&1『 発病の 早期の段階』の見つけ方とその特徴
(1) 『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』を、①回復可能な「軽度認知症」(小ボケ)の段階及び②重症化の進行の抑制が未だ可能な「中等度認知症」(中ボケ)の段階【=本当の意味での早期の段階】で見つけるには、③「神経心理機能テスト」の使用が不可欠となるのです。
(2) 然も、「神経心理機能テスト」による『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルの精緻な判定と過去の「生活歴」の聞き取りに基づいての『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能を活性化させる為の『「脳の使い方」としての視点と意味で言う『生活習慣の改善』指導【=「脳のリハビリ」の実践指導】とが、判定と治療、更には、『発病自体の予防』の為の/唯一の方法となるのであり、投薬や手術や治療といった「医行為は、不必要」なのです。
※ ここで特記しておきたい『注意事項』としては、 1つの理由としては、「発病の有無及び症状の段階区分の判定(診断)の方法」が、高額な売り上げが立つ/CTやMRIが必要ではなくて、逆に、保険点数が極端に低い(売り上げが極めて低いものとしかならない)「神経心理機能テスト」の使用が不可欠となる為に、『医療機関にとっては、事業としてペイしない』ということが、極めて重要なポイントなのです。加えて、もう一つ別の理由としては、『本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」であるにすぎない「AD型認知症」は、「発病の予防」や/「治療(=症状の回復及び/又は重症化の進行の抑制)の効能を有する薬(治療薬)は、発病及び症状の住所化が進行するメカに照らして、未来永劫、開発されることは、有り得ない』ことでもあるのです!!!
(コーヒー・ブレイク) 「AD型認知症」の発病の最初の段階である「小ボケ」からの回復及び症状の更なる重症化の進行の抑制が未だ可能である「中ボケ」を末期の段階である「大ボケ」にさせない事は、本人にとっては勿論のこと、家族にとっても大きな意味があります。ところが、回復可能な「小ボケ」の段階及び更なる重症化の進行の抑制が未だ可能な「中ボケ」を見つけるには、私たちの「二段階方式の手技」のような、極めて高度で精緻な判定能力を有する「神経心理機能テスト」の使用が不可欠となるのです。CTやMRIでは、更には、f-MRIやPETを使用してみたところで、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけることは出来ないのです。「小ボケ」又は、「中ボケ」の段階で発病を見つけられないで、放置されたままでいると、症状の重症化が進み、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階になります。
CTやMRI、或いは、f-MRI,果ては、PETまで総動員しようとも、売り上げを稼ぐことには役立つっても、「重度認知症(大ボケ)」の段階で、発病を見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ、為す術は何も残されていなくて、「発病のレッテル貼り」の診断でしかないこととなるのです。
&2『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルに厳密にリンクした「三段階の類型的症状」の発現が特徴
(1) テレビが、いろいろな種類のものを取り上げるので、認知症にも種類がたくさんあることはご存じだと思います。その種類がいろいろある認知症の中で、「AD型認知症」が認知症全体の90%以上を占めているのです(But,この数値は、「小ボケ」/「中ボケ」/「大ボケ」の、全ての段階の発病者が含まれていることに注意して下さい。厚労省が発表する予測数値は、「大ボケ」の人数だけなのであり、「小ボケ」と「中ボケ」の人数は、入っていない数値なのです!!)。
(2) 高齢化の更なる進行が予測される中で、「AD型認知症」を発病する高齢者達の数も増え続けることが予測されているのです。その、「AD型認知症」こそ、保健師さんにとって、「保健及び予防活動」の最も重要な対象となる「テーマ」だということではないでしょうか。
(3)「AD型認知症」は、症状の回復が可能な「小ボケ」及び/症状の重症化の進行の抑制が未だ可能な「中ボケ」の段階での発病の発見(判定)には、CTもMRIも/f-MRIもPETも、不必要なのです。「本当の意味での早期の段階」、発病を見つけることが出来れば、①正常レベルへの回復及び又は、②症状の重症化の進行の抑制が可能である上に、『その為の治療は、薬の投与が、不必要』なのです。診断している医療機関も、薬を開発している製薬会社も、複合機能体である『前頭葉』と言う機能についての知識と理解が、浅過ぎるのです!!!
(4) 私たち「二段階方式」が蓄積してきた「AD型認知症」を発病した『高齢者』達の多数の「脳機能データ」を解析すると、「小ボケ」から「中ボケ」へ/、「中ボケ」から「大ボケ」へ/と症状の重症化が進行して行くにつれて、『前頭葉」機能の機能レベル(働き具合)が、加速度的に衰えていくことが分かるのです。発病の末期の段階である「大ボケ」のレベルになると、「前頭葉」機能は、殆ど機能していないことが分かるのです。状況を判断し、実行すべきテーマを発想し、その実行の内容を組み立て、内包する判断基準である『評価の物差し【=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス】の機能』に因る、評価/注意/関心/観方に従い(に基づいて)、最終的な実行内容を決定する働きをしている複合機能体であり、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』機能の働き方/働き具合が、「薬を飲む(貼る)」ことで、機能が回復したり及び/又は、症状の進行が遅れることなど、発病/症状の重症化が進行して行くメカに照らしてみた場合、絶対に有り得ないことなのです。『前頭葉』機能は、「意識」が覚醒した/目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役目を担っている脳機能であり、謂わば、左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬が牽引する「三頭立ての馬車」の運行を支配管理する『御者』なのです。「脳全体の機能」を回復させるには、『前頭葉』の機能を真っ先に回復させることが、必要不可欠の条件となるのです。その『前頭葉 』機能を、回復させるには、しっかりと「使う」こと以外に、他に方法は無いのです。薬が効くような代物ではないのです!!!
(5) 「早期段階の判定及び早期段階からの回復や/重症化の進行の抑制、更には、発病自体の予防(発病時期の先送り)」の為に、「AD型認知症」の発病の有無及び発病の段階区分の判定並びに『前頭葉』機能を含む脳全体の機能を「活性化」させる為の「生活習慣の改善」を目的とした指導の実施に際して、必要不可欠となる「神経心理機能テスト」の使用が、保険点数が極めて低い為に、『医療機関にとっては、事業として必要となる収益を上げることが期待出来ない』のです。医療機関といえども事業体ですので、最低限でも必要な規模での収益が上がらない事業を、継続的に実施して行くことは、出来ない相談なのです。従って、「収益はあげられなくても、費用が減るメリットがある」ことで事業として継続して展開できる/自治体や国でしか、対応が期待できないということになるのです。
&3 『末期の段階での発病の発見』ではなくて、本当の意味での『早期の段階での発病の発見』に目を転じるべき
(1) 日本は世界に先駆けて『超高齢社会』に突入しています。この先、高齢化が更に進んでいく中で、医療機関も国も市町村も、『発病自体の予防』及び『早期発見と早期治療』に対して、何もしないで/手をこまねいて放置していると、高齢者の大半は、「身体が保ちながら、脳が保たない」結果として、行き着くところは、「AD型認知症を発病し及び症状の重症化が進行して、介護が不可欠となる高齢者」の人数の更なる増加という、悲惨な将来像が、はっきりと見えて来ているのです。
(2) 厚労省が発表している「認知症の発病高齢者の数200万人」と言う数値は、『AD型認知症』を発病した、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の「高齢者」だけの人数なのです。「重度の記憶障害(物忘れの症状)」という誤った医療指針の為に見逃されている回復可能な「小ボケ」及び症状の重症化の進行の抑制が未だ可能な「中ボケ」とを合わせた人数は、「大ボケ」の2倍相当にもなるのです。然も、「大ボケ」の2倍の人数にもなる「小ボケ」と「中ボケ」の段階の高齢者達は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直して、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が活性化化する『生活習慣』を構築し、継続的な実践の自助努力により、『第二の人生』を送る上での/日々の暮らし方(生き方)に取り込むことにより、①正常レベルに回復させること(「小ボケ」)及び/又は、②症状の重症化の進行の抑制が未だが出来る(「中ボケ」)」のです。市町村を主体として、「AD型認知症」の発病自体の予防並びに早期段階の発見と早期段階での治療の実施により、回復し及び/又は、「重度認知症」に重症化していく人達の数を減らす「政策」を制度化して、国策として、市町村により、実行して行くべきなのです。その上で、「重度認知症(大ボケ)」の高齢者達に対する『介護保険の適用』を手厚くすることが必要だと考えるのです。
(3) このブログで詳細に説明してきたように、「AD型認知症は、原因も分からないし/治らない病気」という考えは、極めて重大な誤りなのです。「重度の記憶障害(極めて重度の物忘れの症状)」という誤った医療指針に基づいて、末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の高齢者ばかりを見つけて診断してきた、精神科医の誤解が最大の原因なのです。これまでのブログで詳細にメカを説明し、開示した根拠となる「脳機能データ」からも分かるように、「AD型認知症」の本態(真の正体)は、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」に過ぎないなのです。早期段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけて、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を見直し、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が活性化する「生活習慣」を、日常生活に取り込むことにより、①正常レベルに「回復」させることが出来るし、②症状の重症化の「進行を抑制」出来るし、③発病自体を「予防すること」も、出来るのです。
(4) 『第二の人生』を送っている高齢者を多数抱える/個々の市町村が実施の主体となり、行政活動の中の主要な「テーマ」として、「AD型認知症」の予防活動を位置づけ、地域全体の総力を結集する形で、取り組むことが重要なのです。その為には、「AD型認知症」の予防活動に取り組む専門の保健師さんを配置して、地域のいろいろな組織やボランティアを取り込み、継続的な自主活動として、「地域単位」で/『住民参加型の地域活動』として、『発病自体の予防』に取り組むしか、問題を解決する途は、無いのです。
&4 まとめ
(1)「AD型認知症」の発病を予防する為の「生活習慣」の改善と継続的な実践の自助努力を目的とした 『生活改善の指導』は、脳を生き生きと使う「生活習慣」を個々人が日常生活に取り組み、確立するむことが核になります。それは、趣味なく交遊なく、運動もせず目標となるものもない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」とは、裏返しの生き方が、「指針」になるのです。
(2) 「意識」が覚醒した/目的的な世界に於ける(脳全体の司令塔の役割を担っている)『前頭葉』機能に十分な情報が上がっていき、『前頭葉』の司令塔としての機能がフルに働くような『生活習慣』、特に、趣味や遊びや人付き合いの働きを司る「右脳」を十分に活用した『第二の人生での生き方』を指標として、指導することが重要となります。これまでは、「身体の健康」というテーマについて大きな役割を果たしてきた保健師さん達は、これからは、「脳の健康」という大きな「テーマ」(身体が保つ限り、脳も保たせる)について、重要な役割を果たすことが期待されているのです。「介護保険」で期待されている、従来型の「身体介護サービス」提供の担い手ではなくて、「生き甲斐創造の手助け」となる/新しいタイプのサービスを提供する担い手に,是非とも、なって頂きたいと願うのです。
注)本著作物(このブログ A-23に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。