認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

情報発信基地としての伊豆高原の我が家 (臨時掲載)

2014-07-24 | 脳を活性化させる「テーマ」を探して

○ 早い段階で見つければ、治すことができる病気なのです

 色々なタイプがある(種類がある)認知症の中でも、発病者の90%以上を占めていながら、世界中の認知症の専門家と言われる人達から、「原因不明で治らないし、予防もできない病気」とされている「アルツハイマー型認知症」(老年性アルツハイマー病、或いは、晩発型アルツハイマー病とも呼ばれます)と言うタイプの認知症は、「前頭葉」を含む脳の使い方としての「生活習慣病」であるというのが「脳機能データ」と1995年に活動を開始して以来これまでに北海道から九州まで広い範囲での市町村における「地域予防活動」の指導に基づく実践の成果とに裏付けられた私たちの主張なのです(ここをクリック」してください)。

 「東日本大震災」の被災地の60歳を超える年齢の「高齢者」達の間で、この3年間に密かに進行し続けている発病と徐々に進行している症状の重症化により、認知症の専門家達が「アルツハイマー型認知症」の症状と認めるレベルの症状、言い換えると米国精神医学会の規定である「DSM-4」が規定する第一の要件としての「記憶の障害」の症状と第二の要件としての「失語、失行、又は失認」という症状との両者が確認される段階、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階の症状を示す人達の存在が、この先1~2年もすると、認知症の専門家達が驚くほどの多人数となって、且つ極めて高い発病率で明るみに出てくることにより、マスコミが大騒ぎする事態が出現することになるはずなのです。

    

このことを、2年前のこのブログの開始時点からずっと、私たちは予告し、訴え続けてきているのです。2年後に皆さんは、この予告(警告)の内容が極めて正確なものであったことを知ることになるのです。その時こそ皆さんは、「アルツハイマー型認知症」の「地域予防活動」と「早期診断」による回復という「テーマ」を全国民的な課題として取り組まなければならないことを自覚していなければならないのです。何故なら、規模や発病率が東日本大震災の被災地の高齢者ほどではないとはいえ、厚労省が発表している「アルツハイマー型認知症」の人達の人数には、私たちの区分で言う「小ボケ」も「中ボケ」も入っていないからです。

あの人数は、「大ボケ」だけの数に過ぎないのです。「小ボケ」と「中ボケ」とを併せた人数は、「大ボケ」の人数の3~4倍にもなるというのが、私たちが把握している数字なのです。「小ボケ」と「中ボケ」と「大ボケ」とを併せた「アルツハイマー型認知症」を発病しているお年寄りの数が天文学的な数字となっていて、且つ回復させることが困難な「重度認知症」(大ボケ)の段階のお年寄りの介護に要する費用の総額が年間15兆円を超える規模に膨らんできている現実を知ることになるからです。

  

○ 「三つの段階」に区分される段階的な症状を示すのが特徴

「アルツハイマー型認知症」は、脳血管性認知症などとは異なり、症状が段階的な症状を示し、且つその症状が徐々にしか進行していかないのが特徴なのです。東日本大震災の被災地でのこの3年間は、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階から、症状の進行が速い人でも次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階の人達しか目につかなかったのが、この先は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に症状が進んだ人達が極めて多数現われてくるようになるのです(ここをクリック」してください)。

私たちは、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」を含めた「脳の機能レベル」を精緻に計測し判定できる、「二段階方式」と呼称する私達が開発した独自の物差しを持っています。「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの脳の精緻な機能レベルを測ることにより、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「軽度認知症」(小ボケ)に始まり、「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、最後は、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階へと症状が徐々に進行していくという特徴があることが分かるのです。医療の現場では、「アルツハイマー型認知症」であるかどうかの診断に際して、脳の形や萎縮の度合いを判定する為にCTやMRI等の機器を使用することが多いのですが、CTやMRIでは「前頭葉」を含む脳の機能レベルを判定することはできないので、本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)の計測及び判定はできないのです。回復させることは困難で、介護するしか他に取るべき途がない「大ボケ」の段階で見つけていたのでは、医療費の無駄遣いをしているとしか言いようがないのです。

  

○ 早期の段階で見つけると、回復させることが可能なのです

私たちが、「アルツハイマー型認知症」の症状を三つの段階に区分するのには、重大な意味があるからなのです(三つの段階区分ごとに症状を類型化しています)。「小ボケ」は、脳のリハビリ(脳を活性化させる生活の実践)により正常なレベルに脳の機能を回復させる(「アルツハイマー型認知症」を治す)ことが容易であり、「中ボケ」は回復させることが未だ可能であり、「大ボケ」にまで症状が進んでしまうと(「前頭葉」を含む脳の機能がそこまで衰えてしまうと)回復させることはもはや困難になるという問題があるからなのです(ここを「クリック」してください)。

ところが、認知症の専門家とされる医師達は、三段階に区分されることも知らないで、内容自体が重大な誤りである「DSM-4」の規定内容の権威を金科玉条のように信望して、回復させることが困難な「大ボケ」の段階で見つけているだけなのです。「介護」するしか他に途がない「大ボケ」の段階で見つけることに、何の意味があるのかと聞きたいのです(ここをクリック」してください)。

 「小ボケ」の段階    回復させることが容易

 「中ボケ」の段階    回復させることが未だ可能

 「大ボケ」の段階    回復させることはもはや困難

現在の状態のままで「蛇口を開けっ放しにしたまま」で居ては、介護保険制度が財政面から早晩破綻してしまうことになるのです。「大ボケ」の段階にまで症状が進んだお年寄りは、「家族介護」では困難なのです。家族が共倒れになってしまうからです。「大ボケ」の人達の介護にこそ、「介護保険制度」が必要不可欠なのです。「東日本大震災」の被災地のお年寄り達の今後の動向に常に注目し、私たちの主張の通りになった暁には、市町村の保健師さんが中核となり、地域のボランティアさん達との協働による、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防に全国民的に、且つ全国的に取り組むべきだという「問題意識」と「危機意識」とを皆さん方がまず強く持つに至って欲しいと願うのです(ここをクリック」してください)。

  

○ 情報発信基地としての伊豆高原の我が家

発病自体を予防することも、早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけると治すことができるのに、何の対策も打たれないでいて、治すことがもはや困難な「大ボケ」の段階で見つけられている、それが、「アルツハイマー型認知症」に対する医療現場の診察の実態なのです。世界中で誤解されて放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」について、正しい知識を発信するための基地がここ伊豆高原の我が家なのです。この春から夏にかけての、その景色の移り変わりをご覧ください(写真をワン・クリックすると、画面いっぱいに拡大されます)。

   

   5月


   

    7月

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    脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

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風景写真(After) 臨時掲載

2014-07-23 | 脳を活性化させる「テーマ」を探して

 Tadの闘いの跡を見てあげてください。激戦ぶりが想像いただけるでしょうか。何しろ、電動枝刈器が3台もおしゃかになってしまったんですから。

風景写真(After)

   

   

   

   

 為せば成る、為さねば成らぬ 何事も 成らぬは人の 為さぬなりけり

 風景写真(Before)をもう一度見て確認してみてください。あの状態を一目見ただけで、たいていの人は意欲を喪失してしまうと思うのです(実はTadは、今年の4月に古希を迎えたのです)。何しろ、連日35度の猛暑だったのですから。Tadって,何事にも意欲がある人なのね。本当に感心するの。

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風景写真(Before) 臨時掲載

2014-07-22 | 脳を活性化させる「テーマ」を探して

Tadの手が入る前の(磐田市にある我が家の)状態を示す証拠写真です。

写真を One・kurick ワン・クリックすると、画面いっぱいに拡大されます。

○ 風景写真(Before)

      

      

      

    


○ 風景写真(After)

明日は、Tadの奮闘により様変わった、風景写真(After)を載せますので、見てあげてください。すごいと心から感心された方は、Tadの耳に届くようできるだけ大きな拍手を送ってあげてください。

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脳を活性化させる「生活習慣」の構築 (その3  B-16)

2014-07-15 | 楽しくて意欲が湧いてくる生活と脳の活性化

     

   足し算と 引き算をして 昼寝して

     夕食前に 水戸の黄門

                      By kinukototadao

 

○ 「アルツハイマー型認知症」の正体は「生活習慣病」なのです

一般的な意味で「生活習慣病」とは、私たちの日々の暮らし方、「生活習慣」(life style)が要因となって発生する様々な疾病を指すための概念で、高血圧や脂質異常症や糖尿病等が代表的な生活習慣病とされています。但し、このブログで「アルツハイマー型認知症」の発病原因(発病させる要因)として取り上げて言う「生活習慣」とは、食事のとりかたや、水分のとりかたや、或いは喫煙/非喫煙の習慣のことではないのです。赤ワインを夕食時にたしなんでいるとかいないとか、ココアを好んで飲むとか飲まないとか、DHAとかが多く含まれている青魚をよく食べるとか食べないとか、そんなことではないし、そんなことは「アルツハイマー型認知症」の予防とは何の関係もないことなのです。肝心の「因果関係」が立証されていないので、全くの「たわごと」に過ぎないのです。

私たちが声を大にして高齢者である皆さんに言いたいのは、「前頭葉」をその司令塔として、「左脳」や「右脳」や「運動の脳」をどのような「テーマ」の下でどのような使い方をどの程度するのか、或いはしないのかという視点での日々の脳の使い方としての「生活習慣」こそが発病の予防又は発病と或いは症状の回復又は更なる進行と直接の因果関係があるのだということなのであって、そうした脳の使い方としての「生活習慣」にこそ関心を寄せて、注意していただきたいということなのです。

    

ところで、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、世界中の医師や学者や製薬会社の研究者達を含む所謂認知症の専門家と言われる人達から、「原因が不明で、治らない病気」であり、「発病を予防する方法もない病気」とまで言われ続けてきているのです。然も、相当な権威が有る人達や機関が言い続けてきているので、誰もがそれを疑わず、逆に信じ切っている状態なのです。日本中が、最果ての名もない小さな島に住む人達までもが、内容が根本的に間違っているにもかかわらず信じ切っていて、権威があるがためにその誤った主張に汚染され、毒されてしまっているのです。

誰もが、「アルツハイマー型認知症」は原因不明で治らない病気、更には発病を予防できない病気だと信じ込んでいて、「介護」しか対応する道がないと考えているのです。地方及び中央の政治家も官僚もそうなのです。その結果として、世界に冠たる「介護保険制度」を有していながら、その費用は、発病の予防や早期の段階(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて正常なレベルに脳の機能を回復させる(治す)ためには全く使用されていないのが実情なのです。認知症の専門家とされる医師達は、回復させることがもはや困難な末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が確認されるようになって初めて、「アルツハイマー型認知症」と診断する結果、「介護」するしか他に方法がなくなってしまっているのです。

発病の予防とか、本当の意味での早期診断には目を全く向けないでいて、介護するしかない「大ボケ」の段階で見つけているのが医療現場の実態なのです。「早期診断」と銘打ちながら実際には、「大ボケ」の段階で見つけて、「治すことはできないが症状の更なる進行を遅くさせる効果が期待できるケースも有る」などと言って、私たちの考え方からすればその効果に疑問のある薬を処方しているだけなのです(ここを「クリック」してください)。

    

そうした困難な状況の下で、私たちは、1995年以来日本全国440を超える市町村での「アルツハイマー型認知症」の発病の予防と早期の段階での発見による回復とを目的として、市町村の保健師さんが中核となり地域住民と協働して展開する「地域予防活動」の実践を地道に指導してきました。そうした体験と実績に基づき集積してきた私たちの「脳機能データ」に裏打ちされた経験則に照らして言えば、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、日々の「脳の使い方」という視点からの「生活習慣病」に過ぎないのです。

アミロイド・ベータ説とか、タウ・蛋白説とか、脳の委縮説とかは、因果関係を証明できていないばかりか、原因と結果とを取り違えている単なる仮説にすぎないのです。こうした学説は、それなりの権威は有るのですが、内容が無いと言うしかないのです(主張内容自体が誤りであり、且つ因果関係の証明もなく、主張の根拠となるデータも無いのです)。

    

「アルツハイマー型認知症」を発病した高齢者が、認知症を何年間も患っている状態の下で、徐々に症状が進行していき、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)に始まって、「中等度認知症」(中ボケ)の段階を経て、末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階になってもなお身体が持つ為に更に何年間も「大ボケ」の状態が続いて、他の何らかの病気が原因で死亡した人達の脳を解剖した場合の「解剖所見」で確認される脳の状態に惑わされているだけなのです。

「解剖所見」に言う「老人斑」や「神経原線維変化」や「脳の委縮」の姿や形からくる衝撃が大きすぎて、それにとらわれ過ぎていて、何か特別の原因が有るはずという彼らの強過ぎる思い込みが、「生活習慣病」という極めて単純なからくりであるにすぎない「アルツハイマー型認知症」発病の真のメカニズムを見落とさせる結果になってしまっているのです。そもそも「脳」という器官は、形が問題なのではなくて、その働き具合が肝心なのです。その働き具合を異常なレベルに落とし込んでいる真の犯人は、第二の人生を謳歌するどころか、「時間が有り余るほど有るのにすることが無い」と叫んでは昼寝ばかりしている、60歳を超える年齢の「高齢者」達の日々の脳の使い方としての「生活習慣」なのです。

何度も繰り返して言いますが、「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を含む脳の日々の使い方としての「生活習慣」、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」と言う脳の使い方としての「生活習慣」が発病を惹き起こす直接の原因であり、或いは症状を重症化させる直接の原因なのです。但し、日々の脳の使い方としての「生活習慣」が直接の原因で発病する「アルツハイマー型認知症」(晩発型、或いは老年性アルツハイマー病とも呼ばれます)は、60歳を超える年齢の「高齢者」のみを対象として発病するという特徴があります(実態を多数及び詳しく調査し評価してみれば、認知症全体の90%以上を、この廃用性のアルツハイマー型認知症が占めていることが分かるのです。皆さんが普段お目にかかるのは、ほとんどがこのタイプの認知症なのです)。このことは極めて重要な事実なのです(ここを「クリック」してください)。

    

これと似て非なるものに、「アルツハイマー病」というタイプの認知症があります。早いケースだと30歳代から、遅いケースでも50歳代までの若い年齢で発病する「アルツハイマー病」(若年性アルツハイマー病とも呼ばれます)は、生まれつき数種類の遺伝子に異常が確認される人だけを対象として発病する極めてまれな認知症なので(認知症全体の1~2%を占めるに過ぎません) 、両者を混同しないよう注意してください。発病のメカニズム(原因)も、発病後の症状の進行速度も、予防や治療の可能性という点でも両者は全く異なるものなのです。

両者が似ているのは、死後に脳を解剖した時の「解剖所見」が似ているというだけなのです。その場合にも、「アルツハイマー型認知症」の場合は、末期の段階である「重度認知症」の段階の症状が確認されるようになって更に何年間も生きた人の解剖所見の場合だということに注意が必要です。

    

加齢が原因で膝の筋肉が徐々に衰えてきた60歳を超える年齢のお年寄りが、しばらくの間歩くことを怠っていると、家の前のちょっとした坂道さえ歩くのに苦労するようになることについては、皆さんも体験的にご存じのことでしょう。実は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」についても同じようなことが言えるのです。

「前頭葉」を含む「脳の機能データ」の年齢別の推移の解析により、私たちが最初に発見し「正常老化の性質」と名付けている内在的な性質、すなわち、「前頭葉」が比較的に良く活性化されるような生活習慣を維持していても、「前頭葉」には加齢とともにその働きが緩やかではあるが直線的に衰えていくという性質が存在しているのです。

そのため、60歳を超える年齢の「高齢者」が(発病の「第一の要件」)、何かを「キッカケ」にして、「前頭葉」の出番が極端に少ないような生活をしていると、言い換えると、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の下で日々を過ごしていると(発病の「第二の要件」)、第一の要件と第二の要件とが重なり合うことによるその相乗効果によって、「前頭葉」の働きが加速度的に衰えていくことになるのです(ここを「クリック」してください)。

それまでは正常なレベルにあった「前頭葉」の機能が加速度的に衰えていき、異常なレベルに機能が衰えたところに待っているのが「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の発病なのです。

    

○ 「段階的症状」を示すのが「アルツハイマー型認知症」の特徴

発病したばかりの最初の段階を私たちは、「軽度認知症」(小ボケ)と呼び、次の段階を「中等度認知症」(中ボケ)、最後の段階である末期の段階を「重度認知症」(大ボケ)と呼んで区分しています。認知症の専門家とされる学者達も研究者達も医師達も、「アルツハイマー型認知症」の症状の段階区分をしないのですが、三段階からなる私たちのこの区分には、極めて重要な意味が有るのです。「小ボケ」は正常なレベルに脳の機能を回復させることが容易であり、「中ボケ」は回復させることが未だ可能であり、「大ボケ」は回復させることがもはや困難だからです。

「アルツハイマー型認知症」は、症状が、何年もかけて徐々に次第に重いものになっていく(然も上述のように段階的に進行していく)ことが特徴なのです(ここを「クリック」してください)。本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」と「中ボケ」の段階)の間に見つけて「脳のリハビリ」を実施することにより「前頭葉」を含む脳の機能を正常なレベルに回復させる機会を失ってしまうと、何らかの他の病気を発病して死を迎えることになるまでその間ずっと、症状が徐々にではあるものの進行し続けていくことになるのです。

そして、「大ボケ」の段階にまで症状が進んでしまったお年寄りを家族が介護していると、家族も共倒れになってしまうのです。「家族介護」という言葉に美談的な要素を求める風潮は、極めて危険です。介護する側の人達、特に介護する「家族の人生」と言う視点にもっと目を向けるべきだと思うのです。

     

○ 「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する脳の使い方

「アルツハイマー型認知症」が「生活習慣病」であるということは、「アルツハイマー型認知症」を予防するには(「前頭葉」を含む脳の働きを正常なレベルに保ち続けるには)、脳の使い方という視点での「普段の生活習慣」が決め手になるということでもあるのです。発病自体を予防する上での決め手になる「生活習慣」とは、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の出番が出来るだけ多くなるような生活を自分なりに工夫し構築して、「前頭葉」の働きを活発にしてやる「日々の脳の使い方」としての「生活習慣」を実践することなのです。

脳全体の司令塔としての「前頭葉」の働きの中核的なそれは、自分の置かれている状況を判断し、状況に沿ったテーマを思いつき、テーマを実行する内容と手順を計画し、実行した場合の結果をシミュレーションし、シミュレーションに基づいて実行すべき内容や手順を選択し、選択した結果に基づいて脳の各部(左脳や右脳や運動の脳)に対し必要な指令を出すという一連の作業を行うことなのです。この一連の作業を一定の機能レベル以上で実行するには、一定の機能レベル以上の「認知機能」の発揮が要求されることになります。その認知機能の発揮レベルを支える基礎となる働きを担っているのが、「前頭葉の三本柱」と言うことなのです。

     

○ 脳を活性化させる「生活習慣」とは

ところで、「脳を使う」と言うと皆さんは直ぐに「左脳」を使う(仕事や勉強をする)イメージをお持ちだと思いますが、仕事とは無縁になる第二の人生では、「アルツハイマー型認知症」を予防するための「脳を活性化」させるエース・ピッチャーは、実は「右脳」なのです。

皆さんは、「時間が、あっという間に経ってしまう体験、またやりたくなるような楽しい体験」をいくつもお持ちでしょう。こんな時間こそ、脳全体が極めて活性化している、イキイキと働いている時間なのです。脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり「楽しむ生活」を、自分なりのやり方で実践すること、それ以外の方法はないのです。

「前頭葉」の三本柱の機能に力があり、余力がある年齢が若い頃は、どんな辛いことにも耐えられるのです。楽しくなくても、嫌なことでも頑張ってやり通せるのです。60歳を超えた年齢の「高齢者」として第二の人生を歩んでいる皆さんには、そうした力も余力もないのです。辛いこと、楽しくないこと、嫌なことをやっていると、「意欲」が萎えてしまうのです。注意の集中が効かないのです。注意の分配力の機能の回転が落ちてしまうのです。そうした状況や日々が続いていると、「意欲」の機能が衰えてしまうのです。「注意の集中力」の機能が衰えてしまうのです。「注意の分配力」の機能の回転が落ちてしまうのです。その挙句に、何事にも「意欲」が出てこなくなって、何をしていても注意の集中力が発揮できなくなって、複数のことを同時にすることなんかどこかに置き忘れた状態になってしまって、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まることになるのです。

    

 「趣味や、遊びや、人づきあい」などを自分なりに楽しむことで、自分なりに目標や喜びや生き甲斐があり、意欲が湧いてくるような毎日を過ごすことが、「前頭葉」を含む脳全体の働き具合を正常なレベルに保つ、言い換えると「アルツハイマー型認知症」の発病を予防することになるのです。

趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」の三本柱の機能である、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の出番を増やし、働きを活性化させることになり、脳全体の機能が正常レベルに維持されることになるのです。

趣味や遊びや人付き合いが苦手な人は、「運動の脳」を使うことが脳を活性化させる上で意外と効果的なのです(ここを「クリック」してください)。「左脳」を使うテーマも勿論あっていいのですが、皆さんが思っている程の効果は実はありません。「第二の人生」を送っているということは、「仕事」はもうテーマにならないのです。「勉強」があるじゃあないかという人がいるかと思いますが、勉強が好きで好きで、食事をするのも忘れて、勉強に熱中した経験があるような人は、恐らく極く少数派だと思うのです。ましてや60歳を超えた「高齢者」であればなおさらのことだと思うのです。

    

(コーヒー・ブレイク) 世間では、小学校の低学年レベルの「平仮名で書かれた文章の音読」や「一桁の足し算と引き算程度の簡単な計算」(これらは、共に「左脳」を使うテーマなのです)を日々の生活の中に取り込み実践することが、脳の活性化に役立つと主張する一部の研究者がいて、一部の施設などでは実際に日課として取り入れられているようです。

このような程度のものでも、その作業をしているときには、関係する脳がそれなりのレベルで働くのは当たり前のことなのです。必要とされる脳機能の程度は低くても、「前頭葉が絡む意識的な世界」であることに変わりがないからです。その時の脳の作用を「f-MRI」などを使って計測しても、それが「効果を証明することにはならない」のです。そのとき、そこに「意識的な世界」があり、関係する脳の機能が或るレベルで働いていると言うことを証明しているだけのことなのです。

(因果関係を含めた効果の正しい評価を行う為に、趣味や遊びや人付き合いや談笑を楽しむ場や生活を排除した上で)これに特化した生活を何カ月か継続させたお年寄りの「前頭葉」の機能レベルの変化(悪化、維持、改善の評価)を「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストで計測し評価してみれば、効果があるのかないのかがはっきりとわかるはずなのです。このようなレベルの「左脳」刺激の方法では、大事な時間をかける割に大した効果が期待できないので、私達は、極力排除するよう指導しています。

     

○ 脳の活性化と「前頭葉」の三本柱の機能との関係

第二の人生を過ごしている高齢者にとっては、やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような「趣味」や「遊び」や「人づきあい」を積極的に楽しむ場や生活の体験、言い換えると「右脳」がらみの生活とその仕方を工夫することが、脳を活性化させるのに不可欠ということなのです。それを実感できているときは、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている、「意欲」が湧き出てきていて、「注意が集中」できていて、「注意がいろいろなことに分配」できているからです。言い換えると、そうした時間は、「前頭葉」の三本柱の働きが、極めて活性化している、生き生きと働いている時間であり、場面であり、生活であると言うことなのです。

私達が開発した「二段階方式」のシステムを導入している市町村では、「二段階方式」を活用して、認知症の「予防教室」に参加しているお年寄りたち全員の脳全体の機能レベル(前頭葉、左脳及び右脳)を定期的に検査し、所定の基準に基づき三段階に区分して評価(「改善」、「維持」及び「悪化」)しています。その評価の基礎データと評価結果とは、「二段階方式」の「管理ソフト」により、個人別、グループ別及び地域単位別に集計され、「時系列管理」されます。集積された極めて多数の「脳機能データ」の分析の結果から、上述した問題が確認されているのです。 

        

○ 脳の活性化の「テーマ」を求めて奥会津を訪問

今月、7月の3日、4日、5日、6日と三泊四日で小旅行に行ってきたのです。伊豆高原に住んで居るお友達1人、横浜に住んで居るお友達1人、それにTadと私の4人が一緒の行動だったのです。

実は、今回も、全行程が車での移動だったのです。(但し、私自身は二泊三日で十分可能な行程と考えていたのだけど)、長距離の運転なので、慎重居士の(と言うよりは、risk管理がきちんとできる)Tadの意見に従って、一日目は東急ハーベストクラブの那須に泊まり、二日目に奥会津玉梨温泉の恵比寿屋に泊まり、三日目は東急ハーべストクラブの日光に泊まるというように、比較的ゆったりとした、日程を組んだのです。何せ、時間だけは十分にある私たちなので、急がず慌てず、ゆったりとした行程にして、日本ミツバチの探訪だけでなく、旅程自体をもしっかり楽しもうということで意見が一致したのです。

言い遅れましたが今回の旅のそもそもの目的は、「奥会津日本みつばちの会、オフィス・コロボックル」が主催する、「日本ミツバチセミナー」への参加ということだったのです。そもそもの動機は、脳を活性化させるという「テーマ」の具体的な例示を皆さんにお示しして、参考にしていただこうと考えたのです。

田舎に住んでおられる「高齢者」であれば、日本全国どこの田舎でも、日本ミツバチを飼うことはできる自然環境があるので、このテーマについてこの先1年間を、どんな風に楽しんでいったのかをこのブログを通してお知らせしようと考えたのです。

    

 ○ 日本ミツバチの飼育に関する情報の収集

  当日は、奥会津は金山町の「小学校の廃校舎跡」の特設会場に100人ほどの方が集まっていました。そのうちの30人ほどがすでに巣箱を設置して日本ミツバチの採集に成功している人達で、残りの人達は私たち4人を含めて、これから巣箱作りに取り掛かろうという人達でした。その時初めて知ったことだったのですが、日本ミツバチを育てることを趣味とする愛好者、所謂「週末養蜂家」と言われる人達は、東北地方だけでなくて、中部地方や関西圏にも広がっていて、関西方面では京都が中心地であることなどもわかってきたのです。少しでも興味が湧いてきた人は、インターネットで検索してみてください。

○ 日本ミツバチを捕獲し、飼育するための巣箱の制作と設置

 次回のこのブログでは、重箱式巣箱の制作奮闘記として、その詳細を語る予定です。

 注)本著作物(このブログB-16に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

   脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

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アルツハイマー型認知症の予防と脳を活性化させる「生活習慣」の構築(その2  B-15)

2014-07-01 | 楽しくて意欲が湧いてくる生活と脳の活性化

  肩書を 信じてしまう 世の人は

    イワシの頭も 信心からと  By kinukototadao

    

○ 脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉

「アルツハイマー型認知症」予防の講演のために北九州に2泊3日の日程で出かけるTadを伊豆高原の駅まで送って行った後、これからの3日間をどのようにして過ごそうかと考えたのです。

その時、ハタと考えついたのが、映画を見に千葉まで出かけていくことだったのです。「降りてゆく生き方」と題するその映画を見るために千葉まで出かけていくという一つの理由は、私の長男が上映後に開催される会議のパネラーに選ばれていること、もう一つの理由は、「第二の人生」での生き方にも共通する視点と言うか、何か参考になるものがあるのではと考えたからなのです。

私の家は庭が広くて、この梅雨のおかげで、上の庭も下の庭も雑草が長々と生い茂ってしまっている状態なのです。私の家はお客様が多い家なので、今一番に為すべきテーマは、この雑草を抜き取り、それなりに見られる状態にすることなのです。状況を判断した時、今一番に何をなすべきなのか、良く分かっているのです。でも、Tadがいない明日からの2日間の過ごし方として、上述のテーマを考え付いたのも、私の「前頭葉」なのです。

    

私たちが意識的に何かを考えようとするとき、或いは何かのテーマを発想して実行しようとするとき、なくてはならないのが「前頭葉」という脳の働きなのです。その「前頭葉」は、運動の脳、左脳及び右脳を統括し、「脳全体の司令塔」の役割を担っています。「左脳」が「デジタルな情報の処理」を実行するときも、「右脳」が「アナログな情報の処理」を実行するときも、「運動の脳」が「身体を動かす」指令を出すときも、三頭立ての馬車(左脳、右脳、運動の脳の三頭の馬)の御者の役割をしている「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)のコントロールと指示なしには、勝手には働かない仕組みになっているのです。

意識的に何かのテーマを発想し、或いは実行するには、その時自分が置かれている「状況の判断」が極めて重要となります。状況の判断次第で、テーマを別のものに変更したり、或いは実行の仕方を変更する必要が出てくるからです。その状況の判断を行うのも、状況の判断に沿って三頭の馬をコントロールするのも、「前頭葉」の重要な役割の一つなのです。三頭の馬のどれかが働くときには、必ず「前頭葉」による、事前の関与、判断とその指示が為されるのです。言い換えると、「前頭葉」が三頭の馬を主導し、コントロールしつつ、同時に協働して働くというのが、意識的な思考や行為の下で人間の脳が働くときのメカニズムなのです。

     

○ 「前頭葉」の諸機能の発揮度に関わる三本柱の機能

今日は、朝方からしとしとと雨が降っています。梅雨に特有のうっとうしい天気なのです。雨の中を買物に出かけていくのも億劫なので、ありあわせの材料で、夕ご飯を作ろうと考えたのです。とりあえず、冷蔵庫を開けて、何があるのかを見てから、考えようと思ったのです。皆さんもきっとそうなさるでしょう。ところがどっこい、認知症の専門家達が「不活発病」とか名づけて見逃している「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、私たちの区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階で既にその「前頭葉」は、冷蔵庫の中に残っている食材の種類とその量をベースにして、且つ同居している家族の構成をも考慮した上で、足りないものを考えて、過不足が無いだけの量の夕食のメニュー用の食材をスーパーで買ってくる程度のことさえもできなくなってしまっているのです。

それは、加齢による老化現象ではないのです。「前頭葉」の三本柱の機能が、廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で、異常なレベルに衰えてきたことにより発現してくる、「アルツハイマー型認知症」の初期症状(「小ボケ」の症状)そのものなのです。認知症の専門家とされながら、認知機能を発揮する上で最も高度で、且つもっとも重要な機能である「前頭葉」のことをよく知らない人達が、本当の意味での「初期症状」の段階を見落としているだけなのです(ここを「クリック」してください)。

    

上述のように、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で、異常なレベルに衰えてきた「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプット自体が認知症の症状として発現してくるものなのです。最初に回復させることが容易な「小ボケ」の段階の症状が出てきて、次いで回復させることが未だ可能な「中ボケ」の段階の症状に進んで、最後に回復させることが困難な「大ボケ」の段階に進むのです(ここを「クリック」してください)。然もその症状の進行は、長い期間をかけて徐々に「段階的な症状」の進行を示すのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であることも知らないで、医療機関では末期の段階の「大ボケ」の症状が確認されて初めて「アルツハイマー型認知症」だと診断するのです(ここを「クリック」してください)。

回復させることが可能な本当の意味での初期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)を見落としていて、回復させることが困難になる末期の段階(「大ボケ」)で見つけるのが医療機関の役割だというのでしょうか。「大ボケ」の段階にまで症状が進んでしまうと、回復させることはもはや困難になるので、認知症以外の何らかの他の病気を発病して死を迎えることになるまで長期にわたって、「大ボケ」の段階の中で(且つ、症状が更に進んでいくだけの状況の中で)、ひたすら介護するだけとなるのです。

    

ところで、脳の司令塔の役割を担う「前頭葉」には人間に特有な数多くの高度な認知機能が備わっています。その「諸機能」とは、意識的に何かの「テーマ」を実行する場面では、自発性、観察、分析、考察、洞察、推理、批判、想像、理解、了解、興味、関心、発想、連想、妄想、企画、計画、創意、工夫、予測、具象化、抽象化、シミュレー・ション、予見、比較、修正、整理、機転、抑制、忍耐、感動及び判断等の認知機能を言います。

ところが、それらの諸認知機能の「機能発揮度」を支えているのが、私たちが「前頭葉の三本柱の機能」と名付ける「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能なのです。然もその「前頭葉」の三本柱の機能には、私たちが「脳機能データ」の解析により発見し「正常老化の性質」と名付ける性質、すなわち、「前頭葉」の出番がそれなりに有る「生活習慣」を維持して暮らしていても、「加齢」とともに緩やかではあるが機能が衰えていくという性質が内在しているのです。30歳代の後半から症状が出てくるようになり、第二の人生が始まる60歳以降の年齢になると多発してくることになるあの「物忘れ」の症状は、この「前頭葉」の三本柱の機能の老化による衰えと密接な関係があるのです(ここをクリック」してください)。

      

○ 「前頭葉」の三本柱の機能障害の症状が「小ボケ」の症状

60歳を超える年齢の「高齢者」が「第二の人生」を過ごしていく中で、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もないというナイナイ尽くしの「単調な生活」日々繰り返すという脳の使い方としての「生活習慣」の下では、それでなくても「正常老化の性質」を内在させている「前頭葉」の三本柱の機能が、加速度的にその働き具合を衰えさせ低下させていき(廃用性の加速度的な機能低下)、上述した「前頭葉」の諸機能が不十分にしか発揮されなくなっていくのです。

「前頭葉」の機能は脳全体の司令塔の役割を担っているので、廃用性の加速度的な機能低下により「前頭葉」の三本柱の機能が異常なレベルに衰え低下してきた状態の下では、下位の機能部位である左脳、右脳及び運動の脳の全ての脳が正常な機能レベルにあろうとも(「三頭建ての馬車」の御者の役割を担っている「前頭葉」の機能が異常なレベルにある限り)、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルのアウトプットは、異常なレベルのものになってしまうのです。それらのアウトプットは、老化現象ではなくて、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の症状そのものなのです。

     

○ 「アルツハイマー型認知症」の発病を予防する「生活習慣」

色々な種類がある認知症の内の90%以上を占めていて、且つ世の中の(世界中の)認知症の専門家達の間で発病の原因が分からないとされている「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、上述のように、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルがそのまま認知症の症状として発現してくるのが特徴であり、且つ脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてくることから、最初の段階の症状である「軽度認知症」(小ボケ)の症状が発現してくるのです(この「小ボケ」の段階では、下位機能である「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」の全てが未だ正常な機能レベルにあることに注意:廃用性の加速度的な機能低下が直接の原因で発病する「アルツハイマー型認知症」の場合には、MMSで測定される下位項目を含めて、認知機能に衰えていく順番があることが特徴なのです:ここを「クリック」してください)。

逆に言えば、「前頭葉」の働き自体を正常なレベルに保っている限り(言い換えると、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルが正常であれば)、「アルツハイマー型認知症」を発病することは絶対に無いのです。発病を予防する唯一の方法は、「前頭葉」の出番が多い「生活習慣」を自分なりに構築し、且つ日々それを自分なりに楽しみながら実践していくことにより、「前頭葉」の機能を正常なレベルに保ち続けることに尽きるのです。この「自分なりに」ということが極めて重要な要件であり、その為には、周りがそれをどう見ているか、或いはどのように評価しているかは、関係ないのです。周りの目とか、世間体とかを気にしないで、割り切ることが必要で肝心なことなのです。 たった一度の人生、然も今を生きている第二の人生は、数えてみれば、残された時間はそれほど長くないのです。自分なりの「テーマ」を見つけて、自分なりに、自分の思うとおりに、 生きてみてください。

            

私たちのデータから推計すると、私達日本人の70歳代のお年寄りの30%、80歳代のお年寄りの50%、90歳代のお年寄りの75%もの人達が、「アルツハイマー型認知症」を発病するのです(%を示す数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階を含む数値であることに注意してください)。 「前頭葉」の機能に内在している「正常老化の性質」、その傾きのカーブの度合いが年を取るにつれて大きくなっていくことが上述の%の第一の要因となっているのです。

「アルツハイマー型認知症」を発病しないためには、緩やかではあるが直線的に衰えていこうとするその「老化のカーブ」を下側から支え、「前頭葉」の機能が緩やかに衰えていきつつも正常なレベルのままでいられるような日々の脳の使い方としての「生活習慣」、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲」が湧いてくるような生活、「注意の集中力」や「注意の分配力」の機能の出番が多い自分なりの「テーマ」を自分なりに日々楽しみながら実践する「生活習慣」を確立することが、60歳を超える年齢で「第二の人生」を生きているあなたに求められているのです。

    

自分なりの生活環境(住宅や住んでいる市町村などの生活環境、連れ添いの有無や家族の有無を含む家族環境、友人を含む人的な環境、身体条件、或いは経済的な条件)を考慮して、自分なりの「テーマ」を見つけて、自分なりに楽しみながら実行する「生活習慣」、「前頭葉」の機能を正常なレベルに保ち続ける為の(「アルツハイマー型認知症」を発病しない為の、発病を予防する為の)自分なりの「前頭葉の出番が多い生活習慣」を組み立て日々実践するのです。

命が長く持てば(身体が持てば)良いという訳ではないでしょう。世界に先駆けて超高齢化社会を迎えた我が国には、長寿で第二の人生を謳歌するどころか、身の回りのことも自分ではできなくて「介護」に頼るしかない状態の認知症のお年寄りが400万人もいるのです。その大半は、「アルツハイマー型認知症」であり、且つ末期の段階の人達(私たちの区分で言う「大ボケ」の段階の人達)なのです。介護保険制度は税金を投入して維持されているのです。この先さらに対象者が増加の一途をたどると予想されているのです。「アルツハイマー型認知症」を発病して、その挙句に、家族に介護して貰って多大な迷惑をかけ、終いには家族の名前も顔も分からないような状態で施設で死を迎えて、それで良いのですか。

第二の人生を生きている皆さん、家に籠って、預金通帳を眺めているだけの生活はもう止めにしませんか。家の外に出て行って、或る程度のお金も使って、他人と交わって、あなたの脳が活性化するような「テーマ」、「意欲」が湧いてくるような「テーマ」に挑戦して、「注意の集中力」を高めてそれに集中したり、「注意の分配力」の回転を上げてテキパキと物事を処理するような時間の過ごし方、自分なりの「時間とお金の使い方」の工夫をしてみてください。「時間があり余っているのに、することが無い毎日」に、明日からと言わず今日から、サヨナラを告げてください。

    

「アルツハイマー型認知症」を発病して、且つ長期間にわたって何年間も患い、医療機関で回復させることが可能な早期の段階で(私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のこと)見つけてもらえないで、末期の段階の「重度認知症」(大ボケ)の症状が出てくるようになっているお年寄りの「尊厳」とかを声高に叫ぶ識者達も世の中には居るのですが、「尊厳」とは何なのか、どのような状態で長生きすることなのか、私たち日本人は今、このテーマについて国民的な議論をすべき時期と状態に追い込まれていることを知るべきだと思うのです。「大ボケ」の段階にまで症状が進んだ人の尊厳を問題にするのであれば、「小ボケ」にさえしてはならないという問題意識を持つべきだと思うのです。

「アルツハイマ-型認知症」は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)で見つけて、脳の使い方としての生活の改善を目的とした「脳のリハビリ」に励めば治すことが出来るし、「前頭葉」の出番が多い自分なりの脳を活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を予防することが出来るのですから。更に言うと、世界に先がげて超高齢化社会に突入した我が国は、世界に例のない規模の累積債務、1000兆円を超える累積債務を抱えているのですから。発病自体を予防し、早期の段階で見つけて治すことができるようになれば、そのことだけで、我が国の累積債務を解消させることさえ夢ではなくなる、それほどの規模の介護費用が掛かっているのですから。

  

わが国には、3000万人を超える数の「高齢者」が生活しているのです。「朝寝して、新聞を見て、昼寝して、夕さりつかた、水戸の黄門」と揶揄されるような日々の暮らし方、「認知症の発病を恐れて、家に籠って、通帳を抱え込んで、水戸黄門を見るのだけを楽しみにして、ひっそりと暮らしている」お年寄りたちが、家の外に出て行って、自分なりに脳が活性化される「テーマ」にお金を使って、「第二の人生」をイキイキと生きていくような価値観が世の中に定着したら、安倍政権が掲げる経済政策の第三の矢の中核となることも出来るほどの経済効果が期待できるのです。

お年寄りが一人当たり月額1万円を脳の活性化に使うだけで、年間で3兆6000億円にもなる訳ですから。認知症を発病して、一人当たり実績平均値で4000万円にも上る介護費用を子や孫に負担させるのと、脳の活性化にお金を使い自分なりに第二の人生を楽しんで年間12万円の経済効果に貢献する生き方、その出と入りとを計算して見てください。「前頭葉」の働き方のメカニズムのことさえもよく分かっていない誰かさんが主張しているあの説に乗っかって、毎日、足し算と引き算を何時間かやることをお題目にしているあなたなら、これくらいの計算はできるでしょ。あ、ひらかなでかかれた、おとぎばなしもよんでいらっしゃるんでしたよね。あれって、私たちに言わせれば、「イワシの頭」ですよ。

 家に籠って、通帳を抱え込んで、「アルツハイマー型認知症」を発病して、介護費用が掛かるだけの「脳は持たないのに、身体だけが長持ちする」第二の人生を過ごすという生き方から、「趣味や遊びや人付き合い」に時間とそれなりのお金とを使って、自分なりに第二の人生を楽しみ、「脳が長持ちして」、生き甲斐や目標がある「第二の人生」を全うする生き方への転換が、我が国を救うことになるのです。

    

インターネットで「アルツハイマー型認知症の早期診断」と入力して検索してみてください。驚くほどたくさんのブログやホームページにお目にかかれます。ところが肝心の記事の内容は、腹立たしいほどにでたらめなものばかりなのです。「アルツハイマー型認知症」の発病のメカニズムについて何も知らないで、そもそも「前頭葉」の機能についてさえ何も知らないで、よくもこんな記事が書けるものと驚いてしまうのです。この人たちにプライドはないのかと疑ってしまうのです。

あら、もう9時を過ぎてるわ!

  私これから、途中で芳子さんを車で拾って、太極拳に行かないといけないの。時間がないので、今日は、これで失礼するわね。

下手なのに、よく続くねって、何時もTadから揶揄されるんだけど。下手でもいいの、だって仲の良いお友達がいっぱいいるんだから。休憩時間に、みんなで冗談を言い合ってるだけでも、楽しくて、私の脳が活性化するんだもの。

 来月から私、ヨガの教室にも通うことにしたの。

    

 注)本著作物(このブログB-15に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPを「クリック」してください)

 脳機能からみた認知症(IEでないとうまく表示されません

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

   http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a


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