今朝は、少し涼しく、少しだけ湿度が高い。
こんな日は、タバコがうまい。
適度な湿度とともに肺に送り込まれるニコチンで、頭が一瞬しびれ、その直後脳の血管拡張がじかに感じられる。
なんといっても、喉が気持ちいい。
至福の一時だ。
満員電車に乗り込む前、人の少なめの通勤路を選んで、歩く。これなら誰にも迷惑をかけない。
私は、なんていい人間なんだろう。
プハーーーーーーーーーーーーーッ。
美味しい。
タバコが無くちゃ、生きてけない!死んじゃう。
タバコを止めるか、タバコで死ぬか?
そりゃあ肺癌で死ぬんでいい。
第一、毎年レントゲンとっているし。タンも調べているから安心。
なんだ?
なんだか、前から、顔をしかめながら歩いてくるおっさんがいる。
口元と言うか、鼻をおさえている。
なんだ、なんだ、やなヤローだな。
天下の公道、どこで吸ったっていいじゃねーか。くそ野郎。
あ、吸い殻、投げ捨てやつがいる、これはよくないなー。
若い頃は、ずいぶん路上にポイ捨てしちゃったけど、しばらくしてからは、側溝の金網の穴に落とすようにしたし。
今では、ポッケロ。そういや、吸い殻がずいぶんたまって、パンパンだ。
この間、口が開いてポケットの中を灰だらけにしたから、注意しないと。
おっと、自転車でタバコかよ。それは危ないよ。朝の通勤路はなんだかんだいっても人が多いからね。
タバコの先が人にぶつかったりしたら、迷惑だよ。
あと、もうひと吸いかな。
そういや、さっきのおっさん、なんでひとけの無いところ歩いたりするんだろう。ホンと邪魔だよ。
こっちは、気持ちよく吸おうと思って、ひとのいないところ選んで歩いてるのに。
それにしても、ホンといやな感じだよな。
あ、しまった、吸い殻思わず捨てちゃった。
ま、いいか。
駅前の灰皿、全部無くしちまうからいけないんだよね。
・・・こんな人10人と、今朝すれ違った
今日も、電車混んでるな。
あれ、前の女性、わざわざ背を向けなくてもいいのに。
だれか、臭うやつでもいるのかな。まあ、今年は節電で車内の温度も高めって言うし、汗臭いやつはいるよな。
クンクン、自分の臭いは、と。汗臭くはない。OK。
そういや、背広、ちょっとヤニ臭いな。まあ、汗臭くなければ、気にすることは無い。
・・・こんな人に隣に座られた とても、臭かった。
一日疲れた。
都心は路上禁煙とかいって、吸えなくてホンと迷惑だよな。
自分の駅までたどり着くとホット一安心。
まずは1本。家では、吸えないからなー。いったい、誰の家なんだろう。
思いっきり、煙草、吸える家に住みたいなー。
「駅のまわり、路上禁煙ですよ」
はあ?誰に言ってんだ?あ、俺か。
うざったいやつだな。こっちは、今、頭がちょうどしびれてて気持ちいい時なんだから。無視無視。
「煙草吸うんだったら、ひとの後ろ歩いて下さいよ」
なんだと?なんか文句あるのかよ。こっちだって、早く家に帰りたいんだから、お前がとっとと先に行きゃあいいじゃないか。ああ、無視無視。
お、消えたか。
・・・こんな人と、以前、口論になった。
さ、明日の煙草を買い忘れないようにと。
さて、家に入る前にもう一本吸うか。
どうしようかな?中二の娘にこのまえ「お父さん、タバコ臭い」とか言われたからな。
吸って、すぐには臭いが消えないんだよな。
どうしよう、がまんしようかな。あー、めんどくさい。
うーん、まずは一本吸いながら考えることにしよう。
以上の文、全部私自身の煙草が友達だった頃の回想に過ぎません。
あしからず。
煙草が無くてもあなたは死なないし、何も変わらない。
今、吸ってなくても生きている。寝る時だって吸わないでいる。
そろそろ、離脱してみたらどう?