KAWAYU EMC スタッフのひとコマ(弟子屈町・川湯温泉・阿寒摩周国立公園・屈斜路湖・摩周湖など)

川湯エコミュージアムセンターの職員が写す日々の季節の移ろい、出来事をどうぞ Kawayu EMC staff diary

臨時休館させていただきます

2014-02-17 07:18:44 | アイヌつれづれ(about Ainu)

本日、

猛吹雪のため臨時休館させていただきます。

 

弟子屈町につながる道路は、

すべて通行止となっております。

http://info-road.hdb.hkd.mlit.go.jp/index.htm

荒天が収まってからもしばらくは、

除排雪作業などが慌しく行われますので、

通行の際は十分にお気をつけください。 

 

先住民族アイヌの人たちによると、

吹雪とは、ウパシアッテカムイ(雪を司る神)とレラカムイ(風の神)が

たまには大暴れしたい!ということで起きる現象だそうです。

 

カムイがやりたいことですから、

人間が止められるものではありません。

 

こんな日は、

囲炉裏端に家族みんなが集まって、

エカシ(男性の長老)やフチ(女性の長老)の昔語りを聞いて過ごすのです。

 

自然の神を相手に生きていくには、

自然の心をよく知らないと思わぬ危機に落ち込むことにつながります。

 

天気の変化をいち早く読み取るということは、

四季を問わず生命を守る第一条件であったといいます。

 

虫の動きや鳥の行動、野獣の立ち居振る舞い、海や山のたたずまいで、

気流の変化を察知して、身の安全に供えた-と。

 

スマートに持ち歩ける機器を使えば、

すぐにリアルタイムな天気状況が見られる時代に生きていると、

自然に対してアンテナを向けるということは、

なかなかムズカシイことなのかもしれません。

 

…なーんてことを考えてしまうのも、

外が猛吹雪で家から出られないからこそ、です。

 

たまには室内で、

おとなしく過ごしましょ♪

***

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木が弁当を持っている!?

2013-12-14 16:01:29 | アイヌつれづれ(about Ainu)

先住民族アイヌの人たちが、こう表現したものは、

いったい何だと思いますか?

 

アイヌの人たちにとって、

樹木それぞれはカムイ(神)でした。

 

カムイモシリ(神の国)では、

カムイである樹木は、人間の姿をして暮らしていると考えられていました。

なので、木も食べ物を摂る=弁当をもっている…ということなのですが、

だから、

はたして、

それは何?

 

正解はコレ↓

ヤドリギ(寄生木・宿木)です。

【屈斜路湖畔・砂湯にて撮影】

 

アイヌ語では「ニハル」。

木のことを「ニ」、食料=弁当のことは「ハル」というのです。

 

寄生した木から水分や養分を得つつ、

自らも光合成を行う、ちゃっかりモノです。

 

宿主である樹木が葉を落とした後でも、

このように生き生きとしているようすから、

洋の東西を問わず、昔から生命力の強い存在として神聖視されているのだとか。

 

世界中で1000種類以上もあるというヤドリギの仲間は、

果実が黄色いものが多いようですが、

北海道では果実の赤いアカミヤドリギがよく見られます。

 

高いところにあるので見えにくいかもしれませんが、

皆さんもヤドリギを見つけたら、よ~く観察してみてください。

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天上の神の眼

2013-11-23 16:57:45 | アイヌつれづれ(about Ainu)

昔のアイヌの人たちは、

地下と地上にそれぞれ6層の世界があると考えていたそうです。

 

地上のほうは、

アイヌモシリ=人間の住む大地から見て、

最も低いのが「霧の空」

その上に「下の空」があり、

乱雲がただよう「雲の空」、

高層雲が広がる「本当の雲の空」と続き、

星々のきらめく「星の空」があり、

最上の空は、人間の始祖や神々の国である「天上界」となるのだ、と。

 

なので、星のことをアイヌ語で“天上の眼”と表現した地方も。

 

星の動きは、

天上の神が人間にまばたきすることで、

さまざまなことを知らせる合図だと受け止めたそうです。

 

だとすると…

彗星という存在は流れ落ちる涙みたいなもの!?

 

しっかり目を開けて、

受け止める心構えをしておかないと、

見過ごしてしまうのでは!

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ヤブマメ

2013-11-10 13:07:56 | アイヌつれづれ(about Ainu)

シケレペに続き、

アイヌの人たちの保存食をご紹介します。

 

アイヌ語では、「エハ」とか「アハ」と呼ばれます。

1~2メートルになるツル性の一年草で、

なんと! 地上部にも地下部にも豆ができます。

 

北海道だけでなく、

全国各地で見られるそうですよ。

 

食用になるのは地下部の豆です。

地表からさほど深くないところを鋤くように、

一粒一粒掘り出していきます。

 

当然ですが、土にまみれ、

小石と同じような形状、堅さなので、

瞬時に見分けられるようになるには、それなりの経験が必要!

 

「エハ、食べるかい?」

「もちろんです!」

 

今回は、掘るという一番の苦労をせずに、

たくさんいただいてしまいました。

 

「えっ、こんなに?」

「なーんも。1時間くらいだ」

!!!さすがです…。

 

土まみれのエハは、

まず水洗いします。

 

水の中でもみ洗いしているうちに、

厚みのある外皮がむけてきます。

 

そうするとフシギなことに、

それぞれ違う大理石模様が出現するのです。

 

アイヌの人たちは、

ゆでてそのまま食べたり、

ゆでたものを油炒めにしたり、

ごはんと一緒に炊いて食べたりしたそうです。

 

なので、早速、

ごはんと一緒に炊いてみました~。

ケアラン、ケアラン♪

(アイヌ語で、「おいしい」の意)

 

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小さいけど大きな実

2013-11-07 12:56:52 | アイヌつれづれ(about Ainu)

道東アイヌの伝承者・故山本多助エカシ(アイヌ語で「尊敬される年配の男性」という意)によると、

アイヌ語で10月は「シニ・オラッ・チュプ」(落葉月)=草木の葉が紅葉して多く落ちる月

11月は「ウレポッ・チュプ」(足元に冷気を感じる月)=日増しに寒気が加わり、足底に冷たさを感じる月

と、表現したそうです。

 

「チュッ・チュプ」(秋の月)もいよいよ大詰め。

雪が降る前に、準備をしておかなければならないことがたくさんあります。

 

シケペ採取もその一つ。

(アイヌ語をカタカナで表記すると、この単語の“レ”は小さい文字になります)

命名由来にもなっている、樹皮の内皮が鮮やかな黄色を見せてくれるキハダ。

北海道ではシコロとも呼ばれる木です。

 

その木になる実のことを、

アイヌ語で「シケペ」といいます。

熟して黒くなった実は、乾燥させて保存します。

 

アイヌの人たちにとっては、とても貴重なモノで、

食糧にも薬にもなります。

 

−ということは、なんとなく想像できるかもしれませんが、

味はというと…

 

この木は、ミカン科なんですよね。

確かに、苦みの強いミカンの皮をかじったような感覚…といったところでしょうか。

結構、長い時間、口の中に苦みが残ります。

 

食糧にする場合は、これだけで食べるわけではなく、

乾燥させた実を一晩水につけてもどしてから、

カボチャや鮭などと一緒に煮込みます。

つまり、スパイス的な役割を果たすのです。

 

祭事のお供えものとしても欠かせない、

大切なごちそうになります。

 

薬としては、煮詰めたものを咳止めとして使ったり、

胃腸の調子が悪いときには粒ごと飲みました。

 

フチ(アイヌ語で「尊敬されるおばあさん」の意)からは、

「3年(実が)付いたら3年とまる」というコワ~い言い伝えが残っています。

 

確かに、「昨年は実が付いていたのに今年は付いていないなあ」とか、

「昨年は付いていなかったのに、今年はいっぱい付いてる!」ということがよくあります。

 

実の付いている木を探すのもたいへん。

おまけに、高い木の枝先になる大豆ほどの実ですから、

採るのにもなかなか苦労します。

 

現在でも、

アイヌの人たちは採取したシケペを一粒たりともムダにすることなく、

来年の秋まで、大切に大切に使わせてもらうのです。

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ラウラウ

2013-10-22 13:56:15 | アイヌつれづれ(about Ainu)

私事で恐縮ですが。

朝、出勤するために車に乗ったら…。

 

あら~!

まあ~!

なんて、かわいいんでしょ!

 

秋の気配が感じられるようになると、

私が憑りつかれたかのように(?)

「ラウラウちゃん」「ラウラウちゃん」と口にするものですから、

家族が収集してくれていました。

 

アイヌ語で「ラウラウ」と呼ばれる、

コウライテンナンショウ。

 

茎に見える部分(=正式には偽茎といって、葉柄の下部に当たります)に

ヘビのような模様があることから、

「ヘビのタイマツ」という名も持っています。

 

アイヌの人たちは、

花が咲いたあとになる赤い実を乾かしておき、

腹痛時に2,3粒飲み込んだそうです。

 

注意しなければならないのは、

噛むと口が腫れてしまうので、「必ず飲みこむように!」ということです。

 

ちなみに、私は飲んだこと、ありません。

周りでも飲んだことのある人、いません。

あしからず…。

 

館内には、

アイヌの人たちの文化や生活ぶりを紹介しているコーナーもありますので、

お越しの際は、ぜひご覧になってくださいね。

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トリカブトは女神

2013-09-11 13:23:15 | アイヌつれづれ(about Ainu)

いまの時期、道の両脇にたくさん咲いています。

和琴半島自然探勝路でも一番目につきます。

 

アイヌの人たちにとって、

重要な植物のひとつであったトリカブトは、

北海道全域で、基本、〈スルク〉と呼ばれていたそうです。

 

自身もアイヌである知里真志保氏が著したアイヌ語辞典によると、

各地での呼び名が19種類も収録されています。

 

日本語の命名由来は、

舞楽の装束として頭にかぶる鳥兜に似ているから、

鶏冠(ニワトリのとさか)に似ているからなどと言われています。

 

確かに、その姿形は高いプライドを感じさせるに十分な品が備わっています。

 

〈スルク〉とは、トリカブトの「根」のことを指しますが、

中には、「(触れたものにからんで身動きできなくする)根」とか

「(それに付いて急がせる)根」などと、

さらなる形容詞(それも意味深な)を含む言い方もあるらしく…。

 

アイヌの人たちにとって、

重要な植物のひとつであった理由は、

このトリカブトによって狩猟の際に使う毒矢が作られたからです。

 

トリカブトを採取するときにはイナウ(木で作った幣)を捧げる

産地によって毒の強弱が違う(○○産は強いことで有名)

毒矢の作り方はコレコレこうする

トリカブトの根以外に、○○とか○○の毒を加える

毒の効果の確かめ方はこうやる…などなど、

トリカブトの扱い方に関する伝承や記録は比較的多く残っています。

 

ちなみに、

アイヌの人たちの物語(ユーカラ)では、トリカブトは女神として登場します。

 

キムンカムイ(アイヌ語でヒグマのこと)を仕留めたときは、

「右手をスルクカムイ(トリカブトの女神)、左手を松ヤニの女神がとってくれて、

アイヌの国に連れてきてくれた」という言い方をします。

 

矢の先にくぼみを作ってその中にトリカブトの毒を塗り付けるわけですが、

そのものだけでは付きが悪い。

なので、ノリの役目として松ヤニを用い、粘り気を出すということです。

よって、トリカブトと松ヤニはいつもセットです。

 

ところで。

巨体のヒグマを倒せるくらいの毒を持つトリカブトですから、

そんな毒が体内を回ったヒグマの肉をアイヌの人たちが口にして大丈夫だったのでしょうか?

 

そこが自然界で生成される毒と、

人工的に作られる毒との違いともいわれています。

 

トリカブトの毒矢が当たった箇所を中心に、

ほんのちょっと大きめにえぐりとれば問題なかったそうです。

 

このトリカブトの根は、

適切な処置を施されたうえで漢方薬としても用いられています。

 

生かすも殺すもトリカブト…ということですね。

 

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オオウバユリは二女

2013-07-25 08:57:59 | アイヌつれづれ(about Ainu)

 

5月中旬

 

6月上旬

 

6月下旬

7月上旬 

7月中旬 

 

 

そして今-。

↑ 26個も付いてます(驚!)

 

道路脇で、

日を追うごとに、どんどん開く花を増やしている大型の植物は

オオウバユリです。

 

アイヌの人たちは、

このオオウバユリの根(鱗茎)のことをアイヌ語で【トゥレプ】と言い、

デンプンを採ったり、

その過程で生じる滓を固めて保存食となる団子を作ったりと、

余すことなく利用しました。

 

アイヌの人たちの暮らしぶりを描いた、アイヌ風俗絵巻にもオオウバユリを採取しているようすが

残されています。

 

このオオウバユリにまつわるフチ(アイヌ語で「おばあさん」のこと)から聞いた昔語りで、

とくに好きな一話があります。

 

少々(?)長くなるかもしれませんが、

よろしければお付き合いくださいm(_ _)m

 

あるコタン(アイヌ語で「村」のこと)に、貧しい暮らしをしている両親と娘がいました。

娘は両親に食べさせようと、山菜を採りに山に入るのですが、

いつも先に入った意地悪な女の人たちが採り尽くしてしまうので、

なかなか手に入らずにいました。

 

ある日のこと。

娘は、「村の有力者の奥さんが急病で今にも死にそうだ」という話を耳にしました。

そのことを両親に告げたところ、ほんの少しの山菜しかないがそれを持ってお見舞いに行くように、

と言われました。

 

その家に着くと、先に来ていた意地悪な女の人たちに、

「貧乏人の娘が何をしに来た」と言われてしまい、部屋の隅で小さくなっていました。

すると、それを見たその家の主人が「遠慮しないで中に入りなさい」と招き入れてくれました。

 

中に入ると、

娘の耳に囲炉裏の火のカムイ(アイヌ語で「神」のこと)や自在鉤のカムイ、小鍋のカムイが話している声が聞こえてきました。

小鍋のカムイが言うには、「この家の女は私(小鍋)の耳が欠けたら外に放り出して、

犬や猫の食器にした。山菜を採りに行けば必要以上に採り尽くして結局腐らせている。

これを天のカムイが見て怒り、懲らしめるために病気にした」ということでした。

 

その話を聞いた娘は急に立ち上がり、

家に集まっていた意地悪な女たちに「袋を4つ用意しなさい!」と命令して山に入りました。

 

意地悪な女たちは驚き、さんざん文句を言いながらついていきましたが、

どんどん山の奥へ入っていくので息切れして引き返してしまいました。

 

娘が一人だけさらに奥へ進んでいくと、

やがてきれいな小さな家がありました。

あいさつをして中に入ると四人の美しい女性が座っていました。

 

そして、一人の女性が口を開き、

「私たちはカムイの国から地上に降ろされた山菜の四姉妹です。

この世界には人間ばかりが生きているのではありません。

ですから、独り占めしようとしたあの女を懲らしめたのです」と言いました。

 

娘は、4つの袋を遠くに放り投げながら、

祈りを捧げ、コタンに戻りました。

 

有力者の奥さんはすでに死に装束を着せられていましたが、

娘が囲炉裏のカムイに祈りを捧げると、息を吹き返しました。

 

その後、娘は立派な若者と結婚し、

両親を幸せにすることができました。

 

-そんな話です。

 

美しい山菜の四姉妹とは、

長女が雪解け後に一番早く食べることができるギョウジャニンニク。

二女は夏の初めに鱗茎を採るオオウバユリ。

三女が夏に葉を摘んで汁物にしたりするザゼンソウ、

四女は秋に根を食べるヤチブキ(エゾノリュウキンカ)。

 

いずれも、アイヌの人たちが

【ハル・イッケウ】(食糧の・背骨=食糧の中心になるもの、という意味)とも呼んだ主たる食べ物です。

 

この昔語りは、

・食べ物など、この人間界に存在するあらゆるものはカムイからの恵みである

⇒人間は“採らせていただいている”ので、娘が袋を放り投げたのは、

「次回、もしよければこの袋の中に入ってください」という意味が込められています。

放り投げるというと、ちょっと乱暴な行動に見えるかもしれませんが、

武器など、立ち向かうものは何も持っていませんよという意志表示でもあります。

 

・食べ物は、必要以上に採ってはならない

・食べ物を通じて、火や鍋などともつながっている=道具を大切にする

・カムイは、生活は貧乏でも心が美しい人に思いを託して人々に伝える

「そういったことを教えているんだよ」と言って、フチは話を締めくくりました。

 

アイヌの人たちには欠かせない食料であったオオウバユリですが、

今では食べることはもちろん、

加工の仕方を知っている人もだんだんいなくなってしまっているというのは残念なことです。

 

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おしゃべりな木

2013-07-17 09:42:06 | アイヌつれづれ(about Ainu)

いま道の両側で、

白い花をつけた樹木が目立っています。

 

ハシドイ=ドスナラです。

 

アイヌ語では、プシニ【pus(パチパチとはじける)ni(木)】と呼びます。

火にくべると、勢いよくパチパチとはねながら燃えるので。

地方によっては、そのようすを見て「おしゃべりする」と表現したとか。

 

この花を見ると、

そんなアイヌの人たちの想像力豊かな言い回しを思い出して、

ニンマリしてしまいます。

 

この木は、

腐りづらく“健康な木”(←アイヌの人たちはしばしば、こういった言い方をします)と考えられており、

チセ(家)の柱などを作るのに使ったそうです。

 

近づいて、花に鼻をクンクンしてみると、

とってもいい香りがします。

それもそのはず、ハシドイの仲間・ムラサキハシドイと呼ばれる花がライラックなのです。

 

あまりスピードを出して走っていると、

せっかくの美しい樹木を見逃してしまいますよ~。

 

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黒い花

2013-06-12 11:37:25 | アイヌつれづれ(about Ainu)

言葉で色を表現するのは、

なかなか難しいですよね。

 

クロユリが咲き始めました。

クロいといえばクロいけど。

 

手元には花の色別に分けて収録してある花図鑑があるのですが、

ふと…。

 

そういえば黒い花ってほかにあったっけ?

黒い花っていう項目があったっけ?

などの疑問が浮かび…。

ページを開いてみたら、

「赤・ピンクや赤紫色の花」という中に収録されていました。

 

アイヌ語では、アンラコル(アン=黒、ラ=葉、コル=持つ)と言ったそうです。

目的は食用となる鱗茎(ユリ根)だったので、葉だろうが花だろうが、

そのあたりのこだわりはあまりなかったようですね。

 

それでも、ところによっては葉や花のしぼり汁を、

染料として使ったという記録も残っています。

 

実は、外見からは想像できないような香りを放っている花なんですよ。

見かけたら、近づいて鼻をクンクンしてみてください。