認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

回復が可能なアルツハイマー型認知症の早期の段階の症状とは (F-04)

2021-04-01 | アルツハイマー型認知症の治療方法

アルツハイマー型認知症の世界程、摩訶不思議な世界は無いのです。世界中の権威とされる機関や専門家達が、末期の段階の症状のことしか知らないのです。末期の段階で見られる『徘徊対策』が、重要なテーマだと誤解しているのです。多少の「物忘れ」はするものの、昨日まで自分なりの「目標」があり、自分なりに「第二の人生」を楽しみ乍ら暮らせていた「お年り」が、一晩寝て起きたら、『季節の挨拶さえも交わせなくて、ズボンを頭から被ったり、徘徊したりする』ようにはならないのです。「社会生活に支障」が出てくる小ボケの段階があり、次いで「家庭生活にも支障」が出てくる中ボケの段階があり、最後に、「セルフケアにも支障」が出てくる大ボケの段階があるのです。「アルツハイマー型認知症」は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される「認知症としての症状」が発現してくるのを特徴とすることに、権威とされる人達が、未だに気づいていないのです。どんな病気であれ、末期の段階であれば、治らないのが普通のことでしょう。

アルツハイマー型認知症は、私達人間だけに特有な「意識的な世界」、意識的に何かのテーマを発想し、実行に移す世界が関わるタイプの認知症なのです。正しくは、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、発病自体の予防も、早期診断による回復も可能な認知症でありながら、何等の対策が実施されていない結果として、介護の費用だけでも、単年度ベースで10兆円もの税金(一般会計と特別会計での総額)が垂れ流しにされて、この先更に増加すると予測されているのです。

注1)様々な種類が数ある認知症の内で90%以上の割合を占めているのが『アルツハイマー型認知症』というタイプの認知症なのです。発病及び症状が重症化する「メカニズム」(原因)についても、認知症全体に占める割合についても、世界的に権威とされる人達が、未だに「重大な誤り」を犯し続けているのです。

注2)我が国では、アルツハイマー病(生来的に存する遺伝子の異常に起因して発病するもので、若年発症が特徴であり、全体に占める割合は1%)と『アルツハイマー型認知症』(第二の人生を送る上での「キッカケ」の発生を契機に意欲を喪失することで開始され継続される脳の使い方としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続されることに因る廃用性機能低下の進行に起因して発病するもので、「老年発症が特徴」であり、全体に占める割合は、90%)とを一括して「アルツハイマー病」と総称する学者や医師が多いのですが、両者は全く異なる性質のものなのです。

 注3)我が国では、若年性認知症の中に、その大半を占めるものとして『若年性アルツハイマー型認知症』を挙げる学者や医師が多いのですが、若年性アルツハイマー型認知症なる認知症は、実在していなくて架空のものなのです。彼等は、「意識的な世界」の要の機能であり、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』(前頭前野に局在)の機能レベルを精緻に判定出来る「手技」を持たず、結果として知見に乏しいことから、側頭葉性健忘症との鑑別が出来ないで、誤診しているのです。『重度の記銘力障害海馬の萎縮が確認される』ものの、『前頭葉』が正常な機能レベルに在り、若年で発症するのが特徴である側頭葉性健忘症と「前頭葉」が異常な機能レベルに在り、老年で発症するのが特徴である「アルツハイマー型認知症」との鑑別が出来て居ないのです。「重度の記憶障害と脳の萎縮」が、アルツハイマー型認知症の特徴であると誤解しているせいなのです。

アルツハイマー型認知症の「発病のメカニズム(原因)並びに症状が重症化するメカニズム及び機序」について、世界中の権威とされる人達や機関が、未だに何もわかっていないのです。

彼等は、様々な程度及び態様により発現して来る「症状」についても、末期の段階の症状にしか注意が向いていなくて(アルツハイマー型認知症は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状が発現してくるという視点を持っていなくて、「前頭葉」の機能レベルを含む脳全体の機能レベルの精緻な判定と言う手技を持たない為に、MMSEだけの実施による重度の症状しか鑑別する方法を持っていないこともあり)、「脳のリハビリ」により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階である小ボケ及び中ボケの段階が存在していることを知らない儘なのです。

末期の段階の大ボケの後期(MMSEの総得点が一桁)になって始めて発現する失語や失認や失行の症状よりも軽い段階に目が向いても、彼等が依拠して判定する基準としては、「MCI」(軽度認知障害)の基準程度のものしか持たないのです。「MCI」はというと、外観から観測した「物忘れの症状」を言葉で何段階かに区分しただけのものであるし、そのことに加えて、認知機能検査実施の主流とされているMMSEのデータも重い患者のデータしか持っていないので、二段階方式の主たる武器である「MMSE下位項目の項目困難度」(14689例に及ぶ発病患者を対象)のような「他の種類の認知症」、或いは、「認知症と紛らわしい病気」との鑑別に不可欠となる客観的で、事象事実の解析結果としての「脳機能データ」を持っていないのです。

彼等が、発病の有無及び症状の段階区分等、判定及び鑑別の為に用いる武器は、「DSMー4」の第一要件及び第二要件の規定、アミロイドベータ仮説を筆頭とする「4つの仮説」、「MCI」の基準及び「MMSEテスト」だけなのです。その程度のデータを根拠として、「アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、一旦発病すると治せないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である」との誤った情報を世界中に発信し続けているのです。

私たち、エイジングライフ研究所は、その「権威達の主張とマ反対の主張」を展開して居る、唯一の機関なのです。アルツハイマー型認知症について、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であると主張しているのは、世界中を見渡してもエイジングライフ研究所だけ、「二段階方式」だけなのです。あのカロリンスカ研究所やランセット委員会が、我が国では、国立精神神経医療研究センター等が、交遊や運動が発病のリスク要因であるとしつつ(AIを活用した大量の比較データの解析と言う手法に因っている)、交遊や運動に加え、食事や学歴等をも「リスク要因」として挙げている程度なのです。

「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定できる「二段階方式」と言う手技を持っていて、小ボケ、中ボケ及び大ボケの段階の全てを含む14689例にも及ぶ発病者の「客観的で、精緻な脳機能データ」を解析した結果の基準を有していて、452の市町村での実践展開の成果により、その主張内容が正しいことを、疫学的方法により、実証してきている世界で唯一の存在なのです(論文を発表していないので、存在自体が、権威達に知られていない=組織内にノーベル医学生理学賞の判定委員会を有するカロリンスカ研究所にも知られていないということなのです)。

我が国での権威とされる機関や人達の言動を見ていると、驚かされるのです。発病原因について、『アミロイドベータ仮説』を支持していながら、家の外に出て行き『交遊の機会を増やすことや、運動する機会を持つこと』が、発病自体の予防や介護の予防に効果的であるとの主張を展開する人達が、何故か、増えてきているのです。何を根拠に、その主張を変更するのか、尋ねてみたいのです。主張(支持)する発病原因と発病との間の因果関係に無関心で、主張内容の実証にも無関心で居て、権威だけを笠に、誤った内容の情報を垂れ流し続けている人達が多いのです(「4つの仮説」がその典型例)。

アルツハイマー型認知症が廃用症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』(但し、食生活や糖尿病の発病や学歴等は、発病原因とは無関係のものであり、仕事とは無縁の日々とな『第二の人生』を送る上での「脳の使い方」としての単調な生活習慣、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無いナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続こそが、発病するか/しないか及び症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける「唯一の要因」であると主張している私たち「二段階方式」の主張内容(未だに、世界中に類例がない主張内容)は、人間だけに特有である「意識的な世界」と意識を構築し、管理し、コントロールする要の機能である意欲、注意の集中力、就中、『注意の分配力』の機能と実行機能との相互関係、『実行機能の機能発揮上の二重構造の関係』に着目した特徴を有するのです。

注意の分配力」の機能を具有していない為「意識の世界」自体が存在していない、言い換えると、『前頭葉』が備わってもいない『マウス』を研究対象にしただけの、憶測や推測に戻づいた「仮説」の類とは、異次元のレベルの主張内容なのです。2012年の3月以来継続して、「Gooブログ上に公開」してきている私たちの主張内容には、著作権が成立しているのです。

全ゆる角度から、種々様々な「テーマ」を取り上げ、主張内容を展開し、公開してきた私たち「二段階方式」の内容を、勝手に使わないで頂くよう、認知症研究の専門家達にお願いし警告しておきたいのです。『著作権法』の規定に従った、節度ある「引用」の仕方をして頂きたいのです。あと数年すれば、『二段階方式』の主張内容が世界標準になると考えているのです。

現状では、新型コロナの感染がまたしても拡大しそうな勢いにある中では、政府も耳を傾ける状況にないことは十分承知なのです。『発病自体の予防』を第一義的なテーマに据えていて、『市町村の保健課の保健師さんが運営する予防教室の展開とそこでの体験を日々の生活習慣の改善に持ち込むことが主命題となる』私たち「二段階方式」の『地域予防活動』は、新型コロナ問題が決着した社会状況が確認されて後の活動となるからです。世界中の権威が川下にしか目が向いていない状況の中で、私たちは、権威とはマ逆に、川上に目を向けた新機軸の提案を行い、川下には目を向けない(手を付けない)という戦略を採ることにしているのです。

川上に行くほど、「前頭葉の機能レベル」についての客観的で、精緻な評価と判定と鑑別とが不可欠となるからです。発病自体の予防と小ボケ及び中ボケの前期からの回復をテーマとする『川上に的を絞った展開』、住民参加型の「地域予防活動」の実施の国策化の提案なのです。

厚労省が要求している「認知症ケアパス」の作成に基づいた活動は、アミロイドベータ仮説の考え方を基礎として、「MCIの基準」及び「物忘れの症状」の外観からの観測に基づいただけの発病の有無の判定、言葉で区分されただけの各段階に対する対応の在り方を定めるものであり、目的は、「介護の予防」(「介護」が不可欠となる症状が発現してくる時期を少しでも先送りすること)を命題とした活動であり、言葉の区分は何段階に区分けられているものの、実際は、『重度の記憶障害の症状』が明確に確認される人達が対象となる、中ボケの後期以降の人達に対する対策であり、『川下対策がテーマ』となっているものなのです。

二段階方式が提案するのは、新型コロナ問題が終息した後の対策であり、「認知症ケアパス」からは、活動の対象から外れている範囲とテーマ、『アルツハイマー型認知症』に特化して、 川上対策に的を絞った活動の提案(発病自体の予防活動=予防教室の展開、発病の有無の判定、症状の重症度の判定並びに、小ボケ及び中ボケの前期だけを対象とした「脳リハビリ」の指導について、二段階方式の手技を活用し、市町村の健康保健課の保健師さんが一元的に実施し、管理することが出来る新機軸の案)を、在宅介護支援センターではなくて、元々一次予防の為の活動を担っている健康保健課のラインで実施することを提案する、新機軸のものなのです。勿論、発病自体の予防と早期診断による回復の効果は、事業推進の結果の効果としては、最も効果的に「介護の予防」につながること、『極めて効果的で、究極の介護の予防対策となる』ことを、政府も、在宅介護支援センターも認識していて欲しいのです。

プロローグ1)「アルツハイマー型認知症」についてネットで検索してみると、どれもが間違いだらけの内容なのです。発病の原因について、世界中の権威とされる人達は、「器質的な原因病変」が存在するはずと思い込んでいるのです。『情報のやり取りの役割を担っている神経細胞の大量死が原因で、「重度の記憶障害」に起因した失語や失認や失行の症状等が発現してくるのが、『アルツハイマー型認知症』の特徴であり、且つそれらの症状が初期症状であると規定されている(科学的で、客観的な根拠も無しに想定しただけ)診断規定、米国精神医学会が策定したものであり、世界で最も権威があるとされる(「DSM-4」)の規定内容(重大な誤り)を鵜呑みにしているのです。

第二要件が規定し例示する失語とは、簡単な季節のあいさつの応答程度の日常会話も出来ない症状を言っているのです。失認とは、歯ブラシを手に握っても、それが何かを理解できない症状なのです。失行とは、歯ブラシの使い方やズボンのはき方さえ分からない症状を言います。ズボンを頭から被ったりするような症状が発現するのは、記憶障害が原因であるとして、記憶障害の症状の確認を「DSM-4」の第一要件が要求しているのです。そうなると、「記憶障害」と言っても、「物忘れの症状」程度のものではなくて、もっとひどい、どろどろした重度の記憶障害の確認が必要と考えることになるようなのです。

そこで、記憶障害を惹き起こした原因が、「アミロイドベータ」という蛋白質の蓄積による「老人斑」が持つ毒性が、情報を連絡する役割を担う「神経細胞」を大量死させたからだ(アミロイドベータ仮説)とか、「タウタンパク」という蛋白質がリン酸化して、細胞内に糸くず状に溜まる(神経原線維変化)結果、情報を連絡する役割を担う「神経細胞」を大量死させたからだ(タウタンパク仮説)とかの、仮説(発病との間の因果関係の立証が未だに出来ていないため、仮説として扱われている憶測の類)が、世界中で、未だに幅を利かせているのです。「4つの仮説」の主張内容が正しいのであれば、新型コロナ感染回避策としての『3密の回避』に徹した生活習慣を継続しているお年寄り達の間で、アルツハイマー型認知症を発病したり(「脳のフレイル」が起きていると騒がれているのが、実は、発病の初期、小ボケの段階のことなのです)或いは、症状の重症化が進行する【小ボケから中ボケの前期に、中ボケの前期から中ボケの後期に、中ボケの後期から大ボケに進行していく】お年寄り達が、顕著に増加してきている「事象事実」としての実態を、どのように説明が出来るのでしょうか。

加えて、【末期の段階の症状】にしか焦点が当てられていなくて、要の要因である『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点が全くないことが問題なのです。何時の日になったら、「二段階方式」だけが解き明かした、「この視点」に、注目が集まるようになるのか。

『アルツハイマー型認知症』は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした、「3つの段階」(「二段階方式」独自の定義に基づいた区分で言う小ボケ、中ボケ及び大ボケ)に区分される段階的な症状が発現して来るのが特徴なのです。「DSM-4」の第二要件が規定する失語や失認や失行の症状が初期症状であるとの考え(正しくは、初期症状ではなくて、極めて重度の症状なのです)、重大な誤りを、出来るだけ早く捨て去って欲しいと願うのです。医療機関が、最早治すことが出来ない段階、「末期の段階」で発病を見つけることに何の意味も無いからなのです。「早期の段階」で発病を見つけると症状を治すことが出来るし、症状の重症化の進行を抑制することが出来るし、更には、前頭葉が活性化する生活習慣の構築と実践の継続により発病を予防することが出来るのが『アルツハイマー型認知症』の特徴なのであり、そのことは、私たち「二段階方式」が、疫学的方法により実証してきているのです。

権威達が主張する『重大な誤りの内容=二段階方式とはマ反対の内容』が、未だに大手を振ってまかり通っていて、早期診断による回復にも、発病自体の予防にも、世間の関心が向けられない状況が続いているのです。その結果として、第二の人生を送るとはいえ、身体が持つだけで脳が持たない(認知症の発病者)お年寄りの数が増え続けているのです。「発病自体を予防」すれば、お年寄りの行動が広がり、活性化していき、高齢化が進んでいる「地方の活性化」にも直結するのです。人が動けば、金もついて動くことになるからです。

「二段階方式」の手技を活用して集積し、解析し、類型化した「アルツハイマー型認知症」の類型的な症状を、軽度のものから、中等度のもの、重度のものと、下記に、順番に列記してお見せします。『意識的な世界』における脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』の機能レベル(働き具合)に無関心な(実は、その機能レベルを精緻に判定出来る手技を持たないために、無視しているだけ)権威達(学者、医師)は、末期の段階でしか、発病を見つけられないでいるのです。「脳のリハビリ」の実施により回復させることが可能である本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階について、彼等は、無知なのです。その為に、「見つけている段階が遅すぎる」ことにさえ気づいていなくて、『「アルツハイマー型認知症」は、記憶障害に起因して発病するとか、治すことが出来ないタイプの認知症である』とかの『誤った内容の情報』を、未だに、発信し続けているのです。

(プロローグ2)

(1)以下の視点は、政府大綱策定のための「有識者会議」での議論、「政府大綱」の内容、更に、厚労省が発表しているオレンジプラン、新オレンジプラン及び「認知症ケアパス作成の手引き」の全てを読み込んで、子細に分析して得たものなのです。

新機軸の提案とその『視点』が意味するもの:厚労省の指導の下、市町村では「認知症ケアパス」(アルツハイマー型認知症を発病して介護が不可決となる時期を出来るだけ遅らせることを目的とした事前の段階での種々の対応の道筋を示すもの)を作成し、実行し、報告することが求められています。いくつかの地域からその実際の「認知症ケアパス」を収集してみて驚いたのです。アルツハイマー型認知症について、アミロイドベータ仮説の考えが基礎にされているのです。それなのに、その進行を抑制する為に有効なものとして、交遊や運動の機会を増やすことが挙げられてもいるのです。交遊や運動の機会を増やすと、アミロイドベータの蓄積により大量破壊されて機能を喪失していた神経細胞に変わる新たな神経細胞が出てくるとでも考えているのでしょうか。➡彼らが研究対象にしているマウスには、注意の分配力の機能も、前頭葉の機能も備わっていないのです。

事前のどのような段階及び状況に在るかについて(発病が疑われる段階、発病の初期段階、発病の中期の段階、介護が不可欠となる直前の段階に区分されている)、「物忘れの症状」を単に言葉で何段階にも区分し表現しただけの「判定の基準表」並びにこれまた「物忘れの症状」を外観から観測した感覚的な言葉で区分し、表現しただけの「MCI」(軽度認知障害=「アルツハイマー型認知症」発病の前駆的状態であるとの言葉の説明だけが為されている程度の基準=発病との間の客観的なデータは示されていないもの)に基づいて実施すべきことが「共通項」として、それぞれの「認知症ケアパス」の冒頭に並べられているのです。どの「認知症ケアパス」の内容も、基本的には同じ内容、厚労省が作成した「認知症ケアパス作成の手引き」の通りになっているのです。この基準で、実際に何等かの有効な判定や判断や対応や支援が出来るのか、「時間とコストが、かかるだけに終わる」のではと、心底から懸念しているのです。

(2)その特徴はというと、川上に目を向けて、ダムを造って流量をコントロールし、中流域の堤防を強化して、堤防の決壊を防止、抑制すべきなのに対して、全ての「認知症ケアパス」が、大河の川下(砂が山のように堆積して、大きな中洲が出来ている=末期の段階の症状が出てきて「介護が不可欠」となる段階)にしか目が向いていないことが重大な問題なのです。言葉の上では、初期、中期、末期の前等の区分がされてはいても、それを客観的に評価し、判定し、区分けることが出来る「手技」が無くて、『物忘れの症状』について、感覚的で主観的な言葉の羅列だけで何段階にも区分しているだけのものなのです。

老年発症』を特徴とする『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる「生活習慣病」(仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での、「脳の使い方」としての生活習慣の在り方が発病するか/しないかを区分ける及び症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一の要因)なのであり、「注意の分配力」の機能が管理する「実行機能」(Executive Function)の出番が多くて、『前頭葉』(前頭前野)が活性化する生活習慣の創意工夫と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るし、早期診断(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)と早期治療(「脳のリハビリ」の実行=「注意の分配力」の機能が管理する「実行機能」の出番が多くて、『前頭葉』が活性化する生活習慣への改善と継続的な実行)により症状を治すことが出来るものなのです(世界中で、「二段階方式」だけが解明し、市町村での地域予防活動を通じた疫学的方法により実証済みのもの)。

(3)廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病【但し、食生活や糖尿病の発病との間には、直接の因果関係は存在しないもの。左脳が専管する「仕事」(達成内容とレベル及び達成期日に関わる目標の設定が不可欠であり、発想、創意、工夫、シミュレーション、比較、検索等の『実行機能』の出番が多くて、意欲と注意の集中力の働きに下支えられた「注意の分配力」の機能が大活躍することになるのが「仕事」)とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」が、【発病の真のリスク要因】である『アルツハイマー型認知症』は、医師達が見つけて居る段階が、遅すぎる(末期の段階で発病を見つけている)為に、治すことが出来ないものと誤解されているだけなのです。その結果として、要介護状態のお年寄りの数が増え続けていて、(一般会計と特別会計とを合算すると)『介護の費用』だけで、単年度ベースで10兆円を超えてきているのです。様々な種類が数有る認知症の内の90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化するメカニズムに対する権威とされる人達の『重大な誤解』が、この結果を招いているのです。「介護の予防」を国策として打ち出した「政府大綱」の第一条でも、発病自体の予防及び早期診断による回復と言うテーマについては、世界中の権威達が、未だに分からないとしているので、今後の研究課題(「民間の理論や活動等の調査研究」も追及すると明記)であると明記しているのです。「我が国が抱える債務の総額」が、1200兆円程にもなっているはずという異常な実態に対して、野党もマスコミも目を向けていないのです。文句をつけようとはしないのです。

&1 「二段階方式」が解析した『小ボケ』の段階に特有で類型的な症状

(1)「小ボケ」(軽度認知症)の段階に特有で類型的な症状の代表例

□ ぼんやりしていることが多くて、何もしないが、指示されるとできる

□ 自分に自信がなくて、何かにつけて他の人に頼ろうとする

□  同じ食材を買ってくることが多くなり、献立の単調さが目立つようになる

□ 根気が続かなくて、中途半端な繰り返しや、やりかけの家事が目立つ

□ 一日や一週間の計画が立てられず、テーマを自分で思いつかない

□ 何事をするにも億劫で、何かをやろうとする意欲が感じられなくなる

□ これまでなら感動していたことにも、それほど感動しなくなる
□ 問いかけに対する反応が遅くなり、生き生きした笑顔が見られない

□ 発想が乏しくなり、画一的な行動が目立つようになってくる
□ お化粧や髪の手入れや服装など、おしゃれに無関心になる

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと昼間でも居眠りしている
□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更が効かない
□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかないでいる

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情になる
□ 歩くとき前屈みの姿勢になり、小股でトボトボと歩く
※1「二段階方式」による判定では、アルツハイマー型認知症の発病の有無及び症状の段階区分の判定に際して、『前頭葉』の機能レベルを含む「脳全体の機能レベル」がどの程度であるかを重視しています。「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症は、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』、意識的に何かの実行「テーマ」を発想し、実行に移すに際して、『前頭葉の機能』が働く様々な場面での認知症としての症状が発現して来るのが特徴だからなのです(本態は、廃用性症候群に属する老化・廃用型生活習慣病)。

※2「小ボケ」の段階を脳の機能レベルから定義すると、左脳、右脳及び運動の脳は正常な機能レベルに在るものの、「前頭葉」の機能レベルだけが既に異常なレベルに衰えてきているのです。左脳、右脳及び運動の脳という『3頭の馬が牽引する3頭立ての馬車』の御者の役割、即ち、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに在る『小ボケの段階で、意識的に何かの「テーマ」を実行する際に起きてくる様々な支障が認知症としての症状、『アルツハイマー型認知症』の症状と考えるべきものなのです。馬車を牽引する馬がどれほど元気でいようと、肝心の御者が居眠りしている状態下では、その御者は、馬車を適切な道を通って、的確に運行することは出来ないのです。『小ボケ』の段階の症状こそが、本当の意味での発病の初期症状なのです。

※3上記に列記し、例示した項目、「小ボケ」に特有で、類型的な症状は、全て、「記憶障害」に起因した症状ではなくて、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因したもの、すなわち、『前頭葉』の機能障害に起因したものばかりなのです。これを言い換えると、『実行機能』(Executive Functionの機能障害に起因した症状が、『アルツハイマー型認知症』の症状として発現してきているのです(「DSM-4」の「第二要件」の最後に例示されている要件、『実行機能の障害』(cognitive disturbance in executive functioning)は、正しくは、その「第一要件」で、(memory impairment)の要件と置き換えるべき重要な要因なのです。
※4「アルツハイマー型認知症」の『発病の最初の段階』である「小ボケ」の段階では、「家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを適切に実行し、的確に処理すべきことが要求される『社会生活面』での様々な支障(認知症の症状の反映)が出てくることになるのです。「脳の機能レベル」及び「前頭葉の機能障害」という極めて重要な視点を持たない(肝心の前頭葉の機能レベルを精緻に判定出来る手技さえも持たない)権威達は、未だに、末期の段階(私たち「二段階方式」の区分で言う「大ボケ」の段階)にしか注目していなくて(出来ていなくて)、誤った情報を流し続けてきているのです。

(4) 私たち「二段階方式」が、「30項目問診票」として定型化していて、上記に列記した10項目の「小ボケ」に特有で、類型的な症状は、全て、「記憶障害」に起因した症状ではなくて、「前頭葉の三本柱」の機能障害に起因したもの、言い換えると『前頭葉』の機能障害に起因したものばかりなのです。

(5) 「アルツハイマー型認知症」の発病としての「最初の段階」である「小ボケ」の段階では、「家の外に出て行き、他人と交わり、何らかの共通のテーマを適切に実行し、的確に処理すべきことが要求される『社会生活面』での様々な支障(認知症の症状の反映)が出てくることになるのです。「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」及び「前頭葉の機能障害」という極めて重要な視点を持たない(肝心要の前頭葉の機能レベルを精緻に判定出来る手技さえも持たない)権威達は、未だに、末期の段階にしか目が行っていなくて、『治すことが出来ない』とする【誤った内容の情報】を流し続けているのです。

&2 「二段階方式」が解析した『中ボケ』の段階に特有で類型的な症状

(1) 「中ボケ」(中等度認知症)の段階に特有で類型的な症状の代表例

□ 自分が飲む2~3種類の服薬管理が、きちんとは出来なくなる

□ 電気や自分が付けたガスの消し忘れ、水道の蛇口の閉め忘れなどが目立つようになる

□ 家庭内の簡単な用事程度のこともきちんとできなくなる(部屋や洗濯物の整理、食事の 

  後片付け、畑や庭仕事などがきちんとできない)

□ 行き慣れている所に行くのに、スムーズに行けなくなる(行き先の違う乗り物に乗り、行き

 道 を間違えたりする)

□ 何度教えて、訂正しても、日付け(今日が何日か)があいまいになる

□ 簡単な額のお釣りの計算もしなくなる(お札ばかりで買い物をして、小銭がたまる)
□ 服の着方に無頓着で重ね着が目立つ(セーターの上からシャツを着る;裏表や前後ろに  

   着る。入浴後、着ていた下着の上に新しい下着を着る)

□ 入浴時の温度管理が出来ず、身体を洗わないとか、石鹸が身体についたまま

□ 周りを汚したり、流してないなど、トイレの後始末がきちんとできなくなる
□ 料理の味付けが変になる(特に、塩加減が極端に変になる。塩辛すぎて、周りの

   人達が食べられないようなものを作り、本人だけが平気で食べる)

□ 自分の子供の数、生まれ順、居住場所の説明がきちんとできない

□ お金や持ち物のしまい場所をすっかり忘れてしまい、一日中探している

□ 季節が分からなくなる(夏にセーター等、季節違いの服を着る)
□ 昨日起きた出来事でも、すっかり忘れていて、思い出せなくなる
□ 物盗られ妄想(物の置き場所を忘れて、相手が隠したとか盗んだとか言う)や、

世話をしてくれる人に対して口汚くののしる行為が見られるようになる

※1「中ボケ」の段階になると、『前頭葉』の機能が「小ボケ」の段階より更に異常な機能レベルに衰えてきているだけでなくて、左脳や右脳や運動の脳までもが異常なレベルに衰えてきている、即ち、「前頭葉」を含む脳全体の機能が異常なレベルに衰えてきているのです。権威とされる人たちは、前頭葉の機能レベルを判定出来なくて、左脳と右脳の機能レベルを判定する手技である『MMSE』の実施結果だけによる認知機能レベルの判定に頼り、この段階になっても、発病とは考えていないのです。中ボケの段階になると、『家庭生活面』でも、様々な支障が出てくることになるのです。但し、「介護」は未だ必要でないのです。「介助」程度で足りるのです。セルフケアの面にも支障が出てきて、「介護」が不可欠となるのは、「大ボケ」の段階になってからなのです。

※2 認知症の診断が専門の医師達の間で、症状を治すことが可能な本当の意味での早期の段階が見落とされているのです。発病とは考えられていないのです。本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、『脳のリハビリ』(注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉の機能が活性化する生活習慣への改善)を実施すれば、治すことが出来るのです(アルツハイマー型認知症も、早期診断と早期治療が不可欠となるのです)。

(2) 症状を治すには、早期診断が不可欠(小ボケ及び中ボケの段階で発病を見つけること)

本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて、『脳のリハビリ』(注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉の機能が活性化する生活習慣への改善)を実施すれば、治すことが出来るのです(「アルツハイマー型認知症」も、「早期診断と早期治療」が肝心なのです)。

 〇 小ボケ(社会生活面に支障)   比較的容易に、治すことが出来る

 〇 中ボケ(家庭生活面にも支障)   治すことが、未だ可能

 〇 大ボケ(セルフケアの面にも支障)  治すことは、もはや困難

認知症の診断を専門にする医師は、認知機能テストの実施とはいっても、御者の働き具合には無関心で、馬の働き具合だけを判定(MMSEテストの実施だけ)していて、おまけに、「物忘れの症状」を外観から観測しただけのレベルの MCI(軽度認知障害=発病の前駆的状態であると説明している)とかの意味不明の基準を持ち出して、意味不明の説明をして、『症状の進行を抑制する効果が期待できるかもしれない』などと言いながら、症状を治したり/症状の進行を遅らせる効能が無い薬(単なる「対症療法薬」)を処方しているだけなのです。

&3「二段階方式」が解析した『大ボケ』の段階に特有で類型的な症状

(1) 「大ボケ」の段階に特有で類型的な症状は、次の通り

□ 着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている
□ 風呂に入るのを怖がり、嫌がる
□ 服を正しく着られなくなり、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする
□ 家族の名前を間違えたり、自分の子供を配偶者と間違えたりする
□ 食事や挨拶をしたことなど、直前に起きたことを直ぐに忘れてしまう
□ 家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)
□ 自宅に居ても落ちつかず、外に出て行きたがる
□ 大小便を失敗しても後の処置ができない(大小便で汚れた下着を押し入れに隠すようなこともあります)
□ 自宅の方向が、たびたび分からなくなる(そのまま、徘徊することにもなる)
□ 同居している家族の名前も顔も、分からない(家族かどうかも分からない)
□ 昼なのか夜なのかが分からなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行く     とか田んぼに行くとか言い張る)
□ 傷んだものを平気で食べ、食べ物でないものを口にする
□ 独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ
□ 誰も居ないのに「人が居る」と言ったりする  

(2) 末期の段階である「大ボケ」の段階になると、その前期の段階においてさえ、注意の分配力の機能が殆ど働かなくなってきていて、セルフケアにも支障が出てきて、日常の生活面での「介護」が不可欠となるのです(治すことも、症状の進行を抑制することも出来ない)。

(3) 権威とされる人達は、「DSM-4」の第二要件が発病を確認する上で不可欠と規定する「失語や失認や失行の症状の確認」を持って初めて発病の初期段階と規定している重大な誤りに気付いていなくて、それより軽い段階(大ボケの前期の段階)を初期段階と誤解しているのです。大病院でさえ、早期発見とか早期診断とか言っているのは、私たち二段階方式が主張している『「小ボケ」及び「中ボケ」の段階=本当の意味での早期の段階』のことではなくて、末期の段階である「大ボケ」の初期の段階のことなのです。

(4) 「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけることが出来さえすれば、『脳のリハビリ』の実践により治すことが出来るのです。末期の段階である「大ボケ」の段階で見つけたところで、最早治すことは出来ないのです。専門の医師達までもが、『アルツハイマー型認知症は、治すことが出来ないタイプの認知症である』と主張しているのですが、「アルツハイマー型認知症」は、性質それ自体として治すことが出来ない訳ではないのです。医師達が見つけている段階が遅すぎるが故に、最早治すことが出来ないだけなのです。【記憶の障害に起因して発病する】との前提条件が重大な誤りであることに未だに気づいていないので、【脳の萎縮と重度の記憶障害の症状】を見つけようとしていて、大病院ともなれば、CTやら、MRIやら、SPECTやら、果てはPETまで持ち出して、高額の診断費用を荒稼ぎしながら、末期の段階で見つけて、発病のレッテル張りをしているだけなのです。おまけに、効きもしない「対症療法薬」(症状の発現の仕方や程度を抑えたり、逆に昂揚させるだけのもの)を処方しているのです。

(5) 大ボケの後半の段階の始まり、30点が満点のMMSEの換算値が一桁の得点になって初めて発現が確認される失語や失認や失行の症状は、一見記憶の障害の症状かと誤認されやすい症状なのですが、実際には、記憶の障害が原因ではなくて、前頭葉の機能障害、より深い表現で言うと、前頭葉の三本柱の機能の核となる機能である『注意の分配力』の機能(3つ以上の異なる複数のテーマを同時に並行して処理する上で不可欠の脳機能)が殆ど働かないまでに、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた結果に過ぎないのです。

※1「小ボケ」の段階で発現が確認される特有で類型的な症状、「中ボケ」の段階で発現が確認される特有で類型的な症状、最後に、「大ボケ」の段階で発現が確認される特有で類型的な症状という風に、順次症状を比較し、分析しながら見ていくと、【記憶の障害が原因で発病し/記憶の障害の程度が重くなることに因って】症状が次第に重いものになって行っている訳ではないことが分かります。

発病の最初の段階である「小ボケ」の段階の類型的症状に特徴的なのは、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能の機能障害に起因した症状ばかりということなのです。発病の末期の段階である「大ボケ」の段階の類型的症状に特徴的なのは、記憶の障害に起因した症状が目に付くものの、それらの内容を子細に分析してみると、注意の分配力の機能を核とした実行機能の機能障害に起因した症状であることが分かるのです。外観的な浅いレベルの観察だけに頼るのでなくて、「前頭葉」の機能レベル、就中、「注意の分配力」の機能の機能レベルを精緻に判定してみると、それぞれの機能が異常なレベルに在って、十分に機能出来なくなってきていることが客観的に確認できるのです。

※2脳に器質的な原因病変が存在していないのに起きてくるアルツハイマー型認知症発病の症状としての失語の症状や、失認の症状や、失行の症状も、「記憶障害」に起因して発現して来る訳ではないのです。『注意の分配力』の機能が、殆ど働かなくなってきていることが核心的な原因で、それらの症状が発現してきているのです。実行機能が働く場面では、異なる複数のテーマを同時に並行して処理することが要求されるにもかかわらず、肝心の注意の分配力の機能が、加齢に因る機能低下という基礎要因とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る廃用性の機能低下という加重要因との同時存在による相乗効果により、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきた為に、殆ど働かなくなっていることが原因で、そうした症状が発現していることに、権威とされる人達が、未だに、気づいていないだけのことなのです。

※3「器質的な原因病変」が原因ではなくて、廃用性の機能低下の進行が真の原因で症状が発現して来るのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。そうであるからこそ、「アルツハイマー型認知症」は、早期診断と『脳のリハビリ』の実施により、症状を治すことが出来る性質のものであるし、注意の分配力の機能の出番が多くて、前頭葉が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践により、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症なのです(世界で唯一、二段階方式独自の主張であり、疫学的方法により実証済み)。『その道の権威という傘をさしていながら、何時まで、素人まがいの診断を続けるつもりなのでしょうか。何時まで、「アルツハイマー型認知症」は、原因不明で治すことが出来ないし、発病を予防することが出来ないタイプの認知症である』とする「誤りの内容」の情報を発信し続けるのでしょうか。

(6) 私たち「二段階方式」が、国策化による展開を提案しているのは、第一義的には、発病自体の予防であり、第二義的には、早期診断による回復であり、結果的な目的としての第三義的には、第一義及び第二義の活動の成果から漏れたお年寄りに対する「介護の予防」に過ぎないのです。加えて、発病自体の予防にも、早期診断による回復にも、二段階方式という神経心理機能テストの活用だけで十分であり、CTやMRIやPET等の機器の使用が不必要であり、薬自体が治療の効能を持たないので(「アルツハイマー型認知症」の発病自体の予防、症状の回復、症状の進行を抑制する効能を有する薬が開発されることは、『アルツハイマー型認知症』の本態、発病のメカニズム、症状の重症化が進行するメカニズムに照らして、未来永劫有り得ない事なのです)、一定規模の売り上げと利益の確保が至上命題とされる医療機関(医師)でなくて、市町村(健康課や保健課の保健師さん)が、この活動に従事すべきと提言しているのです。

「二段階方式」の考え方に基づいて、「二段階方式」の手技を活用して実施する「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復、介護の予防、更には、発病自体の予防を明確な目的とした住民参加型の『地域予防活動』の国策による全国展開を提案しているのです。その核となるのは、医師ではなくて、市町村の保健師さんだと主張しているのです。主張内容が正しいこと及び手技の活用が極めて有効であることについては、北海道から九州に跨る452の市町村での実践活動の指導により、疫学的方法により実証してきてもいるのです。

&4 「4つの仮説」の内容が全くの誤りであることの証拠データの存在

(1) 私たちは、独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した脳機能データであり、14689例にも上る、『アルツハイマー型認知症』の発病者と判定したお年寄りの脳機能データを持っているのです。それらの脳機能データには、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の全ての段階の発病者が含まれているのです。

(2) 彼等に実施したMMSEテストの結果から、アルツハイマー型認知症を発病したお年寄りの場合は、且つ、その場合に限って、『MMSEの下位項目に出来なくなっていく明確で、厳密な順番の存在』が確認されているのです。「アルツハイマー型認知症」の発病者であれば、且つその場合に限り、『MMSEの下位項目について、出来なくなっていく厳密な順番が示されている。脳の後半領域、左脳と右脳の衰え方に厳密な順番が存在している』ことを意味するのです。この一事を取り上げても、『発病の原因に関する、4つの仮説の主張内容が誤りであり、憶測の類である』ことが実証されているのです。この低下順を説明できるのは、「二段階方式」独自の主張である『廃用性の機能低下という要因が発病の原因』だけなのです。

(3) MMSEの下位項目について出来なくなっていく(関係する脳の機能が衰えて行く)厳密な順番とは、以下の順番を言います(困難度が高い順番で示す)。

想起、注意と計算、人の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名の順番です。事象事実であるこのデータの存在一つを取り上げてみても、『アミロイドベータ仮説』の主張内容が誤りであると言えるのです。更には、「小ボケ」及び「中ボケ」の期間について、それぞれ、3年間及び2~3年間と言う『標準的な滞留期間』が存在すること並びに『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣の要因』(ブログの【A-34】2012.04.30に公開の記事を参照)と言う脳機能データが存在しているのです。アミロイドベータ仮説の考え方を基礎とした、現在再審中のアデュカヌマブを含めて、いかなる「治療薬」の開発も有り得ないし、或いは、その治験の評価の結果も、根本的に誤りであると言い切れることになるのです。そもそも、『記憶の障害に起因して症状が発現する』と規定している「DSM-4」の規定の「第一要件」の内容自体が重大な誤りなのです。第二要件で、初期症状として例示してある失語や失認や失行【又は「実行機能の障害」】と言う用語が載っているのですが、その「実行機能の障害」、言い換えると、【廃用性の機能低下の進行による「実行機能」の障害に起因して発病する】と言う要件こそが、【第一要件の正しい定義となる】べきなのです。

&5 私たち「二段階方式」は、「アルツハイマー型認知症」の発病の原因として、世界中の権威とされる機関や人達が未だにしがみついている『記憶の障害』という要因は、科学的で客観的な根拠がなく、発病との間に因果関係が存在していない単なる「憶測や推測の類」であると主張しているのです。

私たち「二段階方式」は、世界で唯一、DNAの99%が人間と同一とされるチンパンジーにさえも存在していない世界、即ち、私たち人間だけに特有な世界である『意識的な世界』とその要を為す機能である『注意の分配力』という機能に注目してきたのです。「注意の分配力」の機能と「意識」との相関関係を追求する中で、『実行機能』(Executive Function)の発揮度を左右し、下支えている機能が「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能(以下、前頭葉の三本柱の機能と呼ぶことにします)であることを発見したのです。それ等の視点から、『アルツハイマー型認知症は、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした三段階に区分される症状が発現して来る』ことに気づき、各段階に特有で類型的な症状を『30項目問診票』として定型化し、『MMSE下位項目の低下順』のデータと併せて、発病の判定及び症状の段階区分に活用してきているのです。

※ (エピローグ)に示す図は、『上側が、加齢に起因した前頭葉の老化曲線の図』であり、『下側が、加齢と廃用性の機能低下が同時に進行していく際の「前頭葉」を含む脳全体の加速度的で異常な機能低下の曲線』の図です。どちらも、二段階方式を活用して集積した脳機能データであり、世界でも、私たち二段階方式しか持っていないものなのです。『加齢』のみに起因した脳の機能低下は、極めて緩やかにしか衰えて行かなくて、且つ、「正常な機能レベル」の範囲内での低下でしかないのに、廃用性の機能低下の要素が加重された場合には、加速度的に衰えて行くことが分かるのです。私たち「二段階方式」は、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定出来る手技を世界で唯一持っているのです。権威達が使用しているFABなどは、幼稚すぎて、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定することが出来ないのです。

三段階に区分される類型的な症状は、全てが、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクして発現して来るものばかりなのです。それらの症状は全てが、器質的な病変が原因ではないし、記憶の障害に起因して発現して来るものではないのです。加齢に起因した機能低下という要因が基礎に在って、第二の人生の過ごし方、第二の人生を送る上での脳の使い方としての生活習慣であり、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続が加重要因、言えば、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものも無い、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣が発病するかしないか/症状の重症化が進行するかしないかを区分ける真の、唯一の要因なのです。

&6 新型コロナ感染回避策の徹底とアルツハイマー型認知症の発病問題

(1)最近のブログ中でも言及していることなのですが、新型コロナへの感染回避策として有効である「3密の回避」という生活習慣が、仕事とは無縁のものとなる「第二の人生」を送っているお年寄りにとっては、脳の使い方としての「生活習慣」の視点から見ると、「注意の分配力」の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する生活習慣とは、真逆の生活習慣(生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない単調な暮らし方=ナイナイ尽くしの単調な生活習慣)となってしまい勝ちというリスクの問題です。

(2)「3密の回避」に徹した生活習慣、脳の使い方としての暮らし方を継続させていると、「第二の人生」を送っているお年寄りの場合、高齢であればある程(加齢要因としての機能低下の進行から、そもそも、注意の分配力の機能の働きのレベルが低下してきていることになるので)、そのことが基礎要因であり、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続(「3密の回避」に徹した生活習慣の継続)という加重要因が加わることに因り、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高くなってくるのです。その結果としての実態が、権威達が問題にしている「脳のフレイル」現象や「MCI該当者」の増加のことなのです。

(3)権威達は、「アルツハイマー型認知症」については、「末期の段階」(大ボケ)の症状についてしか知見が無いので(大ボケの後期の段階に入る辺りで発現が確認される極めて重度の症状である失語や失認や失行の症状が初期症状だと誤解しているのです)、中ボケの段階のことを知らないし、ましてや、小ボケの段階のことは知らないのです。彼らが「脳のフレイル」が起きてきている(二段階方式が「小ボケ」の症状として類型化している症状の内の幾つかを並べ立てて問題にしているレベルの知見)として取り上げている症状が、正しくは、「アルツハイマー型認知症」発病の初期症状、「小ボケ」の段階の症状のことなのであり、MCI(軽度認知障害=アルツハイマー型認知症発病の前駆的段階であり、数年後には、「MCI」と認定されたお年寄り達の30%程度が発病することになる可能性が高いと主張しているが、そのことを実証できる客観的なデータは存在していない)と判定されているお年寄りが「中ボケ」の後期(=MMSEの換算値が19点以下)のお年寄り達のことなのでしょう。

(4)これらの「小ボケ」及び「中ボケ」の段階で発病を見つけて(早期診断)、「脳のリハビリ」(脳の使い方としての生活習慣の改善=注意の分配力の機能の出番が多くて、「前頭葉」が活性化する生活習慣への改善と継続的実施)を実践させることに因り、症状を治すことが出来る(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常なレベルに引き戻すことが出来る)のです。

このことを別の視点から見ると、二段階方式の考え方により、二段階方式の手技を活用して、早期診断【小ボケ及び中ボケの段階にあるお年寄りを見つける事】と早期治療(脳のリハビリの実践指導)を実施することに因り、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが出来るのです。

(エピローグ)

  加齢に起因した機能低下のカーブ(正常老化曲線)

 廃用性の機能低下と言う要因が加重された機能低下のカーブ

(1) 上の図は、加齢という要因だけによって前頭葉の機能が辿る『前頭葉の老化曲線』のカーブを示しています。NHKの人気番組『チコちゃんに叱られる』でも取り上げられ紹介された二段階方式が誇る独自の「脳機能データ」です。

(2) 下の図は、「アルツハイマー型認知症」を発病したお年寄りの前頭葉の機能低下を示す曲線の図です(廃用性の加速度的で異常な機能低下のカーブ)。

(3) 両者を区分けている要因は、廃用性の機能低下と言う要因、「第二の人生」を送る上で、日々展開され、継続されるナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」という要因により惹き起こされるものなのです。アミロイドベータの蓄積でもなければ、タウタンパクの蓄積でもなければ、アセチルコリンの不足でもなければ、脳の萎縮でもないのです。それらの要因とは無関係なのです。

)Newsweek日本語版、2021.01.19に特集記事が載りました。『アルツハイマーの真の原因を探せ』と題する記事です。これまで世界をリードしてきた「アミロイドベータ仮説」の破綻の記事です。とはいえ、世界中の権威達は、未だに迷走状態に在るのです。「アルツハイマー型認知症」が『意識的な世界』(「実行機能」=Executive Function の発揮が不可欠)に関わる認知症であること、意識的な世界の構築と活動に不可欠の機能である「実行機能」自体の機能の発揮度が、『意欲、注意の集中力、就中、「注意の分配力」の機能の関与なしには成立し得ないこと及び左右し、下支えられている機能構造にあること=Tadが独自に究明したもの』、加えて『注意の分配力』の機能の特性自体について、権威とされる人達が無知なために、未だに迷走状態に在るのです。『アルツハイマー型認知症』は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の『生活習慣病』に過ぎないのであり、左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々の暮らしとなる、「第二の人生」を送る上での「脳の使い方」としての「生活習慣」が、発病するか/しないか及び症状の重症化が進行するか/しないかを区分ける唯一の要因である(ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した「廃用性の機能低下」の進行と言う要因)ことについて、未だに誰も気が付いていないのです。二段階方式の国策化が一部の地域でも制度化されれば、主張の根拠にしている種々の「脳機能データ」の蒐集が可能となるので、そのデータを付けて、Tadが解明し、構築した「二段階方式」独自の主張をカロリンスカ研究所やランセット委員会に提出すれば、世界は変わると考えているのです。今は、未だ白みかけてはいないものの、夜明け前の状況に在ると言っておきましょう。

(4) 世界中の権威ある機関や人達から、『発病の原因が分からないし、一旦発病すると治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ない』とされてきている『アルツハイマー型認知症』は、『廃用性症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病に過ぎない』のであって、『早期診断により治すことが出来るし、発病自体を予防することが出来るタイプの認知症の典型である』として、北海道から九州に跨る452の市町村での『住民参加型の地域予防活動』の実践展開の指導により、主張内容が正しいことを、疫学的方法により実証してきているのが、私たち「二段階方式」なのです。

(5)『アルツハイマー型認知症』の本態、発病の原因とメカニズム、症状が重症化するメカニズムと機序についての私たち二段階方式の考え方とその主張内容とは、世界中で独自のものであり、唯一のものであり、世界中の権威が主張する/支持する「DSM-4」の規定及び「4つの仮説」の内容とは全く異なるものなのです。

このブログ上で公開した内容、私Tadが書き込んできたブログ記事の内容(2012年3月以来公開したブログの内容の総数字は、既に500万字を超えている)並びに「二段階方式」の実務研修会で配布されてきた「個別事例判定マニュアル」(A、B、Cで630ページに上る)及びマニュアル使用の手引きに記載された内容については、全て、『著作権法の規定により、自動的に著作権が成立している』ことを、医学会に身を置く人たちに、注意喚起しておきたいのです。

(6)様々な視点とテーマにより、書き続けてきた、その全ての内容が、『世界中で、独自の主張内容となっていて=意識的な世界に注目し、注意の分配力の機能に注目し、加齢に因る機能低下と廃用性の機能低下の相乗効果に注目していて』、最終的には、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』という視点こそが、発病のメカニズムを解明する為に不可欠であると提起しているのです。14689例に上る「アルツハイマー型認知症」の発病患者の脳機能データの解析結果を基礎として、『アルツハイマー型認知症は、廃用性症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病に過ぎない』のであり、『第二の人生を送る上での、脳の使い方としての生活習慣、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続が発病するか/しないか及び症状の重症化が進行するか/しないかを区分け、決定づける唯一の要因である』(食生活は、無関係)と主張しているのです。

(7) 世界で唯一独自の内容であり、主張内容が正しいことを実証していながらも、論文を提出していない(カロリンスカ研究所やランセット委員会等の世界的に権威ある機関に論文を提出することが、評価を得る第一歩となる)為に、それ等の機関に注目されていないだけなのです。

権威とされながら、重大な誤った内容であることにも気付かないで、権威だけを笠に着て、反省も無く、誤った情報を流し続けている人達に対する、警告でもあるのです。世の為人の為、更には、国の政策を変える為の目的で書かれてきたと同時に、私たち「二段階方式」の主張内容について、著作権が自動的に成立することを承知の上での意図的な行為でもあるのです(何人であっても、著作権法の規定に基づく/著作権法の規定により許された方法と範囲内での「引用」という方法でのみ、使用が許諾されることにしかならないのです。それ以外では、私たち「二段階方式」が許可した特定の場合にしか使用できないのです。その一つの態様が、北海道から九州に跨る452の市町村で、市町村との「使用許諾契約」の締結により過去に展開した住民参加型の「地域予防活動」の実践なのです)。

(8)「政府大綱」では、末期の段階の症状に焦点が当てられていて、「介護の予防」だけが当面の目標テーマとされていて、『早期診断による回復及び発病自体の予防は将来の研究テーマとしての位置づけが明記されている』のです。

様々な種類が数ある認知症の内の90%以上の割合を占めているのが、このブログで取り上げ、種々の問題を提起してきている『アルツハイマー型認知症』なのです。世界中の権威達は、この『アルツハイマー型認知症』について、世の中に対し、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病自体を予防することが出来ないタイプの認知症である』とする、重大な誤った内容での情報を未だに発信し続けているのです。その結果として、早期診断による回復の問題も、発病自体の予防という問題も、置き去りにされ、何等の対策が実施されないままに放置された状況にあるのです。その結果、発病者があふれていて、症状が進行して末期の段階の症状が発現してきていて「セルフケア」にも重大な支障が出てきて、『介護が不可欠』の状態のお年寄りが世の中にあふれていて、老々介護者や認認介護者や介護離職者が増加の一途を辿っているのです。政府大綱においてさえも、「背後にどのような事情や勢力が存在しているのかが分からない」のですが、早期診断による回復というテーマも、発病自体の予防というテーマも、将来の研究課題という位置づけに置かれているのです。➡ こうした状況、社会悪が放置された状況を変革する捨て石になりたいと古稀を超えたどころか、「喜寿」を目前にしつつも、老骨に鞭打っているのです。天が此の私を必要とするのであれば、「春が巡ってこない年は無い」ように、何時かは、日が昇る(陽の目を見る)時が来ると信じて。

本著作物「Fー04」及び本Gooブログ上に公開され、掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用するに際しては、『著作権法』の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人にお願いします)。 

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アルツハイマー型認知症の治療ー中ボケからの回復(A-86)

2013-05-21 | アルツハイマー型認知症の治療方法

○  「アルツハイマー型認知症」の発病と「前頭葉」の機能レベルとの関係                                                                                                                                                    60歳を超える年齢で、足元がおぼつかない高齢のお年寄りが、雨が降り滑りやすくなった玄関先で、何かの弾みに滑って転んで、複雑骨折をして、何カ月間か病院のベッドに伏せったままでいると、二つの問題を抱えることになります。1つは「身体」の問題であって、長らく使われないままにされている脚の筋肉が廃用性の委縮を起こしてきて、歩行が困難になるのです。他の1つは「脳」の問題であって、「単調な生活」が日々継続する生活環境下のため出番が極端に少ないままでいる「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)が廃用性の加速度的な機能低下を起こしてきて、認知症の症状(「小ボケ」の症状)が出てくることがよくあるのです。実はこれこそが、「アルツハイマー型認知症」発症の1つの典型的なケースなのです。

「老人斑」ができたせいでも、「神経原線維変化」が起きてきたせいでもないのです。転んで、複雑骨折したことが「キッカケ」となって、何か月も病院のベッドに伏せったままで、生き甲斐なく、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標もない、あのナイナイ尽くしの「単調な生活」、言い換えると「前頭葉」の出番が極端に少ない日々が続くだけの「単調な生活」が継続したせいで、「前頭葉」が老化を加速させ、機能が異常なレベルに衰えてきたことが直接の原因なのです(「廃用性の加速度的な脳機能の低下」による、「アルツハイマー型認知症」の発病なのです)。

○ 「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-4」の改訂

世界で最も権威があるとされる米国精神医学会の診断基準である「DSM-4」の規定では、「記憶の障害」が「アルツハイマー型認知症」診断の最も重要な要件(第一の要件)とされてきたのです。それを前提にして、「失語」や「失行」や「失認」などの「重い症状」(私達の区分で言う「重度認知症」でも後半にならないと現れてくることがない極めて重い症状が認められることが(第二の要件)とされてきたのです。

ところが、この二つの要件を充足すると、「社会生活」面や「家庭生活」面といったレベルにおける支障というような程度をはるかに通り越して、「セルフケア」の面にも支障が出て来るレベルになるので、日常生活面での「介助」が不可欠になるのです。このブログで何度も問題を提起してきたように、この段階で見つけていたのでは、治すことは(「前頭葉」を含む脳の機能を正常なレベルに回復させることは)、困難になるのです。正常なレベルに脳の機能を回復させることが困難な末期の段階に特有な症状を基準にして、「アルツハイマー型認知症」を診断することにどれほどの意味があるのかと言いたいのです。治すことを放棄してしまっているのではないかと疑わざるを得ないのです。近々公開される予定の 「DSM-4」の改訂版である「DSMー5」では、この点がどのように改善されることになるのか、それとも改悪されるのか、早くその内容を知りたいと思うのですが。

○ 「アルツハイマー型認知症」の本質は、実は「記憶の障害」の問題ではないのです。その診断基準である「DSM-4」の規定を作成した人達が、末期の段階の「重度認知症」の段階にあった人達の「脳の解剖所見」に引きづられて、「重い症状」ばかりに目がいっていることに問題があるのです。単に誤解して、原因ではなくて結果に引きづられているだけなのです。脳機能データの解析による私達の考え方に基づいて、この点をもう少し詳しく、説明しておきましょう。

「前頭葉の諸機能」の障害すなわち、色々な認知機能を発揮する上での基礎となる三本柱の意欲、注意集中力及び注意分配力」の機能の障害並びに理解、考察、発想、企画、計画、観察、分析、洞察、推理、予見、シミュレーション、工夫、機転、抑制、忍耐、興味、創造、感動及び判断等の機能の障害、更にそれらに加えて最終的な実行内容を選択する上で不可欠な機能である「評価の物差し」としての評価機能の障害という「各種の前頭葉機能の障害」を基礎として、左脳、右脳及び運動の脳との協同関係による脳全体の機能レベル(機能障害の異常なレベル)のアウトプット自体が「アルツハイマー型認知症の症状」として発現してくることに気づいていないことが最大の問題なのです。「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベル自体が認知症の症状として直接発現してくるのが特徴なのです。従って、(「前頭葉」を含むどの脳の機能が異常なレベルに衰えると、どのレベルの認知症の症状が発現してくることになるのかという一定の診断基準を持たないと、正しい診断をすることもできないし、回復させることが可能な早期の段階を見つけることもできないのです。

ところで、「前頭葉」を含む脳の機能レベルそれ自体が、認知症の症状として発現してくる「アルツハイマー型認知症」は、三段階に区分される「脳の機能レベル」に対応する三段階に区分される「認知症の症状」が、段階的に発現してくるのです。このことが、認知症の専門家とされる人達に未だに認識されていない(理解されていない)と言うしかないのです。 「アルツハイマー型認知症」の場合は、脳全体の司令塔の役割をしている「前頭葉」の機能だけが最初に異常なレベルに衰えてくるのが特徴なのです(「軽度認知症」の段階:この段階では、左脳も右脳も未だ正常な機能レベル)。そのため最初の「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、「セルフケア」や「家庭生活」の面では何らの支障も起きてこなくて、「社会生活」の面だけ種々の支障が起きてくるようになります。

次いで、「左脳と右脳」も異常なレベルに入ってくる「中等度認知症」(中ボケ)の段階では、「家庭生活」の面にも支障が起きてくるようになります。そして、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけでなくて、左脳も右脳も運動の脳までもが極めて低いレベルでしか機能できなくなってくる末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階になると、「セルフケア」の面にも支障が起きてきて、日常生活に「介助」が要るようになるのです。こうした脳の機能レベルの低下に対応して、段階的に次第に重い症状が出てくるようになるのです。ここで皆さんに注意を喚起しておきたい大事なことがあります。それは、脳の機能レベルをどんどん低下させて行っている犯人は、一部の学者が主張しているような、アミロイド・ベータでもタウ・タンパクでもないということなのです。「脳を使おうとしない生活」、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という「生活習慣」こそが、真犯人なのです。

このブログで何度も指摘してきたように、最初の段階、脳の司令塔の「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきて、「左脳も右脳も運動の脳」もその働きが未だ正常なレベルにある段階で発現してくる「症状」は、不活発病と揶揄されるようなものではなくて、「アルツハイマー型認知症」の」症状そのものなのです。回復が困難な「末期の段階」ばかりに焦点が当てられていて、「脳リハビリ」による回復が可能な「早期の段階」である「軽度認知症」(小ボケ)或いは「中等度認知症」(中ボケ)の段階は、「不活発病」とか、「老化現象」とか、「軽度認知障害」等の名前で呼ばれて、何等の注意の喚起も対策も施されないで放置されたままでいるのが現状なのです。放置されたままの状態で「軽度認知症」(小ボケ)の段階が3年も続くと、私達の区分で言う「中等度認知症」(中ボケ)の段階に進んでしまうのです。「単調な生活」が継続している下で、脳全体の加速度的な機能低下が更に進行していくことが原因なのです。

「アルツハイマー型認知症」の脳の機能レベルと対応する症状とを区分して観察していれば容易に理解されるように、この「中ボケ」の段階では、「DSM-4」が第二の要件で取り上げているような、「失語や失行や失認」などの重い症状は未だ現れてこないのです。「軽度認知症」(小ボケ)の段階なら回復が容易なのに、「中等度認知症」(中ボケ)の段階に進んでしまうと、回復は未だ可能なのですが、周りの家族を巻き込んでの「脳リハビリ」の為の大変な対応が要求されることになるのです。この段階さえも「老化現象だ」等と見誤って放置し、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が更に2~3年間継続していくと、「中等度認知症」(中ボケ)レベルに回復させることさえもが困難になる末期段階の「重度認知症」(大ボケ)の段階に入ってしまうことになるのです。「DSM-4」の規定に依拠して診断を行う限り、末期の段階である「重度認知症」の段階でしか「アルツハイマー型認知症」を見つけることができないのです。このことに「米国精神医学会」でさえ気づいていないのです。

「重度の記憶障害」の症状が出ていて、且つ「失語」とか「失行」とか「失認」とかの末期段階に初めて見られる症状が出てくる「重度認知症」(大ボケ)の後半の段階になって「アルツハイマー型認知症」と診断していたのでは(それが、DSMー4」の診断基準なのですが)、見つけるのが「遅すぎる」ことになってしまうのです。この段階で見つけていたのでは、せっかく見つけても手遅れ、「アルツハイマー型認知症は、原因も分からないし、治らない」病気にされてしまうだけなのです。

ところで、アミロイドベータ仮説やタウ蛋白仮説の考えを信望する人達が開発を目指している「アルツハイマー型認知症」の「治療薬」とは、異常なレベルに機能が衰えている「前頭葉」を含む脳の機能レベルを、飲むだけで(或いは、貼るだけで)、正常なレベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。 意識的な思考や行為或いは言動をコントロールしている、脳全体の司令塔である前頭葉」の機能を含む脳全体の働き方のメカニズムから考えたとき、そのような効能を持った薬が開発できるとは考えられないのです(あり得ないと私達は考えるのです)。

飲むだけで(貼るだけで)正常なレベルに脳の機能を回復させることがあたかも可能であるかのような「新薬開発」の言葉がマスコミの記事で踊る度に、市町村による「予防」活動への取り組みが遠のいていくことになるのです。日本全体での高齢化率が30%を超えた時、取り返しのつかない状態がくるのです。予防は、啓蒙活動だけでは足りないのです。市町村による(保健課や地域包括支援センター等)早期診断の窓口の常設と小規模単位集落ごとでの「地域予防活動」の密な実践とが不可欠になるからです。

「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムは、「前頭葉」を含む脳が「廃用性の機能低下」により、働きが異常なレベルに加速度的に衰えてくる結果として、認知症の「症状」が発現してくる(脳の機能レベルのアウトプットが症状)ということなのです。従って、「アルツハイマー型認知症」を治療する方法とは、脳の使い方としての「生活習慣」の改善によって、異常なレベルに衰えた脳の働きを正常なレベルに引き戻すこと、それしか他に方法はないのです。日常生活の様々な場面で「前頭葉」を含む脳全体を活性化させてやること、「趣味」や「遊び」や「人づきあい」や「運動」、或いは「社会活動」等を自分なりのやり方で楽しむ生き方を「生活習慣」化すること、自分なりの目標生き甲斐がある生活を日々送ることが唯一無二の治療法となるのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力という「三本柱」の機能が活性化されるような「テーマ」の実行、「前頭葉」の出番を増やしてやる(しっかり使ってやる)「テーマ」の実行を生活習慣化することしか他に方法はないと言うのが、脳の機能データと実践に裏付けられた私達の結論なのです。

但し、「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えてしまった時は、「前頭葉」の機能自体が殆ど働かなくなってきているので、本人が状況を理解することができない上に、脳を使おうとする意欲さえ全く出てこなくなるので(その先はできなくなる)、正常なレベルは愚か、「小ボケ」や「中ボケ」のレベルに回復させることさえも、もはや期待できなくなってしまうのです。

○ それでは、今日の主題である「中ボケからの回復」の方法について、その要点を説明することにしましょう。

世間では「アルツハイマー型認知症」の原因が分からないでいるせいか、症状を段階的に区分することさえもしていません。「社会生活」面での支障と「家庭生活」面での支障と「セルフケア」面での支障とでは、支障のレベルも態様も次元が異なるレベルの差異があるにも拘わらず、同列にしか考えていないというか、「十把一絡げ」の扱い方しかしていないのです。「前頭葉」を含む脳の機能レベルが直接「認知症」の症状として現れてくるのが「アルツハイマー型認知症」の特徴であると考えている私達は、3つの段階に区分される脳の機能レベルに応じて、症状も、「軽度認知症」(小ボケ)の症状、「中等度認知症」(中ボケ)の症状及び「重度認知症」(大ボケ)の症状の3つの段階に区分しています。今回のこのブログでは、「中等度認知症」(中ボケ)からの回復について説明します。

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症(小ボケ)の段階を「不活発病」などと誤解して、「前頭葉」機能の活性化による機能の回復を図るための何らかの対策を施すこともなく、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままで居ると、次の段階である「中等度認知症」(中ボケ)の段階に入っていくことになります。この場合、脳の使い方としての「生活状況」が人それぞれなので、それなりの差異は有るのですが、通常のケースでは「軽度認知症」(小ボケ)の期間は大体3年間続きます。

「中等度認知症」(中ボケ)は、脳の司令塔である「前頭葉」の働きが「軽度認知症」のときより更に異常なレベルに加速度的に衰えてきている上に、「軽度認知症」のときは未だ正常だった「左脳」と「右脳」と「運動の脳」の働きも異常なレベルに衰えてきていて、「脳全体」の働き具合が異常なレベルになってくるのです。三頭建ての馬車の御者だけでなく、3頭の馬さえもが異常なレベルに衰えてくる、それが「中ボケ」の段階なのです。脳全体の働き具合が異常なレベルに入ってきた「中等度認知症」のお年寄りの脳の働き具合は、「4~6歳児」相当のレベルと考えると、実態によく合致します。

自分が置かれている状況の判断も、状況判断に基づく「テーマ」の発想や企画も、「テーマ」を構成する内容の組立或いはそのやり方の工夫も、実行するに際して事前に行われる洞察や推理やシミュレーションも、最終的な実行の決断も、「4~6歳児」相当のレベルの脳が行っているのです。「中等度認知症」(中ボケ)のイメージは、家庭内の簡単な用事程度のことさえもちゃんとできないのに、口先だけは一人前、「言い訳の上手い幼稚園児」が特徴です。家族、特に同居していない家族は、口先にごまかされないよう、中身をしっかりと見極めていただきたいのです。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、情報の認知度を左右する三本柱の機能である「意欲、注意集中力と注意分配力」の働き具合が、「軽度認知症」(小ボケ)のレベルよりも更に不十分にしか働かなくなります。その結果、認知それ自体とその記銘、保持及び想起の機能の発揮が更に不十分なものとなってしまうのです。「左脳」がらみの論理的思考や計算や言葉に対する理解、或いは「右脳」がらみの色や形や時間や空間などに対する認知、更には自分が置かれている状況の判断等にも、家庭生活を送る上でトラブルが起きてくる程の支障が出てくるのです。

状況の判断、物ごとの理解や見通し等の判断が「幼稚園児」の程度となる結果、「家庭生活」面に支障やトラブルが起きてくるようになります。但し、「中等度認知症」の段階では、「家庭生活」面に支障が出てくるとは言え、衣服の着脱、食事、大小便、入浴など身の回りのこと(所謂、「セルフケア」)は自分で一応できるので、家族に迷惑をかけることはあまりないのです。そのため家族も、「アルツハイマー型認知症」を発病しているとは考えもせず、「年のせい」くらいにしか考えないで、悠長に構えているのが普通なのです。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階になると、食器の片付けや、洗濯物の取り込み、庭の草むしりといった、「家庭内の簡単な用事」程度のこともちゃんとできなくなります(「4~6歳の幼児」がやる程度にしかできないのです)。せっかく洗ってくれたお茶碗はもう一度洗いなおさないといけないし、庭の草取りをしてもらうと花の苗まで抜いてしまいます。この程度にまで脳の機能が衰えてきていても、「DSM-4」が「第二の要件」に掲げている失語や失行や失認等の「重度の症状」及び第一の要件に掲げている「重度の記憶障害」の症状は発現してこないので、家族がせっかく病院に連れて行っても、「アルツハイマー型認知症」とは診断されないのです。

「前頭葉」の機能が異常なレベルに衰えてきているとはいえ、「軽度認知症」(小ボケ)の段階では、未だ自覚が持てます。「意欲もわかないし、根気が続かないし、てきぱき出来ないし、発想も湧かないし、物事に感動することもないし、どうかしたのだろうか・・・」と自身が感じていて、「以前の自分と比較して、自分のどこかがおかしい」という自覚を明確に持っていて、自分の状態に「不安」を感じてもいるのです。ところが、「中等度認知症」(中ボケ)の段階になってくると、そうした自覚を持つこと自体が出来なくなってくるのです。

自分の状態(軽いとはいえ、れっきとした「認知症」の症状なのですが、、、)に対する自覚がもてないので、不安も全くと言っていい程に感じていないのです(脳の機能レベルの更なる低下が原因で、感じることがもうできないのです)。逆に、家族が、「こんなところが、こんなふうにおかしい」と指摘しても、「そんなことはない。私は、ボケてなんかいない」と言い張るのです。その上、自分のおかしな言動についての、一端の言い訳(ヘリクツの類)ばかりを並べ立てるのが「中ボケ」の特徴なのです。

「中等度認知症」(中ボケ)の段階になっても手をこまねいていて(そもそも、本人には自覚がないのですが、家族を含む周りの人達にも状況が理解されていなくて)、相変わらずナイナイ尽くしの「単調な生活」が継続されたままでいると、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下が更に加速度的に進んでいき、回復が困難な末期の段階である「重度認知症」(大ボケ)の段階に入っていくことになるのです。

前回のこのブログでは、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の症状が出てきているお年寄りの症状を治す(前頭葉の働きを正常なレベルに引き戻す)方法と留意点について説明しました。異常なレベルに機能が衰えた「前頭葉」の働き具合を正常なレベルに回復させるには、「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠、唯一無二の方法だと言いました。

やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活(「右脳」の活性化を目的とした生活)とその仕方を工夫するのが大切だと言いました。脳の活性化が異常なレベルに衰えた脳の機能を正常なレベルに回復させる(認知症を治す)唯一の方法という点では、「軽度認知症」(小ボケ)も「中等度認知症」(中ボケ)も基本的には同じなのです。但し、両者の脳の機能レベルが異なる段階にあるので(小ボケ」では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルであったものが、「中ボケ」になると左脳も右脳も異常なレベルに機能が衰えてくるので)、「中ボケ」の段階になると、自分にどこかおかしなところがあるという認識がもてなくなってしまうのです。そのため、「中ボケ」のレベルにある本人の脳を活性化するための「テーマ」の選択や実行の程度や態様或いは実行する上での様々な工夫について、周りが留意すべき点が多くなり並びに家族が周りから本人を支えるべき手間や程度や態様が一段と要求されることになってくるということなのです。

○  「中ボケ」の脳リハビリに対する家族の心構え

「中ボケ」は、「小ボケ」より達成目標を下げると共に、本人が頑張って実践すべき脳活性化のための「テーマ」自体の計画や実行について、家族自身も一層の手間をかけることが必要不可欠になります。「中ボケ」のレベルになると、「左脳も右脳」も異常なレベルに衰えてきているために、「時の見当識」や「所の見当識」と呼ばれる認知機能が異常なレベルに衰えて、揺らいでくるのです。そのため、「今日が何月何日なのか」が分からなくなってくるのです。今までに行き慣れている所に行くのにも、間違うようになってくるのです。

その上、「自分の脳の働き具合が、どこかおかしいという自覚もない」のが普通なのです(自分の脳の働き具合がどこかおかしいという自覚がもてるのは、「小ボケ」のレベルまでになります)。脳を活性化させるための生活習慣に取り入れる「テーマ」は「小ボケ」と同じでも、やり方や程度や態様及び頻度を変える必要があるのです。従って、家族の深い理解と十分な後押しとが、「小ボケ」の段階よりはるかに重要な役割を担ってくるのです。そのため、家族の負担が極めて重くなります。但し、「中ボケ」までなら、未だ脳の機能レベルが正常なレベルに回復する可能性があるので、家族には自分自身のためにも頑張っていただきたいのです。「大ボケ」のレベルにまで脳の機能を衰えさせてしまうと、回復の可能性はなくなります。その一方で、「身体だけは何時までももちつつ、脳の機能が更に衰えていく」のが「アルツハイマー型認知症」の特徴なので、家族自身が共倒れになってしまうのです(或いは、自分なりの人生を送ることができなくなってしまうのです)。

●家族がいくら説明して、おかしな言動があるといっても、「わたしは、ボケてなんかいないよ、何ともないよ」と言い張って、一向に家族の話を聞こうとはしなくなります。「中ボケ」の段階に特有な、いろいろな症状が出てきていて、「家庭生活」面に様々な支障やトラブルが起きていても、自分自身の問題としての理解ができないのが「中ボケ」の特徴でもあるのです。

●「中ボケ」のレベルになると、脳を活性化するための努力の必要性を理解することも出来ません。それでいて、理解力や判断力が衰えてきている割に口は立つので、口先だけの色々な理由を並べ立てます(単にやりたくないが故のヘリクツのたぐい)。家族が必死になって前から引っ張ったり、後から押してあげないと、脳が活性化するような生活習慣の改善(脳リハビリ)に真剣に取り組もうとはしないのです。

●周りの人(できれば同居の家族)が、本人の過去の趣味や遊びや人づきあいの仕方の程度とか生活環境などを考えて、「テーマ」自体とそのやり方を具体的に計画してあげてください。具体的な生活習慣の改善を計画し、家族全員で本人を支えて、「脳リハビリ」の実行に一緒に取り組んであげることが、改善への道につながる不可欠の条件になります。

●口先だけが達者な「中ボケ」に対する脳リハビリのコツは、本人の発言に惑わされずに、行動を根気よく観察することから始まります。着衣・食作法・トイレや入浴・家事(炊事・洗濯・片付け・掃除・庭や畑仕事)などの行動や言動或いは実行のレベルをよく観察することが大切です。身についた行動なのでたまにはスムーズにできることもありますが、自身の判断が必要な状況になると、とたんにトラブルが発生します。その状態を、こどもの行動レベルと比較してみると、よく理解できるはずです。幼稚園の年少・年中・年長に相当するレベルと考えると、納得がいくはずです。

●「脳リハビリ」の項目や「テーマ」は「小ボケ」と同じでも、幼稚園児に対する指導と同じように、噛み砕いて簡単にすることが必要です。更には、目標レベルが高すぎないことが肝心です。本人が過去に熱中していたり、得意だった分野や「テーマ」があれば、必ずそれを取り入れるのです。「昔取った杵柄」が頼りとなります。

●行動は幼稚園レベルに低下していても、数十年生きてきた体験そのものは消えるわけではないので、「言葉遣い」や「態度」にはそれなりの注意が必要です。「左脳」よりも「右脳」の方が衰え方の進行が緩やかなので、「言葉や論理」に対する理解が十分でなくなっても、感覚的或いは感情的な部分は家族が思っている以上に未だ働くのです。

 注)本著作物(このブログA-86に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

 http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a

 

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アルツハイマー型認知症の治療ー小ボケからの回復(A-85)

2013-05-11 | アルツハイマー型認知症の治療方法

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

○「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズム

脳の司令塔の「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)の働きには加齢とともに老化していく性質があります。正常な老化の場合でも、高齢者と呼ばれる年代の65歳頃になると誰でも、「前頭葉」の働き具合が20歳の頃に比べて半分程度にまで衰えてきています(加齢による「前頭葉」の「正常老化」)。そして、加齢による「前頭葉」の「正常老化」の進行は、70歳代、80歳代、90歳代と年をとるにつれて、直線的ではあるが緩やかに「低空飛行」の状態に入っていくのが特徴なのです(「第一の要件」)。

正常な老化の過程とはいえ、加齢による老化により「前頭葉」の機能が低空飛行状態に入ってきている60歳を超えた高齢者と呼ばれる年齢の「お年寄り」「第一の要件」)が、脳を積極的には使わない生活、生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々続けていると(「第二の要件」)、出番が少ないために使われる機会が極端に減った「前頭葉」が廃用性の機能低下を起こしてきて、第一の要件と第二の要件とが重なり合うことの相乗効果により「前頭葉」の老化が加速度的に進行していくのです。「前頭葉」の働きが加速度的な速さで衰えていき、「異常なレベル」に衰えてきたところに、「アルツハイマー型認知症」(晩発型アルツハイマー病)の発病が待っているのです。 

       

 脳全体の司令塔で、置かれている状況を判断したり、状況判断に基づいて何をするのかの「テーマ」を思いついたり、「テーマ」を実行するための「計画」を立てたり、そのやり方を工夫したり、「テーマ」の実行の仕方や予見される実行結果に対する洞察や推理やシミュレーションをしたり、状況の変化に応じて機転を利かせて対応を変更したり、或いは感情の吐露の仕方や程度や態様について、状況の評価に基づく必要な抑制をしたり、実行結果の体験に感動したりする等、各種の高度な働きを担当しているのが「前頭葉」なのです。私達が意識的に何かをする世界、思考や行為や行動をする場面をコントロールしているのが「前頭葉」なのです。廃用性の異常な機能低下を直接の原因として、「前頭葉」の働きが正常なレベルで機能できなくなった段階で「社会生活」に支障が出てくるようになります。すなわち、失語や失行や失認等の重い症状が全く認められない、極めて早期のこの段階で、「アルツハイマー型認知症」が始まるのです

(コーヒー・ブレイク) 米国精神医学会が定める「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-4」の改訂版として「DSM-5」が今月中に公開されると聞いているのですが、「DSM-4」の規定で第二の要件に規定されていた「失語や失行や失認」等の末期段階の重い症状の取扱いを変更できているのかどうか(削除しているのか否か)が、回復可能な早期の段階を見つけることに直接関係するので、期待しているのです。但し、肝心の「前頭葉」に目が向けられていなければ、期待は失望に変わってしまうのですが。

本題に戻ります。自分なりの生き甲斐や目標がある生活を過ごすことで、日々使ってやることが脳の機能を正常なレベルに保つ上で不可欠の条件となるので、使われる場面が極端に減少するような生活は、極めて危険な生活ということになるのです。「前頭葉」を含むこうした脳全体のメカニズムからすると、これといった生き甲斐もなく、楽しんだり熱中したりできる趣味もなく、親しく交友する友達もなく、散歩程度の運動もせず、達成しようと心に決めた目標もない生活、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が来る日も来る日も繰り返される毎日を生きているということは、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の出番が極端に少ない毎日を過ごしていることになるのです。

そうした脳の使い方が毎日繰り返されているだけの「単調な生活」の下では、「前頭葉」の根幹をなす機能(基礎的な機能)である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」という「三本柱」の機能の出番が極端に少ないということなのです。この「三本柱」の機能には、加齢と共に働きが衰えてくるという「正常老化の性質」が備わっているのです。そのため、60歳を過ぎた「高齢者」と呼ばれる年齢のお年寄りが、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を日々継続していると、お年寄りなら誰でも経験があるあの体験、「膝」の筋肉の衰えと同じようなことが、「脳」の機能にも起きてくるのです。

例えば足腰が痛いとか痺れがあるとか、何かの拍子に、出不精を決め込んで外に出ていかないで部屋にこもったままの生活をしていると、膝の筋肉があれよあれよという間に衰えていくのと同じように、「三本柱」の機能を使う機会が極端に少ない生活が継続されていると、廃用性の機能低下が起きてきて、「前頭葉」を含む脳の機能が加速度的に衰えてくるのです。脳の機能が加速度的に衰えていく結果として、異常なレベルに衰えた脳の機能レベルの直接のアウトプットとしての「アルツハイマー型認知症」の症状が現れてくることになるのです。

 

世間で認知症の専門家達から原因不明と言われている「アルツハイマー型認知症」は、上述したように、「加齢とともに脳の老化が進む」(加齢に伴う正常老化)という(「第一の要件」)「ナイナイ尽くしの単調な生活の継続」(廃用性の機能低下)という(「第二の要件」)の二つの条件の「相乗効果」により、脳の老化が「加速度的に進んでいく」ことによって発病するというのが私達の考えなのです(「廃用性の機能低下」のメカニズム)。

このメカニズムのもとでは、「第一の要件」は誰しも共通であって、「第二の要件」こそが「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかを決定づける条件となります。更に「第二の要件」こそは、発病を「予防」する生活習慣を構築する上で考慮すべき「テーマ」並びにその実行にかかわる程度及び態様を考える際の重要な視点ともなるのです。認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という、第二の人生での「生活習慣」と密接な関係がある病気、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であるというのが、極めて多数の脳機能データの解析による私達の結論なのです。

○  「アルツハイマー型認知症」の症状と脳の機能レベルとの関係

「アルツハイマー型認知症」は、「前頭葉」を含む脳の機能レベル自体が「認知症の症状」としてそのまま現れてくるのが特徴なのです。世間では「アルツハイマー型認知症」の原因が分からないでいるせいか、認知症の症状を区分けることをしていません。私達が開発した「二段階方式」と呼称する神経心理機能テストに基づいた極めて多数の脳機能データの解析を根拠として、「前頭葉」を含む脳の機能レベルが直接「認知症」の症状として現れてくると考えている私達は、3つの段階に区分される脳の機能レベルに応じて、症状も「軽度認知症」(小ボケ)の症状、「中等度認知症」(中ボケ)の症状、「重度認知症」(大ボケ)の症状と呼称する3つの段階に区分しています。

米国精神医学会が定める診断規定である「DSM-4」は、「アルツハイマー型認知症」であると診断するための第一の要件を「記憶の障害」としています。そのため医療機関で受診すると、専門の医師は、第一の要件に規定されている「記憶の障害」の症状があるかどうかを先づ確かめようとするのです。次いで、第二の要件に規定されている「失語や失行や失認」などの症状が出ているかどうかを確認しようとするのです。私達の脳機能データによれば、「失語や失行や失認」などの症状は末期段階の「重度認知症」の段階にならないと発現して来ないとても重い症状なのです。第一の要件とされる記憶の障害についての程度や態様についての規定はないのですが、両者は同じ人に発現している診断時の症状ということになるので、「記憶の障害」自体も極めて重い記憶の障害の症状ということになります。それがために、「ついさっき食事をとったことさえも思い出せない」ような症状が記憶障害の基準例として取り上げられているのです。

「アルツハイマー型認知症」としての「認知症の症状」が現れてくる最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の段階で認められるそれらの症状は、「DSM-4」が言うようなレベルの「記憶障害」の症状とは全く関係が無いのです。「意欲や注意の集中力や注意の分配力」など、「前頭葉」の機能の根幹(基礎)をなしていて、「前頭葉」の各種の高度な機能の「認知度及び発揮度」を左右している「三本柱の機能」が異常なレベルに衰えていることが、症状として現れてくるだけなのです。つまり、「小ボケ」の段階では、「三本柱」の機能障害の症状が「認知症の症状」として現れてくるということなのです。勿論この段階では、「DSM-4」で第二の要件として規定されている失語や失行や失認などの重い症状は、そのカケラさえも認められないのです。

「アルツハイマー型認知症」の初期(最初)の段階であり、私達の区分で言う「軽度認知症」(小ボケ)は、左脳と右脳と運動の脳は正常レベルなのですが、脳全体の司令塔である「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきているのです。そのため、「前頭葉」の機能のうち最も重要な「三本柱」の機能である「意欲」、「注意集中力」及び「注意分配力」が的確に発揮されなくなります。この「三本柱」の機能の衰え具合の相乗効果としての働き具合いが、いろいろな認知機能の対象となる情報や思考の処理にかかわる「認知度」及び「発揮度」を左右しているのです。その結果、小ボケの段階では、この「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えてきていることの機能障害を示す症状が「小ボケの症状」として特徴的に現れてくるのです。

「三本柱」の機能が異常なレベルに衰えた影響が、発想や企画や計画や洞察や判断や機転や感動や抑制といった「前頭葉」の各種機能の「認知度」及び「発揮度」に影響するために、対象となる情報や思考の認知及び記銘やその保持や想起並びに処理の面でも、機能の発揮が不的確で不十分なものとなるのです。そのため、的確な状況の判断、発想、計画、創意、工夫、機転といった機能、或いは的確な見通しや意思決定などが要求される、「社会生活」の面で、程度や態様を含む種々の支障が出てくるようになります。その結果、「社会生活」面での種々のトラブルが生じてくるようになるのです。勿論、この段階では、「家庭生活」の面にも「セルフケア」の面にも何の支障も起きてはきません。それぞれの段階で必要とされる「脳の機能のレベル」が異なるからなのです。

○ 「小ボケ」レベルでの「中核的な症状」の特徴を挙げると、次の5つの要素を中核とする種々の支障が、「社会生活」のいろいろな面で現れてくるのです。

● 自分の置かれている状況を的確に判断できなくなります。

● 発想が湧いてこなくて、見通しも立たないので、この一日或いは一週間、何をどうするのかという「テーマの発想と計画」が出来なくなります。

● 何かをしようとする「意欲」が出てこなくなり、毎日をボンヤリと過ごして、居眠りばかりするようになります。

● 何事をするにつけても人を頼るようになり、指示してもらわないと動けない「指示待ち人」になります。

● その人らしい「生活態度」が消えていき、「こんな人ではなかったのに」と周りから言われるようになります。

○ 「小ボケ」(指示待ち人)の段階で現れてくる認知症の症状 

「前頭葉」の機能だけが異常なレベルであって、「左脳も右脳も運動の脳も」未だ正常な機能レベルにある「小ボケ」の段階で発現してくる「小ボケ」の症状は、「前頭葉」の根幹(基礎)をなす働きである「三本柱」の機能が異常なレベルに機能低下したことのアウト・プットそのものなのです。以下に列記するのは、「軽度認知症」(小ボケ)の段階に見られる特有の症状です(4つ以上に該当していると、「小ボケ」のレベルであることが疑われます)。

□ 複数のことに注意が分配できなくて、3つの用事が同時にさばけない

□ 機転がきかなくて、創意工夫ができない

□ 発想が乏しくて、画一的な行動が目立つ

□何事をするにも億劫で面倒がり、何かをやってみようという意欲が見られない

□ 同じ食材を買ってくることが多く、料理の献立の単調さが目立つ

□ 一日や一週間の計画が自分で立てられず、なにも思いつかない様子

□ 朝は遅くまで起きてこないのに、気がつくと居眠りしている

□ これまでなら感動していたことに対して感動しない

□ 問いかけに対する反応が遅く、生き生きした笑顔がほとんど見られない

□ ぼんやりしていることが多く、自分から何もしないが指示されるとできる

□ 根気が続かず中途半端なことを繰り返し、やりかけの家事が目立つ

□ 目の光がどんよりしていて、顔つきが無表情

□ 反応が遅く動作がもたもたしていて、階段をトントンと降りられない

□ 歩くとき前屈みの姿勢で、小股でトボトボと歩く

□ 料理の手際が悪くなり、家族数に関係なく多すぎる量の料理を作る

□ 自分に自信がなくなり、何かにつけ人を頼ろうとする

□ 髪の手入れや、おしゃれに無関心

□ 同じ内容を繰り返して話し、そのことに本人が気づかない

□ 会話の最中唐突に、一方的に言いたいことを言い相手の話しを聞かない

□ 思い込みや思い違いが多く、指摘しても訂正や変更ができない

□ これまでなら楽しんでいた趣味や外出や旅行を嫌がる

 

○  「小ボケ」の治療は、脳を活性化させる「テーマ」の実行を生活習慣化すること(脳のリハビリ):

「軽度認知症」(小ボケ)は、「前頭葉」の三本柱の機能である、意欲、注意の集中力及び注意の分配力の働きが異常なレベルに衰えているだけなので、その機能を正常なレベルに引き戻してやれば脳全体の機能が正常なレベルに回復するのです(認知症が治る)。どうやって「前頭葉」の機能を正常なレベルに回復させるのか、それは、「三本柱」の機能の出番が多い「テーマ」を実行する生活を中核とする日々の過ごし方を考え、そうした「テーマ」の実行を「生活習慣化」することにより、「三本柱」の機能を正常レベルに回復させるのです。

「アルツハイマー型認知症」も、早期発見、早期治療が大切なのです。早く見つける程、回復する可能性が高いのです。標語的な表現を借りて言えば、「小ボケで見つければ、簡単に治せます(回復容易)」、「中ボケで見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば未だ治せます(回復可能)」、「大ボケで見つけていたのでは、見つけても手遅れ、治らないのです(回復困難)」。世間では、「DSM-4」の規定に準拠した診断をするので、言い換えると末期の段階である「大ボケ」の症状を物指しとして、「アルツハイマー型認知症」を見つけようとするので、せっかく見つけても治らない(治すことができない)のです。

○  今回は、「小ボケ」からの回復方法についての基本的な考え方を説明します。

「アルツハイマー型認知症」の最初の段階、「軽度認知症」(小ボケ)の症状が出てきているお年寄りの症状を治す(「前頭葉」の働きを正常なレベルに引き戻す)には、「前頭葉」の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが必要不可欠、唯一無二の方法なのです。効く薬はないし、薬は効かないのです。「アルツハイマー型認知症」は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続を第二の要件とする、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なので、「アルツハイマー型認知症」を治す薬を開発することは、最近流行りの「ips細胞」に頼ろうとも、不可能なことなのです。

ところで、脳を使うとか、脳を活性化させる方法というとみなさんは、すぐに読書や計算、つまり、「左脳」を使うことだと考えていませんか。お年寄りと言われる年齢の高齢者にとって、「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり楽しむ機会をできるだけ多く日々の生活の中に取り込むこと、「生活習慣化」することなのです。趣味や遊びや人づきあいなどを楽しむことで、自分なりの目標や喜びや生き甲斐があって、取り組む意欲が湧いてくるような「テーマ」を日々の生活に取り込んで暮らすようにするのです。

趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」中心の生活或いは、運動や散歩や体操などの「運動の脳」を使う生活習慣が、「前頭葉」の出番を増やし、働きを活性化させることになり、「前頭葉」の元気を取り戻させせることになって、正常なレベルに機能が回復してくる(「アルツハイマー型認知症」が治る)ことになるのです。

やるのが楽しくて、「前頭葉」の三本柱の機能である「意欲や注意の集中力や注意の分配力」の出番が多くて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような、趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活とその仕方を工夫するのが大切なのです。周りが助けて、本人なりに毎日を楽しめる生活習慣を組み立てるのです。過去の生活習慣にさかのぼって、どんなことに熱中していたのか、どんなことなら意欲を持って取り組めていたのかを調べてあげることも必要です。

 趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、「運動の脳」からの刺激が意外と効果的なのです。一日一時間の速足での散歩が目標(5000歩が目安)です。その場合も、散歩をするのが楽しくなるような工夫が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人が談笑しながら一緒に歩いてあげると効果が一層大きくなります。

 

○ 「小ボケ」の脳リハビリに対する家族の心構え

「小ボケ」は、よほどその気で注意して聞いていないと、日常会話のレベルであれば普通に話せるので、おかしいとは気がつかないのです。家族であるがゆえにむしろ、普通に見ようとする心理も働くのです。

ところが一旦家庭の外に出ると、その場の状況の変化についていけなくなるのが、「小ボケ」の特徴なのです。このことを家族は忘れないでいて欲しいのです。「セルフケア」の面や「家庭生活」の面では、なんの支障も起きてこないのですが、家庭の一歩外、他人と交わり或いは協同しながら何かの「テーマ」を実行しようとする生活の場である「社会生活」の面では、支障が出てくるのが「軽度認知症」(小ボケ)なのです。

上述のように、「小ボケ」は、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えてきている(もはや正常なレベルにはない)のです。「前頭葉」の三本柱の機能である意欲、注意の集中力及び注意の分配力の働きが異常なレベルに衰えていて、そのことが「前頭葉」全体のいろいろな機能の働き具合に現れてくるのです。「前頭葉」の働きが異常なレベルに衰えてきていることの直接のアウトプットが、認知症の症状として、思考や思考の仕方や、思考の深さや、状況の判断、或いは、頭では理解ができていても行動につながらない言動など、その程度や態様に症状として現れてくるのです。こうしたことを家族や周りの関係者が十分に理解して、やさしく言葉かけをして、本人を後押ししてあげることが必要であり、とても大切なことなのです。

○ 「小ボケ」は、気がつくと居眠りばかりしているという特徴を示します。居眠りをさせない(何か具体的な「テーマ」をやらせる)ように、家族や周りが気をつけて欲しいのです。例えば、以下に例示するような対応を心がけて欲しいのです。

● 声かけをしてくれる人を探す:

家族。離れて生活しているなら、曜日を決めた電話、関心を呼びそうなテーマの手紙も次善の策として有効。

近所の人に頼む、あるいはボランティアを探す。

本人の興味が湧いてきそうな趣味や遊びの集いへ参加させる。

 一日や一週間の日程を組んで、その中にテーマの実行や日程や目標を盛り込む。

● 本人の生活に変化をつけさせる工夫が必要:

散歩(できれば、速歩での散歩)を生活習慣化する。速歩での散歩は、「前頭葉」の三本柱の一角をなす「意欲」という機能を強化してくれる効果があるので、第一番に考えて欲しいテーマなのです。衰えている「意欲」の機能が正常なレベルに回復することで他の脳機能が回復するための第一歩となるのです。

何かを考えて何かの行動をするには、一定の機能レベルにある「意欲」が不可欠なのです。その肝心の「意欲」の機能が異常なレベルに衰えてきているので、家にこもっていると、何もしないで居眠りばかりすることになるのです。どこかに連れ出して、何かをやらせて、その中で関心や興味が動かされるもの、やる「意欲」を引き出すことにつながりそうな体験をさせて欲しいのです。誰かのために何かを探して、買いに行くのでもいいのです。テレビの番組で今流行りの「散歩」、住み慣れているはずの町や村の中を散歩して、新発見を楽しむのでもいいのです。

 できるだけたくさんの人達との「交流の機会」を増やすことが、大原則:

友人であれ、単なる他人であれ、人と交わることは、自分と相手とが関係する人的な状況を作り出すことになります。その人的な環境と状況の中で、話をすることであれ、何かをすることであれ、「共通のテーマ」が発生することになるわけです。共通のテーマを実行していく過程で、相手の話を聞いたり、話の内容を理解したり、相手の表情を読んだり、自分なりの考えを持ったり、自分の考えをまとめたり、自分の考えを相手に伝えたりする必要が生じてくることになります。そうした状況に対応する過程では、「前頭葉」の三本柱である意欲、注意の集中力や注意の分配力の機能の出番が要求されることになるのです。それなりに対応していく中で、「三本柱」の機能を使う場面があればあるほど、「前頭葉」の各種機能の回復が期待できるのです。

● 生活自体の中に、「楽しみ」を見つけ出させることが大事なのです:

本人が、趣味や遊びに挑戦する機会(右脳や運動の脳を使うことを主とする)を工夫するのです。本人が過去に興味を持って取り組んでいたもの、熱中していたものなどがあれば特に有効です。

● 自信を取り戻させることが大切です。

本人のレベルを考えて、それなりのレベルで出来る可能性があることをやってもらうのです。それなりのレベルでできたときは、そのことをきちんと評価して、努力や結果を褒めてあげることがとても大切なことなのです。家事や、畑仕事など、「昔取った杵柄」を探して、自信を取り戻す材料に使うのです。

注)本著作物(このブログA-85に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

 エイジングライフ研究所のHPここを「クリック」してください。

脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

   http://blog.goo.ne.jp/quantum_pianist

 http://blog.goo.ne.jp/kuru0214/e/d4801838dd9872301e0d491cd8900f1a

 
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「アルツハイマー型認知症」からの回復と治療薬 Q/A Room(A-64)

2012-10-18 | アルツハイマー型認知症の治療方法

 認知症の大多数90%以上を占めていて、専門家たちの誤解から原因不明で治らないとされている「アルツハイマー型認知症」は、「高齢者」だけが対象となるのです。高齢者と呼ばれる60歳以降の年代になってから、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達の割合が、年齢が上がるにつれて、60代で12%、70代で30%、80代で50%、90代で75%、100歳代では97%と、どんどん増加していくのが特徴です。但し、ここで言う、「アルツハイマー型認知症」を発病している人達とは、回復が容易な「軽度認知症」(小ボケ)のレベル、回復が可能な「中等度認知症」(中ボケ)のレベル、回復が困難な末期段階の「重度認知症」(大ボケ)のレベルの「全ての段階の人達」を合わせた人数による割合を言っていることに注意してください。

   厚生労働省が総数300万人と発表しているのは、「重度認知症」(大ボケ)レベルの人達だけの数であることにも注意が必要です。「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、「大ボケ」の数(300万人)の3倍にもなるというのが、私達の集積したデータからの推定です。認知症の専門家である精神科医は、「大ボケ」の段階の中期を過ぎた段階にならないと発現してこない失語、失行、失認といった「末期段階の症状」が出てくるようにならないと「アルツハイマー型認知症」とは診断しません。「小ボケ」も「中ボケ」も共に「大ボケ」の予備軍であるにもかかわらず、「小ボケ」は「不活発病」とされて放置され、「中ボケ」は「年のせい」として放置されているのです。私達のデータから推測すると、「小ボケ」と「中ボケ」とを合わせた数は、既に1200万人にも達していると考えられるのです。

             

   「アルツハイマー型認知症」は、「高齢者の前頭葉を含む脳の機能が、加齢とともに老化が進んできている」(正常老化)という(「第一の要件」)と「キッカケを契機として始まったナイナイ尽くしの単調な生活の継続」(廃用性の機能低下)という(「第二の要件」)の二つの条件が重なり合うことの「相乗効果」によって、「機能の低下が加速される」ことにより発病してくるというのが私達の見解です。「前頭葉」(前頭前野のことを言うものとする。以下、同じ)を含む脳の老化(緩やかで直線的な低下のカーブを描く)が、廃用性の機能低下により更に「加速」される(加速度的な低下のカーブを描く)ことにより、「アルツハイマー型認知症」を発病してくるのです。意識的に何かの「テーマ」を実行する(しようとする)ことにより働く「脳の機能レベル」のアウトプットが、そのまま「アルツハイマー型認知症」の「症状」であり、「脳の機能レベル」が低下するに従い、「小ボケ」、「中ボケ」、「大ボケ」の症状が段階的に発現してくるのです。その根拠となるデータについては、(N-34)で詳しく報告してあります。「キッカケ」の例示については、(ここをクリックしてください)。このメカニズムのもとでは、「第一の要件」は誰しも共通であって、「第二の要件」こそが「アルツハイマー型認知症」を発病するかしないかを決定づける条件となります。

 言い換えると、認知症の大多数90%以上を占める「アルツハイマー型認知症」の発病は、ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続という、第二の人生での「生活習慣」と密接な関係があるのです。「原因も分からないし治せない病気」と言われて放置されたままになっている「アルツハイマー型認知症」という病気は、廃用症候群に属する「生活習慣病」であるというのが私たちの見解です。「アルツハイマー型認知症」は、「小ボケ」と「中ボケ」までの段階で見つければ「生活習慣」の改善によって治せるし、脳が活性化する自分なりの「生活習慣」を維持することで発病を予防することもできるのです。

             

  このブログで何度も指摘してきたように、最初に注目すべき軽い段階の症状、脳の司令塔の「前頭葉」の働きだけが異常なレベルに衰えていて、左脳も右脳も未だ正常なレベルにある段階で認知症の症状が発現してくる「軽度認知症」(小ボケ)に注目すべきなのに、そのことに気づいていないのです。「前頭葉」の機能が加速度的に衰えていき殆ど機能しなくなってきていて、左脳も右脳も機能が異常なレベルに衰えてきている段階、いきついた最後の末期段階の症状を示している「重度認知症」(大ボケ)になって初めて、認知症と診断しているのです。重度認知症の症状が出てきて、「アルツハイマー型認知症」と診断していたのでは、せっかく見つけても手遅れ、「原因も分からないし、治らない」病気という結果になってしまうのです。

             

  脳の委縮が原因であるとか、アミロイドベータやタウ蛋白が原因であるとか、因果関係の確認もなしに、発病のメカニズムとは無関係の方向に学会の目が向けられたまま、「小ボケ」や「中ボケ」に目が向けられず放置されたままでいると、「中ボケ」は「大ボケ」になり、「小ボケ」は「中ボケ」の段階を経て「大ボケ」になるのです。東日本大震災の被災地の高齢者の間に、研究者達から「不活発病」の名を冠せられて注目を集めているお年寄り達が数多くいます。そのお年寄り達は実は、「アルツハイマー型認知症」の最初の段階である「軽度認知症」(小ボケ)の人達なのです。このブログの(N-33)で例示し説明した「生活状況」の発生が「キッカケ」となり、ナイナイ尽くしの「単調な生活」が始まってから半年から3年の間が「小ボケ」の期間、4~5年の間が「中ボケ」の期間で、6年経つと「大ボケ」になる」というのが大原則なのです(ここをクリックしてください)。

             

 米国精神医学会の「DSM-4」の規定は、「アルツハイマー型認知症」と診断するための第一の要件として、「記憶の障害」を挙げています。「記憶の障害」を第一の要件としていること自体がそもそも間違いなのですが、誰も第一の要件の問題性を疑おうともしないのです。日本人がノーベル賞を獲得したことで注目されている「iPS細胞」の研究者たちは、この要件に着目して、「アルツハイマー型認知症」の治療薬を開発する方法として、「海馬」機能の再生に目を向ける可能性があると思うのですが、発病のメカニズムから考えると、無駄足に過ぎないのです。このことを警告しておきたいと思うのです。時間もコストも、最終的には無駄になるのですから。

  私たちのデータと根拠からすれば、「アルツハイマー型認知症」を治せる薬とは、異常なレベルに機能が衰えている「前頭葉」を含む脳の機能を正常レベルに引き戻すことが出来る薬と言うことになります。意識的な行為の世界をコントロールしている、脳全体の司令塔の「前頭葉」の機能から見たとき、そのような効能を持った薬が開発できるとは考えられないのです。

 このことを、分かりやすい例で説明しましょう。自転車のチューブに空気を入れる「空気ポンプ」という機器があります。アルツハイマー型認知症は、空気をチューブに運ぶ紐状のゴム管の部分(脳で言えば、情報を伝達する神経線維や海馬の機能)に支障があるのではなくて、ポンプを押して空気を押し出してやる部分(脳で言えば、情報を処理し、発信してやる「前頭葉」等の機能)に支障が起きてきたこと(「廃用性の機能低下」)により、正常に働かなくなったことが原因で発病する(「認知症」の症状がでてくる)病気なのです。

            

 「廃用性の機能低下」が原因で前頭葉を含む脳の機能が異常なレベルに衰えてくることの直接の結果として「認知症の症状」が発現してくる訳ですから、正常なレベルに引き戻す方法(治療の方法)は、日常生活のいろんな場面で、「前頭葉」の出番が増えるようなテーマ、例えば、趣味や遊びや人づきあいや運動を自分なりに楽しみ、目標や喜びや生き甲斐が得られる生活を送ることが不可欠の条件となるのです。そうした「生活習慣」の下で、脳全体を活性化してやり、機能レベルを回復させてやるしか他に採るべき方法はないのです。この場合、「中ボケ」レベルにまで衰えていたら、「一日五千歩」の散歩をさせることが出発点となります。意識的に何かのテーマを実行するには、一定レベルでの「意欲」が必要であり、「歩くこと」が「意欲」を引き戻すのに極めて有効だからです(ここをクリックしてください)。但し、回復が可能なのは「中ボケ」の段階までであって、「重度認知症」の段階にまで脳の機能が衰えたら、回復させることはもう期待できなくなることに注意が必要です。

            

(コーヒー・ブレイク)「器質的変化」が本質の病気だと誤解しているために、「アルツハイマー型認知症」に効く薬が開発できるかもしれないと研究者たちは考えてしまうのです。多数のデータの分析と根拠に基づき、私たちがこれまでに指摘しているように、「機能的変化」(廃用性の機能低下)が本質の病気だとすれば、脳を十分に使ってやりもしないナイナイ尽くしの「単調な生活」をしていて、飲むだけで(貼るだけで)効くような、そんな薬はあり得ないのです。iPS細胞で海馬の機能を再生させても、「アルツハイマー型認知症」を治すことにはつながらないし、ましてや「前頭葉」自体の機能を再生させることはできるはずもないのです。

(補足) ニューロンの機能の分野については専門外なので、単なる推測にすぎないのですが、高齢者がナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続する下で、脳の「廃用性の機能低下が起きてくる状態」を言い換えると、(それぞれの専門的な特定の種類の情報の伝達/処理に機能特化した「ニューロン」群の樹状突起および軸索部分が、当該ニューロンの専門分野である特定の種類の情報の伝達/処理に拘わる機会が極端に少なくなった環境の下では、委縮を起こしてきて縮小するために機能を劣化させていくという現象が起きてきているのかもしれない)と考えるのです。だからこそ、「中ボケ」までの段階であれば、関連する専門の分野の情報を伝達/処理する機会が与えられる環境が再現され継続されると、縮小していた樹状突起および軸索が復活してくることで機能を回復してくるのではないかと考えるのです(ニューロンの「可塑性」)。このあたりをiPS細胞を使って検証してみることを工夫すれば、「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムに迫れるかもしれないと考えるのです。このことを高齢者の脚の筋肉の部分でとりあえずやってみてはと考えるのです。その過程で、アミロイドベータもタウタンパク質も発病との因果関係がないことが証明されることになるはずと考えるのです。

注)本著作物(このブログA-64に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHPここをクリックしてください)

   脳機能からみた認知症の初期の見わけ方(IEでないとうまく表示されません)

 

 

 

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アルツハイマー型認知症の治療法は、「脳のリハビリ」(A-36)

2012-05-04 | アルツハイマー型認知症の治療方法

認知症にもいろんな種類があります。脳を養っている大小の血管の障害である脳梗塞や脳出血などが原因で発病する「脳血管性認知症」もあれば(認知症全体の4~5%程度)、遺伝子の異常が原因で若い年齢を対象として発病する「若年性アルツハイマー病」もあります(認知症全体の1~2%程度)。そのほかにもいくつかの種類の認知症がありますが、それらが認知症全体に占める割合は、極めてわずかなのです(或るテレビ局がいろいろなテーマでこうした認知症を取り上げていますが、その意図は良く分かりません)。取り上げて、国民的な課題にすべきなのは、「アルツハイマー型認知症」なのです。認知症の大多数、90%以上を占めているのが、「アルツハイマー型認知症」だからです。

             

「アルツハイマー型認知症」は、早期に発見すれば治せるし(脳の機能を正常なレベルに回復できる)、発病を予防することも出来るのです。これまで、認知症の専門家たちから「原因不明で、治らない」と言われてきた「アルツハイマー型認知症」は、「早期発見」、「早期治療」が大切な普通の病気だったのです。早く見つける程、回復する可能性が高いのです。

「軽度認知症」(小ボケ)で見つければ、簡単に治せます(回復容易)。

「中等度認知症」(中ボケ)で見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば何とか治せます(回復可能)。

「重度認知症」(大ボケ)で見つけたのでは、見つけても手遅れ、どんなに頑張っても治らないのです(回復困難)。

 専門家は、「アルツハイマー型認知症」の末期段階の大ボケの症状(特に、重度の記憶障害の症状)を物指しとして見つけます。それでは、見つける段階が遅すぎるので、せっかく見つけても治らないのです。もっと早い段階、回復可能な早期の段階(「小ボケ」及び「中ボケ」)で見つけられるように、見つける方法を変える必要があります。

             

このブログで「アルツハイマー型認知症」からの「回復の方法」と言うときは、「小ボケ」と「中ボケ」だけを対象として回復の方法を説明しています。「大ボケ」の段階にまで脳の機能が衰えてくると、正常レベルに回復させることは無理だからです。「中ボケ」の段階に回復させることさえも、相当に困難と言わざるをえません。理由は、「大ボケ」の段階にまで脳の働きが衰えてきていると、「前頭葉」(前頭前野を言うものとする。以下、同じ)の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」と「注意の分配力」)が殆ど働かなくなってきているので、どんな「生活改善」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善)策を施しても、三本柱の機能がそれに反応することが出来ず、生活改善の実質的な効果が出てこないのです。

専門家(研究者や医師)は、早くこのことに気付いて欲しいのです。しばしば取り上げられる「老人斑」とか「神経原繊維変化」とかは、「アルツハイマー型認知症」を発症させる原因ではないのです。ナイナイ尽くしの「単調な生活」の継続の下で、脳が加速度的な廃用性の機能低下を起こしていくことの副産物(結果)であって、原因ではないのです。その副産物(結果)を生み出す犯人として、アミロイドベータとかタウタンパクを追いかけている限り、何時まで経っても真犯人(原因)を見つけることが出来ないばかりか、解決策(治療の方法)を見出すこともできないのです。私達は、意識的に何かのテーマを実行するときの前頭葉を含む脳の働きとそのアウトプットとしての行為(症状)を「二段階方式」による神経心理機能テストを使って詳細に調べてきました。通常の正常なレベルから、正常下限のレベル、小ボケのレベル、中ボケのレベル、更には大ボケのレベルに至る経過についての極めて多数のデータの分析の結果(15000例に上るデータの解析結果は、N-38で報告します)から、ナイナイ尽くしの「単調な生活」を継続したままでいて、飲むだけで、「前頭葉」を含む脳の機能が改善してくるような「薬」など存在するはずがない(開発できるはずがない)と考えているのです。私たちが活動を開始した1995年以来、いろいろな種類の薬が開発されてきましたが、未だにそのような脳の機能を改善させる効果のある「薬」は出現していません。(ここをクリックしてみてください)

アルツハイマー型認知症を治す(脳の働きを正常レベルに引き戻す)には、「前頭葉」の三本柱(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」)の出番が多い生活に変えて、「前頭葉」の働きを活発にしてやることが不可欠なのです。「前頭葉」の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり「楽しむ生活」を送ることが不可欠になります。趣味や遊びや人づきあいなどを楽しむことで、自分なりに目標や喜びや生き甲斐があり、意欲が湧いてくるような毎日を過ごすのです。趣味や遊びや人づきあいといった「右脳」重視の生活が、「前頭葉」の出番を増やし働きを活性化させることになり、前頭葉の元気を取り戻せるので、脳全体の機能が回復してくるのです。

             

(コーヒー・ブレイク)  世間では、小学校の低学年レベルの「平仮名で書かれた文章の音読」や「一桁の足し算と引き算程度の簡単な計算」(これらは、共に「左脳」を使うテーマなのです)をすることが、脳の活性化に役立つとして提案されています。これに特化した生活を何カ月か継続させた(他の趣味や遊びを楽しむ生活を排除しないと評価が出来ないからです)お年寄りの「前頭葉」の機能レベルの変化(改善の有無)を神経心理機能テストで計測評価してみれば、効果があるのかないのかがはっきりとわかるはずです。このような程度のものでも、その作業をしているときには、関係する脳がそれなりのレベルで働くのは当たり前のことなのです。必要とされる脳機能の程度は低くても、「前頭葉が絡む意識的な世界」であることに変わりがないからです。その時の脳の作用を「fMRI」などを使って計測しても、それが「効果を証明することにはならない」のです。そのとき、そこに「意識的な世界」があり、関係する脳の機能が働いていると言うことを証明しているだけのことなのです。私達は、このようなレベルの「左脳」刺激の方法では効果が期待できないので、極力排除することにしています。

       

やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような趣味や遊びや人づきあいを楽しむ、「右脳」がらみの生活とその仕方を工夫するのが大切です。それを実感できているときは、「意欲」が湧き出ていて、「注意が集中」していて、「注意が分配」できているからです。言い換えると、そうした時間は、「前頭葉の働きが極めて活性化している」時間と言うことなのです。脳全体の司令塔であり、最高次の機能である「前頭葉」の機能は、「左脳」や「右脳」や「運動」の脳に比べて、使われる機会が少なすぎるために起きてくる「廃用性の機能低下」により衰えていくとき、放物線を描くように加速度的に働きが衰えていくので、「小ボケ」よりも「中ボケ」の段階の方が、「中ボケ」よりも「大ボケ」の段階の方が回復させるのがより一層のこと難しくなってくるのです。「二段階方式」を導入している市町村では、「二段階方式」を活用して、認知症の「予防教室」に参加しているお年寄りたち全員の脳全体の機能レベル(前頭葉、左脳及び右脳)を定期的に検査し、所定の基準に基づき三段階に区分して評価(「改善」、「維持」及び「悪化」)しています。その評価の基礎データと評価結果とは、二段階方式の「管理ソフト」により、個人別及び地域単位別に集計され、「時系列管理」されています。極めて多数のデータの分析の結果から、上述した問題が確認されているのです。

             

皆さんの周りに気になるお年寄りがいるなら、とりあえず症状で、おおざっぱな判断をしてみてください。小ボケの症状(ここをクリックしてください)。 中ボケの症状(ここをクリックしてください)。「小ボケ」なら、回復は容易。「中ボケ」でも、回復は可能なのです。同居の家族が中心となって本人を支えつつ、関係する周りがそれを助けて、「テーマ」と「目標」を決めて、本人なりに毎日を楽しめる「生活習慣」を組み立て、実行させるのです。「テーマ」によっては(例えば、「速足の散歩」や「買い物」や「料理」、或いは本人が過去に楽しんでいた「趣味」や「遊び」)、家族が一緒に実行してあげると、より効果的です。

本人が過ごしてきた過去数年間の生き方、目標となっていた「テーマ」など、その「生活習慣」にさかのぼって検討するのです。本人が、、どんなことに「熱中」していたのか、どんなことなら「意欲」を持って取り組めていたのか、どんなことなら「てきぱきと処理」していたのかを調べてあげることが大切です。

       

「 仕事」一筋(左脳一辺倒の生活習慣)の人生を送ってきていて、「右脳」がらみの生活習慣である「趣味」も「遊び」も「人づきあい」も苦手だったと言う人には、「運動の脳」からの刺激が取り組みやすい上に意外と効果的なのです。 一日一時間の速足での散歩が目標(5000歩が目安)です。(ここをクリックしてください)

その場合も、散歩をするのが楽しくなるような「一工夫」が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人が談笑しながら一緒に歩いてあげると効果が一層大きくなります。

注)本著作物(このブログA-36に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

    エイジングライフ研究所のHP(ここをクリックしてください)

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