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「ルポ母子避難-消されゆく原発事故被害者」 吉田千亜

2016-03-02 | 読書

もうすぐ東日本大震災と福島第一原発事故から丸五年、最近は報道もすっかり減り、あたかも復興が着実に進んでいる印象。

しかしながら、子供への放射線の影響を恐れて「自主避難」した人たちの暮らしは厳しく、この語の見通しも立たないばかりか、国と元住んでいてた自治体により、あたかもあってはいけないこと、早期に解消すべき問題として処理されつつあるとのこと。

本書は何人もの個人に取材しながら、その問題点を考えていく。

自主避難とは何か。それは政府が指定した避難地域、これがとても細かく区分けされていてわかりにくいけれど、要するに避難しなくてもいいのに過度に恐れて遠くへ逃げた人、と申し訳ないけれど私も思っていた。

でも国がした線引きにはいそうですかと、素直に信じる気持ちには私もちょっとなれない。騒ぎが大きくならないよう情報を隠すのはあると思うし、怖い、逃げなければとその人が思うなら、それを止めることは酷というもの。

「子供を守りたい」という本能に突き動かされての行動だと思う。

幼い子供を連れてとりあえず避難、その慌ただしさと大変さには涙が出そうになった。そして二重生活の厳しさ、残っている夫や親族への思い、夫の浮気から離婚になったり、避難先へ毎月通っていた夫が交通事故死したりと、原発事故さえなければ避けられたことばかり。

何でこんな目に遇わなければならないのかと、私が当事者なら政府や東電を恨みまくるだろうと思った。

借り上げ住宅の家賃補助がやがて打ち切られ、次にどうするか決めなければならないという。二重生活を続けるのか、家に帰るのか、県内の別の場所に家族で住むのか、それとも福島県を脱出するのか、どれも苦難の道である。

責めて家賃補助だけは続けていただきたいもの。東京オリンピック辞退して、その費用をそちらへ回してもらいたいものです。

先日、高浜原発の再稼働、報道陣に公開して盛り上げるつもりが、早速異常電流が流れて、ダウン。車だって、長く乗ってないと調子悪くなるでしょ。原発の再稼働、止めてもらいたいものです。

 

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