認知症の早期診断 介護並びに回復と予防のシステム

アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病なので、発病を予防でき、早期治療により治せるのです

♯ 認知症  アルツハイマー型認知症の発病の原因とメカニズム(【G-11】)

2022-10-02 | この先一週間-脳の活性化と私なりのテーマ
〇 (「意欲、注意集中力及び注意分配力」の老化曲線)
〇 エーザイのレカネマブは、&8の『脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因』を排除せずに効能の有無を評価した因果関係無視の杜撰な評価。

&1『前頭葉』の老化曲線(「老年発症」の基盤となる条件)
(1)私達が意識的に何かをしようとするとき(発言、行為、言動、行動etc.)、状況を自分なりに、分析し、理解し、判断し、状況判断に沿ったやるべき「テーマ」を発想し、具体的な実行の中身(程度と態様を含む)を計画し、実行したときの結果を予測し、洞察し、推察し、シミュレーションして、必要と考えればその内容を修正します。
脳内での一連の思考【メタ認知機能の発揮】の過程で及びメタ認知に随伴連動する実体験認知の世界で、核心的な役割りを果たしているのが、『前頭葉』という脳機能、就中、「前頭葉の三本柱」(意欲、注意の集中力及び注意の分配力)の機能の核心的な機能であり、私たち人間だけに備わっている特有な機能である「注意の分配力」の機能なのです。

(2)『前頭葉』と言う脳機能単体ではなくて複合機能体)は、私たち人間だけに特有な世界である意識的な世界(目的的な世界)における脳全体の司令塔の役割を担っていて、その構成機能であり核心機能である「注意の分配力」の機能が、評価の物差し(意識の首座=自我】の評価、注意、関心、観方に従い、注意の分配量配分先配分量変化させて、個別の認知機能群である「実行機能」(Executive Function)を行使(機能発揮上の二重構造が存在し、作用する機能構造が存在)することに因り、状況を分析し、理解し、判断し、状況判断に沿った「テーマ」を発想し、テーマを実行する為の計画を立て、実行の仕方及び結果を工夫し、洞察し、予測し、機転を利かせ、ある時は、抑制する等各種の高度な働き(人間だけに特有な機能と世界)を発揮しているのです。

(3)様々な展開をシミュレーションする為に脳内だけで行われるバーチャルな世界としてのメタ認知機能を正常に発揮させる上でとりわけ重要な働きをしているのが、「注意の分配力」の機能なのです。
その「注意の分配力」の機能を含む『前頭葉の三本柱』の機能には、「加齢」の進行に連れて働きが老化し衰えていくという性質(「正常老化の性質」)があるのです。18歳から22歳までがピークで、23歳を過ぎるころから100歳に向かって、緩やかではあるけれど、直線的に衰えていくのです。
第二の人生」が始まる60代半ばになると、前頭葉の働き具合は、ピーク時の18歳から22歳の頃に比べ、働きが半分以下になっているのです。70歳代、80歳代、90歳代、100歳代と、年をとればとる程、『前頭葉』の働きが更に衰えていく。正常な機能範囲内とはいえ、徐々に低下して、低空飛行になっていくのです。この「正常老化の性質」が、『アルツハイマー型認知症』を発病する第一の原因要因なのであり、「老年発症」となる原因なのです。

(4)様々な種類が数ある認知症の内の大多数、90%以上を占めていて、皆さんが日常よく目にしているアルツハイマー型認知症の正体は、加齢に起因した「脳の老化」(正常老化の性質)という要因が基盤にあるのです。
『加齢に起因した脳の老化』という問題が基盤にあるから、アルツハイマー型認知症の発病の対象は若者には関係なくて、「60歳代以降の『お年寄りだけ』が、発病の対象になる」のです(老年発症が特徴)(⇒「若年性アルツハイマー型認知症」という病気は、実在していないのです。「側頭葉性健忘症」との異同の要素を知らない医師達が、誤診しているのです)。
側頭葉性健忘症』は、若年で発症するのが特徴。「重度の記銘力障害」に起因した記憶障害の症状を伴うこと(器質的病変に因る記銘度極度に低い為に、直前の記憶は想起できるが、僅かな時間が経過しただけの短期記憶及び相当な時間が経過した長期の記憶が、共に想起できない)及び「海馬の萎縮」が確認されるのが特徴。ところが、側頭葉性健忘症は『前頭葉』の機能レベルが正常な機能レベルに在るのが特徴なのです。前頭葉の機能が真っ先に異常なレベルに衰えて行くのが特徴である『アルツハイマー型認知症』とは、そこのところが、根本的に異なるのです(前頭葉の機能レベルを精緻に判定すれば、容易に鑑別できるのです)。
(5) 加齢に起因した機能低下の進行という要因を基盤(発病の第一要件)としていて、それとは、別のもう一つの要因の存在、「廃用性の異常な機能低下の進行」という別の要因加重されること【発病の第二要件】が、『アルツハイマー型認知症』の発病核心的な条件なのです(「DSMーⅣ」の第一要件が確認を要求している「記憶障害」の要因が原因で発病する訳ではないのです。
アミロイドベータ仮説や、タウタンパク仮説やアセチルコりン仮説は、全て、
記憶障害に起因して発病するとの想定条件に立っての憶測に因る主張(仮説)を展開しているのですが、その前提条件自体が重大な誤りなのです。
)「意欲、注意集中力と注意分配力」の加齢による老化のカーブ(正常老化の曲線) が示しているように、『加齢』という要件だけに起因した「前頭葉」の機能低下は、正常な機能範囲の中で、何年もかけて徐々に緩やかに低下して行くという性質が確認されるのが特徴なのです。
(6)「脳の働き具合」、「前頭葉」を含む脳全体の機能レベルを客観的な手法で調べないで、「記憶障害」の症状(重度の物忘れの症状)の有無とその程度ばかりに焦点を当てて、且つ、末期の段階の「症状」だけから発病者を見つけようとしていたのでは、『脳のリハビリ』(「前頭葉」が改善する生活習慣への改善の実施)により回復させることが可能な本当の意味での早期の段階、「二段階方式」の区分で言う「小ボケ」及び「中ボケ」の段階が見落とされてしまうだけでなく、『「アルツハイマー型認知症」と言うタイプの認知症は、原因も分からないし、治らない』ことにされてしまい、且つ、国としての、為すべき対策が、川下対策(介護)だけに目が行くこととなり、最も重要で有効で有益な対策である川上対策(発病自体の予防)が、放置されてしまうことになるのです。
(7) 効果とコストの面からも、介護の予防措置は、出来るだけ川上で実施すべきなのです。MCI(重度の「物忘れの症状」の確認を判定要件とする軽度認知障害の基準)とかの極めて曖昧な基準を基礎としていて、末期の段階に焦点を定めた介護の予防措置には、効果が期待できないのです。
⇒ 極めて遺憾なことに、「介護の予防」の国策化実施を制度化した『政府大綱』の第一条は、「発病自体の予防の実施の制度化を将来の研究課題」と規定しているのです。発病自体の予防対策の実施を逃げる理由は何なのか。
  
&2 アルツハイマー型認知症の年齢別発生頻度
(1)厚生労働省の発表では、我が国には、現在600万人を超える認知症のお年寄りがいるそうです。その大半、90%以上が『アルツハイマー型認知症』と言うタイプの認知症を発病している「高齢者」なのです。
然し、ここで言っている認知症を発病した老人とは、「大ボケ」の段階の人達だけだということに注意してください。「小ボケ」と「中ボケ」は、不活発病とか、脳のフレイルとか、歳のせいと誤解され、見落とされているのです。
(2)「前頭葉」を含む脳全体の認知機能障害がテーマである病気の診断が要求されていながら、前頭葉の機能レベルを調べないで、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルという視点も持たないで、単に「重度の記憶障害」の症状並びに失語や失認や失行(紛い)の症状が確認されて初めて発病者とする杜撰な診断が横行しているのです(「アルツハイマー型認知症」の発病者である場合は、重度の記憶障害そのものが、「前頭葉」を含む脳全体の廃用性の機能低下の進行起因した認知機能障害のアウトプットであることに気づいてもいない)。
(3)『アルツハイマー型認知症』の発病の対象となるのは、小ボケ以下の認知症高齢者の全て(小ボケ、中ボケ、大ボケの全て)なのです。
発病の有無の判定(診断)に際して、回復させることが可能かどうかに関心が無くて、発病を見つけることだけ(回復させることが最早困難な大ボケの段階の症状が確認されるお年寄りだけ)にしか注目していないのでは、この先、発病のレッテル貼りの為の「診断費用」に加え、「介護の費用」が増大していくばかりなのです(両者を併せて、年間で22兆円を超えている)。
(4)私たちがこれまでに蓄積してきた3万人を越える全国規模の調査によるデータによると、小ボケ以下の人たち(小ボケ、中ボケ、大ボケレベルの全ての人たち)の年代ごとの割合は、定年退職などで、第二の人生が始まったばかりの60代に12%もの高い割合を示し、70代に30%、80代に50%、90代に75%、加齢の極まりの100歳代に97%と、年をとるにつれて、どんどん増加していくのが特徴です(正常老化としての加齢要因が発病の基盤条件であるために、歳をとればとるほど、発病する割合が高くなっていくのです)。
⓵アルツハイマー型認知症の発病の対象者は、現役世代である60歳未満の年齢の若い人はいないのであり、「第二の人生」を送っている「高齢者」と呼ばれる60歳以上の年齢のお年寄りに限られていること
②年をとるほど、アルツハイマー型認知症を発病するお年寄りの年代別の
割合がどんどん増えていき、命の極まりの100歳代では、殆どの人が(97%の人が)アルツハイマー型認知症を発病していること
③アルツハイマー型認知症を発病するお年寄りの年代ごとの割合が、
日本のどの地域をとっても、どこも殆ど同じで、地域差が認められないこと
※これらのデータから、アルツハイマー型認知症を発病する要因は、食べ物でも金属の摂取でもなくて、「加齢による脳の老化の進行」という問題が基本的な条件として考えられるのです(「発病の第一要件」)。
(5)上述したように、『アルツハイマー型認知症』を発病する対象者は基本的に60代以降の高齢者だけなのです。「脳の老化」と言う問題が基本にあるから、アルツハイマー型認知症は若者には関係なくて、60代以降の高齢者だけが対象になるのです(若年性アルツハイマー型認知症は、架空の病気であり、医師が、『側頭葉性健忘症』を誤診しているだけなのです)。
(6)仕事に対する評価と趣味や遊びや人付き合いを楽しむことに対する評価、言い換えれば、「どのような生活習慣(脳の使い方)」を重視するのかということに関して、私たち日本人の考え方は、日本全国ほとんど同じで地域差がないのです。生き方や日常生活での脳の使い方が、ほとんど同じなのです。私たち日本人は、仕事偏重の考えの人が多いのです。「第二の人生」が始まり、日常生活を送る上での大きな目標を与えてくれていた「仕事というテーマ」がなくなったら、どうやって毎日を過ごしだらいいのかが分からないのです。時間をもてあまして、単調な生活を日々過ごすのです。有り余るほど時間があるのに、することがない毎日、ナイナイ尽くしの単調な毎日を送るのです。
(正常な老化の進行に廃用性異常な機能低下が加重された)

&3『アルツハイマー型認知症』の発病者の脳機能の衰え方の特徴
Ⅰ.脳機能低下の「4つの特徴」
『アルツハイマー型認知症』は、「加齢による脳の老化」と「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の異常な機能低下」という、異なる二つの要因が重なることにより、その相乗効果としての「廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行」により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が機能低下を進行させていく際に、「4つの特徴」が確認できるのです。
(1)最初に前頭葉だけにつき廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行する(小ボケ);
(2)次いで、前頭葉の機能低下の進行の継続と同時並行して、左脳と右脳と運動の脳も、その順番に廃用性の加速度的で異常な機能低下が進行していく(中ボケ);
(3)前頭葉並びに左脳及び右脳と運動の脳について、廃用性の加速度的で異常な機能低下が同時に並行して更に進行し、注意の分配力の機能が殆ど機能しなくなり、身体が持つ間は、機能低下が更に進んでいく(大ボケ);
(4)脳の後半領域の働き具合を判定するMMSEで判定される下位項目には、衰えていく「厳密な順番」が認められる(これは、事象の事実なのです)。
※1 衰えていく順番は、機能が高度なほうから順番に、以下の通りとなる。
想起、注意と計算、時の見当識、所の見当識、三段階口頭命令、図形の模写、
文を書く、記銘、書字命令、復唱、命名(14689例の発病患者の解析結果)
⇔低下順がこの順番の通りでないケースは、アルツハイマー型認知症の発病ではないとされるのが「二段階方式」の特徴。
※2医療機関は、テストを実施する場合でもMMSEテストの実施だけで、お茶を濁しているのです(重度の物忘れの症状に対する外観からの主観的な観察だけが基礎である「軽度認知障害」【MCI】の基準で判定し、基準の該当者は、発病の前駆的状態に在るとの説明をするのです)。⇒その上、単なる「対症療法薬」の効能しか有していない「アリセプト」などを処方するのです。
Ⅱ.「MMSE」の実施により確認される『下位項目の低下順の規則性
(1)この脳機能データの意味するところは、廃用症候群に属する老化・廃用型の「生活習慣病」(但し、食生活ではなくて、脳の使い方としての生活習慣)が、発病及び症状が重症化していく核心的な原因である認知症、言い換えると、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続と言う加重要因により、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行(『脳の老化』が加速された)が原因で発病し、症状の重症化が進行して行くのが特徴である『アルツハイマー型認知症』の場合には(且つ、その場合に限り)、MMSEで判定される下位項目がこの項目の順番通りに衰えていく(出来なくなっていく)という厳密な規則性が認められるのです(アミロイドベータ仮説を含む4つの仮説では、合理的な説明が不可能なのです)。14689例の発病者達は、小ボケ、中ボケ、大ボケの全ての段階を含み、『事象の事実と言える』脳機能データなのです。
(2)MMSEの換算後の総得点が高いのに、減点を構成する項目が、本来であれば項目困難度が極めて低い項目で構成されるケースの場合があります。
この場合は、アルツハイマー型認知症でなくて、失語症神経症を疑います。
⇒ この衰えていく順番は、「アルツハイマー型認知症」であるか否かの鑑別、「アルツハイマー型認知症」と紛らわしい他の種類の認知症、認知症と紛らわしい他の病気との鑑別に際して、『極めて精緻な鑑別を可能とする客観的な指標』となるのです。
(3)「二段階方式」では、この「MMSE下位項目の低下順」が持つ『厳密な規則性』に着目して、①アルツハイマー型認知症の発病及び症状の段階区分の判定の説明を目的とした『個別事例判定マニュアルB』及び②アルツハイマー型認知症以外の認知症及び認知症と紛らわしい病気の判定の説明を目的とした『個別事例判定マニュアルC』を著作し、配布しています。
 

&4『アルツハイマー型認知症』の発病のメカニズム
(1)左脳が専管する仕事というテーマとは無縁の日々となる「第二の人生」を送っている60代以降の高齢者が、『第二の人生』を生きていく上での支えとなってきた『生活習慣』の継続が阻害される出来事や状況が発生し、継続されることで(「キッカケ」の発生)、心が折れて、意欲を喪失し、意識的な世界(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の出番が極端に少ない生活習慣、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」を継続していると、出番が少なくなり、使われる場面が極端に減った『前頭葉』が、廃用性異常な機能低下を進行させていきます(「キッカケ」の発生と継続により、『第二の人生』を送る上で自分の生き方を支えてくれていたテーマの実行が出来なくなる為に、上の空状態で過ごす日々が続くと、廃用性の加速度的で異常な機能低下の進行が開始され、継続されて行くことになるのです)。
(2)意欲の機能が出発点となり、注意の集中力、注意の分配力の機能が廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させて行く結果、「機能発揮上の二重構造」の連鎖により、実行機能(最終的には、複合機能体である『前頭葉』)の働きが急速に異常なレベルに衰えて『発病し重症化が進行して行く』のです。
認知症の大多数90%以上を占める『アルツハイマー型認知症』は、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続という「脳の使い方」としての『生活習慣』の継続に起因する病気です(仕事とは無縁の日々となる『第二の人生』での『生き方』=脳の使い方としての生活習慣の在り様が問われる認知症)。
(3)『前頭葉の三本柱』の機能に生来的に宿る加齢による正常老化の性質という条件とナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続による廃用性の異常な機能低下の進行という条件とが同時に充足されることによる相剰効果により、『前頭葉』を含む脳全体の機能が、廃用性の加速度的で異常な機能低下を進行させていくことにより発病し、且つ、症状の重症化が進行して行くことになります。
その機能低下の進行の度合いにより、私たち二段階方式の区分で言う「三つの段階」(小ボケ、中ボケ、大ボケ)の症状、アルツハイマー型認知症の症状が発現してくることになるのです。
これが、世間で未だに「原因も分からないし、治すこともできない」と言われている『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行する「メカニズム」なのです{このメカニズムは、人間だけに特有な世界である意識的な世界(目的的な世界)と「実行機能」(前頭葉の個別認知機能群の総称=Executive Function)の発揮度を左右し、下支えている『注意の分配力』の機能の正しい理解が不可欠となるのです}。
Ⅲ.「キッカケ」の類型の類型
(1) 廃用性の機能低下を惹き起こす原因要因である「ナイナイ尽くしの単調な生活習慣」が始まる「キッカケ」は、次の3点に集約することができます。
⓵頑張って生きようという意欲を支えてきた従前の生活がなくなること
②頑張って生きようという意欲を喪失してしまう状況や出来事が発生することで、従来維持し、継続してきた自分なりの「テーマ」及び「目標」のある生活が出来なくなること
③ 従前の生活習慣継続の中で得られていた楽しみや喜びや生き甲斐を得られなくなること
注1)『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』とは、追及する特定の「テーマ」が無く、目標や楽しみや喜びや生き甲斐のない生活、趣味や遊びや人付き合いもなく、運動もしない『単調な生活習慣』のこと。
注2)「キッカケ」の発生により、楽しみや喜びや生き甲斐が得られる源になっていた生活習慣が継続していけなくなります。その結果、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が始まり、継続するのです。単調な生活に変化すると、いろんなことを発想して計画を立てたり、やりかたを工夫してみたり、結果を見通して修正したりしなくなります。喜びが得られたり、なにかに感動する場面もなくなります。毎日の脳の使い方(生活習慣)が大きく変化して、脳全体の司令塔としての『前頭葉』の出番が極端に少なくなります。

&5  かくしゃく老人の生き方(「生活を楽しむ」)
(1) 脳の司令塔の前頭葉は、60歳より70歳、70歳より80歳と、年をとればとるほど誰でも老化が進んで、働きが次第に悪くなっていきます。それなら、お年よりは誰でもアルツハイマー型認知症になるのかと言うと、そうではありません。第二の人生が始まったばかりの60歳代で早々とアルツハイマー型認知症を発病するお年寄りもいれば、前頭葉の働き具合が普通のお年寄りもいれば、身体がもつ限り脳ももって、生涯かくしゃくとしている老人もいるのです。早々と『アルツハイマー型認知症』を発病するお年寄りと生涯かくしゃくとして生きるお年より;その違いはどこにあるのでしょうか?
⓵かくしゃく老人は、「キッカケ」になりそうな生活状況の発生に対しての
抵抗力が強い生活習慣をしている(『代替品』をたくさん持った生活習慣)。②アルツハイマー型認知症を簡単に(早々と)発病するお年寄りの場合は、
自分なりに追求する特定の「テーマ」が無く、喜びや生き甲斐に繋がる趣味や遊びや交遊を楽しむ機会が少ない生活習慣である為に、「キッカケ」となりそうな生活状況の変化や発生に対する抵抗力が弱い生活習慣なのです。
③「アルツハイマー型認知症」を発病するか/しないか」又は、「早々と発病
することになるか/ならないか、身体が持つ限り脳もイキイキと保てるか」:それは、第二の人生を送る上での日々の「脳の使い方」という「生活習慣」が、決め手になるのです。前頭葉を含む脳全体を生き生きと使う「生活習慣」を保っていること:毎日の暮らしの中で、何をどのようにするのかを決める『前頭葉』の出番が多くて、活性化する生活を楽しんで暮らすのです。
(2)運動の脳を使ってスポーツや散歩を楽しむ生活、右脳や左脳を使って趣味や遊びや人付き合いを楽しむ生活、居住地域の活性化などボランティア活動等を自分なりに楽しむ生活をして暮らすのです(御者の出番が多く、忙しい)。
自分なりのテーマがあり、自分なりの目標や喜びや生き甲斐を持てる生活を送っていて前頭葉の出番が多い為、前頭葉を含む脳全体の機能がイキイキと働き、活性化し、「アルツハイマー型認知症」の発病とは無縁となるのです。
※)脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が活性化する生活習慣が継続されていることに因り、『廃用性の機能低下の進行』と言う要因が加重されないので、異常なレベルにまでは機能が低下して行かないのです。

&6 『アルツハイマー型認知症』になるお年寄りと単調な生活習慣 
(1)「第二の人生」を送っている高齢者、60代以降の高齢者と呼ばれる年代になってから、アルツハイマー型認知症を発病する高齢者が出てくるようになります。発病する割合が、70歳代で30%、80歳代で50%、90歳代で75%という風に、年代が上がるにつれて、割合がどんどん増加していきます。
「第二の人生」を送っているということは、高齢者と呼ばれる年代になっているということなので、誰でも、「加齢による前頭葉の老化の問題」を抱えているのです。誰でも例外が無くて、二段階方式が、アルツハイマー型認知症を発病する「第一要件」に規定してある条件なのです。
(2) ところが、高齢者は誰でもアルツハイマー型認知症になるかと言うとそうではありません。70代のお年寄りの30%が認知症になるのに対して、80代のお年寄りの50%は認知症にならないで社会生活を送れているのです。
アルツハイマー型認知症を発病するのか又はしないのか、その差はどこからくるのか(キッカケ発生後のボケーっとした暮らし方の継続で、ボケる)。
アルツハイマー型認知症になるお年寄りは、カクシャク老人と呼ばれる人達の生活振りとは、「対照的な生活振りを送っている」のが特徴なのです。
「時間だけはたっぷり有るのに、することがない」毎日、ただボンヤリと暮らすだけの「単調な生活」を送っているのです。ボケーッとした生活習慣をダラダラと継続していると、ボケる(アルツハイマー型認知症を発病する)のです。
(3)『アルツハイマー型認知症』を発病する高齢者は、毎日の「脳の使い方」としての『生活習慣』(食生活や糖尿病の発病は無関係)に大きな問題があるのです。脳の使い方は、言い換えれば、『前頭葉』の使い方でもあるのです。『アルツハイマー型認知症』になるか、ならないか、その差は、日々の『前頭葉の使い方』としての意味で言う『生活習慣』の差にあるのです(アルツハイマー型認知症は、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病であり、第二の人生を送る高齢者だけが発病の対象者となるのが特徴であり、60歳を超える年齢の「高齢者」が『第二の人生』を送る上での「脳の使い方」としての『生活習慣』の有り様、『生き方が問われることになる』認知症なのです。
(4) アミロイドベータの蓄積に因る神経細胞の死滅が記憶障害を惹き起こすとの仮説、器質的な原因病変に起因した記憶障害が発病の原因であると主張するアミロイドベータ仮説は、発病との間の『因果関係』が存在していない誤りの内容であり、アミロイドベータ仮説の考え方に立脚した治療薬と称するエーザイのアデュカヌマブもレカネマブも、『アミロイドベータの蓄積量の減少や蓄積の阻害にどれほどの効果を発揮しようとも、発病の予防、症状の治療や症状の進行の抑制とは無関係の薬』なのであり、『前頭葉』の機能レベルの変化を精緻に判定できる手技と数多くの発病患者の脳機能データの解析結果を有する私たち「二段階方式」からすれば、効果の評価の方法や仕方がずさんな代物と言うだけのものでしかないのです。
    
&7 単調な生活習慣が始まる「キッカケ」の具体的な事例 
(1) ナイナイ尽くしの単調な生活に入る「キッカケ」としては、以下のようなものを例示できます。以下に挙げる具体例がそのまま「キッカケ」になるかどうかは人それぞれで、一概には言えません。本人にとっての「失われた生活」(生活状況)が占めていた重要度と痛手を感じる深さによる『意欲の喪失』の度合い次第で、影響の有無と度合いが変わってくることになります。
ある程度重要なものでも痛手が小さければ、心が折れはしないので(立ち上がる「意欲」自体が残っているので)、「キッカケ」にならないのです。
□定年退職。家業を息子に譲ること。専業主婦なら台所と財布を嫁に
明け渡すこと。子供や孫の手離れ;
□  相互に信頼関係が構築され維持されていた配偶者の死亡; 
□ 趣味や遊びやお茶飲み会などの集いの会の中止;
□ 重大な病気や怪我。身体上の不具合;
□ 看病だけの生活(自身の病気や怪我による入院生活。病気や怪我あるいは   身体の痛みなどの不具合の継続。病気の相手の看病生活の継続)
□人に言えない家庭内の重大なトラブルや心配事が継続すること:
( 何をしていても何時もうわの空状態(原因が、息子のリストラや離婚。
サラ金問題。孫の不登校。家庭内の不和等);
□ 重大な災害の被災(により家族、友人、財産、地域等を失うこと);
□ 可愛がっていたペットの死亡;
□ 友人や自分自身の転居(転居により旧来の友達を失って、新しい友達が出来ないままの状況の継続);
□兄弟姉妹の死(特に、相手が自分より年少の場合は痛手が大きいようです)
□周囲との接触もない孤独な一人暮らし(趣味や遊びや交遊を楽しんでいるような暮らし振りの一人暮らしなら「ボケとは無縁」です);
□寂しい生活(家庭の隅に追いやられ、家族との会話もない寂しい生活);

&8「脳の老化のスピード差」をもたらす生活要因(「脳の使い方」)
1.「キッカケ」の継続を契機に心が折れ意欲を喪失し、ナイナイ尽くしの単調な『生活習慣』が継続し、半年から1年もすると『アルツハイマー型認知症』を発病します。発病してから、3年間が『小ボケ』の期間、4~5年の間が『中ボケ』の期間で、5~6年経つと『大ボケ』になる」が、大原則なのです。
この基準に適合しないケースは、下図のプラス要因とマイナス要因の質と量とが脳に働いて、症状の更なる進行や回復に直接的な影響を与えているのです。
2.前述の1.に掲げる「認知症が進行する期間に関する原則」は、エイジングライフ研究所が多数の症例(アルツハイマー型認知症を発病するメカニズムを知らないため、単調な生活がそのまま継続されていった多数のケース)を分析して得られたものです(脳の使い方としての生活習慣要因のコホート分析であることが重要)。
従来どおりの単調な生活習慣が継続されていく場合には、この原則に従って、『アルツハイマー型認知症』の症状が進行していくその期間(標準的な滞留期間)を述べたものです。この標準的な滞留期間の原則は、多数例の分析結果によるため、とてもよく当たります(小ボケと中ボケの期間について確認される事象の事実である標準的な滞留期間の存在について、アミロイドベータ仮説では、合理的に説明できないのです)。
※1) 勿論、実際の生活場面では、前頭葉の出番が増え、活性化するような楽しい生活(家族や仲間と共に散歩や運動を楽しむ生活;家族とのイベントを楽しむ生活;趣味の教室へ通う楽しい生活;友人や仲間とのふれあいがある生活)の増加要因があると、楽しい生活の質と量にリンクして前頭葉の出番が増え働きが回復してくる為、認知症の進行が遅くなり、進行が止まり、或いは、回復の方向に向かうのです。
※2)逆に、前頭葉の出番が減り、不活性化するような辛く苦しい状況下での生活(友人や趣味の仲間との別離; 趣味や遊びの会の中止;腰痛など身体の虚弱化の進行; 自分自身の病気の発生;家族の病気や介護に自分の時間をとられてしまうような生活;重大な心配事の発生;家族内の重大な問題)の増加という要因が重なると、その辛く苦しい生活の質と量とにリンクして前頭葉の出番が減り働きの衰えが進行するので、重症化が速く進んでいくことになるのです。
※3) 下は『脳の老化のスピード差』をもたらす「生活習慣要因」の解析図。

※①MMSE下位項目の項目困難度』の解析結果のデータ及び ②小ボケと中ボケの期間について確認される『標準的な滞留期間の存在』のデータ(両者ともに、事象の事実のデータ)について、『アミロイドベータ仮説』は、合理的、科学的、客観的な説明が困難なのです。

&9 ボケの治療は「脳のリハビリ」(「小ボケ」の場合)
(1)『アルツハイマー型認知症』(ボケ)も早期発見、早期治療が大切です。
早く見つける程、回復する可能性が高いのです。
小ボケで見つければ、簡単に治せます(回復が比較的容易)。
中ボケで見つければ、手間はかかり大変だけど、家族の協力があれば何とか治せます(回復が未だ可能)。
大ボケで見つけたのでは、見つけても手遅れ、治らないのです(回復困難)。
医療機関では、ボケの末期段階の大ボケの症状を物指しとしてボケを見つけようとするので、せっかく見つけても治らないのです(物忘れの症状を判定基準とした『MCI』【軽度認知障害】の基準は、使い物にならないのです)。
(2) ここでは、小ボケだけを対象として、回復方法を説明します。
アルツハイマー型認知症を治す(脳の働きを正常レベルに引き戻す)には、前頭葉の出番が多い生活に変えて、前頭葉の働きを活発にしてやることです。前頭葉の働きを活発にするのに最も効果的な方法は、「右脳」をしっかり使う生活、趣味や遊びや人づきあいをしっかり楽しむ生活を送ることが不可欠になります。趣味や遊びや人づきあいなどを楽しむことで、自分なりに目標や喜びや生き甲斐があり、意欲が湧いてくるような毎日を過ごすのです。
趣味や遊びや人づきあいといった右脳中心の生活が、前頭葉の出番を増やし働きを活性化させることになり、前頭葉の元気を取り戻させるのです。
やるのが楽しくて、時間があっという間に経って、またやりたくなるような趣味や遊びや人づきあいを楽しむ生活とその仕方を工夫するのが大切です。
周りが助けて、本人なりに毎日を楽しめる生活習慣を組み立てるのです。
(3) 過去の生活習慣にさかのぼって、どんなことに熱中していたのか、どんなことなら意欲を持って取り組めていたのかを調べてあげることも必要です。
趣味も遊びも人づきあいも苦手と言う人には、運動の脳からの刺激が意外と効果的です。 一日一時間の速足での散歩が目標(5000歩が目安)です。
その場合も、散歩をするのが楽しくなるような工夫が大切です。散歩するのに安全な場所を選び、散歩してみたくなるような場所を探し、家族や友人が談笑しながら一緒に歩いてあげると効果が一層大きくなります。

&10 『発病自体の予防』(「前頭葉」が活性化する生活習慣の構築)
Ⅰ.発病を予防する方法は、唯一。脳の使い方としての生活習慣次第:
(1)発病自体を予防する方法は、仕事というテーマとは無縁の日々の暮らしとなる『第二の人生』を日々送る上での『脳の使い方』としての『生活習慣』の在りよう次第ということになるのです。
(2) 本態が、廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である『アルツハイマー型認知症』は、「左脳」の出番が極めて多い『仕事』とは無縁の生活となる「第二の人生」を送る上で、自身が都度選択する脳の使い方としての『生活習慣』の在り方が問われる病気なのです(「食生活」とは無関係であることに注意して下さい)。
Ⅱ.『発病の予防』の為に構築し、実践すべき『生活習慣』の核心的条件:
※症状を治すにも、発病を予防するにも、方法は唯一。『脳全体をしっかりと使ってやる』以外に方法は無いのです(予防や治療に効く薬は、存在しない)。
脳全体をしっかりと使うには、自身にとって、当該テーマの実行が、実行の過程が、実行の結果が、楽しくて、喜びや生き甲斐に繋がることが必要条件。
(1)「趣味や遊びや人付き合いや運動や、地域活動」等を中心とした生活の中に、自分なりの『テーマ』を見つけ、自分なりの『喜び』や『生き甲斐』が得られるような、自分なりの『目標』の設定と実行、生活上の張りのある『生き方』を見つけ、自分なりの『生活の楽しみ方』をして、自分なりに『脳が活き活きとしている』と感じられるような日々の『脳の使い方』としての『生活習慣』、何かに挑戦する『意欲』が湧いてきて、『注意の集中力』が長続きして、『注意の分配力』の機能の出番が出来るだけ多くなるような『生活習慣』を構築し、『継続して実践』(「生活習慣化」)することが、『発病を予防』する(発病時期を先送りする)為の不可欠の条件となります。
(2) 『実行機能』を駆使する要の機能である『注意の分配力』の機能の出番を増加させて、メタ認知する(脳内で、自分なりに、自分なりの視点で、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、検索、比較、選択、決定、決断、抑制、感動etc.)機会をできるだけ多くしてやることが、意識的な世界(目的的な世界)に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』を活性化させ、そうした脳の使い方としての生活習慣の構築と継続的な実践が、『アルツハイマー型認知症の発病を予防』することに直結するのです。
Ⅲ.仕上げのテーマが、『速足の散歩』です:
(1) 異なる複数の『意識』を同時に並行して構築するにも、統合するにも、分離するにも、管理するにも、コントロールするにも、『「前頭葉」の三本柱の機能』(「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能を総称して、二段階方式が独自に名付けた呼称)が、『正常な機能レベルで働くこと』が必要不可欠となるのです。
(2) 『前頭葉の三本柱』の機能は、「意欲」の上位に「注意の集中力」の機能があり、「注意の集中力」の上位に『注意の分配力』の機能が鎮座しているという構造、3層構造をしているのです。従って、廃用性の機能低下により、それらの機能が低下していくに際しては、「注意の分配力」の機能、「注意の集中力」の機能、「意欲」の機能の順に機能の衰えが進行していくのです。
(3) 『速足の散歩』の継続的な実践(生活習慣化)により、『意欲』と「注意の集中力」の機能のかさ上げが進む(機能レベルの拡大が起きる)ために、結果として、『注意の分配力』の機能が「実行機能」を駆使しておこなう『メタ認知』機能の機能の発揮度が或る程度向上することに繋がります。但し、『前頭葉』の機能の活性化に直結する程の効果が得られることにはならないのです。 歩け歩け、週に1~2回の速足の散歩は、『魔法の散歩』なのです!!その時、出来れば仲間たちと一緒に、ワイワイ、ガヤガヤ笑談しながら!
『前頭葉』の機能の活性化の方法として、専門家たちの間で、「デュアル・
タスク」の実行(異なる2つのテーマを同時に並行して実行)が推奨されているのですが、それだけでは、前頭葉の活性化には足りないのです。
※『アルツハイマー型認知症』の発病及び症状の重症化が進行するメカニズム並びに症状を治す方法、症状の重症化の進行を抑制する方法、発病自体を予防する方法等の全てが、意識の機能構造と密接不可分の関係にあることについて、世界中の専門家とされる機関(人達)が未だに気づいていないことが、解明を妨げる最大の要因となっているのです。⇔その最大の難問の関門が、『実行機能の機能発揮上の二重構造の存在』という問題なのです(By Tad)。

&11  脳の機能面からみる散歩することの効能(物忘れの症状の改善)
(1) 散歩すること、即ち、「歩く」ことは、『意欲』と『注意の集中力』の機能を「きちんと使う」ことが不可欠となるのです。
(2) 『意欲』と『注意の集中力』の機能は、思考や思索をする上で、或いは行為や行動を実行する上で、不可欠の機能でもあるのです。意識的な世界(目的的な世界)でのすべての思索、思考、行為、行動の源となる機能なのです。
(3)『意欲』と『注意の集中力』の機能を使う機会が増えてくることにより、それ等の機能が向上することによって、『情報の記銘度が高くなり、よく保存され、よく想起される』ことになる結果、『物忘れの症状が、改善してくることになる』のです。海馬が対象の重要度に応じて短期記憶と長期記憶とに区分けているとの学説は、誤りなのであり、評価の物差し(自我)により意識的注意が向けられた(一定量以上の閾値の注意が分配された)ものだけが、記憶の対象(一定の閾値を超える記銘度が確保される)となり、記銘されなかったものは、想起されることは無いのです。想起できる期間が短期に終わるか、長期となるかは、記銘度の高さ、低さの差異に因るのです(Ex.側頭葉性健忘症)。
(4) 下を向いて歩いていて、畳の目が目に入って海馬に届いたからと言って、そのまま記憶(記銘)されることにはならないのです。⇒『注意の分配力』の機能が備わっていないマウスの記憶のメカニズムと人間のそれとは根本的に異なるのです。
但し、『物忘れの症状』の改善は、意欲と注意の集中力の機能の改善(機能レベルの向上)による結果ではあっても、『前頭葉』の機能レベルの改善には繋がらないことに注意して下さい。『前頭葉』の機能の行使及び機能の活性化、更には、機能レベルの改善には、『注意の分配力』の機能の行使が必要不可欠となるからなのです。脳の機能構造の面から指摘すると、『前頭葉が活性化』するには、『注意の分配力』の機能が「実効機能」を駆使して行うテーマの実行の場面、即ち、『メタ認知』機能の発揮の場面が多い生活習慣、脳の使い方としての『生活習慣』の継続的な実践が必要不可欠となるのです。
⇔このメカニズムは、人類最大の難問として、未だに未解決のテーマである、意識の機能構造の理解とも密接にリンクしているのです。
(5)『注意の分配力』の機能は、私たち人間だけに特有な脳機能であって(DNAの99%が人間と同一とされるチンパンジーにも備わっていない機能)①3つ以上の異なる複数の「テーマ」を同時に並行して処理する為に不可欠の機能であり、②異なる複数の「意識」を構築し、分離し、統合し、管理し、コントロールする為に不可欠の機能であり、③咄嗟の判断及び処理に不可欠の機能であり(所謂、「頭の回転の速さ」をいう)及び④実行機能と総称される個別認知機能群(分析、理解、判断、発想、企画、計画、洞察、推理、憶測、シミュレーション、比較、選択、検索、決定、決断、抑制、感動等)を駆使して行うメタ認知機能の発揮に不可欠の機能なのです。
(6) 意識的な世界(目的的な世界)、意識が覚醒した世界においては、『注意の分配力』の機能が「実行機能」と総称される個別認知機能群の分析、理解、判断、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、比較、選択、抑制等の機能を駆使して行う『メタ認知機能』の高度な発揮が、『前頭葉の活性化』に直結することになるのです。
※1『アルツハイマー型認知症』の本態は、廃用症候群に属する老化・廃用型の単なる生活習慣病なのであり、『前頭葉』を含む脳全体の機能レベルに、厳格にリンクした三段階に区分される認知症の症状が発現してくるのが特徴であり、『前頭葉を含む脳全体が活性化する生活習慣の構築と継続的な実践によって、発病自体を予防すること(発病時期の先送り)が可能であり、早期診断(小ボケ及び中ボケの早期の段階で発病を見つけること)と早期治療(「脳のリハビリ」の実施)により、症状の回復、或いは、重症化の進行の抑制が可能となるものなのです(「二段階方式」独自の見解。現在も認知症研究が専門の世界中の権威達の主張内容とは、真反対の主張内容)。
※2私達人間だけに特有な世界である『意識的な世界』に於ける脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が異常なレベルに衰えてきたことの直接の反映が、認知症発病としての症状となって発現して来るのです【⇒前頭葉の機能が正常なレベルに在る限り、アルツハイマー型認知症を発病することは絶対に起きてこないのです=発病を予防する方法)。
※3『アルツハイマー型認知症』の症状の発現は、ナイナイ尽くしの単調な生活習慣の継続に起因した廃用性の機能低下が進行して行くことが直接の原因であるために、徐々に、段階的に、何年もかけて進行して行くのが特徴なのです(小ボケの期間が3年間、中ボケの期間が2~3年間、発病から5~6年が経過すると大ボケとなるという標準的な滞留期間が確認されるのです=By 「二段階方式」)。

&12「前頭葉の活性化」とは(機能構造面からの正しい理解と説明)
(1) 書籍中でも、テレビでの発言中でも、「前頭葉」という言葉を専門家がよく使用します。ところが、『前頭葉』という機能は、単体で存在しているものではないのです。「前頭前野」に局在する①「評価の物差し」の機能、②「意欲、注意の集中力及び注意の分配力」の機能からなる「前頭葉の三本柱」の機能及び③「実行機能」の三者から構成される脳機能総合体のことなのです。
⇒ Tadのブログの「G-02」に提示してある意識の機能構造図を参照。
(2) 更に問題を提起しつつ言うと、『前頭葉』の機能が活性化するに際して、『実行機能の機能発揮上の二重構造の機構が存在する』ことの理解が「意識」の機能構造を理解する上においても、「前頭葉」の活性化のメカニズムを理解する上においても、必要不可欠のものとなるのです。⇔ 機能発揮上の二重構造は、世界中で二段階方式しか、未だに気づいていないものなのです。
即ち、「実行機能」(分析、理解、判断、発想、企画、計画、洞察、推理、シミュレーション、憶測、検索、比較、選択、決定、決断、抑制、感動etc.)とは、ここに例示列挙した個別の認知機能群の総称なのであって、実行機能自体には、自身の機能を発揮させる機能機構が備わっていないことが重要。
実効機能の発揮度は、前頭葉の三本柱の機能のうちで最も高度な機能であり、核心をなす機能である注意の分配力の機能が直接的に関わることによって及び意欲と注意の集中力の機能の発揮度が加わることによって、直接下支えられ、支配され、管理されているという機能構造(二段階方式が、「実行機能の機能発揮上の二重構造」と命名)が存在しているのです(世界初の発見)。
(3) 先ずは、「意欲」と「注意の集中力」の機能レベルの向上(嵩上げ)を図るべきなのです。両者の機能の向上を基盤にして、『注意の分配力』の機能レベルの向上(嵩上げ)を図る、二段階ロケット方式が、お勧めのやり方です。
⇔意欲と注意の集中力の機能レベルの改善、向上方法としては、『速足の散歩』(1日当たり5000歩が目安)が極めて有効なのです。
⇔『前頭葉』の活性化には、『注意の分配力』の機能が、「実行機能」を駆使して行うメタ認知機能を発揮する場面の増加が必要不可欠なのです。自分が置かれている状況を考慮し、「特定のテーマ」を追求して、『注意の分配力』の機能が実行機能を駆使して『あれかこれかと、洞察し、推理し、発想し、シミュレーションし、創意、工夫し』、且つ、楽しみ乍ら、「メタ認知機能」を思う存分発揮すること。それらの過程が、テーマの実行が、目標達成の結果が、自身の楽しみや喜びや生き甲斐に繋がる状態下で『前頭葉が活性化』してくるのです。
(4) 自分なりの「特定のテーマ」の実行は、できれば、気心が知れた仲間たちと一緒に、楽しみ乍ら、実践していただきたいのです。歩いていく先々で、目に留まった、あなたの注意を惹いた景色を、スマホで撮って欲しいのです。
⇔ 趣味、遊び、人付き合い、居住している地域の活性化【祭事、催事、行事、習俗、居住環境】等の中から、自分なりに興味や関心が持てて、継続して実践出来そうな『テーマ』を選択して、『先ずは、トライしてみる』のです。
⇔ 『脳生き生き日記』をつけることをお勧めします。毎週単位で、テーマの実行内容とその目標を設定し、当該テーマの実行に際し、実行の結果について、楽しみや喜びや生き甲斐を覚えられたことについて、何をどうしたことが、どのような楽しみや喜びや生き甲斐に繋がったのかを記録するのです。

&13「物忘れの症状」を改善させる機能構造(生活習慣)
(1) 記憶は、海馬が短期記憶と長期記憶に区分けて、睡眠中に整理されて、短期記憶が長期記憶に移されている。ネットで検索してみると、こんな説明がなされているのですが、どこの誰が言い出したものか知りませんが、「これこそが、『真っ赤な大ウソ!』なのです」。
(2) 「記憶を短期記憶と長期記憶とに区分けている」真のメカニズムは、極めて簡単なメカニズムなのです。真実は、『よく記銘されたものが、よく想起される』ことになる。記憶の対象となった情報の記銘時での記銘度の差異が、短期記憶と長期記憶とに区分ける(結果的に、両者に別れる)だけなのです。
(3) 記憶の対象となる中身自体が千差万別のものであり、左脳、右脳及び運動の脳の様々な質と量による三者の絡み合いが基礎として存在し、加えて、記銘度の差異を生みやすい要因となるメタ認知機能の発揮がある訳であり、それらの対象を短期と長期とに区分出来る「基準」等あるはずもないのです。
例えて言うと、お友達と会話をしていて、相手があなたに「話した内容」を翌日の朝、考えてみましょう。『はっきりと想起できる対象とその内容』は、というと、「興味や関心、或いは、目的など」、何らかの理由やキッカケで、あなたの注意が多く向けられた(記銘度が高かった)もの程、よく想起することが出来るのです。すなわち、『よく記銘された(記銘度が高かった)情報程、よく想起できる』のです。即ち、『情報の最終的な集積機構であり、入り口機構である海馬は、記銘する上での要の機能(結果的に記銘度に影響を与える)だと、二段階方式は考えている』のです(cf:側頭葉性健忘症の原因)。
(4) 『物忘れの症状』の頻度や程度が改善する為には、記銘時の記銘度が高まることが必要不可欠となります。直接的な機能関係は、「意欲」と「注意の集中力」の機能の発揮度が高まることにあります。例えば、散歩を日課とする生活習慣が継続されているとか、何かに熱中して毎日繰り返していること(簡単な足し算や引き算の練習や脳トレ本の練習)があると、『意欲と注意の集中力』の機能の出番が増えてくることにより、『意欲と注意の集中力』の機能の機能レベルが向上してくるからなのです。但し、『注意の分配力』の機能の出番は基本的にはないか、少ないので、『前頭葉』の機能の改善には直結しないことに、注意して下さい(『前頭葉』の機能レベルを改善させる為には、注意の分配力の機能の出番が増えるようなテーマの実践、注意の分配力の機能が「実行機能」【発想、企画、計画、洞察、推理、検索、シミュレーション、比較、選択、決定、決断、抑制、感動等の「個別認知機能」】を活用して行うメタ認知機能の活発な行使が不可欠となるのです。ところが、『前頭葉』の機能を活性化させる機能構造について、専門家達が未だに無知なのです)。
 
&14  第一の人生と根本的に異なる「第二の人生」の『生活習慣』の特徴
(1) 「第一の人生」では、仕事と言う極めて重要な日々遂行すべき「テーマ」があります。然も、仕事の遂行については、なすべき仕事の内容と範囲が明確であり、達成すべき明確な目標があり、当該仕事の達成期限までが明確にあるものなのです⇔『仕事とは無縁の日々となる』のが、『第二の人生』の特徴であり、それに代わる役割を持つのが、『趣味や遊びや人付き合い、地域の活性化活動』等であり、第二の人生での追及すべき「テーマ」なのです。
(2) 『仕事』を遂行するに際しては、『左脳』(言葉、論理、計算、場合分け等の「デジタルな情報」の処理に特化した脳機能)の活用が、不可欠のものとなり、且つ、具体的に「仕事」に関わる種々の作業を実行していくに際しては、意欲、注意の集中力の行使は勿論のこと、機能発揮上の二重構造の関係により、『注意の分配力』の機能の出番が必要不可欠のものとなる「実行機能」の行使による「メタ認知機能」の活用の場面が不可避的に多くなってくるのです。脳の機能構造面から見ると、『前頭葉』の機能が活性化する場面が極めて多くなるということなのです(Ex.“仕事一筋の人生を送る人”)。
※1仕事の遂行というテーマが日常的に継続される生活習慣(左脳を活用する場面が多くて、注意の分配力の機能が実行機能を行使して行うメタ認知機能を発揮する場面が極めて多いために、必然の結果として、意識的な世界における脳全体の司令塔の役割を担っている『前頭葉』の機能が活性化する場面が極めて多い生活習慣、脳の使い方としての生活習慣)が継続されていくことになる為に(直接の因果関係の結果としての廃用性の機能低下が起きてこない結果として、『前頭葉』の機能が正常なレベルを保ち続けていく為に)、「第一の人生」(現役で仕事を継続)を送っている限り(60歳を超える年齢の高齢者であっても)、『アルツハイマー型認知症』を発病する状況は起きてこないことになるのです(前頭葉が正常な機能レベルを維持し続ける)。
※2 若年者がナイナイ尽くしの単調な「生活習慣」が継続するような生き方をしていても、アルツハイマー型認知症を発病することにはならないのです。
発病する第一要件が、「60歳を超える年齢の高齢者であること」という、年齢要件(正常老化に起因した機能低下の進行)があるからなのです。
(3) オーストラリアに端を発して、英国で活動が拡大し、我が国でも同様の支援活動が拡大してきている病気、所謂「若年性アルツハイマー型認知症」の発病であると「誤診されている」人達の真の病名は、『側頭葉性健忘症』なのです。『側頭葉性健忘症』の特徴は、①『海馬の顕著な萎縮』が確認されて、②重度の記銘力障害に起因した重度の記憶障害の症状(記銘に重大な支障がある為に想起できない)が確認されるものの、③前頭葉の機能が正常なレベルに在る為に、自分に起きている困難な生活状況を的確に話せるのです。
他方、医師達がアルツハイマー型認知症の発病と診断するのは、末期の段階である大ボケのレベルの発病者であり、前頭葉が極めて異常なレベルに在る為に、自分に起きている重度の様々な症状の認識も無ければ、自分に起きてきている困難な生活状況を語ること等一切出来ないのです(両者の差異)。

本著作物「G-11」に掲載され、記載され、表現された内容に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。猶、メタバース空間に構築し、構成し、表現することも、著作権法に違反することとなるので年の為。
このブログ中の内容の一部を引用する際は、著作権法の規定に則り、引用してくださるようお願いします(特に、医学会に身を置く人に、お願い)。
 
 


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