(1) 世界中の専門家達から今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行する「メカニズム」を解明する上で、極めて重要な要素、それは、意識的な世界、言い換えると、目的的な世界での「前頭葉」の個別認知機能群である『実行機能』の発揮度を左右し/下支えしている機能である「前頭葉の三本柱」の機能(「意欲」、「注意集中力」及び『注意分配力』の機能のことを、私たちがその特徴と重要性に鑑みて命名したもの)には、『20代半ばを過ぎると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく』という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」(二段階方式独自の命名)とも呼ぶべき加齢と共に機能が緩やかに低下していく特徴的な曲線が存在しているのです。

(2) それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「左脳」の働きが核となる「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」が始まったばかりの65歳頃には、「前頭葉の三本柱」の機能レベルが、最も高い18歳から20代の半ば過ぎ頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきている(機能が低下してきている)ことが、注目すべき要点なのです。『加齢』という要因に起因した『脳の老化』(正常老化の性質)の問題が存在しているのです。

 (3)私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ膨大な「アルツハイマー型認知症」の症例群とその基礎データとしての「脳機能データ」の解析により、私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者としての役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つ、この要因に着目し、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』と言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たち「二段階方式」は規定しているのです。

2.私たちが集積してきたデータによる予測では、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの年齢別の割合は、「第二の人生」が始まる60歳代では12%となり、70歳代では30%、80歳代では二人に一人となる50%、90歳代では75%を数えていて、加齢の極まりである100歳代では97%にもなるのです。但し、この数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含む数値であって、医療現場が発病と診断している及び厚労省が発病者数として発表しているのは、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階の人達だけであることに注意して頂きたいのです。厚労省が推定値として発表している我が国全体で600万人と言う数値には、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りは含まれていないのです。

3.老化のカーブの傾き具合を左右する要素は、脳の使い方としての「生活習慣」

 (1)自分なりの「テーマ」や「役割」や達成すべき「目標」があり、趣味や遊びや交遊や運動等を楽しむ生活の機会が多くあり、地域興し等の活動にも興味があるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報が「前頭葉」に送られてきて処理されているような「生活習慣」が日々継続されているお年寄りは、脳全体としての老化の曲線は緩やかなものとなり、『身体が持つ限り、脳も保てる』、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです。

(2)「かくしゃく老人」である場合の特徴として言えることは、脳の使い方としての「生活習慣」が、早々とボケていく「お年寄り」(時間は、有り余るほどあるのに、することが無い、単調な毎日を過ごしている)のそれとは、対極的内容の『生活習慣』(但し、食生活は無関係であり、脳の使い方としての生活習慣であることに  留意する)を送っているということなのです。両者の間には、世の中で言われているような「食生活としての生活習慣」ではなくて、「脳の使い方としての生活習慣」の顕著な相違が存在するのです。➡久山町の全数調査で提示されている糖尿病の発病者であることとの間には、直接の因果関係は存在しないのです。

(3)「アルツハイマー型認知症」は、老年性のアルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者だけであり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。「発病の原因」そのものが、加齢と言う要素に起因した機能低下という基礎要因と脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という加重要因の同時存在による相乗効果により発病するものなのであり、その意味で、年齢が上がれば上がるほど、発病するリスクが高くなっていくということが、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴なのです。

(4)「アルツハイマー型認知症」を発病するには、上述した「第一の要件」(加齢による機能低下)と「第二の要件」(廃用性の機能低下)とが同時に充足されることが必要不可欠の条件となると言いました。どちらか一方の要件を満たすだけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病しないということなのです。

その意味で、NHKが一大キャンペーンを張った報道(『働き盛りの50歳代で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』)の内容は、根本的な誤りを犯しているのです。番組にもしばしば登場した人達(30歳代から50歳代までの年齢の人達)の全ての人達が、『「アルツハイマー型認知症」を発病していたのでは無くて、全く異なる性質の病気である、「側頭葉性健忘症」(基本は、30歳代から50歳代の若年で発症するが、老年発症の事例も、稀にみられる。重度の記銘力障害海馬の萎縮を特徴とするものの、前頭葉の機能が正常なレベルに在ることが特徴なのです)を発病していた人達なのです。誤診に基づいた、「誤った内容の報道」だったということなのです。「アルツハイマー型認知症」と「側頭葉性健忘症」とを区分ける、「二つの重要な相違点」が存在するのです。

一つは発病する「年齢」と言う要因なのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、60歳を超える年齢発病の対象となり、老年発症が特徴であり、年齢が高齢になるほど発病率が高くなっていくのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、50歳代以下の若い年齢層が発病の対象となるのが基本なのです(老年での発症は、稀)。最も重要な要因は『前頭葉』の機能レベルが根本的に異なるということなのです。

「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」の機能が真っ先に異常なレベルに衰えて行くものであるのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。「側頭葉性健忘症」の場合は、「新しい事象の記憶」が殆ど入って行かないという特徴を有する「重度の記銘力障害を特徴とした記憶障害の症状」を示すことから、「前頭葉」の機能レベルを判定することもなく(判定する手技を持たないので)短絡的に「アルツハイマー型認知症」の症状だと決めつけた誤診が常態化していて、若年性アルツハイマー型認知症と診断されていて、若年性認知症の内の大半を占めるとされているのです。⇔政府大綱に基づく「介護の予防」事業の展開に当たって、厚労省が提示している「認知症ケアパス作成の手引き」中でも、同様の記述があるのですが、「若年性アルツハイマー型認知症は」架空のものなのです。

&8 アルツハイマー型認知症の「発病及び重症化が進行する」メカニズム

(1)私たち「二段階方式」が1995年の活動開始以来一貫して主張してきているように、『アルツハイマー型認知症というタイプの認知症の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』なのです。『アルツハイマー型認知症』の発病を惹起する要因は、①一つには、基礎要因としての『「加齢」に起因した脳機能の老化の進行という要因』(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者であること)であり、②もう一つの要因が、これに加重される要因としての、「脳の使い方」としての生活習慣という要因、即ち、『第二の人生を送る生活状況下でのナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能について惹起されてくる廃用性の機能低下の進行という要因』が、発病を惹き起こす「直接の原因」なのです。

(2)第一の要因(第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること)に加え、第二の要因(「第二の人生」を日々送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続)が加重されることに因り、即ち、「異なる二つの要因が同時に存在し、充足されること」の『相乗効果』により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくこととなり、そのことが直接の原因となって、『アルツハイマー型認知症』を発病することになり、更には、症状の重症化が進行していくことになるのです。

(3)最も重要な命題に言及しておきましょう。『廃用性症候群に属する、老化廃用型の「生活習慣病」が本態である『アルツハイマー型認知症』は、性質それ自体として治せないものではなく、「早期診断」により治せるし、発病自体を予防することが出来るもの』なのです。『医師達が見つけて居る段階が遅すぎる為に、治すことが出来ないタイプの認知症にされてしまっている』という訳なのです。➡『治せないというのは、誤解』

注1)1995年の活動開始以来、私たち二段階方式が、北海道から九州に跨る452もの市町村で実践を指導してきた先駆的な活動である『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』として、『疫学的方法』により実証してきているように、『アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治らないタイプの認知症ではない』のです。

注2)『医師達が見つけている段階が遅すぎるが為に、治すことが出来ないだけなのです』(※見つけるのが遅すぎる、言い換えると、(「DSM-Ⅳ」の第一要件の規定内容の誤りに気が付かないで、むしろその権威を過度に信頼し盲従していて、失語、失認、又は、失行の症状が初期症状であると誤解したままで居て、『末期の段階で見つけているから、治せない』だけなのです。『アルツハイマー型認知症』も早期診断と早期治療が、必要不可欠の条件となるのです)。➡ 認知症の診断が専門の病院は、重度の物忘れの症状と海馬の萎縮を手掛かりにして、CTやMRIを使って、発病の有無を診断して、物忘れがひどい患者に対して、MCIの基準を持ち出し、発病の先駆的状態にあるので、発病の予防にと「アリセプトを含む4種の薬」(対症療法薬)を処方しているのです。「アミロイドベータ仮説」に基づき開発されたアデュカヌマブに予防の効能は無い」。

&9 『廃用性の機能低下』が原因であるからこそ、「早期の段階」で見つければ、「回復」させる(治す)こと及び重症化の進行を抑制することが可能なのです:

(1)発病の最初の段階となるのが、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があって、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(小ボケに始まり、中ボケの段階を必ず経由して、最後に大ボケの段階に至るという経路が「アルツハイマー型認知症」に特有な症状重症化の過程の特徴です=前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るのがアルツハイマー型認知症の特徴)。 医療現場では、誤りだらけの内容が規定されていることにも気づかないで居て、あの「DSM-Ⅳ」の規定の内容に依拠して診断が行われているのです。

第二の要件で確認が要求されている失語や失認や失行の症状が確認されるお年寄りとは、末期の段階である「大ボケ」の段階の枠の中でも更に後期にならないと発現が確認されない極めて重度の症状が発現しているお年寄り達なのです。満点が30点であるMMSEの総得点が14点以下 0点までが「大ボケ」の段階なのですが、失語や失認や失行の症状が確認されるお年寄り達は、MMSEの総得点が一桁の得点(9点以下)にしかならない程「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきている人達、言い換えると、末期の段階である上更に、その後期の段階、『極めて重度の症状』が発現している人達のことなのです。

(2)医療現場では早期診断と銘打った診察が横行しているのですが、それは、「脳のリハビリ」により正常なレベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させることが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)ではなくて、「失語や失認や失行の症状」の発現が未だ確認されない段階とはいえ、あくまで、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが困難となる「大ボケ」の前期の段階で見つけて居るにすぎないのです。

『早期診断とは名ばかり』なのです。末期の段階であり、回復させることが最早困難となる「大ボケ」の後期の段階で発病を見つけることに何の意味があるのか、医師としての良心の呵責を感じないのか問いたいのです。その上、効きもしない「薬」(治療薬ではなくて、単なる対症療法薬)を処方してもいるのです(『症状を治す効能は有しないが、ケースにより、半年から1年程症状の進行が遅くなることが有るかも知れない』等と、製薬会社の受け売りのままに処方しているのです。医師が気にするのは、副作用の有無とその程度だけなのです。「症状を遅らせる効能を有する薬は存在し得ないのです(「A-34」を参照)。

(3)「脳のリハビリ」の実践により正常なレベルに回復させることが困難となる(厳密にいうと、前段階の中ボケの段階に回復させることも困難)という意味での末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの幅が大河の川幅のように極めて広いのです。「大ボケ」の枠組みの中で、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状の更なる重症化が進行していくことになるのです(「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用性症候群に属する単なる「生活習慣病」なのであり、「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡するということは起こり得ないのです)。

➡(「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡したとの診断は、診断した医師自身が、『「アルツハイマー型認知症」の本態について無知』と言うだけのことなのです)。専門家と言いながら、「失語や失認や失行の症状が発病の初期段階の症状であると誤解」したままなので、「小ボケ」や「中ボケ」の段階があることに気づかないのです。情報を連絡する役割を担っている神経細胞にアミロイドベータが蓄積し、老人斑が沈着することに因り、神経細胞が大量死して重度の記憶障害が起きてきて、失語や失認や失行と言った症状が発現して来ることに因り、どのようなメカニズムにより、死亡するというのでしょうか。

 (4)上述した意味、回復させることは困難であり、「大ボケ」の枠の中で更なる重症化が進行していくだけという意味からも、「大ボケ」の段階の症状の発現が確認されているお年寄りの「家族介護」は、介護する家族側に精神的、肉体的、経済的な負担を強いるだけでなく、介護する側の「社会生活」自体を奪うものであり、「老老介護や認認介護や介護離職」を生むこととなり、我が国の採るべき政策としては、絶対に避けるべきものであると言うことを強調しておきたいのです。二段階方式の考え方及び二段階方式の手技に因る住民参加型の「地域予防活動」を全国展開し、「介護関連総費用」の増加に歯止めをかけ、更には、絶対額自体を大幅に減少させ、何等かの理由で「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまった「お年寄り」の介護にこそ、「介護保険」を全面的に適用すべきものと考えるのです。介護保険制度導入の本旨は、「家族による介護」の負担を軽減することにあったはずなのです。

&10『アルツハイマー型認知症』の「発病を予防」する為の「五か条」

1.権威達の主張する論理的な根拠と対処法

(1)『アルツハイマー型認知症』の発病原因については、現在もなお、「4つの仮説」(他に、タウ蛋白仮説、脳の萎縮仮説、アセチルコリン仮説)が主張されていて、アミロイドベータ仮説が通説(支持する学者の数が一番多いという意味であり、それ以上の意味はありません)とされていて、政府大綱の議論の中でも、更には、「介護の予防」のための措置の展開を市町村の保健師さん達に求めている通達である厚労省認知症施策推進室作成の「認知症ケアパスパス作成の手引き」の中でも、活動のための指針として、『アミロイドベータ仮説』が提示されている状況にあります。

(2)その手引きの中では、お年寄りの物忘れの症状について、単に「言葉の上で」何段階、何区分にも区分けされていて、「物忘れの症状」について、本人や家族の申告や外観から観察しただけの医師の診断を基礎にして、介護の予防措置の対象者を選別し、食事、睡眠、運動等の指導により、「介護の予防」措置(介護が不可欠の状態となる段階が起きてくる時期を僅かでも先送りさせるための指導や支援を行うこと)が求められているのです。

措置を行うべき対象の選別に際しては、MCI (軽度認知障害)の考え方と基準により評価し、判定するよう明記されてもいるのです。そのMCIの基準の考え方の概要について、政府大綱の議論を主導したA氏及びB氏の説明を、以下に引用しておきます。その概要とは、以下の通りです(MCIの基準は、判定基準と言いながら、「客観性が全く担保されていない」のが特徴です)。

MCIとは、原因の疾患に関係なく、軽度の認知障害を指す総称で、まだ生活に大きな支障はないが、物忘れが激しく、無気力になる状態です。放置すれば、4年以内に約半数が「アルツハイマー型認知症」を発症する予備軍ですが、治療によって平均20%余りの方が健常に戻るとされています』(ここで提示されている『4年以内に半数が発病する』とか、『治療により20%余りが治る』とかの説明が為されていますが、間違いなのです。何故なら、記憶障害が原因で発病する訳ではないからなのです。

①「物忘れの症状」の主観的な観察データを基礎として、MCIの基準に相当するとの診断をしようとも、そのことと、「アルツハイマー型認知症」の発病との間には直接の因果関係自体が存在していないので、MCIに相当と判定されたお年寄りが、『4年以内に、半数が発病する』というのは、何等の科学的で、客観的な説明とはならないのです(アミロイドベータの蓄積と老人斑の沈着により発病するとの仮説を支持し乍ら、発病する年数も、割合も、特定の数値が出ると説明していること自体が、意味不明なのです)。

②『MCI(軽度認知障害)に相当』と診断されたお年寄りに対する治療の方法はと言うと、アリセプトを含む「4種の薬」(「治療の効能」は有していなくて、単なる「対症療法薬」に過ぎない)だけであり、他方で、フランスでは、4種の薬の全てが、効能が認められないとして、健康保険の適用対象から除外されているのです。

③ A氏及びB氏が議論を主導した政府大綱の中でさえ、『70歳代のお年寄りについて、「対象期間が、現状に対して10年間で1年の期間の割合で、伸びることを目標値として」(介護が必要となる時期を現状よりも前述の割合で先延ばしすることを目標)設定しようとしたのに対し、外部組織から反対があり、一旦世間に対し発表したものを取り下げた経緯があるのです。その事実を見ても、その目標値を見ても、此処に説明されている数値「治療に因って平均20%余りの方が健常に戻るとされています」を含む説明の内容は、間違いということなのです。
➡『発病を予防するには、どうすればいいのか。基本的には、食事、運動、睡眠が大切になります』と説明されています。二人は共に、「アミロイドベータ仮説」を支持するとしながら、その口裏で、予防出来るとか、治療の効能が無くて、単なる対症療法薬でしかない「4種の薬」の服用により、治せるとか語るのです(論理の展開自体が、意味不明のレベル)。

2.二段階方式(エイジングライフ研究所)が主張する論理的な根拠と対処法

(1) 私たち「二段階方式」(エイジングライフ研究所)は、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているアルツハイマー型認知症は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来ると主張しているのです(小ボケ、中ボケ、大ボケの3つの段階全てを含む数での割合であり、厚労省が提示している割合は、末期の段階、二段階方式の区分で言う「大ボケ」の段階の人数だけで言っていることに注意)。

前述してあるように、我が国だけでなくて、世界中の権威とされる機関や人達は、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状の発現が確認されているお年寄りだけが発病者であると考えていて、小ボケの段階や中ボケの段階が存在していることに、未だに気づいていないし、認識できていないのです。本当の意味での早期の段階であり、『脳のリハビリ』の実践により症状を治すことが出来る/症状の重症化の進行を抑制することが出来る段階である小ボケ及び中ボケの段階に気づいていないので、発病者の人数には含まれていないのです。

その「大ボケ」の段階の発病者数だけで、我が国での発病者数を600万人と見積もっているのです。小ボケと中ボケとを併せた数は、大ボケの総数を上回ることになるのですが、中ボケでも「介護」が未だ必要でないので、気にもしていないのです。『アルツハイマー型認知症』は、徐々に緩やかに症状が段階的に進行して行くのが特徴であり、早期の段階を放置していると、身体が持つので、重症化の進行が緩やかに進行して行き、「小ボケ」は3年後には中ボケとなり、「中ボケ」は、その期間が2~3年経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に入って行くことになるのです。現在の医療は、最早治すことが出来ない末期の段階で発病を見つけて、「発病のレッテル」だけを貼り、「治療の効能」が認められない、アリセプトを含む「4種の薬」、単なる「対症療法薬」を処方して、売上高を稼ぐだけの診断が罷り通っているのです。今回、新たに出て来た「アデュカヌマブ」という薬も、『アミロイドベータ仮説』の考え方に基づいて開発されたものであり、『予防や治療の効能は有していない』のです。服用しても、発病の予防が出来る訳がないし、『症状を回復させたり、症状の進行を抑制する効能を有するが開発されることは、未来永劫有り得ないのです。

(2) 『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、『廃用症候群』に属する「老化・廃用型」の単なる『生活習慣病』に過ぎないというのが、私たち「二段階方式」が、主張する独自の見解であり、この内容が正しいことは、北海道から九州に跨る452の市町村での『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』という先駆的な活動で、疫学的方法により、実証して来ているものなのです(論文を出していないので、知られていないだけ)。

(3) 左脳の出番が必須となる「仕事」とは無縁となる『第二の人生』では、「左脳中心」、仕事偏重だった「第一の人生」とは生き方を変え、右脳中心の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、『自分らしさ』を前面に打ち出せるような生き方をして、毎日の生活の中に、実践の過程や目標達成の結果に『自分なり』の「楽しみ」や「達成感」を感じて、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」が得られるような『テーマ』を選択し、『自分なり』の「目標」を設定し、『自分自身がイキイキとしている』と感じられる『脳の使い方』としての自分なりの『生活習慣』を構築して、継続して実践することが、『アルツハイマー型認知症の発病を予防』する上で、「必要不可欠で、唯一の方法となる」のです。

)日々が、「仕事」とは無縁の生活となる第二の人生では、自分の置かれている生活状況に対する肯定的でポジティブな捉え方を基本とし、且つ、『自分なり』のという自分の尺度で、物事を評価し、目標を設定し、追求し、努力する生き方が、『脳の健康』を維持する生活習慣を継続させる上で、即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する上で、極めて重要な条件となるのです。

(4)『発病を予防』する為に構築すべき『生活習慣』としての「五箇条」

症状を治すにも、発病を予防するにも、方法は唯一。『脳全体をしっかりと使ってやる』以外に方法は無いのです。

「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの「テーマ」を見つけて、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が得られるような、自分なりの『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけて、自分らしい『生活の楽しみ方』をして、『脳が活き活きとしている』と感じられるような日々の『脳の使い方』としての「生活習慣」、何かに挑戦する『意欲』が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような『生活習慣』を構築し、『継続して実践』することが、『前頭葉を活性化』させ、『発病を予防』することに繋がるのです。『3密の回避』とは、真反対の「脳の使い方」としての『生活習慣』の実践が不可欠となるのです。

① 時間が経つのも忘れるような、熱中し、夢中になれる、趣味や遊びの機会を出来るだけ多く持ち;

② 趣味や遊びを通じて、できるだけ多くの人達と交わり;

③ 趣味や遊びや人付き合いや、地域の祭りの復興等の地域活動に、自分なりの生き甲斐や目標や喜びを見つけて;

④精神的な張りと緊張感のある毎日を過ごしながら;何事に対しても、出来るだけ肯定的な捉え方、見方、考え方に努めるようにして;

⑤速足の散歩やラジオ体操など、毎日、楽しみながら『運動』するのです。

 3.「共助」が必要となる

 地域住民が活動に参加する「脳のイキイキ教室」を運営するには、『地域ボランティア』の積極的な参加と協力が不可欠のものとなります(※ボランティアとして参加し、予防教室の運営に関わる都度の実施テーマの選択や実施方法の創意や工夫、他地域の予防教室との交流の促進、実施テーマの効果の評価等に積極的に参画することに因り、注意の分配力の活用と前頭葉の活性化により、自身の喜びや生き甲斐、ひいては発病の予防につながるのです)。

4.「公助」が必要となる

 (1) 介護の費用補助(「介護保険制度」による対応)

 「二段階方式」の考え方及び手技の活用に基づいた、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」という具体的な対策方法が、北海道から九州に跨る累積452の市町村での予防活動実践の成果として、主張内容が正しいことが疫学的に実証されていて、極めて大きな効果を生み出している我が国では、何等の対策を打たないままに放置していて、認認介護や介護離職が放置されていていい訳がないのです。

(2) 私たちが提案している住民参加型の地域予防活動を全国展開し、地方の地域の隅々にまで浸透させていけば、「認認介護」や「介護離職」が消えていくだけでなくて、単年度ベースで10兆円を超えてきていて、この先更に増加する一方と予測されている介護地獄を解消させ、「介護関連の費用」の規模と総額とを大幅に減少させ、何らかの理由で末期の段階の症状が発現するまでに「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してしまったお年寄りに対しては、「家族介護」の負担を強いることなく、全員を『介護保険制度』で対応することが出来る社会を実現させるべきなのです。

(3)『住民参加型の地域予防活動』を、出来るだけ早期に、国策として実現する為には、更に、その顕著な効果を達成する為にも、国民の深い理解と賛同の声が不可欠となるのです。

本著作物「F-11」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学界に身を置く人達に、お願いします)。

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アルツハイマー型認知症の発病原因が不明とされる根本的原因(F-10)

2021-08-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

&1 「新型コロナ」に対する感染回避策の順守で大幅な増加をみせる認知症の新規発病者数

(1)新型コロナに対する有効な「感染回避対策」として『3密の回避』策の順守が叫ばれ続けていて、第二の人生を送る高齢者の日々の暮らし方、脳の使い方としての単調な生活習慣』の継続という状況が、結果的には徹底され、継続される状況が、すでに1年半以上の長期に亘っているのです。50歳代以下の感染者数がそれなりに多いとはいえ、高齢者に対するワクチンの接種が進捗してきて、全体的に見ても、死亡する人は極端に少ないし、重症化する人の数も少ないのです。我が国は、新型コロナ下でも、失業率が低いのです。全体の人口規模及び経済規模から人流が極めて多いのに対し、人口比と高齢化率の高さで規模が近い欧米の国々と比較すると、我が国は奇跡に近い程の僅かな死亡者数なのです。自民党の政策を悉く非難し、総選挙で、野党に少しでも票が流れるようにと、左傾化したマスコミが感染者数を扇動しているだけなのです。死亡しないのであれば、感染数をこれほど騒ぎたてる必要はないのです。クラスター対策に注力しつつ、経済活動の復興に早く国民全体の目を向けるべきなのです。1年7ヶ月間の累計死者総数は、15200人に過ぎないのです。我が国の自殺者数の半分にも満たない人数。更に言うと、マスコミは報道したくないのでしょうが、新型コロナの感染が拡大した分、その影響で、インフルエンザの流行が起きなかったのです。

(2)第二の人生を送る高齢者達に『3密の回避』に徹した生活、単調な生活習慣の継続が求められる状況の中で、認知症の専門家とされる人達(医師や学者や研究者)が、未だに気が付いていない『重大な問題』が潜行し、進行しているのです。それこそが、実は、専門家とされる人達の誰一人として気づいていない問題、『アルツハイマー型認知症』の新規発病者数の大幅な増加』という問題なのです。

 認知症の研究や診断の専門家とされる人達は、前回のブログで詳細を論じてあるように、「アルツハイマー型認知症」の発病による認知症としての症状について、末期の段階で発現してくる症状、大ボケの段階の症状しか知らないのです。それより前の段階、私たち「二段階方式」が問題提起し、独自の基準と定義により区分している早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることに気づいていないのです。そうした学問的な背景もあって、小ボケや中ボケの段階の症状は、発病の初期段階の症状であるとの理解も認識も無く、気づかれないまま放置されて居るのです。➡ 私たち「二段階方式」は、『アルツハイマー型認知症の特徴は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来る』ことに着目して、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を精緻に評価し、判定出来る、科学的で、客観的で、論理的で、精緻な『神経心理機能テスト』を開発していて、その活用に因り、三段階に区分された類型的症状(小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階に区分)を『30項目問診票』として、被験者の生活実態(前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状を確認)の客観的な評価及び判定に活用しているのです。

その一方で権威とされる人達は、「重度の物忘れの症状」を判定の基礎としていて、更には、大ボケの後期の段階になって発現が初めて確認される極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が発病の初期症状であると誤解しているのです。このことは、我が国だけでなく「世界中の専門家達に共通」の問題でもあるのです。

(3) 様々な程度及び態様により発現して来る「アルツハイマー型認知症」の症状について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという視点並びに『脳のリハビリ』の実践による回復の可能性の有無及びその程度から、厳密な定義を設けていて、「三段階に区分」(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)しているのは、世界中を見渡しても、私たち「二段階方式」だけなのです。誰一人として、どの機関も、「アルツハイマー型認知症の症状」としか言わなくて、基本的には、アミロイド・ベータを注入したマウス(アルツハイマー・マウスと呼称)が餌を探して檻の中を徘徊する行動の研究を基礎としていて、「記憶障害の程度」とリンクした「記憶障害に起因した症状」としての捉え方しか出来ていないのです。『意識が関わる認知症』であるという最も重要な要因と視点に気づかないで、『物忘れの症状』を基礎として、「マウス」を研究対象にして、「発病の原因」を解明しようとしているのです。

(4) 様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めていながら、世界中の権威ある機関や人達から、『発病の原因やメカニズムが分からないし、一旦発病すると、症状を治すことが出来ないし、症状の重症化の進行を止めることが出来ないし、発病自体を予防する方法が分からない』タイプの認知症であるとされているのです。時々、アリセプトやアデュカヌマブのような「本来有すべき効能」について意味不明の薬が出て来て、発病の原因については、「4つの仮説」が提示されているだけなのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の「最も重要な要因」は、「意識」が関わるタイプの認知症という点なのです。私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、その意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能についても無関心で、「前頭葉」という脳機能が備わっていなくて、「前頭葉」の個別認知機能である「実行機能」の機能の発揮度を左右し、下支えている要の機能である『注意の分配力』という機能が備わってもいない、「マウス」を研究対象にしているのが、世界中で権威と言われる機関や人達のやり方なのです(主張内容は、推測や憶測ばかりが入り混じったもの)。未だに「アミロイドベータ仮説」を主張していて、世界中の権威を誤った方向に導いている米国ハーバード大学の根本的な誤り(誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り続けているだけの主張内容を糾弾したいのです。

(6)そもそもマウスには「意識的な世界」は存在していないのに対し、私達人間には(人間だけに)、『基本的には、常に複数の異なる「意識」が、同時に並行して並存している』ことにも気付いていないのです。このテーマに気づかない限り、何時迄、マウスの研究を続けようとも、アルツハイマー型認知症の発病の原因(メカニズム)及び症状が重症化するメカニズムを解明することは出来ないのです(「アルツハイマー型認知症」は、「意識」が関わる認知症であり、「注意の分配力」の機能及び「実行機能」(総体としての前頭葉の機能)が関わるタイプの認知症であることに、早く気付くべきなのです)。

&2  医療機関が発病を見つけて居るのは末期の段階である「大ボケ」の段階

(1) 「小ボケ」の標準的な滞留期間は3年間あるし、「中ボケ」の標準的な滞留期間は2~3年間あるので、専門家達の誰も気づいていないし、マスコミも問題にしないのです。その段階では、未だ、『介護が必要ではない』からです。発病から5~6年間が経過すると、末期の段階であり、日常の生活面での介護が不可欠のものとなる『大ボケ』の段階に入ります。『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』が本態であるので、「その発病自体が原因で、死亡することは無い」のです。老衰その他何らかの病気が原因で、死を迎える時が来るまで(身体が持つ限り)、『大ボケ』の枠の中で、更なる症状の重症化が進行して行くことになるのです。『前頭葉の三本柱』の機能、就中、『注意の分配力』の機能についての、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くことを直接反映したものである、実行機能、総体としての「前頭葉」の機能レベル(発揮レベル)が、更に異常なレベルに衰えて行くことになるのです。

(2)「大ボケ」の段階になると、実行機能の発揮度を左右し、下支えている機能である『注意の分配力』の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく為に、どんどん機能の発揮度が低下していく為に、日常の生活面での介護が不可欠となってくるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという視点に欠けていて、外観から観察しただけのものである重度の物忘れの症状を含む「記憶障害」の症状、或いは、失語や失認や失行の症状などを手掛かりにして、末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけて居て、おまけにそのことを「早期診断と勘違い」していて、症状の重症化の更なる進行を抑制する効果が期待されるとか言いつつ、実際には治療の効能は無くて、単なる対症療法薬に過ぎない「アリセプトを含む4種の薬」(症状の発現の仕方を抑制し、又は、昂進させる効能しか有していないもの)を処方し、『発病のレッテル張り』をするだけの医療行為がまかり通っているのです。

&3 権威と言われる世界中の専門家達が発病原因と主張する「仮説」の根本的な誤り

(1) 様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているものであるにも拘らず、『アルツハイマー型認知症』については、発病の原因(メカニズム)自体が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症であるとするのが、世界中の認知症研究の専門家達が今猶言っていることなのです。驚かないで頂きたいのですが、彼等は専門家と言いながら、目の前の患者が「アルツハイマー型認知症」を発病しているのか否かについてさえ、客観的で科学的な評価、判定方法(手技)を持っていないし、分からないのです。彼等が頼りにするのは、「物忘れの症状」を外観的に観察するという、素人まがいの方法だけなのです。医学論文でありながら、世界的に通説の地位にあるとされるアミロイドベータ仮説を含む「4つの仮説」の全てが、客観性、論理性、科学性が皆無であり、単なる推測と憶測が入り混じっただけの主張内容なのです。

(2)発病の原因については、アミロイドベータ仮説を通説とする(支持する学者の数が一番多いというだけの意味)『4つの仮説』(他には、タウタンパク仮説、アセチルコリン仮説、脳の萎縮仮説)が提示されているだけなのです。

(3)専門家達でさえ、失語や失認や失行の症状が発病の初期症状であると規定する『DSM-4』の第二要件の規定内容自体が重大な誤りの内容であることにも気付いていなくて、むしろその権威に頼っていて、極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状の何れかの確認が無いと発病とは考えないのです。更なる問題点として、失語や失認や失行の症状が記憶障害に起因して発現して来る症状である(『DSM-4』の第一要件が規定し、確認を要求している)とするこれまた重大な誤りを犯しているのです。実は、それらの症状は、記憶障害に起因して発現してきているのではなくて、『「前頭葉の三本柱」の機能、就中、「注意の分配力」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた結果として、「実行機能」の発揮度自体が異常なレベルでしか機能出来ていない結果として、言い換えると、「前頭葉の機能障害」に起因して症状が発現してきている』ことにさえ気づいていない、『根幹に対する理解自体が誤っている』のが権威達の主張内容なのです。

(4)失語や失認や失行の症状というのは、症状が進行して行った「末期の段階」の後期、「二段階方式」の区分で言う『大ボケ』の後期の段階にならないと発現が確認されない極めて重度の症状なのです。世界中の権威とされる人達や機関は、「意識的な世界」における『脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳密にリンクした「三段階」に区分される症状が発現して来るのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であることさえ知らないのです。「物忘れの症状」について、その程度や態様を「主観的な言葉だけ」に頼り、様々に区分しているだけというレベルなのです(『DSM-4』の第二要件が初期症状であると規定し確認を要求している失語や失認や失行の症状が、「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、症状が極めて重い段階に迄進んでしまっている上、左脳と右脳の機能レベルを判定する手技であり、11の項目で構成されていて30点が満点であるMMSEのテスト結果についても、換算値が一桁(9点以下)にならないと発現が確認されない極めて重度の症状であることに気付いていないのです)。重度の「記憶障害の症状」という切り口だけで、然も、それを「主観的な観察方法」だけに頼っているのが、世界中の権威とされる機関や人達のやり方なのです。

(5)米国精神医学会が策定した『DSM-4』の規定の第二要件が、「失語や失認や失行の症状」が『アルツハイマー型認知症』発病の『初期症状』であると規定し、その確認を持って発病と診断するよう要求していることが問題なのです。「アルツハイマー型認知症」は、記憶障害に起因して発病するものであり(『DSM-4』の第一要件で確認を要求している)、「失語や失認や失行の症状が初期の症状である」と規定し(『DSM-4』の第二要件が規定し、確認を要求している)、それらの症状を皮切りに、もっと重い他の症状が、『アルツハイマー型認知症』の発病としての症状であると規定していて、世界中の専門家達が「その規定の内容が重大な誤りである」ことに気づいていなくて、盲目的に追随し、勘違いした儘、現在も猶、主張し、診察しているのです。

(6) 私たち「二段階方式」の区分で言う本当の意味での早期の段階である小ボケや中ボケの段階が見落とされていて、発病とは理解されていないし、認識されてもいないのです。この段階で発病を見つけ、『脳のリハビリ』を実施すれば、治すことが出来るものであるのに、見落とされて(発病と考えていない)、重症化が進行して行く儘に放置されているのです。そうした状況の中で、「小ボケ」は「中ボケ」の前期に、「中ボケ」の前期は、「中ボケ」の後期に、「中ボケ」の後期は「大ボケ」の前期に、「大ボケ」の前期は「大ボケ」の後期へと、症状の重症化が進行してきているのです。然も、「アルツハイマー型認知症」の症状は、何年もかけて徐々に段階的に症状が進行して行くのが特徴なので、密かに潜行していて、状況の悪化が進行してきているという認識自体が、専門家達には無いのです。

&4 権威達が原因と主張する「器質的な病変」の誤りを導いた根源的遠因

(1) 30~50歳代の「若い年齢」で発病し、症状の重症化が極めて速いスピードで進行して行くのが特徴である「アルツハイマー病」の発病について、発病した人達の死後の脳の「解剖所見」で共通にみられる特徴として、①アミロイドベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る「神経原繊維変化」及び③脳の「顕著な萎縮」が確認されるそうなのです。

(2) 「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者だけを対象として発病し、徐々に、段階的に、何年間もかけて、症状の重症化が進行して行くのが特徴である『アルツハイマー型認知症』の発病者について、失語や失認や失行の症状の発現が確認されたお年寄り、「二段階方式」の区分で言う末期の段階(大ボケの段階)に迄症状が進行していたお年寄り達の死後の脳の「解剖所見」で共通にみられる特徴として、①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る「神経原繊維変化」及び③脳の「顕著な萎縮」が確認されるということのようなのです。➡ (1)と(2)とは、同じ事象のように見えるのですが、詳細に見てみると異なるのです。

(3) 実は、『専門家と言われる人達が、両者の発病者の死後の脳の解剖所見が共通の特徴を有している』と考えていること自体が『重大な勘違い』なのです。「アルツハイマー型認知症の発病者達」の中には、「小ボケ」の段階で死亡した人達もいれば、「中ボケ」の段階で死亡した人達もいれば、「大ボケ」の段階で死亡した人達もいるという「極めて重要な問題点」を看過しているのです。彼等は、「大ボケ」の後期の段階(30点が満点であるMMSEの総得点が一桁=9点以下)になったお年寄りの場合に初めて発現が確認されるものでしかない『失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解している』為に、『アルツハイマー型認知症』発病の本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があることも、更には、小ボケ及び中ボケ段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」の実践により、症状を治すことが出来ることも、知らない儘でいるのです。

(4)彼ら専門家達が研究の対象にしている『「アルツハイマー型認知症」の発病者及びその人達の死後の脳の解剖所見』というのは、『アルツハイマー型認知症』を発病して、症状が末期の段階である「大ボケ」の段階にまで進行し、失語や失認や失行の症状、又はそれよりも重い症状が確認されていた「お年寄り達」、大ボケの後期の段階にあった「お年寄り達」の死後の『脳の解剖所見』の内容に限定されたものであることの認識が出来ていないのです➡アルツハイマー型認知症を発病して、「小ボケ」又は「中ボケ」の段階で死亡したお年寄り達の脳には、『①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮』が確認できる人が、一部には居るかもしれないのですが、確認できないお年寄りの数の方が圧倒的に多いはずなのです。何故なら、小ボケ及び中ボケの前期(MMSEの換算値が23~20点)のお年寄りであれば、『脳のリハビリ』の実践により、『症状を治すことが出来る』という極めて多数例での『事象事実』が存在するからです。それだけで、それ等(上記の①、②、又は③)が発病を惹き起こしている原因ではないと言い切れるからなのです{中ボケの後期(MMSEの換算値が19~15点)も、脳の機能レベルからは、基本的には治すことが可能なレベルなのですが、『脳のリハビリ』を実践出来難い家庭環境等の要因により、治すことが出来ないケースも、出てくることになるだけなのです}。

(5)この問題点を明確に指摘すると、極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が確認されていたお年寄り達の死後の脳の解剖所見に共通に確認される特徴としての『①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮等、其れ等の要因が、『記憶障害』を惹き起こす犯人であると想定していて、且つ、「そのことに起因した『記憶障害と言う要因』が、発病の原因である」と主張する仮説である【①アミロイドベータ仮説、②タウタンパク仮説及び③脳の萎縮仮説】が提示されているのです(それらは全て、現在でも猶、仮説であって、発病との間の因果関係が未だに立証されていないことに注意して頂きたいのです)。

彼等は、本当の意味での発病の早期の段階である「小ボケ及び中ボケの段階」が存在していることさえ知らないのです。「小ボケ及び中ボケ」の段階で死亡した「お年寄り達」の死後の脳の「解剖所見」に共通の特徴としての『①老人斑の沈着、②神経原繊維変化及び③脳の萎縮』が常に確認できるということでない限り、発病との間の因果関係は無いことになるのです。それが『論理的な意味での結論となる』のです。

(6)それ等の想定に基づく『仮説』の主張に対して、『「①アミロイド・ベータの蓄積による「老人斑」の神経細胞への沈着、②タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化及び③脳の顕著な萎縮」等は、発病を惹き起こす原因なのではなくて、発病し、症状が末期の段階にまで進行した為に確認されるもの結果であるに過ぎない』というのが、私たち「二段階方式」の側からの問題提起なのです。

彼ら専門家達は、『上記解剖所見が内包する共通の問題点』に気づいていない為に、アルツハイマー型認知症も、アルツハイマー病と同じように、『器質的な原因病変』が存在しているものと思い込み、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達に、剖検時に、外観的に特徴的に観察されるだけのものである上記、『①、②、又は③が、「記憶障害」を惹き起こす原因となる「器質的な原因病変」である』と思い込んでいるだけのこと(想定しているだけ)なのです(各要因間の因果関係の確認に杜撰な論理の組み立て)。

(7)彼ら専門家達が発病の症状であるとして判定し、注目している症状、「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階で発現が確認される症状は、外観から観察するだけの判定の仕方では、『一見しただけでは、記憶障害の症状又は記憶障害に起因した症状と誤解され易いものが多い』のです。『そうした症状が、確認されるお年寄り』に対して、『前頭葉』の機能レベルを客観的な手技により評価し、判定して、更には、MMSEの実施結果について、『MMSE下位項目の項目困難度の指標』と照合してみれば、それらの症状が、『「前頭葉」の機能障害、「実行機能」の機能障害、更には、「前頭葉の三本柱」の機能障害、就中、「注意の分配力」の機能障害』に起因して、惹き起こされた症状であることが分かるのです。

※ 私たち「二段階方式」の場合は、これらの要因間の論理の鎖を客観的に、脳機能データとの関わりの中で、確認できているのです。そもそも、認知症研究(診断)の権威と言われる機関や人達が注目し、取り上げている「記憶障害の症状」自体が、二段階方式が客観的な手技の活用により、論理的に確認している「上述のメカニズム」により発現して来るものであることについてさえ、彼ら専門家達は、未だに気づいていないのです。「仮説」であり続ける原因がここにあることにも気づいていないのです。記憶障害の要素と発病との間に、直接の因果関係自体が、存在していないという事実に、何時になったら、気づくのでしょうか。

(8)   発病の末期の段階で目に付く記憶障害等の症状に結びつく「器質的な原因病変」として、アミロイド・ベータの蓄積による老人斑の沈着とか、タウタンパクの沈着に因る神経原繊維変化が「推測と憶測だけに基づいて想定され」、発病との因果関係を立証できないで、未だに、「仮説」のままで居るということなのです。『その想定自体が、誤った内容だ』ということに早く気付くべきなのです。「二段階方式」が集積した発病者の脳機能データでは、「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変が何等確認されないのに、認知症の症状が発現して来るタイプの認知症であり、その本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』に過ぎないことが、「疫学的方法により実証されている」のです。『器質的な原因病変ではなくて、廃用性の機能低下の進行、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続という要因が、発病を惹き起こす直接、唯一の原因であるというのが、今猶、世界で唯一のものである『二段階方式』の主張なのです。

&5  アルツハイマー病と『アルツハイマー型認知症』とは、本質が異なる「全くの別物」

(1) 「アルツハイマー型認知症」は、「アルツハイマー病」に似て居るタイプの認知症であるとする専門家達の想定、前提自体が「重大な誤り」なのです。

(2)「アルツハイマー病」(認知症全体に占める割合は、1~2%に過ぎない)は、ドイツ人である「アルツハイマー博士」が世界で初めて発見した為に、そのことを記念して、「アルツハイマー病」という病名が冠せられているものなのです。(3) で詳説するように、「アルツハイマー病」の場合は、『発病を惹き起こす原因は、遺伝子の異常にある』のです。

➡ 論点は、発病が惹き起こされた原因なのであり、発病した結果ではないことに注意。

(3)  『アルツハイマー病』は、生まれつき『特定の原因遺伝子』(現在、「3つの遺伝子」が特定されている)に異常がある人だけを対象に発病するタイプの認知症なのであり、正しく器質的な原因病変が確認されるものであって、30歳代から50歳代の若い年齢で発症する『若年発症』が特徴なのです。発病すると、症状の重症化の進行が極めて速く、僅か数年で末期の段階の症状にまで進行して行くのが特徴なのです。発病を予防することも、症状を治すことも、症状の進行を抑制することも出来ないタイプの認知症なのです。

(4)他方で、『アルツハイマー型認知症』(認知症全体に占める割合は、90%以上になる)は、超高齢社会に特有なタイプの認知症なのであり、「第二の人生」を送る60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象に発病が確認される「老年発症」が特徴なのです。第二の人生を送っている「高齢者」が、何等かの状況の発生とその継続を「キッカケ」として、何事に対しても「意欲を喪失」してしまい、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(追求すべき具体的なテーマも無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方=脳の使い方としての生活習慣)が継続されることが直接で/唯一の原因で、『前頭葉』を含む脳全体の機能について廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに起因して、発病及び症状の重症化が進行して行くものなのです。

(5)『アルツハイマー型認知症』の本態は、『廃用性症候群』に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、「老年発症」が特徴となるのです。

➡ 発病後の対応も、早期診断早期治療が必要不可欠で有効であり、「二段階方式」の区分で言う本当の意味での早期の段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」の実践(前頭葉が活性化する生活習慣の創意工夫と継続的な実践)により、正常なレベルへの回復及び更なる重症化の進行の抑制可能なタイプの認知症なのです。治すことも重症化の進行を抑制することも出来ないと専門の医師や学者が主張しているのは、『彼等が発病を見つけている段階が遅すぎるせい』なのです。アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ないわけではないのです。診断している専門の医師達までもが、末期の段階である大ボケ」の段階で発病を見つけているから、「治せないことにされてしまっている」だけなのです。それでいて彼等は、治療の効能が確認されない単なる『対症療法薬』を処方して、売上高を稼いでもいるのです。

(6) 理化学研究所は共同研究の論文発表で、『加齢』による脳機能低下と『異常蛋白』の蓄積につながる病理過程の上流を追及・解明して、認知症の血液診断マーカーと治療薬を開発することを目的とした研究で、『アルツハイマー病』の新たな「原因遺伝子」を同定したと発表しています。研究成果の発表では、『認知症の大部分を占めるアルツハイマー病は、一部は、家族性であるが、多くの場合は孤発性の多因子疾患であること。孤発性のアルツハイマー病の遺伝的リスク要因として、アポリポ蛋白質E(APOE)が知られているものの、他の遺伝的な要因についてはまだよく分かっていないこと。脳内にアミロイドβペプチドが出現することが、アルツハイマー病の発病につながる初期の現象として知られていること。但し、Aβ蓄積の原因となる様々な要因についての全体像は、未だ明らかになっていないこと』としています。

➡ この内容が何を語っているのかがお判りでしょうか。ここで言う孤発性の「アルツハイマー病」とは、『アルツハイマー型認知症』のことを指しているのです。原因遺伝子が3つ特定されていて、その遺伝子の異常が発病を惹き起こしているアルツハイマー病と同じように、『アルツハイマー型認知症も、遺伝的なリスク要因が存在している』と誤解させる内容なのです。この先、研究をどこまで深く追求して行こうとも、『アルツハイマー型認知症』を発病させていると確認できる「原因遺伝子」の発見は有り得ない事を問題提起しておきたいのです。

➡ 「アルツハイマー型認知症」の発病者の場合であれば、『早期発見』(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)及び『早期治療』(脳の使い方としての「生活習慣」の改善となる「脳のリハビリ」の実施)により、症状を治すことが出来ること並びに『介護の予防』(介護が不可欠となる「大ボケ」の段階にまで症状の重症化が進行することを抑制すること)が、可能であることについて、北海道から九州に跨る52の市町村での「住民参加型の地域予防活動」の実践展開の指導により、疫学的方法による実証をしてきているからなのです。

(7) 『アルツハイマー型認知症』の発病の真の原因は、特定の「遺伝子の異常が原因」ではなくて、60歳を超える年齢の高齢者が「第二の人生」を送る上での、脳の使い方としての『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続が、唯一、直接の原因であり、『前頭葉』を含む脳全体の機能の廃用性加速度的異常機能低下の進行に起因して発病するものなのです(詳細な説明は、このブログ【F-09の&7】を参照して下さい)。 

➡ 理化学研究所は、遺伝的要因の存在を確認したというのであれば、『アルツハイマー型認知症』を発病して末期の段階にまで重症化が進行したお年寄りの死後の脳については、『アルツハイマー病』の発病者に共通に確認されている「3種類の原因遺伝子」については、其れ等のうちの「一つも存在を確認できていない」ことを発表すべきなのです。 

&6 意識的な世界」の機能構造の概観

(1) DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにさえ存在していない世界、私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に、且つ、目的的に、自分が現在置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿った何等かの「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を企画し、計画して、更には、いくつかの条件を想定して、実行の結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、最終的な実行内容を選択し、実行の決断をして、脳の各部(左脳、右脳及び運動の脳)に対して実行の指令を出す。これが、『意識的な世界』において『実行機能=Executive Function』と総称される「機能群」の個別の認知機能(太字表記)が働く工程の概要なのです。

(2) その『意識』を創出し、覚醒させ、覚醒の度合いを管理し、コントロールしている機能が、私たち「二段階方式」が、『前頭葉の三本柱の機能』と呼称している「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能なのです。『前頭前野』と呼称されている部位に、『意識』を構築し、創出し、覚醒させ、覚醒の度合いを管理し、コントロールし、様々な機能のレベルで働かせている有機的な機能連合体としての機能が、「評価の物差し」、「記憶の倉庫」、「実行機能」、「前頭葉の三本柱の機能」等から構成されていて、『前頭前野』に局在する機能で全体として『前頭葉』と総称されている脳機能だと考えているのです。中でも、『実行機能』の機能の発揮度を左右し(覚醒の度合いの差異を含む)、下支えていて(実行機能の機能発揮上の二重構造)、『意識』を構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしている脳機能のが、『注意の分配力』という機能なのです。その『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、あの人は頭の回転が速いという言葉に代表されるように、とっさの判断や処理に不可欠の機能でもある』のです。

意識常に複数存在していて、それを可能にしているのが『注意の分配力』の機能。私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』では、異なる「複数の意識」常に併存している状態にあって、意識の覚醒の度合い(覚醒度)自体がそれぞれに異なる複数の意識を、『注意の分配力』の機能が、構築し、統合し、統括し、分離し、管理し、コントロールしていると考えているのです。

(3) 『注意の分配力』の機能こそ、記憶に関わる最も重要な機能なのです。記憶は、記銘、保持、想起という3つの工程で構成され、構築されています。『記銘する際の記銘度が高い情報が、良く保持され、良く想起される』ことは、14689例の発病者に実施したMMSEテストの結果が示す事象事実としての「脳機能データ」(二段階方式独自のものであり、「MMSE下位項目の項目困難度の指標」と呼称しているもの)が示してもいるのです。意識が覚醒している状態では、「注意の分配力」の機能が働いているのです。何かを記銘する際に、3つ以上の異なる「テーマ」を同時に並行して処理する「注意の分配力」の機能が、必ず関わってくるので、その働きを抑制して、特定の対象に集中しないと、記銘度が高くならないのです。マウスと人間とでは、記憶のメカニズムが根本的に異なることが見落とされているのです。物忘れが気になるあなた。無意識にスマホをそこに置いていた訳ではないのです。いろいろなテーマが気になり、それらに注意が分配されていて、何かの拍子にそこにスマホを意識的に置いた(そのことへの注意の分配量が極めて僅かな下で)為に、記銘度が低くて、そのことを想起できなかっただけのことなのです。

長期記憶となるか、或いは、短期記憶で終わるのか、どの程度保持され、想起されることが可能なのか』、その全てが、記銘時の関わる情報の記銘度を左右している『注意の分配力』という機能の関り方(=「注意の分配力」の機能の発揮度)及び想起する際の想起の機能の発揮度(これもまた、「注意の分配力」の機能の発揮度が関わるものなのです)が、『想起の結果(どのような程度と内容で、想起されたか)』に対しても、直接影響するものであることに注意して頂きたいのです。➡ 『注意の分配力』の機能の発揮度は、機能の発揮度を構築する上でリンクして働き、不可分の関係にある「意欲」及び「注意の集中力」の機能の発揮度が直接影響し、反映されることにも注意して頂きたいのです。

(4)『アルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階の区分』について、「前頭葉の機能」及びその有機的な機能連合体である「実行機能」、更には、「前頭葉の三本柱」の機能に着目し、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点及び指標を設け、それらの機能レベルを客観的で科学的な評価を行うことが出来る「手技」を開発し、活用しているのは、世界中で、私たち「二段階方式」だけなのです。「意識」の機能構造の解明並びにその機能レベル(覚醒の度合い)を精緻に、客観的に、評価し、判定できる手技の開発が極めて困難なものである為に、「アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムの研究」という分野において、世界中の権威と言われている人達や機関は、未だに、有効な手技を開発できていないで、「注意の分配力」の機能も「実行機能」も備わっていない「マウス」が檻の中で徘徊する動きとアミロイドベータの蓄積量との相関について、記憶の障害の有無及び程度を細かく調べているだけなのです。

&7  「アルツハイマー型認知症」の発病と「意識的な世界」との機能構造の関係

(1)『意識』の構築、「複数の意識」の個別管理及び統合、意識の「覚醒度」の支配及び下支え並びに管理及びコントロールに関わる「肝心要の核となる機能」であると私たち「二段階方式」が考えている『注意の分配力』の機能(「3つ以上の異なる複数の意識」を同時に並行して処理【構築、統合、個別管理及び並行管理】する為に不可欠の機能)が備わってもいない、意識の世界が存在してもいない「マウス」を研究対象にしているのが、世界的にも通説の地位にあるとされる「アミロイドベータ仮説」(我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城)なのです。彼等は、「DSM-4」の第一要件の規定が確認を要求している「記憶の障害」の有無及び程度と彼等が発病を惹き起こす原因と想定しているアミロイドベータの蓄積量(老人斑の沈着の有無)について、マウスにアミロイドベータを注入した「アルツハイマー・マウス」とかを作って、研究対象にしているのです。

(2)『記憶』は、記銘、保持、想起の3つの工程が関わる機能であり、記憶の対象について記銘する際の「記銘度」が結果として高いほど、よく想起される、更には、『想起の機能』の発揮レベルが高いほど、良く想起されるという性質が確認されるのです。その「記銘度」の高さ、低さ、或いは、「想起の機能の発揮レベル」の高さ、低さを左右しているのが、記銘時の及び想起時の「前頭葉の三本柱」の機能の関与の度合い、就中、『注意の分配力』の機能の関与の度合いと有り様である(二段階方式が、14689例の発病者に実施したMMSEのテスト結果の分析が提示する「MMSE下位項目の項目困難度」の指標)ことに気づいていなくて、未だに、『注意の分配力』の機能が備わっていないマウスの動きを対象にして、「記憶障害の程度」を基礎としたアルツハイマー型認知症の発病の原因(メカニズム)の研究活動をしているのが、世界中で権威とされている機関や人達の研究のレベルなのです。マウスの記憶のメカニズムと人間の記憶のメカニズムとは、関わる機能構造が根本的に異なることさえ知らないで研究しているのです。  

(3) 様々な程度及び態様により発現して来るものである『アルツハイマー型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのです。「二段階方式」が三段階に区分している「類型的な症状」については、このブログ中の(F-04の&1、&2、&3)を参照して下さい。

ⅰ)そこに挙げられている「小ボケ」の段階の症状は、『前頭葉の三本柱』の機能だけが廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り「異常な機能レベル」に衰えてきていることを反映した症状ばかりなのです(「社会生活」面での支障が出てくるこの「小ボケ」の段階では、「御者の役割」を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在って、馬車を牽引するだけの役割である左脳も、右脳も、運動の脳も未だ正常な機能レベルに在ることが確認されるのです)。

ⅱ)次の「中ボケ」の段階の症状は、『前頭葉』の機能が「小ボケ」の段階より更に異常な機能レベルに衰えてきている上に、小ボケの段階では正常であった左脳も右脳も運動の脳も異常なレベルに衰えてきている(前頭葉を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきている)ことを反映した症状ばかりなのです。

ⅲ)末期の段階である「大ボケ」の段階の症状は、『前頭葉を含む脳全体の機能が、「中ボケ」の段階よりも更に異常な機能レベルに衰えてきている』ことを反映した症状ばかりなのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(「前頭葉」の三本柱の機能、実行機能、左脳及び右脳の機能)のテスト結果(かなひろいテスト及びMMSEテスト)を詳細に分析すると、それらの症状が記憶障害の症状、又は、記憶障害に起因した症状であると想定する『DSM-4』の第一要件の規定内容が重大な誤りを犯していることに気づくのです。セルフケアにも支障が出てきて、介護が不可欠のものとなる「大ボケ」の段階の症状を、外観的に観察しただけでは、記憶障害の症状、又は、記憶障害に起因した症状が多いように観察し易いのですが、客観的で、科学的で、精緻な「手技」である「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを、個別に及び総合的に評価し、判定し、鑑別すると、『権威とされる人達や機関から記憶障害の症状及び記憶障害に起因したとされている症状も、『前頭葉の三本柱』の機能の機能障害、実行機能の機能障害、言い換えると、総体としての『前頭葉の機能障害』に起因して惹き起こされ、発現してきたものであることが確認できるのです(14689例の発病患者の脳機能データを集積し、分析し、解析)。➡ ズボンを頭から被るのは、ズボンの履き方を忘れている(記憶障害)せいではないのです。

(4)意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能に着目し、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るのが、アルツハイマー型認知症の特徴であることに着目し、14689例の発病患者の脳機能データを集積し、解析して、その結果を基礎として、全国452の市町村で住民参加型の地域予防活動(アルツハイマー型認知症に特化した活動であり、『アルツハイマー型認知症の発病自体の予防、早期診断による回復及び重症化の進行の抑制』を明確な目的とした地域予防活動)を実践展開指導して、発病自体の予防及び早期診断による回復の面における、極めて顕著な成果を挙げてきたのが、私たち「二段階方式」の実践指導活動なのです。

有償の個別契約に基づくこの活動が展開された主な時期は、厚労省が市町村に展開を求めたオレンジプランや新オレンジプランが始まる前の時期でした。加えるに、『高齢化の進行とリンクした発病者の増加』という問題と視点から、高齢化率が高い市町村が地域予防活動に関心が高く、導入が多かったのが特徴だったのですが、平成の大合併が進行して行く中で、高齢化率が比較的低かった大きな市や町が、高齢化率が高かった小さな町や村をいくつも吸収合併して行ったことに因り、事業の見直しという名目で、予防活動が消えていったこと及び予防活動に従事していた保健師さんの配転にも繋がって行ったことが最も大きな衰退要因だったのです。「二段階方式」の手技を一定期間有償で使用した後は、無償とした為、予算化が必要でなくなったことも悪影響したのです。

注記)「DSM―4」の第二要件は、正確には、失語、失認、失行「又は実行機能の障害」と規定してあるのです(実行機能の障害については、専門家達が着目していないのです)。

第二要件の最後に規定が為されている『実行機能の障害』と言う要件が、第二要件でなくて、第一要件の規定の中で、記憶障害(memory impairment)と言う規定(文言)を置くのではなくて、実行機能の機能障害 (cognitive disturbance in executive functioning)と規定されていたなら(と言う文言が置かれていたなら)、世界中の権威ある機関や人達が、ここまで深い迷路にはまり込むことは無かったはずと考えるのです。

&8 「アルツハイマー型認知症」は、発病の予防、症状の回復、重症化の進行の抑制が可能

『アルツハイマー型認知症』の本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』であり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした『三段階に区分』される「類型的な症状」が発現して来るのが特徴となることについて、「二つの重要な側面」を考える必要があります。

(1)1つは、『アルツハイマー型認知症』を、回復可能な「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の早期の段階で見つけるには、『前頭葉の機能レベル』を、客観的に、科学的に、精緻に評価し、判定でき、鑑別できる「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるのです。ところが、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルを、客観的に、科学的に、精緻に評価し、判定でき、鑑別できる手技は、私たちが独自に開発した「二段階方式」と呼称する『神経心理機能』テスト以外には、世界中を見ても、未だに開発されていないのです。

『アルツハイマー型認知症』は、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界が関わるタイプの認知症である一方で、「意識の機能構造」が解明されていないことが、手技の開発を困難にしているのです。意識的な世界は、目的的な世界であり、『実行機能』(Executive Function )の機能発揮と「前頭葉の三本柱」の機能との機能発揮上の相互関係、「二段階方式」の表現で言う『実行機能の機能発揮上の二重構造の問題』の存在という理解を基礎とし、「二段階方式」の手技は、『前頭葉』の機能レベルを客観的で科学的で精緻に評価し、判定出来る手技である「神経心理機能テスト」を開発し、実戦使用してきているのです。加えて、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの判定を基礎とした「発病の有無の判定」並びに回復の可能性の有無及び程度により区分する「三段階の症状」の区分及び「生活歴」の聞き取りに基づく脳を活性化させるための「生活習慣」の改善指導が、判定(診断)と回復(治療)と予防の方法になるので、「医行為」が関わらないのが特徴です。

(2)もう 1つの問題は、「診断(判定)の方法」が、CTやMRIが必要でなくて、逆に保険点数が極端に低い「神経心理機能」テストの使用が不可欠となるので、医療機関にとって、『事業としては、ペイしない』ということが、極めて重要なポイントとなるのです。その上、回復(治療)や予防に効く薬はなく、「投薬」の問題もないのです(「アルツハイマー型認知症」発病及び重症化のメカニズムに照らして、『治療の効能を有する薬が開発されることは、未来永劫、有り得ない』ことなのです)。アリセプトを含む「4種の薬」(対症療法薬に過ぎない)も、今回華々しくデビューしたアデュカヌマブも、正しく、客観的で、科学的な判定基準で評価する限り、「治療の効能が確認されることは、絶対にない」のです。

(コーヒー・ブレイク)「アルツハイマー型認知症」からの回復は、本人にとっては勿論のこと、家族にとっても大きな意味があります。ところが、回復可能な本当の意味での早期の段階(二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」)を見つけるには、『前頭葉の機能レベル』の精緻な判定が不可欠となる為に、私たち「二段階方式」独自のものである「かなひろいテスト」のような「神経心理機能」テストの使用が不可欠なのです。CTやMRIでは、形しか計測できないので、早期の段階を見つけることはできません。極めて高額の診察費用が掛かることになるPETを使用しても、二段階方式の手技である「かなひろいテスト」で得られるような精緻な評価と判定と鑑別は出来ないのです。

(3)「前頭葉」の機能と言っても、関係する機能が多岐に亘っている上に、全体の機能関係、機能構造自体が分かっていないからなのです。「実行機能」という用語を使用する専門家とは言え、実行機能が肝心の機能を発揮する上での機能構造の関係についても無知という状況なのです。記憶について云々する人達も、長期記憶と短期記憶の相違が顕現して来る機能構造についても無知なのです。そうした状況の中で、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び重症度の判定という問題について、「認知機能」のレベルが核心のテーマであると認識しつつ、MMSE (我が国では、長谷川式を用いる人もいる)を活用する程度でしかないのです。「意識的な世界」における、『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉』の機能レベルの客観的で、科学的で、精緻な評価と判定及び鑑別の問題、或いは、50を超える数の個別認知機能の集合体というか総称である『実行機能』の機能発揮に関わる「前頭葉の三本柱」の機能、就中、『注意の分配力』の機能との関わりについてさえ脳科学者達でさえ無知というレベルでは、手の出しようがなく、大雑把に「認知機能」として曖昧に取り扱い、「左脳と右脳」の機能レベルしか判定することが出来ないものであるMMSE(或いは、長谷川式)を使用するだけで、『核心については論じないで』、逃げているのです。

(4) 正常なレベルに回復させること及び症状の重症化の進行を抑制することが可能である「本当の意味での早期の段階」である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で、発病を見つけることが出来ないで、放置されたままでいると、「身体が持つ」お年寄りの場合は、症状の更なる重症化が進み、末期の段階の「重度認知症」(「大ボケ」)に、重症化が進行して行くことになります(何年間も時間をかけて、徐々に、ゆっくりと、段階的に、症状の重症化が進行して行くのが、『アルツハイマー型認知症』の症状が進行する特徴なのです)。

CTやMRIを使っても、「重度認知症」(大ボケ)の段階で発病を見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れなのです。「回復させることも、重症化の進行を抑制することも」、もはや困難だからなのです。末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階で発病を見つけていたのでは、診断費用や介護の世話だけでなく「介護費用」も大変となり、自治体や国にとっても大きな問題となるだけなのです。➡様々な種類が数ある認知症の中で、『アルツハイマー型認知症』が、認知症全体の90%以上を占めているのです。高齢化の更なる進行が予測される中で、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄り達の数も増え続ける(2025年度中には、大ボケの発病者だけで700万人と予測)と予測されているのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」こそ、保健師さんにとって、「保健及び予防活動」の最も重要な対象となる「テーマ」だということではないでしょうか。私たち二段階方式が蓄積してきた「アルツハイマー型認知症」の人達の多数の脳機能データを解析すると、「小ボケ」から「中ボケ」へ、「中ボケ」から「大ボケ」へと症状が進んでいくにつれて、「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことが分かります。「大ボケ」のレベルになると、「前頭葉」(=実行機能及び注意の分配力の機能)が殆ど機能していないことが確認できるのです。状況を判断し、実行すべきテーマを発想し、実行の計画を立てて、その内容を組み立て、ケース・シミュレーションをして、最終的に実行内容を決定し、実行の決断をする働きをしている機能群、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の働きが、何らかの薬を飲む(アリセプトを含む4種の薬及びアデュカヌマブ)ことで、機能が回復する、或いは、機能が活性化する(=治療の効能が確認できる)こと等、有り得ないのです

(6)『前頭葉』は、左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の「御者」なのです。馬車の運行を支配し、管理し、コントロールしているのです。

※分かり易く説明すると、「小ボケ」は、「御者が、時々居眠りをしている状態」であって、「中ボケ」は、「御者が、気が付くと居眠りしている状態」であって、「大ボケ」は、「御者が眠り込んでしまっている状態」にあると言えるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに回復させたり活性化させる為に、必要不可欠となる条件は、『実行機能』の出番が多くなる生活習慣、『自分なりのテーマを見つけて、意欲が湧いてきて、分析、発想、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、決断等の実行機能を使う上で不可欠の機能である『注意の分配力』の機能の出番が多い『生活習慣』の構築と継続的な実践とが不可欠となるのです。「脳の活性化」とは、実行機能の出番が多くなる自分なりのテーマの実践により、意欲、注意の集中力及び『注意の分配力』の機能が活性化すること、即ち、『前頭葉』が活性化することなのです。『前頭葉』の機能を活性化させるには、実行機能と注意の分配力の機能とを『しっかりと「使ってやる」こと以外に方法はない』のです。➡ 発病の有無の判定及び早期段階の判定並びに早期段階からの回復や発病の予防の為に不可欠である「神経心理機能テスト」の使用及び脳を活性化する為の「生活習慣」の改善の指導は、事業として必要となる収益をあげることが期待できないのです。「神経心理機能テストの使用」に対する保険点数が極めて低いので、(医療機関といえども事業体なので)、収益が上がらない事業を継続的に実施していくことはできないのです。従って、「収益はあげられなくても、費用が減るメリットがある」ことで事業として、継続して展開できる自治体や国でしか、対応が期待できないのです。

(7)日本は世界に先駆けて超高齢社会に突入し、その先頭を走っているのです。この先、高齢化が更に進んでいく中で、医療機関も国も市町村も、何もしないでこのまま手をこまねいて放置していると、高齢者の大半は、「体が持ちながら、肝心の脳が持たない」結果として、行き着くところは、『アルツハイマー型認知症』を発病したお年寄りで、末期の段階にまで症状が進んで、『介護』が不可欠となる「お年寄り」達が、激増して来ることになるという悲惨な将来像が、はっきりと見えてきているのです。➡ 厚生労働省が発表している認知症のお年寄りの数700万人というのは、「末期の段階」の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りだけの数なのです。権威とされる機関や人達から、発病の対象からは見おとされている「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の数以上になるのです。

(8)ところが、「小ボケ」と「中ボケ」の人達は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直して、脳を活性化させる『生活習慣』を日常生活に取り込むこと(『脳のリハビリ』の継続的な実践)により、正常なレベルに回復させることも、重症化の更なる進行を抑制することも出来るのです。市町村を主体として、「アルツハイマー型認知症」の予防並びに早期段階の発見と回復、更には、介護の予防(介護が不可欠のものとなる「大ボケ」の段階にまで重症化が進行するのを抑制する何らかの対策)活動を実践し、「重度認知症」(大ボケ)の段階にまで重症化が進行していくお年寄りの数を減らす「政策」を出来るだけ早期に制度化し、実行すべきなのです。私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る全国452の市町村との有償の契約により、「実践結果による有効性を疫学的方法により実証して来ている」具体的な方法が提示されているからです。その上で、「重度認知症」の人達に対する「介護保険」の適用を手厚くすることが必要だと思うのです。「老々介護」とか、「認認介護」とか、「介護離職」とかを、この社会から消し去るべきなのです。

⇔「介護施設」の運営ノウハウを輸出目標にする等、恥ずかしい事と考えるべきなのです。

 このブログで詳細に説明してきたように、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし治らない病気」という考えは、誤りなのです。元はと言えば、「重度の記憶障害」という誤った指針に基づいて、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のお年寄りばかりを見つけて、発病と診断してきた精神科医達の誤解が原因なのです。➡このブログで詳細にメカニズムを説明し、開示した根拠となるデータからも分かるように、『アルツハイマー型認知症』は廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』なのです。早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直し、『前頭葉』を含む脳全体が活性化する自分なりの「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意)を構築し継続することにより、正常レベルに「回復」させること及び重症化の更なる進行を抑制することが出来るし、発病自体を「予防」することもできるのです。

※高齢者が、アルツハイマー型認知症を発病した場合に備えて、「2000万円の貯蓄が必要」とかのマスコミ報道を信じていて、行動や活動を抑制して、「貯蓄重視の生活」(脳の使い方としての生活習慣)を継続する場合と「発病を予防すること」を明確に意識した上で、「自分なりの具体的なテーマと役割り」を見つけて、「自分なりに意欲が湧いてきて、喜びや、時には生き甲斐を感じられるような日々の暮らし方」、生き生きとしていると感じられる「脳の使い方」としての『生活習慣』を構築し、継続できる「第二の人生」を送ることになる場合とを比較してみれば、「介護に要する費用」(現在、単年度ベースで10兆円超)の大幅な減額と末期の段階(治すことも、症状の重症化の進行を抑制することも出来ず、「介護が不可欠となる」大ボケの段階で「発病を見つけ発病のレッテル貼り」をしているだけの診断の上に、治療の効能が無くて、単なる「対症療法薬」に過ぎない薬(アリセプトを含む4種の薬。今回の、アデュカヌマブはそれらよりもっとひどい物)を処方されているだけのものである診断費用の大幅な減額の問題(これも、単年度で10兆円を超える規模になっているはず)に加えて、第二の人生を送る高齢者の日々の行動や活動や交遊等の活発化による、「地方の地域の活性化」による経済活動の創出効果も極めて大きなものとなるのです。

「アルツハイマー型認知症」の予防活動に取り組む専任の保健婦さんを配置して、地域の色々な組織やボランティアを取り込み、継続的な自主活動として、地域単位で予防に取り組むしか問題を解決する方法はないのです(治療薬の効能を有する薬の開発は、未来永劫、有り得ないことなのです)。)「アルツハイマー型認知症」の発病及び重症化が進行するメカニズムの詳細については、このブログの(F-09の&7)を参照して下さい。

本著作物「F-10」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。

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意識と認知症の発病及び症状の重症化進行のメカニズムとの関係(F-07)

2021-06-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

様々な種類が数ある認知症の内で、その大多数、90%以上の割合を占めているのが、今日のテーマである、「アルツハイマー型認知症」なのです。認知症研究や診断の専門家とされる学者や医師達までもが、アルツハイマー病とアルツハイマー型認知症との本質的な差異を知らないままに、両者を纏めて、或いは混同し「アルツハイマー病」と呼称(総称)しているのです。

アルツハイマー病は生まれつき特定の遺伝子(現在は、原因遺伝子として4つが確認されている)に異常が存在する人達だけを対象にして、若年で発症するのが特徴であるのに対して、アルツハイマー型認知症仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけを対象として老年で発症するのが特徴であり、ナイナイ尽くしの単調な日々の「暮らし方」、脳の使い方としての単調な生活習慣(自分なりの追求テーマも無く、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方を言います)の継続に起因した廃用性の機能低下が、意欲に端を発し、注意の集中力に及び、注意の分配力の機能の発揮度に及ぶことが、機能発揮上の二重構造の関係にある『実行機能』の発揮度を異常なレベルにまで低下させ、その結果として、日々の暮らしの場面で、『意識的な世界』における脳全体の『司令塔』の役割を担っている「前頭葉」が居眠りをし始めて、終には、常時眠り込んでしまう状態にまで、『前頭葉』の廃用性の機能低下が進行して行くそのことが、発病及び症状の重症化を進行させていく真犯人なのであること並びに『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病に過ぎないものであり、早期診断早期治療により治せる性質のものであるし、発病自体を予防することが出来るものであることを、世界中の専門家達に先駆けて、解明し、北海道から九州に跨る全国452の市町村で、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきた(有)エイジングライフ研究所の活動が、意味不明の理由で、或いは何等かの反対組織の圧力で、「闇に葬り去られる」ことが無いよう、こうして、主張内容の概要をブログに公開してきているのです。二段階方式の主張内容が、世界的な権威とされる人達や機関の主張内容とは真反対の内容である為に、せっかく厚労省と協議の場が持たれても、国策化が実行されない儘なのです。

⇔猶、似たようなブログの内容が多くなってきていると感じられる読者に一言。都度、様々なテーマをたとえ些細なテーマであっても様々な視点から取り上げることに因り、書かれている内容に対する「著作権」が自動的に成立するものなので(世界中の誰一人として、同じような考えや視点を持ち合わせていない為、新機軸の考え方として、著作権が成立するのです)、専門家達が、今後、「二段階方式」の主張内容と同様の考え方や観方に到達することが仮にあっても、同じ様なテーマと内容で、著作物として発表することも、講演で説明することも、実践展開することも出来なくなる権利(該当する行為の中止と損害賠償の請求権が認められる)が保障されているのです。『二段階方式』の考え方と内容からの部分的な「引用」という形式を採用しない限り、著作権法違反となるのです。ブログに公開するのは、第二義的な目的であり、第一義的な目的は、国策化に拠る「二段階方式」の市町村での実践展開に有るのです。

&1 「アルツハイマー型認知症」は、発病自体の予防が可能な認知症

(1)このブログのメインテーマである「アルツハイマー型認知症」については、『世界中の認知症研究の専門家達から治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であるとされてきて、その誤った情報が、超高齢社会を達成した国々の先頭をひた走る我が国日本の小さな島々の隅々にまでも浸透してしまっている』のです。権威達の主張内容真逆が真実であるにも拘らず

(2)「アルツハイマー型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、一つには、『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下の進行(正常老化=60歳を超える年齢の高齢者であること)が基礎に在って、もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能の低下が進行して行くこと)が加重されることに因り、即ち、異なるこの二つの要因同時に存在し、充足されることに因る相乗効果に因り、廃用性の、加速度的で、異常機能低下の進行が起きてくることが、発病及び症状の重症化が進行して行く直接の及び唯一の原因なのです。

(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「小ボケ」(司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが、異常なレベルに衰えてきていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中ボケ」(前頭葉の機能が、小ボケの段階よりも更に衰えてきていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」(前頭葉の機能、左脳、右脳及び運動の脳の機能が中ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、大ボケの初期段階でさえ、最早ほとんど機能しえないレベルにまで衰えてきている結果として、「実行機能」が殆ど働かない状態にある)の段階へと徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

    

(4)「アルツハイマー型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての生活習慣病を言うものとする。以下、同じ)に過ぎないものであること並びに「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、「前頭葉」が活性化するその「生活習慣」を継続することに因り、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが、私たち二段階方式独自の世界に類例のない考え方であり、主張なのです(疫学的に実証済みのもの)。治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制できないとか主張している彼等は、単に、発病を見つけている段階が遅すぎるせいである(米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第二要件の規定が失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気づかないでいて、大ボケの後半の段階になって初めて確認される極めて重度の症状であることを見逃していて、未だにその規定内容を信望している)ことについて、問題を提起しておきたいのです。猶、更に改訂された「DSM-5」の規定内容は、様々な要因を列記するだけのもので何の役にも立たないのです)。

(5)「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定に際し、世界中の専門家とされる人達は、「前頭葉」の機能レベルというテーマに関心を持たないのです。アルツハイマー型認知症は、前頭葉の機能障害に起因して発病するものであり、例え「重度の記憶障害の症状」が確認されようとも、前頭葉の機能が正常な場合は、他の病気なのであり、その典型が、認知症と混同され、屡々誤診されている「側頭葉性健忘症」なのです。『意識的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している脳機能の要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『実行機能=Executive Function 』の発揮も、発揮の度合いも顕現してこないこと、即ち、実行機能の機能発揮上の二重構造の存在についても無知なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカニズムも機序も解明できないことに気づいていないのです。その結果、世界的に通説の地位にあるとはいえ、アミロイドベータ仮説を主導し、或いは、信望する研究者達は、未だに、注意の分配力の機能も、実行機能も、前頭葉の機能も備わってもいない、マウスを研究対象にしていて、相変わらず憶測ばかりしている有様なのです。

1つには、「前頭葉」という脳機能が備わっていない「マウス」を研究対象にしての憶測ばかりを行っているせいで、2つには、「記憶障害」に起因して症状が発現するとの重大な誤りの前提条件の下で、研究を続けているせいで、3つには、「認知機能の障害」を症状が発現する核心的な要因としつつも、肝心かなめの機能である『前頭葉』の機能レベルを客観的な手法で精緻に判定することが出来る手技を有しない為に「意識的な世界」における手足の働きをしているに過ぎない脳の後半領域の機能である左脳と右脳の働き具合をMMSE (我が国では、長谷川式を使用しているケースもある)という手技で判定するだけで、脳のリハビリの実施により症状を回復させる(治す)ことが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階を見落としていて(小ボケ及び中ボケの段階が、存在していることにさえ気づいていない)、末期の段階であり、最早回復させることが困難である「大ボケ」の段階しか知らないで居て、自分達が無知であることにも気付かないでいて、『アルツハイマー型認知症は、一旦発病したら、最早治すことが出来ないタイプの認知症である』とする極めて重大な誤りの内容の情報を、未だに発信し続けているのです。

(6)その結果として我が国では、「介護の予防」を当面の政策課題と決定した政府大綱の第一条は、『アルツハイマー型認知症の発病原因、メカニズムについて、世界中の権威とされる人達が、未だに解明できていない現状に鑑み、発病自体の予防というテーマについては、当面、研究課題として位置づけ、国内の活動も含めて、関連する情報の収集に努める』と規定しているのです。『発病自体の予防並びに早期診断と早期治療による症状の回復』が、脇に置かれたままで居るせいで、単年度ベースで、【一般会計及び特別会計の総計で言うと】、『介護の費用』だけで総額10兆円を超えてきているのです。更には、(このことは余り公にされていないのですが)、『脳のリハビリ』の実施により回復させることが可能である本当の意味での『早期の段階』、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされたままで居て、最早治すことが困難である末期の段階、「大ボケ」の段階で初めて発病と診断する不条理極まりない診断がまかり通っていて、更に、治療の効能を有していない、単なる「対症療法薬」(治療の効能は有していなくて、症状の発現の仕方を抑制し、或いは昂進させるだけのもの)の処方が、医療現場では実行されているのです。『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉の機能障害』に起因して発病する認知症なのであり(最初の段階である「小ボケ」の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全てが正常な機能レベルに在る中で、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在る)及び「4つの仮説」が発病の前提条件として想定している「記憶の障害」自体が、『前頭葉の機能障害』(廃用性の機能低下の進行が原因)の進行が原因であることは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状である『三段階に区分される類型的な症状=14689例に及ぶ、小ボケ、中ボケ及び大ボケの発病患者の脳機能データが根拠』を確認すれば、容易に判別できることなのです。

(7)「アルツハイマー型認知症」については、発病のメカニズム、症状が重症化するメカニズム、症状の回復(治療)の可能性の有無及びその程度により、『三段階』に区分する症状の類型、症状を治し又は、進行を抑制する方法、更には、発病自体を予防する方法、「前頭葉」、実行機能と意識の機能構造、前頭葉が活性化するメカニズム、更には、『MMSE下位項目の項目困難度に関わる脳機能データ=「アルツハイマー型認知症」の発病者だけに確認されるものであり、下位項目が出来なくなっていく厳密な順番の存在のデータ』、『小ボケ及び中ボケの期間に関わる標準的な滞留期間の存在のデータ』、更には、前頭葉を含む脳全体の機能の老化の進行を左右する「生活習慣」要因の存在に関わる脳機能データ(脳の老化を加速させる生活習慣要因及び脳の老化の進行を抑制し、又は、回復させる生活習慣要因の存在に関わる脳機能データ)は、世界中を検索してみても、私たち「二段階方式」だけが、存在を主張し、独自のものとして、「事象の事実としての証拠データ」を有するものなのです。

(8)新型コロナに対する「感染回避策」としての『3密の回避』が全国的な規模で強く求められている生活状況(脳の使い方としての生活習慣)が、未だに継続している中で、実は、アルツハイマー型認知症の発病者(小ボケの段階)、症状の重症化の進行者(「小ボケ」の「お年寄り」は中ボケの前期に、「中ボケ」の前期の「お年寄り」は、中ボケの後期に、「中ボケ」の後期のお年寄りは、「大ボケ」の前期に、「大ボケ」の前期のお年寄りは、大ボケの後期に、症状の重症化が進行してきている)が驚くほど増加してきていることに、専門家とされる人達(学者や医師達)が、気づいていないのです。ワクチンの接種が行き渡ることにより、新型コロナ対策問題が、マスコミや野党からも取り上げられなくなる一方で、リーマンショック時を超えると予測されている我が国の景気の大減速に加えて、アルツハイマー型認知症の発病者及び介護が不可欠のものとなる末期の段階、二段階方式の区分で言う「大ボケ」の後半のお年寄りの数の激増という実態が明るみに出てくることとなり、「超高齢社会」を維持する上で不可欠のものである「介護保険制度」について、財政面からの「破綻の危機」が取りざたされるようになることを危惧し、問題提起しておきたいのです。それに対する対策は、介護保険料の値上げではないのです。『発病自体の予防』という極めて有効な対策方法が、実証により、示されているからです。

(9)ところで、認知症、特に『アルツハイマー型認知症』の発病者数は、我が国や米国などのような『超高齢社会』に到達している国々では、星の数ほどにも増えてきていて、介護に要する費用が天文学的な規模に上ってきているのを、御存じでしょうか。そのアルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについては、世界的には、「4つの仮説」が提示されていて、未だに、発病との間の因果関係の存在を立証できないままで居るのです。あのハーバード大学さえも、我が国で言うと、東大や京大や理化学研究所までもが、アミロイドベータ説という仮説(4つの仮説の中では、支持する学者の数が一番多いという意味で、世界的に「通説」とされている)の信望者なのです。厚労省も、この「アミロイドベータ仮説」を支持する立場に立っていて、「政府大綱」で決定された介護の予防(「介護」が不可欠となるまでに症状が重くなるお年寄りの数を出来るだけ減らすことを目的とした市町村による活動)を目的とした市町村の取組の基本的な考え方として通達が出されているのが現状なのです。「介護の予防」に最も効果的であるはずの「発病自体の予防の取組」というテーマは、発病のメカニズムについて、世界的に未だに解明されていないので、将来の研究課題として脇に置いておくこととされているのです(政府大綱の第一条の規定を参照)。アミロイドベータ説やタウタンパク説が根拠にしている『記憶の障害』自体が、『前頭葉の機能障害』が原因で起きてくるものなのです。二つの仮説は、『因果関係に杜撰なだけでなくて、木を見て森を見ていない』憶測の類なのです。

&2  政府大綱が掲げる「介護の予防」に最も有効なのは『発病自体の予防

私たち「二段階方式」が提案しているのは、認知症全体の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」に特化した対策、『発病自体の予防と「小ボケ」からの回復』を第一義的な対策目標とし、『中ボケの前期、中ボケの後期については、介護の予防』を現行の制度下での対策目標とすることなのです。『発病自体の予防』というテーマは、市町村の健康づくり課等が、一次予防を担う主体となり、『介護の予防』という二次予防のテーマは、市町村の高齢支援課及び在宅介護支援センターが担うのが、最も望ましいものと考えるのです。

(1) 最も有効なのは、発病自体の予防(一次予防)です。「アルツハイマー型認知症」こそ、一次予防に最も適切なタイプの認知症なのです。①その本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること、②発病の有無及び重症化区分の判定が、二段階方式という「神経心理機能テスト」の活用により、且つそれだけで、医行為が関わらなくて、何等の機器の使用が必要なくて、客観的で精緻なレベルで判定できるものであること、③「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「脳の使い方」を予防教室(脳のイキイキ教室)で体験し、そこでの体験を日々の生活に取り込み、自分なりのテーマを選択し、目標を設定して、自分なりの楽しみ喜び生き甲斐が得られる『生活習慣』を創意工夫して構築し、継続して実践し、生活習慣化することに因り、発病自体を予防することが出来、④万一発病しても、「早期発見」と「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能であるし、⑤重症化の進行を抑制して、進行のスピードを緩やかにすることに因り、介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく時期を先送りすることが出来るのです(一次予防である「発病自体の予防」の制度化により、「介護の予防」についても、より一層効果的に達成することが出来ることになる)。

(2) 予防教室(脳のイキイキ教室)の参加者に対しては、当該年度の予防教室の開始月と閉じる月の二回、予防教室に継続して参加者した個々の『お年寄り』の「脳のイキイキ度チェック」を「二段階方式」の手技による『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を判定することに因り、当該期間中における『経時変化』の『脳機能データ』を集積していくのです。二段階方式の基準に基づいた判定結果は、「改善、維持、低下」の3種類に判定区分されることになります。

(3) 参加しているのは全員『高齢者』なので、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『加齢』に起因した機能低下が必ず進行していることになります。加えて、何かをキッカケにして、意欲を喪失したことで開始されることになるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に陥っていた場合は、『廃用性の機能低下』が進行してきている「お年寄り」もいるはずなのです。当該年度の教室の開催の1年間という経過期間中に起きてきた変化、経時変化を判定するとき、①前頭葉を含む脳全体の機能レベルが改善しているケース、②維持されているケース及び③低下してきているケースの3種類に区分して判定することが出来るのです。当該判定については、「前頭葉」の機能レベル自体の変化及び左脳と右脳の機能レベルの変化を各々判定した上で、その総合的な評価が行われるのです。

厳密で客観的な要素に基づく定義に因る『判定基準』が設定されているのが、二段階方式の特徴なのです。「物忘れ」の程度や態様の変化を外観から観察するだけと言った、「記憶障害」の指標を基礎とする判定基準とは、判定基準の要素自体が異なるのです(その意味で、「MCI=軽度認知障害」なる判定基準の内容は余りにも曖昧であり、恣意的な結論が横行することになると危惧するのです)。MCIの基準を持ち出すだけで、その人は、『アルツハイマー型認知症については、無知な人』と言うしかないのです。

加えて、二段階方式の活用によれば、「前頭葉」の機能レベルの客観的で的確な判定が可能となるのであり、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、「小ボケ」と「中ボケ」の段階にあるお年寄りを的確に判定することが出来るのです。「前頭葉」の機能レベルを客観的で、的確に、且つ、精緻なレベルで判定出来る手技は、世界中の専門機関を対象としてみても、現時点では、私たち「二段階方式」の手技の他には、何等の手技も開発されていないのです。

&3  『DSM』の規定内容の変遷と現状及び「MCIの基準」の問題点

1. 「アルツハイマー型認知症」の捉え方について、以下の変遷をたどってきた米国精神医学会が策定した『アルツハイマー型認知症』の診断基準である『DSM』における「診断基準の考え方」の概要は、以下の通りです。

(1) 『DSM-ⅢR 』

①記憶障害;②抽象的思考の障害、判断の障害、高次皮質機能障害、性格変化のうち1項目以上;③脳の器質的変化の存在が推測できること

(2) 『DSM-ⅣR 』

①記憶障害;②失語、失行、失認、実行機能障害のうち1項目以上

(3) 『DSM-5 』

複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚‐運動、社会的認知における低下のうち1項目以上

2.上記全ての版において、「認知機能低下」が日常生活に影響していることが含まれることが注記されていることに注意して下さい。

3.米国精神医学会が策定したものであり、世界的に権威があるとされている上記診断基準に依拠して、アルツハイマー型認知症を捉えていることに注意。

4.世界中の専門家達が、「DSM」の規程、特に、「DSM-4」の規程内容に、未だに強く影響されていることに注意して下さい。記憶障害に起因して発病し、「失語や失認や失行の症状」が「初期症状」であると誤解した儘なのです。

➡厚労省が掲げてきた「新オレンジプラン」の内容も、その後に発表された『政府大綱』が掲げる「介護の予防」の実施も、『記憶障害』を惹き起こす要因についての世界的な通説である「アミロイドベータ仮説」の主張内容が正しいものとして、想定されているものなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状が、記憶障害に起因して発現するとの仮説も、失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの憶測に基づいただけの規定も、更には、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態の判定基準であるとして提示されている『MCI』(軽度認知障害)の考え方と基準も、「全てが重大な誤りの内容」なのであり、客観的で、的確で、有効な判定の為の指標とはなり得ないことに、注意が必要なのです。

&4 「二段階方式」が解明し、実証した「アルツハイマー型認知症の正体」と特徴

 (1)アルツハイマー型認知症は、第二の人生を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」だけが対象となり発病するものであり、『老年発症』が大きな特徴なのです。その根拠については次項で示しますが、我が国だけでなく、世界中の専門家とされる機関や人達が、未だに、この『重要な特徴』に気づいていないのです。

(2)発現する症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、回復の可能性の有無及び程度により三段階に区分されるのです(「二段階方式」独自の区分である「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階)。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の創意工夫と改善と継続的な実践により(早期診断と「脳のリハビリ」の継続的な実践)治すことが出来るし(症状からの回復)、「介護の予防」が可能であるし(「介護」が必要可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階に症状が進行する年数の抑制効果)、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて「前頭葉」が活性化することになる「脳の使い方」としての生活習慣であり、食生活や糖尿病とは無関係)の創意工夫、構築と継続的な実践に因り「発病自体の予防」が出来るのです(疫学的方法により「二段階方式」が実証済み)。

&5 発病及び症状の重症化が進行するメカニズム(原因と機序)

(1)発病の「第一の要件」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因の存在が基礎要因なのです。加齢に起因して、「前頭葉」が機能低下を進行させていくことについては、「正常老化の性質」と命名して、脳機能データを公開しています(NHKの人気番組である『チコちゃんに叱られる』にも取り上げられて、2018年9月に登場しました=「前頭葉の正常老化曲線」の図として登場)。

(2)発病の「第二の要件」は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した脳機能の廃用性の機能低下という加重要因なのです。なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る上で繰り返される単調な暮らし方、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない』日々の生活、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」のことを言います。

(3)加齢に起因した機能低下という基礎要因とナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下という加重要因の同時存在、即ち、「異なる二つの要因が同時に存在し、充足される」ことに因る『相乗効果』に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに因り(「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきたことに因り)発病し(小ボケ)、次いで、左脳、右脳、運動の脳が異常なレベルに衰えてくることに因り重症化が進行して行く(中ボケ、大ボケ)ことになるのです。

アルツハイマー型認知症』の発病については、小ボケ及び中ボケの段階の存在について、気が付いていなくて、末期の段階である「大ボケ」の段階、セルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での「介護が不可欠」となる段階で初めて発病と誤解しているのが、専門家とされる人達(学者、医師)なのです。

(4)これが、「発病及び重症化」が進行して行くメカニズム(原因と機序)であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るものなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、北海道から九州に跨る全国的な展開、累計総数452の市町村において実践指導した「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型地域予防活動」により、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証し、発病の有無及び症状の段階区分の判定及び発病の予防、回復及び介護の予防を目的とした客観的で具体的な指導内容及び対応の核となる二段階方式の手技が極めて有効であることを実証)。

⇔現在その実態が消えてしまっているのは、①二段階方式の手技の活用を10年の経過で無償としたこと;②平成の大合併により導入していた小さな町や村が大きな市や町に吸収合併されて、業務の見直しと配置転換により消えていったこと;③高齢化率の進行に伴う「アルツハイマー型認知症」の発病者の増加対策として、オレンジプラン、新オレンジプランが、相次いで実施されていく状況の中で、新規導入先が出てこなくなったことが主たる理由なのです。

&6 発病と重症化が進行するメカニズムの簡単なチェック・ポイント

(1) 「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変は存在していないのです。

(2) 正常老化の性質により、加齢に起因した機能低下が進行してきていること、

言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者であることが、「基礎要因」なのです。

(3)「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因だけが、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分けている、「唯一の要因」(=「加重要因」)なのです。

①「左脳」が専管するテーマである「仕事」とは無縁の日々を送ることになる生活状況の下で、日々どのような「脳の使い方」が継続されているのかが問題。

②『実行機能』の発揮度を支配し、左右し、下支えている機能であり、「前頭葉」の三本柱と私たちが名づけている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能)の活用が少なくなるような脳の使い方、就中、注意の分配力の機能の出番が少ないと、「前頭葉」が活性化する場面が少なくなるのです。その結果として廃用性の機能低下が進行して行くことになるのです。

(4)仕事とは無縁の「第二の人生」を送る中で、自分なりの「テーマ」も、達成すべき「目標」もない生活、楽しみがない生活、喜びや生き甲斐とは無縁の日々を送るだけの暮らし方、『創意、工夫、シミュレーションの機能』の出番が極端に少ない「脳の使い方」としての生活習慣、即ち、意識的な世界の要であり、最も高度で不可欠の『注意の分配力』の機能の出番が少ないと、廃用性の機能低下が進行していくのです。『日々、時間は有り余るのに、することが無い毎日、ボケーッとした「暮らし方」をしていると、惚ける(『アルツハイマー型認知症』を発病する)』ことになるのです(発病のメカニズムは、極めて簡単なもの)。

➡ 食事をしたばかりなのにそのことさえも忘れる「重度の記憶障害の症状」にばかり目が行き、そのことから、器質的な原因病変を追い求め、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑とか、タウタンパクの蓄積による神経原繊維変化が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こし、記憶障害が惹起されることに因り発病するとの単なる憶測の類がまかり通っているのです。

(5) 発想、企画、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、比較、評価、決断、感動、抑制等の『実行機能』の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの実行『テーマ』の設定と達成すべき『目標』がある「暮らし方」(脳の使い方としての生活習慣)を構築し継続することが、症状の回復にも、介護の予防にも、発病自体の予防にも必要不可欠となる性質の認知症ということなのです。

➡ これを纏めて言うと、『前頭葉の機能障害』に起因して発病する訳なのです。前頭葉の機能障害を惹き起こす要因は、記憶障害ではなくて、廃用性の機能低下なのであり、廃用性の機能低下を惹き起こす要因は、「第二の人生」を送る上で営まれる単調な「生活習慣」の継続なのです(それだけのこと!)。

加齢に起因した脳機能低下の進行が基礎要因である為に、「第二の人生」を送っている「お年寄り」だけが「発病の対象」となるのであり、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在しない、架空のものであり、側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が特徴であり、脳の変性により発病する)や緩徐進行性失語症と混同し、誤診しているだけなのです。猶、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」は、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するものであり、「アルツハイマー型認知症」とは全く異なる、性質の認知症なのであり、認知症全体に占める割合は、僅か1%程度に過ぎないのです(「1%」が「90%」を飲み込んでいるのです。何故?!)。

認知症ケアパス作成の手引きでは、「若年性認知症」の内の過半数を若年性アルツハイマー型認知症が占めると記述してありますが、専門の医師達までが、それほど多くの誤診を行っているということなのです。アルツハイマー型認知症のことも、側頭葉性健忘症のことも、知らない医師達が多すぎるのです。

(6) 症状の回復にも、重症化の進行の抑制にも(正常➡正常下限➡「小ボケ」➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期)、『脳のリハビリ』という方法が、唯一の有効な対策となることを知っておいて頂きたいのです(「地中海料理」の摂取であれ、何であれ、「食生活」は、発病の予防とは、無関係なのです)。この場合、「脳のリハビリ」の効果が期待できるのは、中ボケの後期までのことであり、大ボケの段階になると、介護の途しかないのです

発病の最初の段階である『小ボケ』の段階で既に社会生活に支障が出てくるのです。発病を予防し及び小ボケを治すことは、『自分なりの追及すべきテーマと目標をもって、自分なりに社会生活を楽しみつつ、「第二の人生」を送ることが出来ること』を意味します。そのことで、行動の内容が深くなり、範囲が広がる為に、経済活動も含めて、『社会全体の活性化』、特に、高齢化が顕著に進行している「地方の地域の活性化」にも直結するのです。

⇔  厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の発病者700万人と言うのは、発病の末期の段階である「大ボケ」の症状が発現して来ているお年寄りの数なのです。発病者には、「重度の記憶障害の症状」が確認されるべきとの誤った基準から『それらの症状が極めて重度の症状である』ことも知らないで、失語や失認や失行の症状の発現の確認を発病と判定する基準にしているせいで、「小ボケ」と「中ボケ」は発病とは考えられていないのです(その段階の存在さえ視野には無い)。我が国の「65歳以上の年齢のお年寄り」は、3600万人も居るのです。(介護の対象にはならない為に、専門家達にも知られないでいる)小ボケ中ボケとを併せた数が(介護保険の対象となるお年寄りで、介護の対象となっている)大ボケとほぼ同じ数と想定すると、3600万人の高齢者の内の4割相当は、惚けている、「アルツハイマー型認知症」を発病しているということになるのです。

 ボケないで居て、全てとは言わないまでも大半のお年寄りが、『第二の人生を、自分なりのテーマと目標をもって、自分なりにイキイキと生きていく』ようになれば、既に10兆円を超える天文学的な規模に膨れ上がっている『介護の費用』を劇的に減らせることが出来るだけでなくて、高齢化率が高い地方の活性化にもつながるのです。その為の手助けとなる政策、それが、二段階方式の国策化であると考え、問題を国民の皆さんに提起しているのです。すなわち、「介護の予防」を第一目標にするのではなくて、「発病自体の予防」を第一目標として制度化すべきなのです。

 &7 世界的に通説の地位にある「アミロイドベータ仮説」は破綻している

(1)このブログの(F-05)で言及したように、2021年1月19日発行のNewsweek日本版の署名入りの記事の内容では、これまでに、世界中の製薬会社が、「アミロイドベータ仮説」の考え方に依拠して、『アルツハイマー型認知症』の治療薬の開発に投与した金額の総計額は、約6000億ドル(日本円に換算すると65兆円)もの金額に上るとされているのです。然も、治療薬の開発(症状を治したり、症状の進行を遅らせたり、症状の発病自体を予防する効能を有すると認められる薬)が、ことごとく失敗に帰したというものなのです。ついでに問題を提起すると、本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないものである「アルツハイマー型認知症」については、治療薬(症状を回復させ、症状の進行を抑制し、或いは発病自体を予防する効能を有する薬のこと)が開発されることは、未来永劫、有り得ない事なのです。現在使用されている4種の薬は、治療の効能は有しないのであり、「対症療法薬」に過ぎないのです。➡(追伸)今回FDAが、新型の薬「アデュカヌマブ」について、『蓄積した「アミロイドベータの量を減らす効果を有することは認められるが、そのことは、「アルツハイマー型認知症」に対する治療効果が有ると認定するものではない」とする注釈付きでの発表を行った』のであり、我が国のマスコミが、『治療薬の開発』に成功したかのような見出しを付けて報道していることに惑わされないで頂きたいのです。「この薬に、治療効果が有る筈が無い」のです。開発のコンセプト自体が根本的に誤りだからなのです。何故なら、アミロイド・ベータの蓄積(老人斑の沈着をもたらす)と「アルツハイマー型認知症」の発病との間には、肝心要の要因である、因果関係自体が存在していないのですから。「記憶の障害が発病を惹き起こす」との想定自体が、単なる憶測であり、且つ重大な誤りなのですから。即ち、アミロイドベータの蓄積量を減らし、又は、蓄積を阻害しようとも、発病を予防したり、症状の進行を遅らせたり、或いは、症状を治す効果が認められる筈が無いのです。⇔廃用性の機能低下に起因した『前頭葉の機能障害』が、発病を惹き起こす真の原因なのですから。発病者の脳内からのアミロイドベータの除去、或いは、蓄積量を減らすことに因り、アルツハイマー型認知症の発病の予防、或いは、症状の進行を抑制する治療効果が有ると主張する製薬会社は、アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化の進行との間に厳密な意味での直接の及び唯一の因果関係が存在することを立証する社会的な責任があるはずなのです。

この薬が治療効果を有するか否かを正しく判定するには、この薬を投与した後の、その人の「前頭葉」の機能レベルがどのような経時変化をするのかを精緻に判定すべきなのです(『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの悪化と症状の重症化の進行とは厳密にリンクしているのがアルツハイマー型認知症の特徴なので、症状の進行を抑制する効果を有するのであれば、発病者が服用した後に、前頭葉を含む脳全体の機能レベルの悪化が抑制されるはずだから)。製薬会社自身が、この薬の効果を判定する上で、MCIの基準物忘れの症状の程度と態様を外観的に評価するだけの、極めて曖昧でいい加減な評価基準であり、前頭葉の機能レベルの判定が含まれていない)を持ち出しているのです。『MCI=軽度認知障害』なる基準の適用では、『アルツハイマー型認知症』の発病者であるか否か、更に言うと、症状の進行を抑制することが可能である早期の段階、二段階方式の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階であるのか否かを判定出来ないのです。それらの判定には、前頭葉の機能レベル、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるからなのです。認知機能障害の判定を要件とするとしながら、MMSEや長谷川式の活用による判定では、肝心の『前頭葉の機能レベルの判定が不可能』なのです。我が国で健康保険適用の対象にするに際しては、厚労省が、この点をキチンと評価し、決定すべきものなのです(対症療法薬でしかなかったアリセプトの二の舞にならない為にも)。未だに、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム自体が不明であるとしながらも(この薬は、単なる仮説であり、未だに仮説でしかない=アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病との間の因果関係を立証できていないアミロイドベータ仮説を開発の根拠コンセプトにしている)、この薬に、発病自体の予防、或いは、症状の進行の抑制を含む治療効果が有ると主張する当該製薬会社に、根拠を聞いてみたいのです。

(2) 「アルツハイマー型認知症」研究の専門家の数はと言うと、世界中で言うと、星の数ほどいると考えられるのです。それでいて、未だに仮説の類が提唱されるだけで、『発病のメカニズム(原因)については、全く分からない、不明のものである』とされている理由は、どこに有るのでしょうか。『アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有なものである、意識的な世界が関わる認知症である』ことに、世界中の専門家達の内の誰一人として、このTadを除いては、全く気付いていないからなのです。『アルツハイマー型認知症の本態、発病のメカニズムに照らして、治療の効能を有する薬が開発されることは有り得ない事なのですから。

(3)「アミロイドベータ仮説」は、器質的な原因病変に因る「記憶障害」という要素が発病を惹き起こす原因であるとの想定(仮説)に基づいた考えであり、マウス(アミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスを含む)の行動を研究する仮説なのですが、マウスには、「注意の分配力」の機能が備わっていなくて、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」という脳機能が備わっていないのです。言い換えると、『アルツハイマー型認知症は、記憶障害に起因して発病するものではなくて、意識の世界が関わる認知症なのであり、前頭葉の三本柱の機能の核心的な機能である注意の分配力の機能の廃用性の機能低下の進行及びそのことに起因した実行機能、就中、前頭葉の機能の廃用性の機能低下の進行に因り、その機能が異常なレベルにまで衰えてきていることが、発病及び症状の重症化が進行して行く「真の原因である」ことに、未だに気づいていない』ことが、致命傷なのです。

&8 「意識的な世界」と「アルツハイマー型認知症」の発病との関わり方

(1)自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、為すべき「テーマ」を発想し、「テーマ」の実行内容及び実行の仕方を検索し、企画し、計画して、その実行結果について、洞察し、推理し、シミュレーションし、評価し、比較して、最終的な実行内容及び実行の仕方を抑制し、或いは選択して、その実行を決断し、実行の指令を脳の各部に発することになる、これが、意識的な世界における『実行機能』と総称される「個別認知機能」の発揮の工程表なのです。その各種テーマは、「意識的な世界」では、基本的に「常に複数存在」していて、異なる複数の意識(意識的な世界=覚醒の度合いがそれぞれに異なる意識状態)を構築し、管理し、コントロールしている脳機能が「注意の分配力」の機能なのです。「意欲」が下支えているのが、「注意の集中力」であり、「注意の集中力」が下支えているのが「注意の分配力」の機能と言う機能発揮上の視点で言うと、「階層的な機能構造の関係」にあるとTadは考えるのです。

(2)私たち人間だけに特有なものである「意識的な世界」では、実行機能と総称される個別認知機能の各発揮度を構築し、統合し、支配し、下支えて、管理し、コントロールしている脳機能が、私たち人間だけに特有な機能である「注意の分配力」という機能なのです。このことを言い換えると、個別認知機能(実行機能)の機能の発揮度と注意の分配力の機能との間には、機能発揮上の二重構造の関係が存在しているということなのです。即ち、「注意の分配力」の機能の発揮の度合いが、個別認知機能(=「実行機能」)の機能の発揮の度合いを左右し、管理し、コントロールし、下支えているということなのです。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界(意識状態)」は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(以下、「前頭葉の三本柱の機能」と呼ぶことにします)を基礎機能としつつ、「評価の物差しの」機能及び「記憶の倉庫」の機能並びに「実行機能」及び「前頭葉の三本柱」の機能が有機的な関係下で協働して働くことに因り構築され、統合され、維持され、管理されている世界なのです。興味や関心の度合いの変化、前頭葉の三本柱の機能の発揮度の変化、更には新たなテーマの発想により、「評価の物差し」が別のテーマを選択させることになる、この働きの変化を含む機能構造体が、所謂、ホムンクルスの小人の正体ではないかとTadは考えているのです。「評価の物差し」の機能こそ、実行機能が働く上での最初の関門となることに、未だに誰一人として気づいていないのです。このことが、意識の機能構造解明の出発点となる要因であるにも拘わらず。

(4)私たち人間には、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(「前頭葉の三本柱」の機能、実行機能、評価の物差しの機能、記憶の倉庫の機能が局在している脳機能部位=前頭前野)に加えて、デジタル情報の処理に特化した機能部位である「左脳」、アナログ情報の処理に特化した機能部位である「右脳」及び身体を動かす処理に特化した機能部位である「運動の脳」という『実行機能の手足の機能』があります。『意識的な世界』は、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者である『前頭葉』が運行を支配し、管理し、コントロールする世界と考えているのです。

猶、覚醒された『意識』については、基本的には、異なる複数の意識が構築されていて、並存しているものであり、加えて、それら各意識には、時間軸(時間の経過という変化)及び空間軸(空間の拡大及び縮小という変化)両要素が含まれているので、「意識状態」と考えるのがより適切であるというのが、Tad自身の考え方なのです。意識は一つしか存在していないとする主張が多くみられるのですが、たった1つの意識(意識状態)のみが存在するという状態は、実は、作り出すこと自体が極めて困難なものなのであり、相当の鍛錬が不可欠となるものなのです。複数の異なる意識同時並存を可能ならしめている脳機能こそが、『注意の分配力』の機能なのです。

(5)Tadは、意識に関する世界的に著名な学者の最新版著書「脳の大統一理論:カール・フリストン」、「意識はいつ生まれるのか:マルチェッロ・マッシイミーニ;ジュリオ・トノーニ」、「意識と脳:スタニスラス・ドウアンヌ」及び「予測する心:ヤコブ・ホーヴィー」を読み込んでみたのですが、残念なことに、どの著作も、最も肝心な脳機能である「評価の物差し」の機能の存在とその役割についての記述が無いのです。彼等の誰一人として、その存在に気づいてもいないのです。「意識的な世界」における「実行機能」の働きが起きてくるためには、まずもって、「評価の物差し」の機能が関わることが不可欠のものとなることにさえ、誰一人として気づいてもいないのです。更には、評価の物差しが働くにも、実行機能が機能を発揮する上でも、記憶の倉庫との照合が不可欠となることについても、もっと根源的な問題である『実行機能の発揮に関わる、前頭葉の三本柱の機能の関わり方(Tadが問題提起する実行機能の機能発揮上の二重構造の問題の存在)』についても、何等の説明がなされていないのです。

意識」の覚醒の度合いが一定レベル以上に在る状態下で、何らかの「認知」が惹起される為には、「評価の物差し」の機能が起動されることが前提条件となること及び認知の内容が同期し、同定される(=メタ認知)には、「記憶の倉庫」の機能との照合が不可欠となること等、「意識」を語る上で、或いは、「意識の機能構造」を説明する上で不可欠となるこれらの機能要素についての言及が全くないことに、Tadはただ驚くばかりなのです。猶、「評価の物差し」と「意識」との関わり方の詳細については、このブログの(B-10、11、12)及び(B-83)を参照して見て下さい。 

&9 現時点でも、世界的に独自の主張内容である「二段階方式」の概要

   意識的な行為の世界と実行機能によるその認知度及び機能の発揮度

意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等、「前頭葉」の機能を構成している各種の高度な認知機能を正常に発揮する上で、一定レベル以上での「認知度」が確保されていることが不可欠となるのです。認知度が一定レベル以下だと、例示した「前頭葉」の各種個別の認知機能自体が必要なレベルで発揮されなくなるのです。そうした個別の認知機能によるその「認知度」の高さ或いは低さを左右しているのが、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「前頭葉の三本柱」の機能なのです(「認知度」と「発揮度」とがともに、「三本柱」の機能レベルと「リンク」している)。

「前頭葉」を中核の機能として、有機的な連携のもとに左脳や右脳や運動の脳も参加して、脳全体で何をどのように実行するのかを組み立てるには(実行すべきテーマをいくつか発想し、その中から1つを選択し、その実行内容を組み立てるには)、先立って且つ常に、必要な機能レベルでの「意欲」の継続的な発揮が不可欠になるのです。自分が現在置かれている状況と環境の判断をベースとして、様々な状況の変化を予測して考慮し、いく通りかのケース・シミュレーションを経た上で最終的な内容を決定し、実行に移すには、「注意の集中力」と「注意の分配力」の機能の継続的な発揮も必要になるのです。上述のようにその「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能の構成要素である個別の『実行機能』によるその認知度及び機能の発揮度を左右し、下支えする働きを担っていて、個別の「実行機能」を十分に発揮するに際しての「二重構造」の関係(私たちのネーミング)が存在しているのです。 

 

   『前頭葉の3本柱の機能』に内在する「正常老化の性質」

私たちが意識的に何かのテーマを思いつき実行しようとするときに、必要とされる各種の認知機能を発揮する上で、必要不可欠の機能である「前頭葉の三本柱」とも言うべき、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、『加齢』と共にその働きが衰えていくという「正常老化の性質」(私たちのネーミングです)が内在されているのです。私たちが世の中の専門家達に先駆けて発見したそのカーブの存在は、私たちが「二段階方式」に基づく「かなひろいテスト」と「MMSE」テストの実施結果及び廃用性の機能低下を進行させてきた原因であり、「キッカケ」を契機に開始され継続されてきたナイナイ尽くしの単調な生活習慣を内容とする『生活歴』の聞き取りの実施により集積した年齢別の脳機能レベルの推移を示す膨大な量の脳機能データにより証明されているのです(20歳代の内にピークを迎えて、その後は、緩やかではあるものの、下向きのカーブとなり、「第二の人生」の入り口ともなる60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢になると急速に下降するカーブを描いていくようになる)。

私達人間だけに特有な世界であり、DNAの99%が人間と同じとされるチンパンジーにも無い世界、「意識的な世界」における脳の司令塔は「前頭葉」であり、『加齢』の進行と共に、「前頭葉の三本柱の機能」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)、実行機能の働きが衰えていくという性質、「正常老化の性質」が、「前頭前野」に局在する脳機能全体に内在していることが、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行く「メカニズム」及び「機序」を解明する上で、不可欠の視点となるのです。加齢による機能低下が基礎要因として存在していて及び仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で繰り返され、継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」に起因したものであり、加重要因である廃用性の機能低下の同時進行に起因した、「前頭葉の三本柱」の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が、「評価の物差し」の機能、「記憶の倉庫」の機能及び「実行機能」の異常な機能低下の進行に波及する結果として、「総体」としての『前頭葉』機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が惹き起こされて、その直接的な反映が、『アルツハイマー型認知症』の発病及び三段階に区分される(小ボケ、中ボケ及び大ボケの三段階)症状の重症化の進行として発現して来るだけのものなのです。

猶、この「前頭葉」の正常老化曲線のカーブの傾きの度合いは、60歳を過ぎた高齢者と呼ばれる年齢になると、脳の使い方という視点からの「生活習慣」に大きく左右されるようになります。脳の後半領域の働きであり、「前頭葉」と協働して意識的な世界でのテーマを実行するための下部機構として機能している左脳、右脳及び運動の脳とのやり取りの中で処理される情報の質と量次第で、「前頭葉」の老化の曲線は、「緩やかに低下するカーブ」(正常な老化)を描き、或いは、「加速度的に低下するカーブ」(異常な老化)を描くことになるのです。

実態面に目を向けた時、「アルツハイマー型認知症」を発病するその対象が60歳を超える年齢の「高齢者」に限られていて、然も、70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と高齢になるほど発症率が高くなっていく原因は、基礎要因としての「正常老化のカーブ」の存在にあるのです。

「働き盛りの50歳代で、アルツハイマー型認知症を発症する人達が増えてきている」などとマスコミが取り上げ騒ぐことがあるのですが、「アルツハイマー型認知症」を50歳代という「若い年齢で発症」するケースは皆無とは言わないまでも極めて稀なことなのです。「アルツハイマー型認知症で」はなくて、側頭葉性健忘症とか緩徐進行性失語とか緩徐進行性失行などの、「認知症と紛らわしい病気」であることを知らない(見抜く為の手技を持たない)医師達が誤診している結果に過ぎないのです。

本著作物「F-07」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

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超高齢社会を持続可能にする基礎条件とアルツハイマー型認知症の予防:F-03  

2021-03-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

  抜き足、差し足、忍び足  居眠る間に、忍び寄る

       脳の老化と認知症(※ 対象を「アルツハイマー型認知症」に限定)

(プロローグ)

厚労省の指導の下、市町村では「認知症ケアパス」(アルツハイマー型認知症を発病して介護が不可決となる時期を出来るだけ遅らせることを目的とした事前の段階での種々の対応の道筋を示すもの)を作成し、実行し、報告することが求められています。いくつかの地域からその実際の「認知症ケアパス」を収集してみて驚いたのです。アルツハイマー型認知症について、アミロイドベータ仮説の考えが基礎にされているのです。それなのに、その進行を抑制する為に有効なものとして、交遊や運動の機会を増やすことが挙げられてもいるのです。事前のどのような段階及び状況に在るかについて(発病が疑われる段階、発病の初期段階、発病の中期の段階、介護が不可欠となる直前の段階)、物忘れの症状を単に言葉で何段階にも区分しただけの基準表並びにこれまた物忘れの症状を感覚的な言葉で区分しただけの「MCI」(軽度認知障害=アルツハイマー型認知症発病の前駆的状態であるとの言葉の説明だけが為されている程度の基準)に基づいて実施すべきことが共通項として、それぞれの「認知症ケアパス」の冒頭に並べられているのです。どの「認知症ケアパス」の内容も基本的には同じ内容、厚労省が作成した「認知症ケアパス作成の手引き」の通りになっているのです。この基準で、実際に何か有効な判定や対応や支援が出来るのか、「時間とコストが、かかるだけ」なのではと疑うのです。

その特徴はというと、川上に目を向けて、ダムを造って流量をコントロールし、中流域の堤防を強化して、堤防の決壊を抑制すべきなのに対し、全ての「認知症ケアパス」が、大河の川下(砂が山のように堆積して、大きな中洲が出来ている=末期の段階の症状が出てきて介護が不可欠となる段階)にしか目が向いていないことが重大な問題なのです。言葉の上では、初期、中期、末期の前等の区分がされてはいても、それを客観的に判定する手技が無くて、物忘れの症状について、言葉だけで何段階にも区分しているだけなのです。『老年発症』が特徴である『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」(仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての生活習慣が発病するか/しないかを区分ける要の要因)なのであり、「注意の分配力」の機能が管理する「実行機能」の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する生活習慣の創意工夫と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るし、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と早期治療(「脳のリハビリ」の実行)により症状を治すことが出来るものなのです。医師達が見つけて居る段階が遅すぎるために、治すことが出来ないものと誤解されているだけなのです。その結果として、要介護状態のお年寄りの数が増え続けていて、(一般会計と特別会計とを合算してみると)介護の費用だけで、単年度ベースで10兆円を超えてきているのです。様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合を占めているアルツハイマー型認知症の発病及び症状が重症化するメカニズムに対する権威とされる人達の重大な誤解が、この結果を招いているのです。

&1 3密の回避』に徹した生活の継続とアルツハイマー型認知症発病との関係

(1) 新型コロナの感染回避策として、不要不急の外出を極力控える状況の中で、『3密の回避』の徹底が叫ばれています。『家族の為の食糧品の買い出し』に行くことさえ、何か気が引ける雰囲気なのです。夕食の間の会話も団らんもない毎日を過ごして、単に時が過ぎていくだけの『第二の人生』。そうした息苦しささえ覚えるような社会状況の中で、家族の団欒さえも控えめに、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」達に異変が起きてきていると、最近、マスコミまでもが報道するようになってきています。このブログでは、第一次の緊急事態宣言の際に、既に、社会に警鐘を鳴らしていたのです。

高齢者に起きている異変とされる状態を専門家の用語を借りて言うと、『脳のフレイルが、起きている』ということだそうです。それを「不活発病」と呼ぶ研究者達もいます。最近流行りのMCI(軽度認知障害)の考えを持ち出して、説明する人達もいるのです。その共通項は、『何もしようとしなくなって、ぼんやりと毎日を過ごすだけ』の生活(「生活習慣」)が続くことなのです。彼ら専門家とされる人達は、彼らが問題にしている症状や状態が、どのようなメカニズム、脳のメカニズムにより発現して来ているかを知らないで、レッテル貼りをして騒いで居るだけなのです。趣味や遊びや交遊や運動を楽しみながら、自分なりの目的や、目標が有る生活、自分なりの喜びや、生き甲斐が有る生活とは真反対生活習慣、二段階方式の定例表現を借りれば、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方』、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が日々繰り返され、継続している「第二の人生」を送っていることが、直接の原因廃用性の機能低下が起きてきて、前頭葉の機能異常なレベルにまで衰えてきていることが直接の原因なのです。勿論、「物忘れ」の症状の頻度が増してくることにもつながるのです。「第二の人生」を送る上での、日々の脳の使い方としての『生活習慣』が、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能障害を惹き起こした結果であることも知らないし、其れこそが、アルツハイマー型認知症発病の最初の段階(本当の意味での初期症状)であることも知らないのです。もっと重要なこと、この段階で見つけて(早期診断)、脳のリハビリ(早期治療=注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉が活性化する自分なりのテーマを実行する生活の継続)に励めば、治すことが出来ることも知らないのです。

(2) それ等のは、外観上の観測に基づく「憶測の類」というしかないのです。何故なら、認知機能を問題にしながら、彼らが調べるのは、左脳と右脳の働き具合をMMSE(又は、長谷川式)でテストするだけなのです。肝心要の機能である『前頭葉』(意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている機能)の機能レベルについては、無関心なのです。『前頭葉』の機能レベルを、精緻に判定することが出来る手技を持たないので、省略しているという訳なのです。「二段階方式」の手技を活用して精緻に判定すると、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』の役割、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに衰えてきていることが確認されるものの、(その一方では)馬車を牽引する役割の左脳と右脳の機能は正常な機能レベルにあることが確認されるのです。これこそが、世界中の『アルツハイマー型認知症』研究の権威とされる機関や人達が、未だに気づいていない(見落としている)段階、『アルツハイマー型認知症』発病の最初の段階であり、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状として、私たち「二段階方式」が『三段階に区分』するうちの、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階と名付けている本当の意味での早期の段階のことなのです(『小ボケ』の段階で確認される特有で類型的な症状については、&3 を参照して下さい。脳のフレイルとか、不活発症状とか、MCIに相当と主張する人達は、こうした症状を外観的に観察して取り上げているだけのものなのです)。所謂物忘れの症状は、加齢という要因のみが原因で発現してくるのです。加齢に起因した前頭葉の老化曲線(私たちが、正常老化曲線と名付けていて、NHKのチコちゃんに叱られるでも取り上げられたデータ)では、前頭葉の機能が正常なレベルを保ちつつ、物忘れの症状が発現してくることが示されているのです。他方で、アルツハイマー型認知症の発病者に見られる記憶障害の症状(記憶障害に起因した症状を含む)は、前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在って、且つ、中ボケの後期(MMSE19点以下15点以上)から大ボケの段階にあると判定されたお年寄りにしか確認されない症状なのです。前頭葉の機能レベルが正常か/異常かを精緻に判定すれば容易に鑑別できるのです。

&2  医師達が見つけて居る段階が『遅すぎるだけ』

認知症の診断が専門の医師に言いたいのです。『様々な種類が数有る認知症の内の90%以上を占めている上に、認知症専門の研究者達から「治すことも、発病を予防することも出来ない」とされている「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治すことが出来ないタイプの認知症ではない』のです。治すことが出来ないのは、医師が見つけている段階が遅すぎるからなのです。物忘れ外来』の看板を掲げて、早期診断とか銘打ってアルツハイマー型認知症の診断を行っている病院が多いのです。ところが、彼らが実際に見つけて居るのは、「脳のリハビリ」の実施による回復が最早困難な段階末期の段階であり、私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の後期で発病を見つけて居るのです。早期診断とは、名ばかりであり、『単に発病のレッテルを貼るだけの診断』が罷り通っているのです。大病院であれば、CTや、MRIや、SPECTや、果てはPETまで持ち出して、高額の診断費用を稼いでいるのです。

米国精神医学会が策定した診断基準である『DSM-4』の内容を鵜呑みにして、その「第二要件」が規定する失語、失認又は失行の症状を確認出来た段階で、初めて、「アルツハイマー型認知症」の発病だと診断しているのです。

私たちが、二段階方式を活用して集積したアルツハイマー型認知症発病患者、14689例の『脳機能データ』によると、『DSM-4』の規定の「第二の要件」が確認を要求している失語や失認や失行の症状は、30点が満点のMMSEの得点が一桁になるまでに、『前頭葉』を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた「お年寄り」だけに確認される症状、言い換えると、『極めて重度の症状』なのです。私たちの区分で言う「末期の段階」である『大ボケ』の段階(「かなひろいテスト」により、『前頭葉』の機能が異常なレベルにあると判定されMMSEの得点が換算値で14点以下0点迄の範囲)の、更に後半の段階になって初めて発現が確認される症状なのです。初期症状との規定内容が重大な誤りであり、実際は、極めて重度の症状であることに医師も学者も、研究者も早く目を醒まし、規定の誤りに気づいて欲しいと切に願うのです。

アルツハイマー型認知症』の症状には、失語や失認や失行の症状よりもっと軽い段階の症状、私たちの区分で言う『小ボケ』及び『中ボケ』の段階の症状があり、加えて、本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階で見つけて、『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」、脳の使い方としての「生活習慣」の改善をいいます)を実施することにより、症状を治すことが出来るのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに引き戻すことが出来、且つ、そのことにより、「アルツハイマー型認知症」の症状が消滅する)。『DSM-4』の規定の誤りに気付かないでいて、或いは、金科玉条として敬い、『極めて重度の症状を基準に発病と診断している』為に、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ない』と思い込んでいる、誤解しているだけなのです。

医学会でのこの状態が何時までも放置されていて、本当の意味での早期の段階(小ボケ及び中ボケ)に学者も医師も無関心である結果、『政府大綱』においてさえも、早期診断による回復も発病自体の予防も、国策としての「テーマ」とはされなくて、『介護の予防』しかテーマにされなかった訳なのです。

&3 発病の最初の段階である「小ボケ」に特有で類型的な症状の8項目

(1)私たちが主張する『小ボケ』の段階の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして、言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの直接の機能的な反映として、発現してくる認知症の症状なのです。

このことを、脳の機能面から定義すると、①MMSEで判定される左脳及び右脳は正常な機能レベルに在るのに対して、②私たちが独自に開発した手技である『かなひろいテスト』で判定される前頭葉の機能だけが既に異常な機能レベルに在るのです。世界中の専門家とされる人たちが、未だにこのことに気が付いていないのです。左脳と右脳の機能レベルだけを問題にして、「物忘れの症状」とかに注目していたりするのです。ところで、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』については、研究自体が遅れていて、未だに深い理解が専門家の間でもなされていないのです。脳の中の空白地帯とか言われて、『実行機能』という言葉だけが独り歩きしている状況なのです。その説明は、極めて幼稚で簡単なものでしかないのです。何をもって専門家とされるのかを疑うのです。前頭葉の機能レベルの判定が置き去りにされて馬は元気な状態でも、御者が居眠りしてる』のに)、左脳と右脳の機能レベルをMMSE(又は、長谷川式)で判定するだけの認知機能レベルの判定が大手を振って、横行しているのです。その結果として、憶測や推測に基づいただけの診断が行われているのです。

(2) 以下は、私たち「二段階方式」独自の理解に基づく主張です(世界で唯一)。

「アルツハイマー型認知症」は、『意識的な世界』、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、実行に移す際に、様々な程度及び態様に因る支障、認知症の症状が発現してくる病気なのです。私たち「二段階方式」は、脳全体の司令塔の役割を担っている前頭葉が異常な機能レベルに在ることが核心的な条件で、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプットが、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現するという「独自の視点」に立脚し、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能レベル』を精緻に判定できる手技である『かなひろいテスト』を開発し、北海道から九州に跨る450を超える市町村での住民参加型の『地域予防活動』の実践指導により、私たちの主張内容が正しいことを疫学的に実証してきたのです(二段階方式が考える「意識の機能構造」については、このブログ【F-02の&2】を参照して下さい=私たちが提示する仮説です)。

(3)世界中の認知症研究の権威とされる機関や人達が未だに、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、一旦発病すると治せないし、発病自体を予防することが出来ない』と主張している中で、そうした主張とは真反対の見解、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎないのであり、早期診断と脳のリハビリの実践により治すことが出来るし、前頭葉が活性化する生活習慣の継続的な実践により発病自体を予防することが出来る』と主張しているのです。猶、ここに言う『生活習慣』とは、『仕事とは無縁の日々の暮らしとなる「第二の人生」を送る上での脳の使い方としての生活習慣を言う』ものであり、『食生活とは無関係のものであること、糖尿病の発病とも直接の因果関係は存在していない』と主張しているのです。

注意の分配力』という機能の出番が極端に少ない脳の使い方としての生活習慣の継続が、発病させ及び重症化を進行させる『核心的な条件』なのです。

(4)『前頭葉』という脳機能は、脳全体の司令塔の役割を担っているのです。分かり易く言うと、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者』が「前頭葉」という脳機能なのです。少し専門的に言うと、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界の要である『意識』(意識状態)を創出し、構築し、支配し、管理し、統合し、統括していて、脳全体のコントロールタワーの役割を担っているのが『前頭葉』(「前頭前野」に局在する脳機能部位)なのです。  

従って、手足の役割でしかない左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在ろうとも、司令塔の『前頭葉』の機能が異常なレベルに在る小ボケの段階の症状は、認知症の症状、「アルツハイマー型認知症」の症状と考えるべきものなのです(左脳、右脳及び運動の脳は、馬車を牽引しているに過ぎないのであり、御者である前頭葉の機能が異常なレベルに在ることのアウトプットは、全て異常なものでしかありえない、即ち、認知症の症状の発現と考えるべきものなのです。『前頭葉』の機能構造、或いは、『意識』(意識状態)について無知な人達は、この重大で核心的な要素及び視点を欠くと言うしかないのです。認知症研究の専門家と自称するのであれば、外観だけを観察し、脳のフレイルとか、『不活発病』とかの名前を付けたり、外観から観察された「物忘れの症状」を判定の為の核心的要素とするだけの『MCI』などを持ち出すのではなくて、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの面から、認知機能のレベル(正常か/異常か、何処まで異常なのか)を客観的な手法により判定し、鑑別すべきなのです。

小ボケ』(軽度認知症)の段階に特有で/類型的な症状の8項目

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 同じことを繰り返し話したり、同じことを何度も尋ねたりする

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられず、何も思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端な事を繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

1私たち「二段階方式」では、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしている類型的で典型的な症状としての『30項目問診表』を様式化して、チェックしています。その『30項目問診表』は、小ボケ、中ボケ、大ボケの各段階ごとに10項目ずつを選別してあります(私たちは、回復可能な小ボケ及び中ボケにターゲットを置いているので、大ボケは、回復が困難な段階に入っていることが確認される症状だけにしか関心がないのです。極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状を見つけることには、関心が無いのです)。

現状において、脳の後半領域の働きである左脳と右脳の働き具合を判定する病院は多い(MMSE又は長谷川式を活用)のですが、私達人間だけに特有な世界である意識的な世界の創出者、構築者、統括者であり、脳全体の司令塔の役割を担っている肝心の『前頭葉』(就中、注意の分配力の機能)という機能の働き具合を精緻に判定することが出来る手技は、未だに開発されていないのです(私たちの「かなひろいテスト」が唯一の手技なのです)。

2 分析、理解、判断、発想、計画、修正、比較、選択、洞察、推理、シミュレーション、検索、決断、抑制、忍耐、感動等、数十種類にも及ぶ「前頭葉」の個別認知機能(『実行機能』)の顕在的な機能の発揮度が、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能に左右され、下支えられている関係、私たちが(実際には、Tadが)独自に発見し、『「前頭葉」の個別認知機能発揮上の「二重構造の関係」と名付けている』両者の関係の理解に基づき、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能レベルを精緻に判定することが出来る手技として開発したのが「かなひろいテスト」なのです(副所長が浜松医療センター脳外科に勤務時、就いていた金子医師と共同して開発。「脳機能データ」を集積し、分析し、標準化)。「前頭葉」の機能レベル、中でも、『注意の分配力』の機能レベルの精緻な判定が、「アルツハイマー型認知症」の発病、症状の段階区分、様々な程度及び態様により発現してくる個々の症状の理解、更に、「アルツハイマー型認知症」の治療方法としての「脳のリハビリ」の為の「生活習慣」の改善内容の組み立てには不可欠となるのです。

3意識的な世界は、思考であれ、行為であれ、言語の表出であれ、行動であれ、何等かのテーマを意識的に行う世界のことであり、上述した、三頭立ての馬車が運行される世界のことなのです。実行するテーマの内容、「実行機能」が働く過程における「前頭葉」の三本柱の機能、就中、『注意の分配力』の機能の関わり具合が、「社会生活面」や「家庭生活面」や「セルフケア」の面で、様々な程度及び態様により、そのまま発現して来ることになるのです。その機能構造の下で、「第二の人生」を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」(二段階方式が規定する発病第一要件=基礎条件)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』を繰り返し、継続していると(二段階方式が規定する発病第二要件=加重条件)、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行く結果として(発病及び症状の重症化が進行するメカニズム)、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに衰えて行く段階が発病(小ボケ)であり、左脳、右脳及び運動の脳までもが異常なレベルに衰えてくる段階から重症化が進行して行く(中ボケ、大ボケ)ことになるのです。『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルのアウトプットとして三段階に区分される認知症の症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状が発現して来ることになるのです(「二段階方式」が、世界で最初に、主張し、実証)。

NO(イッサンカチッソ)を注入し(服用し)、血管を膨張させたところで、意識的な世界で『前頭葉』を使ってやらない限り、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する効果は出ては来ないのです。ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続されている限り、どれだけのNOを服用しようとも、廃用性の機能低下が進行して行き、発病の場面を迎えることになるのです。東北大学の研究は、時間とコストと人材の無駄遣いに終わるだけなのです。そもそも、マウスを研究対象にしていること自体が時代遅れなのです。マウスには、注意の分配力の機能も、前頭葉の機能も備わっていないし、意識的な世界とは無縁の動物なのですから。加えて、記憶障害に起因して発病する訳ではないことを注意喚起したいのです。

 &4 お年寄りの自動車事故と『注意の分配力』の機能の働き具合との関係

信号無視で人をはねたり、歩道を通過して人をはねたり、お店に突っ込んだり、『お年寄り』が自動車事故を起こす場合、前頭葉を含む脳全体の機能が正常なレベルに在る場合でも起きるのですが、『アルツハイマー型認知症』を発病して、小ボケや中ボケの段階にある「お年寄り」が起こしている場合が多いのです。

加齢に起因した運動機能の衰えとか、動体視力の衰えとかの問題以前の極めて重要な視点が置き去りにされているのです。その核心的なテーマこそ、加齢に起因した注意の分配力の機能の衰え、就中、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因が加重された問題、『アルツハイマー型認知症』を発病していて、専門家達から見落とされる段階、早期の段階(小ボケ及び中ボケの前期にあるお年寄りであって、中ボケの後期や大ボケの段階のお年寄りは、自動車の運転自体が行えない『脳の機能レベル』の状態にあることに注意が必要)にある「お年寄り」の運転事故が野放しなのです。『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに衰えてきているという視点を持たない専門家達は、単なる老化現象勘違いしているのです。『注意の分配力』の機能が異常なレベルに衰えてきていることが原因で『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに在る結果、『実行機能』がちゃんと機能していないのです。

※ 専門家とされる人達は、アルツハイマー型認知症の症状は、失語(簡単な会話さえもままならない状態を言います)や失認失行(歯ブラシを使うことさえも出来ないようなレベルのことを言います)の症状が初期症状であると思い込んでいる(重大な誤解)為、事故後にそれなりに話が出来ることと事故を起こしたとはいえ、それなりに車を運転していたことなどから、『アルツハイマー型認知症』の発病者とは考えないで、加齢による運動機能の衰えとか動体視力の衰えが事故の原因と勘違いしているのです。本当の意味での早期の段階、私たち二段階方式の区分で言う小ボケ又は中ボケ(の前期)のお年寄りが自動車を運転しているとは想像もしていないのです。

実は先日、Tad自身が後期高齢者講習としての認知機能検査を受講してきたのです。その内容はというと、最も肝心な要因である『注意の分配力の機能自体が正常な機能レベルに在るのか/異常なレベルに在るのかを精緻に判定することが出来る内容とはなっていない』ものなのです。『何枚かのパネルで絵を見せて、割と簡単なテストで「記憶力」を調べてみることと時の見当識の判定が中心の内容』のものなのです。こんなテストでは、『小ボケ』は見つけられないし、『中ボケの前期』も見落としてしまうのです。結果として、小ボケや中ボケの前期の段階にある高齢者が、日常的に自動車を運転していることになっているのです。時速が2030kmスピードでノロノロ運転していて、自分の後ろに何台もの車がくっついて、ゆっくり走っていることにも気付かない『お年寄り』が多いのです。

日常の会話レベルの内容やテーマであれば、それなりのことを話すので、認知症の診断が専門の医師達も気づいていないのですが、『前頭葉』の機能レベルを「かなひろいテスト」で判定してみれば、容易に分かることなのです(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに在って、車の走行中に不可欠の機能として要求される、肝心の『注意の分配力』の機能が異常なレベルに在って、咄嗟の判断やシミュレーションの機能が的確には働いていないことが確認されるのです)。

自動車を運転して、道路を走行するということは、一定の機能レベルでの意欲注意の集中力の発揮が要求されることは勿論のことなのですが、正常な機能レベルでの『注意の分配力』の機能の発揮が要求されることに、専門家とされる人達が気づいていないのです。「注意の分配力」の機能低下が関わっているらしいとは分かっているのですが、具体的な働き方が分かっていないのです。人や車が常に行き来する道路を車で走行するということは、『注意の分配力』の機能が、「正常な機能レベルに在る」ことが要求されるのです。車を走行しているという状況下では、道路の状況が常に変化し、信号の確認が要求され、人や車の行き来にも十分な注意を払うことが要求され、走行している車の速度の判断と調整が要求され、周りの景色も常に変化しているのです。単に、車を運転するだけで、デュアル・タスクどころか、10を超える数の異なる「テーマ」に対し「注意を分配」し、且つ、同時に、並行し、重層的に、適切に処理することが要求される。こうした状況に対処できる機能が、注意の分配力の機能なのです。

)『注意の分配力』の機能とは、過去、現在及び/又は未来に直接及び間接的に関わる『テーマ』であり、異なる複数の錯綜する「テーマ」について(浮かんでは消え、更には再復活して来ることもある種々で多岐に亘る)各々の「テーマ」を記銘度の差のままに保持しつつ(或いは、それまで単に保持していただけのテーマを喫緊の課題として意識に顕在化させて来ることもある)、同時に並行して、重層的に処理する(している)脳機能であり、その発揮には、意欲及び注意の集中力の機能が常に前提条件としての関わりを持つ脳機能なのです。

&5 「アルツハイマー型認知症」を発病する対象は、『高齢者だけ』なのです

社会的に大きな影響を有する自覚が不足しているせいなのか、NHKが、『若年性アルツハイマー型認知症』なるものについて、間違った情報を流し続けているのです。この「テーマ」の番組が組まれ、繰り返して放送されているのです。60歳よりも若い年齢での発病者を『若年性認知症』、60歳以上での発病者を『老年性認知症』として区分しているということでした。猶、その番組が取り上げている対象である認知症は、「アルツハイマー型認知症」のことなのです。但し、生来的に特定の遺伝子に異常が存在している人達だけを対象として発病が確認されるもので、30歳代から50歳代どまりの「若年発症」が特徴である、所謂、「アルツハイマー病」とは全く異なる種類であるので注意して下さい。

 報道番組で取り上げていたのは、アルツハイマー病ではなくて、『アルツハイマー型認知症』であり、題名が若年性アルツハイマー型認知症なのです。そもそも、「アルツハイマー型認知症」の真の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』なのであり、「第二の人生」を送っている、60歳を超える年齢の「高齢者」だけが発病の対象となる、「老年発症」が特徴であることを知らない為、そうした名称の番組を組んだのでしょう。では、番組で取り上げられ、登場していた人達の真の病気はなんであったのか。番組の内容から察するに、正しくは、『側頭葉性健忘症』という病気なのです。『側頭葉性健忘症』は、そもそも、認知症ではないのです。認知症は、認知機能の障害の一種であり、後天的な脳の器質的障害/或いは、廃用性の異常な機能低下の進行により、いったん正常に発達した機能が不可逆的に低下(器質障害が原因である場合)/或いは、可逆的に低下(廃用性の機能低下が原因である場合で、早期の段階の場合)した状態(認知機能に障害がある状態)を言うものなのです。認知機能は、理解、判断、論理などの知的機能のことを言い、前頭葉、左脳、右脳及び運動の脳の働きが関わるのであって、中でも、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』が最も高度な役割を担っているのです。

アルツハイマー型認知症の発病者である場合は、必ず、常に、前頭葉の機能が最初に異常なレベルに衰えて行くのが特徴なのです(発病の最初の段階である小ボケでは、左脳も右脳も運動の脳も全て正常な機能レベルに在る中で、唯一、『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに在ることが確認されるのです)。

一方で、重度の記銘力障害海馬の萎縮を特徴とする『側頭葉性健忘症』は、『前頭葉』の機能が正常なレベルにあることが確認されるのであり、認知症ではないのです。重度の「記銘力障害」(「脳の変性」が原因で、新しい記憶が、入って行かない)と「海馬の萎縮」が認められる為に、『記憶の障害に起因して、アルツハイマー型認知症の症状が発現するもの』とする想定条件自体が重大な誤りであることに気づかないで、即ち、「アルツハイマー型認知症」の発病自体のメカニズムに対する誤解から、「アルツハイマー型認知症」の発病者と間違えられるケースが極めて多いのです。その結果、若年で「側頭葉性健忘症」を発病した人が、「アルツハイマー型認知症」の発病者であると誤診され、この世に実在していない病気、『若年性アルツハイマー型認知症』の発病者であるとする重大な誤りの内容の報道が、性懲りも無く、繰り返されているのです。

 ※私たち「二段階方式」のように、『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来る『手技』さえ持っていれば、両者を鑑別することは、難しくはないのです。両者を鑑別する為の客観的な手技と視点を持たない上に、「記憶障害」という要素が、「アルツハイマー型認知症」発病の要因であると誤解していることが原因なのです。『記憶の障害』と或いは、記憶の障害の症状(記憶の障害に起因した症状を含む)と『アルツハイマー型認知症』の発病との間には、直接の因果関係は存在していないのです。記憶の障害自体が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の機能低下の進行により異常な機能レベルにあることに起因しての機能障害として発現してくることに、未だに気が付いていないことに警鐘を鳴らしておきたいのです。あとでゆっくりと考えて、作り出した『アクセルとブレーキを踏み間違えたんです』という言葉に、簡単に、惑わされないで頂きたいのです。注意の分配力の機能は、所謂、頭の回転にも関わる機能なのです。咄嗟の認知と判断と必要な対応を考え、対策を実行するにも、注意の分配力の機能が正常なレベルに在ることが不可欠となるのです。

)本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』【但し、食生活は関係なくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)に過ぎない『アルツハイマー型認知症』は、『第二の人生』を送る上での日々の暮らし方、「脳の使い方」としての『生活習慣』が発病するか/しないかを区分ける唯一の要因なのです(このブログのE-09の&5を参照して下さい)。

アルツハイマー型認知症発病の要因は、2つだけなのです。1つ目の基礎要因が、加齢に起因した脳機能の低下であり、2つ目の加重要因が、第二の人生を送る上で繰り返され継続される脳の使い方としての「生活習慣」という要因なのです。生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な『生活習慣』、私たち二段階方式の用語で言う、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』という要因なのです。異なるこの2つの要因が、同時に存在し、充足されることに因る『相乗効果』に因り、廃用性加速度的異常な機能低下が進行して行くことが真の原因で発病し、症状の重症化が進行して行くのです。糖尿病の発病も、食生活も、発病との間に直接の因果関係は存在しないのです。

左脳」が主管する『仕事』とは無縁の日々となる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』の日々の暮らし方、脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が、発病するか/しないかを区分ける核心的な唯一の要因なのです。

廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病が真の本態である『アルツハイマー型認知症』は、発病自体を予防することが可能なのです。その『発病を予防する、脳の使い方としての「生活習慣」とは、「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する自分なりのテーマ目標を持った暮らし方ということになるのです。『注意の分配力』の機能が管理し、コントロールし、統括する『実行機能』(Executive Functionの各構成要素=分析、理解、考察、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、評価、比較、選択、判断、決断、抑制、感動等の機能)の出番が多くて、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する暮らし方を自分なりに模索し、楽しみ乍ら行使する場面や機会が出来るだけ多い「テーマ」を選択して、自分なりの「目標」を設定して、自分なりに楽しみながら、実行する生活を継続するのです。

『生活習慣』となる為には、継続出来ることが極めて重要なので、『自分なりに楽しめる』という要素が必要なのです。そうした「テーマ」を選択し、実行の計画をすること、目標を設定すること、実行すること、目標達成の結果を残すこと、それらの各過程自体が、自分なりの楽しみや喜びに繋がり、目標の達成が達成感の獲得や喜びや生き甲斐に繋がるような「テーマ」の実践が、有効な方法となるのです。それ以外に方法は無いのです。『薬も、機能性表示食品』も効かない、脳をしっかりと使ってやる生活だけが、唯一の方法となるのです

&6 持続可能な『超高齢社会』を維持する為に不可欠の条件

①我が国日本は、超高齢社会を達成しているだけでなくて、世界の先頭をひた走っています。この先さらに、超高齢者の数が増加すると予測されてもいるのです。言い換えると、身体が持つお年寄りの割合が高いということなのです。『第二の人生』が20年も30年も続くことになる我が国日本の『超高齢社会』の特徴を簡単に言うと、『身体が持つお年寄りがとても多い一方で、肝心の脳が持たないお年寄りの割合がとても高い』ということになるのです。『第二の人生仕事とは無縁=左脳の出番が少ない』を送っているお年寄り達の中で、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りが極めて多いのです。二段階方式の推測値で言うと、60歳代では12%、70歳代では30%、80歳代では50%、90歳代では75%にもなるのです(厚労省が発表している発病者は、末期の段階のお年寄り達、大ボケだけの数であるのに対し、二段階方式の発病者数には、小ボケ及び中ボケの数も入っていることに注意して下さい)。

政府大綱は、発病自体の予防と早期診断による回復というテーマについては、将来の研究テーマとするとの位置づけを明記していて、当面のテーマは、介護の予防であるとしているのです。発病自体の予防にも、早期診断による回復にも、何等の公的な対策が実施されていなくて、放置されている結果として、「末期の段階」である大ボケの段階にまで症状が進行して行き、日常の生活面での「介護」が不可欠のお年寄り達が、田舎だけでなく都会にも溢れているのです。このまま放置しておくと、財政面から、介護保険制度が破綻してしまいそうな状況にあるのです。その結果として、家族介護が推奨されていて、老々介護や認認介護や、果ては、介護離職までもが増加してきている状況にありながら、マスコミも野党も、特段の問題意識が無いのです。現役世代が親の介護の為に離職する、所謂、『介護離職』した人達の数は、既に年間で10万人の大台に乗っていて、累積総数で100万人を超えているのです。

持続可能な『超高齢社会』を維持する不可欠の条件は、介護保険制度の充実ではないのです。ましてや家族介護の浸透でもないのです。対策すべき本来の方法は、唯一。発病自体の予防と早期診断による回復を国策として実施することに尽きるのです。発病自体の予防も、早期診断による回復も両者共に、一定規模の売り上げと利益の確保が不可欠となる医療機関の出番はないのです。私たち「二段階方式」が実証してきた方式、アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動の国策に因る実施が唯一の方策となるのです。その担い手は、医療機関や医師ではなくて、無償で活動を展開し継続することが出来る、市町村の保健師さんなのです。

上述したように、様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を「アルツハイマー型認知症」が占めているのです。その「アルツハイマー型認知症」について、世界的な権威が今猶保たれている「DSM-4」が規定する「第一要件」の内容も「第二要件」の内容も、重大な誤りなのです。「DSM-4」が規定し確認を要求している「第一要件」の規定内容が正しいものとした前提のもとに、発病原因について提唱されている「4つの仮説」について、アミロイドベータ説を含む仮説の主張内容が、全て重大な誤りの内容であるというしかないのです。

私たち「二段回方式」が、北海道から九州に跨る452の市町村での「実践活動」により実証してきているように、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病』に過ぎないのであり、「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』の創意工夫と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るものなのです(私たち「二段階方式」の主張内容が、あと数年の内に、『世界標準となる』ことを予告しておきます)。

&7 アルツハイマー型認知症の発病を予防する脳の使い方としての生活習慣

(1)『アルツハイマー型認知症』の発病を予防する効果的で唯一の方法は、『前頭葉』が活性化する『生活習慣』の構築と実践です。就中、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」を、日々の生活面で実践する『生活習慣』の構築と実践であると言いました。『自分なりの「喜び」や「生き甲斐」を覚える機会があり、時間の経つのを忘れて打ち込むことが出来るような、何等かの趣味や交遊や運動や地域活動への参加等の「テーマ」を自分なりに楽しむ生活、或いは、祭事や行事の復興や復活等、居住地域での「地域行事の活性化活動」に積極的に参加し、参画する関わり方、自分なりの「目標」がある日々の暮らし方で、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化する脳の使い方としての『生活習慣』を構築し、実践することが、有効な方法となるのです。
とは言え、『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の個々の『高齢者』について言うと、「第一の人生」でのキャリアも異なり、「第二の人生」を送る上での条件(居住する地域の条件)自体が大きく異なる上に、経済的な条件(金銭的な条件及び居住条件)及び家庭的な条件(家族構成及び家族関係)、更には、肉体的な条件も様々に異なる訳なのです。上述した『大枠の条件』を基にして、自分なりのものを、具体的に工夫して、選択して頂くしか方法がないのです。
その場合に最も考慮すべきことは、第二の人生は、左脳が主役となる『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となることなのです。「脳の使い方」としての『生活習慣』の有り様が、発病するか否かを区分ける決定的な要因であるにも拘らず、左脳が主役の座から外れた生活習慣で、『前頭葉』を含む脳全体を活性化させることが要求される(「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような「テーマ」の選択と実践が要求される)ということを深く理解する必要があるのです。言い換えると、『右脳と運動の脳の活用が不可欠となる』のです。

「仕事」が主役であった「第一の人生」での送り方とは、根本的に異なる脳の使い方としての『生活習慣』の構築と実践とが要求されることになるのです。
日々の追求すべきテーマに「仕事」があるということは、時間を限って自らが達成すべき『目標』が有り、目標を達成するために、創意や工夫や洞察や推理やシミュレーションや比較や選択や決断等、各種の実行機能の出番が増えて、それらの機能の発揮度を支配し、下支えている機能である「意欲」、「注意の集中力」、就中、『注意の分配力』の機能の出番が必然的に多くなるので、『前頭葉』を含む脳全体の機能が活性化することになるのです。
仕事とは無縁となる『第二の人生』では、実行機能の出番が多くて、注意の分配力の機能の出番が出来るだけ多くなるようなテーマとは何が適切なのか、自分なりのものを見つけ、『生活習慣』として構築し、実践することが求められるということなのです。そうした条件を満たす『生活習慣』を構築し、実践し、継続できる「高齢者」だけが、『アルツハイマー型認知症』の発病とは無縁での、『第二の人生』を楽しむことが出来るという訳なのです。『ボケーっと過ごしていたのではボケる!あなたの創意、工夫、努力が求められている』のです。
右脳と運動の脳を使うテーマ、趣味や遊びや人付き合いや運動などについて、自分なりのテーマを見つけて、人と交わる場所や機会を見つけて、自分なりに楽しみ、自分なりの喜びや生き甲斐を見つけることが必要不可欠となるのです。
(2) その場合も、私たちが提起しようとしている住民参加型の地域予防活動』(二段階方式の手技を活用して、市町村の保健師さんとボランティアとが協同して展開する『アルツハイマー型認知症』の早期診断による回復、介護の予防並びに発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」)の全国展開を拡大していく際、過去の経験に照らして、或る程度のパターン化が必要で有益と考えているのです。
『パターン化』して、その中から選択して頂くことが有益な方策と考えるのです。こうしたことにも、先達が居る方がやり易いと考えるのです。『キッカケ』の発生を契機に開始され、継続される単調な『生活習慣』、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な暮らし方)が始まるのは、『意欲の喪失』が起きてくるからなのです。キッカケの発生とその状況の継続が原因で『意欲がそがれる』ことに因り、何事に対しても挑戦しようとはしなくなるのです。自分がそのとき置かれていた状況に対する『深い失望』が原因となり(「キッカケ」発生前に送っていた喜びや生き甲斐のもととなっていた自分なりの「生活習慣」を取り戻せないことによる失望感により)、その状況から立ち上がり、這い上がっていこうと出来なくなる状態の継続で、何事に対しても『意欲を喪失してしまう』のです。意欲を喪失』したことで『何事に対しても挑戦しなくなる』ということなのです。言い換えると、意欲を喪失することになる『キッカケ』自体は、『何でもあり』ということ。その人の意欲を喪失させることが、単調な「生活習慣」が開始される「キッカケ」になるということなのです。
『飼い猫が死んだ』ことが、キッカケになる人もいるのです。『孫が大学に受かって上京し、孫との日々のかかわりの機会がなくなった』ことが、キッカケになる人もいるのです。滑って転んで骨折して、養生の為に身体が寝たきりの生活をしていると、脳も寝たきりになるという事例も多いのです。喜びと生き甲斐の場であった「趣味の会」が無くなることが、キッカケになる人も多いのです。要は、『キッカケの発生というその状況に対する本人の受け止め方(周りからの支え方)次第』ということになるのです。言い換えると、「キッカケ」になりそうな事件や状況は、何でも有り(人それぞれ、人による、誰にでも起きる可能性がある)ということなのです。 誰もが、対応できる環境や方法を事前に準備しておく必要があるということなのです(意欲自体前頭葉の三本柱の機能の一翼を担っていて、加齢により機能低下が進行して行く性質があるのです)。
)何でも有りなのだから、『意欲を喪失しない為の対策となる生活を出来るだけたくさん準備しておくことが大切』なのです。『出来るだけたくさんの趣味や遊びを楽しむ「生活習慣」を構築』しておく、『出来るだけたくさんの仲間との交遊の輪や交遊の場』を広げておく。それが、予防対策になるのです。
『第二の人生』を送っている個々人は、全てが異なるのです。第一の人生での体験や職場での様々な経験も異なるし、キャリア自体が異なるのです。考え方も生き方も異なるし、興味や関心の対象も異なるのです。『生活資金』の額も異なるし、家庭環境も家族環境も異なる、「第一の人生」が異なっていたように、『第二の人生』での過ごし方、生き方も異なることになるのです。
それら全ての相違や差異を容認した上で、要は、自分なりの求め方、『生き方』をするしかないのです。『選択の是非無く存在する現在の自分に許容された生活環境の下で、「自分なりの」という条件の下で生きていくしか、他に方法は無い』のです。『注意の分配力』の機能が発揮される基礎に「意欲」の機能があるのです。そもそも、「加齢」という要因に因り意欲の機能は低下していく傾向にあるのです。「意欲」を低下させないためには、自分が置かれている状況を肯定することが出発点でもあるのです。
自分なり』の「テーマ」を選択し、『自分なり』の「目標」を持ち、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」が得られるように創意、工夫、模索して、努力しつつ、『第二の人生』を積極的に生きることが要求されるのです。 周りと比較する必要はないのです。評価の物差しが個々人毎に異なるので、『自分なりの』という条件が重要となるのです。
仕事が無縁となり「左脳」が活躍する機会と場面とが大幅に少なくなる第二の人生』では、残った右脳及び運動の脳が活躍する「テーマ」の選択が不可欠となります。趣味や遊びや人付き合いや、居住地域の地区の活性化などから、自分なりの「テーマ」を選択して、自分なりの『目標』を持つことが、「アルツハイマー型認知症」とは無縁で「第二の人生」を乗り切るために不可欠となるのです。そこで考えたのです。「左脳」が専管する仕事とは無縁となる「第二の人生」という日々の生活を送る上での『前頭葉』を活性化させる視点からの何等かの指針、或いは、指標となるものの活用が有益で、有効だと考えたのです。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病のメカニズム、発病を予防する為のあるべき「生活習慣」の類型について分かり易く記述した小冊子、基本書が必要で有益だと考えているのです。『前頭葉』が活性化する「生活習慣」の指標となる内容を標語化した「万年カレンダー」や、「脳イキイキ手帖」等を導入市町村を通じて直販したいと考えてもいるのです。それぞれの原稿はすでに書きあがっているので、後は、皆さんが読み易いように、眺めて楽しくなるよう、表現の仕方を工夫し、挿絵を入れたら、完成という訳。
『仕事一筋』であった人達が「第二の人生」に踏み込んだ時、「第一の人生」での過ごし方、脳の使い方としての「生活習慣」が邪魔をするのです。『仕事』とは無縁となる第二の人生の送り方、「第二の人生」での脳の使い方としての『生活習慣』の選択について、どのような「テーマ」を選択して、どのように行っていけば良いのかが全く分からなくて(仕事一筋の「第一の人生」で、趣味や遊びの経験が乏しく、先達もいない)、『時間だけは余る程有るのに、することが何もない』というケースが、皆さんが想像される以上に多いという現実があるのです。
身体が持つ期間が極めて長くなり、結果として、『超高齢社会』に突入することとなり、『アルツハイマー型認知症は、原因不明で治らないし、発病を予防することが出来ない』とする誤った情報が発信され続けていて、何等の正しい情報発信が為されないことに因り、「正しくて、必要な対策」が為されない状況下で、「アルツハイマー型認知症」の発病者が、更に、日常の生活面での介護が不可欠のお年寄り、末期の段階である「大ボケ」の段階のお年寄りが増え続けているのです。『身体がもつ限り、「第二の人生」は続いていく』のです。
そうだとしたら、個人としても、家族としても、地域としても、市町村としても、国家としても、『身体がもつ限り、脳も持たせること』が、必要不可欠の条件となるのです。その具体的で有効、有益な方法が、『第二の人生』を、出来れば自分らしく、『自分なりに』、元気に駆け抜けること、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような、個々人の『前頭葉』の機能が活性化するような、「脳の使い方」としての『生活習慣』を構築し、実践を継続することが求められるのです。 我が国に特有であった家族主義的な価値観、地域全体が家族のような「密な関わり方」を持って交流し、互いに助け合って生きていく、『相互扶助の価値観』を基礎とした社会の構築。誰でもが、80歳や90歳まで生きるのが当たり前の「超高齢社会」では、この『相互扶助』の価値観を社会のベースに置くことが、『脳も持たせる』上で、不可欠の条件となるのです。

 本著作物「Fー03」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用するに際しては、『著作権法』の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください) 

   

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アルツハイマー型認知症について権威が語る内容は、全てが誤り(F-02)

2021-02-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

&1アルツハイマー型認知症の原因、対処方法について権威達が語る内容は、全てが誤り

Ⅰ.DSM4の規程の「第一要件」も「第二要件」も、両者共に規定内容が誤り(DSM-5は、用語をアトランダムに並べているだけで、基準とは名ばかりなので、取り上げません)。

1.第一要件の規定内容は、「アルツハイマー型認知症」が記憶障害に起因して発病すると規定しています。この規定は、発病患者の発言や行為や行動を単に外観的に観察しての推測や憶測に基づいたものに過ぎないのです。記憶の障害が発病を惹き起こしているとする客観的な証拠データが存在していないのです。言い換えると、発病との間の因果関係の存在を客観的な証拠データで証明することが出来ていないものなのです。私たちが二段階方式を活用して集積した「MMSE下位項目の項目困難度」、小ボケ及び中ボケの期間に関する「標準的な滞留期間」の存在、「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因」等の脳機能データから、第一要件の規定内容が誤りであることが、立証されているのです。

2.第二要件の規定内容は、失語や失認や失行の症状が「アルツハイマー型認知症」発病の初期症状であると規定しているものです。私たち「二段階方式」の実施データによると、失語や失認や失行の症状が発現して来るのは、発病の末期の段階、前頭葉の機能テストである「かなひろいテスト」に不合格の者であって、且つ、MMSEの換算後の総得点が一桁の得点、10点未満となるお年寄り達、末期の段階である「大ボケ」の後期の段階に在ると判定されたお年寄り達だけに確認される症状、「極めて重度の症状」なのです。

Ⅱ.発病原因に関する「4つの仮説」の主張内容は、全てが誤りなのです

1.「アルツハイマー型認知症」の発病原因(メカニズム)に関して提示されている「4つの仮説」は、主張内容が全て誤りなのです。4つの仮説の全てが、『「DSM4」の第一要件の規定内容が、正しいもの』との前提で提示された主張内容だからです。発病との因果関係の立証を未だに出来ないでいて、仮説の儘なのです。『権威が主張したり、支持する内容が、常に正しいわけではない』の典型的な事例なのです。

2.「アミロイドβ仮説」とは「アルツハイマー型認知症」の発症についての仮説であり、2002年に提唱されたもの。アルツハイマー型認知症の原因と考えられている仮説(4つ)の中でも、世界的に現在も通説(支持する学者数が最多の意味)とされているのです。

(1)たんぱく質を分解する酵素の働きの変化により、蓄積しやすいアミロイドβの割合が増えて脳に溜まり始め、アミロイドβの毒性により、神経細胞やシナプスが傷つけられていき、傷ついた神経細胞が次々と死んでいくことにより、脳が委縮し、記憶障害が引き起こされることで認知症を発症する(想定=発病との因果関係の立証は無い儘との仮説です

(2)アミロイドβ仮説に基づいて実施された、新薬開発の試みは、全てが失敗に終わっている結果、現在の主流は、アミロイドβが脳内に僅かでも検知された段階で、それを除去する方法の開発に向かおうとしている。このアミロイドβ仮説の他にも、タウタンパク仮説やアセチルコリン仮説や脳の萎縮仮説などの仮説が提示されています。

(3)アミロイドβが溜まって「老人斑」ができ、「神経原線維変化」が起こると、必ず認知機能が低下してしまうのでしょうか。実はそうではないのです。老人斑や神経原線維変化は、アルツハイマー型認知症の人に特徴的な変化として現れますが、アルツハイマー型認知症ではない人にも見られます。「老人斑」や「神経原線維変化」は、あくまでも結果なのです。発症し、重症化が進行して行き、末期の段階にまで症状が進行して行ったその結果に過ぎないのです(アミロイドβ説の支持者は、小ボケ及び中ボケの段階の症状について無知)。

3.三段階に区分される「段階的な症状」が存在することに関する誤解と無知

我が国だけでなくて、未だに世界的に権威を保っている米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断規定である「DSM4」の第二要件が、発症の初期症状であるとして確認を要求している失語失認失行の症状は、上述したように、「アルツハイマー型認知症」発病患者の末期の段階である「大ボケ」の後期の段階で初めて確認される『極めて重度の症状』なのです。もっと軽い段階であり、「脳のリハビリ」の実施により回復させることが可能である『本当の意味での早期の段階』、私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が見落とされているのです(気づいてもいない)。彼らは、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定出来る手技を持たないので、見落としているのです。MMSEは、左脳と右脳の機能レベルの判定用具であって、前頭葉の機能レベルの判定は出来ないにもかかわらず、認知機能検査では、MMSEしか実施できていないのです。

「DSM-4」の規定に権威がありすぎて、「アルツハイマー型認知症」の研究に従事する世界中の権威達(学者、医師、研究者)が、未だに同じ誤りを犯していることに気づかないでいるのです。昨日まで、友人達と趣味や遊びや交遊を楽しんで暮らしていたお年寄りが、一晩寝て起きたら、「日常の簡単な会話」もままならなくて、娘の顔も分からなくて、ズボンを頭から被ったり、歯ブラシを握ったまま立ち尽くしている等ということにはならないのです。様々な程度及び態様での発現が確認される「アルツハイマー型認知症」の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、三段階に区分される段階的な症状(私たちの区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」)が発現して来るのが特徴なのです。加えて、その症状は、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものが無い)が継続されている条件下で、何年間もかけて、徐々に、重症化が進行して行くのが特徴。世界中の権威達は、この程度のことさえ知らないのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を特徴とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えて行くのが特徴です。

4.認知症全体に占める割合の誤解とその理由

(1) 杜撰な『脳血管性認知症』の診断の横行とその結果

ところで、「脳血管性認知症」は、「脳を養っている大小の血管の障害」である脳梗塞や脳出血に直接起因しておきる認知症を言うものと定義されています。実態面から言えば、脳を養っている大小の血管が閉塞して十分な量の血液を脳に送れなくなったために、脳の働きが全般的(左右の脳の両側性)に低下して、そのことを直接の原因として認知症の症状を起こしてくる「閉塞性血管障害」のものが最も多く、一部に「出血性」のものがあります。どの種類の認知症であれ、「脳の器質的な障害を含む何らかの脳機能の障害によって、正常なレベルとされる程度にいったん完成された知的機能が、全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的に機能低下した状態にあることにより、社会生活や家庭生活やセルフケアに支障が出てきている状態を認知症と言う」とするのが、一般的な認知症の定義の仕方です。「何らかの脳機能の障害」という直接の(原因)により「知的機能の全般的(左右の脳の両側性)且つ継続的な機能低下」という(結果)をきたして「認知症の症状」を呈しているという、「原因」と「結果」との間に直接の「因果関係」が確認されることが必要不可欠なのです。 「脳機能の障害」(原因)が認められると言う為には、脳のある領域に血流の低下が確認され、且つその血流低下を惹き起こしている原因血管が確認されることが必要。次いで、その血流障害がもたらしている「脳機能の低下部位」と認知症の症状を発現させている「脳機能低下の範囲」とが合致(結果)していることの確認も必要。逆に言えば、脳機能の障害という直接の(原因)と認知症の症状という(結果)との間の「因果関係」を厳密に確認することもなく、認知症と診断してはいけない(杜撰に過ぎる)ということなのです。

ところが、「脳血管性認知症」については、数値の問題だけでなくて「診断内容」自体にも、認知症の専門家達の主張には、大きな問題があると言わざるを得ないのです。実際の診察の現場では、「局部的な脳出血や脳梗塞」がある場合(或いは、脳梗塞や脳出血の既往さえあれば)、左脳又は右脳の片側の脳の機能障害による「後遺症」としての記憶障害、或いは言語の障害や手足の身体的な不具合を伴う症状、又は「後遺症」を基にした種々の生活上の不便が認められると、「脳機能の全般且つ継続的な低下」の確認及び原因と結果との間の直接の「因果関係」の確認を行うこともなく、「脳血管性認知症」と診断しているケースが極めて多いのです。その結果、「脳血管性認知症」の認知症全体に占める割合が20%もの大きな数値になっているのです(杜撰な誤診の結果としての数値。5%が正しい数値なのです)。

(2) 本当の意味での「早期の段階が存在する」ことへの無知の結果

我が国の実態で言うと、医療機関での診断では、「DSM-4」の第二要件の規定の影響が未だに強くて、末期の段階の症状が初期症状であると誤解しているのです。大病院になると、CTやらMRIやら、果てはPETまで繰り出して、末期の段階で発病を見つけているのです(機器を総動員することに因って、高額の診断費用を稼ぐことが出来るものの、早期診断とは無縁であって、単に発病のレッテル張りをしているだけの診断なのです)。そのうえ、症状を改善させたり、症状の進行を抑制する効能は有していなくて、症状の発現の程度を抑制したり、昂進させる効能しか有していない対症療法薬を処方して、これまた、診断費用を膨らませているのです。マスコミも野党も問題にしないので、やりたい放題なのです。私たち「二段階方式」が、「アルツハイマー型認知症」の症状を三段階に区分して判定していることには、実は、重大な意味があるのです。「小ボケ」は、「脳のリハビリ」の実施に因り、脳全体の機能レベルを比較的容易に正常なレベルに回復させることが出来る(症状を治すことが出来る)のです。「中ボケ」は、「脳のリハビリ」の実施に因り回復させることが未だ可能なのです。「大ボケ」の段階で発病を見つけても、最早手遅れ、回復させることが困難となるのです。どれだけの権威が有ろうとも、支持する学者の数がどれだけ多かろうとも、「4つの仮説」の主張内容は、全てが誤りなのです。

「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病(但し、食生活は無関係のものであり、「第二の人生」を過ごす上での、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)に過ぎないというのが、二段階方式の主張なのです。私たち「二段階方式」の主張内容が正しいことは、北海道から九州に跨る452の市町村での『「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防、更には、発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践指導により、疫学的方法により、実証済みなのです。カロリンスカ研究所やランセット委員会等に未だ論文を提出していない為に、陽の目を見ていない、注目されていないだけなのです。

(3) 両者を勘案すれば、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を「アルツハイマー型認知症」が占めていることになるのです。皆さんが、日頃、耳にしたり、目にする認知症のほとんどが、アルツハイマー型認知症なのです。そのアルツハイマー型認知症について、権威とされる人達が異口同音に、『発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』と主張しているので、政府大綱では、「発病の予防と早期診断による回復」については、将来の研究課題という位置づけであり、何等の対策が打ち出されない儘に、放置されているのです。当面は、『介護の予防』が、国策としてのテーマであり、マスコミも取り上げないし、野党も問題にしないでいて、単年度ベースで、『介護の費用だけで10兆円』、『末期の段階で発病を見つけている(発病のレッテル張りをするだけのもの)診断と効きもしない薬の処方の費用が10兆円』を超えてきているのです。野党とマスコミが何年間も追い続けている「桜の花見会」どころの騒ぎではないはずなのです。主張内容が根本的に誤ったものであるアミロイドベータ説が世界的に通説の地位に在り続けていて、米国では、ハーバード大学が、我が国では、東大、京大、理化学研究所がその牙城であるという権威とその権勢に気圧され、手も足も出ないというのでしょうか。

Ⅲ.回復させることも、発病の予防も、困難とする権威達の主張は誤り

(1) 『治すことが出来ない』との主張の誤りの核心的な原因

世界中の権威とされる機関や専門家達は、「DSM-4」の第二要件の規定内容が(正しくは、末期の段階である「大ボケ」の後期の段階になって初めて発現して来る極めて重度の症状なのです)失語や失認や失行の症状が初期症状であると規定していて、医学会では、未だに権威がある為に、その規定を鵜呑みにしているので、それよりも軽い段階の症状に関心が行かない儘なのです。末期の段階であることに気づかないでいて、DSM4が確認を要求する基準に依拠した判定と診断がまかり通っているだけなのです。末期の段階、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の症状が発現して来るまでに前頭葉を含む脳全体の機能レベルが廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきたお年寄りの脳は、最早回復させることが出来ないのです。その意味で言えば、治すことが出来ないということは間違ってはいないのですが、もっと軽い段階、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」を実行すれば、『治すことが出来る』ことを知らないし、その経験も無いのです。

最近になって、MCI(軽度認知障害)という視点と基準が提起されてきて、もっと軽い段階に目が向けられたとは言うものの、「DSM-4」の規定の『第一要件』の規定内容も、『第二要件』の規定内容も、正しいものとの前提で提示されているに過ぎないのです。MCIの判定基準は、外観から観察される記憶障害の症状の確認を基礎として、認知機能について、左脳と右脳の機能レベルの判定を目的とした手技であるMMSE又は、長谷川式)による判定のみであって、肝心かなめの『前頭葉』の機能レベルについては、無関心なのです

MCIの判定基準を満たす場合は、「アルツハイマー型認知症」発病の前駆的状態であると説明しつつ、客観的な基準も、肝心の発病との因果関係を立証する何等の証拠データも提示されていない、意味不明の基準なのです。物知り顔にMCIの基準を持ち出す人は、権威はあろうとも、『アルツハイマー型認知症』については、無知の人というしかないのです。

アミロイドベータ仮説」を支持していて、MCIの基準を持ち出す医師や学者が多いのですが、惑わされないで頂きたいのです。ほんの数年が経過すれば、重大な間違いの内容であったとして、消えていく説なのですから。「発病の予防とか早期診断による回復」を国家のテーマに据えるのは時期尚早と主張しながら、アミロイドベータ説を信望していながら、運動したり、家の外に出て行き交遊を楽しんだりすることが、「介護の予防」に効果的であると説いてもいるのです。彼等の論理の流れからすれば、『介護の予防』に「発病の予防」が含まれていない以上、症状が三段階に区分されることも知らないで、発病者を対象としての、運動や、外出や、交遊を推奨していることになるのです。

運動や、外出や、交遊の機会を持つことに因り、アミロイドベータの蓄積量が減少し、或いは蓄積そのものが予防され、種々の情報を連絡する役割を担っている神経細胞の死滅が防げることになるメカニズムと科学的で客観的な根拠は、どこに有るのでしょうか。

(2) 『予防することが出来ない』とする主張の誤りの核心的な原因

アミロイドベータ」が蓄積されることに因り、老人斑が生じて、その毒性に因り、脳内の情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が引き起こされることが原因で、アルツハイマー型認知症が発病するという仮説が正しいのであれば、発病の予防が困難という主張にもうなづけるのです。真実はと言うと、『アミロイドベータ説は、発病の原因に関する主張内容が間違っているもの』であり、『その仮説の主張者達は、未だに、発病の予防方法を考えつくことが出来ていない』というだけのことに過ぎないのです。アミロイドベータ説に拘泥する限り、『発病の予防が可能であると主張することは、自己矛盾となる』からなのでしょう。発病のメカニズムについての彼等の主張の内容からも、更には、発病の予防方法について無知な彼等が、発病の予防について挑戦したとは考えられないのです。『発病の予防が可能であり、早期診断と脳のリハビリの実施により回復が可能である』と主張し、北海道から九州に跨る452の市町村で、住民参加型の地域予防活動の実践展開を指導し、顕著な成果の実績を残してきているのは、日本だけでなく、世界中を探してみても、私たち「二段階方式」以外には存在していないのです。『発病の原因が、分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』とする世界中の権威達の主張とは根本的に異なり、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、早期診断により治せるし、発病自体の予防が可能である』と主張し、主張内容が正しいことを疫学的な方法により実証してきているのは、私たち、「二段階方式」だけなのです。私たちの主張内容と治療方法と予防の方法とが、近い将来に、世界標準となる確信を持っているのです。あとは、時間の問題。

(3) 政府大綱が掲げる「介護の予防」の定義の(解釈上の)見直しの知恵

政府大綱が掲げる「介護の予防」は、発病自体の予防と早期診断による回復については、今後の研究課題であるとして、当面は、追及のテーマとはしないと明記しています。背後にどのような事情や岩盤(利益集団)が存在しているのかは知りませんが、『介護の費用』だけでも単年度ベースで10兆円を超えてきているのです(イメージが湧かない人に。毎日100万円を使い続けて、27400年もかかるという程の、天文学的な規模なのです)。このまま放置しておいていいのでしょうか。政府大綱の審議の過程に関する資料を調べてみたところ、協議の基礎に提示され、会議をリードしたのは、アミロイドベータ説MCIの基準だったことが分かっているのです。明言しておきます。アミロイドベータ説とMCIの基準を支持して、持ち出す人達は、どれだけの権威が有ろうとも、アルツハイマー型認知症については、無知の人達なのです。あと数年も経過すれば、そのことが常識となっているはずなのです。発病のメカニズムについても解き明かしていて、早期診断による回復の方法も、発病自体の予防の方法も、実践して提示してきているのです。その上、マニュアル化していて、保健師さんが活動全体を一元的に管理し、実践展開できるものなのです。

ご存知のように、末期の段階である大ボケの段階にまで症状が進行してくると、日常の生活面でも、セルフケアにも重大な支障が出てくるので、介護が不可欠のものとなるのです。「介護の予防」とは、言い換えると、日常の生活面で介護が不可欠のものとなる「大ボケ」の段階にまでは症状が進まないことを目的とするということになります。その意味では、発病自体の予防も、早期診断による回復も、両者ともに、「介護の予防」という当面の最終的な目的を達成することが出来る訳なのです。発病自体の予防とか、早期診断による回復とかの用語の使用を避けて、『両者共に、「介護の予防」を効果的に達成できる手段としての位置付けで良い』のではないでしょうか。『頭は、使いよう』なのですから。

&2 意識、認知の機能構造と「アルツハイマー型認知症」の発病との相互関係

1意識、認知と『実行機能』と「アルツハイマー型認知症」との関係

「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(原因)及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)の研究について、世界中で研究している機関や人達の数は、蟻の数ほどにもなると考えられるのです。それでいて、未だになお、『発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症である』とする誤った主張が幅を利かせ続けているのでしょうか。それは、「アルツハイマー型認知症」だけが、私達人間だけに特有なものである「意識」が関わるものだからなのです。意識の機能構造について古今東西、未だに誰一人として解明が出来ていないのです。

私たち二段階方式では、「前頭葉の三本柱の機能」(意欲、注意集中力及び注意分配力)が実行機能の発揮度を支配し、下支えしていること(機能発揮上の二重構造)に早くから気付き、そのことが基礎に在って、『廃用性の機能低下』という加重要因の存在を解明することができたのです(私たち「二段階方式」による世界で初の発見)。

(1)『意識(いしき、Consciousness)とは、「起きている状態にあること(覚醒)」又は、「自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識できている状態のこと」を指す』と一般的には紹介されています。『認知とは、理解・判断・論理などの知的機能を指し、精神医学的には知能に類似した意味であり、心理学では知覚を中心とした概念をいう』と定義されます。

(2)『実行機能は、ある目標を達成させる為に計画的に段取りをつけて行動する為に不可欠の個別の認知機能の総称であって、人が社会的、自立的、創造的な活動を行うのに極めて重要とされている脳機能なのです。

(3) 私たち「二段階方式」の考えでは、DNAの99%が人間と同じであるとされているチンパンジーにさえも認められていない世界、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』とは、意識的に何かの「テーマ」を発想し、目標を設定し、実行の仕方を計画して、実行の結果をシミュレーションして、実行の内容と仕方を比較し選択し、最終的な内容を決定し、実行を決断して実行に移す世界のことをいうことになります。その意識的な世界について、「アルツハイマー型認知症」の発病者の場合は、意識的に何かの「テーマ」を発想して、目標を設定し、実行の仕方を計画して、実行の結果をシミュレーションして、実行の内容と仕方を比較し選択し、最終的な内容を決定し、実行を決断して、最終的に実行に移す場面、意識的な世界における様々な場面での、様々な程度態様による『支障(アルツハイマー型認知症の発病としての症状)が出てくる』のです。その核心的な原因が、権威が主張する「記憶の障害」という要因に起因して起きてくる訳のものではなく一つには、加齢に因る機能低下という要因及びもう一つの要因がナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因であると、私たち「二段階方式」は、主張し、住民参加型の地域予防活動で実証してきたのです(世界に類例のない考え方)。

異なるこの二つの要因同時に存在し、充足されることに因る相乗効果に因り、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくその先に、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行が待っていると主張しているのです。加えて、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状(私たち独自の区分で言うところの三つの段階、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階)が存在し、確認されることになると主張しているのです。その実行機能(Executive Function )の発揮度を左右し、下支えている機能が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(前頭葉の三本柱の機能と呼ぶことにします)なのです。この関係を私たちは、「機能発揮上の二重構造」の関係と名付けています。前頭葉の三本柱の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り、異常なレベルに衰えてくると、機能発揮上の二重構造の関係から、実行機能の発揮度が異常なレベルのものとなるために、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現して来ることになるのです。そこには、器質的な原因病変というものが存在していないのです。様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めて居ながら、発病の原因が不明であり、症状を治すことも、発病自体を予防することも出来ないタイプの認知症であるとされたままで居るのは、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が、「意識のメカニズム」と密接不可分の関係に在る為に、解明することが極めて難しいものとなっているからなのです。何故なら、「意識のメカニズム」については、未だに、誰一人として解明できていない代物だからなのです。私たち「二段階方式」は、活動開始の初期から、意識のメカニズムとの関連という独自の視点から、「アルツハイマー型認知症」の発病原因の解明について、挑戦して来た世界唯一の研究機関でもあるのです。

この視点を持ったことが、次のテーマである(『機能発揮上の二重構造』の関係の存在という「テーマ」に気づくことに繋がり第二の人生」を送る上での脳の使い方としての生活習慣に起因した廃用性の機能低下の進行という要因の解明に繋がった。個別の『実行機能』の機能低下を直接に判定することなく、「前頭葉」の三本柱の機能の機能低下のレベルを判定することに因り、『前頭葉』の機能レベルを、精緻に客観的に、判定できるのです。

2.『機能発揮上の二重構造』の関係の存在

意識的な世界では、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が全ての基礎に在るのです。意欲の機能が発揮されない限り、ことは起きてこないのです。注意の集中力が発揮されない限り、全てが中途半端な結果となるのです。注意の分配力の機能が発揮されない限り、テーマの発想も、目標の設定も、創意や工夫をする努力も期待不可能となるのです。意識的な世界において、実行機能を発揮させるには、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の関与が不可欠となるのです。この二重構造、実行機能の発揮度を左右し、下支えているのが、『前頭葉の三本柱の機能=意欲、注意の集中力及び注意の分配力』であることを理解しない限り、真の原因解明は、前に進まないのです。

3.複数の意識の同時存在と『意識の覚醒度』との関係

私たち人間には、チンパンジーにさえも備わっていない、注意の分配力という脳機能が備わっています。この注意の分配力という機能こそ、『意識』の存在にとって不可欠の機能なのです。注意の分配力の機能とは、『3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の機能』なのです。言い換えると、3つ以上の覚醒の度合い(覚醒度)が異なる複数の意識を構築し、統合し、その覚醒度の変化を統括し、管理し、コントロールし、追及する機能を担っているのが注意の分配力の機能だと考えているのです。注意の分配力の機能の働きがあって初めて、覚醒度が異なる多重で、多層の複数の意識の同時存在という世界が構築され、存続し、維持されているのです。加えて言うと、様々な対象や内容に対する認知の度合いもまた、前頭葉の三本柱の機能に左右され、下支えられていると考えるのです。古希を迎えた私達が、お友達を運転席の脇に乗せて、BGMを流してそれを楽しみながら、同時に並行して、お友達との会話を楽しみながら、且つ、行き交う車の状況や道路の状況や信号の変化等にも注意を配分しながら、その上、通り過ぎる景色の変化も楽しみながら、事故を起こすことも無く、側溝に脱輪させることも無く、安全に車を運転することが出来るのは、この注意の分配力の機能が正常なレベルで機能しているおかげなのです(これらもまた、複数の意識の同時存在とそのコントロールの事象事例と言えるのです)。

車を運転していて、信号無視や歩道に乗り入れて、人身事故や車の損傷事故を起こす「お年寄り」が多いのは、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきている(小ボケ中ボケの段階に在る)お年寄りだからなのです。運動能力の衰えの問題以前に、『注意の分配力』の機能の衰えが、主たる原因なのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して末期の段階にあるお年寄りが、ズボンを頭から被ったり、歯ブラシの使い方が分からなくなるのは、記憶の障害が原因ではなくて、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきていることが原因で起きてきていることに、権威ある専門家達が、早く気付いて欲しいのです。

猶、複数同時に存在する「意識」の個々の覚醒度の違いは、前頭葉の三本柱の機能の関わりに左右されていて、就中、注意の分配力の機能の配分の度合いに左右されていることについては、詳細を後述します。このこともまた、意識を理解する上で、極めて重要なテーマとなるのです。注)脳の活性化とは、「前頭葉の活性化」ということになるのです。私たち人間だけに特有なものである意識的な世界は、「三頭立ての馬車」(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車を言います)の運行に例えると分かり易いと思うのです。三頭立ての馬車の「御者」の役割、意識的な世界における脳全体の「司令塔」の役割を担っているのが、「前頭葉」(前頭前野に局在)という脳機能なのです。

「前頭葉」の機能が活性化するということは、「実行機能」が活性化することを意味することになります。その実行機能の発揮の度合いを左右し、支配しているのが、「前頭葉の三本柱」の機能なのです。意識的な世界では、何か単一のテーマに意識が集中される状態を作り出すことは極めて困難(特別の鍛錬が不可欠となる)なのであって、一般的にはと言うか常に、複数の多層で多重の意識が混在している状態にあるのです。その多重で多層の「意識」を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールする上で必要不可欠の機能が、前頭葉の三本柱の核心をなす機能である『注意の分配力』という機能なのです。

この『注意の分配力』の機能とは、「3つ以上の異なる複数のテーマ」を同時に並行して処理する上で必要不可欠の機能なのです。創意、工夫、洞察、推理、シミュレーション、検索、比較、評価、選択、企画、計画、理解、決定、決断等の実行機能の構成要素であるそれらの機能が十分に、且つ、的確に働く上で、『注意の分配力』の機能の出番が不可欠のものとなることがお分かりいただけるでしょうか。

『脳が活性化する』ことは、『前頭葉が活性化する』ことであり、機能構造的には、『注意の分配力の機能の出番が多くなるようなテーマの実行と処理』が行われている状況のことを言うことになる訳なのです。最近、「脳の活性化」というテーマが取り上げられる場面で、「デュアル・タスク」(異なる二つのテーマの同時実行)が提唱されているのですが、理解が今一つ足りないことがお分かりいただけるでしょうか。「アルツハイマー型認知症」の発病の初期段階、私たち「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」の段階で発現が確認される類型的で典型的な症状の一つに、『3つ以上のテーマを同時に並行して処理できなくなる』という症状が挙げられているのです(「30項目問診票」として様式化されている)。

4.ホムンクルスの小人の正体

(1)「ホムンクルス」というのは、もとは古代ヨーロッパの錬金術で作れられるという、小人のことを言いました。カナダの脳神経外科医ペンフィールドによると、私たちの脳の中には、グロテスクな小人――ホムンクルスが住んでいるということなのだそうです(私の脳の中に居る;もう一人の私のイメージ)。

人間だけに特有な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、『意識的な世界』では、『実行機能』(Executive Function)という機能が働くことが不可欠となります。その時自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿ったテーマを発想し、テーマを実現する際の目標を設定し並びに実行の内容と実行の程度や態様と方法を計画し、創意工夫し、実行結果を洞察し、推理し、シミュレーションして、シミュレーションの結果を比較し、最終的な内容を選択し、実行の決断をして、左脳、右脳、運動の脳の各部に実行の指令を出すということになるのです(実行機能とは総称であって、太字で示した機能が、個別の「実行機能」の例示です)。

例示した各々の実行機能が働くには、常に、必ず、評価の物差し記憶の倉庫の関りが不可欠となること並びに個別の実行機能の発揮の度合いは、前頭葉の三本柱の機能が左右し、下支えていること、言い換えると個別の実行機能の機能発揮上の二重構造の問題が存在していることを理解しておく必要があります。

実行機能が発揮されることになる場面では、常に、必ず、その前提条件であり、前段階の機能である『評価の物差し』と『記憶の倉庫』の働き並びに前頭葉の三本柱の機能が構造上関わる機能発揮上の二重構造の理解が、意識の機能構造の理解において不可欠の条件となるのです(私たち二段階方式が推定し、構想する「意識の機能構造」)。

その意識的な世界の顕現の過程で、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという問題が存在していて、そのこととの関係で、廃用性の機能低下の進行という視点を持つことが、アルツハイマー型認知症の発病のメカニズム(原因)及び症状が重症化するメカニズム(機序)を解明する上で必要不可欠の条件となるからなのです。このことに気づかないで、「記憶障害に起因して発病する」という「DSM-4」の第一要件の規定の誤りにも気付かないで、今猶その要件に拘泥し、『器質的な原因病変』ばかりを追求して、アミロイドベータの蓄積とか、早い段階でのその除去というテーマを追い求めていて、更には、マウス(アルツ・ハイマーマウスを含む)の尻を追いかけ続けていたのでは、何時まで経っても、発病の原因及び症状の重症化が進行する原因の解明には行き着かないのです。

※1 意識的な世界においては、状況や対象の認知に際して、その前段階の機能としてのⅰ)評価の物差しとⅱ)記憶の倉庫の関わりが必要不可欠となります。この両者の関わりがないと、そもそも「認知」自体が機能してこないのです。意識的な世界における認知に際しては、常に、必ず、「評価の物差し」と「記憶の倉庫」の両者が関わることが、機能構造的に要求されていると考えるのです。

『評価の物差し』が第一段階として働く(制御している)機能構造下で、『記憶の倉庫』との照合を経由した後、『実行機能』の働きを介して、自分独自の『認知』が生じてくると考えるのです。加えて、認知の度合い及び実行機能の発揮の度合いは、『前頭葉の三本柱』の機能の発揮の度合いが左右し、下支えている機能発揮上の二重構造という問題が関係し、存在していると考えるのです。

様々な程度及び態様の下で発現して来ることになる認知の発現の度合いも、実行機能の発揮の度合いも、両者共に、『前頭葉の三本柱』の機能の関わり具合に左右され、下支えられている関係に在ると考えるのです(「二段階方式」独自の考え方)。この機能構造の存在及び「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、自分なりの日々の暮らし方、『脳の使い方』としての「生活習慣」を言うことに留意する)に起因して惹き起こされる廃用性の機能低下の進行こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病するか/しないか並びに症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一無二の、真の要因であると考えているのです(私たち「二段階方式」独自の考え方)。

※2 権威ある人たちから、無意識の作用と誤解されている殆どの作用が、実は『評価の物差し』が常に関わる意識的な作用なのであり、意識の覚醒の度合いの差のアウトプットに過ぎないことが、単に誤解されているに過ぎないと考えるのです。『意識』の覚醒の度合いが極めて低い状態下に在っては、認知自体とその結果である意識の存在とが、自覚されていないだけであり(関わる血流量も少ないので現行の機器では検知されない)、所謂「無意識が働く結果としてのアウトプット」ではないと考えるのです。猶、「意識」の覚醒の度合いの強弱は、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮の度合いが左右し、下支えていると考えるのです(評価の物差しについては、ブログ「B-83」を参照してください)。

(2) ホムンクルスの小人は、「評価の物差し」及び「記憶の倉庫」が関わる全ての認知並びに『実行機能』の発揮により、何等かのテーマが発想され、実行されていく『意識的な世界』を構築し、統合し、統括し、管理し、コントロールしている「注意の分配力」の機能と「評価の物差し」の機能の共同体を核とする『前頭葉』全体の機能の総合体としての働きであり、『前頭葉』という機能が、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の『御者の役割』を担っていると考えているのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の正体と正しい知識

(1)「アルツハイマー型認知症」の症状の特徴

「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「段階的な症状」が発現して来るのが特徴なのです。「アルツハイマー型認知症」は、記憶の障害に起因して発現すると規定する「DSM-4」の第一要件の規定は誤りであり並びに失語や失認や失行の症状が初期症状であると規定する「DSM-4」の第二要件の規定は、本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階の存在を見落としているのです。認知症の診断が専門の医師は、「記憶障害に起因して発病する」との誤解から、症状についても、「重度の記憶障害の症状」ばかりに関心があって、何故か早期診断を売りにした、『もの忘れ外来』とかいう看板を掲げている病院が多いのです。

①「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階の段階とその特徴

ⅰ)「アルツハイマー型認知症」の発病としての最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全く確認できなくてそれらの全てが前頭葉機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです。

ⅱ)「小ボケ」の症状は全て「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び実行機能の発揮度を左右し/下支えている機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が的確且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

ⅲ)私たち人間だけに特有な意識的な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である「実行機能」(Executive functionの発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、3つ以上の異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが「直接の原因」で、『実行機能』の発揮度が低下していくことを厳密に反映しているのが、『小ボケ」の段階の症状の特徴なのです。

②『中ボケ』(中等度認知症)の段階とその特徴

ⅰ)「中ボケ」の段階は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。『アルツハイマー型認知症』の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

ⅱ)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし、抑制が効かない」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。それが、「中ボケ」の段階になると、「『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。

⇒働き盛りの若い年齢者で(30~50歳代での発症例が多い)、「重度の記憶障害」の症状の発現が顕著となっていても(この場合、重度の「記銘力障害」であることが特徴)、自分が置かれている状況に対する正しい及び適切な認識と理解が出来ていて、自分が困っていることを的確に言葉で表現できる等と言うのは、アルツハイマー型認知症の発病患者には、絶対に起きてこないことなのです。『側頭葉性健忘症』(海馬の萎縮が確認されるのもこの病気の特徴)が、正しい診断であるものを、アルツハイマー型認知症についても無知であり、側頭葉性健忘症についても無知でありながら、権威が有るだけの医師が、誤診し、『誤った情報』を社会に発信し、垂れ流しているのです。

ⅲ)『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階で「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが原因で(就中、「注意の分配力」の機能の低下が原因で)、上記例示したような症状が自分に起きていることさえも理解できない為に、自覚できなくなるのです。『発病者本人の考えを尊重した対応や応対が重要』と主張する人達は、脳の機能レベルという視点が欠けていて、この事実を知らない/理解していないのです。

③「重度認知症」(『大ボケ』)の段階とその特徴

)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階の後期になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、最早治すことは出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

)『大ボケ』になると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳と運動の脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、殆ど働くことが出来ない程に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであり、記憶障害が原因で起きているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいのです。

ⅲ)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前期で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。

大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎる為に治せないだけなのです。

※ 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

ⅳ)失語や失認や失行の症状は、記憶障害に起因し発現する訳ではないのです

私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極め、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲の『服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したり』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。

上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。『前頭葉』の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為。注意の分配力の機能に無知な為、記憶障害に起因して発症と誤解しているだけなのです。

※上記の三段階区分は、14689例に上る「アルツハイマー型認知症」発病患者の脳機能データの解析結果なのです(発病者の認知機能検査において、前頭葉の機能レベルの精緻で客観的な判定が行われているのは、世界中で、「二段階方式」だけなのです。三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを『かなひろいテスト』で判定し、牽引する馬の役割を担っている左脳と右脳の機能レベルを『MMSE』で判定するので、Tadが「二段階の判定」という意味で、「二段階方式」と命名したのです。

(2)「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

新型コロナの感染拡大が止まらない中で、感染予防策としての『3密の回避』が叫ばれています。一方で、第二の人生を送っているお年寄りが、『3密の回避』に徹した生活習慣を継続していると、「アルツハイマー型認知症」の発病者(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階のお年寄り)が、顕著な増加を見せてきていて、更には、症状の重症化が進行するお年寄り(小ボケ➡中ボケ。中ボケ➡大ボケ)が顕著な増加を見せてきているのです。『3密の回避』に徹した「生活習慣」が継続されていると、アミロイドベータやタウタンパクの蓄積が加速的に進行するとでもいうのでしょうか。「仮説」の支持者達に聞いてみたいのです。

『仮説の主張内容が誤りである』ことを示す事象の事実、客観的な証拠資料と言えるのです。この事象事実を正しく、且つ、的確に説明できるのは、私たち「二段階方式」の主張だけなのです。私たち「二段階方式」は、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり(但し、脳の使い方としての意味で言う生活習慣なのであって、食生活とは無関係であることに留意する)、早期診断と「脳のリハビリ」の実施により治すことが出来るし、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」の実践とその継続により、発病自体を予防することが出来る』と主張しているのです。

① 基礎要因は、「加齢に因る機能低下」の進行

「アルツハイマー型認知症」の発病の基礎にある要因は、加齢による機能低下の進行という要因なのです。そうであるが故に、『発病の対象となる人達とは、第二の人生を送っている60歳を超えた年齢の高齢者だけに限られる』ことになるのです。我が国で定年退職し、「第二の人生」に入る年齢である時期の前頭葉の機能レベルについての脳機能データでは(正常老化の性質と名付けている)、最盛期である20歳前後の機能レベルのほぼ半分くらいの機能レベルに低下してきているのです。その意味で、若年性アルツハイマー型認知症というタイプの認知症は存在していない架空のものなのです。記憶障害に起因して発病するとの誤った内容である「DSM-4」の第一要件の規定内容を鵜呑みにしていて、「重度の物忘れの症状」の確認と海馬の萎縮の確認だけから、「アルツハイマー型認知症」の発病であると誤診しているだけなのです。「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」を活用して、精緻に判定してみれば、誤診であることが容易に判明するのです。「アルツハイマー型認知症」の発病者であれば、どの段階であろうと(小ボケ、中ボケ、大ボケの三段階の区分)、前頭葉の機能レベルが異常なレベルに在ることを必ず確認できることになるのです。

認知機能のレベルの判定に際して、前頭葉の機能レベルの判定を行わないで、MMSEテスト(又は、長谷川式)の実施に因る左脳と右脳の機能レベルの判定だけでの(お茶を濁した)診断がまかり通っているのです。実態としては、『海馬の萎縮が確認され、極めて重度の記憶障害の症状(脳の変性により、重度の記銘力障害の症状が確認されることになる)が確認されるものの、肝心要の「前頭葉」の機能レベルが正常なものであることが確認される「側頭葉性健忘症」(若年で発症するケースが通常)を誤診して、「若年性アルツハイマー型認知症」と診断する誤診が横行しているのです(緩徐進行性「失語症」を誤診するケースも多々見られる)。

② 「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下」の進行

「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者が、『第二の人生を送っている「お年寄り」だけに限られている』ことの意味を考えてみる必要があります。「第一の人生」を送る場合と「第二の人生」を送る場合との『脳の使い方』としての「生活習慣」の相違という視点が重要なのです。「第一の人生」を送る上での最も重要なテーマは、誰にとっても、「仕事」ということになります(注意して頂きたいのは、「子育てや家事」も、脳の使い方という視点では、「仕事」に相当するということです)。これに対し、「第二の人生」は、仕事の遂行とは無縁の日々を送ることに特徴があるのです。自分が置かれている状況の分析と理解と判断、状況判断に沿った「テーマ」の発想、テーマを実行する為の目標の設定や実行の企画や計画、実行結果の洞察、推理、シミュレーション、シミュレーション結果についての評価、比較と選択、実行の決断、更には、抑制や感動の機能の発揮がしばしば為されることに因り、「前頭葉の三本柱」の機能、就中、注意の分配力の機能の出番が多くなる為、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する場面が多くなる結果、廃用性の機能低下の進行という問題が起きてこない生活習慣、脳の使い方としての生活習慣が継続されるのです。他方で、誰もが「仕事」の遂行とは無縁の日々となる「第二の人生」では、仕事以外のテーマ、趣味や遊びや交遊や、地域興しや運動等のテーマを積極的に取り込むことが出来ない「お年寄り」の場合は、何かを「キッカケ」として、意欲自体を喪失すると、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続されて行くことに因り、廃用性の機能低下が進行してくることになるのです。

③ 「相乗効果」による加速度的な機能低下の進行

一つが、「加齢」に起因した機能低下の進行(正常老化)という要因ともう一つが、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(異常な老化)と言う、異なる二つの要因が同時に存在し充足されることに因る『相乗効果』に因って、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して行くこととなり、その先に、「アルツハイマー型認知症」の発病(小ボケの段階)及び症状の重症化の進行(中ボケ及び大ボケの段階)が待っているということなのです。

本著作物「Fー02」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

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アルツハイマー型認知症対策に特化した標準認知症ケアパスモデル(F-01)

2021-01-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

私の手元には、北海道、東北地方、北陸、中部地方、近畿地方、九州、沖縄の各地域の或る特定の市町村から収集した個別の『認知症ケアパス』の資料があります。そのどれを読んでみても、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、私たち「二段階方式」のデータによると、90%以上の割合を占めている認知症、すなわち、『アルツハイマー型認知症』の発病者に対する措置が、発病の有無の判定、症状のレベルの判定、症状のレベルに応じた対応、具体的で適切な指導、実質的な効果を含む措置に、どのようにして繋がるのかが、全く理解できない内容のものばかりなのです。

 そもそも、世界中の認知症研究の専門家(学者、医師、製薬会社の研究者)とされる人達でさえ、未だに、『発病の原因及び症状の重症化が進むメカニズムと機序が分からないし、一旦発病したら治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無い』タイプの認知症であるとしているのです。そうした背景となる実情から、各々の「ケアパス」を作成し、住民に対して適切なサービスを提供するようにと言われても、何を、どのようにしたら良いのかが分からないはずなのです。形の上で「ケアパス」を作成し、従来と変わらない内容のサービスを展開するしかないわけなのです。ケアパスを作成し、活動に関わる報告書を作成する為の余分な人手が増えただけで、「介護の予防」の効果を挙げることが出来ないでいるのです。

『アルツハイマー型認知症』が、廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、60歳を超える年齢の「高齢者」が、「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」であることに留意する)であること及び脳の使い方としての「生活習慣」の創意工夫と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るし、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で、発病を見つけること)と「脳のリハビリ」の実践により回復させることが出来るし、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで重症化が進行することの抑制により、介護の予防が可能であると主張し並びに北海道から九州に至る452の市町村で、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのは、私たち「二段階方式」だけなのです。

私たちは、「二段階方式」の考え方に立脚し、「二段階方式」の手技を活用したものであり、且つ、扱う対象となる認知症の種類を、「アルツハイマー型認知症」だけに特化して、日本全国の市町村が横並びに展開することが出来る「ケアパスの標準化モデル」を提案し、国策化(実施する市町村が必要とする活動資金を国が準備すること)に拠る「全国展開」を政府に求めて行こうとしているのです。過去の失敗を反省して、『二段階方式の手技の使用を一定期間の経過後は無償とする考えを改め、有償化し、二段階方式の手技を使い続ける限りは、有償の儘で行くことに決めた』のです。

 或る「地域」に的を絞って、当該「地域」の市町村全体での具体的で顕著な成果を挙げて見せること、二段階方式の「手技」の実施を出来るだけ平準化すること、手技実施の「マニュアル」を出来るだけ理解し易く、使い易いものにすること、ボランティアの組織化、活用の仕方と役割、脳イキイキ体験実践の種類や必須のテーマを含む「予防教室」の運営の仕方を定型化すること等の対策を考えているのです。その上で、その方式を、全国の市町村に『横展開していく』考えなのです。

&1 「認知症施策推進総合戦略」(新オレンジプラン)の理論的/学説的根拠

1.「アルツハイマー型認知症」の捉え方について、以下の変遷をたどってきた『DSM』に規定された認知症診断基準の考え方を踏襲していることに注意が必要。

(1) 『DSM-ⅢR 』

①記憶障害;②抽象的思考の障害、判断の障害、高次皮質機能障害、性格変化のうち1項目以上;③脳の器質的変化の存在が推測できること

(2) 『DSM-ⅣR 』

記憶障害;②失語、失行、失認、実行機能障害のうち1項目以上

(3) 『DSM-5 』

複雑性注意、実行機能、学習および記憶、言語、知覚‐運動、社会的認知における低下のうち1項目以上

2.上記全ての版において、認知機能低下が日常生活に影響していることが含まれることが注記されている。

3.米国精神医学会が策定したものであり、世界的に権威があるとされている上記診断基準に依拠して、アルツハイマー型認知症を捉えていることに注意。

4.世界中の専門家達が、「DSM」の規程、特に、「DSM-4」の規程内容に、未だに強く影響されていることに注意して下さい。記憶障害に起因して発病し、「失語や失認や失行の症状」が「初期症状」であると誤解した儘なのです。

➡「新オレンジプラン」の内容も、昨年の7月に公表された政府大綱が掲げる「介護の予防」の実施も、記憶障害を惹き起こす要因についての世界的な通説である「アミロイドベータ仮説」の主張内容が正しいものとして、策定されているものなのです。「アルツハイマー型認知症」の症状が、記憶障害に起因して発現するとの仮説も、失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの主張も、更には、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態の判定基準であるとして提示されているMCI(軽度認知障害)の考え方も、全てが誤りであり、客観的で、的確で、有効な判定の為の指標とはなり得ないことに、注意が必要なのです。

➡ 上記考え方及び指標に従い、アミロイドベータ説の概要の説明、記憶障害が原因との前提のもとに作成された物忘れの症状の確認を中核としてケアパスを作成しても、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定、「脳のリハビリ」の実施の有効性と程度とに因り「三段階」に区分される症状の適切な段階区分の判定、相手に応じて適切な対応指導を実施する等を含む様々な場面で、何等の役にも立たない代物になってしまうことを知るべきなのです。

市町村で現在作成され、活用されている「ケアパス」の全ての内容が、手間暇がかかっているだけで、何の役にも立っていないはずと考えているのです。その証拠に、第二の人生を送っている「高齢者」で、「3密の回避策」を遵守しているお年寄り達を対象として、「アルツハイマー型認知症」の発病者(脳のフレイルとかに区分されているお年寄りの大半は、小ボケの段階の人達であることが、「前頭葉」の機能レベルを判定してみれば明らかになるのです)であり、小ボケは中ボケの前期に、更に、中ボケの前期は中ボケの後期に、中ボケの後期は大ボケに、症状の重症化が進行してきていることが分かるはずなのです。

&2 二段階方式が解明し、実証した「アルツハイマー型認知症」の特徴

1.アルツハイマー型認知症は、第二の人生を送る60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象として発病するものであり、「老年発症」が大きな特徴なのです。

2.症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクしていて、回復の可能性の有無及び程度により、三段階に区分されるのです(「二段階方式」独自の区分である「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階)。

3.私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」が活性化する「生活習慣」の創意工夫と構築と継続的な実践により(早期診断と「脳のリハビリ」の継続的な実践)治すことが出来るし(認知症の症状からの回復)、「介護の予防」が可能であるし(介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで重症化が進行することの先送り)、更には、「前頭葉」が活性化する『生活習慣』(「注意の分配力」の機能の出番が多くて「前頭葉」が活性化することになる「脳の使い方」としての生活習慣であり、食生活とは無関係)の創意工夫、構築と継続的な実践に因り「発病自体の予防」が出来る性質のものなのです(疫学的手法により実証済み)。

&3 発病及び重症化が進行するメカニズムと機序

1.発病の「第一の要件」は、『加齢』に起因した脳機能の低下という要因なのです。加齢に起因して、前頭葉が機能低下を進行させていくことについては、「正常老化の性質」と命名して、脳機能データを公開しています(NHKの人気番組である『チコちゃんに叱られる』にも、2018年9月に登場しました)。

2.発病の「第二要件」は、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した脳機能の廃用性の機能低下という要因なのです。なお、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」とは、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々を送ることになる「第二の人生」を送る上で繰り返される単調な暮らし方、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない』、「脳の使い方」としての単調な「生活習慣」のことを言います。

3.加齢に起因した機能低下という要因とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という要因の同時存在、即ち、「異なる、この二つの要因が同時に存在し、充足される」ことに因る『相乗効果』に因り、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくその先に、『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化の進行が待っているという訳なのです。これが、「発病及び重症化」が進行して行くメカニズム及び機序であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来るものなのです(私たち「二段階方式」独自の主張であり、北海道から九州に跨る全国的な展開、累計総数452の市町村において展開を指導した「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型地域予防活動」により、主張内容が正しいことを疫学的手法により実証し、発病の有無及び症状の段階区分の判定及び発病の予防、回復及び介護の予防を目的とした客観的で具体的な指導内容及び対応の核となる二段階方式の手技が極めて有効であることを実証してきた)のです。現在その実態が消えてしまっているのは、①二段階方式の手技の活用を5年の経過で無償としたこと;②平成の大合併により導入していた小さな町や村が大きな市や町に吸収合併されて、業務の見直しと配置転換により消されていったこと;③高齢化率の進行に伴う「アルツハイマー型認知症」の発病者の増加施策として、オレンジプラン、新オレンジプランが、相次いで実施展開されていく状況の中で、新規導入先が激減したことが理由。

1 1998年頃のこと、厚労省に呼ばれて、尾嵜課長から全国展開を懇請されたのに断ってしまい、現在の状況に在ることの反省から、今回は私たちの方から政府に対して、全国展開を呼び掛けているのです(2019年11月に協議を開始)。

2 厚労省のアルツハイマー型認知症対策は、2012年9月に公表した「オレンジプラン」(2013年度から2017年度までを対象)が最初で、次いで、2017年に「新オレンジプラン」(認知症施策推進総合戦略)を公表しています。

&4 発病と重症化が進行するメカニズムの簡単なチェック・ポイント

1.「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因病変は存在していないのです。

2.正常老化の性質により、加齢に起因した機能低下が進行してきていること、言い換えると、60歳を超える年齢の高齢者であることが、「基礎要因」なのです。

3.「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』という要因だけが、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分けている、「唯一の要因」(=「加重要因」)なのです。

(1)「左脳」が専管するテーマである「仕事」とは無縁の日々を送ることになる生活状況の下で、日々どのような「脳の使い方」が継続されているのかが問題。

(2)「実行機能(Executive Function)」の発揮度を支配し、左右し、下支えている機能であり、「前頭葉」の三本柱と私たちが名づけている意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能(3つ以上の異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する上で不可欠の機能)の活用が少なくなるような脳の使い方、就中、注意の分配力の機能の出番が少ないと、「前頭葉」が活性化する場面が少なくなるのです。その結果として廃用性の機能低下が進行して行くことになるのです。仕事とは無縁の「第二の人生」を送る中で、自分なりの「テーマ」も、達成すべき「目標」もない生活、楽しみがない生活、喜びや生き甲斐とは無縁の日々を送るだけの暮らし方、『創意、工夫、シミュレーションの機能』の出番が極端に少ない「脳の使い方」としての生活習慣、即ち、意識的な世界の要であり、最も高度で不可欠の『注意の分配力』の機能の出番が少ないと廃用性の機能低下が進行していくのです。『日々、ボケーッとした暮らし方をしていると、惚ける(アルツハイマー型認知症を発病する)』んです!!

(3) 発想、企画、計画、創意、工夫、検索、シミュレーション、比較、評価、決断、感動、抑制等の「実行機能」の出番が出来るだけ多くなるような、自分なりの実行『テーマ』の設定と達成すべき『目標』がある「暮らし方」(脳の使い方としての生活習慣)を継続することが、症状の回復にも、介護の予防にも、発病自体の予防にも必要不可欠となる性質の認知症ということなのです。

➡ 「第二の人生」を送っているお年寄りだけが発病の対象となるのであり、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在しない、架空のものであり、側頭葉性健忘症(重度の記銘力障害と海馬の萎縮が特徴であり、脳の変性により発病する)や緩徐進行性失語と混同し、誤診しているだけなのです。猶、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」は、生まれつき特定の遺伝子に異常が存在する人だけを対象として発病するものであり、「アルツハイマー型認知症」とは全く異なる性質の認知症なのであり、認知症全体に占める割合は、僅か1%程度に過ぎないのです(「1%」が「90%」を飲み込んでいるのです。何故?!)。

4.症状の回復にも、重症化の進行の抑制(正常➡正常下限➡「小ボケ」➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期)にも、『脳のリハビリ』という方法が、唯一の有効な対策となることを知っておいて頂きたいのです(「地中海料理」の摂取であれ、何であれ、「食生活」は、発病の予防とは、無関係なのです)。この場合、「脳のリハビリ」の効果が期待できるのは、中ボケの後期までのことであり、大ボケの段階になると、介護の途しかないのです。

&5 三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の典型的な類型

1.「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

2.「中等度認知症」(『中ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、       簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着       る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないよう       なものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き        道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

3.「重度認知症」(『大ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

□ 着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、我が子を配偶者と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

※ 三段階の区分は、「脳のリハビリ」の有効性の有無と程度による区分です。

➡ 小ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが比較的に容易

    中ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが未だ可能

    大ボケ 「脳のリハビリ」により、回復させることが最早困難

1 新オレンジプランは、旧オレンジプランでの問題の反省に立ち、『認知症の人は、精神科病院や施設を利用せざるを得ない』という考え方を改め、『認知症になっても、本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けることができる社会』の実現を目指し、これまでの「ケアの流れ」を変え、むしろ、逆の流れとする標準的な認知症ケアパス状態に応じた適切なサービス提供の流れを構築することを目標に、7つの視点に立って、今後の施策を推進することとしたとされているのです。

➡ 従前のケアは、認知症の行動・心理症状等により、危機が発生してからの『事後的な対応』が主眼となっていたことの反省に立ち、今後目指すべきケアは、危機の発生を未然に防ぐ「早期・事前的な対応」に基本を置くと明記しているのです。

➡ 「標準的なケアパス」とは、認知症を発症した人が、認知症を発症したときから、生活機能障害が進行して行くなかで、その進行状況に合わせて、いつ、どこで、どのようなサービス・介護サービス・医療サービスを受けられるかを、あらかじめ、標準的に決めておこうという考えが基礎なのです。

2そうした、「新オレンジプラン」の新しい流れと考え方に立脚して、いつ、どこで、どのような対応、対策、サービスを受けさせるかの判断と認定の上で、上記三段階の区分が極めて重要となることに注意して頂きたいのです。

猶、中ボケの「前期」は、集団に因る「脳のリハビリ」の実施が有効であるが、中ボケの「後期」になると、「個別メニュー」に因る「脳のリハビリ」の実施でないと、効果が期待できなくなることに注意が必要。

3 私たち二段階方式は、「二段階方式の考えに立脚し、二段階方式の手技を活用」して、早期診断による回復、介護の予防、及び発病自体の予防が、政府大綱が提起する『介護の予防』という考え方に包摂されると考え、保健師さんが主導し、地域のボランティアの参画と協働を得た、住民参加型の『地域予防活動』の展開、国策化に拠る全国展開を提案することを決断したのです。

&6 「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の段階の判定と方法

1.アルツハイマー型認知症の症状は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのです。従って、発病の有無及び症状の段階を的確に把握するには、前頭葉の機能レベルの精緻な判定が不可欠となるのであり、MMSEや長谷川式の実施だけでは、「脳のリハビリ」の実践により治すことが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケと中ボケの段階を見落としてしまうことになるのです。末期の段階である「大ボケ」の段階で発病を見つけていたのでは、「発病のレッテル張り」に過ぎないのであり、何等の有効な対応や対策が実施できなくなってしまうのです。現在の状況、「介護に要する費用」だけで、単年度ベースで(一般会計と特別会計とを合わせた総額)10兆円を超す規模となっていて、この先、さらに増額して行くと予想されている原因は、早期診断による回復にも、発病自体の予防にも、対策が実施されていないことが大きな理由なのです(早期診断による回復と発病自体の予防については、今後の研究課題として、政府大綱の第一条に明記されている)。

2.一口に認知症と言っても、様々な種類があるのであり、「アルツハイマー型認知症」以外の認知症の発病の有無の判定、症状の程度の判定には、「医行為」が関わることになり、医師でない保健師さんは、その出発点で、関与が出来なくなってしまうのです。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」が本態であるため、『二段階方式』の手技を活用することに因り、発病の有無の判定、症状の段階区分の判定、回復及び重症化の進行を抑制する為の「脳のリハビリ」の実施指導による介護の予防、発病の予防の為の予防教室(脳のイキイキ教室)の展開と運営等の全ての面について、医行為が関係しないので、保健師さんが、一元的に実施し、評価し、管理し、指導することが出来るのです。私たち二段階方式が「アルツハイマー型認知症」に的を絞って、特化して、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』として、市町村との契約により、展開を指導してきたのも、「医行為の回避」という視点があったためでもあるのです。

3.上記&5の「アルツハイマー型認知症」の症状の全てが、前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の機能低下を進行させてきたこと、第二の人生を送る上でのナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した『廃用性の機能低下』の進行が唯一の要因(発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一の加重要因)であり、CT、MRIやPET等の機器の使用も不必要なのです。

4.加えて、発病のメカニズム及び重症化が進行するメカニズムと機序に照らして、発病を予防したり、症状を回復させたり、症状の進行を抑制する効能を有する薬は存在していないし、未来永劫、開発されることも無いのです(次をクリックしてください。➡ 脳機能から見た認知症)。医療現場で、現在使用されている4種の薬は、そうした効能は有していないのです。症状の発現の程度や発現の仕方に関わる単なる対症療法薬(昂進型/抑制型)でしかないのです。『個々のケースによっては、症状の進行を遅らせる可能性が期待される』として、使用されているものは、私たちの「脳機能データ」である『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因』に取り上げられ分析が行われている種々の生活習慣要因の関わりという視点を持たない為に、「効能の評価自体を誤っている」に過ぎないのです。

&7 対応の在り方の区分に応じた「ケアパス」の『標準化モデル』の考え方

1.「アルツハイマー型認知症」に特有な対応の在り方(ケアパス)

(1) 最も有効なのは、発病自体の予防(一次予防)です。「アルツハイマー型認知症」こそが、一次予防に最も適切なタイプの認知症なのです。その本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であること、発病の有無及び重症化区分の判定が、二段階方式という「神経心理機能テスト」の活用により、且つ、それだけで、何等の機器の使用が必要なくて、客観的で精緻なレベルで判定できるものであること、注意の分配力の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する「脳の使い方」を予防教室脳のイキイキ教室)で体験し、そこでの体験を日々の生活に取り込み、自分なりのテーマを選択し、目標を設定して、自分なりの楽しみ喜び生き甲斐が得られる生活習慣を創意工夫して構築し、継続して実践し、生活習慣化することに因り、発病自体を予防することが出来、万一発病しても、「早期発見」と「脳のリハビリ」の実践により、回復させることが可能であるし、重症化の進行を抑制して、進行のスピードを緩やかにすることに因り、介護が不可欠となる末期の段階、「大ボケ」の段階にまで症状が進行していく時期を先送りすることが出来るのです(「介護の予防」を効果的に達成することが出来ることになる)。

(2) 予防教室(脳のイキイキ教室)の参加者に対しては、当該年度の予防教室の開始月と閉じる月の二回、予防教室に継続して参加者した個々の『お年寄り』の「脳のイキイキ度チェック」を「二段階方式」の手技による『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』を判定することに因り、当該期間中における『経時変化』の『脳機能データ』を集積していくのです。二段階方式の基準に基づいた判定結果は、「改善、維持、低下」の3種類に判定区分されることになります。

(3) 参加しているのは全員『高齢者』なので、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、『加齢』に起因した機能低下が必ず進行していることになります。加えて、何かをキッカケにして、意欲を喪失したことで開始されることになるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に陥っていた場合は、『廃用性の機能低下』が進行してきている「お年寄り」もいるはずなのです。当該年度の教室の開催の1年間という経過期間中に起きてきた変化、経時変化を判定するとき、①前頭葉を含む脳全体の機能レベルが改善しているケース、②維持されているケース、③低下してきているケースの3種類に区分して判定することが出来るのです。

当該判定については、「前頭葉」の機能レベル自体の変化及び左脳と右脳の機能レベルの変化を各々判定した上で、その総合的な評価が行われるのです。厳密な定義に因る『判定基準』が設定されているのが、二段階方式の特徴なのです。「物忘れ」の程度や態様の変化を外観から観察するだけと言った、「記憶障害」とかの指標を基準とする判定基準とは、判定対象の本質自体が異なるのです。

(4) 上記脳機能データは、予防教室に参加した個々の「お年寄り」について、参加する限り判定が実施されていきます。年齢、男女区分、教室区分ごとのデータが集積されるので、「当該教室」についての活動内容(実施テーマ、男女比、年齢層比較)をもとにした有効性の比較や評価が出来ることになります。こうした個々の「脳機能データ」を管理する為のソフト(”エイジング”)を開発し、使用許諾の対象にも加えてきたのが『二段階方式』の特徴なのです。昨年の11月に実施された厚労省(認知症施策推進室)との協議の際も、いくつかの市町村のそうした「脳機能データ」をもとにした経時変化の比較データが提示されたのです(このソフトは、現在改訂中です。従来のデータに加えて、介護保険の適用区分である、要支援と要介護のデータも取り入れる考えなのです。『アルツハイマー型認知症』の発病は、記憶障害に起因するものでなくて、『前頭葉』の廃用性の機能低下の進行に因る機能障害が原因という時代が来ると確信しているので、色々なレベルの脳機能データの評価が必要有益と考えているのです)。

2.以下の区分を明確にした対応が、必要で有効で有益となるのです。

そのためには、物忘れの症状を外観から観察するという方法では、いい加減な対応や措置に陥ってしまうことを理解して頂きたいのです。アルツハイマー型認知症の発病の有無の判定自体が、記憶障害(物忘れ)の症状の程度や頻度や態様で判定できる訳のものではないからです。&5で例示列挙した三段階に区分される類型的な症状(『アルツハイマー型認知症』の発病患者14689例の解析結果)を見て頂ければ、そのことを理解して頂けると思うのです。

そもそも、『物忘れ症状』に代表される「記憶障害」の症状も、『前頭葉』の機能障害に起因して発現してくる症状の一つの態様(症状の類型)に過ぎないのです。記憶は、記銘して、保持して、想起するという三段階の機能構造をしているのです。この機能構造の下で、『よく記銘されたものが、良く保持されて、良く想起されることになる』ことは、皆さんも体験的にご存知のことと思うのです。それは何故か。『海馬が短期記憶と長期記憶とを区分けているから』ではないのです。激しい憤りや、辛く悲しい感情を伴った記憶は、『そのことを記銘する時』に、意欲と集中力の発揮度が極めて高くなるために、加えて、「意識的な世界」では常に必ず、一定の機能レベルで働いているはずの『注意の分配力』の機能がその瞬間は機能低下している状態となることが原因で、記銘度が高くなることが原因で、良く保持され、良く想起されることになるだけなのです。

30代から発現して来るようになり、高齢者となるに従い、頻度が高まり、程度がひどくなっていく、所謂「物忘れの症状」は、このメカニズムが影響しているだけなのです。私たちが『前頭葉の三本柱の機能』と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能には、加齢に起因した機能低下の進行という要因が存在しているので、この要因の反映として、物忘れの症状が発現してきて、発現の程度や頻度や態様が次第に大きくなっていくだけなのです。『加齢』という要因のみに起因した物忘れの症状と廃用性の機能低下が加重されたものであり、アルツハイマー型認知症の発病としての記憶障害の症状とを的確に且つ客観的に判定し、区別するには、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能レベルの判定が必要不可欠となるのです。『前頭葉』の機能レベルが正常なレベルに在って発現してくる物忘れの症状と、『前頭葉』の機能レベルが異常なレベルに在って発現してくる記憶障害の症状(=アルツハイマー型認知症発病としての症状)とは、厳格に区分けるべきものなのです。ボケてもいないお年寄りを『ぼけ老人』扱いしてしまうことになるのですから。どうすればいいのか。『前頭葉の機能レベルが、正常であるか、異常であるかについての、客観的な判定が不可欠となる』のです。

&8 対応の在り方の区分に応じた「認知症ケアパス」の『標準化モデル』

1.このケアパスは、様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めている「アルツハイマー型認知症」に的を絞った特化した認知症ケアパスであることに注意して下さい。他の種類の認知症は、対象としていないのです。さらに重要なのは、発病の有無及び症状の段階の判定に応じた対応、対策、指導の全てが、『二段階方式』の手技の活用によることを前提としたものであり、殆どの市町村が現在作成している認知症ケアパスに見られるような、物忘れの症状を外観的にとらえただけの判定、対策、指導という種類のものとは根本的に異なるものなのです。『前頭葉』の機能に照準を当てて、前頭葉の機能レベルを含む脳全体の機能レベルの客観的で精緻な判定が出発点となっているのです。

2.その上で、二段階方式の考え方に立脚し、二段階方式の手技の活用による、発病の有無の判定、症状の段階区分の判定、判定された脳の機能レベルに応じた対応、対策の指導及び経時的な変化の把握を行うものなのです。

3.市町村が作成した「認知症ケアパス」を見ると、予防教室類似の場所の提供も数多く見ることが出来ます。だからと言って、そこに出かけて行って、歌って踊ったり、パズルに代表される「脳トレ」をやってみたり、簡単な足し算や引き算をやることを繰り返していれば、アルツハイマー型認知症の発病の予防の効果や介護の予防の効果が顕著なものとなるかというと、決してそうではないのです。➡452の先駆例でも、「二段階方式」の導入とは名ばかりで、『集団かなひろいテスト」の実施でお茶を濁して、歌って踊るだけの教室では、効果が少なかった!

実態は、発病者数が顕著な増加の傾向を示したままであり、重症化が進行しているお年寄りの数が顕著な増加の傾向を示しているのです。『脳のフレイル』と識者が取り上げている問題は、実は、アルツハイマー型認知症の発病であり、最初の段階、「小ボケ」の段階の症状なのです。前頭葉の機能レベルを判定してみることに因り、そのことが表面化してくることになるのです。加えて、デイケア、デイサービス施設等でも、発病者の更なる重症化の進行問題が確認され、新型コロナ感染回避の為の「3密の回避」の順守が求められている状況下で、大きな社会問題となってきているのです。

(1)『一次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」の問題

①『発病自体の予防』が目的となります(発病自体を先送りすることが出来る結果として、発病して、小ボケ➡中ボケの前期➡中ボケの後期➡大ボケの前期➡大ボケの後期というステップを踏むこととなるので、重症化が進行し、介護が不可欠となる「大ボケ」の段階に進む時期が先送りされるので、介護の予防にもなるということなのです=「介護の予防」の実施施策の一形態となる)。

②市町村による対応であれば、人手を余りかけないで実施する必要があるので、集団での対応の道しかなく、「予防教室」(『脳イキイキ教室』)を運営することになります(個々の対応は、本人/家族による対応となります)。

③参加者の区別、参加の効果について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定が不可欠となります。教室に参加できるお年寄りは、正常な機能レベルに在るお年寄りが原則であり、例外として、「小ボケ」の段階のお年寄りが加わることが出来るのであり、「中ボケ以下のお年寄りは、予防教室に参加することが出来ないからなのです。「中ボケ」以下のレベルでは、前頭葉を含む脳全体の機能レベルという厳しい関門があり、正常な機能レベルと小ボケの段階の脳の機能レベルを対象とした、予防教室が脳の活性化体験として実施する「テーマ」についていくことが困難だからなのです。この区分けは、不可欠なのです。

教室参加者の中に、「中ボケ」レベルが交っていると、運営が混乱するのです。

④「小ボケ」の段階であれば、予防教室での体験についていくことが出来るし、その体験を日々の生活習慣に取り込む工夫と実践が為されることに因り、正常な機能レベルに回復させることが出来ることが、極めて重要なのです。

(2) 『二次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」

①「早期診断」と「脳のリハビリ」の実施による「回復」と「介護の予防」が目的となります。『脳のリハビリ』の実施という命題が有るので、「脳のリハビリ」に因る回復が期待できないレベルのお年寄り、「大ボケ」の段階と判定されたお年寄りは、対象外となります。

末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進んだお年寄りには、「介護の途」しか残されていないことに注意が必要です。中ボケレベルのお年寄りと大ボケレベルのお年寄りでは、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの相違という要因から、『同一のレベルでの対策や対処や対応が困難となる』ことを良く理解し、肝に銘じて頂きたいのです。市町村が作成した「認知症ケアパス」では、最も肝心であるこの視点が欠けていて、客観的で精緻な基準と判定方法により、「両者を区分ける」方法が示されていないのです。

脳のリハビリの実施による効果という視点から、『中ボケ』は前期後期とに明確に区分けた対応が必要不可欠となります。「中ボケ」の前期(前頭葉の機能レベルが異常なレベルであって、MMSEの換算値が23点~20点)であれば、集団による脳のリハビリ」の実施でも(個別メニューでなく、集団メニューであることがポイント)効果を発揮することが出来るのに対して、「中ボケ」の後期(前頭葉の機能レベルが異常なレベルであって、MMSEの換算値が19点~15点)のお年寄りに対しては、『個別メニュー』による「脳のリハビリ」の実施でないと効果を発揮することが出来ないのです。どのような「テーマ」で、どのような「目標」であれば、本人が実施に前向きに対応することが出来るか、過去の生活体験に含まれたものであるか、継続実施が可能であるか等、様々な個人要件の加味が不可欠となって来るのです。手間も暇もコストも熱意も必要。その意味で、中ボケの後期でも、脳のリハビリの実施に効果が期待できるとは言え、同居の家族の熱心な協力が不可欠という問題を抱えることになるのです。

④中ボケの後期から大ボケの前期と判定されたお年寄りは、三次予防の対象となると考えているのです。

⑤『二次予防』の機能の担い手は、別途立ち上げる『NPO法人』が活動の主体となるべきものと考えています。市町村との契約に基づいて、当該NPO法人が二次予防を実施し、「小ボケ」の段階への改善を目指し、ケースにより、更には、正常な機能レベルの改善を目指すのです。何らかの事情により、改善の効果が出てこなかったケースについては介護が不可欠となる段階、「大ボケ」の段階にまで進む時期を遅らせる効果、「介護の予防」の効果を目指すことになります。「中ボケ」の後期の段階に進んだお年寄りについては、三次予防の対象者とし、NPO法人が扱う対象から離して、適切なデイケア/デイサービス「施設」を紹介することになります。

(3)『三次予防』の対象となるお年寄りの「脳の機能レベル」

①『中ボケ』の後期と判定された「お年寄り」を対象とします。このレベルは、

失語や失認や失行の症状が未だ発現してこないレベルに在るお年寄りなのです。

②扱う施設は、現行制度化の認知症対応型通所介護施設(介護予防認知症対応型通所介護施設)又は、デイケア/デイサービス施設となります。

4.「アルツハイマー型認知症」のみを対象とし/特化した対応の仕方としての「二段階方式」の考え方に基づき、「二段階方式」の手技の活用による『認知症のケアパス標準化モデル』 末尾のページに掲載の内容(個別指導時における二段階方式手技の手順)を参照して下さい。

5.「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び重症化区分判定の為の「二段階方式」の手技の実施手順のフローチャート➡ 最後のページ(個別の生活改善指導のフローチャート)を参照して下さい。

&9 保健師さんが一元的に実施し、評価し、管理するアルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開

1.「二段階方式」の実務研修会を受講した保健師さんが、二段階方式の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して活動を一元的に実施し、評価し、管理し、必要なケースについて「脳のリハビリ」の指導を行うことになります。

2.「前頭葉」の機能を含む脳全体の機能レベルが正常なお年寄りを正常なレベルの儘に保つことを目的とした予防教室(EX.『脳イキイキ教室』)の運営です。

➡ 「加齢」の進行に因り、何時かは、発病することになる、その発病の時期の先送りであり、何時かは「介護」が必要となる末期の段階(「大ボケ」)にまで症状が進行する時期の先送り(=「介護の予防」の効果)を意味しています。 ※教室の運営については、地域の「ボランティア」の参画が必要有益です。

➡ ボランティアの参画については、過去に実施されていた一つの参考事例として、宮城県大崎市古川地区のやり方を「トップページ」に挙げています。

&10 アルツハイマー型認知症特化対応型『認知症ケアパス』の流れ

1.詳細は、添付資料の『認知症のケアパス標準化モデル』を参照して下さい。

2.以下は、そのイメージ図です(「二段階方式」の手技による判定が前提)。

Ⅰ.脳のイキイキ度チェック Ⅱ.何処(誰から) Ⅲ.何を受けられるのか 

正常なレベル        市町の予防教室    発病予防の生活体験

                         

小ボケのレベル       市町の予防教室    脳のリハビリ指導

 

③ 中ボケの前期        別途のNPO法人      集団での脳リハ指導

 

④ 中ボケの後期           現行の通所介護施設   現行制度の内容

 

⑤ 大ボケの前期         医療機関       医師に因る診断

 

⑥ 大ボケの後期         医療機関          医師による診断

 一次予防と二次予防とを、「二段階方式」の手技により実施するのが特徴。

&11 認知症施策推進総合戦略としての『新オレンジプラン』が求めるもの

1.『新オレンジプラン』は、オレンジプランから引き継ぎ、改変した7つの柱で構成されています。その「基本的な考え方」としては、『認知症高齢者等にやさしい地域づくりを推進していくため、認知症の人が住み慣れた地域のよい環境で、自分らしく暮らし続けるために必要としていることに、的確に応えていくことを旨としつつ、7つの柱に沿って、施策を総合的に推進していく』としているのです。

7つの柱の中でも、施策の推進に際して、特に重要で必要なのは、

    ①アルツハイマー型認知症への理解;

 ②アルツハイマー型認知症の容態に応じた適時・適切なサービスの提供;

 ③アルツハイマー型認知症発病者への/介護者への支援;

 ④アルツハイマー型認知症の発病者を含む高齢者にやさしい地域づくり;

 ⑤アルツハイマー型認知症発病者やその家族の視点の重視

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上をアルツハイマー型認知症が占めていること及び発病の有無の判定に「医行為」が関わらないで済むのは、アルツハイマー型認知症だけであることに対する注意が必要です。その意味で、政府が市町村の保健師さんに対応と対策を求めているのは、『アルツハイマー型認知症』を頭に置いたものと理解すべきなのです。

➡ 若年性認知症対策が7つの柱の一つに挙げられています。若年性認知症の典型は、『アルツハイマー病』です。これは、生まれつき特定の遺伝子に異常が存する人だけを対象として発病し、30~50歳代の「若年発症」が特徴なのです。この対策は、保健師さんにも、医師にも、不可能なのです。

若年性アルツハイマー型認知症」とされているものが若年性認知症の大半を占めると考えているのですが、実際には、若年性アルツハイマー型認知症なるものは、実在しなくて、架空のものなのです。アルツハイマー型認知症の本態に対する無知と前頭葉の機能レベルの精緻な判定の為の手技を持たない専門家達が、『側頭葉性健忘症』(重度の記銘力障害と海馬の萎縮を特徴とするものの、前頭葉の機能が正常なレベルに在ることが特徴であり、若年での発症が特徴でもある)のです。このことに加え、「緩徐進行性失語症」との誤診も多いのです。MRIで海馬の萎縮を調べて、MMSE(又は長谷川式)で脳の後半領域の働きだけを調べ、肝心かなめの『前頭葉』の機能レベルの判定の手技を持たないので、『誤診がまかり通っている』という訳です。『アルツハイマー型認知症』の発病者であれば、脳全体の「司令塔」の役割を担っている「前頭葉」の機能が真っ先に異常なレベルに衰えて行くことさえも知らないでいるのです。

重度の記憶障害の症状を呈していても、「側頭葉性健忘症」を発病した人は、比較的年齢が若い層の人であり、且つ、前頭葉の機能が正常なレベルに在り、状況の判断も理解も十分に出来て、自分が置かれている状況に対する種々の困難な問題について、的確に言葉で表現できるのです。逆に、アルツハイマー型認知症の発病者で、重い記憶障害の症状が確認される「お年寄り」(発病者は、60歳を超えていて、「第二の人生」を送っているお年寄りに限られるのが特徴)、であれば、自分が置かれている状況を、言葉で的確には表現出来ないのです。

&12 政府大綱が提起する『認知症施策の総合的な推進』(2019.07鉱表)

1.基本的考え方、すなわち、認知症(ここでは、アルツハイマー型認知症のことを言っていることに注意)の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、「共生」と「予防」を車の両輪として施策を推進して行くことを明言している。但し、「予防」についての注釈があり、現在の時点で、「予防」とは、認知症にならないという意味ではなく、認知症になるのを遅らせる、認知症になっても進行を緩やかにするという意味であるとしています。世界中の専門機関や人達の全てが、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、一旦発病すると、治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』としていて、発病の原因については、4つの仮説が提示された儘であり、発病との因果関係を未だに立証できないでいることが理由なのです。その一方で、カロリンスカ研究所やランセット委員会がAI技術を活用したコホート研究により、生活習慣が危険因子ではないかとの見解を発表していることも踏まえた厚労省の見解であり、『運動や交遊が発病を遅らせる効果が期待できるのではとの考え』も提起しているのです。

2.生活上の困難が生じた場合でも、重症化を予防しつつ、周囲や地域の理解と協力の下、本人が希望を持って前を向き、力を活かしていくことで極力それを減らし(実は、「中ボケ」の段階になると、このようなことは無理となってしまうのです。「大ボケ」の段階は、介護の途しか残されていなくて、身体が持つ限り、症状が更に重いものになって行き、家族の負担が重くなっていくのです)、住み慣れた地域の中で尊厳が守られ、自分らしく暮らし続けることが出来る社会を目指すとされているのです

① 予防(高齢者が身近で通える場「通いの場」の拡充)、

② 介護サービス・介護者への支援(早期発見、早期対応体制の質の向上)

&13 アルツハイマー型認知症は、介護と発病の予防が『コインの裏表』

1.国策に因る「介護保険制度」は、要支援要介護に区分されています。両者ともに、身体的な機能条件を理由とする人と脳の機能条件を理由(認知症の発病者)とする人に区分されています。

2.認知症については様々な種類が数あるのですが、その大多数、90%以上は、アルツハイマー型認知症が占めていることが重要なのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、第二の人生を送る上での「脳の使い方」としての生活習慣が、「発病するか/しないか」並びに「症状の重症化が進行するか/しない」を区分ける『唯一の要因である』からなのです。アルツハイマー型認知症というタイプの認知症こそ、発病自体を予防することが出来るし、早期診断により治すことが出来るタイプの認知症であることを、専門家だけでなくて、世の中に広く啓蒙する必要があるのです。

第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての『生活習慣』について、「前頭葉」が活性化する生活習慣、自分なりの「テーマ」を選択し、自分なりの「目標」を設定して、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、評価、比較、選択、決定、決断、感動、抑制などの『実行機能』の出番が多い生活習慣を構築し、継続して実践することに因り、「意欲」、「注意の集中力」及び『注意の分配力』の機能の出番が多くなることに因り、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」(意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界)における脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能が、活性化することに因り、「前頭葉」の機能レベルを正常なレベルのままに保つことができるので、「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防を達成することができるからなのです。

3.「アルツハイマー型認知症」は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の症状)が発現して来るのが特徴なのです。小ボケと中ボケの段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」により治すことが出来るのです。末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、最早治すことが出来なくなり、日常の生活面で「介護が不可欠」となるのです。

4.我が国は、既に、世界の先頭をヒタ走る「超高齢社会」に在るのです。65歳以上高齢者の内、「認知症高齢者(その内の大多数、90%以上のお年寄りが、「アルツハイマー型認知症」の発病者であることに注意して下さい)が、この先更に増加していくと予想されているのです。

5.『発病自体の予防と早期診断による回復』という「テーマ」について、国策による全国展開を実施して行かないと、「介護保険制度」自体が財政面から破綻の危機を迎えてしまうことになるのです。この「発病自体の予防というテーマ」を国民的な課題として、出来るだけ早期に、実行する必要があるのです。

6.『発病自体を予防し、早期診断により回復させることが、介護の予防に直結する効果と結果をもたらす』のです。換言すれば、『アルツハイマー型認知症は、介護発病自体の予防が「コインの裏表」の関係に在るという訳なのです。介護も不可欠なのですが、発病自体の予防に手を付けることも、必要不可欠となるのです。

添付図式1

添付図式2

本著作物「F-01」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 エイジングライフ研究所(エイジングライフ研究所のHP) 

 

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アルツハイマー型認知症の介護の予防と自助、共助、公助の枠組み(E-12)

2020-12-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

プロローグ) 経済活動の再生と新型コロナの感染の抑止という二律背反のテーマが、同時進行的に求められている状況に在ります。野党とマスコミはというと、新型コロナの感染者数の検査の拡大実施ばかりを唱えて、日々感染者数の拡大を問題にして、いたずらに世の中を不安に追い込もうとしているだけなのです。我が国の人口総数は、現在12570万人なのです。一日につき100万人の検査を実施しても、全員の検査が完了する迄には126日もかかってしまうのです。そのうえ、その日に検査を受けて、陰性と判断されたからと言って、以後感染しない事にはならないのです。翌日には、感染していることもあり得るのです。

もっと素朴な議論のレベルで言うと、『人が動くことだけに直接起因して、新型コロナに感染する訳ではないのです。人が密に交わっているだけで、新型コロナの感染が起きる訳でもない』のです。『人が密に交わる空間での特別な行為、感染者が口を開けて、大きな声でしゃべる行為が、ウイルスが混じった飛沫の飛び交うことが、ウイルスを拡散させて、新型コロナの感染が起きている』のです。新形コロナが一定の大きさを持った「塊」となることに因り、波と同じような動きが出てきているはずなのです。マスクが、それを防止するのです。 例え10人が一つのテーブルに座って会食していようとも、その中に感染者が居なければ、感染は起きないのです。仮に、その中の1人が感染していても、椅子に座ったままで、席を動かないで居て、「マスク」を着けた儘、下を向いて、小さな声で、会話するだけなのであれば、飛沫が飛ばないので、感染が起きる可能性は大きく低下するのです。そうしたデータも収集されているのです。4人での会食でも、その中の1人が感染していて、マスクをつけないで、席を立って歩き回り、口を大きく開けて、大声でしゃべっていると、飛沫をまき散らすので、「クラスター感染」を引き起こす可能性が高くなるのです。そうした感染を引き起こす可能性が高い行為、クラスターを惹き起こしている場所でのどのような行為がどのように危険なのかについての、情報を収集し、分析し、回避すべき場所や行動や態度を具体的に明示して、文書化して配布し、その回避を国民に強く求めるべきなのです。空気感染ではなくて、飛沫感染(感染者が、大口を開けて、大きな声で、飛沫を飛ばし乍らしゃべること)と接触感染(感染者が触れて、ウイルスが付着したドアノブや食器や小道具類からの感染)が感染のルーツなのです。

 どれ程の感染者数が出てこようと、重症化したり、死亡したりする人が一人も出てこないのであれば、大騒ぎをして、経済活動を止めるような要求はしないはずなのです。一番の問題は、重症化の規模の問題なのです。重症化の規模の拡大を抑制する為の、最も有効な対策は、クラスターの追求と分析の徹底及びその詳細なデータの公表と国民に対する類似の行動の禁止、抑止の要請です。重症者の出現に十分な対応が出来る規模での治療が出来る病院の規模を十分なものとする為の対策を日々拡大しようとも、日々クラスターが発生し、規模が日々拡大して行くのでは、医療崩壊が必然的に起きてしまうのです。これまでのデータを参考にして、もっと的を絞り、情報を収集し、『クラスター分析』に注力すべきなのです。その結果として、どんな場所で、どんな行動をとることが、クラスターの発生に重大な影響をもたらしているのかの因果関係を分析し、詳細を国民に開示し、『クラスター回避対策』としての具体的な禁止事項を明示して、そうした行動や態度を禁止し、抑制する具体的な回避行動を国民に求めるべきなのです。罰則を設ければいいのです。必用なら、憲法の関連条項を改正する議論をすべきなのです。憲法改正について、国民が具体的な問題意識をもって、考える、絶好の機会なのです。

我が国では、自動車事故による死亡者総数が昨年度は、1948年以降で最少の人数ながら、3215人だったのです。そうだからと言って、自動車の運行を制限し、或いは、禁止してしまうよう、政府に求める発言や提言をする有識者は、皆無だと思うのです。新形コロナに感染して、更に、重症化が進行して、結果として死亡した人の人数は、(この1年間で、約2150人)を数えるのと、比較してみて下さい。更なるショッキングなデータを提示しましょう。インフルエンザについては、ワクチンが開発されていて、接種が為されている状況下で、我が国での死亡者総数は、2018年が3325人であり、2019年が3571人なのです。新型コロナに対しては、ワクチンの接種が為されていない状況下での死亡者総数なのです。それでいて、「経済活動をを止めてしまえ」と叫び続けるマスコミと野党の真の思惑は何なのかということなのです。

重症化及び死亡を回避する為の必要な対策の実施という視点は保持しつつも、一定の規模での死亡を前提にして、容認して、経済の再生に向けて、あらゆる有効と考えられる対策を実施しなければいけないはずなのです。経済の再生に失敗すれば、倒産する企業があふれてきて、失業者や自殺者が増加し、溢れる状況が出てくるはずなのです。その一方で、やたらと給付金を支給するポピュリズム的な対策は回避すべきなのです。税収の規模が全く足りないので、国債を発行し、紙幣を印刷する愚の繰り返しでは、その付けが、インフレとなって跳ね返ってくるからです。かつて、ハイパー・インフレに襲われた南米や東南アジアの国々の国民、就中、収入の規模が小さい人達を襲った悲惨な状況を思い起こすべきなのです。我が国を、この国に住む日本人を心から愛しているのなら、野党もマスコミも、ここらで目を醒ますべきなのです。『非難』ばかりを繰り返すのでなくて、より良いと考える『方策』を提案すべきなのです。

&1新型コロナ感染回避策としての3密の回避とアルツハイマー型認知症との関係

第二の人生を送っている高齢者が、『3密の回避』に徹した「生活習慣」(脳の使い方としての生活習慣)を継続させている中で、『アルツハイマー型認知症』を発病するお年寄り顕著な増加の傾向を示していて、更には、症状の重症化が進行するお年寄り顕著な増加の傾向を示しているという事実が確認されているのです。この『事象事実』に照らしてみただけでも、「アルツハイマー型認知症」が記憶障害に起因して発症する訳ではないし、「記憶障害」に起因して発症するとの前提に立脚した4つの仮説』の主張内容(即ち、『アミロイドベータの蓄積に因る老人斑の生成、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化、アセチルコリンの不足、脳の萎縮が原因と主張』)が、全て誤りであることを示す「一つの客観的な証拠」であると言えるのです。

 第二の人生を送っている高齢者が、3密の回避に徹した生活習慣(脳の使い方としての生活習慣)を継続していると、アミロイドベータの蓄積が加速するのですか、タウタンパクの蓄積が加速するのですか、アセチルコリンの不足が加速するのですか、脳の萎縮が加速するのですかと問いたいのです。「4つの仮説」の内の何れかを支持する権威者達からの反論を伺ってみたいのです。「アルツハイマー型認知症」は、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現して来るのが特徴なのです。発病原因を解明する上で核となる脳機能である「前頭葉」も「注意の分配力」も備わっていない、「マウス」のお尻を追いかけまわす研究方法を中止して欲しいのです。

新形コロナの感染回避策として推奨され、順守されている『3密の回避』に徹した生活習慣の継続が(食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣であることに注意)、第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけを対象として、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行を惹き起こさせていることにも、警鐘を鳴らしておきたいのです。何故なら、「アルツハイマー型認知症」の真の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病に過ぎないからなのです(但し、糖尿病の発病との間に直接の因果関係は存在していないのです。「地中海料理」等を含む「食生活」とも無関係のものであり、左脳の出番が不可欠で、注意の分配力の機能の出番が多い「仕事」とは無縁の日々の暮らしとなる「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」を言うことに注意して下さい)

 その意味でも、「若年性アルツハイマー型認知症」は実在していない、架空のものなのです。「アルツハイマー型認知症」は、『加齢』に起因した機能低下という要因と「第二の人生」を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い単調な日々の暮らし方であり、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)の継続に起因した廃用性の機能低下という要因、異なるこの二つの要因が同時に存在し、充足されることによる相乗効果に因り、『意識的な世界』、意識的に何かのテーマを発想し、実行の計画を立て、その結果をシミュレーションし、最終的な実行内容を選択し、実行に移す世界の要となる脳機能である、『前頭葉』(左脳、右脳および運動の脳という3頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者の役割を担っている核心的な機能)を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される(小ボケ、中ボケ、大ボケ)認知症の症状が発現してくるのであり、「老年発症」が、『アルツハイマー型認知症』の特徴なのです。

 生まれつき「特定の遺伝子に異常」が存在する人達だけを対象として発病する所謂「アルツハイマー病」と上述した特徴を有する『アルツハイマー型認知症』とは全く異なる性質のものなのであり、両者を混同しているだけなのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、末期の段階にまで症状が進行して、更に何年も生きたお年寄り達の死後の「脳の解剖所見」に見られる特徴である『アミロイドベータの蓄積に因る老人斑の確認、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化の確認、脳の萎縮の確認』という共通項の存在のみを根拠として、「アルツハイマー病」に類似した認知症と考えて、アルツハイマー病に似た(型の)認知症=アルツハイマー型認知症としているだけなのです。然も、アミロイドベータの蓄積に因る老人斑が記憶障害を惹き起こす犯人と想定したのがアミロイドベータ仮説であり、タウタンパクの蓄積に因る神経原繊維変化が記憶障害を惹き起こす犯人と想定したのがタウタンパク仮説であり、脳の萎縮が記憶障害を惹き起こす犯人と想定したのが脳の萎縮仮説という訳なのです。

それらの仮説が発病の原因と想定する内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との因果関係を未だに立証できないでいる為に、全てが未だに仮説の儘なのです。&3の「各段階」で例示された類型的で典型的な諸症状は、「記憶障害」ではなくて、『前頭葉』の機能障害に起因して発現したものばかりなのです。

&2現況下でのアルツハイマー型認知症の発病と重症化の進行拡大の事実との相関

様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」については、世界中の専門家達から、発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無いとされているのです。何もかも分からないとされているのです。その結果、日々の生活面で「介護」が不可欠の状態にあるお年寄りの世話について、「介護保険」の適用を全員には適用出来なくて、家族介護が強いられているのが現状なのです。我が国では、そうしたレベルの発病者達、私たちの区分で言う「大ボケ」、末期の段階の「お年寄り」達の数が、厚労省予測で600万人を超えているとされていて(但し、私たち「二段階方式」の区分で言う、「小ボケと中ボケとは、専門家達に気づかれていなくて、発病と考えられていなくて、認識されていないために、発病者の数値には含まれてはいないことに注意して下さい)、若い世代の子供達が、親の介護のために自分の人生を投げ出してしまう状況、「介護離職」する人達の数が、累積で100万人を超えてきているのです。

介護関連の費用の総額も、一般会計と特別会計を併わせた額で言うと、単年度ベースで10兆円を超えてきていて、この先更に増加するとされているのです。

そのうえ、「アルツハイマー型認知症」(生まれつき特定の遺伝子に異常がある人達だけを対象として発病し、若年発症が特徴である「アルツハイマー病」と発病原因が不明とされていて、老年発症が特徴である「アルツハイマー型認知症」とを纏めて、『アルツハイマー病』と呼称する医師や学者が多いのは、その人達が「アルツハイマー型認知症」について殆ど何も知らないからなのです。「アルツハイマー型認知症」に関する特定の権威の考えに従っているだけで、『介護の予防』(介護が不可欠の段階にまで症状の重症化が進行する時期を何とか先送りすること)が当面のテーマとされているだけで、発病自体の予防に対しても、早期診断による回復に対しても、何等の対策が打たれていないのです。

 そうした政策の基礎に在る、専門家達の主張内容の重大な誤り、米国精神医学会が策定したものであり、その「DSM-4」の規定が確認を要求する「アルツハイマー型認知症」の診断基準としての第一要件及び第二要件の規定内容が、共に誤りであることに、未だに気づかないでいるのです。発病との間の因果関係の立証が出来ない儘の単なる憶測に基づいた主張であり、「DSM-4」の第一要件の規定内容が正しいものとする前提に立脚した主張である「4つの仮説」の内容が全て誤りであることに注意の喚起を促したいのです。

「DSMー4」の第二要件が、発病の初期症状であると規定し、例示する失語や失認や失行の症状より軽い段階に注意が向けられているものの、権威とされる人達の多くが支持している「MCI」(軽度認知障害)の基準の内容が誤りであることについても、注意の喚起を促したいのです。

根拠として、前回のブログで、私たち独自の脳機能データである「MMSE下位項目の項目困難度」という事象事実としてのデータを提示しました(『DSM-4』の規程の第一要件の内容も第二要件の内容も並びに「4つの仮説」の主張内容が、全て誤りであることの根拠データ)。「MMSE下位項目の項目困難度」並びに「小ボケ及び中ボケの期間についての標準的な滞留期間の存在」の各データは、「DSM4及び4つの仮説」の主張内容が、全て誤りであることを示す、客観的な証拠資料、事象事実としてのデータなのです⦅14689例に上るアルツハイマー型認知症発病患者の脳機能データの解析結果)。「DSM―4」の第一要件(記憶障害に起因して発病するとの想定)自体が、誤りなのです。

先週も、或る週刊誌に、アルツハイマー型認知症が治る薬とか銘打っていて、その薬を服用すると、「アミロイドベータ」という蛋白質が脳内から除去されるとか、「物忘れの症状」が回復すること等が例に挙げられていました。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについての誤解、「記憶の障害」に起因して症状が発現するとかの憶測に基づいただけの仮説、アミロイドベータ説をそのまま信じ込んだ解説が取り上げられているという体たらくの記事なのです(問題点の詳細な指摘は、次をクリックしてください。➡ 脳機能から見た認知症)。その上、MCIと判定された段階で、コグニサイズ(認知機能と運動を組み合わせたもの)を実行すると、アルツハイマー型認知症としての症状が改善するとか言うのです。認知機能の改善という以上は、「前頭葉」の機能レベルの改善であることが不可欠であるのに、物忘れの症状の改善程度のことで、症状が改善され、或いは、治るとか説明しているのです。無知の極みとも言うべきものなのです。

MCI(軽度認知障害)の基準を援用し、「アルツハイマー型認知症」の前駆的状態であると説明している医師が多いのですが、判定基準とは名ばかりのものであり、客観的な判定と運用は不可能な内容なのです。また、前駆的状態であるというその内容自体が、何も言っていないに等しいのです。MCIと判定された人達の内の何人か明確には出来ないものの、何年後かは明確に出来ないものの、何%かが、数年後に、「アルツハイマー型認知症」を発病することになるという論文が出されているという程度の内容なのです。これが、「判定基準」と言えるのですか。発病しない人の割合の方が圧倒的に多いし、何年後とは言えないで、ケース・バイ・ケースなのです。早い人もいれば、遅い人もいれば、大多数は発病もしないのです。何を、どのように判定する『基準』だと言うのでしょうか。

アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムを解明し、老化・廃用型の『生活習慣病』であることを客観的な脳機能データを基礎に明確にし、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される類型的症状を基準化し、早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防について、北海道から九州に至る452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」の展開を指導して、主張内容が正しいことを疫学的に実証して来たのが、私たちの『二段階方式』なのです。5年間の有償期間を設けた為に、6年目以降を無償とした為に、予算化措置が必要でなくなった後は、この活動に従事する保健師さんの人員の配置がなくなり、活動自体が消えて行ってしまったのです。無償にしたのが、仇になったのです。Tadが犯した、唯一の重大な判断ミスだったのです。今後、「二段階方式」の国策化に拠り展開するときは、有償の儘とするつもりです。

現在は、全ての市町村が、政府大綱に基づく「介護の予防」というテーマだけを追求していて、『早期診断による回復』も、『発病自体の予防』も、脇に置かれた儘なのです。『発病自体の予防』というテーマが存在しないだけでなくて、『早期診断による回復』に不可欠である、「アルツハイマー型認知症」の本当の意味での早期の段階、脳のリハビリの実施により回復させることが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の『お年寄り』を見つけることが出来る基準、客観的な判定基準は存在していないのです。「認知症ケアパス」の資料の中には、何処にも、そうした基準は存在していないのです。誰が、何を、どうするのでしょうか。

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有な世界、「意識的な世界」が関わっているのです。意識的に何かの「テーマ」を発想し、目標を立て、実行の計画を立て、実行結果をシミュレーションし、その結果を比較し、最終的な実行の内容と態様と程度を選択する為に不可欠の機能である『実行機能』と実行機能の発揮度を支配し、下支えている機能である前頭葉の三本柱の機能(意欲、注意集中力及び注意分配力の機能)が関わることが不可欠となる世界なのです。その、前頭葉の三本柱の機能の廃用性の機能低下の進行という問題があり、その程度に応じて、「認知症の症状」が発現して来るのです。『アルツハイマー型認知症』は、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、「三段階」に区分される症状(小ボケ、中ボケ、大ボケ)が発現して来るのが特徴なのです。『前頭葉』の機能レベルについての客観的な判定もなされないで、「アルツハイマー型認知症」の症状についての「段階的な区分」と「類型的な症状」の指標となるものさえも無く、そんな内容の『ケアパス』を使って、一体、何を、的確、適切に判定出来るというのでしょうか。

今回は、私たち人間だけに特有であり、意識に関わる脳機能である『前頭葉』の機能の特徴について説明すると共に、「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした「三段階に区分される段階的な症状」の存在という、「アルツハイマー型認知症」の症状の「重症度」との相関関係についての説明を行うことに因り、世界中の専門家達の主張内容が誤りであることについて、脳の機能面と事象事実としての段階的な症状の類型と特徴及び標準的な滞留期間の資料を提示することに因り、世の中に警鐘を鳴らしておきたいと考えるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる『生活習慣病』(但し、60歳を超えた年齢の「高齢者」が、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」が、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを区分ける、「唯一の核心的な要因」なのであり、糖尿病の発病も、地中海料理に代表される食生活も、発病との間に直接の因果関係は確認されない、存在していないのです)であり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される段階的な症状が発現して来るのが特徴なのです。標準的な滞留期間で言うと、「小ボケ」の期間が3年間、次いで「中ボケ」の期間が2~3年間あって、最後は、末期の段階である「大ボケ」の段階へと重症化が進行して行くのが特徴なのです。大ボケの期間は、身体が持つ限り、何らかの他の病気又は、老衰により死を迎える迄、更なる症状の重症化が進行して行くのです。

小ボケで見つければ、脳のリハビリにより比較的容易に回復させることが出来、中ボケで見つければ、手間がかかるが、回復させることが未だ可能なのですが、大ボケで見つけたのでは、回復させることは最早困難となるのです。

中には、標準的な滞留期間から僅かに滞留期間が外れるケースが存在します。それらのケースでは、発病期間中の「脳の使い方」としての「生活習慣」の聞き取り、『生活歴』を聞き取ることに因り、滞留期間をズラス原因となった内容が必ず確認できるのです。『二段階方式』の手技により、「アルツハイマー型認知症」の発病者と判定されたお年寄りについて集積された脳機能データ『症状の継続期間と脳の老化のスピード差をもたらす生活要因』がその根拠資料なのです。

なお、此処で言う「脳のリハビリ」とは、私たち人間だけに特有な機能であり、「意識的な世界」を彩る『実行機能=Executive Function』の機能の発揮度を支配し、下支えている機能の中核的な機能である「注意の分配力」の機能の出番が多くて、『前頭葉』(左脳、右脳および運動の脳という3頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者)が活性化する生活習慣(自分なりのテーマを選択し、目標を設定し、実行の計画を立て、実行の仕方をシミュレーションし、比較し、選択し、更には、実行する過程、実行の結果によって、自分なりの楽しみや、喜びや、やり甲斐や、生き甲斐が得られる脳の使い方、日々の暮らし方)を工夫し、打ち立て、継続して実践することを言います。その意味で言うと、簡単な足し算や引き算をおこなうとか、パズルを解くとか等のテーマ、『脳トレ』と称して記述され、出版されている程度の実践では、肝心の『前頭葉』の活性化とはならないのです。『前頭葉』の機能レベルの判定を客観的で精緻なレベルで実施することが出来る「手技」さえ知らない人が、出版しているのです。『アルツハイマー型認知症』について書かれた市販の本の殆ど全てが、誤った内容なのですから。

&3アルツハイマー型認知症の段階的な症状の類型

1.「軽度認知症」(『小ボケ』)の段階に特有で、代表的な症状の8類型

(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを先ず判定します。各段階毎の「脳の機能レベル」に厳密にリンクした、各段階毎の「症状」を確認します。)

□ 発想が乏しくなって、画一的な行動が目立つようになる

□ 何事にも億劫で面倒がり、やろうとする意欲が見られない

□ 一日や一週間の計画が立てられず、なにも思いつかない様子

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔が見られない

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけが目立つ

□ 目の光がどんよりとしていて、普段の顔つきが無表情となる

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけて人を頼ろうとする

)「アルツハイマー型認知症」の発病としての最初の段階である「小ボケ」の段階の症状が発現してきているお年寄りの脳の何処にも、「器質的な原因病変」はその欠片も見当たらないのです。加えて、「記憶障害」に起因したと考えられそうな症状は全くのこと確認できなくてそれらの全てが前頭葉機能障害に起因した症状』(言い換えると、「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因した症状)ばかりなのです(Ex.小ボケの段階に特有な、小ボケの段階の症状)。

)「小ボケ」の症状は全て「前頭葉」の機能の中で最も基礎的で且つ重要な働きであり、意識の構成要素に対する「認知度」及び機能の発揮度を下支えし/左右している機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能が的確且つ十分には働かなくなってきていることが直接の原因なのです。

)私たち人間だけに特有な意識的な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す際に不可欠の機能である「実行機能」(Executive functioningの発揮は、「前頭葉」の三本柱の機能により左右され/下支えられているという『機能発揮上の二重構造』の問題が存在しているので、「前頭葉」の三本柱の機能、就中、注意の分配力の機能(最も高度な機能であり、3つ以上の異なった「複数のテーマ」を、同時に、並行して処理する上で不可欠の機能)が、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因して、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことが「直接の原因」で、『実行機能』の発揮度が低下していくことを厳密に反映しているのが、『小ボケ」の段階の症状の特徴なのです。ところで、世界中の権威とされる人達は、未だに、このことに気づいていないのです。

2.『中ボケ』(中等度認知症)の段階の典型的で特有な症状の8類型

□ 簡単な計算さえもしなくなり、お札ばかりで買い物をして、やたらと小銭がたまる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんと出来ない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、簡単な庭仕事さえもきちんと出来ない)

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が出来ない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。

裏表や前後ろに着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたまま

□ 料理の味付けが変になる(塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが

食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

)「中ボケ」の段階は、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が原因で、『前頭葉』の機能が更に異常なレベルに衰えてきている上に、「小ボケ」の段階では未だ正常な機能レベルにあった左脳、右脳及び運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきているのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続したままの状況下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく結果、『中ボケ』の段階に入ると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、異常な機能レベルに衰えてきていることに注意が必要です。『アルツハイマー型認知症』の症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして/反映した形で、「三段階に区分される症状」が、順次、発現してくるものなのです。

)「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「小ボケ」には、自覚があります。「意欲も湧かないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし・・」と感じていて、『以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい』という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じているのです。ところが「中ボケ」の段階になると、「『前頭葉』を含む脳全体の機能が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続してきたことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなります(「中ボケ」の特徴)。⇒ 働き盛りの若い年齢者であって(30~50~歳代での発症例が多い)、「重度の記憶障害」の症状の発現が顕著となっていても(この場合、重度の「記銘力障害」であることが特徴)、自分が置かれている状況に対する正しい及び適切な認識と理解が出来ていて、自分が困っていることを的確に言葉で表現できるなどと言うのは、アルツハイマー型認知症の発病患者には、絶対に起きてこないことなのです。『側頭葉性健忘症』(海馬の萎縮が確認されるのもこの病気の特徴なのです)が正しい診断であるものを、アルツハイマー型認知症についても無知であり、側頭葉性健忘症についても無知でありながら、権威が有るだけの医師達が、誤診し、『誤った情報』を社会に発信し、垂れ流しているのです。マスコミ自身が、『誤った情報をそのまま、発信してもいる』のです。

)『末期の段階』である「大ボケ」の段階でなくて、認知症研究の専門家達が未だ発病してはいないと誤解している段階、私たちの区分で言う「中ボケ」の段階前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが原因で(就中、「注意の分配力」の機能の低下が原因で)、「代表的で類型的な症状の類型」として、上記例示したような症状が自分に起きていることさえも自覚できなくなるのです。

3.「重度認知症」(『大ボケ』)に特有で代表的な類型的症状の8類型

□ 着ている服を脱ぎたがらないし、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がり、怖がるようになる

□ 服を正しく着られないで、ズボンを頭から被ったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする

□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置や始末ができない

□ 今が昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中にも大声で騒ぐ

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

)「中等度認知症」(中ボケ)になっても「老化現象」と勘違いしたりして、気づかないまま手をこまねいて居て、「脳のリハビリ」に励むことなく、相変わらずナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下が更に進んでいく為に(中ボケの期間が 2~3年間続いた後は)、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていきます(猶、「DSM-4」の規定が、アルツハイマー型認知症と診断する上での十分条件として確認を要求している失語、失認又は失行の症状は、大ボケの段階でも後半になって初めて発現が確認される症状、「MMSEの得点が一桁になって初めて発現が確認される」ことになる、『極めて重度の症状』であることに注意して頂きたいのです。「第二の要件」に従って、「アルツハイマー型認知症」発病の有無を診断している限り、せっかく見つけても手遅れ、治すことは最早出来ないのです)。私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」で見つければ(早期診断)、治すことが出来るのです。

)『大ボケになると、「前頭葉」を含む脳全体の働きが「中等度認知症」の段階よりも更に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳と右脳の働きも、幼稚なレベルの機能が僅かに残っている程度である上に、脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」は殆ど機能しなくなってきているのです。挨拶程度の日常会話を交わすにも、ハサミとか歯ブラシ等、手に持っているものの用途を理解するにも、ズボンをはくにも、『注意の分配力』の機能が一定レベル以上の機能レベルに在ることが、『不可欠の条件』なのです。「注意の分配力」の機能が、殆ど働くことが出来ない程に、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきていることが原因で、簡単な日常会話も交わせないし、歯ブラシの使い方も分からないし、ズボンのはき方も分からないのであり、記憶障害が原因で起きているのではないことに、専門家とされる人達が早く気付いて欲しいのです。

)『DSM-4』の規定内容に微塵も疑いを持っていない医師達が行う発病の有無の診断、医療の現場では、「第二要件」が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であると誤解しているので、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の前期で発現が確認される症状を誤って、「アルツハイマー型認知症」の初期段階の症状という表現を使用しているのですが、「脳のリハビリ」により実際に「回復させることが可能な」本当の意味での早期の段階は、私たちの区分でいう「小ボケ」及び「中ボケ」の段階までのことなのです(早期診断)。➡大ボケの段階で発病を見つけるせいで、治すことが出来ないタイプの認知症と誤解している。

※1大ボケ』の段階の症状が発現してくるまでに『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してくると、最早治すことは出来なくなるのです(アルツハイマー型認知症は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではない。極めて重度の症状である「失語や失認や失行の症状」が初期症状だと誤解していて、医師達が見つけて居る段階が遅すぎるが為に治せないだけなのです。極めて重要なポイントなのです!!)。

※2 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の『御者』)が、殆ど働かなくなっている(寝たきり状態に在る)上に、左脳や右脳や運動の脳も極めて不十分にしか働かない『大ボケ』の段階では、自分の身の回りのことをする『セルフ・ケア』にも支障が出る。食事をしたり、服を着たり脱いだり、お風呂に入ったり、トイレの後始末をしたりといった、身の回りのことも自分で出来なくなり、日常生活面での「介助」や『介護』が不可欠の状態となるのです。

失語や失認や失行の症状は、『記憶障害』に起因し発現する訳ではないのです。

私達が服を着るとき、ズボンであるか、上着であるかを判断し、上着であれば裏表がどちらか、ボタンをかけるタイプかどうか、どのような手順で着ればいいか等を的確に見極めた上で、必要な動作を、適切な手順で的確に行っているのです。上掲した『服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする』と言った症状、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「記憶の障害」が原因で服を正しく着ることが出来ない訳ではないのです。

上着とはどういうものであり、どのようにして、どのような手順で着るものなのかを忘れた為に着ることが出来ない訳でもないのです。『前頭葉』の三本柱の機能の中でも最も高度な機能であり最も早く衰えて行く機能である『注意の分配力の機能』(異なる複数の「テーマ」を、同時に並行して処理する為に不可欠の機能)が、殆ど機能しないまでに機能低下してきていることが直接及び核心的な原因で、加えて、左脳、右脳及び運動の脳までもが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきたことが直接の原因で、『服を正しく着ることが出来ない』だけなのです。『家族の名前を間違えたり、配偶者を我が子と間違えたりする』という症状も同じことなのです。「配偶者を我が子と間違える」のは、「記憶障害」に起因している症状ではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映しただけのもの、就中、『注意の分配力の機能が、殆ど働かないレベルにまで廃用性の機能低下の進行により機能が低下してきている』為なのです。➡注意の分配力の機能に無知な為、記憶障害に起因して発症と誤解しているだけなのです。

 「DSM-4」の規定が「第二の要件」で確認を要求している失語、失認又は失行の症状も、『服を正しく着ることが出来ない』症状の事例で説明したのと全く同じメカニズムの下で発現してくるものなのであり、『「記憶障害」に起因して、それらの症状が発現してきている』との考え自体が、重大な誤り、誤解に基づく単なる憶測というべきものなのです。認知症研究の専門家達は、『注意の分配力』の機能についての理解が浅すぎるのです。『注意の分配力』という機能の深い理解が無い限り、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明することは不可能事となると言っても過言ではないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界では、『自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったテーマを発想し、思いついたテーマの実行内容を企画し、計画し、実行結果の洞察推理シミュレーションを行い、シミュレーションの結果を評価し、比較し、選択して、最終的な実行内容及び実行の仕方を決定し、実行の決断をして、脳の各部に必要な指令を出しているのです。

上記赤字で表記した機能が「前頭葉」の個別認知機能(『実行機能Executive function』)であり、個別の実行機能が発揮されるには、意欲、注意の集中力の機能の発揮は当然のことながら、『注意の分配力』の機能の関与なしには、何事も行い得ないことを理解すべきなのです。『意識』の機能構造を解明する上で、注意の分配力の機能構造の理解が不可欠となるのです。

4.例示した、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の症状、それに次ぐ、「中ボケ」の段階の症状、更には、末期の段階である「大ボケ」の各段階の症状は、「記憶障害」に起因して発現するのではない(専門家達の想定条件の誤り)。

私たちが規定する発病の「第二の要件」であり、発病するか/否か及び症状が重症化するか否かを決定づける核心的な要素である、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』の継続に起因した廃用性の機能低下の進行という要因が、発病するか/しないか、重症化が進行するか/しないかを決定づける核心的な要因なのです。

脳の機能面で言うと、左脳が主役となる『仕事』とは無関係の日々を送ることになる『第二の人生』を送っている60歳を超える年齢の『高齢者』(私たちが定義する発病の「第一要件」の充足)が、何かの出来事の発生又はその状況の継続下で、そのことをキッカケにして、何事に対しても意欲を喪失してしまい、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続していると、前頭葉の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」)の廃用性の機能低下が惹起され、進行していき、異常な機能レベルにまで機能が低下していくことになる(私たちが定義する発病の「第二要件」の充足)のです。

その結果、『機能発揮上の二重構造』の関係に基づいた『前頭葉』(「実行機能」=Executive function)の機能障害を惹き起こすことになるのです。キッカケを契機にして、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続していくことにより、『前頭葉』の三本柱の機能(就中、注意の分配力の機能)の廃用性の機能低下が進行して異常なレベルに衰えていき並びに二重構造の関係に基づいた『実行機能』の廃用性の機能低下の進行が惹き起こされてきて、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化を進行させていくことになるのです。簡潔な表現を使えば、『前頭葉』の機能障害(前頭葉の三本柱の機能の機能障害並びに実行機能の機能障害という二つの要因の廃用性の機能低下の進行という『加重要因』の存在)が、発病を惹き起こす真犯人という訳なのです。これは、人間だけに特有な脳機能である、『注意の分配力の機能』の廃用性の機能低下が核心の問題なのであり、マウスをいくら追いかけまわそうとも、真の原因の究明には繋がらないという訳なのです。ついでに言うと、症状の重症化が進行するメカニズムも、発病と同じメカニズムの下で惹き起こされてきているのです。

&4自助、共助、公助が不可欠となるアルツハイマー型認知症の発病自体の予防と回復

1.菅内閣が掲げる、「自助、共助、公助」というテーマに対しては、感覚的に、言葉を捉えて、野党や一部のマスコミが、否定的なコメントをしています。

この国を強固にし、国民の生活を良くし、国際情勢に強固に機敏に対応できる体制を作ることについては何等の具体的で前向きな提言をすることなく、単に、政府の政策を非難するだけの政治状況が黙認されているのです。

  自助、共助、公助が必要不可欠となるテーマ、個々のお年寄りにとっても、その家族にとっても、自治体にとっても、政府にとっても、我が国にとっても、極めて重要な喫緊のテーマが、『二段階方式の考え方に基づいて、二段階方式の手技の活用による、「アルツハイマー型認知症」に的を絞った活動であり、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の国策化に拠る全国展開』というテーマなのです。正常と小ボケ、中ボケの前半、中ボケの後半、大ボケの「4つの段階」に対する「3つの対応区分」が考えられるのです。

2.「アルツハイマー型認知症」は、回復も、介護の予防も、発病の予防も可能

政府大綱が掲げる「介護の予防」の対象には、広くて緩い枠組みを適用すれば、以下のように、「3つの対応」に区分される「実施対応」が考えられるのです。

(1)(一次予防発病自体の予防』と(「小ボケ」からの回復)と「介護の予防

アルツハイマー型認知症だけを対象として(特化して)、二段階方式の考え方に基づいて、二段階方式の手技を活用して、『脳のイキイキ教室』を展開します。

二段階方式の手技の活用が不可欠なのは、前頭葉の機能レベルの客観的で精緻な判定が不可欠となるからです(MMSEや長谷川式だけでは、「前頭葉」の機能レベルの判定が出来ない為に、「早期の段階」の判定が出来ないのです)。

)脳の機能が正常なお年寄りを正常なままに保つこと(「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の段階区分を簡便に、且つ、精緻に判定します。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが正常なお年寄りを正常な機能レベルの儘に保つこと、即ち、「発病の予防」を目的とします。イキイキ教室での体験を日々の生活に取り込み、継続させて、「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築と実践する)が目的です。

 お年寄りが歩いて通える小さな地域単位で、脳のイキイキ教室を開催します。二段階方式の導入先市町村の保健師さんが、定期的な脳のイキイキ度チェック、必要な個別ケースについての生活習慣の改善の指導について、一元的に実施し、評価し、管理し、個別の指導を行います。猶、教室の運営については、地域のボランティア(組織及び個人)の協力を得ることが不可欠となります。

➡ 発病の予防=発病時期の先送り=介護の予防(大ボケの段階の先送り)

)「小ボケ」(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに在って、且つ、換算後のMMSEの総得点が「24点以上」)の段階のお年寄りについては、「脳のリハビリ」(注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉が活性化する、その人なりのテーマの選択と実践)の指導を行いつつ、脳イキイキ教室に継続して参加する中で、正常な機能レベルに改善させることができるのです(症状が治る)。

)人手がさほどかからないので、この段階は、地域のボランティア組織の協力の下で、市町村の保健師さんが、一元的に実施し、評価し、管理し、指導します。 『発病自体の予防と早期診断による回復と介護の予防』(大ボケの段階になる時期の先送り)自助と共助』が不可欠となる。

(2)(二次予防早期診断による回復』と「介護の予防

)私たちの区分で言う、「中ボケ」の前期(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルで、且つ、換算後のMMSEの総得点が「20~23点」)の段階の「お年寄り」だけを対象とします。

)「中ボケ」の前期の段階であれば、集団ベースでの「脳のリハビリ」の実施でも改善の効果と進行の抑制とが期待できるのです。業務に従事する人の手とコストを抑制できるメリットが大きいのです。

)この段階のお年寄りへの対応については、別途立ち上げるNPO法人が上記役割を担い必要な業務を実施する展開を考えています。

)「中ボケ」の後期(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに在って、且つ、換算後のMMSEの総得点が「19~15点」)の段階の「お年寄り」は、個別メニューに因る「脳のリハビリ」の実施と関わる家族の献身的な努力が有れば、回復させることが未だ可能ですが、家族介護の負担を回避したいので、(3)で説明する対応、現行制度での対応を考えることになります。猶、同居の家族が望む場合は、個別メニューでの「脳のリハビリ」の実践に挑戦すればいいと考えています。 個別のケースにより、公助(「介護保険」の適用)が必要となる。

(3) 三次予防(現在、「政府大綱」が押し進めている「介護の予防」の実施対象とします)

)「大ボケ」の前期(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに在って、且つ、換算後のMMSEの総得点が「14点~10点」)の段階のお年寄りを対象。

)政府大綱が推進している現行の『介護の予防制度』の内容の実施対応とします。認知症対応型通所介護施設、或いは、認知症対応型共同生活介護施設が対応することとなります。

個別のケースにより、公助(「介護保険」の適用)が必要(不可欠)となる。

(4) 医療機関による専任対応

失語や失認や失行の症状が確認される段階、末期の段階である「大ボケ」の段階の後期(「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに在って、且つ、換算後のMMSEの総得点が「9点~0点」)の段階のお年寄りを対象とするもので、「介護」そのものが不可欠であり、医療機関が専任対応することとします。 公助(「介護保険」の適用)が不可欠となる。

3.関連するその他の事項(イメージ

(1)正常なお年寄りを正常なレベルのままに保たせ及び脳イキイキ教室への参加の効果として、「小ボケ」を正常なレベルに回復させることを目的とする。

予防教室の開催は、月二回(E.第一及び第三水曜日に開催)の開催とし、各回半日(Ex.午前中に3時間/又は、午後に3時間etc.)を基本とする(効果と保健師の負担)。

廃用性の機能低下の進行という要因が、発病するかしないかを決定づける核心的な要因であることの確認の為にも、更には、脳の使い方としての生活習慣の在り方が、発病するか/しないか及び重症化が進行するか/しないかを決定づけ、区分ける唯一の要因であることを出来るだけ効果的に情報発信するためにも、当該活動を立ち上げた初期の段階では、開催回数を出来るだけ多くすることが、顕著な成果を挙げる為に、必要で有益となる。 ➡活動開始初期に、分かり易い成功事例を作る「アーリー・スモール・サクセス」が、活動拡大の起爆剤に不可欠。

(2) 中ボケの回復(前半のみを対象)は、業務特化したNPO法人で実施する。市町村では対象としない(契約的には、NPO法人に下請け実施させる)。

(3)『小さな地域単位』での脳イキイキ教室の運営と(“交遊市場”の開設)。

)脳イキイキ教室は、出来るだけ小さな地域単位での運営を目標とする。

)発病の「第一要件」に該当する「第二の人生」を送る高齢者が、家の外に出て行き、人と交わる場所である「交遊市場」では、市町村の経験者で定年退職者を活用し、「二段階方式」の手技を実施させる制度を実施します。体温や血圧を検査するのと同じように、簡便に、精緻な判定と「脳のリハビリ」の実践指導を行うのです。

(4)地域のボランティアの組織化のモデル化及びイキイキ教室運営の「テーマ」のモデル化を実施(地域予防活動の「マニュアル化」とパターン化の実施)。

三次予防=デイケア・デイサービス施設及び医療機関=現行の制度のままでいくこととし、関与はしないものとします。

&5 「女性の専門職集団」の育成と展開(女性が活躍する社会の象徴的存在)

ⅰ)市町村が展開を担う一次予防については、導入先市町村の保健師さんが、地域のボランティアの協力を得て、脳イキイキ教室(発病自体の予防教室)を運営することになり、保健師さんを指導する為の「女性の専門職集団」の育成が不可欠と考えています。

ⅱ)女性の専門職集団は、全員が、講演会の講師と実務研修会の講師が務まり、「脳イキイキ教室」の運営の指導や個別ケースでの判定及び「脳リハビリ」の指導が出来るレベルの能力を持つよう育成するつもりです。

ⅲ)その上で、上記NPO法人を運営し、二段階方式の考え方に基づいて及び二段階方式の手技を活用して、「中ボケ」の前期の段階にあるお年寄りの正常な機能レベルへの回復及び「介護の予防」の業務を担っていただくのです。『女性が活躍する社会』の象徴的な存在となることを目指す考えなのです。全国を10のエリアに区分して、1つのエリア内に1つのNPO法人を運営し、当該エリア内での業務を独占的に実施する役割を考えています。

6 「二段階方式」の考え方の理解と手技の習得のための「実務研修会」の開催

「二段階方式」の実施に関わる基本書、「個別事例判定マニュアルA(テスト実施と判定及び基礎データ編)」、「個別事例判定マニュアルB(アルツハイマー型認知症の判定とケース事例解説編)」、「個別事例判定マニュアルC(アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定とケース事例解説編)」及び「個別事例判定マニュアル使用の手引き」をもとにして、「実務研修会」を受講して頂きます(受講者に対し、配布)。

&7 「ボケ予防講演会」の開催が不可欠となる

住民参加型の「地域予防活動」を開始するに際しては、当該地域の住民を対象としたボケ予防講演会(「ボケは防げる、治せる」が演題となります)の開催が不可欠のものとなります。世界中の権威ある専門家とされる人達の全てが、未だに、「アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である」と主張していて、発病の原因については、『発病との間の因果関係が立証されていない』ままでの「4つの仮説」しか存在していない状況に在るからです。

 「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないものであり、60歳を超えた年齢の「高齢者」だけを対象として発病し、「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての『生活習慣』のみが、発病するか/しないか、症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける「唯一の要因である」ことを、分かり易く説明し、納得してもらうことが先決となるからなのです。

本著作物「Eー12」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください) 

 

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アルツハイマー型認知症の発病原因(脳の働きと「症状」との関係) (E-11)

2020-11-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

(プロローグ)今日のテーマは、「アルツハイマー型認知症」です。我が国では、生まれつき特定の遺伝子に異常がある人だけを対象として、且つ、30歳代から50歳代までの若年層だけを対象として発病する「若年発症」が特徴である「アルツハイマー病」と「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」だけを対象として発病する「老年発症」が特徴である「アルツハイマー型認知症」とを纏めて、「アルツハイマー病」と呼ぶという粗雑な扱いをする学者や医師が多いのですが、両者は、発病のメカニズム自体が異なるうえに、アルツハイマー病が治すことも予防することも出来ないのに対し、『アルツハイマー型認知症』は、早期診断と脳のリハビリにより治すことが出来るし、注意の分配力の機能の出番が多くて前頭葉が活性化する生活習慣(但し、食生活や学歴とかは関係なくて、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)の構築と継続的な実践に因り発病自体を予防することが出来るものであり、全く異なる性質のものであることに注意が必要です。彼等は、アルツハイマー型認知症については無知な人達なのです。アルツハイマー型認知症は、発病の原因が不明であり、一旦発病すると、治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も無いものと考えているのです。「DSM-4」が規定するアルツハイマー型認知症の診断基準を正しいものと考えていて、発病の原因に関する「4つの仮説」(アミロイドベータ説、タウ蛋白説、アセチルコリン説、脳の萎縮説)のうちのどれかを知識として支持している(世界的に通説の地位に在るアミロイドベータ説を支持している学者や医師が多い)だけのレベルの人達なのです。そのうえ、軽度認知障害(「MCI」)の基準が権威ある人(機関)から提示されると、 内容を深く考えることも無く、支持し、信望し、飛びついて、正しい適切な基準であるかのように、説明している人達なのです。権威に飛びついて、自分の権威付けに使っている人達というしかないのです(「DSM-4」及び「MCI」の問題点については、本稿で問題点を具体的に指摘し、説明してあります)。

  

&1 アルツハイマー型認知症に対する想定問答

Q:私たち夫婦には子供がいない上、来年には揃って古希を迎えます。年をとってきて一番恐ろしいのは、認知症のことです。新形コロナ感染回避対策としての「3密の回避」が求められている状況の下で、発病者数の顕著な増加や症状が重症化して行く人の増加が指摘されているようなのです。何時発病するのかと、毎日が心配なのです。そのうえ、認知症の大多数を占める「アルツハイマー型認知症」は、「脳の働き」が衰えることでいろいろな「症状」が出てくる病気と聞いています。正常でない「脳の働き」とはどんなことを言っていて、そのレベルの脳の機能と「症状」との関係はどのようになっているのでしょうか(「想定問答」)。    

A:先ず、脳の機能構造について簡単に概観を述べておきましょう。脳は、大きく4つの機構から成り立っているのです。事故や脳卒中などにより脳が損傷や障害を受けた人をたくさん調べてみると、脳は場所によって働きが異なり(機構ごとに役割が異なり)、「機能の分担」をしていることが分かります。

   

頭のてっぺんの所には、「運動の脳」と呼ばれる領域があります。脳卒中で半身麻痺になる人がいます。「運動の脳」の左の部分が壊れると右半身麻痺が起きて、右の部分が壊れると左半身麻痺が起きることになります。「運動の脳」は身体を動かす働きをしているのです。

脳の後ろの左側の部分には、勉強や仕事等をする上で不可欠な「左脳」と呼ばれる領域があります。左脳が障害を受けると、論理を操れなくなり、言葉が出てこなくなり、計算もできなくなります。「あーしたら、こうなる。こうしたら、あーなる」と言った場合分け(シミュレーション)も出来なくなるのです。「左脳」は、「言葉の脳」、或いは「仕事の脳」とも言われていて、言葉や論理や計算や場合分けといった「デジタルな情報」の処理を担当しているのです。   

脳の後ろの右側の部分には、趣味や遊びや人付きあい等を楽しむ上で不可欠な「右脳」と呼ばれる領域があります。右脳が障害を受けると、色や形や空間或いは時間の経過等の認知ができなくなります。「右脳」は「感性の脳」、或いは「趣味や遊びや人付き合いの脳」とも言われ、色や形や音、感情や感覚、空間や時間の経過といった「アナログな情報」の処理を担当しているのです。

         

額のところには、脳の最高次の機能を担っている「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)と呼ばれる領域があります。「前頭葉」には、状況を判断したり、実行するテーマを発想したり、テーマの実行計画を立てたり、実行の仕方を工夫したり、注意を集中したり、注意を分配したりといったいろいろな働きが詰まっているだけでなくて、もう一つ、脳全体の「司令塔」の役割という大事な働きがあります。「前頭葉」は、運動の脳、左脳、右脳を統括していて、状況の判断のもとに、それぞれが勝手に働かないようコントロールする、脳全体の司令塔の働きをしているのです。

      

世界中の専門家とされる人達から、発病の原因が不明で、一旦発病すると治すことが出来ないとされている『アルツハイマー型認知症』の様々な「症状」は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル(「前頭葉」の機能が異常なレベルに機能低下が進行していることを含む脳全体の機能レベル)に厳密にリンクしたもの機能障害が原因で発現してくるものに過ぎないのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能が、全般的に正常レベルであれば、認知症の症状は発現してこないのです。意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルであれば、認知症の症状が発現してくるのです(その場合、前頭葉、左脳、右脳、運動の脳の順に異常なレベルに機能低下が進行していくのが、アルツハイマー型認知症の特徴なのです)。即ち、私たち人間だけに特有なものである意識的な世界、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界、言い換えると、「全ての意識的な思索や行為や行動や言動や発言」は、コントロールタワーである「前頭葉」の機能レベルの影響を直接受けるので(正常な機能レベルに在るか、異常な機能レベルであれば、どの程度に異常なのか)、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界である『意識的な世界』において、脳全体の司令塔の役割を担っている最高次機能の前頭葉だけが異常なレベルに衰えてきていて、左脳、右脳及び運動の脳が未だ正常なレベルであっても、前頭葉を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットである行為や言動等のレベルは正常なレベルのものではなくなり、認知症の症状として発現してくるのです。このことに未だに気づいていない、世界中の専門家達に問題提起しておきたいのです。「前頭葉」の機能レベルだけが異常なレベルに在る段階、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階の症状は、認知症としての症状なのです。この段階でアルツハイマー型認知症は発病しているのであり、失語や失認や失行の症状が確認されて初めて発病としている(初期症状であると規定している)「DSM-4」の第二要件の規定内容は、誤りなのです。

意識的な世界では、『前頭葉』が脳全体の司令塔の役割を担っているという機能構造の直接の結果として、「アルツハイマー型認知症」の様々な症状は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状、三段階(小ボケ中ボケ及び大ボケ)に区分される認知症の症状として発現して来るのです。米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準としての「DSM-4」の規定内容が正しいと信じ込んでいる認知症の専門家達は、この点に気づいていないのです。未だに、「DSM-4」の「第二要件」が確認を要求している失語失認失行の症状が、初期症状であると誤解した儘なのです。「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルにリンクさせたデータで言うと、失語や失認や失行の症状は、左脳、右脳、運動の脳という三頭の馬が牽引する三頭立ての馬車の御者、脳全体の司令塔の「 前頭葉」の機能が異常なレベルに在って、且つ、馬車を牽引する左脳と右脳の機能が、11の下位項目により構成されていて30点が満点であるMMSEによる判定結果が一桁の得点にしかならないレベル、極めて重度の症状であることについて、専門家である医師達が知らないのです。彼等は、「物忘れの症状」等の記憶障害の症状を外観から観て憶測や推測だけで診断しているのです。肝心かなめの前頭葉の機能レベル(私たちが前頭葉の三本柱の機能と位置付ける意欲、注意の集中力、就中、注意の分配力の機能の機能レベルとの関わり)について、無関心なのです(その重要性に、未だに気づいていないで、「前頭葉」の機能も、「注意の分配力」の機能も備わっていない、マウスを研究材料にして、「仮説」を語っている状況に在るのです。間違った場所を、間違った方法で、単に深く掘り下げているだけなのです)。

食事をしたばかりなのにそのことさえ忘れてしまう(思い出せない)「重度の記憶障害」の症状を呈してくるようになる(これは、「前頭葉」の核心的な構成要素である「注意の分配力」の機能がほとんど機能しなくなる「重度認知症」の段階の症状)はるかに前の段階で、左脳や右脳や運動の脳の働きは正常レベルであっても、「前頭葉」の働きが異常なレベルに機能低下が進行してきた段階で、「アルツハイマー型認知症」は、すでに始まっているのです(これが、本当の意味での発病の初期段階、私たちの区分で言う「小ボケ」の段階なのです)。

「脳の機能が全般的に異常」という要件を「前頭葉の機能が異常」という要件に変更すると共に、その段階で発現する「特有の症状」とリンクさせて判定できる診断基準に変えてやらないと、認知症の最初の段階で「回復させることが容易な」段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階を見落としてしまうことになるのです。この段階と次の段階である「中ボケ」までの段階で発病を見つけて(早期診断)、「脳のリハビリ」を実践すれば、治すことが出来るのです(早期治療)。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する単なる「生活習慣病」なのであり、性質それ自体として治せないものではないのです。専門家達が治すことが出来ないと主張しているのは、彼等が発病を見つけて居る段階が遅すぎるだけ末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけて居るから治せないだけなのです。

           

従って、脳の機能がどのレベルにあるのか及びそのレベルであればどのような症状が出てくるのか、言い換えれば「前頭葉を含む脳全体の機能レベル並びにその機能レベルとリンクした特有の症状」を判定基準として、診断することが必要となるのです。大規模の医療機関が良く使用する「CT」や「MRI」や「PET」等の機器では脳の形しか計測できないため、費用が高価なのにも関わらず、「前頭葉」の機能レベルについての精緻な判定はできないのです。唯一つ、可能で有効なのが、「二段階方式」のような費用が極めて安い「神経心理機能テスト」の活用なのです。

その結果、医療機関では、日常の生活面でセルフケアにも支障が出てきて、介護が必要となる段階、末期の段階であり、私たちの区分で言う「大ボケ」の段階で見つけて、単なる『発病のレッテル張り』をしているだけなのです(発病を見つける意味が無い)。「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」の実践に因り治すことが出来るのですが、末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまうと(「前頭葉」を含む脳全体の機能が、【極めて異常なレベル】にまで機能低下が進行してしまうと)、『最早治すことが出来なくなる』ということなのです。

   ※私達「二段階方式」独自の「脳機能データ」の一部を表示しています。 

様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めているのが、アルツハイマー型認知症と言うタイプの認知症なのです。ところが、アルツハイマー型認知症については、世界中の専門家(や機関)が主張している内容が、そのほとんど全ての項目の主張内容が、誤り、重大な誤りなのです。「アルツハイマー型認知症」であるかどうかの診断(発病の有無の判定、他の紛らわしい病気との鑑別)や、症状の程度の判定並びに「アルツハイマー型認知症」の原因及び回復可能な早期の段階を見つけるには、「症状と脳の働き具合」との関係を基礎とすることが不可欠になります。世間では、脳の萎縮の度合いと失語や失認や失行の症状等極めて重度の「記憶障害」を含む重い症状から「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の診断を行っていて、回復困難末期段階の「重度認知症」(「大ボケ」)の段階で、発病を見つけているだけなのです。もっと軽い段階、本当の意味での早期の段階に注目しさえすれば、重要な様々な対応策をとることが出来るし、更には、症状自体を治すことも出来るのに対し、末期の段階に注目していたのでは、無為無策、発病を見つける意味が無いのです。

※現状の儘では、せっかく見つけても手遅れ、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない病気」にされてしまうのです。そのこと自体が誤りであり、それ等よりもっと軽い段階の存在、「脳のリハビリ」(注意の分配力の機能の出番が多いテーマを実践することに因る「前頭葉」の活性化)の実践により治すことが出来る「小ボケ」及び「中ボケ」の段階があることに気づいていないだけなのです。何たる不条理であることか。更なる問題を提起すれば、アルツハイマー型認知症こそが、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症なのです。私たちが独自に開発し、実務化した「二段階方式」(の考え方及び手技)は、発病自体の予防というテーマについて、住民参加型の『地域予防活動』という具体的な展開の方法として、国策化による展開を政府に提起していて、様々なデータを提示して、説明もしてきているのですが、『抵抗勢力』が存在しているようなのです。末期の段階で発病を見つけて居るだけの「診断費用」とか、治療の効能は有して居なくて、単なる対症療法薬としての効能しか有していない薬代等の診断に関わる費用を脇においていても、『介護の費用』だけでも、単年度で、10兆円を超える規模になっているようなのです。一般会計の規模と内容だけでなく、特別会計の規模と内容にも注意が必要なのです。その費用の規模(抵抗勢力側から見れば、収入の規模)を維持しようとする岩盤が出来ていても不思議ではないのです。『天文学的な規模』の費用が、税金で賄われている世界が有るのですから。そうした実態への関心と認識、更には、「改革」についての国民の皆さんの理解と後押しが必要なのです。      

&2 軽度認知機能障害(MCI)の概念と基準活用の問題点

最近、「軽度認知障害」(MCI=Mild Cognitive Impairment)という概念が提起され、専門家達の多くから支持されてきていますが、その問題点については、このブログの(N-47)で指摘した通りなのです。物忘れの程度及びMMSEのテスト結果並びに海馬の萎縮の程度等の極めて曖昧で杜撰な要素の評価から、「アルツハイマー型認知症」の前駆的な段階であると判定し、説明している輩が大勢いるのです。アルツハイマー型認知症の症状自体について、末期の段階の症状の、外観から観察しているだけの知識であって、もっと軽い段階の症状の存在、「脳のリハビリ」の実践で治すことが出来る、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状について、全くの無知であり乍ら、専門家として語る人達が多いのです。彼らの辞書には、「因果関係」という用語が欠落しているようなのです。

「MCI」(軽度認知障害)という基準とその考え方もまた、「4つの仮説(アミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説、脳の萎縮仮説、アセチルコリン仮説)」と同じく、発病の原因と主張する仮説の内容と発病との間の因果関係に関わる客観的な根拠データも存在せず、憶測や推測に基づいた極めて「粗雑な基準」という代物に過ぎないのです。浅はかなことに、アミロイドベータ説を支持しながら、「MCI」を語る人たちが多いのです。アミロイドベータ説を支持していると主張し乍ら、交遊や運動や地中海料理が、発病の予防に効果があると説明するのです。アミロイドベータ説は、「アミロイドベータ」というタンパク質が情報を連絡する神経細胞に沈着することにより生成された老人斑なるものが持つ毒性により、神経細胞の大量死が惹き起こされ、そのことが原因で記憶障害が惹き起こされることに因り、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現して来ると主張する仮説なのです。主張内容が正しいことを実証することが出来る根拠となる客観的なデータが未だに提示されていないのです。発病を惹き起こす原因であるとする主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するはずの因果関係について、未だに立証できないでいるのです(Aという原因が存在していなければ、Bという結果が生じることは無い。このことが立証できて初めて、Aという原因とBという結果との間に因果関係が存在しているとされるのです)。意識の機能構造は愚か、前頭葉の機能、就中、注意の分配力の機能についても無知でありながら、いかにも、専門家であるかのような言動をしている輩が多いのです。

アミロイドベータ説は、世界的に通説の地位に在るのです。主張内容が正しいという訳ではないのです。単に、支持する学者や医者が多いというだけのことなのです。その通説に拠り、同じように、アミロイドベータ説を支持していると言いながら、その一方で、交遊や運動を生活習慣に取り入れることに因り、発病の予防が可能であると説明しているのです。

因果関係について、極めて杜撰、世の中の流れに乗っているだけで、無知な人達なのです。

              

&3 アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する「生活習慣病」に過ぎない

 「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病であり、第二の人生における生き方、日々の脳の使い方としての生活習慣が、発病するか/しないか及び症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一の要因であることを突きとめ、主張内容を体系化し、実務化し、北海道から九州に跨る452の市町村での指導活動、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』の実践により、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのは、私たち「二段階方式」だけなのです。世界で唯一、実証してきてもいるのです。

私達の「二段階方式」では、極めて多数に上る「脳の働き具合と段階ごとの特有な症状との関係」のデータの分析から、「アルツハイマー型認知症」の判定、特に回復可能な早期の段階である「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)を見つける客観的な基準と手技を持っているのです。保健師さんが一元的に実施し、管理できる手技なのです。

認知症が専門の精神科医は、認知症の患者は脳が全般的に正常に機能しなくなった結果として、「社会生活」に支障が出てくる病気を言うとしながら【社会生活面に支障が出てくるのが「小ボケ」で、「家庭生活」面にも支障が出てくるのが「中ボケ」で、「セルフケア」にも支障が出てきて、介護が必要になるのが「大ボケ」なのですが、そうした区分自体を知らない)、「アルツハイマー型認知症」の症状については、回復困難な末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の症状だけを取り上げているのです。「社会生活」に支障が出てくる段階と「セルフケア」に支障が出てくる段階とでは、「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」も「症状の程度」も全く異なる(次元が異なると言える程の差がある)のに、そのことにさえ気づいていないのです。「アルツハイマー型認知症」は、「加齢」に起因した「前頭葉」の機能低下という要因が基礎要因として存在しているので、「老年発症」が特徴なのです。テレビ番組で、30代や40代のお笑い芸人たちの「物忘れの症状」を取り上げ、「アルツハイマー型認知症」の発病の危険度を云々する人が名医として紹介されるのには、ただ驚くばかりなのです。

「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム及び症状が重症化するメカニズムの解明が極めて困難なものとされていて、憶測と推測に基づいただけの仮説、「4つの仮説」が未だに専門家達に支持されているのは、「意識」が関わるタイプの認知症であるからなのです。意識の機能構造は未だに解明されていなくて、人類最大の難問とされている状況に在るからなのです。

未だに、世界中の誰も、私たち二段階方式以外には(kinukoとtadao 以外には)、アルツハイマー型認知症の発病の原因(メカニズム)及び症状の重症化が進行するメカニズム(機序)について、解明できていないのが、現状なのです。4つの仮説とか、MCIが提示されているだけなのです。アミロイドベータ説の(提示者及び支持者)達でさえ、未だに、「マウス」(アルツハイマーマウスを含む)を研究材料にしているのです。「DSM―4」の第一要件が、発病と診断する上で確認を要求している「記憶障害」に起因して症状が発現するとの憶測を信じ込んだ儘なのです。記憶障害に起因して症状が発現して来るのではなくて、「前頭葉」の機能障害、廃用性の機能低下に起因して症状が発現して来ることに気づいていないせいなのです。そもそも「マウス」には、「意識の世界」が存在していないし、「前頭葉」の機能が備わっていないし、「注意の分配力」の機能が備わっていないことに無頓着なのです。何時まで、誤った場所を、誤った方法で、深く掘り下げて行こうとも、結果的には、何も出て来はしないのです。

➡新しい試みが発表されるたびに、いたづらに、世の中を惑わせることになるだけなのです。

&4 アルツハイマー型認知症の症状は、「意識的な世界」で発現してくるもの

意識」については、人類最大の難問とされていて、解明できた人が未だに存在していないという状況に在るのです。その意識が関わっているとは、想像もしていないのです。

私たち「二段階方式」は、その「意識」に注目し、「前頭葉」に注目し、「注意の分配力」の機能に注目して、14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病患者の脳機能データを解析することに因り、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』【ただし、食生活や学歴は無関係であり、『第二の人生』における「脳の使い方」としての生活習慣であることに留意する)であることを突きとめたのです。主張内容自体が世界で唯一のものであり、北海道から九州に至る452の市町村での『住民参加型の地域予防活動』実践の成果により、主張内容が正しいことを疫学的に実証してきているのも、私たち「二段階方式」だけなのです。

注目されていないのは、カロリンスカ研究所(ノーベル医学生理学賞の判定委員会が組織内に在る)やランセット委員会に論文を提出していないからなのです。論文を提出しさえすれば、反響を呼び、世界的にも高く評価されることになると考えているのです。「C型肝炎」を惹き起こす原因となる「ウイルスの存在」を特定し、発病のメカニズムを解明し、発病との間の因果関係を立証しただけで、ノーベル医学・生理学賞が授与されているのです。発病者数の世界的な規模及び発病後の生活上の支障、更には、末期の段階にまで進んだお年寄りの介護の費用の規模等に鑑み、国策として全国展開されれば、それを超える社会貢献となるはずなのです。早期診断による回復、更には、発病自体の予防について、極めて有効な方策としての実践モデルを世界に提示することが出来るのです。

発病者総数の規模、末期の段階にまで症状が進行したお年寄りの介護の費用の規模等から見ても、アルツハイマー型認知症の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム及び機序を解明し、予防活動の展開というテーマの実施についても実務化していることは、遥かに大きな社会貢献の評価となると考えているのです。国策としての展開については、昨年の11月に行われた協議の際に、三段階のステップを踏んだ具体的な展開案を政府に提示済みなのです。コロナ下では展開しづらいので、もう少し先になるのかと考えてもいるのです。

          

第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(「二段階方式」の考え方に基づいて、「アルツハイマー型認知症」発病の「第一要件」として規定されている)に属する皆さん、「3密の回避」対策は、十分ですか。我が国で、新型コロナ感染回避策として、推奨され、徹底されている『3密の回避』の状況に呼応する形で、実は、

その状況の時間の経過が進行するにつれて、「アルツハイマー型認知症」の発病者が増加してきて(「小ボケ」の出現)、症状の重症化が進行してきている(小ボケ➡中ボケ、中ボケ➡大ボケ)ことについて、この過去のブログ中でも問題を提起し、警鐘を鳴らしてきているのですが、予告通りに、『発病するお年寄りの数が顕著に増加して来て、症状の重症化が進行するお年寄りの数が顕著に増加してきている』事象事実について、施設の運営者や、認知症の専門家とされる人達が騒ぎ出している状況について、アミロイドベータ説の支持者達はどのような説明が出来るというのでしょうか。いい加減に仮説を撤回して欲しいのです。

注)ここで、「4つの仮説」の主張内容が誤りであることの決定的なデータ事象事実としての「脳機能データ」を提示しておきます。「アルツハイマー型認知症」の発病患者と診断されたお年寄り14689例【小ボケ、中ボケ、大ボケの全てを含む】について、二段階方式を実施した結果なのです。「アルツハイマー型認知症」の発病の場合、且つ、その場合に限りMMSEの下位項目について、出来なくなっていく厳密な以下の順番が存在しているのです。早くに出来なくなっていく項目の順番(前頭葉を含む脳全体の機能レベルにとって、項目が難しい順番)は、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、相貫図の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名となるのです。発病原因について、記憶障害が核心的な要因で症状が発現すると想定する「4つの仮説」では、この順番を説明できないのです。

     MMSE下位項目の項目困難度   

「アルツハイマー型認知症」は、様々な種類が数ある認知症の中で、唯一、「意識」が関わるタイプの認知症であることが特徴なのです。私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、「意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す」世界の「要の脳機能」である、『前頭葉』の機能、就中、『注意の分配力』の機能について生じてくる「廃用性の機能低下」という要因とその進行の程度こそが、発病するか/しないかを区分ける唯一の要因、「加重要因」なのです。このことに、世界中の専門家達の誰も、未だに気づいていないのです。

加齢」に起因した機能低下の進行という「基礎要因」の存在に加えて、第二の人生におけるナイナイ尽くしの単調な生活習慣継続(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な日々の暮らし方)に起因した廃用性の機能低下」という「加重要因」が存在すること、異なる二つの要因が同時に存在することによる相乗効果に因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現し、症状の重症化が進行して行くのが、「アルツハイマー型認知症」なのです。「4つの仮説」が提起している、アミロイドベータの蓄積も、タウタンパクの蓄積も、脳の萎縮の進行も、アセチルコリンの不足も、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行とは無関係なのです。「4つの仮説」は、単なる憶測の類に過ぎないのです。

私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界は、脳の司令塔の「前頭葉」が左脳や右脳や運動の脳と協働しつつ、それらをコントロールして実行されています。私達が提唱している「二段階方式」では、認知症のレベルは、前頭葉を含む脳全体の働き具合(脳の機能レベル)とそれにリンクした特有の症状との関係で厳密に規定されており、「三つの段階」に区分します。区分するレベルは、軽度なレベルから順番に社会生活に支障が出てくる「軽度認知症」(小ボケ)、家庭生活にも支障が出てくる「中等度認知症」(中ボケ)、セルフケアにも支障が出てくる「重度認知症」(大ボケ)となります。回復の可能性から区分すれば、「小ボケ」は回復させることが比較的に容易であり、「中ボケ」は回復させることが未だ可能であり、「大ボケ」は回復させることが最早困難となるのです 。     

上掲の図【小ボケ、中ボケ及び大ボケ】は、「前頭葉」によるコントロールの下で協働しながら働く「脳の働き」の衰え方を、「二段階方式」に基づく「神経心理機能テスト」を使って調べた結果を示しています。「社会生活」が支障なくできていた脳の働きが、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続により老化が加速されることで、正常な老化の域を超えて加速度的に脳の機能の衰えが速まっていくとき、「衰え方の順序がある」のです。「社会生活」に支障が出てきて、「家庭生活」に支障が出てきて、「セルフケア」に支障が出てくる原因である「脳の機能の衰え方に順序がある」こと及び脳の機能の衰えの段階ごとに「特有の症状がある」ことが分かるのです。

脳全体の司令塔の役割をしている『前頭葉』が真っ先に衰えていきます。次いで、「前頭葉」と相互に情報のやり取りをしている左脳と右脳と運動の脳の順番に衰えていくのです。

 さらにもうひとつ重要なことがあります。『前頭葉』の働きが衰えてきて「異常なレベル」になっている人達、言い換えると「アルツハイマー型認知症」の症状を示している人達は、脳の働き具合とそれに対応した特有な症状のレベルから区分すると、軽いほうから「小ボケ」(社会生活に支障)、「中ボケ」(家庭生活にも支障)、「大ボケ」(セルフケアにも支障)の「三つの段階」に区分されるのです。早期の段階の「小ボケ」と「中ボケ」は回復可能なのですが、末期段階の「大ボケ」は回復困難なのです。 

     

&5  何十年もの間続く「第二の人生」の生き方と自助、共助、公助の必要性

 我が国は、『超高齢社会』の先頭をひた走っている状況に在ることをご存知でしょうか。

65歳以上の年齢の「高齢者」が人口全体に占める割合が、「30%に達しようとしている」のです。「高齢化率」が世界で一番高いのです。実態面から言うと、【第二の人生】が、何十年もの間続くということなのです。その『第二の人生』を、身体が持つ限り、脳も持たせて、自分なりに、自分らしく生きていけていれば、言うことは無い、そのことを世界に誇れるのです。実態はどうかと言うと、厚労省の推測値では、アルツハイマー型認知症の発病者総数が、600万人に上るとされているのです。此処で言う発病者とは、実は、末期の段階に在って、セルフケアにも支障が出ていて、日常の生活面での「介護」が不可欠のお年寄りだけの数なのです。私たちの区分で言う、末期の段階である「大ボケ」の段階に在るお年寄りの数だけを言っていることに注意して頂きたいのです。私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の数は含まれていないのです。何故なら、専門家達は、末期の段階のことしか知らなくて(失語や失認や失行の症状が発現して初めて、アルツハイマー型認知症の発病であると誤解しているからなのです)、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りのことは見落とされているからなのです。発病者全体で言うと(小ボケ、中ボケ、及び大ボケの全てを含めた数を基礎にして言うと)、「第二の人生」を生きているお年寄り達のうち、身体が持つ一方で、肝心の脳が持っていないお年寄りの数が、極めて多いということなのです。これでは、「第二の人生」が長いことを世界に誇れないのです。

身体が持つ限り脳も持たせて自分らしく第二の人生を生きて初めて、意味があるのです。

)認知症研究の専門家の皆さん、認知症の診断が専門の医師の皆さん、一般の皆さんに警鐘を鳴らしておきたいのです。『アルツハイマー型認知症』を発病することになるか/ならないかの分かり易い基準を、分かり易い言葉で言い表しておきましょう。

 「左脳」が専管の働きをしている分野であり、日々、或いは、週間や月間の達成すべき自分なりの目標が有り、創意工夫シミュレーションすることに因る注意の分配力の機能の出番が極めて多い「仕事」という『テーマ』とは無縁の日々の暮らしとなる『第二の人生』では、ボケーッとした暮らし方を日々継続していると、惚けることになるんです。その特徴を有するタイプのボケこそが、発病の原因が不明とされている『アルツハイマー型認知症』なのです。

「DSM-4」が規定する内容も、「4つの仮説」が主張する内容も、、「MCI」(軽度認知障害)の基準も、全て発病の原因とは無関係のもの、単なる憶測の類に過ぎないのです。By Tad

         

エイジングライフ研究所が提案する、『アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動』は、菅政権が推進しようとしている自助、共助、公助の全ての面に関わる、典型的なモデルケースとなりうるものと考えているのです。加えて、導入先市町村の数が増えるほど、予防教室を展開する地域が増えるほど、発病自体の予防の効果による発病者数の顕著な減少(前頭葉の機能が正常なお年寄りが、正常なままに何年も生き続けることに因る、発病時期の先送り)、早期診断【小ボケ、中ボケの段階での発病の発見】による回復(「脳のリハビリ」実践指導の効果)の結果としてのセルフケアにも支障が出て来て「介護」が不可欠のものとなる末期の段階にまで症状が進行するお年寄り(大ボケ)の数の顕著な減少により、介護保険の費用の増加傾向が抑制され、更には、総額自体が顕著に減少していく効果を生むことになるのです。

予防活動の効果により、お年寄りが発病する時期を「何年も先に先送りできる」ことに因り、お年寄りが活き活きして社会活動できることの経済的な効果が大きいこと、並びに本人及び関わる家族の生活が、発病した場合の本人及び関わる家族の生活とは異次元のものとなることの社会的効果も極めて大きなものとなるのです。

 1.「自助」が要求される  

 『発病自体の予防』を効果的に実現するには、「本人」が、「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉が活性化する生活習慣」を構築し、継続して実践することが不可欠の条件となるからです。

 その「生活習慣」とは:

(1)論理的な根拠

『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないのです。

「左脳中心」、仕事偏重だった「第一の人生」とは生き方を変え、左脳の出番が必須となる「仕事」とは無縁となる『第二の人生』では、右脳中心の生き方への転換を図り、周囲の目を気にせず、『自分らしさ』を前面に出せるような生き方をして、毎日の生活の中に、実践の過程や目標達成の結果に『自分なり』の「楽しみ」や「達成感」を感じて、『自分なり』の「喜び」や「生き甲斐」が得られるような『テーマ』を選択し、『自分なり』の「目標」を設定し、『自分自身がイキイキとしている』と感じられる『脳の使い方』としての自分なりの『生活習慣』を打ち立てて、継続して実践することが、必要不可欠の条件となるのです。

)日々が、「仕事」とは無縁の生活となる第二の人生では、自分の置かれている生活状況に対する肯定的でポジティブな捉え方を基本とし、且つ、『自分なり』のという自分の尺度で、物事を評価し、目標を設定し、追求し、努力する生き方が、『脳の健康』を維持する上で、「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する上で、極めて重要な要素となるのです。

(2)構築すべき生活習慣の「五箇条」

「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が得られるような『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけて、自分らしい『生活の楽しみ方』をして、何かに挑戦する『意欲』が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の出番が出来るだけ多くなるような『脳の使い方』としての『生活習慣』を組み立て、構築し、実践することなのです。

①時間が経つのも忘れるような、熱中し、夢中になれる、趣味や遊びの機会を出来るだけ多く持ち;

② 趣味や遊びを通じて、できるだけ多くの人達と交わり;

③ 趣味や遊びや人付き合いや、地域の祭りの復興等の地域活動に、自分なりの生き甲斐や目標や喜びを見つけて;

④精神的な張りと緊張感のある毎日を過ごしながら;

⑤速足の散歩やラジオ体操など、毎日、楽しみながら『運動』するのです。

  2.「共助」が必要となる

 地域住民が活動に参加する「脳のイキイキ教室」を運営するには、『地域ボランティア』の積極的な参加と協力が不可欠のものとなります(ボランティアとして参加し、予防教室の運営に関わる都度の実施テーマの選択や実施方法の創意や工夫、他地域の予防教室との交流の促進、実施テーマの効果の評価等に積極的に参画することに因り、注意の分配力の活用と前頭葉の活性化により、自身の喜びや生き甲斐、ひいては発病の予防につながる)。

 3.「公助」が必要となる(以下の全てに公助が必要となります)

(1) 二段階方式の導入による実践展開

  • 導入費用(二段階方式の使用料)
  • 実務研修会の受講費用
  • 講演会の実施費用(講師派遣費用)
  • 小冊子、万年カレンダー、脳イキイキ手帖等の購入に対する補助金の交付

(2) 介護の費用補助(「介護保険制度」による対応)

 二段階方式の考え方及び手技の活用に基づいた、「アルツハイマー型認知症の早期診断による回復、介護の予防及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の地域予防活動」という具体的な対策方法が、北海道から九州に跨る累積452の市町村での予防活動実践の成果として、主張内容が正しいことが疫学的に実証されていて、極めて大きな効果を生み出している我が国では、何等の対策を打たないままに放置していて、認認介護介護離職が放置されていていいわけがないのです。私たちが提案している住民参加型の地域予防活動を全国展開し、地方の地域の隅々にまで浸透させていけば、「認認介護」や「介護離職」が消えていくだけでなくて、単年度ベースで10兆円を超えてきていて、この先さらに増加する一方と予測されている介護地獄を解消させ、「介護関連の費用」の規模と総額とを大幅に減少させ、何らかの理由で末期の段階の症状が発現するまでに前頭葉を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してしまったお年寄りについては、「家族介護」の負担を強いることなく、全員を『介護保険制度』で対応することが出来る社会を実現させることが出来るからなのです。発病自体の予防という政策の実施については、何故か、反対する勢力が存在していて、政府に対して圧力をかけているようなのです。古今東西、『改革』には抵抗がつきもの。『住民参加型の地域予防活動』を、出来るだけ早期に、国策として実現するためには、国民の理解と賛同が不可欠となるのです。

「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態なのであり、第二の人生における脳の使い方としての「生活習慣」の創意、工夫、改善により、『発病自体を予防することが出来る(一次予防が可能)』のです。一次予防が最も効果的なのです。エイジングライフ研究所が提案しているのは、一次予防を核として、且つ、国策化により実施すべきという提案を行っているのです。先駆けて、実践による効果、成果も示してあるのです。

KinukoとTadaoも二人とも古希を超えた年齢に在るのです。二人だけで運営するエイジングライフ研究所が、かつてのように、市町村との契約を締結して、二人の志だけで実施して行くことは無理なのです。野党もこの問題に関心を持ち、本来の在り方、政策を提言し、協議する政策集団に立ち返ってほしいと願うのです。必用とあれば、国会へ出て行き、いくらでも質問に答えるつもりなのです。

本著作物「E-11」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。 

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

   エイジングライフ研究所 (ホームページ) 

         & 脳機能からみた認知症(もうひとつのブログ)  

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アルツハイマー型認知症の真の正体(発病のメカニズム)とは(B-98)

2018-01-01 | アルツハイマー型認知症の予防が国民的課題

 謹賀新年

アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした

  住民参加型の「地域予防活動」が、我が国日本の全ての市町村の小さな地域の隅々にまで

   行き渡ることにより、増大の一途を辿ると予測されている介護関連の総費用の総額が、

    劇的な規模で、且つ、顕著な傾向の下で減額していくことになる日が一日でも早く

     到来するよう、精一杯頑張っていく所存です。

                            By  kinukototadao 


&1 権威(認知症の専門家、専門機関)が主張している内容は、その全てが誤り

世界的に権威が有るとされている「DSM-4」の規定内容の重大な誤り

(1) 我が国には、現在500万人を超える数の認知症患者がいて、この先更にその数は増大の一途をたどるというのが厚労省の予測です。私たちのデータによると、いろいろな種類が数ある認知症のうち、アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症を発病している人が認知症全体の90%以上を占めているのです(注:脳血管性認知症が25%を占めるとされるのですが、そのうちの20%分は「アルツハイマー型認知症」を誤診したもの。「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者が、或る日突然発症した脳卒中の「後遺症」を抱えた日状生活を余儀なくされたことをキッカケとして何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が開始され継続されている生活状況の下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させたことに起因して発病した「アルツハイマー型認知症」が正しい診断であるのに、脳卒中の後遺症と「記憶障害」の症状の確認だけで短絡的に「脳血管性認知症」の発病と診断する誤診が多すぎる医療現場の実態を反映したもの。GooブログkinukototadaoA74及びA-11の詳細な説明を参照してください)

然も、「アルツハイマー型認知症」の診断に際して医療現場の医師達はというと、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症の診断基準である「DSM-4」の規定の内容に依拠して発病の有無を判定するので、「アルツハイマー型認知症」を発病していると診断された人達は、極めて重度の「記憶障害の症状(第一の要件で確認が要求されている)に加えて、失語や失認や失行」の症状(第二の要件で確認が要求されている)が確認されたお年寄り、言い換えると、極めて重度の症状が発現しているお年寄りということになるのです。認知症診断の専門家と言いながら、そうした症状が、実は「末期の段階の更に後半になって初めて発現する症状」であるとの認識さえも無いのです。「アルツハイマー型認知症」についての発病のメカニズム及び症状が重症化していくメカニズムを知らないだけでなくて、初期、中期及び末期の段階の症状と言う風に極めて広範囲に亘る症状についても殆ど知らないで、末期の段階の更に後半の症状ばかりに目が向いているうえに、効きもしない「薬」を平然と処方してもいるのです。権威に盲目的に追従し、「アルツハイマー型認知症」については、殆ど何も知らないのに、専門家と称している人達が多いのです。

注) 薬の効能に関する製薬会社の主張(因果関係の有無の確認)の問題点については、Gooブログ(kinukototadaoと入力して検索)の(A-34)の問題提起を参照してください。

(2)「DSM-4」の規定が確認を要求している『失語や失認や失行の症状』が確認された人達ということは、即ち、30点が満点のMMSEの得点が「一桁の得点」しか取れないお年寄り(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の更に後半の段階にあるお年寄り)のことなのです。

未だに世界的な権威が有るとされている「DSM-4」の規定の内容は、「アルツハイマー型認知症」の発病(症状)と診断する上での第一の要件として確認が要求されている記憶の障害の症状には程度や態様に関する規定がなく、第二の要件として確認が要求されている失語失認失行(又は、実行機能の障害と規定している)」の症状は詳細について後述するように、末期の段階の更に後半でしか確認されない極めて重度の症状であり並びに第二の要件も第一の要件も共に同じ人物に同じ診断時に確認されることが要求されることから、「記憶の障害」の症状も極めて重い症状の確認が要求されることになるのです。

その帰結として、『昨日、レストランに行って何を食べたかを忘れていても、第一の要件には該当しないが(認知機能が正常者の物忘れの症状とされる)、レストランに行ったこと自体を忘れているのは第一の要件に該当する症状となる(認知症の症状としての記憶障害の症状とされる)等の極めて不明瞭な例示がなされるのが、認知症の専門家達に共通した説明の仕方なのです。

そうした重大な誤り及び問題点を内包していることに注意が向けられていない結果、「DSM4の規定に余りにも権威があるが為に、世界中の認知症の専門家とされる人達から、その性質本来のものとしては、早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び」「中ボケ」の段階)で見つけると治すことが出来るものであるにも拘らず「アルツハイマー型認知症は治すことができない」タイプの認知症にされてしまっているのです。

失語や失認や失行の症状、或いは、それよりも更に重い症状が「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解されてしまい、それよりも軽い症状は、「アルツハイマー型認知症」の症状の対象から外されてしまうことになってしまい結果として見落とされてしまうそのことが定着してしまったのです。「アルツハイマー型認知症」は、本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」(軽度認知症)及び「中ボケ」(中等度認知症)の段階で見つければ、治すことが出来る(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の方法である「脳のリハビリ」により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る)、言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」は、早期診断により治すことが出来る』ものであるにも拘らず、『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないタイプの認知症である』とする誤った考えが世界中に定着してしまったということなのです。更に言うと、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」(但し、脳の使い方としての生活習慣であることに留意する)の構築により、発病自体を予防することが出来るのです。「アルツハイマー型認知症は発病を予防することが出来ないし、症状を治すことが出来ない」とする医学界、認知症の専門家達の主張は重大な誤りであり、その根源(犯人)は、「DSM44」の規定内容の誤りにあるのです。世界で最も権威が有るとされるDSM4」の規定の内容こそが、諸悪の根源と言うべき重大な誤った内容を規定しているのです。「DSM 4」の規定にあまりにも権威が有るが為に(規定された内容という訳ではなくて、規定を策定した人達が極めて権威が有る人達だったというだけの理由なのですが)、所謂権威が有り、情報の発信力も有する人達、世界中の認知症の専門家とされる人達が迷路に迷い込んでしまう結果を招来しているという訳なのです。

DSM4」の規定が確認を要求している内容が重大な誤りであるにもかかわらず、専門家とされる全ての人達が、「アルツハイマー型認知症」の発病原因、機序及び症状が「記憶の障害」に起因したものとの誤解の下に、「記憶の障害」が起きてくると仮定した発病原因としてのアセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説などの「仮説」を生み出してきたのです。例えば、アセチルコリンの不足が原因で記憶障害が起きてきているとか、アミロイドベータの蓄積により生成される老人斑の蓄積が原因で脳内での情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が惹き起こされることにより記憶障害が起きてきているとか、タウ蛋白の蓄積により生じてくる神経原線維変化が原因で脳内での情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が惹き起こされることにより記憶障害が起きてきているとかの仮説の類(誤った憶測や推測の上に積み上げられただけの主張)を生み出してきたのです(「DSM-4」という仮説の上に立脚した推測に基づく仮説の類なのです)。

その結果として、各々の主張内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を立証できないままで居るが故に(発病のメカニズムを知らないままで居て)、外観的な症状の確認だけを主張の根拠として、「アルツハイマー型認知症」の症状の類型らしきものを羅列しているという状況に在るのです。その肝心の症状の類型と言うと、これまた、「DSM-4」の規定が第二の要件で確認を要求している失語や失認や失行と言った極めて重度の症状を筆頭としてそれよりもさらに重い症状が「アルツハイマー型認知症」の症状であると誤解してしまっているのです。その結果、本当の意味での早期の段階(「脳のリハビリ」により治すことが可能である)「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状を見落としていて、末期の段階であり(「脳のリハビリ」により治すことが最早困難な段階である)「大ボケ」の段階の更に後半の段階(私たち人間の意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしていて、脳全体の司令塔の役割を担っていて、三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルが、「かなひろいテスト」により、不合格の機能レベルであると判定される上に、手足となって働く馬である左脳及び右脳の機能レベルを判定するMMSEの得点が10点以下、一桁の得点にしかならない機能レベルであると判定されるレベル(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現する)、極めて重度の症状だけが「アルツハイマー型認知症」の症状であると公言して居て、その権威に裏付けられてはいるが内容的には「誤った情報」を世界中に発信し続けているという訳なのです。「記憶障害」に起因して発病するものとの仮定の条件である「第一の要件」の規定内容自体が重大な誤りである上に、失語、失認、又は失行と言う極めて重い段階の症状の確認を要求している「第二の要件」の規定内容が、末期の段階の症状だけに世界中の専門家達の目を向けさせてしまうこととなった結果、後で詳述するように、早期診断による「回復」が可能であるにもかかわらず、治すことが出来ないタイプの認知症であるとされてしまい、一旦発病すると、日常の生活面での「介護」が不可欠となるタイプの認知症に大化けさせられてしまっているということなのです。認知症の専門家とか言いながら、「DSM-4」の規定内容を誰一人として疑おうとはしないのです。その上、本態が廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることに誰一人として気づくことさえもなく、器質的な病変を原因としたものに違いないとの誤った思い込みから、アミロイドベータ説やタウ蛋白説等の「仮説」が横行する現在の状況が生まれてくることになってしまってもいるのです。

このブログ中でたびたび典型的な症状の類型を8例づつ「小ボケ」の段階の症状、「中ボケ」の段階の症状及び「大ボケ」の段階の症状として例示してある「アルツハイマー型認知症」の症状の類型は、生きた人間の意識的な世界、「前頭葉」(「前頭前野」を言うものとする。以下、同じ)が構築し、統括し、支配し、コントロールしている意識的な世界における「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルとそれに厳密にリンクしたものとしての「アルツハイマー型認知症」の症状について、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用して14689例もの症例を集積したものなのです。それは、器質的な病変とも記憶の障害に起因したものとも無関係のものばかりなのです。正しくは、「前頭葉」の機能障害に起因したもの、又は、「前頭葉」の機能障害を核心としたものと言うべきものばかりなのです。

そこに見られるように、「アルツハイマー型認知症」としての症状は、「脳のリハビリ」により回復させることが可能であるか否かの物差しにより「三段階」に区分されるものであることが明らかになったのです。14689例にも上る精緻な症状の類型を解析して得られた結果について言うと、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能に宿る「正常老化の性質」(後に詳述するように、脳の使い方としての「生活習慣」の内容の如何に拘らず「加齢」と共に機能が衰えて行く性質)、私たち人間の意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている脳機能である「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能の機能メカニズムの存在、言い換えると、個別認知機能の機能発揮上での二重構造の問題、更には、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い「単調な生活」ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下という問題に辿り着くことによって、『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症が、一つには「加齢」の進行による脳機能の「老化」と言う要件に起因して、もう一つには、脳の使い方としての「生活習慣」に基づく廃用性の機能低下に起因して発病する病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である』ことを解明することが出来たのです。このメカニズムに気が付かない限り、何時まで、どれほど有能な人材をつぎ込もうとも、マウス(アルツハイマーマウスを含む)が檻の中で餌を探して彷徨する活動を追い続けようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因(メカニズム、機序)を解明することは不可能だということを指摘しておきたいのです。時間と人材の無駄遣いに終わるだけなのです。『老々介護、認々介護、介護離職』という社会的に極めて重大な問題を招来している病気、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズムの解明というテーマなのですから、権威等はかなぐり捨てて、今こそ、実力で勝負すべき時なのではないでしょうか。私たちは、何時でも、誰とでも、どの機関であろうとも、論争に応じ、不毛な議論に早く終止符を打ちたいと考えているのです(「脳のリハビリ」により正常な状態に「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを引き戻せるか否か、言い換えると、認知症の症状を治せるか否かの可能性及びその程度から私たちが三段階に区分する「アルツハイマー型認知症」の症状の類型については、このブログの「A-52」を参照してください)。

(3)世界中の認知症の専門家達から、『「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防する方法も見当が付かない』とされている訳なのですが、『「アルツハイマー型認知症」こそが、早期診断により回復させることが出来るものであり、加えて、発病自体を予防することが出来る』タイプの認知症なのです。『「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣病」であることに留意する)』と言うのが、私たちの主張であり、452の市町村での住民参加型の「地域予防活動」として、私たちのこの主張内容が正しいことを実証してきたのです。私達に不足しているのは権威が無いことと情報の発信力に乏しいことだけなのです。私たちが来期の初頭で政府に提出する予定である建白書の提言内容は、「アルツイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の「域予防活動」を我が国の全ての市町村の小さな地域単位で密に展開することにより、その総額が現在天文学的な規模に膨れ上がってきていて、この先増大の一途を辿るものと予測されている「介護関連の総費用(「アルツハイマ-型認知症」の発病の有無の診断、投薬及び介護の為に支出している税金の総額)を劇的な規模で、且つ、顕著な傾向の下に、減額させていく為の極めて有効で有益な唯一の方策の実施を世に問おうとするものなのです。

(4)日常の生活面における「脳の使い方」という視点で言うところの廃用症候群に属する「生活習慣病」が本態である「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症こそが、発病自体を予防することができるし、早期の段階で見つければ治すこともできるのです。私たちは、そのことを実証してきてもいるのです。『「アルツハイマー型認知症」は、治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ないタイプの認知症である』と主張してきたこと、言い換えると、これまでの権威が主張していることは、誤りなのです(世の中を惑わす重大な誤り)。

そして、私たちが主張する発病の要件二つに特定されているのです。その発病の第一の要件は、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』なのです。『「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、60歳を超える年齢の「高齢者」に限られる』ということに注目して頂きたいのです。その基礎ともなるべき条件が、『私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」における「前頭葉」を核心的基盤とした脳の機能構造のメカニズム』なのです。我が国だけでなくて、世界中の認知症の専門家達から発病の原因が不明とされてきている「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「器質的な病変」の存在とは無関係の物である上に、様々な程度及び態様により発現してくる症状は、「記憶の障害」に起因したものでもないのです。その特徴は、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行しようとするに際して、社会生活面や家庭生活面やセルフケアの面での様々な支障が出てくるところにあるのです。その最も重要な要素が、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」、「前頭葉」という脳機能が構築し、統括し、支配し、コントロールしている世界における脳の機能構造、意識的な世界における「廃用性の機能低下」という要素に目を向けることが、 「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムを解明する上で 「不可避のテーマ」なのであることを指摘しておきたいのです。その場合に、最初の争点(要素)となるのが、「加齢」に伴う(加齢に起因した)正常老化の性質」の問題なのです。

脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何等かの「テーマ」を発想し、実行しようとする世界、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている「前頭葉」の機能自体に、私たちが「正常老化の性質」と名付ける性質、生活習慣の如何に関わらず加齢と共に働きが衰えていくという性質、『「正常な機能レベル」を保持しつつも、緩やかなカーブを描き乍ら衰えて行く』という性質が存在することなのです(「正常老化の性質」の詳細と根拠となる「脳機能データ」については、後述します)。「前頭葉」と言う脳機能に宿る生来的な性質、「正常老化の性質」こそが、「アルツハイマー型認知症」を発病するメカニズムという視点から第一番目に考慮すべき条件、言い換えると、発病の第一の原因要素となるということなのです。

(5)そして、私たちが規定する発病の第二の要件とは、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続すること』なのです。すなわち、食生活と言う生活習慣ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」に起因して発病するのが、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症の特徴だということなのです。それ故にこそというか、そのことに関連して問題を提起すると、「アルツハイマー型認知症」の発病原因としての「器質的な病変」は何等存在していなくて、且つ、様々な程度及び態様の下で発現してくる症状は、「記憶障害」に起因して発病してくる訳のものではないということが極めて重要な視点となるのです。その意味で、「DSM4」が規定する内容も、「アルツハイマー型認知症」の発病原因に関わる様々な「仮説」としてのアセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウタンパク説及び脳の萎縮説は、それらの主張内容が根本的に誤っていて、基本の視点が根本的な誤解に立脚したものと言うしかないのです。

(6)何かを「キッカケ」として(「キッカケ」の類型については、kinukototadao と入力して、Gooブログの「A-68」を参照してください)意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が開始され、継続していると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の機能低下を起こしてくることになるのです。上述した発病の第一の要件と第二の要件とが同時に存在し、充足されることの相乗効果により「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「廃用性の加速度的で異常な機能低下」を進行させていくことになるのです。その先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているのです。端的な表現を借りて本質を定義すると、「アルツハイマー型認知症」は、老化廃用型の「生活習慣病」なのです。再度確認し問題を提起しておくと、「器質的な病変」とも無関係のものであり、「記憶の障害」に起因して症状が発現してくる訳のものでもないのです。

(7)廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行を発病の原因とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が認知症の症状として発現してくるのが特徴となるのです(「三段階の症状」の発現が特徴となる)。加えて、廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して症状が段階的に発現してくるアルツハイマー型認知症」の場合には、前頭葉」を含む脳の機能に衰えていく明確な順番があるのが特徴なのです最初に、脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が加速度的で異常な機能低下を起こしてきます。次いで、より高度で複雑な機能の順番に、「左脳」、「右脳」、「運動の脳」の機能の順番に、且つ、少しずつ遅れる形で「前頭葉」を核心としつつ「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行して来るのが特徴なのです。従って、「脳のリハビリ」という脳の使い方としての「生活習慣」を改善する方法により「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させる(認知症の症状を治す)ことが出来るか否かという視点から、小ボケ(回復させることが容易)、中ボケ(回復させることが未だ可能)、大ボケ(回復させることは最早困難)という「三段階」に区分される認知症の症状が発現し、順次進行していくことになるのです(症状が三段階に区分されることを、専門家達が知らないのです)。

(8)私たちが独自に開発した「二段階方式」手技の場合は、「前頭葉」の機能レベルを「かなひろいテスト」により、左脳及び右脳の機能レベルを「MMSE」により判定します。「MMSE」で判定するとき、左脳と右脳の機能については、想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識・・・・の順番に、衰えてくるということなのです(14689例の臨床事例の解析結果)。この順番に衰えていかないときは、「アルツハイマー型認知症」ではないのです。「アルツハイマー型認知症」以外の「認知症」であるか、或は、認知症と紛らわしい「病気」ということになるのです(「二段階方式」の手技を詳説したマニュアルである「マニュアル-C」に詳しい説明が記載されています)。

それ程この順番、『「前頭葉」だけが最初に衰えていき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順番に衰えていくこと。更には、「MMSE」で判定される「下位項目の衰え方」には、「想起、計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識・・・・の順番に衰えていく 」という「衰え方の規則性」がある(「MMSE下位項目の項目困難度」)』という私たち独自の指標に関する資料は、極めて有益で重要な客観的な指標であり、私たちの実務マニュアルである「二段階方式 個別事例判定マニュアルA」の巻末に根拠データが添付してあります

(9)衰え方の規則性というこの厳密で客観的な指標は、廃用性のものである「アルツハイマー型認知症」の場合に特有のものであり、他の種類の認知症及び認知症と紛らわしい他の病気(例えば、重度の記憶障害の症状を示していても、「アルツハイマー型認知症」ではなくて、「側頭葉性健忘症」であることの鑑別、或いは、「緩徐進行性失語」であることの鑑別等)との鑑別に極めて有効なのです。猶、この規則性は、14689例にも上る「アルツハイマー型認知症」の症例の精緻な「脳機能データ」の解析により求められたものなのです。機能それ自体がより高度で複雑なものから順番に衰えて行くという厳格な、且つ事象事実としての客観的な基準の存在は、『「アルツハイマー型認知症」の本態が、廃用性の機能低下を基礎とした廃用症候群に属する「生活習慣病」であるが故の物であり、様々な「仮説」としての主張であるアセチルコリン説(アセチルコリンの不足)や、アミロイドベータ説(アミロイドベータの蓄積による老人斑の生成)や、タウ蛋白説(タウ蛋白の蓄積による神経原線維変化)や、脳の萎縮説が主張する内容は、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因とは無関係のものだ』ということを指摘することが出来るのです。

&2 「アルツハイマー型認知症」の発病者数に関わる実態と問題点の指摘

(1)「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

私たちは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルという考え方の下に、「アルツハイマー型認知症」の症状の区分について、「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させることの可能性の有無及び程度という視点から、軽い順に、回復させることが容易「軽度認知症」(小ボケ)、回復させることが未だ可能「中等度認知症」(中ボケ)、そして回復させることが最早困難な末期の段階としての「重度認知症」(大ボケ)という「三つの段階」に区分して判定しています(発病患者が訴える認知症の症状について私たちが類型化した症状の重症化の順番について集積したデータを当時の東京都老人総合研究所が解析してくれた資料が基礎となっています)。

(2)「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されている条件下で緩やかにではあるが身体がもつ限り症状が進行していくのが特徴であり、キッカケが発生し何事にも意欲を喪失した生活の繰り返し、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が始まって半年から1年迄の期間発病までの期間であり、「小ボケ」の期間が3年間、「中ボケ」の期間が2~3年の期間続いて、発病して5~6年目以降になると末期の段階である、「大ボケ」の段階に入っていくことになるのです(「標準となる期間」としての指標)。

(3)「前頭葉」を含む脳全体を活性化させる為の「生活習慣」の改善と工夫とその実践を目的とする「脳のリハビリ」により回復させることが可能な(「アルツハイマー型認知症」としての症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけることなく(その段階を見逃したままの状態で居ると)医療現場での現在の診断状況に見られるように、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続された状態で放置した儘で居ると、やがては、末期の段階であり、回復させることが困難な「大ボケ」の段階にまで進んで行ってしまうのです。その最も大きな見落とされている問題点はと言うと、「小ボケ」の人数と「中ボケ」の人数とを併せた人数は、「大ボケ」の人数の少なくとも2倍以上にはなるということであり、この数値は住民参加型の「地域予防活動」の実践指導に基づく私たちの経験値でもあるのです。

(4)現在、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」を発病している人達の数は、上記三段階区分でいえば、「大ボケ」の段階の人達だけの人数であるということに注目していただきたいのです。「アルツハイマー型認知症」の診断基準として世界的に権威がある「米国精神医学会」の診断規定の「DSM-4」の要件(診断基準としての第一要件及び第二要件)に従い診断している限り、「脳のリハビリ」によって回復させることが困難な末期の段階(私たちの区分でいう重度認知症大ボケ」の段階)の更に後半の段階、言い換えると、MMSEの得点が一桁にしかならないまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが低下してきていて極めて重度の症状が発現してきている段階でしか、「アルツハイマー型認知症」(その症状)を見つけることができないことになってしまうのです。

&3  医療の現場における診断の実態とその問題点

「アルツハイマー型認知症」については、「発病を予防することも、治すこともできない」タイプの認知症であるとの考えが、世界中の学者や研究者や医師達の間で定着しているその一方で、発病の原因(メカニズム、機序)についての様々な仮説(アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説、脳の萎縮説等)が横行しているのです(それらの問題点については、このブログのB-89及びB-90を参照してください)。

〇私たちの研究と市町村での実践活動の成果に基づく結論

私たちが開発した「二段階方式」の手技の活用により集積した14689脳機能データと450を超える市町村で実施した地域予防活動実践の成果に基づく結論として、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「廃用症候群に属する単なる生活習慣病である」(但し、その「生活習慣」とは、食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣」であることに留意する)と主張しているのです。

私たちが開発した「二段階方式」のような、精緻な神経心理機能テストを活用すれば、「本当の意味での早期の段階」(私たちの区分で言う、小ボケ及び中ボケの段階)で容易に発病を判定することができるし、詳細について後述する「発病のメカニズム」についての私たちの見解にみるように、廃用性の生活習慣病をその本態とする「アルツハイマー型認知症」の場合は、本当の意味での早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つければ、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により正常なレベルに回復させることができる(症状を治すことが出来る)ものなのです。

世界中の認知症の専門家達が『「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ないタイプの認知症である』としているのは、病気それ自体の性質によるのではなくて、彼らが見つけて居る段階が遅すぎるだけのことなのです。彼らは、米国精神医学会が策定した「DSM-4」を微塵も疑うことなく、正しいものとして扱い、そこに規定された診断基準(第一の要件及び第二の要件)に依拠して診断しているが為に、末期の段階であり私たちの区分で言う「大ボケ」の段階でしか「アルツハイマー型認知症」を見つけることが出来ないでいるが為に、『治すことが出来ない』と誤解しているだけなのです。世界中の専門家達の間で、発病の原因が分からないとされていて、治すことも予防することも出来ないタイプの認知症であるとされているのです。

「アルツハイマー型認知症」の症状であるとして、認知症の専門家達が著作した幾多の書籍で紹介されている症状は、回復させることが可能である本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の症状は記述されていなくて(「アルツハイマー型認知症」の症状であることが気付かれていないために見落とされている)、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状だけが取り上げられ並べられているだけなのです。そうした知識の下では、周りの家族が『何かが、おかしいな』と勘づく段階、「小ボケ」及び「中ボケ」の症状が発現してきている段階では、病院には連れて行かないのです。末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してきて、更にその症状が重いものになっていき、『家族が、最早自分たちの手に負えない』と考えるようになって初めて、病院に連れて行くことになるのです。その結果、認知症の診断を専門とする医師達でさえ、そうした重度の症状にしか出会ったことが無いこととなり、『そうした重い症状こそが、「アルツハイマー型認知症」の症状なのだ』と誤解してしまうのです。悪循環が起きているのです。

注)昨年末のテレビ番組で、カレーがアルツハイマー型認知症の予防に効果的だとするデータ(インド人の食生活とアメリカ人の食生活との比較にもとづいただけの憶測による結論)を紹介する名医なる人が登場していました。その人は、アミロイドベータの蓄積により脳内での情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死が起きることがアルツハイマー型認知症の発病の原因であるとも紹介していました。「アルツハイマー型認知症」の本態(本質)は、上述したように、廃用症候群に属する「生活習慣病」なのです。アルツハイマー型認知症を発病する原因は、発病の対象者が第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者に限定されているように、一つが加齢による脳機能の低下(老化)であり、もう一つが、キッカケを契機に開始され継続される単調な生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下なのです。そこに言う「生活習慣」とは、食生活とは無関係のものであって、第二の人生における脳の使い方としての「生活習慣」のことなのです。アルツハイマー型認知症(このブログ中で何度も指摘していることなのですが、所謂アルツハイマー病とは、発病のメカニズム自体も、症状が発現してくるメカニズムも、症状を発症した後の治療の方法の有無も、更には、発病自体の予防の可能性の有無も全く異なるものなのです)を発病する対象者は、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」に限られていて、「超高齢化社会」に突入している国だけに特有の社会現象なのです。このことを、一般の皆さんだけでなくて、認知症の専門家とされる人達にも指摘しておきたいのです。『何処かを早く掘れーわんわん』というのを競っているだけではないと思うのですが、立脚している基本の視点(「DSMー4」の規定内容)が重大な誤りを犯していることにも気づかないで居て、誤った場所を、誤った方法で、単に深く掘り下げているだけなのです。「木を見て森を見ず」という研究視点、研究の方法を、そろそろ卒業されてはいかがなものでしょうか。

                    

『アルツハイマー型認知症は、治すことも、予防することも出来ない』と権威ある人達が唱え続けることで、15兆円を超える金額の税金が、効きもしない薬を製造し販売している製薬業界に、末期の段階でアルツハイマー型認知症を見つけて居るだけの医療業界に、回復は愚か症状の進行を抑制することもない単なる介護サービスの提供者でしかない介護業界に流れ続けているのです。我が国の憲法は、我が国を取り巻く国際環境が大幅に変更した状況に在ると考えられる時は、第九条の規定内容を変更することが出来るとして、憲法の条文を変更する為の改憲規定を設けているのです。第九条の改憲論議自体を否定している憲法学者と同じく、認知症の専門家とされる人達は、アルツハイマー型認知症の早期診断による回復及び発病自体の予防の可能性を否定し続けているのです。国の為と言うより権威を守らんとする自己利益からとでもいうのでしょうか。「アルツハイマー型認知症」は早期診断により治せるし、発病自体を予防することが出来るものなのです。住民参加型の「地域予防活動」の全国展開により、上述の不条理な社会状況を我が国から追放したいと考えるのです。皆さん、良いのですか?現状のまま放置しておいて。

本著作物「Bー98」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

 脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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