こんなことがあった。
某科の医者(少なくとも私より一回り年下)
「先生、明日大学の講義頼まれちゃって、その時にいいマクロ写真一枚出したいんですが、すごい!というようなのもらえませんか?」
「は?・・・自動販売機じゃないんだけど」
しばし呆然とした後、「あのさ、先生、それどういう事?先生、この病院来たの、この4月でしょ?先生の症例なんて無いよ。第一、これまでの症例だって、先生の先輩たちが丁寧に出してきたものだし、切り出しとかだって、どれほど丁寧にやっているかわかってる?」
「(しばし無言)」
何を考えているのだろう・・・
「いや、ホントはその講義、某科の部長が頼まれたんですけど、その先生が行けないっていうんで」
「それで、先生にお鉢が回ってきたと」
その部長には私は恩義があり、しぶしぶながら応じることにした。
「じゃあ、一緒に探そうか」
マクロ写真だったら、病理診断支援システム内に保存してある写真から適当に選べる。
「病理に来ればこう言うのがいつでもすぐに手に入るなんて思ってちゃだめだよ」
「ハイ、分かってます」
とか言いながら、すでにUSBメモリを差し出している。
その手を眺めつつ、『しめしめ判った、これからも使わせてもらおう』だろうな?と思いながら。
「じゃ、この写真でいいね。わが子を嫁に出す気持ちだよ」
「ハイ、ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。」
「せいぜい良い講義をしてください」
こういう、「病理医=自動販売機」的思考の臨床医への対応は不可能なので、今日のところは、感想なし。これでおしまい。
某科の医者(少なくとも私より一回り年下)
「先生、明日大学の講義頼まれちゃって、その時にいいマクロ写真一枚出したいんですが、すごい!というようなのもらえませんか?」
「は?・・・自動販売機じゃないんだけど」
しばし呆然とした後、「あのさ、先生、それどういう事?先生、この病院来たの、この4月でしょ?先生の症例なんて無いよ。第一、これまでの症例だって、先生の先輩たちが丁寧に出してきたものだし、切り出しとかだって、どれほど丁寧にやっているかわかってる?」
「(しばし無言)」
何を考えているのだろう・・・
「いや、ホントはその講義、某科の部長が頼まれたんですけど、その先生が行けないっていうんで」
「それで、先生にお鉢が回ってきたと」
その部長には私は恩義があり、しぶしぶながら応じることにした。
「じゃあ、一緒に探そうか」
マクロ写真だったら、病理診断支援システム内に保存してある写真から適当に選べる。
「病理に来ればこう言うのがいつでもすぐに手に入るなんて思ってちゃだめだよ」
「ハイ、分かってます」
とか言いながら、すでにUSBメモリを差し出している。
その手を眺めつつ、『しめしめ判った、これからも使わせてもらおう』だろうな?と思いながら。
「じゃ、この写真でいいね。わが子を嫁に出す気持ちだよ」
「ハイ、ありがとうございました。これからもよろしくお願い致します。」
「せいぜい良い講義をしてください」
こういう、「病理医=自動販売機」的思考の臨床医への対応は不可能なので、今日のところは、感想なし。これでおしまい。
その上司「そうなんですよ、先生方よろしくお願いします」
私の上司「是非、病理も見に来てください」
ある若い内科医「ハイ」
それから、2週間。その間にも、興味深い症例が出ていたが、その若い内科医が病理に来た痕跡はありません。
こうして、その若い内科医は病理を、少なくとも病気の一側面を知ることなく、過ごしていくことになるのでしょうね。
自分がその場に居合わせたら、ガツンと怒りつけたかったです。
でも先生は「ごめんね」と言って写真を渡したそうです…。
こういう時にきちんと注意しないと、その研修医はずっと病理医を「学会発表のお手伝いさん」「認定医試験用の解剖レポートを書いてくれる人」と思い続けるでしょうね。