ある数学の本の出版を予定している。
私の書いたある特殊な分野の数学書を出版してくれるという出版社が現れた。
だが、その前にまだいくつかのクリアしなければならない課題が残っていて、その作業に結構手間がかかる。早くてもお盆明けくらいまでその作業がかかるであろう。
ところで、妻がいうにはもう書籍体での出版は時勢にあっていないという。
彼女はタブレットを購入して青空文庫という著作権の切れた小説をしばらくの間読んでいた。
特に夏目漱石の小説を読んでいたが、その経験もあっての考えだろう。
現実に私の子どもなどはタブレットで電子書籍を購入して読んでおり、書棚のスペースがないという問題をクリアしているらしい。
もっとも法的には電子書籍はその購読権を買っているのが実情だと聞く。いずれにしても書籍を購入して、自分の書棚に並べておくなどということは早晩なくなるのかもしれない。
だが、検索して該当のページにと到達することは電子書籍には簡単かもしれないが、ぱらぱらめくるという楽しみとか一覧性はやはり失われているのではないかと思う。
出版社でも電子書籍で出版はしてみたものの売れ行きは芳しくなく、開店休業というありさまだとも聞く。
図書館での書籍の電子化が進むかとも思ったが、国会図書館では書籍の電子化は進んでいるらしいが、一般の公立図書では電子化は許されていないとも聞く。
だから、なんでもかんでもインターネットで手に入るかというとそれも難しいかもしれない。
Einsteinの著作集はまだ多分刊行が完結していないと思うが、その一部はすでにインターネット上で見られるようだ。
一方、Heisenbergの著作集はまだインターネット上では無料でみることはできないのではないか。もちろん、没後50年にはまだHeisenbergの場合は達していない。
大まかの見通しとしては妻のいう、なんでもインターネットで情報を入手できるということは本当だろうが、まだ過渡期にある。