認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

14689例の「脳機能データ」が実証する「アルツハイマー型認知症」の真の正体(Hー13)

2023-10-10 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

(プロローグ)私たち二段階方式は、『アルツハイマー型認知症本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型生活習慣病』であることについて、北海道から九州に跨る全国的規模452の市町村で実践指導した「住民参加型の地域予防活動」の顕著な成果に関わる脳機能データ(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「類型的症状」及び廃用性の異常な機能低下を進行させた元凶である「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続の確認を含む)という証拠資料を提示して、『治療の効能を有するが開発されることは、未来永劫有り得ない』ことの根拠を説明し、関連する脳機能データを厚労省(認知症施策推進室)との協議時に提出しているのです。エーザイに因る今回の新型の薬(レカネマブ)の開発コンセプト自体が、根本的に誤った内容のものであり、症状の進行を抑制する効能は絶対に有していないものであることの根拠となる、客観的で科学的な、且つ事象事実としての「脳機能データ」3種を添付して、『アリセプト、アデュカヌマブ』と同様に、『レカネマブは、治療薬としての効能は有していない』ことについて、根拠データを付して厚労省に問題を提起したのですが、何を目論んでいるのか、厚労省は承認してしまい、(有ろうことか岸田首相を普及促進会議の議長に据えている)のです。『前頭葉の働きに関わる新薬』であり、治療薬としての効能は皆無で、副作用だけが売り物レカネマブという「特定の企業の薬の普及活動」の先陣を、一国の宰相が担う等、前代未聞。

エーザイのレカネマブは、(アミロイドβの蓄積を除去)できても、(AD型認知症)の症状の進行を抑制する効能は皆無であり(アミロイドベータの蓄積とアルツハイマー型認知症の発病/症状の進行との間には、そもそも因果関係自体が存在していないのです)、有るのは、(脳出血、脳浮腫、脳の萎縮等)の副作用だけなのです。症状の進行の抑制効果としてエーザイが掲げる27%の数値は、ケアプラン作成用の基準であり/主観的な基準に基づく外観からの主観的な観察結果単に数値化するだけの手法が特徴である(CDR)を評価基準に転用した姑息な手段に因る(真っ赤な大嘘に過ぎないのです。

&1  アルツハイマー型認知症は、若年での発症は皆無で、「老年発症」が特徴なのです

   様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症』は、「第二の人生」を送っている「高齢者だけ』が発病の対象となる老年発症)が特徴なのです。&7で詳説するように、「加齢」に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能について確認される機能低下の進行(正常老化の性質=基盤要因)が発病の第一要因である為。

どんな種類の仕事であれ、日々生活を繰り広げていく上で、特定の具体的な「仕事の遂行というテーマ」「目的目標と具体的な役割り」があって、それを期限内に、しかるべき内容で、達成すべき状況に置かれていて、目標達成の為に、発想、企画、計画、創意、工夫、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、選択、決断や抑制や感動等、複合機能体としての『前頭葉』の構成機能である「実行機能の出番が多い状況」が確保されていて、『機能発揮上の二重構造の関係』にある、意欲や注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能の出番が多い「生活習慣」、『脳の使い方』としてのイキイキとした『生活習慣』が繰り返され、継続されている「お年寄り」の場合には、(単なる肩書ではなくて)現役としての「第一の人生」を送っているので、『前頭葉廃用性の機能低下が進行してこない』のです。加齢に因る前頭葉の機能低下(正常老化)の進行に因り、物忘れの症状の進行がある程度は確認されようとも、『前頭葉』の機能が正常なレベルに保たれている為に、「アルツハイマー型認知症」を発病する事態は起きてこないのです。

世界中の専門家と言われる人達が、この事実を見落としているだけなのです。その為に、『単なる憶測の類でしかない「アミロイドβ仮説」が、未だに幅を利かせている』という訳なのです。権威だけを傘に着ていて/審査の為の有識者として厚労省に選別されたとはいえ、(アミロイドベータ仮説の諸問題について無知な輩)が、承認に賛成したというだけのものである新型の薬(レカネマブ)。アミロイドベータ仮説の主張内容が正しいとの大前提に立脚して開発された薬であり、(アミロイドベータ仮説がコケれば、一緒にコケル)程度の(訳の分からない薬)なのです。

(2)   今回の「レカネマブ」に(症状の進行を遅らせる)一定の治療効果が有るか否かについては、客観的で、科学的で、論理的で、厳密な定義を有する『基準』に基づいて評価し、判定し、鑑別すべきと考えます。

治療薬の効能を歌い文句に登場してきながら、結局のところ、症状の発現の仕方を昂進させるだけの薬、興奮型の対症療法薬でしかなかった『アリセプト』の二の舞になってならないのです(治療薬としての効能は皆無である「アリセプト」を治療薬として製造販売して、エーザイは、大もうけした)。

⇔アリセプトを含む4種の薬(単なる対症療法薬でしかない)は、開発会社も、効能の有無を判定した機関も、『脳の使い方としての生活習慣要因が、症状の進行に与える影響について無知である』為に、評価を誤っているだけのこと。

※(AD型認知症)が老化・廃用型の生活習慣病であることに無知な為/(AD型認知症)を「重度の物忘れ」が特徴の神経変性疾患だとの誤解から、「物忘れの症状」の程度や態様を外観的に観測する、曖昧で主観的な基準」に頼るのではなく、『前頭葉』に的を絞り、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの変化に影響を与える「脳の使い方としての生活習慣の要因」との関係に焦点を当てるべき。

(3)『仕事』とは無縁の日々の暮らし方となる「第二の人生」を送る高齢者(60歳以上)が、何等かの状況の発生とその継続を契機に、心が折れてしまい、意欲を喪失することとなった状況の継続を「キッカケ」として、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(自分なりに追求する特定の「テーマ」が無く;生き甲斐無く;趣味無く;交遊無く;運動もせず;目標となるものも無い単調な日々の暮らし方=「脳の使い方」としての「生活習慣」であり、「アルツハイマー型認知症」の発病と食生活や糖尿病の発病とは無関係であることに注意)が継続して行くことに因り、『前頭葉』を含む脳全体の機能について、廃用性加速度的異常機能低下が進行して行くことに因り、『アルツハイマー型認知症発病』する(最初の段階が、小ボケ)のです。

脳の使い方としての生活習慣(生活歴)を聞き取って行くと、『発病を惹き起こす「脳の使い方」、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での暮らし方の「明確なパターン」が確認できる』のです。

」の服用の効能により、『前頭葉が活性化する=実行機能の働きが活性化する』ことになる、又は、そのことにより『廃用性の機能低下の進行が抑制される』等、有り得ない事なのです。開発会社自体が、『アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムについて無知』であるが故の妄想、迷走に過ぎないのです。副作用だけが売り物で、治療の効能を何等有しないこれらの薬の「健康保険」の適用による『薬り漬け』は、絶対に回避しなければならないのです。


&2 アルツハイマー型認知症の『年齢別発症率』はとても高い

(1) 厚労省の予測数値とその意味

世界中の権威達は、「アルツハイマー型認知症」の症状について、末期の段階の症状、「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階しか知らないし、本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階が存在することを知らないのです。その結果、厚労省が発表している「発病者の予測数値」には、小ボケと中ボケの段階の発病者数は含まれていないということに注意が必要。

(2) 「二段階方式」の予測数値とその意味

「二段階方式」が予測する発病者数は、小ボケ中ボケ及び大ボケの「全ての段階の発病者」の予測数値ということになります。小ボケ及び中ボケは、前頭葉を含む脳全体の機能レベルという条件から、未だ「介護が必要な状態には無い」ので、政府もマスコミも、気にしていないのです。

(3) 私たち「二段階方式」が特定の地域の全数調査をもとに予測した「アルツハイマー型認知症」発病者の年齢別比率は、以下の通り。

「第二の人生」を送る「お年寄り」であることを対象として、60歳代のお年寄りの12%、70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%、100歳代のお年寄りの97%が、「小ボケ」、「中ボケ」、又は「大ボケ」のいずれかの段階にあるのです。

&3  アルツハイマー型認知症の「類型的症状」の特徴

(1) 様々な程度及び態様に因る発現が確認される「アルツハイマー型認知症」の症状は、私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界(目的的な世界)』が関わるタイプの認知症であり、「意識的(目的的)な世界」における『脳全体の司令塔』の役割を担っている『前頭葉』を含む脳全体の機能レベル厳密にリンクした「三段階に区分」される類型的症状が発現して来るのが特徴

(2) 最初の段階の症状が「社会生活面」での種々の支障が出てくることになる「小ボケ」(軽度認知症)の段階であり、次いで、「家庭生活面」でも種々の支障が出てくることになる「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後に、「セルフケア」の面でも種々の支障が出てきて「介護」が不可欠となる「大ボケ」(重度認知症)の段階があるのです。「DSM-4」の第二要件が、失語や失認や失行(紛いの)の症状が発病の初期段階であると憶測する重大な誤った規定内容であるとも知らずに、未だにその規定が、権威達に愛用され重宝がられている状況。

(3)権威には乏しいとはいえ、科学的で、客観的で、14689例にも上る極めて多数の受診者の脳機能データと452の市町村で実践展開し、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証してきた私たち「二段階方式」が集積した事象事実としての脳機能データでは、『アルツハイマー型認知症は、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての意味)の継続に起因した『前頭葉(前頭前野の穹窿部に局在する「注意の分配力の機能、評価の物差しの機能及び実行機能を中核とした複合機能体であり、単体機能ではない。以下、同じ。)』の機能障害に起因して発病する』ことが示され、『「DSM-4」の第一要件の規定内容は、誤りである』ことが示されているのです。

(4) 認知症の研究や診断の専門家とされる人達(学者、製薬会社の研究者、医師達)は、認知症という病名の元ともなった認知機能の障害を問題としながら、認知機能が正常であるか異常であるかの判定に際して、最も肝心な要因であり、脳全体の『司令塔』の役割を担っている『前頭葉の機能レベル』を判定せずに、手足の役割でしかない左脳と右脳の機能レベルを判定する「手技」のMMSE(我が国では、長谷川式で判定する人達もいる)しか実施しないのです。最も重要な要因である「前頭葉の機能レベルを精緻に客観的に、且つ、科学的に判定する手技を持たない」為に、「お茶を濁しているだけ」。

(5) アルツハイマー型認知症発病の最初の段階である「小ボケ」の段階では、意識的な世界を運行する三頭建ての馬車の「御者の役割」を担っている『前頭葉』の機能だけが異常なレベルに衰えてきているのに対し、馬車を牽引するだけの役割に過ぎない左脳も右脳も運動の脳も、未だ正常な機能レベルに在るのです。「3つの仮説」の内で通説の地位にあるとされる『アミロイドβ仮説の主張に従ってみた場合、前頭葉の機能が真っ先に障害されるという事象事実を合理的に客観的に、根拠となるデータを添えて、説明することが出来ない』のです。「有効な治療薬を開発した」と主張するのであれば、権威の主張に頼るだけでなくて、その根拠について、客観的で論理的で科学的なデータを集積し、開示すべき責任があるのです。

彼等は、この程度のことさえも知らないで、「物忘れの症状」を外観的に観察するだけの程度のものに過ぎない「CDR」(臨床的認知症尺度)や「MCI」(軽度認知障害判定尺度)を持ち出してきて、「発病の有無及び症状の程度の判定の基準」更には、開発した薬の治療効果の有無の判定、或いは、投薬の対象者の選別にも、それらの基準を持ち出してきている。

&4 14689人の受診者に実施した「MMSE」のテスト結果が語る「重要な特徴」

(1) 「意識的な世界」と「アルツハイマー型認知症」の発病原因との関係

DNAの99%が同じとされるチンパンジーにも無い世界、私たち人間だけに特有な「世界」であり、私たちの日々の暮らしの中核をなしているのが『意識的な世界』なのです。「意識的な世界」は、目的的な世界であり、自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、何等かの実行テーマを発想して、それを実行に移す為に、実行内容を企画し、計画して、実行の結果を洞察し、推理し、検索し、シミュレーションして、シミュレーションによる比較結果に基づいて、最終的な実行内容並びに実行の程度及び態様を抑制し、選択し、実行の決断をして、脳の各部に実行の指令を発するという機能の発揮構造が存在するのです。上記に例示列挙した機能である分析、理解、判断、企画、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、抑制、選択、決断、或いは、感動等の機能が『実行機能』と総称されている個別認知機能なのです。この『実行機能』の機能の発揮度を左右し、下支えている機能が、意欲、注意の集中力及び注意の分配力という機能なのです。中でも、『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の機能であり、加えて、あの人は頭の回転が速いという言葉で表現されるように、咄嗟の判断と処理を行う上でも不可欠の機能』なのです。『注意の分配力』の機能は、チンパンジーにも備わっていない、私たち人間だけに特有な機能であり、「注意の分配力」の機能が異常なレベルに衰えてきて、正常なレベルで機能しないことに因る様々な支障、直接のアウトプットそれ自体が、『アルツハイマー型認知症』発病としての症状として発現して来るのです。

世界中の専門家達は、この重大な要因に気づいていなくて、「末期の段階」(大ボケ)にまで症状が進行して死を迎えたお年寄り達の死後の『脳の解剖所見』や「物忘れの症状」を外観的に観察して得ただけのものである憶測や推測だけを根拠に、『「第二の人生」を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下が、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化の進行を惹き起こす直接で、唯一の原因である』こと、即ち、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」に過ぎないものである』ことに気づかないで、記憶障害が発病を惹き起こすと規定する「DSM-4」の第一要件の確認要求内容未だにしがみついている有様。

アミロイドベータ仮説、タウタンパク仮説及びアセチルコリン仮説という「3つの仮説」は、主張内容自体が誤りであり、単なる憶測と推測の産物に過ぎないのです。

「アルツハイマー型認知症」の症状は、『廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行』に起因した『前頭葉の機能障害』に起因して発現して来るものなのです。『記憶の障害に起因して症状が発現する』ことの確認を要求している『DSM-4』の第一要件の確認要求内容が、単なる憶測、推測の類であり、『その規定内容は誤り』なのです。記憶の障害に起因した症状、或いは、記憶の障害の症状は、症状の重症化が進行して行き、「中ボケ」の後半や「大ボケ」の段階に確認されることが多いのですが、『記憶の障害、或いは、記憶障害に起因した症状』自体が、小ボケの段階では「前頭葉」の機能障害(中ボケ以降の段階では、前頭葉を含む脳全体の機能障害)に起因したものである』ことさえ、彼等は、未だに気づいていないことが大問題。

(2) 「意識的な世界」を脳の機能面から説明すると、言葉や計算や論理や場合分け等のデジタルな情報の処理に特化した機能が「左脳」であり、空間や形の認識や時間の経過の感覚、或いは、感情等のアナログな情報の処理に特化した機能が「右脳」であり、身体を動かす為の処理に特化した機能が「運動の脳」なのであり、「意識的な世界」を簡潔に表現すると、左脳、右脳及び運動の脳の三頭の馬が牽引する『三頭立ての馬車』が運行する世界なのであり、その運行を支配し、管理し、コントロールしているのが、御者の役割を担っている『前頭葉』という脳機能。

(3) 二段階方式では、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの判定を基礎としたアルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階区分を判定し、鑑別するに際して、『前頭葉』の機能レベルを「かなひろいテスト」で並びに『左脳及び右脳』の機能レベルを「MMSEテスト」で各々判定した上で、脳の使い方としての「生活習慣」(生活歴の聞き取り結果)及び三段階に区分される類型的な症状を示す指標である「改訂版30項目問診票」との照合結果並びに次の(4)の項目で説明する『MMSE下位項目の項目困難度』の指標との照合により、総合的に評価し、判定するのです。

(4) 14600人を超える受信者の殆ど全ての人達、発病者と判定された『高齢者』(「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階が含まれる)の「脳機能データ」を根拠とした、発病者だけに確認される臨床的尺度『MMSE下位項目の項目困難度』の指標の内容とその意味は、以下の通り:

(ⅰ)「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合、且つ、その場合に限り、MMSEテストの結果について(小ボケ、中ボケ及び大ボケの何れかの段階と判定された14600人を超える人数の被験者の脳機能データが根拠)、以下に示す順番、出来なくなっていく順番(二段階方式の用語で言う「MMSE下位項目の項目困難度」)という指標が存在するのです。この指標は、事象としての事実の指標なのであり、客観的で、論理的で、科学的な「脳機能データ」なのです。

困難度が高い順番で示すと、想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番となります。➡この低下順の通りでない場合は、他の病気(他のタイプの認知症、又は、認知症と紛らわしい他の病気)ということになります。➡➡「前頭葉」を含む脳全体の機能面という視点からも、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の本態が、廃用性症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」である(但し、食生活は無関係であり、脳の使い方としての生活習慣を言うものとする)ことを示す、事象事実としての「脳機能データ」なのです。世界中で「二段階方式」だけが、小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階の「脳機能データ」を集積し、分析していて、主張及び実践指導の根拠としているのです。

(ⅱ)この脳機能データは、「事象の事実」なのであり、「アミロイドベータ仮説」では、このデータの存在する理由を客観的及び合理的並びに論理的に説明できないのです。言い換えると、この脳機能データの存在の一事をもってしても、『アミロイドβの蓄積で生成される老人斑が、情報を連絡する役割を担っている「神経細胞の大量死」を惹起して、記憶障害の領域が惹き起こされ/拡大されることに因り、「アルツハイマー型認知症」を発病/重症化が進行すると主張しているアミロイドβ仮説の主張内容は、重大な誤りの内容である』と言い切れるのです。発病者であれば必ず、神経細胞の大量死が起きて来ると主張するのであれば、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在するという極めて多数例の脳機能データを根拠とした「事象事実」の存在を合理的に、論理的に、科学的に説明できないのです。今回の薬の開発会社は、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の発病者についてのMMSEテストの実施データを持っていないので、『MMSE下位項目の項目困難度』の指標が存在することにも気付いていないのです。

&5 アルツハイマー型認知症の症状の特徴と各段階の「標準的な滞留期間」

(1) アルツハイマー型認知症は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「類型的症状」が発現して来るのが特徴。

(ⅰ)発病の最初の段階が「小ボケ」(軽度認知症)であり、次いで、「中ボケ」(中等度認知症)の段階があり、最後が、末期の段階である「大ボケ」(重度認知症)の「3つの段階に区分される」のです。

(ⅱ)私たち「二段階方式」は、『脳のリハビリ』の実施に因る症状の回復の可能性の有無及びその程度により「3つの段階」に区分。

 〇  小ボケ 回復させること/症状の進行を遅らせることが、可能

 〇  中ボケ 症状の進行を遅らせることが、未だ可能

 〇  大ボケ 症状の進行を遅らせることも、最早困難

(ⅲ)標準的な滞留期間の存在

 〇  小ボケの段階  発病してから3年間

 〇  中ボケの段階  中ボケに進行してから2~3年間

※1  発病して5~6年が経過すると、末期の段階である「大ボケ」の段階に進行します。

大ボケについては、滞留期間自体が存在しません。アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病が本態であり、アルツハイマー型認知症の発病が原因で死亡することはありません。老衰その他何らかの病気が原因で死を迎えることになる時迄、大ボケの枠の中で、症状が進行して行き、身体が持つお年寄りの場合は、植物人間状態になる場合もあります。

※2 標準的な滞留期間と差異があるケース(滞留期間が長い場合と短い場合の両方)については、被験者が何かを「キッカケ」として意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が継続してきた期間を対象とし、その期間中の脳の使い方としての生活習慣の具体的な中身を聞き取るのです。そのプラス要因(滞留期間を長くする生活習慣要因)とマイナス要因(滞留期間を短くする要因)を詳しく聞き取った結果をまとめて例示したのが、次章&6の「生活習慣要因」です。

(ⅳ)アミロイドベータ仮説は、アミロイドベータの蓄積により「老人斑」の持つ毒性が、情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量死を惹き起こすことに因り、重度の記憶障害が起きてくることが原因で「アルツハイマー型認知症」を発病すると主張する仮説なのです。「標準的な滞留期間の存在」という脳機能データもまた、アミロイドベータ仮説では説明できない事象事実なのです。この事象事実もまた、『アミロイドベータ仮説が誤りである』ことを示す客観的な脳機能データです。

&6 脳の老化のスピード差をもたらす「生活習慣要因」と脳機能データ

(1)「第二の人生」を送る60歳を超える年齢の「高齢者だけ」を対象に発病するのが特徴である『アルツハイマー型認知症』は、発病自体を予防することが出来るのです。更には、本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つければ、治すことも更なる重症化の進行を抑制することも出来るのです。『脳のリハビリ』の実施により、症状の回復及び症状の進行の抑制が可能である段階、本当の意味での早期の段階であり、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄りであれば、「脳の使い方」としての「生活習慣」の内容次第で、症状の更なる進行が抑制される/進行が更に加速されることになることが、事象の事実として示されているのです。治すことが出来ないタイプの認知症であると誤解されている理由は、診察に従事する専門の医師達までもが、「DSMー4」の第二要件の確認要求内容を微塵も疑うことなく、金科玉条として信望していて、極めて重度の症状である『失語や失認や失行の症状が、発病の初期症状であると誤解したままで居る』為に、見つけている段階が遅すぎることにあるのです(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階で発現してくる症状を見落としていて、未だに末期の段階である「大ボケ」の段階で発現してくる症状から、発病と診断しているのが原因なのです)。

(2) 様々な種類が数有る認知症の内でも、その大多数、90%以上の割合を占めている『アルツハイマー型認知症こそ、早期発見と早期治療が不可欠で、且つ、有効なタイプの認知症なのです」。私たち「二段階方式」の主張内容は正しいし、北海道から九州に跨る452の市町村での住民参加型の地域予防活動の実践の成果により(この活動は国が関与していなくて、高齢化が進行していて予防活動に関心があった先駆的な市町村との有償の契約に基づいて実施したもの 、主張内容が正しいことを疫学的方法により実証しているし、専門家達が驚くような顕著な成果もあげているのです。権威達の主張内容と「真反対のもの」である為に、脳機能データや実施結果の有効性の判定データ(管理ソフトも独自開発している)、更には、種々のマニュアルも提示して、会議の場で詳しく説明したのです。私たちは一日千秋の思いで、良い返事を心待ちにしているのですが、『二段階方式による住民参加型の地域予防活動を国策化する』との回答が、今のところは来ていない

(3)あの「アリセプトを含む4種の薬」も、アデュカヌマブも、今回のレカネマブも、その治療効果の有無の判定に際して、極めて重要な上記の要因を排除できていないのです。その意味で、「重大な欠陥を有する判定及び評価方法が実施されている」と言い切れるのです。正しく、適切で、客観的で、論理的で、科学的な評価及び判定を実施するには、上記の要因を排除した上で、それらの薬が、治療効果を有するものなのか否かを判定評価すべきものなのです。『事象の事実』としての脳機能データが示している要因、提示されている「脳の使い方としての生活習慣の要因の影響」の要因排除出来ていない評価は、当該新薬と治療効果との間の因果関係の存在を証明したことにならないのです。『評価の基準及び評価方法に重大な欠陥がある』ことを指摘し、問題提起したいのです。

(4) 「脳の加速度的な老化」(ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行)のスピード差をもたらす『生活習慣』の要因を例示的に挙げると、以下の通りとなります。但し、対象となるのは、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の高齢者だけであることに注意してください(加齢に起因した脳の老化の進行が基礎要因として有ることに対し、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下と言う加重要因が加わることになるからです=これが、「アルツハイマー型認知症」の発病の真の原因(メカニズム)です。

(5)『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルについて、最初に前頭葉の機能異常なレベルに衰えて行くことに端を発し、次いで左脳右脳運動の脳の順番に波及していく、そのことを直接的に及び厳格に反映したアルツハイマー型認知症の三段階に区分される症状が発現してくるのです。

記憶の障害の症状又は、記憶障害に起因した症状』と推測されている症状自体が、「小ボケ」の段階では前頭葉」の機能障害に起因して発現してくるものであり並びに中ボケ以降の段階では、「前頭葉」を含む脳全体の機能障害に起因して発現してくるものであること、このことを言い換えると、『アルツハイマー型認知症を発病した結果として発現してくる様々な程度及び態様により発現してくる症状の一つの(一部をなす)ものに過ぎないのであり、「発病の原因である」と規定している『DSM-4』の第一要件の確認要求内容は、誤りなのです。『その内容を前提』とした憶測や推測の類であるアミロイドベータ仮説を含む『3種の仮説』の主張内容もまた、誤りということ(『屋上屋を重ねた誤りの内容』と言うべきもの)。

ⅰ)プラス要因(廃用性の機能低下の進行を妨げ、或いは、遅らせる要因)の例示

※「イキイキと変化にとんだ楽しい生活習慣」=右脳や運動の脳を生き生きと使う生活で、前頭葉の出番が増えて、『脳全体が活性化』する生活習慣(脳の老化を抑制する条件)を言います。

〇家族や仲間と談笑しながら、散歩や運動をすること;家族の優しい言葉かけや励まし、家族との団欒の時間;家族との楽しいイベント(外出、買い物、ドライブ、小旅行、ゲーム);離れて住む子や孫からの定期的な励ましの電話や手紙;趣味の教室や地域ボランティア活動への参加;家事にカムバック(自分なりの役割が認められ、喜びに繋がる家事への復帰);友人や仲間との触れ合いの場への参加(趣味の教室、ゲートボール、カラオケ、囲碁、将棋、お茶飲み会)等。

ⅱ)マイナス要因(廃用性の機能低下の進行を速める要因)の例示

※「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」=右脳、運動の脳を使う生活が極端に少なくて、前頭葉の出番が少なくて、脳全体の活性化が低い生活習慣(脳の老化を加速させる条件)を言います。

〇 定年退職;家族や友人との別離;他人に言えない家庭内の不和や心配事の継続;自身の病気や病人の介護;転倒骨折による長期入院;寡夫(寡婦のケースの割合は、寡夫のケースの場合よりは少ないが)になって独り暮らし、自然災害で家や家族や財産を失うこと等で、単調な生活が日々繰り返されるだけの暮らし方をせざるを得ない状況の発生と継続が「キッカケ」となり、何事に対しても意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が開始され、継続されていくことになる。

※1 定年退職は、仕事一筋で遊びや交遊の機会が殆ど無かった生き方に疑問を持たなかった人で、第二の人生に入って、『時間は有り余るのに、することが無い毎日』を送る人の場合のこと。

※2 「独り暮らし」は、寡婦(夫)になっても、明るく、趣味や遊びや交遊を楽しめている場合は発病の対象ではありません。寡婦の場合は、配偶者の死後、立ち直る機会が早く来るようです。

&7 アルツハイマー型認知症の発病のメカニズムと機序

Ⅰ.「アルツハイマー型認知症」は、発病自体の予防及び重症化の抑制が可能な認知症

(1)「アルツハイマー型認知症」は、脳が壊れてもいないのに(器質的な原因病変が存在していないのに)、認知症の症状が発現して来る、私たち「二段階方式」の理解では、一つには、『加齢』に起因した「前頭葉」の機能低下の進行(正常老化=60歳を超える年齢の高齢者であること)が基礎要因に在って、もう一つ別の要因であり、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』、私たち独自の言葉で言う、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の機能低下の進行(日々の使い方が不十分である為に、機能の低下が進行して行くこと)が加重される(基礎要因に加重要因が加わる)ことに因り、即ち、異なるこの二つの要因が同時に存在し、充足されることに因る相乗効果に因り、廃用性の、加速度的で、異常な機能低下の進行が起きてくることが、発病及び症状の重症化が進行して行く直接の及び唯一の原因なのです(記憶障害に起因して発病する訳ではないことに注意)。

(2)『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病なのであり、前頭葉を含む脳全体の機能レベルに厳格にリンクした三段階に区分される認知症の症状が発現してくるのが特徴であり、『前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践により、発病自体を予防することが可能であり、早期診断(小ボケ及び中ボケの早期の段階で発病を見つけること)と「脳のリハビリ」の実施により症状の回復、或いは、重症化の進行の抑制が可能であるものなのです(「二段階方式独自の見解であって、現在もなお、認知症研究が専門の世界中の権威達の主張内容とは、真反対の主張内容=正しい主張内容)。

(3)私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです。その最初の段階が「小ボケ」(司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能だけが、異常なレベルに衰えてきていて、手足である左脳も右脳も運動の脳も未だ正常な機能レベルに在る段階)に端を発し(発病の最初の段階)、次いで、「中ボケ」(前頭葉の機能が、小ボケの段階よりも更に衰えてきていて、左脳と右脳と運動の脳までもが異常な機能レベルに衰えてきている)の段階を経て、最後は、末期の段階である「大ボケ」の段階へと、徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。身体が持つお年寄りの場合に、最後に辿り着く末期の段階、二段階方式の区分で言う『大ボケ』の段階は、「前頭葉」の機能、左脳、右脳及び運動の脳の機能の全てが、中ボケの段階よりも更に異常なレベルに衰えてきている段階であり、「意識」を構築し、コントロールしている核心的な機能である『注意の分配力の機能』が、「大ボケ」の初期の段階(MMSEの換算値が14点~10点)でさえ、最早ほとんど機能しえないレベルにまで衰えてきている結果、「実行機能」が殆ど働かない状態にあるのです。

(4)『大ボケ』の段階の症状を観察すると、「記憶障害」の症状であるのかと推測させるものが多くみられるのですが、『前頭葉』を含む脳全体の機能面と言う視点と脳機能データの変化内容とを詳細に分析すれば、『記憶障害に起因したように見える』ものも全てが、『前頭葉』の機能障害、『実行機能』の機能障害、『前頭葉の三本柱』の機能障害、就中、『注意の分配力の機能』の機能障害と言う要因が全て絡んだ結果としての、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』に直接に起因したもの、且つ、その直接の反映としてのものであることが、分かってくるし、理解できるのです。

(5)「アルツハイマー型認知症」研究及び診断の専門家達(学者や医師)から、発病の原因が不明であり、治すことも、症状の進行を抑制することも、更には、発病自体を予防することも出来ないものとされている「アルツハイマー型認知症」は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の、単なる「生活習慣病」(但し、食生活や糖尿病の発病とは無関係のものであり、脳の使い方としての生活習慣病を言うものとする。以下、同じ)に過ぎないものであること並びに「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として、治すことが出来ないものではなくて、早期診断と早期治療により治すことが出来るものであるし(医師達が、発病を見つけている段階が遅すぎるせいで治せないだけ)、症状の進行を抑制することが出来るものであるし、更に言うと、脳の使い方としての「生活習慣」の在り方を自分なりに創意工夫し、「前頭葉」が活性化するその「生活習慣」を継続することに因り、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症であるというのが、私たち「二段階方式」独自の世界に類例のない考え方であり、主張(疫学的方法により実証済み)。

(6) 治すことが出来ないとか、症状の進行を抑制できないとか主張している彼等は、単に、発病を見つけている段階が遅すぎるせいであることについて、問題を指摘しておきたいのです。

米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第二要件の規定が失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの規定内容自体が重大な誤りであることに気づかないでいて、大ボケの後半の段階になって初めて症状の発現が確認される「極めて重度の症状」であることを見逃していて、未だにその規定内容を信望しているのです。その結果、「脳のリハビリ」の実施により、正常なレベルへの症状の回復及び症状の重症化の進行の抑制が可能である本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が存在していることに気づいていないのです。猶、改訂された「DSM-5」の規定内容は、様々な要因を列記するだけのもので何の役にも立たないのです。

Ⅱ.世界中の専門家達は、『誤った場所を誤った方法で、単に深く掘っている』だけ

(1)「アルツハイマー型認知症」の発病の有無の判定に際し、専門家とされる人達は、『意識的な世界』にも、『前頭葉』の機能及び機能レベルというテーマにも関心を持たないのです。その結果、注意の分配力の機能も、前頭葉の機能も備わっていない「マウス」(アミロイドベータを注入したアルツハイマーマウスを含む)を研究対象にしているのです。その上に、『注意の分配力』の機能の発揮の度合いが、『記憶』(記銘する際の記銘度の深さや想起する際の機能の発揮度)に極めて大きく/重要な影響を与えていることさえ知らないで、アミロイドベータの蓄積/蓄積量が、「記憶の障害」にどの程度影響するか否かを、マウスの行動を基礎に研究している有様。

(2)アルツハイマー型認知症は、前頭葉の機能障害に起因して発病するものであり、『記憶の障害』自体も、前頭葉の機能障害に起因して発現する『一つの態様に過ぎない』のです。「二段階方式」が、「前頭葉の三本柱の機能」と呼称する意欲注意の集中力及び注意の分配力の機能、取り分け、『注意の分配力』の機能の発揮度が、「記憶(記銘及び想起)」に与える直接的な影響並びに前頭葉の三本柱の機能の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した機能障害が、『実行機能』の発揮度に対して与える直接的な影響についてさえも、無知な儘で、憶測ばかりしている。

(3)『意識的な世界』を構築し、統括し、管理し、コントロールしていて、意識の覚醒の度合いを支配している脳機能の要の機能である『注意の分配力』の機能についての知見に乏しいこと、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには、『実行機能=Executive Function 』の発揮も、発揮の度合いも顕現してこないこと、即ち、『実行機能の機能発揮上の二重構造の存在』についても無知な人達なのです。これ等のテーマについての深く十分な理解なしには、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状の重症化が進行して行くメカニズムも機序も解明できないことに気づいていないのです。その結果、世界的に通説の地位にあるとはいえ、アミロイドβ仮説を主導し、或いは、信望する研究者達は、未だに、注意の分配力の機能も、実行機能も、前頭葉の機能も備わってもいない、マウスを研究対象にしていて、相変わらず憶測ばかりしているという有様

(4) 『アルツハイマー型認知症』の発病の有無の問題及び症状の重症度との関係で言う認知機能は、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能レベルを含む脳全体の機能レベルが判定の対象となるべきものなのです。その意味からも、前頭葉の機能も注意の分配力の機能も備わっていない「マウス」(や、マーモセット)を対象とした認知機能を云々するのは、論理的でないのです。

&8 アルツハイマー型認知症に対する「治療効果を有する薬」は存在し得ない

(1) 高齢化とともに増え続ける認知症。治療には複数の薬が開発され、世界中の医療現場で投与されています。最近、フランス政府は、これら4種の薬を全て公的医療保険の対象から外したのです

(2)薬の承認後に何年たっても、QOLなど患者にとって重要な効果があることの科学的根拠となるエビデンスが得られなかった為に、保険適用から外されたそうなのです。これらの薬は、ドネペジル(商品名アリセプト)、ガランタミン(同レミニール)、リバスチグミン(同イクセロン)、メマンチン(同エビクサ)の4種類で、日本でも「アルツハイマー型認知症」の治療薬として現在も使われているものなのです。上述の理由から、「治療効果があるはずがない」のですが。

&9  新型の薬として承認されている「レカネマブ」に治療効果は皆無

(1) 開発の基本コンセプト、基礎理論であるアミロイドベータ仮説の問題点

『アミロイドベータ・タンパクは、アミロイド前駆タンパクからペプチド分解されて生成され、アミロイドベータ・オリゴマーとなって神経細胞毒性を生じる。細胞内及び細胞外に蓄積したアミロイドベータの沈着により神経細胞障害をきたす。これはある論文の一節なのですが、先駆的なテーマに関する各種医学論文の問題点として、論理的で、客観的で、科学的な証拠データを基礎付けとした『因果関係の立証』が、不適切と考えるのです。各種の前提がいつの間にか消し去られ、あたかも因果関係が存在するかのような記述が多過ぎる!

アミロイドベータの蓄積(老人斑の沈着)と『認知機能の低下』との関係の有無をテーマにした論文でありながら、『前頭葉の機能レベルの低下』との関係を全く論じていないのです。アルツハイマー型認知症は、『意識』が覚醒した状況下における目的的行為のアウトプットの異常性、症状の有無及びその程度を、『前頭葉』を含む脳全体の機能面及び機能レベルと言う視点で考察しない限り、「認知機能」と言う表現を使うだけでは、まっとうなレベルの論文ではないことを自覚すべきなのです(認知症研究の専門家達の各種論文を読んでの実感)。

(2) 米国食品医薬品局(FDA)による迅速承認続き(条件付き承認)

FDAは、リリースで「代替エンドポイントとしての脳内アミロイドβプラークの減少に基ずく、迅速承認である」と説明しています。即ち、『市販後の検証的試験において、臨床的有用性を示すことができない場合は、承認は取り消される』ことになると明記されているのです。『解除条件付きの承認に過ぎない』ということ。

(3) レカネマブを投与する対象者を選択する基準とされる『MCI』及び「CDR」の問題点

この薬は、開発した製薬会社自身が、『アミロイドベータが脳内に蓄積され始めた極く初期の段階で投与しないと効果が期待できない』としているものなのです。治験の過程でも、MCIの該当者が対象とされているのです。然も、効果の有無の判定では、以下に問題を提起する『CDR(臨床的認知症尺度)とは名ばかりで、主観的な記述基準に基づく、外観的で/主観的な観察結果を数値化する手法が特徴であり、客観性は担保されていないもの』により、効果の判定が行われているのです。

(3)1980年代になって考案された「CDR」の基準は、元々が、アルツハイマー型認知症の診断基準でもなければ、判定基準でもないのです。被験者の状態を観察する為の「一つの観察方法」程度のものに過ぎないのです。評価方法は、全ての項目が外観的な観察、主観的な評価だけで構成されていて、『認知機能』の障害の有無及びその程度が主たる要件であるはずの『認知症の判定』については、我が国では、痴呆という呼称を認知症という呼称に代えたほど、認知機能の障害の有無及び程度が最も重要な判定要素であるにも拘らず、「認知機能検査が行われない」のです。

(4) FDRの「条件付き承認」を迅速承認と言う制度(裏技)で取り付けただけのもの:

臨床的認知症尺度(Clinical Dementia Rating:CDR)とは、認知症の重症度を評価するためのスケールの一つです。このスケールの特徴は、「認知機能」や生活状況などに関する6つの項目を診察上の所見や家族など周囲の人からの情報に基づいて主観的に評価する「観察法」にあります。

各項目は「健康」な状態から「重度認知症」まで5段階に分類されています。評価表に基づいて分類することで「認知症の程度」だけでなく、特に、『障害されている機能』を把握し、予後の見通しを立てるのに役立つとされているのですが、真っ赤なウソなのです。何故なら、表にしてみると、如何にも様々な要因で構成されていて、レーティング(点数化)して区分けられているのですが、その全ての要因の判定が主観的な言葉だけのものであり、『客観性が全く担保されていない』のです。従って、このスケールは『認知症の診断』自体に用いられることはなく、あくまで認知症によるそれぞれの機能障害の重症度を主観により判定し、『その後の生活支援等のプランを立てることを目的としている』ものなのです。そもそも、認知機能障害の判定基準ではないのです。

(5)Tadのブログでも、これまで度々取り上げてきたのですが、『MCI 』(軽度認知障害)の基準内容も、極めて主観的なものである外観から観測しただけの「物忘れの症状」の程度と態様が主であり、認知機能を気にする医師の場合でも、認知機能障害の有無の判定としてMMSE による判定が行われているだけと言うことなのです(=ナンセンスな基準と言うしかない)。MMSEは、御承知のように左脳と右脳の機能レベルを判定する為の神経心理機能テストであり、三頭立ての馬車の御者、意識的な世界における『脳全体の司令塔の役割』を担っている『前頭葉の機能レベル』の判定(正常なレベルなのか、異常なレベルに在るのか)が為されていない=精緻で客観的に判定できる手技を持たないために、無視されてor 脇に置かれた儘でいる)ことが大問題。こんな杜撰な基準で判定していたのでは、物忘れの症状が確認されるものの前頭葉の機能が正常なレベルに在るお年寄り(前頭葉の機能が正常なレベルであれば、その物忘れは、単なる老化現象であるに過ぎないのです)、『アルツハイマー型認知症』を発病していないお年寄りも『MCIに該当する』として、投薬の対象にされてしまうことになる危険があるということなのです。何等の治療効果があるはずがない薬が、「物忘れ」を気にするお年寄りに対して、際限なく投与されていく不条理な状況が現実化する危険性が高いのです。巨額の売り上げが立つからです。『前頭葉の機能レベルが異常である』ことが客観的な脳機能データにより確認されることなしには、レカネマブの投与は認めないとする、最低限度の防波堤を設けるべき。

(6)  『軽度認知障害(MCI)』の考え方は、その名の通り「軽度の」認知障害が見られる状態を言うものとされています。『認知機能が正常なレベルに在るとはいえないものの、認知症と診断されるほどの日常生活への影響はまだないものを言う』とされている。ところが、上述したように、意識的な世界は、三頭立ての馬車が運行する世界であり、御者が運行を支配し、管理しているのです。意識的な世界の要であり、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉の機能が、正常であるか、異常であるか』について、客観的で、科学的で、精緻な判定が出来る手技の活用に因る評価及び判定(診断)を義務付けるべきと考えるのです。MMSE(長谷川式)だけとか、MCIとか、CDRによる判定では、レカネマブの投薬は出来ないとの診断基準/運用基準を設置すべき。

※厚生労働省によると、軽度認知障害(MCI)の定義は、次の5項目となります。これらに全てが当てはまれば、軽度認知障害(MCI)と判断されるということなのです。

『軽度認知障害(MCI)の定義』は:

①年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害が存在することが確認される。

②本人または家族による『物忘れの症状』の訴えがある。

③全般的な認知機能は正常範囲である(但し、脳全体の「司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルが正常であるか、異常であるかの客観的な判定は為されないことに注意)。

④日常生活動作は自立していると観測される。

⑤認知症ではない{But,失語や失認や失行(紛い)の症状は、(極めて重度の症状なのであり)、30点が満点のMMSEの換算値が9点以下にならないと発現が確認されないものであることに、権威が無知)。


本著作物「H-13」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所帰属しています。

このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。 

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アルツハイマー型認知症の症状と軽度認知障害という判定基準 (B-67)

2016-09-15 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

    本を書く 猫も杓子も 認知症

    読めば読むほど 泥沼に落ち bY  KINUKOTOTADAO   

 

& 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

生来的にその人に存在した「遺伝子の異常」が原因で、30歳代から50歳代までの若い年齢の人達のみを対象として発病し、極めて短期間に症状が急速に進行していく若年性の「アルツハイマー病」とは異なり、脳全体の司令塔の役割を担っていて、私たちが意識的に何かをしようとする際になくてはならない働きをしている「前頭葉」を含む脳全体の機能が、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない「単調な生活」の継続、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の下で、使われる機会が極端に減ったことに起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により【情報を伝達する神経細胞が、器質的な病態を発現してくること又は廃用性の萎縮を起こすことにより、「記憶機能」が低下することが発病の原因なのではなくて、使われる機会が極端に少ない生活習慣の下で神経細胞の再生が弱まり、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能からなる「前頭葉」の三本柱の機能を中核として、各種の認知機能自体が廃用性の機能低下を起こしてくることが発病の原因であると私たちは考えているのです】、60歳を超える年齢の「高齢者」のみを対象として発病する老年性の「アルツハイマー型認知症」は、症状が何年もかけて、徐々に段階的に緩やかに進んでいくのが特徴なのです。

その最初の段階が、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階なのです。なお、どこかのテレビ局の報道番組で、『30歳代から50歳代という働き盛りの若い年齢の人達の間で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人が増えてきている』と題する番組がありますが、「アルツハイマー型認知症」のことが分かっていない、誤った内容なのです。新しい記憶が入ってこない重度の「記憶障害」の症状の発現を特徴とする「側頭葉性健忘症」を代表として、「緩徐進行性失語」や「緩徐進行性失行」や「うつ病」といった「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい病気と混同しているだけなのです。

「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルにある条件の下で認知症の症状が発現してくるのが「アルツハイマー型認知症」であるのに対して、混同されているそれらの病気の場合には、「前頭葉」の機能レベルが正常なレベルにある条件の下で重度の記憶障害その他の症状が発現してくるのが特徴なのです。両者を区分け、鑑別する指標が「前頭葉」の機能レベルが正常であるか、異常であるかだということを知らないので、或は、鑑別に必要な「前頭葉」の機能レベルを判定する為の手技を持たない学者や医師達の誤った見解の受け売りの報道に過ぎないのです。

   

& 回復の可能性の視点から区分する「三段階の症状」

○ 「アルツハイマー型認知症」の症状の三段階

発病の原因が分からないし、治すことが出来ないと言われている「アルツハイマー型認知症」の本質は、廃用症候群に属する単なる生活習慣病(情報を伝達する役目の神経細胞に生じた器質的な病態が発病の原因なのではなくて、日常の生活面で使われる機会が極端に少ないことに起因して、単に、廃用性の機能低下により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが異常なレベルに衰えてきている事のアウトプットとしての認知症の症状の発現)に過ぎないので、「脳のリハビリ」(「前頭葉」を含む脳全体の活性化が目的となる)を実践して、脳の使い方としての「生活習慣」を改善させることにより「治すことが出来る」ものなのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに改善させることが出来る)。

「脳のリハビリ」(脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能を活性化させる脳の使い方としての「生活習慣」の改善)により「前頭葉」を含む脳全体の機能を正常な機能レベルに回復させることが容易な「小ボケ」の段階が最初にあって、次いで、回復させることが未だ可能な「中ボケ」の段階があって、最後に、末期の段階であり回復させることが困難な「大ボケ」の段階があるのにそのことに、世の中に溢れかえる程の数がいる「アルツハイマー型認知症」の専門家とか称している学者や研究者や医師達が全くのこと無知なのです。回復の可能性と言う意味で、正常なレベルに回復させることを主たる目的とした「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあるお年寄りの「家族介護」は意味があると考えるのですが、回復させることが困難な「大ボケ」の段階にあるお年寄りの介護を目的とする「家族介護」は政策としては誤りであり、制度化すべきものではないのです。
認知症の専門家とされる人達は、「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ないものと誤解しているので(根本的で、且つ重大な誤り。末期の段階である「大ボケ」の段階のことしか知らない上に、「脳のリハビリ」により「小ボケ」や「中ボケ」の段階のお年寄りを正常な機能レベルに回復させた経験が無い人達なのです)、私たちのような区分はしていません。ボケてるかいないかだけにしか関心がないのです。然も、彼らが「ボケているお年寄り」というのは、末期の段階の更に後半になってしか発現が確認できない極めて重い症状である「失語、失認又は失行等の症状」の確認が為されているお年寄りという条件がつけられているのです。

とは言え、  昨日まで正常だったお年寄りが、一晩寝たら、突然自分の家が分からなくなったり、同居している孫娘の顔も分からなくなったり、シャツを自分で着られなくなったりはしないのです。「アルツハイマー型認知症」はその本質が廃用性の機能低下であるが故に、高度な機能から順番に徐々に衰えていくという条件下での「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットとしての症状が発現してくるものなので、何年もかけて緩やかにしか症状が進行していかない(重症化していかない)ことが特徴でもあるのです。私たちの区分にみるように、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」という極めて幅が広い「三段階の症状」があるのです。その中でも、「大ボケ」の段階の症状の幅が特に広く、期間も長いのです。

症状の各段階の期間の目安

自分なりの「テーマ」についての自分なりの「目標」があり、自分なりの生き甲斐や喜びを覚えることが時にはある「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢のお年寄りに、或る日突然、それまでのイキイキした生活を維持していくことが困難と当の本人が考えざるを得ないような「重大な出来事」の発生や「著しい生活環境」の変化に直面することになるのです。そうした「キッカケ」の発生を契機にして、現況を打開すべく立ち向かっていき、這い上がって乗り越えていこうとする意欲を本人が喪失してしまい、「生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない」ナイナイ尽くしの「単調な生活」が日々継続するようになって、早くて半年から遅くても1年が経過すると、廃用症候群としての単なる「生活習慣病」(食生活ではなくて、脳の使い方としての「生活習慣であることに留意」)を本質とする「アルツハイマー型認知症」を発病することになります(「キッカケ」の類型については、ここを「クリック」してください)。「キッカケ」が発生してから「アルツハイマー型認知症」を発病するまでの期間が、早くて0.5年から遅くて1年かかります。「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「小ボケ」の期間が3年間あって、次の段階である「中ボケ」としての期間が2年間あり、最後に末期の段階である「大ボケ」の段階が始まり、他の何らかの病気が原因で死を迎えることになるその時まで続くのです。各段階毎の脳の機能レベルの推移(各段階の症状の期間の目安)については、(ここを「クリック」してください)。特に、「大ボケ」の段階の症状が発現してきてからは、その幅が極めて広い「大ボケ」の段階の症状という枠組みの中で、身体が持つ限り続くという「大ボケ」の期間の問題があり、更なる症状の進行がみられることとなります。そして、単なる廃用症候群である「アルツハイマー型認知症」が原因で死ぬと言う事態は起きてこないので、他の何らかの病気が原因で死を迎えることになる時まで、「アルツハイマー型認知症」としての症状の重症化が続いていくことになるのです。この命題についての危惧があるからこそ、私たちは、「大ボケ」の段階に在るお年寄りの「家族介護」の制度化と言う政策に反対しているのです。そうした視点からも、「東日本大震災」の被災地の「高齢者」の状況を、私たちはとても心配しているのです。「大ボケ」の段階のお年寄りの介護の費用(診断、投薬、介護の全てを含む)が増大し続けていて、介護保険制度の維持が心配なのであれば、開きっぱなしになっている蛇口を閉めてしまえばいいのです。2015年単年度で15兆円を超えてしまう天文学的な規模に達しているそれらの費用の総額に驚き慌てることは無いのです。画期的な解決方法があるのですから。発病自体の予防と早期診断による回復を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を制度化する政策を実行し、日本全国の市町村の津々浦々で実践すれば良いだけのことなのです。あっという間に、それらの費用は、天文学的ともいえる大規模な規模での減少に向かうことになるはずなのですから。

 

○『DSM-4』を診断基準にしていることの問題点
「軽度認知症」(「小ボケ」)の次の段階を私たちは、「中等度認知症」(「中ボケ」)と呼んで、末期の段階の「重度認知症」(「大ボケ」)の段階と区別しています。認知症の専門家達は、末期の段階の「重度認知症」(「大ボケ」)の段階にならないと「アルツハイマー型認知症」の発病とは認めていません。米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の規定を疑うこともなく信望していて、それに依拠して診断している為に、「大ボケ」の段階の更に後半になってからでないと(満点が30点であるMMSEの得点が一桁にならないと)その発現が確認されることがない症状である「失語、失認又は失行」といった症状を確認出来ないと、「アルツハイマー型認知症」の発病とは診断しないからなのです。「小ボケ」の段階のお年寄りであれば、「脳のリハビリ」の実践により簡単に治すことが出来るのです。MMSEの得点が20点以上ある「中ボケ」の段階のお年寄りであれば、集団で(「中ボケ」の段階のお年寄りばかりを集めて、集団によるメニューを実践させるのでも)治すことが出来るのです。MMSEの得点が20点を切る(19点以下15点までのお年寄り)「中ボケ」の段階のお年寄りであれば、個別で(「中ボケ」の段階のお年寄り一人一人に、その人に見合った個別で特別のメニューを実践させることにより)治すことが未だ可能なのです。「大ボケ」の段階(MMSEの得点が14点以下0点まで)のレベルにまで「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきてしまうと、回復させる(治す)ことは、もはや困難となるのです。「DSM-4」の規定をむしろ「錦の御旗」に掲げて(いわば、奇禍として)、肝心の「前頭葉」の機能レベルの判定には役に立たないのに、「保険点数」が高いので極めて高額の診断費用が稼げるという理由で、CTやMRIや、果てはPETまで総動員して、治すことが困難な末期の段階で見つけて、おまけに効きもしない薬を、「アレが駄目ならコレ、コレが駄目ならアレ」と言う姿勢で何種類も処方して、売り上げを稼ぐことだけに腐心しているのが、医療現場の実態なのです。

2011年3月の「東日本大震災」の被災から6年の月日が経過して7年目に入る2017年の秋~冬頃になると(3月の被災から、0.5~1.0年経過後には「アルツハイマー型認知症」を発病しているはずなので)、症状の進行が速い人の場合には、そろそろ末期の段階である「大ボケ」の段階の人達が大量に出現してくることになるので、私たちは、被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達の状況に注目しているのです。ところが、上述したように、我が国の学会も医療の現場も、「DSM-4」の規定を金科玉条として尊重し、敬っているので、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してきていても、気づかないで居て、見逃してしまうのではないかと危惧しているのです。「大ボケ」の段階に入ってきてはいても、「DSM-4」の規定が確認を要求している「失語や失認や失行の症状」が発現してくる迄には更に数年間という時間の経過が要求されることになるからなのです(失語や失認や失行の症状は、30点が満点であるMMSEの得点が一桁にならないと発現が確認できない極めて重度の症状なのです)。私たちの14689例にも及ぶ「脳機能データ」の解析により得られている「MMSE下位項目の項目困難度」の指標は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルの衰えに起因して出来なくなっていく項目の厳密な順番を示しているのです。失語や失認や失行の症状が確認される人達の症状の程度がどれほどに重いものなのかを脳の機能面から示してくれているのです。

このことに関連して、ここで見過ごしてはならない事実としての基準があるのです。「軽度認知症」(小ボケ)の段階であれば、「脳のリハビリ」を実践させることにより「回復させることが容易」であり、「中等度認知症」(中ボケ)の段階であれば、「脳のリハビリ」を実践させることにより「回復させることが未だ可能」であるのに対し、「重度認知症」(大ボケ)の段階になると「回復させることは困難」になるということなのです。回復させることが困難な末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)で、更には、「失語や失認や失行の症状」が出てきて「アルツハイマー型認知症」を見つけることに何の意味があるのかと言いたいのです。せめて、マスコミが速く気付いて欲しいと願うばかりなのです。激しく警鐘を打ち鳴らして、社会に問題提起し、「アルツハイマー型認知症」の「予防」と早期診断による「回復」を明確な目的とする住民参加型の「地域予防活動」の全国展開という「テーマ」を取り上げて、国民的な議論を展開して欲しいと願うばかりなのです。

   

 & 「アルツハイマー型認知症」の症状とその分類(区分)の仕方

認知症の専門家とされる人達の間で流行しているのが、「アルツハイマー型認知症」の症状を、「中核症状」(脳の神経細胞の障害により起こる症状が「中核症状」とされている。発病者の全員にみられる症状であって、代表的なものが、数分前に起きたことさえも忘れてしまうことを特徴とする「記憶障害」の症状で、他には、筋道を立てた思考ができなくなる「判断力の低下」、時間や場所、家族の名前等が分からなくなる「見当識障害」、計画的な行動が出来なくなる「実行機能障害」等が挙げられている)と「周辺症状」(中核症状によって惹き起こされる症状のことを「周辺症状」と言い、発病者の一部の人達だけにみられる症状であって、異物を口にしたり、暴力的になったり、徘徊したりなどの「行動の問題」或いは、うつや不安感、無気力、幻覚、「物盗られ」妄想を含む妄想、不眠といった「心の内面の問題」が現れてくるとされています。なお、「周辺症状」は、性格や生活環境、人間関係などが複雑に絡み合って起きると説明されている)とに区分する考え方です。但し、この区分には、如何にも意味がありそうでいて実は何の意味もないので、ここでの詳細な説明は割愛します。

私たちが「二段階方式」の手技を活用して集積してきた14689例にも及ぶ生きた人間の精緻な「脳機能データ」の解析と日本全国に行き渡る440を超える数の市町村での「地域予防活動」の実践の成果に基づいて、私たちが主張している廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることを本質とする「アルツハイマー型認知症」の場合には、廃用性のものであるが故に、最も高度な脳機能から順番に衰えて行くことが特徴であり、「前頭葉」を含む脳全体の機能の衰え方の内容と程度とに対応する形で様々な程度及び態様の症状が発現してくることに専門家達が気づいていないのです。「小ボケ」までの段階では、「前頭葉」だけが廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、「中ボケ」以降では、「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な更なる機能低下を進行させていく中で、同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していくことに厳密に対応する形で、「アルツハイマー型認知症」の症状が重症化していくことが分かるのです。

 ○ MMSE下位項目の項目困難度という指標

第二の人生を送っている60歳を超えた年齢の「高齢者」が、何かの発生を「キッカケ」として、立ち向かって乗り越えていこうとする意欲を喪失してしまい、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことになり、その先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです。その最初の段階が「小ボケ」の段階であって、発病を見過ごして、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を相変わらず日々続けていると、次いで中ボケの段階に入っていくことになり、最後は末期の段階である「大ボケ」の段階に入っていくことになるのです。その場合に、「二段階方式」の活用により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを判定すると、MMSEの下位項目に明確な順序、衰えていく項目に厳密な順番があることが分かるのです。認知症の専門家とされながらその人達は、MMSEで判定されるその「下位項目」について、明確で厳密な機能低下の順番があることに気づいていないのです(極めて重要なノウハウなので、ここでは開示出来ません:この指標は、「アルツハイマー型認知症と他の種類の認知症との鑑別及び認知症と紛らわしい病気との鑑別の上で、極めて重要な役割を果たしてくれるものなのです)。

「アルツハイマー型認知症」に特有な認知症の症状の類型

以下に、私たちの区分である「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の順に各々の段階に「特有な症状」をまとめて順番に並べて表示します。

「アルツハイマー型認知症」の症状(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状、言い換えると、廃用性の機能低下により、働き具合が高度な脳機能から順次衰えてくる性質の症状)の進行具合が、明確に読み取れることと思います。「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の衰えに起因した「前頭葉」の個別認知機能だけが異常なレベルに衰えているそのアウト・プットとしての「小ボケ」の段階に始まり、「中ボケ」の段階以降は、「前頭葉」機能の加速度的で異常な機能低下の更なる進行と同時進行的に、左脳、右脳、運動の脳の順番に加速度的で異常な機能低下が進んでいくことに「対応する形での症状が発現してくる」ので、発現する症状も次第に重くなっていっていることが分かることと思います。

特に、末期の段階である「大ボケ」の段階になると、「前頭葉」の三本柱の機能の衰えに直接に起因して、状況の判断、テーマの発想、実行内容の企画と計画、シミュレーション、修正、工夫、理解、判断と決定等の「個別認知機能」の発揮度が低くなってしまい殆ど働かなくなってきているので、後述するような症状が発現してくることになるのです。ましてや、失語や失認や失行の症状が確認されるレベルのお年寄り達は、言葉の意味も分からず、動作の目的も意味も分からず、時や所や人の見当識さえも殆ど働いていない状況に在る(脳の機能レベルに在る)ことを理解すべきなのです。周りの働きかけと周囲の環境及び状況の中で、「前頭葉」の三本柱の機能が刺激され、特に「意欲」が刺激されて或る程度その機能が発現した際には(「大ボケ」の段階にまで「前頭葉」を含む脳全体の機能が衰えてきていると、「注意の分配力」の機能は、最も高度で且つ最初に衰えていく機能なので、働きが出てくることはないのですが)、昔取った杵柄という訳ではないものの、カラオケに通って歌いまくっていたような歌なら、周りの人たちに合わせて歌うことが出来たりすることがあるということなのです。認知症の専門家とされる人達が考えているような、アミロイド・ベータやタウ蛋白の蓄積によって脳内での情報を連絡する機能を担う神経細胞が侵されていくことにより(脳内での情報を連絡する機能を担う神経細胞の器質的な障害に起因して)、「アルツハイマー型認知症」の症状が重くなっていく訳ではない、その証左でもあるのです。

 

☆ 以下に、「二段階方式」の区分の仕方である「小ボケ」に特有の症状を列記しておきます。

  [ 小ボケのチェックリスト](「前頭葉」の機能が異常なレベルにあることを前提として、以下の4つ以上の症状に該当していると、「小ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 異なった複数のテーマに注意が分配できなくなり、3つの用事が同時にさばけない

□ 状況判断力の低下により機転がきかなくて、創意工夫ができない

□ 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ

□ 何事をするにも億劫で面倒がり、何かをやってみようという意欲が見られない

□  同じ食材を買ってくることが多く、料理の献立の単調さが目立つ

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられず、何も思いつかない様子

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと居眠りしている

□ これまでなら感動していたことに対しても感動しない

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔がほとんど見られない

□ ぼんやりしていることが多く、自分から何もしないが指示されるとできる

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情

□ 反応が遅く動作がもたもたしていて、階段をトントンと降りられない

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 料理の手際が悪く、家族数に関係なく多すぎる量の料理を作る

□ 自分に自信がなくて、何かにつけ人を頼ろうとする

□ 髪の手入れや、おしゃれに無関心

□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかない

□ 会話の最中唐突に、一方的に言いたいことを言い相手の話しを聞こうとしない

□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない

□ 以前なら楽しんでいたはずの趣味や外出や旅行を嫌がる   

☆ 以下に、「二段階方式」の区分の仕方である「中ボケ」に特有の症状を列記しておきます。

  [ 中ボケのチェックリスト](「前頭葉」の機能が異常なレベルにあることを前提として、小ボケに該当する症状が4つ以上あることに加えて、以下の4つ以上の症状に該当していると、「中ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 何度教えても日付けがあいまいになる

□ 簡単な計算ができない(お札ばかりで買い物をし、やたらと小銭がたまる)

□ 電気やガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つ

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできない(部屋や洗濯物の整理、食後の片付け、畑や庭仕事などがきちんとできなくなる)

□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理ができない

□ 服の着方に無頓着で、重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る。裏表や前後ろに着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、体を洗わないとか石鹸がついたままとかする

□ 周りを汚しても流してないなど、トイレの後始末がきちんとできない

□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りが食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けない(行き先の違う乗り物に乗ったり、行き道を間違えたりする)

□ 自分の子供の数、生まれ順、居住場所の説明がきちんとできない

□ 季節が分からなくなる(夏にセーターなど、季節違いの服を平気で着ている)

□ 昨日の出来事をすっかり忘れてしまう

□ 物盗られ妄想(物の置き場所を忘れて、相手が隠したとか盗んだとか言う)とか、世話をしてくれる人に対して口汚くののしる行為とかがある

☆ 以下に、「二段階方式」の区分の仕方である「大ボケ」に特有の症状を列記しておきます。

  [ 大ボケのチェックリスト](「前頭葉」の機能が異常なレベルにあることを前提として、小ボケ及び中ボケに該当する症状が各々4つ以上あることに加えて、以下の3つ以上の症状に該当していると、「大ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、子供を配偶者と間違えたりする

□ 食事やあいさつをしたことなど直前に起きたことをすぐに忘れてしまう

□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)

□ 自宅に居ても落ちつかず、家の外に出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)

□ 自宅の方向が、たびたびわからなくなる

□ 同居している家族の名前も顔もわからない(家族かどうかも分からない)

□ 今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする          

コーヒー・ブレイク) 服を自分で着られなくなり、ズボンを頭から被るとか;自分の家が分からなくて、徘徊して迷子になるとか;同居してる家族の顔も分からないとか;失禁した服を平気で着ていたりしたら、自信を持って、その人はボケてる(認知症)と皆さんは思うのではないでしょうか。正確に言うと、これは実は、「アルツハイマー型認知症」の末期段階の症状のことなのです。こうした症状が出てくるもっと前の「軽い段階」(「二段階方式」の区分で言うと「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)があることを認知症が専門の精神科医でさえ見落としているのです。そのような誤った診断、重大な誤診が医療の現場で行われている最大の原因は、米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」の規定の存在にあるのです。「DSM-4」の規定内容自体が重大な誤りを犯していること、すなわち、MMSEの得点が一桁という「アルツハイマー型認知症」の末期の段階の更に後半の段階にならないと発現を見ることが出来ない極めて重い症状である失語、失認又は失行といった症状の確認を「アルツハイマー型認知症」の発病の診断に要求していることが、取り返しのつかない重大な問題を惹き起こしているのです。私たちの脳機能データである「かなひろいとMMSEの散布図」(前出の図)での、「前頭葉」の機能の衰え方のカーブに注目してみてください。MMSEの得点が一桁になるお年寄り達の「前頭葉」の機能レベルはと言うと、「かなひろい」テストの得点が限りなく零点に近い(「前頭葉」の機能が殆ど働いていない機能状態に在る)ことが読み取れるのです。

本当の意味での早期の段階、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で見つけさえすれば、「脳のリハビリ」によって治すことが出来る性質のものであるのに、規定内容自体に重大な誤りがありながら、そのことが疑われることもなく、逆に「DSM-4」の規定自体に世界的な権威があるがゆえに、回復させることが可能な早期の段階が見過ごされている結果として、「アルツハイマー型認知症」は治すことが出来ないタイプの認知症であるとの誤解が世間(世界中)に蔓延しているというのが現状なのです。

  

&「軽度認知障害」(MCI)という判定基準の問題点

認知とは、人間がいろいろなものを見たり聞いたり触れたりして、それが何であるかを理解したり判断したりすることです。「軽度認知障害」(MCI:Mild Cognitive Impairment)とは、欧米などでも広く認知されているその定義によると、MCIの状態の人は、認知機能(理解、記憶、理由づけ、決定、実行など)のうち1つのカテゴリーに問題がみられるが、日常生活面においては自立した状態にあるとされているのです。正常な状態ではないが、「アルツハイマー型認知症」とは診断されない状態のことで、ちょうど両者の境目にある状態であるということのようなのです。すなわち、「認知症」を発病した状態ではなくて、あくまでも認知症になる前の段階(認知症の「前駆状態」)という考え方のようなのです。それでいて、正常ではない状態であるとも主張しているのです。その「判定基準」自体を含めて、「分かったようで、分からない、極めて曖昧で中途半端な考え方」の提唱と言う他ないのです。

どのような根拠データが数字の基礎となっているのか知りませんが、MCIの状態にあると判定された人達は、5年以内にその内の半数が、「アルツハイマー型認知症」を発病する可能性があるとも言われているのです。「軽度認知障害」という概念を主張する人達も、アミロイド・ベータというタンパク質が「アルツハイマー型認知症」の発病の原因であるかもしれないと主張しているのですが(アミロイド・カスケード仮説)、その考えによると、アミロイド・ベータが10~20年もかけて脳の中に蓄積された後に、「アルツハイマー型認知症」の症状が発現するという考え方でもあるようなのです。アミロイド・ベータが神経細胞に蓄積して老人斑を沈着させ神経細胞を犯すことが原因で認知症の症状として発現してくる「記憶障害」の症状並びに当該「記憶障害」の症状に起因した症状としての「失語や失認や失行」といった症状を発現させるという「仮説」なのです。そうした視点に立脚しているので、「軽度認知障害」は、アミロイド・ベータが脳内に蓄積されることにより発病する「アルツハイマー型認知症」の発病の途中の段階であるという見解でもあるようなのです。従って、「軽度認知障害」というのは病名ではなく、或る状態のことをいうものとされているのです。然も研究者の予測では、我が国には、「軽度認知障害」のお年寄りが600万人ほど存在するとの研究報告が為されてもいるのです。仮にその予測数値が正しいものであるとしても、「小ボケ」と「中ボケ」とを併せた数は、「大ボケ」の数の数倍にはなるという私たちのデータからすると、驚くにはあたらない数値なのです。

注)漏れ聞く「軽度認知障害」の判定基準とは、以下の通りです。

1.本人や家族から「記憶障害」の訴えがある
2.年齢や教育レベルの影響のみでは説明できない記憶障害がある
3.日常生活を送る上では、特段の支障は認められない
4.「認知機能」は、全般的に、おおむね正常である
5.「アルツハイマー型認知症」を発病した状態ではない

上記5項目の全てに該当したとき、MCIであると判定されるようなのです。

 

& 物忘れ」は、認知症の始まりなのか Q/A Room(A-46)

2012-06-14 (私の過去のブログからの引用です)

Q:70歳になる父がたびたび「物忘れ」をするので、病院に連れて行って診てもらったところ、診察を受けた精神科医から「軽度認知障害」だと言われました。認知症の前駆的なものであり、4~5年後には「アルツハイマー型認知症」を発病する可能性が高いと言われました。「アルツハイマー型認知症」は、発病の原因がわかっていないので、打つ手はないということでした。  

A: 認知機能が軽度に低下した状態を「軽度認知障害」(Mild Cognitive Impairment : MCI)と呼び、認知症でも正常でもなく、「認知症」への「前駆的な状態」を言うものと定義されています。「脳の機能レベル」との関係の定義ではなくて、「症状」を基準とした診断基準であり、然も「記憶に関する訴え」を要件にしていたり、或いは、「客観的な認知障害があること」を要件にしているのです。

客観的な認知障害と言われても、例えば「物忘れ」を例に取り上げればわかるように、「脳の働き」との関係で規定され且つその「程度」が限定されていないのでは、言葉の遊びに過ぎないのです。意識的に行われる行為の世界をテーマとして取り上げる以上、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の機能及びその機能レベルとの関係が定義され且つその発現としての症状が程度と態様とを限定して定義されていない限り、感覚的な内容にすぎず、「客観的な基準」として使用できない欠陥があると言わざるを得ないのです。 

私たちは、専門家達が認知症ではないとして見逃している「アルツハイマー型認知症」の早期の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)及び中等度認知症(中ボケ)について、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル及びそれぞれのレベルで「特異的」(限定的)に発現する「認知症の症状」という面からこれらを定義しています。このような定義がなされて初めて、「客観的な指標」となりうるのです。   

 「MCI」などと言われるといかにも専門的な響きがありますが、「認知機能の軽度な低下」を示す客観的な基準もありません。脳の機能という側面から言うと、「前頭葉」を脳全体の司令塔として、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」との共同により「認知」が行われるのです。状況を判断し、テーマを企画し、実行する内容を組み立て、結果をシミュレーションし、必要な修正を加えて、最終的な内容を決定し、実行の指令をする。これらはすべて脳の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の重要な機能(個別の認知機能)なのですが、それぞれの過程には、個別の「認知機能」が常になくてはならない機能として係わっているのです。

置かれている状況を判断し、その判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマの実行内容を企画し及び計画し、実行結果についての事前のシミュレーションを行い、シミュレーションに基づいて必要な修正を加えて、最終的な実行内容(実行の程度及び態様を含む)を決定し、脳の各部に実行の指令を出す世界、私たち人間だけに「特有」である「意識的な行為」における「前頭葉」の個別「認知機能」の働き具合とそのアウト・プット(内心の意思、言動、行為及び行動)には、極めて多くの種類と程度と態様があるので、問題とされる「認知機能の軽度な低下」がどの過程で起きるどのような種類のもので且つどの程度のものなのか或いは、どのような態様のものなのかを客観的な基準で定義することが出来ていない(限定できていない)のです。従って、「判定基準」であると言いながら、「前頭葉」を含む脳全体の機能面からではなくて、機能レベルのアウト・プットである症状に頼ったものになってしまっているのです。「軽度認知障害」の定義のレベル自体が、「判定基準」と言えるような程度には程遠いものというしかない、内容のものなのです。    

その上「軽度認知障害」の考えでは、「アルツハイマー型認知症」への移行率が取り上げられていて、この考えが提起された当初では10%から15%の数値が、現在では50%という数値が取りざたされているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病原因も不明であるとしつつ(アミロイド・ベータ説は、単なる仮説であって、未だに、肝心の「因果関係」が立証できていないのですから)、「アルツハイマー型認知症」への移行率を数値化する主張には賛成できません。

「軽度認知障害」の判定基準自体が極めて曖昧模糊とした内容のものである上に、「軽度認知障害」以外の要因の影響が有るのか無いのか、有るとしたらどの程度の影響があるのかも分析されていないのでは、そもそも「軽度認知障害」と呼ばれる病状から「アルツハイマー型認知症」の発病に至る「因果関係」そのものが不明確と言わざるを得ないからです。医学会という世界では、どうして(何故に)「因果関係」という極めて重要なテーマについて、極めて「雑」なのか、不可思議と言うか、理解しがたいのです。

 「DSM-4」の規定の問題点を含め、医療の現場における、「アルツハイマー型認知症」の診断基準自体が種々の問題を抱えていることについては、このブログでこれまでに詳しく説明してきた通りです。「軽度認知障害」という判定基準についても、判定基準というには、余りにお粗末すぎる内容と言わざるを得ないのです。「アルツハイマー型認知症」の診断基準と同様に「軽度認知障害」の判定基準も、  私たち人間だけに特有な世界、「意識的」な思考や思索や言動や行為や行動における脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能及びその機能レベルとの関係が見過ごされているところに最大の欠陥があるのです。何時まで、マウスとやらが迷路で餌を探し回る動きばかりを追っているのですか。私たち人間だけに特有である「意識的な世界」を支配しコントロールしているのは、左脳、右脳及び運動の脳という三頭の馬を支配しコントロールする機能を担っている「前頭葉」という機能、三頭立ての馬車の御者の役割を担っている「前頭葉」という人間だけに備わっている機能なのです。肝心の「前頭葉」という機能は、マウスには備わっていないのです。

我が国の現状で言えば、認知症全体の90%以上を占めていて、その発病の診断、投薬、介護に関わる費用の総額が、年度単位で15兆円を超えるところまで来ていながら、未だに世界中の研究者や学者や医師達の間で、発病の原因(メカニズム)が分からないし、治すことが出来ないし、発病を予防する方法も分からないとされているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症なのです。

2012年の3月以来、167回にも及ぶブログ記事を公開し、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因その他「アルツハイマー型認知症」に関わる様々なテーマについて、このブログで詳細な説明を度々してきていて、その「総字数が400万字を超える」ところまで来ているのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」である(脳の使い方としての「生活習慣」に起因して発病する)という私たちの主張は、主張の根拠となる14689例にも及ぶ精緻な「脳機能データ」、440を超える数の市町村での実践の成果等についても、他の追随を許さないかけ離れたレベルにあると自負してはいるのですが、いかんせん、肝心の権威がないので、世の中に浸透するところまでには至っていないのです。とはいえ、回復させることが可能であるという意味での本当の意味での「早期の段階」である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の「お年寄り」と回復させることが困難な「大ボケ」の段階のお年寄りが果てしもなく増加していく状況が放置されているのです。末期の段階でしか発現が確認できない症状である「失語、失認又は失行」の症状の確認を要求している「DSM-4」という「アルツハイマー型認知症」の診断基準を、学者や医師達が疑うこともなく信望し続けていること並びに「アルツハイマー型認知症は、発病を予防することが出来ない」タイプの認知症であるとの誤解が我が国には定着していて、発病自体の予防と早期診断による回復を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の全国展開という我が国の将来にとって重要なテーマがマスコミにさえ取り上げられていないのです。発病の原因ではなくて発病の結果でしかないアミロイド・ベータ説に拘泥し、何時まで、迷路におけるマウスの行動ばかりを追い続けるのですか。

「器質的な病態」が「アルツハイマー型認知症」の原因に違いないとの大前提、「記憶障害」が「アルツハイマー型認知症」の中核の症状だとの外的な観察に基づく思い込み、そこに重大な落とし穴が潜んでいるのです。両者共に誤りなのですから。「アルツハイマー型認知症」は、器質的な原因ではなくて機能的な原因で発病するタイプの認知症、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下に起因して認知症の症状が発現してくるものなのだという私たちの主張に、早く目を向けてほしいのです。「記憶障害」に起因した症状として「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現しているのではなくて、「前頭葉」の機能障害に起因した症状として「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状が発現しているだけのものなのです。

注)本著作物(Bー67に記載され表現された内容)に係る著作権は、 (有)エイジングライフ研究所に帰属しています。   

   エイジングライフ研究所のHP左の部分を「クリック」してください)

 

   脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)

  

 

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学者や研究者は、何時まで「迷路」を彷徨い歩くのか(B-24)

2014-11-15 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

    彷徨えば 見れども見えず 霧の中

       迷路の鼠 追い続けつつ   By kinukototadao

 

&1 最近の報道  

〇 新聞記事の内容

あー、哀しいかな!「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる学者や研究者は、どうしてこんなに「因果関係」と言うテーマに無関心なのでしょうか。

 またしても、アミロイドベータなのです。いつまで、資金と時間と人材の無駄遣いを続けるつもりなのでしょうか。因果関係が未だに立証されてもいない単なる仮説でしかないアミロイドベータ仮説が独り歩きして、いつの間にか実証されているかのような誤解を生じさせ、ひいては、市町村による「地域予防活動」の展開の制度化が遅れていくことになりかねないのです。

 1111日付の日経新聞に‹アルツハイマー病 前兆、血液で把握›の見出しのもとに、次のような紹介記事が載っていたのです。

 認知症の症状が出る前に血液でアルツハイマー病の前兆を捉える検査法を開発したと、国立長寿医療研究センター(愛知県)と島津製作所〈京都市〉の田中耕一シニアフェローらのチームが11日付の日本学士院発行の専門誌に発表した。アルツハイマー病は脳内にアミロイドベータというタンパク質が異常に蓄積するのが原因の一つと考えられている。チームは、6585歳の男女62人の脳の状態を陽電子放射断層撮影装置(PET)で観察し、アミロイドベータの蓄積状況を確認。その後それぞれの血液を分析した。田中氏らが開発した質量分析装置を使い、従来は検出できなかったアミロイドベータに関連する微量のタンパク質を検出した。このタンパク質と、別のアミロイドベータ関連タンパク質との比率から、アミロイドベータが蓄積しているかどうかを高精度で判定することができたという≪全文引用。以下、省略≫。

 

そもそも、アミロイドベータ説と言うのは、脳内に蓄積したアミロイドベータというタンパク質の毒性の作用により老人斑と呼ばれるシミ状のものを生成させ、情報を伝達する役割を担っている神経線維を死滅或いは減衰させることにより「記憶障害」の症状を惹き起こすことにより、「アルツハイマー型認知症」を発病させるという仮説なのです。但し、この説は、脳内に蓄積したアミロイドベータというタンパク質の毒性の作用により生成される「老人斑」と呼ばれるシミ状のもの(原因)が「アルツハイマー型認知症」を発病させる(結果)という主張を展開していながら、一番肝心な原因と結果との間の「因果関係」を未だに実証できないでいる単なる「仮説」に過ぎないのです。

主張されている両者の間に因果関係が存在しないのであれば、今回発表された「手法」に、何の価値もないのです。莫大な資金と膨大な時間と多くの人材の投入に意味がない、「無駄遣いだ」と私が主張する根拠は、そこにあるのです。

 

〇 アミロイドベータの蓄積量、蓄積する部位と物忘れの症状を中心とした「記憶障害の症状」とのリンクがターゲットとなるか

たくさんのデータを集積して、その中から一定のパターンを選択して、早期診断の基準を策定したところで、何の意味もないのです。

それが、「アルツハイマー型認知症」の初期症状とリンクしたものではないからです。

 アミロイドベータが脳内に蓄積するメカニズムさえも未だに解明されていないのです。仮説が独り歩きしている内に、まるで仮説ではなくなったかのような扱いを受けるようになってしまっているのです

&2 「記憶障害」は、発病の結果起きてくる症状であって、発病の原因(第一の要因)ではないのです。

詳しい説明については、(ここを「クリック」してください)。

 注)本著作物(このブログB-24に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。


   エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

          脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

 

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アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係 &4(B-23)

2014-11-01 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

     

     規則性 脳の衰え その流れ

             高きものから 低きものへと     By kinukototadao

 

&1:「記憶障害」を発病の第一の要件と考える重大な誤り-補足

今年のノーベル生理学・医学賞に関連する報道について

「脳の空間認知機能」をラットを使って解明した業績に対して、今年のノーベル生理学・医学賞が授与されたとの報道に際し、その報道では、受賞の対象となった「場所細胞やグリッド細胞」を調べることで、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)にまで症状が進行した人達が、何故道に迷うのかを解明できる可能性があるとの指摘がされていました。

その指摘をしている人は、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の働きのことを全く知らないか、或いは単なる早とちりに過ぎないことを、以下に説明しておきたいと思うのです。勿論、私達人間の進化の過程では、ラットのそれに似たような機構能力を獲得していた時期もあっただろうと思うし、今なお、その残滓が垣間見えるような、空間認知能力に極めて長けた人達がいることを否定するものでもありませんが。ラットがエサを探してうろつき回るために必要な限度で脳内に持っているとされる地図の空間の広さと私たち人間が生活していく上で蓄積し活用している地図の空間の広さとは比較すること自体が無意味だと言いたいのです。

ラットの場合は、場所細胞とグリッド細胞との協働だけで十分なのかも知れませんが、私達人間の場合は、「前頭葉」と左脳、右脳及び運動の脳との協働と言う作業が不可欠になるのです。そこのところが、「前頭葉」と言う機能を持たないラットとは根本的に異なることを指摘しておきたいのです。

これまで、「アルツハイマー型認知症」の症状発現の第一の要因を「記憶の障害」と考えることの誤りについて、三回にわたり、このブログで説明してきましたが、この報道のような誤った方向で今後の研究が進まないためにも、再度、このテーマをここで取り上げておく必要があると考え、今回この「テーマ」を追加したのです。 

 

     

 ラットにはなくて、人間だけに備わる「前頭葉」の機能とその役割

ダイニングテーブルの私用の定番の席に座って、窓越しに外の景色を眺めていたのです。窓の外の景色はと言うと、手前に一本の大きな花水木の木があって、その向こうにプールがあって、更にその向こうにはサンゴ樹の生け垣があるのです。その景色を集中力を緩めて、更には落としてしまって、「意識度」自体が極めて低くなった状態、「意識」がぼーっとした状態のままで眺めていると、それら三つの景色全体が一体化しているように映るのです。夫々の「遠近感」が薄れると共に、木々の葉の「色の濃淡」の違いまでもがはっきりしなくなってくるのです(ここを「クリック」してください)。

それとは逆に今度は、花水木に注意を集中し意識を高めてみると、花水木全体の姿かたち、全体としての葉の部分とその濃淡、更には、少し色づき始めてきた葉の部分等の区別までもがついてくるのです。こうした現象は脳の中の何がどのように関与することで起きてくるのか。それは「前頭葉」の働き、もっと言えば「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の発揮度が起こさせている現象なのです。

脳の司令塔の役割を担う「前頭葉の各種個別の認知機能の働き具合が三本柱の機能の発揮度に左右されているというメカニズム、私たちが「二重構造」と名付けている脳の機構なのです。このことに、世界中の「認知症」や「脳科学」の専門家達が気づいて欲しいのです。その問題提起が、今日の「テーマ」です。このテーマを研究していけば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることに気づくことになるからです。


     

〇 「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)にまで「症状」が進行した人達が、「何故」道に迷うのか及び「どのような段階を経て」徘徊に至るのかについて、具体的に分かり易く説明する為に、私のもう一つのブログである「脳機能から見た認知症」(2014-04-18から引用したものが、以下の内容です。


       

&2:正常な状態から認知症への移り変わり-突然徘徊したりするようにはならないのです!?

「突然、徘徊はしません」と前回のこのブログで強調しました。関係する「脳の機能」の面から言うと、「所の見当識」に関しても、ごく軽い症状から徐々に重い症状へと進行していくものなのです。それは、「前頭葉」の機能、就中、「前頭葉」の三本柱の機能の廃用性の機能低下に起因する症状だからです。

 ※ 或るテレビの番組では、付き添いの「家族」が不思議なことを言っていました。

「ほんとうに、突然徘徊を始めたんです」と家族の発言。

  ⇒ あり得るかどうか、今日のブログを読んで判断してください。

 徘徊を始める直前のサインとしては、食欲不振・感情が不安定になると、これまた、その家族の発言です。

  ⇒ このサインだけで、「徘徊」につなげるのは難しいと思うのですが。

 更にその家族から挙げられたサインは、「同じものを大量に買う」でした。

※ この症状は、そもそも「小ボケ」の段階で始まる症状なのですから、末期の段階である「大ボケ」の段階に至る前駆症状ではありますが、そこから「徘徊」に到達するには、なお数年以上の経過が必要となるのです。


    

&3:さあ、「正常老化」(脳の機能面からいうと、「前頭葉」の機能が未だ正常なレベルにあること)ではないことが起きてきた時(「前頭葉」機能の加速度的で、且つ異常な機能低下に起因する「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してきた時)、「所の見当識」に関してどんなことが起きるのか、段階を追って次第に重くなっていくその症状の具体的な事例を挙げつつ、以下に詳しく説明していくことにしましょう。

※ 「軽度認知症」(小ボケ)になってくると、普段行き慣れているところに行くときに、失敗が起きてくるのです。

例えば、隣町に嫁に行った娘のところに行くのに、午前中に着くはずなのに昼過ぎになってしまうようなことが起きてくるのです。

理由を尋ねると、「ちょっとお土産を買うのに戸惑ってしまって」等と言ったような言い訳をするけれども、「特別目新しい品物を買った様子はない」のです。

(電車やバスに乗るときに:

「出発しそうだったから、行き先をよく確かめずに飛び乗ったら、行先が違っていた」ということもよく耳にします。

◇それなら何故、終点まで気づかずに乗っていたのでしょうか?

途中で気づいて、直ぐに降りて乗り換えていたら、こんなに時間はかからなかったでしょうに・・・

◇もちろん、例えば便数の少ない電車やバスに乗り遅れたというような理由もあるでしょうが、「正常な人」の場合のうっかりミスとは異なり、「小ボケ」になっている人の場合には、びっくりするほど「同じような失敗を繰り返す」のです。

◇普通のお年寄り(「前頭葉」を含む脳の機能が正常なレベル)だと、(「前頭葉」が働くので)失敗したら「今度こそ気をつけよう」と失敗を繰り返さないように気を付けるはずですよね。


    

◆ 同じ「小ボケ」の段階ながら、次のステップとしては、帰宅するときにも同じような失敗を起こすようになります。

◇我が家ですから、文字通り慣れたところですよね。この時も説明というか言い訳はスムーズで、それを聞いているとついうなずいてしまうほどなのです。

(このような失敗を繰り返すうちに、だんだん外出そのものが減っていきます)。

(さらに次の段階になると、失敗した時に、自力でリカバリーできなくなります)。 

◆これまでに挙げた事例は、間違えながらも、どうにか目的は達することができますが、次の段階ではパニックになってしまって大騒ぎを引き起こします(正常レベルであっても、間違えたり、迷子になったらパニックになってしまいそうになりますが、そんなときこそが、「前頭葉」の出番となります。正常レベルであれば、状況に対応することができ、パニックにはならないのです。

◇もう一度初めからやり直したり、人に尋ねたり、とにかく落ち着こうとしますね。

 

    

&4:そして、「アルツハイマー型認知症」の次の段階、私たちの区分で言う「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると(この段階は、専門家達からは単なる「老化現象」の域、「正常」といわれていることが多いのですが。)本格的に外出してトラブルを起こすことは、ほとんどなくなります。 

◇一つには、本人が出たがらなくなること及び家族も心配で独りで外出させないようにするからです。家族の言葉によると「幼稚園の子をひとりで電車やバスに乗せられない」のと同じレベルなのです(「中ボケ」は、一言で言えば、良い訳のうまい幼稚園児なのです)。 

◇だから、このようなトラブルの舞台は、近所のスーパーのようなところになります。あるいは、親戚の家やその近所の本来ならよく知っているはずの場所で起こすことになるのです。自分の家(家への道)を正確に相手に伝えられなくなります。

こういう出来事と並行かちょっと先行して、自宅の説明ができなくなります。誰かに車で自宅まで送ってもらうとき、自宅へ行く道を的確に説明できなくなります。

◇普通の大人は、「あの木のところまではまっすぐですが、次の信号を左折して、4軒目の赤い屋根の家」のように言えるものなのです(同じ「中ボケ」の段階ながら、次の段階に入ると、「家の近所」で「迷子」になって通りがかった人から連れてきてもらうようなことを起こすようになります。

 

    

&5:次に述べるのが、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入ってからの症状です。

◇夕方になると、そわそわとして落ち着かなくなったり、逆にボーっとして外を眺め続けていたりします。

◇人によっては、荷物を作ったり(それも、下着や何故このようなものが必要なのか、よくわからないようなボロ布)ほどいたりといったことをするようになります。これは 、おばあさんに起きることです。

◇ここは自分の居場所ではないと感じているらしく、落ち着いていられなおのです。例えば、実家などをイメージしているのでしょう。その時には、本人に年齢を尋ねると必ず若くなっていて、20歳等と結婚前の年齢を答えることもあります。

◇家族が仕事から帰ってくると、「(実家に)帰らせていただきます」と言い張るために、「まず車に乗せて、近所を一回りドライブして、落ち着かせないと家事ができない」と訴えるお嫁さんもいます。

◆こういう「事件」が何度も繰り返されて(その間、脳の廃用性の異常な機能の低下が進行しているのですが)、その挙句、「帰ってこない!」、「どこに行ったのかわからない!」という「徘徊」デビューの日を迎えることになるのです。

確かに、初めて「徘徊」を始める日はあります。

◇でもその前に、普通に元気にイキイキとした生活を送っていた人が、突然「徘徊」することはないのです。 上述のステップを見落としていただけなのです。

◇警察に届けて、田舎なら消防団に依頼して山狩り・・・

それを繰り返すと、警察からは注意を受ける(叱られる)し、ご近所にも迷惑をかけるし・・・

◇「寝たきりになって、楽になりました」という言葉も、家族からよく聞きますね。どうしてここまで待ってから、施策を考えるのでしょうか?それぞれの段階で、なすべきことがありますし、早いほど効率もいいのです。

 

    

&6:専門家達は、何故に、「マウス」を追いかけまわしているのか

〇私たち人間の「意識的な世界」を支配し、コントロールしている「前頭葉」の働きとそのメカニズム

額のところにある「前頭葉」は、脳の最高次の機能です。運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔の役割」を担っています。「左脳」が「デジタルな情報の処理」を実行するときも、「右脳」が「アナログな情報の処理」を実行するときも、「運動の脳」が「身体を動かす」指令を出すときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬)の御者の役割をしている「前頭葉」の全般的なコントロールと指示なしには、勝手には働かない仕組みになっているのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず「前頭葉」による、支配、関与、判断とその指示があるのです。言い換えると、「前頭葉」が三頭の馬を主導し、コントロールしつつ、同時に協働して働くというのが、意識的な思考や行為の下で人間の脳が働くときのメカニズムなのです。ついでに付言しておくと、脳の機能構造的には、三頭の馬は「前頭葉」による支配、コントロールの下に置かれつつも、その一方で、相互に連絡し、連携し合ってもいるのです。脳梗塞により「左脳」が重篤なダメージを受けて言葉が出てこなくなった(日常会話が出きなくなった)状態の歌手が、自分の持ち歌を見事に歌いこなすのがその例です。

 ところで、脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」には人間に特有な数多くの高度な機能が備わっています。その「個別の機能」とは、興味、関心、観察、分析、考察、洞察、推理、理解、発想、企画、計画、工夫、創造、予見、シミュレーション、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等の認知機能(A)並びにそれらの認知機能を発揮する上での「機能発揮度」の基礎となる「三本柱」の機能ともいうべき「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」の機能(B)及びそれらに加えて最終的な実行内容を選択し決定する上で不可欠な機能である「評価の物差し」としての「評価の機能」(C)などに区分されます。       


     

&7: 「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状は、「前頭葉」を含む脳の働きが廃用性の加速度的な機能低下により、次第に機能しなくなっていく事のアウトプットに過ぎないのです

〇「脳を使う」ということは、私たちが意識的に何かの「テーマ」を実行することを意味します。

意識的に何かの「テーマ」を実行する際の「脳の機能レベル」(働き具合)を考えるには、「前頭葉」の(A)、(B)及び(C)の機能が常に協同しつつ、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」をコントロールしながら働いていることに注意を向ける必要があります。脳の機能レベルが「症状」として発現してくる程度或いは態様は、(Bに下支えされたA及びCの機能の働き具合)としての「前頭葉」の各認知機能と「左脳、右脳及び運動の脳」の各々との協働による「相乗効果」としての脳全体の機能レベルに直結したもの、リンクしたものとなるからです。「前頭葉」を含む「脳の機能レベル」が正常であれば、そのアウト・プットは置かれた状況に照らして適切或いは的確な「言動」や「行動」となり、「脳の機能レベル」が異常であれば、そのアウト・プットは置かれた状況に照らして不適切或いは異常な「言動」や「行動」(「アルツハイマー型認知症の症状」)となるのです。

〇 「前頭葉」の働きの衰え方、廃用性の機能低下が症状発現の震源地 

「意識的な世界」におけるこうした脳の働き方のメカニズムに着眼して、「二段階方式」と呼称する精緻な神経心理機能テストを活用して、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルと直結した症状について極めて多数で且つ精緻な脳機能データを私たちは集積してきたのです。そうしたデータの解析により、「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルに衰えてきたときは、たとえ「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」のすべてが正常な機能レベルにあろうとも、それらの機能レベルの総体としてのアウト・プットである思考や、言動や行為や行動のすべてがもはや正常なものではありえないことを確忍しているのです。「意識的な思考や行為の世界」では、すべての思考、行為、言動及び行動、或いは身体の動静が、脳全体の司令塔である「前頭葉」がコントロールしているので、その働き具合(「前頭葉」の機能レベル)をそのままに反映したアウト・プットになるということなのです。

「アルツハイマー型認知症」発病の直接の原因(60際を超えた年齢の高齢者であることが「第一の要因」であり、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続が「第二の要因」)並びに症状進行の原因は、使われる機会が極端に少ないことに起因する廃用性の加速度的で異常な脳機能の低下にあるので、「iPS細胞」といえども、残念ながらその出番はないのです。前回のブログで、空気ポンプの機能を例に挙げて、説明した個所をもう一度読み返してみてください。iPS細胞の活用により、ゴム管に相当する部分の機能の或る程度の改善は期待できるにしても、空気を押し出してやる部分の機能の改善には役立たないのです。そこのところを、iPS細胞の応用の道を研究している人達が、勘違いしないようにと願うのです。それよりも、「東日本大震災の被災地の高齢者」という言葉が、この先1~2年もすると、「アルツハイマー型認知症」発病のキーワードとされることになるのです(ここを「クリック」してください)。

    

〇 「家族介護」の制度化に対する警鐘と問題提起

「家族介護」と言っても、「小ボケ」や「中ボケ」の段階までのお年寄りの家族介護であれば、納得がいくのです。家族の献身的な協力(但し、この場合は、介護ではなくて、「脳のリハビリ」に対する協力のことなのですが)があれば、「小ボケ」の段階であれば容易に正常なレベルに回復させることができるし、「中ボケ」の段階であっても未だ回復させることが可能だからです。家族もまた達成感を覚えることができ、報われるのです。ところが、「大ボケ」の段階にあるお年寄りの、家族による介護は意味も状況も全く異なるのです。「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてきてしまうと、どんなに手を尽くしたところで回復させることは困難になるからです。どんなに心を尽くして介護しても、報われることはなく、何らかの病気で死を迎えることになるまで「前頭葉」を含む脳の機能低下が進行していくだけなのです。症状が更に重くなっていくだけなのです。「中ボケ」に回復させることさえできなくなるのです。

「大ボケ」の段階に入ってしまうと、「家族介護」に負の連鎖が起きてくるのです。「大ボケ」の段階のお年寄りを、これまたお年寄りが(通常の場合は、所謂、連れ添いが)介護している場合には、そのお年寄りもまた、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々強いられる状況の中で、「前頭葉」を含む脳の廃用性の異常な機能低下を進行させていくことになるからです。つまり、その先には、連れ添いの人にもまた、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていることになるのです。巷間既に言われているところの、「認認介護」が起きてきてしまうのです。家族介護の制度化を考えてきた人たちは、この問題に深く留意して欲しいのです。

本当の意味での早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」までの段階で「アルツハイマー型認知症」を見つけて正常なレベルに回復させる施策の制度化を実現し、「大ボケ」の段階のお年寄りについては、「介護保険」を必ず適用することを制度化して欲しいのです。「介護保険」の財政面が気になるのであれば、市町村と地域住民との協働による「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」を制度化すれば良いのです。必ずおつりが出て、余りさえ出てくることになるのですから(ここを「クリック」してください)。   

 

    

&8「アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方としての「生活習慣病」に過ぎないのです

 これまでに何度もこのブログで指摘してきているように、60歳を超えた年齢の「高齢者」がナイナイ尽くしの「単調な生活」(生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない生活のことを私たちはこのように表現しています)を継続している限りは、新聞報道にあったような「ホップのエキスを混ぜた水」を含むどんな種類の「薬」を飲ませようとも(或いは、どこかの食品メーカーが研究しているとか言う栄養補助食品を摂取しようとも)、「アルツハイマー型認知症」の症状の進行を抑えたり、治したりといった治療効果も、或いは発病の予防効果も期待できるはずがないというのが私たちの考えなのです。私たちが、20年間にわたる市町村での「地域予防活動」で実践してきたその成果としての極めて多数の「脳機能データ」により確認できているように、「アルツハイマー型認知症」の本質は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」だからです(脳の使い方という視点からいう生活習慣病)

  「アルツハイマー型認知症」発病の原因(2つの要件)

60才を超える年齢の「高齢者」であること(私たちが定義する「第一の要件」)とナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続(私たちが定義する「第二の要件」)との相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が加速度的に異常なレベルに衰えてくることを直接の原因として「アルツハイマー型認知症」を発病するのであって、老人斑に関わりがあるアミロイド・ベータとか(アミロイド・ベータ説)、神経原繊維変化に関わりがあるタウ蛋白とか(タウ蛋白説)、脳の委縮とか(脳の委縮説)が、「アルツハイマー型認知症」を発病させる直接の原因ではない(以前のこのブログで指摘し問題提起したように、「解剖所見」で確認されるそれらのいづれもが「副産物」である。ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が加速度的に異常な機能低下を進行させていった末期の段階、私たちの区分で言う「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えていき、且つそうした状態が何年間も継続した「結果」としての産物である。)と考えているのです。

 「前頭葉」は言うに及ばず「左脳」さえも備わっていない動物の、更に言えばその中でも下等な部類に属する動物である「マウス」とやらの行動ばかりを追って、そのデータを元に生きた人間の脳の働き方を類推するやり方では、何時まで経っても真実は見えてこないのです。生きた人間の「意識的」な世界を支配しコントロールしている「前頭葉」の働きの研究、特に、その機能の「正常老化の性質」及び個別の機能の発揮における「二重構造の問題」並びに加速度的で、且つ異常な廃用性の機能低下と言う「テーマ」にこそ目を向けてほしいと切に願うのです。

〇 あー、嘆かわしや! 

今日も、「東日本大震災」の被災地に居住する60歳を超える年齢の高齢者たちの間に「アルツハイマー型認知症」を発病する人たち(「小ボケ」の段階)、症状が次の段階に進行している人たち(「中ボケ」の段階)、更には症状が進んで末期の段階に(「大ボケ」の段階に)入ってきた人達が、日本の他のどの地域のお年寄りと比較した場合にも異次元と言える程の割合で、且つ驚くほどの多人数出てきているというのに。学者や製薬会社の研究者や医師など、「アルツハイマー型認知症」の専門家と言われている人達の誰一人として、並びに新聞社やテレビ局や雑誌社等のいずれのマスコミも、未だに何等かの調査をしようとも、騒ぎ立てようともしていないのです。そうした状況に何等の対策も打たず、対応も行おうとせず、放置したままで居て、末期の段階になって出てくる「大ボケ」の段階の人達の症状である「徘徊対策」が、重要な施策であるかのように誤解して、我が国が主催する国際会議で首相にそんなレベルの対応を自慢げに語らせるなどの愚行を演じさせないで欲しいのです。「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期に発見すれば回復させることが出来るし、予防することも出来る病気だからなのです。 アミロイドベータの蓄積は副産物であって、発病の原因ではないのです。記憶の障害は、発病の二次的な症状であって、第一次的な要因ではないのです。

良いのですか、このまま放置しておいて(ここを「クリック」してください)。 

     

 注)本著作物(このブログB-23に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

      エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

       脳機能から見た認知症

        

 


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アルツハイマー型認知症の症状と記憶障害との関係 &3 (Bー22)

2014-10-15 | 記憶障害は発病の原因ではなくて結果

 冷蔵庫 開けた途端に 物忘れ 

              区別を知らず 痴呆の診断      By kinukototadao

     

&1「アルツハイマー型認知症」は、「記憶障害」が本当に「第一要件」なのか

○ 「記憶の障害」を第一の要件と考える三大「仮説」の問題点

それら三つの仮説では、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階)、その中でも更にその後半になって現れてくる症状であり、あの「DSM-4」が「アルツハイマー型認知症」の診断の第二の要件に掲げている症状である、失語、失行又は失認の症状が出てきたことが確認された人達(MMSの得点が一桁に落ちてきている人達)の死後の脳の「解剖所見」を仮説組立の大前提としているのです。

解剖所見の対象となった人達の脳では、脳の神経細胞の減少、脳の委縮、老人斑及び神経原線維変化の出現を特徴としていることが「仮説」の唯一の根拠とされているのです。すなわち、学説と主張する上で、必要不可欠であるはずの「因果関係」の立証さえもが未だに為されないままでいるのです。

それら三つの仮説とは、脳の中に、アミロイド・ベータと呼ばれる蛋白質が沈着することによる老人斑の生成が原因で(「アミロイド・ベータ仮説」)又はタウ・タンパクと呼ばれる蛋白質の蓄積による神経原線維変化が出現することが原因で(タウ・タンパク仮説)、或いは脳の萎縮が原因で(脳の萎縮説)、神経細胞を変性させ、或いは死滅もしくは脱落させることにより、「記憶の障害」に関わると見られる症状が発現し(「DSM-4」が掲げる「第一の要件」の充足)並びに失語や失行や失認などの症状を発現させてきて(「DSM-4」が掲げる「第二の要件」の充足となる)初めて、「アルツハイマー型認知症」の発症と認めることができると考えている(誤解している)のです(ここを「クリック」してください)。

    

○ 三つの「仮説」が抱える致命的な誤解

以前のこのブログで説明したことがあるのですが、上記の問題点を分かり易くするために、再度ここで取り上げて説明します。それは、「空気ポンプ」の機能の構造を例にした話です。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。「アルツハイマー型認知症」は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経細胞)がアミロイドベータやタウタンパクに侵されたことにより、又は脳の萎縮の進行により、神経細胞が変性、死滅、或いは脱落を惹き起こして、情報を伝達する神経細胞の機能に重大な支障が起きてくることが「アルツハイマー型認知症」の症状としての「記憶障害」の症状を発現させている直接の原因だと考えるのが、アミロイド・ベータ説やタウ・蛋白説、或いは脳の萎縮説の考え方なのです。

こうした考え方に立脚しているのが、ゴム管の部分を繕って空気が漏れる量を少しでも抑える効果を期待できることを目的に開発され、現在販売されている4種類の「薬」ということになります(但し、これらの薬は、認知症自体を治すという意味での治療の効果は期待できないので、「症状」の進行を遅らせる効果を狙うものと宣伝されているのですが)。

  

私達(脳の使い方としての「生活習慣」に起因する「廃用性」の加速度的で、且つ異常な脳機能低下説)は、空気を送るゴム管の部分に支障があるからではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分{脳で言えば、情報を処理・発信してやる「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする)を含む脳全体の機能レベル}に廃用性の機能低下による支障が起きてきて(使われる機会が極端に少ない生活習慣に起因する「廃用性」の加速度的で、且つ異常な脳機能レベルの低下)、脳が正常なレベルでは機能出来なくなったことが重度の「記憶障害」の症状を含む「アルツハイマー型認知症」の症状を発現させている「直接の原因」だと考えているのです(私達が集積してきた極めて多数の脳機能データは、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウト・プットそれ自体が「アルツハイマー型認知症」の症状だということを示しているのです)。

従って、いくらゴム管を繕ってみたところで(変性、死滅、或いは脱落したと主張される神経細胞の修復)、そもそもポンプを押す作業をしない限り(「前頭葉」を含む脳の機能が、必要とされるレベルでちゃんと機能出来ないままでは)、空気は流れない(ちゃんとしたレベルでの、情報の処理も発信も出来ない)ということなのです。「記憶障害」を診断の第一の要件と規定している「DSMー4」には、重大な過ち(勘違い)があるということを指摘したいのです。「二段階方式」を活用して集積した極めて多数の生きた人間の「脳の機能データ」(脳の機能レベルにリンクした段階的な症状)の解析に基づき、「前頭葉」を含む脳の廃用性の異常な機能低下こそが、診断の第一の要件とされるべきだということを指摘し、主張しておきたいのです。

      

&2「アルツハイマー型認知症」の症状の発現とは

○ 「アルツハイマー型認知症」は、廃用症候群に属する「生活習慣病」がその本質なのです

極めて多数に上る「脳の働き具合」(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル)とリンクした「症状」(正常なレベル及び異常なレベル) の解析結果から、「アルツハイマー型認知症」は、加齢による脳の老化を「第一の要件」とし(言い換えると、60歳を超える年齢の「高齢者」であること)、且つ、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない生活、「前頭葉」を使う機会が極端に減少するナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続による廃用性の機能低下を「第二の要件」とし、両者の条件が同時に充足されることの相乗効果により、「前頭葉」を含む脳全体としての機能の加速度的で異常な機能低下が惹き起され、脳の機能が正常なレベルから次第に異常なレベルに低下していき、終いには殆ど機能しないレベルにまで衰えていくこと(謂わば、脳機能の退化が進行していくこと)が直接の原因で発病し並びに症状の重症化が進行していく病気、本質的には廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」だというのが私たちの主張なのです。

○ 「アルツハイマー型認知症」の症状の進行とその特徴

「アルツハイマー型認知症」の症状の進行というとき、脳の機能レベルと症状のレベルと言う両者のレベルが各々対応しつつ、1つには「前頭葉」の機能レベル並びに「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の機能レベルとの組み合わせによる「脳全体としての機能レベル」の低下が「三つの段階」に区分される形で進行していき、他の1つには、脳全体としての機能レベルのアウトプットとしての症状の重症化もまた「三つの段階」に区分され対応する形で進行していくのが、「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

私たちが脳の機能レベルとそれに対応する症状とを各々三つの段階に区分していることには、「病気を治せる」可能性という視点からの極めて重要な意味があるのです。「軽度認知症」(小ボケ)の段階であれば「脳のリハビリ」の実行により回復させることが容易であり、「中等度認知症」(中ボケ)の段階であれば「脳のリハビリ」の実行により回復させることが未だ可能であるのに対し、「重度認知症」(大ボケ)の段階になってしまうと回復させることは困難になってしまうからなのです。「小ボケ」からの回復については「ここ」を、「中ボケ」からの回復については「ここ」をクリックしてください。 

    

○ 回復させることが可能な、本当の意味での「早期の段階」とは

「DSM-4」の規定が末期の段階(私たちの区分で言う「重度認知症」の段階にあって、その中でも更に症状が進んだレベル、「MMS」の得点が一桁に落ちるまでに脳の機能が低下してしまっている段階)になって初めて発現してくる「失語」や「失行」や「失認」等の症状を不可欠の要件(診断の「第二の要件」)に規定していることを金科玉条として(鵜吞みにして)その症状を確認することを診断の必須の要件にしている限り、「脳のリハビリ」により回復させることが可能な「本当の意味での早期の段階」である「軽度認知症」(小ボケ)及び「中等度認知症」(中ボケ)の段階を見つけることは出来ない(見落としてしまう)のです。 

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、脳の司令塔の「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきていて、「左脳」も「右脳」も「運動の脳」もその各々の働きが未だ正常なレベルにある段階(私たちの区分で言う「小ボケ」の段階)で発現してくる「症状」並びに「前頭葉」の機能レベルだけでなく「左脳」及び「右脳」の働きまでもが異常なレベルに衰えてきている段階(私たちの区分で言う「中ボケ」の段階)で発現してくるそれらの症状は、世間で一部の学者から、「不活発病」とか言う名前を冠せられて揶揄されている、或いは「老化現象」と勘違いされているのですが、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが正常なレベルで発現している症状ではなくて、更には「軽度認知障害」(MCI)の症状と言う極めてあいまいな表現、且つ概念で、問題提起されている「認知症ではないが認知症の前駆的な症状」と言うような症状でもなくて、実は、「アルツハイマー型認知症」の症状そのものなのです。

(CTやMRIと言った画像診断により脳の形を判定するのではなくて)私たちが開発した「二段階方式」のように「前頭葉」を含む脳の機能レベルを精緻に判定することができる手技を活用してみれば、そのことを容易に確認することができるのです。

     

○ 医療現場における対応(診断と治療)の実態

回復させることが可能な「早期の段階」を見つけることは、「前頭葉」を含む脳の機能レベルを判定する方法によってしか出来ないのに、医療の現場では、CTとかMRI等の機器、「前頭葉」を含む「脳の働き具合」ではなくて、「脳の形」しか判定することが出来ない画像による診断機器を「アルツハイマー型認知症」の「早期診断」に使いたがるのです。画像による早期診断では、「早期診断」とは名ばかりで、「脳のリハビリ」により回復させることが容易な「小ボケ」も、回復させることが未だ可能な「中ボケ」も見つけることができないでいて(見落としていて)、末期の段階でありもはや回復させることが困難な「大ボケ」の段階の人達を見つけて、(私たちには、その根拠が理解できないことなのですが)症状の進行を遅らせる効果が期待できるとか言って何種類かの薬を飲ませているだけなのです。

「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を精緻なレベルで判定できる「二段階方式」のような神経心理機能テストの活用は「保険点数」が低すぎて、「稼ぎにならない」のに対して、「前頭葉」の機能レベルを判定することができず、脳の形しか判定することができないCTやMRI等の画像診断機器の使用は、「保険点数」が極めて高くて「稼ぎになる」ので、医療機関が使用したがるのが実態であり、理由なのです。

    被災して1年後の陸前高田市の風景写真

「アルツハイマー型認知症」は、脳の使い方としての意味で言う生活習慣病であり、小ボケや中ボケの早期の段階で見つければ、「脳のリハビリ」によって回復させることができる(脳の機能を正常な機能レベルに回復させることができる)のです。末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけるから治せない、つまり、「見つけるのが遅すぎる」ということなのです。

「前頭葉」を含む脳の機能を正常なレベルに回復させることが可能な、本当の意味での「早期の段階」で見つけて、「治療して治す」(進行を遅らせるとか言った類の「薬を服用させる」のではなくて、「脳のリハビリ」の実践指導により脳の機能を正常なレベルに回復させる)とか、「前頭葉」を含む脳全体の活性化を促す生活習慣の構築と実践の指導により、発病自体を「予防」するとかいう視点は、専門家とされる人達の心の一体どこに置き忘れられてしまったのでしょうか(ここを「クリック」してください)。

発病の予防もせず、回復させることが可能な早期の段階で見つけることもせず、蛇口を開きっぱなしのままにして放置していて、介護するしか他に途がなくなる大ボケの段階で見つけているだけでいると、「介護保険制度」さえもが財政面から早晩破綻してしまうといった危機感はもたないのでしょうか。医師としての社会的使命と言う視点はどこかに置き忘れてしまっていて、自分だけが良ければそれでいい(稼ぐことが目的)とでも言うのでしょうか(「アルツハイマー型認知症」の発病の予防については、ここを「クリック」してください)。   

     

&3「重度認知症」(大ボケ)の段階で発現する症状と脳の機能レベル

○ 専門家達は脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働きを看過している

私たちの意識的な思考や身体の動静としての行為や言動或いは表情や感情の表出の程度及びその態様は、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合のアウトプットそのものなのです。そうした脳全体のアウト・プットそれ自体が、病気の「症状」とならないものであるためには(言い換えると、正常なものであるためには)、「前頭葉」の機能が正常なレベルに保たれていることが、「必要不可欠」の条件となるのです。

この視点が、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされる人達の問題意識にないことが、単なる生活習慣病でしかない「アルツハイマー型認知症」を、原因不明で治らない不可解な病気にさせてしまっている重大な原因であり理由なのです。様々な程度態様で生活している生きた人間の実際の生活実体を、「前頭葉」を含む脳の働き具合(「脳の機能レベル」)とそのアウト・プットとしての生活実態(社会生活面や家庭生活面やセルフケアの面に区分した「生活の自立度」)を、私たちが開発した「二段階方式」に代表されるような神経心理機能テストを活用して、精緻で多数の脳機能データを集積し解析してみれば、「アルツハイマー型認知症」の正体、「発病のメカニズム」を知ることは、それほど難しいことではないのです(ここを「クリック」してください)。

    

○ 人間だけに特有な「前頭葉」と言う脳の機能とその役割

自分が置かれている「状況の判断」の下で、且つ「状況判断」に沿った様々な「テーマ」を発想し、企画し、計画し、洞察し、シミュレーションし、修正し、決断し、決定しているのが「前頭葉」の働きなのです。こうしたメカニズムのもとで働いている、脳の意識的な働きの具合(機能レベル)のアウトプットが、すなわち私たち人間の意識的な行動(言動、身体の動静、或いは思考)なのです。

思考や判断、行為や言動、或いは感情や表情の表出としてのアウトプットそれ自体が正常なものでなくなったとき、私たちはそれを症状と呼ぶのです。そうしたアウトプットが異常なものであるとき(病気レベルとしての症状を示す時)、「アルツハイマー型認知症」の場合は、その震源である「前頭葉を含む脳の機能レベル」が必ず異常なレベルにあることを、「二段階方式」の活用により私たちがこれまでに集積してきた極めて多数の「脳機能データ」が明らかにしているのです。認知症の専門家とされる人達から、原因不明の病気と言われている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、「前頭葉」を含む脳の異常な機能レベル下でのアウトプットそれ自体が「認知症の症状」を示すところに一番の特徴があるのです。

だからこそ、「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズム(発病の原因)を知るにも、治療の方法を知る(開発する)にも、予防の方法を知る(開発する)にも、脳全体の司令塔(コントロールタワー)の働きをしている「前頭葉」の働き、特に「加齢とともに進行する老化による機能の衰え方」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能に構造的に潜む「正常老化の性質」)についての知識が不可欠になるのです。ところが世間で認知症の専門家とされている人達は、こうした点、特に「前頭葉」の老化による機能の衰えというテーマに無関心なこと(或いは知識が欠けていること)が、早期診断による回復も予防も可能である廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」でしかない「アルツハイマー型認知症」を原因不明で治らないと専門家たちが主張する摩訶不思議な病気の世界に追いやっている最大の原因なのです。

      

○ 「記憶障害」ではなくて、「前頭葉」の機能障害が本質

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階であり私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、左脳も右脳も運動の脳も全て未だ正常な機能レベルにあるのに対し、脳全体のコントロールタワーである肝心の「前頭葉」の機能自体が異常なレベルに衰えていることが重要なのです。コントロールタワーの「前頭葉」の機能レベルが異常なレベルにある限りは、左脳、右脳及び運動の脳が正常な機能レベルに在ろうとも、脳全体としてのその働き具合のアウトプットは、異常な症状、つまり「認知症の症状」となって発現してくることになるのです。上述した三つの学説も、「DSM-4」も、このことに気付いていないか、或いはそのメカニズム自体を知らないのではと疑わざるを得ないのです(ここを「クリック」してください)。

 (コーヒー・ブレイク) 「二段階方式」の神経心理機能テストを活用し、生きた人間の脳の働きとその働き具合を対象として、私達が長年にわたって根気強く精緻なレベルで実施し集積してきた極めて多数の「脳機能データ」の解析から、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、早期発見により回復させることも、発病自体を予防することも可能な廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であることが解明されたのです。以前のこのブログで関連する「脳機能データ」のグラフを開示しましたが、そもそも私達人間の脳には、脳をどのように使っていようとも(「生活習慣」の如何に拘わらず)加齢とともに機能が衰えていくという性質(「正常老化」の性質)が備わっているのです。

「前頭葉」の基礎的な機能をなす、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の「3本柱の機能」にその性質(「正常老化」の性質)が備わっていることを、「二段階方式」と呼称する神経心理機能テストの活用による2万例に上る精緻な「脳機能データ」の解析で私達は発見しているのです。

消費税の更なる増税を目前にしていても、ピント外れの物ばかりで、実りのある議論はなされていないのです。与党も野党も、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防並びに本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて治せるようなシステムを制度化すれば、夢のような規模での「医療費の抑制」が達成できるのです。増税分は、ほかの目的に使えるのです。

    

「予防」することができる病気なのに予防対策を考えてもみないで放置したままでいて、早期の段階で見つければ「回復」させることができて、介護費用が掛からなくなるというのに、名医どころか実態は迷医の言うことを鵜のみにして、末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が出てくるまで待っていて、そこで初めて「アルツハイマー型認知症」の発病だとかいう「医師の診断」を放置していて、言わば、「蛇口を開きっぱなし」にしたままでいるのです。消費税を2%増税したところで、2兆円の増収にしかならないのです。介護保険の適用基準を絞ってみたり、「家族介護」に舵を切ってみたところで、費用の抑制効果は僅かな規模の金額にしかならないのです。増大する一方の「介護費用」の抜本的な抑制を図るには、発病自体の「予防」と早期発見による「回復」以外に方法は無いのです。 

具体的には、市町村と地域住民との協働による脳の活性化を目的とした「地域予防活動」を制度化することなのです。脳の使い方と言う視点での「生活習慣」の改善及び「脳のリハビリ」による「回復」を目的とした実践的な「予防活動」なのです。全国の自治体で、且つ小さな地域単位で、上述した市町村が主導する「地域予防活動」を制度化し実践すれば、「単年度で数兆円規模」での「費用の支出を抑制」することも夢ではないのです(ここを「クリック」してください)。 

 増税を繰り返されようとも、約束とは違う使われ方をされようとも、貧富の格差が拡大していこうとしていようとも、何も言わず、デモもせず、じっと我慢だけをしている、そんな我が国の国民に対して、どのような問題提起の仕方、訴え方をしたら、その重い腰を上げてくれることになるのかしら、「思案投げ首」の今日この頃なのです。ア~! 嘆かわしや。

      

&4 「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムとは

○ 「前頭葉」の三本柱の機能に潜む「正常老化」の性質

「前頭葉」には、上述のように、「正常老化の性質」が備わっている為に、「高齢者」と呼ばれる年齢の人達、60歳を超えた年齢のお年寄りが、脳の司令塔の「前頭葉」を含む脳全体の機能が使われる機会が極端に少ない単調な生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もないというナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続する日々を過ごしていると、そうした「生活習慣」の下では、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」を含めた脳の機能が加速度的に衰えてくることになるのです(正常な老化に加え、廃用性の機能低下が加わることで、加速度的で、且つ異常な脳機能の低下が進むことになるのです)。

そして、廃用性の加速度的で、且つ異常な脳機能の低下が進んでいくその先に、異常な症状の発現、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っているということなのです(ここを「クリック」してください)。  

      

&5 脳の機能及びその機能レベルから見た「大ボケ」の症状

       

 (小ボケ、中ボケ、大ボケ:かなひろい-MMSの散布図)

上掲した三つの図、私たちが開発した「二段階方式」の手技を活用して、「前頭葉」を含む脳の働き具合を調べた「脳の機能図」です。小ボケ、中ボケ、大ボケへと症状が次第に重くなっていくのは、「アルツハイマー型認知症」の専門家とされている人達が主張しているような、「記憶障害」が直接の原因なのではないのです。

脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の働き具合が、「小ボケ」の段階では、居眠りをしている程度だったのが、「大ボケ」の段階になるとほとんど機能しなくなっているのが右端のグラフから分かるでしょう。「大ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階では正常な機能レベルに合った「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」までもが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続と言う生活習慣の下で、(日々使われる機会が極端に少ない生活に起因する)廃用性の加速度的で異常な機能低下を起こしてくる結果として、脳全体の機能の劣化が起きてきているのです。意識的に何かをしようとする場面での、そうした脳全体の機能レベルのアウトプットそれ自体が、「小ボケ」や「中ボケ」や「大ボケ」レベルでの症状となって発現してきているのです。「アルツハイマー型認知症」は身体が持つのに脳が持たないのが特徴なのです。何か他の病気が原因で死を迎えることになるまで、症状が進行し続けていく(「前頭葉」を含む脳全体の機能の異常な低下が進行していく)のです。「大ボケ」の段階になって、更にその本当の意味での「末期」の段階になってくると、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能がほとんど働かなくなってくるので、「意識的」に何かをしようとすることさえしなくなってしまうのです。

日々使われる機会が極端に少ないナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続していることに直接に起因して、「前頭葉」を含む脳機能が、「廃用性」の加速度的で、且つ異常な機能低下を進行させていくことにより、「前頭葉」を含む脳の機能レベルの直接のアウト・プットそれ自体が、「アルツハイマー型認知症」の段階的な症状(小ボケ、中ボケ及び大ボケ)として発現してきているだけなのだということを「アルツハイマー型認知症」の専門家達(世界中の学者や製薬会社の研究者や医師達)に問題提起しておきたいのです。それ故にこそ、「アルツハイマー型認知症」を発病する対象者は、50歳代以下の若い年齢の人達ではなくて、60歳を超える年齢の「高齢者」だけに限られているのです。

このことに気づかない限り、何時まで迷路におけるエサを探すラットの行動を追っかけまわしてみたところで、回復させることが可能な本当の意味での早期の段階を見つける途も、その段階にある人達を脳のリハビリによって正常なレベルに回復させる途も、牽いては、「アルツハイマー型認知症」を発病させているそのメカニズムズムを発見する途も、全てが、霧の彼方に遠ざかってしまうことになるのです。

     

○ 「大ボケ」の症状の概観

米国精神医学会の診断規定である「DSM-4」が、「記憶の障害」を診断の第一の要件に規定している、言い換えると、記憶の障害が基礎(第一次的な要因)となっていて、そのことが失語や失行や失認と言った症状(第二次的な要因)を発現させているという考え方、「アルツハイマー型認知症」の症状発現のメカニズムに対する重大な誤解から、学者や研究者や医師と言った世界中の専門家とされる人達が皆、重度の「記憶障害」の症状さえあれば「アルツハイマー型認知症」だと言ったり、或いは「アルツハイマー型認知症」の「前駆的な症状」(MCI)だと言ったりする過ちを犯すことになってしまっているのです。

以下に掲げる症状は、私たちの区分で言うところの「重度認知症」(大ボケ)の段階、もはや回復させることが困難な「末期の段階」に特有な症状ばかりなのです。子細に検討してみればそれらの症状は、記憶障害に直接起因している症状が発現しているのではなくて、「前頭葉」を含む脳全体の働きがほとんど機能しなくなってきていることが症状発現の直接の第一次的な原因だということ(「記憶障害」の症状は二次的で、且つ付随的な症状に過ぎないことが)が、専門家ではない皆さんのレベルでも、お分かりだと思うのですが。「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてくると、意識的に何かを行うときに最も必要な機能である状況の理解と判断と言う「前頭葉」の機能が殆ど(症状が進むと全く)働かなくなっていることが原因なのです「前頭葉」の働きの詳しいメカニズムについては、ここを「クリック」してください)。何時の日になったら、専門家とされる人達がこのことに気づいてくれるのやら。  

   ア~! 嘆かわしや。

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている

□ 風呂に入るのを嫌がる

□ 服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり上着に足を通したりする

□ 家族の名前を間違えたり、子供を配偶者と間違えたりする

□ 食事やあいさつをしたことなど直前に起きたことをすぐに忘れてしまう

□ 家庭生活にも全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)

□ 自宅に居ても落ちつかず、出て行きたがる

□ 大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)

□ 自宅の方向が、たびたびわからなくなる

□ 同居している家族の名前も顔もわからない(家族かどうかも分からない)

□ 今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)

□ 痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする

□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ

□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする

   

 注)本著作物(このブログB-22に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

        脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

       

 


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