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認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

物忘れの多発はアルツハイマー型認知症発病の前駆的状態ではない(F-15)

2025-05-17 | アルツハイマー型認知症発病の真の原因

 &1 「物忘れの症状」の多発が『アルツハイマー型認知症』の発病の「前駆的状態」との考えは誤り)

(1) 「物忘れの症状」とは? 

夕ご飯の支度をしている際に、冷蔵庫の扉を開けて、「あれっ!私、何を取ろうとしてたんだっけ?」。

お友達と世間話をしている際に、『アレよ、ほら、アレ!』。

必死に思い出そうとしても、肝心の言葉が中々出てこないのです。第二の人生を送る高齢者の皆さんなら、日常茶飯事のことでしょう!

今日は、皆さんが日常体験されていて、『物忘れの多発は、ボケの前駆的状態』とか言われると不安感を覚えておられるあの「物忘れの症状」が発現するメカニズムについて、脳の機能面からの詳しい説明をしましょう。

『物忘れの症状の発現は、ボケの発症(「AD型認知症」の発病)とは、直結していない』のです!

『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』の発病に直結する廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルについての知見が無くて、外観から観察するだけの方法で、発現してくるその程度や態様の差だけに着目して、両者が直結するものと誤解した格言に過ぎないのです。総体としての「前頭葉」の機能について、就中、注意の分配力の機能や実行機能との関係についての深い知見が無かった時代の、過去の遺物に過ぎないのです。 「物忘れの症状」は、「第二の人生」を送っている「高齢者」の皆さんであれば、誰もが自覚されている症状なのですが、30歳代も後半にもなると既にその症状が発現してきて、年をとればとるほど「物忘れの症状」が発現する頻度が高く、その程度も重くなっていくものなのです。

そうした症状は、「脳の機能面」から説明すると、単なる「加齢現象」に過ぎないのです。「二段階方式」の手技を活用して判定すると、『前頭葉』が正常な機能レベルに在ることが分かるからなのです。脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」の機能が正常であれば、その物忘れの症状は、単なる加齢現象なのです。前頭葉の機能が異常なレベルであれば、その記憶障害の症状は、認知症、『AD型認知症』の発病としての症状なのです。

 (2) 皆さんは、「物忘れドック」なるものがあるのをご存知でしょうか?比較的小さな病院では余り見受けられないのですが、大きな病院では、「物忘れドック」と銘打って、ホームページなどで診察を勧誘しているのです。その引き込みとしての売りである目玉はと言うと、『AD型認知症』の早期発見につながる診断と言う触れ込みなのです。

そこで今日のこのブログで、「物忘れの症状」が発現してくるメカニズム(機序)について、脳の機能面、就中、「前頭葉」の三本柱の機能との関係について、関連する「脳機能データ」にも触れながら、詳細に説明することにしたのです。

(3) 様々な種類が数有る認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めて居ながら、世界中の認知症の専門家達から現在も猶、『AD型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治す方法がないし、発病を予防することも出来ない』とされているのです。

先の「物忘れドック」では、「医学的・科学的にしっかりと検証された検査をして診断していきます」との説明がなされてもいるのです。

どんな検査をするのかというと、通常のお決まりのコースでは、『MRI検査や問診』とあります。病院によっては、若干の違いが有りますが、検査としては、まず「MRI」で脳内に異常(脳梗塞や脳出血や脳の萎縮の有無とその程度等)がないかどうかを調べます。また、「海馬」という部位の萎縮の度合いを測定する検査をします。

次いで、「記憶力テスト」や「認知機能テスト」を行い(但し、彼らが使用している認知機能テストは、脳の後半領域の働き具合を判定する為のもので、肝心の「前頭葉」の働き具合を判定することは出来ないのです)、「記憶や認知機能」が低下しているかどうかを調べるというものなのです(『意識的な世界』における、脳全体の司令塔の役割を担っている肝心の「前頭葉」の機能について、無知なのでしょう。「前頭葉」と言われても、その機能構造を知らないし、「前頭葉」の活性化という言葉を使用していても、活性化のメカニズムを知らないのです)。

 (4) そうした検査を受けることが、患者の今後の『AD型認知症』の発病のリスクの指針となる(「早期診断」となる)とも謳っているのです。「物忘れドック」が診断の大前提としていること、それは、『記憶障害の症状が、様々な内容、程度及び態様の下で発現してくる「AD型認知症」の症状の根幹(基礎)となる要因であり、その程度により、「AD型認知症」の発病の危険度を判定できる』ということだそうなのです。実はこれこそが、「重大な誤り」なのです。

AD型認知症』の発病のメカニズム(機序)に関する学説である「アミロイドβ仮説=通説」や「タウ蛋白仮説=少数説」や「アセチルコリン仮説=異説」等の仮説と同じく、米国精神医学会が策定した「AD型認知症」の診断規程である『DSM-Ⅳ』の第一要件の規定内容(「記憶の障害」に起因して発病すると明記してある=重大な誤った規定内容)の考え方及び内容が正しいものとして、単に踏襲しただけのもの❕

(5)  私たち「二段階方式」は、『AD型認知症』の段階的な症状(「脳のリハビリ」により正常な機能レベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させ得る可能性の有無及び程度により、三段階に区分している症状の類型としての「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各段階の症状)を生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状の面から客観的に判定し、鑑別するのです。

他方で、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)は、単に外観からの「物忘れの症状」のみを観察し、MCI(軽度認知障害)とかの判定基準を持ち出してきて、「その基準に該当するお年寄りは、「AD型認知症」の発病の前駆的状態に在る」とかの誤った情報を発信しているのです。

客観的で科学的な根拠データもなく、想像や推測や憶測により、権威だけを傘に着て、自説を展開しているに過ぎないのです。末期の段階である「大ボケ」の段階の症状を外観的に観察し、「記憶の障害」の症状が根幹をなしているとの誤解をしていることにも気づかないでいる、そうした研究態度からは、回復させることが可能なレベルとしての視点から私たちが本当の意味での早期の段階として区分し、取り上げている「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状に気づくことが出来ないのです。

 『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの問題から、「 脳のリハビリ」の実施が困難となり、最早『治すことは愚か、症状の更なる進行の抑制も困難となる』末期の段階、「大ボケ」の症状、 例えば、「着ている服を脱ぎたがらず、便で汚れた下着をそのまま平気で着ている」、「風呂に入るのを嫌がる」、「服を正しく着られず、ズボンを頭からかぶったり、上着に足を通したりする」、「家庭生活に全面的な介助が必要(食事、入浴、排泄)」、「自宅に居ても落ちつかず、出て行きたがる」、「大小便を失敗しても、後の処置ができない(大小便で汚れた下着を、押し入れなどに隠すようなこともあります)」、「今は昼なのか夜なのかがわからなくて、夜中に騒ぐ(夜中に起きてくる、家中の電気をつけて回る、会社に行くとか田んぼに行くとか言い張る)」、「痛んだものを平気で食べ、食べ物でないものでも口にする」とか「独り言や同じ言葉の繰り返しが目立つ」等と言った症状が発現している原因は、権威が有るとされる学説が主張する考え方、「記憶の障害」に在るとの考えは、誤りなのです。

『覚えていられないとか、忘れてしまった』ことが原因ではなくて、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルの問題から、『何を、どのように組み立て、どのように実行すれば良いのかが、分からない=「評価の物差し=意識の首座=自我=脳の中のホムンクルス」による評価/注意/関心/観方に従い、「注意の分配力」の機能が「実行機能=Executive Function」を駆使して目的を実行する為に行う「メタ認知」が困難となる』ことが、真の原因で起きて来るものなのです。

※「AD型認知症」の発病原因が不明とされる最も重要な要因、それは、私たち人間だけに特有な世界、意識的な世界(且つ、目的的な世界であることが特徴)が関わるタイプの認知症であることに、世界中の権威達が未だに気づいていないことに在るのです。

「仕事とは無縁の日々」となる「第二の人生」を送る高齢者だけが発病の対象者となるものなのであり、追及する特定のテーマがなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続に起因した廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が発病を惹き起こす唯一の原因なのです。

直前に例示列記した症状は、異常なレベルにまで衰えが進行してきた『前頭葉』(就中、注意の分配力の機能)を含む脳全体の機能レベル直接的な反映としての症状、末期の段階で初めて発現して来る症状に過ぎないのです。

米国のハーバード大学、我が国では、東大を筆頭にして、世界中の権威と呼ばれる機関の専門家達の誰一人として、未だに、そのことに気が付いていないのです。『意識的な世界』における脳全体の「司令塔」の働きをしている『前頭葉』について惹起されてくる廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行と言う要因に気付かないでいる限り、何処をどれだけ掘ろうとも、発病及び症状の重症化が進行するメカニズムを解明することは出来ないのです。

 脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉の機能だけ』が異常なレベルに衰えて来た直接の反映が、「AD型認知症」の発病(小ボケ)であり、次いで、大脳後半領域の機能である左脳、右脳、運動の脳の順に異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映(中ボケ⇒大ボケ)が、『三段階に区分される類型的な症状=改訂版30項目問診票』として発現してくるのです。

『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定できる手技を持たない為に、「重度の物忘れの症状」だけを診断の対象にしていて、『末期の段階』でしか発病を見つけることが出来ない権威とされる人達は、『3密の回避』下での「小ボケ」の激増と言う社会現象にも気が付かないのです。

身体が持つお年寄りの場合は、発病した3年後には「中ボケ」となり、更に其の2~3年後には「大ボケ」になって、『介護』が不可欠となるのです。「小ボケ」と「中ボケ」までの早期の段階で発病を見つければ、「脳のリハビリ」により治す/症状の進行を抑制することが可能であるのに、末期の段階の「大ボケ」で発病を見つけて居たのでは、治すことはおろか/症状の進行の抑制さえもが最早困難となるのであり、為す術が何も残されていなくて、「介護」する途しか残されていないのです。

(6)「物忘れドック」の謳い文句の一つに、「AD型認知症」発病の早期診断というテーマがあるのですが、以下に例示列挙する「小ボケ」の段階の症状(左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在って、司令塔である「前頭葉」の機能だけが異常な機能レベルに在る下で発現してくる『前頭葉』の機能障害に起因した症状)を観察してみると明らかなように、「記憶の障害」の症状はその欠片も確認されないのです。

即ち、その謳い文句とは異なり、「記憶の障害」の症状に焦点を定めた「物忘れドック」の診断では、本当の意味での「早期の段階を」鑑別することは無理な相談だということが、以下に例示列挙する「小ボケ」の段階の症状の類型をみても容易に理解できることと思うのです。

(7)   末期の段階である「大ボケ」の段階の症状が発現してくると、日常生活面での「介護」が必要不可欠のものとなるのに対して、発病の最初の段階である「小ボケ」の段階では、「家庭生活面」にも何等の支障がなくて、家の外に出て行って、人と交わり何らかのテーマの遂行が要求される「社会生活面」での重大な支障が出てくるようになるだけなのです。そうした両者の差異は、「記憶障害」の症状の程度の差異にあるのではなくて、ましてや、アミロイドβ仮説という仮説が根拠としているアミロイドβの蓄積量の差異に起因している訳でもないのです。廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に起因した前頭葉を含む脳全体の機能レベルの差異(働き具合の差異)に起因しているものなのです。

&2 「小ボケ」の段階で確認される特有な症状の類型とその特徴

 ◎ 「社会生活」の面での重大な支障が出てくるようになる。

人と交わり、コミュニケーションをとりながら何らかの目的に沿った行動が要求される家庭の外での生活、「社会生活」の面で、重大な支障が出てくるようになるのです。その原因は、脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が、就中、注意の分配力の機能が異常なレベルに衰えてきていることにあるのです。

おしゃれに関心がなくなる

  • 眼の光がどんよりしていて、表情に力がなく、無表情、無感動の様子が見て取れる
  • 問いかけに対する反応が遅くて、生き生きした笑顔が見られない

  (何かをしようとする意欲が出てこない様子)

   (何をするにも億劫で、面倒がるようになる)

 (何事につけても、直ぐに人を頼りにする)

  (外出するのを面倒がり、嫌がるようになる)

   (新しい道具を使うのを面倒がるようになる)

 ○此処と言うときに、その「テーマ」についての「発想」が湧いてこなくなる

 (何をしたいのかを思いつかない様子)

  (会議などで、意見やアイデアを思いつかない)

  (料理の献立が単調になる)

  (いつも同じパターンの食材ばかりを買ってくる)

 ○肝心の「意欲」自体が出てこなくて、自分で何かを始めようとしなくなる

  (色々なことを自分で計画するのが面倒になる)

  (買い物に行くと、お札ばかり使うので、小銭がやたらと貯まるようになる)

  (料理の献立を考えるのが面倒になる)

  (家人に指示されると、草むしりや洗濯や片付けなど家庭内の用事程度のことはこなせるが、

 自分から  やろうとはしなくなる)

  ○「根気」が続かなくなり、何かをやり始めても、すぐに投げ出してしまう

 (テレビを見ていても、同じ番組を続けて見ていられなくて、チャンネルを直ぐに変えるよう

 になる)

  ○歩く時も前かがみの姿勢となり、小股でトボトボと歩く

  ○毎日ボンヤリとして過ごし、居眠りばかりするようになる

  ○食事の支度をしていて、鍋を度々焦がすようになる

  ○自動車を運転すると、軽微な自損事故が目立って増えてくる

  (歩道に乗り上げる、こする、バックの確認をしないでぶつかる)

  (信号無視や右折/左折のウインカーの指示を忘れる)

   ○話の流れに乗れず、話の輪にも入っていけなくて、主題とは関係のない話を自分勝手に唐突

 に話す

 ○同じ話を何度も繰り返して話していて、本人はそのことに気付かないでいる

&3  「アルツハイマー型認知症」の発病と「意識的な世界」との関わり

(1)  意識的な世界、私たち人間だけに特有な世界である目的的な世界、自分が置かれている状況を分析し、状況判断に沿った「何等かのテーマ」を発想し、目的及び目標を定めて、実行の内容及び実行の仕方を計画する機能、脳全体の司令塔の役割を担っている「前頭葉」(前頭前野に局在する機能総合体を言う。以下、同じ)の働きには加齢とともに老化していく性質があります。

私たち二段階方式のデータによると正常な老化の場合でも、高齢者と呼ばれる年代の65歳頃になると誰でも、その働き具合が20歳代の頃に比べて半分程度にまで衰えてきています(加齢の要因による前頭葉の「正常老化」の進行)。

そして、加齢による前頭葉の正常老化のカーブは、下図に示す通り、70歳代、80歳代、90歳代と年をとるにつれて、直線的ではあるが正常な範囲内で緩やかに「低空飛行」の状態に入っていくのが特徴なのです。

○ 前頭葉の「三本柱」の加齢に起因した「正常老化」のカーブ(下図)に『廃用性の機能低下』が加重される為に発病するのです。

  

キッカケ後のナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に因る発病と三段階に区分される重症化の進行が「AD型認知症」の特徴

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正常な老化の過程とはいえ、加齢による老化の進行により、前頭葉の機能が低空飛行状態に入ってきている60歳を超えた高齢者と呼ばれる年代の「お年寄り」(発病の「第一の要件)が、何等かのキッカケの発生と継続を契機にして、心が折れてしまい、意欲を喪失することで、脳を積極的には使わない生活、追及すべき特定のテーマが無く、生き甲斐や目標もなく、趣味や遊びや人付きあいもなく、運動もしない、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を日々続けていると(発病の「第二の要件)、出番が少ない為に使われる機会が極端に減った『前頭葉』が廃用性の異常な機能低下を起こしてきて、第一の要件と第二の要件)とが、『同時に並存して重なり合うことによる相剰効果』が原因条件となり、注意の分配力の機能を筆頭にして『前頭葉』の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく為に、その直接の結果(反映)としての症状が発現して来るのです。

前頭葉』の働きが加速度的に衰えていくその先に、『AD型認知症』の発病が待っているのです。新型コロナの国内感染をキッカケとして、感染回避策としての『3密の回避』に徹した生活習慣が1年半の長期にわたって継続されてきていて、仕事というテーマとは無縁の日々を生きる「第二の人生」を送っている高齢者の間で、『AD型認知症』の発病者の激増と言う社会現象が起きてきているのです。

(2) 第一の要件と第二の要件とが同時に充足される相剰効果により、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進むときは、直線的ではなくて/放物線を描いて加速度的に脳の機能が衰えていくことになるのです(加速度的で異常な機能低下の進行)。 その場合に、「意識が覚醒した目的的な世界に於ける脳全体の司令塔の役割りを担っていて」、複合機能体であり、最高次機能の『前頭葉』の機能が最初に異常なレベルに衰えていき、次いで高次機能の左脳や右脳や運動の脳がその順番に、異常なレベルに衰えていくのです。

更に、「AD型認知症」の発病者である場合には、「高次機能」の衰え方にも規則性がある(衰えていく順番がある)ことが重要な特徴です。前頭葉と高次機能のそれぞれの衰え方が、他の種類の認知症あるいは認知症と紛らわしい病気(側頭葉性健忘症、感覚性失語症、一過性全健忘、老年期うつ病、緩徐進行性失行など)との鑑別の上で、極めて重要且つ客観的な指標としての役割を果たしてくれるのです。

(3)脳全体の『司令塔』で、置かれている状況を判断したり、何かを思いついたり、計画を立てたり、工夫したり、洞察や推理をしたり、機転を利かせたり、各種の高度な働きを担当しているのが『前頭葉』なのです。

中でも、意識的に何かをする場面で、前頭葉の各種の機能を発揮する上で不可欠で基礎的な働きをする「実行機能」を正常に発揮させるには、一定レベル以上の「認知度」が確保されていることが必要となります。

脳の機能についての専門家と世間で言われている人達でさえ未だ気づいていないのですが、実行機能に因る認知度を左右する機能の三本柱が、「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の働きなのです。この三本柱には、「加齢と共に老化し衰えていく」という重要な性質があることは、問題提起した通りなのです。

(4)対象となるものが何であれ、私たちが意識的に何かを考え、発言し、行為し、或いは行動しようとする際に、無くてはならない脳機能、それが、「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」という三頭の馬と協働しつつ、それらを自在に操る三頭立ての馬車の「御者」、言い換えると、脳全体の「司令塔」の役割を担っている『前頭葉』という脳機能であり、私たち人間だけに備わっている脳機能でもあるのです。

「前頭葉」と言う脳機能は、私たち人間だけに特有な世界である『意識的で、且つ、目的的な世界』(意識的に何等かのテーマを選択的に実行しようとする世界)を構築し、支配し、統括し、コントロールしている機能なのです。自分が置かれている状況を分析し、理解し、判断して、状況判断に沿って為すべき「テーマ」を発想し、発想したテーマの実行内容を組み立て、その実行による結果を推測し、比較し、シミュレーションして必要な修正を加え、最終的な実行の内容、程度及び態様を選択して、決定し、実行の決断に基づいて脳の各部に実行の指令を出すと共に、実行の過程を終始観察し、統括し、分割し、管理し、コントロールしているのです。

&4『AD型認知症を発病させる根本原因

1.『意識的な世界の認知』と脳の機能構造

(1) その機能構造の要の機能が、「前頭葉の三本柱」の機能(意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能を総称して、二段階方式が名づけているもの)なのです。その要の機能である『注意の分配力』の機能なしには、こうした現象は起きてこないことについて、世界中の、脳科学者も哲学者も認知症の研究者も、未だに気づいていないことが、『AD型認知症』の発病のメカニズムが不明とされている一番の理由なのです。「AD型認知症」は、意識が関わるタイプの認知症であり、意識を構築し、統合し、分割し、管理し、コントロールしている要の機能が、『注意の分配力』という脳機能だからなのです。

(2) 『注意の分配力』の機能は、『3つ以上の、内容及び覚醒度が異なる、多層で多重の複数のテーマ及び意識を同時に並行して処理する為に不可欠の機能なのであり、あの人は頭の回転が速いという言葉があるように、咄嗟の判断と処理を行う上でも不可欠の機能』なのです。同時に並行して行われるのが特徴である、①複数の対象の認知にも、②複数の意識の構築、統合、分割、管理にも、この『注意の分配力』の機能が関わることが不可欠となるのです。

(3) 私たち人間だけに特有な世界である「意識的/目的的な世界」、即ち、自分が置かれている状況の判断に沿った『テーマ』を発想し、目標を定めて、実行に移していく世界である「目的的な世界」では、個々の認知を行う機能であり、『実行機能』(Executive Function)と総称される機能の発揮度を下支えし、支配し、管理している脳機能が、『注意の分配力』の機能なのです。

分析、理解、判断、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、選択、抑制、感動、決断等の個別認知機能群(総称して実行機能と言う)が働く場面では、内容と覚醒の度合いとが異なる『複数の意識』が同時存在しており、その働きを可能にさせている要の機能が注意の分配力の機能なのです(注意の分配力を支えているのが注意の集中力であり、注意の集中力を支えているのが意欲と言う多重で多層の機能構造が存在してもいるのです)。

言い換えると、「注意の分配力」の機能の関与が無いと、実行機能は働くことが出来ないという機能構造(このことを、二段階方式では、実行機能の機能発揮上の二重構造の問題と呼んでいるのです)が存在しているのです。この構造の上で更に、注意の分配力の機能が廃用性の機能低下に因り異常な機能レベルに衰えてくると、実行機能の発揮度が異常なレベルのものになってしまうことに直結して行くのです。

2.『AD型認知症』の発病と「意識の世界」との関わり

(1) 私たち「二段階方式」だけが気付いていて、世界中の専門家とされる人達が未だに気づいていないことなのですが、AD型認知症の発病及び症状は、私たち人間だけに特有な『意識』が関わるタイプの認知症なのです。

様々な程度及び態様による発現が確認される『AD型認知症』の症状は、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状、『脳のリハビリ』の実施に因る回復の可能性の有無及び程度により「三段階に区分」される類型的な症状が発現してくるのが特徴なのです。

前頭葉』の構成機能の一つである『実行機能』を下支えていて、支配し、管理している機能である「前頭葉の三本柱」の要の働きをしている機能である『注意の分配力』の機能が、仕事とは無縁の日々となる「第二の人生」を送る上で展開されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性加速度的異常な機能低下の進行に因り、異常な機能レベルに衰えてきたことに因り、『前頭葉を含む脳全体の機能レベル』の直接的な反映であるアウトプットが、『AD型認知症』の症状として発現して来るのです。

(2)『AD型認知症』を発病した最初の段階(脳の機能面から定義すると、左脳、右脳及び運動の脳の全てが正常な機能レベルに在って、「意識的な世界」、即ち、「目的的な世界」における脳全体の司令塔である『前頭葉』の機能だけが異常な機能レべルに在るのが特徴)である『小ボケ』の段階では、「記憶障害」の症状はその欠片も確認されなくて、全てが「前頭葉」の機能障害の症状だけなのです(「前頭葉」を含む脳全体の機能とその廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行の度合いに厳密にリンクしたものとして、私たちが類型化した三段階に区分する「AD型認知症」の段階的な症状については、「G-14&3」を参照して下さい。

各段階の症状が発現する基礎となっている「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルについて、「二段階方式」のような精緻な神経心理機能テストを活用して確認すれば、一見した限りでは「記憶障害」の症状を呈しているのかと誤解しそうな「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の症状も、「記憶障害」の症状が「AD型認知症」の根幹となる症状であると主張する「権威ある人達」の主張内容が誤りであることを容易に理解することが出来るのです)。

(3)「前頭葉」の機能構造や「意識的な世界」の機能構造や「前頭葉」の三本柱の機能と「前頭葉」の個別認知機能群である『実行機能』との機能発揮面での「二重構造」の関係に目が行き、そのことを理解することが出来れば、『AD型認知症』の症状の発現のメカニズム(機序)が、私たちが独自に規定した発病の「第二の要件」に掲げている内容、仕事とは無縁の日々となる第二の人生を送る上で展開される生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因したものであることを容易に理解できるのです。

(分かってしまえば、コロンブスの卵程度のもの)なのに、『器質的な病変が発病の原因である』との誤った前提に立脚している上に、『「記憶障害」の症状が根幹をなす』との誤解に基づいた前提条件だけにしがみついていて、マウス(注意の分配力、実行機能、前頭葉の機能が備わっていない)を追いかけていたのでは、何時まで経っても、発病の真の原因に迫ることは出来ないし、「仮説」の域から脱出することも出来ないのです。

権威を自任する人達は、その一方で、カロリンスカ研究所がAI技術の駆使による大量の比較データの解析により、交遊や運動などの生活習慣が発病の危険因子と考えられるとの論文を発表すると、(アミロイドβの蓄積により生成される老人斑の持つ毒性により、神経細胞の大量死が惹起され発病すると主張する)アミロイドβ仮説を支持していながら、運動や交遊が発病を予防すると主張したりするのです。運動や交遊が、神経細胞の大量死を予防することになるとかの科学的なメカニズムを説明して欲しいのです。

※1『AD型認知症』の症状は、「前頭葉を含む脳全体の機能レベル」に厳密にリンクした三段階に区分される症状(小ボケ、中ボケ、大ボケの症状)が発現して来るのが特徴なのです。末期の段階である「大ボケ」の段階にまで症状が進行して来ると、意識的に何かのテーマを発想し、実行することが出来なくなるのです。それは、記憶障害が原因ではないのです。

「注意の分配力」の機能が働かないことにリンクして、実行機能が働かないこと、即ち、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行に因り異常な機能レベルに在る為、殆ど機能出来なくなってきていることが、真の原因なのです。

※2様々な種類が数ある認知症の内で、その大多数、90%以上の割合を『AD型認知症』が占めているのです(小ボケ、中ボケ及び大ボケの全ての段階を含めた場合のこと)。発病者数が600万人を超えたとしている厚労省の予測数値には、「小ボケ」及び「中ボケ」の人数は含まれていないのです(専門家達が、失語や失認や失行(紛い)の症状が初期症状であると規定している「DSM-Ⅳ」の第二要件の規定内容の誤りに気づいていなくて、極めて重度の症状だけにしか注意が行っていなくて、小ボケと中ボケの人数が含まれていないのです)。

※3 権威が主張する内容『AD型認知症は、発病の原因が不明で、治すことも発病自体を予防することも困難なタイプの認知症である』を鵜呑みにしていて、失語や失認や失行(紛い)の症状が「極めて重度の症状」であることも知らないで、末期の段階で発病を見つけて、発病のレッテル張りしかしていなくて、治療の効能も無く、症状の進行を抑制する効能も無く、単に、「症状の発現の仕方を抑制させたり、昂進させたりする効能しか有していない」単なる興奮型/又は抑制型の「対症療法薬」である「アリセプトに代表される4種の薬」を処方するだけなのが医療現場での診断の実態なのです。早期診断による回復(「小ボケ」と「中ボケ」の早期の段階で発病を見つけて、「脳のリハビリ」の実践により回復させる、症状を治すこと)が、対象となっていなくて、発病自体の予防も対象となっていなくて、何時発病したのかも分からないままに放置されていて(本当の意味での「早期診断」が行われていない)、セルフケアにも支障が出てくるようになり、介護が不可欠のお年寄りの介護の為の費用だけでも単年度ベースで10兆円を超える規模(一般会計分と特別会計分との合計額)になっているのです。更なる問題を提起すると、新型コロナ対策としての「3密の回避」の生活習慣継続の下で、発病者が激増してきてもいるのです。

&5  「二段階方式」を立ち上げた経緯(浜松方式とは、異なる理解と手技)

1.『AD型認知症』の診断は、元々は、精神科の専門領域とされていたのです。「重度の記憶障害の症状」に焦点が当てられて、症状が精神症状と誤解されて精神科のみが診断を行っていたのです。

我が国で厚労省が、「AD型認知症」の発病患者の診断のための専門病院の指定に際して、精神科を有する地域の総合病院を『老人性痴呆疾患センター』という形で、僅かな数を指定したのが始まりなのです。

「食事をしたばかりなのに、そのことも忘れている」と言った「重度の記憶障害」の症状や「夜中に騒ぐ」とか、「徘徊」等の症状や行動ばかりが取り上げられていたのです。その為、発病者を抱えることになった家族は、発病を疑っても病院に連れて行かないで、手に負えなくなって初めて病院、精神科に連れて行くことが常態化して行き、『AD型認知症は、原因不明で治らないタイプの認知症である』という誤解が、我が国を含めて、世界中の隅々にまで浸透して行ったのです(注:「AD型認知症」は老年発症が特徴なのであり、超高齢社会に到達した社会で初めて、社会問題となる程の大量の発病者が出てくるものなのです)。

2.浜松医療センターは、『老人性痴呆疾患センター』の中では唯一、精神科の精神科医ではなくて、脳外科の脳外科医が診断を行った為に(加齢で、複雑な脳外科手術が困難となってきていた副院長の金子医師が、然も、脳外科医としては極めて例外的な考え方である「外科手術の成功には、同時に、社会復帰できる脳機能が確認されているべきもの」との信念から、脳機能の働き具合を判定する神経心理機能テストの活用に積極的で、様々な神経心理機能テストを判定に活用し、実務の責任者が高槻絹子(Kinuko)でした。

その内、既存のものでは足りなくなり、新規の開発に取り組み、種々のテストを開発したうちの1つが、「かなひろいテスト」だったのです。診断先が精神科でなくて脳外科と言うことで、(周りの目を気にしないで受診できる為に)、種々の段階の患者が日本全国から、静岡県の浜松医療センターの脳外科へと受診に殺到してきたのです。

3.軽い物忘れが気になる正常下限のお年寄りから、軽い初期段階の症状、重い記憶障害を抱えている中等度の症状の発病者から、徘徊する重度の症状までを含めた、日本全国の患者(正常者から、軽度、中等度、重度の発病者)を診察する機会を得たのです(脳外科で脳外科医の金子医師の診断の下で、高槻絹子が種々の「神経心理機能テスト」を開発し、4人の部下と一緒に患者に実施し、判定し、その判定結果を金子医師が家族に伝えるという協業態勢で診察)。

4.米国精神医学会が策定した「DSM-4」の第二要件が、「AD型認知症」の発病の「初期症状」であると規定している失語や失認や失行(紛い)の症状は、11の下位項目で構成されていて、30点が満点であるMMSEの総得点が、9点以下になって初めて発現が確認される極めて重度の症状であることさえ、精神科医には、認識されていなかったのです。

それが「初期症状である」と第二要件が規定していたので、それらの症状よりも更に重い症状ばかりに目が行っていたのです。診察する対象者は、失語や失認や失行(紛い)の症状、又は、それ等より更に重い症状ばかりの「お年寄りだけ」だったのです。症状を治す効能を有する薬は無いし、発病のレッテル張りをしていただけなのです。

失語や失認や失行(紛い)の症状が「初期症状」であると規定されている為に、それより軽い段階の症状(「二段階方式」の区分で言う小ボケ及び中ボケの段階で発現が確認される症状)が存在していることについて、専門家達でさえ未だに考えていないし、知らないのです(「DSM-Ⅳ」の第一要件の『重度の記憶障害』が起点に在る為)。

5.そうした状況の中で、金子医師/高槻絹子(Kinuko)が、失語や失認や失行(紛い)の症状が確認される段階よりももっと軽い段階があり、その段階で発病を見つければ、脳のリハビリの実施により回復させることが出来ることを近隣の病院と提携して実施したのです。その過程で、軽い段階(小ボケと中ボケ)が存在することを、世の中(市町村ではなくて、医療機関)に浸透させていくこととなり、「浜松方式」が誕生し、その後で、(Tad)が関わりを持つに至ってからは、『(意識)との関わりに的を絞っていくことに、変化して行った=二段階方式の誕生』のです。

6.ところが、当時も今も学歴と肩書が極めて重視される医学界に在って、長崎大学卒であること、浜松と言う地方の病院の医師であること、専門が、精神科医でなくて門外漢脳外科医であること、(前頭葉への着眼は良かったが内容の理解が浅かった)等の問題点があり、医学界に思うようには浸透して行かなかったのです。

7.そうした状況の中、門外漢ではあるものの、海外諸国での合弁事業や国際訴訟が専門で、経験が豊富であったTadが、「前頭葉」就中、「意識」への関心とより軽い症状と発病の予防というテーマに興味と関心が向き、市町村への展開を企図し、『二段階方式』と言う名称で、「医療センターによる浜松方式」とは別の活動として展開することとなり、1995年秋に活動を立ち上げたのです(現職に在任の儘/二足の草鞋で、論理的な思考が得意なTadが以降全てのマニュアルを書いた)。

630億円の規模で当時世界最大と騒がれた米国との移転価格訴訟と米国での数種類の巨額訴訟及び欧州、東南アジア、オーストラリア等での数百億円規模の経済摩擦がらみの国際訴訟の対策で、10戦10勝無敗だったTadの左脳の特殊性が、論理的な思考や分析と因果関係に厳しい実証を得意としていたTadの目が、「AD型認知症の発病の予防」に関心が向いたことが出発点でした。

8.金子医師との協議の結果、浜松方式は医療機関をターゲットに、二段階方式は市町村をターゲットに展開していく「基本的な合意」がなされたのです。

※Kinukoは、浜松医療センターで金子医師の下で勤務しながら同時に「二段階方式」の普及の為の新会社の副所長を兼務という状況でした。退職し、「二段階方式」の業務に専念したのは、1997年秋の事でした。

⇔「AD型認知症は、原因不明で治らないタイプの認知症である」とするのが、当時も現在も、「世界中の権威が一致して主張している事」なのですが、「中ボケ」の前期(かなひろいが不合格で、MMSEが20点以上)のお年寄りが、集団による「脳のリハビリ」の実施により、症状の進行が止まる実態を見て、『権威達の主張が間違っている』実感した事がTadの出発点❕

活動開始の最初の1年半は、試行錯誤の連続でしたが、2年目以降からは、全てが順調で、導入先が顕著な勢いで増加して行き、企業業績も大幅な黒字に転換したのです。僅か1年半の試行錯誤の期間中に、「新しい独自の理論」の完成も見ることが出来たのです。

※『脳のリハビリ』(「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに見合った内容での実行機能を使う必要性が多いテーマの選択と継続的な実践)により、「注意の分配力」の機能の出番が多い「生活習慣」が確保され、継続されていくことに因り、小ボケは症状を治すこと/中ボケは症状の進行を止めることが出来るということを実体験し、確信したTadが、『脳の使い方としての生活習慣』要因が、早期診断による回復にも/症状の進行の抑制にも、更には、『発病自体の予防』にも直結することを確信し、理論的に体系化し、実務化したのです。

&6 二段階方式の独自性(浜松方式とは完成度が全く異なる「別次元の内容」)

Ⅰ.浜松方式(後に、「浜松二段階方式」に名称だけを変更の内容

(Ⅰ) 金子満雄医師が着想し、高槻絹子(部下4名のチームリーダー)が、テスト結果のデータを収集し、基準化の作業を完成させたもの。特定の町や村及び超100歳老人のデータ並びに「前頭葉の老化曲線」のデータの収集(テストの実施を含む)は、高槻絹子が大半を単独で実施し、解析し、基準化した。

(Ⅱ) マニュアルの特徴(高槻絹子が著作者)

1.『 B6判で、総量28ページ』。

(1) テストの仕方の記述、テストの「粗点」に因る採点及び「30項目問診票」による「生活実態」の確認作業の記述という「3点セット」だけの内容。

ⅰ)前頭葉の機能テストの特徴

① かなひろいテスト

② 特徴は、「拾ったかなの数及び物語の概要の記憶だけで、合否を判定」

ⅱ)左脳右脳の機能テスト(MMSEテスト)の特徴

① テストの「粗点」だけで、「三段階の段階区分」を判定

②「脳の使い方としての生活習慣」という要因に起因した、廃用性の機能低下の進行が、発病を惹き起こし、症状の重症化を進行させていく核心的な要因であることに気づいていなかった為に、「生活歴」(キッカケを契機に開始され、継続されたナイナイ尽くしの単調な生活習慣)の聞き取り及びその評価は実施していなかった(「AD型認知症」が「意識」と関わりがあるタイプの認知症であり、意識下での実行機能が働く基礎が注意の分配力の機能であることにも気付いていなかった為に、極めて単純な評価方法しか採用していない)。

医学界に浸透して行かない浜松方式の弱点を補う形で始まった二段階方式の事業展開に際し使用した最初のマニュアルである『老年期痴呆の早期診断と治療マニュアル』⦅380ページ)は、金子満雄著作で、エイジングライフ研究所監修となっているが、Tadが著作したものなのです。金子満雄の著作物と高槻絹子の著作物と論文と各種の脳機能データをもとにして、Tadが、本質に対する理解が不十分な儘に、金子満雄と高槻絹子の受け売りの知識だけで、論理的な構成力だけで著作したもの。

そのマニュアル以降の内容は、「二段階方式」の事業開始後の試行錯誤の期間中に、Tadが「意識」との関わりに気づいて、『意識が関わる認知症』との視点から、Tadの特異な左脳による「思考実験」の活用により、理論自体を根本的に構築し直し新しいマニュアルを著作して、高槻絹子の名前で新規に発行

第二の人生」を送る上で継続されるナイナイ尽くしの単調な生活習慣に起因した廃用性の異常な機能低下の進行が、発病するかしないか/症状の重症化が進行するかしないかを区分け決定づける「唯一の要因である」ことを確信して、『初b用事態の予防』(「前頭葉」の機能が正常なレベルに在るお年寄りを、第二の人生を送る期間、「身体が保つ限り、脳も出来るだけ長く正常なままに保たせる」)、即ち、身体が持つ限りも持たせて、前頭葉を含む脳全体が生き生きと働く『第二の人生』を完走させる為の不可欠のものとして、脳のイキイキ教室の展開を要の手段とする、住民参加型の地域予防活動を市町村で展開。

予測していた以上の顕著な成果が達成されていき、国保連合会及び国保中央会の支援も得て、急速に、全国に拡大して行ったのです。

現在のマニュアルの3分冊版は、平成の大合併が進行する中で、Tadが構築し、体系化を完成させた考え方と理解とに基づいて、Tadが著作したものであるが、Tadが門外漢であること及び市町村の保健師さんが担い手であることを考慮し、受け入れられ易いようにと、高槻絹子を著作者として内容を大改訂し、新規発行したものなのです(世界でも唯一の主張内容、「AD型認知症」は『意識との関わり』が核心であることを説くこのブログも、東日本大震災発生の翌年、2012年3月の開始以来、TadがKinukoの名前で書いて来たものなのです。「加齢」による機能低下の進行を第一要件とし、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下の進行を第二要件とする主張内容は、現在も猶、世界で唯一のもの)。

2.浜松方式による「総合判定」の仕方の特徴

①「かなひろい」の数の評価に因る「前頭葉機能の合否判定」だけで、発病の有無を判定

②「かなひろい」の数の評価に因る「前頭葉機能の合否判定」と粗点に因るMMSEの判定との組み合わせだけにより、症状を三段階に区分(小ボケ、中ボケ、大ボケ)していた。

③ 二段階方式の「改訂版かなひろいテスト」比較で分かるように、『前頭葉』という機能に着目は出来ていたが、最も重要な要因である第二の人生を送る上で展開される「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下の進行」という側面に迄は、当時は、誰も気づいていなかった為に並びに「意識」が関わるタイプの認知症であることに気づいていなかった為に、『注意の分配力』の機能の意識との関わり、実行機能との関わりについての評価が行われていなくて、ひいては「前頭葉の機能の評価」の面において、不十分な評価方法だった(半製品状態)。

(Ⅲ) 導入先の数

①使用料が無料で、副院長の金子医師が主催するも、導入先は2つの町だけに終わる。

②二段階方式が急速に導入先が増えて行ったことに目をつけて、金子医師が、名称だけを「浜松二段階方式」に変更したが、効果なしに終わった。

Ⅱ.『二段階方式』独自の内容と特徴

(Ⅰ) Tadが、意識との関わり、実行機能発揮上の二重構造の存在、注意の分配力の機能が両者との機能構造の面での核心的な機能であることに気づき、発病のメカニズム及び症状の重症化が進行する原因について根本的に考え方を改め、『AD型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である』と主張し(Tadの見解であり、現在でも、世界で唯一の内容)、理論的に完成させ、体系化し、実務化したものであり、表面的な類似点(かなひろいテストと改訂版かなひろいテスト及び30項目問診票と改訂版30項目問診票)以外は、理論も、テスト結果の評価の仕方及び発病の有無の判定も、生活歴の聞き取りの実施と確認も、根本的に異なる内容のものであることに注意⇔総分量がB6判で28ページの浜松方式とA4判で590ページの二段階方式は、異次元の別物。

(Ⅱ)基本マニュアルの特徴(立ち上がりの最初の基本マニュアルの著作者名は、金子満雄であるが、実際は、Tadが著作した)幾度かの改定が実施されて、現在も、内容の改訂が進捗中である現行版(現在使用している『個別事例判定マニュアル』の各種マニュアルの著作名義は、高槻絹子であるが、実際は、Tadが著作したもの)は、「A4版で総量590ページ」(A、B、Cの三分冊版となっている)及び「マニュアル使用の手引き」(100ページ)。

(1) テスト実施と判定及び基礎データと様式編(マニュアルA)

(2) アルツハイマー型認知症の判定とケース事例解説編(マニュアルB)

(3) アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定とケース事例解説編(マニュアルC)

2. テスト結果の評価の特徴

(1) 「前頭葉」の機能テスト(「改訂版」かなひろいテスト)

① 意欲(スピード要素の係数 )、注意の集中力(正確度要素の係数)、注意の分配力(内容把握度の係数)の機能がどの程度、どのように発揮されているかを個別に評価し、且つ三者を総合的に評価し判定する内容に変更されている。

②要因ごとに評価の基準が設定されていて、総合評価についても、年齢別の基準値が置かれている。加えて、経時変化を客観的に評価できるよう基準が設置されているのが特徴です。

(2)「 MMSE」テスト

①テスト結果の粗点でなくて、「時の見当識」を基準とした「評価点」が採用されていて、「評価点」により判定するのが特徴。⇔粗点のままでは、実際の機能レベルとの乖離が生じてくることに気づいて変更したものであり、極めて重要な変更点。

② テスト結果により、キッカケの開始時期が提示されるよう制度設計が為されていて、提示される時期以降の「脳の使い方としてのナイナイ尽くしの単調な生活習慣」(生活歴)が継続されてきたことの具体的な聞き取りによる確認が「必須の項目」とされているのが特徴(猶、小ボケ及び中ボケについては、「標準的な滞留期間」が存在していることから、この標準的な滞留期間との差異が確認される個別ケースについては、当該差異を生じさせることとなった「基礎生活」の存在とその影響とを確認するもの)。

⇔そのことを整理したものが、「脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因」の「脳機能データ」なのです。

3.総合判定

(1) 廃用性の機能低下という要因が発病させ、症状の重症化を進行させる唯一の要因であることのアウトプットとしての「MMSE下位項目の項目困難度」のデータ(14689例の「AD型認知症」発病患者の脳機能データの解析)を基礎とした「基準」を設定しているのが特徴。

被検者に実施した「MMSE」のテスト結果の内容が、この低下順でない場合は、その一事で、「AD型認知症」の発病者ではないとされる極めて重要な基準。➡発病の有無の判定上の最初の関門であり、二段階方式が世界に誇れる基準と手順なのです。

(2) 下位項目の低下順であることが確認された場合に限り次の段階である、「改訂版かなひろいテスト」の実施と判定作業に入る。「改訂版かなひろいテスト」の実施結果については、「前頭葉の三本柱」(意欲、注意集中力及び注意分配力の機能を総称)の機能の機能レベルを判定することに因り、意識的な世界における「実行機能」(Executive Function)の機能レベル、引いては、「脳全体の司令塔の役割」を担っている『前頭葉』の機能レベルを精緻に判定することが出来るよう、制度設計されていて、テスト結果について、意欲、注意の集中力、注意の分配力の機能の機能レベルがどのように反映されているかを、個別に及び総合的に判定できる基準が、創出され、採用されているのが特徴なのです。

Ⅲ.二段階方式の導入先の数

①使用料が有料(現行は、月額10万円/市町村単位で10年間、その後は無料)であるが、累計総数で、全国452の市町村が導入実施した。

②200を超えたところで、厚生省に呼ばれて、当時の尾嵜課長から全国展開を懇請されたが(『国として出来ることは、何でもする』との言葉まで頂いたのですが、Tadが丁寧にお断りした(50代の前半と言う若さで、先が未だ長い自分の人生を『AD型認知症』の「発病の予防活動」事業の構築に捧げる決意が出来なくて、お断りした)。

③その後、平成の大合併の進捗、厚労省のオレンジプラン、新オレンジプラン(徘徊老人の対策)、介護の予防(徘徊するまでに重症化が進行する時期を少しでも遅らせるための市町村による取り組みの実施)の事業展開が主流となり、対象者が末期の段階の人達であることも知られないで、在宅介護支援センター、地域包括支援センター等の組織化が進み、新規の導入がなくなって行って、現在に至るもの(政府大綱第一条では、「発病の予防及び早期診断による回復については、世界中の権威ある専門家達が未知の領域としている状況下では、時期尚早であり、民間の活動を含めた情報の収集が当面の課題である」と規定している。)➡ 左脳が専管する「仕事」とは無縁の日々が特徴である「第二の人生」を送る「高齢者」達の間で、「3密の回避」に徹した生活習慣、「脳の使い方」としての単調な『生活習慣』が継続されている状況下で、専門家とされる人達自身が未だ気づいていなくて、野党やマスコミも取り上げない中で、実態的には、「AD型認知症」の新規発病者(「小ボケ」の段階)が激増してきていて、症状の重症化が進行してきているお年寄り達(小ボケは中ボケの前期に、中ボケの前期は中ボケの後期に、中ボケの後期は大ボケの前期に、大ボケの前期は大ボケの後期に進行してきている)が激増してきているはずなのです。

その発現や進行は、「アミロイドβの蓄積に因る老人斑の増加が原因ではない」のです。「3密の回避」に徹した生活習慣の継続、言い換えると、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続により、前頭葉を含む脳全体の機能について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行してきたことが「直接の原因」なのです。

⇔ 世界中の権威(機関)は、『AD型認知症』の発病/症状が進行するメカについて無知なだけでなく、症状についても無知なのです❕

発病の最初の段階である「小ボケ」の段階は3年間、次いで、「中ボケ」の段階が2~3年間という、『標準的な滞留期間』が存在しているのです。

2020年の前半に発病した高齢者が、『小ボケ=3年間』を経由して、現在は未だ「中ボケ」の段階なのです。権威は、失語/失認/失行(紛い)の症状を確認して初めて(AD型認知症の発病)と考えているので、まだ無関心なのです❕

第二の人生を送る高齢者が、「3密の回避」に徹した『生活習慣』を継続しているだけで、『AD型認知症』の発病者が激増したことが明るみに出てくれば、そのことだけで、世界的に通説の地位にある「アミロイドβ仮説」の主張内容が誤りであることの客観的な実証となるのです。

「権威の主張内容が誤りである」ことが確認されることとなれば、権威と真反対の内容である私たち「二段階方式」の主張内容と提出してある「実証データ」が注目されることになると考えるのです。二段階方式の主張内容が、全国に浸透して、第二の人生を自分らしく生きて、身体が持つ限り脳も持たせて、「第二の人生を完走」できる超高齢社会を実現させたいと願っているのです。

 本著作物「F-15」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。このブログ中の内容の一部を引用する際は、必ず、著作権法の規定に則って引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人達に、お願いします)。

 

 

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東日本大震災の被災地での高齢者の発病の実態調査を(B-95)

2017-12-01 | アルツハイマー型認知症発病の真の原因

&1 私たち(エイジングライフ研究所)の主張の概要

〇 「アルツハイマー型認知症」を発病する対象が60歳を超える年齢の高齢者に限られる理由としての「正常老化の曲線」の存在

世界中の専門家達から今なお原因不明の病気とされている「アルツハイマー型認知症」発病のメカニズムを解明する上で、極めて重要な要素、それは、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている機能である「前頭葉」の三本柱の機能(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能のことを、私たちがその特徴と重要性に鑑みて命名したもの)には、『20代半ばを過ぎると、年をとるにつれて100歳に向かって、緩やかではあるが徐々に働きが衰えていく』という特徴を有する老化曲線、言い換えると「正常老化の曲線」(これまた、私たち独自の命名)とも呼ぶべき加齢と共に機能が緩やかに低下していく特徴的な曲線が存在することなのです。それなりに「前頭葉」の出番がある「生活習慣」を維持していても、加齢とともに機能が緩やかにではあるが直線的に衰えて行くという性質があるのです。「左脳」の働きが核となる「仕事」とは無縁の日々となる「第二の人生」が始まったばかりの65歳頃には、「前頭葉」の「三本柱」の機能レベルが、最も高い18歳から20代の半ば過ぎ頃のほぼ半分くらいにまで衰えてきていることが注目すべき要点(ポイント)なのです。加齢に伴う脳の老化と言う問題が存在していることを示しているのです。

 私たちが独自に開発した「二段階方式」の手技を活用して集積した14689例にも及ぶ精緻な「アルツハイマー型認知症」の症例群とその基礎データとしての「脳機能データ」の解析により、私たちの意識的な世界を構築し、統括し、支配し、コントロールしている脳機能、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳という三頭立ての馬車の御者としての役割を担っている「前頭葉」を含む脳の機能の加齢による老化という要因を発見し、且つこの要因に着目し、『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であること』と言う条件を「アルツハイマー型認知症」の発病の「第一の要件」として私たちは規定しているのです。私たちが集積してきたデータによる予測では、「アルツハイマー型認知症」を発病するお年寄りの年齢別の割合は、「第二の人生」が始まる60歳代では12%となり、70歳代では30%、80歳代では二人に一人となる50%、90歳代では75%を数えていて、加齢の極まりである100歳代では97%にもなるのです。但し、この数値は、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含む数値であって、医療現場が発病と診断している及び厚労省が発病者数として発表しているのは、「アルツハイマー型認知症」の末期の段階である「大ボケ」の段階の人達だけであることに注意していただきたいのです。厚労省が推定値として発表している我が国全体で500万人と言う数値には、私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄りは(認知症の専門家達が見落としていて)含まれていないのです。

 &2 老化のカーブの傾き具合を左右する要素は、脳の使い方としての生活習慣

 (1)自分なりの追求すべき特定のテーマが有り、生き甲斐達成すべき目標があり、趣味や遊びや交遊や運動を楽しむ生活の機会が多くあり、地域興し等の活動にも興味があるお年寄り、日々の生活の中で、たくさんの量と質のよい情報が「前頭葉」に送られてきて処理されているような「生活習慣」が日々継続されているお年寄りは、老化の曲線は緩やかなものとなり、身体が持つ限り脳も保てる、所謂「かくしゃく老人」への道が開けてくるのです(「かくしゃく老人」である場合の特徴として言えることは、脳の使い方としての「生活習慣」が、早々とボケていく「お年寄り」のそれとは、対極の内容の「生活習慣」を送っているということなのです。両者の間には、世の中で言われているような「食生活としての生活習慣」でなく、「脳の使い方としての生活習慣」の顕著な相違が存在するのです)。「アルツハイマー型認知症」は、老年性アルツハイマー病とも別称されているように、発病する対象者は60歳を超える年齢の高齢者だけであり、60歳代よりは70歳代の方が、70歳代よりは80歳代の方が、80歳代よりは90歳代の方が、発病率が高くなっていくのです。「発病の原因」そのものが、発病の『第一の要件』である加齢と言う要素に起因した機能低下正常な老化)及び加重要因であり発病の『第二の要件』である脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続という要素に起因した廃用性の異常な機能低下(異常な老化)であるが故に、年齢が上がれば上がるほど、発病する割合が高くなっていくという特徴が、「アルツハイマー型認知症」というタイプの認知症の特徴なのです。

 (2)上述した年齢別の発病率からも明らかなように、「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」であれば(私たちが規定する発病の「第一の要件」の充足)、誰もが「アルツハイマー型認知症」を発病する訳ではないのです(即ち、加齢の延長線上に発病が有る訳ではないのです)

そこには、もう一つ別の明確な条件が存在する(第一要因に対する加重要因のです。これこそ、発病の「第二の要件」として私たち「二段階方式」が規定する条件、脳の使い方としての単調な「生活習慣」の継続(自分なりに追求する特定のテーマがなく、生き甲斐無く、趣味なく、交友なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣)という要因の存在なのです(但し、ここで言う「生活習慣」は、脳の使い方生き方の意味であり、「食生活」や糖尿病の発病とは無関係でであることに注意)。

私たちが規定する発病の「第二の要件」とは、脳の使い方としての生活習慣、即ち、自分なりに追求する特定の「テーマ」がなく、生き甲斐なく、趣味なく、交遊なく、運動もせず、目標となるものもない、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が、継続されていることなのです。ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続されていて、量も少なく、質も劣る情報しか脳に送られてこない(左脳、右脳、運動の脳を介して、最終的には「前頭葉」に送られてくる種々の情報)「生活習慣」が継続されている高齢者は、発病の「第一の要件」(加齢に伴い生じてくる正常な老化による機能低下)と「第二の要件」(ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した廃用性の異常な機能低下)とが同時に充足される相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能廃用性加速度的異常な機能低下の曲線を描き、急速に低空飛行の状態に入っていくことになるのです(「二段階方式」の手技の活用により集積した14689例にも及ぶ「脳機能データ」が示す「加速度的な老化の曲線」のデータが、実証データなのです)。『その行きつく先に、「アルツハイマー型認知症」の発病が待っている』ということなのです。

アルツハイマー型認知症」を発病するには、上述した「第一の要件」(老化による正常な機能低下)と「第二の要件」(廃用性の異常な機能低下)とが同時に充足されること必要不可欠の条件となると言いました。どちらか一方の要件を満たすだけでは、「アルツハイマー型認知症」を発病しないということなのです。その意味で、NHKが一大キャンペーンを張った報道(『働き盛りの50歳代で、「アルツハイマー型認知症」を発病する人達が増えてきている』)の内容は、根本的な誤りを犯していると言うしかないのです。番組にもしばしば登場した人達(30歳代から50歳代までの年齢の人達)の全ての人達が、『「アルツハイマー型認知症」を発病していたのでは無くて、全く異なる性質の病気である「側頭葉性健忘症」を発病している人達なのです。誤診に基づいた、「誤った内容の報道」だということなのです。「アルツハイマー型認知症」と「側頭葉性健忘症」とを区分ける「二つの重要な相違点」が存在するということを知らないのです。一つは発病する「年齢」と言う条件なのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、60歳を超える年齢の高齢者が発病の対象となり、年齢が高齢になるほど発病率が高くなっていくのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、50歳代以下の若い年齢層が発病の対象となるのです。もう一つの条件は、「前頭葉」の機能レベルが根本的に異なるという条件なのです。「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」の機能から真っ先に異常なレベルに衰えて行くものでり、末期の段階にまで症状が進行して行った結果としての『重度の物忘れの症状』が発現してくるのに対して、「側頭葉性健忘症」の場合は、「前頭葉」の機能が正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。『「側頭葉性健忘症」の場合は、「重度の記銘力障害に起因した」「重度の記憶力障害」の症状が春減するものであり、「前頭葉」の機能レベルを精緻に判定しさえすれば、両者は容易に鑑別できるものなのです。前頭葉の機能レベルを判定することなく(精緻に判定できる手技を持たないので)外観的な重度の記憶障害の症状だけから短絡的に「アルツハイマー型認知症」の症状だと決めつけ発病者の年齢が若いことから、架空の病気「若年性アルツハイマー型認知症」だと誤診しているだけのものなのです。その誤診をそのまま受け売りして、そのまま報道したと考えられるのです。

〇「アルツハイマー型認知症」は、老化・廃用型、且つ、前頭葉機能障害型ともいうべき「廃用症候群」に属する『生活習慣病』なのです。

「アルツハイマー型認知症」の本態を特徴的に捉えて説明すると、『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、老化廃用型、且つ前頭葉の機能障害型とも言うべき廃用症候群に属する「生活習慣病」である』ということなのです。「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」(発病の「第一の要件」)の「前頭葉」の機能について進行してきている条件、全ての「高齢者」の「前頭葉」に内在する性質としての、「加齢」に伴って進行してくる「正常老化の性質」に起因した機能低下という要因(老化)が発病の「第一の要件」であり、そのことに加えて、「キッカケ」を契機として開始されたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性異常な機能低下の進行(廃用)が発病の「第二の要件」であり、発病の第一の要件と発病の第二の要件とが同時に充足されている生活状態の下で、その相剰効果により、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性加速度的異常な機能低下を進行させていくその先にアルツハイマー型認知症」の発病及び症状の進行が待っているということなのです。

発病及び症状進行を惹起する直接的な要因は、アミロイドベータの蓄積(老人斑の沈着)とも、タウ蛋白の沈着(神経原線維変化)とも無関係のものであり、且つ、様々な程度及び態様の下で発現してくる「アルツハイマー型認知症」の諸症状は、「記憶の障害」に起因して発現してくる訳ではないのです。

 その意味で、「DSM-Ⅳ」の規定内容も、アセチルコリン説、アミロイドベータ説、タウ蛋白説及び脳の萎縮説等の全ての「仮説」の主張内容も、科学的な根拠も無く、客観的に検証可能な方法により実証されているものでもなく、言い換えると、単なる推測の類に過ぎないのです。

今猶有力な学説の地位に在る「アミロイドベータ説」を含む様々な「仮説」が主張の根拠(基礎)にしているのは、「アルツハイマー型認知症」を発病して/更にその上に、失語や失認や失行(紛い)の症状と言った極めて重度の症状(30点が満点のMMSEの得点が、一桁になるまでに、「前頭葉」を含む脳全体の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させてきた末の症状であることにさえも気づかないで居て)が確認されてから何年間も生きたお年寄りの死後の脳の解剖所見から類推しただけの物であったり、或いは、「前頭葉」という脳機能が備わっていない(注意の分配力の機能も備わっていない)「マウス」(「アルツハイマーマウス」を含む)が檻の中で餌を探してうろつきまわる行動から憶測しただけの物であったりする程度のものなのです。主張の内容自体は、科学的でも、客観的なデータに基づいたものでもないのです。

&3 「アルツハイマー型認知症」の症状は、「前頭葉」の機能レベルを基盤としている
(1)「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」が、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」(脳の使い方としての「生活習慣」)を継続させていると、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていき、その行き着く先に「アルツハイマー型認知症」の発病が待っていると言いました。そこに言う廃用性の機能低下の場合は、「前頭葉」の機能(就中、「前頭葉」の三本柱の機能)が最初に衰えを開始し進行していき、次いで、左脳、右脳、運動の脳の順に衰えが開始され、進行していくのです。廃用性の機能低下が原因で、「前頭葉」の三本柱の機能が衰えていくとき、注意の分配力、注意の集中力、意欲の機能の順に早くに衰えていく、即ち、機能がより高度で複雑なものから、より低いものへと順番に衰えていくのが「アルツハイマー型認知症」の特徴なのです。

(2)脳全体の司令塔の役割を担う「前頭葉」の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたその時から(左脳も右脳も運動の脳も、その全てが未だ正常な機能レベルに在ることに注意すること)、「前頭葉」を含む脳全体としての機能レベルのアウトプットとしての症状が、「アルツハイマー型認知症」発病の症状として発現してくるのです。

以下に要点を概説するように、私たち人間だけに特有な世界である「意識的な世界」では、「前頭葉」が「左脳」、「右脳」及び「運動の脳」により構成される三頭立ての馬車の「御者」の役割を担っているのです。「前頭葉」の機能レベルこそが脳全体としての機能レベルの核心なのであり、「アルツハイマー型認知症」の症状自体も、『「前頭葉」の機能レベルを核心とした脳全体の機能レベルを直接に反映したものとなる』のであって、「DSM-Ⅳ」の第一の要件として挙げられている条件並びに「仮説」が立脚している条件である『「記憶の障害」に起因した症状』ではないのです。

(3)私たち人間だけに特有な世界である「意識的(目的的)な世界」では、全ての思考、行為、行動や言動が、或いは、感情や表情の表出が、必ず「前頭葉」の機能を介してアウトプットしてくる機構になっているのです(「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担いつつ、「意識的(目的的)な世界」を構築し、統括し、支配し、コントロールしている=三頭立ての馬車の御者が「前頭葉」)。もう少し詳しく説明すると、私達の「意識的な世界」では、「前頭葉」が、脳全体の司令塔の役割を担っていて、左脳、右脳及び運動の脳と協働し、且つそれらを統括し、支配し、コントロールしながら、状況の理解と判断、状況の判断に沿った「テーマ」の発想、比較と選択、選択した「テーマ」についての実行すべき内容の企画や計画、実行結果に対する考察、洞察、推理やシミュ・レーション、シミュ・レーションに基づいた実行内容の修正、実行手順の組み立て、実行の程度及び態様の考察と選択、更には、実行の決断、決断に基づく脳の各部への実行の指令等を行っているのです(Executive Function)。

異なる複数の意識が並存し、異なる複数のテーマの同時並行処理が必要な状況下で、『注意の分配力』が、「評価の物差し=意識の首座=自我)」による評価、注意、関心、観方に基づいて、「実行機能」を行使して、先行するメタ認知及び随伴し連動する実体験認知しているのが、意識が覚醒された(覚醒の度合いは様々に異なる)世界(意識的で、目的的な世界)なのです。

こうした過程での個別認知機能の機能の発揮度を左右し/下支えしているのが「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能であり、就中、「注意の分配力」の機能の働きが極めて重要なものとなっているのです。この「注意の分配力」の機能が殆ど働かなくなる大ボケ」の後期になると、『挨拶程度の日常会話さえ困難となり、夜中に騒いだり、徘徊したり、ズボンを頭から被ったりするようになる』のです。

(4)上述したメカニズムの下で、「前頭葉」を含む脳全体の機能が、「キッカケ」を契機として開始されたナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続の下で、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行により異常なレベルに衰えてきたことに起因して(リンクして)、それを直接反映したアウトプットとしての症状、「アルツハイマー型認知症」の「段階的な症状」が発現してくることになるのです。そして、脳の機能が「小ボケ」の段階では、「前頭葉」の機能だけが異常なレベルに在るその総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「小ボケ」の症状として発現するのです。脳の機能が「中ボケ」の段階では、「小ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「中ボケ」の症状として発現するのです。末期の段階である「大ボケ」の段階では、「中ボケ」の段階よりも更に加速度的に機能が低下してきた「前頭葉」の機能に加えて、「左脳」及び「右脳」の機能も「中ボケ」の段階よりも更に異常なレベルにあって、更には「運動の脳」の機能も異常なレベルに衰えてきて、その総体としての脳機能レベルのアウトプットそれ自体が「大ボケ」の段階の症状として発現するのです。認知症の専門家達は、小ボケ及び中ボケの段階の症状が存在していることを知らないで、見落としているのです。

(5)「脳のリハビリ」により回復させることが可能である(「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが可能である)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う小ボケ及び中ボケの段階)の症状は、「アルツハイマー型認知症」としての症状であることが気付かれないで居て(見落とされている)、「アルツハイマー型認知症」の発病としての認知症の症状であることが見落とされているのです。その内の一部の症状が、MCI(Mild Cognitive Impairment=軽度認知障害)とか言う極めて杜撰で粗雑な概念であり、基準である考え方の下に、「アルツハイマー型認知症」を発病するリスクが高い状態(発病の前駆的状態)と説明されているのです。

これらの場合に注意すべきことは、「アルツハイマー型認知症」の症状は、① ①「器質的な病変」が発病の原因となっているのではなくて及び②「記憶の障害」に起因して症状が発現してくるものでもなくて、③ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因した「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が発病の直接の原因だと私たち「二段階方式」は主張しているのです。そうであるが故に、極めて微量のアミロイドベータの蓄積、或いは、タウ蛋白の蓄積を、どれ程早い段階で検出しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発現を検知することにはならない、「早期発見」には繋がらないのです。

&4 廃用性の機能低下が原因であるからこそ、本当の意味での早期の段階で見つければ、回復させる(治す)ことが可能なのです

(1)発病の最初の段階となるのが、「軽度認知症」(小ボケ)の段階で、次いで、「中等度認知症」(中ボケ)の段階があって、最後に、「重度認知症」(大ボケ)の段階があるのです(小ボケに始まり、中ボケの段階を必ず経由して、大ボケの段階に至るという経路が「アルツハイマー型認知症」に特有な症状重症化の過程の特徴なのです)。 医療現場では、誤りだらけの内容が規定されていることにも気づかないで居て、あの「DSM-Ⅳ」の規定の基準に依拠して診断が行われているのです。第二の要件で確認が要求されている失語や失認や失行(紛い)の症状が確認される高齢者とは、末期の段階である「大ボケ」の段階の枠の中でも更に後期にならないと発現が確認されない極めて重度の症状が発現している高齢者なのです。

(2)医療現場では早期診断と銘打った診察が横行しているのですが、それは、「脳のリハビリ」により正常なレベルに「前頭葉」を含む脳全体の機能を回復させることが出来る(認知症の症状を治すことが出来る)本当の意味での早期の段階(私たちの区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階)ではなくて、「失語や失認や失行(紛い)の症状」の発現が未だ確認されない段階とはいえ、あくまで、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけて居るにすぎないのです。『早期診断とは名ばかり』なのです。末期の段階であり、回復させることが困難となる「大ボケ」の段階で見つけることに何の意味があるのかと問いたいのです。その上、効きもしない「薬」を処方してもいるのです(『症状を治す効能は有しないが、ケースにより、半年から1年程症状の進行が遅くなることが有るかも知れない』等と、製薬会社の受け売りのままに処方しているのです。医師が気にするのは、副作用の有無とその程度だけなのです。

(3)「脳のリハビリ」により正常なレベルに回復させること(厳密にいうと、前段階の中ボケの段階にさえも)が困難となるという意味での末期の段階である「大ボケ」の段階は、症状の重さの幅が大河の川幅のように極めて広いのです。「大ボケ」の枠組みの中で、何等かの他の病気(老衰を含む)が原因で死を迎えることになるその時まで、症状の更なる重症化が進行していくことになるのです(「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」なのであり、「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡するということは起こり得ないことなのです。「アルツハイマー型認知症」が直接の原因で死亡したとの診断は、診断した医師自身が、『「アルツハイマー型認知症」の本態について無知』と言うだけのこと)。

(4)上述した意味、回復させることは困難であり、「大ボケ」の枠の中で更なる重症化が進行していくだけという意味からも、「大ボケ」の段階の症状の発現が確認されている高齢者の「家族介護」は、介護する家族側に精神的、肉体的、経済的な負担を強いるだけでなく、介護する側の社会生活自体を奪うものであり、「老老介護や認認介護や介護離職」を生むこととなり、我が国の採るべき政策としては、絶対に避けるべきものであると言うことを強調しておきたいのです。住民参加型の「地域予防活動」を全国展開し、「介護関連総費用」の増加に歯止めをかけ、更には、絶対額自体を大幅に減少させ、何等かの理由で「大ボケ」の段階にまで症状が進行してしまった「高齢者」の介護にこそ、「介護保険」を全面的に適用すべきものと考えるのです。介護保険制度導入の本旨は、「家族による介護」の負担を軽減することにあったはずなのです。

  

&5 アルツハイマー型認知症の発病原因に関する「仮説」に、屋上屋を架すべきでない

様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上の割合を占めている「アルツハイマー型認知症」については、世界中の認知症の専門家とされる人達(学者、研究者、医師)から、発病の原因(メカニズム、機序)が全く分からないし、症状を治すことも/症状の進行を抑制することも/進行を止めることも出来ないし、発病自体を予防する方法も皆目見当がつかないとされてきているのです。その一方で、発病の原因(メカニズム、機序)に関しては、様々な「仮説」が主張されてきているのです。「仮説」とされているその意味は、それぞれの仮説が発病の原因(メカニズム、機序)として主張しているその内容と「アルツハイマー型認知症」の発病との間に存在するべき「因果関係」の立証が、未だに為されていないということを意味するのです。その結果として、それらの「仮説」の存在自体が、『アルツハイマー型認知症は、発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』タイプの認知症であるとする誤ったメッセージを発信し続けている源となっているのです(あの世界的な権威が有るだけで内容が重大な誤りの規定である「DSM-Ⅳ」の規定と同じく、これまた、諸悪の根源と言うしかないのです)それらの仮説」の提示者には「発病との間の因果関係の存在」を実証すべき重大な社会的責任があると思うのです。

注1)「アルツハイマー型認知症」の発病の予防や治療に対して活用できる可能性が有るとするこの発表の内容もまた、単なる「仮説」に過ぎないことに注意する必要があるのです。この内容を言い換えると、『この薬の服用により、アミロイドベータの蓄積が阻害され/或いは蓄積したアミロイドベータが脳内で解消され/或いは脳の外に排出されたからと言って、そのこと自体が、「アルツハイマー型認知症」の発病の予防/或いは症状の治療に役立つ(効能が確認される)ことに直結することを意味している訳のものではない』のです。

何故なら、この新たな「仮説」自体が、『「アルツハイマー型認知症」の発病は、アミロイドベータの蓄積が直接の原因である』との前提に立脚した主張に過ぎないのです。従来唱えられてきて未だに仮説でしかない状態に在る「アミロイドベータ説」の主張内容が正しいものとの前提に立脚した新たな「仮説」に過ぎないということが、実は、極めて重要な問題を含んでいるということなのです。アミロイドベータの蓄積と「アルツハイマー型認知症」の発病(或いは、症状の重症化の進行)との間の因果関係が未だに立証されてはいないという重大な未解決の問題が存在しているからなのです。問題点を単刀直入に、或いは分かり易い言葉で表現すれば、諺に言いう、『屋上屋を架す』ということに過ぎないのです。そもそも「アミロイドベータ説」が主張され始めてから数十年が経過しているというのに未だに因果関係が立証されていない「仮説」のままで居る真の理由はというと、『仮説の内容自体が誤りである』からなのです。それ故に、時間がどれだけ経過しようとも、或いはどれだけ有能な人材を投入しようとも、「アルツハイマー型認知症」の発病との間の因果関係の存在を立証できないで居るということなのです。その主張内容が重大な誤りであることを、私たちが「二段階方式」の手技を活用して、生きた人間の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルに厳密にリンクした症状として集積した14689例に上る「アルツハイマー型認知症」の症例に関わる精緻な「脳機能データ」の解析結果を基礎として、反論してみることにしましょう。

注2) アミロイドベータ説は、その主張内容の概要を此処に示すと、『「アミロイドベータ」という蛋白質が何等かの機序で脳内の神経細胞に大量に蓄積することにより「老人斑」が生成され、沈着した「老人斑」の持つ毒性が、脳内で情報を連絡する役割を担っている神経細胞の大量の細胞死を惹き起こすことにより、様々な情報の連絡の不具合が起きてくることが原因で「記憶の障害」が惹起されることとなり、その「記憶の障害」に直接起因した「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくる』と主張している「仮説」なのです。このことを言い換えると、この考え方は、米国精神医学会が策定した「アルツハイマー型認知症」の診断基準である「DSM-Ⅳ」の規定と同じ考え方、発病と診断する為の第一の要件として確認を要求している「記憶の障害」(或いは、「記憶障害」に起因した機序)が、第二の要件で確認を要求している「失語、失認又は失行」(紛い)の症状が発現する直接の原因であるとする考え方と同一のものに過ぎないのです。

注3 そもそも「記憶」は、記銘して、保持され、そして想起されるという行程を辿るものなのです。私たちが集積した脳機能データの解析結果に基づいて説明すると、『記憶の対象となった情報についての「記銘度」が高いものであればある程、よく保持され、よく想起されるものなのです。その「記銘度」を決定づけ/左右する要素はと言うと、「前頭葉」の三本柱の機能と私たちが名付けている「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の関わり方次第ということなのです。意欲及び注意の集中力の機能が高度に発揮されていて、逆に、注意の分配力の機能の働きが抑制された状態に在る程、「記銘度」が高くなるのです。意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能が高度に発揮されている状態下では、且つ、三者の中で最も高度な機能である「注意の分配力」の機能が高度に発揮された状態に在る程、よく「想起される」ことになるのです。14689例もの「かなひろいテスト」の解析結果が実証しているのです。加えて問題を提示し指摘すると、3点が満点の「記銘」は、30点が満点のMMSEの総得点が4点以下になって初めて0点となる事例が最も多くなるのに対し、3点が満点の「想起」は、MMSEの総得点が26点になった段階で既に0点となる事例が最も多くなるのです。上述したように、「想起」は、「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている「前頭葉」の三本柱の機能の内で最も高度な機能である注意の分配力の機能が高度に発揮されることを要する機能であることが、『「記銘」と「想起」の困難度の差異となって現われて来る』ことを意味しているのです。このデータ解析の意味するところは、『「アルツハイマー型認知症」の症状が発現して来ている人達の「脳機能データ」を基礎として「記憶の障害」が確認されるメカニズムを子細に検討してみた結果として、そこで確認される「記憶の障害」は、アミロイドベータの蓄積とか老人斑の生成とか、老人斑の持つ毒性とか、老人斑の持つ毒性が神経細胞の大量死を招いているとか、老人斑の蓄積により神経細胞が大量死しているとか、神経細胞の大量死が記憶の障害をもたらしているとか、そうした原因で惹起された記憶の障害に起因して「アルツハイマー型認知症」の症状が発現してきているとか言った、アミロイドベータ説が主張している様々な要因が全て単なる憶測に過ぎないことを示しているのです』。

加えて、重要な問題点を指摘すると、私たちの区分で言う、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状の発現が確認される高齢者であれば、『「脳のリハビリ」により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを、正常な機能レベルにまで改善させることが出来る、言い換えると、「アルツハイマー型認知症」の症状を治すことが出来る』という、厳然たる事実が存在しているということなのです。『「アミロイドベータ」の蓄積により「老人斑」が形成されて、情報を連絡する役割を担っている神経細胞に老人斑が沈着し、絡みつくことによって、神経細胞の大量死という器質的な病変が惹き起こされてきているのだとしたら、「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の症状が発現していたお年寄り達の脳に起きた現象、「脳のリハビリ」により症状が改善し治るという現象(事実)をどのように説明することが出来るのでしょうか。「前頭葉」の個別認知機能の発揮度を左右し/下支えしている機能であり、私たちが「前頭葉」の三本柱の機能と名付ける意欲、注意の集中力及び注意の分配力の機能は、最も高度な機能から順番に、注意の分配力の機能、注意の集中力の機能、意欲の機能の順番に、廃用性の機能低下により機能が衰えて行くのです(アミロイドベータの蓄積とか老人斑の沈着とか、更には、神経細胞の大量の細胞死とかとは無関係に起きてくるものなのです)。「二段階方式」の手技を活用して集積された14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病者の「前頭葉」を含む脳全体の機能レベル、更には、「前頭葉」の三本柱の機能に関わる精緻な「脳機能データ」の解析結果は、『三段階に区分される「アルツハイマー型認知症」の症状の様々なレベルの症状の発現と「記憶の障害」とは無関係である』ことを示しているのです。言い換えると、『「アルツハイマー型認知症」の三段階に区分される様々な症状は、「前頭葉」の機能障害{ cognitive disturbance in executive functioning }、就中、「前頭葉」の三本柱の機能障害を基底にして/に起因して発現してくるものである』ということを示しているのです。

注4) 「二段階方式」の手技を活用して、判定し集積した14689例にも及ぶ「アルツハイマー型認知症」の発病と判定された典型的な症状のうち、私たちの言う「軽度認知症」(小ボケ)の段階で確認される典型的で、且つ、「小ボケ」の段階に特有な症状を8例、既にこの建白書中で開示しました。そこに見られる様々な症状は、「キッカケ」を契機として開始され、生活習慣化して継続された脳の使い方としての「生活習慣」、ナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」の継続に起因して惹き起こされた廃用性の機能低下がもたらした「前頭葉」の機能障害に起因した症状だけであって、「記憶の障害」に起因した症状はその欠片さえも確認されないのです。更に付言すると、「末期の段階」の症状であり、私たちの区分で言う「重度認知症」(大ボケ)の段階で発現してくる典型的で、且つ、「大ボケ」の段階に特有な症状であり、例示した症状の内で、例えば、『服を正しく着られず、ズボンを頭から被ったり、上着に足を通したりする』とか、『同居している家族の顔も名前も分からなくて、配偶者を娘と間違えたりする』とか、『自宅に居ても落ち着かず、外に出ていきたがる』等の症状は、「記憶の障害」が基底にある訳ではなくて、「注意の分配力」の機能が殆ど働かないという「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを直接に、且つ、そのままに反映した症状に過ぎないのです。それらの症状を「記憶の障害」に起因した症状だとする主張は、単に外観から眺めて推測した主観に基づくだけのもので、客観性に欠けるというしか無いのです。

注5) 「アルツハイマー型認知症」の場合は、「前頭葉」を含む脳全体の機能について、機能が衰えていく厳格な順番があるということを既に提示しました。そして、MMSEで判定している脳の後半領域の機能、「左脳」及び「右脳」の機能についても、衰えて行く厳密な順番が有り、「MMSE下位項目の項目困難度の指標」と名付けているこの指標は、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの判定に際して、極めて重要で、且つ、客観的な指標としての役割を担ってくれるのです。その厳密な順番とは、『想起、注意と計算、三段階口頭命令、時の見当識、所の見当識、図形の模写、文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名』と言う項目の順番に極めて厳密に衰えて行くのです(出来なくなっていくのです)。更に下位項目の一つである「時の見当識」について示すと、日、年、月、季節、昼夜の順番に、厳格にこの順番に出来なくなっていく(機能が衰えて行く)のです。「MMSE下位項目の項目困難度」と命名するこのデータは、14689例もの「アルツハイマー型認知症」を発病していると判定されたお年寄り達の脳機能データであり、然も、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の段階の全てを含んだデータでもあるのです。厳格な事実として存在するこの特徴を、「アミロイドベータ説」を主張する人達は、どのように説明することが出来るのでしょうか。

『アミロイドベータが蓄積して老人斑が生成され、その「老人斑」の持つ毒性が情報を連絡する役割を担っている「神経細胞」の大量の細胞死を惹き起こさせるに際して、対象となる特定の脳の機能(様々な機能部位が相互に連絡され、統括されながら複雑に構築されている所定の機能を発揮する機能部位の合目的的ともいうべき働きの発揮により構築され、創出される機能)を正確にピンポイントで直撃し、私たちが集積し解析して確認している上述の機能の順に(言い換えると、より高度で複雑な機能から/順次、其れより機能が低いものへと言う順番に/極めて厳格に)、その働きを奪っていくことが有り得る』等と、憶測に基づいた強弁を張るのでしょうか。

 

&6 警鐘(東日本大震災の被災地での高齢者の発病の早急な実態調査の実施を)

マウス等の動物実験によるメカニズムの解明や、臨床経験は、人の疾患原因についての仮説の構築に役立つものであり、重要な手法であることを否定するつもりは有りませんが、それ自体は、人の疾患原因の直接的な証拠となるものではないことを軽視すべきではないと考えるのです。「アルツハイマー型認知症」は、私たちが意識的に何かのテーマを発想し、実行しようとする世界で、社会生活面や家庭生活面やセルフケアの面で重大な支障が起きてくる病気だからです。その意識的な世界を構築し統括し支配しコントロールしているのが「前頭葉」という脳機能であり、「前頭葉」の機能障害を基底(核心)として「アルツハイマー型認知症」の様々な症状が発現してくるものなのです。私達のような小さな研究機関でさえ、「二段階方式」という神経心理機能テストの開発と活用により、14689例に上る精緻な「脳機能データ」の集積とその解析、更には、450を超える市町村で実施してきた住民参加型の「地域予防活動」の展開という方法により疫学的に実証してきてもいるのです

私達には権威もないし、発信力にも乏しいのですが、『アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する生活習慣病、脳の使い方としての「生活習慣」に基づいて「前頭葉」を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことに直接起因して、且つ、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを反映した「認知症の症状」が発現してくるものであり、建白書中の&7で詳述したように、「前頭葉」を含む脳全体の機能が活性化する「生活習慣」の構築とその実践により「アルツハイマー型認知症」の発病自体を予防することが出来る事並びに「脳のリハビリ」(脳の使い方としての「生活習慣」の改善の工夫とその実践)という方法により「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに回復させることが出来る(「アルツハイマ-型認知症」の症状を治すことが出来る)こと、加えて「脳のリハビリ」による回復の可能性の有無及びその程度により、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の「三段階」の症状に区分される』と主張しているのです。更には、北海道から九州までの広域に亘る452の市町村で、私たちが独自に開発した精緻な神経心理機能テストである「二段階方式」の手技を活用した活動として並びに「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」の展開により、私達の上記の考え方及びその主張内容が正しいことを実証してきてもいるのです。

1) 私たちが電話での状況の聞き取りを行った結果によると、東日本大震災の被災地の市町村では、道路や港湾などのインフラや建物や住居といった、ハードの復興に人的な資源も取り込まれてしまっている状況に在り、役場の人手自体が不足している状況に在るのです。そのため、被災以前には、「二段階方式」を導入して「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復と発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を展開していた市町村のほぼ全数が、『有償の期間が満了したことにより、使用料は、無償』の時期に在りながらも、活動が休止された状態に在るのです。私たちに十分な発信力(権威)が有りさえすれば、震災後に保健師さんの人手とボランティアの人手の両者が足りない状況に在ろうとも、「アルツハイマー型認知症」の発病及び症状が重症化していく状況に対し、手をこまねいて傍観するような状況は生まれてこなかったはずと考えるのです。『権威ある機関が闇夜に鉄砲を打つかのような研究方法と憶測だらけで人間の意識構造に無関心でマウスばかりを追い掛け回した結果としての的外れの内容の仮説を流し続けている』ことにも重大な悪影響を受けているのです。

その中の何人かの保健師さんからの情報によれば、大震災の被災後「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達(末期の段階であり、「脳のリハビリ」により認知症の症状を治すことが最早困難なレベルにあるお年寄り達)の数が大幅に増えてきていて、大ボケの段階に在るお年寄りへの対応だけで手いっぱいの状況にあるという現実の状況下では、早期診断による回復にも/更には、発病自体の予防を目的とした活動である予防教室の運営にも手が回らないとのことなのです。「大ボケ」の段階の症状が確認されるお年寄り達の数が大幅に増えてきているということは、裏返して言うと、重度の記憶障害の症状を判断の目安としつつ、末期の段階の症状の確認を「アルツハイマー型認知症」の発病と診断する医療現場の医師からは見落とされたままで居る本当の意味での早期の段階のお年寄り(「脳のリハビリ」により症状を改善させ/症状を治すことが可能である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階のお年寄り)の為の「脳のリハビリ」の指導にも、発病自体を予防する上での効果が確認されている住民参加型の「地域予防活動」としての予防教室の運営にも手が回らない状態で居て、放置されたままになっているということなのです。

2)新聞報道によると、東日本大震災の被災者の大多数は、今なお、経済的に極めて苦しい状況に置かれているようなのです。そうした状況下にありながら、その上に、末期の段階であり、「脳のリハビリ」により回復させることが最早困難となっている脳機能レベルに在って、「大ボケ」の段階の症状が発現してきている「お年寄り」の介護の負担(家族による介護)まで背負わせてもいるのです。今こそ、何事にも最優先の課題として、東日本大震災の被災地の市町村でこそ、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を出来るだけ小さな地区単位で、且つ(交流の駅舎を建設し、常設して、「予防教室」の開催頻度を増やして)、出来るだけ密に活動を展開すべきだと考えるのです。

まず最初に実施すべきは、実態調査なのです。東日本大震災の被災地で『「第二の人生」を送っている60歳を超える年齢の「高齢者」を対象として(私たちが定義する「アルツハイマー型認知症」発病の第一の要件)、「二段階方式」の手技を活用して、且つ、当該市町村の保健師さんの協力を得て、「アルツハイマー型認知症」の発病の有無及び症状の区分(私たちの区分で言う「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の三段階の区分)を判定するとともに、早期の段階である「小ボケ」及び「中ボケ」の段階にあると判定されたお年寄りに対しては、「小ボケ」の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が24点以上)、「中ボケ」の前半の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が23点以下20点以上)及び「中ボケ」の後半の段階にあるお年寄り(「かなひろいテスト」が不合格で、且つ、MMSEテストの総得点が19点以下15点以上)の区分毎に、それぞれの段階に合ったレベル及び内容の「脳のリハビリ」を実施すべきなのです。

3)その活動により、一つには、東日本大震災の被災地で第二の人生を送っている60歳を超える年齢の高齢者たちの間で起きてきている現象、他のどの地域の同じ高齢者達と比較した場合に、異次元と言える程の割合で「アルツハイマー型認知症」を発病していることを確認し並びに更なる問題提起として、もう一つの問題の提起、それらのお年寄りに対する「脳のリハビリ」の実践指導(「前頭葉」の活性化を核心とした脳全体の活性化、脳の使い方としての「生活習慣」の改善及び工夫とその実践)により、それらのお年寄りの「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを正常な機能レベルに引き戻して見せる(「アルツハイマー型認知症」の症状を治して見せる)ことにより、世界中の認知症の専門家達から原因不明で治らないものとされてきた「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、早期診断(「小ボケ」及び「中ボケ」の段階の判定)及び「脳のリハビリ」の実践により治すことが出来ることを実証してみせるのです。加えて、「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」を出来るだけ小さな地区単位で、且つ、出来るだけ密な活動の展開を指導していくことにより、発病自体を予防することも出来ることを疫学的に実証してみせるのです

4)その成果についての情報を我が国の他の市町村に対して発信し、更には、超高齢化社会を迎えて「アルツハイマー型認知症」の発病者の増大が大きな社会問題となっている諸外国に対しても情報発信し、広報することにより、ハード面での復興をアピールするだけでなくて、『「アルツハイマー型認知症」の本態が老化廃用型の「生活習慣病」、脳の使い方としての「生活習慣」に起因した廃用症候群に属する「生活習慣病」であることを疫学的に解明し、実証してみせた、更には、発病自体の予防と早期診断による回復とが脳の使い方としての「生活習慣」の改善と工夫により可能であることを疫学的に実証してみせた広域に亘る地域として、加えて、世界的にも稀な規模の大震災を被災し驚異的な復興を成し遂げた地域として、被災地のお年寄り達だけでなくて、老若男女の全てにとっても、生活面だけでなく心の面からの復興に大きな貢献をしてくれることになると考えるのです。同時に、そうした情報の発信が、世界中から賞賛を獲得することにもなると考えるのです。

5)世界中の認知症の専門家達(学者、研究者、医師達)から、『発病の原因が分からないし、症状を治すことが出来ないし、発病を予防することも出来ない』タイプの認知症として放置されたままで居る結果、我が国や米国などの超高齢化社会に突入した先進国に特有な社会現象として、発病者数自体も天文学的な規模に増えてきている(末期の段階である「大ボケ」の症状が発現してきているお年寄りの人数で言うと、我が国で500万人超、米国で1000万人超)超大型の認知症である「アルツハイマー型認知症」が、『老化廃用型の「生活習慣病」、廃用症候群に属する単なる「生活習慣病」であり、早期の段階で見つけて「脳のリハビリ」を実施することにより治すことが出来るものであるし、「前頭葉」を含む脳全体が活性化する「生活習慣」の構築と実践により発病自体を予防することが出来るものである』ことを東日本大震災の被災地で疫学的に実証してみせ(できれば、30の市町村を対象とする)、我が国だけでなくて世界に向けて発信する事の意義は極めて大きなものとなると確信するのです。我が国の全ての市町村で、その隅々にまで、発信された情報が浸透することにより、これまで『発病を予防することも治すことも出来ないタイプの認知症である』という重大な誤った内容でありながら、権威が有る人達や機関から情報発信されることにより、発病及び症状の重症化の進行が放置されてきた「アルツハイマー型認知症」に対する考えを根本的に大変革させることとなるのです。「アルツハイマー型認知症」の早期診断による回復及び発病の予防を明確な目的とした住民参加型の「地域予防活動」が急速に全国の市町村に浸透していくことになる、その起爆剤となることが期待できるのです。

6)東日本大震災の被災地では、今日も新たな発病者が多数出現してきていて、「小ボケ」の段階から「中ボケ」の段階へ、「中ボケ」の段階から「大ボケ」の段階へと症状の重症化が進行しているのです。『待ったなし!』の状況に在るのです。再度問いかけたいのです。『いいのですか? このままにしておいて!』。

注)本著作物「Bー95」に記載され表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。

  エイジングライフ研究所のHP左の部分をクリックしてください)

  脳機能から見た認知症(具体例をベースとしたもう一つのブログです)


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