■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 032 猫用IoTトイレを開発、猫と飼い主の幸せづくりを事業化 8328-A912
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■ 猫用IoTトイレを開発、猫と飼い主の幸せづくりを事業化 8328-A912
猫が幸せになれば、人はもっと幸せになれる…と、猫と飼い主の幸せづくりを事業化したのがハチたま(神奈川県鎌倉市)の堀宏治社長だ。
幸せづくりの「仕掛け」は、IoT(モノのインターネット)化した猫用トイレ「トレッタ」。
重量センサーにより体重や尿量を検知するなどで、猫の「大敵」となっている泌尿器系疾患の早期発見を可能にする。
「猫を飼っている人たちにとって待望の商品だと確信している」と、トレッタの普及に自信満々の堀社長である。
同社は堀社長が2015年3月に設立した。
堀社長は大手情報サービス会社や外資系ヘルスケア企業に勤めたのち、病院向けコンサルティング会社をヘルスケア企業の同僚らと起業する。
さらに、診療データベース会社の創業&事業売却を経て、東日本大震災でペットの問題が深刻化するのを目の当たりにしたのをきっかけに、ペットケアサロンを事業化。続いて、ペット企業の第2弾として「トレッタ」普及を図るハチたまを発足…。
絵に描いたようなシリアル・アントレプレナー(連続起業家)の軌跡である。
「トレッタ」は、世界初と謳う3層式の猫トイレで、猫の体重、尿量、トイレの回数などをチェックしスマートフォンのアプリで簡単に記録できる。
それにより、多くの猫が罹患するとされる泌尿器系疾患、とくに死因のトップとなる腎不全の早期発見、早期治療を実現する。
猫は複数が飼われるケースが少なくないことに配慮し、カメラで個体識別を行えるようにする。トイレを清潔に保つ自動清掃機能も備える。
「飼い主500人にアンケートしたら96%が欲しいと言ってくれた。
世界猫の日の、今年の8月8日に発売する」(堀社長)。
同社では現在、鎌倉市と北九州市の2拠点で、獣医師も交えたチームがトレッタの開発・製造の追い込み中。
「うーちゃん」「ちゃま」の2匹の猫が最高技術責任者(CTO)ならぬチーフ・トイレット・オフィサー(CTO)として開発チームに加わってもいる。
ビジネスモデルとしては、トレッタの販売(2万5000円)とアプリ使用料(月額300円)を収入源とし、立ち上げから4、5年で50万ユーザー獲得、といった青写真を描いている。
「犬と猫の推計飼育数で、猫が初めて犬を超える」(ペットフード協会が昨年12月発表)、「“ネコノミクス(猫がもたらす経済効果)”は年間2兆3000億円」(宮本勝浩関西大学名誉教授)。
堀社長は昨今の猫ブームを追い風に「世界初の猫IoT保険を開発中。トレッタが集積する猫のヘルスケアデータを動物病院と共有することも考えている」と関連市場の開拓に意欲満々。
ところで、ハチたまのハチは忠犬ハチ公由来で、堀社長自身「実は私は犬派」と打ち明ける。
猫に続く犬のIoTビジネスも視界に入っているようだ。
出典: e-中小企業ネットマガジン掲載承認規定に基づき作成